令和2年11月9日 第192回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和2年11月9日(月) 13:00~16:00

場所

WEB会議
東京虎ノ門グローバルスクエアコンファレンス

出席者

委員 ※五十音順

議題

  1. 1.令和3年度介護報酬改定に向けて
  2. (感染症や災害への対応力強化、介護人材の確保・介護現場の革新、制度の安定性・持続可能性の確保)
  3. 2.その他

議事録

議事内容
○栗原企画官 それでは、定刻になりましたので、第192回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、これまで同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、ウェブ会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
 また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
 本日の委員の出席状況ですが、井口委員、大西委員、亀井委員、椎木委員、正立委員より御欠席の連絡をいただいております。
 また、井上隆委員に代わり、間利子晃一参考人に御出席いただいております。
 また、河本委員、黒岩委員、田辺委員、松田委員より、遅れて御出席されるとの御連絡をいただいております。
 以上により、本日は20名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 また、本日は、議題の関係で、社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長の川端裕之が出席しております。
 議事に入る前に、お手元の資料の確認とウェブ会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 まず、資料の確認を行います。
 本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
 まず、議事次第と委員名簿がございます。
 次に、令和3年度介護報酬改定に向けての検討の方向性の資料として、資料1「感染症や災害への対応力強化」。
 資料2「介護人材の確保・介護現場の革新」。
 資料3「制度の安定性・持続可能性の確保」を掲載しております。
 資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
 次に、ウェブ会議における発言方法等について確認させていただきます。
 御発言される場合は、通常の会議と同様に挙手をお願いいたします。画面で田中分科会長に御確認をいただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言をいただくようお願いいたします。
 挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、ウェブ会議システムのチャット機能等で会場へ御意識をいただくことも可能ですが、原則としては、挙手にて意思表示をお願いいたします。
 なお、チャット機能等で記載いただいた内容については、ウェブの画面及び配信動画においても表示されますので、御承知おきください。
 それでは、冒頭のカメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、報道の皆様には、ここで御退出いただくことになりますので、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○栗原企画官 では、以降の進行は田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 委員の皆さん、こんにちは。中3日での会合ですね。続きますが、今日もよろしくお願いいたします。
 本日は、令和3年度介護報酬改定に向けて「感染症や災害への対応力強化」「介護人材の確保・介護現場の革新」そして「制度の安定性・持続可能性の確保」について、御議論いただきます。
 いつものように事務局からまとめて資料の説明を受けた後、質疑を行うことといたします。
 事務局は、いつものように資料説明を簡潔に行うよう努力してください。
 各委員におかれましても、御発言が論点に沿って簡潔に進むよう、お願いいたします。
 早速、事務局から資料の説明をお願いします。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 それでは、資料1、2、3を用いまして、通して御説明をさせていただきます。
 資料1を御覧ください。
 「感染症や災害への対応力強化」でございます。
 1ページ目から5ページ目までが、これまでの分科会における主な御意見を取りまとめたものでございます。
 6ページ目に進ませていただきます。
 論点マル1「感染症対策の徹底」ということでございます。
 1つ四角がございます。
 今回の新型コロナウイルス感染症への対応により、感染症の発生や蔓延防止に向けた日頃からの取組の重要性が再認識される中、各サービス事業者の感染防止の取組強化や、感染対策を図りながら継続的なサービス提供を求める観点から、どのような方策が考えられるかという論点としてございます。
 7ページ目でございますけれども、安定的な、継続的なサービス提供には、介護報酬、運営基準、予算事業、その他という様々なもので支えていくべきであるということを概念図でお示しをしてございます。
 8ページ目でございます。
 現在の規定の中で、感染症について、それぞれ施設サービス、通所系、居住系サービス、訪問系について、どのような規定があるかということを比較の形でお見せしてございます。
 訪問系のところには、記載がないということも、これでお分かりいただけるかと思います。
 9ページ目でございます。
 「介護現場における感染対策の手引き等について」でございますけれども、これは、第二次補正予算で、私ども、このマニュアルを作らせていただいたものでございますけれども、10月1日に発出をさせていただいてございまして、手引、また、下にありますマニュアル、リーフレットをお示ししたところでございます。
 10ページ目でございます。
 こちらは、今般の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて、1枚で概要をまとめたものでございまして、これまでも何回かお示したものでございます。
 1つ目の1ポツの基本的な事項の1つ目の○です。
 一時的に人員基準等を満たせなくなる場合は、介護報酬の減算を行わないなどの柔軟な対応をしております。
 それぞれ、訪問、通所、そういったものについて、どのようなことをしているかを書いております。
 11ページ目でございます。
 こちらは、何枚かのスライドで、既定経費や、そして、12ページは、第一次補正、13ページ目は第二次補正でこのようなことについて、支援をさせていただいているということをお示してございます。
 14ページ目が、第二次補正の中でございますけれども、先ほど申し上げた、感染症対策マニュアルを含め、下に事業イメージありますが、相談窓口の設置であったり、あるいはマニュアルの作成、BCPの作成支援、また、メンタルヘルス支援、こういったことをメニューとして今年度事業としてやらせていただいているということをお示ししてございます。
 15ページ目、16ページ目でございますけれども、まずは15ページ目からです。
 こちらは、30日の当分科会で御説明させていただきました。
 今年度に入りまして、新型コロナウイルスの影響で、費用がどの程度影響があるかということをお聞きしたものでございますけれども、一言で申し上げますと、費用の中の物件費に関しまして、令和元年度決算では、コロナの流行がなければ100とした場合には、101、最大1%程度の上昇が見込まれるのではないかという調査結果であったということでございます。
 16枚目でございますけれども、こちらは、増加する費用としては保健衛生費や日用品費、いわゆるマスクでとか、アルコール消毒液、そして、一方で、研修研究費などは減少の傾向にあるということが出ております。
 17ページ目、こちらは、新型コロナウイルス感染症拡大防止に係る通所介護事業所への調査を行ったものでございまして、(8)の特例適用をところハイライトしてございます。
 この2区分上位特例を適用した事業所は半数、そして、また、そのうちの8割の御利用者様が活用されていたということでございました。
 18ページ目でございます。
 こちらは収入への影響、これは、国保中央会の統計表でございまして、どのぐらいの給付が行われたかということを見るものでございまして、デイサービスやデイケア、短期入所系に大きな影響があるということをお示しされているものでございます。
 19ページ目が、検討の方向性でございます。
 1つ目の四角でございますけれども、各運営基準におきまして、以下の取組を求めることを検討してはどうか。その際、一定の経過措置を設けることとしてはどうかという2つポツがございます。
 また、四角におきましては、例えば、通所介護について、通常の報酬体系において感染防止や3密回避などによる利用者の減少の状況下においても、状況に即した安定的な運用を可能とするための対応を検討してはどうかとしておるものでございます。
 20ページ目に行かせていただきます。論点の2つ目でございます。
 感染症や災害が発生した場合であっても、必要な介護サービスが継続的に提供できるようにするため、どのような対応が考えられるか。
 21ページ目は、ここは過去に臨時的な取扱い示した災害を一覧でお示ししております。
 22ページ目に進ませていただきまして、業務継続計画、どのようなものがあるかでございますけれども、過去には、こういった施設における新型インフルエンザ等発生時の業務継続ガイドラインもお示しているところでございます。
 23ページ目、こちらは一次補正による支援、そして、また、24ページ目で、二次補正による支援、特に業務継続計画で申し上げれば、これは、先ほどのスライドと同じでございますが、赤い四角で囲っておりますけれども、24ページの左下の(3)で、事業継続計画の作成支援を、今、作業を進めているところでございます。
 25ページ目は飛ばさせていただきまして、26ページ目でございます。
 緊急時等に備えた平時からの応援体制の構築ということでございまして、全国の都道府県ごとに、介護保険施設等の関係団体にコーディネーターを設置。そして、あらかじめ応援可能な職員の登録を行っていただくなど、緊急時の派遣のスキームを作っていただいているところでございます。
 28ページ目進ませていただきます。
 業務継続に向けた取組と、検討の方向性ということでございますけれども、1つ目の四角でありますが、2行目から全ての介護サービス事業所を対象に、運営基準において、業務継続に向けた計画等の策定、研修訓練の実施等を求めることを検討してはどうか。
 2つ目の○でございますが、一定の準備が必要ということでございますので、経過措置を設けることとしたらどうかとしております。
 最後の論点3でございます。
 昨今、大規模な災害の発生が見られるということでございますけれども、地域と連携しながら対応していくことが重要となると、そういったことも含めて、地域と連携した災害対策を進める観点から、どのような方策が考えられるかということにしてございます。
 30ページ目に、今、ございます非常災害対策の基準省令における位置づけでございます。
 これにつきましても、施設類型、施設サービス、通所居住系、小規模多機能、訪問系ということで、若干並んでいない部分があるというものを示すものでございまして、31ページ目に、これらの事業者につきまして、運営基準におきまして、災害訓練の実施に当たって、地域住民との連携に努めるということをしてはどうかという提案をしているものでございます。
 資料1は以上でございます。
 それでは、資料2に進ませていただきます。
 「介護人材の確保・介護現場の革新」ということでございます。
 1ページ目以降、11ページまでが、これまでの主な論点、また、12枚目には、このヒアリングの概要もおつけしてございます。
 13ページ目は、文書負担に係る軽減の御意見でございました。
 このように御意見を取りまとめさせていただいておりまして、14ページ目以降が、各論点でございます。
 それでは、14ページ目に進ませていただきまして、論点1でございます。
 介護現場におきまして、仕事と育児や介護との両立を進め、離職防止、定着促進を図る観点から、人員配置基準における対応としてどのような方策が考えられるか、このような論点としてございます。
 15ページ目は、前職の仕事を辞めた理由というようなアンケート結果を出させていただいてございます。これは過去にお示したものでございます。
 16ページ目「介護報酬における人員配置基準の考え方」。
 常勤である、あるいは専従であるということの考え方をお示してございます。
 17ページが、介護報酬の人員配置基準における育児・介護休業法等の取扱いでございまして、ポツが2つございます。
 常勤配置について、育児・介護休業法による育児の短時間勤務制度については特例がありますけれども、診療報酬と異なり、短時間勤務や休業制度等に関する特例がないということでございます。
 18枚目は、平成28年の診療報酬改定時に、そうした短時間勤務の特例を入れたときの資料、これは中医協の資料でございますが、同じものを掲載してございます。
 19枚目でございまして、検討の方向性でございます。
 先ほどのようなことを進める観点から、以下の取扱い認めることとしてはどうかということで、1つ目のポツが常勤換算方法の計算。2つ目が常勤の計算に当たり30時間の取扱い。そして3つ目のポツが常勤での配置に関しまして、臨時に置く場合には、非常勤を常勤換算で確保することを可能とすること。こういった3つのポツを認めることとしてはどうかということでございます。
 また、下の段落でございますけれども、サービス提供体制強化加算Ⅱ等につきましては、育児休業等を取得した職員がいる場合には、当該職員についても、常勤職員の割合に含めることを可能としてはどうかと御提案するものでございます。
 続きまして、論点マル2です。
 20ページ目でございまして、介護職員処遇改善加算、Ⅳ及びVにつきまして、前回改定の審議報告を踏まえ、どのように考えるかというものでございます。
 その下に破線で引用をさせていただいております。
 4.(3)マル5のところに、このIVとVにつきましては、要件の一部を満たさない事業者に対して、減算された単位数での加算の取組を認める区分であることなどがございまして、こういったことにつきまして、どのような扱いをするかでございます。
 また「その間」とございますけれども、より上位の区分の取得について、積極的な働きかけを行うということがまとめられておりました。
 21ページ目であります。
 処遇改善加算IからVのうちⅣとVを算定している事業所は、それぞれ0.2%、0.3%というようなことをお示してございます。
 また、22ページ目には、より上位の区分の処遇改善加算を算定していただくことができるよう、その取得促進をしてきているということを、予算事業でやってきているということをお示してございます。
 23ページに、こちらは、伊藤委員の御指摘もございまして、お示させていただくものでございますけれども、介護職員処遇改善加算取得支援事業の取組でございます。
 2つ表がございます。
 上が、個別訪問を実施結果、全体でございます。
 見方は、専門家、社労士さん等ですけれども、専門家による個別訪問を実施した事業所数がございまして、それが30年度、令和元年度と書かせていただいてございます。
 その下に、個別訪問実施結果のところがございます。これは、特に加算のⅣとVを取得、また、取っていないという事業所に対しての訪問の結果でございます。
 このⅣとV、そして未取得、いわゆる処遇改善加算で申し上げますと、ⅣとVと、それを取っていないところというところでございますが、専門家による個別訪問実施事業所数、それぞれ30年度、それから令和元年を足しますと、延べで1,551件、そのうち、下にⅢ以上を取得したというところが、それぞれここの表にあるような数になっているところでございます。
 24枚目でございますが、これは、先ほど申し上げました介護職員処遇改善加算の請求状況でございます。
 そして、25ページ目でありますけれども、この算定に当たりまして、人事評価や研修にかかる取組を充実、実施した法人が、それなりにあるということをお示しするものでございます。
 26ページ目であります。
 検討の方向性ということでございまして、ⅣとVにつきましては、上位区分の算定は進んでいることを踏まえて、一定の経過措置期間を設けた上で廃止することとしたらどうかという提案をしてございます。
 27ページ目、論点3でございます。
 この介護職員処遇改善加算及び特定処遇改善加算の算定要件の1つであります、職場環境等要件について、事業所における職場環境の改善の取組に、より実効性が高いものとする観点から、どのような改善を考えられるかというものでございます。
 28ページに、前回の審議報告がございまして、その中でも、上の四角の中に下線を引かせていただいておりますけれども、この職場環境等要件に関し、実効性のあるものとなるよう検討することが適当とされたところでございます。
 29ページ目に進ませていただきまして、この職場環境等要件につきまして、一覧をお示しすることです。
 加算I及び加算Ⅱは、27年4月以降、加算Ⅲ及びⅣは、平成20年10月以降に実施した取組について、当該年度の取組として認めるという扱いであるところでございます。
 30ページ目は、こちらは介護職員が前職を離職した理由、介護福祉士が前職を離職した理由ということで、そのアンケート結果を掲載してございます。
 31ページ目でございます。
 これは、元年度の老健事業でございますけれども、勤務継続に当たりまして、有効と考える職場環境等要件の取組として、研修の受講支援ですとか、ミーティングによるコミュニケーションの円滑化、また、勤務継続に当たり重要と思うこととしては、仕事のやりがい、能力や業務内容を反映した給与体系などが挙げられております。
 32ページ目に進ませていただきまして、これも老健事業のアンケートでございますけれども、仕事のやりがい醸成のために、取組のうち効果を感じるものとしては、職員によるケアの工夫等を職場で共有しているような取組などが挙げられているところでございます。
 33ページに進ませていただきまして、1つ目の四角でございます。
 職場環境等要件に関しましては、過去に行った取組ではなく、当該年度における取組の実施を求めることとしてはどうか。
 2つ目の四角でございますが、介護の現場において、より長く働き続ける環境整備を進める観点ということで、1つ目のポツには、若手職員の採用や定着支援に向けた取組、以下4つのポツを並べさせていただいております。
 これなどが、より促進されるように見直しを検討してはどうかと御提案するものでございます。
 34ページに行かせていただきます。
 論点のマル4、介護人材確保のための取組をより一層進めるということでございますけれども、昨年10月から経験技能のある職員に重点化を図った特定処遇改善加算が入れられたところでございます。で、
 2つポツがございます。これは、算定事業所におきましては、賃金引上げが見られる一方で、算定率は現在でも6割5分程度にとどまっていること。
 それから、算定していない事業所では、その理由として、事務作業が煩雑である、あるいは賃金バランスが取れないということを理由として挙げているということでございます。
 こういったことから2つ目のポツですが、趣旨は踏まえつつ、取得促進を図るとともに、より事業所が活用しやすい仕組みとする観点から、どのような対応が考えられるかとするものでございます。
 35ページは、いつも用いております、今回の特定処遇改善加算のイメージでございます。
 右側の下にありますように、2対1、0.5という、そういったイメージもつけさせていただいてございます。
 36ページ目が、その算定要件でございまして、介護職員処遇改善加算のIからいずれかを算定している。そして、また、職場の環境等要件に関しまして複数の取組を行っている。そして見える化を行っている。こういった要件がございます。
 37ページは、これまでの処遇改善加算のうち、IからVのうち、IからⅢを取得しているところが、この特定処遇改善加算を算定できることをイメージとしてお示しするものです。
 38ページ目に、取得状況でございます。6割5分の事業所が算定をしている。
 表の中で御覧いただきますと、例えば、介護老人福祉施設や介護老人保健施設などでは、取得割合は、それなりに高いということでございますけれども、一方で、例えば、訪問介護ですと、53%というところになっているところでございます。
 次に39ページ目、こちらは30日の分科会で御報告させていただいたものでございますけれども、この特定処遇改善加算を算定している事業所で、介護職員全体では1万8000円余です。それから、経験10年以上の介護福祉士の方々の改善に関しましては2万円以上となっていることをお示しするものでございます。
 次でございますが、40ページにまいりまして、この加算に関しましても、これは審議報告の抜粋、そして、下線を引いておりますが、なお、経験・技能のある介護職員が多い事業所や職場環境が良い事業所をより精緻に把握する観点から、その方法について、今後検討することが必要であるということでございまして、こういうことも受けまして、老健事業などでアンケートを行ったところでございます。
 41ページ目が、その検討の方向でございまして、見直しを行ってはどうかということで、具体的には、2つ目の四角がございます。
 平均の賃金改善額がマル1、マル2、マル3とございますが、経験・技能のある職員が2倍以上ということ。それから、その他の職員が2分の1を上回らないこととする分類がございますけれども、1つ目のポツは、経験・技能のある介護職員は、その他の介護職の2倍以上にすることからより高くすることとし、マル2は、その他の職種は、その他の介護職の2分の1を上回らないことから、より低くすることとしてはどうかと提案をするものでございます。
 また、その下の四角でございますけれども、経験・技能のある介護職員が多い事業所、職場環境が良い事業所をより精緻に把握する観点から、今後検討することが必要との指摘があることを踏まえて、どのように考えるかという方向を立てさせていただいてございます。
 42ページ目にまいります。論点マル5です。
 サービス提供体制強化加算につきまして、質の向上、キャリアアップを一層促進する観点から、どのような対応を考えるかというものでございます。
 43ページ目、サービス提供体制強化加算の考え方と見直しの経緯でございまして、平成21年からの経緯を書かせていただいているところでございます。
 44ページ目は、その一覧でございまして、それぞれ導入されているサービス、そしてまた要件を一覧にしてございます。
 45ページ目には、算定率がございます。
 全体としては62.5%、表の一番右下でございますけれども、62.5%の事業所が算定をしておると。
 ただ一方で、その上のサービスごとを見ていただきますと、高い、低いというのはあるところでございます。
 46ページも割愛させていただきます。
 次に47ページ目でございますけれども、介護職員の中で介護福祉士さんの割合というのは、平成18年度と比べて2割から3割高くなっているということを、これはサービス類型ごとにお示しをしているものでございます。
 また、48ページ目であります。
 介護職員のうち介護福祉士が占める割合ということでございますけれども、平均で、老健で67.2%、特養で61%などと出ておりますが、これもサービスによりまして、若干、高い、低いというのはあるところでございます。
 49ページ目でございます。
 こちらは、介護職員さん等の平均勤続年数ということでございますけれども、こちらは、平成19年度は3.1年ということですけれども、平成30年度6.7ということで伸びてきているということでございます。
 50ページ目に進ませていただきます。
 このサービス提供体制強化加算、それから、この前のチャプターで御説明申し上げました介護職員処遇改善加算でございますけれども、例えば研修の機会確保ですとか、そういったものが若干重複しているところもあるというものを示すものでございます。
 51ページ目、52ページ目でありますけれども、こちらは介護の質評価は、別途データベースの整備などが進んでいるということをお示しするものでございます。
 53ページ目です。
 検討の方向といたしましては、1つ目の四角は、これまでパワポでお示ししたものをかいつまんで書いてございます。
 ということで、より介護福祉士さんの割合が高い事業所や、職員の勤続年数の長い事業所を高く評価する見直しを検討したらどうか。
 2つ目の四角でございます。
 その際、サービス提供体制強化加算が、質の高い介護サービスの提供を目指すものであることを踏まえ、施設サービスや入所系では、この質の向上につながる取組の実施、ここにICT以下、幾つか要件を書かせていただいております。
 ICT介護助手、CHASEへの参加、多床室でのポータブルトイレの不使用などを算定に当たっての要件とすることを検討としてはどうかということでございます。
 3つ目のポツですが、訪問入浴介護や夜間対応型訪問介護におきまして、他のサービスを同様、勤続年数の要件を新たに設けることを検討したらどうか。
 最後の四角でございますけれども、これは現場負担の軽減、加算の活用を図るという観点から、要件はできるだけ簡素なものとするために、算定率の高い処遇改善加算で求められる項目と同趣旨の要件については、廃止、そして、整合を図ってはどうかというものでございます。
 次に進ませていただきます。論点マル6、54ページ目でございます。
 介護事業者の適切な就業環境維持、ハラスメント対策につきまして、これまで予算上の対応を進めてまいりましたけれども、その対応を強化する観点から、どのような方策が考えられるかということでございます。
 55ページ目、こちらは平成30年度の事業で、介護事業者さん向けのマニュアルを作成したということを書かせていただいてございます。
 56ページ目でありますけれども、そうしたマニュアルを踏まえて、研修を実施する際の支援材料を作成したということでございます。
 管理者向けの手引、職員向けの研修のための手引を作成いたしましたということでございまして、また、57ページは、地域医療介護総合確保基金で、それを支援しているということを示すもの。
 そして、58ページ目、こちらは事業主の責務というのを整理させていただいてございますけれども、下に表がございます。そして、右側に矢印で時系列を書かせていただいてございますけれども、主に職場関係者からのハラスメント、また、職場関係者以外のサービス利用者等からのハラスメント、それぞれ、このような責務が規定されておりますということを一覧でお示しするものでございます。
 59ページ目には、今年の5月に成立いたしました社福等の一部を改正する法律案に対する附帯決議ということで、それぞれ衆議院、参議院で、このようなことが附帯決議として決議されていることをお示しするものでございます。
 60ページに進ませていただきまして、検討の方向性といたしまして、事業所等におきまして、適切な就業環境維持、ハラスメント対策を求めることについて、運営基準等において規定することとしてはどうかとするものでございます。
 61ページ、論点マル7でございます。
 介護ロボット、ICT等のテクノロジーの活用により、介護サービスの質の向上、そして業務効率化を推進していくという観点から、前回改定で導入されました、見守り機器を導入した場合の夜勤職員配置加算や、夜間における人員配置について、見守りセンサーとインカム等のICT機器と併用などによる効果実証の結果等を踏まえて、どのような対応が考えられるかというものでございます。
 62ページ目、これは前回改定で導入しましたものでございまして、この夜勤の加算の配置に関しまして、センサー等の幾つかの基準を満たせば、それを1名ではなくても0.9名分ということで、若干緩和したというものをお示しするものでございます。
 63ページ目、こちらは見守りセンサーの導入割合別に見た夜間業務時間の変化ということでございまして、業務時間が若干減っているということをお示しできるものでございます。
 また、64ページ目でございますけれども、こちらは、見守りセンサーを介護施設の利用者全員に導入して、そして、インカムやスマホ等のICTを活用する場合は、1人当たりの業務時間が25.7%減少している。また、職員のお一人当たりで対応可能の利用者さんの数も増えているということをお示しできるものでございます。
 65ページ目、こちらは夜間における見守りセンサーの導入割合と、直接介護・巡視時間の相関についてということでございます。
 見ますと、上の四角でございますけれども、導入割合0%の業務時間をコントロールとした場合には、10%を導入すると6.7%、30%では17.5%減少、導入割合が半分までいきますと24.6%、完全に入れていただきますと26%程度減少するという結果をお示しさせていただいているものでございます。
 66ページ目に進ませていただきます。
 見守りセンサーの導入による夜勤職員への影響ということでございますけれども、事後、導入した後のほうが、ストレスが弱いという方の割合が増加していると。
 67ページ目でございますけれども、見守りセンサー導入による夜間の業務内容の変化ということでございますけれども、アンケートの結果で、訪室しなくても利用者の状況が分かる、利用者の行動パターンの把握ができる等の効果等が見られたということでございます。
 68ページ目でございますけれども、こちらは見守りセンサー導入前後で、これは利用者さんの認知機能等の変化を見ると、大きな変化はなかったということ。
 69ページ目進ませていただきまして、夜間における見守りセンサーの導入による利用者への影響ということで、睡眠の質に関しましても、少なくとも維持はされているのではないかと、お示しできるのではないかと思ってございます。
 70ページ目が、取組の事例ということ。
 71ページ目が、夜間における見守りセンサー導入の実証結果のまとめということでございます。
 72ページ目でございます。検討の方向をお示しするものとしております。
 実証結果を踏まえまして、見守り機器を導入した場合の夜勤職員配置加算につきまして、見守りセンサーの入所者に占める導入は要件を緩和する。現行15を10%するとともに、全ての入所者について見守りセンサーを導入した場合の新たな要件区分を設けることを検討してはどうか、イメージをその表でおつけしてございます。
 15%を10にした上で、0.9を維持する。そして、また新規要件で100%とした場合に0.5人とできないか、そして、その他の要件としてインカム等のICTを使用していることなどを要件としてはどうかとお示しをしております。
 73ページ目でございます。
 その続きでございますけれども、加えて、介護老人福祉施設従来型における夜勤の人員配置基準について、今般の実証結果を踏まえ、見守りセンサー、インカム等のICTを活用する場合には緩和することを検討してはどうかということでございます。
 続きまして、論点のマル8、74ページ目でございます。
 テクノロジーの活用によりまして、サービスの質の向上や職員の職場定着に取り組む介護事業所に対する報酬上の評価をどう考えるかというものでございます。
 75ページ目でございます。
 テクノロジー機器の効果的な活用に係る業務変化、これはイメージでございますけれども、テクノロジーはどういう場面に使えるかでありますが、現状の把握、マル2が課題分析、マル3解決策の検討を経て、マル4オペレーションの変更を含めた課題の解決に資するテクノロジー機器、このように場面を分けながら、テクノロジー機器というのを活用できるのではないかというものを、イメージでお示ししているものでございます。
 76ページ目には、この活用におきまして、ケース1、ケース2ということで、導入したところで、今まで以上に適切なケアが実現していることを示せるものでございます。
 77ページ目でございます。
 昼間における見守りセンサー等の介護ロボットやICTを導入した業務内の変化ということでございますけれども、○がございます。四角の中でございますが、テクノロジーを日常的に活用している施設と、導入していないというところに直接介護業務時間を比較いたしますと、日常的にテクノロジーを活用しているところでは、直接介護に割ける時間が長くなるということをお示しするものです。
 78ページ目に行かせていただきまして、昼間における見守りセンサー等の介護ロボットやICTを導入した業務内容の変化というものでございます。
 先ほどの比較、使っているところと、導入していないところでありますけれども、記録文書作成、連絡調整との時間を比較すると、日常的にテクノロジーを活用している施設のほうが約5%ほど小さかったということがお示しできているかと思います。
 79ページ目、これは昼間における見守りセンサー等の介護ロボットやICT導入によるケアの方法の変化ということでございます。ここにございますようなアンケート結果でございました。
 80ページ目は、感染症対策にも考えられる効果があるのではないかということでございます。
 81ページ目ですが、これは労働安全衛生管理体制に係る、現在の規制がどうなっているかということをお示しをしているものでございまして、第1号業種、第2号業者、第3号業種とございますけれども、その右側、ここでは、介護、社会福祉施設に関係するもので整理をしておりまして、例えば、その中に赤字で、下のほうに赤字でハイライトした上で、下線を引かせていただいておりますけれども、危険防止や健康障害防止という基本的対策は取るべきものとされているところでございます。
 82ページ目でございますが、この介護現場における腰痛の予防に資する取組の好事例として、ここに表形式でお示しをしてございます。
 また、ノーリフティングケアに関しては、自治体、団体で研修プログラムなどが導入されてございまして、83ページにその一覧を示してございます。
 84ページ目は、その続きでございます。
 85ページ目が、昼間における見守りセンサー等の介護ロボットやICT導入の実証結果のまとめをお示ししてございまして、直接介護業務への効果ですとか、腰痛予防に資する取組などが、ここに書かれてあるようなことがまとめられるだろうということでございました。
 86ページ目に進ませていただきまして、この論点につきまして、検討の方向性でございます。
 1つ目のポツは、もう御紹介申し上げたとおりで、2つ目のポツですが、こうした方針も踏まえ、テクノロジー活用等により業務効率化を図るとともに、サービスの質の向上に取り組む事業所を、既存の加算の仕組みを活用しながら評価することを検討したらどうか。
 また、3つ目の四角ですが、また、職員の業務負担軽減、職場定着を図る観点から、腰痛予防に資する取組として、いわゆるノーリフティングケアの取組が進められていることも踏まえ、こうした腰痛予防に資する取組を進める事業所を、既存の加算の仕組みを活用しながら評価することを検討してはどうかとしているものでございます。
 続きまして、論点マル9、87ページでございます。
 令和2年の地方分権改革に関する提案募集におきまして、介護老人福祉施設、そして介護老人保健施設について、ICT等の活用による人員基準の緩和が提案されておりますが、どう考えるかというものでございます。
 提案が88ページ、89ページにございます。
 90ページ目でございますけれども、これは、介護老人福祉施設における人員体制の状況でございます。
 1つ目の四角にありますとおりで、これは現状でございますけれども、国は3対1ということでございますけれども、全国的な平均で入所者2人に対して職員1人の配置、いわゆる2対1の配置となっていることが現状だろうということでございます。
 次の○は、先進機器あるいはICTセンサーロボットの導入によりまして、サービス水準の維持向上を図りつつ、効率的な運営を行う先進事例も存在しているとお示ししてございます。その表の下のほうでございます。
 91ページ目でございますけれども、こちらは、介護老人福祉施設、そして介護老人保健施設の休廃止等の状況でございます。
 1つ目の○にありますように、休廃止の状況につきまして、看護・介護職員の人員配置基準3対1を満たさなくなった、または見込まれたために、休廃止・定員規模の縮小を行った施設でございますけれども、非常に限定的だと言える結果だと思ってございます。
 92ページ目でございます。
 地方分権提案による、こちらの検討事項につきましての検討の方向性でございますけれども、ポツが3つございます。全国的に人員基準よりも手厚めに人員配置されていること。
 2つ目のポツでございますが、ICTを活用する施設でも3対1に至っていない。
 次のポツですが、人員基準を満たさなくなった等で、休廃止等を行った施設は限定的である。
 現状を踏まえ、どう考えるかとしてございます。
 続きまして93ページ、論点マル10でございます。
 感染防止や多職種連携の促進の観点から、運営基準や各種加算に開催が求められている介護等につきまして、特例的な対応を踏まえつつ、ICTの活用についてどのように考えるかとしてございます。
 94ページ目でございますけれども、これは閣議決定ものでございますけれども、こういったものを活用していきましょうということを言われていること。
 また、95ページ目は、今般の新型コロナウイルス感染症に係る臨時的な取扱いを抜粋してお示ししてございます。
 96ページ目が、運営基準等におきまして求められている各種会議を示しておりまして、それから各加算等における各種会議の要件ということで97ページ、98ページ目に、それぞれの加算、そしてまた会議の趣旨、内容等につきましてお示ししております。
 また、99ページ目でございますが、これは介護報酬における居宅への訪問等要件になっているものをお示しているものでございます。
 例えば、モニタリングなど、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接するなどが決められているところでございます。
 また、その下は、加算で居宅への訪問等が要件となっている加算の一覧でございます。
 100ページ目でありますが、会議に当たってのICTの活用と情報セキュリティーということですが、100ページ目のスライドの上でございますけれども、医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスなどが出ているところでございます。
 101ページ目に検討の方向でございますが、各種会議等につきましては、対面での実施だけではなく、原則ICTの活用による開催を可能とすることとし、実施に当たっては、先ほど申し上げたガイダンスやガイドライン等を参考しながら、テレビ電話等を活用することを認めることを検討してはどうか。
 具体的には、要件で求められるもののうち、医療・介護の関係者間で実施するものにつきましては、ICTの活用による開催等を可能としたらどうか。
 利用者等が参加するものについては、利用者や家族の同様を得た場合に可能としたらどうか。
 下の四角ですが、あわせて、居宅への訪問を要件としているものについては、居宅への訪問の重要性を十分に考慮した上で、引き続き、その活用について検討することとしてはどうかとしてございます。
 次に進ませていただきます。102ページです。論点マル11。
 介護分野における文書量の負担軽減を図る観点から、各種閣議決定等を踏まえまして、以下の点について、どのように考えるか。
 マル1からマル4までございます。
 まず、1つ目の○でございますが、ケアプラン、重要事項説明書等における説明同意に当たりまして、署名・押印が求められるものがあるということでございますが、一方で、骨太の方針におきましては、その脱却が掲げられていることを踏まえた対応。
 2つ目の○でございますけれども、運営規程や重要事項説明書に記載する従業員の員数につきまして、負担軽減、いわゆるローカルルールの解消を図る観点からの対応。
 3つ目の○でございますけれども、各種文書の保存期限でございます。期間につきまして、電磁的記録による保存が可能な文書及びサービス提供で記録の保存に係る定義を明確化し、周知を徹底することとされたことを踏まえた対応。
 4つ目の○は、運営規程等の重要事項について、事業者は必ず掲示するということが求められていることを踏まえた対応でございます。
 各種決定を103ページから105ページまで、お示しをさせていただいてございますし、106ページ目でありますが、こちらは、説明・同意の扱いということで、重要事項説明ということで、各サービスごとに規定が、このように設けられていることを示してございます。
 107ページ目は、それぞれの取扱いにつきまして、各サービス計画等が、このように各サービスごとに定められていることを示しております。
 108ページ目でありますけれども、こちらは説明・同意の取扱いということでございまして、文章が並んでおりますが、下の文書の成立の真正を証明する手段を確保するために、どのようなものが考えられるかということでございまして、そこに赤い四角で囲っておるような、そういったものが基本例としてお示しをさせていただいてございます。
 次に109ページ目でありますけれども、これは員数の取扱いに関する関連規定の抜粋でございます。
 こういうことを員数として定めていかなければならないというものでございますけれども、110ページ目に行きまして、従業員数の扱いにつきまして、110ページ目の上の四角にありますように、平成11年及び27年の課長会議資料におきまして、員数の変更があった場合の届出は、年1回で足りるという旨をお示ししているところでございます。
 111ページ目でございます。
 記録の保存方法と各種記録の保存期間ということでございまして、それぞれ、この表にありますような期間が示されてございます。
 例えば、介護報酬の請求ですと2年とか、あるいは、介護予防・日常生活総合支援事業の請求ですと5年、こういった規定がございます。
 まず、左側は運営基準で、これはサービスが完了した日から2年間保存しなければならないということが書かれております。
 その一覧が112ページでございまして、113ページ目が次の議題でございます、重要事項等の掲示ということでございます。
 基準省令におきまして、運営規程の概要、勤務の体制等の重要事項は、事業所(施設)の見やすいところに掲示しなければならないと規定されているものでございます。
 114ページに、検討の方向を示してございます。
 マル1からマル4の方向で検討してはどうかということでございます。
 マル1でございますけれども、この署名や押印につきましては、取扱いを参考に署名や押印を求めないことが可能であること、その場合の代替手段を示すこととするとともに、様式例からも削除してはどうかと。
 そしてマル2でございます。員数につきましては、変更の届出は年1回で足りることなどを明確化してはどうか。
 マル3でございますけれども、保存方法につきましては、個人情報を適切に取り扱った上でということでございますけれども、電磁的な記録を認め、そして、また保存期間は、他の制度取扱いも参考としつつ、明確化を図っていきたい。
 マル4でございますが、重要事項の掲示でありますが、事業所の掲示だけでなく、閲覧可能な形で、ファイル等で備え置くことを可能としてはどうかと御提案するものでございます。
 資料2は、以上でございます。
 それでは、続きまして、最後の資料3につきまして御説明させていただきます。
 「制度の安定性・持続可能性の確保」ということでございます。
 これまでの御意見を、1ページ目から3ページまで、お示しをさせていただいております。
 4ページ目に、区分支給限度基準額の計算方法として論点を示してございます。
 まずは経緯からでございますが、1つ目の四角です。前回改定におきましては、訪問系サービスにつきまして、同一建物等居住者に係る減算の適用を受ける者と、当該減算の適用を受けない者との公平性の観点から、当該減算について、区分支給限度基準額の対象外に位置づけることとし、当該減算の適用を受ける者の区分支給限度基準額を計算する際には、減算前の単位数を用いることとされたところでございます。
 こういった減算でございますが、通所系サービスや小規模多機能、看護多機能におきましても、事業所と同一建物に居住する者や、同一建物からサービスを利用する場合に、報酬を一定程度減算等する仕組みが存在しております。
 次の四角でございますけれども、これらのサービスにおきましては、区分支給限度基準額にかかる費用の算定に際して、減算等の後の単位数により判定されるということでございまして、同じような取扱い、減算が適用される者、されない者で、される者がより多くの介護サービスが利用できるとなってございます。
 また、次の四角でございますけれども、通所介護、通所リハビリテーションにつきましては、大規模型については、基本型よりも低い単位数が設定されてございます。
 そうしますと、区分支給限度基準額にかかる費用の算定に際して、それぞれの単位数に基づき減算されるので、大規模型を利用される方のほうが多く介護サービスを利用できるという状況となってございます。
 こうした通所系サービス等における集合住宅に係る減算、通所介護及び通所リハビリテーションの規模別報酬と区分支給限度基準額との関係についてどのように考えるかという議論とさせていただいてございます。
 5ページ目は、前回改定で、訪問系サービスに入れたものの概念図でございます。
 6ページ目でありますけれども、これを集合住宅でサービス提供する場合や、規模別の報酬が設定されているものを一覧にしてございまして、それと区分支給限度基準額との関係を示しているものでございます。
 7ページ目でございます。
 検討の方向。通所系サービス、小規模多機能、それから看多機における同一建物減算等の適用を受ける者と、適用を受けない者との公平性の観点から、当該減算等の適用を受ける者の区分支給限度基準額の管理については、減算等の適用前の単位数を用いることを検討してはどうか。
 次の四角ですが、同様に、通所介護及び通所リハビリテーションにおける大規模型の報酬が適用される事業所を利用する者限度基準額の管理につきましては、通常規模型のサービスを利用する者と大規模型のサービスを利用者との公平性の観点から、通常規模型の単位数を用いることを検討してはどうかというのをお示ししてございます。
 次進ませていただきます。論点マル2、8ページ目でございます。
 前回改定におきまして、生活援助中心型の訪問介護につきましては、いわゆる2SDの取扱いで、それをケアプランに位置づけるという場合には、ポツが3つありますが、ケアマネジャーが市町村へ届出をし、そして市町村は、地域ケア会議を開催するところ等により検討を行う。
 そして3つ目のポツですが、その回数に限らず、内容について再検討を促すということで、必要に応じて検討を促すということでございます。
 次の四角でございますけれども、これは1行目、2行目にあるような指摘がある一方で、利用者の自立支援・重度化防止に資する、よりよいサービスを提供するために、ケアマネジャーの視点だけではなくて、多職種協働による検証を行うということでございまして、一定回数の生活援助中心型サービスということだけをもってサービスの利用制限を行うものではないということをお示ししてございます。考え方も示してございます。
 この仕組みについて、一定数のケアプランの再考が促されたという実態もある一方で、生活援助が身体介護に振り替えられているのではないか。
 要介護度別に一律の基準(回数)を当てはめることが適切かとの指摘もある中で、より良いサービスを提供するという観点から、ケアマネジャーや市町村の事務負担も考慮しつつ、どのような対応が考えられるかというような論点とさせていただいてございます。
 9ページ目、これは11月2日に行われました、財政制度等審議会の分科会の資料でございます。
 上に四角がございます。
 1つ目の○、2つ目の○、今申し上げたようなことも指摘されているところでございまして、3つ目の○でございますけれども、身体介護も含めた訪問介護全体の回数で届出を義務づけるなど、制度の改善を図るべき。着実な点検を促して必要と、黒字で太くなっているところでございます。
 10ページ目でございますけれども、こちらは、訪問介護、訪問回数の多い利用者への対応ということでございます。
 このようなことを、平成30年10月1日から施行されてございますけれども、これらの取扱いが適切であるということをお示ししております。
 11ページ目でございますけれども、これは各種規定でございます。
 12ページ目、多職種による自立に向けたケアプランに係る議論の手引というものでございます。
 1つ目の四角にありますように、多職種に向けたケアプランに係る議論の手引についてということで「今回の見直しは」と下線を引かせていただいてございます。
 下線を引いた部分を中心に御説明しますが、利用者の自立支援・重度化防止にとって、より良いサービスを提供することを目的とするものであるということでございまして、必要に応じたケアプランの見直し、再検討を促すものということで、生活援助中心型サービスが一定回数以上となったことをもって、サービスの利用制限を行うものではないということでございます。
 それから、丁寧かつ十分に説明をする必要があるということも書かせていただいているところでございます。
 13ページは、このケアプランに係る議論手引、抜粋マル1、また、14ページで抜粋マル2ということで、こちらは、地域ケア個別会議等を活用したケアマネジメント支援のためにということで考え方を示しているものでございます。
 15ページ目でございますけれども、こちらは、生活援助の訪問回数が多い利用者のケアプランの件数でございますけれども、調査におきましては、上に四角がございますが、30年10月から令和元年9月の間に、市町村へ届出のあった訪問回数の多いケアプランのうち、地域ケア会議等で検討を行った件数が1,442件、全体では4分の1程度、また、実際にケアプランの変更が行われた件数が13.5%という結果が出ているところでございます。
 16ページ目は、生活援助の訪問回数が多い利用者のケアプランの検証の目的に即した検討事例等の調査結果でございます。
 それから、問題点や懸念が17ページにお示しをされているところでございます。
 また、18ページ目、検証調査の結果でございますけれども、1つ目の○でございますが、毎月届けることは適切ではないと回答したケアマネ事業所が、7割強あったということでございます。
 その頻度は6か月に1回というのは最多だった等の結果がお示しされております。
 19ページ目検討の方向でございますけれども、今申し上げたような結果、あるいはその現状を踏まえまして、1つ目の○です。
 ケアマネジャーや市町村の事務負担にも配慮して、届出のあったケアプランの検証の仕方、届出頻度について運用面の見直しを検討してはどうか。
 2つ目の○。その上で、より良いサービスを提供するという観点から、利用者の意向や状態像に合った訪問介護の提供につなげることができるケアプラン作成のためには、どのような対応が考えられるかという方向性でございます。
 次に20ページ、論点マル3でございます。
 一部のサービスつき高齢者向け住宅等におきまして、家賃等を不当に下げて入居者を集め、その収入の不足分について、入居者に過剰な介護保険サービスを提供している場合があるとの指摘があることも踏まえ、どのような対応が考えられるかというものでございます。
 21ページに、こちらも令和2年11月2日の財政制度審議会の分科会で出された資料でございます。
 1つ目、2つ目のところに、現状分析がございまして、3つ目に、こちらはサ高住等の高齢者向け住まいに居住する者の在宅サービスについて、一般在宅や外部サービス利用型特定施設のバランスを考慮し、利用限度額や算定できる回数の上限を設定すべきとされているところでございます。
 22ページ、これは一方でということでございますけれども、サ高住の入居者でございますけれども、お一人で入られている方が多いという現状を踏まえて、在宅で独居の方のサービス利用状況と比べますと、大きな差異は見受けられないということをお示しするものでございます。
 また、23ページ目でありますけれども、これは自治体におけるサ高住等に対する指導を強化していくということも事業として組んでいるということ。
 また、24ページ目が、定期巡回・随時対応型訪問介護看護における対応ということでございまして、当該建物に居住する利用者以外の者についても提供を行うなければならないというような運営基準もあるところでございます。
 25ページ目に検討の方向でございます。
 サービスつき高齢者向け住宅等の入居者に過剰な介護保険サービスを提供することを防ぐため、サ高住に併設する介護サービス事業所の指定の際の条件付加などを通じて、指導監督権限を持つ自治体によるさらなる指導の徹底を図ることを検討したらどうかとしてございます。
 26枚目でございます。論点マル4。
 福祉用具の貸与種目につきまして、販売種目に移行すべきと指摘されていますが、どのように考えるかということでございます。
 27枚目でございます。
 こちらは、令和3年度の介護報酬改定、各論の中の1つの資料でございますけれども、1つ目の〇でございますけれども、福祉用具貸与につきましては、貸与に係る給付費に加えて、毎月のケアプラン作成の給付費がかかるということで、購入する場合に比して、多額の費用を要していることが指摘されているところでございまして、これが販売種目に移行してはどうかと4つ目の○でございますが、そのようにお示しされた資料でございます。
 28枚目でございます。
 これは、現行の介護保険における福祉用具貸与の考え方でございますけれども「介護保険の福祉用具は」とございますが、要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具及び機能訓練のための用具であって、その居宅において自立した日常生活といった営むことができるよう助けるものについて保険給付の対象としていると。
 適時・適切な用具を利用できるよう、貸与が原則とされているというものでございます。
 29ページ目には、その貸与・販売の流れということでございます。
 貸与の場合は、いわゆるモニタリングが義務づけされておりますが、一方で、福祉用具販売に関しましては、モニタリング等は義務づけがされていないというところでございます。
 30ページ目、モニタリング・メンテナンスにおきまして、このようなことやっているということを、例としてお示しをしてございます。
 31ページ目が、モニタリングの頻度をお示しするもの。
 例えば、車椅子、特殊寝台、こういったものから並んでございます。
 32ページが、メンテナンスの頻度ということでございます。
 33ページ目でございますけれども、こちらは、福祉用具貸与の心身の状態に応じた活用ということでございますけれども、やはり、こちらはADLの改善とか、QOL向上に対して、福祉用具貸与が非常に効果があるということを示してございます。
 また、34ページ目ですが、福祉用具の使用に当たりましては、ヒヤリハットの事例はあるということでございます。
 35ページ目、福祉具貸与に関しまして、利用者の満足度は、おおむね高いということでございます。
 これは、調査の結果でございます。
 36ページ目でありますが、福祉用具貸与から販売に移行する際の影響ということでございますけれども、福祉用具、例えば、歩行補助つえの貸与期間が平均で6か月未満というのが4割と、1年未満が約6割と短期間の利用が多いこと、これは、利用者の個々の状態に応じた適時・適切な利用がされていると、本来の趣旨に沿った使い方ですということをお示ししてございます。
 また、貸与から販売にした場合は、適時・適切な福祉用具の変更は困難になるという懸念もあるのではないかとお示しするものでございます。
 37ページ目に、論点マル4の方向性でございますけれども、貸与を原則とする制度本来の趣旨を踏まえつつ、貸与の在り方について検討したらどうかとお示しをしてございます。
 それでは、最後の論点でございますけれども38ページ、論点マル5でございます。
 利用者への分かりやすさや介護サービス事業所等における負担の軽減を進めるためには、報酬体系の簡素化が重要ということでございますが、過去の資料でもお示ししたように、その加算の数は非常に増えてきていると、加算の役割を踏まえつつ、簡素化を進める観点からどのような対応が考えられるかということでございまして、39ページ目は、こちらは平成12年、令和2年、現行で加算の種類がどのぐらい増えているか、それに伴いまして、サービスコードも、この程度増えているということを示してございます。
 また、40ページ目は、各種加算算定状況でございまして、40ページは8割以上のもの、そして41ページ目は、算定実績がないもの、あるいは年間の算定率1%未満のものというものを示しております。
 こうした現状を踏まえまして、42ページ目に検討の方向の案を示しております。
 1つ目の比較でございますけれども、こちら現状を踏まえまして、加算の廃止や基本報酬への組込み、報酬の包括報酬化などの報酬体系の簡素化につながる対応を検討してはどうか。
 新たな加算の創設に当たっては、介護サービスの充実の観点に加えて、報酬体系の簡素化の視点も踏まえて検討を行ってはどうかとするものでございます。
 以降、参考資料でございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
○田中分科会長 説明ありがとうございました。
 では今から、皆様から、ただいま説明を伺った事項についての御意見、御質問を伺います。2時半ごろ、休憩を1回取る予定でございます。
 どなたからでも、どうぞ。
 鎌田委員、どうぞ。それから、石田委員、伊藤委員の順にお願いします。
○鎌田委員 ありがとうございます。
 まず、感染症や災害への対応力の強化のところの資料1のところについての意見です。
 19ページに、介護サービスの安定的、継続的な提供についてということで、新型コロナウイルス感染症拡大でのデイサービスや、ショートステイの事業継続への支援として出された特例措置についてです。
 家族の会は、6月29日に緊急要請を厚生労働大臣に提出し、撤廃を要請しました。
 また、10月30日には、日本弁護士連合からも利用者間の公平性に欠き、その目的である事業所への財政支援とはならない、この問題は、事業所や利用者だけの問題ではなく、国民全体に関わる国の公衆衛生への問題で、一部の当事者に負担を求める問題ではないとの会長声明が出されました。
 法の側から見ても、不条理な特例があることの表明とされています。
 7ページに、物資の備蓄確保のための支援、かかり増し経費への支援は、予算事業とあり、介護報酬は発生時の縦断な取扱いを実施とし、基準を満たさない場合や、サービス特性に応じた特例に明確に振り分けています。6月に出された特例措置を即刻撤廃し、この資料でも提示している今回の新型コロナウイルス感染症での交付金や、その他の基金で事業所の経済救済を要望します。
 前回出された資料でも、5割の事業所でしか、この特例措置は適用していず、半分は利用者間の公平さの混乱を避けるため、苦渋の未申請となっています。特に小規模事業所は申請をしておりません。真の救済には至っていない現状があります。
 利用者の事業所を助けようという善意、事業所の苦しいけれども、利用者間の不公平は止めようとの善意の中での制度は即刻の撤廃を要望します。間違っていることはすぐにやめるべきです。
 この間、新型コロナウイルスの感染症が再び増えつつあります。クラスター発生の報道を見ていても、全国各地で、あらゆる介護サービスの現場で緊張を強いられる中、働いてくださいされる皆さんに、家族の会として心からお礼申し上げます。
 高齢者は、特に死亡リスクが高いと言われる中、寒さに向かう中、継続的なサービスの提供ができる見直しを、ぜひお願いをしたいと思います。
 次に、制度の安定性、持続可能性の確保、資料3のところの論点1の区分支給限度額の計算方法についてです。
 質問なのですけれども、区分支給限度基準額は利用者にとって認定ランクに応じて、1割、2割、3割の利用者負担で利用できる費用の上限額になります。
 減算対象になっている事業所を利用する人が、減算にならない事業所の利用をする人より限度額は増える構造になるのが、不公平だという考えなのだと理解しますが、それでいいのか確認させてください。
 また、減算になるのは事業所の都合であり、利用者には全くペナルティーを課される理由はないのではないかという疑問もつきます。
 この計算方法について、利用者や介護者に対しては、どのような説明をされているのか教えてください。
 論点2の6ページのところです。訪問介護の生活援助の訪問回数が多い利用者への対応についてです。
 制度の安定性、持続可能性は、介護保険制度ができることを歓迎した家族の会としても必要と思っています。
 しかし、例えば訪問介護の頻回利用を地域ケア会議で多職種検討し、ケアプラン見直しを促すことは、保険者の管理が行き過ぎであります。
 また、厚生労働大臣が定める基準を超える場合には、サービス利用の前に、市町村に提出し、地域ケア会議での検討の必要性は、手間の多い割には、その検討の有効性はデータからも推測はできません。生活援助の回数が減れば、それで良いのかが、この会議の目的なのでしょうか。
 介護保険は、利用者本位で、利用するサービスは、自己選択、自己決定が介護保険法で述べられています。
 ケアマネジャーの視点だけではなくといいますが、義務づけられているサービス担当者会議が多職種検討のはずです。地域ケア会議は、事例を踏まえた政策形成の場ではなかったでしょうか。
 手間が多く、本質を見ないまま、給付削減の小手先に行われている現状にしか見えません。
そもそも、アセスメントし、必要だからの生活援助サービスの利用です。
 特に、要介護1、2の人は、認知症初期の人が何とかホームヘルパーさんの生活援助を受けて、自宅で過ごすための最重要なサービスです。
 訪問回数が多いのも、症状により必要とケアマネがマネジメントした結果です。私たちが頼りにしているケアマネさんへの信頼が、国はないというようなことにも思える制度です。
 12ページの資料での調査結果で、保険者の意見としては、大多数が適切なサービス利用であると出ています。ほかでも、結果的に必要なサービスが受けられない、施設入所につながる、適切な支援がつながらない、検証を不要とすべき代替え策がないなどという意見が出されています。
 必要な人に必要なサービスを提供するのが介護保険のケアプランだと思います。市町村もケアマネも利用者も誰の益にもなっていない現在の市町村への届出や、ケア会議での検討の撤廃を強く望みます。
 生活援助を必要とする利用者の個々の都合を考えることなく、一律に制限することのみは、廃止していただきたい。サービスの給付削減だけのものです。
 また、ケアマネジメントにより、作成したケアプランを疑うような制限は、ケアマネジャーやホームヘルパーの専門職としてのプライドを大きく続けるものです。
 利用者にとっては必要なのに、なぜ制限されるかという疑問あるいは不信を大きくするものです。
 最後にですけれども、訪問介護の回数が多い利用者という表現がありますが、介護保険サービスは必要に応じて提供されるものなのに、回数が多いという表現は不当だと思います。
 今後も回数が多いという表現が示されるのなら、家族の会としては意見表明する必要に迫られることも伝えておきたいと思います。
 また、11月2日に、財政等の審議会、財政制度分科会は第8期介護保険事業計画に向けた見直しとして、再び軽度者へのサービスの地域支援事業への移行を提案しています。軽度者とは、要介護1、2の人のことです。
 また、これまでは、生活援助に地域支援事業への移行をおっしゃっていたと思いますが、サービスとなっています。
 地域支援事業に移すことによる費用抑制策は、認定を受けた人への給付の義務あるいは認定者の給付を受ける権利を損なうものであり、介護家族としても、被保険者としても、到底容認できるものではないことを申し添えます。
 以上です。
○田中分科会長 御意見ありがとうございました。
 御質問にお答えください。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 資料3、区分支給限度基準額の取扱いに係る御質問だと思います。
 資料3の4ページ目、5ページ目に趣旨については、説明させていただいてございますが、経緯を申し上げますと、区分支給限度基準額でございますが、この発想自体というか、この構造自体は、平成12年の介護保険制度施行のときに、各要介護度、そして、要支援の区分別に、いわゆるサービスの標準的な利用例などを参考に、ここまでのサービスが受けられるということを保証するものとして決定されたものでございます。
 その中で、ですから業界ごとに、これだけのサービスを受けられるようにとお示ししたものでございます。
 その一方で、これまでの累次の改定の中で、介護報酬改定を行う中で減算が導入されてきたと。特に、同一建物と居住者に係る減算が適用された場合には、それを適用されない方とした場合には、減算を受けたよりも、受けないサービスを利用される方よりも多くのサービスが使える構図になっているということにつきまして、公平性に関する外部からの指摘もあったところでございまして、そのような指摘も踏まえ、前回改定におきましては、減算前の単位数を適用すると、これによりまして、本来のサービスの給付料自体は確保できるという考えから、これが導入されたと考えているものでございます。
 それを今回、他のサービスにつきましても拡大できないかと御提案しているものでございます。
 御説明は、以上でございます。
○田中分科会長 よろしいですか。
○鎌田委員 余りよく分からなかったですけれども、ありがとうございました。
○田中分科会長 石田委員、どうぞ。
○石田委員 ありがとうございます。
 では、私からは幾つか質問と意見を述べさせていただきます。
 まず、資料1にあります、感染症や災害への対応力の強化というところの、論点のマル1のところです。感染症対策の徹底ということで、検討の方向として示されている中に、この取組を求めるという文言があります。
 この求めるということに関しては、これは論点のマル2にも、業務継続に向けた計画の策定、研修訓練の実施を求めると、同じように文言があるのですが、これは義務づけるということの意味で理解してよろしいかどうかという、これは確認です。
 そういう場合に、もし必要となる費用等につきましては、公費から補助されると理解していいのかどうかということを説明いただきたいと思います。
 それから、同じように、感染症の流行で、例えばサービスの利用を控えたというようなことが多かった通所系の事業所の安定的な運用に関して、訪問のサービスに切り替えること、電話やメールその他のツールを使って、いろいろな形で利用者と多様にコンタクトする方法については認めていく方向で、ぜひ、検討していただきたいと思います。
 それから、論点マル3です。地域との連携した災害への対応ということ、このテーマについては大きなテーマで、地域共生社会の実現等も関連してくるとは思うのですけれども、ここの中にも、地域住民との連携に努めることを求めると、これは同じように解釈すれば、これは努力義務と理解していいのかなということを確認させてください。
 また、こういう努力義務になっても、この連携に努めたということになった場合には、その評価の方法は、何らかの加算で考えていくということなのかどうか、ここの点については、質問をしたいと思います。
 次に、資料の2の介護人材の確保、介護現場の革新のところで、論点のマル1にあります、人員配置基準における両立支援への配慮という点、これについては介護現場のスタッフの業務過重化を招かない限りにおいて、検討の方向に示されている内容に賛成いたします。
 それから、論点のマル3なのですけれども、職場環境等の要件というところにある2つ目の黒い四角です。そこに「若手の職員の採用や定着支援に向けた取組」というのが1つ掲げられております。
 ここなのですけれども、実は、この若手の職員の採用、これは、もちろん大いに進めていただきたいと思いますが、特に若手という文言を入れる必要があるかどうかと思います。もちろん若い方が大いに介護分野へ入っていただくのは、望ましいことではありますけれども、「職員の採用と定着支援に向けた取組」という文言で問題ないように思います。
 見方を変えますと、この領域においては、若い方の力ももちろん必要ではありますが、多様な年齢層のマンパワーが、様々な形で関わって活用される、そういった分野でもあるわけで、むしろメリットもあるという考え方も踏まえて、この若手という言葉はカットしてもいいのかなと、これは提案です。
 それから、最後に資料3の制度の安定性、持続可能性の確保というところの論点のマル3です。
 サービスつき高齢者向け住宅等における適正な介護保険サービス提供というところです。
 論点のマル3に指摘されておりますような、いわゆる「囲い込み」といったような状況について、一部ではあれ、もし、こういったことがあるということでしたら、やはりここにあるように、自治体によるさらなる指導の徹底ということは、必要とは思います。ただ、サ高住というのは2011年に創設されて、もう10年ほど時間が経過しておりまして、高齢者にとっては、「終の棲家」ということの選択肢の1つとして、すでに広く認知されつつあるのではないかなと思っております。
 さらに、やはり時間の経過とともに、そこに暮らしている方々の状況は介護度も重度化していくということが予想されますし、さらに、看取りのニーズというのが高まっていくことも考えられます。
 現在、多くのサ高住の事業所というのは、非常に誠実にかつ良心的な事業を行ってくださっていると思いますけれども、これから先、さらに、この介護保険サービスの提供に関しては、ぜひ真摯に取り組んで、努めていっていただきたいなと希望します。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 求めるという言葉の意味について、お答えください。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。御質問ありがとうございました。
 求めるという言い方でございますけれども、趣旨としては、運営基準に、これは義務として入れてはどうかと御提案するものでございます。
 また、書いてございますように、事業所にとって、当然無理なくというか、きちんと充実して入れていかなくてはいけませんので、やはり経過措置なども置くということも考えているところでございます。
 また、費用に関するお尋ねでございましたけれども、介護報酬は、それぞれの介護提供に係る平均的な費用を勘案して定めるとなってございます。ですので、感染対策あるいはBCP等にかかる経費が、当然かかる費用ということであれば、それを介護報酬で評価をしていくというのが基本的な考え方だと思っているところでございます。
 また、御質問ではございませんでしたが、資料2の33ページ、若手の職員ということでございますが、事務局としては、長く働いていただくことを前提に、それがいいかなと思って若手と書きましたが、ここは削除することに関しては、私ども抵抗はございません。
 以上でございます。
○田中分科会長 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 資料の順番にいきますので、意見と質問がやや混在するところがありますが、分かるように申し上げたいと思います。
 まず1つ目、資料1の感染症や災害への対応力強化です。
 これは、マル1、マル2、マル3を通じての意見です。
 感染症や災害への対応を運営基準に明記するという提案については良いと思います。
 ただ、災害対策については、論点マル3に書いてあるように、地域との連携は重要だと思いますので、計画の策定や研修や訓練の実施などは、事業所単位というよりは、校区とか、地域単位で行う必要もあると思います。
 また、感染症対策については、保健所による措置や指導が大きな役割を持っているので、こうした関係機関との連携ということも考える必要があると思います。
 事業所ごとに、利用者の受入れ判断に差が生じていたということも聞いておりますので、こういった受入れ判断に資する指針を示すというようなことも併せて必要になるのではないかと思います。
 また、非常時を想定して連携先を決めておくとか、近隣の事業所との情報共有や、事業所閉鎖時のサービスの振替えに当たってのケアマネ業務に対する報酬の在り方など、こういった点も併せて検討が必要ではないかと思います。
 さらに、BCP策定に当たっては、大規模な企業の場合、一括で策定しているような場合もあるようです。しかし、形式的な計画策定にならないように、ハザードエリアや地域の特性、サービスの特性などを踏まえた計画の策定ということが必要だと思います。
 また、小規模事業所だけではないかもしれませんけれども、事業所に対するBCP策定のための支援というのも、検討が必要ではないかと思います。
 それから、17ページで特例適用につきましては、先ほどの鎌田委員からご発言がありましたけれども、利用者にとっての不公平感や、職員にとっての説明の負担ということも、私たちのところでは認識していまして、見直しを求めたいと思います。
 それから、質問です。13ページに、慰労金のことが出てまいります。
 今日の一部報道で、この慰労金の給付実績が9月末時点で80万人ということで、介護職員の320万人が受け取っていないということが出ております。
 厚労省から都道府県には、ほとんど交付済みだということでして、そうなると事業所にお金がとどまっているということなのでしょうか。どうやって事業所で目的外に使用されないということを担保するのでしょうか。持続化給付金ではずいぶん捜査がされておりますけれども、目的外使用の防止をどうやって担保するのかということを教えていただきたいと思います。
 次に、資料2の介護人材の確保、介護現場の革新です。
 まず、19ページの論点マル1ですが、育児介護休業中の人員配置の取扱いについて現場に聞いてみますと、常勤職員での配置について同等の資格を有する複数の非常勤職員を常勤換算で確保することで足りるとする点については、一定理解できるという意見もある一方で、職員が細切れに対応することによる利用者の安心感への影響とか、サービスの質の低下という懸念も聞かれていまして、こうした様々な点から検討していただきたいと思います。
 また、その他の提案については、実質的に職員配置が手薄になることを認めることになり、現場の職員の負担を増やすことになるので、サービスの質を含め、慎重に検討すべきだと考えます。
 次に、論点マル2の処遇改善加算ⅣとVの廃止の提案です。個別訪問の実施結果を今回初めて示していただきまして、ありがとうございました。
 これを見ますと、算定事業所が減ってきているのは確かですが、現状で幾つの事業所が算定しているか教えていただきたいと思います。
 それで、33ページの論点マル3、職場環境等要件です。
 実効性の確保を考えて、過去に行った取組ではなく、今後の取組を評価するという考え方に変えるという点は良いかと思います。
 その際、処遇改善計画書に今後1年間の取組を記載するということになると思いますけれども、あわせて実績報告で取り組んだことをきちんと確認していただいて、返還もあり得ると、そういう取扱いにしていただくことが必要だと思います。
 また、要件の選択肢にある健康診断については、以前から何回も言っているのですけれども、改めてコロナ対応で、健康確保は重要になっており、労働安全衛生法の事業主の義務が全職員に対して果たされているということを、事業所指定において確認すべきと考えます。加算の要件として選択肢として入れるというのはふさわしくないと思います。
 それから41ページの論点マル4、特定処遇改善加算の職員区分ごとの配分の基準を緩める点です。
 これについては、事業者で働くあらゆる職員の処遇改善に資する仕組みとする必要性から考えられることだと思っています。
 ただ一方で、経験・技能のある職員の活躍し続けられるような職場にしていくため、ということを考えますと、経験年数に応じた賃金の引上げというのは、やはり重要ですので、こうした賃金制度が普及するような仕組みや支援が併せて重要だと思います。
 なお、処遇改善について、今回の提案が以上なのか分かりませんけれども、安倍総理のときの「介護離職ゼロ」というのは、介護人材の確保と、そのための処遇改善というのが最重要課題とされました。現政権で、介護離職ゼロの中身は、今のところはっきりしていませんけれども、今回、処遇改善の提起が見当たらないというのは非常に残念です。全産業平均との年齢年収差は依然として150万円以上ありますし、コロナ禍での人材確保の課題はさらに高まっているということも明らかになっていますし、その重要性は高まっていると思います。
 処遇改善の必要性は変わっていない中で、新たな加算の創設といった複雑な方法でなく、介護の職場から離れる人が出ないように、そして新たな人が介護職を希望する、そういう介護の世界にしていくために、全体の処遇の底上げを強く求めたいと思います。
 次は、53ページの論点マル5、サービス提供体制強化加算の要件です。
 一部の要件を廃止するという提案ですけれども、本当にそれが処遇改善加算の要件との代替性があるのかということを、慎重に検討していただきたいと思います。
 技術指導の会議というのは、処遇改善加算では求めていない上に、処遇改善加算で選択肢の1つでしかありません。会議の開催というのは、処遇改善加算の方では必須になっていません。
 健診は、先ほど申し上げたように、指定基準として確実に確認すべきだと思っております。
 なお、これは質問です。訪問入浴介護と夜間対応型訪問介護において、勤続年数要件を加えるという提案なのですけれども、いずれも算定率は、それほど高くないようです。要件設定で下がる可能性もあるので、49ページに勤続年数の表が出ていますけれども、訪問入浴介護と夜間対応型訪問介護の勤続年数について教えていただきたいと思います。
 それから、論点マル7の夜勤配置基準です。大変深刻な問題です。
 ICT活用による夜勤職員の配置加算の要件緩和と新たに新設する加算区分、それから夜間の人員配置基準そのものの緩和が提起されていますけれども、その間、何度も申し上げていますように、新技術の導入というのは、職員の負担軽減のために導入すべきだというように申し上げてきました。
 しかし、今回の提起は、人員が要らなくなる分で多くの利用者を見なさいという話です。
 現場の負担は軽くならないという提案であり、人材確保が喫緊の課題だということが、まだ認識されていないのかと、処遇改善の取扱いと併せて非常にがっかりしています。
 災害や事故時の安全確保はもちろんですけれども、眠らない利用者や、トイレ介助が重なるなど、センサーで対応し切れないようなこともあります。機器は万能ではないという話も発言してまいりましたけれども、現状でもセンサーが頻繁に反応して業務負担が増えているという利用現場の声もあります。むしろこの導入によって、負担増になってしまうという声が多く聞かれております。こうした点をよく考えていただきたいと思います。
 それから、論点マル8、介護老人福祉施設の人員配置基準については、小多機の利用定員の緩和の論点で申し上げましたけれども、こちらも人権に関する基準ですので、全国いずれの地域の利用者においても守られるべきです。現状、緩和の必要性も認められないので、この緩和には反対です。
 最後のペーパー、資料3の制度の安定性・持続可能性の確保です。
 19ページの論点マル2、生活援助の訪問回数の多い利用者の対応について、これも申し上げてきましたけれども、回数で一律にスクリーニングするのは、ケアプランの性格から適切でないと思いますし、この関係する様々な職種の人が、かなり負担を強いられているという点を考え、報告の頻度を見直すということも、ぜひやっていただきたいと思います。
 論点マル4の福祉用具の貸与・販売種目の在り方です。財政審の指摘が示されていますけれども、購入への切り替えによって、保険財政の負担軽減になるという考え方だと思いますが、安全性の確保と状態や環境などに合った適切な用具の利用、選択といった観点に加えて、利用者の負担増によって、自立が阻害されないようにするという観点も含めて、慎重に検討していただきたいと思います。購入によって元が取れるまで利用し続ける保証はありませんし、無駄な買い物なるようなことも幾らでも想定できます。ふさわしくない用具を無理やり使い続けて、自立や重度化防止の観点から適切とは言えないような状態になることも懸念されます。ケアマネジメントが及ばなくなるという問題もありますし、こうした課題を慎重に検討した上で、もし仮に切り替えるのだったら、それは購入上限額の見直しも含めて考える必要があるのだと思います。
 最後です。論点マル5の報酬体系の簡素化、こちらは加算目的とか支給方法など、それぞれの内容をきちんと検討して、簡素化という方向に進めていく必要があると思います。
 処遇改善加算というのは、賃金にのみ充てることができる加算です。これは介護従事者にしか反映されないものです。広い意味での処遇改善といった整理で、ほかの加算と併せた検討がこの場で行われたことについては問題であると指摘してきました。今申し上げたように、報酬は誰が受け取るのか、何のためなのかということをきちんと整理して、適切な検討をしていただきたいと思いますので、事業所加算と処遇改善を一体的に検討するようなことはやめていただきたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 質問を3点、お答えいただいたところで休憩を入れます。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課課長でございます。
 ファクトに関する御質問がございましたので、順次お答えさせていただきます。
 まず、資料2の24ページだと思いますけれども、処遇改善加算のIVとVを算定している事業者がそれぞれ幾つかというお尋ねでございました。
 これは、6月サービス提供分ということでございますけれども、IVを算定している事業所が321、Vを算定している事業所が449という数でございました。
 次のお尋ねでございますけれども、こちらは、平均勤続年数でした。ページで申し上げますと資料の49ページ。こちらに、確かに訪問入浴ですとか、サービス類型ごとで、その類型に関するお尋ねでございました。
 訪問入浴の平均勤続年数でございますが、申し上げますと、同じ年度でなくて恐縮でございますが、平成21年の調査ですね、4.6年だったものが、その後、7.0年に伸びているということで、3年弱伸びていると、4.6から7.0ということで伸びているという結果が、手元にはございます。
 また、夜間に関しましては、すみません、これは、調査自体、n数が非常に少なかったということですので、こちらは、手元にはデータがないということでございます。御理解いただければと思います。
○田中分科会長 よろしいですか。
 どうぞ。もう一つ質問がありましたね。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。伊藤委員から、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の介護分につきまして、資料の1の13枚目をお引きいただいて、御質問いただいたところでございます。その2というところに、介護施設事業所に勤務する職員に対する慰労金の支給ということを書いております。
 この慰労金につきましては、感染すると重症化するリスクが高い利用者との接触を伴うこと、継続して提供が必要なサービスであることなど、相当程度心身の負担がかかる中で、強い使命感を持って業務に従事していただいているということに対して、介護事業所・施設等の職員に限らず、派遣労働者や業務委託を受けて働く従業員を含めて、職種や雇用形態を問わず、慰労金を給付するという趣旨のものでございます。
 先ほど伊藤委員から御指摘いただきましたとおり、精査中ではございますけれども、9月末の時点で約80万人の方に、実際に慰労金が支払われているという状況でございます。
 当局におきましても、コールセンターなどを設置いたしまして、様々お声をいただいているところでございますけれども、御指摘いただいたとおり、職員が慰労金の申請を希望しているのに、事業所施設が慰労金を申請してくれない、あるいは、派遣事業者や受託業務者の従業者の分を申請してくれないというお声もいただいたところでございまして、そういった観点から、8月以来、随時、関係団体及び都道府県に対して厚生労働省のほうからしっかりと支給を行っていただくよう要請するとともに、10月には、人材派遣の関係団体等に対しても、介護事業所等と連携を取りながら、本人の同意を取った上で、代理受領委託状や慰労金の振込口座を介護事業所に提供いただくことによって、速やかな慰労金の支給に協力してもらうように事務連絡等を発出しているところでございます。
 実際に都道府県のほうでは、順次、支給に向けて御尽力いただいているところと聞いておりまして、先ほどの80万人というのは9月末時点ということでございますけれども、まだ、粗々ではございますけれども、10月末の段階で、およそ150万人程度に増えているということもございます。
 いずれにいたしましても、厚生労働省としては、しっかりと関係事業者団体、それと都道府県と連携しながら、一刻も早く支給できるように尽力していきたいと思っております。
○田中分科会長 回答ありがとうございました。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 御回答ありがとうございました。
 1つ目の処遇改善加算Ⅳ、Vの算定事業所数は、おっしゃった数字を足すと770かなと思いましたが、この770事業所がⅢ以上に上がれるということ、これが重要だと思います。この前の処遇状況等調査では、この点が見えていませんので、きちんと、なぜⅢに上がれないのかというところを把握していただいて、この取得促進事業を、さらに強化して、何とか全部の事業所がⅢ以上に上がれるように支援していただきたいと思います。
 あと、慰労金ですけれども、10月末で150万人という話でした。それにしてもまだ少ないと思いますし、これを事業所が受け取っていて、まだ支給されないということになると、それは適切ではないわけです。そこについては事業所に協力依頼と、もちろんそうですけれども、協力依頼して、結局どうなるのか、協力しなかった事業所がどれぐらいあるのかということも、きちんと把握して、不適切な状況が温存されてしまう、そんなことが認められてしまうということが絶対にないように、強力に対応をお願いしたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 先ほど言いましたように、ここで休憩をとります。
 その後、先ほど手を挙げていらした小玉委員から始めますね。
 5分ほど休憩します。
 
(休  憩)
 
○田中分科会長 では、再開いたします。
 先ほど言いましたように、最初に小玉委員、それから、時間の都合が割と利く、黒岩委員、2番目にお願いいたします。
○小玉委員 田中分科会長、ありがとうございます。
 本日論点に沿いまして5点、意見と要望を述べさせていただきたいと思います。
 まず、最初に、資料1、感染症や災害への対応力強化についてでございます。
 この28枚目に論点マル2といたしまして、業務継続に向けた取組というところが、検討の方向性として示されてございます。
 感染症や災害が発生した場合であっても、業務継続に向けた計画等の策定、研修・訓練の実施等というところでございますけれども、新型コロナウイルス感染症の蔓延期におきましては、施設へ家族が、利用者さんに面会になかなか行きにくかったり、また、介護スタッフが在宅にも入れないという状況がございました。
 私ども歯科は、診療所から施設に訪問して、治療したり保健指導をするというような形態をとっているところでございます。
 したがいまして、業務継続計画の策定に当たりましては、家族やスタッフの往来という点だけではなくて、外部からのサービス提供者につきましても必要なサービスが継続して提供できるよう、その計画に盛り込んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、資料2でございます。
 介護人材の確保、介護現場の革新というところでございますけれども、この53ページに論点マル5、サービス提供体制強化加算についてございます。
 その2つ目の四角に、CHASE等というところがございますけれども、CHASEにつきましては、新規の項目でありますとか、その導入につきまして、より質の高い介護につながることを期待してございますので、何とぞ、よろしくお願いいたします。
 続きまして、同じ資料2の86枚目、論点マル8でございます。
 サービスの質の向上や、職員の職場定着に資する取組というところでございますけれども、この一番上の四角のところのマル3に、ロボット・センサー・ICTの活用というところがございます。
 特に、食事の観察につきましては、動作でありますとか、また摂食、嚥下の状態、また食事の環境整備がいかにされているかというところの、全体の様子が見られると非常にいいと思いますので、そういった部分が、画像で情報共有できるような形ができるようにお願いしたいと思います。
 なかなか口腔内の観察、診断というところには、すぐには結びつきませんけれども、食事の観察をすることによって、そういったところのヒントも得られるのかなと思っているところでございます。
 続きまして、同じ資料2の101ページになります。
 論点マル10の会議等に当たってのICTの活用というところでございますけれども、その2つ目の四角に、医療・介護の関係者間でのICTの活用というところがございます。
 今申し上げたとおりの、食事の観察の場面でありますとか、口の、いろいろな清掃の動作等、いろいろな情報が、歯科医師と介護スタッフの間で、できるといいなと思いますし、また計画の立案等につきましても、こういったところの情報を基に、このICTの活用で効果的に実施できるといいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後、5つ目になります。
 資料3、制度の安定性、持続可能性の確保というところに関連するものでございます。
 42枚目に論点のマル5、報酬体系の簡素化というところが示されてございまして、その検討の方向の一番上の四角のところに、加算の廃止や基本報酬への組み込みというところの書き込みがございます。
 この加算の廃止や、基本報酬への組み込みによりまして、体系を簡略化して分かりやすくしていただくと同時に、記録する様式の見直しでありますとか、手続の簡素化等も併せて行っていただきたいと思います。必要なサービスが円滑に提供できるように期待しておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 ただ、その際に、基本報酬に組み込まれる、また廃止されるような項目についての、そのもともとの趣旨が、継続的に担保されるようなことは、やはり必要かなと思いますので、そういった御配慮をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 黒岩委員、どうぞ。
○黒岩委員 発言の機会を作っていただきまして、誠にありがとうございます。私からは3点申し上げたいと思います。
 これは、前回もお話しした未病という考え方です。改めて説明したいと思いますが、真っ白な健康があって、真っ赤な病気があるのではなくて、白から赤は連続的につながっているグラデーション、これが未病だと、病気になってから治すのではなくて、未病の状態で、どこにいても、少しでも白へもってこようとする努力が大事だと。これは、介護でも、そのまま当てはまるのではないのかなということであります。
 介護を要する状態と、要しない状態がはっきり分かれているわけではなくて、これはグラデーションでつながっていますね、それを少しでも白へもっていくことが未病改善、これが、いわゆる介護保険の目的であります、自立支援、重度化防止にもつながるものだということであります。
 神奈川県は、WHOと東京大学で未病指標といったものを開発いたしました。グラデーションの中のどこにいるのかということの数値化ですね。一番いい状態が100、駄目なのがゼロ、数字で、ぽんと数字が出てくると。数字が出てくると、それを改善しようとするインセンティブが働く、こういうものを作ったわけであります。
 現在、介護報酬の仕組みの中で、一番大きな問題だと思うのは、質の高いケアによって、利用者の状態の改善につながったとしても、逆に事業所の収入は減ってしまうと。質の高いケアで状態の改善につなげた事業者に対しては、介護報酬でも、しっかり評価する必要があるといったことです。
 そのための指標というのは、非常に大事である、未病指標は、そういった意味でも非常に重要な要素を占める可能性があると考えております。
 未病指標は、今、開発をしましたけれども、これが完成形ではありません。さらなる精緻化に向かって、今、実証事業を進めているところであります。
 例えば、統計解析による検証を行って、妥当性、信頼性の向上につなげる。また、未来予測機能の構築に向けた研究、こういったことも実施をしていくわけであります。
 また、高齢者の通いの場でも、この未病指標といったものを活用したモデル事業も実施したいと考えております。
 こうした成果を、皆様と共有させていただきたいと考えております。
 現在、介護報酬で使われている指標には、測定にかかる手間が大きいと、また、認知機能が含まれていないといった声があると聞いております。介護の人材不足が叫ばれる中、効果測定のために現場に過大な負担がかかってしまうというのは、まさに本末転倒であります。
 未病指標というのは、測定の手間が非常に小さいです。スマートフォンで、わずか数分で、この指標が出てまいります。
 また、認知機能の評価、これも要素に含まれています。状態の改善を評価する際の指標として、将来的に未病指標の導入を、ぜひ、引き続き検討いただきたいと考えております。
 この状態を評価する指標の開発と、現場での普及、これがエビデンスに基づく科学的介護のためには大変重要であると考えております。
 妥当性ある評価指標の検討は、今後も引き続き行いまして、介護現場で指標による評価を普及させていくためにも、CHASEでの収集項目に、この未病指標をはじめとする、状態改善を評価できる指標を追加するといったことも併せてお願いしたいと考えております。
 次に、感染症対策についてですが、6月に感染症対策をしっかり行っている事業者への評価について御提案したところでありますけれども、10月を過ぎても新型コロナウイルス感染症は収まる気配がなく、長期化の様相を呈しております。
 ウィズコロナが前提となっていること、また、今後も未知の感染症で新型コロナと同様の事態が生じることも考えられることから、恒久的なものとして感染症対策をしっかり行っている事業所への評価、これを位置づけるべきだと考えております。
 なお、全国知事会としまして、利用控えなどによる介護事業所への経営安定化の支援について、緊急包括支援交付金の拡充等を要望しているところであります。
 次に、ロボット・ICTの導入についてであります。
 本県では、介護現場へのロボット・ICT導入、これを促進しております。
 コロナ禍で接触機会の減少や職員の負担軽減に役立つということで、介護事業所に導入の気運が高まっております。
 ロボット・ICT導入の補助金に対しましては、本年度は、介護ロボットには約1,800台、ICTの導入も約300件もの申請がありまして、補正予算を2回組んで対応しております。
 介護ロボット・ICTについては、昨年度、介護現場革新会議パイロット事業の実施地域となり、実証実験を行ったところでありまして、訪問介護事業所では、ICT機器を導入することで、一日当たり約50分の業務時間削減の効果が確認されました。
 また、見守りセンサーの導入によりまして、夜間の職員の心身の負担軽減や、ケアのタイミングの的確化、これが図られました。
 介護現場へのさらなるロボット・ICT導入を促進するため、医療・介護総合確保基金による補助に加えまして、効果検証の結果に基づきながら、人員基準の緩和や、介護報酬におけるさらなる評価を行うべきと考えております。
 私からは、以上です。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 たくさん手が挙がりました、順番に荻野委員、小泉委員、今井委員、安藤委員、岡島委員、東委員、間利子参考人、今、言った順番を覚えているかどうか分かりませんが、お願いします。
○荻野委員 ありがとうございます。
 私からは、論点に沿って資料1と資料2につきまして、3点ほど意見を述べさせていただきたいと思っております。
 まず、1点目でございますけれども、論点マル1感染症対策の徹底についてでございますけれども、感染症の発生期や蔓延期における介護サービス事業者の取組に関しては、日頃からの備えというものが大変重要であります。
 また、感染流行中の安定的、継続的なサービス提供も確保するべきでありまして、その運用を可能とするための検討については、これは検討するべきと考えております。
 2点目でありますが、同じ資料1の論点マル2でございますが、業務継続に向けた取組というところでございます。
 感染症や災害への備えをしていく上で、業務継続計画は作成しておくべきものと考えております。
 BCP作成に当たってでございますけれども、他の委員からも御意見がありましたとおり、費用面だけではなくて、支援等を含めて検討いただきたいと思っております。
 最後でありますが、資料2の論点マル11のところでございます。文書量の負担軽減等のところでございますが、文書量の負担軽減は可能な限り進め、実施していくべき事項と考えております。ローカルルールの解消と併せて検討していただきたいと考えている次第でございます。
 ページ数で申し上げますと、114ページのマル1からマル4の検討の方向性については、私どもおおむね賛成でございます。
 私からは、以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 7人も委員の名前を言った順に全部覚えているかどうか、認知症テストみたいですが、顔を見ながらいきます。安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。
 まず、感染症や災害への対応力強化につきまして、意見を述べさせていただきます。
 介護サービス事業所における感染症防止の取組を強化することや、感染症対策を図りながら、サービス提供を継続することの重要性につきましては理解いたします。
 その上で、介護サービス事業所の収入への影響を見ますと、6月以降は改善してきており、また、感染症対策に関わる経費について、緊急包括支援交付金等による支援が行われていることなどを踏まえますと、介護報酬改定による恒久的な措置を行うことが適当かどうかについては、慎重に検討すべきであると考えます。
 そのため、臨時的に実施すべきこと、恒久的に実施すべきことの線引きの考え方を明確にするとともに、財源につきましても、公費または介護報酬のどちらで対応するのか、考え方を整理していただく必要があると考えます。
 続きまして、介護人材の確保、介護現場の革新についてです。
 介護職員等特定処遇改善加算について意見を申し上げさせていただきます。
 この加算は、経験・技能のある介護職員の処遇を改善することで、キャリアパスをやっていけるようにし、介護現場への定着促進を図ることが最大の目的であり、その趣旨を損なわない程度に、介護職員や看護師等の処遇改善にも充てられるようにするというコンセプトに基づき、現行の配分ルールを設定したものと認識しております。
 算定率が約65%にとどまっており、これを引き上げていくことの必要性は理解いたしますが、スタートして、まだ、わずか2年で、より柔軟な配分が可能な仕組みへと見直すことには、やや拙速な感がありますし、本来の目的が達成されなくなるのではないかとの懸念もありますので、本来の趣旨が損なわれないよう、慎重に御検討いただきたいと思います。
 続きまして、制度の安定性、持続可能性の確保です。
 区分支給限度基準額の計算方法につきまして、利用者間の公平性を確保する観点から、資料3の7ページの検討の方向案のとおり直していただきたいと思います。
 続きまして、訪問介護でございます。
 訪問介護における生活援助の訪問回数が多い利用者への対応について意見を申し上げます。
 資料3の15ページを見ますと、市町村に届出のあった訪問回数の多いケアプランのうち、約4割で地域ケア会議以外の方法で検討を行っており、ケアプランの再考を促した件数や、実際にケアプランの変更が行われた件数の割合が、地域ケア会議で検討を行った場合と比べ、低くなっております。
 また、検討をまだ行っていないという件数が3割弱あり、検討に時間がかかっているケースも見受けられます。
 このため、地域ケア会議での検討を必須とすることや、定期的に検討状況を把握し、検討を促すことなど、実効ある議論が行われるような仕組みを構築すべきであると考えます。
 また、地域ケア会議等で検討する際には、生活援助の開通に限らず、ケアプランの内容全体について検討することとされておりますが、生活援助が身体介護に振り替えられているとの指摘もある中で、身体介護に関する内容を再考すべきケースにおいて、実際に再考され、見直されたケースがどの程度あるのか、そうした実態も把握していくべきであると思います。
 その上で、身体介護に関する内容を再考すべきケースであるにもかかわらず、再考されないケースがあるとするならば、財務省の財政制度分科会において指摘されているように、身体介護も含めた訪問介護全体の回数で届出を義務づける等の制度改善を図り、生活援助と身体介護がセットで議論される仕組みとすることを検討する必要があると考えます。
 最後に、福祉用具について意見を述べさせていただきます。
 福祉用具は、利用者の状態に応じて適時・適切な使用を利用できるよう、貸与を原則としており、その考え方は理解できますが、利用者の状態に合わせた福祉用具の見直しがどの程度行われているのか、歩行補助つえ以外の品目も含めて、もう少し丁寧に実態を把握する必要があると考えます。
 その上で、長期間にわたり見直しが行われていないような実態があるようであれば、そうした品目につきましては、貸与ではなく、販売することや、利用者の状態に合わせた適切な見直しが行われるような仕組みとしていくことを検討すべきであると考えております。
 以上です。
○田中分科会長 御意見ありがとうございました。
 小泉委員、どうぞ。
○小泉委員 ありがとうございます。
 全国老人福祉施設協議会でございます。
 私からは、資料2、資料3について意見を述べさせていただきます。
 まず、資料2でございますけれども、論点マル1の人員配置基準における両立支援への配慮、論点マル2の介護職員処遇改善加算Ⅳ、V、論点マル4の介護職員等特定処遇改善加算につきましては、検討の方向性に記載されている内容とすべきと考えます。
 ただ、論点マル4の特定処遇改善加算につきましては、その他の職員の年額440万円を上回る場合は、対象外としていた条件は、撤廃は、定着の後押しやベテラン職員であっても給与上で、優先をつけられるようになるなど、現場にとってメリットが大きいと思いますので、ぜひとも、実施に向けて推進いただきたいと考えます。
 論点マル5ですけれども、サービス提供体制強化加算でございますが、施設サービスや入所系サービスにおいて、要件の追加による評価は複雑化にもつながり、望ましくないと考えます。
 見直しについては、基本は反対でございますが、例示されております要件として、多床室のポータブルトイレの使用については、下肢筋力を強め、排泄の自立を促していく経過点として、一定期間利用する場合があり、それはサービスの質の向上にもつながる取組と言えます。
 この要件が入ってしまうと、こうした取組が阻害され、短絡的に、おむつ使用が推進されてしまいかねず、かえって尊厳を損なう結果となり、多床室でも木製の間仕切りを施されている施設もあるので、要件として設けるには考慮が必要と考えます。
 訪問入浴等において、勤務年数の要件を超えることは賛成です。介護職員処遇改善加算の研修実施、会議開催、健康診断については廃止で良いと考えます。
 論点マル6のハラスメントについてですけれども、三菱総合研究所が平成31年度に行った調査では、利用者等から職員へのハラスメント対策について、事業者が特に何も行っていないと回答している割合は、サービスの種類にもよりますが1割程度です。
 一方で、利用者家族等からハラスメントが発生する原因としては、利用者家族等の状況や生活歴、サービスの範囲を理解していないこと、過剰なサービスへの期待感等が半数以上の事業所で見られるとのことです。
 事業所としては、職場関係者以外のサービス利用者等からのハラスメントから職員を守る責務がございますし、雇用管理上の措置や取組が求められる中で、利用者御家族等からの対応方法について、その手段が示されていないことに問題があるように思います。
 利用者、事業者相互に納得できる一定程度の対応の方針基準を示していただきたいと考えます。
 論点マル7ですけれども、検討の方向性に示される要件緩和見直しについては、明確にデータも示されておりますので、実施すべきと考えます。
 論点マル9ですけれども、ICTの導入が推進されたとしても、人員配置基準を緩和することは何も検証がされておらず、サービスの質の低下をさせてしまう懸念があるので、反対でございます。
 次に、資料3でございますけれども、論点マル1でございますが、区分支給限度基準額の計算方法についてですが、同一建物、減算等の適用を受ける者と、適用を受けない者との公平性の観点から、当該減算等の適用を受ける者の支給限度額の基準額の管理については、通常規模型のサービスを利用する者と、大規模型サービスを利用する者との公平性の観点から、通常規模型の単位数を用いることを検討すべきと考えます。
 次に論点マル3でございますが、サービスつき高齢者向け住宅等に併設する介護サービス事業所の指定の際の条件付加などを通じて、指導監督権限を持つ自治体によるさらなる指導の徹底を図るべきと考えます。
 特にサ高住に居住する受給者や医療サービスとの併給の関係も含めて、実態を精査していく必要があると考えます。
 最後に論点マル4でございますけれども、福祉用具については、貸与を原則としており、販売は個々の状況に応じた適時・適切な利用を妨げるものとなる懸念があり、利用者の負担増にもつながるため、現行どおりの運用をすべきと考えます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 今井委員、どうぞ。
○今井委員 ありがとうございます。民間事業推進委員会の今井でございます。
 私のほうからは、3点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、1点目でございます。資料1の感染症や災害への対応力強化の論点マル2の業務継続に向けた取組、これについて意見を述べさせていただきたいと思います。
 介護事業者の立場からも、業務継続の観点から検討の方向性案については、特に異論はございません。
 しかしながら、運営基準に位置づけるとなると、介護事業者の規模や、現在のコロナの対応状況にもばらつきがございます。
 仮に経過措置期間が設けられるとしても、感染症対策のマニュアルの提供や、地域の医療機関等からも、感染症の専門家の派遣や連携確保についても、支援がいただけるような環境整備にも積極的に取り組んでいただけるよう、お願いしたいと思います。
 2点目でございます。
 資料2の介護人材の確保、介護現場の革新の論点マル4、特定処遇改善加算、論点マル5のサービス提供体制強化加算について、意見を述べさせていただきたいと思います。
 これらの加算については、喫緊の課題となっている介護人材確保の取組を一層進めるという趣旨を踏まえますと、要件緩和の方向性は賛成いたします。
 ただし、その運用に当たっては、前回の報酬改定の審議報告で、経験・技能のある介護職員が多い事業所や、職場環境が良い事業所の精緻な把握を求められていることも踏まえて、単純に資格や経験年数だけで判断するのではなく、介護職の現場スキルを評価する仕組みや、キャリアパスの構築などに積極的に取り組んでいることも評価指標とするなど、他の施策とも連動していただければと思います。
 また、加算の運用において、保険者の解釈や適用がまちまちである状況も問題であると認識しております。
 本加算の趣旨を踏まえて、積極的に取り組んでいる事業者や、介護職員等の努力が報われるような運用としていただきたいと思います。
 最後に、3点目でございます。
 資料3の制度の安定性、持続可能性の確保、論点マル2の訪問介護、生活援助の訪問回数が多い利用者への対応について、意見をさせていただきます。
 この論点につきましては、導入された経緯は承知しておりますし、ケアプランの検証の仕方や届出頻度の検討自体に異論はございません。
 しかしながら、介護保険の基本理念である高齢者の自立支援のためには、身体的なケアのみならず、生活そのものを支える援助も重要であると考えます。
 国の調査結果にもあるとおり、要介護の程度にかかわらず、生活援助は一定程度必要となっていることが分かります。
 ケアプランの策定もこうした観点から、身体介護のみならず、生活援助を含めた様々なサービスを包括的に組み合わせて、生活を支えていくべきものであると考えます。
 このため、元来、生活援助と身体介護は区分されるべきではなく、双方が大事な支援ですから、包括的なサービス報酬として考えていただけるよう、併せて検討していただきたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 次は東委員、お願いします。
○東委員 ありがとうございます。全老健の東でございます。
 資料1「感染症や災害への対応力強化」につきましては、昨今再びコロナウイルスの猛威がまた増えてきておりますので、こういう対応力強化は、本当に必要だと思っております。
 その意味で1点だけ、資料1の26ページの「緊急時等に備えた平時からの応援体制の構築」について少し御紹介をしたいと思います。
 高齢者施設におきましては、クラスターが起き、介護崩壊が起きることが大変心配でございます。そういう意味でも、この応援スキームができることが非常に重要だと考えております。
 三重県におきましては、三重県老人保健施設協会、それから三重県老人保健福祉施設協議会が協力をしまして、この応援可能な職員登録を三重県だけで100名登録をしておるところでございます。
 今後、介護施設等におきましてクラスターが起きたときには、有効な手段になると思っております。
 次に資料2の「介護人材の確保・介護現場の革新」について御意見を申し上げます。
 論点のマル1からマル4については、おおむね賛成でございます。
 論点マル5、サービス提供体制加算について申し上げます。
 介護福祉士の割合が高い事業所や職員の勤続年数が長い事業所を、より高く評価するという考え方には賛成でございます。
 ぜひとも、介護福祉士を目指す若い人材が増えるように、さらにこういう評価を深めていただければと思います。
 論点マル6の「ハラスメント対策」についてです。資料2の60ページにありますように、ハラスメント対策も運営基準に規定することはよろしいかと思います。ただ今回、感染症対策、災害対策、それから、転倒等の安全対策、リスクのことについても運営基準に規定するということになっております。
 余り多くの運営基準の規定が増えますと、現場の負担が増えますので、このハラスメント対策にしても、運営基準に盛り込むことは賛成でございますが、現場の負担がないように配慮をお願いしたいと思います。
 次に、論点マル7、マル8については賛成でございます。論点マル9「ICT等の活用による人員基準の緩和」の検討の方向(案)が資料2の92ページに出ております。ほかの委員からも意見が出ておりましたが、サービスの質の確保、それから安全性の確保、これらが担保されない限り、この人員基準の緩和はあってはならないと考えます。
 もし、これを考えるのであれば、モデル事業などを行い、ICT等を活用することで、職員の配置が減っても、サービスの質の確保、安全性の確保が得られるというエビデンスを出してから検討すべきだと考えます。
 次に論点マル10「会議等に当たってのICTの活用」も同じでございます。ICTの活用に関しては、全く異論はございませんが、これもモデル事業等を通じまして、どのようなICTを活用すれば、どのようなところが、負担が省けるということを、きちんとエビデンスを出してから対応していただきたいと思います。
 最後に資料3「制度の安定性・持続可能性の確保」について、幾つか御意見を申し上げます。
 論点マル1、マル2については賛成でございます。
 論点マル3「サービス付き高齢者向け住宅等における適正な介護保険サービスの提供」の検討の方向(案)に、指導監督権限を持つ自治体による、さらなる指導の徹底を図るとされております。
 このこと自体は賛成でございます。サ高住の問題に関しましては、提供されているケアプランの内容、それからサービス提供の内容、こういうものをきちんと中身の精査をすべきだと思います。
 その上で、仮に、非常に偏ったケアプランや偏ったサービス提供がなされており、それによって、自立支援が妨げられて、要介護度が悪化しているような事実があれば、それに対してきちんと対応すべきだと考えます。
 次に論点マル4「福祉用具の貸与」についてです。資料3の27ページに、購入する場合と貸与する場合の比較が出ておりますが、36ページもございますように、福祉用具の貸与は1年未満が大半でございます。
 そういう意味で、27ページの資料に36か月と3年の資料が出ているのは違和感を感じます。ケアプランの作成費用というものは、多くのものが含まれているわけでございますから、これによって、41万4000円かかっているというのは、少し暴論だと思っております。
 36ページにも書いてございますが、やはり適時・適切な福祉用具の変更というものは、大変重要でございます。これを販売することにより、利用者の負担が逆に増えるという、ここに書いあることに賛成でございます。
 最後に資料3の42ページ「報酬体系の簡素化」についてです。これは以前の分科会でも申し上げてきましたが、加算が大変増えている状況を考えて、算定率の低いものが長く継続している場合には、やはり加算の廃止を考えるべきであり、算定率が高いものに対しては、基本報酬に組み込むということを適時・適切に行うことが必要だと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 河本委員、間利子参考人、濵田委員、岡島委員の順で行きます。
○河本委員 ありがとうございます。
 まず、感染症や災害への対応力強化の話でございますけれども、感染症対策や、BCPの策定、非常災害対策について、運営基準等に規定するということ、それから経過措置を設けるということ、これはいずれも賛成でございます。
 それから、介護人材の確保、介護現場の革新の関係でございますが、論点マル2にございます処遇改善加算のIVとVについては、前回改定の審議報告、また、上位区分の取得が進んだということを踏まえて、廃止すべきと考えます。
 それから、論点マル3の職場環境等要件に関する意見でございますけれども、勤務の継続とか定着率の向上に向けて、職場環境の改善は重要であると、これは従来から皆さんおっしゃってきたところですけれども、加算の取得が進んでいるという状況も踏まえて、さらに実効性のあるものになるように、職場環境要件の取組項目や内容の見直し、具体化、これを進めるべきだと思います。
 例えばですけれども、職場環境等要件について、1つ以上の取組と言っていたのを2つ以上の取組にするとか、そういった算定要件の見直し、これも検討すべきかと思います。
 それから、論点マル4の特定処遇改善加算の関係でございますけれども、特定処遇改善加算は、そもそも経験・技能のある介護職員に重点化するという、そういう元々の目的を考えると、加算の取得が進まないからといって、要件を大幅に緩和するという今回の提案は、やや拙速であると思います。反対でございます。
 それから、論点マル5のサービス提供体制強化加算でございますけれども、より介護福祉士割合が高い事業所等を高く評価するということは、これは財政中立という前提のもとでございますけれども、賛成でございます。
 それから、制度の安定性、持続可能性の確保の関係で何点か申し上げたいと思います。
 論点マル1の通所系サービス、小多機、看多機等々において、減算等の適用前の単位数を用いるということには賛成でございます。
 また、通所介護とか通所リハにおける大規模型の報酬について、通常規模型の単位数を用いるということについても、経営の安定化とか効率化あるいはサービスの質の向上、そういったことのために、大規模化を促進していくと、そういう流れも踏まえれば、賛成でございます。
 それから、論点マル2の訪問介護、生活援助の訪問回数が多い利用者への対応でございますけれども、ケアプラン検証の問題点、懸念点として、生活援助と身体介護に関する内容の項目の中で、生活援助の給付が減となっているけれども、身体介護に振り替えられ、身体介護の給付費が増となっていないかの検証が必要と、そういった御意見が出ておりますけれども、その御意見どおり、検証が必要と思います。
 また、ケアプランの検証の仕方、届出頻度に関する運用面の見直しについてですが、業務負担への配慮は必要ですけれども、やはり、不適切なケアプランの是正を促すというためには、仕組みや届出方法あるいはその頻度というのは、余り緩和し過ぎることのないよう、慎重な検討が必要と思います。
 論点マル3のサービス付き高齢者住宅における適正な介護保険サービスの提供でございますが、入居者への過剰な介護保険サービスを防ぐ観点からも、指定の際の要件を厳しくすると、そういった対応を検討すべきと思います。
 論点マル4の福祉用具の貸与、販売種目の在り方でございますが、適時・適切な福祉用具の利用ができるようにするということは大変重要だと考えておりますけれども、日常生活の自立支援とか、介護を行う家族の負担軽減、それを目的としたサービスであるということを踏まえれば、対象品目が実際に目的に沿ったものとなっているかどうかということについては、やはり検証と、それから、そうでない場合には貸与から販売にすることも含めた検討が必要ではないかと思います。
 最後、論点マル5の報酬体系の簡素化でございますけれども、これは従来から何回も申し上げてまいりましたけれども、この方向性に賛成でございます。
 私からは、以上でございます。
 ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 濵田委員、お願いします。
○濵田委員 ありがとうございます。
 それでは、まず、1番の感染症や災害への対応力強化の論点マル1の感染症対策の徹底から意見を述べさせていただきます。
 各検討の方向性でよろしいかと存じますが、委員会の設置や指針等の整備、訓練等につきましては、やはり負担が大きくならないように、既に設置する委員会等と一体的に運営するなどの配慮を認めていただくようにお願いできればと思っております。
 論点マル2の業務継続に向けた取組でございますが、こちらのほうも、検討の方向性でということですが、小規模事業所もございますので、作成例や、例えばフォーマットのようなものを示していただくなど、作成支援の取組も必要と考えております。
 続きまして、2番の介護人材の確保、介護現場の革新の論点マル1、人材配置基準における両立支援の配慮でございますけれども、検討の方向性で対応いただきまして、誠に感謝をいたします。
 なお、産前、妊娠中、例えば、特に初期の状況では、不安定な例もありまして、状態に応じて、短時間勤務や休業等の措置を講じなければならない例もあり、また、事業所にもこれらの配慮義務がありますので、可能であれば、同じように合わせて配慮できるように、基準上でも御検討いただければありがたいかと思っております。
 なお、仕事と育児や介護との両立支援につきまして、私ども協会のほうでも、ワークサポートケアマネージャー制度を創設しまして、支援できる人材育成に向けて努めておりますことを、一言御報告をさせていただきます。
 それから、論点マル6のハラスメント対策についてですが、ハラスメントにつきましては、特に、居宅介護支援も含めまして、訪問業務を行う職種については、職場のみでなく、訪問先で不当な要求を受ける場合もございます。
 これまでも、これらの対策に関する要望が強いということもございますので、これらの点も踏まえまして、これは、ケース・バイ・ケースでございますけれども、例えば保険者と御相談、あるいは地域包括支援センター等と相談の上、サービス提供拒否に関する正当な理由に加えるということも、御検討いただければと存じます。
 続きまして、論点マル8のサービスの質向上や、職員の職場定着に関する取組でございます。
 介護ロボットやICT化というのは、やはり介護現場のイメージ向上にも寄与するということで、ぜひ進めていただければと存じます。
 また、腰痛予防に資する取組として、ノーリフティングケアの普及に向けて、評価とともに、研修や介護関係資格のカリキュラム等にも含めるなど、関係団体の取組を支援するということも重要と考えます。
 それから、論点マル10の会議等の活用に当たってのICTの活用でございますが、やはりICT活用は、感染予防、また効率化の観点からもぜひ進めていただきたいと存じます。
 論点マル11の文書量の負担軽減等でございますけれども、業務負担軽減のためにも、ぜひ検討の方向性で進めていただければと存じます。
 また、市町村、保険者等におかれましても、これが地域で共通仕様で、負担軽減を進めていただく方向になれば、双方の負担軽減につながると考えますので、今後は、例えばICT化により、各種申請手続等はシステム入力できるということを、ぜひ目指していただければと存じます。
 続きまして、3番の制度の安定性、持続可能性の確保でございますが、論点マル2の訪問介護、生活援助の訪問回数の多い利用者への対応でございます。
 8ページの論点マル2の2つ目のところで、先ほども御意見いただきましたが、ケアマネジャーの視点だけでなく、多職種協働による検証を行うものとございますけれども、そもそもケアプラン自身は、サービス担当者会議で、多職種で協議をするという他の専門職の視点も入った形で作成されているものであるということを、まず、前提として御理解いただければと存じます。
 その上で、保険者が関係する地域包括支援センター、居宅介護支援事業所について、事務負担の少ない方法が望ましいと考えますので、頻度や提出方法、箇所数が多い保険者ではICTを活用した入力や提出なども検討していただいてはいかがかと存じます。
 なお、財政制度審議会の資料のほうで、生活援助が身体介護に置き換わった例についての記載がございますけれども、今般の見直しにつきましては、自立支援の機能を高めるための、いわゆる老計10号の通知の見直しによりまして、これまで身体介護、自立支援とADL向上の観点以外に、重度化防止、QOL向上、IADL向上の観点が改めて記載されて入ったということで、明確化されております。
 当該資料には老計10号の見直しに関する言及はございませんけれども、そもそもその時点の調査で、本来は身体介護で算定可能なものが、生活援助に置き換えられていたという事実もございます。
 ということで各関係者におかれましては、引き続き、老計10号の見直しについて、改めて趣旨の浸透を図られたいと考えております。
 続きまして、論点マル3のサービスつき高齢者向け住宅等における適正な介護保険サービスの提供についてでございます。
 主として各検討の方向性のとおりで良いと考えておりますけれども、まず、適正なサービス提供を体制確保において、指導権限を有する保険者のほうで、指導監督体制を、やはり充実させていただくということ。
 また、具体的には、集団指導等で、方針や具体例で重要事項などをお示しいただきまして、必要に応じて個別指導や、簡素化の観点から書面指導を行うなど、効率的な方法も検討していただいてはどうかと考えております。
 介護支援専門員としても、利用者主体で対応すべきことでございますが、この件につきましては、個々の専門職やサービス自体の問題というよりは、経営組織という個別的な問題の影響もあり、保険者を中心とした対応が必要と考えております。
 また、資料の中では、在宅独居の場合とサービスつき高齢者向け住宅の場合で、サービス提供で大きな差異は見られないというデータもあり、給付が多いという先入観を排除するなどの配慮も必要と考えております。
 続きまして、論点マル4の福祉用具貸与、販売種目の在り方についてでございます。
 福祉用語を貸与から販売する場合の影響の資料にも記載がございますけれども、販売に移行することにより、利用者負担の増加への懸念が示されております。
 また、その利用者負担の増加によりまして、他の介護サービス利用への経済的な面でということでございますけれども、影響や、それによる要介護状態の、やはり悪化等も懸念されるところでございます。ですので、やはり慎重な検討が必要と考えております。
 高齢者の自立を阻害し、要介護とする疾患として、筋骨格系の低下により、転倒などで要介護状態の原因とされております、フレイル予防対策として歩行補助つえをはじめ、手すりや歩行器の使用が挙げられておりまして、適切な治療や予防を行うことで、要介護状態に進まずに済むということもございます。手すり等の貸与は、ただ単に補助具の提供だけでなく、介護支援専門員と、かかりつけ医との連携をはじめ、定期的なモニタリングによって、日常生活の維持や、悪化の予防の一端を担っており、ケアマネジメントプロセスの一環で、これらの重要性も御理解いただければと存じます。
 また、下肢機能が低下していく状態変化が短期的に起こっていく場合では、歩行補助つえから歩行器、手すり、そして車椅子など、短期的に使用する用具の変更が必要な場合もありまして、資料3の36ページの資料でも歩行補助つえにおいて、6割が1年未満で貸与を終了しております。
 貸与サービスがあることで、介護支援専門員が毎月のモニタリングを行い、そのことで状態変化を早期発見して対応してきております。
 もし、利用者が購入とした場合では、これらが、ある程度限定的または不要となるということにより、早期の状態確認が遅れ、結果的に重篤してしまうというリスクも懸念されるところでございます。このことは、制度本来の趣旨を踏まえて、慎重な検討が必要でございます。
 また、財政審財政制度審議会の資料では、ケアマネジメントについて要介護1、2の場合の単価が用いられておりますが、福祉用具を使用して歩行可能な状態像であれば、例えば、地域包括支援センター等の要支援、介護予防支援の対象も多いはずでありまして、費用計算に、これらの考慮が行われていないということでございます。
 また、ケアマネジメントにおいては、ここ数年来、研修カリキュラムの見直しや、当分科会でも、介護保険制度本来の趣旨である、いかに自立支援型ケアマネジメントを実施するかを検討して進められてきております。
 各種の人的介護保険サービスの利用からリハビリテーションや、他のサービスを活用して、要介護状態の軽減、悪化の防止、利用者の機能維持向上を図り、最大限その機能を活用して、福祉用具や地域の各種社会資源の活用によって、自立支援や状態の維持、継続向上を図ってまいりました。
 さらに、短期的には新型コロナウイルス感染防止のため、訪問通所系サービスの利用が困難になった例では、福祉用具貸与によって、何とか在宅介護支援している例も少なくはございません。これらのことも考慮して、検討をお願いしたいと存じます。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 間利子参考人、お願いします。
○間利子参考人 ありがとうございます。
 資料に沿って、それでは、意見を述べさせていただきます。
 まず、資料1の感染症や災害への対応ですけれども、従来より我々、この点、保険料・介護報酬で対応するのか、もしくは公費で対応するのか、その役割分担を精査していくべきことを申し上げておりまして、その観点から、先ほど安藤委員から御指摘があった点、我々も同じ意見でございます。
 資料2のほう、人材の確保ですとか、介護現場の革新についてです。
 まず、41ページ目、論点マル4の介護職員の特定処遇改善加算ですけれども、まさに、これも御意見がございましたように、この加算自体が、当初、導入された目的は何だったのかということを考える必要があると思っておりまして、我々も従来から、この加算が人材の獲得や定着にどの程度寄与したかという検証をするべきだということを求めております。
 そういった検証がないまま、かつ、この加算が新設されて間もないという点において、仮に緩和するということであれば、若干、これには疑問を感じるところでございます。
 導入された当初の目的ですとか、あるいは、公費1000億、保険料1000億、この財源を含めて、当初の目的に照らして適正な対応をお願いしたいと思っております。
 2点目ですけれども、今回の検討の方向性において、ICTですとか、ロボットあるいはセンサーなどの新たなテクノロジーを取り込む視点が多く盛り込まれたという点に関しては、大いに評価をするところでございます。
 生産性の向上が1つの課題となっている中で、当然、安全面での配慮というのは大前提になりますけれども、こうした技術を活用して、サービスの質の向上や介護現場の負担軽減あるいは効率的な事業運営を介護報酬上、後押ししていくことは重要な視点だと思っております。
 こうした観点から、53ページ目の論点5で提起されております、サービス提供体制加算にICTですとか、介護ロボットの活用等を盛り込むこと、あるいは72ページ、73ページの論点7の夜間における人員、報酬の見直しですとか、101ページ目の論点10の会議等に当たってのICTの活用についても、我々としては賛成です。
 こうした技術を活用して、生産性向上策を制度上に、より取り込んでいくという視点を想定すれば、92ページ目の論点マル9、ICTの活用による人員基準の緩和についても、私どもとしては、検討の余地があるのではないかと思っております。
 これに関連して強調しておきたいのは、ロボット等の技術、こういったものは日進月歩で進んでおりますので、かつ、政府もプラットフォームなどを立ち上げて実証を進めていると承知しております。
 ぜひ、こうした実用化の効果が明らかになった他の技術については、繰り返しになりますけれども、安全性にも配慮しながら、制度の中に柔軟に取り込めるような視点にも配慮していただきたい。
 こうした面から、101ページの論点10との関連では、居宅でも、いろいろな技術が活用できるような実証などを重ねていくべきだと、我々は思っております。
 これは、従来から申し上げていますが、ICT・介護ロボットに関して、特に導入時のコスト費用については、やはり公費による支援というような対応が望ましいと思っておりますので、その点、改めて強調させていただきたいと思います。
 それから、資料2の関連では、最後になりますけれども、生産性向上の観点から、特に114ページの論点11の文書量の負担軽減の視点も重要であると、我々としても賛成したいと思います。
 今回、示された論点に限らず、可能な限り文書量の負担軽減に向けて、削減ですとか、標準化、電子化などを進めていただきたいと思っております。
 引き続きまして、資料3の制度の安定性、持続可能性の確保について、幾つか御意見を申し上げたいと思います。
 まず、19ページ目の論点マル2、生活援助の訪問回数が多い利用者への対応ですが、この点、保険料ですとか、公費の財源を活用する以上、既に制度上、該当するとされているケアプランについては、やはり負荷があったとしても、ケアプランの妥当性を、少なくとも確認はしていくべきだと思っております。
 その観点から、今の制度の基本的な枠組みは、我々としては維持すべきだと考えております。
 以前の資料や、本日も提示されておりますけれども、現在の枠組みの確認を通じて、ケアプランが見直されたという事例も示されておりますので、こうしたことからも、届出の頻度なども含めて、基本的には、現状を維持するべきだと考えております。
 続いて、2点目ですけれども、37ページの論点4の福祉用具の貸与、販売種目の在り方についてでございますが、貸与を原則とする制度本来の趣旨については、一定程度理解できるところでございます。
 他方で、福祉用具の種類によっては、給付全体を勘案した場合に、購入することが一定程度の合理的なケースというのもあるというも、ある種納得的なところもありますので、例えば、利用に当たって、貸与ですとか、購入をしっかり比較し、ケアマネジャーですとか、保険者が、全体として購入が適切だということであれば、購入の選択を検討するというようなことも念頭に置くべきではないかと、このように思っております。
 最後、論点5の報酬体系の簡素化の視点でございます。
 制度の効率性ですとか、あるいは持続性の観点も含めて、簡素化という視点は重要だと思っております。
 一定の役割を終えた加算あるいは算定状況のよい加算については、原則的に廃止をしていくべき、もしくは、残すのであれば、より高いレベルに要件などを引き上げていくことをするべきだと思っております。
 基本報酬に組み込むという指摘もあります。仮に、そういうことを検討するのであれば、全体の評価を引き上げない形で要件化という視点で取り組むのが妥当ではないかと思っております。
 私からは、以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 お待たせしました、岡島委員、どうぞ。
○岡島委員 ありがとうございます。
 私からは、資料2について、論点から5項目について意見を述べたいと思います。
 まず、最初の論点マル5、サービス提供体制強化加算についてでございますけれども、資料の53ページの検討の方向案について、介護職員の専門性や定着率が高い事業所をより評価するという方向性には、異論はございません。
 ただし、財政中立を念頭に介護福祉士の割合ですとか、職員の勤続年数が長い事業所を高く評価するとした場合に、小規模事業所や、開設して日が浅い事業所が相対的に不利な評価とならないように、十分御配慮いただいた上で検討をお願いしたいと思います。
 続きまして、論点マル6、ハラスメント対策についてです。
 資料の60ページ、検討の方向案についてですが、以前の分科会でも申し上げましたが、職員が安全・安心に働き続けられる環境整備のために、ハラスメント対策は非常に重要ですので、まずは、運営基準等で規定することにつきましては、賛成でございます。
 その際に、実効性のある対策と、必要なときに適切に運用ができる事業者の知識や情報も必要ですので、研修や相談窓口の整備なども併せて進めていただきたいと思います。
 次に、論点マル7、夜間における人員、報酬、テクノロジーの活用についてです。
 資料の72ページの検討の方向案に記載の見守りセンサー等を導入した場合の新たな要件緩和及び老健等への適用拡大につきましては、慎重に検討すべき事項と考えまして、反対の立場で意見を申したいと思います。
 複数の委員からも御指摘がありましたとおり、ICT機器の活用につきましては、利用者の安全が十分確保された上で、職員の負担軽減を図ることが、本来の目的であります。
 今回の提案は、人員配置基準の緩和ありきではないかと懸念しております。
 また、資料では、見守りセンサーによって、直接介護、巡視時間が減少する、職員が担当する利用者一人当たりの時間が減少するという調査結果が出ておりますけれども、これをもって担当可能な利用者が増えると結論づけることは非常に拙速だと思います。
 むしろ、利用者に関わる時間が減ることでの安全性への影響や、センサーが反応しない状態の変化や、それに対する観察、ケアの質の低下、こういったものが生じていないかの検討が全く不足しています。
 介護施設におきましては、利用者の重度化も進む中で、夜間帯は少数職員で精いっぱい対応している状況でありますので、人員配置基準の緩和は、夜勤職員配置加算の趣旨とも逆行すると思います。
 見守り機器の設置、その確認、モニタリング業務なども加われば、場合によっては、現場の負担増となる可能性もございますので、総合的に慎重な検討をお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、論点マル1の人員配置基準における両立支援への配慮にあります短時間勤務制度を利用する場合の常勤換算の取扱いと、論点マル10、会議等に当たってのICTの活用、これらにつきましては、賛成でございます。
 特に、ICTを活用した会議は、事業者にとっても、利用者や御家族にとっても利便性につながることでありますし、中でも、在宅領域は異なる複数の事業所間の多職種連携が当然のことでございますので、ICT活用による効率化については、積極的に進めていただければと考えております。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 藤野委員、武久委員、江澤委員、お願いします。それから堀田委員ですね。
 藤野委員、お願いします。
○藤野委員 ありがとうございます。意見を3つ述べさせていただきます。
 最初に、介護人材の確保、介護現場の革新の論点マル4、介護職員等特別処遇改善加算についてです。
 リーダー級の介護職員について、他産業と遜色ない賃金水準の実現には、まだ十分ではないことが、調査結果より明らかです。
 41ページの検討の方向案における柔軟な配分についてですが、運用の仕方によっては、リーダー級の介護職への重点化から遠のく可能性があり、本質的には検討の方向性案の3つ目の四角にあるような経験技能のある介護職員が多い事業所や職場環境が良い事業所に重点的に配分されるべきであると考えます。
 そのためには、1つには、研修や学習の積み重ねによる自己研鑽を継続することで、介護サービスの質を担保するために努力している介護福祉士の評価が考えられると思います。
 また、これまでの意見にあるように、マネジメント力を備えた介護福祉士を介護職のチームリーダーとして登用していくことや、関連する研修のシンプル化を図っていくことは、質の高い介護サービスを担保していく上で、極めて重要な視点であると考えます。
 次に、論点マル7、夜間における人員、報酬についてです。
 介護ロボット等の導入促進に当たっては、配置要件の緩和もさることながら、導入の目標を押さえながら、現場を誘導することが必要になります。
 どのような導入が効果的か、介護職にどのような指導が必要か、介護福祉士が現場を誘導する必要があり、介護ロボット等を活用することにより、より質の高い介護を行うためには、全国的に広く、これらに関する研修を進めていく必要があると考えます。
 最後に、制度の安定性、持続可能性の確保の論点、訪問介護、生活援助の訪問回数が多い利用者への対応についてです。
 生活援助が身体介護に振り替えられているではないかとの問題提起がされていますが、当然ながら、生活援助と身体介護は支援内容が異なり、簡単に振り替えられるものではありません。
 支援内容を見つめ直す中で、適正化されたと見るべきで、見守り的援助に移行したことで、利用者の自立度、自立支援につながったとの結果も出ており、真に必要なサービスへの移行と捉えるべきと考えます。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 武久委員、お願いいたします。
○武久委員 ありがとうございます。
 人材確保と制度の安定という部分について、お話をしたいと思います。
 コロナが、ますますまた冬にかけてはやりそうで、日本の政府もそちらにお金がいって、なかなか来年の介護報酬、潤沢な余裕がないのでないかと思う。この環境の中で、頑張ってらっしゃる担当の方には敬意を表しますけれども、現場のものとしては、非常に厳しいものがございますので、お話をさせていただきたいと思います。
 人材確保は、先ほど、若い人というのは、のけようというお話でしたけれども、確かに若い人は減っておりましてね、いわゆる定年のような方の採用、また、パートの採用等が増えておることも事実ですけれども、ITの導入、介護ロボットということですけれども、直接介護には、ロボットは対応できませんので、やはり記録とか、そういうものがかなり時間を取っておりますので、そういうことに対して、黒岩知事が県の補助を出しているということですので、できれば、この人材を少し減らしていただくような提案がございますけれども、機械化によって人材が少し減るのであれば、大変ありがたいのですけれども、そのためには、多少のそういう機器の購入の補助金を出していただけると大変ありがたいなと思う次第でございます。
 また、それぞれのサービスで収支予想が1%から2%ぐらいの黒字というようなのが、以前に出されておりましたけれども、これは、逆に言うと、半分ぐらいが赤字に相当するようなサービスも当然あります。
 施設全体として、特養とか老健にしても、1、2%の利益率で、建物が建って30年、40年経つと、またリニューアルしないといけないのですね。どのぐらいのパーセントの利益が毎年あれば、40年後に新しい施設が建つことができるのかというような、何かもくろみみたいなものがございましたら、担当課のほうからお示しいただけると、大変ありがたいと思います。
 それから、逆にまた、施設の評判がいいというか、地元でいい施設だと言われておりますと、長期の継続勤務の職員が非常に多くなって、離職者が少なくなって、パートの人もそれほど多くないということになると、人件費率が非常に上がっているというのが現状です。
 そういうような、長期の勤務をしている職員がたくさんいるからといって、点数が増えるわけでもありませんし、また、最近は加算のような項目が非常に多くなっておりまして、加算を取ることによって、また、人件費が上がっていくということもありますので、やはり長期勤務者が多いところには、何らかの対応をしていただけると、誠にありがたいかなと思っている次第でございます。
 制度が安定するかどうかというのは、先ほど申しましたように、毎年の少しの利益を蓄積していって、何十年か後にリニューアルしないといけないということ、それが可能でなければ、制度は継続できないということになるのですけれども、2040年を過ぎる頃には、もう要介護度者も減って、今の介護施設の3分の2ぐらいでいいのだと、お考えになっているのであれば、毎年の利益率が低くてもいいと思いますけれども、大変現場も逼迫しておりまして、厳しい。また担当の卸の皆さん方も大変厳しい中で、大変ものが言いにくいのですけれども、先ほどの、何かメルクマールのようなものがありましたら、お答えいただけたら、お教えいただけるとありがたいと思います。
 ありがとうございます。お答えになりますか。
○田中分科会長 お答えになれますか。
〇眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 御質問ありがとうございました。
 介護サービスを安定的、継続的に提供していくということが重要でございまして、そのために、法律上も、介護報酬は、サービス平均的な費用を勘案して定めるとなっているところでございます。
 その費用の中には、今おっしゃっていただいたとおり、人材確保から再投資まで安定的、継続的な費用というのは当然含まれるべきものだろうと考えてございます。
 一方で、私ども、それが定量的に何パーセントと、今、お答えできる数値のようなものは、手元というか、用意してございません。3年ごとに制度を全体的に見直し、報酬も全体的に見直していくという中で、あとは、介護保険事業計画ですけれども、そのゆくえを見据えて、当然、施設から、例えば居宅サービスに、サービスを転換するにしても、例えばそれは、やはり体力が要る話でございますので、そこは、そういう計画を踏まえながら、事業所が安定的、継続的にサービスを提供していただけるような、そういう費用をお支払いできるだけの報酬を確保していくべきものと、すみません、定性的な回答になってしまいますけれども、そのように認識をしております。
○田中分科会長 よろしいですか。苦しいから、ここまでしか言えないと思うのですけれども、ありがとうございました。
 江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
 資料1から順に、幾つか意見を申し上げたいと思います。
 まず、資料の27ページに、社会福祉施設等の介護職員等の確保支援が示されておりますけれども、介護事業所内において、新型コロナウイルス感染症の発生を来すと、濃厚接触者をはじめとする複数の職員が職場から離れることになって、残った少人数の職員で業務を継続せざるを得ないという経験をたくさんしてきたわけでございます。
 したがいまして、そういったときの人材確保が、極めて重要な課題であります。
 ここにございますように、現状、都道府県が県内の老健協や老施協等の関係団体に業務の委託を行って、各団体が人材確保や応援派遣の調整等をどうにか行っている事例が多いわけですけれども、都道府県内の県レベルの関係団体の多くは、事務所を持っていないところが多くて、そして、専従の事務局職員もいない状況であって、献身的に、ボランティア的に取り組んでいるわけであります。
 したがいまして、この地域の献身的に取り組んでいただいている関係団体の有無によって、この人材確保が地域によって差を生じることにもつながりますし、これだけの国難ですから、ぜひ行政主導で都道府県自ら民間団体からの協力を仰いで人材確保に努めるべきであると思っております。
 続きまして、28ページの検討方向に関することですけれども、平時より医療機関と介護事業所の相互の連携体制の構築が重要であると思っております。
 すなわち、医療機関は介護事業所に感染対策のアドバイスを行うとともに、医療機関は、不慣れな、余り慣れていないであろう、認知症や障害者への対応力向上を平時から図っておくということが、準備対応すべきことだと思っております。
 もう一点は、新型コロナウイルス感染後において、やむを得ず介護施設で入所継続せざるを得ない場合に、検査、診断、治療等に関して、まず、医療提供機会の確保、そして、それに要する医療費の手当が急務であると考えております。
 新型コロナウイルス感染症は、急性疾患であり、高齢者においても治療によって十分回復を図ることができる疾患でありますし、今後の治療は、発症の早期にウイルス増殖を抑えることにシフトしてまいりますので、治療すべき時期を逸することなく、こういった治療を受ける機会の確保、あるいは、そういったときの費用の手当を早急に考えていく必要があると考えております。
 続きまして、資料2の41ページでございます。
 介護職員等特定処遇改善加算につきまして、既に3分の2事業所が、熟慮を重ねた上で、職員への配分を決めて支給が行われています。
 事業所内において、今回の配分ルールを、次年度へ変更することについては、抵抗感が強いと予測されます。そして、まだ始まったばかりの取組ですので、そして本来の趣旨である経験・技能を有する介護福祉士を十分に評価することも鑑みて、配分の仕組みを、この時点で変更することは慎重に検討すべきだと思っております。
 あわせまして、今後、10年以上の勤続経験かつ介護福祉士の配置数を各事業所においての実態把握を行うことによって、その配置に応じた加算の配分とすべきと考えます。
 続きまして、63ページから見守りセンサー等の関連資料のデータが出されておりまして63から65につながって、71ページに、実証結果のまとめがあって、72、73に検討の方向が出ておりますが、まず、この63ページにおいて、上のグラフの結果について、まず、nの数が4でありまして、下はnが7、64ページも8つの介護事業所、65ページも26施設のデータでございまして、今回の検証の事業としては、まだまだ数が少なくて、これをいきなり全国の全ての事業所に当てはめていいのかどうか、もう少し数を重ねて、しっかり慎重に検討して行うべきではないかと思っております。
 続きまして、86ページに論点マル8の検討の方向がございますけれども、最後のところに、ノーリフティングケアを進めることは、よろしいかと思いますが、一方で、もののように、つり上げられる利用者の視点も重要でありまして、果たして、それが利用者に受け入れられることができるのかどうか。
 あわせて、機械のみに頼ることなく、腰痛予防に資する介護技術の向上、すでにいろいろな腰痛を防止する介護技術がかなりありますので、そういったことを目指していくことも必要だと思っております。
 最後に、資料3にまいります。
 資料3の7ページに、区分支給限度基準額の計算方法がありますが、集合住宅減算は、移動の手間や時間を考慮して導入されております。
 一方で、通所サービスの大規模減算は、利用者の数が一定以上という観点のみで導入されていますので、別に事業者側からすると、手間隙が省けているわけではないので、そもそもこれを見直す前に、大規模減算の見直しをするほうが、優先事項であると考えているとこでございます。
 続きまして、19ページでございます。
 生活援助の訪問回数及び利用者の対応ですけれども、そもそも本人を見ないで、プランだけで判断するというのは極めて難しいことでありますので、今後、これどうするかは検討課題だと思います。
 あわせて、この中で出ている地域ケア会議が、こういうことを点検することが役割かどうかというと、ちょっと疑問を持っております。地域ケア会議には、こういったプランに対する専門家がいるわけでもないので、よりプロフェッショナルな視点で、サービスの質がどうであるかという視点で検討していくことが必要だと思っております。
 最後に、論点3のサ高住にかける適正な介護保険サービス提供について申し上げたいと思います。20ページ。
 ここの論点マル3に、家賃等を不当に下げて入居者を集め、その収入の不足分について、入居者に過剰な介護保険サービスを提供している場合。これは、多くの方が不適切であろうと認識がされると思いますけれども、こういった契約形態を全て洗い出して、あるいは実地調査等で、こういうところを指導、改善していくことが重要ではないかと思っております。
 続きましては、資料が幾つか続きまして、25ページにその検討の方向が出ておりますけれども、まず、ここに過剰という言葉がありますけれども、過剰の定義あるいは逆に過少の定義というものが、まだまだコンセンサスを得られていない状況だと思いますし、数が多いことイコールが悪ではないであろうし、サービスの質がどうかということが非常に重要だと思っております。
 ですから、囲い込みの有無ではなくて、サービスの質がどうなのか、尊厳の保持、自立支援につながっているのかどうかということが重要でありまして、一部の不適切な事業者によって、悪貨が良貨を駆逐するようなことが決してあってはならないので、やはり、適正なサービス提供の内容について見ていただいて、単に、ここでは数の議論しかないというのが非常に寂しいことだと思っておりますので、そのサービスの質を物差しとして測っていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
 堀田委員、どうぞ。
○堀田委員 時間になっているので、できるだけ絞って効率的に申し上げたいと思います。
 主に資料1と2に限定したいと思います。
 最初に、資料1についてなのですけれども、資料1については、7ページのところで、全部まとめて申し上げたいと思います。
 7ページのところで、総合的な取組をということが描かれているわけですけれども、これは、改めて感染症、災害ともになのですが、多くの委員が指摘してくださっていたと思うのですけれども、事業所、方針を超えて、さらに自治体、住民を含めて、ともに学んで、そして備える。さらに対応ができるという観点から、全体的な施策についての整合性を見ていただければなと思っています。
 それぞれの○でいきますと、まず、介護報酬についてというところでは、臨時的な対応について、改めてエビデンスに基づいた評価で続けるのか、廃止するのかということを、きっちりと検討すべきで、これまでの会議の中でも出てきたと思いますが、そうだと思います。
 それから、運営基準等のところについては、今回のこのテーマ以外でも、今回の報酬改定では、結構いろいろなテーマで、今まで運営基準に定めがなかったものについて規定するとか、あるいは努力義務を義務にするといったような方向性が示されていると思います。
 それはそれで、重要なアプローチだなと思いながらも、これまでの運営基準の定められたことというのが、やはり、残念ながら形骸化してしまっていたりとか、運営基準に定められていると、ものによってやらなければならない、そして、それをチェックしなければならないという、業務はどんどん増えていく。そして、もしかすると、それに伴う研修、会議、書類も増えていくということになりますので、単に運営基準に定めるということだけではなくて、何ができるような状態を求めているのかということを明確にすることと、これは、ほかの委員からも、いろいろと御指摘があったと思いますが、それがしっかりとできるための支援ということも並行して考えていくことが可決だと思っています。
 この後、2つは、この報酬にということではないのですけれども、いろいろな事業にひもづけてということも重要なところですが、今、第8期の介護保険事業計画の中でも、基本指針に盛り込まれて、できれば感染症・災害対応ということが議論されてほしいということになっているのだと思うのですが、残念ながら、必ずしも全ての自治体で、それが盛り込まれているとは言いがたいというところがあると思いますので、来年度以降、この報酬でというだけではない介護保険事業計画の中で、関連づけられた事業で、どのように、面の体制をつくっていくのか、それを、医療介護を通じてやっていくのかということは、検討課題として認識しておく必要があると思っています。
 このページでは、最後なのですが、もう一つ、ここには○がないのではと思いますけれども、介護福祉士のみならず、対人援助職の教育研修の中で、この感染とか災害に対応するということを明確に、一部位置づけていくということも、検討課題ではないかなと思っています。
 次に、資料2に行きたいと思います。
 資料2については、主に論点のマル3とマル5に関連して申し上げたいと思います。
 このマル3とマル5というのは、資料3の論点マル5の報酬体系の簡素化という観点から見ると、中長期的に考えると、この2つの考え方をどうやって整理していくかということ、今回も53ページの中で、処遇改善加算点を求める項目と同趣旨の要件を廃止することを検討してはどうかということが書かれているのですが、改めて、今、論点のマル3のほうの職場環境等要件について、老健事業などでも議論をしておりますと、やはり介護職員にとっての雇用の質、この処遇改善というのは雇用の質に焦点があると思うのですけれども、雇用の質を高めていくということは、結果的に介護サービスの質を高めるというアプローチ、つまり論点マル5のほうに近づいていくということになりますし、他方で介護職員のやりがいということを考えると、やはり質の高いサービスの提供を通じて、御本人の満足感、そして、自立支援とか尊厳の保持につながったということが、やりがいにつながっているとすると、このマル5のほうのサービスの質の向上に関わるアプローチが、結果的に、雇用の質を高めるということにもなっているのだと思います。
 ですので、今回どうこうということではないのですけれども、シンプル化していくということで考えますと、マル3番、マル5番、つまり処遇改善という雇用の質に関わるアプローチと、サービスの質を高めるということ、それを応援しようという加算ということの、この趣旨をうまく調整していく、あるいは統合していくといったような検討も重要ではないかと思っています。
 この後は、53ページのサービス提供体制強化加算に関連して申し上げたいと思います。
 この検討の方向性の1つ目、これまでも、いろいろな観点から複数の委員から御指摘があったのですが、今回、今の段階で、この勤続年数とか、あるいは介護福祉士の割合ということを評価する見直しを検討というのは、ある程度、その方向で致し方ないと考えてもいいのかなと思っています。
 ただ、他方で、サービス提供体制強化あるいはサービスの質の向上という観点で考えると、これは43ページのほう再び載せてくださっていると思うのですが、当初、平成21年度の報酬改定の中でも、こういったストラクチャーに視点を置いた形での評価というのは、アウトカムですね、サービスの質を評価する具体的な指標ができるまでの当面の措置と位置づけられているということになりますので、今後、このサービスの質を高めるという観点での、サービス提供体制強化加算の中に入れるのであれば、アウトカムに基づく評価のほうが進んでいったら、改めて見直すということが必要なのではないかなと思います。
 53ページに戻りまして、これが最後です。
 2つ目のポツなのですけれども、括弧の中にICTロボットが活用とか、介護助手等の元気高齢者の活躍といったことが描かれています。
 これは、これで論点マル8のICT・ロボットの活用といったところにも関連づけて結構だと思うのですが、これは現段階では、質の高い介護サービスの提供にというよりも、効果的かつ効率的なサービス提供体制ということを積極的に試みるという、そういった取組ではないかと思いますので、必ずしもICT・ロボットを活用している、あるいは多様な人材を活用しているということが、質の高いサービスの提供に直結しているかどうかは、現段階では必ずしも明らかではないというところからすると、ここの趣旨を効果的、効率的なサービス提供ということに向けてのチャレンジを評価するという視点からであれば、こういった取組を評価してもいいのではないかなと思っています。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 論点は個別でなく、論点同士の関係も大切だと指摘いただきました。
 ほかに、いかがでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 多少時間を超過しましたが、本日の議論は、ここまでといたします。
 いただいた意見を踏まえて、さらに検討を進めてまいります。本日は、ここまでといたします。
 最後に、次回の分科会の日程について、事務局から説明をお願いします。
○栗原企画官 次回の日程は、事務局から追って御連絡をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○田中分科会長 本日は、これにて閉会いたします。
 どうも御議論、ありがとうございました。