令和2年度 モニター報告に対する厚生労働省の考え方

令和2年度の厚生労働行政モニターの皆様からご提出いただいた報告の中から、厚生労働省の考え方などを記載いたしました。

報告の概要

 内科医院に定期的(一か月半に一度)に高血圧の薬を処方してもらうために通院しています。新型コロナウイルス感染拡大の中、内科医院に通院する不安があります。令和2年4月各都道府県・保健所設置市・特別区に電話や情報通信機器を用いたオンライン診療等の時限的・特別的な取扱いについて事務連絡が通知されていますがオンライン診療は広がっていません。阻害要因を明確にしてオンライン診療の普及・拡大に向けた追加施策立案をお願い致します。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 オンライン診療に関しては、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中において、患者と医療従事者双方の感染防止の観点から、4月10日より、特例的に、初診も含めて、電話やオンラインによる診療を可能としているところです。
 患者の利便性の観点から、厚生労働省のHPにおいて、電話やオンラインによる診療を実施している医療機関の都道府県別の一覧を公表しているほか、電話やオンラインによる診療の受診の手順を分かりやすく説明したリーフレットを公表しています。
 オンライン診療の特例措置については、新型コロナウイルス感染症の感染が収束するまでの間の時限的な対応としており、原則として3か月ごとに検証を行うこととしています。今後のオンライン診療のあり方については、これらの検証結果も踏まえ、検討していきたいと考えています。
 また、オンライン診療に必要な設備に対する支援として、令和2年度当初予算の「遠隔医療設備整備事業」において、遠隔医療に必要な通信機器等の整備に対する補助を実施しています。

報告の概要

 医療費が今後も増加していくことを懸念しています。高齢者は、高額所得者でないほとんどの人が、後期高齢者医療のおかげで、医療費の窓口負担は1割で済んでいます。医療機関は高齢者で混んでいることが多く、現役世代の私たちは医療機関を訪れても受診を諦めることもあります。待合室で「今日は○○さんは来ていないね。体調が悪いのかもしれない。」という高齢者同士の会話が聞こえてきたことがあります。頻回受診の必要のない人のために、受診が必要な人が待ちきれずに受診を諦めてしまうことのないような対策をお願いします。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 頻回受診の必要のない人のために、受診が必要な人が待ちきれずに受診を諦めてしまうことのないような対策をとるべきとのご意見をいただきました。厚生労働省としては、本当に一刻を争う急病人が後回しにされてしまうことがないよう、上手な医療のかかり方ホームページ等で、「上手な医療のかかり方」を普及啓発するなどの取組を進めています。今後とも、上手な医療のかかり方の普及に向け、取組を進めてまいります。

(参考)上手な医療のかかり方.jp

報告の概要

 子どもの虐待について、何度も何度も同じような辛い事件が繰り返され、そのたびに「行政の仕事のやり方は何も改善されていない」と落胆する。大切な幼い命を失わないよう、しっかり対策を講じてほしい。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 児童虐待発生時に迅速・的確な対応がとれるよう、平成30年7月に関係閣僚会議において決定した「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」において、通告後48時間以内に子どもの安全確認ができない場合の立入調査をルール化した上、昨年6月に成立した児童虐待防止法等の改正法では、児童相談所において適切な対応がとれるよう、一時保護等の介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分けるなどの措置を講じることとしています。
  また、近年増加する児童虐待への対応をより適切に行うため、平成30年12月に「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」を決定し、児童福祉司等児童相談所の職員を全国的に増員することとしています。
 さらに、今般の新型コロナウイルス感染症を受けて、本年4月に「子どもの見守り強化アクションプラン」を公表し、市町村の要保護児童対策地域協議会が中核となって、支援対象児童等の状況の定期的な確認等を行うこととしています。

報告の概要

 少子化対策は喫緊の課題であるのに、まだ対策が不十分の上、事業の有効性がきちんと検証されていないのではないか。例えば、保育園を無償化しても、もしゼロ歳児の保育が不十分であれば、そこがネックとなって効果的な少子化対策にはならないと思う。シングルマザーであっても、安心して子育てできるような、養育環境の整備や就労支援など包括的な政策が求められる。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 ゼロ歳児の保育が不十分というご指摘に関して、待機児童対策については、平成29年6月に策定した「子育て安心プラン」に基づき、待機児童解消を図り、女性の就業率8割に対応できるよう、約32万人分の保育の受け皿確保に取り組んでいるところです。「子育て安心プラン」の最終年度である今年度においては、地域の特性に応じた支援を更に強化し、保育士確保の支援も含め、待機児童の解消に向けて全力で取り組んでまいります。
 また、ひとり親家庭等に対する支援については、「子育て・生活支援」、「就業支援策」、「養育費の確保等」、「経済的支援策」の4本を柱として、包括的に実施しているところです。
 厚生労働省としては、施策の有効性等も検証しつつ、引き続き、ひとり親家庭等が安心して子育てできるよう務めてまいります。

報告の概要

 介護認定の判定が前よりも厳しくなったと聞いたことがあります。元の基準に戻せませんでしょうか?

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 要介護認定制度については、平成21年4月に見直しが行われ、認定調査の際に日頃の状態をより重視することや一部の調査項目の判断基準の見直しを行ったことにより、「介護の手間」をより正確に反映した判定ができるようになりました。
 全国どこで申請をしても統一された基準に基づいて審査されることが原則であるため、各保険者において適切な運用が図られるように引き続き必要な支援を行ってまいります。

報告の概要

 コロナ禍の社会情勢において、リモートワークを促進するための行政政策をお願いしたい。大企業のテレワーク環境は広がる一方で、中小零細企業においては未だ環境が拡がらず、ICT導入をもっと強化し、諸外国に比べて劣る労働生産性の改善を推し進めていってほしいです。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 テレワークは、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方であり、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からも、その一層の推進が必要と考えています。
 厚生労働省では、テレワークの導入・活用を進めるため、中小企業主がテレワークの導入等に要した経費の助成(本年度分は既に受付を終了)や、テレワーク相談センターにおける相談支援等の取組を行っています。引き続き、適正な労務管理下における良質なテレワークの普及促進に努めてまいります。

報告の概要

 教育訓練給付制度の認知度の低さ。調べればわかるものの、若手社員の認知度はかなり低い印象。講座検索システムなどもあって調べやすくなったが、知らないまま講座を申し込んで利用できない者も多い。自分自身もたまたま新入社員の時に上司に教えてもらったので知ったが、そういった機会がなければ知る機会も少ないので、若手のキャリアアップのためにも制度をしっかりと知ってもらう機会が多くなれば良いなと思う。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 厚生労働省では、当省HPにて教育訓練給付制度に関するページを設け、制度の概要や趣旨等を公表しております。
 また、全国のハローワークにおいて、当該制度に関するリーフレットの設置等をおこなっており、制度周知に努めております。
 これらの取組も含めまして、今後もより一層の周知に努めてまいります。

報告の概要

 最低賃金を都道府県・地域別ではなく、一律にすれば、労働者などの都市集中は少しは分散化するようになるのではありませんか?

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 最低賃金法第9条では、地域別最低賃金は一定の地域ごとの最低賃金とされており、働く方の賃金や生計費、企業の支払い能力の地域差などの実情を考慮し、地域別に定めるものとなっています。
 地域ごとの経済指標の差を考慮せず、全国一律の最低賃金とすることは、中小企業を中心として労働コストが増加することにより経営が圧迫され、かえって雇用が失われる面があることなどから、慎重な検討が必要です。

報告の概要

 この度障害年金を申請しましたが、コロナの影響か3ヶ月を過ぎてから支給決定されました。早い対応を求めます。また証書の保管はかさばるためカード化や手帳型にするのはどうでしょうか。証書の内容も見やすくして欲しいです。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 障害年金の審査結果について受付日から3か月以内にお知らせするように努めております。しかしながら確認事項が生じた際などには通常よりも時間を要することがあります。ご理解いただきますようお願い申し上げます。
 年金証書につきましては、年金を受け取る権利を証する書類として受給者の方に長期に保管していただくことを考え、携帯用途の手帳やカード型ではなく、現在のような1枚の紙の様式とするとともに、現在のような記載内容としておりますことをご理解願います。

報告の概要

 私自身は、きちんと国民年金に20才から加入。現在は、厚生年金に加入しています。将来、年金がもらえないだろうと、国民年金に加入しない若者がふえています。もっと、テレビなどで国民年金の加入を勧めるように宣伝するべきです。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 厚生労働省では、特に若年層を中心に公的年金制度の広報を充実し、制度の理解を深める取組みは重要だと考えています。
このため、「令和の年金広報コンテスト」の開催や厚生労働省職員による大学等での「学生との対話集会」等を実施しているところであり、今後も若年層を対象とした広報活動を進めてまいります。
 なお、20歳になった方には、日本年金機構で資格取得(国民年金第1号被保険者への加入)の処理を行い、国民年金に加入したことをお知らせしています。

報告の概要

 近年、発達障がいを有する児童や生徒が、通常の学級に馴染むことができずに、不登校に陥っているケースを目にする。同時に、通級による指導なども増加しており、年々支援の輪は広がってきていると感じる。一方で、通級による指導のみでは対処しきれず、どうしても医学的な支援も必要なケースが存在しているが、文部科学省と厚生労働省の連携が上手く取れておらず、医療と教育の両面での支援が行われていない。(いわゆる、縦割り行政の弊害)今後、発達障がいを有する児童生徒を生涯にわたって支援するべく、行政の壁を取り払った包括的な組織が必要と考える。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 発達障害のある方々への支援については、教育や医療、保健、福祉、労働等の各分野の関係機関が相互に連携し、ライフステージを通じた切れ目のない支援を行うことが重要です。
 例えば、各都道府県・指定都市に設置されている「発達障害者支援センター」では、発達障害のある方々への支援に関する地域の中核機関として、医療機関や教育機関などの関係機関に従事する方に対し、発達障害についての情報提供や研修を行っています。また、医療や教育等の関係者で構成する「発達障害者支援地域協議会」においては、発達障害に関する地域の様々な課題の把握や情報共有を行っており、医療と教育の連携を進めているところです。
 今後とも、発達障害のある方々への支援が一層充実していくように関係省庁と連携して取り組んでまいります。

報告の概要

 不妊治療と仕事の両立支援に関して、厚生労働省からパンフレットも出ておりますが存在の知らない人も多いように感じます。東京都は熱心に取り組んでいますが、地方にいくと形だけという県もあります。ぜひ厚生労働省から各県に強く働きかけてほしいと思います。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 令和元年度は、企業向けの不妊治療と仕事の両立のための導入マニュアルや、同僚や上司向けの両立サポートハンドブックを作成し、団体や都道府県に送付し、積極的な周知を図ったところです。令和2年度は、引続きマニュアルやハンドブックを活用し、不妊治療と仕事との両立のための休暇制度等の周知に努めてまいります。

報告の概要

 不妊治療の保険適用が検討されていることに非常に注目しています。一治療経験者としては、保険適用はありがたく背中を押されるものだと思いますが、他方で保険適用に年齢や所得の制限が設けられるであろうことは容易に推察でき(現行の補助制度でもありますし)、対象外となることで間接的に「貴方は子供を持たなくていい」というメッセージを受け取る人が出てしまうことも懸念します。バランスのいい制度設計をお願いします。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 子どもを持ちたいという方々の気持ちに寄り添い、その切実な願いに応えるため、不妊治療に係る支援を行うことは重要であると考えております。
 結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであり、ご指摘のように、個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりすることがあってはならないことに十分留意する必要があるものと認識しております。
 不妊治療の保険適用の実現に向けた検討に当たっても、広くこのような趣旨をご理解いただけるよう、丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。

報告の概要

 介護保険制度が複雑になりすぎてしまったので、わかりやすくしてほしいです。報酬改定の度に報酬を下げたり基準を上げるのではなく、利用者負担を原則3割にすれば制度は維持できるはずです。介護予防のように月額の固定した負担も、当初の「受益者負担の原則」から逸脱してしまっているので、やめてほしいです。要介護者を含めた高齢者を優遇するのではなく、納税者である現役世代、将来の納税者である若者世代を優遇してください。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 介護保険制度については、高齢化が進展する中で、必要な給付を行うとともに、制度の持続可能性を高めるため、負担能力に応じた負担としていくことが重要です。今後も、被保険者の方々の負担能力に配慮しつつ、適切に対応してまいります。

報告の概要

 今後介護問題で悩みを抱える人が増加すると思います。自殺をしたり、心中をしたりしなくて済むよう、相談できる場所や制度がより必要だと考えています。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 高齢者が住み慣れた地域で安心した暮らしを続けていくためには、介護を必要とする方のみならず、家族介護者を含めて支援していくことが重要と考えています。
 このため、例えば、地域包括支援センターによる総合相談支援のほか、地域支援事業として、市町村が行う家族介護者を対象とした介護知識や技術の研修、介護者同士の交流会の開催等への支援を行っており、今後とも、必要な取組を進めてまいります。

報告の概要

 社会福祉士の教育カリキュラムの改定で、介護福祉士が社会福祉士を目指す場合には、実習の一部免除がされるようになるようで、よい取り組みだと思いました。逆の社会福祉士が介護福祉士をめざす場合にも実習免除規定があるようですが、詳細は勉強不足で把握しておりません。介護人材不足を解消するためには、他の福祉資格などある方の実習一部免除規定を、例えば、介護職員初任者研修などにも導入して、介護人材不足解消につながればと思います。介護職員初任者研修にも免除規定を拡大してほしいと思います。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 看護師等は介護職員初任者研修修了の要件を満たしているものとして、業務に従事することが可能であり、実務者研修や居宅介護職員初任者研修等の課程を修了した者においても、各都道府県の判断により全部又は一部の科目を免除することが可能となっています。
 また、その他、都道府県、市町村又は公的団体の実施する在宅介護サービスに係る研修を受講した者についても、都道府県の判断により、研修課程の一部を免除することができます。

報告の概要

 以前よりずいぶんと減ったというものの、あいかわらずパワハラ、セクハラは根絶できてはいない。気が付いた人はやめたが、まったく気づいておらず、それが当たり前になっていることがある。気づいていない人にどう気づかせるか、ここが課題と感じます。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 厚生労働省では、ハラスメント総合情報ポータルサイト「あかるい職場応援団」を通じて、職場におけるハラスメントに関する情報を紹介するとともに、12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない社会の実現に向けて機運の醸成を図るために、集中的な広報活動を行っています。広く認識いただけるよう、工夫した周知啓発に努めてまいります。

報告の概要

 年金問題がとても心配ですが、厚生労働省年金局と日本年金機構との役割が良く分からない、また年金を運用している年金積立金管理運用独立行政法人など関連性が良く分からない。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 厚生労働省は、公的年金の財政責任・管理運営責任を担うとともに、日本年金機構への指導・監督を行っています。日本年金機構は、厚生労働省から委任・委託を受けて、厚生年金保険や国民年金等に関する幅広い業務を行っています。
 また、厚生労働省は、年金積立金の運用目標を設定し、年金積立金管理運用独立行政法人(以下「GPIF」といいます。)に年金積立金を寄託しています。GPIFは、厚生労働省から預かっている年金積立金の管理及び運用を行っています。

報告の概要

 マイナンバーカードによる病院受診について、ほぼすべての病院が対応しない場合、結局は2種類のカードが必要になるので早めに全病院に広まってほしいです。

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 マイナンバーカードを利用できる医療機関等については、厚生労働省ホームページで公表するほか、医療機関等においてもポスターやステッカーを掲示いただく予定です。
 当該システムの導入過渡期においては、当面の間、健康保険証を引き続きご持参いただく必要がある場面がございますが、何卒ご理解いただきたく、よろしくお願いいたします。
 なお、令和5年3月末時点で、おおむね全ての医療機関等でマイナンバーカードを健康保険証として利用できるよう目指しており、引き続き医療機関等における普及に取り組んでまいります。

報告の概要

 食品添加物について、日本は他国よりも基準がかなり緩いと聞きます。当たり前のように食品添加物を摂取することによって健康を害し、医療費が増えている現状があるのではないでしょうか。日本は様々な面で水準の高い国だと思いますが、食品添加物についても世界に誇れる基準となることを望みます。 

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 食品添加物の基準は、食品の安全性を確保しつつ、国際間で整合性のある規制が行われるよう、取り組みを行っています。また、食品添加物の指定等に当たっては、内閣府食品安全委員会における食品健康影響評価の結果に基づき、薬事・食品衛生審議会において審議されており、人の健康に悪影響が生じないよう基準を設定しています。今後とも、適切な食品添加物規制に努めてまいります。

報告の概要

 障害児通所施設を運営しています。放課後等デイサービスで5年間パートをした人に大きな加算がつくのに、特別支援の免許を持っていて支援学級で5年担任をしていた人には加算がつかない。教育との連携をとってほしい。 

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 いただいたご意見は、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定で創設予定の「専門的支援加算」の対象職種についてのことと思われます。令和3年度の改定では、児童発達支援事業について、支援の質の向上を図るため、専門的支援を必要とする児童のため専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、国リハ視覚障害学科履修者、5年以上児童福祉事業に従事した保育士・児童指導員)を常勤換算で1以上配置した場合に専門的支援加算を算定できることととしています。
 児童発達支援事業は、対象となる未就学児への支援に当たり、特に集団生活への適応や他者との関係性の構築のために専門的で個別的な支援が必要であることから、児童福祉事業について5年以上経験のある保育士・児童指導員を専門職の職種の対象に含めることとしています。ご意見として承り、今後の参考とさせていただきます。

報告の概要

 事業所内のメンタルヘルス対策を考えると、今や専門知識等も必要な中、それなりの体制作りが必要と思慮いたします。多くの嘱託産業医の先生方の実情に鑑み、保健師等のスタッフを事業規模に応じ(例えば100人につき週一回等)配置することが肝要との考えを持っております。是非、ご検討願いたいと思います。 

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 働き方改革関連法による改正労働安全衛生法により、産業医・産業保健機能の強化が図られ、これまで以上に、メンタルヘルス対策も含め産業保健活動を効果的・効率的に進めることや多職種のチームとして取り組むことが求められていると認識しております。こうしたことを踏まえ、厚生労働省では、平成31年3月に「産業保健活動をチームで進めるための実践的事例集」を策定・公表したところであり、産業保健活動を保健師等のスタッフも含む多職種のチームで取り組むことについて、この事例集を活用しながら、周知啓発してまいります。

報告の概要

 コロナ禍で在宅ワークが増えたことに加え、副業を解禁する企業も増えたことで、副業・兼業を行う方が増えていると思います。厚労省から副業に関する一定の指針は出されているものの、労使間のトラブルにならないよう、労働時間等の取り決めはもう少し粒度の細かい指針があると良いと思いました。 

当省の考え方

 ご意見いただきありがとうございます。
 厚生労働省では、副業・兼業の場合の労働時間管理及び健康管理について、令和2年9月1日に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定し、労働者の申告等による副業先での労働時間の把握や、簡便な労働時間管理の方法を示すなど、ルールを明確化したところです。
 これまでにガイドラインのわかりやすいパンフレットや、労働時間の申告の際に活用できる様式例などを作成してきたところですが、引き続き丁寧に周知を行い、企業も労働者も安心して副業・兼業を行うことができる環境を整備してまいります。

報告の概要

 大企業でも希望退職者の募集を開始するなど、ますます雇用の流動化が促進されると思いますが、中高年者が生きいきと活躍できる環境が整備されているとは考えられないため、働き方改革の中で、気力も体力もある中高年が活躍できるような法整備をお願いしたいと思います。 

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 高年齢者雇用安定法において、事業主に対し、65歳までの雇用を確保するよう義務づけており、それに加えて、令和3年4月1日から施行される改正法においては、70歳までの就業機会を確保することを事業主の努力義務としています。
 また、65 歳を超えた継続雇用延長や定年延長を行う企業や、能力及び成果を重視した評価・報酬体系を構築する企業等に対する支援(65 歳超雇用推進助成金)を行うとともに、全国の主要なハローワークに「生涯現役支援窓口」を設置し、特に65 歳以上の高年齢求職者への再就職支援を実施しています。
 今後ともこうした施策を着実に実施してまいります。

報告の概要

 退職者等に年金制度の説明をしていますが、法改正や経過措置等複雑になっておりなかなか理解してもらえないので、わかりやすくシンプルな資料が厚生労働省のHPからダウンロードできれば良いと思います。また、年金定期便や裁定手続きのお知らせ等の郵便の文字が小さく特に年配の方は文字を見ただけで読む気にならないと聞きます。定型の大きさなのでスペースの問題もあるとは思いますが、文字を大きくしてあげて欲しいです。 

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 年金制度につきましては、これまでも年金制度基礎資料集、「学生との対話集会」の説明資料などを厚生労働省のホームページに掲載するとともに、独自で年金制度について学べるよう「年金ポータル」を制作し、開設しております。
 さらに、先般、昨年成立した改正年金法の周知のため「社会保険適用拡大特設サイト」を開設し、改正法を説明するためのチラシ、ガイドブック、動画などを掲載したところです。これからもより多くの方に分かりやすく制度を伝えるコンテンツの充実に取り組んで参ります。
 また、ねんきん定期便や年金請求書等につきましては、これまでもご意見をいただいており、今後もより見やすく、より分かりやすくなるように改善を検討してまいります。

報告の概要

 近年ひきこもり問題が各種媒体で取り上げられ、世の中に浸透してきたと思います。せっかく認知度が上がってきたところだと思いますので、今後もこの問題について、力を入れてほしいと思います。 

当省の考え方

 ご意見をいただきありがとうございます。
 ひきこもり状態にある方への支援については、都道府県・指定都市に「ひきこもり地域支援センター」における専門的な相談支援等や、より身近な市町村における相談窓口の明確化や居場所づくりなどの環境整備を進めております。
 さらに、令和2年度第3次補正予算では、SNS等を活用したオンラインでの居場所づくりやひきこもり当事者等によるカウンセリングの実施などを盛り込み、コロナ禍においても繋がりを持ち続けるために必要な予算を確保しております。
 ひきこもり支援については、個々の状況に応じて丁寧に寄り添うことが何より重要であると考えており、当事者やご家族の声も聞きながら、引き続き取組を進めてまいります。