2020年9月9日 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第35回) 議事録

日時

令和2年9月9日(水)14:46~16:18

場所

中央労働委員会 労働委員会会館講堂(7階)

出席者

今村主査、酒井構成員、志藤構成員、宮崎構成員、坂爪構成員、高田構成員、土井構成員、三宅構成員

議事

 
 
○事務局
 第35回独立行政法人評価に関する有識者会議労働ワーキンググループを開催いたします。本日の出席状況について御報告いたします。本日は、坂爪構成員、高田構成員、土井構成員、三宅構成員がオンラインでの御参加、関口構成員が御欠席、中村構成員は第36回からの御参加になります。
 続きまして、本日の議事について説明いたします。本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧ください。本日は、高齢・障害・求職者雇用支援機構につきまして、令和元年度業務実績評価に係る意見聴取を行うこととなっています。具体的には、重点化の対象とする項目を中心に御意見を伺えればと考えております。また、例えば「A」という評定が適切かどうかというだけでなく、法人の取組の中で、中期目標の達成に向けて、優良と思われる点や、逆に課題があると思われる点については、評定に直接影響しないような場合であっても、積極的に御指摘をいただければと思います。
 それから、御説明される方にお願いですが、オンラインで御参加されている先生方もいらっしゃいますので、説明の際に資料を引用する場合はページ番号等を明示していただき、また大きな声で比較的ゆっくりと御発言いただけると幸いでございます。それでは、今村先生、よろしくお願いいたします。
 
○今村主査
 ただいま事務局から御説明いただきましたが、その内容について何か御質問等がありましたらお願いします。特にオンラインでの音声の説明については、御協力をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。マスクでしゃべりにくいと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入りたいと思います。高齢・障害・求職者雇用支援機構の令和元年度業務実績評価について御議論いただきたいと思います。初めに、法人所管課室から「重点化対策項目選定の考え方」について御説明いただき、その後、法人から「法人の業務概要」及び「重点化対象項目」の業務実績及び自己評価について御説明いただきます。この2つの説明が終わってから、質疑応答という流れで進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 では、法人所管課から、重点化対象項目選定の考え方についての説明をお願いいたします。
 
○職業安定局雇用開発企画課長
 雇用開発企画課長でございます。資料1を御覧ください。機構の第4期中期目標期間における評価項目は、全部で17項目ございます。そのうち8項目については、中期目標において重要度又は難易度が高い項目として設定したことから、「独立行政法人の評価に関する指針」に基づきまして、これらを重点化対象項目としているところです。
 1つ目は、「高年齢者等の雇用に係る相談・援助、意識啓発等」です。重要度、難易度ともに高い項目として設定しております。「働き方改革実行計画」に盛り込まれた「65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年延長を行う企業への支援を充実し、将来的に継続雇用年齢等の引上げを進めていくための環境整備」に直接寄与する極めて重要な業務です。また、65歳を超えた継続雇用延長、65歳以上への定年引上げは、事業主にとって法定義務を超えた取組でして、重大・慎重な経営判断を要する人事制度の改正を伴うものであるためです。
 2つ目は、「地域障害者職業センター等における障害者及び事業主に対する専門的支援」です。重要度、難易度ともに高い項目として設定をしております。一億総活躍社会の実現に向け、特に精神障害者等に対する個別性の高い雇用管理等を実現するための質の高い支援ニーズが増加しており、これに応えることは極めて重要です。また、精神障害者等への支援を一層重点化しつつ、それ以外の障害者にも的確な支援を実施するとともに、支援実施事業所数の増加を目指し、かつ就職率、職場定着率を高い水準で維持することは、高度な専門性やきめ細やかな対応等を要するためです。
 3つ目は、「地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」です。重要度の高い項目として設定しております。一億総活躍社会の実現に向け、地域の就労支援機関や企業が連携し、障害者雇用に独自に取り組める環境を更に整備することが望まれ、その基礎となる人材の育成や助言・援助等の推進は極めて重要なためです。
 4つ目は、「職業リハビリテーションに関する調査・研究及び新たな技法等の開発の実施とその普及・活用の推進」です。難易度の高い項目として設定しております。これまでの支援技法では対処困難な課題を解決するために、最新の知見の集約、新たな技法等の開発が求められることに加え、外部委員のうち3分の2の委員から最高評価を得るという極めて高い目標を設定しているためです。
 5つ目は、「離職者を対象とする職業訓練の実施」です。重要度、難易度ともに高い項目として設定しております。全国にわたり離職者に必要な職業訓練を実施し、雇用のセーフティネットとしての訓練機会を担保する重要な役割を担っております。また、第4次産業革命の進展に対応したものづくり分野のIoT技術等のコースの実施に当たっては、技術革新が進む中で、短い期間で必要な技能、技術を身に付けることができるように、新たなカリキュラムの開発等が必要になることに加え、受講者数を平成28年度実績の2倍以上とする指標を設定しているためです。
 6つ目は、「高度技能者養成のための職業訓練の実施」です。重要度、難易度ともに高い項目として設定しております。ロボット技術は、製造業の生産現場等における人手不足の解消などを解決する可能性を有しており、少子高齢化等が進展する中で、ロボット技術を活用できる高度な人材を養成することは重要です。また、第4次産業革命の進展に対応した生産ロボットシステムコースを新たに開発することに加え、全ての職業能力開発大学校において実施するとともに、定員の90%以上が受講し、さらに修了するという目標を設定しているためです。
 7つ目は、「在職者を対象とする職業訓練及び事業主等との連携・支援の実施」です。重要度、難易度ともに高い項目として設定しております。中小企業等の生産性向上のため、IoT等の進展に対応した訓練の充実やIT理解・活用力の習得のための取組など、IT力の強化等に向けた取組が重要です。また、在職者訓練は技術革新等に対応した訓練を開発する中で、第3期中期目標期間の実績を上回る水準を設定しており、生産性向上人材育成支援センターは、ものづくり分野以外の訓練の開発等が必要であることに加え、生産性向上等に取り組んだ事業所数を指標として設定しているためです。
 8つ目は、「障害者職業能力開発業務に関する事項」です。重要度の高い項目として設定しております。障害者が希望や能力、適性をいかし、障害特性等に応じて働くことができるよう、機構営校においては、先導的な職業訓練の実施を通じて開発した指導技法等を、より一層普及させるという重要な役割を担っているためです。御説明は以上です。
 
○今村主査
 それでは、今の報告を基にして、法人から法人の業務概要及び重点化対象項目の業務実績及び自己評価について、説明をお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長
 高齢・障害・求職者雇用支援機構企画部長です。ただいまの厚生労働省の御説明に続き、法人のほうから当該業務及び自己評価について御説明したいと思います。
 当機構は、高年齢者の雇用の確保、障害者の職業的自立の推進、求職者をはじめとする労働者の職業能力の開発・向上のために総合的な支援を行っております。我が国は、少子高齢化の進展により、本格的な人口減少社会の入口に立っておりますが、こうした状況の下で、今後とも経済社会の活力を維持していくためには、高齢者や障害者の方々を含め、働く意欲と能力を持つ全ての国民の皆様方が生涯にわたって、その能力を発揮していくことが不可欠ですので、かかる当機構の活動を一層進めていきたいと考えております。こうしたことから、本会議の趣旨を踏まえまして、当機構の業務実績につき御説明したいと考えています。
 本日は、当機構の令和元年度の業務実績について、先ほど厚生労働省から御説明いただいた重点化対象項目の8項目につきまして、実績を取りまとめたポンチ絵を中心に御説明いたします。
 これに当たりまして、私から今回の対象業務の概要及び自己評価を御説明し、説明の後に、皆様方との質疑に移らせていただくと伺っております。この自己評価に当たっては、総務省、厚生労働省の評価指針に沿って、当機構として考えたところです。すなわち、今回の評価結果に照らし合わせますと、計画における初期の目標を上回り、顕著な成果が得られ、定量的指標で対計画の120%以上で質的に顕著な成果が認められるものを「S」、計画における所期の目標を上回る成果が認められるもの、定量的指標で対計画の120%以上か、またこれらの指針の考え方に沿いまして、計画上の難易度や業務の質の面も考慮することとしているものを「A」、計画における所期の目標達成が認められるもの、定量的指標で対計画の100%以上120%未満のものを「B」としております。
 私どもの評価に当たっては、業務の性格と、その遂行に当たり、私どもの努力や工夫を踏まえていることを申し上げたいと思います。こうした点を踏まえた、めりはりのある説明に心掛けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、今から申し上げます実績につきましては、当機構の外部評価委員会において、外部の有識者に御審議いただき、自己評価について、おおむね妥当とお認めいただいているものでございます。それでは、具体的な説明に移らせていただきます。
 資料の6ページを御覧ください。こちらについては、「高年齢者等の雇用に係る相談・援助、意識啓発等」の業務です。この業務は、社会保険労務士等を65歳超雇用推進プランナーや高年齢者雇用アドバイザーとして委嘱し、企業に対して定年の引上げや継続雇用制度の導入などに関する制度改善提案や専門的な相談・援助を実施しているものです。また、実践的手法の開発や生涯現役社会の実現に向けた啓発等を行っております。このような業務を概要等のところで書いております。評価については、後でもう一回申し上げますが、「S」とさせていただいています。
 9ページを御覧ください。この中期目標期間においては、高年齢者雇用に係る相談・援助業務について、従来の相談・援助よりも更に一歩踏み込んで、企業を複数回訪問し、定年の引上げや継続雇用制度の導入などに関して、具体的に制度改善の提案を行う業務を実施しております。この提案業務については、実績が1万1,829件と達成度は197.2%、制度改善提案によって見直しを進めた事業主の割合は66.1%、達成度は165.3%と、共に目標を大きく上回る実績を上げました。この提案では、機構が委嘱したプランナーが企業を複数回訪問し、高齢社員の年齢構成、活用状況、課題等を把握した上で、65歳以上への定年延長、65歳を超えた継続雇用延長などについて具体的に提案いたします。プランナーの制度改善提案は、4か月から半年後に、訪問などにより見直しを進めたかを確認いたします。グラフに書いておりますが、訪問などにより見直しを進めたかを確認し、定年引上げ、継続雇用延長を行ったもの、事業主として基本方針を決定したなど、見直しに向けて一定の進捗が見られたものについて、66.1%ということで、9ページの右下に書いております。
 次に10ページを御覧ください。これは制度改善提案の具体的な流れを書いております。最初の訪問で、ヒアリングシートに基づき当該事業所の現状・課題を聞き取り、チェックリストで企業風土、働きやすさ、戦力化の度合いを把握し、人員フロー図で人材過不足の推移を見える化いたします。その企業では働きやすいが戦力化は進んでいないこと、年齢構成上、10年後には人材不足が深刻化することなどが課題として浮かび上がっていることが分かります。そして、再びその企業を訪問し、70歳までの継続雇用延長を提案したところです。この提案シートには、就業意欲向上、企業イメージアップによる中途採用への効果などといった点を記載しております。このようなものが制度改善の1例です。また、左下については、制度改善提案を受けて、定年延長などと併せて、人事諸制度の見直しを進めた事例を紹介させていただいております。
 11ページを御覧ください。サービスの質の向上及び実践的手法の開発についてです。アドバイザーやプランナーが、最新の知識から実践的ノウハウなど、様々な形で体系的に習得できるよう、労働法規、賃金評価制度等のより実践的な内容のカリキュラムを導入し、研修体系を見直したところです。例えば、実践的手法の開発等としては、65歳超雇用に向けた企業の課題を診断するツールとして「新・雇用力評価ツール」を開発したなど、またキャリア研修などのツールとして様々な冊子を作成いたしました。さらに、事例集を改訂し、評価・報酬体系の構築や退職金制度などの事例を充実させたところです。
 12ページを御覧ください。今のような活動に加え、生涯現役社会の実現に向けた啓発活動も非常に重要です。来月も予定していますが、10月の高年齢者雇用支援月間では、高年齢者雇用開発コンテストにおける表彰を行いました。また、シンポジウムなどを全国で開催しているところです。
 今、申し上げた業務の概況を踏まえまして、改めて自己評価についてまとめさせていただきますと、7ページから8ページに評価の部分を書いています。まず、冒頭に説明がありましたように、この業務については難易度の高い業務に設定しているほか、ここの指標で挙げられている目標について、達成度は120%を大きく上回っております。昨年度の厚生労働大臣評価においても「S」評価となった指標を更に上回っているということに加え、様々なツールの開発、研鑽など、質の向上や啓発活動に積極的に取り組んだということから、自己評価を「S」とさせていただいているところです。
 13ページを御覧ください。「地域障害者職業センター等における障害者及び事業主に対する専門的支援」です。各都道府県において設置している地域障害者職業センターにおいて、障害者と事業主の方々の双方に対して、障害者の方が就業し、就業が継続できるようにするための職業リハビリテーションサービスを提供する業務です。14ページを御覧ください。ここの評価は「A」とさせていただいております。
 具体的に業務の概要について説明いたします。16ページを御覧ください。この地域センターでは、他の機関では支援が困難な専門性の高い支援を必要とする精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者の方々の支援を積極的に実施し、その対象者数は2万1,201人と目標を上回るとともに、過去最高となっているところです。また、内訳を見てみましても、発達障害者が8,464人と過去最高となっております。
 17ページを御覧ください。こちらについては、サービスの具体的な実施の流れです。障害者の方々は様々な特性が個々に異なるため、その特性と職業上の課題とを的確に把握し、それぞれ目標に応じた支援を実施しており、その例を示しております。それぞれの障害特性に応じて職業評価を行い、個々の課題に応じて支援目標を立て、職リハ計画を策定し、就職前から就職後まで、職業上の課題に応じた各種支援を行いますが、そういった様々な活動、取組について個々の障害者の特性に応じた専門性の高い支援を行っているところです。
 18ページを御覧ください。こちらは、障害者の雇用管理に関する専門的な支援の実施です。障害者雇用に関する事業主のための支援メニューを分かりやすく整理したツールがあります。こうしたツールを活用しまして、事業主の支援ニーズや個々の状況に応じた支援内容を効果的に組み合わせた支援を実施いたしました。右下の事例にあるように、障害者雇用の理解を深める段階から、採用、職場定着に至るまで、各ステージにおける専門的支援の活用について分かりやすい提案を行い、支援ニーズや個々の事業所の状況に応じた支援内容を効果的に組み合わせて、体系的な支援を実施したところです。このような取組の結果、目標である支援実施事業所数について、実績値は1万9,492所と目標を上回るとともに、過去最高になりました。
 19ページを御覧ください。障害者のこうした支援においては、職業準備支援というのが大切です。ここでは、うつ病等の気分障害のある障害者の増加を踏まえ、ストレス対処等の適応力向上を図る専用の適応支援カリキュラムを平成30年度の10都県から拡充して、全国の地域センターで実施したところです。中段に実施例がありますが、キャリア・ストレス対処のほか、ストレス対処の状況を想定した作業継続力の向上を図るためのジョブリハーサル、ハローワークとの連携による求職活動など、様々な手法を組み合わせながら支援を行っております。こうした取組の結果、職業準備支援の修了者のうち、精神障害者、発達障害者及び高次脳機能障害者の就職率については70.4%と目標を上回っております。
 20ページを御覧ください。ジョブコーチの支援の推進についてです。精神障害者、発達障害者などの個々のニーズに応じて、相談支援を中心としたジョブコーチ支援を実施いたしました。具体的には、精神障害者に対しては、ストレスや疲労などを自ら把握できるようにモニタリングシートを活用したり、発達障害者に対しては、それぞれの職場で求められるコミュニケーションに関するアドバイスなどをしております。こうした取組の結果、ジョブコーチ支援終了者のうち、精神障害者、発達障害者、高次脳機能障害者の支援終了6か月後の職場定着率については88.4%と、目標を上回るとともに過去最高となりました。
 21ページについては、精神障害者の総合雇用支援の推進です。中期目標の指標には設定しておりませんが、精神障害者の方、事業主を対象に、様々な所と連携しながら、職場復帰に向けた支援を行いました。リワーク支援の対象者については過去最高と同程度の実績になっております。
 今、申し上げた業務を踏まえて自己評価を行いました。14ページから15ページを御覧ください。こちらについても、難易度が高い業務ということで設定されております。挙げた目標の中で、それぞれ目標を上回っているところです。そのうち、3つの目標については過去最高の実績を上げました。さらに、説明したように、障害者の方、事業主の方に対して、様々な工夫を重ねた質の高いサービスを提供することができたということで、自己評価を「A」とさせていただいております。
 次に、22ページを御覧ください。「地域の関係機関に対する助言・援助等及び職業リハビリテーションの専門的な人材の育成」です。今、申し上げた地域センターが関係機関に対して行う助言・援助やジョブコーチなどの人材育成の業務です。23ページを御覧ください。こちらについては「A」とさせていただいております。
 24ページを御覧ください。地域の関係機関に対する助言・援助です。障害者の身近な地域の中核的役割を期待されている障害者就業・生活支援センターや、ノウハウが不足している新設された就労移行支援事業所などに対して、重点的に助言等を実施し、地域の就労支援の基盤強化に貢献したところです。右下に、就労支援ネットワークによる支援体制と助言・援助の相関図をお示ししております。当機構の障害者職業総合センター研究部門が開発した研究成果や支援技法を踏まえながら、各地域センターが障害者就業・生活支援センターや就労移行支援事業所などに対して、技術的助言や実習などを行っております。こうした結果、職業リハビリテーションに関する助言・援助等を実施した就労移行支援事業所等の設置総数に占める割合については、59.5%と目標を上回り、また、こうした助言・援助などを受けた関係機関に対する追跡調査を行ったところ、その改善寄与の評価というのは96.6%と目標を上回りました。
 25ページを御覧ください。職リハの専門的な人材の育成です。令和元年度は、ジョブコーチ養成研修について、訪問型、企業在籍型それぞれ、年8回から10回に集合研修の開催件数を増やしました。また、大阪障害者職業センターでの実施回数を、平成30年度の各2回から各4回に増やして受講機会を拡充したところです。このような受講機会を拡充した結果、受講者数は大きく目標を上回り、過去最高の923人となったところです。さらに、研修修了後には、各地域センターにおいてケーススタディや意見交換等を行うサポート研修を実施し、過去最高の1,893人が受講しております。また、ジョブコーチ養成研修及び支援スキル向上研修の受講者の、その所属長に対する追跡調査を行ったところ、障害者の職場定着に寄与した旨の評価の割合が98.3%と目標を上回っております。
 今申し上げた点を踏まえて、評価の所の23ページを御覧ください。今、申し上げた4つの目標について、それぞれの目標を上回っております。うち、3つの目標については達成度は120%を超えている状況です。全体的には120%を超えていると考えています。特に、ジョブコーチ養成研修及び同スキル向上研修の受講者数が過去最高と大幅に上回っております。こうしたことを通じて、また更に工夫を重ねて、地域の就労支援の基盤強化に貢献したということです。これらを踏まえ、自己評価を「A」とさせていただいております。
 26ページを御覧ください。「職業リハビリテーションに関する調査・研究及び新たな技法等の開発の実施とその普及・活用の推進」です。27ページに評価を書いています。こちらについては「B」としております。
 28ページを御覧ください。職リハに関する調査・研究の実施です。昨年度、新規に取り組んだ調査・研究は7テーマでした。昨年度に終了したのは5テーマです。下のほうに、具体的に概要と評価結果を書いております。研究テーマ数は5本と、目標は達成したところですが、評価の平均点は4.8点と、僅かながら目標を下回りました。
 29ページを御覧ください。職リハ技法の開発です。精神障害者については、「日常生活基礎力形成支援の技法開発」、発達障害者については「問題解決技能トレーニングの改良」、高次脳機能障害者については「アシスティブテクノロジーによる補完手段習得支援の技法開発」を行いました。
 30ページを御覧ください。研究・開発成果の普及・活用については重要で、その取組について、職リハ研究発表会という形で普及しました。そこには1,228人の方が参加いただいております。また、ここに書いてあるマニュアル等の作成ですが、職業リハビリテーション関係者や事業主にとって利用しやすいマニュアルを作成し、目標を上回ったところです。
 27ページにお戻りください。3つの目標のうち2つは、それぞれ目標を上回る実績を上げました。研究のところは、先ほど申し上げたように、難易度が高のところでありましたように、ここでも相当高い目標の設定の仕方になっています。ここでは、研究成果の技法の成果を普及し、職業リハビリテーションの充実と向上に資することができたということで、総合的に判断して自己評価は「B」とさせていただいております。
 訓練に移ります。41ページを御覧ください。「離職者を対象とする職業訓練の実施」です。離職者を対象に、早期再就職に必要な技能・技術、関連知識を習得できるよう、全国のポリテクセンターにおいて、標準6か月の職業訓練を実施しているところです。主な訓練コースについては、ここに書いてあるとおりで、テクニカルオペレーション科、電気設備技術科、住環境計画科、スマート生産サポート科となります。42ページについては、ここでの評価を「A」とさせていただいております。具体的な内容について、更に敷衍させていただきます。
 43ページを御覧ください。ここでの定量的指標である就職率80%に対し、訓練修了後3か月時点の就職率は86.6%と目標を大きく上回っております。この中身を見てみますと、就職困難度の高い受講者が増加傾向にある中で、これらの実績を達成したのは、ここに書いてあるように、生産現場で役立つ訓練指導を実施したこと、また、下のほうにも書いてあるとおり、キャリア・コンサルティングや求人企業の積極的な開拓など、計画的できめ細かな就職支援を、訓練から就職に至るまでパッケージで実施した結果であると考えています。
 44ページを御覧ください。定量的指標である第4次産業革命の進展に対応した訓練コースの受講者数745人に対し、821人と目標を大きく上回る実績となりました。工場における生産設備のIT化が求められているところでして、このようなIT化に対応するために開発したスマート生産サポート科においては、新たに4施設を加えた18施設で実施したほか、効果的な広報に努めた結果であると思います。
 さらに、主な取組内容③のとおり、第4次産業革命の進展に対応するため、離職者訓練、学卒者訓練、在職者訓練の全てにおいて、訓練カリキュラムの開発や見直しなどを実施するとともに、テクノインストラクターの育成に関する研修カリキュラム等を開発し、試行実施・検証を行ったところです。
 45ページを御覧ください。人材ニーズの変化等を踏まえて、適宜訓練内容を見直した結果、右下にあるように、サンプル調査を実施したところ、9割の受講者から就職に役立ったとの高い評価をいただいております。
 46ページを御覧ください。こちらは取組内容⑤です。不安定就労を繰り返しているなどの若年求職者の方に対して、デュアル訓練を実施し、高い就職率と正社員就職率を達成いたしました。さらにその次の取組内容⑥ですが、機構全ての就職支援アドバイザーを対象として、配慮が必要な訓練受講者への支援方法を学ぶ研修を実施したほか、支援ツールも改訂し、各都道府県能力開発施設等に普及するなど、特別な配慮が必要な訓練受講者支援も積極的に取り組んだところです。47ページでは、女性の就業促進という観点から、女性向けの訓練コースについて言及しております。
 こうした職業訓練の中で様々な取組を行いましたが、42ページにお戻りください。自己評価です。この業務については難易度が高い業務に設定している状況ですが、ここに挙げている2つの目標について、それぞれ目標を上回る実績を上げております。さらに、第4次産業革命の進展に対応した訓練を実施し、訓練の質が向上したことを申し上げたところです。このような考え方から、自己評価は「A」とさせていただいています。
 48ページを御覧ください。「高度技能者養成訓練のための職業訓練の実施」です。産業の基盤となる高度なものづくりを支える人材を育成するための訓練については、高校卒業者などを対象に、各地のポリテクカレッジにおいて実施しております。中身についてはここに書いてあるとおりで、専門課程、応用課程、総合課程、それぞれの課程において、今申し上げた方の訓練を実施しております。また、地域社会に開かれた施設運営を心掛けております。49ページにおいて、自己評価は「A」とさせていただいています。
 50ページを御覧ください。定量的指標としている就職率95%に関し、99.2%と目標を大きく上回る実績になっております。非常に重要な指標だと考えています。早期から計画的にキャリア・コンサルティングを実施するなど、就職支援に取り組むとともに、一番下の欄にあるように、全体の訓練内容65%を実技実習に当てるという、実学融合のカリキュラムを設定した結果であると考えておりまして、右側の訓練就労者の声のとおり、今ここで行っている訓練が、更に現在の仕事に生かされているという評価をいただいております。
 51ページを御覧ください。正社員就職率も97.4%と高水準になっております。また、未就職者に対しては、修了後も担当職員による就職支援を継続するなど、徹底した支援に取り組んでおります。取組内容としては、特別な配慮が必要な学生の就職支援については、ガイドラインを開発し、活用して、地域障害者職業センターとの連携など、また御家族との連携など、そうした点での配慮をしたところです。
 52ページを御覧ください。定量的指標である生産ロボットシステムコースの実施について、計画どおり3校で実施しております。この生産ロボットシステムコースというのは、従来の訓練の中で全く新しいコース設定ということで、生産ラインをロボット技術によってつないでいくという非常にチャレンジングなコースでもあります。こうした中で、令和元年度末に初めて修了者を出したところです。41人の目標に対して、平成30年度に開講したのでちょうど2年になりますが、受講した47人が修了し、目標を達成している状況です。
 さらに、就職という点から見ても、53ページですが、就職率は100%、ほぼ全員が正社員での就職ということです。今回、修了初年度ということで、高い実績を上げております。その下には、修了者採用企業の声のとおり、生産ロボットシステムコースの実施内容について、高い評価をいただいております。取組内容⑤にありますが、先行3校と、さらに令和2年度についても新規設置3校、本部と関係部署で構成する委員会を開催し、現状把握の中で、こうしたコースを的確に運用できるよう、ノウハウの共有に取り組んだところです。設備を設置するだけではなく、実際に教えることのできるテクノインストラクターの養成も重要でして、こうしたコースで指導に従事できる必要な研修を実施し、指導体制も構築いたしました。
 54ページについてですが、訓練コース内容については産業界の声に的確に対応するために見直しなどを実施しています。⑦の取組ですが、女子学生の入校促進など、様々な取組をしているところです。
 55ページについてですが、地域社会の連携においても積極的に取り組んで、例えば地元企業との共同研究など、カレッジが有するものづくりのノウハウを地域に活用していただくといった連携、また地域の工業高校や高等専門学校その他の学校機関との連携にも取り組んだところです。
 今、申し上げたカレッジを活用した様々な取組ですが、49ページに戻ってください。こちらについても、難易度が高い業務と設定されております。この中で、指標という点に鑑みると、それぞれ目標を上回る実績を上げております。新たに設置した生産ロボットシステムコースを適切に実施し、目標値以上の修了者を出したということと、修了初年度から就職率100%と高い実績を上げたということです。全体的に、積極的な就職支援を実施し、高い就職率、またロボットコースもそうですが、正社員就職率を維持したこと、そうしたことから自己評価を「A」とさせていただいております。
 56ページを御覧ください。「在職者を対象とする職業訓練及び事業主等との連携・支援の実施」です。ここでは、生産性向上人材育成センターという、生産性向上に取り組む事業主、関係団体の方を、人材育成の面で支援していくというところで、そのための相談・援助を行い、さらに専門的知識及び技能・技術の向上を図るための在職者訓練などを行っております。そうした取組をしております。57ページにおいて、自己評価は「A」とさせていただいております。
 さらに、具体的な内容については、58ページですが、定量的指標である生産性向上人材育成支援センターの利用者数は3万事業所に対して4万3,586事業所と、達成度145%を超える高い実績となったところです。このように、中小企業を含む企業の生産性向上に向けた人材育成の相談窓口として、様々な関係機関と連携を図りつつ、様々なメニューを積極的に実施したことが、このような実績につながったと考えております。
 59ページを御覧ください。定量的指標である在職者訓練の実施人数6万6,000人に対して、7万460人と、こちらについては、今年の2月から3月、今もいろいろと影響があると思いますが、新型コロナウイルスの関係で、機構の業務もその頃から影響を受けているところがあります。ここではかなりキャンセルがあったわけですが、そのような中で過去最高の実績となっております。実際に参加された事業者さんの声を聞きますと、93.8%が生産性向上等に大いにつながったという回答でして、目標を上回る高い実績を達成したところです。
 取組内容については、平成30年度までに見直しを行ったカリキュラムモデルの訓練実施とか、機構のスケールメリットを活かしながら、幅広い人材育成ニーズに応えられたのではないかと思っております。
 60ページですが、主な取組内容③です。第4次産業革命に対応したコースを新たに20コース開発したほか、訓練の設定においては外部の有識者の御意見、訓練カルテの活用などツールを使いながら不断の見直しを重ねております。
 61ページです。主な取組内容⑤です。この生産性向上支援訓練の実績は3万3,214人となっており、在職者訓練と同様に、新型コロナウイルスの影響でキャンセルもあった中、前年度と同程度の実績を維持したところです。実際に参加された方の声を聞いても、事業主から90.4%が、受講者から98.2%が役に立ったという高い評価をいただいているところです。
 62ページにおいては、生産性向上支援訓練の利用者の声である活用事例を具体的に書いています。業務のムラや無駄の削減につながった、自己流の営業活動を全社的なレベルに直すことができたなどの声をいただいております。取組内容⑥ですが、ITの技術の活用というのは非常に重要でして、そのためのセミナーの実績は前年度を大幅に上回り、1万7,652人となっております。また、少人数でも利用しやすいオープンコースや、令和元年度からは個別企業の課題に対応するためオーダーコースも開設しております。
 これらの業務を総括して自己評価をしたものが57ページです。ここについても、難易度が高い業務という前提ですが、それぞれ掲げた目標において目標を上回るとともに、中には達成度145%超や過去最高を含む実績を上げたところです。在職者訓練の受講者数が過去最高になる中で、受講者アンケートにおいて高い評価をいただいたという状況です。
 最後になりますが、68ページを御覧ください。「障害者職業能力開発業務に関する事項」です。機構が運営する障害者職業能力開発校が2校、埼玉県所沢市と岡山県にあります。69ページを御覧ください。ここでは「B」としております。71ページに具体的な内容が書いてあります。特別支援障害者に対する職業訓練の充実・就職に向けた取組です。ここでは重度の視覚障害者、高次脳機能障害者、精神障害者、発達障害者といった支援が困難な特別支援障害者について、関係機関への訪問、周知活動をし、積極的にここを使ってくださいという受入活動を行っております。ここで書いてあるとおり、訓練科等における技能訓練に加え、個々の障害特性に応じた支援を実施しております。こうした取組の結果、これらの施設における特別支援障害者の定員に占める割合は67.6%と、目標を上回ったところでして、いろいろな機関に働き掛けた成果の1つではないかと思っております。
 こうした中で、先ほども少し申し上げましたが、コロナの影響によって、ここでの訓練を終えられた方の就職においては、実は採用内定の取消しや延期となったケースがありまして、そうしたことから目標には僅かに達しませんでした。
 72ページを御覧ください。障害者に対する指導技法の開発・普及等です。令和元年度は訓練場面の見学や訓練体験等を通じて、指導方法を紹介する技法等の体験プログラムにおいて、過去最高となる16回のコースを実施いたしました。そうした取組の結果、指導技法等の提供に係る支援メニューの受講機関数は132機関と目標を上回り、過去最高となったところです。また、指導内容のプログラムについての追跡調査で、支援内容や方法の改善に寄与した旨の評価は100%と目標を達成しております。
 これらを踏まえた自己評価案ですが、69ページにお戻りください。4つの目標のうち3つは目標を上回る実績を上げたこと、訓練修了者の訓練終了3か月の就職率は、コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、目標に近い就職率を維持できたということ、特別支援障害者の方々に対する指導技法を普及させることができたということで、自己評価は「B」とさせていただいております。以上、8項目についての業務の概要、活動概要、評価の概要です。
 最後に、説明の中でも触れましたが、当機構においては、年明け以降は新型コロナウイルス感染拡大により、通常業務が困難な状況になったところでして、実はその後においても感染拡大の影響は少なからず続いております。こうした中で、国からの指示などを踏まえて、感染拡大防止の実施や感染リスクの低減等に努めています。
 当機構の業務は、対象個々によって異なる様々な特性と、職業上の課題等に応じた個別性が高い支援や生産現場を念頭に置いたきめ細かい実学融合の支援といった内容が中心であるため、全て非対面サービスの提供へ移行することが難しい部分があるのも事実です。感染拡大防止に向けた取組を踏まえた柔軟な対応を図る観点から、Web会議システムの活用やオンライン訓練の導入など、そうしたものを通じて、ICTを活用した事業機能強化について、実施や検討を進めております。今後は、国とも連携を図りつつ、それぞれの対象者の特性に応じた個別の取組をどうするか検討していきたいと思います。今、コロナの影響も出ましたので、現在の状況の機構の考え方を補足的にお伝えしたところです。
 最後に、こうした取組を行う上でも、今回説明した令和元年度の活動を着実に機構として行っていくことが大切ですので改めて今回説明した令和元年度の実績を振り返りつつ、今後の業務を進めていきたいと思います。そうした観点から御審議いただければと思います。私からは以上です。
 
○今村主査
 ありがとうございます。それでは、ただいま御説明ありました事項について、どうぞ御自由に御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。大変膨大な内容なので、フォローするのが大変とは思いますが、それぞれ御専門、御感心のある分野から御質問をいただければと思います。高田構成員と坂爪構成員から御発言いただくということで、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○高田構成員
 はい、高田でございます。昨年度は、大変順調な事業の実績であるということを伺いまして、非常にうれしく思ったところでございます。私からは2点伺いたいことがございますが、よろしいですか。
 
○今村主査
 よく聞こえています、どうぞ。
 
○高田構成員
 続けます。高齢者雇用のプランナー・アドバイザーの制度改善提案が非常に増えたということが第1点です。これは、フォローアップも実施されているという、丁寧な活動の成果だと思われますけれども、この増えたことに関して、企業の反応とか、企業とのやり取りの中で受ける手応えのようなものがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
 
○今村主査
 よろしくお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事
 高齢事業担当理事の森川と申します。よろしくお願いします。基本的には、高年齢者雇用安定法が改正されたということもございますし、それから、今は余り議論は進んでいませんけれども、公務員の定年延長のような議論も進んできたところでございます。そういったことを背景として、あとそれから、もう1つは、同一労働同一賃金の関係で、やはり定年後の再雇用のときの賃金の在り方、そういったことも併せて検討したいというような御要望をたくさんいただいておるところでございます。
 いずれにいたしましても、個々の企業の置かれた状況がそれぞれでございますので、そこに丁寧に、同業他社でどのような取組がなされているかですとか、そういった御関心に応じて情報提供をしながら、それぞれの企業の課題、人員構成もそれぞれ違いますので、丁寧に応えていっておるというような状況でございます。お答えになりましたでしょうか。
 
○今村主査
 いかがでしょうか、高田先生。
 
○高田構成員
 はい、ありがとうございます。どういったことが適切な言い方であるかということが、機構を通じて個々の企業に情報が拡散されていっているのだということがよく理解できました。
 もう1点は、職業リハビリテーションに関してです。職業リハビリテーション全体でも雇用が増えたという御紹介がありましたけれども、私が特に関心がありますのは、ジョブコーチの支援によって定着率が増加したということです。こういう取組に関して、どういう全般的な受け止め方をされているでしょうか。つまり、雇用が増えた、定着率が上がったことに関する、先ほどと同じ言い方をすれば、手応えというのはどのようなものなのでしょうか。
 
○今村主査
 はい、よろしくお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
 ありがとうございました。職リハ担当の矢田でございます。ジョブコーチ支援の手応えということで御質問いただきました。機構で行っておりますジョブコーチ支援につきましては、まず機構単独で行っておりますジョブコーチ支援と、関係機関の訪問型や、企業在籍型ジョブコーチと連携して行うジョブコーチ支援がございます。特に、企業においては合理的配慮の義務化であるとか、精神・発達障害の方といった定着に困難な障害者の方を採用するケースも増えてきておりますので、ジョブコーチ支援は、非常に有効性が発揮できているのかなと思います。
 機構単独で実施しておりますジョブコーチ支援につきましては、まず企業の中でナチュラルサポートといって、外からの支援が入らなくても企業内で自然に支援できるような企業の職場環境の整備ですとか、従業員への研修・教育とかいったものに力を入れております。関係機関と連携して行うジョブコーチ支援につきましては、企業に在籍しているジョブコーチへ地域センターが有している様々な支援技法を伝授したりしまして、企業のほうで自力で支援ができるようにということを念頭に行っておりますので、企業側もそうした支援のスキルが付いてきているのかなと感じております。
 
○高田構成員
 はい、どうもありがとうございました。
 
○今村主査
 続いて、坂爪構成員どうぞ。
 
○坂爪構成員
 はい、聞こえていますでしょうか。2点質問させていただきます。まず、9ページ目の所です。大丈夫ですか、発言を続けて構いませんか。
 
○今村主査
 大丈夫です。どうぞお続けください。はっきり聞こえます。
 
○坂爪構成員
 はい。9ページの所、非常に数値目標、達成状況がすばらしい数字になっております。9ページの左下の所に「12万社全てにアプローチ」と書いてあるのですが、これの解釈がちょっと分からなかったので質問させてください。これは要は、12万社に全部アプローチをして、来てくださいと言ったのが、例えば平成30年だと2万9,000件、令和元年が3万3,000ということなのか、12万社を何らかの基準で4等分してアプローチしたのがそれぞれ2万9,000、3万3,000なのかということです。質問の意図としては、要は4年間ある中の2年間でアプローチしやすい所は全て終わって、残り2年間は厳しくなるということなのか、それは全然関係なく、毎年順調に3万ずつ新規でアプローチしているということなのかの確認という意味です。よろしくお願いします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構雇用推進・研究部長
 雇用推進・研究部長の榧野です。まず、アプローチの定義ですけれども、定年年齢の延長及び廃止、継続雇用年齢の延長についての相談、助言を実施した件数、そして文書などによって、事業主に訪問目的を説明し、日程調整は行ったが、アポイントが取れなかった企業数ということで、こちらから企業に働き掛けをした件数となっております。
 この目標は、約12万社全てにアプローチをしていくことになっているのですが、平成30年度当初は、高齢者雇用が進んでいる企業や、比較的プランナーやアドバイザーと接点がある企業など、比較的縁のある所を多く訪問してきたところです。そういった企業を順々に訪問する過程で、おっしゃいますように、年々高齢者雇用がこれからというところ、あるいは若い方が多くてまだ考えていないという企業も増えてまいりまして、そういう意味では難易度が高まっているところです。このため、プランナーの資質の向上や効果的な提案の仕方について、いろいろこちらのほうで研修したり、好事例を提供するなどしながら、アプローチにつなげていく件数を目標を超える形で進めているところです。
 
○坂爪構成員
 はい、ありがとうございます。
 
○今村主査
 よろしいですか、もう1つの御質問をどうぞお願いします。
 
○坂爪構成員
 続きまして、46ページになります。右下の所の50歳以上の訓練受講者に対する支援についてです。全体では就職率が86.6%と先ほど御説明いただきましたが、もしお分かりになりましたら、50歳以上の就職率を教えてくださいというのが1つ目です。ここの支援が、割と求職者に対する支援を中心に行われているように読めたのですが、50歳以上ということを考えると、要は求人開拓というところも非常に重要になってくるかと思いますが、その点についてどう考えていらっしゃるかを教えてください。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 求職者支援訓練部長の青田でございます。まず、50歳以上の就職率ですが、令和元年度の実績といたしましては、約81%となっている状況でございます。ですので、全体の86.6%と比べますと、やはり低いという状況になっております。そういった意味で、比較的就職が困難であると説明をしているところでございます。
 あと、求人開拓につきましては、各施設のテクノインストラクターを含めた就職担当の職員が、求人開拓、それぞれの企業に出向いて実際の開拓を行っているところでございます。ですので、年齢で設定しているわけではなくて、トータルとして求人開拓を実施しているという状況でございます。
 
○坂爪構成員
 はい、ありがとうございます。
 
○今村主査
 ありがとうございました。まだ時間がありますので、会場にいらっしゃる先生方はいかがでしょうか。
 
○宮崎構成員
 資料の15ページですけれども、その他考慮すべき要素の2つ目のポツに、職業準備支援において、うつ病等の気分障害の求職者の増加を踏まえ、「適応支援カリキュラム」を全国導入、ハローワークを交えたケース会議を計画的に実施したという記載がございます。それで、精神障害的なものを発症した後の求職支援というのが、やはり本来の役割なのかもしれませんが、今はテレワークとかリモートワークとかで、こういううつ病とか気分障害というのが増加しやすい関係にあるのかなと思っていまして、どちらかと言うと、これは安衛研の分野なのかもしれませんが、発症した後の支援、雇用支援もそうなのですけれども、発症しないようにする予防的な取組というのももっと重要かなと個人的に思っていまして、そういった観点から安衛研などとの連携とか、産業医、メンタルヘルスケアというところの取組を、お互いにやっていることのノウハウの共有とかを一層進めていただいて、発症した後の雇用支援もそうなのですけれども、それを予防するための取組というのも何かしら是非検討いただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構職業リハビリテーション部長
 ありがとうございました。職リハ部の矢田でございます。ただいま御指摘いただきました事業者の方々へのテレワークを開始したことなどにより、そういった不安を持たれる方は、まだ実際にそういう相談が寄せられているわけではございませんけれども、いらっしゃると思います。今後、事業主支援のワークショップであるとか雇用管理セミナーなどで、安全衛生部門とも連携いたしまして、広く予防策の周知、いろいろな支援のやり方といったものを広げていきたいと考えております。
 
○今村主査
 ありがとうございます。重要度、難易度設定項目以外でも構いませんので、どうぞお願いいたします。
 
○志藤構成員
 非常にザクッとした質問になってしまいますので、最後にもしかして理事長のお話の中にでも触れていただければと思うのですけれども、今の宮崎さんの御質問と同じような流れですが、今までなさっておられたことというのは、基本的に超高齢社会に向けて、高齢者自身の生きがいを持って、そして労働力の不足に対してどう対応するか、あるいは障害者の方が生きがいを持って自分なりに力を発揮してというような根底にあるものというのを、私たちみんなが共有する中で行ってこられた事業だと思うのです。それが平時の事業だとしたら、今はある種、非常時になっているわけでして、その非常時がいつまで続くのかということが見えない中で、こういった本当に基本的にきめ細かくいろいろなことをやっておられることが、どういう影響を受けてしまうのか、そこが実際は多分、誰も見えないということがあるのではないかと思うのです。
 そういうことを受けて、今までですと、今までやってきた成功体験の中で、それをきちんと受け止めながら発展させていくという試行方法で対応できたと思うのですけれども、これからのことを考えたときに、こういった組織の在り方みたいなことが、基本的にある種問い直されるというとちょっと偉そうな言い方になってしまいますが、どうあるべきかを基本的に考えながら、次なるいろいろなことを考えていくということも必要なのかと思いまして、そんなときに、どんなことを一番大切に考えておられるのかを少しお伺いしたいと思います。非常にザクッとしたことでお答えしにくいことは重々承知ですけれども、多分いろいろな団体がそういうことを迫られている時期ではないかと思いましたので、大変不躾ながらですが、お伺いさせていただくような次第でございます。
 
○今村主査
 どういたしますか、最後に理事長のほうでお答えいただくか、あるいは。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 全体に関しては私のほうから申し上げたいのですけれども、それぞれの事業に関してはそれぞれの事業担当から少しコメントがあれば。
 
○今村主査
 はい、ではどうぞよろしくお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事
 御意見ありがとうございます。正に、コロナ禍の中で、人との接触を避けなければいけないということになっておりまして、実際にこちらから事業主にお伺いをする、あるいは集まっていただいて説明会やイベントを行うという、こういった事業がすごく根本から、この事業目的からして、今までのやり方がよかったのだろうかどうか、今までのやり方の強みは何だろうか、仮に接触がどうしてもできないとすると、どういった代替の方法があるのだろうか、そこは本当に今年度になってというより、昨年度末からずっと検討してきておりました。なので、実際に今年度に入って、活動自体も縮小しているところも実際ございます。
 ただ、それでいいとは思っていませんで、正しく代替の方法が、先ほどの高齢者のアドバイザー等で言えば、研修の在り方で言えば、テレビ会議システムを急遽入れて、そこでノウハウを共有するといったことや、あるいは事業主との応対自体もそういったものを活用するというようになってきておりますし、それからいろいろな法定の講習などもやっておりまして、それ自体も以前であれば講習会を開催すれば自動的に何名か受講者が来たわけですけれども、リアルの形でやるとなかなか難しくて、やり方自体、私どものほうで任され、独法の裁量でできるところは独法の裁量でやろうと思っています。ただ、いろいろな政省令等で縛られている部分につきましては、厚生労働省等と調整をしながら、別のやり方がないかを検討しているような状況でございます。
 
○今村主査
 それに加えて、もうちょっと具体的な話で。先ほど、コロナの影響で受講者数が減っているとおっしゃいましたが、実は大学も理工系とか実習系とかを中心に非常に悩みがあって、対面でやっていたことができなくなっている一方で、経団連がSociety5.0でデジタルトランスフォーメーションだという流れがあると、そういう中で、機構の現状で、実習の成果を上げて、ものづくりに特化した機構のやり方として、具体的にどういう努力を進められているのか。ただ、オンラインの機材を導入するだけでは、なかなか回復できないところもあるし、逆に言うと、対面をどのぐらい確保するのかという、そのバランスが問題ですね。それをちょっとだけお聞かせいただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構求職者支援訓練部長
 訓練施設、ポリテクセンター関係でただいまやっている取組ですが、今現在、コロナの影響で、3密を避けるために、適切な環境の保持、若しくは手洗いとか咳エチケットなど、着実に感染防止予防策に取り組んでいまして、多数の訓練受講者が密集しないための措置や飛沫感染を防ぐための措置を講じています。それで、今お話のありましたオンライン訓練の関係ですが、今年度の予算が措置されまして、同時双方向型のオンライン訓練という予算が措置されましたので、今現在、各施設でパソコン等の調達を含めた環境整備を進めている状況です。
 併せまして、離職者訓練は実学融合でして、実技の部分にかなり時間を取られておりますので、そういった意味で、オンライン訓練としてできるものが、多分座学中心になってしまうと思いますが、それがどのくらいのボリュームで、どのくらいの日程でやるか等につきましては、今現在こちらのほうで検討を進めている状況です。
 
○今村主査
 まだこれからの問題だと思いますが、ありがとうございます。三宅構成員から何か質問があるとのことですが、大丈夫ですか。お願いできますか。
 
○三宅構成員
 はい。三宅です。よろしいでしょうか。
 
○今村主査
 どうぞ。
 
○三宅構成員
 今のお話にも絡んできたのですが、私の質問としては、大きな質問が1つと個別が1つです。大きな質問からいきますと、今回いろいろな達成度に関しては数値目標を掲げて、それに対する数字でもって判断していると理解しているのですが、複数年度で達成度を考えなければいけないものについては、今後、今の状況を考えて、複数年度での数値の見直しが行われるのかどうかが1つです。
 それから、個別の話としては、資料でいうと28ページになりますが、数値目標の達成状況という所で、目標5点に対して4.8という点数で、達成度96%と書いてあります。研究テーマ5つに対して、点数でいけばそうなのですが、実際の目標は5点となりますと、研究テーマ5つのうち4つは5点と満足していて、2番目の研究テーマについてが3点ということは、要するにこれは達成度が5点に達していないことになれば、達成度は5分の4で80%になるのではないかという考え方もできるのではないかと思うのです。ですから、ほかの数値目標が、例えば100人に対して95人であれば95%と考えるものと、ここでは少し違った形で、数値目標の設定というか考え方を入れないといけないのかと感じました。今の2点について質問させていただきます。以上です。
 
○今村主査
 それぞれ対応する所でお答えいただければと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長代理
 理事長代理の田畑でございます。複数年度での数値目標の在り方というか、見直しということに対して御質問がありました。中期目標全体として目標を掲げて、それで年度ごとの目標ということで、昨年度が中期目標の2年目で、今年は3年目ということで、数値目標を置いて実施をしています。今年度の目標の達成、今のコロナ禍の状況の中で、中には大変厳しいものもありますが、まずはしっかりと創意工夫していろいろな事業に取り組んで、年度の目標達成に努力していく。その中で、来年度の目標をどう置いていくか、それから5年間の中で全体の目標をどう置いていくかは、それぞれの目標の数字に照らして、個別に考えていく必要もあるのかとも考えております。
 また、数値目標としてどういうものを置くかということは、厚生労働省との御相談も必要なことですので、まずは現時点で具体的に見直すというものがあるわけではありませんが、今年の状況、成果をしっかりと確認した上で、来年度、それから中期目標全体をどうしていくかということを、機構の中でも考え、また厚生労働省ともいろいろ御相談をしていきたいと、現時点では考えております。研究のほうについては担当のほうからお答えします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構研究企画部長
 研究企画部長の野口と申します。御質問ありがとうございました。先生の御質問にありましたように、5本の中で、5分の4が達成していて、1つが達成していない場合、今の評価の比率の考え方が違うのではないかとのことですが、そういう考え方もあるかとは思います。ただ、現段階での数値目標の設定は、中期目標を設定するときに、厚生労働省とどういうふうに評価をしていくかを十分議論して、今の点数の付け方を採用しております。
 内容的に申しますと、2番目の項目が、平均5点のうち3点ということで、目標を達成していないわけです。他方、その中身を見ていただくと、優れているという評価の2点、やや優れているという1点の評価、やや劣っているということで0点の評価となっており、評価委員によって見る視点や評価の基準に差が生じるため、総体として目標を達成していないですが、中には2点を付けている評価委員もいらっしゃるわけです。質的にそれぞれの評価委員の視点を評価の基準に加えたいということで、横で合計点を取りながら、それを縦に平均するという現在の評価の方法を採用しています。以上でございます。
 
○今村主査
 三宅先生、いかがでしょうか。
 
○三宅構成員
 御説明どうもありがとうございました。おっしゃるとおり、多様な視点から判断するということは非常に大事だと思いますので、0点と評価された先生のコメントについて、その部分については真摯に受け止めていただいて、今後また次のステップに進んでいただきたいと思います。
 評価に関しては、あらかじめ評価基準を示しておくことが必要ですので、十分な議論の上にこういう評価システムを導入したことは理解しました。ただ、個人的には今ひとつ違和感がありますが、理解はいたしましたということです。以上です。
 
○今村主査
 ありがとうございます。予定の時間がまだ若干残っています。酒井構成員、お願いします。
 
○酒井構成員
 高年齢者雇用に関して、65歳超雇用推進プランナーとか高年齢者雇用アドバイザーに係る業務が、非常に効果を発揮していることだったかと思います。今回の評価に直接関わることではないかもしれませんが、来年度から、新たに65歳以上の雇用に関しても雇用確保の努力義務が課され、新たなフェイズに入るかと思います。そのことに関して、創業支援等措置というような選択肢も加わることによって、高年齢者雇用政策にとっては地殻変動的なところがあるのではないかと感じております。すなわち今までのように、単に定年延長と継続雇用という話ではなくなってくるかと思いますが、それに関して、こちらの機構として業務に関して考えていることがあれば教えていただきたいと思います。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事
 御質問ありがとうございます。基本的にはまず、継続雇用なり定年延長なりでの対応が基本だと、そういった会社が一番多いだろうと思いますし、法律で想定しているそういう支援措置が、どこまでやればいいのかという部分もまだ明確ではないこともあって、私どもは今年度に別途、調査等を考えております。その中で、好事例なりが出てきた場合には、そういったものも事例集の中に盛り込むような形で進めていければと思っております。ここも業種とかで、そういった形がなじむ業種もあろうかと思いますが、逆に注意しなければいけない点もあろうかと思います。そういったところを、きちんと調査等で明らかにしながら事業を進めてまいりたいと思います。
 
○酒井構成員
 分かりました。ありがとうございます。審議会等の議論を聞いていると、労使双方ともにまだどうなるか分からないというような不安感のようなものを感じますので、調査を是非やっていただけると有り難いと思います。
 
○今村主査
 どうもありがとうございます。議論は尽くしたかと思います。時間も大体予定の時間になってきておりますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。とにかく限られた時間でこれだけ膨大な業務について検討することは、必ずしも十分ではないかもしれませんが、皆さんからはいろいろな御意見をいただき、ありがとうございます。ただ、従来から、ものづくりということで特化してきたという前提が、この期に及んでいろいろな制約になっているという印象もありますので、デジタルトランスフォーメーションとか、新しいことが期待されている中で、機構のほうからも是非積極的に、イニシアチブで何か御発言いただければという期待もありますので、今後もよろしくお願いいたします。
 引き続き、法人の監事及び理事長から、年度・中期目標期間においては、目標の達成状況等を踏まえて、今後の法人の業務運営等についてコメントをいただ頂ければと存じます。まず最初に法人の監事から、続いて、法人の理事長よりお願いいたします。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構監事
 監事の中山でございます。資料2-4になります。本文の、特にⅡ、Ⅲの部分になりますが、各項目については全て適正に実施されているということで御報告させていただきます。以上です。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 今日は、大変貴重な御意見、それから御指摘をありがとうございました。実は私、理事長になってもうじき丸5年になるのです。最初の頃は、法人が合併したばかりの頃ですから、シナジーというのをどう考えるんだという御意見をたくさんいただいて、それについても、それぞれの強みのようなものをどうやって融合していくのかとか、そんなことを一生懸命考えながら法人を運営してきたと思っています。特に、事業主に対してアプローチするのは、別に高齢者であろうと、障害者であろうと、求職者であろうと、事業主に直接アプローチしていくのは非常に大事なところなので、これについてはお互いに情報共有しながらやっていっていただいていると思います。
 それから、その後、アウトプットは大事なのだけど、アウトカムというのはもっと大事ではないのかという御指摘を結構いただきまして、これにつきましても、アウトカムって何だろうと言いながら、一番簡単なのは、満足度調査みたいなのをすると、役に立ったとかというのが出てくるので、それはアウトカムではないか、一方、みんな役に立っているって言うのではないかとか、そういう中で、例えば就職率であるとか、それから高齢者のことであれば制度提案をして、実際に取り組んでいただいたとか、いわゆるアウトカムになりそうなもの、こういったことを大事にしていこうと思っていて、令和元年度については、先ほど申し上げた評価もさることながら、それぞれのプロセスにおいても、結構しっかり取り組んでいただいたと思います。
 先ほどの志藤先生の御指摘ですが、確かにこういう非常事態になったときに、うちの法人は一体何を大事にするのだという御質問だったと思います。我々の法人というのは、働く意欲のある一人一人がその能力を最大限に発揮して、それで生き生きと働く、そういった社会を作っていく、それのお手伝いをするのだと、これが我々の機構の使命だと私は思っておりまして、どんな世の中になっても、これは変わらないのではないかと。我々にできることは、まだまだ一杯あるのではないかと。ただ、それに関して工夫がいるのだろうなと。今村先生もおっしゃったように、多分今までと同じやり方では駄目で、そういう中で工夫をしながら、それでもやはり目指すべきところは一緒というふうに私は考えております。ただ、工夫の仕方がなかなか難しくて、パッと思い浮かばないものですから、これからも議論し、いろいろなお知恵をいただきながら、機構の使命を果たしていきたいと考えております。今日はどうもありがとうございました。
 
○今村主査
 どうもありがとうございました。ただいまのお二人の御発言内容について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。私から簡単な質問をさせてください。
 今の理事長の発言、とても心強いと思いました。ずっとこの機構にお付き合いして思うのは、日本の雇用制度の枠組みのようなのを前提にしてずっとやってこられたのですが、今の世の中のトレンドとしては、スタートアップだとか、企業家とか、そういう方向に若者たちの関心がどんどん変わってきているかと思うし、障害者やいろいろな課題を抱えた人たちのNPOとか社会的企業とか、そういうような形でシフトしてる。機構のフィールドの中で捉えきれないところが広がっているような感じがするのですが、可能な……がどうかは分かりませんが、そういう現状をどういうふうに捉えておられるかという、正に今そこが我々の議論になっているわけですね。従来の雇用でいいのか、あるいは先ほど御発言があったように、根本的な転換が起こるかもしれない状況があるかと思いますけども、ずっとこの分野に携わってこられて、直感というか見通しというか、そういうのをお聞かせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 
○高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長
 難しい質問なのですが、これは機構のまとまった意見ではなく、私の個人的な意見ということでよろしいでしょうか。私は、大体40年ぐらい人事労務に携わっておりまして、そういう中でいろいろな変化を見てきてはいるのですが、確かにここへきて世の中が大きく変わってきていると、更にコロナが追討ちを掛けていると、そういう気はしています。ただ、日本が一気にそこまで変わるかというと、実は私はそうは思っていなくて、日本は合意形成をしながら変わっていく国ではないかと思っているので、ジワジワと変わっていくとは思いますが、一気に右から左に振れるような変わり方はしないのではないかと、実は思っております。すみません。個人的な意見で恐縮です。
 
○今村主査
 ありがとうございます。酒井構成員、いかがですか。先ほどの御発言に反応してですけども。
 
○酒井構成員
 大丈夫です。
 
○今村主査
 ありがとうございました。特に問題点もないようでしたら、これで本日の議論を終了したいと思います。最後に、事務局からお願いいたします。
 
○事務局
 事務局でございます。今後の流れについて御連絡いたします。先ほどの勤労者退職金共済機構と同じように、この後、厚生労働大臣による評価及び独立行政法人評価制度委員会への通知ということになります。また、決定については構成員の皆様にお送りしますので、よろしくお願いいたします。
 この後、労働政策研究・研修機構の有識者会議が開催されますが、坂爪構成員及び酒井構成員におかれましては、同機構が発行している『日本労働研究雑誌』の編集委員に就いている御関係から、次の有識者会議には参加せず、本会議が終わったら退席されます。坂爪先生、酒井先生、どうもありがとうございました。
 それでは、次の第36回については16時30分から開始しますので、よろしくお願いします。事務局からは以上でございます。
 
○今村主査
 それでは、本日はこれで終了します。貴重な御意見、御議論どうもありがとうございました。どうもお疲れさまでした。あと1つ残っていますので、よろしくお願いします。
 
(了)