令和2年10月30日 第31回 社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会(議事録)

日時

令和2年10月30日(金) 12:45~13:45

場所

Web開催
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8F

出席者

委員 ※五十音順

議題

1.令和2年度介護事業経営実態調査等の結果について
2.令和2年度介護従事者処遇状況等調査の結果について
3.その他

議事録

 
○北原介護保険データ分析室長 それでは、定刻になりましたので、第31回「社会保障審議会介護給付費分科会介護事業経営調査委員会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。
本日は、前回同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、ウェブ会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形としております。
会の開催に当たり、まず、前回の会議から新任の委員が着任されましたので、御紹介をいたします。
早稲田大学政治経済学術院教授の野口晴子委員でございます。
初めに、本日の委員の出欠状況でございますが、井口委員より御欠席の連絡をいただいております。
続きまして、事務局に異動がございましたので、紹介させていただきます。
総務課長の竹林悟史、本日遅れて参加をいたします。
介護保険指導室長の稲葉好晴でございます。
夏に組織改編があり、振興課と認知症施策推進室が再編され、認知症施策・地域介護推進課が設置されましたが、その課長として着任した、認知症施策・地域介護推進課長の笹子宗一郎、また、認知症総合戦略企画官の菱谷文彦、両名とも遅れて参加をいたします。
議事に入る前にお手元の資料の確認と、ウェブ会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認を行います。
本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
まず、議事次第と委員名簿がございます。
次に、令和2年度介護事業経営実態調査等の結果についての資料として、資料1、資料2、資料3、資料4、資料5。また、参考資料として、参考資料1、参考資料2を掲載しております。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
次に、ウェブ会議における発言方法等について、確認させていただきます。
御発言される場合は、通常の会議と同様に挙手をお願いいたします。画面で田中委員長に御確認をいただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言いただくようにお願いいたします。
挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、ウェブ会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては、挙手にて意思表示をお願いいたします。
なお、チャット機能等で記載いただいた内容については、ウェブの画面及び配信動画においても表示されますので御承知おきください。
それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。
本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、報道の皆様には、ここで御退室いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
(報道関係者退室)
○田中委員長 委員の皆さん、こんにちは。
お久しぶりの方もいますし、野口先生はこの委員会は初めてなので、よろしくお願いします。
早速、議事次第に沿って進めてまいります。
本日の議題1「令和2年度介護事業経営実態調査等の結果」と議題2「令和2年度介護従事者処遇状況等調査」は関連しますので、一括して議題として取り上げます。
事務局からまとめて資料の説明を受けます。その後、質疑を行うことにします。
事務局は資料説明を簡潔に行ってください。また、各委員の方々も、発言は論点に沿って簡潔に述べるよう、協力をお願いいたします。
事務局から説明をお願いします。
○説明者 本日は、介護事業経営実態調査と介護従事者処遇状況等調査の2つの調査結果について報告させていただきます。いずれも昨年の経営調査委員会と介護給付費分科会にお諮りしたもので、本年4月下旬以降、順次調査票を配付したところでございます。
新型コロナウイルス感染症への対応など、御多忙の中、当調査に御協力いただいた施設・事業所の皆様に対しまして、この場を借りて御礼申し上げます。
それでは、最初に「令和2年度介護事業経営実態調査等の結果」について説明いたします。
経営実態調査については、資料1、資料2のほか、関連して参考資料を2種類用意しています。
本日は、調査結果を要約いたしました資料1を中心に、全体的な傾向について説明させていただきます。
なお、調査結果の中には回答事業所数が少ない項目もございますので、この点にも留意して御覧いただければと思います。
まず、資料1を御覧ください。令和2年度介護事業経営実態調査結果の概要になります。
調査の目的ですが、介護サービスの経営状況を把握し、次期介護報酬改定の基礎資料を得るものでございます。
調査時期ですが、令和2年5月に、令和元年度決算を調査しました。
調査対象ですが、今回は新たに介護医療院を加えた全てのサービスを対象に、層化無作為抽出法によって3万1773施設・事業所を抽出したところでございます。
有効回答数は1万4376、有効回答率は45.2%となりました。
また、サービスごとの調査客体数、有効回答数、有効回答率については、この資料の3ページで御確認いただきますので、後ほど御覧いただければと思います。
続いて、各サービスの収支差率などをかいつまんで説明いたします。
まず、収支差率ですが、ここでは昨年度に実施しました令和元年度経営概況調査における平成30年度決算と今回の調査における令和元年度決算の収支差率を並べています。
各サービスの状況を見てきますと、施設サービスは平成30年度から収支差率が低下している状況が見られます。
介護医療院は新たに調査対象としていますので、令和元年度決算のみ掲載しています。
居宅サービスは、訪問入浴介護、訪問看護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与で収支差率が上昇して、その他は低下しているという状況です。
地域密着型サービスでは、小規模多機能型居宅介護を除き、収支差率が低下しています。
なお、介護医療院と夜間対応型訪問介護にアスタリスクをつけていますが、有効回答数が少ないため、参考数値として公表していますので、数値を御覧いただく際には御留意いただければと思います。
以上のサービスごとの収支差率を元に全サービス平均の収支差率を算出した結果、平成30年度から0.7ポイントのマイナスとなりましたが、令和元年度決算では2.4%の収支差率となっております。
令和元年度に収支差率が低下している要因といたしましては、介護人材の確保が課題となる中、人件費が増加していることに加えまして、事業実施に必要な委託費などの経費が増加していることなどが考えらえるところです。
資料の2ページに給与費の割合を掲載していますので、併せて御覧ください。各サービスの収支差率と併せて給与費割合も掲載させていただいております。
このページの一番右側の欄を御覧ください。令和元年度決算における給与費割合の対30年度増減を見ていきますと、多くのサービスで給与費の割合が上昇しているという状況が見てとれるかと思います。
続いて、4ページを御覧ください。ここでは各サービスの利用者1人当たり収入、利用者1人当たり支出等を整理した表を掲載しています。サービスによって、訪問1回当たり、実利用者1人当たりなどで表示していますので、御注意ください。
5ページは、今回の調査と前回の概況調査を対比して整理したものになります。後ほど御覧いただければと思います。
続きまして、資料2は、調査結果の詳細版となります。
表紙から進みまして、調査の概要が掲載されています。その後、1ページ目が介護老人福祉施設で、こちらから調査結果を掲載しております。
1ページで御紹介させていただきますと、この表の上から順に、介護事業収益、介護事業費用、介護事業外収益、介護事業外費用、特別損失となっておりまして、その下に総収入、総支出、差引の順で掲載しています。これは1施設・事業所当たりの月額で、1,000円単位で表示しています。
令和元年度経営概況調査結果と29年度経営実態調査結果に挟まれる形で、今回の調査結果の収入と支出が掲載されています。
金額の右側に記載されているパーセンテージは、13行目のマル1の収入に対する割合となります。
資料1で説明させていただきました収支差率は、15行目のマル3の差引に掲載しているパーセンテージが該当します。令和元年度決算ですと、1.6%になっていることが確認できるかと思います。
また、収入に対する給与費の割合は、5行目の給与費が該当いたしまして、令和元年度決算では63.6%になっております。
19行目から21行目は、当該年度の手元に残る資金で借入金の返済が可能かどうかを簡便に把握するための項目になります。この項目は、建物の取得に当たって相当程度の投資が見込まれる施設サービスや特定施設入居者生活介護などに設定しています。
この計算方法と計算結果は21行目に記載していますが、17行目と6行目と7行目の合計と、19行目と20行目の支出額の合計を比較しています。
今回の調査結果によりますと、介護老人福祉施設では、この差額は令和元年度決算で71万5000円のプラスになっているという状況です。
22行目以降は定員、利用者数、給与費などを掲載しています。
2ページ以降も同様の構成になっています。収支差率や給与費の割合は資料1で説明したとおりですので、後ほど御覧いただければと思います。
なお、資料2の後半になりますけれども、総括表をさらに地域区分別や経営主体別などに切り分ける形で、24ページ以降に掲載しております。切り分けた分、それぞれの区分の集計対象数が少なくなりますので、この点に留意しつつ御覧いただければと思います。
引き続きまして、関連いたしまして参考資料を紹介させていただきます。
参考資料1は、本年度に実施いたしました老人保健健康増進等事業の調査結果になります。
経営実態調査は、令和元年度決算などを調査しておりますことから、新型コロナウイルス感染症の発生以降の感染症への対応に関連した費用面の影響などについて、臨時で調査を実施したというものでございます。
この中では、大きく分けて2つの調査を実施いたしました。1つ目は、費用面の影響や今後の経営への影響などの全国的な傾向を把握するために実施した全国の介護サービス事業所を対象にしたウェブ調査になります。
2つ目は、新型コロナウイルス感染症の影響をより精緻に把握するため、事業者に提供してもらった決算関連情報を基に、費用面への影響を把握したものでございます。
まず、(1)のアンケート結果でございますが、この10月に実施いたしまして、2万6000件余りから回答をいただいております。アンケートに御協力いただいた事業所の皆様には、御礼申し上げます。
ここでは、新型コロナウイルス感染症の流行前と比較いたしまして、令和2年5月と直近でありますこの10月における収支の状況や支出全体の変化などを伺っています。
サービス全体では、収支が悪くなったと回答した事業所は5月で約5割、10月で約3割となっておりまして、特に通所系で高い傾向でした。
また、2ページ目の上半分になりますけれども、支出全体が増えていると回答した事業所は、5月では55%、10月は53%程度でした。
3ページ、個別の経費につきましては、衛生用品が増加したと回答した割合が高くなっておりまして、研修関係費は減少、人件費や車両費は変化なしと回答した割合が高くなっていたという状況でございます。
次に、4ページの(2)の費用面への影響の把握ですが、こちらは令和2年1月から3月と4月から6月の各四半期において回答事業所の皆様が新型コロナウイルス感染症の影響があったと判断した費目の前年同期比などのデータを提供していただき、費用の変化を推計したものでございます。
なお、人件費は影響がなかったものとした事業所が9割以上あったため、物件費に着目した推計になっております。
この推計は、データが22法人、229事業所分に限られることや、新型コロナウイルス感染症が発生した事業所は含まれていないことなどに御留意いただければと思いますが、ここでは新型コロナウイルス感染症の影響がなかった場合の物件費全体を100とした場合、令和元年度決算ではプラス0.3ポイント、令和2年度決算ではプラス1.0ポイントの上昇が見込まれるという結果になっております。
なお、令和2年度は1.0ポイントの上昇でございますが、令和2年4月から6月は感染症の影響が最も大きい時期であったこと、7月以降は回答事業所における予測に基づいて推計していること、補正予算で措置した交付金の対象となる費用も含まれていることから、必ずしも来年度以降も同程度の増加になるとは限らないということに御留意いただければと思います。
5ページは、費用の内訳でございます。
6ページは、サービス種類別の状況について推計しておりますので、後ほど御確認いただければと思います。
続きまして、参考資料2を御覧ください。
こちらは、新型コロナウイルス感染症の発生に伴う介護サービス事業所における収入面への影響を給付実績から見ていったものでございます。出典は国保中央会が毎月取りまとめております統計情報で、これを基に、対前年同月比の推移を取りまとめています。
1ページ目の左側の保険給付額を見ますと、一番上の合計では、緊急事態宣言が発令されていた5月実績でプラス0.5%となっていますが、サービス別では通所サービスや短期入所サービスでマイナスになっているという状況です。
これらのサービスでは、3月から5月にかけて減少が続きまして、6月以降に持ち直している傾向が見受けられます。
その右側の1事業所当たり利用者数を見てきますと、一番上の合計では、4月と5月ではマイナスとなっていましたが、6月からプラスに転じております。
一方、通所サービスや短期入所サービスは6月以降回復傾向ではありますが、マイナスが継続しているという状況でございます。
最後のページのグラフになりますが、1ページ目の表から。一部のサービスを抽出して折れ線グラフにしておりますので、御参考までに御覧いただければと思います。
簡単ではありますが、経営実態調査に関しましての説明は以上になります。
続きまして、令和2年度介護従事者処遇状況等調査の結果について、説明させていただきます。
資料は3種類用意させていただきましたが、調査結果のポイントをまとめた資料3と調査結果を要約いたしました資料4を中心に説明させていただきます。
なお、集計事項の中には回答事業所数が少ない項目もありますので、この点にも留意して御覧いただければと思います。
まず、この調査の概要ですけれども、資料4の2ページ目に掲載しています。この調査は、介護従事者の処遇の状況及び介護職員処遇改善加算の影響などの評価を行うとともに、介護報酬改定のための基礎資料を得ることを目的としております。
調査時期は令和2年4月でございまして、調査対象サービスは御覧の10種類になります。
調査客体は、今回は1万1323施設・事業所、そのうち有効回答数は7,346で、有効回答率は64.9%となっています。
なお、昨年の経営調査委員会と介護給付費分科会にお諮りした際は、3月給与を把握する予定としておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を極力回避する観点から、2月の給与を把握することとして調査を実施しておりますので、申し添えます。
続きまして、資料3を御覧ください。こちらは、今回の調査結果のポイントを、特定処遇改善加算を中心に記載しています。
まず、介護職員の平均給与額ですが、特定処遇改善加算(I)~(II)のいずれかを取得している事業所については、1万8120円の増加となっております。また、この特定処遇改善加算(I)~(II)のいずれかを取得している事業所における勤続10年以上の介護福祉士の平均給与額を見ていきますと、2万740円の増となっております。
次に、中ほどの給与等の引上げの実施状況ですが、複数回答になりますけれども、手当の引上げ・新設が54%と最も多く、以下、定期昇給を実施、賞与等の引上げが続いているという状況です。
次に、令和元年度における加算の取得状況を帯状に表示しています。上段は、処遇改善加算を取得している事業所になりまして、93.5%になります。取得していない事業所は6.5%となっています。内訳も掲載しておりますので、併せて御覧ください。
また、特定処遇改善加算を取得している事業所は、処遇改善加算(I)~(III)を取得している事業所のうち、63.3%となっております。加算の内訳は御覧のとおりでございます。
次に、この資料の右側になりますが、まず、特定処遇改善加算を配分した職員の範囲でございます。経験・技能のある介護職員に配分したと回答した事業所は93.4%となっています。同様に、介護職員は85.4%、その他の職種は60.0%となっております。
さらにその他の職種に対する特定処遇改善加算の配分状況を見ていきますと、最も高かったのが生活相談員・支援相談員で69.1%、これに続きまして、看護職員、事務職員となっております。
次に、経験・技能のある介護職員の賃金改善内容ですが、月額平均8万円以上の賃金改善を実施した事業所が10.3%、改善後の賃金が年額440万以上となる賃金改善を実施した事業所が38.6%、既に賃金が年額440万以上となっている者がいる事業所が41.5%、月額平均8万円以上となる者などを設定できなかった事業所が33.5%となっています。
次に、特定処遇改善加算の届出を行わない理由ですが、最も高かったのが職種間の賃金バランスが取れなくなることが懸念されるでございます。これに続きまして、賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑、介護職員間の賃金バランスが取れなくなることが懸念されると続いております。
資料4を御覧ください。こちらは資料5の概要版となります。
1ページと2ページの説明は割愛させていただきます。
3ページになります。処遇改善加算の取得状況をサービス別に掲載しています。加算の取得状況をサービス別に見ていきますと、介護老人福祉施設の99.3%をはじめ、調査対象となった10個のサービスのうち7個のサービスで9割を超えている状況です。
続いて、4ページを御覧ください。処遇改善加算(I)の取得が困難な理由になります。全体で最も高い割合となっておりますのは、マル4、介護職員の昇給の仕組みを設けることにより職種間・事業所間の賃金のバランスが取れなくなることが懸念されるためで、44%となっております。
また、サービス別に見てきますと、マル4については、特養と老健で約7割になっているという状況です。
続きまして、5ページを御覧ください。処遇改善加算(II)の取得が困難な理由になります。全体ではマル1、キャリアパス要件(I)を満たすことが困難が65.1%で最も高くなっています。
6ページを御覧ください。処遇改善加算を取得しない理由をサービス別にお示ししたものになります。全体ではマル2の事務作業が煩雑が最も多く、これをサービス別に見ていきますと、訪問介護や通所介護で比較的高い割合になっている状況でございます。
7ページからは、特定処遇改善加算に関する内容になります。
全体については、先ほど説明させていただいたとおりです。
サービス別に見ていきますと、介護老人福祉施設が最も高くなっています。
8ページは、特定処遇改善加算の取得状況を、全体に対する割合として表示したものになりますので、参考までに後ほど御覧いただければと思います。
9ページは、特定処遇改善加算を配分した職員の範囲を掲載しています。全体については先ほど説明させていただいたとおりです。
特定処遇改善加算が配分されたその他の職種の詳細を中ほどに掲載しておりますので、御覧いただければと思います。
10ページは資料1で説明させていただいたとおりですので、割愛させていただきます。
11ページを御覧ください。特定処遇改善加算を取得しない理由をサービス別にお示ししたものでございます。サービス別に見ていきますと、訪問介護や通所介護は、ほかのサービスに比べまして、マル2の賃金改善の仕組みを設けるための事務作業が煩雑と回答した割合がやや高くなっていると見受けられます。
その他のサービスでは、マル3の職種間の賃金のバランスが取れなくなることが懸念されると回答した割合がやや高くなっているという状況でございます。
12ページからは、介護従事者の平均給与額などの状況をまとめたものになります。
まず、12ページですが、給与の引上げの実施方法になります。これは先ほど説明させていただいたとおりでございます。
サービス別に見ますとばらつきはありますが、おおむね全体と同様の傾向になっているという状況です。
続いて、13ページを御覧ください。特定処遇改善加算(I)~(II)を取得している事業所の平均給与額の状況になります。
月給・常勤の介護職員の平均給与は、資料1で説明させていただいたとおりですが、職種別に見ていきますと、介護職員の平均給与額が最も大きく増加しているという状況が確認できます。
次の14ページは、処遇改善加算(I)~(III)を取得している事業所のうち、特定処遇改善加算を取得していない事業所における平均給与額の状況になります。いずれの職種も平均給与額は増加しておりますが、13ページで御覧いただいた特定処遇改善加算を取得している事業所と比べて増加幅に差があるという状況が確認できるかと思います。
15ページを御覧ください。特定処遇改善加算(I)~(II)を取得している事業所における介護福祉士の平均給与額の状況を勤続年数別に見たものになります。
全体では、平均勤続年数が9.0年で、1万8390円の増加となっております。
勤続年数別に見ていきますと、勤続年数10年以上で2万740円の増加となっておりまして、この中では増加額が最も大きくなっているという状況でございます。
16ページですが、前回の平成30年度調査について、処遇改善加算(I)~(III)を取得している事業所における介護福祉士の平均給与額を勤続年数別に特別集計したものになります。
平成30年度調査では、勤続年数が長くなると給与の増加額が徐々に減少している状況が見てとれますが、先ほど御覧いただいた15ページと比較していただきますと、傾向に違いがあることが読み取れるかと思います。
続いて、17ページを御覧ください。ここからは、処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所について、従来と同様に集計を行ったものでございます。いずれの職種も平均給与額が増加しておりますが、介護職員が最も大きく増加している状況です。
18ページは、基本給の比較になります。いずれの職種も増加していて、介護職員は3,160円の増加となっています。
19ページは、介護職員の平均給与額の内訳になりますので、後ほど御参照いただければと思います。
20ページを御覧ください。月給・常勤の介護職員について、勤続年数別に平均給与額を掲載したものになっております。
全体では、平均勤続年数は8.1年で、1万5730円の増加となっております。
勤続年数別に見ていきますと、御覧のとおりでございまして、過去の調査結果では、勤続年数が長くなるにつれて平均給与額の増加額は徐々に減少しておりましたが、今回の調査結果では、勤続10年以上で再び増加が見られます。
続いて、21ページを御覧ください。月給・常勤の介護職員について、保有資格別に平均給与額を掲載しています。
保有資格の状況で平均給与額が異なりますが、保有資格ありの増加額のほうが大きくなっております。
続きまして、22ページを御覧ください。処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所における時給・非常勤の介護従事者の平均給与額になります。
介護職員については、平成31年2月に10万6750円であったものが、令和2年2月には11万2500円となりまして、5,750円の増加となっております。
その他の職種につきましては減少しているものも見られますが、実労働時間の減少が影響しているのではないかと考えられるところでございます。
23ページは基本給での比較になります。いずれも10円ないし20円の増加となっております。
続きまして、24ページを御覧ください。こちらは給与等の引上げ以外の処遇改善の状況になります。
資質の向上に関する事項、職場環境・処遇の改善に関する事項、その他の3つに分類をしております。
まず、資質の向上ですが、研修の受講支援に取り組んでいる事業所が最も多く、82%となっています。
次に、労働環境・処遇の改善ですが、ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善といったものが80%を超えている状況です。
その他につきましては、非正規職員から正規職員への転換が80%の事業所で取り組まれているという状況です。
25ページを御覧ください。こちらは先ほどの24ページを特定処遇改善加算を取得している事業所と取得していない事業所に分けまして、集計したものになります。
これによりますと、実務者研修などの受講支援やICTの活用、育児休業制度の充実などの実施率に差が見られます。
次の資料5は、これまで説明させていただきました内容が掲載されている個々の統計表となります。各種のクロス集計などもさせていただいておりますけれども、本日は時間の関係もございますので、割愛させていただきます。
処遇状況等調査についての説明は以上になります。
○田中委員長 ありがとうございました。
ただいま説明を受けた事項について、御意見、御質問があればお願いします。また、この表のここに着目すべきだという御指摘でも結構です。どなたからでも構いませんので、お願いいたします。
野口委員、千葉委員、お願いします。まず、野口委員。
○野口委員 新参者が大変恐縮でございます。
令和2年度の経営実態調査についてなのですけれども、ほかの医療経済実態調査などの調査と比較すると、有効回答率が平均で45.2%と非常に低くなっているというのが目につきました。
これは皆さん御存じのとおりなのですが、今回のCOVID-19の対応で、介護事業所はクラスターなど大変なことになっていて、必要不可欠なサービスの担い手としてその重要性が再認識されていると思います。
他方、医療もそうなのですけれども、こうした少子高齢化の進展によって、介護保険は給付の増加が今後も見込まれている。ひょっとしたら医療を上回る増加が見込まれる可能性があるわけです。ですので、公費と保険料を財源とするこうした公的保険の使途を適切に把握することが今後最も重要になると思いますので、本来であれば、全てのサービス、全ての事業者が回答する必要があると考えます。したがって、次回の調査以降で結構ですが、さらに有効回答率を何とか6割、7割、8割と向上させる方策を、事務局におかれましては何とか検討していただくようにお願いしたいと存じます。
以上です。
○田中委員長 正しい御指摘です。ありがとうございました。
千葉委員、お願いします。
○千葉委員 ありがとうございます。
私のほうからは、全般にわたって幾つかの点で意見を申し述べたいと思います。
まず1点目は、今、野口委員から話があった回収率の話でありまして、まさに委員がおっしゃったとおり非常に重要な調査でございますので、回収率の改善というのは長年の課題にはなってきているのですが、改めてそこは確認すべきだろうと思います。
一方で、今回、新型コロナという、特に調査実施時期が5月という非常に厳しい時期において、結果として実施となったということの中で言えば、少し甘い言い方かもしれませんが、回答して下さった皆さんよくここまで回答していただけたなと感じたところでございます。そういう意味では、法人や事業所の方々の御苦労に対して敬意を表したいと思っています。これが1点です。
2点目は、そういう中で、コロナの話が出たついでというところもあるのですが、別途、コロナの関係の影響調査が入っていたかと思います。これと今回の実態調査とをどう合わせ読むかというところについて、私なりに今の説明を総合するとこんなことかなと思っているので、それが正しいかどうかを事務局の方、ほかの委員の先生方にもお伺いします。すなわち、新型コロナに関して別途やった老健調査のほうの結果を見ると、当然、サービスによっても、入所系と通所系とでは随分違っていて、影響は通所系のほうに多く出ているということも見えました。一方で、給付費の統計のベースで見ていくと、最近は月を追うごとにそれが回復してきているというところも見られたかと思います。
いずれにしましても、今回の実態調査が令和元年度の決算ですから、新型コロナの関係で言えば、非常に限定的な影響しか含まれていない。、2月下旬から3月にかけてのわずか1ヶ月の分だけしか今回の決算には影響していないわけです。実際はその後の時期の新型コロナの影響の方が大きかったはずであることから、今回の報酬改定に向けてこの収支差率を使うのは、一定の留保が必要だと思います。調査結果では上がったもの、下がったものが多少はあるものの、ほとんどこれはコロナの影響なしの時期が大半を占める決算データだったと私は読みました。こう読んでいいかどうか、ほかの先生方の御意見をいただきたいと思います。そのように感じました。
逆に言うと、それを考えると、これは先走ってしまう話になるのですが、次回、概況調査が再来年にあるわけですけれども、そのときに調査設計をどう考えるかというのが一つ大きなポイントなのかなと思います。つまり、今回は1か月強ぐらいの影響しかなかったコロナの影響ですが、今後コロナがいつ終息するかという状況にもよるかと思うのですけれども、このコロナを実態調査の特異事項、攪乱項としてどのように扱うべきか、そこから収支差率をどう読み抜いていくかということは、今後調査するときにおいては細心の注意が必要になってくるのではないかと思います。次回の調査設計には、考え方に留意しなければいけないと思います。
同じように、次回に向けてということで言うと、処遇状況等調査のほうで特定処遇改善加算の話が出ておりましたが、これについても今回の決算について言うと、10月以降3月までの半年分だけの影響ということになってまいります。いずれにしても、半年とはいえ、処遇改善加算で多少人件費に上乗せされた部分があるということで、事務局の説明もありましたが、給与比率の増加が特定処遇改善加算の上澄み分も含まれているのかもしれないなと思いました。
ただ、実際これも半年分の影響ということですから、次回調査するときは1年分丸々の影響になりますから、これを過去と比較するとき、時系列で比較をしていくときには、この部分の影響についての留意も今後の調査結果の読み込みにおいては問題になってくるかなと思いました。
いろいろ長くなりましたけれども、私のほうから、感想と意見は以上でございます。
○田中委員長 ありがとうございます。次回についても御発言いただきました。
ほかの方、お願いいたします。
藤井委員、どうぞ。
○藤井委員 私のほうからは2点プラスアルファで、まず、プラスアルファのほうから言いますと、回収率でございますが、野口委員のおっしゃったとおりでございまして、ぜひ回収率を上げる努力を継続的にしていただきたい。とはいえ、これまでの回収率と比較をしても、今回非常に厳しい時期にあったにもかかわらず、数パーセントは落ちておりますけれども、大きなダメージではなかった。これまでが低過ぎるといえばそれまでですけれども、そういう意味では本当に千葉委員のおっしゃるとおり、関係各者の皆さん方の努力に非常にエールを送っていきたいと思っております。
残り1点、まず一体調査の結果についてでございますが、全サービス平均というのを令和元年度決算の一部を出していただいていますが、これは前回の実態調査から出すようになっておりまして、それ以前は全サービス平均というのを出していなかったのですが、マクロ的に見るならば全サービス平均を見るのが便利だと思いまして、私なりに出してみました。このパーセンテージは、過去を見ますと大きく二分化しておりまして、2001年の決算を基にやったものから、2001が8.2、2004が7.8と来まして、2007のリーマンショックの前で3.9と落ちています。これは小泉政権下で景気がじわじわとよくなった結果として、人を確保する人件費がかかったということなのですが、リーマンショックで非常に人材の確保がしやすくなった、景気も悪くなったということで、10年度決算では利益率は7.6まで戻しまして、その次に7.8と来ておりますけれども、その次の前回の実態調査、すなわち2016年では3.3%ということで、基本は8%前後で推移しているのですけれども、人材確保が困難になってくると3%近くまで来る。2016年の決算ベースで3.3%まで落ちまして、まだ景気の回復が続いた結果として、今回、我々の見ている令和元年度は、過去最低の2.4%まで落ちている。今回のコロナがありまして、景気が非常に悪くなりまして、人材確保面はリーマンショックの後のように回復するのかどうなのか。
ただ、有効求人倍率等を見ておりますと、思ったほど改悪していない。これは一つには、介護の仕事というものは非常に高リスクということで避けられている可能性がありまして、リーマンショックのときのように、リーマンショック自身は日本経済にとって非常にダメージが大きかったのですが、介護の業界にとっては速やかに回復できたということなのです。今回は、2016年度から2回続けて3%前後の売上高利益率だと。これは平均で見ますと妥当な値には見えるのですが、各団体からお話がありましたように、赤字の事業所割合が高くなっているというのが2期続き、さらに今回、コロナの影響でデイあるいはショートが閉鎖になる中で、リーマンショックのときには介護業界は全くダメージがなかったわけで、人材確保が容易になったというプラス要因しかなかったわけですけれども、今回は収入面でもマイナス要因があり、人材確保もスムーズにいくかどうか分からない。しかも、2期連続して平均が3%、2%で来ているということで、業界全体としてかなりダメージが来ているということをしっかり見ていただいたほうがいいのではないかと思います。
その点で、ぜひ分析でやっていただきたいのが、今の損益ベースの利益率ではなくて、簡易なキャッシュを見ていただきたい。つまり、利益率に減価償却分だけを足していただいて、これがマイナスになっているところがどれぐらいあるかというのを、前回の調査と今回の調査で見ていただく。あるいは、千葉委員がおっしゃったように、先走るお話になるのですけれども、概況調査は借入金が返せないという数字を見るようになっているわけですが、それ以外、キャッシュが回らなくなっているような事業所、私が知っている事業所でも、そういう事業所はあります。幸いなことにお金を貸してくれるような状況になっているので、そこはお金を借りてセーフだったのですけれども、そういう辺りの数値を見ていただきたい。これが第1点です。実態調査についてです。
もう一点、処遇状況等調査なのですが、これは今回の加算の在り方がこれまでと大きく異なりまして、一つは、介護職員というものも富士山型で確保していくからこそ、キャリアに応じた給与をつけてほしいというメッセージが込められている点。
もう一つ、さはさりながら、事業所ごとにかなり裁量に任せることができた。これは多職種にも回していいという意味では、非常によく考えられたということではあるのですけれども、現実には、データを見ますと採用できなかったという事業所が、未取得が36.7に上がっているということと、一番問題視すべきは、特定処遇改善加算の届出を行わない理由として、介護職員間の賃金バランスが取れなくなることへの懸念というのが33.8%もあります。これが何の問題かということが分からないと、今回の特定処遇改善加算の意義といいますか今後の在り方をどうするかが見えてこないと思います。
職種間の賃金バランスが取れないというのは、私が知っている現場で言いますと大きく分けて3つあります。
1つは、職員間で賃金バランスをつけて、人件費、給与をどうするかと検討したり、コンセプトを考える力がない事業所です。これはまあまあ多いと思います。こういう力がない事業所に、誰がどのように伝えていくかとか、そういったことを理解していただく、あるいはつくっていただくものをどうするかという課題があるのではないかと思います。
2番目、これはやむを得ないのですけれども、事業所や法人そのものが若くて、中堅あるいはしっかり給料を上げられるべき人はそう多くない。これはやむを得ないというか、全体で1割ぐらいはこういうところがあるのではないかと思います。
最後、とにかく私がお話を聞いても、確かにこれはどこかに足すといっても難しいですねという、2対1対0.5の範囲でやることが難しいですねということなのですけれども、それは既に今の賃金テーブルや評価システムが非常によくできていて、この上に2対1対0.5で足すと変なことになるケースがあります。これはしようがないと思いつつ、そこにお金が回らないということは残念な気がしました。
もう一つ、給与が低いということが介護職員の確保を困難にしているという仮説があるのですけれども、長く続けていただくためには、長く続けていただいた方に給与をたくさんつけるべきだという考え方が前提にあるのですが、この2つの前提が果たしてそうかという意味でいいますと、女性が非常に多い職場でございます。今の日本のジェンダーでは、女性が一家を養っているというケースの割合はそう高くありません。そうしますと、夫婦で400万円ぐらい稼いでいる共稼ぎの世帯で、しっかり頑張って給料をもらえることを求めているというよりは、自分の生活と仕事をバランスさせて、給料はそこまで要らないですという方が現実にはかなりいらっしゃって、今回もらったお金が使いづらいというケースもありました。
こういった点も分析していく必要があるのだろうなといったときに、届出を行わない理由の方は分析できないと思いますので、ぜひやっていただきたいのは、事業所ごとで分析できればいいかなと思うのですけれども、どのようなパターンで給料を上げられたか、あるいは、どのようなパターンで今、給与づけがされているか。富士山モデルというのができているわけですけれども、この富士山モデルと給与がどのように上がっているのかという辺りを見ていかないと、今回のように上のほうに賃金をつけていこうという政策、しかも上のほうに8万円という具体的な数値まで出ておりましたけれども、これの意義といいますか、それをやることによって本当に介護職員を確保できるのだろうかという点でも、今回は非常に社会実験的な要素もあると思いますので、今後、基礎データを分析していただきたいと思います。
以上です。
○田中委員長 両方の調査について、詳細な御意見をありがとうございました。
堀田委員、お願いします。
○堀田委員 ありがとうございます。
2点、申し上げたいと思います。
1つ目は、参考資料のほうで御紹介いただきました新型コロナの影響をどうやって読むかということについて考えさせられたということです。1つ目は参考資料1の1ページなのですけれども、下を見ますと、5月は悪くなったが半分近くですが、10月になっても悪くなったと答えているのは33%ぐらいということで、10月になっても悪くなったと答えている事業所のコロナ発生の有無は聞いていらっしゃるのだと思うのですが、悪くなったとお答えくださっている事業所に、コロナに関連した何か固有の御事情がありそうなのか、どうなのかということは、見る余地があるのかもしれないと思いました。
他方で、2ページの支出は引き続き増えていると10月でも答えていらっしゃるところが過半数を占めていて、次のページを拝見すると衛生材料などがそうなのかなと思わされましたけれども、支出は増えたままであるということを今後の報酬などを考えるときにどうやって読むのかというのは、先ほど藤井委員からも御指摘がありましたが、少し前の分科会のほうでも申し上げましたけれども、なかなか新たな職員さんが入ってくるということが難しくなってきていると訴える事業所も増えてきていますし、このコロナ禍を経て、そもそも介護福祉士の学校に入る方々の数がとても減っているという御指摘も伺うところで、これも精査が必要だと思うのですけれども、どうやってここを乗り切っていただくか。でも中長期、限られている中でどう考えるのかというときの判断で、一つ考える必要があるなというのが1点目です。
2点目は、処遇状況等調査のほうです。これは今後に向けてということになるのですけれども、コロナ禍でもとても厳しいと先ほどの調査でも出ていたと思うのですけれども、通所介護、それから訪問介護といった事業所の事務の負担感を、今までもいろいろな努力がなされていますけれども減らしつつ、業務そのものの負担を下げるということを新たにもう少し考えなければいけないのではないかということを、いま一度思わされたということです。
具体的に言いますと資料4の11ページです。これは比較的、前と同じなのではないかと思うのですが、マル2番の事務作業が煩雑とか、マル5番の報告書の作成も事務といえば事務だと思うのです。こういったところはほかと比べても、いつも訪問や通所は高いほうの部類に入っているよなということが一つあり、他方で、賃金以外のところですけれども、24ページの給与の引上げ以外の処遇改善状況についてというのを見ますと、右側ですが、ICT活用による業務省力化とか、その次の介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等導入がありまして、全体としても高いとはいえない、3割ぐらいにとどまっていると思うのですが、もう一つ、資料5の106ページを拝見しますと、やはりこの通所や訪問というところでは、この2つについても、とりわけほかと比べてもあまり実施している割合が高くないとなっていると思います。
他方で、処遇改善あるいは業務の環境の改革みたいなことを言うときに、このところICTやロボットといったところについては推していくという施策が取られているところでもあるわけですが、こういった施策が訪問や通所についても、事務の負担あるいは業務そのものの負担やサービスあるいは職員の持続可能性という観点から本当に有効なのか、あるいはほかにもう少し有効な手だてがないのかということを検討していく必要性があるのではないかと思いました。
以上です。
○田中委員長 表の中でどこに着目すべきか言っていただいて、ありがとうございました。
岩下委員、お願いします。
○岩下委員 ありがとうございます。
私のほうからは簡潔に2点、申し上げたいと思います。
1点目は経営実態調査です。この委員会の目的として、経営実態を精緻に把握するということが重要な目的でございますけれども、そのためには、これらいろいろ御苦労されてつくられた調査資料の調査数値の信頼性を確保するということが最も重要な点ではないかと考えております。
そういった意味では、調査時期の問題もありますけれども、会計記録と調査データとの一致を求めるところの項目を明確にして、その一致しているかどうかの回答ももらい、それを調査のバックデータとして、また次回の調査から取り入れていただくといったことも考えていただければと思います。その回答に当たって、法人本部への確認ということも重要なポイントになると思いますので、そういったことがきちんとなされた上での数値であるということの表明を回答者側からいただくということも重要なことではないかと思いました。
2点目は処遇改善のほうでございます。調査資料4の23ページ辺りだったかと思いますが、その他の処遇改善で、研修受講支援の促進が増加しているということでございましたが、今回コロナ禍の中で研修が中止になっているパターンも多かったりするところですけれども、この研修支援の促進で増えた分がどのように有効利用されているかということを調査することによって、この部分の支援をもっと増やしていくことができればいい改定につながっていくのではないかと思いますので、そこら辺の実態が何とかして分かるような調査になればと考えました。
以上でございます。
○田中委員長 ありがとうございます。
どの委員も、今回の調査だけではなく次回以降についての様々なアドバイスが含まれていました。
ほかにございますか。
まとめますと、特段に今回の調査についてここはけしからんとのご指摘はなかったですね。今後どのように進めていくか、それぞれのお立場から専門的な御意見を伺いました。
本日の議題1、議題2については、本日提示された内容で当委員会としては了承し、この後開催される介護給付費分科会に報告する扱いでよろしゅうございますか。
(委員首肯)
○田中委員長 事務局は、せっかくいただいた御意見を次回以降に生かすようにしてください。給付費分科会には今日の内容で調査委員会の了承を得ていると伝えてください。
お集まりいただきましてありがとうございました。本日の審議はここまでといたします。
次回の予定について、事務局から説明してください。
○北原介護保険データ分析室長 次回の日程は、事務局から追って御連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会いたします。
お忙しいところ、ありがとうございました。