第1回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録

日時

令和2年9月28日(月) 14:00~16:00

場所

省議室及びテレビ会議

出席者

出席委員(五十音順)
磯部委員、伊豆津委員、泉委員、内田委員、奥田委員(テレビ会議)、佐藤委員、花井委員、森豊委員

行政関係出席者
田村厚生労働大臣
佐原危機管理・医務技術総括審議官、佐々木厚生科学課長、高島医薬品等行政評価・監視委員会室長、鷹合総括調整官、大井医薬品等行政評価・監視委員会室長補佐 他

議題

  1. 委員会の設置について
  2. 医薬員等行政評価・監視委員会の運営について
  3. 意見交換等
  4. その他

議事

○高島室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第1回医薬品等行政評価・監視委員会を開催いたします。
皆様には、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
この委員会は、昨年の薬機法改正を受けて、今年9月に成立した委員会でございます。私は医薬品等行政評価・監視委員会室の室長をしております高島と申します。後ほど議題で委員長の互選がございますけれども、それまでの間、進行を務めさせていただきたいと思います。
第1回開催に当たりまして、初めに、田村厚生労働大臣より御挨拶を申し上げたいと思います。
○田村厚生労働大臣 厚生労働大臣の田村でございます。
このたびは、委員の皆様方には大変御多用の中御就任をいただきましたこと、心から厚く御礼を申し上げます。
当委員会でありますけれども、平成22年、薬害肝炎事件の発生を受け、その下で事件の検証、再発防止の検討を行った委員会において、このような医薬品行政の監視・評価を行う第三者組織が必要であるというお話をいただきました。
その後、平成25年、薬事法改正の折に、この議論になりました。ちょうど私は大臣でございまして、いろいろな方法を考えながら、何とかこの第三者組織ができないかと検討させていただきました。本当に関係者の方々には大変なお力添え、御尽力をいただいたわけですが、残念ながら、このときには思いがかなわなかったということでありまして、それぞれの皆様方に大変御迷惑をおかけしたなと思っております。
その後、法改正の中でこれが盛り込まれたということでありまして、その折には大変うれしい思いでいっぱいであったわけでありまして、私は一議員でございましたけれども、本当にいろいろと今まで募った思いというものが、やっと実現したかなと。
ただ、法律ができるだけではありませんでして、いよいよこの委員会が立ち上がるということで、それぞれ医師の先生方、薬剤師の先生方、また、法律家の方々、そして、何よりも薬害被害者の皆様方、それぞれのお立場、専門的な御知識や御経験、こういうものを踏まえてしっかりと医薬品等の安全確保、また、薬害の再発防止という意味で、この委員会が機能発揮をいただきますことを、心からお願いを申し上げる次第であります。
厚生労働省といたしましても、当委員会でいろいろな御議論をいただいて、その機能を十分に発揮いただけるよう、委員会の皆様方の御意見を尊重し、薬害の再発防止をしっかりと進めてまいりたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。
改めて、委員の皆様方には心から感謝を申し上げ、これから御活躍を賜りますことを御祈念申し上げながら、一言御挨拶に代えさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○高島室長 ありがとうございます。
田村大臣からの御挨拶にもありましたとおり、この委員会の設立は薬害肝炎事件の検証に端を発してございます。
この委員会には薬害被害者のお立場として、薬害肝炎全国原告団から泉委員に御参画いただいてございます。本日は、泉委員からの求めにより、その代理として、同原告団の代表でございます浅倉代表から御挨拶したいという申出がございまして、事前に他の委員にお諮りしたところ、全委員の御了承が得られましたので、泉委員の代理として、浅倉代表より御挨拶をいただきたいと思います。
○浅倉代表 薬害肝炎全国原告団を代表して、一言御挨拶申し上げます。
このたびは、大臣御就任、おめでとうございます。田村大臣とは、前回の厚労大臣をされていた時期に、第三者監視・評価組織の創設を求める私たち被害者の心を理解し、それに寄り添い、多大な御尽力をいただいたという忘れられない御縁があります。このたび第1回目の委員会開催が、田村大臣の下、実現されることに、運命のようなものを感じております。
この委員会が薬害の再発防止の礎になることを切に願っております。田村大臣、委員の皆様、どうかよろしくお願いいたします。
○高島室長 ありがとうございます。
田村厚生労働大臣におかれましては、他の公務により退席いたします。
○厚生労働大臣 どうかよろしくお願いいたします。
(田村厚生労働大臣退室)
○高島室長 カメラ撮りはここまでとなりますので、メディアの皆様、よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第に沿って議事を進めてまいりたいと思います。
まず、配付資料の確認をさせていただきたいと思います。資料1から資料5-1、5-2までございますが、お手元にございますでしょうか。参考資料として4つの資料を用意させていただいてございますので、併せて御確認いただければと思います。不足がございましたら、御連絡ください。よろしいでしょうか。
それでは、資料1をお手元にお開きいただければと思います。委員名簿でございますけれども、各委員のお名前や御所属の読み上げに関しましては、こちらの名簿をもって省略させていただきたいと思います。
座席図にお名前のない奥田委員、戸部委員についてですが、戸部委員に関しましては本日は御欠席、奥田委員におかれましてはウェブ上での御参加ということでございますので、その点、申し添えさせていただきます。
それでは、議題1「委員会の設置について」、この中で委員長の互選に移らせていただきたいと考えてございます。
本委員会の委員長につきましては、薬機法第76条の3の11第1項におきまして「委員会に、委員長を置き、委員の互選により選任する」という規定がございます。委員の互選により委員長を選任することとなってございますので、各委員の皆様、委員長について御推薦の御発言をお願いしたいと思います。
花井委員、どうぞお願いいたします。
○花井委員 花井です。
この委員会は全く新しい形で、どのような方が委員長になるかというのは非常に悩ましい問題だとは思いました。この薬害というのは、一見サイエンスであるようにも思えますが、非常に学際的な問題であるというところ、それから、やはり中立性が一番に求められているという観点から、このメンバーの中で磯部先生にお願いしたらどうかとは考えるのですが、いかがでしょうか。
○高島室長 ただいま、花井委員より磯部先生を委員長にという推薦がございましたが、他の委員の皆様、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○高島室長 ありがとうございます。
それでは、本委員会の委員長におきましては、磯部委員を互選ということで、磯部委員におかれましては、委員長をお引き受けいただきますようお願いいたします。
それでは、以降の議事進行におきましては、委員長でいらっしゃいます磯部委員にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○磯部委員長 一人異議ありと言おうかと思ったのですけれども、改めまして、互選いただきました磯部でございます。
この委員会の役目というのは非常に重要だと思っております。先ほど、薬害の再発防止の礎となってくれという御発言もございましたけれども、最終提言で独立性と専門性と機動性を発揮できる、そういう組織が必要だということが言われ、法律でも我々は委員会としてではなくて「委員は、独立してその職権を行う」と書いてあるわけですね。とてもそれぞれが重要な役割を担っておりまして、それをこうやってみんなで集まって議論して、薬害再発防止という本来の役割を果たせるようにということで、ぜひ皆さんと協力しながら、有益な活動になればということを考えておりますので、単に議事進行に御協力よろしくというレベルではなくて、本当に広い意味で、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、以降、議事進行を私のほうで進めさせていただきますが、まず初めに、委員長代理の指名についてであります。薬機法76条の3の11第3項において「委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する」とされております。いかがでしょう。これは私が指名するということですけれども、私としては佐藤委員を委員長代理としてお願いしたいと腹案としては考えておりますが、委員の皆様の御意見はいかがでしょうか。御賛同いただけたということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○磯部委員長 それでは、佐藤委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐藤委員 よろしくお願いいたします。
○磯部委員長 続いて、関係者のオブザーバー参加についてお諮りいたします。
事務局より、医薬・生活衛生局の担当官にオブザーバーとして参加を要請することが提案されています。
この委員会は医薬行政から独立した組織であり、その立場は維持しつつも、この会議の内容を医薬・生活衛生局にも共有する必要がございます。オブザーバーの参加によって、委員会としての議論の状況を医薬・生活衛生局に直接リアルに共有ができるということ、また、必要に応じて委員からの質問に迅速に直接に回答を得ることができるということを考えているということなのですけれども、あくまでオブザーバーですから、位置づけは事務局ではなく同席いただくというものにとどまり、かつ発言は委員会の求めに応じてという限りになりますが、さて、この提案について何か御意見がございましたらお聞かせください。
それでは、佐藤委員。
○佐藤委員 この委員会での審議の状況、単なる結果だけではなくて、恐らく議論の過程を厚生労働省の担当の部局の方々によく理解していただくという趣旨はよく理解できるのですが、そのことが一般的に、あるいは国民から見たときにどう受け取られるかということを考えておく必要があるかと思っております。
例えば、薬事・食品衛生審議会あるいはその部会等において、新薬の審査において、当該の製薬企業の方がこのテーブルを同じくしてオブザーバーとして参加するという状況を考えていただければと思うのですが、それと同じことなわけですね。今回のこちらの委員会の評価・監視する対象と言うと語弊があるかもしれませんが、その方々が同じテーブルに着く。オブザーバーであっても、このテーブルに座るということで、単なる傍聴者とは違うという位置づけになるかと思うのです。そのことが国民の目線から見たときにあらぬ誤解を受けないかとか、そういうことについても考える必要があるのではないかと思いまして、なかなか悩ましい問題だとは思うのですけれども、私の懸念としてはそのように考えております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
ほかの委員の方はいかがでしょう。
花井委員。
○花井委員 今、佐藤委員から話があったとおり、とても悩ましい問題です。本来は監視する人を監視するという立てつけになっていて、監視される人がオブザーバーでいるということについては変な話だというところだと思うのですけれども、逆に言えば、医薬の人たちにここでやっていることをちゃんと聞いておきなさい、むしろ来てちゃんと聞くべきだという考え方も一方である。
それはどちらの性質もあると思うのですけれども、現状、まだこの委員会の各ミッションがどう進んでいくか分からない中で、オブザーバー参加をここで否定する必要はないと思うのですけれども、取りあえず、今日決めて次回から毎回来てくださいねと判断する前にやることは幾つかあるかと思うので、保留してもいいのではないかと。だから、これからずっといますということをここで決めなくても、委員会が立ち上がって、その議論がどのようなものであり、それが医薬規制当局の行政官とどういう関係の議論がされているかというところを確認した上で決めてもいいかなと思いました。
だから、曖昧な意見で申し訳ないのですけれども、来てもらうのはそんなに悪くもないとも思えつつ、今、佐藤委員がおっしゃったような、立てつけ的には不自然感もあるというところで、医薬関係者がそこにいる意味をこの委員会がこうだと明示できるようになったときに、初めてそれを決定するというのがきれいかなとは思いました。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
この点について、ほかに御発言はございますか。
ありがとうございます。最初から当然のオブザーバー参加を認めると決めつけて始める必要もないだろうと。慎重であるべきで、この委員会がどう見られるかということに留意せよという御指摘は、なるほど、ごもっともだと思いました。
だとすると、あとはこちらの委員会の議論、プロセスをどのように医薬・生活衛生局に伝えていくかという方法についてはまた検討することになるだろうと思いますけれども、当面は議事録を読んでください、あるいは必要に応じて事務局からこういう趣旨を伝えてくださいということを、口頭ないし必要ならば文書なのか、そういうことになるであろうと。当面、まずはそのようにやっていって、まさに直接聞きたいことがあれば、そのときに部分的にオブザーバーとして参加していただくことはあり得るけれども、当面はオブザーバーとしては認めない、必要に応じて考えていくということでよろしいですか。
どうぞ。
○花井委員 曖昧なことを言った後に申し訳ないのですけれども、個人的にはここでの議論こそが大事なので、むしろ「刮目して、来て聞け」というようなものになることが期待されているので、いずれかのタイミングでそれが必要かとは思います。ただし、やはりそれが今言ったようなことなので、むしろ逆に勝手にやっておれという態度を取られるのもすごく心外なことなので、そことの兼ね合いかと思いました。
以上です。
○磯部委員長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 もし仮にオブザーバーとして御参加いただくときに、では、一体どの課の方にお越しいただくのかというのも悩ましいことだと思うのです。あるいは、医薬・生活衛生局に限らず、他の部局の方に来ていただく必要が、ここの委員会の審議の議題によってはあるかもしれませんし、その辺りについても今後検討していく必要があるかと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、ここでの議論のプロセスに、リアルな声に接していただくことが重要であるということで、いつかの時点ではきちんとオブザーバー参加のことをまた議事として諮ることにしましょう。そして、差し当たり、今のしばらくの助走期間のときには、口頭で事務局からお伝えいただくということではないかと思います。
また、議事録はもちろん共有できるわけで、逆に言えば、議事録というのは我々もそれで評価されるわけですね。オブザーバーとして参加しているからなかなか強いことが言えないのかというようなことも仮にあったら、それは議事録で分かることになるでしょうから、私自身はオブザーバーに来ていただくことでどう外から見られるかということを本質的には心配はしていないのですけれども、差し当たり、今日のところではオブザーバーとしての参加は了承せず、当面の間は議事録等で委員会の情報を共有するということで、事務局のほう、どうぞよろしくお願いいたします。
続いては、この委員会の概要ということで、事務局が事前に資料を作成しております。既に各委員には説明いただいておりますので、簡単に事務局から御紹介をいただけますでしょうか。
○大井室長補佐 事務局の大井でございます。
資料2について、簡単に御説明をさせていただきたいと思います。資料2は委員会の概要等についてです。
まず、2ページ目を御覧ください。こちらは委員会の役割についてです。薬害肝炎検証・検討委員会の最終提言に記載された内容と法令上の規定を踏まえて、事務局のほうで作成しております。
上の枠囲みですが、1つ目の○を御覧ください。委員会の役割としては、個別医薬品等の安全性の確認状況、薬事制度等について、確認・評価を行うというものとなっております。
2つ目の○ですが、これらの確認・評価の結果を踏まえ、必要に応じて厚生労働大臣への意見・勧告を行うとなっております。
下の図は、個別医薬品等の安全性の確認状況の評価の流れをまとめたものになっております。一番左の部分からですが、薬食審の情報等を活用した定期的な情報やその他の情報を委員会に報告してもらいます。また、真ん中の部分ですが、委員が必要と認める場合には、追加の情報を求める場合もあります。さらに、必要と認める場合には、委員会から厚生労働大臣への意見・勧告という流れになっております。
なお、個別の医薬品等の有効性、安全性に関する最終的な評価は、従来どおり、薬事・食品衛生審議会が行うものとされております。
また、このほか全般、薬事制度等については委員会でヒアリング等によりその状況を確認するものと考えております。
続いて、3ページ目を御覧ください。この後の議題で運営規程を御議論いただきますが、既に法令等で定められている主なものをまとめております。簡単に御説明いたします。
「1.委員」の部分です。3つ目のポツの部分ですが「委員の任期は2年で、再任することができる」とされております。その下ですが「委員のほかに、必要に応じて臨時委員又は専門委員を置くことができる」とされています。
続いて「2.委員会の運営」です。4つ目のポツですが「委員会の議決は、委員及び議事に関係のある臨時委員で会議に出席したものの多数決で行う」、また、その下の※の部分ですけれども、「その他の事項については、委員会が自ら定める」とされております。
「3.その他」についてです。こちらは法令で規定されているものではないですが、委員の選考時に選考委員会で定めた委員の除外要件です。こちらは後ほど御議論いただく運営規程(案)にも出てきておりますので、説明は省略いたします。
続いて、4ページ目です。こちらは委員会から本委員会への申し送り事項となります。2点ございます。1つ目は「委員としてふさわしくない除外要件」についてです。選考委員会では薬事分科会規程に準拠し、現在、薬事関係企業から定期的に報酬を受けている顧問であることを除外要件としておりますが、「現在」だけではなく「過去○年間」など一定期間も含めるべきではないかとの提案がございました。これについては、選考委員会においての議論を本委員会に引き継ぐということされました。
具体的な内容については、ポツの部分に書いておりますが、説明は省略いたします。次期改選に反映していくことは可能ではないかとの御意見もいただいているところでございます。必要に応じて本委員会で御議論いただければと存じます。
2つ目です。下の部分ですが、今回の委員の選考については、関連学会等から推薦をいただき、選考委員会で要件の該当性を確認いただきました。第2期の選考を同様に学会等の推薦とするかは今後の話でございますけれども、少なくとも第2期については選考委員会のような外部の有識者が学会等の推薦者を確認するプロセスが必要ではないかといった御意見をいただいております。
4ページ目は以上です。
残りのページは選考委員会の委員の一覧、法令の抜粋でございますので、省略させていただきます。
以上でございます。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
ただいまの説明について、御質問、御意見等はございますか。何でも気楽に発言してくださいね。
気楽に発言すると、この後、運営規程の話になりますので、3ページの「3.その他」というのは「委員選考時の除外要件として以下の基準が設定されている」というのは、今の運営規程の中に出てくるものですか。
○大井室長補佐 時系列で申しますと、今回の委員の選考に当たっては、選考委員会を開催しております。その際に、委員の方々に求める要件と、逆に除外する要件というものを設定させていただいております。委員は5ページ目にございますこの4名の委員が選考委員会の委員であったのですけれども、その際に、この3つの除外要件、委員の欠格要件を定めていただいております。したがいまして、ここまでは事実関係でございます。
その上で、今回の事務局の案としては、この後に出てきます資料3の運営規程で、この除外要件をそのままコピー・アンド・ペーストする形で盛り込んでいるというものでございます。詳細は後ほどの説明でさせていただきたいと思います。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
3ページのタイトルが「法令で規定されているもの」となっていたので、法令ではないだろうと。
○大井室長補佐 申し訳ございません。「法令等」あるいは「選考委員会で」と言葉として付け足したいと思います。
○磯部委員長 佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 佐藤でございますけれども、質問なのですが、この委員会の運営のところの4つ目のポツのところですけれども、議決は多数決で行うというのは薬機法上には特に明記がないように思うのですけれども、いかがなのでしょうか。
○高島室長 今の御質問に関しまして、同じ資料でございます資料2の7ページを御覧いただければと思います。政令に規定がございまして、2条の第3項、委員及び議事に関連する臨時委員等で「会議に出席したものの過半数で決し」ということで規定がございます。
○磯部委員長 ということで「委員及び議事に関係のある臨時委員で会議に出席したものの過半数」というのは、政令に明文の根拠があるという御説明でした。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○磯部委員長 それでも、倫理委員会などでもそうですけれども、議論を通じてできるだけ全会一致で意見が決まっていくというプロセスをまずは目指すものなのだろうとは思いますが、どうしても決めなければいけないときのこういう規定が最後の備えとしてあるということなのではないかと思います。
その他、何か御意見等はよろしいでしょうか。
花井委員、どうぞ。
○花井委員 今の政令のいわゆる過半数の件ですけれども、これは「議事に関係のある臨時委員で会議に出席したものの過半数で決し」とあって、専門委員という形で、例えば個別の医薬品のときに、そこの臨床をよく知っている先生とか、臨床をよく知っている先生というのはその製品のメーカーとも近い関係なので、COIで難しいというところで、だから、専門委員はそういう場合は議決からは外れるという立てつけはよくあると思うのです。今回、臨時委員という形なので、専門委員とは位置づけが違うのですけれども、臨時委員というのは専門委員的な位置づけの場合もあろうかと思うので、COIなどは今後決めておくのかもしれませんが、必ずしもいわゆる臨時委員が議決に参加できないルールというのも可能性としてあり得るかと思いました。今後の立てつけの整理だと思います。
以上です。
○磯部委員長 貴重な御指摘をありがとうございました。
議事に参加する、あるいは議決に参加するというのはどういう資格が除かれるべきなのかという議論は、この後、またやると思います。
○花井委員 特に個別の品目が出たときに問題になる可能性があるかと思います。
○磯部委員長 ありがとうございます。
事務局、どうぞ。
○高島室長 今の点を補足させていただきますけれども、まず、この委員会の権能が法律にございます。大臣に対して意見・勧告をするという、ある意味この大きな権能に関しましては、まさにこれは議事そのものでございますので、過半数で決していただくということで、その決めに関しましても委員と臨時委員という形で法令上はなっているということでございます。ですので、その部分は法令で規定されている範囲を超えることはなかなか難しいと思いますが、それ以外の運営に当たってのお考えだとか、少数意見の扱いだとか、そういったものに関しましては、今後この委員会の中で専門委員の方もどういう資格で集めてやるのかということも含めて御検討いただければと思ってございます。
法令上の射程範囲という意味では、大臣に対する意見・勧告、調査権限、そして、法令に書いてある規定、これを発動するときの議事と御理解いただければと思います。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
森豊委員。
○森豊委員 3ページに「臨時委員又は専門委員」との記載があるのですけれども、現時点での定義としてはそれぞれどういうことになりましょうか。
○磯部委員長 事務局、いかがでしょう。
○高島室長 こちらに関しましても、今後御議論いただく部分でございます。委員はまさに法律の所掌を書いてある、先ほど申し上げた76条の3の5ですね。所掌事務を、まさにこれを担う皆様でございまして、その中で組織の規定がございます。資料2の6ページを御覧いただければと思いますけれども、76条の3の8ということで「特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる」と第2項で規定がございます。また「専門の事項を調査させるため必要があるときは、専門委員を置くことができる」ということになってございます。
この特別と専門の分野をどのように整理するかということに関しましては、委員会の中でも御議論いただくべきところではございますが、例えばこの委員会の中で個別具体的な課題を扱うに、こういう具体の専門家を入れたほうがいいということであれば臨時委員になるかと思いますし、さらにそれをある意味で論点を整理するための下ごしらえのような、そういった点で整理をしていくということで、調査させるために必要ということであれば専門委員ということでございます。
規定を御覧いただければと思いますが、「調査審議」というところと「調査させる」というところで書き分けてございますので、そういったところで臨時委員と専門委員が使い分けられているということでございます。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、運営規程の話に半分以上入っているような気がしますけれども、資料3に基づいて、これは既に他の委員会の事例を参考に事務局のほうで案を作成しておりますので、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○大井室長補佐 運営規程(案)について御説明いたします。資料は資料3と、後ろのほうにあります参考3を御覧いただければと思います。資料3が事務局案となっております。参考3は、事務局案と消費者委員会、薬事分科会の規程を比較した一覧表になっております。
なお、全体のつくりとしては、消費者委員会の規程に準拠したものとなっております。理由は、法律、政令等、条文のつくりが、消費者委員会の規程と薬機法の規程が類似しているためです。
では、資料3の条ごとに簡単に説明させていただきたいと思います。
まず、資料3の1ページ目ですけれども、第1条、総則となっております。1段落目は委員会の役割を書いておりまして、残り2行の部分、2段落目は他の規程との関係を記載しております。
続いて、第2条です。こちらは会議についてです。消費者委員会とほぼ同じ規定となっております。第1項では、テレビ会議システムを利用した出席を認めるものとしております。この部分については、消費者委員会規程では、委員長が必要と認める場合にはとされておりますが、昨今のこういった状況でもございますので、その文言は削除しておりまして、テレビ会議システムでの参加について委員に御判断いただけるようにとしております。
第2項以下は、緊急中に書面での議決を行うことができる旨を規定しております。
1ページ目の一番下ですが、第3条、意見の開陳についてです。適当と認める者に説明や意見を求めることができるとしております。
ページをめくっていただきまして、第4条です。第4条は議事録を作成するという規定でございます。こちらはごく一般的な規定を記載しているものでございます。
第5条は会議の公開についてです。この部分、第2項に、会議を原則公開する旨の規定がございます。当事者や第三者の権利、利益、公共の利益を害するおそれがある場合、その他委員会が非公開と認めた場合、これらを除きまして公開するとなっております。
第4項では、議事録について、会議を非公開とすると認めた場合を除き、公開と記載しております。
その次、第6条です。ここは先ほどの資料2にも出てきた本委員会の委員の欠格事項でございます。本委員会では、第三者性、独立性が求められていることから、製薬企業、厚生労働省、薬事・食品衛生審議会との関係性に基づいて、一定の距離を置くということで設定しているものでございます。
これらの規定については、委員の絶対的な欠格要件ですが、先ほど少し花井委員からもございました寄附金等の受け取り状況など、委員の個別の議題での審議の参加規程というものも、薬事・食品衛生審議会では定められてございます。具体的に申しますと、審議に関係する企業から一定以上の寄附金等を受け取っている場合、議決や審議に参加できないという基準でございます。今回の運営規程にはそれは含まれておりませんので、必要に応じて今後御議論いただくものかと存じます。
6条の中身でございます。3つございます。1つ目は、薬事分科会と同じ規定でございますけれども、薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合を欠格要件としております。
2つ目、3つ目は、選考委員会において定められた規定となっております。2つ目が薬食審との関係です。承認審査に関係する部会の委員となった場合を欠格要件としております。これは、この委員会が個別医薬品等の安全性の確認状況を確認・評価するため、承認審査に関する部会の委員を除外しているというものでございます。ただし、審議会に参加いただける薬害被害者は限られるのではないかということで、薬害被害者は除いているところでございます。なお、現時点で、薬食審で承認審査に関する部会に薬害被害者は入っていないのではないかと考えております。
3つ目ですけれども、こちらは厚労省との訴訟の関係です。医薬品等の安全性に関する訴訟の関係者となった場合を欠格要件としております。ただし書の部分に関しましては、C型肝炎特措法を除いております。これは薬害C型肝炎の原因となるフィブリノゲン製剤の投与の確認が訴訟の中で行われており、これらは事実関係の確認であることから、除外しているというものでございます。
以上が委員の欠格要件でございます。
第7条が最後でございまして、その他、必要な事項は、委員長が委員会に諮って定めるものとされております。
説明は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、この運営規程について、あるいは今の御説明について、御意見、御質問等、よろしくお願いします。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 薬機法の条文の中で、76条3の9のところに、委員はもちろんですが、臨時委員と専門委員も厚生労働大臣が任命すると記載がございますが、これはそのまま生きているということでよろしいですか。
○高島室長 事務局でございます。
まさにこの規定は生きてございますが、9月1日の段階では、まだ任命のプロセスにはなっていないということでございます。この部分に関しましても、この委員会で御議論いただくところだと思ってございます。
以上です。
○泉委員 重ねて、76条の3の10のところに、委員の任期以外に「臨時委員は、その者の任命に係る当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする」、それから、専門委員も同じくそういうことで記載がありますが、これは省令によって変わるということはなく、このまま生かされると考えてよろしいですか。
○高島室長 事務局でございます。
まさに省令は法律に基づくものでございますので、省令が法律を上回るようなことは起きないわけでございますので、この規定はそのまま生きているということでございます。
○泉委員 引き続き、もう一つ、この委員会自体が自ら発議して行うことができるという委員会ですから、そうすると、この臨時委員と専門委員はこの委員会の部会に当たらずと考えるのか、それとも単発的にそのときだけは部会となるのか、それをお示しください。
○高島室長 今の点は極めてこの委員会を今後運営していく上での重要な指摘でございます。この委員会は、この後の議題にもございますけれども、どの分野をまず専門的に扱っていくのかということ、扱う分野と優先順位というものを決めていただくことが重要かと思います。その上で、臨時委員がいたほうがより深掘りできる議論になるとか、さらなる調査をするということで専門委員を置いたほうがいいのかということは、まさに委員会で決めていく部分ではないかと思います。
先ほどの資料2の2ページで、そうした形でも記載しておりますけれども、これは委員会が自ら調査もできる形になってございますので、そうした自ら調査の中で専門委員を御用意いただいて、部会というような形でやっていくというやり方も当然あるかと思います。
この点に関しましては、いずれにしても、まずは所掌、この委員会が扱っていくべき分野と優先事項を整理いただき、その上で人選を必要に応じてやっていくということではないかと考えてございます。以上です。
○磯部委員長 よろしいですか。
ほかに御意見はよろしいでしょうか。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 まず、一つ質問なのですけれども、運営規程の6条の3号のところですね。訴訟の関係者となった場合は辞任しなければいけないという、この関係者の範囲を教えていただければと思うのです。当然、原告あるいは弁護団は関係者だと思うのですが、例えば証人とか鑑定人とかで呼ばれることも場合によってはあるかもしれないと思って、その辺りについてお聞きできればと思います。
○高島室長 先ほど、大井から御説明させていただきました、まず、この6条の趣旨を御理解いただきたいと思いますけれども、この委員会そのものは厚労行政、医薬行政から独立であり、中立といったところが極めて重要でございまして、それを具体化させるための規定と考えていただければと思います。企業から独立している、行政から独立している、また、訴訟対象者から独立しているといったことでございますので、この訴訟関係者というところに関しましては、この直接の関係者ということで、原告等は当然外れるものと理解をしてございます。
ただ、一方で、証人だとか、そういったところまで外す必要があるのかという点に関しましては、直ちにその部分は関係者には該当しないと考えられます。ただ、それは個別の事案に応じて考えるべきところだとは思います。先ほど申し上げたとおり、訴訟の相手方、訴訟を通じて委員会の独立性に支障を来すような、そうした方は当然外れるということで、そこは委員会の中でも御確認いただくようなところかと思います。
以上です。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○磯部委員長 泉委員、どうぞ。
○泉委員 厚生労働省にはぜひ守ってもらいたいことがありまして、実はこの説明の中に最終提言という言葉が出てきて、私たちは最終提言に関して、委員会室がつくられた資料も読んで勉強させてもらっているわけですけれども、その中には「既存の審議会等とは異なる新たな仕組みを作る必要がある」と提言されているのですね。ですから、既存の審議会と同じようなことを持ってきて省令にされては困ります。それをしっかりと覚えて委員も議論してもらいたいと思うのですが、ぜひ、この委員会が普通の省令による審議会と同じではなく、いろいろな新たな試みをしようとしている委員会であるということを認識したいと思いますので、それをどうぞよろしく御配慮ください。
以上です。
○磯部委員長 今のは御意見ということで、事務局にもきちんと協力していただきたいと思いますし、もちろん、例えば会議は委員長が招集するとか、委員会である以上当たり前の規定というのもありますが、しかし、この会議体が置かれた趣旨ということに常に立ち返りながら、制度設計や運用を考えていきたいということは十分肝に銘じておくべきだろうと思います。
今の訴訟関係者というのは、私もこれは何ですかと事前に聞いたのですね。曖昧な言葉で、佐藤委員の御指摘のとおりでした。それはこの委員会の独立性と中立性といったことは損なわれることにならないかという趣旨で解釈していくしかないのだろうと思いますので、上手にやっていければと思います。
ちなみに、2号の「ただし、薬害被害者はこの限りではない」というのは、これは何でしょうということも実は事前に質問していたのですが、今、お話を伺ったら、特に委員になっている方はいないけれども、将来いた場合になかなか適切に花井委員みたいにいろいろなところで委員をしてくださるような方がたくさんいればいいわけですけれども、そうではないということなのでしょう。
さて、いかがでしょうか。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 この案に対して直接の意見ということではないのですけれども、先ほど、多数決で議決をするということに関連して、この運営規程で言うと第2条の4項に、委員が一堂に会して議論できない場合のことが書いてあるのですけれども、集まってこうやって対面で会議をする場合も、恐らく多様な意見があり得ると思いまして、提言等をする場合に、少数の意見を付記することがとても重要だと思うのです。例えば、最高裁の判決でも判決は多数決で行いますけれども、少数意見は付記されてそれが記録に残りますので、ぜひ提言をまとめる際にも少数の意見を付記する、全体として合意した提言の内容と、それとは分けてこういう意見があったということを付記するような形が望ましいのかなと思うのです。
今すぐこの場で決めなくてもいいのかもしれませんけれども、そういうことについて御考慮いただけるといいのではないかと思っております。それが一つです。
○磯部委員長 コメントをありがとうございました。
これは今後の運営の仕方、細かいところはまさにこれからこの委員会で決めていくことだということで、少数意見の取扱いといったことにも事務局の説明の中でメンションがあったと思います。御指摘のように、多数意見1つだけで、少数意見が日の目を見ないというのはもったいない気もしますし、それを運営規程の中に書くかどうかはともかく、そういう意見をきちんと生かす方向で考えたいと私自身は考えております。
ちなみに、運営規程はこの委員会の決定というものですので、そうそうめったに変えるものではないだろうけれども、この委員会で決めれば改正ということは幾らでもできるわけですから、今後そういうことも含めて議論させていただければと思いました。
どうぞ。
○泉委員 3条のところに「適当と認める者に対して、会議への出席を求め、その説明」と書いてありますね。だから、それは私たち委員会がこの人の話を聞いてみたいという人に来ていただく。それと、先ほどから話がされている第6条の臨時委員と専門委員の扱いは別ですね。臨時委員と専門委員は訴訟中はちょっとまずいよということだけれども、必要な話を聞いてみたい方がこの委員ではないのだったら、聞けるということでいいのですね。
○磯部委員長 臨時委員などは法律上の存在ということで、臨時委員だったら大臣が任命するとか、そういう話で、こちらはただ呼べばゲストに来ていただけるという話ですから、全く問題ないと思います。
○泉委員 ありがとうございました。
○磯部委員長 それでは、運営規程(案)については、この原案のとおり認めるということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○磯部委員長 それでは、そういうことで、事務局案を委員会決定とすることといたします。
それでは、予定の時間を既に大分オーバーしているのですけれども、本日、花井委員から発表資料というものを御提供いただいておりますので、花井委員から御発表をお願いいたします。
○花井委員 時間は何分でしたか。
○磯部委員長 15分です。
○花井委員 分かりました。
お時間をいただきました。私からは、医薬品等行政評価・監視委員会、法律に書かれてできたのですけれども、普通に考えて、製薬企業を規制する行政を、さらにその行政を監視するという、ある種の屋上屋の仕組みがなぜ構想されるかというと、一般的には理解しにくい部分もあると思います。それはちょっとどうかと思いますので、私たち薬害被害者の歴史の中に、このコンセプトが生じる契機があったということを御理解いただくために資料をつくってまいりました。
資料4を御覧になってください。1ページ目をめくっていただいて、まず、私たちの団体ですけれども、10薬害12団体ということで構成されていて、私たちを結ぶものは「薬害」という言葉と、その言葉を前提にして「二度と起こさない」、この2点だけなのです。これによって私たちの連帯は成立しているというところが特徴です。したがいまして、一般的には最高裁で国が勝訴したイレッサという被害者の会も私たちのグループに入っていますし、まさにまだどうか分からないという係争中の団体についても、私たちのメンバーの中に入っている。それは申し上げたとおり、薬害と認識し、薬害という言葉で結びついたことによって、そこに連帯が生じているということからこのようになっています。なので、被害者の立場から言えば、薬害被害者はこの人たちだというのは自明だというところが特徴です。
スライドの次のページを御覧になってください。そうなると、薬害の概念、定義がどうなっているのだという話がすぐに出てくるのですけれども、薬害という言葉自体、実は日本にしかない概念です。これも歴史的経緯で、これだけでも30分ぐらい話さないと説明し切れないのですけれども、基本的には、諸外国に薬害という言葉はないと。例えば私たちの薬害エイズのグループは、もちろん世界中に被害者のグループがいまして、交流があります。サリドマイドも同様なのですけれども、では、ドイツの薬害エイズの被害者とドイツのサリドマイドの被害者は連帯しているかというと、全くそういうことはないと。全く別の文脈にいるということで、まさに、この薬害という言葉が日本でこういうサリドマイド、スモンもしくはエイズのようなもの、もっと言えば、陣痛促進剤のように通常訴訟が医療過誤訴訟として提起されているようなもののグループも一体化しているというのは、日本固有の現象だということはポイントです。
これの是非はともかくとして、学会でも昔はTsunamiみたいにYakugaiなどと言っていたのですけれども、最近、国際社会学会ではこのDrug-Induced Sufferingという訳語を日本の学者、研究者が提案して、DISと呼んだらどうかという提案をしているぐらいで、なかなか論文に書こうというときに、メーカーが勝手に例えばDrug Disasterですか。そういう言葉を使っているところもあって、その企業は薬害エイズの被告企業だったので、加害者のくせに天災、災害みたいな訳はいかがなものかとやゆしたことがあります。そんなわけで、国際的に明確な定義はないということがあります。
さて、では、何を呼んでいるのかということで、これも難しい説明なのですけれども、一部、関西学院の佐藤先生が、この方はディスコース分析の専門家なのですが、レパトワールを分析して類型化したので、これを参考に私が類型化しました。
1つ目は、単なる副作用被害ではなくて、効能・効果を上回り受忍できない副作用が広く広がると。これが使われたときには薬害と。これが一番実は薬害理解の典型的理解です。因果論的理解です。例えば、今、薬学部のモデルコアカリキュラムというものにも薬害を学ぶということで書いてあるのですけれども、恐らくそこで言われる薬害というのはこの因果論的薬害のことを言っていると言っていいのではないかとおもわれます。
もう一つは、結局、責任論であって、誰かが悪いのだと。誰かが予見可能であって、回避可能だったのに、それをしなかったのだと、いわゆる訴訟に基づく責任論的薬害ですね。これは私たち被害者にとって一番なじみがあるもので、加害者、被害者という構図を明確化するという責任論的な薬害になります。
3つ目は、いわゆる薬品の副作用ではなくて、産業構造とか、統治システムとか、社会問題全体として捉える構造論ですね。これも古くからある議論なのですけれども、これも薬害の一つであると。
最後が、まさに私たちが薬害被害者と自認し、そして、それが連帯するところに薬害が生じるという連帯論的な薬害、この4つの視点から薬害と呼んでいるのではないかというのが一つの整理の仕方です。
さて、当該委員会ですが、当該委員会は一義的にはこの一番上の因果論的薬害を取り扱うのであろうと。メタ概念的ないろいろな議論はあるものの、ひとまず福祉がどうとか、いわゆるヘルスケアシステムの中でHTAがどうかとか、そういうことは取りあえず置いておいて、因果論的な薬害が重要視されると。
これについての整理は、実は一般財団法人レギュラトリーサイエンス財団というところが教科書を出していて、そこでうまい整理をしていて、要するに、副作用というコンセプトですね。よく知られた副作用というコンセプトから、グラデーション的に一方の極に薬害があるということになっています。典型的な副作用というのは、基本的には幾ら重篤であっても受け入れているということですね。つまり、当然ですが、患者本人は重篤な副作用は受け入れないわけです。だけれども、それで一人の患者が受け入れないからこの医薬品は駄目だとしてしまうと、例えばSJSの場合であると、普通のNSAIDsのような一般的な医薬品ですら、それは加害医薬品だ、廃止しろということになってしまうので、医薬品としてアクセプトしているのは個人ではなくて、基本的にはこの医療全体、あるいは社会であるという構造になっているわけですね。
なので、製品としては問題ないのだけれども副作用が起こってしまうよねというのを副作用と呼ぶことは、グラデーションのなかでいうと薬害の一方の極にあるということで、それからだんだん使い方の問題ですね。医療過誤とか、薬物乱用というものがあり、さらに注意義務を守っていれば防ぎ得たけれども、しかし、そうなのだけれども、被害が拡大した場合ですね。それは逆に言えば医薬行政の失点ではなくて、医療行政の失点かもしれない。でも、社会問題化して、ある種、多くの人が同じような害を被ってしまえば、それはプロダクトの欠陥性が必ずしもなくても、どこかに欠陥があるのではないかという話が出てくる。
最後に典型的なのは、企業や行政が瑕疵、不作為というのが明らかで、個人レベルを超えて広がってしまえば、これは薬害になっている。こういうグラデーションが提起されていて、大体このような理解で、因果論的な薬害理解というのは足りるのかなと。その他の薬害論については、当面はこの委員会で扱わないのかなとは思っています。
次のページですが、薬害被害者との関係ですけれども、これはどのような図かというと、赤い帯は被害の継続期間と考えてください。緑の細い線は訴訟の継続期間ということになります。なので、被害者から言うと、まず、それが薬害被害かどうか分からないけれども、不都合が起こるわけですね。やがて、それは医薬品が原因ではないかと。スモンなどは典型的にそうですけれども、伝染病とかと言われていて、実はキノホルム原因説、ウイルス説などが出てきて、決定的に伝染病ではなくて医薬品のせいなのだというところから裁判も始まり、そして、終わる。長い期間を経過するということがあります。
御覧になって分かりますように、裁判自体は実は1950年代から間断なく続いていまして、正確に言うと、イレッサの後ぐらいに一時期途切れていますけれども、ほぼほぼずっと国は被告である状態があるというのがポイントで、薬害は繰り返されているということが言えるかと思います。
その下にあるのは、薬機行政の変遷で、薬害被害というのは、実は薬機行政と親和性が高くて、何かそういう事件が起こると、薬機行政は見直されてくる。決定的なのはサリドマイドであったわけです。サリドマイドというのは、世界中の薬機行政の方向転換をしたということで、まさに今の薬事行政元年というのは、いわゆる1967年の副作用モニター制度であると。副作用をモニターするというのは今では当たり前なのですけれども、そこからスタートして、世界中の当局が医薬品は単にちゃんとつくられているとか、そういう問題ではないのだと。有効性と安全性が大事な商品で、特別な商品なのだということを世界中の行政当局が認識したと。バイブルと言っていいと思います。
その後、80年代、90年代から生物由来製品、エイズ、ヤコブのようなものが出てきましたし、そこでは原料の上流規制が問題となりました。いわゆる血液法の見直し、遡及調査とか、生物由来製品というコンセプトの安全対策ですね。そういうものがやられるようになりました。
その後、イレッサはもちろん裁判に負けたのですが、市販直後情報は大きい、重要だということは、当局も実は内々にはこのイレッサの事件に学んでおりまして、市販直後にいかにスピーディーに捕捉するかという問題について警鐘を鳴らした事件だったと思います。
そうは言っても、逆に言えば、薬というのは、ある疾病の治療を目的とするので、いわゆる疾病のリスクのほうが上回って、つまり、安全性を確認するのに時間をどんどんかけると、その薬が上市しなければ、逆に疾病リスクが高い可能性もあるわけですね。これがドラッグラグという言葉で象徴される。よりよい薬をより早くということが誰もが納得するのですが、より早くとより安全が必ずしも整合しないところが悩ましいところです。
なので、近年は、今回の薬機法でも条件付早期承認であるとか、その前の薬機法では再生医療等製品、さらに先駆け指定のような、なるべく早く上市するという制度整備をしたことも事実で、そういう意味におけると、私たちからすれば拙速のように思えるけれども、しかし、待っている患者はどうするのと。これは悩ましい問題ですね。
2013年のRMP、すなわち医薬品リスク管理計画というコンセプトはまさにこれに応えたものであって、市販後の安全対策を事前に予測して捕捉していこうということだと思うのです。それで、今回の薬機法改正に至っているということであります。なので、薬機法改正というのは、実は薬害と横に並走してやってきたという歴史があるというのがこのスライドの意味です。
では、何で薬害被害者がこの第三者組織なのか。この当該委員会に関する萌芽は、医薬品医療機器総合機構法に遡ります。もっと言えば、薬害エイズに遡るのです。薬害エイズで一番典型的ないわゆる被害者側の言説として、表層上の言説であったとしても、癒着という言葉がよくあります。官学業の癒着ということですね。当時、薬害エイズの被告企業が刑事で有罪になったのですけれども、その有罪になった社長さんが、サリドマイドのときにまさに頭を下げた元薬務局長だったというところが衝撃的で、そうやって行政官が天下って、癒着関係があって、薬害が起きているのではないかということを、ある意味、象徴的に見せたのが薬害エイズだったわけです。
だから、癒着という言葉はCOIと必ずしも一緒ではないのですけれども、当時、COIという言葉はなかった中で、よく薬務局解体論と言われたわけです。つまり、メーカーを応援する話と規制する話は別でしょうということで、薬務局解体ということで、いわゆる研究開発振興業務と安全業務を分離するべきという議論があった。それで医薬安全局というものができたのですけれども、ところが、機構はこれを一緒にやるということで、第一義的にはそれが反対の理由だったのです。
ここに書いてありますけれども、要するに、研発業務、具体的にはオーファンドラッグの助成業務なのですけれども、研発業務と安全監視・救済業務というものが所掌されていると。それから、審査料ですね。製薬企業の審査料は受益者負担であるから仕方がないと。しかし、安全対策も含めて企業負担が大き過ぎるというところで、これも批判したわけです。つまり、ある種、やくざから金を引っ張って、それで麻薬の取締りをしているみたいではないか、おかしいではないかと。そういうある種政治的な意図を持ったアナロジーですけれども、そういうことを言って、おかしいのではないかと。もしくは、狼に羊の番をさせる気かとか、そういう言説を弄して反対したわけです。
それから、国の責任ですね。FDAというのはいわゆる国家機関なのですね。FDAというのはまさに医薬食品庁なわけですけれども、日本のPMDAは独立行政法人なので、大臣が最終的に判断するのですが、結局安全対策、承認審査については、このPMDAが行う。もちろん救済もそうなのですけれども、そういうことで、国の責任が曖昧ではないかということです。
それから、次のスライドにあるように、PMDA自体がスモンの副作用被害救済基金から生じているので、それがだんだん公務員総定員法を逃れるためにいろいろな枠組みを使うのは霞が関のありがちな展開でありまして、外郭団体的なところに必要な機能を盛り込んで、どんどん肥大化していって、最後は独法化するしかこれ以上職員を増やせないということでできたということで、スモンの被害者から言えば、軒を貸したら母屋ごとどこかに行ってしまったという感じもなきにしもあらずということで、PMDAについてはこんなことになってはいけないというのがありました。
というので、スライドを1枚戻っていただきまして、総じて、薬害被害者の懸念は、薬害エイズの後、薬務局から振興業務を分離した理念をないがしろにしていると。それから、癒着という観点について強い警戒感があったというのが反対の理由であるというところであります。なので、医薬の行政官がどこか企業のほうを向いているのではないかという懸念が、この原動力となったと言えます。
次のスライドはもう説明されているので省きますが、この委員会がその重役を引き受けているということで、この委員会の委員になって言うのもなんですけれども、本当に務まるのかというぐらい重い委員会になったというのは、そういう薬害被害者の長い長い思いが結実しているからそうなっているということです。
最後のスライドですが、そうは言っても、医薬品行政は実は医薬だけではないということで整理していますが、今回、当面この委員会が対応するのは医薬・生活衛生局における薬機法という問題でありますが、機構法であるとか薬剤師法も関連法案としてこの医薬が所掌しておりますが、実は特に一番下の保険局の健康保険法というものがありまして、これはいわゆる診療報酬の配分を決めるところなのですが、何せ40兆円とか、そういう金額の配分なので、極めて大きなお金なわけです。そこでどこに点数をつけるかによっても医療の形が変わるぐらいの権限を持っていて、医薬品の使い方についても全く同様なのです。だから、保険療養の中でコントロールすることは薬事の規制よりはるかに強い場合があるので、結構重要なのだと思っています。
医政局のほうは、医師法、医療法というのはもうちょっとちゃんとすべきと思うのですが、今回はこれは議論しません。最近の所掌関係で言えば、臨床研究法とか再生医療等法というものが出ていまして、日本の場合は製品となるものは薬機法によって、GCPによって管理されていますけれども、臨床研究は別の法律なのですね。アメリカは一元化しているので割と分かりやすいのですが、そこのPMDAとの連携で、副作用報告がPMDAに直接流れてくる場合もありますので、この医政局関係の法律も関係しています。
それから、今、HPVが裁判になっているのと同様、公衆衛生上の使用というのはいわゆる保険療養上の使用とは違うのだけれども、そのコストベネフィットアナリシスとか、安全性という観点は、実は健康局が所掌しているのです。そこについて、薬事とは違う安全対策という問題が生じるので健康局も関係あるということで、最終的にはこれらの法律、これらの所掌局もこの委員会としては目を配る必要があると思っております。
私の話は以上でございます。ありがとうございます。
○磯部委員長 花井委員、見事に15分ぐらいで、ありがとうございました。
今、いただいた御発表について、どうぞ御自由に御意見、御質問等、言っていただければと思います。
奥田委員も遠慮なく発言していただいていいですからね。私の画面でチャットがあるのですけれども、それは奥田さんではないのですね。
どうぞ、委員、どなたでも。
御指摘にあったように、日本の薬事法の改正の歴史というのは、薬害の様々な経験を反映させているというのは本当にそのとおりで、並走とおっしゃいましたけれども、1979年の大改正なども、この辺りから本当に法律学、医事法学でもこの分野はきちんとやらなければという問題意識は出てきていたと思うのです。でも、おっしゃるように、薬機法だけ見ているのでは今や不十分というところもあって、とりわけ臨床研究法などというのは未承認・適応外の医薬品等の使用というところでかなり密接に関わるような気はしますが、どうでしょうね。
奥田先生、どうぞ。
○奥田委員 頭から聞かせていただいて、聞かせてと言うとおかしいですが、かなり音が途切れて非常に聞きづらいのですが、先ほどの運営規程のところはほぼ理解はできているかと思いますので、御議論いただいたとおりで私も了解していいかと思っております。
今、質問としてお聞きしたいことがありますが、今回の委員会の設置は薬機法に基づいて設置されているということにはなりますけれども、これは薬機法だけを対象にして制度の議論をするということではなく、薬事行政といいますか、医薬品安全対策全般に関して、薬機法を超えて、全般について意見するという立ち位置でよろしいのでしょうか。お教えいただければと思います。
○磯部委員長 これは事務局、いかがでしょう。
○高島室長 事務局でございますけれども、繰り返しになりますが、資料2の6ページでございますが、関連条文を御覧いただければと思います。所掌事務、76条の3の5にございますとおり、これは医薬品等々の安全性の確保だとか、使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止に関する施策の実施状況ということでございますので、必ずしもこの薬機法に限定されているというわけではございません。医薬品等の安全性の確保だとか、そういう被害の拡大防止の施策の実施状況ということでございますので、この施策をどこまで見るかというのが、先ほど花井委員からの御紹介にもございましたとおり、様々な法律が関係するわけでございますので、それは対象になってくるのだろうと理解してございます。以上です。
○奥田委員 ありがとうございます。
○磯部委員長 そうですよね。医薬品の使用による危害、臨床研究法なんてその場面の一つになるわけですし、あるいは医師と薬剤師の間の連携が十分図れていないということがあれば、それは医師法、薬剤師法などの業務の在り方という形にもなるでしょうし、この76条の3の5に書いてある所掌事務に関わる範囲で、あらゆる法律が関わってくるという認識でよろしいかと思います。
そのほかはいかがでしょうか。
森豊委員。
○森豊委員 花井委員にお尋ねしたいのですけれども、このPMDAの変遷の資料で、2005年に研究開発業務を基盤研に移すことで、研究開発業務は一応切り離されているという立てつけになっています。それを踏まえてだと思うのですが、資料の最後ではPMDAの紐付くところは医薬・生活衛生局となっています。現時点ではそういう切り分けはなされているという認識はされているのか、まだ不十分とお考えなのか、教えていただければと思います。
○花井委員 制度上はなされたと。基盤研(国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)分かれていると。ただし、逆に言えば、薬害被害者の素朴な感覚的には応援団と規制という問題ですね。
例えば大学に試験問題を出すときに、受ける学生側が、どんな試験が出るのかちょっと大学に教えてくださいみたいなところはしないというのがあると思います。司法試験とか、医師国家試験でもあると思うのですけれども、医薬品の場合は、今、レギュラトリーサイエンス相談とか治験相談というものがあって、先駆け指定というものがあると、ちょっとよく分からないベンチャーが申請するに当たっては、かなりPMDAがサポートするのです。だから、ある種PMDAの担当官は、よちよち歩きの医薬品の開発をちょっとお手伝いしつつ、最後に治験とか承認申請になるので、実は開発を必ず支援していくということになると、必ずしも分離が制度的に難しいというのはあります。
実態とすると、やはり企業とPMDAの関係というのは常に考えていかなければいけない問題としては生じていて、手塩にかけたものを外に出してあげたいというのは誰もが同じ思いなので、そういったところで、制度的には今のところは分かれていると。ただし、ファンディングの問題でPMDAは依存が高いのではないかというところは確かに企業との依存関係はあると思いますけれども、制度的には今のところはきれいに分かれていると理解しています。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございます。
時間の関係上、次に行きたいと思いますけれども、PMDAが具体的にどんなふうに業務をやっているのかということは、ぜひ今後もこの委員会で取り上げていければと思います。ありがとうございます。
続いて、この委員会が取り扱う当面の課題についてです。本日の委員会の開催に先立ちまして、各委員から意見をいただく場は設けておりました。その際に挙げられた意見を中心に事務局にまとめていただいていますので、資料の説明をお願いいたします。
○高島室長 資料5-1と資料5-2、縦のペーパーと横のペーパーをお手元にお開きください。「委員会で扱う当面の課題」ということで、決してこの委員会の課題ではございません。当面の課題でございますので、ある意味、年内ないし年度内といった形でのスケジュール感を意識していただければと思いますが、それをやるに当たりまして、この第1回、9月28日、本日の会を開催するまでに、当時は候補でございましたので、候補の皆様から寄せられた主な意見をまとめさせていただいたものでございます。
大きく言うと4つございますけれども、まず、先ほどから、議論になっておりますように、委員会のこの所掌というものが、薬食審の所掌に属するものを除くという規定がございますので、個別の医薬品の安全性そのものの評価は薬食審が行うもので、この評価・監視委員会が行うものではございません。評価・監視委員会は、あくまで承認審査時の安全性はどのような確認がなされたのかとか、また、市販後の安全性の評価だとか、対策はどのように取られているのかというような、まさにプロセスを見ていただくものでございますので、薬食審でいろいろと審査されたものがどのような議論を経て今こうなっているのか、ないし、当時どうだったのかということで議論いただくのだろうと。
そうなりますと、やはり一番の肝となるものは、この薬食審での取組の定期報告、ここがポイントになると考えてございます。
一方で、剤は大変多くございます。相当の数の医薬品の中で網羅的な確認はあまり期待できるわけではございませんので、一定の枠組みが必要ではないかと考えてございます。そうした一定の枠組みを決めるうえで御議論があったのは、まさにこの先駆け審査や条件付早期承認制度の対象品目、これは注意が必要なのではないかということ。また、副作用報告の情報、これは膨大であるため、どのような報告の在り方がよいか、整理が必要ではないかということでございます。
先ほど、花井委員からも御指摘がございましたとおり、RMP(医薬品リスク管理計画)というものがある意味で仕組みとしてできているわけでございますけれども、医薬品リスク管理計画(RMP)で予見できるリスク、これは特定しているわけでございますが、それらのリスクを適切に対応できるのかを検証していくべきではないかと。予見できないリスクよりも優先順位が高いという御指摘をいただいてございました。
また、海外における緊急性のある安全性情報に注意が必要ではないかということ。個別の医薬品の副作用報告の収集・評価の状況の確認よりも優先すべきではないかという御指摘をいただいてございます。承認された医薬品とRMPの情報等を配布する程度でよいのではないかということもいただいております。
こうしたことで、定期報告、非常に膨大な量でもございますし、また、複雑な制度にも絡むところもございますので、定期報告を考える上では、まずは既存の薬事制度のヒアリングが必要ではないかということの御指摘をいただいたところでございます。
また、評価・監視委員会の所掌に関しまして、先ほど安全性のプロセスと申し上げましたけれども、医薬品施策の実施状況全般、これに関して評価・監視することも所掌としてなっているわけでございますので、必ずしも薬食審の動きだけを見ていればいいというわけではございません。安全性確保を図るための制度やシステムの在り方、こういったものも考えていただく必要がございます。
この最終報告においても、海外の情報が入手できていなかったということの問題点、こういった指摘がどのように今、反映されているのかということ。PMDAと厚労省との関係に関して、まさに縦割りがあるならば是正していくべきではないかといった御指摘。さらに言えば、PMDAが具体的にどういう業務をやっているのかということも、まさに意見交換も含めて、現場視察も含めて見ていく必要があるのではないかということでございます。
安全性の確保の部分に限らず、これは全般的にも関わるところでございますが、広告規制に関しても極めて重要でございまして、何かあれば厚労省は調査しているわけですけれども、どのように監視していくのか、現状を見ていくべきではないかということ。
市販後安全対策、これは副作用データベースというものがあるわけですけれども、これが十分に活用できているのかということで、ITを活用した効率的な確認、実施状況の評価といったものも必要ではないかということでございます。
そして、(3)でございますけれども、この委員会は求めに応じて実施して、独立して調査することが可能ではございます。その中で、優先的に扱うべき個別の医薬品といったものの取上げもあるかと思います。その中で、今、非常に大きく新型コロナウイルスの対応というものが求められているわけでございまして、コロナ禍での治療薬やワクチンといったもの、具体的には特例承認のプロセスだとか、市販後安全対策の状況といったものも、この委員会の求めとしてやっていく必要があるのではないかといった御意見をいただいてございます。
それ以外にも、この委員会そのものの運営の在り方、これは先ほど来の御議論にもございましたとおり、利益相反については、やはりほかの委員会と単に並べてみるというわけではなく、この監視というところの意味合いに重きを置いて、より厳しくしていくべきではないかという御意見もございました。
裏面にございますけれども、薬食審における利益相反の考え方で、500万という考え方が一つあるわけですけれども、これをそのまま横にスライドさせて評価・監視委員会でも使っていいのかということで、ここも市民感覚として緩いのではないかとか、そういった御意見もいただいてございます。
また、先ほどの薬機法以外の部分も当然見ていくべきではないかというご指摘に絡むわけでございますけれども、まさに医薬品がまずターゲットになるのは御異論はないと思いますが、それ以外にも消費者に近い医薬部外品だとか化粧品といったものも、この法律の所掌の中には入っているわけでございまして、こういったものもいずれは扱っていく必要があるのではないかという御意見をいただいたわけでございます。
こうした委員候補のご意見を機械的にまとめさせていただいたのが資料5-1で、それをもう少し模式的に表現させていただいたのが資料5-2になります。表の形になっていますけれども、縦の一番左の欄を御覧いただければと思いますが、委員会で扱っていくべき優先度の高いものとして、個別医薬品等の安全性の確認状況だとか、制度のヒアリング、そして、委員会自らの調査、こういったものが3つあるわけで、それぞれ個別医薬品の安全性の確認状況としては、医薬・生活衛生局からの定期報告を基本にしつつ、委員会の求めに応じた事項への対応といったことが考えられるのではないかと思っております。
具体的に、定期報告の中身としては、繰り返しになりますが、承認審査時の安全性の確認状況だとか、市販後の安全性情報の収集・評価の状況、安全対策の実施状況といったものがどのようになされたのかというプロセスを見ていただくということ。さらに、海外における安全対策の措置状況といったものも国内でどのように反映されたのかということも評価していただく部分かと思ってございます。これは定期報告の一つの範囲でございまして、それ以外に求めとして、例えば新型コロナウイルスの治療薬やワクチンといったものの御議論が当然あるかと思います。
制度に関しましては、先ほど資料5-1で申し上げた点でございますので、省略いたします。
最後に、(3)の委員会の自ら調査に関しましても、海外の制度だとか、個別医薬品等の副作用情報が疑われる症例の確認といったものも、薬食審で最終的な評価は当然行っているわけでございますので、その部分とどのように整理していくかということは、今後議論していく必要があるかとは思います。
以上でございます。
○磯部委員長 御説明ありがとうございました。
30分弱ぐらいですか、この後、今後この委員会が扱う当面の課題ということで、年内ないし年度内とおっしゃいましたけれども、まずはこの委員会、評価・監視委員会ですが、評価・監視の対象である医薬品等行政が現実にどのように行われているのかといった現状をきちんと把握することは不可欠だろうと思います。
さて、年内、年度内、年内ということはないですね。年内といったら次回やるぐらいしかないので、あと3回ぐらいの間にというイメージでしょうけれども、まず、どういう順番で何をやっていったらよいか。当面の課題として考えていたけれども、意見交換のときに挙げそびれた意見があるとか、どうぞ御自由に御発言をお願いできればと思います。
佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 何度もすみません。
提案なのですけれども、以前、委員候補から寄せられた意見ということで、その内容について異論はないのですが、一つ加えさせていただきたいのですが、事務局からの定期報告の在り方に関して、パブリックコメントというものがあると思うのです。それを加えていただくといいのかなと思うのです。
個別の医薬品のこともあるかもしれません。いろいろ制度上のことがあると思うのですけれども、(2)の制度やシステムの在り方とも関係するのですが、そういうことに関して様々なパブリックコメントが募集されていると思うのです。私も今までは自分が直接関心のあるところしか見ていなかったのですけれども、この医薬品等の行政に直接関わるようなパブコメの、どんなパブコメが募集されて、どのような意見があったかということに関するまとめがあるといいのかなと思います。それがまさに、国民から寄せられた意見が医薬品等の行政としてどのように反映されているかということの一つの目安になるのかなと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
そうですね。おっしゃるとおりだと思います。この委員会の委員会令みたいなものもパブコメをやったのですね。政令ですね。
○高島室長 パブリックコメントを行いましたが、そこの事実関係に関しましては、私どもの大臣官房厚生科学課では扱ってございません。したがって、どのような意見が寄せられ、どのような対応をしたのかということは、この場ではお答えはできませんけれども、当然法令を定めるに当たっては、パブコメは実施してございます。
○磯部委員長 ありがとうございます。
そうですね。医薬品等行政に関わる様々な国民の声を直接聴く機会ということでしょうから、生かさない手はないだろうと思います。ぜひ、どんなものがありそうかというのを情報収集していただくなどということはできますか。御検討ください。
その他、御自由にどうぞ。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 全般的に扱うというよりは、国、つまり厚生労働省を相手に訴訟を起こしている、いわゆる団体のどういう中身がどういうふうになっているかというのをここで議論することはできないのですか。
現実に社会の中で公衆衛生的な問題になっている事案を、それが仮に今、国と争っている内容であったものであっても、中身を知りたい場合はここで議論のテーブルにのせることができるのかどうか。
○磯部委員長 してはならないという明文の規定があるわけではないだろうと思います。ただ、それはその事案の性質にもよるでしょうし、当事者の気分にもよるでしょうし、その訴訟の行方とかにどういう影響が及ぶのかとかも配慮したいかもしれないし、それは個別にもし何かあれば、まずは御相談いただいてということではないかと思います。
○泉委員 公衆衛生的な観点から見ると、今まさに国と争いを続けている団体の実質調査の報告が国から上がってきていないということは、国は把握する必要があるし、国は把握できるのに、それをしないのはなぜかというようなことです。
薬は、日本全国で使えているのであれば、製薬企業が配付先、配付数量は分かっているでしょうし、報告を上げられる各都道府県も分かっているでしょうし、それを厚生労働省が把握することは可能だと思うのですが、そういうものが必要でない、あるいはできないという形で拒否もしくはそれをしないということの意味がよく分からないのです。把握できるのに把握を報告しないということがあっていいのかどうか。
訴訟の行方のことを言っているのではなくて、そういうふうに知りたい内容を聞いているのに出さないという、それはなぜ出せないのかを確認するようなことができるかどうか。
○磯部委員長 少し抽象的におっしゃっているような気がして。
○泉委員 具体的でよければ話をします。
○磯部委員長 具体的で大丈夫な範囲でお願いします。
○泉委員 当事者ではございません。今、問題になっているHPV訴訟の全数の調査をしてくれということ、あるいは全数調査を厚労省は持っているでしょう、持っているのだったら、どういうところにどういうふうに使われているのか、それを知りたいというのは伝えているのですが、なかなか出てこないというのは、それを聞き出したい。そういうことです。何が問題かではなくて、どのぐらい使われているのか、どういうふうに使っているかによって、これから被害が出てくる人たちにももしかしたら警鐘を鳴らすことができる。疫学的には当然だと思うのですが、いかがでしょうか。
○高島室長 正直、ご指摘の部分は所掌事務のところでしか私どもはお答えが難しいのですけれども、繰り返しになりますが、具体的に76条の3の5に規定しているのは、安全性の確保や使用による保健衛生上の危害の発生もしくは拡大の防止に講ずべき施策について、厚労大臣に対して施策の実施状況を評価するということでございます。
ただ、一方で、委員会は、委員は独立してその職権を行うと。求めを自ら発議できることにもなっているわけでございます。私ども事務局としては、個別の事件、個別の具体の事案に関して、なぜこのような対応ができていないのかできているのかみたいなお話については、施策の実施状況として評価することができるのかというところが、委員会として御議論いただくべきところかと思ってございます。
ただ、委員長が先ほどおっしゃっていただいたとおり、委員会はまさに委員の皆様は独立してその職権を行使できるというふうにもなってございますので、自らこういった調査をすべきだということで委員会として御決断いただければ、そこは関係機関にヒアリング等々をして、どういう対応になっているかを聞くことはできるのかなと思います。
ただ、繰り返し申し上げますが、個別の事件の解決というよりかは、施策の実施状況、まさに安全性の確保等々の状況がどのようにできているのか、それができていないのであればこうすべきではないかというような、一般論に落とし込むような御議論にしていくのが、この委員会での求めではないかとは私は考えてございます。
以上です。
○泉委員 まさにそのとおりだと思います。ただ、薬害とか副作用を未然に防ぐためにはデータが必要ですね。そのデータを私たちは第三者として見たい。それが一体どのぐらい使われているのか。その先の話を言っているのではなくて、いわゆるデータマイニングというか、IT化が、カルテはそこそこ使えるようになってもまだまだ遅れている厚生労働省の中で、もし可能であるそういった情報を確認した場合に、それは出してもらって、このぐらい売られているのだ、こうだったのだというのを把握したいということですから、施策の実施状況を把握するということになるのではないかと思います。
それがどうなのかではなくて、どのぐらいどこに使われているかを確認するのは、今後出てくる薬害もしくは今後副作用を大きく広げないための、それに生かせるかどうかということを見るためにも、ぜひ施策の実施状況を知りたいという場合に、それは今たまたまこの薬のことを言いましたけれども、いろいろな薬のことがあって、AだったりBだったりするわけです。それは訴訟は関係なくいろいろあると思うのですが、そういうものを開示してもらうことは可能なのでしょうか。
○高島室長 まさにそのとおりだと思います。個別の事件においてどういう情報が提供されていたのかみたいなお話だと、なかなかこの委員会の所掌ではなじまないのかなとは思いましたが、医薬品行政においてどういう情報が事前に提供ないし公表されているのか、それがこの安全性の中でどう評価されているのかといったことを皆さんでまず見ていただき、それが足りないのであれば、なぜこの分野は提供できないのか。それは行政の言い分も当然あるかと思いますので、そうしたところも聞いていただいた上で適切に御判断いただき、さらに言えば、そこをどう改善ないし助言いただくのかということなのかとは思ってございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
私も最初は個別の訴訟事件で、訴訟当事者としてなぜそういう行動を取るのかというレベルの話だと、それは評価の対象ではないだろうと思ったのですけれども、施策の実施状況を評価するという任務を果たすのに、まず事実としてのデータが欲しいというのは当然だと思いますし、いろいろな情報を出してくれと要求すること自体は何ら禁じられていないと私も思います。
さて、それ以外、花井委員、どうぞ。
○花井委員 今の議論でもあるのですけれども、実は何も知らないのですよ。つまり、例えば市販前である副作用の発生頻度というのは、治験をやっているので、そのボリュームの中で頻度が分かるわけですけれども、市販後安全対策というのは、いわゆるリアルワールドに出てしまっているわけで、全数を全部追いかければ、それは頻度はあるでしょうけれども、実際問題としてそういうことはやられていないし、物理的に難しいわけで、そのときに、RMPでは一定程度非臨床ないし臨床試験におけるデータに基づいて、そこを虫眼鏡というか、ここをちょっと見ておこうということで発生頻度を推測するのだと思うのですけれども、「するのだと思うのですけれども」と言っているとおり、実務上どうやっているのかが分からない。
それから、リスク管理計画においても、インフォームド・コンセントは医師法に書いてあるから当たり前の話なのですけれども、実はRMPは基本的に企業を縛っているわけですね。企業に、医師にこことこことここはちゃんと説明するように要請することと書いてあるわけです。そうすると、そういうRMPが、企業はもちろんRMPに縛られているので、販売するに当たっては医師にそのことを伝えているのだと思うけれども、実際には本当にそれだけちゃんと伝えているのかと。営業サイドはちゃんとそこは伝えることをMRさんがやっているのか、もしくはお医者さんは全部それを聞いてくれているのですかとか、実際問題として、薬機で承認条件とかRMPをつくったその後がどのぐらい実効性があるかという実態については、私は何も知らないのです。
どうも、みんながみんなRMPを、例えば処方する先生方全員がそれを精読しており、そこに書いてある説明事項を完全に患者にインフォームド・コンセントをしていれば、相当程度いろいろなことが防げているはずですけれども、医師が悪いとかではなくて、業務上多忙な業務をしている中で、それを一処方医に全部責任だというのは難しいということもあり得る。事実、そういう部分があると思うのですけれども、そういう本当にリアルな安全対策というもののワークフロー自体が分からないので、市販後の副作用頻度をどう捕捉しているかとか、MID-NETがどれだけ役立っているかとか、いろいろなツールを持っていると思うのですけれども、観念的には分かるけれども、実際上どのデータに基づいてどういう数字を扱ってそれを見ているかとか、そこはここに書いてくれているので、まさにそれを教えていただくというところからスタートするのがよいのかなと思いました。
特に副作用報告は60万件あるわけですから、実際問題とすると、普通に考えますと、素人的になるのですけれども、もしかしたらこの瞬間に薬害を防ぐのにとても重要なすぐ動かなければいけない情報がある瞬間来るかもしれないみたいなところにいる人間が、年間60万件そこの情報が来るところに立っていたら、一体その責任とか業務はどういうことをするのかというのは想像がつかない世界なわけです。もちろん国内では5万件ぐらいですか。そういうことだとは思うのですけれども、実際に現場はそれとどういうふうに向き合っているかというところを僕は知らないのです。ぜひ教えていただきたいというところからスタートするのがよいかと。
先ほどの泉委員の指摘も、僕らも言っているのだけれども、実際問題として何を具体的にどうするか。それがどういう立てつけならば可能で、何が不可能たらしめているかというところを精緻化していく作業をして、ただせることはただせるというふうに問題を分けていく作業をする必要があるかと。だから、今年の作業として当面RMPとか市販後安全対策の状況を認識するのは正しい方向性かと思いました。
以上です。
○磯部委員長 どうぞ。
○佐藤委員 今、泉委員が言われたこと、花井委員が言われたこととも関連するのですけれども、ワクチンに関しては、これはHPVワクチンに限らないのですけれども、実際にワクチンを打たれた方が何人いて、そのうちどうであるという情報を収集する仕組みが日本には残念ながらないのです。それが非常に大きな問題だと思います。医薬品に関しては、今、ナショナルレセプトデータベースというものがつくられておりまして、そこで少なくとも保険適用の医薬品については、何人の患者さんがそれを使用して、実際にどんな事象が起きたかというのは、保険病名の問題があるにせよ、一応捕捉できるようなツールというものが存在するわけですけれども、ワクチンに関してはそれが全くない。有効性の評価にしても、安全性の評価にしても、それを市販後のリアルワールドで評価する仕組みがないというのが非常に大きな課題であろうと思っております。
このことが優先的に扱うべき個別医薬品のところにも出ておりますけれども、それについて、今ある情報を収集するのもとても重要ですけれども、今後に向けては、そういう仕組みをどうやってつくっていくかということをこの委員会で提言していくというのも一つの課題ではないかと思っております。
○磯部委員長 ありがとうございました。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 佐藤委員のおっしゃったように、制度をまずつくれるかどうかということですね。リアルワールドデータというものができても、それを完全に生かしているかどうかということも含めて、IT化の促進を非常に今、言われていますけれども、どういう形でそれがこういったデータ収集に生かせるかというのは、まさにそれをつくる作業が必要だと、こういうことですね。
分かりました。ありがとうございます。
○佐藤委員 レセプトというのはあくまで保険適用の場合ですので、ワクチンは保険が適用にならないので、そのデータに載ってこないので、別の仕組みをつくらないといけないのですね。あるいは、もしレセプトに載せるということであれば、ワクチン接種に関する何らかのことをレセプトにも情報が行くような仕組みをつくるというのも一つかもしれませんけれども、何らかの形を考えていく必要があるのではないかと思っています。
○磯部委員長 ありがとうございました。
どうでしょうか。伊豆津委員、何かコメントはありませんか。
○伊豆津委員 私はここに書いていただいた中で、最近新しい承認の仕組みなどの部分で特に安全性の確認ですね。この部分がどのように行われているかが一つの課題だと思いますけれども、先ほどまで出ていますように、今のリアルワールドデータの中での安全性評価というものは実際にどうやっているかというのは、私たち自身もよく知らない部分がありますので、ぜひ確認しつつ、いろいろな経験を持っている方の意見が生かせればと思っています。
○磯部委員長 ありがとうございます。
あとはどうでしょう。内田委員も何か一言お願いします。
○内田委員 今、お話のありましたリアルワールドの市販後の調査というのは、大学病院などでは割合制度化できている部分もあるかと思うのですけれども、結局、世の中、診療所も含めていろいろなお医者さんはいるわけで、そういった場面、場面でどういうところにフォーカスして、どういう施策を打つと、ある意味漏れがなく情報が伝わってちゃんとできていくのか。そういうところを、対象をまず全部は一遍にできないというところで考えていく必要があるのかなとお伺いしていて感じました。
○磯部委員長 ありがとうございました。
森豊委員もよろしければお願いします。
○森豊委員 皆さんの御意見のとおりで、収集できているデータと収集できていないデータが現実にあるのですけれども、それらが制度的にそうなってしまっているのかどうかといったことを必ずしも共有できていないと思います。そのため、まず制度的にどういう仕組みがあって、拾えているデータはこういうものである、拾えていないデータがこういうものであるということを共有して、その上で、拾えていないデータを今後どうしたら広げて拾えていけるかを検討するのがよいと考えます。
リアルワールドデータというのは期待は大きいのですけれども、MID-NETも含めて悉皆的な調査とは程遠い状況があって、それは技術的な問題なども含めてまだ道半ばというところだと思うのです。しかしながら、本当のリスクのシグナルが拾えていないところにも存在しているということであったら、それらをどのようにしたら拾い上げれるかということを考えないといけないと思うのですけれども、その原因が制度によるためなのかどうかというところを検討する必要があります。この委員会ではそうしたところを整理して、不十分であるところへの対応を提言するということが極めて大きな役割であり、薬害につながる前の未然の予防ということに貢献できるのではないかと考えています。
○磯部委員長 ありがとうございました。
ほかにも何か、よろしいですか。
佐藤委員。
○佐藤委員 何度もすみません。質問なのですけれども、委員会の自ら調査に関して、もし例えば委員がこういう点について調査をしたいといってどこかにヒアリングに出かけるとかというときの旅費等のこともあるのですが、予算的にはどのぐらいの予算があるのかを教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○高島室長 今年度に関しましては、9月からの委員会の立ち上げということでございますので、半年間の予算しか取ってございません。ですので、予算上は相当限りがある状況でございますので、個別の委員の方がどこかへの出張に行くという形での旅費までは計上してございません。
一方で、来年度に向けては委員会が本格稼働していくことになるかと思いますので、その中で、まさに実績が出てきた中で予算を積んでいくことになるのかなと思ってございます。お答えとしては、現状では、各委員の皆さんのある意味発意によってどこかに出張される旅費までは計上していない、今後そこは検討させていただきたいということになるかと思います。
以上です。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
別のことなのですけれども、提案があるのですが、ここの集まっての委員会の会議は非常に時間も限られておりますので、委員同士の意見交換をふだんからできるような環境が必要ではないかと思いまして、この委員会のメーリングリストというものを作成していただけないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○磯部委員長 そのくらいは別に僕がつくりますよ。委員は独立して職権を行使するので。
そうですね。オフィシャルな委員会だけではなくて、何なら委員懇談会みたいな形で話す場があってもいいかもしれないし、連絡先は、今、名刺の交換もしましたし、そういう機会はつくっていければと思っております。また必要な支援はお願いすることはあるかと思います。
ありがとうございました。たくさん御意見をいただいて、改めて委員の先生方の問題意識、重点を置いていらっしゃるところを伺ったなと思います。
定期報告の在り方も制度やシステムの在り方も(3)のところもどれも大事ということで、全部一遍にやっていくしかないのかなと思いますけれども、まずは定期報告。結局、情報をどうやり取りしているのかというところがいろいろな場面でよく分からないというところがございますので、まず、安全対策のヒアリングのようなところ、定期報告の在り方といったことを検討することを進めていき、その上で、また制度のヒアリングとか、その他優先的に扱うべき個別の話などと。でも、コロナ関係は急ぎのところもあるかもしれませんので、準備ができ次第御報告いただくような形で、基本的にこちらの当面の課題について(案)のところに書いてあるテーマ、プラス、パブコメの話もありましたね。それを中心に、今日の御意見を踏まえて、改めて事務局で整理していただいて、年度内にこういう順番で聞いていけばいいのではないかというスケジュールに当てはめていただくということを、案づくりをお願いするということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○磯部委員長 では、そのようにさせていただければと思います。
それでは、本日予定していた議題は以上ということになります。
次回、いつになるのでしょうかということですが、第2回の委員会に向けて、今、お願いした定期報告の在り方などの当面の課題について議論していくスケジュールづくりと、そのための資料づくりをまずお願いする。さらには、皆さんもお忙しい先生方で、さあ2か月先というのではあれなので、1年ぐらい先まで見越して、年間どういう開催頻度で、スケジュールでやっていくのかというようなカレンダーづくりみたいなものをまたお願いしたいと思います。
あとは、詰めていくべきところは、審議への参加、議決への参加という利益相反関係のルールをどうしていくのか。今日、運営規程は御承認いただきましたけれども、さらにそこからもっと詰めるべき内部ルールといったことを、何をつくったらいいかを検討いただくための準備というのも事務局にお願いするという具合ですか。
何か第2回に向けて宿題としてこれがあるのではないかというのは、よろしいですか。大体そんなところかと思いますし、次回から実質的にいろいろ議論したいと思いますので、定期報告を含め、各種安全対策、実際に制度がどういうふうに現状で出来上がっているのかという辺りの勉強から早速始めていければと思いますので、それについてもまた説明資料などを御準備いただくことをお願いしたいと思います。
それでは、大体以上ですが、最後に御発言はございますか。
泉委員、どうぞ。
○泉委員 今日の資料5-1に書いてあるのですけれども、PMDAの組織がどのように動いているのか、どういう連携が厚労省と取られているのか、実は最終提言ではワーキンググループが厚労省とPMDA両方にアンケートを取っているのです。それが最終提言の後ろのほうに載っていますけれども、そういうものに目を通した上で、現在の組織や部局間の連携ができているかどうか、その確認をすることは一つ必要なのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○磯部委員長 それはもうこの資料5-1にも書いてある話でもあるし、喫緊、当面の課題として、第2回かどうかは分かりませんけれども、近いうちにまずやりたいと考えております。
ありがとうございました。
それでは、以上で本日の議論は終了ということになります。
事務局から何か連絡事項をお願いします。
○高島室長 本日はありがとうございました。
先ほど、委員長から御指摘いただいたとおり、この資料5-1はあくまで今までの御議論をまとめたものではございますが、当面の課題という形での皆様の認識をある意味で一つにしていくようなものということでつくらせていただいたものでございます。本日の御意見をもう一度この中に落とし込んだ上で、御確認いただきながら、第2回の場で確認いただきたいと考えてございます。それを踏まえつつ、実際の委員会のスケジュールですね。そういったものも御用意させていただきたいと思います。
また、審議に具体的に入っていただきたい部分もございますので、その際の参加規程の考え方、具体的には利益相反になりますが、こういった点に関して御議論をいただくような資料も御用意させていただきたいと思います。
委員の日程に関しましては、また別途御連絡をさせていただきます。事前のいろいろなやり取りということでのメーリングリストの御提案もいただきましたので、そうした点も含めて委員長と御相談させていただきながら、必要に応じて皆様と御相談させていただきたいと思います。
最後に、資料として参考資料4を御覧いただければと思います。最後の資料でございます。9月に医薬品等行政評価・監視委員会が立ち上がったわけでございますので、委員会専用の掲載ホームページを設置してございます。厚生労働省のホームページから飛ぶような形で、右側でございます「医薬品等行政評価・監視委員会」というところでの専用ページを設けております。本日の資料などもここで公表させていただき、議事録等もこういったところで御覧いただけるような形を取ってまいりたいと思ってございます。御紹介まででございます。
以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、本日の委員会はこれで終了いたします。長時間にわたりまして、ありがとうございました。
奥田先生もありがとうございました。
○奥田委員 ありがとうございました。
○厚生科学課長 どうもありがとうございました。