第4回がんとの共生のあり方に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和2年1月29日(水)16:00-18:00

場所

厚生労働省(中央合同庁舎5号館)共用第8会議室(11階)

議題

(1)緩和ケアに関する実地調査について
(2)がん患者の自殺の実態調査と専門的ケアにつなぐ体制について
(3)その他

議事

 
○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第4回「がんとの共生のあり方に関する検討会」を開催させていただきたいと思います。
 構成員の皆様方におかれましては、御多忙にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず初めに、構成員の出欠状況について御報告いたします。
 木庭構成員と前田構成員は、公務のため御欠席予定と伺っております。
 鈴木構成員は、電話回線を用いて御出席いただく予定です。音声が乱れる場合がありますので、あらかじめ御承知いただきますよう、お願い申し上げます。
 また、本日は参考人といたしまして、国立がん研究センター、内富庸介先生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
 本日の検討会におきましては、厚生労働省として取り組んでおります審議会等のペーパーレス化の一環としてタブレットを使用し、議事を進行させていただきます。
 お手元には、タブレット、タッチペン、操作説明書を配布させていただいております。タブレットにはカバーがついておりますが、このカバーは外さないようにしてください。
 タブレットの操作について御説明いたしますが、詳しい内容はお手元の操作説明書を御覧ください。もし、不明な点がございましたら、事務局の者が説明に参りますので、お知らせください。
 現在、タブレット端末は、議事次第のページが表示されているかと思いますが、指で一回軽くタッチいただくと、画面左上に資料一覧に戻す矢印が表示されますので、そこをもう一度タッチいただくと、部会の資料一覧が表示されます。
 表示したい資料のタイトルをタップしますと、例えば、「資料1」をタップいただいて、ファイルを開いてください。タップした資料の内容が表示されます。なお、タブレットは配布したペンでも操作可能です。ペン先で画面を軽くタッチするとタッチ操作が可能です。
 また、表示の拡大/縮小については、画面に指を置き、2本の指を開いたり閉じたりすることで、表示内容が拡大または縮小表示されます。2本の指を開くと拡大し、2本の指を閉じると縮小します。
 ページをめくるには、指を置いて、画面を軽くはらうように動かしたり、ゆっくりなぞったりすると、ページをめくることができます。
 以上でタブレットの操作説明を終わります。
 検討会中、操作について不明な人がございましたら、事務局にお声がけください。
 なお、タブレット、タッチペン及びファイルは、会議終了後持ち帰らず、机の上に置いたままとしていただきますよう、お願い申し上げます。
 続いて、資料確認をいたします。
 本日「第4回」の資料として、資料1、2、3、4、参考資料1、2-1、2-2の計7つのファイルが御確認いただけるかと思います。不備があればお申し出ください。
 以上をもちまして、報道の皆様には、ここでカメラ撮りは終了とさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 この後の進行に関しては、西田座長にお願いいたします。
○西田座長 国立がん研究センター中央病院の西田です。第4回になりますけれども、よろしくお願いします。  
 今日の主なテーマは「緩和ケアに関する実地調査」に関して、それから、「がん患者の自殺の実態調査と専門的ケアにつなぐ体制について」議論を進めたいと思います。がん患者さんに限らず自殺ということになりますと、今、ようやく年間2万人を切ったところかと思います。では、この2万人はどのぐらいのインパクトがあるかと考えると、実はちょっと調べてみると、乳がんで1年間に亡くなる患者さんよりも多いのですね。胆管がん、胆のうがんで亡くなる患者さんよりも多いのです。肝臓がんで亡くなる患者さんよりはちょっと少ない。しかも、これまでちょっと僕も不勉強だったので勉強してみると、潜在的に、亡くなった患者さんの20倍自殺企図をした人がいたという、自殺企図をした人のさらに20倍がちょっと自殺を考えたことがあるということなので、結構重大な問題です。がんだけではないという意味では非常に重要です。特に先進国の中では比較的、日本と韓国、極東のところに結構多いのは御存知のとおりです。ですから、日本人の特にがん患者さんに対する自殺対策を適正にやっていくことは非常に重要ではないかということで、今日は内富先生からその辺の資料提示をしていただく予定です。
 その前に、まず資料1を用いて前回の議論を少し復習してまいりたいと思います。事務局から、前回の議論の整理をしていただけると聞いておりますので、資料1の御説明を事務局にお願いしてよろしいですか。
○事務局 それでは、資料1を御覧ください。前回、「第3回がんとの共生のあり方に関する検討会における主な議論の整理」です。
 2ページ目を御覧ください。「がん患者・経験者の仕事と治療の両立支援の更なる推進について」
 1.拠点病院の取組、2.企業の取組、3.施策の整理・改善の必要性について、御議論いただきました。拠点病院における経時的スクリーニングや、情報提供する適切な時期の検討、社会的苦痛とニーズを引き出せるよう支援者の資質向上が必要である点や、拠点病院と就労専門家の協働体制、企業に対する制度等について、積極的に広報すべきであることなど、御意見をいただきました。
 続いて、3ページを御覧ください。アピアランスケアによるがん患者の生活の質向上に向けた取組について、御議論いただきました。アピアランスケアの提供体制については、診断時からの情報提供、相談窓口や外来化学療法室での対応の重要性について御意見をいただきました。
 アピアランスケアの教育・研修については、看護師・薬剤師教育の中に取り入れることや、患者の多様なニーズに合わせてシステム整備できるような教育内容の必要性について御意見をいただきました。
 以上になります。
○西田座長 ありがとうございます。
 前回は、就労支援とアピアランスケアでした。思い出していただければ幸いです。このまとめに補足等がございましたら、どうぞ遠慮なく御意見をください。
 どうぞ。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 3ページ目のアピアランスケアの2番の教育のところについてですけれども、「看護師・薬剤師が」と限定されていますが、患者としては、相談する人は看護師・薬剤師だけではないので、「などの医療従事者」という形でちょっと広げていただけるとありがたいなと思っています。
○西田座長 御指摘のとおりだと思いますので、よろしくお願いします。
 ほかはよろしいでしょうか。
 就労支援のところ、厚労省のほうもいろいろな制度をつくっていただいて、比較的進んできたかなと思うのですけれども、まだもう少しこれから人口減の日本では努力をしていかなければいけないなと思います。特にエビデンスを出しながら、こういうことをすればいいなというものの根拠を出していく必要があると思います。
アピアランスに関してもやはり同じようなところがあって、みんな大事だなと思っているのですけれども、どういうふうに患者さんに貢献しているかというエビデンスも出していかなければいけないと思います。多分、厚労科研などにもこういうのを研究ベースで入れていただいていると私は認識しています。
 追加の御意見があまりないようでしたら、今日の本論に入りたいと思います。
 今日の本論の一番最初は、実地調査についてということで、資料2を見ながら、まず事務局から、パイロット調査について御案内いただけますでしょうか。
○事務局 それでは、資料2を御覧ください。
 2019年3月に行われました第1回の「がんとの共生のあり方に関する検討会」においては、緩和ケアに関する実地調査について一度御議論いただきましたが、その際の議論を踏まえて、今年度に行ったパイロット調査についての資料になります。
 2ページ目から6ページ目までは、第1回の検討会の際にも提出した資料でございますが、簡単に概要を御説明させていただきます。また、参考資料2-1のチェックリスト案や参考資料2-2の実地調査マニュアル案も、第1回の提出資料でございますので、こちらは構成員の皆様の机上にはありますので、紙面資料も同時に参考にしてください。
 それでは、2ページ御覧ください。こちらにありますように、「第3期がん対策推進基本計画」では、がんとの共生の中で、がんと診断されたときからの緩和ケアの推進を進めていくこととされています。
 3ページ目でございますが、基本計画における実地調査に関する記載の抜粋をお示しいたします。また、がん診療連携拠点病院の指定要件においても、PDCAサイクルの確保のために実地調査等を用いる等、工夫することとされています。
 そして、4ページ目でございます。これまで国が主体で行った実地調査に関する取組になります。全国15か所で実地調査を実施して、議論していただいてまいりました。
 5ページ目になります。実地調査とピアレビュー及び第三者評価についての利点と課題について整理したものです。国・都道府県の実地調査の利点として、整備指針への準拠等について、一定の判断・相談ができること、などが上げられています。
 最後、6ページ目は、第1回共生の検討会で事務局より提示した実地調査を用いたがん対策の推進(案)になります。「目的」に、拠点病院における指定要件に関する理解の促進や病院の課題整理を上げて、参考資料2-1のような現況報告書を基にしたチェックリスト案を作成しております。方法としましては、参考資料2-2にありますように、厚生労働省作成の実地調査マニュアル案を参考に、都道府県の調査班による施設訪問という形を取っています。「今後の予定」の欄にありますように、2019年度にパイロット調査を実施、及び、2020年度以降の全国実施に向けた検討を行うということで、本年度は主に実地調査マニュアル等を用いた実地調査の方法の検討のためのパイロット調査を行いました。経過を御報告いたします。
 7ページを御覧ください。こちらが御報告になっていきますが、本年度A県から2病院、B県から1病院で、合計3病院に御協力いただきました。A県に関しては、7月より打合せを開始し、対象病院や県内有識者の候補を上げていただきました。県外有識者については厚労省から紹介し、第1回の調査では、全国のピアレビューの御指導をいただいている国立がんセンターの加藤先生に、第2回の調査では、B県の県内有識者に依頼しました。日程調整や評価のための事前資料の作成に3か月以上を費やし、11月になってX病院とY病院のパイロット調査を行いました。
 8ページ目を御覧ください。Y病院で行ったパイロット調査の具体的なスケジュールになります。全体説明には病院長にも参加していただいております。その後、施設内訪問、各担当者のヒアリングを行い、総括を終えるまでに4時間以上経過しておりますが、チェックリスクの確認のため、当日は、県担当者及び有識者の有志で午前中から評価作業をいただいておりました。なお、もう一つの1か所病院についても、ほぼ同様なスケジュールで調査をいただきましたが、当初は午前中からの評価作業はしておりませんでした。
 次に9ページ目は、A県でのパイロット調査についてのアンケート結果になります。都道府県の担当者からは、見直しが必要な点として、マニュアル等の書面だけでは全体像をイメージすることが難しく、研修会の開催等を求める意見がございました。活用できる点としましては、現場での取組状況を実際に見ることで行政側でも把握でき、理解が深まったとの御意見をいただきました。また、医師・看護師・薬剤師から成る有識者からは、より効果的かつ有効的に調査ができるような改善の必要性についてたくさん具体的に伺っており、また、ピアレビューとのすみ分けについての必要性を指摘いただきました。対象病院のスタッフからは、日程調整や事前準備だけでなく、当日の業務への影響など負担が多かった点を指摘いただいておりますが、一方、活用できる点として、調査を受ける準備の中で課題も改めてチームで共有することができ、病院長を含む幹部に緩和ケアチームの活動を知ってもらうよい機会になったとの御意見をいただきました。
 今後は、B県の調査結果も踏まえて、マニュアルの見直しを進めていく予定になります。
 10ページ目を御覧ください。今後の進め方についてお示しいたしております。
 パイロット調査を実施した様々な意見を基に、マニュアル等に対する具体的な課題だけでなく、目的、方法、調査対象病院、今後の予定などの主要な方向性についても再確認の必要性が得られました。
 今後は、がんの緩和ケアに係る部会を設置し、全国に実現可能な実地調査の運用についてさらに詳細に検討していくこととしてはどうかと考えております。
 なお、11ページ目にお示ししましたように、本検討会のスケジュールとして、がんとの共生についての議題が多いという点から、年度を越えて継続すること、及びがんの緩和ケアに係る部会を設置し、具体的な緩和ケアに関する議論の結果を本検討会に報告するような形式を予定しております。今後の進め方及びスケジュール(案)についても御意見いただければと思います。
 事務局からは、以上になります。
○西田座長 まとめていただきましたけれども、特に、実地調査をパイロットで、Y県で2つ、X県で1つ既にやられて、これから全国展開にどういうふうにやっていくか、具体的にマニュアルあるいはチェックリストの見直し、あるいは、方法、目的、どこまで広げていくかというのも含めて、再検討、再確認したいということです。
それと、もう一つは、緩和ケアのところは、特に患者さんの要望が多いところなので、部会を置いて、もう少し詳細な議論をしていきたいというのが事務局側の御意見でございます。
 この2点だけでなくて、全体を通して、先生方から御意見を伺おうと思うのですけれども、まず、実地調査を実際にやられた加藤構成員から、少し追加で御意見等がありましたら、よろしくお願いします。
○加藤構成員 加藤です。実際に実地調査を一回参加させていただきました。
 その経験を踏まえて少しだけ申し上げますと、細々としたこともいろいろとございますが、一番大きいところとして、私自身が国立がん研究センターでやっている病院同士のピアレビューと、実際に都道府県疔が中心となって行う実地調査の違いがあることを、改めて強く感じました。それぞれのいいところ、限界について、それをしっかりと理解して、すみ分けてやっていく必要があると思っています。
 具体的に申し上げると、実地調査を県主導で行うと、当たり前ですけれども、県が見に来たということでどうしても監査的になるというか、むしろ、それが目的であるとは思いますが、拠点病院の指定要件を満たしているかどうかを確認しに行くというところが目的になるかと思います。であれば、そこの部分をどのようにやっていくのかが重要になります。実際に県庁がわざわざ行くわけなので、県庁の方々にとって、指定要件がしっかりと充足しているのかどうか。もし問題があるのだったら、どうやってそこの部分を改善するのか話し合うというところが目的になります。国立がん研究センターでやっているピアレビューは、あくまでも病院同士がお互いに訪問するということで、監査ではなく、現場がよりいい医療を提供するためにどのような工夫ができるのかを話し合っていくものです。指定要件を満たしているというのが前提なのかもしれませんが、さらにその上の診療の質を高めていくということができることが病院同士のピアレビューのいいところです。県庁の実地調査の目的は、最低限確保しなければいけないものが確保できているかどうかというところをしっかりと見に行くものだと思います。病院同士で行うときの目的は、より良い医療を提供するためにやるものなのだというところを区別することを意識してもらったほうがいいと思います。
 逆に言うと、県庁主導でやるときは、十分にできている病院に行ってしまうと、県庁の方がわざわざ行ったのにコメントをする場面があまりないというところがあるかと思います。ぎりぎりのところというのでしょうか、指定要件が十分に満たされているのか、どうかというところを見に行くのが効果的だと思います。しかし、県庁の方は緩和ケアの専門的なところは分からないと思いますので、有識者の方も一緒に行ってディスカッションしていく中で、指定要件を十分に満たすためにはこういう工夫をしたほうがいいのではないかという具体的なアドバイスを有識者がしていくことが期待されると思います。ただ、有識者が指定要件を満たしていないと直接言うといろいろと角が立つかもしれませんので、そこは行政の方が行政の立場で発言してもらうのが良いかと思います。やり方によってすごく良い取組になっていくと思いましたので、その辺りの整理を進めてもらいたいと思いました。
 まずは以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
 スライドの5枚目に、実地調査とピアレビューと第三者評価の表があります。第三者評価の場合は、病院機能評価を受けられているところが一番多いのかなと思いながら聞いていたのですけれども、もちろん、これらは目的もやり方も利点も違いますし、それから、多分インターバルも違いますよね。病院機能評価は何年かに1回、ピアレビューは毎年。例えば私どものところであれば、私大協のピアレビューとNCのピアレビューと2つか3つぐらい重なってピアレビューをやっているのですけれども、それはいずれにしても毎年やっているということになります。実地調査となると、どの程度やるかによって大分違ってくると思います。
 この辺に関して、受ける立場の人たちの意見も少し聞きたいなと思うので、木澤先生いかがでしょうか。緩和ケアの実地調査あるいは都道府県の実地調査に関して、何か御意見はございますか。
○木澤構成員 ありがとうございます。
 私も以前、この検討会ではなくて、前の検討会のときの実地調査に実際に行ったことがあるのですけれども、実地調査が動いているということ自体に意味があるのではないかと思っています。ですので、今、加藤先生が言われたように、最低限の質の確保という点では非常に重要な活動の一つではないかなとは思っています。
○西田座長 それは監査的な意味合いが少しあるから意味があるという意味ですね。
○木澤構成員 そうです。
○西田座長 非常によく分かります。
 ほか。
 志真先生どうぞ。
○志真構成員 前回のときに出されたチェックリストについて、今回、かなり詳細に見てみました。質の評価をするときには、ドナベディアンモデルというのがありまして。まず、人員とか組織体制とか設備とかそういうことを評価するストラクチャー部分、構造と言われています。それから、実際そこで提供されているケア、どういうふうな人を対象にどれぐらいの量のケアが提供されているかといったプロセスを見る過程ですよね。それから、それがどういう結果になっているか、アウトカムという、この3つのポイントがあるわけです。
 このチェックリストを見ると、それが入り混じってしまっていて、どこまでが構造で、どこが過程なのかというのがよく分からない。一応私なりに分類はしてみたのですけれども、さっき加藤先生が言われたことと重なるのですけれども、行政が見たいのはストラクチャー部分だと思うのですよね。それも、指定要件がちゃんと満たされているかどうかという。それがこのチェックリストだとちょっと分かりにくいのですよね。一体どこを見ているのだろうかと。それから、プロセスについても、いろいろなプロセスが入り混じっていて、そのプロセスの評価が、これを見てどういうふうにされているのかなというのが、これからはちょっと分かりにくい。
 私の提案としては、先ほど、このアンケート結果にもありますように、指定要件を見るプロセス部分、ここについては、行政的なオーディットをはっきり相手側に伝えて、こういうことはそちらで満たしてくれているかどうかをチェックしますよということを伝えるのが1つだと思うのですね。プラス、緩和ケアの関係者が一緒に行くのであれば、プロセス部分についても、ぜひ、今回評価させてくださいと。それは緩和ケアに携わっているドクターあるいはナース、薬剤師の方が一緒にいますので、それは意見交換とか、そのチェックリストに基づいてチェックしますというような、チェックリストをドナベディアンモデルでしっかり見直してもらって、そして、狙いをはっきりさせることが大事かなと思います。
 それから、さっき加藤先生が、ある程度きちんとできているところは、行ってもあんまり言うことがないとおっしゃっていましたけれども、確かにそうだと思うのですね。ただ、私、医療機能評価機構のサーベイヤーもやったことがあるのですが、行く側もある程度トレーニングを受けないと、なかなか適切な評価ができないのですよね。医療機能評価は、約5日間ぐらいの研修会をやります。でも、これはとてもできないでしょう。サーベイヤーを養成するのに5日間も研修はできないと思うので、ある程度数を踏まないと駄目だと思うのですね。その都度、プロセスを評価する関係者を場当たり的にチェックしてやるというのは効率が悪いし、サーベイヤー側の質が上がらないと思うのです。学会とか、私ども協会とかが推薦をして、ある程度そういうグループをつくって、その人たちが回数を重ねていけば、ある程度質の均質化というものも図れるのではないかなと思います。
 それと、各都道府県の様子はよく分からないのですが、今日、木庭さんがいれば、そこら辺の実情は分かるかと思ったのですけれども、行政の事務局側は結構大変ですよね。スケジュール調整もすごく大変だと思います。そこは、これをもしある一定のプログラムとして運用していくとすれば、その点については都道府県の負担を考えて、何らかのサポートはする必要があるのではないかとは思います。いわゆる指定要件というか、要件を満たしているかどうかと、そういうチェックリストと、それから、プロセスを見るチェックリストをしっかりつくって、そして、都道府県の調査にある程度サポートをしつつ、プロセス評価も一緒に見るような仕組みをつくっていくというような方向でどうだろうかなと、これを見てちょっと思いました。
○西田座長 御意見ありがとうございます。
 一番最後の行政側の負担が大きいというのは、確かにそうだと思うので、全部に行くのは難しいだろうなということと、ストラクチャーは確かに重要だと思います。どういう質問をするか。その答えに対して、病院機能評価もそうですけれども、行く人の判断基準がばらばらになると、確かに非常にややこしいので、ある程度均質化はしておかないといけない。逆に言えば、基準をつくっておかないといけないかも分かりませんね。
 加藤先生、何か追加で御意見があれば。
○加藤構成員 おっしゃるとおりかなと思います。レビュアーの質の担保は非常に難しくて、どのようにレビュアーの目を養っていくのかというのは、とても重要な課題だと、志真先生の御指摘を聞いて思いました。
 あと、これは私のピアレビューのほうでの経験ですが、いろいろなものを見たいと欲張ってしまうと、どれも難しくなってしまうことがあります。以前も申し上げたかもしれませんが、病院間のピアレビューのときに指定要件も満たしているかも評価したいということをやり始めると、何が一番の目的なのかがわからなくなってしまった経験があります。病院同士のピアレビューのときは、あくまでも困り事解決、課題解決のための訪問であることを明確にし、それを徹底することで、受ける側も訪問する側もそこに焦点を当てたディスカッションができ、いいピアレビューができるようになったということがあります。
 こちらの実地調査に関しても、第一義的には指定要件を見る。メインはストラクチャー的なところをみることになるかもしれません。しかし、せっかく有識者も行くので、可能であれば、その副次的な効果になるのかもしれませんが、プロセス的な評価など、診療をよりよくするためのものも可能であれば見るのは良いことだと思います。ただし、何が主目的でどっちが従なのかということは、しっかりと明確にしておかないで両方を行おうとすると何が目的なのかわからなくなり、訪問を受ける側もする側もどこまで言っていいのか分からなくなります。県の主導であれば、指定要件を見に行くということをしっかりとメインで出していくというところは崩さないほうがいいと思いました。
○西田座長 そのほか、御意見のある方はいらっしゃいますか。
 高山構成員どうぞ。
○高山構成員 ありがとうございます。
 今、御議論を聞いていて、せっかくピアレビューと都道府県での実地調査があるということで、重ならないように役割分担がうまくできる形で、かつ、都道府県側の御負担が少ないようにと思って聞いておりました。
 その中で、これがどのぐらいやるのが適切なのかというのが、この部会立ち上げの御提案があるので、恐らくその中で御議論になるのかとは思うのですが、PDCAが基本になるとすると、繰り返しがあってこそ改善が見えてくるということがあると思いますので、それが1年に1か所というと、場所によっては何年たっても終わらなくて、そのうちに人も体制も変わってみたいなことだと意味がなくなってしまうので、その辺りもぜひ今後の検討の中でどのくらいが適当かというのを御議論いただければと思いまして。恐らく、これは緩和ケアだけではなくて、ほかの領域にも関わってくることだと思うので、そこで、大体のこんなふうにできるという知見なりおまとめがあると、ほかの領域にも生かせるのかなと思いました。
○西田座長 ありがとうございます。
 岸田構成員どうぞ。
○岸田構成員 2つありまして。先ほど志真構成員がおっしゃったように、適切な評価ができるように評価者側が全体を比較できるようにすることが大事だと思います。 したがって、評価者が一回一回全員違って、それ毎で評価も変わっていくことがないような形を、全体を比較できる人がいたほうがいいのではないかということを思います。そういった人がいれば適切なアドバイスができるようになるのではないかと思います。
 2つ目に関しては、この実地調査はもちろん大切ですけれども、今後、スケジュールにも関わってくると思いますが、目的としては、患者さんが適切な緩和ケアを受けられるかといったところになると思うので、できるだけ早く現場で実施してもらえるようにという、そういった観点も入れてほしいなということを思っています。
 以上です。
○西田座長 御意見ありがとうございます。
 前回、木澤構成員は入られていたということで、それの経験から、今回やるとしたら、こういうところはもう少し改善したほうがいいのではないでしょうかというのがあれば、差し支えなければ。
○木澤構成員 今、急にぱっと出てこないのですけれども、加藤構成員が言われたことと非常にダブるのですけれども、もうやってきているところは基本的に行かないというのがいい、明らかに大丈夫そうというところは行かなくて。ちょっと変わったことを言うかもしれないのですけれども、例えば、ストラクチャーは満たしているかどうかは怪しいけれども、ちゃんとやれているという拠点病院もあると思うのですよね。プロセスがちゃんとしている。そういうところは見たほうがいいですし、そういうようなものを通じて、実際、制度自体を見直すことも大切な仕事だと思うので、ボーダーラインとかボーダーライン以下のところを中心に見るのは、基本的にはいいのかなと思います。
○西田座長 どうぞ、志真構成員。
○志真構成員 さっき、3つの要素があると申し上げたのですが、もう一つ大事なのは結果ですよね、アウトカム。これは、木澤先生が理事長をやっている緩和医療学会、それから、私が理事長をやっている協会では、少しずつ進んできています。具体的には、遺族による評価が私どもの協会では進めていまして。これはインターネットを使ったウェブ調査をやりたいと思って、準備はほぼ完了しております。木澤先生のほうでは、多分、症状の寛解率みたいなものを細かく見ていく、そういうものを今後計画されているのではないかと思うのですね。これも大事なアウトカムだと思います。
 ですから、これは国とはちょっと違うレベルの民間でのあれですけれども、アウトカム評価もある程度念頭に置かれて、今後これを進めていっていただいたほうがいいかなと。だから、ストラクチャーで幾ら締め上げても、いいアウトカムが出てこなかったら、これは何の意味もないわけです。
 それから、さっき木澤先生が言ったように、ストラクチャーはいまいちだけど、非常にいいケアをしていて、遺族の評価がすごく高いということも現実にあるのですよ。だから、それも見ていかないといけないので、この3つの要素をしっかり実際に実施に移したときには、そういう多面的に見ていくということをぜひ考えていただいて、あまりにストラクチャーにこだわって、これを満たしてないから駄目じゃないというような実地調査にならないのをぜひお願いしたいと思います。
○西田座長 木澤構成員どうぞ。
○木澤構成員 それが出てくるとは思わなかったので発言しないでいたのですけれども、実地調査とは別なので。アウトカム評価はしなくていけなくて、本当にNCDでやられているような、いわゆる全例登録みたいなことをして、その専門緩和ケアの質の評価をしていくという取組は絶対にもうやらないといけないだろう。緩和ケア病棟であったり、専門緩和ケアのコンサルテーションの質を評価するということを、症状ばかりではなくて、問題はどういうふうに解決されていて、何をしているのかということをきちんと見ないといけないので、このように制度ができた以上は、そういう取組をして質の改善のサイクルを回していくということを徹底的にやらないといけないと、業界としては思っています。
○西田座長 そういう評価の基準はある程度つくっていけないだろうなと思います。
 それと、多分、ストラクチャーのところは書面である程度はいけるのではないかなと思いますので、書面調査も活用しながら、実際にビジットするのは全部である必要は必ずしもないのではないかなというのが、皆さん方の御意見ではないかなと思います。
 もう一つ気になるのは、一回行ったきりでいいのではなくて、その後も、行った後、どう改善したかのほうがむしろ重要で、フォローアップをちゃんとしないといけないのではないかなと僕も思うので、行ったところで問題があったところには、次年度にこういう改善をしましたという報告をやってもらうとかというのをちょっと考えておく必要があるのではないかなと、個人的には思いました。
 そのほかは御意見ございませんでしょうか。
 どうぞ。
○塩川構成員 今、最後に、調査したときに、次にフォローをしていくという話を聞いていてちょっと感じたことですけれども、この調査の表の中に、薬剤師の立場というか専門の立場で言うと、多職種が入っているべきだけれども、薬剤師も実質的に緩和ケアチームに入れてないところもあって、そこら辺はどう配置していくかという、保険請求とかいろいろな問題が関わってくるので、そういう面からもフォローを、何をどう理想とするかだけではなくて、何が現実的に起こっていて、だけど、こうすべきという点を見据えて、次に結びつけるような対策を考えていくべきかなとちょっと感じました。
○西田座長 ありがとうございます。
 ほかは、御意見はございませんか。
 ある程度まとめないといけないと思うのですけれども、パイロット調査は今年度で終わって、来年から実地調査を各県でやっていただくという理解で、事務局に確認したいのですけれども、いかがでしょうか。
○がん対策推進官 すみません、事務局でございます。
 そういう意味で、若干事務局側で御説明すべきところがあったのかなと思っているのですが、そもそもこの実地調査自体、かなりいろいろなものが入り乱れていると志真構成員には御指摘いただいたところですが、これは長いがん診療連携拠点病院の整備指針の中から、「緩和ケア」と書いてあるところを抜き出させていただいたのが黄色い部分でありまして。それを例えばチェックすればこういうことになるのかという形で、チェックリストを順次作らせていただいたと。どちらかというと都道府県がふだん目にするものをベースに、どうしたら見やすいかという視点で作らせていただきました。
 そういう意味で、今回、A県とB県、3病院運営させていただいて、かなり県からは負担が多い、もう少しやりやすい形にしないと実務的ではないのではないかという御指摘もいただいている中で、来年度以降、もう少しパイロット調査なり実行可能性を見極めるフェーズが要るのではないかというのが、今の事務局の問題意識であります。
 一つ先生方に、いま一度お伺いをしたいなと思っているのは、これ自身はがんの拠点病院の整備指針を抜き出させていただいたものでございますので、アウトカムとかそういったことを視野に入れると、整備指針にないものをここに取り入れていって、そういった意味で資料2の6ページには、国・厚生労働省に最後フィードバックをしていただくような矢印を描かせていただいていますので、この実地調査の負担と、実際そこから得るものというバランスを考えたときに、どこまでこういったものを部会のほうに作業自体はさせていただきたいと、事務局としては考えていますが、その大きな方針として、この検討会で、もう少しそういった先を見据えたものを盛り込んでいくべきだという話なのか、いや、国・都道府県のことを考えれば、今ある整備指針を先ほどボーダーラインとおっしゃっていただいたような、そこをフォーカスにしていくかということを少し視点として我々にお知恵をいただければと思っているところであります。
○西田座長 この辺りいかがですか。
 志真構成員いかがでしょう。
○志真構成員 アウトカムのことについては、これは、行政サイドの立場と学会とか学術団体はちょっと違うので、あくまでも構造を見るというところを多分行政側としてはしっかりする必要があるのではないかと思います。
 ただ、それですと、本当に白か黒かみたいな形になってしまうので、提供されているケアがどうかというプロセスを併せて見せていただいて、そして、その構造だけでは分からない実態を把握するという考え方で、このチェックリストを再構成していただけるといいかなと思います。
 アウトカムについては、これはいろいろな問題があるので、多分、行政的なものとして取り扱うのはまだ早いというか、ちょっとデリケートな問題なので難しいかなと。そこまでの要求は今の段階ではできないと思います。ですから、ストラクチャーをしっかり見て、あとは、そういうプロセスを同時に見られるような仕組みをつくれば、とりあえずはいいのではないか。
 対象をどうするかというのは、私もちょっと揺れていまして。まず見るのだったら、ある程度その構造も満たしていて、ちゃんとしたケアも提供している、プロセスもちゃんと出しているというところをまずは見ていくということになると、都道府県拠点がしっかり対象になるのではないかなと。その都道府県拠点のドクターたちがある程度レビュアーというかサーベイヤーというかそういうものとして機能し始めれば、それも一つの人材になるのではないか。
 さっきから言っているボーダーラインというのにいきなり行くと、いろいろな波紋や混乱が起きるのではないかなとちょっと思うのですね。例えば、そういうことがあるかどうかは分からないですけれども、都道府県が推薦を取り消すとか、そんなようなことも起きたりするのではないかと。ですから、そこはちょっと慎重に考えて、私は、まずは都道府県拠点でやってみて、そして、徐々に広げていくというやり方のほうが混乱が少ないのではないかなというふうにちょっと思います。
○西田座長 という意見です。確かに、アウトカムの定義は多分決まらないと思いますので、そうやすやすとは決まらないと思います。ストラクチャーとプロセスは、多分、妥当な線だと思います。ただ、対象をどうするか、誰が行くかという問題に関しては、少し議論の余地があるかなと思いますけれども、ほかの先生方で、御意見ありますでしょうか。
 加藤構成員、いかがですか。
○加藤構成員 ありがとうございます。
 私も一回同席して思ったのですが、県庁の方々も1回目は本当に何をすればいいのか全く見当がつかないという状況があるかもしれません。ただし、一回経験すると、その辺りはプロですので、次からどうすればよいのか、しっかりとイメージしながら準備できたと思います。そういったことを考えたときに、志真構成員が言うように、いきなり判断が難しいところを本番のような形で行くよりかは、まず行政が県内の積極的に協力してくれる病院でノウハウを積んでやっていくのも良いと思います。いい例かどうかは分からないですが、都市部でしっかりした病院ばかりがそろっているところで行うこの実地調査と、ぎりぎりのマンパワーであまり人材もいないようなところで何とかやっている地域での実地調査では、多分、やり方の方法もかなり変わってくると思います。
 したがって、それぞれの県の中で、自分たちの県はこういうスタンスで行おうというある程度のコンセンサスを得ておかないと、難しいこともおそらくあると思います。確かに、まずは一度しっかりしたところで行い、その上で、県内でどうしていくのかを県庁主導で考えていく、そのような丁寧なプロセスがあると、よりやりやすくなるかもしれません。ただ、そこまで厳密に手順を決めるものではないとも思います。このようにやるとやりやすくなるかもしれませんということを、厚生労働省から県庁などに示すと、参考になると思いました。
○西田座長 それ以外、御意見ございませんか。
 現実問題として、この実地調査に行くのは、行政側の人が主になるという理解でよろしいですか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
 そういう意味では、行政はもちろんですが、専門的なところに専門家の先生の視点が入らないと評価が定まらないということも一部御指摘をいただいていますので、そういう意味では専門家の確保、レビュアーの人の担保は一つ課題なのかなと認識しております。
○西田座長 そこは、誰がするか、そのボリューム感がどれぐらいあるかによって、多分、ピアレビューとの区別が非常に難しくなってくると思うのですね。そこはよく考えておかないといけない。ピアレビューと何が違うのだという差別化はしておかないといけないかなと。例えば都道府県の拠点病院が行くとしたら、それではピアレビューとどう違うのかという話になるので、そこのところは少し考えておかなければいけないと思います。
 確かに、行政だけ行けば、本当に数値のチェックだけで終わってしまうので、書面で終わってもいいのではないかという話になると思うので、そこは、今回、加藤先生が行かれたように、何人のかの医療者が入って行くと良い様に思います。ただ、それが大多数ではない。行政側にもちゃんと理解してもらうという意味を含めれば、都道府県の人が行くというのは確かにいいように思います。一度本当に現時点でベストプラクティスをやっている病院を行政の方々に見ていただきながら、現時点でベストプラクティスが本当にあるのかどうか知りませんけれども、そこを見た後に、ちょっとボーダーラインに引っかかっているとおっしゃるような病院に行けば、と仰るのですけれども、では、そのボーダーラインの病院をどうピックアップするかということが一つ問題だと思うのですけれども、木澤構成員、何か御意見はございますか。
○木澤構成員 それは、むしろ、私が教えていただきたいぐらいで。
 それはできるのですかね。逆に、事務的にできるのかどうかを伺いたいというところはあるのですけれども、難しければ、志真先生がおっしゃったように、まず行政がやりやすいようなスキームをやって、その後にそういうことを考えていくという。飛び抜けたところは多分分かるでしょうから、平均及び平均以下のところは見つけられることは見つけられるのではないかと思います。
○志真構成員 さっき加藤先生が言われていましたけれども、都道府県の担当者が自分の県の状況をどれぐらい分かっているかということも大事だと思うのですよね。ですから、そこの選択はあんまり線引きしないで、それぞれの都道府県の実情をきちんと把握するという意味でも、都道府県レベルで論議をして決めていったほうがいいのではないかと思うのですね。
○木澤構成員 対象をですか。
○志真構成員 ええ、対象を。何かこういうレベルというふうなものを示すよりは、それぞれの事情がありますからね。そこはどういう対象を選択するかは、都道府県でよく論議をしてもらうほうがいいのではないかなと思います。
○西田座長 ほか、御意見はございますか。
 これは、部会で検討をしていただければいいと思うのです。あんまり完全に各都道府県にお任せになると、多分、千葉県と東京都では全然違う基準でやってしまう可能性もあるので、ある程度の指針が要るかなと思います。そのときに、では、どうするかということになると、多分、ストラクチャーのデータを一旦集めて、ストラクチャーで完全に満たしているところではなくて、ちょっと危ういところを入れるとかそういうこともちょっと考慮の中に入れていただければいいのではないかなと思います。
 詳細なところは、ここは部会で検討をしていただくという形でよろしいでしょうか。いずれにしても、行ったきりではなくて、もう一つ付け加えれば、その後、問題がなければもう一回行く必要はないと思うのですけれども、問題があった場合は、もう一回報告書を出してもらうなり何かをしてもらって、再確認するというプロセスをもし入れていただけるようであればいいのではないかなと、個人的に思います。
 ということで、ほかに御意見ございますか。
 漠としたところになってしまいますが、部会に参加する先生方は大変だと思うのですけれども、この方針で部会のほうで、チェックリストも含めて、少し考え直していただく。それで、対象病院をどのクラスで、どれぐらいにするか。あんまり正確に幾つの病院と決める必要はないと思いますが。おおむね何パーセントとかそんなのでいいと思うのですけれども、この辺の病院をチェックしてくださいという形で、推奨ぐらいは入れていただけるとありがたいなと思います。
 ほか、追加でありますか。それぐらいでよろしいですか。
 羽鳥構成員、よろしいでしょうか。
○羽鳥構成員 はい。
○西田座長 皆さん御了解いただいたということで、もう一つのほうに移りたいと思います。もう一つは自殺になります。
よろしいでしょうか。
 では、自殺のほうにまいります。先ほど、会の最初に申しましたように、がんの患者さんだけではないのですけれども、年間2万人近くが亡くなっているこの日本の現状としては自殺は重要で、特に、がんという告知をされた後の自殺率が高いことは新聞報道等でも非常に有名になっています。これに対して、少しでもそういうのを防いでいきたいというのは当然のことだと思いますので、こちらのことについて、今、実態調査と体制について、事務局のほうでまとめていただきましたので、まず事務局のほうからお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 資料3を御覧ください。「がん患者の自殺の実態調査と専門的ケアにつなぐ体制について」説明をさせていただきます。
 2ページのとおり、がん患者の方の自殺防止は、第3期がん対策基本計画の中で、がん患者等の就労を含めた社会的な問題に位置づけております。
 3ページは、がん患者の方の自殺対策の経緯になりまして、左側に、国の大きな柱であります自殺総合対策と右側にがん対策をお示ししています。
下の表のとおり、研究も両者で連携しながら進めておりまして。まずは、自殺総合対策の話から入らせていただきます。
 5ページは、日本の自殺者数のグラフです。この10年の自殺者数は減少傾向にございますが、約2万人もの方が自殺しており、年齢階級別では、50代が最も多くなっております。
 6ページは、自殺志望率のグラフです。年齢階級別で、全体的に低下傾向ですが、19歳以下はおおむね横ばい、また、日本の自殺死亡率は、ほかの先進国より高くなっております。
 7ページは、推定される原因・動機をお示ししたグラフです。多くの場合、複合的に連鎖しており、健康問題、経済・生活問題、家庭問題、勤務問題の順となっております。健康問題の内訳は、約4割が鬱病、約3割が身体の病気となっており、慢性疾患等に苦しむ方への療養生活上の相談や心理的ケアを適切に提供することなどが求められています。
 8ページは、国が推進すべき自殺対策の指針として、自殺対策基本法の改正や実態を踏まえ、平成29年に閣議決定されました「自殺総合対策大綱」の概要です。自殺対策を生きることの包括的な支援と捉え、地域レベルの実践的取組、若者の自殺対策、勤務問題による自殺対策のさらなる推進等を目標に掲げております。がん患者の方については、赤枠の適切な精神保健医療福祉サービスを受けられるようにする施策として明記されました。
 9ページは、自殺対策における支援の形です。自殺に至るプロセスと、それぞれの状態に合わせた対応となっておりまして、自殺対策事業のみならず、地域共生社会、生活困窮者自立支援の施策と一体的に進めていくこととなっております。
 続きまして、がん患者の方の自殺対策です。
 11ページは、平成28年に開催されました「第63回がん対策推進協議会」で、内富参考人から御発表いただきました「がん診断後のストレスと自殺」に関する研究でございます。詳しくは後ほど御説明いただきますが、がん診断後1年以内の自殺リスクが23.9倍、そして、全自殺者数の約5%ががん診断後1年以内であること。右下は、がん種別のデータが示されております。
 12ページは、当時の協議会で頂戴した御意見でございまして。
 13ページのとおり、第3期基本計画に盛り込ませていただいております。
 14ページは、現場の状況について、高山構成員の御協力の下、がん相談支援センターの方にヒアリングをいただき、地域と病院内での取組を整理したものでございます。地域では、自殺総合対策に基づく事業の活用や参画をされており、病院内では、希死念慮のある方への対応フローやマニュアルの作成、研修の実施等が上げられました。
 また、下の記載のとおり、御遺族や医療従事者へのケアの必要性についても御意見をいただいております。
 15ページは、先ほどの取り組むべき施策への対応をここにお示ししたスライドです。実態把握と効果的な介入の在り方の検討は、研究を進めていただいているところで、この後、内富参考人から御発表いただきます。専門的・精神心理的なケアにつなぐための体制の構築は、現在、学会等で実施いただいている研修、スクリーニングや診療報酬の仕組みの活用、また、周知は、自殺総合対策における取組内容となっております。
 最後に、本日の論点(案)でございます。
 がん患者の方が尊厳を持って安心して暮らせる社会の構築を目指し、身体的・精神心理的・社会的な苦痛の緩和を図り、自殺を防ぐためには、専門的ケアにつなぐ体制にどのような課題があり、今後どう取り組むべきか、課題の例を参考に幅広く御意見をいただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○西田座長 事務局から、現状をまとめていただきました。
この後、先ほどから名前が出ております内富参考人から、これまでの日本のエビデンス、海外のエビデンスを含めてまとめていただこうかなと思います。
では、内富先生よろしくお願いします。
○内富参考人 がんセンター中央病院支持療法開発部門の内富です。
 今日は、3年前に参考人でお招きいただいてから、サイコオンコロジー学会として取り組んできました内容について、もう一度振り返りながらお話をさせていただきたいと思います。
 まず、3ページ目が前回も使ったものですけれども、一番左上の右肩下がりのグラフは、鬱病、不安障害、一般的にがん告知後のストレスを測る指標として利用されているわけですが、赤点が1か月ごとの有病率調査で、横軸は時間経過で60か月、早期乳がんの診断後、5年をフォローしたものです。これを見ていただきますと、がん告知直後が三十数パーセント、3人に1人のストレス状況が、半年しますと20%、1年来ますと10%内外で、5年をめどに大体落ち着いていくということなのですが、がんに限っては、最初の半年、1年がストレスとしても非常に大きい。その反映がこのがん診断後の自殺リスクに表れておりまして、国立がん研究センターが行っておりますJPHCコホート、多目的コホートを利用しまして、がんの罹患後の自殺を。これは数が左下にありますように非常に少ないものですから、データとしてはちょっと不安定で、23.9倍とかなり大きく見えていますが、1年たつと1.1倍になりますから、少し落ち着いていくと。それを裏打ちするためのもう少し大きい、スウェーデンの一般住民全員を登録したコホートですと、がんの診断直後の1週間が12.6倍、3か月して4.8倍、1年の声を聞きますと1.6倍、2倍ということですので、最初に非常に大きいインパクトがありまして、半年、1年後からは慢性ストレスに移行しているということの表れになるかと思います。
 少し内訳を見ますと、食道・肝・膵、それから、肺がん、脳、そういう難治がんの自殺の頻度が非常に高く、大腸・乳腺と続きますが、がんを伝えられたとき、死の影響をほかのがんほど考慮しなくてもいい前立腺がん、皮膚がんに関しても、自殺が多くなるということで、伝え方が非常に重要になってくるかと思います。
 今日お話しする内容は、それを受けまして、この3年間どういったことをやってきたかということをお話ししたいと思います。
 まず最初の1番の実態が明らかでないので、がん登録を用いた自殺の実態調査。これは革新自殺の研究班の支援を受けまして、このたび、がん登録のデータが初めて2016年分が使えることになりましたので、解析に入っております。その結果は4月以降ということでして、今日は御報告できないことをお許しください。
 5ページに、その代わりになりますアメリカのこれまで何十年か蓄積されてきたがん登録データを用いた自殺の実態報告をお示ししたいと思います。これは、米国の73年から2014年まで約40年間、800万のがん患者の登録のデータで、がんの診断登録後1年未満と1~5年、そして、5年以上と分けて報告されています。難治がんの代表であります肺がんを例にとりますと、最初の自殺1年以内が高いのですが、1年を越える、そして、5年を越えるとさらに減っていきます。次に同じような動きをするのが乳腺、頭頚部、それから、ノンホジキンリンパ腫、腎がん、白血病であります。この論文から一番驚いた点として特筆されたのは、精巣腫瘍とホジキンリンパ種、特に若い方のがんになるのですが、最初よりも増えるもしくは減らないということで、サバイバーシップの過酷な状況がうかがい知ることができます。
 続きまして、当社会と健康研究センターの藤森が東京都の監察医務院に検案事例を5年間自殺事例9,841例で、恐らく日本の約10%に相当すると考えられますが、後ろ向き調査で検案調査からデータを抽出し、約72.8%が明らかにがん治療中のがん患者の自殺であったことが分かりました。これはがん患者全体の0.2~0.3%に相当する。平たく言いますと、がん患者500人につき1人ぐらいの方が自殺をされているということになるかと思います。
関連要因としましては、がんではない方の自殺とがんの患者さんを比べますと、60歳以上の高齢の方が多い。そして、同居者がおられる割合が高い。68%と59%です。生活保護や年金の受給者が多い。そして、喫煙・飲酒がむしろ少ない。それから、無職の割合は同等であった。自殺の手段は縊首65%、次に飛び降りが多いということが分かります。右上の表を見ていただきますと、2012年の東京都のがん罹患と並べて、がん患者の自殺の割合を見比べていただくと、非常に類似した割合を示しております。逆に、がん死亡を見比べてみますと、がん種別の自殺と少し割合が違うかなと。これはどういうことかといいますと、がんの罹患直後、半年、1年の自殺の割合が非常に多いので、がん種の割合に影響を受けた形ではないかと推測されます。その上、消化器がんと頭頚部がんのような機能障害の多いがん種に多いということが分かりました。逆に、難治がんの自殺者は多くはないということになります。
 そして、同じ調査で、さらに分かりましたことは、7ページになりますけれども、がん患者さんの自殺は、75.8%は自宅もしくは自宅周りで発見されることが多いことが分かりました。入院中の患者さんは5%で、それも、病院の中は4.2%と、思ったより少ないということが分かりました。病院で自殺で見つかる場合は氷山の一角になっているということかと思います。その氷山の一角のデータではありますが、財団法人日本医療機能評価機構が2006年と2016年にレポートをされている報告が、この8ページであります。
 入院患者さんの自殺を、会員病院のうち575の病院でアンケートを行いまして、117病院から29%(347件)の自殺があったと報告を受けております。そして、そのうち、第1番目が、悪性腫瘍35%であります。同じ調査が2015年に行われましたが、がんの割合が50%と増えております。これは2007年のがん対策基本法の影響もしくはいろいろなマスメディア、いろいろな報道がありまして、社会全般としたら、がんに対する態度は昔ほど怖くはないという方向になったのですが、一方では、医療従事者は逆に「がん」という言葉を使いやすくなった反面、相手の状況を踏まえた上でのがんを伝えるということとは少し乖離があるのかなということを推測させます。
 次に9ページになりますが、そういった推測されたデータを受けまして、がんの診断直後の時期とサバイバーシップの時期、そして、エンド・オブ・ライフを迎えるスロープの時期、この3つに分けて、一般医療従事者向けの手引書を作ったほうがいいだろうということになりまして、現在、作成を終わりまして、各関係学会のヒアリング、コメントを頂いて、今、対応中で、年度内にはできるかと思います。
 次に、がんの自殺対策を何とか実効あるものにできないかということで、既存のものが使えないかということで、緩和ケアスクリーニングが自殺にどうかということを、文献を調べましたが、ほとんど無力でありまして、ほとんど擦り抜けていると。最近の報告によりますと、緩和ケアスクリーニングを電カル上で全例に行ったとしても、そのアンケートに答えない人の中から自殺をされていることが分かりまして、逆に、緩和ケアスクリーニングを100人なら100人全員に行って、5人ぐらい答えなかったら、その答えなかった5人の方をハイリスクとして見守っていく。そういった対策が今後できるのかなと思いましたが、一方で電カルの改修は非常に高いお金が必要になりますので、にわかには難しいかなとも思います。
 次に、がん患者指導管理料というものをこの中で使えないかということで調べていたところ、全国自治体病院協会が自発的に緩和ケアのインディケーターとしてこれが使えないかということで、自治体病院の先生方に協力いただいてこのデータを頂いて、資料を作成しました。思った以上に高いと見るのか低いと見るのか、私は思った以上にまだ使われてないのかなと思ったのですが、中央値ですと5.6%、平均値で11%ですから、がんを告知された方のほとんど9割以上の方は、この医師と看護師さんががん告知のサポートをすることはできていないと。
それでは、次はどうしたらいいかということで、普及と実装科学の専門家に相談しましたところ、チャンピオン・ホスピタルにまず実地訪問して、どういうふうにしたらこういう50%、60%が達成できているのかということを、普及と実装科学のチェックリストを使いまして調査を行いました。それによって今までの段階では、一番目には、チャンピオンとなる緩和ケア医もしくは看護師さん、場合によっては心理士さんが病院の中で常に動き回って、緩和ケアのパブリシティを上げている、そういったことが非常に重要だということが分かりました。
 トップ3の一つの病院ではチャンピオンの医師・看護師がいなかったのですが、何をしていたかといいますと、電子カルテに、患者さんだけでなく、看護師も同席できるような、予約の電カルに作り変えた。そうすることで患者さんを次の外来の予約に入れるときに看護師さんの予約も入れるということで、そういう少しお金はかかりますけれども、それをすることによって、あんまりモチベーションが高くない緩和ケアやナースの方でもこういった結果が出るのかなということが分かりました。しかしながら、緩和ケアスクリーニングでさえ無力ですから、まだまだこの指導管理料をすぐ自殺対策に結びつけるのはちょっと難しいかなと思っております。
 11ページにいきまして、がん対策基本法で、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法などが選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされることという、3つの理念のうちの大事な基本理念の1つではありますが、これを基本計画では、最初、医師のコミュニケーション技術の向上に努める、続いて、家族の心情に対して十分に配慮、適切な使い方ということで、医師の研修指導を10年間行いました。その内容のエビデンスは、ここにありますように、Journal of Clinical Oncologyに医師の研修指導を介したがん患者への介入が行われますと、右下になりますが、気持ちのサポートに関する医師の行動が変わる。これは第三者評定でビデオを評価しております。「沈黙して気持ちに配慮する」とか、「感情を話題にする」、「気持ちを支える言葉をかける」こういった医師の行動の顕著な変化が、結果的に、担当する患者の抑鬱が低い、そして、医師への信頼感が増加するという好ましい行動改善が明らかになりました。これは日本から発信したエビデンスで、海外では外人同士ということもありまして、なかなかうまくここまで患者アウトカムが改善するというのは出ないのですが、これをがん治療認定機構で高く評価頂き、2016年に認定医の申請単位に認定され、2017年には、米国臨床腫瘍学会ASCOのコミュニケーション・ガイドラインに採用されました。さらに2018年、コクランレビューでも採用されまして、このコミュニケーション技術研修を受けると、患者の気がかりを有意に引き出せることができることと、患者の痛みに共感を示すことができる。この2点が中等度以上のエビデンスとして評価されております。
 こういった活動を、13ページ、厚生労働省の委託事業として2007年からこつこつやってきまして、2017年からは国の支援から学会主導に移行し、コミュニケーション・スキル研修事業を続けております。この研修事業は公的資金の終了後大体1年以上続けば、研修事業の客観的な評価として、普及と実装科学の分野ではよく言われるのですが、今年度2019年度書いておりませんけれども、継続できておりますので、受益者負担で数万円払っていただいても継続できているということになります。厚労省の10年間の委託事業の御支援は非常にありがたかったと理解しておりますし、また、適切に御指導をいただいたので、現在、サステイナブルなものとして継続できているのかなと思います。
 14ページからは、お金をかけずに自殺対策が続いてできないかということで、ゲートキーパーの話を少ししたいと思います。これはWHOが全世界に自殺対策をする場合、特にLower Middle Income Countriesでもできるように、お金をかけずにできる自殺対策ということで、眺めてみますと、明日からでもすぐできそうながん拠点病院ができるものとしましては、このゲートキーパー・トレーニング、選択的、病院の中で行いますので、できるのではないかと思います。
 次のページの15ページになりますけれども、やっていることは非常に当たり前のコミュニケーションスキルでありまして、一番左の上を読みますが、ゲートキーパーの心得としては、「みずから相手とかかわるための心の準備をしましょう」「温かみのある対応をしましょう」「真剣に聴いているという姿勢を相手に伝えましょう」「相手の話を否定せず、しっかりと聴きましょう」と。つまり、誰にもできることですが、基本的には、皆さん自殺とかそういった言葉を聞いたとき覚悟ができてないものですから、ふいに聞いて、話をそらしたり、背中を向けたり、「それはお医者さんに聞いて」とかそういったことになりがちなので、病院全体で、こういう言葉が出たとき、皆さんまずはしっかり目と目を見て向き合いましょうと、そういったことが研修会等々でできれば、少し一歩進むのではないかと思っています。
 次の16ページは、全世界で行われています介入の取組であります。結論から言いますと、あまりうまくいっておりませんけれども、それでも少しエビデンスが出ていますが、非常にまだ弱い効果しか発揮していないものであります。大きく分けて、地域への介入はゲートキーパーを養成していく。そして、病院単位で行いますものは、自殺企図者に次の企図を起こさないようにケースマネジメント。平たく言いますと、個別的なケア、個人の特性を踏まえたケアを行う。つまり、精神科診断や社会的リスク評価、ニーズ評価、患者の価値観、患者の意向、そういったものを踏まえて個別にやっていくと。一番右のものがACTION-Jといいまして、厚労省の戦略研究で行われたものですが、再企図率が介入後6か月間は効果があったけれども、その後は少しなくなったということがあります。これが今現在出ているエビデンスであります。
 続きまして、厚労省の厚労科研費で松岡班が立ち上がっておりまして、簡単に一枚でまとまっております。これはまずパイロットで、先ほどのWHOのポスターやリーフレットを使って精神科受診勧奨ができないかということで、ある総合病院で行いましたところ、紙を貼ってリーフレットを配っただけでは、全く精神科受診促進にはつながらなかったという結果となりました。次に向けて、現在、パイロット研究のⅡの案、つまり、定期的な研修会、ポスター貼付だけではなく、看護師が同席した際、先ほどの管理料1でありますが、リーフレットを配布して、告知時の心理的ケアの充実、専門的な心理的ケアへのつなぎというものを、もう一度パイロット研究を行いまして、その次に、stepped wedged care trialを行うというふうに考えて、準備がなされています。
 最後から2枚目の18ページになりますが、これはこのたび、Cancer Survivorshipのホームページが20年ぶりにNCIのホームページで変わりまして、非常にシンプルなものに作り変えられております。サバイバーシップを支える場合は、最初に重要なのは体と心の支援であるということと同時に、お金、経済的なもの、そして、同時に抱えている慢性疾患、そして、左の2つは、これまでも行われてきております再発予防や健康増進でありますが、今後も重要になるのは、身体・心、それから、経済、慢性疾患、こういったものを個別的にケースマネジメントまでいけると、少しは効果があがるのではないかと思っております。
 最後に19ページのまとめになりますが、今後の方向性としては、Aの実態調査を毎年繰り返し、今からがん登録を用いて自殺の実数を出していきますが、これだけでは限界がありますので、高危険群の同定や、特にAYA、高齢者、それから、遺族の自殺も多いと思われますので、こういったところの研究を進めるべきではないかと考えております。
 Bについては、今現時点の自殺対策としては、緩和スクリーニングもがん患者指導管理料もちょっと厳しいのではないかと思っております。
 Cのコミュニケーション・スキル研修事業に関しましては、現在、2,000名の修了者、それから、200名のインストラクターが育っておりますので、かなり全国のがん拠点病院に配置されてきておりますので、こういった方々がチャンピオンになって、もう少し評価されて、がんの自殺の直近の自殺の原因をつくっています医師のBreaking bad newsの技術を上げることと、その医師が表情や態度、言動が、がん告知直後に変わったかどうかを、もうちょっとカルテの画面から目をそらして患者さんのほうを向いて気づく。そこしか、今のところ、方法がないかと。ほとんどの方が自宅周りで自殺をされていますので、細い細い、がん告知後から自宅までの自殺の動線を考えると、着眼点の第1点はやはり主治医になるのかなと。次は、もう一つはかかりつけ医の方が患者さんの御家庭の事情や経済状態、そういったものもかなり把握されておられると思いますので、がんを告知したその日に何かいい方法でかかりつけのお医者さんとか、訪問看護師さん等々に情報が行って、少なくとも一声、今日は大変な情報が伝えられたかもしれないねということで、そういう温かく見守っていただけるような体制づくりに少し御支援いただけるようなものができないかということを思っています。
 Dのゲートキーパーは、これは教育の中に入れていただければいいと思いますし、Eのハイリスク者への介入は、今後も継続して検討する。そして、Fのサバイバーシップに関しましては、これも現在行われている、がん患者体験調査だけですと、2年以上たった人しか調査ができていませんので、がん登録をして最初の1年、2年以内のQOL調査に関してもしっかりやっていただいて、乳がん患者さんが抗がん剤のときのしびれ対策を受けられているのかどうかとか、痛みに対して、術後の肋間神経痛に対して、ちゃんと対応されているのか。これはプロアクティブに対応しないと皆さん我慢されますので、こういったしびれ・痛み対策、特に2年未満の方には少し手厚くしていただければ、自殺対策に資するのではないかと思います。
 以上になります。
○西田座長 ありがとうございます。
 がん患者の自殺は1年以内が非常に多いということ。エビデンスの高い予防策あるいはスクリーニングの方法は現実的には今のところないこと。一方で、ゲートキーパーという言葉をおっしゃいましたけれども、ここのところは非常に重要で、そういった自殺を企図する患者さんのシグナルを誰が拾うかというのが多分重要だろうし、そのシグナルを出すのは、告知から漸次減っていくことを考えると、告知した後が非常にリスクが高いので、その時期のシグナルをどう拾っていくかというのが、多分、非常に重要ではないかなということをおっしゃったかなと思います。
 それでは、構成員の皆様方の御意見、今後、不幸な患者さんを作らないために何を私たちができるかという御意見を伺えればありがたいのですけれども、いかがでしょうか。
志真構成員いかがでしょうか。
○志真構成員 内富先生に質問ですけれども、実は、私の病院は、ACTION-Jの対象になった病院なのですね。これは救急部門での介入という、そういうやり方を取っているのですが、ACTION-Jの結果として、具体的に何がされるようになったのか、あるいは、まだされてないのか、そこはどうなのでしょう。
 それから、この問題に少しは何か寄与するところがあるのか。
○内富参考人 ACTION-Jは、精神科領域でメンタルヘルスに問題がある方を対象にしていますので、精神科領域で診療報酬化されて、具体的にはソーシャルワーカーさんが雇用されるようになったと伺っています。救急に搬送された方で自殺企図がある方は、はっきりとしたハイリスクとしてマーカーを持っていますので、そういった方々にソーシャルワーカーの方がケースマネジメント、個別的に電話をしたり、来ていただいたときに相談に乗ったり、それを手厚くすると企図率が減るということが、今現在、診療報酬化されて動いていると思います。
○志真構成員 一回やった人に対してのケースマネジメントのやり方がある程度確立したということですか。
○内富参考人 そうです。
○志真構成員 分かりました。
○西田座長 ここのところは、海外のほうでもそういうエビデンスがあって、自殺企図した人に対して、精神科医あるいは心理士、そういうのが介入するといいというのが出ていました。
 ほか。
 加藤構成員何かございますか。たしか先生は精神科をやられていたと思います。
○加藤構成員 ありがとうございます。
 今、内富先生が発表されたように、一番はがん告知後をどうするかというところです。今、具体的な取組としては、Breaking bad newsをする医師のコミュニケーションスキルの向上がまず第一だと思います。あとは、これからいろいろなマニュアルなどが作られるということですが、先ほどの「がん患者自殺検案事例」の中で出てくる機能障害を持つ方々についてハイリスク集団として何らかの方法で拾い出しができないのかなと思います。ほかの国の特徴やいろいろなエビデンスもありかと思いますが、日本でこれだけ自殺者が多いというところで、日本の中でのハイリスクの方々をどう見つけていくのか。特にがん患者さんでどうなのかということが課題だと思っています。その辺りについて、自殺された方の心理学的剖検はなかなか難しいことですが、何が原因で亡くなったのかについての更なる検討が必要だと思います。ハイリスクの要因をうまく既存のデータを活用して出していただけるといいのかなと思います。
 そして今後は、全国がん登録を活用してがん患者さんの自殺に関する状況についてベースラインが取れるので、これからはより詳細な分析ができるようになると思います。そういった意味ではがん患者さんの自殺対策これからなのだと思います。
 1つ気になっているのは、厚生労働省が出してくださった資料の7ページ目になりますが、健康問題で亡くなっている方は非常に多くいます。一番ピークのときに1万6000人ぐらい亡くなっていた方が、最近、1万人ぐらいまで自殺者が減っているということで、どうしてこの6,000人が減ってきているのかというのは非常に気になります。がん患者さんがこのうちどれぐらい減っているのかとか、これが、全体の自殺対策の中で、全体が減っていることに伴って一緒に減っているのか。何らかのがん医療、健康、医療に関するものが奏功してこの6,000人の減少につながっているのか、そういった分析は非常に難しいとは思いますが、この数字を見たときに気になりました。もし、何かできるのであれば、こういった検討もしたらいいのかなと思いました。
 以上です。
○西田座長 この間でアクティブな何か施策があったわけですか。
○社会援護局 社会援護局総務課で自殺対策担当をしております。よろしくお願いいたします。
 自殺の背景には、精神保健上の問題だけでなく、健康問題というところを原因とするところが多いのですけれども、自殺で亡くなる人は平均で4つの悩みとか課題を抱えているということが、自殺実態の調査の中で分かってきております。結果的に、最終的にはいろいろなお悩みを抱える中で、体の健康を害して自殺されるというケースが多いのですけれども、減少の要因は一つ何か自殺対策を行えば減るというような状況というわけでもなく、総合対策の中で健康問題も減ってきているし、経済・生活問題も減ってきているというような、いわゆるそういう流れの中で減ってきているというところが、今現在のこの自殺の実態というふうに我々のほうでは捉えております。
○西田座長 ありがとうございます。
○内富参考人 あと、補足しますと、私の資料の23ページを見ていただくと、恐らく平成26年度だけですので、毎年出れば、多分、少し傍証になるのかなと思いますけれども、健康問題の内訳の一番多いものが鬱病でして。続きまして、体の病気ということになって、4、119人になっています。この体の病気のトップがやはりがんと考えられていますので、全体が減った中にがん患者さんも減っているとは思いますけれども、おっしゃったような複合的な要因で、経済的なものが一部解消されてということなのかなと思って伺いました。
○西田座長 そのほか、御意見はございますか。
 どうぞ。
○鈴木構成員 もう11年前のことになるのですけれども、私自身乳がんで抗がん剤治療中に、何度も病室や自宅マンションから飛び降りようとしてしまっていた時期があり、がん患者の自殺については、本当にずっと問題意識を持っていることなので、こうして調査や対策を進めていただいていることはとてもありがたいです。
 私の場合は、むしろ、ずっと生きたいという気持ちのほうが強くて、飛び降りようしてしまっていたときも、自殺願望や意思があったわけではないのですが、がんを告知されたときのショックが大きくて、また、がんに関する知識も、家族や周りに罹患経験者も誰もいなかったので、このまま苦しんで死ぬのだと強く思い込んで絶望していたし、当時は鬱状態、せん妄状態とも診断もされていました。でも、危険なときには入院したり、自宅では家族がローテーションを組んで常に見守ってくれていたおかげで、今、元気に生きていて、精神科との連携や見守り、ゲートキーパーは本当に大事なことだと思っています。また、私の場合は、絶望感だったり、せん妄や鬱という精神的な病気も関連しているとは思うのですけれども、もう既に今日の議論にも出ていますが、がん患者の自殺の背景が、自殺願望なのか、職場の問題や経済状況なのか、家族との関係なのか、その関連要因が何なのかをひもといくことが、本当に対策を進めていく上で非常に重要になってくると思います。
 また、進めていただいているような医師や医療従事者のコミュニケーション技術を向上するための研修は非常に大事だと思いますが、それだけではなくて、社会全体の普及・啓発や、あらゆる方面からのがんになっても絶望しない、生きていきやすい社会づくりや相談支援体制の構築が欠かせないと思っています。
 長くなりましたが、すみません。以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
 最後のほうで、重要な指摘ではないかなと思ったのは、1つは、今、医療者だけでこれを全部防ごうというような現実は難しい、ゲートキーパーは、医療者だけでゲートキーパーをしようというのは難しいのではないかなと言うこと。実は私どもの病院でも自殺企図があって、後で確認したら、御家族には「俺、もう死にたいんだよ」とこぼしていた。ただ、医療者には共有できてなかったという問題が具体的にはございます。
 ですから、家族・親族、周りの人たちも含めてゲートキーパーになってもらうようなシステムが必要ではないかと思います。それもずっとやるわけではなくて、内富参考人がおっしゃった範囲で言えば、告知をした特に半年以内が非常に重要ではないかなと、今の意見を聞きながら思いました。ただ、これが本当に完璧にできるかと言ったら、100万人のがん患者全部に対してできるかと言ったら、非常にハードルが高いところがあります。
 岸田構成員どうぞ。
○岸田構成員 ありがとうございます。
 本当にまさに、鈴木構成員や西田座長がおっしゃっていただいたように、ゲートキーパーの役割、また、それが周りの人や患者さんは、がんの告知を受けた後、ネットのブログなどでほかの患者さんがどうなっているのかとかであったり、そういったところを見ている場合もあるかと思います。
 なので、今、直後1週間の自殺の方が多いというスウェーデンの調査もあったように、そして、スクリーニングも、もし今、日本で機能していないということであれば、患者さんが「死」について思考をとられてしまったときに自殺へとなってしまう場合もあるかもしれないので、そこについてはピアサポートといった面も、一定の機能や役割を果たすのではないかと思います。もちろん希死念慮が高い、ハイリスクの方たちに関しては、専門的な方に紹介するのがベストだと思いますけれども、そういった医療者だけではなくて、多くの方で見守るということが対策として必要ではないかと思います。
○西田座長 どうぞ。
○荒木構成員 診断のときに医師に非常に丁寧に告知をしていただくことはもちろん大事なのですが、その後、あ、この人危ないという人は、あまり感情表現をされない傾向もあると思います。そういう人たちが何か手がかりが1つでもあると思って帰っていただくのはとても大事なのかなと思います。
 例えば、がん看護外来などには、そういうがん患者さんの心理的な反応のプロセスをよく分かっている経験知の高い看護師であるとか、認定看護師や専門看護師が配置されていることも多いと思うので、そこに寄っていってくださいとかの一言があると、また、顔を見ていくというだけでも違うのかと思いました。
 それから、内富先生のスライドの9枚目にあるように、フェーズによって追い詰められていく要因は異なっていくと思いますので、例えば、治療が転換していかざるを得ないときであるとか、あるいは、入院中に外泊をしたりとか、あるいは退院直後など、そういった転換期は注意しなければいけないと思います。そういうプロセスの中でどういうポイントが大事なのかということを、何らかの手引などにより対応を導いていただけるのであれば、すごくありがたいと思ったところです。
 もう一つは、先ほどおっしゃっていただいた機能障害についてのところもそうなのだろうと思いますので、プロアクティブな情報提供はとても重要なのではないかなと思いました。
 ありがとうございます。
○西田座長 そのほか、御意見はございますでしょうか。
 高山構成員どうぞ。
○高山構成員 ありがとうございます。
 先ほど、厚生労働省様からの御報告にありました相談支援センターで20施設ほどですが、そこの担当の方から見えた病院内での取組とか地域での取組を14ページで御紹介いただきました。この中で、西田先生がおっしゃったように、医療者だけで支えられるものでは全くはないとは思うのですけれども、がんの中で医療者ができることというところもやはりあるのかなということで、この取らせていただいた意見の中に、希死念慮で病院に来られた後に、土日のときだったので、そのタイミングを逸してしまったがゆえに、その翌日、平日に行ったときにはもう心を閉ざして何も介入はできなかったというような御意見がありました。
 これも御紹介がありましたゲートキーパーのこの要素は非常に大事だと思うのですが、これが、誰が介入するではなくて、誰でも医療者がそのタイミングで介入できるようになっていれば、今後につながるところもあると思うので、医療者ができること、これを知識として知っているだけでも大分違うのではないかなとも思いますので、これを拠点病院としてできるところからやっていくことも非常に大事なのかなと思いました。
○西田座長 ありがとうございます。多分、自覚の問題が非常に高いかなと、そういうことがあるのだよと自覚していることが非常に重要かなと思います。
 そのほか、御意見ございませんでしょうか。
 岸田構成員どうぞ。
○岸田構成員 内富参考人の資料の19ページの今後の展望のAの実態調査についてのところで、AYA世代だったりとか、高齢者、さらに、遺族のケアなどの研究を進めるべきであるということがあります。これもまさにそのとおりだなと思いまして。5ページのアメリカの資料ではありますけれども、精巣腫瘍などについての自殺が5年以上経過された方が多くなっている。これは1980年に薬で大きく生存者が向上したために、全体を一概には言えませんけれども、事務局の7ページの20代の自殺といったところの勤務問題の割合も多いと書かれもいます。私の事象ではございますけれども、自分も実は一度だけ自殺ということを考えた時期があります。それは社会復帰してからで、自分の仕事と自分のがんとの、そういったところの両立がうまくいかなかったためでした。そういったこともあると思いますので、今、一概に病院の中でといったことで考えるのではなくて、割合だけを見ると、全体で考えると、病院の中が多いのかもしれないのですけれども、個別でしっかり個々の調査といったところをしていただきたいなと思います。
○西田座長 ほかは、御意見ございませんか。
○内富参考人 今のAYAに関しては、堀部班という厚労省の研究班が立っておりまして、そこでかなりの方の把握ができておると聞いておりますので、そういった方々に対する調査をきちんとモニタリングしていって、短期・中期、そして、Late effectまでちゃんと見られるような体制づくりに御支援いただけたら、大変いいのではないかなと。AYAの場合は特にモニタリングができるように、かなり固まっていますよね。そういったことが非常に重要だと思っていますし、がんに限らず、メンタルヘルスの方もAYAの世代の方々の自殺は非常に多いものですから、きちんと見守っているような体制をつくるのは重要だと思っております。
 それと、がん患者の体験調査は、先ほど指摘しましたけれども、がん登録からサバイバーの方にアンケート調査ができるのが、どうしても2年たってからになりますので、2年未満のところの調査を、小規模でもいいので、少し手厚くしていただけると、ハイリスクの機能障害が出やすいがん患者さんとかそういったところの調査ができるのではないかなと感じました。
 それと、高齢者、御遺族もですけれども、最初の前立腺がんで自殺されるというのはあってはならないことだと思いますので、こういったところもちゃんとモニタリングできればいいのかなと思いました。
○西田座長 志真構成員どうぞ。
○志真構成員 「課題と展望」の中に入るのかどうか、そこはちょっと御検討いただきたいのですが、されたほう、私も未遂を経験していまして、その後は自分を責めるし、実際にされたドクターと話をすると、なかなか言えないけれども、何か自分が落ち度があったのではないかと責めたりする。それは御家族も多分一緒だと思うのですね。自殺された後の対応もすごく大事ではないかと。
 このACTION-Jをやったときに、院内でそういうケースがあって、その後、関係した人たちを何人か集めて、当時、高橋祥友先生がおられたので、話をしてもらって、自分を責めるということではなくて、これをどういうふうに受けとめていくかというような。だから、ゼロにするというのは多分非常に難しいことなので、そういうのをポストベンションと言うのですかね。それも課題にもし入れられるのであれば、例えば、拠点病院でそういうことが起きた場合にどういう対応をするのかということも課題に入れていただけるといいかなと思っています。
○内富参考人 これに関しましては、遺族ケアの研究班が厚労科研で明智先生主任で立っておりまして、がん患者さんの遺族と同時に、がん患者さんの自死遺族のケアについても扱ってくださるようにお願いしておりますので、対応のマニュアルに関しましては、これまでも作ってきましたので、拠点病院で自殺が起こったときに、たまたま遭遇した担当の看護師さんへのケアとか、御遺族へのケアについては、ある程度準備ができています。
○西田座長 木澤構成員どうぞ。
○木澤構成員 内富先生、すばらしいプレゼンテーションありがとうございました。
ちょっと今考えていたのですけれども、内富先生がおっしゃった緩和ケアのスクリーニングがスクリーニングになってないというのは。
○内富参考人 QOLに関しては、緩和ケアスクリーニングと介入をセットにした場合はエビデンスが出ているのですけれども、単独で緩和ケアスクリーニングだけやるものは全く効果を示さない。
○木澤構成員 そうですよね。
 ちょっと考えたのは、今、我が国で行われているスクリーニングは、結局、方法論が統一されていないじゃないですか。もう一つは、患者とひもづけも必ずしもできている状態ではない。ひょっとすると、先生がおっしゃったように、患者さんが持っている苦痛やリサビリティーと自殺が関連している可能性はあるのではないかなと思うのですけれども、それを今の体制だとちょっと調べられない。将来的に、患者さんが特定できるようなことができるとしたら、スクリーニングとひもづけすることで、何らかの関連性を持たせられる可能性があるので、課題としては、スクリーニングの統一化とか、さっきもおっしゃった例えばストーマであるとか、尿路のストーマと消火器系のストーマと両方リスクになるでしょうし、頭頚部がんも十分リスクがあるなと、自分の経験例を考えても振り返るのですけれども、そういうものであるとか、痛みであるとか、抑鬱とか、何らかのデータベースとのつながりということを考えていくと、将来、何かいろいろなことが考えられるなと思ったので、スクリーニングの統一化とか、それのデータベース化とくっつけて、将来的に考えられたら考えたほうがいいのではないかなと感じました。
○内富参考人 先駆的な試みで、カナダのトロントのマギル大学が電カルを使って全員にスクリーニングをかけて、これは鬱のスクリーニングですけれども、結局、その鬱のスクリーニングで電カルで全員やっても、答えてくれてない人が何パーセントかいて、その中からほとんど自殺されているので、逆に、スクリーニングをすることで答えないという行為がハイリスクのマーカーになるのではないかということで、今後、まず実践しながらの試み的な研究としてやる意味はあるのだと思うのです。スクリーニングをやって、答えなかった人がちょっと変だぞということで、見守りを続けていくと、それが自殺対策の一歩目になるのではないかなと思っています。
○木澤構成員 別の臨床実感でも、ある病院で実は全く同じ体験をしていまして、スクリーニングに答えない人は高率にせん妄と抑鬱なのですね。それは体験しているので、自分の臨床経験と合うなと思いました。ありがとうございました。
○西田座長 多分、その辺り、もう少しデータを掘り下げていかないと、今のデータで何かこれをやったほうがいいという結論を出すのは難しいかなと考えます。そういった高リスクの人をどう抽出して、その人たちを医療者にどうつなぐかということを、今後は研究のほうでやっていく必要があると思いました。
同時に、私自身はそのシグナルを医療者に発してくれるぐらいだったら比較的いいのですけれども、医療者に発してくれないので、その患者さんの周辺にいる人たちにも、こういうシグナルがあったときには医療者に連絡してくださいという協力依頼もできるようになれば、将来的には一番いいのではないかなと思います。もう少し研究開発が要るところかなと思います。
 羽鳥構成員、何か追加でございますでしょうか。
○羽鳥構成員 今日の議論を聞いていて、医師会に帰って、どうやって全員に伝えようかなというのを非常に悩んでしまったところですけれども、かかりつけ医としてやることは幾つかあるなと思いました。
あとは、皆さんの議論の中にありましたけれども、僕たちのところに来るのは、病院でがんと伝えられたと。その後、例えば一月たって生活習慣病の薬を取りに来たときにお話ししてくれれば分かるけれども、もしかしたら、それでは遅過ぎるのかなと。もっと早くがんの主治医にどのようにお話を聞いて、どう感じたかなどを察知しなければいけないと。また、やはり御家族の方からの情報をもっと早く取らなければいけないと。多くの場合、自分で紹介状を書いて、どこそこの病院で精査してということではありますので、その後のフォローをもう少しきちんとしていかなければいけないのだろうなということを感じました。
それから、がん自殺の研究班の方にお願いしたいのは、この人は自殺合図があるかもしれないというようなサインを御家族の人と共有するためには、5つなり10個なり、スクリーニングの項目を列挙していただいて、これとこれが見つかったら早目に僕たちにも伝えてほしいとか、そういう具体的な方法を何か教えていただけたらありがたいなと思いました。
 以上です。
○西田座長 多分、そういうのを作っていただいて、トライアルでやってみて、本当にそれが効果があるかどうかをまだ確かめていく段階かなと思います。
 それともう一つは、志真構成員から指摘されましたように、自殺された患者さんの周辺の人たちの心理的ケアも、これは結構重要です。もちろん御家族もそうだと思います。私どもの病院でも、先ほど言いましたように、そういうことがあったので、看護師さんを含めて、それに当たった医療者のケアもやっていかなければいけないなと、そういったチームを作ろうというふうにしました。その辺まである程度踏み込んで方向性が示せたら一番いいと思います。
 全体として、どうしても散漫的になってしまいました。申し訳ございません。エビデンスがそんな高いレベルではないのですけれども、ぜひ、これから内富先生を中心にして、全体像というよりも細かいところですよね。どの時期に、例えば本当に退院して家に帰ったときに、また、別に少しピークが上がるのかとか、治療が変わったときに上がるのか、どういうときに注意すればいいのか。どういうシグナルに注意すればいいのか。ゲートキーパーにどういうメッセージを送っていて、ゲートキーパーに何を見てもらえばいいのかというのを、これからある程度データで出してもらって、それを拠点病院の中で共有し介入することで、エビデンスが出せたらいいなというふうに、先生方の意見をまとめさせていただこうと思います。
 以上で、今日、おおむねの議論、1つ目は実地調査のお話をしました。実地調査のやり方等に関しては、部会のほうでもう少しもんでいただくという形にしました。
 それから、自殺のほうに関しましては、これは大きな問題であることは皆さん共有していただいたと思いますけれども、まだ、十分に具体性を持ったゲートキープや介入のデータがないので、これらの研究の最先端を研究している先生方の御意見を伺いながら、少しずつ患者さんに戻していくということを考えていきたいと思います。拠点病院でもそういう取組をしていただくようにお願いするということになるかと思います。
 以上で、事務局にマイクをお返ししたいと思います。
○事務局 ありがとうございました。
 事務局からは、次回の検討会に関しては、また、事務局より追って御連絡させていただきます。
 お忙しい中恐縮ですが、また、日程の調整のほど、よろしくお願いいたします。
○がん対策推進官 特に御意見いただけませんでしたが、資料2の最後にありますとおり、引き続き、来年度以降も議論を継続させていただきたいと思っておりますので、引き続き、御指導のほどよろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
○西田座長 ありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

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