2020年8月3日 独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WG(第21回) 議事録

日時

令和2年8月3日(月)12:00~13:31

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D(8階)

出席者

真野主査、五十嵐構成員、石渡構成員、梅里構成員、河村構成員、橋田構成員、三田構成員、石井構成員、名里構成員

議事

議事内容
 
○真野主査
 定刻になりましたので、第21回独立行政法人評価に関する有識者会議 医療・福祉WGをはじめます。
 
○政策評価官
 それでは、ワーキンググループを開催いたします。事務局の政策評価官の溝口でございます。よろしくお願いいたします。構成員の皆様におかれましてはお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。現在、厚生労働省では新型コロナウイルス感染症対策に省を挙げて取り組んでいるところでございまして、本日、会議を開催いたしましたけれども、可能な限り座席の間隔を取っております。また、マスクを着用したままで御発言いただくよう、お願いいたします。なお、一般傍聴席は設けておりませんで、報道関係者のみ傍聴とさせていただいております。法人、傍聴等の皆様におかれましては、咳エチケットを含め、感染拡大防止策について御協力いただきますようお願い申し上げます。
 本日の出席状況について御報告いたします。本日は石井構成員、名里構成員はオンラインでの御参加とさせていただいております。また、三田構成員は時間どおりと聞いておりましたが、若干遅れているようです。あと、石渡構成員は少し遅れて到着されると伺っております。本日、以上のような構成員の方に御出席いただいております。
 続きまして、本日の議事について簡単に御説明いたします。本日の資料に関しては、お手元のタブレットに収納してありますので、そちらを御覧いただければと思います。操作説明の紙をお配りしていますが、御不明なことがあれば、事務局までお知らせいただければと思います。
 本日は福祉医療機構につきまして、令和元年度業務実績評価に係る意見聴取を行うこととなっています。具体的には、後ほど御説明いたします重点化の対象とする項目を中心に、御意見を賜れればと考えております。また、例えば「A」という評定が適切かというだけではなくて、法人の取組の中で、中期目標の達成に向けて優良と思われる点や、逆に課題があると思われる点については、評定に直接影響しないような場合であっても、積極的に御指摘いただければ幸いでございます。
 それでは、真野先生、よろしくお願いいたします。
 
○真野主査
 それでは進め方についてはよろしいですね。慣れている先生ばかりですものね。
 
○河村構成員
 御質問なのですが、議事次第に「参考資料」というのが書いてあると思うのですが、それはこの中に入っていますか。入っている資料が福祉医療機構のPDFだけではなくて。
 
○政策評価官
 参考資料というのは、独立行政法人評価に関する概要のようなものでございまして、フォルダが別の所に入っております。
 
○河村構成員
 分かりました。
 
○真野主査
 では、議事に入りたいと思います。最初に、福祉医療機構の令和元年度業務実績評価について、議論していきたいと思います。最初に法人所管課から、重点化対象項目選定の考え方について御説明いただいて、その後、法人から法人の業務概要及び重点化対象項目の業務実績及び自己評価について御説明いただきます。その後、質疑応答ということになります。それでは、所管課から最初にお願いします。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 法人所管課の社会・援護局福祉基盤課課長の宇野でございます。私から、年度評価における重点化対象項目の選定の考え方を説明させていただきます。資料1を御覧ください。福祉医療機構の重点化対象項目は5つございます。まず、第1は福祉医療貸付事業です。資料にあるとおり、少子・高齢化が進展する中、福祉・介護及び医療サービスの安定的かつ効率的な提供体制を構築することが喫緊の課題となっています。民間の社会福祉施設及び医療関係施設等の整備に対する長期・固定・低利の資金の提供等を行うものであり、また、昨年度の取組ではございませんが、今年度、新型コロナウイルス感染症に係る優遇融資を行っているところです。この取組に寄与する本事業は重要度が高いものと考えているところです。
 続いて第2は、福祉医療経営指導事業です。先ほどの福祉医療貸付事業と同様で、このような福祉・介護及び医療サービスの安定的かつ効率的な提供体制の構築に寄与するものとして、重点事項として挙げております。
 続いて第3は、退職手当共済事業です。福祉サービスの担い手である福祉人材の確保は重要な課題となっております。このため、社会福祉施設等に従事する職員の処遇改善を図り、福祉人材の確保に資する、社会福祉施設職員等退職手当共済制度を安定的に運営することは重要度が高いものと考えております。また、保育、介護サービスを提供するための人材確保に向けた対策が進められる中、本事業の加入者数の増加に合わせ、給付処理件数も増加傾向にあることから、前中期目標期間と同水準の平均処理期間を維持することは難易度が高いものと考えているところです。
 続いて第4は、福祉保健医療情報サービス、WAM NET事業です。利用者に対する一元的かつ正確な情報の提供や、福祉サービスを担う主体が健全かつ安定的な運営を行っていくことを明らかにすることの取組は必要とされています。国においては、社会福祉法をはじめとして、各種関連法律で、いわゆる提供主体の見える化を進めているところです。このため、福祉及び保健医療に関する情報システム整備及び管理を行い、福祉保健医療関連の各種情報を幅広く総合的に提供していく本事業は重要度が高いと考えているところです。
 最後に第5は、経費の削減です。中期目標の最終事業年度において、平成29年度と比べて、一般管理費は15%程度、業務経費は5%程度の額を節減するという定量目標がございます。一方で、後ほど機構から説明がありますとおり、令和元年度においては、計画値が未達成の水準となっていることから、経費の削減に努め、定量目標を達成する必要があるため、本取組を重点化項目に設定したところです。以上、私からの説明を終わります。
 
○真野主査
 続いて法人から、法人の業務概要及び重点化対象項目の業務実績及び自己評価について、御説明をお願いします。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 福祉医療機構企画管理部長の林田と申します。本日はよろしくお願いいたします。令和元年度業務実績につきまして、資料2-1のパワーポイントの資料で説明させていただきます。ページ番号は、右上に振ってある資料の通しページの番号で御案内させていただきます。
 最初に3ページを御覧ください。まず、機構の事業体系図です。国における憲法の理念や社会福祉法、医療法など、各個別法の目的に照らしまして、国によって地域共生社会や地域医療構想などの、各種政策や計画が策定されているところです。独立行政法人は、国の行政活動の政策実施機関として位置付けられておりますので、主務官庁である厚生労働省の政策実現のため、機構で実施する各事業を通じて取り組んでいるところです。
 4ページの下段を御覧ください。ここは新型コロナ対応です。本件については、実質的には令和2年度の実績ですが、緊急対応ということで、現在最優先で対応しておりますので、業務実績の前に、簡単に直近の状況を御報告させていただきます。
 年明けの新型コロナ発生後、速やかにその対応に取り組み、福祉医療基盤の維持及び安定のため、福祉医療貸付事業におきましては、資金繰り支援の危機対応融資として、無利子無担保融資の実施、また既往貸付先に対し、最長3年6か月までの返済猶予を実施しております。(1)にありますが、令和2年度に入ってから、既に2度の補正予算により、融資枠は1兆7,800億まで予算の拡充が認められており、(2)のとおり、直近では1万2,000件超、6,600億円の貸付けを決定しております。
 また、一番下の経営指導事業では、新型コロナ対策をテーマにWebセミナーを無料配信しているほか、各事業で対策を講じており、幅広く総合的な支援を展開しているところです。
 5ページを御覧ください。こちらは評価項目一覧です。令和元年度から、旧優生保護法一時金支給法や、ハンセン病元患者家族補償金支給法の施行に伴い、1-9にある一時金及び補償金支払等業務を新たに実施しておりますので、昨年度から1項目増え、全部で15項目となっております。
 令和元年度におきましては、1-1福祉医療貸付、1-2福祉医療経営指導、1-4退職手当共済、1-6WAM NET、この4事業を自己評定「A」としたところです。
 昨年と異なるのは、退職手当共済事業を「B」から「A」にしているところです。なお、2-2経費節減につきましては、令和元年度計画値について未達成のため、「C」といたしました。
 本日は、この重要度「高」の4項目と、C評定の経費節減について御説明いたします。
 6ページを御覧ください。1つ目の重要度「高」の事業である福祉医療貸付事業です。目標につきましては、7ページ目の一番下にございます、制度の周知広報や協調融資機関数など、3項目を定量目標として設定しており、平均で120%を上回っておりますので、自己評定を「A」としたところです。
 具体的な取組につきましては、8ページを御覧ください。まず、1の周知広報の実施状況です。(3)の主な取組を御覧ください。福祉医療関係団体や地方公共団体等に対し、引き続き政策を踏まえた融資メニューについて、周知広報を展開し、連携強化に努めたところです。更なる取組として、例えば災害時など、緊急時には危機対応融資メニューを速やかに情報発信するとともに、関係団体等に対しては、協調融資制度の周知広報を重点的に行っているところです。これらの取組の結果、左側の(1)ですが、定量目標である周知広報の回数につきましては、昨年度を上回る136回実施したところです。
 下段の2の貸付実績です。福祉貸付におきましては、子育て安心プランや介護離職ゼロの推進、また医療貸付では、医療施設の耐震化整備や地域医療構想の推進など、政策優先度に即した融資を実施しております。
 9ページを御覧ください。協調融資制度の利用促進について、(3)の主な取組として、引き続き5,000平米超の大型案件の協調融資の原則化、またメインバンクによる支援体制構築推進のための全申込先への協調融資案内の徹底のほか、地銀協との意見交換や、ノウハウ・データの提供に努めたところです。
 2の協調融資の実績につきましては、それぞれの貸付の特徴に記載のとおり、例えば福祉貸付においては、補助金が手厚く、借入規模が小さな児童施設などは、前中期の当初は協調融資の利用が非常に低調であったため、利用促進に重点的に取り組み、令和元年度では記載のとおり、26.6%まで伸びてきている状況です。
 経営の安定には、機構の政策融資でリスクを軽減しつつ、自由度の高い民間金融機関との協調が不可欠であることから、民間金融機関へのノウハウの提供による関係構築も積極的に進めているところです。
 10ページを御覧ください。3の緊急時対応融資の実績です。これまでもリーマンショックや東日本大震災などの緊急時には、政策融資の役割として、運転資金の緊急対応融資を実施しております。今回のコロナ融資におきましても、先ほどの説明のとおり、無利子無担保融資メニューによる資金繰り支援を行っておりまして、グラフのとおり、過去に類を見ない規模となっている状況です。
 11ページを御覧ください。こちらは福祉医療施設を取り巻く、現状の厳しい経営環境についてまとめております。福祉医療施設の経営をヒト、モノ、カネの視点から見たときに、福祉医療基盤は人員配置や設備等の基準を遵守しなければならない一方で、収入源が介護報酬や診療報酬の公定価格であることから、経営の自由度が低いという特殊な業態となっております。
 近年の傾向で見ますと、右側のグラフで表しているとおり、有効求人倍率は増加傾向で、全産業に比べ非常に高い一方で、介護報酬、診療報酬はマイナス基調で、利益率は低迷し、倒産件数も増加傾向にあるという状況です。
 このような状況の下、当機構におきましては、一番下の欄に記載のとおり、事業計画の早い段階から無理のない事業計画となるよう相談を行うとともに、経営悪化時には条件緩和にとどまらず、経営改善を支援するなど、福祉医療基盤の維持存続に最優先で取り組んでおります。
 12ページを御覧ください。債権管理の実績です。経営情報をいち早く的確に把握するため、イエローゾーンや大口先など、様々な観点から個社別管理を実施しております。これらのモニタリング結果は、信用リスク分科会で報告し、フィードバックすることにより、債権悪化の未然防止に努めております。
 下段左側のリスク管理債権比率ですが、頻発している災害等により、返済猶予の実施などから、条件緩和債権が増加しておりまして、全体では昨年度から0.5ポイント増の3.67%となっております。こちらは民間金融機関と比べると高くなっておりますが、政策融資の中では相対的に低い水準を維持している状況です。以上が福祉医療貸付事業です。
 続いて、13ページから福祉医療経営指導事業です。こちらも重要度は「高」ですが、目標は一番下、セミナー受講者数やリサーチレポート公表件数など、4項目を設定しており、平均で120%を超えていることから、自己評定は「A」としたところです。
 具体的な実績は14ページを御覧ください。まず、セミナーにつきましては、提供情報の内容充実を図っております。右側の(4)のとおり、機構の独自性を発揮したテーマを設定し、最新の政策情報に加え、貸付先分析による独自データに基づく経営状況などに重点化しております。また、受講者ニーズを踏まえて医師の働き方改革対応や保育無償化による影響を新たなテーマに設定するなど、セミナー内容の充実に努めた結果、(1)のとおり、セミナー受講者数は、年間3,496人と年度目標を達成するとともに、受講者アンケートでは有用度97.5%という回答を頂いているところです。
 次に、下段の2-1のリサーチです。リサーチレポートにつきましては、経営に関するアンケートや施設種類別の経営状況の調査分析など、施設経営上の課題を明らかにすることを念頭に、年間23件作成リリースし、(2)のとおり、全国紙をはじめとして、各種媒体に145回記事として取り上げられておりまして、公表件数並びに引用回数それぞれの年度目標値を達成したところです。
 15ページを御覧ください。リサーチにつきましては、そのほかにも、これまでの社会福祉法人の経営動向調査に加えて、令和元年度から、病院経営動向調査を開始しております。実際の経営者の現場感覚を捉える調査を実施、公表しているところです。
 中段の3のコンサルティングです。貸付先の財務データを活用した簡易経営診断のほか、法人個々の経営状況や課題に対し、具体的改善案を提示するコンサルティングメニューを用意し、きめ細かな経営診断支援を実施しています。これらに加えて、令和元年度は、新たに④社会福祉法人を対象とした人事給与分析プログラムを開始するなど、個別のニーズに対応して内容の充実を図っているところです。
 また、ページの一番下の欄にございますが、近年では自治体等からの受託事業も増えてきておりまして、令和元年度は新たに法務省から更生保護施設に係る調査業務を受託しており、今後はこの分野での需要にも応えてまいりたいと考えております。以上が福祉医療経営指導事業となります。
 18ページを御覧ください。こちらが退職手当共済事業です。定量指標は、ページの一番下、処理期間とシステム利用率の2項目を設定しております。このうち処理期間につきましては、政府が人材確保対策を進める中で、この制度は加入者、給付者ともに増加傾向にございまして、前中期と同水準の維持は困難ということで、目標の難易度は「高」と設定されているところです。令和元年度におきましては、2項目平均で120%を超えておりますので、自己評定を「A」としております。
 具体的には19ページを御覧ください。先に下段の退職届作成システムの利用促進として、ICT化により利用者の利便性の向上と負担軽減を図るため、機構ホームページからのシステムログインを分かりやすくするとともに、全共済契約者への利用案内の徹底や、全国経営協の協力をいただいてシステムの利用促進などを行ったことにより、システムの利用割合は昨年度から大幅に増加し、41.4%となっております。
 上段に戻っていただきまして、これらICT化の促進に加え、処理期間短縮の取組として、事務処理体制の適切な見直しと強化も行った結果、右側のグラフのとおり、近年は支給件数が右肩上がりの状況の中、前年度から1.5日短縮した上、40日を切って目標値を達成することができたところです。
 20ページを御覧ください。現在、社会福祉法人全体の8割の法人に、この制度に加入いただいておりまして、非常に高いカバー率となっておりますが、制度の安定的な運営には更に多くの法人に御加入いただくことも重要と考えております。したがいまして、効果的な制度周知のため、ホームページの刷新や福祉イベントでのPR、更には都道府県にも協力を頂き、新設法人向けにPRを行うなど、制度周知に努めたところです。
その結果、福祉人材不足が問題となっている環境下において、この制度は(2)のグラフのとおり、契約者、加入者、いずれも右肩上がりの増加基調となっております。以上が退職手当共済事業です。
 23ページを御覧ください。こちらはWAM NET事業です。重要度「高」で、目標は一番下、コンテンツの見直しと年間ヒット件数の2項目を設定しており、それぞれが120%を超えていることから、自己評定を「A」としたところです。
 具体的には24ページを御覧ください。提供情報の質の向上への取組として、左側のコンテンツ一覧表のとおり、国の政策動向や様々な社会のニーズを踏まえ、コンテンツの整備を進めております。令和元年度は人材確保支援として、福祉のしごとコーナーや子ども・子育て支援サポートサイトなど、新たに8つのコンテンツを立ち上げ、運営することにより、国民に対し幅広く効果的な情報提供を行っております。
 25ページを御覧ください。1の国の施策に基づく情報システムの運用管理として、社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムと障害福祉サービス等情報公表システムの安定的な運用管理を行い、いずれも高い利用率となるなど、軌道に乗せたことに加えまして、令和2年度から運用開始する内閣府公募事業である子ども・子育て支援情報公表システムの開発及び運用準備を着実に進めたところです。これらの取組の結果、2の(2)ヒット件数は、1億5,000万件を超え、達成度143%と高い率を上げることができております。以上がWAM NET事業です。
 続いて、33ページを御覧ください。最後の項目になりますが、経費の節減です。一般管理費、業務経費の今年度削減目標に未達のため自己評定を「C」としております。
 実績については34ページを御覧ください。まず、一般管理費の節減につきましては、中期目標期間終了時点で、一般管理費マイナス15%、業務経費マイナス5%を削減することとなっておりまして、単年度ではそれぞれマイナス3%とマイナス1%と段階的に節減する達成基準となっております。国の情報公表制度など、新たな業務の引き受けや退職共済事業の給付件数増など、近年は業務増加が続く中で、業務の質を確保しつつ、同時に削減目標を達成することは非常に厳しい状況ではありますが、中期目標期間中で目標を達成すべく取り組んでおります。
 具体的な取組としましては、ページ中段の黄色の囲みですが、令和元年度におきましては中期計画の最終年度を見越した人員配置の最適化計画を策定し、経費のシミュレーションを行うとともに、令和2年度以降は策定した最適化計画に基づき、人材派遣等の柔軟な人員配置を推進しているところです。これらの取組により、右側のグラフのとおり、まず一般管理費は前年度より減額できたものの、年度目標値7,700万円に対して、7,800万円ということで、達成度は98.7%となっています。また、業務経費につきましても、前年度より減額できたものの、年度目標値の3億500万に対して3億1,400万ということで、達成度は97.1%でした。いずれも非常に厳しい状況ではございますが、最適化計画を着実に実施することにより、中期計画の最終年度には削減目標を確実に達成することとしております。
 続いて、2の調達等合理化計画に基づく取組です。引き続き、随意契約や一者応札案件への対応に努めつつ、新たな取組として、複数応札を促進するため、公告期間の延長や分離調達も実施しております。随意契約は昨年度よりも減少したものの、一者応札については現行業者が有利とされるシステム契約の高額な複数年契約の更新時期が重なったこともあり、件数、金額ともに増加しております。なお、これら一連の手続につきましては、調達等合理化推進委員会で事前点検を受けるとともに、外部有識者で構成する契約監視委員会において事後点検を受けており、厳正なチェックが徹底されているものです。今後も調達におきましては、公平性、透明性の確保に努めていくこととしております。
 最後は3の給与水準です。機構独自の取組として、特別手当の据置きや役職手当の減額を引き続き実施しております。ラスパイレス指数につきましては、前年度から若干増となっております。これは、令和元年度から、法律に基づき、旧優生保護法の一時金などの支払い業務を機構で受託した関係で、新たに組織内に専任部署を設けたことが影響しておりますが、厚生労働大臣の検証におきましても、国家公務員と同水準を維持できている旨の評価を受けているところです。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは議論に入りたいと思います。構成員の先生方、何か御意見はどうでしょうか。
 
○梅里構成員
 全部に対して何か順番に区切っていくのですか。
 
○真野主査
 いや、もう今日は30分ぐらいということで、どれでも結構です。
 
○梅里構成員
 梅里ですけれども、WAM NET事業について伺いたいと思います。WAM NETの事業で、WAMが独自にデータを収集している、WAMが集めているデータと、それからそのほかの省庁等で収集したデータをつなげて情報提供しているという部分があるのかなと思っているのですけれども、全体の方針、どの範囲のデータをどのようにWAMで提供していくというポリシーというか考え方があるのか。利用できる情報を見せているのか、それともこういう情報をこういう構成で集めていって、全体として利用者にどういう情報を提供しようという大きな方針があるのかどうかを、ちょっと教えていただけますでしょうか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 WAM METの国の施策に基づく情報開示につきましては、国で決められた提供公開情報を都道府県、所轄庁と連携して収集した情報を法律に基づいて公表しているものです。そのほかWAM NET独自のコンテンツにつきましては、国の動向等を踏まえつつ、機構で精査の上公表しています。
 
○梅里構成員
 続けてよろしいですか。今の関連なのですけれども。そうすると、その集めるコンテンツはどういうものを集めるというのはどういう形で決められるのでしょうか。どういうコンテンツを提供していくというのは。
 
○福祉医療機構理事
 私から少しお答えさせていただきますと、WAM NETについては外部の有識者の方に入っていただいたWAM NET事業推進専門委員会を設けておりまして、年度末に開催しておりますけれども、その委員会において年度中に新たにまとめましたコンテンツを報告して、それから来年度についての考え方の案を示して、これに対して現下の状況でどんな情報に重点を置くべきかということの助言を頂いて編集するというのを基本的な形にしています。それで福祉医療機構のほうでオリジナルに集めている典型的な情報としては、25ページの資料で国の施策に基づく情報システムが3つ、まだ未公開のものを含めて掲げられておりますけれども、社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムと障害福祉サービス等情報公表システムはこのシステムでもってオリジナルに公表している情報です。
 あとWAM NET基盤の活用の②の所で書いております、経営サポートセンターの調査結果というものについて、くだいて説明をしておりまして、これも福祉医療機構のほうでオリジナルに調査しているものです。こうしたものは典型的にオリジナルのものということになります。そのほかのものについては、最近の施策動向を踏まえて特に関心の高いと考えられる公的情報を編集して提供するというようなやり方を行っております。
 
○梅里構成員
 ありがとうございます。ちょっとWAM NETのページというか、WAMのHPにいって、WAM NET事業という所を見てみたのですけれども、その中にどういう情報がどういう分類で入っているかというのがなくて、いきなり見られるものがぼんぼんぼんと出てくるのですね。ですから全体にどういう種類の情報がどういう構成で提供されているのかが分かりにくくて、例えば今日の説明でも提供情報の整備充実で、①から⑧までとたくさんコンテンツ追加があったのですけれども、これもちょっと試しにどこに書いてあるのかなと探そうと思って、すごく分からないのですね。どこに書いてあるのかが見つからなくて。
ですから、例えば医療機関とか福祉機関の経営とかに関する情報とか、それからその運営に関する情報とか、それから仕事に関する情報とかと、大きく情報が分類されていて、見たい人がそこへいくと更にその中が……ツリーのように探したい情報が分かりやすく提供されているという姿には見えなかったものですから、全体のどういう方針で、どういう構成でというのを、今お尋ねをいたしました。
 
○福祉医療機構理事
 トップページにつきまして、より分かりやすい形で編集しなければいけないというのは課題と思っておりますし、先ほど申しましたWAM NET事業推進専門委員会でも、そうした趣旨の御指摘を頂いております。正直掲載している情報がかなり多いこともあって、どこにどの情報があるかが、やや分かりにくくなるというきらいはあるかと思っておりますので、トップページを改善するということ自体1つ課題だと思って取り組みたいと思っております。御指摘ありがとうございました。
 
○真野主査
 ほかの先生、どうぞお願いします。
 
○河村構成員
 説明ありがとうございます。全体としていろいろお話を伺って資料を拝見させていただいて、いろいろ困難な状況にもありますけれども、前向きにいろいろ新しいお取組も含めてやってくださっていると。だからこそ何か新しく新規追加という話があちこちで出てまいりますね。でもそれはある意味WAMに対する何と言いますか、世間の信頼というか国の側の信頼の表れのようなところもあって、逆にいろいろお仕事が増えて大変なところもおありかなとは思うのですけれども、すごくいいのではないかなと思います。幾つか御質問があるのですね、5点ぐらいあるので、一遍に言ってしまわないで、もしよろしければ1個ずつちょっとお尋ねしてお答えいただきながらでよろしいでしょうか。
 まず最初に1-1の福祉医療貸付の所なのですが、これはA評価が付いています。いろいろ前向きにお取組くださっているとは思うのですけれども、やはり協調融資の所もお取組は頂いているとは思うのですが、どうでしょうか、資料で言うと9ページというか、ページの下だと8と書いてある所ですか、お示しいただいて、例えば児童施設向けの所の利用割合とかを使って御説明いただいたのですが、この辺りの経年変化をちょっと教えていただけないですか。協調融資を組んでいる金融機関の数、目標どおりの13件ということではあるのですけれども、ちょっとその辺の最近の伸びのところがどうかなという感じがしました。そこをまずちょっと教えていただけたらと思います。
 
○真野主査
 データですけれどもすぐに出ますか。大丈夫ですか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 協調融資の利用実績の経年変化ですけれども、福祉貸付におきましては施設別でばらつきはありますけれども、福祉貸付全体で見たときは、徐々にではありますが、約3割程度伸びてきている状況です。
 
○河村構成員
 では端的に数字を。3年前ぐらいからこの利用割合の福祉の部分の合計、今年は32.1%という数字が出ていますが、これに対応するのが例えば過去3年前とか5年前からどのような感じか教えていただけますか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 福祉貸付の平成30年度は29.7%で、平成27年の時点では24%程度です。ですから劇的に伸びているわけではないですけれども、徐々に数字は上がってきているような状況です。一方で医療貸付ですが、今年度は66.3%ということで、数字が低く出ております。これは通常は大体8割前後を推移しておりまして、ほぼ横ばいが続いているような状況でした。遡ってみますと平成30年度は78%、平成27年度の時点では85%の利用率でした。
 
○河村構成員
 そうですか。はい、分かりました。ありがとうございました。ちょっと時間のこともありますので、細かくはお尋ねできませんが、そういう所をお尋ねして伺っていると、指標として目標に掲げられているのが協調融資の協定を結んでいらっしゃる取扱いの機関数ということではありますけれども、ちょっと全体として進み具合がどうかなというところもありますので、個人的にはやはりここをA評価にするかどうか微妙なところかなと思います。指標が3つあって、それを単純に平均して3で割れば120を超えるからという感じで付けてしまっていいのかなという感じがいたします。
 次の質問は2-2の所で、今、御説明くださったのですが14ページ、右上だと15ページの所で、3番の自治体等からの委託による経営支援、いろいろな引きが掛かるということ自体が非常に高く評価されているようなことの表れでもあるかなと思うのですけれども、和歌山県とか東京都からの受託は割と前からあったものですか。それから法務省からの受託というのもあるのだなと思って拝見しておりましたけれども、こういう事例というのは非常に珍しい感じでしょうか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 経営サポートセンターは従来の経営支援室が経営支援の更なる強化を目指して平成26年に組織改正をした組織です。それ以降、経営診断支援の機能強化を図ってきたところですが、都道府県等の受託については、これらの実績の積み重ねについて評価を頂いた結果と考えております。受託につきましては、ここ数年で出てきたもので、この2、3年で受託件数が増えている状況になっております。
 
○河村構成員
 はい、ありがとうございます。いずれにせよやはりそういうお話、委託がくるということ自体が、やはり高い評価の裏返しだと思いますし、この項目はA評価が妥当ではないかと思います。
 次にお尋ねしたいのが、退職手当共済の所なのです。19ページで、右上ですと20ページの所かと思うのですが、この制度に入っていただくのがいいのではないかということではあるのですけれども、その資料の御説明にあるように、社会福祉法人全体の中の加入率は8割だと。この加入率がどう推移しているのか、横ばいぐらいなのかどうなのかということをお尋ねしたいのと、資料の所に未加入であってもその法人の大半はほかの制度とか独自の退職金積立てとかの代替手段を講じているとあるのですけれども、その辺はもう少し細かく伺えないかなという感じがいたします。その資料の右側に、この制度を使っている所の退職率が低いということでは、ある意味勤めていらっしゃる方の満足度も高いということの裏返しと、そのとおりだとは思うのですけれども、先ほどお尋ねしたようなカバー率の所の推移とその8割に漏れている所の状況をお教えいただけたらと思います。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 退職共済制度ですが、加入率についてはこの数字は令和元年度80.1%という数字ですけれども、過去5年を見ますとほぼ横ばいです。5年前、平成26年の時点では81.6%でしたが、今は80.1%になっているというのが現状です。ただ、退職共済制度の対象になるのは社会福祉施設を運営する社会福祉法人ですので、加入要件を満たす社会福祉法人で見ると、実態としてはこの制度自体は9割程度のカバー率を維持できております。
 
○河村構成員
 あとその漏れていらっしゃるところの、その対応状況等をもうちょっと御説明いただいてもいいですか。実質的には2割ではなくて、1割かもしれませんけれども。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 この制度の仕組み自体がいわゆる公費負担も入って、国と都道府県と契約者の3者負担ですが、平成18年と平成28年に制度改正があり、この制度改正で、平成18年にイコールフッティングの観点から、介護保険の介護施設について公費の負担が外れています。契約者が3分の3負担になったということで、ここで一担この制度から抜けられる方と言いますか、加入をやめる方がいらっしゃったというのが1点です。
 また、平成28年の制度改正では、今度は障害分野で同様に公費負担の制度改正がありましたので、ここでも抜けられる方があったという状況があります。これらの方に対しては、引き続き制度周知の呼び掛けはしておりますけれども、今までといわゆる負担率が変わりますので、法人様のほうで判断をされて、この未加入の方に対してはここに記載のとおり他制度の代替を使うとか、そういったことをしておられると確認はできております。
 
○河村構成員
 ありがとうございます。もう1点質問は、経費削減の所なのですけれども、お話を伺っていますと、本当に新しいお仕事だってきているし、そういう中で国で要求されている目標がすごく高いというか、それが本省の考えで国全体としてのお考えもあるのだろうからしょうがないとは思うのですけれども、やはりこの状況でこれだけの目標を達成していかれるのは、本当に大変なのではないかと思うのです。ですので、今後の取組みの所でお尋ねしたいのですけれども、もちろんWAMさんは非公務員化されているわけですよね。それで給与水準の検証とかともお書きになっていますけれども、こういうお取組をやっていただくとして、例えば55歳を越える職員に対して本俸とかの減額であるとか、そういうこともやっていらしたりとかというのはあるのですけれども、どうなのでしょう、もう少し給与制度というか人事制度みたいなものを抜本的にちょっと変えていかないと、とてもではないけれども、この目標を達成するのは難しいのではないかというような感じもしますが、その辺りはどうでしょうか、御検討はされていますでしょうか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 まず経費の節減につきましては、節減対象経費というのが決まっておりまして、これは事前に目標設定をするときに承認を頂いた事項ですけれども、その中にいわゆる人件費は含まれておりません。ですから、人件費が含まれていないので、人件費については削減の努力をしなくてもいいということではなく、そこはこの下に書いてありますとおり、機構独自の節減に対する措置を講じ、国家公務員と同水準になるようにラスパイレス指数を一定の指標としながら取り組んでおるところです。人件費だけが増大していくようなことのないように管理を続けております。
 
○河村構成員
 分かりました、はい。もう1個は御説明がなかった所なので、余り時間を取ってもいけないので。もし最後に時間が余ったらでも。よろしいですか。ではすみませんもう1つ。御説明がなかった所で、事前に資料を読んでいてお尋ねできればと思ったものがあったのです。項目1-8の所です。承継年金住宅融資等債権管理回収業務の所で、資料だと27ページ、右上の番号だと28ページになると思うのですけれども、細かいことをお尋ねして恐縮なのですが、ここにあるように管理対応が困難な事案ということで、国交省の下にある住宅金融支援機構に委託したりしてやっていらっしゃるとか、電力会社の関係の話とかが書いてありますが、全額繰上償還による回収とかという話があったので、その辺りの事情を簡単に御説明いただけると有り難いのですが。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 この業務につきましては、いわゆる転貸法人を通じて住宅融資の貸付を行い、回収を行っています。今回、直接貸付先であった電力会社の再編がありましたので、個別協議を行い、契約変更ではなく、全額を繰上償還により回収を図ったというのが実態です。それから少し前後しますけれども、住宅金融支援機構に委託している債権であって管理対応が困難な事案については、同機構と協議を行い、サービサーへの再委託も含め、適時的確な回収体制を導入できるように、協定書等の締結を進めたというのがここの取組です。
 
○河村構成員
 分かりました。ありがとうございました。
 
○真野主査
 今、途中でも出てきた法務省とかの話、私も事前にお聞きしたのですけれども、今までこれは資料に出ていたのですか。余り気が付かなかったのですけれども。ですから法務省とか受託事業の所ですが。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 福祉医療経営指導事業の所でしょうか。
 
○真野主査
 いや、14ページです。これは去年もおととしも資料に出ていましたか。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 毎年度ここの受託については変わりますので、今年度は法務省からの受託分を載せていますが、その年に受託しているものについては御報告をさせていただいています。
 
○真野主査
 先ほどの話ですと、新規は2個ですけれども、今までも幾つかあったのですね。余り記憶がなかったものですから。わかりました。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 実績から言いますと、平成28年度に東京都から施設事業者の運営状況調査の受託を受け、それ以降、毎年度大体3件程度、受託しています。昨年度は、和歌山県の事前の経営分析調査と、今回の法務省の前調査として全国更生保護法人連盟の調査を受託したものを実績として記載させていただいております。
 
○真野主査
 分かりました。すみませんでした。ほかはいかがですか。
 
○梅里構成員
 コロナの対応で、貸付というのは、これは大変に重要でやられているのですけれども、貸付ではなくて補填とか、医療機関の財政の支援という意味で、それはWAMの役割ではないのですか。違う所がやられるということですか。
 
○福祉医療機構理事長
 WAMの現下の重要ミッションは、「緊急融資」ということで取り組んでおります。いろいろな議論はありましたし、融資の条件もコロナの状況にあわせて強化もされてきました。融資での支援は、5年据え置きトータル15年という長期間で対応しています。つまり、今回受けた大きな影響を、15年に分散して回復していくということです。でもショックを時間分散させているにとどまります。返済原資はPL勘定から支払われます。ここに充分な金額が確保されるかは、国の責任範囲となると思っています。WAMの考えられるところではなく、全ての問題が融資だけで解決することは難しい可能性もあり、最適解は、現実を踏まえたバランス論の中で出てくるように思います。その上で我々は「融資」でベストを尽くす為、第2波にも備えなくてはいけないと思っています。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 厚生労働省です。今、御質問があった件ですけれども、我々といたしましては一次補正、二次補正の中で、医療ないし福祉については、いわゆるコロナに係る対象経費のかかり増し経費や慰労金といったものを今回補正として要求しており、福祉医療機構を通じてではなく、主に都道府県や地方公共団体を通じて、医療機関や福祉施設に対して支給するように、鋭意作業をしているところです。
 福祉医療機構は法律規定の業務として、融資をしていますので、福祉医療機構の業務の範囲内で、コロナ対応について今精一杯やっていただいていると理解しております。
 
○五十嵐構成員
 この評価に関することで今議論が出たので、ちょっとお尋ねというかお願いなのですけれども、今、時間稼ぎとありましたけれども、正にそのとおりだと思うのです。将来返せる見込みがあるから、お金を貸すというのが金融機関の普通の考え方ですね。ただ、今回コロナは長引きそうですし、恐らく冷静に財務的なものを見ていったら、ちょっとこれ以上貸せないというような財政状態に陥る可能性があると思うのですが、その際には時間稼ぎという意味で、更に追加でコロナ対応ということできちんと貸していただくという方針なのか、それともそこはあくまでも駄目なので貸さないという方針なのか、ちょっとその辺をお聞きしたいのですけれども。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 ありがとうございます。個別の融資の案件自体は福祉医療機構できちんと審査をしていただいて、非常に短い審査期間で、これまでのノウハウを使い、融資していただいております。コロナ対応については、これから先、今まさに現在進行形ですので、これが今後どう対応していくかというのは、厚生労働省としても、政府全体で予備費も10兆円という形で確保していますので、こうしたものの使い道も含めて、鋭意検討していきたいと思っております。
 我々としては一次補正、二次補正で決まった事業内容を、着実にまず医療機関や福祉施設に対してお届けすることが重要だと思っていますので、そういうことをまずやりながら、かつ融資自体はきちんとした審査をしていただきつつ、可能な限り、今痛んでいらっしゃる機関に対しては、必要な融資を迅速に実施するということで取り組んでいきたいと思っています。
 
○五十嵐構成員
 この評価というのは、当然債権管理の不良債権の比率を少なくするというのが、確か評価の指標にもあったかと思うのですけれども、今後それを気にする余りに、もし融資の躊躇のようなものが出てくるとなると、ちょっと政策目的と合わないのかなという気もしますので、その辺を今後バランスといいますか、考えて是非やっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 1点だけ補足いたします。実は一次補正、二次補正の中で、機構に対して国から出資をしております。この出資金は何かと申しますと、もちろん利子補給の部分もありますが、もう1つは万が一のときのための貸倒れのための引き当ても、今回機構に出資金で積んでいますので、そういう意味ではなるべく機構の財務関係に影響を与えない方法で融資できるように、必要な資金は提供させていただいております。これだけ補足させていただきたいと思います。
 
○福祉医療機構理事長
 御質問ありがとうございます。我々のミッションとしては、中期目標上でも、まず「基盤の維持」というのが一番に出てきます。その次に「財投資金の償還確実性」の確保が出てきます。この2つを全うせよということです。仕事ですから当たり前の話ではあるのですけれども、その中で、今話を頂いたように、「資本金」も増強していただいていますので、当然、積極的な基盤維持の方向性を平時よりさらに重視する必要があるということだと思っています。国会等の審議等を見ていましても、現在の危機から福祉医療基盤を守る。それにはキャッシュフローを回し、資金ショートを起こさせない。これが重要だということを認識しています。そういう意味でリーマンショックの時もそうですけれども、お金が回らなくなるというのは今まで出来上がった組織がなくなってしまうことにつながります。国の政策は、そのような事を起こさない、というものです。その中で、我々は与えられた責任の範囲の中で、今最大限やっています。いろいろ御心配になられる面はたくさんあるとは思いますけれども、元の経済状況に戻ることを期待しながら、「基盤を守る」ことに力を尽くしているというのが現状です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。今回の話ではないということですね。
 
○福祉医療機構理事長
 関連の話として補足させていただきました。
 
○真野主査
 最後に誰か。
 
○石渡構成員
 石渡と申します。私は障害福祉をやっている関係で先ほどの説明にはなかったのですけれども、WAMの新規事業ということで始めた1-9の一時金支払等について、今後の進行状況で何かお気づきのことがあったら教えていただきたいのです。また、その前にコロナ対応で、WAMが本当に迅速に的確な動きをしていることに対して、いろいろなメリットを受けた所から感謝の声を聞いたりしますのでお伝えします。1-9の一時金ですけれども、一方では裁判も起こっていて厳しい状況にあるというのが当事者の方たちから聞かれる声なので、この支払いは本当に事務的な手続だけで終わってしまうのか、そのプロセスのところで当事者の方から厳しいとか、あるいは感謝の声とか、本音を聞けるような機会があるのかをお聞きしたいのが1点。それから、これがどれくらいきちんと対象の方に対して支払われていくのかは、今後の経過を次年度以降お聞きできればということで、本音が聞ける可能性があるのかどうか。プライバシー保護がWAMが配慮できるからやっているのも納得できるのですが、その過程で声が聞ける可能性があるのかどうかを教えていただきたい。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 こちらにつきましては中期目標にも記載しましたけれども、基本的には国からの委託を受けて支払業務に特化した形で機構が指定されておりますので、今、お話いただいたような、直接私どもが対象となる方との接点があるかというと、これはありません。そういうスキームを作りましたのは、旧優生保護法の一時金、ハンセン病の補償金どちらも機微情報を取り扱うということで、その取扱いについては非常に慎重に行う必要があり、私どもは、頂いた情報を基に確実に支払いを行うことに努めております。今後の見通しですが、現状一時金476件と補償金1,061件というのが、令和元年度の実績です。これは年度の途中からですので、1年を通してこれだけというわけではないですけれども、この法律は5年間の法律ですので、5年間をかけて対象となる方に支払いを続けていくという業務です。引き続き申請のあった方に対しては、確実な支払いを続けていきたいと考えております。
 
○福祉医療機構理事
 一言補足させていただきます。今、企画管理部長が申し上げましたとおり、機構では、支払いの事務に特化して法律上受託をしています。御指摘のとおり、証拠書類の問題など、なかなか難しい点があり、社会的にも大変重要な問題だということがあります。それぞれの制度につきまして厚生労働省に審査会が設けられており、審査会においては、どこまで事実関係を確認できるか、かなり幅広い形で、証拠書類に当たる資料などを集めた上で個別審査を行う、このように運営されています。私ども、そこには直接関わらない形ですが、審査を経て支給決定なされたものは、確実にプライバシーに配慮しながら支給するという形で取り組んでいるところです。
 
○石渡構成員
 ありがとうございました。WAMの役割としては、そこら辺をやっていただける。ただ、これが本当に対象の方に対してどれだけ申請があってという辺が、この金額に対するいろいろな不満などの声もあって、5年の途中のところで今後の在り方みたいなことを、もし必要があれば検討していただくといいのかなと思っています。ありがとうございました。
 
○福祉医療機構理事長
 一時金のトピックスから離れますが、障害関係の今回の経営資金の直近の状況についても説明いたします。利用率が高いところを中心に申し上げますと、放課後デイ、全国に14,000ありますけれども、3.8%の方が御利用いただいています。それから、就労継続支援A型、3,808ありますけれども、そのうちの6.12%の事業所で御利用いただいています。それから、就労継続B型も多く、児童発達支援、就労移行支援ということで、就労系が多く御利用頂いています。多分感染を心配される障害者の方で一時的にサービスを使われなくなる方が多くて、事業者のキャッシュフローの予定が変わり融資を御利用いただいているということを推定しています。我々のデータですけど、感覚が合うかどうか参考までに。
 
○石渡構成員
 ありがとうございます。具体的に数字をお示しいただけると検討できますので、ありがとうございました。
 
○真野主査
 それでは、チャットと言いますか、オンラインで入られている、名里構成員から意見が出ているようなので、御紹介いただけますか。
 
○事務局
 事務局です。オンラインの接続の調子が悪くて大変御不便をおかけしているところです。スカイプのチャットで名里先生からご質問をいただきましたので読み上げさせていただきます。3点あります。まず、資料7ページ、2の(1)です。7ページというのは、資料の通しのほうではなく、資料の7ページです。質問は、福祉貸付は、高齢施設は1件当たりが高額だが、何か傾向があるのかが1点目です。2点目は、10ページ、参考のd、右下の部分かと思いますけれども、倒産件数については、令和2年度がさらに増えるのではないかと危惧される。この資料については、運営主体は社福や株式会社等全般か。また、一部の事業のみ廃止した場合について把握しているかが2点目です。3点目です。資料の2ページです。WAM NETの(2)福祉の仕事コーナーについて、これを利用した就活や採用に結び付いた実績の確認は難しいか。以上3点です。
 
○真野主査
 これは質問ですので、お答えいただくということですね。どうでしょうか。聞こえるのかな。聞こえないからネットで、メールでお返事するの。
 
○事務局
 音声が届いていない状況ですので、もし、この場でお答えいただければ概要をチャットで返しますし、また、別途でということであればその旨お知らせします。
 
○真野主査
 すぐ返事ができれば、この場のほうがいいでしょうけれども。
 
○福祉医療機構理事
 WAM NETの福祉の仕事コーナーについてお答えいたします。これは関わりのある関係団体と相談しまして、それぞれの取り組んでおられる情報発信について取りまとめて、ページを構成しているという作り方ですので、これらについて、これを使った方が、どのように就業されたかというデータは、取っておりません。また、求人情報を登録し検索いただけるサイトとリンクしていますが、WAM NET自体は就労された方が把握できるサイトにはなっておりませんので、そういうサイトであることを報告したいと思います。
 
○福祉医療機構企画管理部長
 よろしいでしょうか。1つ目の高齢施設が高額となっているということですが、傾向としては、今、特養等につきましては、施設整備の大半はユニット型特養ですので、どうしても事業規模、事業計画というのは大きくなっています。相対的に見ても、ほかの児童施設等と比べると高齢施設というのは入所型の施設がほとんどですので、事業規模は大きいという傾向があります。それから、資料の10ページ、右肩で言いますと11ページのdの倒産件数ですが、下の赤いほうが社会福祉事業の老人福祉と介護事業です。ただ、こちらの調査につきましては、帝国データバンクの老人福祉事業者の倒産動向調査から数字を取っております。内訳を見ますと、大半は営利法人で、約9割を占めています。ここに含まれております社福法人は、96件中の2件となっています。老人福祉事業所の中でも訪問介護や通所型の事業所の倒産が多くなっています。
 
○真野主査
 ありがとうございました。これで3つ全部答えたのですね。
 それでは、ちょうど時間になりましたので、よろしいですか。全般について広く議論いただいたと思います。では、法人の監事及び理事長から年度中期目標期間における目標の達成状況を踏まえ、今後の法人の業務運営等についてコメントをいただければと思います。最初に法人の監事の方から、次いで法人の理事長からお願いいたします。
 
○福祉医療機構監事
 福祉医療機構監事の吉野です。令和元年度の監事監査結果など、当機構の業務運営の状況等について説明申し上げます。令和元年度の監事監査結果については、お手元資料2-4監査報告に記載のとおりです。こちらは厚生労働省令で定められた記載事項に準拠し、総務省発出の記載例等を参考に作成しております。私ども監事は、役員会、経営企画会議、ガバナンス委員会のほか、融資決定の場である貸付審査会などの主要な会議や委員会へ出席して、積極的に意見を述べるとともに、全ての理事長決裁文書の内容確認等を通じて、当機構の意思決定過程や業務執行状況を常に確認しております。その中でも、特に当機構の業務が法令等に従い適正に実施されているか、中期目標の達成のため効果的かつ効率的に実施されているか、さらに業務の適正を確保するための内部統制システムが機能しているかなどに着目し、会計監査人や内部監査部門と協力しながら毎年度重層的な監査を実施しております。当機構においては、先ほど申し上げた経営企画会議、及びガバナンス委員会を軸とした適切なガバナンス体制の下に業務運営がなされており、目標に対する業務の進捗状況や実績管理を経営陣がマネジメントし、理事長のリーダーシップの下、各部門それぞれが求められる役割を適切に果たし、しっかりと成果に結びつけていると評価しております。なお、当機構のお客様である社会福祉法人や医療法人等は、今般の新型コロナにより深刻な状態であるとともに、近年職員の採用難や建築費の高騰などにより、総じて厳しい経営環境にあります。当機構においては、地域の福祉医療基盤の維持・存続を最優先のミッションとしつつ、合わせて信用リスク管理にも注力しております。当機構内の各部門が連携、協力して、福祉・医療を取り巻く環境の変化をいち早く捉え、それらの情報の発信などにより福祉・医療事業者を総合的に支援する体制を一層強化していくことが課題と考えております。
 以上、簡単ではございますが、監事の意見とさせていただきます。
 
○真野主査
 ありがとうございました。では、理事長からお願いします。
 
○福祉医療機構理事長
 理事長の中村です。有識者会議委員の皆様には、コロナ禍の最中、お時間の調整を頂きましてありがとうございます。その上で、本日の業務実績評価を通じて多くの貴重な御意見を賜わりましたこと、誠に有り難く、重ねまして御礼を申し上げます。会議の中で頂きました様々な見地からの御意見は、今後の業務運営の改善と、機構としての更なる進化のための指針とさせていただきます。
 国民生活を取り巻く環境は、昨年度第4四半期に国内でも新型コロナ患者が発生したことにより、劇的に変化いたしました。国民のライフスタイルが感染防止を主眼に大きく変わりました。様々な福祉医療サービスの利用も控えられました。この全国に及ぶ行動の変化は、福祉医療分野でも、施設の資金繰りの窮乏を招きました。この環境変化に対して、機構においては2月に初動対応をいたしました。内容は「新規経営資金の危機対応融資」の提供、及び「既存融資の返済猶予」でございます。その後、危機の進展とともに、4月には第一次補正予算、6月には第二次補正予算が福祉医療施設に対する機構政策融資の強化を含めて、国会で成立をしました。機構の危機対応融資は補正の都度、支援内容が強化されております。
 危機対応融資の利用状況を時系列で振り返りますと、初期には高齢者デイサービス、訪問介護から照会がスタート。その後、歯科診療所・診療所と続き、昨今は規模の大きな病院も増加してきております。また、障害者の就労継続支援事業者の多くにも御利用を頂いております。
対応の規模については、審査済み案件は7月7日に1万件を超えたところです。金額ではほぼ同時期で、5,000億円の水準。既にリーマンショック、東日本大震災時を桁違いに上回っております。
 機構における事業執行体制では、融資経験者の総動員、専任新組織の立ち上げ、派遣職員の増員、システム端末の増強、ワーキングスペースの確保など、限られた時間の中で対処してまいりました。
 機構の使命は、独立行政法人通則法の目的とする、国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資するということであります。今回の危機に際しても、その使命をしっかりと果たしております。
 話は少し遡りますが、昨年3月の閣僚懇談会で、独立行政法人全般に関する総務大臣の発言がございました。それは、国の行政の実施機能を担う、独立行政法人の能力、国の政策課題解決のために、最大限活用していくことが重要というものでした。この発言は、独立行政法人の持つ執行力の重要性に加え、独立行政法人に対する大きな期待を表したものと考えております。
 次に、福祉医療機構の事業執行により果たされる国の責務についてお話を申し上げます。独立行政法人は、各府省の行政活動の政策の実施部門から分離された一定の事務・事業を担当しております。機構が政策の実施部門として関与する国の責務は、まず憲法第25条2項に定める、福祉、公衆衛生の増進に関わる国の責務がございます。これはタブレットの資料の最初のページにあります。その上で法律上の国の責務があります。これにはまず「医療法」の求める良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保があり、更に「老人福祉法」には老人の心身の健康の保持、生活の安定のための必要な措置を通じた老人福祉の増進があります。また、「児童福祉法」では、児童が適切に養育される体制の確保が国の責務として定められています。障害分野では、身体、知的、精神の障害者の方の福祉に関する3つの法律の共通事項として、障害者の自立と社会経済活動への参加のための援助と保護、つまり厚生保護の実施を通じた福祉の増進が国の責務となっております。また、精神障害者の方については、この共通事項に加え、社会復帰の目的と、必要なサービスとしての医療が加わり、医療施設の充実が求められております。その上で、いわゆる障害者総合支援法で、必要な障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保、これが求められております。第4期中期計画期間におきましても、憲法及び関連各法における福祉医療分野での国の責務履行に加えまして、政府が推進する重要政策についても、尽力をしております。
 機構が関連する国の重要政策には、「ニッポン1億総活躍プラン」や、「まち・ひと・しごと創生基本方針」等に基づき設定されております、少子高齢化対策、2025年をターゲットとする「地域医療構想」の推進、及び「地域包括ケアシステム」の整備などがございます。さらに、団塊ジュニアが高齢者となる2040年に向けて、厚労省が進める「医療福祉サービス改革プラン」にも貢献してまいりたいと思っております。国の政策の一翼を担う独立行政法人として、環境変化を常に捉えながら、まず中期目標を達成し、独法のミッションである国民生活の安定及び社会経済の健全な発展への貢献に努めてまいります。
 昨年度、新たな機構の業務として、「旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対する一時金」、並びに「ハンセン病元患者家族に対する補償金」の支払い業務をスタートさせました。両事業とも衆参両院、全会一致で成立した法律に基づきます。また、子ども・子育て事業所の公表システムの運営を内閣府より受託し、この秋の公表開始に向けて準備を進めています。これらにつきましても、国会での決定事項や各府省の企画に基づき、独立行政法人が、その確実な実行を担う役割分担であります。
 また、分野は限定的ですが、国民生活の安定と社会経済の健全な発展に貢献をしております。引き続き、自らの業務執行力に磨きを掛け、更なる国の課題解決に貢献してまいる所存です。
 機構の運営に当たりましては、経営理念には福祉医療基盤における「民間活動応援宣言」を掲げ、その運営哲学には「永続する進化」を明示しております。業務の更なる有効性、効率性の追及をはじめ、内部統制についても進化し続けることが重要であると認識をしております。
 さらに、諸課題に尽速かつ適切に取り組むため、全役職員に「行動の指針」を示しております。これはまず、能動性、次に将来予見、3番目にダイバーシティーの活用、これらからなっております。「能動性」は受け身や待ちの姿勢になることなく、自ら解決に向けて動き出すことを示しています。「将来予見」は、社会経済情勢や、今後の福祉医療基盤の状況、更には個別の福祉医療施設の将来の姿など、次の展開を予測・想定しながら活動するということです。また、3番目の「ダイバーシティーの活用」は、目的達成のために機構内外の智恵や執行力を、最大限活用することを示しています。この行動の指針については、役員会をはじめとする、諸々の会議体や様々なコミュニケーションの場でも、具体的業務の展開に合わせて言及をしております。この指針が単純な知識ではなく、事業展開に必須の力、つまり観察、洞察、企画、決定、実践、突破力などを涵養し、更にそれらの経験を重ねることで、組織・個人が成長することを意図しています。今回のコロナ対応に際しては、圧倒的なスピードで対応をいたしました。その対応には、日頃からの永続する進化の実践や、能動性、将来予見、多様な能力の活用の習慣と、多くの経験の積み上げが貢献をいたしております。
 最後になりますが、私ども役職員の一人ひとりが、国の政策の一翼を担うという意識を持ち、身近で信頼でき、より役立つ組織となるよう、一丸となって業務に取り組む所存でございます。委員の先生方におかれましては、今後も引き続き、当機構に対して御指導御鞭撻を賜わりますようお願いを申し上げます。本日は誠にありがとうございました。
 
○真野主査
 ありがとうございました。何か御質問などはありますか。
 
○梅里構成員
 すみません。目標値なのですが、これはいつ決まるのですか。ちょっと確認なのですが。例えば来年度の目標値については、これから変更とかそういうことは可能なのかどうかとか、その制度の建て付けなのですが、少し目標そのものが単純な回数で、例えば広報の100回以上と、もう少し目標の立て方を検討する機会はないのかなということを感じたものですから、いつ決定されるのかを教えていただいてよろしいでしょうか。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 厚生労働省福祉基盤課です。この数値目標は、中期目標期間である5年間を通じての目標として決めたものです。現在はまだ中期目標期間中ですので、中期目標が終わって次の中期目標のときに、また改めて目標の数値の検討という形になります。
 
○梅里構成員
 中期目標のときに大きな方向性、大きな目標は決めるけれども、年度年度でいろいろな環境の変化とか、いろいろなことも起こり得るので、単年度の目標を若干見直すようなというような仕組みは、今の制度の中には入っていないのでしょうか。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 もし大きな環境変化があって、中期目標を変えなければいけない自体が生じれば、見直すこともあり得ます。
 
○梅里構成員
 中期目標そのものはそうですよね。それを動かすのではなくて、年度ごとの目標値に、若干のモディファイを加えるとか。
 
○社会・援護局福祉基盤課長
 全く不可能ではありませんが、基本的には期間中はこの数値で見ていくというのが、独法の制度になります。
 
○梅里構成員
 なるほど。中期目標のときにしっかりと見なければいけなかったということですね。
 
○政策評価官
 ちょっと補足いたしますと、今回の新型コロナのような、大きな影響があるようなもの。これは中期目標自体は変えないとしても、そういった影響を配慮した上で評価をするということは、制度上も可能になっておりますので、来年度の評価に向けて、どういった形で評価するのが良いのかということは御相談させていただきながら、進めたいと考えております。
 
○福祉医療機構理事長
 評価官、よろしくお願いします。例えば経営指導事業のセミナーとか、これは現在一切開催できておりません。それは感染防止の観点から当然であると思っていますので、それはそのようにしております。ただ、やはり現場の苦労に対して、中期目標の評価の中で報いるという、PDCAを回すことも重要だと思っていますので、ここはクリエイティブな評価の体制を是非お願いします。それから、総務省ともよく議論をしていただいてもいいのではないかと思っています。よろしくお願いします。
 それから、ちょっと梅里先生の先ほどの御意見からすると、目標の次の年度評価にも絡みますが、例えばWAM NETの入口ページの改良、これは定性的課題ですが、必要度が高くなっています。一方、現場でWAM NETのページを作っている者にすると、かなりいろいろなものを毎日見て考えて、理論的に作っている意識があります。ただ、初めて閲覧された方にとって解りにくいということは確りと受け止める必要があります。
 我々の考え方としては、やはり一つひとつの事業、形式的に何か目標を達成したということだけではなくて、それが本質的に国のために役に立っているのかということを、かなりいろいろな議論をしております。数字に表れない実質性というものにも重要性はあると思っております。
 例えば、WAM NETの事業の中で、いろいろコンテンツを作るのですが、これをネットの上に置いているだけでは、活用してもらえないのではないかというような話もしています。例えば「介護離職防止」の分野では、今、あまり企業さんに訪問できなくなっていますが、従業員数の多い所から、人事部門を訪問して、そしてこういう介護離職の問題があって、こういう国の受皿制度がありますよと紹介しています。更に、これを掲載しているWAM NETへ、先方人事部門経由で企業のイントラネットからリンクを張ってもらうということもやっております。
 それから、「介護の仕事」のコンテンツにも同じような課題があって、そしてネットに載せるだけではなく、プラスアルファーをやっていかなければいけないねという話はしているところであります。数字を単純に追いかけるだけではなく、やはり中身をきっちり詰めて、実効性のあるものを作っていく業務展開も実践しております。来年度は一部について、定性的な事についてお話しをしても良いかと思います。引き続き御支援よろしくお願いいたします。
 
○真野主査
 詳細にありがとうございました。それでは、よろしいですか。では、こちらで議事は終了になります。事務局から今後の流れをお願いします。
 
○政策評価官
 ありがとうございます。今後の流れですが、本日御議論いただきました、福祉医療機構の年度の業務実績評価につきましては、この後、本ワーキンググループにおける御意見や法人の監事及び理事長のコメント等を踏まえまして、厚生労働大臣による評価を決定し、法人と独立行政法人評価制度委員会に通知するとともに、公表する予定です。決定したそれぞれの内容につきましては、後日構成員の皆様にもお送りいたしますので、よろしくお願いいたします。なお、この後、引き続き1時45分より、この会場にて別法人の有識者会議を開催いたしますので、法人関係者の方々におかれましては、恐れ入りますが、速やかな入れ替わりに御協力のほどをよろしくお願いいたします。以上です。
 
○真野主査
 ありがとうございました。それでは、この会としては閉会ということになります。ありがとうございました。
 
(了)