2020年6月19日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

日時

令和2年6月19日(金)14:00~

場所

新橋8E会議室(8階)

出席者

出席委員(20名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 他参考人1名

欠席委員(3名)
 
行政機関出席者
 
 鎌田光明(医薬・生活衛生局長)
 山本史(大臣官房審議官)
 河野典厚(医療機器審査管理課長)
 中井清人(医薬安全対策課長)
 新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事・審査センター長事務取扱・執行役員(新薬審査等部門担当)事務取扱)
 山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 木下勝美(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員) 他



 

議事

○医療機器審査管理課長 先生方におかれましては、大変お待たせいたしました。間もなく荒井部会長は御到着と思いますけれども、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催いたします。先生方におかれましては御多用のところ、また足下の悪い中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
はじめに、3月25日付けで事務局に人事異動がございましたので御報告させていただきます。医薬・生活衛生局長に着任いたしました鎌田光明でございます。
○医薬・生活衛生局長 皆さん、こんにちは。鎌田と申します。突然の異動で、かつ、感染予防という観点から御挨拶もせず、こういった形での御挨拶となり申し訳ございません。今後ともよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 また、この場をお借りいたしまして、4月23日に開催いたしました当部会の書面による御審議に、先生方に御協力いただきましたことを心より感謝申し上げたいと思います。荒井部会長が御到着されました。現時点で医療機器・体外診断薬部会委員23名のうち、20名に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告いたします。
本日の審議に当たりまして、参考人としてお越しいただいている先生を御紹介いたします。議題1に関しまして、医療法人財団順和会山王病院副院長でいらっしゃいます奥仲哲弥先生にお越しいただいております。
続きまして、部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の先生方におかれましては、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますけれども、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○事務局 次に、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、本日の全ての議題について、医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。これより議事に入ります。
続きまして、配布資料の確認をさせていただきます。事前にお知らせしましたとおり、本日はペーパーレスで会議を進めたく、お手元には議事次第、座席表及びタブレットの使い方の資料のみを紙でお配りしております。タブレットの操作について御不明点等ございましたら、お近くの事務局員までお声がけいただけたらと思います。また、タブレットには事前にお送りさせていただいた資料のほか、当日配布資料として3つの資料、行動変容アプリの医療機器プログラム該当性の考え方、審査報告書正誤表、新型コロナウイルス感染症を対象とする医療機器及び体外診断薬の承認等について、を格納しております。
続いて、本部会の利益相反について御報告いたします。資料8「競合品目・競合企業リスト等一覧」をお開きください。まず1ページ目の、医療機器「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」ですが、呼気一酸化炭素濃度を測定する分析装置及び行動変容を促すことなどにより禁煙治療を補助する医療機器プログラムを含むシステムであり、同様の効能・効果を有する製品として、資料に記載された品目が競合品目として提出されております。
2ページ目の、医療機器「レンジャー薬剤コーティングバルーンカテーテル」ですが、浅大腿動脈又は膝窩動脈における新規病変又は非ステント留置再狭窄病変を有する患者の経皮的血管形成術(PTA)において使用される、バルーン拡張式血管形成術用カテーテルであり、同様の効能・効果等を有する製品として、資料に記載された品目が挙げられています。
3ページ目の、医療機器「Pipeline Flex フローダイバーターシステム」ですが、内頸動脈の錐体部から上下垂体部における大型又は巨大、かつワイドネック型の頭蓋内動脈瘤に対する血管内治療に使用されるフローダイバーターシステムであり、同様の効能・効果等を有する製品として、資料に記載された品目が競合品目として提出されております。
その他、一般的名称に係る影響企業のリストが4ページから7ページまでございますので、必要に応じて御覧ください。
本日の審議事項に関する競合企業として、資料8に示す企業について、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、薬事分科会審議参加規程第12条の「審議不参加の基準」に基づく、審議に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
それでは、以後の進行について、荒井部会長、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、始めさせていただきます。最近、外に出ていなかったら間違って本省に行ってしまい、マスクをしたまま走ると辛いことが分かりました。申し訳ございません。それでは、議題1、「医療機器「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の要否について」を始めさせていただきます。先ほど御紹介いただきましたように、本議題につきましては参考人として奥仲哲弥先生にお越しいただいています。よろしくお願いいたします。それでは、事務局の方から説明をお願いします。
○事務局 議題1につきまして、事務局より説明いたします。上から6番目の資料1のファイルをお開きください。本議題では、医療機器「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」の高度管理医療機器、管理医療機器、又は一般医療機器の指定、特定定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品、又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、及び使用成績評価の指定の要否について、御審議をお願いいたします。
まず、ファイル1ページ目の資料1-1を御覧ください。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対しては、部会の御意見を聞いて、新たに一般的名称を新設することになります。今回、新設を予定する一般的名称は、「禁煙治療補助システム」でございます。定義は「呼気一酸化炭素濃度を測定する分析装置及び行動変容を促すことなどにより禁煙治療を補助する医療機器プログラムを含むシステムをいう。」となっております。本品は、クラスⅡ、管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、本品は保守点検を行う必要のある医療機器と考えております。一般的名称の新設に関する説明は以上となります。
続きまして、今回御審議いただくような行動変容アプリにつきまして、事務局より医療機器該当性の考え方について御説明いたします。今回お示しする考え方は、現状においての考え方であり、今後、様々な製品の審査等を踏まえ、整理・検討が必要と考えております。
マイプライベートファイルに戻っていただき、一番上のファイルの当日配布資料1というファイルをお開きください。その1ページ目を御覧いただきたいと思います。薬機法において医療機器とは、「疾病の診断、治療若しくは予防に使用されることが目的とされている機械器具等であって、政令で定めるもの」と定義されています。また、政令では、疾病の診断、治療、予防等を目的としたプログラムのうち、機能の障害等が生じた場合でも人の生命及び健康に影響を与えるおそれがほとんどない、クラスⅠ相当のものは、医療機器から除外されることとなっています。
これらの法令における位置づけを基に、プログラム医療機器の該当性の考え方については、平成26年に通知を発出しており、こちらの通知では、プログラム医療機器の医療機器該当性を判断する際には、「プログラム医療機器により得られた結果の重要性に鑑みて、疾病の治療、診断等にどの程度寄与するのか」、「プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において、人の生命及び健康に影響を与えるおそれを含めた、総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか」を考慮することとなっております。
プログラム医療機器の該当性を踏まえ、行動変容アプリに関し、この通知で示している「疾病の治療、診断等にどの程度寄与するか」及び「総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか」について、具体的にどのような観点から該当性を検討すべきか、2ページ目にお示しするように現状の考え方をまとめました。
2ページ目を御覧ください。まず、「(1)プログラム医療機器により得られた結果の重要性に鑑みて疾病の治療にどの程度寄与するのか」を勘案する要素としては、特定の疾病と診断された患者を対象としたものかどうか、医師の責任で実施すべき治療行為の一部又は全部を代替するものかどうか、個々の患者の情報を分析し、その患者に適した助言等を提示するものかどうか。「(2)プログラム医療機器の機能の障害等が生じた場合において、人の生命及び健康に影響を与えるおそれを含めた、総合的なリスクの蓋然性がどの程度あるか」を勘案する要素としては、独自のアルゴリズムの有無、不具合があった場合に患者の健康に及ぼす影響等を検討し、これらを総合的に判断して、保健衛生上の対応が必要と考えられるものについては、医療機器に該当するか判断する必要があると考えております。また、この他、医療機器該当性の判断に当たっては、広告における標榜等についても勘案いたします。
その一方、下の○のように、疾病の治療を目的としない健康管理を目的としたプログラムは、医療機器非該当と考えております。なお、3ページ目にお示しする図は、2ページ目の考え方を図式化したものとなっております。
続いて4ページ目を御覧ください。2ページ目で御紹介した考え方に基づき、今回の「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」の医療機器該当性を考えると、本品は、1.の「目的」としては、ニコチン依存症患者への禁煙治療補助であること。2.の「疾病治療の寄与度」としては、「特定の疾病と診断された患者であるか」については、ニコチン依存症患者が対象となること、「医師の治療行為の一部又は全部を代替」としては、学会が定めた標準禁煙治療に基づき医師が実施する認知行動療法の一部を代替すること、「患者個人に適した助言等を提示」については、個別の患者状況に応じたメッセージを表示すること。3.の「リスクの蓋然性」では、独自のアルゴリズムの有無として、表示されるメッセージは患者の状況により変わりうること、不具合があった際のリスクとして、適切なメッセージが表示されない場合、禁煙治療効果が失われることから、「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ」は上述の1、2、3の要素を満たすため、医療機器に該当した行動変容アプリと判断しております。また、本品の構成品である呼気一酸化炭素濃度測定器も医療機器に該当するものです。
以上で、行動変容アプリの医療機器該当性の考え方について事務局からの説明は終わります。引き続き、審議品目及び審査の概要につきましては、総合機構より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。まず、資料1-2「専門協議委員一覧」を御覧ください。本審査に当たり、御覧の4名の専門委員の御意見を頂きました。また、審査報告書の一部の誤記を修正させていただきましたので、当日配布資料2の正誤表にて訂正し、お詫び申し上げます。以降の説明は、審査報告書に基づいて御説明いたします。なお、ページ番号は全体の通し番号でお示しいたします。
はじめに、本品の概要を御説明いたします。資料1-4の審査報告書12ページの上段の「1.審議品目の概要」を御覧ください。本品は、ニコチン依存症患者を対象とし、「禁煙治療のための標準手順書第7版」、以降、標準手順書と呼ばせていただきますが、当該標準手順書に記載されている標準禁煙治療プログラムを実施する際に上乗せして使用することで、禁煙治療の補助を行う製品です。製品の構成は、審査報告書の12ページの図1に示す呼気一酸化炭素濃度測定器、審査報告書の13ページの図2に示す患者用アプリケーション、また、図3に示す医師用アプリケーション、以上より構成されております。以降の説明では、呼気一酸化炭素濃度測定器をCOチェッカー、患者用アプリケーションを患者アプリ、医師用アプリケーションを医師アプリと呼ばせていただきます。審査報告書の12ページに戻りますが、COチェッカーは、喫煙状態の客観的な指標として診断に用いるために、患者の呼気の一酸化炭素濃度を測定し、その結果を患者アプリ及び医師アプリに表示します。
審査報告書の13ページの図2を御覧ください。患者アプリは、患者のスマートフォン等のモバイル端末にインストールして使用され、左の図に示すようなニコチン依存症の疾病の理解及び禁煙に関する行動変容の定着を促す動画を提供する機能、右の図に示すような患者が実践した行動を記録する機能、また、図にはお示ししていませんが、患者が入力した喫煙状況、呼気一酸化炭素濃度測定結果等により、ニコチン依存症の疾病の理解及び禁煙に関する行動変容の定着を促すメッセージ等を提供する機能を有します。同じページの図3を御覧ください。医師アプリは、医師の用いる汎用パソコン等にインストールして使用され、患者アプリの使用状況、呼気一酸化炭素濃度の測定結果等を提供いたします。本品の使用期間は、標準禁煙治療プログラム期間である12週間及び当該プログラム期間終了後12週間の計24週間です。本品は、医師の処方により提供されます。
次に開発の経緯を御説明いたします。審査報告書の14ページ下段「(1)開発の経緯」の2段落目、「現在の禁煙治療では」から始まる段落を御覧ください。下から2行目でございます。現在の禁煙治療では、初診時に問診、スコアリングテスト等を行い、ニコチン依存症と診断された場合には、標準手順書に基づく標準禁煙治療プログラムに従った禁煙指導が行われます。初回診療から2週間後、4週間後、8週間後、及び12週間後の計5回の診療が行われ、多くの場合、医療用医薬品として承認されているバレニクリン又はニコチンパッチが、禁煙治療薬として処方されます。
審査報告書の15ページ下段の、図4<標準禁煙治療プログラム>と書いてある部分を御覧ください。標準禁煙治療プログラムでは、診療と診療の間には医師等の医療従事者が介入しないことから、治療の空白の期間が存在します。この空白期間に日常生活のストレスや誘惑等により、再び喫煙する可能性があります。また、禁煙治療薬の臨床試験においては、標準禁煙治療プログラムが終了した禁煙開始13週時点から24週時点にかけての禁煙率が低下していたことから、この期間の禁煙を継続支援することに臨床的なニーズがあると、申請者は考えました。
そこで、その下の<本品を併用した治療>のように、本品を標準治療プログラムに併用し、診療と診療の間の介入と、標準禁煙治療プログラム終了後の禁煙開始後24週目まで本品による治療介入を行うことにより、禁煙治療の正しい知識の定着と行動変容を促すことで、禁煙治療の補助をすることを目的に、本品は開発されました。また、標準禁煙治療プログラムでは、喫煙状態の客観的な診断の指標として、呼気一酸化炭素濃度測定が行われていることから、本品では在宅でも呼気一酸化炭素濃度をCOチェッカーで測定し、医師の診断実施及び診断に基づく治療計画策定がなされることを意図して開発されました。なお、本品は本邦で開発された製品であり、世界に先駆けて承認申請がなされています。
次に、非臨床試験成績につきましては、同じページ、16ページから次の17ページに記載しております。審査の結果、これらの非臨床試験について、特段の問題は認められませんでした。
次に、本品の臨床試験成績について、御説明いたします。審査報告書の20ページ、表2「臨床試験の概略」を御覧ください。ニコチン依存症患者を対象とした標準禁煙治療プログラムに本品を上乗せした際の効果を検証するため、対照アプリを比較対照として実施された臨床試験成績が提出されました。対照アプリは、*1でございますが、表の下にございますように、有効性に寄与する可能性がある機能を除いた、○○○○○○○○○○○○○○○○○○等のみを有するアプリです。これが比較対照に設定されました。主要評価項目は、表の下から2行目でございますが、治療開始後9~24週の継続禁煙率が設定されました。
続きまして、臨床試験の試験結果について御説明いたします。審査報告書の23ページの中段の「(3)試験結果」の「1)主要評価項目」を御覧ください。主要評価項目である治療開始後9~24週の継続禁煙率は、本品群が63.9%、対照群が50.5%でした。禁煙治療薬の種類を共変量としたロジスティック回帰分析では、本品群の対照群に対する継続禁煙率のオッズ比が1.73、95%信頼区間が1.239~2.424であり、本品群での継続禁煙率は対照群に対し有意に高いことが示されました。
副次評価項目については、同じページの「2)有効性の副次評価項目」にございますように、9~12週の継続禁煙率、9~52週の継続禁煙率等が評価され、詳細な説明は省略させていただきますが、全体として本品群での上乗せ効果が認められる結果となりました。
続きまして、臨床試験の不具合及び有害事象について御説明いたします。審査報告書24ページの下段の「4)不具合」を御覧ください。本治験において、報告された不具合は、表示不良、データ入力不良等であり、被験者の健康状態に影響を及ぼすと判断された不具合の発生は報告されませんでした。また、その下の「5)有害事象」を御覧ください。治験中、本品又は対照機器と関連が否定できない有害事象は認められませんでした。
次に、総合機構における審査の概要について、御説明いたします。審査における主な論点は4点です。1つ目の論点は、主要評価項目の評価についてです。審査報告書の26ページの「(1)主要評価項目の評価について」の下段、「主要評価項目は」から始まる段落を御覧ください。下から9行目でございます。主要評価項目は、医療用の禁煙治療薬として承認されているバレニクリンの治験と同様に「継続禁煙率」が採用され、これは妥当と考えます。また、主要評価の期間については、バレニクリンの治験が9~12週だったのに対し、本品は9~24週で評価されましたが、これは、本品が9~24週間の使用を前提としているということで、問題ないと考えております。また、本品群と対照群の9~24週の継続禁煙率の差を○%と見積もって症例数設計がなされ、結果として本品群と対照群の9~24週の継続禁煙率の差は13.4%であり、対照群と比べ統計学的に有意な差が示されたことから、本品の有効性は示されたと判断しました。
続いて、審査報告書の27ページ、「(2)対照群の成績を評価に用いることの妥当性について」を御覧ください。2つ目の論点は、「対照群の成績を評価に用いることの妥当性について」です。標準禁煙治療プログラムにおいては、禁煙日記等を記録することが推奨されています。治験プロトコル上、本品群では、本品の禁煙日記機能により禁煙日記の実施状況を記録していました。一方、対照群では、禁煙日記等の標準禁煙治療プログラムで実施した内容について記録をしていなかったことから、本品群と比較して対照群において禁煙日記等がどの程度記録されていたかは不明となりました。また、本治験は非盲検で実施され、対照アプリに割り付けられたことは患者に明らかであることから、対照群に割り付けられたことによる被験者の意欲低下等が懸念されました。以上のことから、対照群の成績を評価に用いることが適切であるかを確認する必要がありました。
審査報告書の27ページの表6を御覧ください。「ニコチン依存症管理料算定保険医療機関における禁煙成功率の実態調査報告書」から作成した表です。1行目が本試験の対照群の成績ですが、2行目以降のニコチン依存症管理料を算定した患者に対する継続禁煙率と比較すると、対照群の継続禁煙率は高い数値を示していることから、対照群において一般的な禁煙治療水準が確保されていたことを確認できました。
以上を踏まえ、通常の禁煙日記を毎日使用した場合の禁煙率との比較はできないものの、対照群の結果は、現在の臨床で実施されている標準禁煙治療プログラムを上回る結果を示していると判断できることから、対照群の成績を評価に用いることに特段の問題は生じないと判断しました。
続いて、審査報告書の28ページの「(3)併用する禁煙治療薬について」を御覧ください。3つ目の論点は、「併用する禁煙治療薬について」です。これから説明する理由により、併用する禁煙治療薬をバレニクリンに限定することといたしました。中段の表7を御説明します。
本品群と対照群で、バレニクリンを併用した場合、○○○○○○○を併用した場合、○○○○○○○○○場合ごとに、9~24週の継続禁煙率が示され、バレニクリン併用群では本品の結果が上回りましたが、○○○○○○○併用群においては、本品群が○○%、対照群が○○%となり、継続禁煙率の差は認められませんでした。
審査報告書の29ページ上段の「患者アプリのアルゴリズムが」から始まる段落を御覧ください。上から8行目でございます。バレニクリンと○○○○○○○を併用する場合では、患者アプリのアルゴリズムがそれぞれ異なることから、アルゴリズムが標準手順書や添付文書に従った内容であったとしても、アルゴリズムの差が本品の有効性に影響を与えた可能性は否定できないと考えます。申請者は、施設ごとに禁煙治療薬に関する部分解析をした結果をもとに、治験において認められた差異は主に施設因子によるところが大きいことを説明しています。しかしながら、各施設において本品群と対照群で同様の治療を実施していることから、本品群と対照群で差が見られなかったことに関する理由について、十分な科学的説明がなされているとは言い難いと考えます。したがって、本治験の結果からは、○○○○○○○を併用する患者に本品を上乗せして使用した場合の有効性が確認されたとは言えないと考えます。
次に、審査報告書29ページの下段「2) ○○○○○○○○○○○患者について」を御覧ください。○○○○○○○○○○○患者の症例数は、本品群○例、対照群○例と少なく、有効性が示されたと判断できませんでした。
以上の検討を踏まえ、29ページの最後から30ページの頭にかけてでございますが、○○○○○○○を併用する患者及び○○○○○○○○○○○患者に対する有効性は不明であり、本品の対象患者に含めることは適切ではないと判断しました。そのため、○○○○○○○を併用する患者及び○○○○○○○○○○○患者に関する患者アプリ及び医師アプリの○○○○○○を本品から削除し、本品は禁煙治療薬としてバレニクリンを併用することを意図したアルゴリズムであることを、添付文書でも分かりやすく情報提供することといたしました。
続いて、審査報告書の30ページ、「(4)加熱式たばこ等のみを使用している患者について」を御覧ください。4つ目の論点は、「加熱式たばこ等の呼気一酸化炭素濃度が上昇しないたばこのみを使用している患者について」です。以降、「加熱式たばこ等の呼気一酸化炭素濃度が上昇しないたばこ」を「加熱式たばこ等」と呼ばせていただきます。これから説明する理由により、加熱式たばこ等を使用している患者を本品の対象外といたしました。
申請者は、実施した治験には加熱式たばこ等のみを使用している被験者は含まれていないものの、加熱式たばこ等を使用しているニコチン依存症患者に対しても同様の有効性が見込まれることから、加熱式たばこ等のみを使用している患者を本品の対象患者に含めることができると説明しました。しかしながら、本品は、COチェッカーで毎日測定した呼気一酸化炭素濃度の結果を医師が確認できる仕様になっており、医師が測定結果を確認することによる継続禁煙に対する効果が考えられます。一方で、加熱式たばこ等を使用した場合には、たばこの葉等が燃焼する温度には到達せず呼気一酸化炭素は発生しないことから、呼気一酸化炭素濃度を測定することに意味はないと考えられます。医師が測定結果を確認することによる継続禁煙に対する効果が除かれることになるため、加熱式たばこ等を使用している患者に対しては治験と同等の有効性が発揮できないことが想定され、有効性が示されたとは判断できませんでした。審査報告書の31ページ、下から10行目、「以上を踏まえ、」から始まる段落を御覧ください。したがいまして、加熱式たばこ等を使用している患者を本品の対象外とするため、加熱式たばこ等を使用していないことを確認した上で本品を使用することとし、その旨を添付文書で情報提供することといたしました。
最後に、本品の使用成績評価の要否について御説明いたします。審査報告書の32ページ、中段の、<総合機構における審査の概要>を御覧ください。総合機構は、本品の安全性については、非臨床試験で確認されていること、臨床試験で懸念される有害事象が確認されていないこと、及び本品の想定されるリスクは極めて低いことから、使用成績評価で得られる情報により新たな安全性の懸念が特定される可能性は低いと考えます。また、有効性については、本治験では通常の診療で参照されるニコチン依存症管理料の算定基準を踏まえて治験の施設選定基準や選択基準を設定しており、治験の状況は加熱式たばこ等のみを使用する症例が含まれないことを除き日常の診療に近い状況であり、加熱式たばこ等のみを使用する患者を対象外とすることから、本品の対象患者に対する有効性は示されたと考えます。総合機構は、専門協議の議論も踏まえ、新たに評価すべき事項は想定されないことから、使用成績評価を行う必要は低いと考え、使用成績評価の指定は不要と判断しました。
審査報告書の33ページの下から5行目を御覧ください。以上の審査に基づき、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。また、使用成績評価の指定は不要と判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。
総合機構からの説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは初めに、参考人としてお越しいただいている奥仲先生の方から、追加の御発言を頂けますでしょうか。
○奥仲参考人 基本的に外来診療でニコチン依存症に対する治療というのは、12週間で患者さんに5回面会します。1回目の初診と5回目、特に5回目は処方いたしませんので、実質的に患者さんと直接お話ができるのは3回でございます。この間、医師が介入することができないということと、全ての開業医科の先生が、禁煙治療に対して非常に専門でないということを考えますと、施設によっては、その合間に医療従事者が介入することは非常に難しいわけであります。特に患者さんにおきましては、その時に誘惑行為に対して代償行為というものを求める。これは普通の時には、例えば氷をなめなさいとか、深呼吸をしなさいとか、非常に具体的でない、あるいは実用的でないこと、普通はできないようなことも想定します。例えば氷がなかったら氷をなめられません。ところが、ここは代用アプリがありまして、アプリでチャットに入ることができて、そこの数分間そのチャットを見ることによって、喫煙の誘惑行為から逃げられるというところがございます。そういう意味では、現在の臨床現場において非常にニーズがあり、有用であると考えました。以上でございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、委員の方から御意見を頂きたいと思いますが、今回、最初に説明がありましたように、まずこの新しいものをどこで区分するかという、要するに医療機器として扱うかどうかというところの箱の設定の部分についての説明がありました。まず、この箱の部分について御意見がありましたらお願いします。
○長島委員 長島です。まず、パーソナルヘルスレコード、PHRとの整理、あるいはその担当部局との連携が極めて重要かと思いますので、その点について質問いたします。現在、このPHRに関しては、健康・医療・介護情報利活用検討会が本年3月に設置されて、その中の健診等情報利活用ワーキンググループでPHRの利活用は検討されているということで、私もその委員をしておりますが、昨年PHRに関する検討会で作成した国民・患者視点に立ったPHRの検討における留意事項においては、PHRの可能性として、本人による保健医療情報の閲覧等により、1.必要に応じて医療従事者等の協力の下で、日常生活習慣の改善等の健康的な行動の醸成を可能とする。2.診療時等に医療従事者等が当該保健医療情報を活用することにより、効果的・効率的な医療等の提供を可能とするなどの可能性があるということで、病気でない方の健康増進だけではなくて、疾患を持った方に関する治療に関しても、このPHRというのは可能性があるとされているといったところです。このような行動変容アプリというのは、正にここで非常に重複する部分が多いということで、今回このようにきちんと薬機法上の取扱いについてまとめていただいて有り難いのですけれども、今後はこのPHRに関しても、正に行動変容アプリというものが出てくるので、ここのところを、PHRに関するもの等の整理、あるいはそこに関する担当部局としっかり連携して一緒に考えていくと。薬機法上どのような取扱いをするのか、医療機器としてどこまでをどう見るのかというようなことについて検討が必要かと思いますが、そのような予定はありますか。
○医療機器審査管理課長 御質問ありがとうございます。マイプライベートファイルにお戻りいただき、当日配布資料1をお開きください。当日配布資料1の行動変容アプリの医療機器プログラム該当性の考え方の2ページ目ですけれども、まず、下の方の○、健康管理を目的としたプログラムは医療機器非該当という考え方を、ここでお示しさせていただいております。その中でも最初のポツ、個人の健康状態を示す計測値を表示するもの、あるいは転送・保管するプログラム、こういったものについては医療機器非該当であると考えております。
それから、同じ2ページの上の○の(1)ですけれども、その中での特に2.医師の責任で実施すべき治療行為の一部又は全部を代替するものかどうか。このような視点が行動変容アプリの医療機器該当性に重要なポイントだと考えております。
今後、先生が御指摘のように、関係の部局とも、このような考え方についての情報共有も行いつつ、個別の具体的なアプリなどが出てきた場合に、必要に応じこのような該当性の考え方についても検討を加えつつ、このような視点に基づいて個別に判断していきたいと考えております。
○長島委員 もう一点よろしいでしょうか。今回のような禁煙に関するアプリというのは海外でも例がないということですが、禁煙に限定せず、行動変容アプリというのは海外ではどのような取扱いになっているのか、教えていただけますか。
○事務局 御質問ありがとうございます。米国においては行動変容アプリで医療機器に認可されたものがございます。例えば、糖尿病治療に利用されるものや薬物依存症治療に利用される行動変容アプリが認可されています。
○長島委員 それは、例えば法律上の扱いは、どのようなカテゴリーというか、クラス分けになっていますでしょうか。
○事務局 クラスⅡ相当かと思われますが、確認してみないと分からないところがございます。
○長島委員 では、海外でどのような扱いになっているのかどうか、どのような法律が関係するかというのは非常に参考になると思いますので、後ほどで結構ですので提供をお願いいたします。
○事務局 承知いたしました。
○荒井部会長 枠組みというか考え方についてのご指摘だと思います。あくまで「決まり」ではなく、こういった新しいものが出てきた時に、分かりやすく「この辺はいいだろう」という形のようなものを示していただいた、ということかと思います。内容的には私も妥当なものではないかなと感じますが、これからの変化により変わってくる可能性のあるものですよね。
○長島委員 このようなアプリが、例えば小さな修正をする場合も考えられます。小さな修正をするということもあり得ますが、例えば、こういう基になっているようなガイドラインなり指針が変わると大規模な修正ということもあります。そのような小規模・中規模・大規模な修正があった場合に、どのような手続が必要になるのかということについて、教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より回答いたします。本品のアプリのアルゴリズムにつきましては、承認書に全て規定しております。そのため、変更する場合には、どのような変更でありましても、一部変更承認申請、又は軽微変更届等の変更手続が必要になってまいります。また、有効性に寄与する変更をする場合には、一部変更承認申請が必要になります。特にチャット等のアルゴリズム、どこまで変更するかというところは、今後考えていく必要がございますし、その変更について、一部変更承認申請に該当するか等につきましては、今回の製品についても変更する場合には事前にPMDAに相談するように伝えております。
○長島委員 このようなアプリだと、アルゴリズムがものすごく膨大なものになるので、ほんの微細な変更までいちいちやるとなると大変だけれども、それが微細かどうか、影響がどうかというのも分からないので、その辺がきちんと整理されていくことを希望します。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。また現在、次世代医療機器の評価指標作成事業の中でも、そちらの点につきまして、今後検討することになっておりますので、その状況も踏まえて、変更の手続については検討していきたいと考えております。
○荒井部会長 まず、この枠のところに関して、特にそのほか御意見ございませんか。一般に、疾患に対する治療で、患者さんの治療に対する意思とか協力がない状況での治療はほとんど存在しない、すなわち、患者さんが何らかの形で協力して治療が行われているわけです。ですから、行動変容、あるいはそれに近いような患者さんに促す機器、そういったアプリが物凄い勢いで出てくるという可能性は十分あると思われます。これは1号機かもしれませんが、そういった点も踏まえて御検討いただけたらと思います。
一応お示しいただいた行動変容アプリの考え方、医療機器の妥当性に関しての考え方については、皆さん御了解いただいたということとし、ここからは、実際のこの製品の議論に進めさせていただきたいと思います。では、PMDAの方から説明について、御意見いかがでしょうか。
○小西委員 最初に是非勉強したいので、教えていただきたいのですけれども、たばこを1本吸うと呼気中の一酸化炭素濃度はどれぐらい上がってきて、その後どれぐらい、どのように下がっていって、どこまで待っていると正常化するかという、ナチュラルコースといいますか、教えていただけますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。たばこを吸った場合には、呼気の一酸化炭素濃度が上がってきまして、喫煙していると大体10ppm以上になりまして、今回の治験におきましても、その判断というのは10ppmの所でしております。また、一度吸った場合には、通常、呼気一酸化炭素濃度が3時間から5時間すると、半減期がそれぐらいになりますので、半日程度すると戻ってきます。
○小西委員 このCOチェッカーがどれぐらいの感度で、値として出てくるのですか。そのことも教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。COチェッカーにつきましては、数値で何ppmという形で表示されます。また、その精度につきましては、先ほど標準の外来の診察時にも、呼気一酸化炭素濃度を測定すると申し上げましたけれども、同じような精度を持った呼気の一酸化炭素濃度測定装置に、今回のCOチェッカーはなっております。
○荒井部会長 小西委員、よろしいですか。では長島委員、どうぞ。
○長島委員 数件ありますので1問ずついきます。まず、対象となる患者の像というのをどう想定するかということで、参考人の奥仲先生にもお伺いしたいのですけれども、まず初回から、初めての禁煙治療でもこれを使った方がいいのか、あるいは、例えばこれを使わずにやっていて効果がないというような人に、こういうものを使った方がいいのかという点、これはいかがでしょうか。
○奥仲参考人 上乗せ効果というのは実際上認められておりまして、ここでも先ほど御紹介していましたように、9週から24週の継続禁煙というのが対照群より13.4ポイントと高かったわけでございますから、これは初回から入ったとしても、途中からでもどちらでもいいと思ったのですが、初回からやった分だけ価値はあると思っております。
実際に現場でやっておりますと、できる方だと思う方というのは、全くなくても、恐らく第2回目の治療、4週の治療でもう大丈夫かなと思う方は沢山いらっしゃいます。駄目な方は、終わった時でも駄目なのではないかという部分があるわけでございます。
ただ、これは実際分からない、未知の世界で、今後の論文等を期待したいのですが、12週以降の患者さんの動向というのは我々は知らないのです、患者さんは外来に来なくなってしまいますので。それが今後、それから更に12週、24週までやれるとなりますと、どうなっていくのかという予後が分かります。その患者さんは、1年間は御存じのように保険適用できませんので、次の年しかいらっしゃいませんので、そういう意味では非常に興味があると言うと変ですが、これが適用された場合、初回からやってもらって、その結果を、いわゆる学術的にも興味のあるものになると思います。
○長島委員 既にやっている方で、新しくこれが認められたから、途中からこれをやるというのでも、十分効果が期待できると思っていらっしゃいますか。
○奥仲参考人 12週以降のことができますので、効果はあると思います。
○長島委員 それから、患者さんで非常に理解度が高いとか協力的であるというようなものが効果に影響する可能性はないか。その場合、やはり患者さんをきちんと見極めて使った方がいいのかどうかということは、いかがでしょうか。
○奥仲参考人 おっしゃるとおりだと思います。例えば、もちろん患者さんで御高齢の方で、アプリを使えないというところから始まっていきますと、これは問題外でございますし、先ほどのチャットのルームに入れるということも、なかなかそこそこの能力がありませんと、いわゆるコンピューターの機器の能力がありませんと入れませんので、そこはむしろ押し付けても無駄になってしまうように思います。
○長島委員 ありがとうございます。次に、医師・施設の要件について確認しますけれども、これはやはり禁煙治療、特に学会の標準禁煙治療プログラムの十分な経験がある人が使うべきではないかと思いますが、その辺、何か要件を付ける予定はありますか、ないですか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。今回の対象としましては、標準禁煙治療プログラムを実施している施設が対象となっております。治験の中におきましても、大小問わず色々なクリニック等もございますが、標準禁煙治療プログラムに上乗せした場合の有効性が確認されております。
○長島委員 それから今回は、臨床試験のデザインの関係で、かなり限定された患者さんが対象になっていますが、例えば加熱式たばこの患者さんにも利用する場合には、COチェッカーを併用しない場合でも使えるというような臨床試験、あるいは他の禁煙治療薬を併用しない患者でも有効かというような臨床試験があると、より望ましいと思いますが、そのような計画はありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。今、御意見を頂きましたように、申請者の方も○○○○○○○、また○○○○○○○患者、加熱式たばこのみの患者も対象としたいと考えており、そちらに向けて費用も含めてではございますが、検討していると聞いております。
○奥仲参考人 そもそも論なのですが、COを測定するということに、いわば嘘発見器的な心理的要素があるわけであります。COを測定することで喫煙してしまったことが誤魔化せない、客観的にされてしまいますから、医師の期待を裏切りたくないとか、医者に叱られたくないという心理的葛藤が禁煙継続にプラスに働くわけであります。そもそも論なのですが、COチェッカーで測定した呼気のCOの濃度が、加熱式たばこの場合は出ませんから、これは入れても仕方がないということで、今回は除外しております。
○長島委員 そうしますと、アルゴリズムそのものも、そういう場合は変えなければいけないということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね。今回のはバレニクリンの専用のものとして承認しておりますし、COの結果によるチャット等の機能もございますので、対象に含める場合には、このアルゴリズム等から変更していく必要があると考えております。
○長島委員 それから、先ほど話がありましたように、患者さんが利用できるかというのが極めて重要なので、添付文書には最初の初期設定の指導をするとありますが、それだけではなくて、やはりその場で実際に使ってもらって、患者さんが利用できるかどうかという確認、これもきちんと添付文書に入れるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただきありがとうございます。添付文書の中に設定の仕方等を載せてはおります。細かいアプリの使い方等は、なかなか添付文書の中では載せられてはおりませんけれども、取扱説明書等の中では。
○長島委員 そうではなくて、その場で導入してもらって、その場で実際に動かしてもらって、そこで全然動かせないような人にこれをというのは、そもそも無理なので、まずは初期設定の指導だけではなくて、インストールして、まずその場で、目の前で動かしてもらって確認すると。内容ではなくて確認、動作ができるかというのを添付文書に入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。御要望を踏まえて対応させていただきたいと思います。
○長島委員 添付文書に関して、セキュリティの問題で、改造がいけないとかOSの問題とか色々あるのですが、これを実現するのは難しいのであれば、例えばチェックシートのようなものを作ると。一番いいのはアプリの最初の画面にチェックを入れて、そこのところをきちんと、改造していないとか、こういうことをしていないというのをチェックを入れて、それで初めて立ち上がるとか、そのように絶対間違いなく、確実に確認できるというシステムにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。サイバーセキュリティ等につきましては、御指摘いただきましたように、今回も患者用アプリで使うということと、クラウド等も使うというところで、色々と対応していく必要があると考えている点でございます。今回のサイバーセキュリティにつきましては、今、厚生労働省と総務省、経済産業省等から出されております医療情報システムの安全管理に関するガイドラインでありますとか、クラウドを使っておりますので、クラウドサービス事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン、また、医療情報を受託管理する情報処理事業者における安全管理ガイドラインに準拠しております。また、具体的な対策として、例えば医療機関の端末の場合には、IDとかパスワードのほかに、クライアントの証明書という電子証明書をインストールして使用しますとか、あとはサーバーの方になりますけれども、データベースの通信につきましては、VPNを通じたインターネットを介さない通信を使う等のガイドラインに沿った対応をしております。
○長島委員 ガイドラインはあるのですけれども難しくて、ほとんどの人が読んでいないか、読んでも理解できない。そうすると実現性という意味では、さっき言ったようなチェックシートのような分かりやすいものを作ってあげて、ここでその条件を満たしていないと使えないというようにしてあげるのが現実的だろうと。それと、医療機関側で使う場合は、特に電子カルテと同じ端末上で使うという、その方が使う分には非常に便利で、電子カルテの情報とここのアプリの情報は同時に見れた方がいいし、理想的にはその情報を電子カルテの中に取り込むことができるといいのですが、セキュリティ上これは非常に問題があるので、そこに関してもう少し分かりやすい情報提供で、こういう場合はこういう併用をすると危険があるとか、併用するのであれば、それぞれこちらのアプリと電子カルテ側のアプリで、きちんとそこのところのセキュリティを保つ必要がある。例えば電子カルテのベンダーに確認しなさいとか、実際の分かりやすい行動に結び付くようなものを作ってあげないと、普通の医師は恐らく理解できなくて、非常に危ない使い方をすると思うので、そこの工夫は是非やってください。
○医薬品医療機器総合機構 御意見を頂きありがとうございます。そのように申請者の方にお伝えしたいと思います。
○長島委員 それから、添付文書に、患者側の端末のOSが、恐らくこれは臨床試験をやった時の条件だと思うのですけれども、すごく古いのが書いてあって、iOSだと11とか、今はもう13.5になっているので、とすると、元に戻して使えということになるのですが、それは不可能ですよね、そんなことはしないので。とすると、この添付文書の書き方が、これでいいのか。何々以降とするとか、そういうのが一般的なのですが、そこのところはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただきありがとうございます。添付文書の記載につきましてはOSの対応等も含めまして、対応させていただきたいと思います。
○長島委員 もう1つ、オンライン診療でこれを使うという可能性も十分あるのですが、オンライン診療でこれを使うということに関しては、何か検討されていますか。それとも全く想定されていませんか。
○医薬品医療機器総合機構 今年の4月に標準手順書が改訂されまして、オンライン診療についても明記されております。その中で、5回の診療がありますけれども、1回目と5回目は対面での診療が必要になりますが、2回目から4回目の診療につきましてはオンラインでの診療が認められております。治験の中ではオンラインでの結果というのは含まれておりませんが、対面とオンラインで異なるところとしましては、やはり医師アプリのところになると思いますが、今回、患者の使用状況を確認するということは、オンラインと対面では特に差がないと考えておりますので、オンライン診療での使用は、現時点で禁止するものではないと考えております。
○長島委員 先ほど言ったように、例えば電子カルテとこのアプリを同時にやるのがセキュリティ上危ないのと同様に、オンライン診療のアプリとこのアプリ、更に電子カルテのアプリと、例えば3つ、同じ所で走らせるという可能性が十分出てくるので、ここのところは、そのセキュリティ上の問題をきちんと確認した上でないと極めて危ないと思うので、そこのところの確認と注意喚起、情報提供、これを是非お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。ありがとうございます。
○長島委員 以上です。長い間ありがとうございました。
○荒井部会長 そのほかの委員から何か御質問、御意見はありますか。
○一色部会長代理 このシステムがアプリ+COチェッカーということですが、このCOチェッカーについては貸出しという形になるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回、配布した後は、貸出しという形ではなく、1度使った後は廃棄という形をとることになっております。
○一色部会長代理 廃棄なのですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○一色部会長代理 これは個人のものとなるということではなく、業者が回収してそのまま廃棄ですか。
○医薬品医療機器総合機構 実際、24週以降については、それ以降の測定精度等の担保を現段階ではしておりませんので、24週たったら患者さんに廃棄していただくという対応をお願いするようになっております。
○一色部会長代理 COチェッカーは、今、臨床で使われているものはマウスピースを換えることで繰り返し使っておられると思いますが。その耐用年数がたかだか数か月、24週しかないような形での運用には問題がありませんでしょうか。コストや今後のことなど、そのような考えに基づいた何か管理の方法はないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 マウスピースを取り付けたり外したりというような、通常の病院で使うものは単回使用になっていると思いますが、今回、そこは換えるという設定にはなっておりません。1人の患者さんが使ったらそこで終わりという形になっておりますので、24週で使い捨てということになります。
○一色部会長代理 そうすると、患者さんが自分で今後の管理のために、その機械を継続的に使用することを認めてあげないと、せっかくの機械を使っていただくことのメリットが薄まってしまう印象があります。参考人の先生のお考えはいかがでしょうか。
○奥仲参考人 実際、COチェッカーはAmazon等で3,000円程度で買えてしまうものです。その程度がどうか、実際に病院で使っているものとどれだけの差があるのか。ただ、データ上は余り差がなかったと。それが1年大丈夫なのかどうかというのは、実際、調べていないのですかね、そこは私も分からないのですが。ただ、もともと私が見た内容は、Amazon等で3,000円程度で売られているものと理解しております。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構から補足いたします。おっしゃるとおり、その後ももったいない、使いたいという感覚もよく分かりますので、申請者には言っておこうと思いますが、確認して保証しているのが、今回の使用方法に合わせてそこまでとなってしまっております。それ以上使えるようならば、今後、確認して、何か普通の、今回のアプリと関係ない測定器としてどうなのかという辺りは、お話はしてみようと思います。現時点ではアプリと併せて使用までの確認となっておりますので、御了承いただければと思います。
○小西委員 その点はとても重要です。ポリシーとして、このような機械を数週間だけ使って捨てるという考えを、この委員会がどう考えるかはとても大切で、そのような考えで通すわけにはいかないのではないでしょうか。やはり、この時代ですから、地球環境がどうこう言っている時代に、そんなディスポーザブルの製品を認めるわけにはいかないのではないかと思います。
○長島委員 このCOチェッカーは、Bluetoothで患者さんのスマホとつながって、そこのアプリに情報を送るという特殊なもので、このアプリとBluetoothでつながる特殊なものなので、ほかのCOチェッカーは使えないのです。それを手入力すれば別ですが、今回そのような形の申請はしていないのです。今後、臨床試験等をして、そのようなBluetoothでつながらなくても患者さんが手入力でやる形でも通るのか、もう1つは、それだとごまかしができると、絶対ごまかしができないという意味で、これがより有効だと。とにかく、このCOチェッカーは特殊なものだということです。以上確認ですが、いかがでしょうか。
○荒井部会長 このCOチェッカーは、医療機器として認めたものを患者さんがずっと持ち続ける形になりますよね、強制的に捨てなさいというわけではないので。そうすると、それこそ医療機器制度の一番大元の部分、すなわち「何か不具合が起きた時にどうか」という部分が曖昧になってしまいますね。2年たっても3年たっても、初めの数値を参考にしていいのかというと、結構難しいですよね。そういう点で、皆さんの御意見も同じところを突いているのだと思われます。
○一色部会長代理 機械の説明が余りなかったので、それで私がとんちんかんなことを言ったのかもしれませんが、この絵を見る限り、少なくともパーセント表示をする所が機械には付いてなさそうですよね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、測定した結果は、全てアプリの方に表示されます。
○一色部会長代理 そうすると、アプリが使えなくなった時点で現実的に使えなくなるという、そのような理解になるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 それは御認識のとおりです。
○一色部会長代理 そのアプリは、その時期が来ると使えなくなってしまうものなのですね。
○医薬品医療機器総合機構 COチェッカーは、御認識のとおり使えなくなります。
○一色部会長代理 分かりました、ありがとうございます。
○荒井部会長 そうなのですね。
○北澤委員 別の質問です。臨床試験について2点質問いたします。まず、今回の臨床試験で見たアウトカムですが、審査報告書の通しの21ページでポツが2つあり、4回目の外来受診の翌日から24週時点までの喫煙がないこと、これは患者の自己申告です。そして、もう1つは、12週及び24週時点におけるCO濃度が10ppm以下であること。この2つを満たすことをアウトカムにしているのですが、自己申告の部分は、本当にそうなのかは分からない部分もあると思います。そして、12週と24週の2点でCO濃度を測っているわけで、これをもって継続禁煙率と言ってよいのか、よく分からなかったので質問します。
それから、もう1つ質問したいのですが、審査報告書の通しの27ページです。説明のありました対照群についてです。この説明には、対照群は禁煙日記などを使っているのかどうかよく分からないというようなことが書かれていました。でも、普通の標準的に今やっている禁煙治療でも、日記は書いているのだから、この試験の対照群は、今やっている治療以下のことしかやれていないのではないか。なので、有意差があったと書いてあるのですが、これは本当にそうなのか、よく分かりませんでした。
審査報告書では、この点については考えていて、過去の調査よりも対照群の調査が上回っているからいいのだと書いてあるのですが、これは余り比較にならないのではないかと私は考えます。というのは、この試験に入っている人は、そもそも、もう今すぐにでも禁煙したい人で、かつこのアプリを使いこなせる、意欲のある、それからコンピュータ・リテラシーもある程度ある方なので、それをこの中医協の調査結果における継続禁煙率と比較して、それよりも対照群が良かったから禁煙日記もきちんと使えているはずだというのは、推測にすぎないのではないでしょうか。この2点をお願いします。
○永井委員 同じ論点で、今のことについてです。
○荒井部会長 同じ論点でしたら、どうぞ。
○永井委員 今、おっしゃった対照群の成績を評価に用いることの妥当性についてですが、まさに審査の論点になります。この医療機器は行動変容を促すことで効果を出すわけですが、今も話に出た日記をつけるということ自体が行動変容につながります。それがモチベーションにもなるわけなので、結局、対照群で治療をコントロールできていたかどうか不明です。対照群の治療のクオリティ・コントロールが不明ということは、いささか厳しいところがある。これは言ってみれば、糖尿病の治療で食事療法の内容が分からないというようなことに近いものがあります。
それが1点と、もう1つ、まさに先ほどおっしゃっていましたが、対照群が過去のデータを上回っているからいいという議論でしたが、そもそも、このRCTをデザインする時に対照群の治療成績を何%と想定し、その上で○%なり上乗せ効果があるということでデザインされたはずです。そこがどうだったのかは非常に疑問です。
更に、この表に出ているデータ、特に平成19年、9~24週の40.8%というのは、バレニクリンが出る前のデータであり、今はそれよりも更に良くて当たり前なので、そこは注意して解釈する必要があると思います。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。まず、1点目の呼気の一酸化炭素濃度、主要評価項目の測定については、御指摘を頂いたとおり、重要なポイントだと考えております。そのため、外来時の12週と24週地点だけではなく、COチェッカーで測定した結果が判定の基準の10ppm等を上回っていなかったかも確認し、その結果、10ppmを上回っているにもかかわらず禁煙できていたと回答した患者はいないことを確認しております。
2点目の対照群の設定については、ここも御指摘いただいたとおり、重要なポイントだと考えており、総合機構でも27ページにお示ししているように検討いたしました。禁煙日記については、標準手順書の中では禁煙日記をつける旨が書いてあるのですが、ただ、施設によっては、かなり実施していない施設も多いというところもあります。その中で、通常やっている標準の手順書にのっとり、それ以下にはならないような形で施設ごとに標準の手順に従って試験をやっております。
○荒井部会長 質問の方々は、それでよろしいですか。
○北澤委員 よろしいですか。今の1点目のアウトカムの評価についてですが、御説明があってはじめて、継続的にCOチェッカーの結果との整合性といいますか、そういったものを確認してあるとおっしゃいました。しかし、審査報告書からはそれは読み取れませんでした。なので、この2点を測っただけで継続と言っていいのかどうかというのは、これを読む限りでは分からないとしか言いようがなくて、それをもって企業などが継続禁煙率という言い方で患者に説明するのは、どうなのかと疑問に思います。
2点目の対照群の評価については、これはやはり、研究デザイン上、もう少し考えてやるべきだったのではないかと、これは感想でしかありませんが、先ほどおっしゃられた先生と同じ意見です。
○荒井部会長 今、どなたか手を挙げていらっしゃいましたね。どうぞ。
○永井委員 RCTをデザインする時に、対照群の治療成績を検討されなかったのでしょうか。
○荒井部会長 いや、されないで○%はないから、絶対されていますよね。
○永井委員 ○%というのは差分だけですよね。
○医薬品医療機器総合機構 対照群と比較して○%というのは計算しております。
○永井委員 その対照群の治療成績が何%だから+○%という上乗せ、そういった計算だと思うのですが。
○荒井部会長 予想値が。
○永井委員 今さら言っても仕方ないですが。
○医薬品医療機器総合機構 その標準といいますか、バレニクリンの治験の結果を基に算出した9~24週の継続禁煙率の数値と比較して○%の上乗せという形で評価しております。また、1点目に先ほど御質問いただいていた主要評価項目の基準については、こちらもバレニクリンの治験の評価と同じ形にしており、その2つを満たしていれば、禁煙と判断しているという同じ手法を用いております。
○医療機器審査第一部長 少し補足いたします。北澤委員から御指摘のありました審査報告書の書き方が足りないのではないかという点ですが、私どもでデータの10ppmを超えていないことはチェックいたしましたが、これはバレニクリンのそもそもの医薬品の治験でも全く同じデザインで、このような形で標準禁煙治療プログラムの中で、この評価で行っております。ですので、全部、自己申告なのでそこが駄目だということではないとPMDAでは考えており、審査報告書はこのような形で書いております。
2点目の対照群の設定ですが、そもそも、現在、標準治療があるものに対しての上乗せ効果を測るものですので、PMDAといたしましては、対照群のアプリ自体も本当に必須なのかと言われると必須ではないと考えております。それを今回、申請者が治験のデザインを組む中で、対照群アプリもあった方がいいという形で出してきているものですので。その他のアプリ以外の条件については、先ほど担当から御説明しましたとおり、施設ごとの標準治療の中で行っているものが過不足なくきちんとできるようなプロトコルという形でしておりますので、結果的に、その対照群の禁煙日記のつけ方がありましたので論点として挙げておりますが、十分に対照群と比較した形で、上乗せ効果というものは、この治験のデザインとこの結果で見られていると、PMDAでは判断しております。
○荒井部会長 ありがとうございました。
○齋藤(知)委員 少し論点が違うのですが、1つだけ質問させていただいてよろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○齋藤(知)委員 このアプリとCOチェッカーの測定機器を使う時には禁煙治療薬がバレニクリンに限定されることになるわけですが、それは処方する際、ある特定のメーカーに利益誘導するようなことにはならないのでしょうか。治療薬が限定されるということで問題は生じないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問いただき、ありがとうございます。現段階ではバレニクリンは1社が販売している状況ですが、メーカーを限定しているものではなく、薬の使用期間等も含めて設定しておりますので、例えば今回のバレニクリンの後発のものが出ましたら、それも使えるような仕様にはなります。
○永井委員 添付文書的には、○○○○○○○で使ったら駄目ということになるわけですか。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね、○○○○○○○では○○○○○○上使えないようにしております。
○永井委員 ソフトウエアの方で。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○荒井部会長 手短にお願いします。
○長島委員 こういうので一番重要になるのが、アルゴリズムをどのようにして検証したのかということなのですが、この資料46ページ以降にフローチャートがありますが、これを全部1つずつチェックしたのか、1つずつチェックしても、全体の流れとしてそれがどうかという検証はまた別の問題になるので。今後、このようなアプリが出てくると、もっと複雑なものがどんどん出てくるので、アルゴリズムをどのようにして検証するのかということは、どうなっているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 アルゴリスムの動作の検証はいたしますが、それ以外の検証については、効果があるかというところについては、治験で検証しておりますし、同じようなものであれば、今後もそのようになると考えております。
○長島委員 アルゴリスムの内容の1つ1つは別にチェックしておらず、ある程度入れて期待する結果が出るかというところだけをチェックしているということですか。
○医薬品医療機器総合機構 補足いたします。申請者の出してくる試験成績というのは、おっしゃるとおり、きちんと思ったように動きましたというところだけでして、先生のおっしゃる設計がきちんとしているかというのは、我々も気にするポイントですが、大きくは、申し上げたように、臨床できちんとなったか、それぞれの機能がどのぐらい使われたか、そういった見方をするしかないところです。あとは、我々が審査の途中で行う専門協議などで、専門の方に見ていただいて、何か違和感のある設計になっていないか、今やられている内容と比べてリーズナブルな設計になっているかというのを、今のところは見ていくような形で今回はやらせていただいて、それが最適とは限りませんので、今後も少し検討していかなければいけないと思っております。
○長島委員 それも、それこそAIを使うなり何なりして、少しチェックしていかないと、最初と最後だけのチェックだと、仮に、何か問題が起こった時に、どこに原因があるのかという確認ができなくなるのと、AIが出てきた時に、それこそアルゴリズムが分からなくなるので、このプログラムのチェックの在り方は、是非、研究をお願いします。
○荒井部会長 小西委員どうぞ。
○小西委員 先ほどの議論ですが、ディスポになるかどうかがどうも気になって仕方がないのです。572ページを御覧ください。3つの製品が今回の製品と比べられています。他の製品は、センサー寿命や交換、5年ごとなどというのがはっきりしており、校正作業は今回の製品だけは出荷時のみです。本製品も永久に使えるようにするのか、リサイクルをして使っていくという保証がどうしても必要なのではないか。ディスポでどんどん捨てられてしまうのは、やはり、この環境を大事にする時代に、厚労省のこの委員会がそれを許すというのは、私は耐えられないので、ここをしっかりとクリアして欲しい。患者さんにこの機械を渡してどうなるのか、捨てていいものなのですか、焼いていいのですか、どのように分別して捨てるとか、そういうことをしっかりしないといけないです。
○医療機器審査管理課長 御指摘ありがとうございます。使用が終わった後の機器をどうするかについては、薬食審での有効性、安全性の議論とまた別の視点という感じではあると思います。
○小西委員 そうなのですが、情報が必要です。
○医療機器審査管理課長 そういった御意見を本日、頂きましたので、今後、そういった廃棄の手続や、企業としてどうするかということについては、私どもあるいは総合機構を通じて、企業ともよく話を聞いてみたいと思っております。
○小西委員 廃棄というふうにしてほしくないです。リサイクルあるいは分解して別に使うなど、そうでないと、単に捨てるというのは耐えられないです。
○荒井部会長 わかりました。ただし、このことは、この場で決定することはできないませんので、委員の御指摘のところも含めて御検討いただくということにしたいと思います。
○小西委員 分かっています。その前にクリアにしてほしかった、この会に上がってくるまでに。
○荒井部会長 大分、時間を超えております。時間を理由に止める気はないのですが、一点だけ議決に入る前に確認させて頂きます。本日の審査品目について、先ほど北澤委員をはじめとしてご指摘を頂いた試験のデザインについて、具体的には「この結果を基にして有効性を認めていいのか」という点につきまして、先ほど医療機器審査第一部長からかなり明確な御説明を頂きましたが、あの御説明で、このデータを使っての議論で、ここで最終的な判断を下すということに関してはよろしいでしょうか。皆さんが納得できていないデータで承認する訳にはいきませんから、これだけは確認しておかないといけませんが、よろしいですか。はい、そうしましたら、議論は尽きませんが・・。
○事務局 1点ほど、該当性のところで長島委員よりご指摘がありました、海外で承認された品目のクラスですが、薬物依存治療用アプリはクラスⅡで、糖尿病治療用アプリも2010年に承認されておりますが、クラスⅡで、カテゴリとしては510(K)で認可されております。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、よろしければ議決に入りたいと思います。よろしいでしょうか。一般的名称「禁煙治療補助システム」を管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定するということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
また、医療機器「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」について、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、さらに、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定はなしということでよろしいでしょうか。また、使用成績評価も不要としてよろしいでしょうか。御異議はないようですので、このように議決させていただきます。本件は分科会にて報告をさせていただくこととなっております。
長くなりましたが、これで議題1を終了いたします。奥仲先生ありがとうございました。
-奥仲参考人退室-
○荒井部会長 それでは、引き続き、議題2に進みます。「医療機器「レンジャー薬剤コーティングバルーンカテーテル」の使用成績評価の指定の要否について」です。事務局からお願いいたします。
○事務局 事務局より議題2、「レンジャー薬剤コーティングバルーンカテーテル」の使用成績評価の指定の要否について御説明いたします。マイプライベートファイルの中ほど、資料2を御用意ください。1ページ目を御覧ください。今回御審議いただく医療機器の品目の概要となっております。申請者はボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社です。本品目は、浅大腿動脈又は膝窩動脈における新規病変又は非ステント留置再狭窄病変を有する患者の経皮的血管形成術において使用される、バルーン拡張式血管形成術を目的としたバルーンカテーテルとなっております。本品のバルーン表面には、薬剤としてパクリタキセル、担体としてアセチルクエン酸トリブチルから構成される薬剤コーティングが施されております。
本品と同様の使用目的を持った既承認品が他社より2品目上市されており、3ページ目に詳細を記しておりますが、これらは現在、使用成績評価期間中となっております。本品は、既承認品と同様の部位かつ同等の血管径を対象としておりまして、また同種の薬剤を使用しているため、本品についても使用成績評価の対象とすることが妥当であると考えております。
調査期間につきましては、既承認品と同等の考え方に基づき、販売準備・症例登録期間1年半、追跡期間24か月、解析期間6か月の計4年を課すことが妥当であると考えております。説明は以上となります。御審議のほど、お願いいたします。
○荒井部会長 拡張用のバルーンカテーテル薬剤コーティングですけれども、委員の方から御意見、質問等はございますでしょうか。よろしいですか。特に御意見がありませんでしたら議決させていただきます。医療機器「レンジャー薬剤コーティングバルーンカテーテル」の使用成績評価は、期間を4年として指定することとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議ないようですので、このように議決させていただきます。これも分科会にて報告をさせていただきます。
これで議題2を終了して、議題3に進ませていただきます。
○事務局 続きまして、事務局より議題3、「Pipeline Flex フローダイバーターシステム」の使用成績評価の指定の要否について御説明いたします。同じくプライベートファイル中ほどの資料3をお開きください。1ページ目を御覧ください。今回御審議いただく医療機器の品目の概要となっております。申請者は日本メドトロニック株式会社です。本品目は、「内頸動脈の錐体部から上下垂体部における最大瘤径10mm以上、かつワイドネック型の頭蓋内動脈瘤に対する血管内治療に使用されるフローダイバーターシステム」として、既に承認を取得しているものです。今回、既承認の適応部位に「内頸動脈の床上部及び椎骨動脈」を追加し、動脈瘤の対象径にも「5mm以上10mm未満」を追加する一部変更申請がなされました。
これは2~3ページにありますとおり、現在、使用成績評価期間中にあります既承認品、「FREDシステム」と同等の適応範囲と構造をもつことから、本品についても使用成績評価の対象とすることが妥当であると考えております。
調査期間につきましては、「FREDシステム」と同等の考え方に基づき、患者追跡期間3年、登録期間2年、準備・解析期間1年の計6年を課すことが妥当であると考えております。説明は以上となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 御意見、御質問等よろしいでしょうか。それではこれもこのまま議決に入らせていただきます。医療機器「Pipeline Flex フローダイバーターシステム」の使用成績評価は、期間は6年として指定することとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、このように議決させていただき、次回の分科会にて報告をさせていただきます。
これで議題3を終了し、議題4に入ります。議題4は、「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題4につきまして御説明いたします。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器があり、新たに一般的名称を新設する際には、「いずれのクラス分類に該当するか」、また、「その保守管理に専門的な知識を要するものとして、特定保守管理医療機器に指定するか否か」、この2点について御審議いただいております。
まず、資料4-1を御覧ください。新設予定の一般的名称は、「吸収性植込み型縫合糸固定用具」です。定義はそちらにあるとおり、「縫合糸の張力をより広範に分布させることで、創傷の治癒を補助することを目的とする固定ブリッジ、外科ボタン又は糸支え等の吸収性植込み型器具をいう。縫合糸の張力の分布は、縫合糸で皮膚や組織が切れるのを防止するのに役立つ。」というものです。類似の一般名としまして、クラスⅢの「植込み型縫合糸固定用具」というものがございますが、今般承認申請された品目は、生体吸収性のもので、クラス分類ルールでは生体吸収性の植込み型機器はクラスⅣになることから、この一般名を新設するものです。
特定保守管理医療機器の指定につきましては、本品は保守点検を行う必要のある医療機器ではないため、不要と考えております。
続きまして資料4-2を御覧ください。新設予定の一般的名称は、「中心循環系ステントグラフト」です。定義は、「血管の内側に留まる支持構造器具(ステント)の内側、外側又は両側面若しくは複数のステント間に人工材料を被覆した器具をいう。中心循環系の血管内に挿入し、その開存性を維持するために用いる。ステントグラフトはカテーテル等を介して挿入され、拡張される。血管の穿孔部分の閉鎖や動脈瘤の治療にも使用される。カテーテル等を抜去すると、ステントグラフトは永久インプラントとしてその位置に留まる。ステンレス、ニチノール、ポリマー又はその他の物質を原材料とする。チューブ状のもの又は分岐状のものもある。」でございます。類似の一般名として、「ヘパリン使用中心循環系ステントグラフト」というものがございますけれども、今般、承認申請された品目は、ヘパリン不使用品であるため、一般的名称の新設を行うものです。
本品は、中心循環系に直接接触して使用する植込み型機器であることから、クラスⅣ、高度管理医療機器に指定されるべきものであると考えております。また、特定保守管理医療機器の指定につきましては、不要と考えております。
続きまして、資料4-3を御覧ください。新設予定の一般的名称は、「家庭用心電計プログラム」です。定義は、「汎用機器から得られた情報を用いて心電図情報を取得し、さらに処理して疾患兆候の検出を支援する家庭用の医療機器プログラム。当該プログラムを記録した記録媒体を含む場合もある。」です。
本品は、クラスⅡ、管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、不要と考えております。
続きまして、資料4-4を御覧ください。新設予定の一般的名称は、「家庭用心拍数モニタプログラム」です。定義は、「汎用機器から得られた情報を用いて心拍数情報を取得し、さらに処理して疾患兆候の検出を支援する家庭用の医療機器プログラム。当該プログラムを記録した記録媒体を含む場合もある。」です。
本品は、クラスⅡ、管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定につきましては、不要と考えております。説明は以上になります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。4品目についての指定の要否についてですが、御意見、御質問はよろしいですか。
○長島委員 資料4-3と資料4-4、アップルウォッチ等を使ったもの、これは正に最初に申したパーソナル・ヘルス・レコードそのものなので、やはりここのところの連携、調整をお願いしたいということ。それから、既存品との相違点で、「医師の指導によらず、家庭用で健常人が使用する」となっていますが、このアプローチ、このプログラムに関しては非常に待ち望まれていたのは主に医師の方、そういう不整脈等が発生するリスクがある患者に付けて、早く見つけるのに使ってほしいというような待望論が非常に強かったので、もしこれが市場に出ると、実際には医師がそのようなリスクがある患者に着けてくださいと指導してしまう、あるいは患者が自分が心配だからそれを着けると。つまり健常人ではないところの方で使われる可能性がかなり高いので、この辺に関してきちんと情報提供なり。もう1つ、学会等としっかり連携して、この使い方について事前に十分臨床の先生方に御理解いただくと。あるいはアップル社に関しても、ここの情報提供のことは十分に連携なり調整をしていただくことが重要かと思いますので、よろしくお願いします。
○荒井部会長 先生よろしいですか。
○一色部会長代理 使うように勧めるかどうかは別にして、患者にそういうものを使っていただくのが非常に有用だということは間違いないと思うので、現実にはそういう使われ方をする可能性はすごく高いかなと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。大変貴重な御意見だと思いますので、是非これについては引き続いて宿題という形で御検討いただければと思います。そのほか御意見はございますか、よろしいですか。沢山ありますので、順番にやっていきます。「吸収性植込み型縫合糸固定用具」を、これは高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としては指定しない、体の中に入ってしまうものですので、としてよろしいでしょうか。はい。
1つずついきます。「中心循環系ステントグラフト」を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としては指定しないとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
「家庭用心電計プログラム」を管理医療機器として指定し、やはり特定保守管理医療機器として指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
「家庭用心拍数モニタプログラム」を管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としては指定しない、全て今申し上げたのと同じ形ですけれども、指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
後段のものにつきましては、長島委員から御指摘がありました点を今後、御検討いただければと思います。それでは、今の品目につきましても、分科会にて文書報告をさせていただくこととしております。
これで議題4を終了し、議題5に入ります。「医療機器の再審査結果について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より議題5、医療機器の再審査結果について御報告いたします。再審査は、平成25年改正前の薬事法第14条の4の規定に基づき、新医療機器等を対象として再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせるもので、その調査結果に基づいて有効性及び安全性の再確認を行うことを目的とした制度です。今回は、再審査結果の報告が4件ございます。
初めに1ページ目の資料5-1を御覧ください。販売名「エンデバーコロナリーステントシステム」及び「エンデバースプリントコロナリーステントシステム」です。申請者は日本メドトロニック株式会社です。これらの品目は、経皮的冠動脈ステント留置術を実施するに際し、血管内腔の確保を目的として病変部に挿入留置して使用する薬剤溶出型のステントセットです。また、「エンデバースプリントコロナリーステントシステム」は、「エンデバーコロナリーステントシステム」を改良型デリバリーカテーテルにマウントした機器です。これらの医療機器は、平成21年3月24日及び平成22年1月8日に承認されました。本品の有効性及び安全性について確認したところ、特段の問題は認められませんでした。
以上より、本品の再審査結果の区分は、薬事法第14条第2項第3号イ~ハまでのいずれにも該当せず、効能・効果、用法・用量などの承認事項について変更の必要がない、カテゴリー1と判断しています。
続いて18ページ目の資料5-2を御覧ください。販売名「リゾリュートインテグリティ SV コロナリーステントシステム」です。申請者は日本メドトロニック株式会社です。本品は、経皮的冠動脈ステント留置術を実施するに際し、血管内腔の確保を目的として病変部に挿入留置して使用する薬剤溶出型のステントセットです。本品のステントは、薬剤溶出特性を変えるために、先述の「エンデバーコロナリーステントシステム」とは異なるポリマーがコーティングされております。本品は、既承認品である「リゾリュートインテグリティコロナリーステントシステム」のステント径2.25mmサイズの製品であり、平成25年6月26日に承認されました。医療機器の不具合発生及び安全性について確認したところ、特段の問題は認められませんでした。
以上より、本品の再審査結果の区分は、薬事法第14条第2項第3号イ~ハまでのいずれにも該当せず、カテゴリー1と判断しています。
続いて31ページ目の資料5-3及び69ページ目の資料5-4を御覧ください。販売名「エンボスフィア」及び「ヘパスフィア」です。申請者は日本化薬株式会社です。「エンボスフィア」は、アクリル系共重合体にブタ由来ゼラチンを含浸・コーティングした親水性、非吸収性の球状粒子です。術者は、造影剤に分散させた本品を、カテーテルを経由して血管内の目的の位置に注入することにより、物理的に塞栓を形成させ、血流を遮断若しくは血流速度を調節します。また、「ヘパスフィア」は、ビニルアルコール・アクリル酸ナトリウム共重合体からなる親水性、非吸収性で膨潤性、圧縮性、変形性及び生体適合性を有した球状の粒子であり、使用目的は「エンボスフィア」と同一です。2品目とも平成25年6月21日に承認されました。医療機器の不具合発生、有効性及び安全性について確認したところ、特段の問題は認められませんでした。
以上より、本品の再審査結果の区分は、薬事法第14条第2項第3号イ~ハまでのいずれにも該当せず、カテゴリー1と判断しています。以上の報告については事前に委員の先生方に資料をお送りさせていただいておりますので、簡単な説明とさせていただきました。以上御報告いたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。今お話がありましたように、既にお目通しかと思いますが、医療機器の再審査の結果の報告についてです。御質問、御意見はよろしいでしょうか。よろしければ、これで議題5を終了させていただきます。
議題6に入ります。議題6は「部会報告品目について」です。説明をお願いいたします。
○事務局 議題6、部会報告品目について、資料6に沿って御説明いたします。横向きの資料です。令和2年1月から令和2年4月末までの4か月間に承認された品目のうち、クラスⅣの医療機器、臨床評価が必要なクラスⅢの医療機器、承認基準外の体外診断用医薬品など、本部会への報告対象となっている品目についてまとめております。医療機器81品目につきましては、事前送付をもって報告とさせていただき、詳細な説明は割愛させていただきます。体外診断用医薬品20品目は、37ページ以降に記載しており、新規検査項目コンパニオン診断薬・新規の使用目的の追加等、重要なものについては、販売名に内容を記載しておりますが、こちらも詳細については割愛させていただきます。以上です。
○荒井部会長 この議題6、資料6につきまして、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございます。特に御意見がありませんので、これで議題6を終了いたします。
本日の議題は以上ですが、事務局から、新型コロナウイルス感染症及びそれに関連する症状を対象とした医療機器及び体外診断用医薬品の承認等の状況について御報告があると伺っておりますので、お願いいたします。
○事務局 事務局より、新型コロナウイルス感染症又は関連する症状を対象とした医療機器及び体外診断用医薬品の承認等の状況について、御報告させていただきます。マイプライベートファイル上から3つ目の当日配布資料3をお開きください。新型コロナウイルス感染症発生以降、関係する品目につきましては優先かつ迅速に対応を行っているところであり、4月13日には手続の明確化も含め、資料の1~5ページにあります事務連絡を発出し、周知も行っております。これまでに延べ120件を超える相談を受け、資料の6~8ページにありますとおり、現時点で体外診断用医薬品は9品目、医療機器は8品目を承認、認証いたしました。
体外診断薬は、LAMP法も含めPCR関係7品目、抗原検査2品目となっております。PCR関係は通常の増幅試薬から自動で行う検査装置に対応したものまで、様々なものがあります。これらウイルスRNAを検出するキットは全て、当初鼻咽頭ぬぐい液、若しくは喀痰を検体としておりましたが、6月2日に唾液も検体に追加する一部変更承認を行いました。資料6ページ、品目6と9は、抗原検査となります。品目6は、酵素免疫反応を測定原理としたイムノクロマト法により、鼻咽頭ぬぐい液中のコロナウイルス抗原を検出する簡易キットとなっております。品目9は、同じくコロナウイルス抗原を専用の検査機器を用いて、CLEIA法にて定量的に測定する試薬で、本日承認したものとなります。鼻咽頭ぬぐい液若しくは唾液を検体とし、PCR検査と同様に使用することが可能となります。これら品目は全て、承認時のデータが極めて限られていることから、製造販売後の臨床性能試験を承認条件として付与しております。
医療機器に関しましては、人工呼吸器を5品目承認し、非接触型の体温計と手術用手袋を認証機関にて認証いたしました。資料7ページにあります品目5は、コロナ肺炎に特徴的なCT所見の検出を支援するもので、確定診断に用いるものではありませんが、見落としの防止等の役割が期待されるものとなっております。こちらの品目も承認時のデータが極めて限られていることから、市販後の性能試験を承認条件として付与しております。
既に厚生労働省ホームページ等でも公表しておりますが、9ページ以降に各品目の審査概要を御提示しておりますので、適宜御参照ください。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。これは大変な作業だったと思います。何か御意見や、ねぎらいの言葉でも結構ですし、よろしいでしょうか。はい。それでは一応、これで今日の予定のものは全部終わりました。事務局の方はよろしいですか。
私の意見というと何ですが、今日は行動変容アプリのところで、かなり活発な御意見を頂きました。これからこの部会にも、この行動変容アプリ関係のものが続々と出てくるだろうと思われます。もちろん、いいこともあるかもしれませんが、こういったアプリがこの後、保険でどういう扱いになるのか、個人的には非常に心配というか、強い関心を持っております。いつも申し上げているように、この部会自体は、保険うんぬんとは別に、医療機器としての適切性、妥当性を検討して判断していくという立場ですが、出口が一体どうなっていくのかは、ある程度知っておかなければいけないと認識しております。これは私の個人的な感想ですが、一言触れさせていただきます。
特に御意見はございませんでしょうか。よろしいですか。今日はどうなることかと思いましたけれども、何とか時間どおりに終わらせることができました。どうも長時間御協力ありがとうございました。これをもちまして、本日の部会を終了させていただきます。
○医療機器審査管理課長 事務局から一言だけすみません。次回の部会につきましては、8月の下旬を予定しております。先生方、お忙しいところ、大変申し訳ございませんが、後日また詳細をメール等にて御連絡いたしますので、御協力のほどお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
○荒井部会長 ありがとうございました。
 
( 了 )
 
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医療機器審査管理課 

再生医療等製品審査管理室 室長 大原(内線4226)