令和2年10月9日 第187回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和2年10月9日(金) 14:00~17:00

場所

WEB会議
日比谷国際ビルコンファレンススクエア 8D
 

出席者

委員 ※五十音順

議題

  1. 1.30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の結果(速報値)について
  2. 2.令和3年度介護報酬改定に向けて
  3. (基本的な視点(案)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、高齢者住まい・特定施設入居者生活介護)
  4. 3.その他

議事録

議事内容
○栗原企画官 それでは、定刻になりましたので、第187回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 本日は、これまで同様、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、ウェブ会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
 また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形としております。
 本日の委員の出席状況ですが、正立委員より御欠席の連絡をいただいております。また、井上隆委員に代わり、間利子晃一参考人に、岡島さおり委員に代わり、齋藤訓子参考人に、黒岩祐治委員に代わり、水町友治参考人に御出席いただいております。また、河本委員、堀田委員より遅れて御出席されるとの御連絡をいただいております。
 以上により、本日は22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 議事に入る前に、お手元の資料の確認とウェブ会議の運営方法の確認をさせていただきます。
 まず、資料の確認を行います。
 本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
 まず、議事次第と委員名簿がございます。次に、令和3年度介護報酬改定に向けた資料として、資料1「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の結果【速報版】(案)」。
 それから、資料1の枝番として1から5がございますけれども、5本の調査の速報版の資料をつけさせていただいております。
 それから、資料2-1「令和3年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)概要」と2-2がそれの本体となっております。
 それから、各サービスの報酬基準に係る検討の方向性の資料として資料3から資料7まで。資料3は定巡・夜間、資料4は認知症グループホーム、資料5が小多機、資料6が看多機、資料7が特定となっております。
 参考資料として、改定検証の関係資料を5点つけさせていただいております。
 資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
 次に、ウェブ会議における発言方法等について確認させていただきます。
 御発言される場合は、通常の会議と同様に、挙手をお願いいたします。画面で田中分科会長に御確認をいただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言をいただくようお願いいたします。挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、ウェブ会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては挙手にて意思表示をお願いいたします。なお、チャット機能等で記載いただいた内容については、ウェブの画面及び配信動画においても表示されますので、御承知おきください。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、報道の皆様にはここで御退室いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。
では、以降の進行は、田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 ウェブ上でお顔の見える皆さん、こんにちは。
 本日は、令和3年度介護報酬改定に向けて大きく分けて2つのテーマを取り上げます。1つは、平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の結果(速報値)についてです。もう一つは、基本的な視点(案)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、高齢者住まい(特定施設入居者生活介護)について御議論いただきます。
 事務局から一括して説明を受けた後、我々皆で質疑を行うこととします。いつものことですが、事務局においては資料説明を簡潔に行うとともに、各委員におかれましても、御発言は論点に沿って簡潔に行ってくださるようお願いいたします。
 早速ですが、事務局から資料の説明をお願いします。
○栗原企画官 企画官の栗原でございます。
 私のほうから、資料1を用いてまず御説明させていただきます。
 資料1、平成30年度介護報酬改定の効果検証の関係でございます。今年度実施の調査につきまして、令和3年度介護報酬改定に向けての議論に資するように、速報版ということで、本日午前中の改定検証・研究委員会で御議論いただいたものとなっております。その報告の全体につきましては、最終版において報告することとなっておりまして、年度末、来年3月以降を予定しておりますけれども、今回速報版として資料に入れさせていただいております。
 具体的な結果の御紹介につきましては、関連サービスの議論のときに委ねさせていただきたいと思っておりますけれども、どんなデータが含まれているかということについて簡潔に御説明させていただきたいと思います。
 資料1に5本の調査研究の事項が立っております。今年度の調査は5本となっております。早速、それぞれの資料を簡単に御説明させていただきたいと思います。
 資料1-1をお願いいたします。まず、サービスの質の評価に関する調査でございます。こちらの1ページにございますとおり、CHASE等の関係です。CHASE等により収集されたデータを分析し、事業所に対してフィードバックを実施し、その効果が介護サービスの質の向上に資するかを検証するものでございますが、こちらは大変恐縮ですけれども、速報値が出せていない状況でして、今回の資料は目的、調査方法のみの資料とさせていただいております。今後、関連の議論に間に合いますように、できれば10月末ぐらいまでに何とかしたいなと考えておりますけれども、速報値をお出しできればと考えております。
 資料1-2をお願いいたします。福祉用具貸与価格の適正化に関する調査でございます。
 2ページからでございますが、使用したデータ総数の概要はこちらに入れさせていただいております。
 3ページで利用者規模別に見た事業所の状況、これは利用者数とか貸与価格についてデータが入っております。
 4ページでございます。貸与価格の上限を用いたシミュレーションを行いまして、次回、次々回の総貸与額がどれぐらい減少するかという試算が行われております。
 5ページは、最も貸与件数の多かった1商品について、個別商品分析を行っておりまして、平成30年と令和2年で価格の分布がどうなったか。それから、次回の上限のシミュレーションを行って、どれぐらいが上限を超えるかというデータが出ております。
 6ページです。貸与価格の上限設定の影響ということで、新たに設定された上限による価格の適正化効果という数字が出ております。
 7ページ、経営への影響ということで、事業所における貸与価格の見直しの実施状況、見直した理由等も含めて聞かせていただいた結果が出ております。
 8ページでございます。経営への影響ということで、経費削減に向けた取組はどのようなことを行っていただいているかというところをお聞きしまして、その結果が出ております。
 9ページはレンタル卸等の利用状況についてのデータが入っております。
 10ページでございます。新型コロナ感染症による事業への影響ということをお聞きしております。サービス提供状況の変化、それから、11ページですと、利用者、貸与状況の変化といったところをお聞きしてその結果が出ております。
 続きまして、資料1-3をお願いいたします。訪問介護の調査研究でございます。
 4ページをお願いいたします。特定事業所加算の算定状況について、要件の充足状況と実際の加算の取得の関係が見られるような聞き方をさせていただいて、その結果が出ております。
 5ページでは、特定事業所加算の算定有無とその理由というのもお聞きして、その結果が入っております。
 6ページでございます。前回改定から導入されました生活援助従事者研修、その修了者の活用状況を聞いております。それが6ページ、7ページに入っております。
 8ページでございます。訪問回数が多い生活援助中心型のケアプランを市町村に届け出るといった制度見直しを前回改定で行っておりますけれども、それについての、ここはケアマネ事業所さんの認識と、あとは適切な届出頻度はどれくらいかというところをお聞きした結果が出ております。
 9ページはそこから引き続きということで、業務負担変化とか制度の課題についてもお聞きしております。
 10ページでございます。ケアプランの見直し対象となった方の利用者の状態というのもここでデータが入っております。
 11ページでございます。生活機能向上連携加算、これは前回、平成30年度改定でリハ職が訪問しない区分(I)というのが創設されておりまして、それの算定状況とか、あとはADL等を把握する方法、使用したICTシステム等について聞いた結果が出ております。
 12ページは集合住宅減算についてでございます。サービスの質の変化とか、あとは13ページ、適用された利用者の状態というものを確認しております。
 14ページでございます。見守り的援助の明確化、いわゆる老計10号というものですけれども、それについての訪問介護、居宅介護支援の事業者さんの理解度、実施状況についてお聞きしております。また、15ページは効果や課題についてもお聞きしております。
 資料1-4をお願いいたします。4つ目です。介護医療院等に関する調査でございます。
 2ページ、介護医療院の開設主体とか実施している居宅介護サービスについてお聞きした結果が出ております。
 3ページは移行の準備等。移行の規模も含めてお聞きして、その結果が入っております。
 4ページでございます。開設を決めた理由とか、あとは開設に当たっての課題・困難というデータもここに入っております。
 6ページをお願いします。移行時の状況ということで、経営面にどう影響があったか、それから、移行してよかったことなどもお聞きして、結果が出ております。
 7ページは入所者へのケアの状況について、ベッド離床時間とか医療処置等の実施率についてお聞きしております。
 8ページでございます。介護療養型医療施設等から介護医療院に移行する予定について、介護療養型医療施設は2023年度末で廃止となりますけれども、それぞれの年で移行についてどう考えているかということをお聞きしております。一番左の図表25にありますとおり、最後の廃止される時期におきましても、介護療養型医療施設と回答していただいているところがまだあるということが出ております。
 9ページでございます。介護医療院に移行すると仮定した場合の課題についてお聞きして、その結果が出ております。
 10ページからは、介護老人保健施設に関する調査になります。
 11ページですけれども、入所中のリハビリテーションの実施状況についてお聞きした結果がここに入っております。
 12ページでございます。在宅復帰、在宅療養支援機能への評価の充実を行っておりますけれども、報酬上の区分がどう推移しているか。これは高い区分のほうに移行しているという結果が出ておりますけれども、そういったものとか、あとは指標の推移というものもここで出ております。
 13ページでございます。これは退所者票になりますけれども、リハビリテーションの状況で、それぞれの方、どんな中身だったかというところが出ております。
 続きまして、資料1-5をお願いします。5つ目、認知症対応型共同生活介護等の調査でございます。
 2ページですけれども、医療連携体制加算の算定状況と、あと算定していない事業所、加算(II)・(III)を取得しない理由・課題についてもお聞きして、その結果が出ております。
 3ページは医療ニーズへの対応状況、4ページに参りますと入退院に関する支援ということで、医療機関等との連携、情報の提供等も含めてお聞きした結果が出ております。
 6ページをお願いします。入居者の一時的な入退院に関する支援、入院中も空室・空きベッドを確保しているかといった点についてお聞きした結果が出ております。
 7ページは定員外の緊急短期利用の受入れについてでございます。
 7ページ、8ページと続いて、9ページでございますけれども、運営推進会議について、合同開催の状況とか、あとは参加者がどうだったか。それから、図表26になりますけれども、運営推進会議と外部評価の統合の要否というのもお聞きしておりまして、その結果が出ているところです。
 10ページでございます。認知症グループホームの入居前の居場所、それから退去先というのをお聞きして、その結果が出ております。
 11ページでございます。事業所の規模とかあとは定員・ユニット数に対する考え方、サテライト型事業所に対する考え方をお聞きして、その結果が出ております。
 12ページは共用型認デイについて、それから、13ページからはショートの関係で認知症専門ケア加算を創設しておりますので、それについての算定の状況とか算定することのメリットをお聞きした結果が入っております。
 14ページでございます。ショートの関係で、認知症専門ケア加算を算定していない理由、算定する際の課題等が入っております。
 15ページでございます。これは特定と小多機、看多機に若年性認知症利用者受入れ加算が創設されておりますので、それについて算定事業所の状況とか、算定する際の課題、していない理由などを15ページ、16ページでお聞きした結果を入れております。
 17ページでございます。小多機、看多機の短期利用の状況についてお聞きした結果が入っております。
 資料1については、説明は以上でございます。
○田中分科会長 説明をありがとうございました。
 ここで、介護報酬改定検証・研究委員会委員長の松田委員から、ただいまの説明に対する補足がありましたら、お願いいたします。
○松田委員 おはようございます。
 御説明にもありましたように、まだ一部、データがそろっていないところがありますけれども、それをそろえた上で、最終報告のほうにしたいと思います。
 実際にこの速報版の内容及び説明方につきましては、介護報酬改定検証・研究委員会において承認いたしましたので、この後の足りない部分の補足を含めまして、御報告を申し上げます。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 では、引き続き、事務局から説明を続けてください。
○栗原企画官 それでは、資料2をお願いできますでしょうか。令和3年度介護報酬改定に向けた基本的な視点(案)についてでございます。2-1が概要、1枚紙となっておりまして、2-2が詳しい文章となっております。2-2のほうの冒頭の文章を御覧いただければと思うのですけれども、これはそもそも何かということで、令和3年度介護報酬改定に向けて、2行目ですけれども、分野横断的なテーマや各サービス種類の論点についてこれまで議論を行っていただきまして、それらを踏まえまして、今回の介護報酬改定に向けた基本的な視点という形で整理をさせていただいております。これは先に申し上げておくと、本日決定するという性質のものではございませんで、御意見をいただいて、最終的には審議報告の中でまとめていただくということを考えております。詳しい文章は資料2-2になりますけれども、要点を資料2-1の概要に入れておりますので、そちらを用いて御説明させていただきます。資料2-1をお願いいたします。
 大きな構成としては、改定に当たっての基本認識、現状の認識と、それを踏まえての基本的な視点という構成になっております。基本認識でございますけれども、大きく5つございます。1つ目が、新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で、感染症や災害への対応力強化を図っていく必要がある。2つ目ですけれども、2025年、さらにはその先の2040年を展望すると、介護ニーズが増大・多様化します。その状況は地域ごとに異なりまして、地域包括ケアシステムを各地域の特性に応じて構築して推進していくことが必要になってくるだろう。3つ目ですけれども、介護サービスは高齢者の自立支援と重度化防止に資するものであることが求められておりまして、サービスの質の評価、科学的介護という取組を進めながら、質の高いサービス提供を推進していくことが必要だろう。4つ目です。足元の介護人材不足は深刻です。介護ニーズが増大する一方で、担い手の減少が顕著となります。介護人材確保対策、生産性向上をはじめとする介護現場の革新の取組を一層進めていくことが必要であろう。5つ目です。必要なサービスは確保しつつ、適正化・重点化を図り、制度の安定性・持続可能性を高めていくことが必要だろう。
 こういった認識を踏まえてということで、基本的な視点を5つ、対応する形で整理させていただいております。この5つがまさに横断事項で示させていただいている5本柱と一致するものとさせていただいております。1つ目、感染症や災害への対応力強化ということで、感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制を構築していこう。2つ目でございます。地域包括ケアシステムの推進ということで、それぞれの住み慣れた地域において利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を推進していこうということで、下のポチでございますけれども、在宅機能、施設の機能、対応の強化、医療・介護連携、看取り、認知症、ケアマネ、地域の特性に応じたサービスの確保を推進していこうということでございます。3つ目でございます。自立支援・重度化防止の取組の推進ということで、下のポチのところですけれども、リハと機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化。2つ目のポチですが、介護サービスの質の評価の推進、3つ目のポチですけれども、科学的介護の取組の推進、加えて、寝たきり防止等、重度化防止の取組の推進というのを進めていってはどうか。4つ目でございます。介護人材の確保・介護現場の革新ということで、1つ目のポチですけれども、介護職員の処遇改善、職場環境の改善に向けた取組の推進、ロボット・ICTの活用、人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担軽減の推進、文書負担軽減も含めて介護現場の業務負担軽減の推進、こういうことを進めていこうということでございます。5つ目です。制度の安定性・持続可能性の確保ということで、評価の適正化・重点化、それに加えまして、報酬体系の簡素化ということを進めていったらどうか。
 こうした視点を持ちながら、御議論を進めてはどうかということで整理させていただきました。
 説明は以上でございます。
○田中分科会長 次は、認知症施策・地域介護推進課長からですね。お願いします。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
 お手元の資料3をお開きいただきたいと思います。定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護の報酬・基準についての検討の方向性でございます。
 お開きいただきまして、これまでの分科会における主な御意見、あるいは事業者団体のヒアリングにおける御要望を1ページ目にまとめさせていただいております。時間の都合上、省略させていただきます。
 そういった御意見を踏まえまして、このテーマにつきましては論点を4つ整理させていただいております。2枚目でありますけれども、論点1ということで、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の人員配置等に関して、いわゆるローカルルール、独自の制度・ルールが設けられているケースがあることについて、どのような対応が考えられるのかという論点でございます。
 3枚目であります。例えば、指定権者における制度・ルールとして、赤字で書いてございますけれども、夜間のオペレーターの自宅待機が認められているケースが多いというような事例。
 4枚目に行っていただきまして、計画作成責任者の管理者との兼務について、小規模多機能、赤字でハイライトをさせていただいておりますけれども、こちらのほうは明確化されておりますが、定期巡回・随時対応型のほうは明確化されていないというような状況。
 5枚目でございますけれども、同様に小規模多機能では、夜間のサービス対応要員、必ずしも事業所内にいる必要はないということが明確化されているわけでございますが、定期巡回のほうはそうなっておらないということでございます。
 6枚目、検討の方向性(案)でございます。こういった指定権者間の人員配置要件のばらつきをなくすため、利用者へのサービス提供に支障がないことを前提に、小規模多機能型居宅介護を参考にして明確化してはどうかということでございます。具体的には、6枚目の下の表にございますように、計画作成責任者につきましては管理者との兼務を可とし、オペレーター、随時訪問サービスを行う訪問介護員に関しましては、サービスに支障がない体制が整備されている場合に必ずしも事業所内にいる必要はないということを明確化してはどうか、さらに、夜間対応型の訪問介護も同様にしてはどうかというふうに考えているところでございます。
 続きまして、論点2でございます。7枚目でございます。夜間対応型の訪問介護の人員・運営等の基準については、オペレーターが兼務可能な職務の範囲など、一部そろっていない点があります。したがいまして、地域の実情に応じてサービスの実施を可能とする観点からどのような対応が考えられるのかという論点とさせていただいています。
 8枚目を御覧いただけますように、右側が定期巡回、左側が夜間対応ということで、人員基準等を並べてみますと、赤くハイライトしておる定期巡回のほうでございますが、オペレーター、随時訪問サービスを行う訪問介護員、オペレーションセンター、事業の委託について、定期巡回のほうが柔軟な対応を行っているということが見てとれるかと存じます。
 9枚目、こうした状況を踏まえまして、検討の方向性(案)ということで、地域の実情に応じて既存の地域資源・地域の人材を活用するという観点などから、定期巡回と同様にオペレーターの兼務や事業所間連携を可能とすることを検討してはどうかということでございます。可能とすること(案)ということでございますけれども、マル1、オペレーターにつきまして、併設施設等の職員と兼務すること、さらに、随時訪問サービスを行う訪問介護員等と兼務することでございます。マル2といたしまして、複数の事業所間で随時の対応サービスを集約化すること、マル3といたしまして、地域の訪問介護事業所等に対し、事業を一部委託すること、こういったことを検討してはどうかということでございます。
 論点3でございます。夜間対応型訪問介護の基本報酬についてでございます。ご覧いただけますように、基本報酬につきましては(I)と(II)がございます。(I)のほうは定額のオペレーションサービス部分と訪問サービスを行った都度の出来高というパターンであり、(Ⅱ)は包括報酬という2パターンがあるわけでございますけれども、多くの夜間対応型の事業所が(I)を選択しているということでございます。
 利用状況につきましては、月に一度も訪問サービスを受けていない利用者が存在するということで、定額部分だけという状況も存在するということでございますが、自立支援等に資する夜間対応型訪問介護を進める観点から、どのような対応が考えられるのかとさせていただいております。
 11ページ目は収支差率。12ページ目は、申し上げたように、事業所別に見ると出来高のほうでありますが、(I)の報酬を算定しているのは9割以上ということで、そのうち19事業所は基本部分、オペレーションサービス部分のみの算定になっていたということでございます。利用者別に見ますと、下のグラフでございますけれども、全体の約7割の利用者がオペレーションサービス部分、基本分の算定になっており、月に一度も訪問サービスを受けていない利用者が多いという状況にございます。
 13ページ目でございますけれども、こちらはほかのサービスとの併用状況にかかわらず、月に一度も訪問サービスを受けていないケースが7~8割あるということを示したデータでございます。
 14枚目に行っていただきまして、以上を踏まえまして、検討の方向性(案)でございます。夜間対応型訪問介護事業所の経営実態を踏まえた上で、出来高部分に重点を置くなど定額部分と出来高部分の報酬にめり張りをつけることを検討してはどうかという方向性とさせていただいてございます。
 15ページ目でございます。論点4でございます。中山間地域等の訪問介護等の提供を促進するという観点から、指定地域で実施されるサービスについて加算が行われていることを踏まえて、同様の地域における夜間対応型訪問介護への対応についてどのように考えるのかということでございますけれども、具体的には16ページ目を御覧いただきまして、下の表にございますように、訪問系の中で夜間訪問だけ特別地域加算等が対象となっていないという状況でございます。したがいまして、17ページ目、方向性の案でございますけれども、夜間対応型訪問介護につきまして、離島や中山間地域等の要介護者に対する提供を促進するとともに、移動のコストを適切に評価するという観点から、ほかのサービスと同様に特別地域加算、中山間地域等における小規模事業所加算、中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算の対象にすることを検討してはどうかという方向性の案とさせていただいてございます。
 続きまして、資料4でございます。認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の報酬・基準についての検討の方向性の案でございます。
 1枚目、2枚目でございます。先ほどと同様に、時間の都合上、これまでいただいた御意見は丁寧に書かせていただいてございます。さらに、グループホーム協会からの要望も2枚目の下に書かせていただいてございます。
 3枚目に行っていただきまして、御意見・御要望を踏まえて、論点を7つ提示させていただきたいと存じます。まず論点1でございますけれども、1つ目の■にございますように、グループホームについて、短期利用でございますが、緊急に利用が必要と認めた場合など一定の条件下で、定員を超えて受入れができるということになってございますけれども、その一定の条件というのが次の■でございます。マル1、1事業所当たり1人まで、マル2、7日を限度に、マル3、個室で受入れ可等ということでございますが、認知症施策推進大綱などを踏まえて、グループホームが地域におけるケアの拠点として期待されるという方向性を踏まえて、どのような対応が考えられるのかということでございます。
 4枚目でございますけれども、赤囲いしてございますが、下の部屋、日数、人数というところが、先ほど御説明したとおり個室でなくてはいけない、7日以内、1事業所1名までということでございますけれども、左右に目を移していただきますと、例えば日数でありましたら、小多機で原則7日以内となっていますが、やむを得ない事情がある場合には14日以内というような形で柔軟化されている状況にあるわけでございます。
 5枚目でございますけれども、これは改定検証の速報値から取ってきているものでございますが、1回当たりの平均利用日数、先ほど申し上げたとおり7日が限度ということでございますが、保険給付の対象を超えて8日以上の利用が、24.5%で最多ということ。さらに、緊急利用の受入れを断ったケースも存在するということでございます。
 6枚目に行っていただきまして、個室に準ずるスペースがあるかどうかなどについてお聞きしましたところ、準ずるスペースがあると回答した事業所が4分の1程度。さらに、プライバシーの確保であるとかそういったところに支障がないかということでございますけれども、赤で書いてございますが、見守り・巡回に支障は生じないと回答した事業所が7割。入居者のケアに支障は生じないと回答した事業所は5割といった状況を踏まえて、どのように考えるのかということかと存じます。
 7ページ目に行っていただきまして、検討の方向性(案)ということでございます。1つ目でございますが、7日を限度という日数要件については、ほかのサービスとの均衡を考慮して、7日以内を原則として、やむを得ない事情がある場合には14日を限度とするということに見直すことを検討してはどうかということでございます。
 2つ目ですが、ユニット数でございますけれども、現在、1事業所1名までとなっている人数要件につきまして、1ユニット1名までということで見直すことを検討してはどうかということでございます。さらに、個室につきましては、パーティション等によりプライバシーが確保される場合には個室以外も認めるべきという要望もございますけれども、先ほどのデータも踏まえまして、どのように考えるのかということにさせていただいてございます。
 8ページ目、論点2、医療連携体制加算でございます。医師等の配置が必須となっていないグループホームについては、医療ニーズのある方に適切な対応ができる看護体制を整えている事業所を医療連携加算(I)・(II)・(III)で評価しているということでございますけれども、このうち(II)・(III)につきましては、看護体制に加えまして、医療的ケアが必要な方の受入実績が要件となっているということで、具体的には喀痰吸引と経腸栄養の状態の者に限られているということでございます。医療ニーズのある入居者への対応によって増加する負担に対する評価、積極的な受入れ促進の観点からどのような対応が考えられるかとさせていただいています。
 さらに、ほかの事業所との連携による医療ニーズへの対応ということで、一方でということでございますが、グループホームを利用中に訪問看護や訪問リハを併算定が現在できないということでございますが、看護・リハビリニーズのある入居者に適切に対応する医療連携をどのように考えるか。医療連携体制加算と他事業所との連携の観点からで、論点を2つ掲げてございます。
 9枚目は連携加算の概要でございます。
 10枚目でございますけれども、加算の取得状況ということで、(I)が8割、(II)・(III)が2%程度ということでございます。(II)・(III)を取得できない理由は、看護職員を確保できない、あるいは入居者の中に喀痰吸引等を実施している方がいらっしゃらないというお声が一番多かったということでございます。
 11枚目でございますけれども、連携体制加算、上位区分になるほど医療ニーズで対応できる傾向ということが左でございます。右側でございますけれども、医師の指示に基づき看護職員が対応できる医療ニーズということでお聞きしましたところ、様々な医療ニーズに対応できるという回答があったということでございます。
 12枚目、施設居住系サービスにおける訪問看護と訪問リハの適用状況ということで、グループホームにつきましては訪問看護、訪問リハとも介護保険は使えないということになってございます。
 13枚目、医療保険と介護保険の訪問看護対象者のイメージということで、御案内のとおりかと存じます。
 14枚目でございますけれども、区分支給限度基準額に含まれない費用、適用されないサービスをまとめたものでございます。小さくて恐縮でございますが、一番下、マル3で認知症対応型共同生活介護とハイライトさせていただいております。限度額が適用されないサービスということでございます。
 以上を踏まえまして、15ページ目でございますが、検討の方向性ということで、医療連携体制加算につきまして、(II)・(III)における医療的ケアが必要な方の受入実績要件について、医療ニーズへの対応状況を踏まえて、その負担を適切に評価する観点から、ほかの医療的ケアにも拡大することを検討してはどうかというのが1つ目。
 2つ目でございますけれども、地域における看護職員やリハビリテーション専門職について、その専門性を効果的に活用する観点や入居者の看護・リハビリニーズに適切な対応ができるようにする観点から、グループホームには区分支給限度基準額が適用されないということにも留意しつつ、どのような対応が考えられるのかとさせていただいてございます。
 続きまして、16枚目、論点3でございます。今後も高齢化の進展によるグループホームの需要、認知症高齢者が増大するという一方で、担い手不足が見込まれる。あるいは骨太の方針2019においても経営の大規模化を通じた生産性の向上を図るとされていることなどを踏まえて、ユニット数の弾力化、サテライト型事業所の創設について、どのような対応が考えられるのかとさせていただいてございます。
 17枚目でございますけれども、事業所の設置主体の構成が左の円グラフ。右でございますけれども、事業所のユニット数、2ユニットが60.6%で最も多く、次いで1ユニットが33.6%ということでございますが、3ユニット以上の事業所も5.6%存在するということでございます。ちなみに、17ページ目の一番下に基準がございます。省令上、グループホームのユニットは1または2とされておりまして、ただしということで、用地の確保が困難であるなど、その他地域の実情により、事業所の効率的な運営に必要と認められる場合、このときは3とすることができるということでございます。ちなみに、この省令の基準は標準基準ということでございます。
 18枚目、ユニット数が多くなるほど収支差率が高い傾向になっているということを示したものでございます。
 19枚目でございますけれども、1事業所当たりの入居率は97.5%であり、待機者が5人以上いらっしゃるというのが全体で約3割。2ユニットの事業所のうち、規模の拡大の必要性を感じているというのが約12%。サテライト型事業所が必要と感じている事業所が全体で約2割ということでございます。改定検証の速報値からのデータでございます。
 20枚目でございますけれども、サテライト型ということでありますれば、地域密着型特養とか様々な前例がございますので、御参考までにその基準や報酬を掲げさせていただいてございます。
 21ページ目に行っていただきまして、検討の方向性(案)でございます。まずユニット数でございますけれども、グループホームは地密サービス、これは定員29名以下ということでございまして、ユニット数は5人以上9人以下でございますので、単純計算いたしますと3ユニットということでございますが、ユニット数が多くなるほど収支差率が高い傾向となっておりますので、経営安定性の観点から、ユニット数を弾力化することを検討してはどうか。併せて、現在、基本報酬は1と2ユニット以上ということで分かれてございますけれども、経営実態を踏まえた上で、2ユニット以上をさらに2ユニットと3ユニット以上に細分化することを検討してはどうかということでございます。
 (2)のサテライト型事業所の創設ということでございましてが、サテライト型事業所の基準を創設することを検討してはどうかというのが1つ目。さらに、その際の基準・報酬については、そのほかの小規模多機能等の事業所の関係を参考に検討してはどうかということでございます。
 22枚目でございます。論点4、グループホームの夜勤でございます。現在、ほかのサービスは2ユニット1人夜勤ということでございまして、手厚い配置、1ユニット1人夜勤となっておりますけれども、これをどう考えるのかということでございます。
 これまでの歴史でございますけれども、23ページ目、24年度報酬改定に向けて、23年11月に介護給付費分科会において論点として出されたものでございます。
 24枚目でございますけれども、その際にグループホーム協会のほうから、ぜひ1ユニット1人夜勤体制に位置づけてほしいという御要望があったというファクトでございます。
 25枚目でございますけれども、今申し上げた24年度、表の真ん中でございますが、ここで2ユニットで1人夜勤を認めていた、これは例外規定でございましたけれども、これを廃止し、1ユニットごとに夜勤1人以上としたと、24年度改定のファクトを書かせていただいてございます。
 26枚目でございますけれども、その後ということで、27年度施行で消防法令が改正されまして、赤囲いしてございます認知症高齢者グループホームと書いてあるところでございます。消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備等々について、全て設置が義務づけられているということでございまして、一部経過措置がございましたけれども、29年度末までで経過措置も切れているということでございます。
 27枚目でございますが、先ほど冒頭申し上げたほかの夜勤体制との比較の表です。
 28枚目でございますけれども、実際に設備の設置状況などを調査したものでございまして、スプリンクラー設備を設置している事業所は99.8%でございます。0.2%につきましては、火災発生の延焼を抑制する機能を備えている構造の施設は必置ではないということでございます。さらに、夜勤の確保・シフト調整における課題としては、やはり夜勤のシフト調整に苦労しているという、これは管理者を回答者としたものでございますけれども、これが最多ということで、左下でございます。
 右でございますけれども、一方で、引き続きユニットごとに1人以上の夜勤配置を求める事業所は7~8割といったデータも出てきているところでございます。
 29枚目でございますけれども、以上の経緯やユニットケアの理念で、ユニットケアの理念につきましては一番下のポツに書いてございます。読み上げさせていただきますと、ユニットケアの理念は、1人の職員が少数の利用者に関わることによって、その入居者の生い立ちや経歴、生活の糧としているものや趣味・嗜好に至るまでを把握し、それを前提として個別ケアを行うことであることから、少人数での運用が大前提であるというものでございます。そういったユニットケアの理念を踏まえて、この夜勤の配置についてどのように考えるのかという方向性(案)とさせていただいてございます。
 30枚目でございます。論点5でございます。グループホームの計画作成担当者は、現在、ユニットごとに配置することになってございまして、ほかのユニットと兼務できないということになってございます。この点について、どのような対応が考えられるのかということでございます。
 31ページ目をお開きいただきまして、小多機等のほかのサービスと比較してみますと、これらは兼務を可としているということでございまして、32枚目でございますけれども、やはりグループホームのケアマネさんの採用に苦慮している事業所が6割、さらに、計画作成担当者が複数ユニットを兼務する必要性を感じているということで、そういった事業所が6割、具体的にはユニット間の質の差が生じないようにとか、ケアの質が兼務したほうがよいというようなお声もそれなりにあることを踏まえまして、33枚目でございます。検討の方向性ということで、グループホームにおいてはケアマネの採用が困難な状況も見受けられる現状や、ケアマネの専門性を事業所全体で有効活用するという観点から、計画作成担当者の担当件数との整合性も踏まえて、ケアマネである計画作成担当者は最大3ユニット分まで兼務を可能とすることとしてはどうかということでございます。
 34枚目でございます。グループホームの管理者の交代時の研修についてでございます。これは自治体が研修を実施するわけでございますけれども、交代時に必ずしも研修が開催されていないという実態を踏まえて、管理者に就任できないケースがあるということを踏まえて対応を検討してはどうかということでございます。
 35枚目に行っていただきまして、管理者のところだけ赤枠で囲ってございますけれども、交代時の研修の取扱いはないということでございますが、計画作成担当者については、例えば代表者であれば、半年後または次回研修日程のいずれか早い日までに修了すればよいという柔軟な取扱いにさせていただいているということでございます。
 36枚目、そういった現在の取り扱いについて、過去、困ったことがあるという事業者は1割程度ございますし、右側にございますように、研修の実施回数には、都道府県ごとにかなりばらつきがあるということでございます。
 以上を踏まえまして、37枚目、検討の方向性(案)ということでございまして、代表者、計画作成担当者も一定の研修の修了者であることが必要であるけれども、研修の実施時期は自治体によって他律的に決定されるものであることも踏まえて、研修の猶予措置が講じられているということも踏まえて、管理者についても同様の措置を講ずることとしてはどうか。その際、研修時間を考慮して、計画作成担当者に倣ってはどうかということでございます。認知症対応型通所介護あるいは看多機、小多機も同様にしてはどうかという御提案でございます。
 38枚目、論点7ということで、グループホームでは介護保険サービスの中で唯一、運営推進会議と外部評価の双方で、第三者による評価が行われているが、ともに手間がかかっている状況です。これを効率化する観点から、どのような対応が考えられるのかということでございます。
 39ページ目を御覧いただきますと、外部評価について、ほかのサービスは運営推進会議のみでよいということでございますが、グループホームについては両方を実施しなくてはいけないということでございます。
 40枚目は運営推進会議等の概要、41枚目でございますが、外部評価は、都道府県が指定する外部評価機関に、手数料を支払ってサービス評価を受ける仕組みということでございます。
 42枚目、先ほども検証の話が出ておりましたけれども、運営推進会議と外部評価への統合への意見ということで、改定検証の結果でございます。右側でございますけれども、運営推進会議と外部評価を統合すべきという事業所が46.9%、統合すべきでないという事業所が50.1%で、半々という状況でございます。
 以上を踏まえまして、43枚目でございます。方向性(案)ということで、グループホームにおける運営推進会議と外部評価は、ともに第三者による評価という共通の目的を有しており、外部評価を維持した上で、グループホームについても、ほかのサービスと同様、公正・中立な立場にある第三者が出席する運営推進会議に報告して、評価を受けた上で公表する仕組みを制度的に位置づけた上で、事業所が運営推進会議と外部評価のいずれかを選択して、評価を受ける仕組みとしてはどうかという御提案でございます。
 続きまして、資料5、小規模多機能型居宅介護の報酬・基準についてでございます。
 これまでの御意見、地方分権の御提案、さらには事業者団体からの御要望を1枚目、2枚目に明記させていただいてございます。
 3枚目でございます。論点1ということで、地域包括ケアシステムの構築に向けて、在宅生活を支援するためのサービス充実を図ることが重要であります。特にということで、小多機につきましては、地域密着型サービスのさらなる機能強化等を図るという観点から重要ということでございます。
 これを踏まえまして、小多機について、(1)要介護度ごとの報酬の在り方について、中重度の方を対象とするという当初の位置づけと比較的軽度の方も利用しているという現状も踏まえて経営の安定化を図る観点からどのように考えるのかという論点。(2)訪問体制強化加算、こちらは区分支給限度基準額の算定に含めないということでございますけれども、訪問回数が多いと算定できるという加算でございます。この加算につきまして、訪問サービスの重要性が高まることが想定されるということでございますので、どのような対応が考えられるのかというのが2つ目の論点。(3)総合マネジメント体制強化加算につきましても、基準額の算定には含まれておらないということでございますけれども、看護職員の配置に加えまして、多様な関係機関とか地域住民との調整や交流を評価するものでございます。こういったマネジメント加算について、さらに様々な機能を発揮することを促進するという観点から、どのように考えるのかという論点でございます。
 4枚目は御参考まででございますけれども、昨年の介護保険部会におきまして取りまとめられました御意見ということで、小多機、看多機について、サービスの整備を進めるということで明示されているところでございます。
 5枚目は要介護度別の利用者でございますけれども、3~5の利用者は全体の39.0%ということでございますが、その割合は年々減少するとともに、平均要介護度も2.2と減少傾向ということでございます。
 6枚目、収支状況でございますけれども、2.8%ということでプラスでございますが、金額ベースでは13.7万円、さらに、51.8%の事業所が赤字であるということ。
 7枚目に行っていただきまして、基本報酬は左でございますけれども、赤い折れ線グラフが小多機でございますが、要介護度1・2と3~5の間で差が大きいということでございます。新規契約者は要介護度1・2が半分以上ということでございますけれども、一方で、契約終了者は要介護度3~5が55.8%ということでございます。収支状況の要因には登録者の入れ替わりがあるということで、契約終了者は特養に行かれている方が11.8%という状況になってございます。
 8枚目、訪問体制強化加算の概要でございますので、スキップさせていただきます。
 9枚目でございます。小多機における訪問サービスの実施状況ということで、左を御覧いただきますと、訪問をしていない、訪問数ゼロ回の事業所がそれなりにあるということで、一方で、右側に、400回以上というような多くの回数を訪問しているところもそれなりにあるということでございます。
 10枚目、小多機の訪問サービスの内容ということで、家事の支援と介護支援ということで様々取り組まれておりますけれども、11枚目にございますように、身体介護や生活援助にとどまらず、地域での暮らしを継続する、そういった支援もなされているということでございます。
 12枚目、総合マネジメント体制強化加算の概要でございます。
 13枚目、実際に小多機が地域への取組として何をしているのかとお聞きしましたところ、介護相談とか認知症の勉強会、啓発活動、認知症カフェ等の運営といったことが挙げられているということでございます。
 以上を踏まえまして、14枚目でございますけれども、基本報酬の在り方でございます。小多機の基本報酬につきましては、利用者の平均要介護度が減少傾向にあるということ。収支差率2.8%、金額ベースでは13.7万円、一方で51.8%、半分以上が赤字であること。その要因として、要介護度1・2と3~5の間で基本報酬の差が大きいということ。契約終了者は比較的重度の方が多い一方で、新規の方は比較的軽度者が多いという実態。利用者の入れ替わりが経営に与える影響が大きいということを踏まえて、経営の安定化を図る観点から、要介護度ごとの報酬設定のバランスを見直すことを検討してはどうかということでございます。
 15枚目、訪問体制強化加算でございます。こちらにつきましては、さらなる訪問を行う事業所を対象として、上乗せ評価の区分を新設することを検討してはどうかということでございます。具体的な要件として、延べ訪問回数がさらに200回を超える一定数以上を求めることを検討してはどうか。一方で、一定数以下の訪問につきましては、報酬を適正化することとしてはどうかということでございます。
 16枚目、総合マネジメント加算の方向性でございます。こちらにつきましても、新たな区分を新設することとしてはどうかということでございますけれども、事業所が利用者の役割を発揮する場を提供する場合には、場を提供する手間を評価する観点から検討してはどうかということでございます。
 17枚目でございます。論点2ということで、こちらも先ほどの夜間訪問と同様の図が18枚目についてございます。黄色く塗ってございますけれども、小多機、看多機は、特別地域加算、小規模事業所加算がバッテンという状況でございます。
 19枚目でございますけれども、先ほど来御説明しているとおり、小多機につきましては、訪問を含めた利用をする方が増加傾向ということでございますので、20枚目、方向性の案ということでございます。小多機、看多機につきましては、訪問を含めた利用者が増加傾向にあるということで、その移動のコストを適切に評価する観点からも、特別地域加算等の対象とすることを検討してはどうかということでございます。
 続きまして、21ページ目、論点3でございます。緊急ショートでございます。
 小多機におきまして、事業所の登録定員に空きがあること等を要件に、登録者以外の短期利用も可能になっているということで、登録者以外の緊急の宿泊ニーズに適時適切に対応できていないというようなことを踏まえて、どのような対応が考えられるのかということでございます。
 22ページ目は現在の仕組みでございますので、スキップさせていただきます。
 23ページ目でございますけれども、受入れ可能の室数が1.7室ということで、それなりの空きがあるということでございます。
 24枚目でございますけれども、泊まりの定員ということで考えますと、差引き3人分の宿泊室が実際に空いている状況でございます。
 25枚目、実利用者数が多くなるほど収支差率が高い傾向になっているというデータ。
 それを踏まえまして、26枚目でございます。検討の方向性(案)ということで、介護予防も含めた小多機の登録者以外の短期利用について、登録者の緊急時を含めた宿泊サービス提供に支障がないということを条件に、宿泊室の空きを柔軟に活用できることを検討してはどうかということでございます。看多機も同様かと考えております。
 最後に、地方分権でございます。論点4ということで、地方分権の提案として2つございます。(1)ということで、1つは小多機につきまして、運営規定に定めている登録定員を超える場合に、その定員超過が解消されるまで、利用者全員の報酬が30%減算される仕組みになってございますけれども、(1)にございます地方からの提案を踏まえまして、昨年12月に閣議決定してございます。この仕組みについて、過疎地域等において一定の条件を満たす場合に、この減算を行わない措置について検討して、令和3年度の報酬改定に向けて結論を得て、それに続いて必要な措置を講ずるというふうにされておりますけれども、どのように考えるのかというのが1つ目。
 (2)でございますけれども、令和2年の地方分権改革に関する提案におきまして、小多機について、登録定員と1人当たりの利用定員に上限が設けられているという、この基準につきまして、登録定員、利用定員、これは今、従うべき基準となってございますけれども、参酌すべき基準というふうにすることが提案されたということでありますが、どう考えるのかという論点でございます。
 28ページ目は令和元年のときの閣議決定、29ページ目はそのときの地方からの御提案の内容、30ページ目は令和2年の参酌基準にすべきという御提案のときの鳥取県の御提案と、さらに下にございますけれども、看多機についても同様にしてほしいという御提案です。
 31ページ目は、従うべき基準、標準、参酌すべき基準というものの法的効果などを整理したペーパー。32ページ目は、小多機について、これが従うべき基準になっているというのが1枚目に書いてございます。飛んでいただいて34枚目に事務局注と書いてございますけれども、看多機については、標準基準になっているというファクトを書かせていただいているということでございます。
 以上を踏まえまして、検討の方向性(案)ということでございます。
 (1)令和元年のほうの御提案につきましては、過疎地域その他の地域であって、地域の実情により事業所の効率的運営に必要であると市町村が認めた場合に、一定の期間、例えば介護保険事業計画に合わせて3年間に限って、報酬を減算しないことを検討してはどうか。看多機についても同様でございます。
 (2)でございますけれども、定員を従うべき基準から見直すことについては、地方分権改革有識者会議で、その下に主な指摘を書かせていただいてございます。こういった議論が提起されていることとか、(1)の検討状況を踏まえてどのように考えるのかという方向性を書かせていただいてございます。
 ご説明が長くなり申し訳ありません。以上でございます。
○田中分科会長 企画官、お願いします。
○栗原企画官 資料6をお願いいたします。看護小規模多機能型居宅介護についての検討の方向性でございます。
 1ページをお願いいたします。これまでの分科会における主な意見をまとめさせていただいております。上のほうからあるとおり、中重度の利用者への質の高い安定したサービスの提供に関しまして、2つ目の○ですけれども、褥瘡マネジメント、排せつ自立支援、経口摂取支援等の評価を行うべきではないか。それから、その次ですけれども、看取り期への対応として、訪問入浴介護との併用を可能としたらいいのではないかと。その次の○ですけれども、空床利用による緊急ショートステイ、柔軟な運用が可能となるよう見直したらどうかといった御意見をいただいております。そのほか関係機関等との連携強化とか、ICT活用を含む業務負担軽減についても御意見をいただいているところでございます。
 こういった御意見とか様々な状況を踏まえまして、論点を3つ設定させていただいております。2ページ、論点1でございますけれども、多職種協働による自立支援・重度化防止の取組の推進ということで、褥瘡の治癒や排せつの自立度の改善など、多職種協働による自立支援や重度化防止を一層推進する観点から、どのような対応が考えられるかとさせていただいております。
 3ページと4ページに資料をつけさせていただいておりますけれども、看多機におきまして、利用者へのケアの提供状況を見ると、排せつの援助とか褥瘡予防、それから、経口栄養の関係でのケアも提供されている。
 4ページでございますけれども、利用者の状態変化、褥瘡の治癒・改善とか排せつ行動の自立度の改善、経口摂取が可能となったというところの結果が出ているところもあります。
 5ページですけれども、特養においては、褥瘡マネジメント加算とか排せつ支援加算、栄養マネジメント加算という評価がなされているところを資料でつけさせていただいております。
 こういったことを踏まえまして、6ページでございます。論点1の検討の方向(案)ということで、看多機において、改善の効果が認められている自立支援や重度化防止のケアについて、多職種が協働して計画的に行っている場合の評価について検討してはどうかとさせていただいております。例えばということで、褥瘡の管理、排せつに関する利用者への支援、栄養状態のマネジメントの関係といったことがあるのではないかということで記載させていただいております。
 7ページをお願いいたします。論点2でございます。緊急時の宿泊ニーズへの対応の充実ということで、これは先ほど説明のあった小多機の論点3と同じ論点でございます。短期利用居宅介護費、看多機の短期利用について、事業所の登録定員に空きがあること等を要件に、登録者以外の短期利用も可能となっていまして、宿泊室に空きがあるだけでは利用できない状況がありますので、これをどうするかということでございます。
 先ほどの小多機と一緒ですので、資料をはしょらせていただきますけれども、看多機の情報が載っている資料で、11ページをお願いいたします。看多機における短期利用居宅介護の受入状況ということで、申し込まれたけれども受入れができなかった事業所が17.4%で、主な理由として泊まりの定員超過等が挙げられているというデータが出ております。
 12ページですけれども、1日当たりの平均的な空床が3.8床という計算が出ております。
 13ページは小多機と一緒ですけれども、登録者以外の短期利用について、登録者の緊急時を含めた宿泊サービス提供に支障がないことを条件に、宿泊室の空きを登録者以外の短期利用者に活用できるようにすることを検討してはどうかとさせていただいております。
 14ページをお願いいたします。3つ目の論点でございます。通所困難な利用者の入浴機会の確保ということで、看多機を利用中に訪問入浴介護のサービスを併算定することはできませんが、看取り期等で看多機への通所が困難となった状態不安定な利用者の方がいた場合に、その方の入浴の機会を、これは看多機で行われている入浴が結局、来られないので受けられないということですけれども、その入浴の機会を確保する観点から、どのような対応が考えられるかという論点にさせていただいております。
 15ページですけれども、訪問入浴の利用ができずに困った事例の経験のある看多機の事業所について、10.2%、34事例ですけれども、あるというデータも出ております。
 16ページですけれども、認知症のグループホームに関しては、併算定できないものについて、ただしということで、これは通知になりますけれども、その事業所の負担によって、そのサービスの利用に供することは差支えないという明示がされておりまして、そういうことも踏まえまして、17ページでございますけれども、グループホームの例を参考にして、訪問入浴介護の提供ルールを明確化することを検討してはどうか。費用については、看多機の事業者と訪問入浴の事業者の相互の合議に委ねることとしてはどうか。また、連携して取り組むような具体的な方策例を示していってはどうかということとさせていただいております。
 資料6は以上でございます。
○田中分科会長 では、最後に高齢者支援課長、お願いします。
○齋藤高齢者支援課長 高齢者支援課長です。
 資料7「高齢者住まいの報酬・基準について」を御覧ください。
 これまでの議論、1ページ目でございます。1ポツ目、看取りが積極的に行われ、その実績が一定以上ある事業所については、評価が必要ではないかといった御意見。
 また、5ポツ目になりますけれども、外部からの介護保険の訪問看護や訪問リハビリテーションが提供で切る仕組みを設けることでターミナルケア等の充実が図れるのではないかといった御意見。
 最後のポツになりますけれども、入居継続支援加算について、他の加算と比較しても要件の設定が不適切であり、見直す必要があるのではないかといった御意見がございました。これを踏まえて論点を3つ示させていただいております。
 まず、論点1、2ページ目です。介護付きホームにおける中重度者や看取りへの対応を充実する観点から、どのような対応が考えられるかについてです。
 現行の看取り介護加算の概要について、3ページでございます。この算定要件には、夜間看護体制加算の算定が条件となっておりまして、4ページ目、その加算についての概要も示させていただいております。
 5ページ目、人生の最終段階におけるガイドラインということで、こういった意思決定について、我々としても推進をしているところでございます。
 6ページ目を御覧ください。看取りの状況でございます。介護付きホームにおける半年間での看取りの実績は6割以上となっております。また、加算の取得という観点でいきますと、加算を取得しているところが3割である一方で、看取りを行ったにもかかわらず取得をしていないところも3割存在するという状況です。
 7ページ目、介護付きホームにおいて、看取りの希望があれば受け入れているという施設は7割以上を占めておるところでございますが、人生の最終段階における医療ケアについて、本人や家族への説明などをいつも行っているというところは5割にとどまっております。
 8ページ目を御覧ください。介護付きホームにおける看取りを受け入れられないことがある理由については、看取りを原則的に受け入れていない施設では、夜間は看護職員がいないからというのが最も多くて6割を超えておる状況でございます。
 その夜間の看護体制でございますが、9ページ目、オンコール体制となっているのが約7割でございまして、夜勤や宿直の看護職員がいるのは15%にとどまっておるというのが現状でございます。
 また、外部からの訪問看護の利用についてでございますが、10ページ目でございます。特定施設入居者介護は、看護職員の配置を求めていますので、包括報酬に含まれておりますので、原則として訪問看護等のサービスができないということになっております。ただ、一定の疾病等の場合や指示書などの交付により、医療保険の給付の対象となり訪問看護の利用が可能という状況になっております。
 11ページ目、指定訪問看護ステーションとの連携でございますが、特定施設入居者介護、真ん中にありますとおり、夜間の看護体制の加算、夜間のオンコールについての加算を認めております。一方で、特養につきましては右側でありますけれども、日中も含めた24時間における体制の確保というものに対して加算をしておる状況でございます。
 これを踏まえて、論点1の検討の方向、12ページでございます。退所者の看取り率や看取りへの取組状況についての評価、あるいは基準以上の看護職員を配置する事業所を評価するというようなことの御意見を踏まえながら、看取りへの対応を充実する観点から、看取り介護加算の在り方について検討してはどうかという点が1点目。2点目は、人生の最終段階におけるガイドラインなどに基づく取組を促進する観点から、対応を検討してはどうか。3点目、介護付きホームにおいて、一定数の看護職員を配置するということになっておるので、包括報酬に組み込まれているというところではございます。一方で、夜間看護体制加算において、指定訪問看護ステーションとの連携による夜間の看護体制を評価していると。なお、特養については、日中も含めてというようなことになっているということも踏まえながら、看護体制の充実について検討してはどうかというふうにさせていただいております。
 論点2でございます。自立支援・重度化防止の取組を進める観点から、介護付きホームにおける機能訓練の充実について、どのような対応が考えられるかというところでございます。
 14ページ目を御覧ください。機能訓練指導員について、2人未満というところが実人員では7割、常勤換算では8割となっております。機能訓練指導員の所有資格につきましては、看護師が最も多くて、看護師が兼務をしているところが多いということでございます。
 加算につきましては、個別機能訓練加算の概要を15ページにつけておりますけれども、専従の機能訓練員を1名以上配置するということになっております。また、生活機能向上連携加算が外部リハビリテーションの専門職との連携という場合を評価するもので、16ページにつけさせていただいております。
 これを踏まえて検討の方向、17ページです。介護付きホームにおいては、1名以上の機能訓練指導員を配置するということになっているので、訪問リハビリテーションサービスの併算はできないということになっておりますが、個別機能訓練加算でありますとか生活機能向上連携加算の評価が行われていることを踏まえて、機能訓練の充実について検討してはどうかというところでございます。
 論点3、18ページでございます。介護付きホームは、特養と比べて、要介護度の高い方のみならず、要介護度の低い方も受け入れているという状況がございます。そういった中で、入居継続支援加算につきましては、その取得率が極めて低調であるというようなところでございますので、これを取得するのが困難というような御意見もございます。利用者が人生の最後まで介護付きホームに住み続けられる環境の整備を促進するために、介護付きホームの入居者実態に合った適切な評価を行う観点から、どのような対応が考えられるかというところでございます。
 19ページ目は入居継続支援加算の概要でございまして、たんの吸引等を必要な者が15%以上であるという要件が示されております。
 20ページ、入居継続支援加算の取得、算定率ですけれども、1.68%となっております。
 21ページ以降が特養との比較でございますけれども、中重度者というところで要介護3~5の入居者の割合につきましては、特養が95%に比べて、介護付きホームが40.8%という状況になっております。
 また、22ページ、たんの吸引等の管理が必要とされる入居者の割合でございますけれども、特養が8.7%に対して、介護付きホームが3.7%となっております。
 また、入居継続支援加算ですけれども、利用者におけるたんの吸引等の管理を要する者の割合が15%以上いるという施設につきましては全体の9%で、10%以上ですと17%、5%以上だと33%というような状況になっておるところでございます。
 これを踏まえまして、検討の方向でございますが、24ページ、入居者が人生の最後まで介護付きホームに住み続けられる環境の整備を促進するため、介護付きホームの入居実態に合った適切な評価を行う観点から、入居継続支援加算におけるたんの吸引等を必要とする割合が利用者の15%以上という要件の緩和を検討してはどうかというところで挙げさせていただきました。
 事務局からの説明は以上です。
○田中分科会長 大変たくさん説明がありました。ありがとうございました。
 では、ただいま説明を伺った事項について、御意見、御質問があれば、お伺いいたします。なお、3時50分ぐらいでちょっと休憩を入れるつもりでいます。
 どなたからでもどうぞ。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 ありがとうございます。伊藤です。前回ちょっと長く意見を言ってしまいましたので、今回はコンパクトにいきたいと思います。
 資料2-1と2-2の「基本的な視点(案)」について、介護人材の確保、介護現場の革新というところについて意見を共通で言わせていただきたいと思います。
 この間、申し上げてきましたけれども、人材確保にはその処遇改善が一番重要だという点については、介護保険部会の昨年末の介護保険制度の見直しに関する意見でも明確に書かれておりますし、加えて「賃金制度の整備を進めることも含め」るとまで書いてあります。さらなる処遇改善を行うことが重要です。
 また、今年の社福法改正の衆議院厚生労働委員会の附帯決議でも、「賃金の改善等の必要な措置を講ずること」ということが政府に求められておりますので、資料2-2で言いますと5ページの(4)の2つ目の○のところ、「このため、介護職員の」の後に「さらなる」という言葉をぜひ入れていただきたいと思います。
それから、その2行下、3行目の介護サービスの質を確保した上でのロボットということですが、これも申し上げていますけれども、人材確保対策を損ねることがない前提でお願いしたいものですから、「人材確保対策を損ねることなく、介護サービスの質を確保した上での、ロボット…」というように、ぜひお願いしたいと思います。この点については両方とも資料2-1にもございますので、ぜひその点、記載をお願いしたいと思います。
 あと、各サービスについての意見を述べさせていただきます。定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護につきましては、まず小多機を参考にして、計画作成責任者と管理者と兼務できるとか、オペレーターや随時訪問ヘルパーは必ずしも事業所内にいなくてもよいとする案が出されています。こうした対応については、兼務によって介護要員としての稼働ができなくなるということを考えて適正に人員配置が行われるかということや、自宅待機時の賃金がきちんと夜勤手当を含めて確実に払われるかといったような点で懸念がありますので、そういったところをしっかりと担保していく必要があると思います。
 次に、認知症グループホームについては、論点4、資料29ページですが、2ユニット1人夜勤という形にすることについては、やはり利用者の安心と職員の負担を考えて、ぜひ現行のとおりとしていただきたいと思います。以前も言いましたけれども、むしろほかのサービスの配置基準を厚くすべきであって、低きに合わせるというのは非常に問題があると思います。
 小多機につきまして、論点1、資料14ページですけれども、要介護度別の基本報酬の差を縮小していくというような示唆がありますが、逆に言うと、要介護度の低い利用者にただ高いだけのサービスというように認識されてしまわないように、サービスの内容を適切に説明されることが重要だと思います。
 また、地方分権の提案ですけれども、小多機の定員については「従うべき基準」から「参酌すべき基準」に見直すという点については、十分慎重に検討する必要があると思います。厚労大臣の答弁のそんなに古くないものですけれども、「高齢者の一定水準以上の処遇と生活の質を確保するために最低限不可欠な人員配置基準、居室面積基準、人権に直結する運営基準に限っては、例外的に全国一律の最低基準を維持しており、各自治体の裁量を認めるべきではない」と、従うべき基準から参酌基準にすることは適当ではないと明確に言っていますので、ぜひそのような観点から十分慎重に検討していただきたいと思います。
 最後です。小多機と看多機の空き室利用につきましては、登録者の利用が阻害されないようにいかにそれを担保していくのか、それができるのかというところが十分検討していくポイントだと思います。
 以上です。
○田中分科会長 テーマを絞っての発言、ありがとうございました。
 鎌田委員、お願いします。
○鎌田委員 ありがとうございます。認知症の人と家族の会の鎌田です。
 資料1-3の訪問介護における平成30年度介護報酬改定の影響に関する調査研究事業のところですけれども、訪問介護事業所の有効回収率が27.1%というのはとても低い回答だと思っています。また、訪問介護調査では利用者票が設けられ、回収率は分からないものの、一定の回答があります。一部紹介がありますが、全体的な概要を提示していただきたいと思います。速報値ということは承知してですが、報酬改定を議論する資料としては、あまりにも不足する内容であることをお伝えしたいと思います。
 7ページには、生活援助従事者、研修修了者の活用状況で、要介護1が45%を占めています。この要介護1には何とか独りで暮らす認知症の人が多くいます。認知症高齢者自立度では、自立が60%ということは、40%が認知機能の低下がうかがえる人たちが利用しているということです。利用者の満足度では9割が満足で、研修修了者の方々はよくしてくださっているということでしょうが、認知機能の低下での生活の支障や予兆を早く発見するには、ここにこそ専門的なケアができる初任者研修以上の資格者にお願いをしたいです。ヘルパーさんは1人で訪問し、いろいろなことを1人で判断しなくてはいけないことが多いです。59時間の研修では難しいことも多いと考えます。生活支援従事者研修修了者の方は、多くの専門職もいる施設系で従事していただけると、専門性が必要な介護は介護福祉士さんなどで、施設での掃除や洗濯など生活周辺の援助はこの生活支援従事者研修修了者の方でお願いできると、生活全体の介護の充実が図られ、介護福祉士さんが忙しく手が回らないところに手が届き、私たち家族もより安心です。
 また、今回の資料に自立生活支援のための見守り的援助や生活機能向上連携加算は認知症の人にとってできることを支える援助としてとても重要な内容ですが、取得率が大変に低いです。これまでも何度もこの分科会でも議論されてきましたが、取得率向上のための方策の検討が必要です。
 また、訪問介護ではサービスを生活援助と身体介護に分けていますが、生活援助の中には見守り介護も多く存在しています。私も、母の介護では生活援助の中での見守りで、認知症状の進行や精神の不安定さを早く見つけていただき、手だてができました。身体介護と言ってもいいと思います。分けるのではなく、訪問介護のサービス内容を見守りも含め、身体と生活介護を一本化したサービスがよいと考えます。今後の検討をしていただきたいです。
 今後さらに増えていく認知症への早期発見の対応が、この一本化によって、もっと充実できるのではないかと思っています。
 再度申し上げますけれども、訪問介護サービスは初任者研修以上の有資格者が担い、サービスは生活と身体の介護を分けず、一本化したサービスが認知症の人が安定して暮らすためにも必要と考えます。
 次に、グループホームについてですが、夜勤職員の2ユニット1名の体制について、今回、現在のような変更となった経過も含め、資料を提示されています。27ページでは、ほかの入所系施設では2ユニット1名での夜勤体制で、29ページには手厚い配置となっていることが明記されています。認知症の人だけが入手できるのがグループホームです。要介護1・2など、まだまだ行動的な人も多く入所していますので、ほかの施設との違いがあります。また、最近は看取りまで行う事業所も増え、終生なじみの職員と過ごすことができる安住の場です。夜も含めて安心して暮らし続けるためには、現在の配置基準の維持をお願いしたいものです。
 最後ですけれども、人材の確保。介護ロボットやICTの活用では、その機器の購入や介護に慣れるまでの助走期間があると思います。前回のところでも看護協会の齋藤様とかがおっしゃっていたと思います。私たちも新しい機器に慣れるまでには時間を要します。有効で効果的な機器も多くあるでしょうから、その導入を介護報酬や少人数の人員加配という加算ではなく、今後の介護人材不足の予測も見据えて、国の予算で導入が進むようにしていただけたらと考えます。
 また、機器が導入されますと、例えば夜間の見守り機器で見守られているのは人であること。リフトで移動するのは要介護の重度の人であるという、人がその中心にいての介護ロボットやICT機器です。人をICTとともに介護している、ロボットと一緒に介護しているということを忘れない人材教育も併せてお願いをします。リフトで妻が運ばれているのを見た夫が、うちの家内を荷物のように扱うな、不安な顔で泣きそうではないかと怒鳴った方がいたことを聞いています。機器はあくまで補助道具で、介護士さんの代わりではないということを申し上げたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 幾つかの論点をありがとうございました。
 先ほど手を挙げていらしたのは大西委員、河本委員ですかね。ほかの方も順番に当てますので、御心配なく。
○大西委員 ありがとうございます。
 まず、資料1の調査結果について、資料1-4の8ページでございますけれども、医療保険制度が改正以降、療養病床から介護保険施設等への転換が進められておりますけれども、図表26にございますように、その調査結果を見ますと、依然として90%以上が2023年の時点においても医療療養病床として運営していく予定と回答しておるところでございます。そうなりますと、第8期の計画期間中においては、介護保険財政への影響はそれほど大きくないというような調査結果かなと思っておりますが、一方でその中の図表25におきまして、2023年時点におきましても介護療養型医療施設がそのまま残ると回答しているのが23.7%でございます。これがどうなるのかというのが一抹の不安が残るところでございます。
 いずれにしても、これまでも言ってきておりますように、介護医療院へ移行するということになりますと、介護保険財政の負担が非常に重くなるということでございますので、我々保険者といたしまして、部会のほうでも議論があろうかと思いますが、意図しないような移行が大きく発生せずに、円滑に移行が進むような対応策を立てていく必要があるのではないかということでございます。意見でございます。
 2点目でございます。資料2-1でございます。分野横断的なテーマにおける議論等を踏まえまして、報酬改定に当たっての基本認識や基本的な視点をまとめていただいているということで、感謝申し上げたいと存じます。特に感染症や災害への対応力強化ということで新たな項目を追加して、基本認識におきましても、利用者に対して必要なサービスが安定的・継続的に提供されることが重要であると整理をしていただいております。
 現在、コロナ禍におきまして、新型コロナウイルス感染症対策を行う介護サービス事業所における感染症対策の手間を評価するという観点から、特例措置を設ける等で対応していただいておるというのはありがたいところでございます。しかしながら、今回の特例措置によりまして、サービス利用者には実際のサービス利用以上の利用負担が発生しておりまして、特に区分支給限度基準額を超えたような場合には、10割負担を強いられることになっております。今日の論点に直接は該当しませんけれども、国におきましては、利用者がこのような大きな不利益をこうむることがないように、この特例措置について何らかの改善をしていただきたいと思っておりますし、必要な感染症対策の経費等について、介護サービス事業所に対して財政的支援の実施といったものを充実させていただきたいと思っております。
 次に3点目でございます。資料5になります。地方分権改革に関する提案募集でございます。先ほど伊藤委員のほうからもお話がございましたけれども、地方のほうから今回、小規模多機能型居宅介護につきまして、登録定員や利用定員を従うべき基準から参酌すべき基準とすることが提案されておるところでございます。我々保険者といたしまして、サービスの質の確保というのは大前提ではございます。それを最優先しながら、地域の実情、特にサービスを必要とする高齢者一人一人の状況に応じて、現場や利用者に最も望ましい形で、きめ細やかな運営が行われるよう努めているところでございますし、それが責務であるとも考えております。
 ただ、どうしても過疎地域におきましては、ある一定程度条件に制約もございますし、高齢者の数も一定程度限られるものでございまして、一定期間におきまして暫定的に定数を超えた場合もあり得るということで、それを使用しないことには地域の介護が確保できないということでございまして、そのときに減算を行わないでありますとか、あるいはそもそも利用定員等が、国の基準を参考にしながら、独自にある程度余裕を持って決められるとするというようなことはぜひとも地方自治の観点から行っていただきたいと思っております。
 今回の提案の実現によりまして、過疎地域等の現実の状況や利用ニーズに応じることができるということで、実際に現場はかなりいろいろ困っている状況もあるということでございますので、そのような切実な課題解決に資するといった今回の提案をぜひとも積極的に検討していただきたいと思っております。
 最後に4点目、資料7でございます。介護付きホームにつきましての機能訓練等のお話でございます。資料7の21ページにございますが、介護付きホームにつきましては、認定なしから要介護5までの幅広い入居者が利用しておるということでございますけれども、そのうち約50%は要支援1から要介護2までの軽度者が占めているところでございます。したがいまして、この介護付きホームにおきまして、機能訓練の充実を図るといったことは非常に自立支援、重度化防止の取組を進める観点から重要であると考えております。
 しかしながら、同じ資料7の20ページにございますように、入居者個人に計画的に機能訓練を実施した場合について評価する個別機能訓練加算を算定しているとした事業所は約25%にとどまっております。また、外部のリハビリテーション専門職等と連携した場合について評価をいたします生活機能向上連携加算につきましては、加算(I)・(II)を合わせても約6%と非常に低いところにとどまっております。機能訓練が充実しているとは言いがたい現状にあろうかと思っております。
 したがいまして、この介護付きホームにおいて、機能訓練の充実を図るといったことは重要な課題であると思っておりまして、その中で、例えば外部のリハビリテーション専門職等とのマッチングをより活発に行うでありますとか、あるいは個別機能訓練計画書の参考様式や記載に当たっての具体例などを国が示していただく。そういった支援策を検討すべきではないかと思っておるところでございます。
 以上でございます。
○田中分科会長 4つの論点をありがとうございました。
 では、河本委員、お願いします。
○河本委員 ありがとうございます。
 まず、基本的な視点の案でございますが、これについては、これまでの議論を踏まえたものになっていると思いますが、第5の視点であります制度の安定性・持続可能性の確保、ここについては介護給付費が増加していく中で、これ以上現役世代の負担が増大していくことを抑止するとか、あるいは限られた財源の中で給付と負担の見直し、適正化・重点化を図っていく。そういった趣旨をもう少し強調していただければと思います。
 それから、個別テーマでございますが、まず定期巡回・随時対応型訪問看護の関係でございます。論点1と2、人員配置の明確化とか基準の緩和のところについては、サービス提供に支障がないということを前提に、要件の明確化、基準の緩和は進めてもよいのではないかと思います。
 また、論点4、離島や中山間地域のサービスの関係でございますが、これも他の訪問系サービスと同様に加算の対象にしてもよいのではないかと考えます。
 それから、論点3の夜間対応型訪問介護の報酬の在り方ですが、これについてはいわゆる基本分、オペレーションサービスの部分のみの算定が多いという状況を考えれば、出来高部分、訪問サービスの部分を引き上げて、基本部分を引き下げるといったメリハリをつけることは賛成でございます。ただ、これは以前にも申し上げましたけれども、夜間対応のサービスは重要だと思いますが、利用者数が減少しているとか、あるいは少ないという状況を考えれば、報酬体系の簡素化という観点から、1つのサービス形態とするのではなくて、他のサービスとの集約化とか、例えば定期巡回・随時対応型訪問介護看護に組み込むなど、そういったこともあり得るのではないかと思います。
 次に、認知症対応型共同生活介護、グループホームの関係でございますが、論点1の緊急時の短期利用、論点3のユニット数の弾力化とかサテライト型事業所の創設については、利用者が今後も増加をしていくということや待機者がいるということ。また、サービス提供等に支障が生じないということであれば、進めてよいのではないかと考えます。
 一方で、論点2の医療連携体制加算につきましては、加算が上位区分になるほど医療ニーズに対応できるという状況は理解しておりますが、加算(II)・(III)を取得しない理由・課題として、看護師の確保が困難とか、あるいは受入要件に該当する入居者がいないというようなことも言われている状況の中では、どのような他の医療ケアまで拡大していくかというのは慎重な検討が必要と考えます。
 それから、論点4の夜勤職員の話ですが、これは資料にあるように、1人以上の夜勤配置を求める事業所が7割、8割あるという状況を踏まえると、これは慎重な検討が必要かと思います。
 論点5の計画作成担当者の話ですが、この担当件数も緩和することはいいと思うのですが、いきなり最大3ユニットということではなくて、まず、2ユニットにして効果検証するなど、段階を踏んだ対応が必要ではないかと思います。
 それから、3点目、小多機の話ですが、論点1のところで基本報酬の在り方として、要介護1・2と3~5の間で差が大きいために、要介護度ごとの報酬設定のバランスを見直すことも掲げられておりますが、そういうことであれば、要介護1・2を上げて3~5を下げるとか、そういった財政中立的な見直しを図るべきだというふうに思います。
 同様に、訪問体制強化加算、総合マネジメント加算についても、上乗せ評価の区分を新設するのであれば、検討の方向の案にあるように、訪問回数が一定数以下の事業所の報酬を下げるとか、現行の単位数を見直すということもしっかりやっていただきたいと思います。
 それから、論点2の特別地域加算につきましては、訪問を含めた利用者の増加傾向も踏まえて、加算の対象としてもよいのではないかと思います。
 また、論点3の宿泊室の空きの柔軟な活用、これも宿泊サービスの提供に支障が出ないということを条件に、緩和してもよいと考えます。
 それから、定員を従うべき基準から、標準や参酌すべき基準に見直すというところでございますが、これは基準設定を引き下げることのメリットとかデメリットをもう少し分かりやすく示していただきたいと思います。
 看多機については、論点1、多職種協働のところですが、改善効果が認められる自立支援とか重度化防止の件については、強化加算を新設することには反対しませんが、アウトカム評価によるものにすべきというふうに思います。
 最後に、高齢者の住まいのところでございますけれども、入居継続支援加算について、入居者の実態を踏まえて、たんの吸引等を必要とする割合が利用者の15%以上、仮にこの要件を緩和するということであれば、それは併せて単位数の見直しも行うべきだと思います。
 以上です。
○田中分科会長 各論点についての御意見をありがとうございました。
 小玉委員、石田委員、小泉委員、そこで休憩を取ります。
○小玉委員 田中分科会長、ありがとうございます。
 私からは、1つ意見と1つ要望を述べさせていただきたいと思います。
 まず、資料2-1でございます。5つの基本的な視点が示されてございますけれども、その中のマル3、自立支援・重度化防止の取組の推進で1つ目のポチにリハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化というところを挙げていただきまして、そういったところをぜひ進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 もう一つは、資料6の看護小規模多機能型居住介護についてでございます。2ページ目の論点1には、自立度の改善など多職種協働による自立支援や重度化防止を一層推進する観点から、どのような対応が考えられるかということを示されてございます。
 3ページ目、4ページ目には、看多機でのケアの提供状況、自立支援・重度化防止の状況が示されてございますけれども、3ページ目のケアの提供状況の少し下のところには口腔ケアが64.3%、一方、経口栄養に向けたリハビリテーションは4.4%となってございます。
 4ページ目の左側にも経口摂取を進めるためのケアを継続的に提供でき経口摂取が可能となったというところで43.7%。一方、右側の看多機サービスによる利用者の状態変化では、経口摂取が可能となったところは5.3%という数字が示されてございます。この看護小規模多機能型居宅介護におけるデータは非常に興味深く、また、施設の職員の皆様方の御尽力に心より敬意を表したいと思います。
 一方、やはり経口摂取というところに向けての実際の取組がどのように行われているのか。また、その内容でありますとか利用者様の背景、医師、歯科医師などほかの専門職の関わり方が見えてこないかなというところがございます。
 6ページの検討の方向(案)も示されてございますけれども、いろいろな効果の改善が認められる自立支援や重度化防止のケアを多職種が協働して計画的に行っていくための施策といたしましては、今のそれぞれの看多機の皆様のデータの中から、サービスの提供内容とどのような連携が図られたら効果的なのかというところをぜひ分析していただいて、例えばこの6ページの検討の方向(案)の中に、利用者の口腔状態のマネジメントに基づく栄養改善・維持の取組というところの評価への検討をぜひ進めていただければ、介護保険施設等で提供されている経口移行、経口維持というところが進んで、この論点に資する結果をぜひ出していただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。ありがとうございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 石田委員、どうぞ。
○石田委員 よろしくお願いいたします。
 私のほうからは、調査研究の報告に関してとサービスについて、4点ほどお話ししたいと思います。
 まず、平成30年度の介護報酬改定の影響に関する調査研究事業で、資料1-2にあります福祉用具の価格適正化というか、これは上限設定ということについて。この結果を見ますと、実際に価格を見直して下げている事業所が大変多いというところと、それでもやはりサービスの質は下がっていない。利用者にしてみれば満足度は高いとなっています。ただ、実際には利用者規模が小さいところはどうしても価格を下げることは難しいという実態もありながら、事業所の努力の成果が大きく反映されているのかなと理解いたしました。
 同じように、これは資料1-3ですけれども、同一建物居住者のサービス提供という訪問介護のところにつきましても、人数が多くなったら減算という形で設定されたところではありますけれども、その内容については、サービスの質は変わらないとか、むしろ上がっているという評価もあり、満足度も大変高いというようなこともあって、これらについては前回の報酬改定の中で各事業所が大変努力をされて、その結果を上げているというところはしっかり確認したいなと思っております。
 ただ、その中で、資料1-3なのですけれども、訪問介護のところで特定事業所加算の件があります。この算定状況のところで、実は算定要件をちゃんと満たしているけれども算定していないという事業所が結構たくさんあるということが調査で分かっております。加算(I)については19.5%、加算(II)においては34.5%の事業所が加算を算定していないという結果で、これは非常に問題ではないかなと思っています。特定事業所加算そのものについては、介護の質であったりサービスの中身を見るときに非常に分かりやすい指標であると思います。それでも要件をちゃんとクリアしているのに算定できない事情が多々あるということです。利用者の負担が増えてしまうこととか区分支給限度額を超えてしまうということなど、やはりこれは加算というものの内容と現場の実態に齟齬が生じている現れと思うので、ここはもう少ししっかり精査して、事業者の方に本当にプラスになる加算というのを考えていく必要があるのではないかなと感じました。
 最後に、サービスのことなのですけれども、本当にそれぞれ一つ一ついろいろ論点があって多過ぎるので1つだけ申し上げます。資料5の小規模多機能のところにおいて、ここで小規模多機能の半数以上は経営が赤字であるとなっております。その理由については、新規の契約者は比較的介護度が低いけれども、終了する方たちにおいては重くなってそこをやめて、ほかに移られてしまうということで、資料にもありましたけれども、要介護1と3の報酬差が月に1万1793あるとのことです。これだけの大きな差が出てくる点について提案には「基本報酬の設定バランスをもう一回見直す必要があるのではないか」というのがありました。これは大変重要なところだと思うので、ここについてはやはり見直しを考えていく必要があると考えました。
 もう一つ、訪問体制の強化加算というところです。やはり今後、小多機の中で訪問が増えていくという傾向はあるのですが、ただ、訪問がない、もしくは訪問が一定数に達していないところについては減算の方向を考えるかどうかというような提案があったように思うのですけれども、ここについてはもう少し、訪問をしない理由とかそういったところが明らかにされた上で検討していく必要があるのではないかと考えます。
 あと、そのほかの小多機においての例えば地域、中山間地においての加算とか、空きの活用というようなことの提案については、ぜひともこれは柔軟な方法で、利用者にとってメリットがある使い勝手のいい形にしていく提案は賛成したいと考えております。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、前半の最後に、小泉委員、お願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。全国老人福祉施設協議会でございます。
 まず、定期巡回・随時対応型訪問看護、夜間対応型訪問介護についてでございますけれども、先ほど河本委員からも出たところでございますが、夜間対応型を定期巡回・随時対応型訪問介護に組み込む方向性につきましては、単位数がかえって高くなってしまうことや、ほかのサービスの回数を減らさざるを得なくなること等の弊害や利便性と機能に差がありますので、慎重に考慮すべきではないかと考えます。
 そして、論点3、報酬の在り方についてですが、月に1度のコールもない利用者もいるということで、その場合にサービス提供体制加算が算定できなくなる結果、特定処遇改善加算の(I)も算定できなくなってしまう実態がありますので、対応の見直しが必要と考えます。
 次に、認知症対応型共同生活介護でございますが、まず論点1につきまして、在宅支援機能の強化ということで、短期入所について、ユニット数にかかわらず1事業所1名までとなっている人数要件は、1ユニット1名までと見直すべきと考えます。
 論点3でございますが、サテライト型事業所の創設については、グループホームのような小規模な事業所でサテライトを実施して人材の有効活用やサービスの向上につながらないのではないかと考えます。100%反対というわけではございませんが、どういうケースを考慮しているのかがイメージできません。柔軟な対応が必要とは思いますが、複雑になるだけではないかと考えます。
 論点4ですけれども、人材の有効活用についてですが、夜勤者の人数については、先ほどお二人の方から御意見がありましたが、メリット、デメリットが存在します。2ユニット1人夜勤で以前はよかったわけですけれども、人材確保が厳しくて、こうせざるを得ないような実態もあるということで、やむを得ず認めるというようなことになった場合には、労力を投入した事業所、1ユニット1夜勤者の配置をしているところには加算等で対応してはどうかと考えます。
 論点5ですけれども、グループホームにおいては介護支援専門員の雇用は非常に困難であるとともに、有資格者を多数採用すると収支に大きく影響するため、最大3ユニット分まで兼務を可能とするべきと考えます。
 論点6、人材の有効活用ですけれども、認知症対応型共同生活介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護の管理者につきましては、一定の研修の修了者であり、研修の実施時期が自治体により決定されるため、交代時の研修受講の猶予措置を講じるべきであると考えます。
 そして、グループホームについて、質問ですけれども、運営推進会議と外部評価については、選択して評価を受ける仕組みということですが、具体的にはどういうイメージなのでしょうか。運営推進会議のみで外部評価を行わないとか、外部評価を行えば当該年度は運営推進会議は不要というような意味なのでしょうか。そういう意味であれば、実施をすれば経費の節約にもなるし、いいかなと思うわけでございますが、教えていただけたらと思います。
 小規模多機能型居宅介護について、3点ほど申し上げさせていただきたいと思います。
 まず、論点1でございますが、小規模多機能型居宅介護の機能強化等のところで、収益率が2.8%であったり、赤字事業所が51.8%という現状からすると、7ページの基本報酬の傾斜を緩やかにする等の対応を行う必要があると考えます。軽度者中心のサービスを小規模多機能居型宅介護が担い、中重度者は特養等が担うという機能分化を行い、現状に即したサービス提供とするべきと考えます。
 総合マネジメント体制強化加算につきましては、13ページに役割発揮の場の有無による要介護度改善の違いが示されていますが、要介護度改善はあくまで副産物であって、役割発揮の場面や本人が望む生活、自立生活が実現されているかどうかに着目すべきと考えます。
 重要なのは本人の意思を尊重した生活が送れているのか、そして、それに寄り添った支援やケアが提供されているのかであり、そのため要介護度が改善したかどうかで加算するのではなく、あくまで役割発揮の場面を提供する、その取組自体を評価すべきと考えます。
 また、事業所が役割発揮の場を提供する手間を評価するのであれば、小規模多機能にかかわらず、訪問介護、通所介護、短期入所事業所、それぞれそのような場を提供していますので、その支援については同様に何らかの評価を検討すべきと考えます。
 最後に、高齢者の住まい、特定施設入居者生活介護でございますが、論点1、中重度者や看取りへの対応の充実というところで、ACPの充実の観点から、特定施設入居者生活介護においても看護体制加算の設定。常勤の看護師の雇用や基準以上の配置を行った場合には加算等で対応すべきと考えます。看護体制加算の充実に見合うだけの加算等の配慮が必要と考えられます。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、質問にお答えください。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
 グループホームの運営推進会議と外部評価についてのお尋ねでございました。グループホームにつきましては、繰り返しになりますけれども、運営推進会議における評価と外部評価がございます。外部評価というのは、都道府県が指定する外部評価機関に手数料を払ってサービスを評価する仕組みでございますけれども、これを両方やらなければならないという現状にあるわけです。こちらにつきまして、統合すべきという御意見と、統合すべきではないという御意見、それぞれ半分あるという現状を踏まえて、最後、43ページ目に書かせていただきましたとおり、二重にやるということについてはどうなのかという観点から、運営推進会議においてきちんと制度として評価を位置づけるということ。つまり、まずは自己評価を行いまして、さらに公正中立な立場にある第三者が出席する、この運営推進会議に報告して、評価を受けて公表するという仕組みを制度的に位置づけた場合には、外部評価は行わないという選択肢もあり得ますし、両方やりたいということであれば両方やるという選択肢もございます。
 一方で、外部評価だけでいいということであれば、運営推進会議における評価はやらないという、そういった選択肢もあり得るということで考えているところでございます。御提案では、そういったことを考えているということでございます。
○田中分科会長 まだ決まったわけではなく、そういう提案をしてみたということですね。
 小泉委員、よろしゅうございますか。
 それでは、ずっと3時間座っていると疲れるというか、論旨がはっきりしなくなりますので、ここでちょっと頭のリフレッシュを行いましょう。5分程度ですね。16時5分まで休憩を取ります。
 
(休  憩)
 
○田中分科会長 では、再開いたします。
 先ほど間利子参考人が手を挙げていらっしゃいましたね。それから、今、堀田委員の手が挙がりましたので、お願いします。間利子参考人、どうぞ。
○間利子参考人 ありがとうございます。
 私からはまず、議題1の調査結果について、資料1-3の8ページ以降で訪問介護の回数が多い利用者への対応状況の調査結果をまとめていただいています。8月の分科会で訪問介護を議論したときに提示のあったデータでは、今回の見直しが実際にケアプランの見直しにつながったりですとか、一定の効果があったというデータも示されていたかと思います。今回御提示いただいている資料は、どちらかというと見直しに関する課題を中心に取り上げられているように見受けられますので、今後議論していただく際には、双方バランスを持ってデータを提示いただければというところが1点でございます。
 続いて、基本的な視点のところで何点か御意見申し上げたいと思います。特に資料2-2の4ページ以降の基本的な視点のところでございますけれども、まず、感染症や災害への対応力の強化というところで、取組の推進という重要性は我々も十分理解しております。これまでの議論でも我々から、公費と介護報酬の役割分担をきちんと踏まえて対応すべきだと申し上げておりますので、ぜひその点は明記していただければと思っております。
 続きまして、(3)の自立支援のところですけれども、ストラクチャー・プロセス、アウトカムの評価をバランスよく組み合わせながらというような表記になっております。政府の改革工程表などでもアウトカム評価の重要性を強調していますので、ここでももう少しアウトカム評価を重視するような書きぶりを工夫いただければと思っております。
 (4)の介護人材の確保のところですけれども、例えば3ページのほうでも、既に介護報酬において累次にわたる処遇改善を行ってきたとの記述がございますがこうした報酬上の対応について、4ページの部分で特に効果の検証が必要であるというところをしっかり明記いただきたいということが1つ。また、処遇改善そのものについての重要性というのも認識はしていますけれども、これまでも報酬上の加算対応ありきではないということを常々強調させていただいております。様々な施策が処遇改善に当たっては考えられるかと思いますので、「このため、介護職員の処遇改善」となっている文章を、「このため、介護職員の処遇改善に向けた環境整備」といったような表現に改めていただければと思っております。
 それから、その下にロボットの関係の記述がありますけれども、これは6月1日の分科会でも様々な効果が調査結果として報告されていますので、そういった効果があるというような部分も、記載していただければと思っております。
 最後、制度の安定性・持続可能性の部分ですけれども、これは先ほど河本委員からも、適正化ですとかそういった視点を記載すべきだと思っているという御発言がありましたけれども、我々もその点に賛成でございます。
 また、この部分の関連では、平成30年度改定の審議報告の基本認識で、例えば適正化の関連で経済成長ですとか財政健全化の観点というような記載もありましたので、併せてそういった視点での記載も検討いただきたいというところが一つ。
 それから、この項目の関連で前回も発言をさせていただいたのですけれども、介護事業の生産性の向上などの視点からすると、経営の大規模化というのが重要な論点になろうかと我々は思っておりますので、ぜひここの項目でそういったことを記載いただければと思います。
 これはもちろん制度の安定性だけではなくて、例えば人材確保という意味でも、経営の大規模化というのは結構重要だと思いますので、制度の安定性・持続可能性の確保、もしくは人材確保のところでそういったような視点を加えていただくことができるのかなと思っておりますので、御検討いただければと思います。
 続きまして、個別サービスの部分でございます。定期巡回のところですけれども、ここは例えば9ページ目で一部委託という話がありまして、この辺はもしコストが効率化されるのであれば、それを介護報酬にも反映することができるのかなと思いますし、14ページ目の定額と出来高のめり張りづけの方向性はよいと思いますけれども、見直しによって出来高の部分がかえって回数が増えないような、そういった工夫も必要なのかなと思っております。
 それから、17ページ目の離島や中山間地域の対応ですけれども、これも対応の必要性は理解しております。ただ、ここの定期巡回に限らず、離島や中山間地域全般の対応について言えるかと思うのですけれども、もしかしたらより根本的な対応、場合によっては保険によらないような対応も含めて、将来の対応の方向性を検討していく時期にそろそろあるのではないかなと思っております。
 それから、認知症のグループホームのところですけれども、21ページ目にサテライト化ですとか大規模化という視点がございまして、これは先ほど申し上げましたように、まさに我々はこういったものが必要だと思っておりますので、グループホームに限らず、他のサービスでもこういった視点で検討を進めていただければと思っております。
 それから、小多機のところでございますが、ここで例えば14ページ目に提案されている報酬設定のバランスの見直しで、強く反対するものではないのですけれども、見直すことによってかえってサービスを必要とする方の負担が増えることによって、利用の妨げにならないのかなというのを若干危惧しております。もともと小多機というのは、我々の理解では、様々なサービスを提供することによって地域包括ケアの中心を担っていくような部分が期待されています。こうした中で、なかなかサービスの利用が進んでいかない。前回ここの小多機を議論した際にも、例えば保険者の見込み量よりも利用実績が少ないという資料があり、この理由として利用者の少なさを指摘するような回答結果があったと思うのですけれども、こういった状況を考えますと、報酬上の対応というよりも、むしろなぜ地域の中で利用者が少ないのかというそもそも論、そういった背景をより精緻に分析して、もっと根本的な対応、そのニーズも含めて検討していく必要があるのかなと思っております。
 最後ですけれども、小多機の部分で16枚目のところですけれども、もし上位区分ということであれば、単に手間の評価ということだけではなくて、少しアウトカム的な要素を評価していくということもあり得るのではないかと思っております。
 私からは以上です。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 ありがとうございます。
 まず、基本的な視点のところで2点申し上げたいと思います。
 1点目なのですけれども、マル2のところで地域包括ケアシステムの推進というふうに書かれているのですけれども、さらに地域共生社会の実現というところも削らないで置いておいていただければありがたいなと思います。ちょうど来年度以降、重層的支援体制整備も行われようとしているところですし、改めてこの高齢、障害、子供、生活困窮などを属性問わず相談地域づくりの実施体制をということが動いているときでもありますので、地域共生ということをぜひ明記していただければなと思っています。
 それから、マル5に関連して、これは今度の視点とするには早いと思うのですけれども、報酬体系の簡素化というのは明記してくださっているのですが、事業そのものを統合したり整理していったりということも必要に応じて検討したほうがいいのではないかと、このマル5の制度の安定性、持続可能性の確保に関連してはこれまでも議論があったように思っております。審議報告の今後の課題といった形でも結構かと思いますので、今後に向けての宿題としては、ぜひ残しておいていただければなと思っています。
 もう一つは資料5の小規模多機能についてということになります。これまでいろいろな委員がそれぞれおっしゃっているところだと思うのですけれども、論点1のところです。やはりこの地域包括ケアシステムの推進という意味合いでも、それから、地域共生の観点からの拠点機能という意味でも、これからますます小規模多機能への期待も発揮している役割も高まっていくところがより期待されるなと思っています。そのときに、早めに出会って在宅の限界点を高めていくという観点からも、ほかの包括型の報酬のものと比べても、要介護1と2がぐっと低くなっているというところは、全体のバランスとして見直すという時期に来ているのではないかと思っています。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 東委員、それから椎木委員、亀井委員、今井委員、水町参考人、順番に行きます。東委員、お願いします。
○東委員 ありがとうございます。全老健の東でございます。
 まず、平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の結果【速報版】について御意見を申し上げます。
 資料1-4「(4)医療提供を目的とした介護保険施設等のサービス提供実態及び介護医療院等への移行に関する調査研究事業(速報値)(案)」の10ページから老健施設について記載がございます。12ページをご覧ください。前回の改定で老健施設の施設類型が3類型から5類型になりました。3類型の時の従来型、加算型、在宅強化型のいずれもが、2018年、2019年にかけてより機能の高い老健施設へと推移していることがこの表で分かると思います。その結果、10ページの図表31「報酬上の区分」を見て頂きますと、機能が高いと言われている加算型以上の老健施設が約70%まで増えております。現場の老健施設は機能を高めるために努力をしておりますので、是非評価していただきたいと思います。
 11ページには、とりわけリハビリについての調査結果がでております。図表37「リハビリテーションマネジメント」につきましても、9割以上の老健施設で行われているということが記載されております。
 それから、図表39「リハビリテーション会議」でございますが、これも84.1%の施設がやっている。さらに、右上の図表40「リハビリテーション会議の参加者」を見ていただきますと、ほぼ全ての職種が入ってございます。つまり、このリハビリテーション会議は独立して行われているわけではなく、ケアカンファレンス等で多職種協働の一環としてきちんとリハビリも議論をされているというふうに考えているところでございます。
 次に、資料3「定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護の報酬・基準について」は、他の委員からも御意見が出ておりましたが、やはり将来的にはこの両者を統合する方向で検討すべきではないかと思っております。
 次に、資料4「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の報酬・基準について」、1点だけ御意見を申し上げます。4ページに緊急時短期利用の比較の表があり、7ページにも検討の方向案が出ております。老健施設においても緊急に短期入所療養介護で受け入れるという概念(緊急時短期入所受入加算)がありますが、認知症の方の在宅介護を支援する意味で、グループホームでもこういうことを担っていただくというのは、今後大変重要になってくると思います。従って、(看護)小規模多機能型居宅介護と部屋や日数の要件を横並びでそろえておくということは大変重要なことだと考えております。
 最後に、資料6「看護小規模多機能居宅介護の報酬・基準について」、一言申し上げます。6ページの「多職種協働による自立支援・重度化防止の取組の推進」の検討の方向案のところに、例ではございますが、「褥瘡の発生予防のための管理」と記載されております。しかし、そもそも褥瘡の発生予防というのはどのサービス類型でも、どの施設でも当たり前に行われているのではないでしょうか。ですので、発生予防というよりは、褥瘡がもしできた場合に、その管理、マネジメントをきちんと評価する、そういう表現のほうが適切かなと思っております。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 お待たせしました。亀井委員、どうぞ。
○亀井委員 先ほど東委員からもお話がございましたが、グループホームについては、一定これから弾力のある方向で検討いただくのかなと思っているのですが、その中で、認知症対応のグループホームで緊急のショートを今、日数要件であったり入所人数、あるいはまた個室等についての弾力化を図る、こういうことの検討が始まろうとしていますが、その中で、この従事者の資格要件の緩和というのは緊急のときだけできないかなと思っているのです。これは2つ研修がありまして、認知症の介護実践リーダー研修であったり、認知症の介護指導者養成研修であったり、それを修了していなかったらこれは受け入れられないということなのですが、これはちょっと弾力ある対応ができないかなと思っているのです。この部分は譲れないぞというのかどうかですね。これはちょっと笹子課長のほうから御所見をお聞きしたいなと思っています。
 もう一つは、今、この介護保険で何が一番課題かといいますと、やはり介護人材の育成確保なのです。それで、今のコロナ禍の中で、以前、金融危機であったり、リーマンであったり、そのようなときに介護のほうへの流れは少しあったわけなのですが、今のコロナ禍ではそれが起こってきていないわけです。まだそんなマインドになっていないのかなと思うのですが、そんな中で、介護の関係はヘルパーの2級から始まるわけですが、様々な資格の研修をもっと受けやすいような環境を整えていくべきであると思っています。
 それは例えば、オンラインでの受講であったり、これは実習は別ですよ。それから、受講料の無償化であったり、これは期間限定でもいいと思うのですが、そういう検討ができないかなと。我々も知恵を出していきますけれども、国のほうでもそんな知恵を出してほしいなと思っているのですが、こんな検討はどうかなと。今日は竹林総務課長はお越しいただいていますか。もしお越しいただいていたら、総務課長のほうから御答弁いただけたらなと思います。
○田中分科会長 では、両課長、お答えください。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 推進課長でございます。
 緊急ショートにおける要件ということで、実践リーダー研修というものが義務づけられているということでございます。こちらにつきましては、やはり質の担保という観点から、きちんとした方にサービスを提供していただくことがまずは重要ではないかと思っておりますが、一方で、実践リーダー研修に限らず、基礎研修とか認知症介護実践者研修、あるいはさらに指導者研修等もございます。こういったものについて、eラーニングを含めて研修が受けやすい環境につきましては、今年度の老健事業でも研究させていただいているところでございますので、研修を受けやすい環境を進めていくという観点で、まずは対応していければと考えているところでございます。
 以上です。
○田中分科会長 総務課長、どうぞ。
○竹林総務課長 突然の御指名で驚きました。
 御質問いただいた件ですけれども、今回のコロナ禍での対応としましては、まず雇用を維持するということを省を挙げてやっておりまして、いろいろ雇用調整助成金の助成などもしっかりやっている関係で、実はまだ失業者という意味では大きく増えていないというところがあると思います。ただ、やはり足元の状況を見ますと、少しずつ景気の悪化の影響が出てきていまして、失業者も増えるような傾向もありまして、そういった方々をぜひこの機会に介護の分野に来ていただくということは、非常に重要なことだと考えております。
 実は、所管部局は老健局ではないのですけれども、むしろ雇用のほうの部局なのですけれども、そのような労働移動を容易にするための研修を受けることも含めまして、そういった取組ができないかというのを、今年度の概算要求で取り上げているところでございます。研修の受講をしたり、その後の就職の準備金みたいなものを払えるようにするとか、このような要望を労働部局のほうでしております。まだ予算編成過程なので、最終的にそれがどのような形になるか分かりませんけれども、引き続き、我々もよく連携いたしまして、亀井委員御指摘のような、また別のこういう形でのコロナをひとつの契機とした介護人材の確保についてもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 椎木委員、どうぞ。
○椎木委員 全国町村会の椎木でございます。
 それでは、意見を申し上げます。初めに、資料2-1、2-2の基本的な視点についてですが、本日示された5つの柱立てにつきましては、これでいいと思いますが、内容につきまして、少し気になる点がございます。
 1つ目は、資料2-2の4ページ(2)地域包括ケアシステムの推進の最後のところ、都市部、中山間部など地域の特性に応じたサービスの確保に取り組んでいくことが必要と書かれている部分です。ここで言う地域の特性とは、2ページの1つ目の○に戻ると、2040年における地域の特性ということのようです。もちろん、2040年を見据えることも大事ですが、中山間地域等では現に今、サービス事業所の不足や介護人材や各種専門職の不足などにより、必要なサービスの確保が困難な地域が多くある中、我々としては、地域住民にとって必要なサービスを、今も、これからも確保していくことが必要となります。
 したがって、今の部分については、これまでも論点に挙げていただいているように、都市部、中山間部などのいかんにかかわらず、本人の希望する場所で、その状態に応じたサービスを受けることができるようにするため、地域の特性に応じた、とつなげ、目的を明確にするとともに、2040年だけでなく、2025年、そして今を見据えた対応もお願いできればと考えているところです。
 2つ目は、5ページの(4)介護人材の確保についてです。具体的取組として、介護職員の処遇改善と職場環境の改善の2つについて記載がありますが、ぜひとも人材不足が特に深刻な離島や中山間地域等における各種の専門職を含めた介護人材の確保策も視点として触れていただきたいと思います。
 3点目は、同じ5ページの(5)制度の安定性・持続可能性の確保についてです。2つ目の○に評価の適正化・重点化とあります。また、4ページの1つ目の○にも同じように、サービスの適正化・重点化とあります。この適正化・重点化の意味するところについて、委員の皆様方の間で共通認識を持つ必要があると思いますので、もう少し丁寧に記載すべきではないかと考えます。
 次に、資料5の小規模多機能型居宅介護についてです。20ページに論点2、離島や中山間地域等におけるサービスの充実として、特別地域加算等に係る検討の方向が示されていますが、ぜひ記載されている方向でお願いしたいと思います。その際は、利用者の負担増にならないよう、国による支援も併せてお願いします。
 また、35ページに論点4の地域の特性に応じたサービスの確保として、地方分権提案に係る検討の方向性が示されていますが、これについてもぜひ実現の方向でお願いします。一定の期間の考え方について、提案団体として、高齢者数のピークを乗り越えるまでの間を想定しているとのことですが、例示されている3年間ではそれほど高齢者数がまだ大きく変わらず、3年後にはまた同じ状況が発生するのではないでしょうか。10年、20年などもう少し長いスパンで御検討いただけるとありがたいと思います。
 そして、以上の2点につきましては、ぜひ看多機についても同様の対応をお願いします。また、離島や中山間地域等におけるサービスの充実については、資料3の17ページに検討の方向が示されているように、夜間対応型訪問看護についても同様の対応をお願いします。
 ただ、全体を通じて、離島や中山間地域等におけるサービスの充実に向けた対応がこれだけでは、なかなか厳しいと考えます。介護人材の確保策を含む抜本的な対応について御検討いただき、令和3年度報酬改定において実施いただければと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、今井委員、お願いします。
○今井委員 民間事業推進委員会の今井でございます。
 私のほうから1点だけ御意見を申し上げたいと思っています。私どもといたしましては、今回提起されております基本的な視点や各サービスの検討の方向性については、現時点におきましては特に異論はございません。しかしながら、資料5の小規模多機能については1点意見を申し上げたいと思っております。介護保険部会の審議報告においても、介護離職ゼロの実現に向けて在宅の限界点を高めていくことが必要で、介護、看護を含めた小多機のサービスの整備拡充が極めて重要であると考えております。こうした中にあって、利用者の病院の入退院の際に、要請に基づき小多機の事業者側も入退院時の情報共有のためにカンファレンスに参加しているのが実情です。医療介護の連携推進、とりわけ情報共有のためにも、病院側で算定できている入院時情報提供加算、退院・退所加算、緊急時等居宅カンファレンス加算、ターミナルケアマネジメント加算等については、その受け皿になる小多機の事業所においても算定可能となるように検討いただけるよう要望したいと思っています。
 こうした対応は、必要に応じて情報共有が求められる各サービス事業者には共通の課題であろうと考えておりますので、重ねて検討をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 では、手を挙げた順番で、水町参考人、濱田委員、武久委員、齋藤参考人、藤野委員の順で参ります。水町参考人、お願いします。
○水町参考人 ありがとうございます。
 何点か意見を申し上げたいと思います。まず、資料2-2、介護報酬改定に向けた基本的な視点に関してです。4ページに(3)自立支援・重度化防止に向けた取組の推進がありますが、ここで2点申し上げたいと思います。
 1点目は、介護サービスの質の評価を推進していくことについては、現状、要介護状態が改善した場合に事業所は減収となってしまうため、要介護状態の改善につながるサービスを報酬上も評価する仕組みが必要ということについてはおおむね合意が得られているものと考えています。介護サービスの質の評価を推進することが状態の改善を評価するものであることを明記すべきと考えております。
 2点目ですが、評価指標について、特にアウトカム指標について適切な指標の検討が必要だと考えますので、その旨を記載いただきたいと考えています。
 次に、資料5、小規模多機能型居宅介護についてです。論点4、地域の特性に応じたサービスの確保の検討の方向案が35ページに2点示されておりますが、(2)定員を「従うべき基準」から見直すことについて意見を申し上げます。資料の33ページを見ると、4の利用定員及び登録定員に対する基準として、33ページには認知症対応型通所介護と小規模多機能型居宅介護が「従うべき基準」とされている一方で、34ページでは看護小規模多機能型居宅介護の定員は標準となっております。小規模多機能型介護は在宅生活を支える中核的なサービスの一つであり、利用ニーズが拡大しています。こうした中、地域によっては定員の上限が設けられているために、利用者のニーズに応えられないケースも生じております。論点1にも関係しますが、制度創設時は中重度者を対象として制度設計がなされましたが、資料5にあるように、直近、平成31年の平均要介護度は2となっており、6ページにあるように51.8%の事業所が赤字となっています。
 こうしたことを背景に、資料の30ページの下の枠にあるように、必要な圏域への整備が進まないといった支障が出ているという声があります。従うべき基準は、新に必要な場合に限定されるべきものであるという地方分権改革推進委員会の第3次勧告を踏まえると、地域の実情に合った最適・最善のサービス、施策が講じられるということを達成するために、従うべき基準ではなく、地域の実情に応じた定員とできるようにすべきと考えます。
 次に、資料7、高齢者住まいの報酬についてです。
 論点1、中重度者や看取りへの対応の充実について1点申し上げます。介護付き有料老人ホームでは、契約終了の半数以上が死亡退去であり、看取り介護のニーズが高まっていると言えます。実際に資料の7ページを見ても、施設の約7割が看取りの希望があれば受け入れるとしており、6ページでは約6割で半年間での看取りの実績と。
 一方で、看取り介護加算を算定した施設は約3割にとどまっております。利用者の意思決定を基本とした適切な看取りを促進するために、看取り指針の作成や医師と共同した介護計画の作成、家族や利用者への説明、同意といった要件をクリアするための支援が必要であり、そのためにもアドバンス・ケア・プランニングの家族への普及が必要と考えます。
 12ページの検討の方向案の1つ目に、基準以上に看護職員を配置する事業所を評価することなどについて御意見があることを踏まえ、看取り介護加算等の在り方について検討してはどうかとございます。第179回のこの会議でも提案申し上げましたが、アドバンス・ケア・プランニングを促進するためには、これをきちんと理解した人材が必要ですので、ACPに関する一定の研修を受けた看護職員等を配置することを加算の算定要件に加えてはどうかと考えます。
 今後、介護施設での看取りの数は増えていくと見込まれており、手厚く対応している事業所をしっかり評価すべきと考えます。ACPをしっかり理解した人材を配置し、現在よりも評価を上げていくべきと考えます。併せて、研修の仕組みも同時に検討していくことが必要と考えております。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 濱田委員、お願いします。
○濱田委員 ありがとうございます。
 私のほうから、まず調査研究事業、1-2の福祉用具貸与の適正化についてでございますが、5ページに、どのような製品かは分かりませんが、車椅子Aについて、次回の上限シミュレーションでは10.5%が上限を超えるという記載もございますので、今後、最終報告書の取りまとめに当たられましては、福祉用具の個別の製品の特徴や開発などを踏まえた上で要因分析をしていただければと考えております。
 それから、1-3の訪問介護における30年度の影響の調査研究事業でございますが、8・9ページにいわゆるケアプランの届出回数についてということで記載がございますけれども、関係する各事業所や保険者、地域包括支援センター等の事務負担なども考慮して、方法や頻度を検討していただければと考えております。
 続きまして、2-1、2-2の基本的な視点のところでございますが、2-2の4ページ(2)の地域包括ケアシステムの推進のところで、ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保ということで記載いただきまして、ありがとうございます。これは今回ないしは今後も含めた方向性、視点ということになるのかも分かりませんが、2040年へ向けて独り暮らしや認知症の利用者、また、在宅においては超高齢者、90歳、100歳という方々が増えてくるということで、これらを踏まえた人口構成の変化や世帯構成の変化、地域の変化ですね。こういうものと介護支援専門員が必要に迫られて行う支援など、役割の変化も踏まえて、本来業務であるケアマネジメント支援内容などは当然中核に考慮しつつ、検討していっていただく必要があるかなということでございます。
 また、公正中立性の確保につきましては、各種運営基準の強化でありますとか取組、ケアプランチェック、減算規定など、累次の対応も行ってきていただいておりますので、必要であるならば対象を絞ってもよいのかなと考えてきております。負担軽減の方向で考えていただければと思っております。
 続きまして、認知症対応型共同生活介護のところでございますが、30ページの論点5でございます。ユニットごとの介護支援専門員、いわゆる計画作成担当者の兼務につきましては、検討の方向性にありますように、他の地域密着サービスの担当件数との整合性などを踏まえていただきまして、また、ユニットごとの特徴がある場合もございますので、こういうものが尊重されるようなケアマネジメントが維持されるように配慮した上で、認めていただければということでございます。
 また、論点7、38ページ、43ページでございますけれども、外部評価につきまして、これは恐らく地域密着サービスの評価対象事業所の増加等も影響している可能性もありますが、評価機関や都道府県によっては、近年、評価人材の不足や、また、新型コロナウイルス感染防止の観点から一時休止しているような場合も散見されますので、こういうことも少し考慮していただいてもよいのかなと考えております。
 続きまして、小規模多機能居宅介護の論点1、14ページでございますけれども、小規模多機能居宅介護は地域生活の限界点を高めるサービスでございますので、やはり事業所の継続性が高まるように、経営面においても対応していくことも必要かと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、武久委員、お願いします。
○武久委員 ありがとうございます。日本慢性期医療協会の武久ですけれども、いろいろな介護保険事業所を運営している者の立場として、意見を述べさせていただきたいと思います。
 特養の220床から小規模多機能、グループホームまで運営しておりますけれども、確実に規模が大きいところの収支バランスは良好であります。しかし、小規模ほど運営が厳しい。しかし、利用者にとっては小規模なところのほうが当然サービスがいいというところもありますので、小規模とかグループホームはほとんどマイナスではありますけれども、継続して運営させていただいております。特に小規模でもいわゆる病院の併設でないようなところの場合には、ベテランの優秀な職員を責任者として送り込んでいることもあり、ほとんど人件費で実態としては赤字のところが多いわけですが、この辺のところで効率化ということも含めながら、小規模のほうがいいのですけれども、運営がなかなか厳しいと。
 先ほどのデータでも、黒字のところは半分以上あるといって、平均すると2~3%プラスとなっていますけれども、半分以上のところが赤字だというデータも出ておりますので、小規模ほどいいとは言いながら、ちょうどバランスのいいところも必要かと思います。例えばグループホームであれば9名に1人の夜勤者ですから、老健の100床ということになると12人の夜勤者と同じことになるわけですけれども、現実には老健ではその半分以下の5人ぐらいで夜は運営しておりますので、そういう不効率なところと利用者にとってサービスがいいというところとのバランスを取っていただいて、収支がもう少し好転できるようにしていただけたらと思っております。
 さらに、椎木町長もおっしゃっていましたけれども、過疎地の離島や中山間地域の中での特別地域加算等、いろいろ考慮していただいて、加算も入れていただいてやっているのですけれども、とにかく利用者の数が徐々に減ってきているとかいろいろありますので、もし担当課のほうでデータがありましたらお示しいただきたいのですけれども、離島や中山間地域等でのサービスの収支の状況というのはいかがなものでしょうか。加算を次々つけていただいているということは、現実に我々のところでは非常に赤字のところがほとんどなのですけれども、全国の収支のことが分かりましたら、教えていただけたらと思います。
 さらに、看護小多機につきましては、優秀な看護師がやっていただいていて、非常にいいサービスだと思うのですけれども、ここについても収支がどうかなということと、もう一つは、やはり優秀な看護師が行っていただくのでありますけれども、看護師の上のほうと言うとおかしいですが、研修をすることによって特定看護師という制度が今できております。これは主に大規模な病院で重要視されているようですけれども、現実としては、看護小多機とか介護保険での訪問看護とか、このような看護師さんが1人で行って自分で判断していろいろ対応するというようなところには、特定看護師さんに行っていただけるほうが私はいいのではないかと。すなわち、介護保険サービスとか地方サービスにおいて、より医療的な行為ができる特定看護師を雇った場合には何か加算をいただけるようなことをしていただけると、非常にありがたいかなということであります。
 介護保険の中に医療的な要素が最近非常に入り込んできておりまして、CHASEとかVISITとかでも分かるように、この辺のときに、今、老健課のほうがそれをよく分かっていただいて、いろいろ改革をしていただいているのは非常にありがたいので、この方向で介護保険の中にも医療をきちんと入れていただいて、利用者の方にとにかく要介護度が軽くなって、よくなっていただくという方向で運営していただけるとありがたいと思います。
 質問1つについては、もしお分かりでしたら、お話しいただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○田中分科会長 離島・中山間地域における経営状況、今日分かりますか。
○笹子認知症施策・地域介護推進課長 現時点で持っているものはございません。級地ごとのデータは出るかもしれませんが、それ以上に何ができるのかも含めて、持ち帰らせていただきます。
○田中分科会長 では、今日ではないときに答えていただきます。
○武久委員 それで結構ですけれども、現実に加算を次々つけていただいて、しかもそれも増やしていただいているということは、現実的には赤字のところが多いのかなということで、担当課のほうがしんしゃくしていただいている結果かと思いますけれども、それでもなお非常に厳しい状況であるということを御理解の上、改定に臨んでいただけたらありがたいと思います。
 ありがとうございました。
○田中分科会長 齋藤参考人、お願いします。
○齋藤参考人 ありがとうございます。
 基本的な視点のところの柱5つにつきましては特段異論はございません。ただ、災害の対応につきましては、日頃からの発生時に備えた取組とありますが、やはり基礎自治体の防災計画の連動というのが非常に重要かと思いますので、その辺も記載していただけるとありがたいかなと思っております。
 それから、各論点につきまして、1つは認知症対応型共同生活介護の医療ニーズへの対応について上がっている論点、グループホームに介護保険で訪問看護やリハが入れたり、あるいは医療連携体制加算の算定要件となる医療的ケアの対象拡大、これについてはいずれも賛成いたします。グループホームでの療養継続、あるいは看取りを進めていく上では、ネックになるのはやはり医療的な対応であると考えていますので、1つは連携体制を強化していくこと、また、自前でなかなか医療職の配置ができない場合においては、外部から入ると。そういうことによって、地域の人材を有効に活用できるということ。それから、資料の10ページにある右の図です。事業所で対応ができない医療ニーズがある場合は退去だという回答が約5割ありますので、連携体制を強化することによって、この退去の数が少し減っていくことに貢献できるのではないかと考えております。
 それから、論点4のユニットの夜勤につきましては、1ユニット1人夜勤になった経緯を考えていきますと、やはり基準緩和には懸念があります。スプリンクラーが整備されたといっても、夜間の火災等々で避難誘導がきちんとできるのか、あるいは何か突発的な災害等に見舞われた際の避難、安全確保といった観点では、慎重な議論を求めたいと思います。
 それから、論点6の管理者交代時の研修につきましては、今回の提案に賛同はいたしますけれども、交代時と研修受講のタイムラグがあまり生じないように、亀井委員もおっしゃっておりましたけれども、やはり講義部分はオンデマンド等できちんと整備し、受講しやすい形に持っていくことが大事なのではないかと思います。
 それから、論点7の業務の効率化で運営会議と外部評価のことが挙がっております。業務効率化は大変重要な観点ですので、理解はしますけれども、認知症の方の尊厳、あるいはケアの倫理がしっかり守られているのか、公正中立的な立場の方をしっかり入れて、外部からチェックが入る仕組みは必ず担保していくことが求められると思っております。
 それから、看護小規模多機能の、論点1の多職種協働による自立支援・重度化防止の取組につきましては、看多機では看護と介護の職員がかなり濃厚に連携、協働して、褥瘡の改善あるいは排せつ自立、栄養の改善といったケア効果を出しており、中重度でかつ医療ニーズが高い方々を対象に自立支援や重度化防止に取り組んでおります。褥瘡につきましては、発生予防は東委員御指摘のように当然のことですけれども、看多機の場合は利用開始時に褥瘡が既にあった方々に対しての改善というのがこの調査結果であろうと思っております。最初は連続で泊まりを入れながら集中的なアセスメントと栄養等に関わるケア、それ以降、泊まりと通いと訪問を組み合わせて、姿勢の保持であるとか、栄養改善を実施して褥瘡が改善するという、看多機の機能を存分に生かした取組がなされておりますので、ぜひ在宅療養の限界点を上げていくという観点から、こういったアウトカムを踏まえた評価を検討していただきたいと思っております。
 それから、論点2の緊急ショートステイにつきましては、なかなか利用件数は看多機ではあまり多くはないという状況ですけれども、やはり訪問看護を利用して在宅療養する医療ニーズの高い方の御家族のレスパイトケアの確保につながるといった面がございます。ですので、看多機や小多機の空床がもう少し柔軟に利用できる仕組みは当然必要だと思いますし、また、看多機の場合は医療ニーズの対応が可能ですので、それに見合う単価の引き上げも検討していただきたいと思います。
 さらに、論点3の通所困難な利用者の入浴機会につきましても、状態が不安定になって御自宅から出られないといった場合に、看多機での入浴がなかなか難しいということで、御自宅での入浴介助が必要なケースが出てまいります。そういった一時的な対応のためにサービスを切り替えるということは、利用者さんにとっては非常に御負担だとも思いますので、柔軟に対応ができるように、グループホームの例を参考に運用を明確化していただきたいと思っております。
 それから、最後、特定施設入居者生活介護の中重度者、看取りへの対応の充実につきまして、検討の方向性はいずれも賛成です。もともとこういった施設では看護配置が非常に少ないので、他の介護施設に比べると医療対応にも困難があるかもしれませんし、ニーズに応えて中重度者への対応あるいは看取りの取組をしようとする施設にはこれを後押しする、そういった評価も必要だと思います。
 また、認知症のグループホームと同様に、施設自身でなかなか看護職の加配が難しい場合には、外部からの訪問看護が導入できる仕組みを整備すべきではないかと思っております。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 藤野委員、どうぞ。
○藤野委員 ありがとうございます。
 介護保険制度の見直しに関する意見の中に、在宅サービスの充実を図り、在宅の限界点を高めていくことが必要とありますが、住み慣れた地域の中でより多様なニーズに応えるためには、医療、介護、福祉のニーズのみならず、孤立や災害といった地域社会ニーズにも応えることが求められています。その中にあって、既存のルールの縛りが現場の実態にそぐわない部分があり、これまで以上に柔軟な対応が求められるということであれば、見直す必要はあると考えています。しかし、前提として、利用者の尊厳やサービスの質が損なわれないことが重要であることはもちろん、介護保険の理念である利用者本位を踏まえますと、今回調査研究事業の速報の中からも読み取れますが、利用者の声、そして、代弁者としての現場従事者の声をしっかり酌み取った形で検討していただきたいと考えます。
 以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 江澤委員、どうぞ。
○江澤委員 ありがとうございます。
 資料の順番に申し上げたいと思います。まず、資料3の定巡でございます。この定巡は今、平成31年で946事業所、右肩上がりに増えておりますが、まだまだ事業所数が少ないと思っております。特に一番人材不足が深刻と思われる訪問介護のホームヘルパー、そこを補うサービスとしては、この定期巡回のサービスが非常にふさわしいと思っておりまして、今後は市町村の事業計画において十分その辺りを検討していただければと思っておりますし、公募制によって手挙げしても落選している事業所も各地でありますので、その辺りを含めて今後検討していただきたいと思います。
 続きまして、資料4、グループホームについてでございます。まず、6ページに個室に準ずるスペースというのがありまして、その個室に準ずるスペースの定義と申しますか、一番下に※1がございまして、個室に準ずるスペースは居間の一角などというフレーズがございますけれども、あくまでも短期利用においても生活の場でございますから、プライバシーの確保のみならず、認知症の方の落ち着く生活の場、すなわち居場所となるべき環境が必要だと思います。恐らくこういった居間の一角で過ごしたいという方は一般の方を含めてまず少ないと思いますので、慎重に検討していただいて、どういうものがふさわしい場であるかというのを検討していただきたいと思います。
 続きまして、この資料の12ページでございます。先ほどから複数の意見が出ておりますけれども、グループホームには今、介護保険の訪問看護と訪問リハのサービス提供ができないという仕組みになっております。グループホームのような小規模な施設に看護職員を配置するというのは果たしてニーズがあるのかどうか。恐らく看護職員さんが常勤等で配置されても、多くは介護の業務の応援に回ることだと思っております。限られた人材の有効活用という観点から、看護職員は看護職員にしかできない看護業務に特化して地域を支えていただくことが重要であると思っておりますので、外部から応援するという仕組み、また併せて、生活期リハビリテーションは改善のみならず維持するという重要な役割がありますので、その辺りもぜひ検討していただければと思います。
 15ページに検討の方向がありまして、一番下のところに区分支給限度基準額が適用されないことに留意しつつとありますけれども、グループホームは要は生活の場で、そこで24時間過ごすというサービス類型でありますので、他の地域密着型サービスあるいは居宅サービスとは大いに趣が異なるわけで、そこの人員配置等に伴って基本報酬が設定されておりますから、そもそも区分支給限度基準額というのはなじまないサービスであると考えております。
 続きまして、16ページにサテライト化の件がございますけれども、サテライト化というのは、さらに小規模化することでありますので、規模が小さくなるほど経営的にはかなり苦戦をするというのが今の介護事業所でございますから、経営的な側面から本当に経営が成り立つのかどうか、慎重にシミュレーションした上で検討をしていただきたいと思っております。
 続きまして、28ページにスプリンクラーとか夜勤職員の配置が必要であるというような調査結果が出ているところでございます。基本的に2ユニットで1人になりますと、サービスの質の低下、あるいは職員の業務の膨大な負担増というものが懸念されますので、まず現状は1ユニットでも仮眠どころか日によっては記録すらできないで一晩過ごす業務がグループホームの夜間業務で多々あるわけでございます。夜間に不穏状態の対応あるいはトイレ誘導、あるいは落ち着かない方と夜に一緒にお茶を飲んであげたり、いろいろな業務があります。介護事故のリスクも高まりますので、そういったことを含めて、できれば2ユニット1人よりも今までどおりサービス提供を行うほうが、国民の皆様も安心されると思いますし、そして、介護職員におきましては、これ以上の過酷な業務環境にはすべきではない。むしろ2ユニット1人にすることによって介護職員が疲弊して、離職が高まるリスクが十分あると思っておりますので、検討していただきたいと思います。それから、スプリンクラーがあれば火事で施設が燃えないというわけではなくて、火の手が回るのが少し遅れるということで、大火事であれば当然最終的には全焼するので、そういった中で1人で18人を避難誘導というのは極めて難しいのではないかと考えております。
 続きまして、資料5で小多機の件でございますけれども、7ページでございます。こちらに要介護度別の基本報酬の小多機は赤いグラフで示されております。もともと中重度の要介護者を在宅で支える、すなわち在宅限界を高めるという目的のためにこの小多機が創設された経緯がございます。したがいまして、利用者の実態がこうであるから報酬をそこに合わせるというよりも、その前にすべきことは、まず、小多機の施設の理念、そして役割と機能、ここを十分踏まえた上で検討していかないと、要介護3~5が高まっているというのは、在宅限界を高めることを期待された小多機の役割を評価してのことでございます。1・2が低いのではなくて、3~5をむしろ高めているというところがこのポイントでございます。
 なおかつ、ただ、実態が違って、経営が厳しい事態なのであれば、いま一度小多機の役割とか機能について議論した上で、そして、既に貴重な社会資源として存在している小多機をどう支えていくのかという考えで報酬の議論はすべきであり、その順番で議論するべきだと思っております。
 続きまして、資料6の看多機でございますけれども、6ページに褥瘡、排せつ、栄養状態のマネジメント等の新たな評価をしてはどうかという論点がございます。これにつきまして、基本報酬部分との加算を検討するのであれば、そこのすみ分け、そしてほかの地域密着型サービス、あるいは居宅サービスとの整合性、恐らくリンクする部分があろうかと思いますので、その辺りを踏まえて慎重に検討していただければと思います。
 最後に資料7の10ページでございます。ここに特定施設の利用者に対する看護職員の配置基準がありますが、上のところにありますように、1人~30人に1名以上から併記してありますけれども、要は極めて薄い配置ということが分かります。
 続きまして、12ページでございます。これに関する検討の方向でございますけれども、そこの下の3つ目の箇条書きに一定数の看護職員を配置することとされており、これら職員による健康管理や看取りへの対応等の業務は包括報酬に組み込まれていると記載されておりますが、この薄い配置で看取りへの対応というのは不可能でございます。ちなみに、2交代で24時間看護師を最低1名配置しようとすれば、常勤で最低7名いないと24時間の配置は難しいわけでございまして、看護体制の充実について検討するのであれば、相当数の看護職員の追加が必要になりますし、ここについてそういう手厚い配置をしていくのか、もしくは外部から介護保険の訪問看護の提供を可能にするのかどうか。ここは重要な課題であると思いますので、引き続き検討していただきたいと思います。
 続きまして、同じ資料の17ページに機能訓練の充実について検討してはどうかとありますけれども、機能訓練とリハビリテーションは当然異なるサービスでございますので、機能訓練が必要な方には当然必要でありますし、一方で、医師の指示の下に医師またはリハビリ専門職が提供するリハビリテーションが必要な状態であれば、そのリハビリテーションを提供するというのが本来の在り方だと思っておりますので、このあたりも特定施設でのリハビリテーションが必要な人に対しての訪問リハビリテーションの提供についても検討課題と思っております。
 最後に、22ページにたんの吸引の状況が出ておりまして、入居継続支援加算の算定要件のたんの吸引等は15%以上というところがございますけれども、そこに赤色で、たんの吸引2.3%、胃瘻・腸瘻の管理2.3%で、こういう状況でございますので、これについては実態に応じて見直していくべきだろうと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 時間を超過しましたが、よろしゅうございますか。今日は事務局が最初の予定より20分長かったのでどうなるかと思ったのですが、皆さんの御協力で15分超過ぐらいで終わりますかね。発言できなかった方は申し訳ありませんが、次回にお願いいたします。
 本日のまとめです。議題1の改定検証の結果の速報版については、事務局から説明があったとおり、今後、個別サービスの議論を行う中で活用してまいります。
 また、令和3年度介護報酬改定に向けては、本日、様々な御意見を踏まえて、今後も引き続き検討を進めてまいります。
 では、本日の審議はここまでといたします。
 最後に、次回の日程等について事務局より説明をお願いします。
○栗原企画官 次回の日程は、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○田中分科会長 本日は、これにて閉会いたします。
 長い間の議論、ありがとうございました。