2020年8月7日第12回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

1.日時

令和2年8月7日(金)14:00~17:00

2.場所

オンライン会議(TKP新橋カンファレンスセンター ホール14E)

3.出席者

石津アドバイザー、井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、小川アドバイザー、小船アドバイザー、佐藤アドバイザー、野澤アドバイザー、橋本アドバイザー、田村アドバイザー、橋本障害保健福祉部長、源河企画課長、竹内障害福祉課長、佐々木精神・障害保健課長、河村障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、米澤障害福祉課長補佐、猪狩障害福祉課長補佐、一般社団法人 日本発達障害ネットワーク、特定非営利活動法人 日本高次脳機能障害友の会、公益社団法人 日本看護協会、一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会、一般社団法人 全国手をつなぐ育成会連合会、公益財団法人 日本知的障害者福祉協会、一般社団法人 日本ALS協会、一般社団法人 全国重症心身障害日中活動支援協議会、社会福祉法人 全国重症心身障害児(者)を守る会、公益社団法人 日本重症心身障害福祉協会

4.議題

  1. (1)関係団体ヒアリング5
  2. (2)その他

5.議事

議事内容
○竹内障害福祉課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第12回会合を開催いたします。
関係団体及びアドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
なお、アドバイザーの皆様にはオンライン会議にて御参加いただいております。
本日のアドバイザーの皆様の出席状況でございますが、平野アドバイザーにつきましては、所用により御欠席でございます。
井出アドバイザー、岩崎アドバイザーは、途中から御参加いただく予定です。
続きまして、構成員の出席状況でございますが、本検討チームの主査である小島厚生労働大臣政務官、副主査の橋本障害保健福祉部長につきましては、本日は公務により欠席をさせていただきます。
また、厚生労働省の人事異動により構成員に変更がありましたので、御紹介させていただきます。
構成員の源河障害保健福祉部企画課長です。
○源河企画課長 源河です。どうぞよろしくお願いします。
○竹内障害福祉課長 同じく、構成員の河村障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長です。
○河村障害児・発達障害者支援室長 河村です。どうぞよろしくお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 申し遅れましたが、私は障害福祉課長の竹内と申します。よろしくお願いいたします。
また、本日はヒアリングを行うため、関係団体の方々にはオンライン会議での御参加、または会場にお越しいただいております。
ヒアリングは1団体ごとに行いますので、団体名及び御出席者につきましては、各団体からヒアリングを行う際に御紹介させていただきます。
それでは、議事に入る前に、お手元の資料の確認と、オンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認を行います。本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
本日の資料でございますが、議事次第に続きまして、ヒアリング資料の1から10といたしまして、本日ヒアリングを行う各団体より事前に御提出いただいている「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等」の資料を用意してございます。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードしていただくなどの御対応をお願いいたします。
次に、ヒアリングの進め方について確認させていただきます。ヒアリングは1団体ごとに行い、まず意見陳述を8分間行っていただきます。4分を経過した時点でベルを1回鳴らします。8分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合は速やかに意見をまとめていただきますよう、お願いいたします。
意見陳述が終了しましたら、アドバイザーの皆様からの質疑応答を行います。質疑応答の時間は7分間です。御発言される場合は、通常の会議と同様に挙手をお願いいたします。発言者は、こちらから指名させていただきますので、指名に基づき御発言をいただくようお願いいたします。
挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能でございますが、原則としては挙手にて意思表示をお願いいたします。
なお、御説明につきましては、こちらから事前にお伝えさせていただいております次の4つの視点を踏まえて行っていただきたいと思います。
まず、1つ目の視点は、より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策・評価方法です。2つ目の視点は、地域において、利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするための、サービス提供体制の確保に向けた課題及び対処方策です。3つ目の視点は、障害福祉サービス等に係る予算額が、障害者自立支援法施行時から3倍以上に増加し、毎年10%弱の伸びを示している中で、持続可能な制度としていくための課題及び対処方策です。最後に、4つ目の視点は、新型コロナウイルス感染症による影響でございます。以上の4つの視点を踏まえまして御説明をお願いいたします。
それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。
また、各団体における冒頭の撮影につきましては、会議の進行に支障のない範囲でお願いいたします。
それでは、早速ですが、関係団体の皆様から順次御意見を賜りたいと思います。
初めに、オンラインで御参加いただきます一般社団法人日本発達障害ネットワークより、小林真理子様、三澤一登様、よろしくお願いいたします。
○日本発達障害ネットワーク よろしくお願いします。
○日本発達障害ネットワーク よろしくお願いします。
それでは、資料ナンバー2を御覧ください。日本発達障害ネットワークは、発達障害者支援法設立時に、全国組織から成る当事者、家族、学術、職能を含む25団体で構成し、お示ししました4つの事業を展開しております。
資料の3を御覧ください。報酬改定に関する意見等につきましては、1から3については私、三澤のほうから、4、5につきましては小林副理事長のほうから説明をいたします。
それでは、資料の4を御覧ください。就労定着支援、就労継続支援A型、B型事業における作業療法士の位置づけについて。平成30年度の報酬改定で作業療法士による就労支援の効果が認められ、就労移行支援事業の福祉専門職員配置等加算の対象に作業療法士が追加されました。
資料の5を御参照ください。日本作業療法士協会の調査では、就労継続支援A型、B型においても、作業療法士を配置した事業所では、一般就労に結びついた者の割合が全国平均よりも高くなっております。
また、2のほうでは、就労定着支援には加算が設定されておりませんが、作業療法士を配置した事業所のほうは定着率が高い傾向にあります。
意見として以下の提案をさせていただきます。就労継続支援A型、B型の福祉専門職員配置等加算においても、対象職種に作業療法士を加えていただきたいこと。就労定着支援事業は、就労移行支援事業と一体的に運営されているため、福祉専門職員配置等加算を適用することを御検討いただきたいと思います。
資料ナンバー6を御覧ください。重度障害者等包括支援事業に関する報酬上の評価について。重度障害者等包括支援事業は、重度障害者の地域支援生活を継続するために効果的なサービスですが、サービス提供責任者の負担が大きい状況です。平成18年度に創設されて以来、指定事業所数、利用者数はいまだ低調な状況が続いております。平成30年度の報酬改定の際には指定事業所及び利用者の促進を図るため、一部改定が行われましたが、事業所が行う事務の煩雑さは引き続き解消されていない状況であります。
また、重度訪問介護では入院中の支援が可能になりましたが、同じように入院中の支援が発生する可能性がある重度障害者等包括支援事業では、入院中の支援が報酬に位置づけられておりません。
資料の7、8については御参照ください。
ここで意見として、重度包括支援事業の基本報酬単価を上げる、新しくサービス提供責任者が行う事務についての加算新設、または事務負担の軽減、また、重度包括支援事業の報酬に、入院中の支援の位置づけをぜひ検討していただきたいと思います。
続きまして、資料ナンバー9、重度訪問介護の入院時支援の対象拡大について。重度の障害者(区分6)が入院中の医療機関において、利用者の状態を熟知しているヘルパー等を利用し、その治療ニーズを医療従事者に伝達することが平成30年度の改正で評価をされております。
資料ナンバー10の1、現在このサービスは難病身体障害者が約9割を占め、重度の知的障害者の利用は1割程度になっております。医療機関の中でヘルパー等の果たす役割の範囲については課題があるものの、コミュニケーション支援により、障害者の負担、不安が軽減され、入院時から治療に至るまでの時間短縮、重度化の予防の成果が上げられる一方で、2で示しました障害児や区分6以外の障害者にも利用希望が高いことを関係者が認識しております。
意見として、重度訪問介護の入院時支援について、対象者を区分6以外の障害者にも拡大することを検討していただくよう提案いたします。
引き続き小林副理事長、よろしくお願いします。
○日本発達障害ネットワーク 4、5については、小林のほうから報告いたします。
4、児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業におけるペアレント・トレーニングなどの保護者支援に関する報酬上の評価について、意見いたします。
背景ですが、障害児の発達には、個々の障害児に対する理解と対応方法を保護者が自覚的に身につけることが非常に重要でして、ここに保護者支援が必要とされる中核的ポイントがあると思います。障害児の子育てについては、保護者自身の努力の有無にかかわらず不適切な養育が発生しやすいという現状があって、児童虐待防止法、障害者虐待防止法、発達障害者支援法に基づく虐待の予防と早期支援に向けた取組、家庭・教育・福祉の連携をうたうトライアングルプロジェクトの実効性ある取組として、全ての場において保護者支援が重要となっていると思います。
しかし、発達障害児については、現在最も有効と考えられて、保護者からのニーズも高まっているペアレント・トレーニングは、児童発達支援事業所の20%程度しか行われていません。また、ペアトレを実施する際の中核となる専門的人材の確保が非常に難しいということもございまして、ペアレント・トレーニングの実施については、報酬上の評価ができないために、現在は事業所で負担を行っている状況で、普及が十分に進んでいません。
意見ですけれども、JDDnetとしましては、令和元年度の障害者総合福祉推進事業の調査におきまして、国内のペアトレの実施及び普及に取り組む関係者の標準的な方法と有効性が確認できたところであり、ペアトレなどの保護者支援が、今後の児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援において重要なものとして位置づけていただくことが必要だと考えております。
そこで、以下の意見を提案させていただきます。児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援において、ペアレント・トレーニングなどの保護者支援を報酬に位置づけること。また、その実施回数や実施場所については、保護者が利用しにくいものにならないよう、状況に応じて選択できるよう幅広いものとすることなどを検討していただきたく思います。
5に行きたいと思います。資料は御覧になってください。5は障害福祉サービス、障害児支援における公認心理師の位置づけの明確化についてです。
背景ですが、公認心理師法が2015年に成立し、2020年には3万5000人程度が公認心理師として登録されております。公認心理師は、心理的アセスメントを行い、個々の特性に沿った計画相談支援や障害児相談支援を作成しモニタリングを行うために重要な専門職です。しかし、現在指定基準の中で公認心理師が明記されていない箇所があります。例えば居宅訪問型児童発達支援の訪問支援員特別加算や保育所等訪問支援の訪問支援員特別加算では、「心理指導担当職員」となっています。
また、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者の資格要件として示されている国家資格は、以下のとおりでして、ここには公認心理師が含まれておりません。
JDDnetとしては以下のように提案をさせていただきます。現在の施設基準の中で、公認心理師ではなく、「心理指導担当職員」と書かれている部分を、「心理指導担当職員(公認心理師を含む)」と記載すること。
サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者の資格要件となる国家資格の表記に「公認心理師」を追加することなどを検討していただきたく思います。
次は資料ですので、御覧になっていただきたく思います。
以上です。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いしたいと思います。野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 御説明ありがとうございます。
発達障害支援ネットワークは、加盟団体が非常に多くて、意見をまとめるのも大変だったのではないかなと思うのですけれども、ニーズは多岐にわたっていると思うのです。障害種別は年齢によってかなり違うので。その中で、重度包括とか重度訪問介護を上げてきた理由、背景を教えてほしいなと思うのです。これらのサービスは、どちらかというと重度の身体障害の方たちの利用が多いと思うのです。最近は知的障害を伴う自閉症の方の独り暮らしとかでも使われているかと思うのですが、あまり高機能のといいますか、発達障害の方が、べたっとヘルパーさんがくっついているとどうなのかなという気もしたりするのですが、この辺りはどういう背景、議論でこういう要望が上げられたのでしょうか。
○日本発達障害ネットワーク お示ししております資料の7、8のところで、御指摘のとおり、このサービスの利用というのが重度の身体障害というところが中心になって、精神障害、発達障害の利用者が非常に少ない中で、のぞみの園で調査していただいた調査結果からは、行政等の支援区分6の対象者以外にもかなりニーズがあるという御指摘をいただいております。そういった観点からこの枠を少し拡大していただいて、精神障害者及び発達障害者の方の利用は少し促進されていくということをぜひ今回の改正の際に配慮をいただきたいという観点でこのような意見が出てきております。
以上です。
○竹内障害福祉課長 橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございます。
障害児の保護者を育て、家庭内でも適切な養育を行えることは、虐待防止や強度行動障害の防止の観点からも重要だと思っているのですが、そちらの調査において「国内のペアレント・トレーニングの実施及び普及に取り組む関係者の標準的な方法(基本プラットホーム)と有効性が確認できたところであり」とありますが、これはどこでも標準的な一定の手法で実施ができるということでしょうか。
また、実施回数や実施場所について、状況に応じて選択できるよう、幅広いものとすることを御提案されていますが、実施回数について、実際にどのぐらいの頻度で、また、幅広い実施場所とは、どのような場所で実施することを想定されていますか。また、どのくらいの実施で効果が出ると想定されているかを教えていただければと思います。
○日本発達障害ネットワーク 質問ありがとうございます。
標準的という形で今、事業、結果が集まって、有効性が確認されてきているところですが、これまで様々なペアレント・トレーニングの方法があったところですけれども、それらをいろんな形で取りまとめながら、どの方向も有効性が高いということで、幾つか標準化されてはきているというところで、この事業の中身を読んでいただけるとありがたいかなと思っているところです。
ペアレント・トレーニングとしての、それから事業の回数とか場所なのですが、回数的には大体月2回ぐらいのペースで行われることが多くて、それで進められていくことが多かったりします。場所的には、事業所で行うという方法が多く使われたり、場合によっては家庭の中で行うという方法とか、グループを使うとか、個別で行うとかという方法、様々な方法で取り上げていけるかなと思っております。
ただ、ペアトレだけを中心に行うということではなくて、保護者支援という観点が重要だと思っておりますので、発達障害支援ネットワークとしては、ペアレント・トレーニングを中心に行ってきた事業ではありましたけれども、保護者支援といういろんな取組の中でやっていく必要があるのではないかなと考えているところですので、今回はペアトレを中心に私たちの事業の中身を資料として提出させていただいているのですが、全般的な事業、保護者支援という観点で進めていただくという枠組みです。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 小川アドバイザー、お願いします。
○小川アドバイザー 御説明ありがとうございます。
今の関連、11ページのペアレント・トレーニングについての御質問になります。ペアレント・トレーニングの有効性については理解しているところでございますが、通いでのトレーニングの受講は、家庭の事情等により受けられない方もいらっしゃるかと思うのですが、例えばオンラインなどの手法を用いることで多くの方が受講できるように配慮することなども必要だと思っているのですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○日本発達障害ネットワーク とてもいい方法だと考えております。特に今回のコロナの感染の問題に関しても、一つ方法としてあるのかなと思っていますので、「保護者が利用しにくいものにならないよう」としましたのは、そういう目的かなと考えておりますので、それも一つ入っているかなと考えております。
○竹内障害福祉課長 それでは、お時間が参りました。一般社団法人日本発達障害ネットワークの皆様、どうもありがとうございました。
○日本発達障害ネットワーク ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 続きまして、オンラインで御参加いただきます特定非営利法人日本高次脳機能障害友の会より、片岡保憲様、濱田小夜子様、よろしくお願いいたします。
○日本高次脳機能障害友の会 よろしくお願いします。日本高次脳機能障害友の会の片岡と申します。いつもお世話になっております。
2ページ目を御参照ください。当法人の概要です。活動目的及び主な活動内容については、御覧いただいたとおりですが、主に高次脳機能障害に対し、社会的理解を求める活動を行っています。その主目的は、現在の社会において、いまだ社会の理解がなかなか得られずに苦悩を抱えながら生活している高次脳機能障害当事者が存在しています。こういった方々が共生社会を構成する一員となれるように活動していくという趣旨を持った法人です。よろしくお願いします。
3ページ目を御参照ください。今回お伝えさせていただきたいことを何点かまとめています。まず、高次脳機能障害者のニーズに対応した必要なサービスの見直しについてということで、(1)から(5)までの5項目。それから、高次脳機能障害者の障害特性を考慮した基準の見直しについてということで、1点お伝えさせていただきたいと考えております。
4ページ目は詳細版です。まず、就労継続支援B型事業所における報酬体系の見直しについてということですが、今、高次脳機能障害を支援する事業所で週に4日以上施設を利用する者が契約者の約3割程度という事業所が複数存在していまして、高次脳機能障害の障害特性上の理由、集中力が続かない、あるいは易疲労性、注意障害など、そういった理由から長時間工賃作業に充てることが困難なケースがいる事業所がほとんどです。
こういった背景から、サービスの質をはかるものが工賃の高さのみという現行の基準の見直しを御検討いただきたいなと考えております。言い換えますと、利用者さんの工賃額を上げることばかりを意識してしまって、本当に必要な支援の本質を見失いがちになってしまうという声も聞かれております。
2点目、(2)高次脳機能障害者・児をより専門的に支援できる相談支援体制の見直しについてということで、計画相談におきまして、高次脳機能障害の特性を専門的に理解して相談業務に当たる支援専門員の配置を目的に、計画相談における高次脳機能障害支援体制加算の設置を御検討いただきたいと考えております。もし御検討いただける際には、高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業実施要綱に足並みをそろえた形で専門職を対象にすることを併せて御検討いただきたいと考えております。
次のページ、(3)高次脳機能障害者・児の移動支援条件の見直しについてです。高次脳機能障害の後遺症が主な要因となって、高次脳機能障害者・児の通勤とか通学に課題を有している当事者が多い現状があります。現在実施主体である市町村でサービス提供の可否は判断となっています。また、通所に対する移動支援が認められていないという現状があります。こういった背景から移動支援について、通勤・通学の移動支援も市町村判断ではなく認めていただけるように御検討いただきたいということと、あわせて、通所施設への移動支援を、期間を限るという段階的な対応でいいので、認めていただくことはできないかという要望を持っております。御検討、よろしくお願いします。
(4)就労定着支援体制の見直しについてです。ここに広島県の例を挙げておりますが、高次脳機能障害当事者の就労定着率が低い現状というものが今、課題として挙がっております。主な要因は、当事者の周囲に職場での困り事や悩み事を相談できる存在がいないことや、職場スタッフが高次脳機能障害の障害特性の理解に苦しんで、仕事の負荷量の調整とかを失敗してしまうことなどです。家族会等の高次脳機能障害に対する知識をある程度有している者が支援に当たれば、定着率がよくなるということを主張したいわけではなくて、もちろんそういった方が関わっても全くうまくいかないケースがあります。すぐに離職されたりするようなケースがあります。現状としては定着支援の充実を大分図っていただいて、職場適応援助者養成研修修了者配置体制加算というものの研修体制の中にも140分枠で高次脳機能障害の話、研修を組み込んでくださっていることには大変感謝しておりますが、今こういう現状があって困っているという課題自体をお伝えしたいという趣旨があって、このような記載にさせていただきました。
次のページ、自立生活援助における報酬体系の見直しについてです。家族による支援が困難な高次脳機能障害者に対する自立生活援助は、当事者が地域で暮らすために欠かせないものであると認識しております。しかしながら、職員配置基準のハードルが高いことや、支援に見合った報酬体系になっていないことを理由に、自立生活援助の制度は利用せず、相談支援事業所等が不十分ながら支援を行っている現状があります。
行政の手続とか病院受診への同行は、本人の状況や障害特性をよく把握した専門的スキルを持つスタッフが同行する必要があります。こういった同行支援の場合、スタッフ1人が支援に半日を要する場合もありますし、1か月に複数回の支援を必要とする場合もあります。支援に見合った報酬が得られるような仕組み、支援に要する時間や回数を考慮した仕組みを御検討いただきたいなと考えております。
次は大きな2番、高次脳機能障害の障害特性を考慮した基準の見直しについてという点です。まず、高次脳機能障害が重度の方を重度者として定量化できる基準がないということにすごく支援の困難さを覚えております。高次脳機能障害は、特に社会的行動障害、他者とのトラブル、他害とか暴力、脱抑制によって、なかなか社会のルールが守れなかったり、共同生活援助下でのルールが守れない人たちが存在します。そういった方たちは、障害支援区分6という取得基準は達成できない、あるいは高次脳機能障害が重度の方の利用者で、障害基礎年金1級を受給されている方は少ない現状があります。以上のことから、こういった方々が重度者として位置づけられるような、定量化できるような新しい基準の設置や、行動援護における行動関連項目の見直しを御検討いただければなと考えております。
以上になります。よろしくお願いします。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いしたいと思います。橋本アドバイザー。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございます。
高次脳機能障害の方への支援は、自立生活援助による同行支援が重要で、行政などの手続の同行や病院受診同行が件数も多いということですが、ほかにどのような支援での同行が多いのでしょうか。また、月に何回くらいの同行が必要になるのか、教えていただきたいと思います。
○日本高次脳機能障害友の会 現在、同行支援の参考資料でつけさせていただいているのは、札幌のコロポックルという同行支援実績という形で、コロポックルから提供してもらった資料があるのですが、こういった同行支援をしている事業所とかの情報が少ない現状があって、実際に自立生活援助を使っているという事業所が少ない現状があって、その情報が収集できないという前提なのですけれども、一応札幌のほうでは同行支援回数は、行政などの手続の同行に75件、対象者は17名ぐらい、病院受診同行に37件、対象者は12名ぐらいだという情報でとどまっている。そういうリサーチでとどまっているという現状です。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー どうも御苦労さまです。
高次脳機能障害は本当に難しいですね。いろんな障害福祉サービスがあるのですけれども、高次脳機能障害の方が一番必要としている、フィットするサービスは何なのかなと考えたときに、就労のB型とか自立生活援助、行動援護とか、そういう辺りなのかなという気はするのですが、例えば入所とかグループホームというのは、ニーズとしてあまりないのでしょうか。
○日本高次脳機能障害友の会 そんなことはないです。グループホーム自体も、独り暮らしで困られているケースはたくさんいらっしゃいまして、それは主に社会的行動障害で、近隣の方とのトラブルであったり、同アパートの住人の方とのトラブルであったり、そういったことで困っている方がいらっしゃるので、生活支援も必要だと思っています。
ただ、高次脳機能障害の場合はそこまで手を入れるような現状にないということが一番の問題でして、もちろん安定した生活で、安全基地のような場所があって、仕事などを責任を持ってやれるといった訓練も含めて、そういった場があるという状況になることが私たちの希望ではあります。
○野澤アドバイザー 個々の利用者の方の潜在的な可能性はすごくあるような気がするのですが、ただ、支援がむちゃくちゃ難しいというのが、既存の福祉サービスとなかなかフィットしないところだと思うのです。片岡さんがおっしゃるように、社会的行動障害というものをきちんと評価する。それを支援区分なり加算につなげていくということが、いろんなところで一番通用するというか、優先順位が高いのかなと思ったのですが、その辺りはどうですか。
○日本高次脳機能障害友の会 まさにそのとおりで、参考資料の8番は、量的なデータが載せられないので完全にナラティブなデータになってしまいますが、具体的な例を1ケースだけ挙げさせていただきました。そういったケース、社会的行動障害、重度な人がいらっしゃるのに、現状の制度ではこれは重度だねと判定されないという問題がまず解消されなければならない1つ目の階段だと思っています。
その後、様々な問題が多々あるのですけれども、重度と判定された社会的行動障害が強い人たち、それぞれ個別に医療的なリハビリテーションが終わった後の実生活に戻って、社会の中に当事者が入ったときに、十分な社会的リハビリテーション、そういった支援が受けられるような体制を次に整えていくということが必要だと考えていまして、野澤さんがおっしゃられるとおり、まずこの障害は大変な障害なのだということを位置づける基準みたいなものがあるとすごくありがたいなと思います。
○野澤アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー 御説明、どうもありがとうございました。
提示されています御意見の一番最初、3ページの(1)、報酬体系の見直しについてということで、この中で御意見として「サービスの質を測るものが工賃の高さのみという現行の基準の見直しをご検討いただきたい」というのがございますが、対象になっている方の特性に合っていないということかなと思いますけれども、具体的に「サービスの質を測る」というのは、いろいろな要素があって難しいと思いますが、例えばどういったことを基準にするということがよろしいとお考えでいらっしゃいますか。
○日本高次脳機能障害友の会 基準ですね。今、我々が問題視しているのは、就労のために必要な知識とか、能力の向上のために必要な訓練という意味も含まれていると思うのですが、そういったところに時間を割くと、どうしても工賃額は引き下がってしまうということなのです。別の見方がどのようなものかと具体的に提示できないのは申し訳ないのですが、ちょっと御検討いただいて、高次脳機能障害の専門的な知識とか経験を有する支援者がこういった就労支援の現場にもちゃんといて、そういった工賃作業以外のところの就労支援、訓練みたいなところにもきちんと携わっていただけて、それが当事者のスキルアップにつながって、復職につながったり、就労につながったりする、そういう未来が来ればいいなと考えています。お答えになっていないかもしれないですけれども。
○竹内障害福祉課長 濱田さん、どうぞ。
○日本高次脳機能障害友の会 広島の作業所で今、就労継続B型で、全て高次脳機能障害者を支援している、運営をしている者です。その中のB型の運営のときに、やはり工賃に重点を置かず、皆さん、就労したいということで来られますけれども、ほとんどが社会的な部分でまだまだ欠落している部分が多いので、社会に出る一歩手前として、私たちはB型の形を通して支援をしております。B型から抱え込むのではなくて、A型に移行したり、もっと工賃の高いB型に送り込んだり、果ては一般就労を目指すような支援をしております。ただ、これはB型のほうの工賃という体系であったら、私たちは昨年度はすごく低い単価になってしまいました。そういう現状があるので、1人でもステップアップできるような障害なので、そこを見ていただける単価があればいいなと思っております。
以上です。
○竹内障害福祉課長 それでは、お時間が参りました。特定非営利活動法人日本高次脳機能障害友の会の皆様、どうもありがとうございました。
○日本高次脳機能障害友の会 ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 続きまして、オンラインで御参加いただきます公益社団法人日本看護協会より、鎌田久美子様、よろしくお願いいたします。
○日本看護協会 日本看護協会常任理事の鎌田です。どうぞよろしくお願いいたします。
スライドの2ページに日本看護協会の概要を書いております。本会は、保健師・助産師・看護師・准看護師の資格を持つ個人が自主的に加入する看護の職能団体で、今、会員が76万人、活動の基本理念を3点書いておりますので、御参照いただければと思います。
3ページをお願いいたします。今回、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等につきまして、3点申し上げたいと思います。まず、概要ですが、1点目が医療的ケア児や家族を支えるサービスの充足。2点目、精神障害者を支える保健・医療・福祉の連携強化。3点目、災害や感染症拡大等の有事に備え、平時より医療・福祉両面の協力体制の整備。この3点について、これから意見を述べたいと思います。
次のページは詳細版です。1点目の医療的ケア児やその家族を支えるサービスの充足。この意見を行う背景でございますが、平成30年度の改定により、介護保険の看護小規模多機能型居宅介護(看多機)等が、共生型サービスの指定を受けて障害福祉サービス等の実施が可能となりました。看多機の共生型サービス参入が進めば、医療的ケア児が退院後、生涯を通じて総合的なサービスを継続して受けられます。
また、医療的ケア児は約2万人と推計されており、医療的ケア児が住みなれた地域で支援を受けながら暮らすためには、看護職や介護職が配置された既存の施設を有効的に活用する必要があります。しかし、看多機で児童発達支援や放課後等デイサービスを併設する事業所に共生型サービスを実施しない理由をヒアリングしたところ、約3倍の報酬の差が障壁となっておりました。
また、児童発達支援や放課後等デイサービス事業所において、医療的ケア児の増加や人工呼吸器管理等の医療処置が増えております。医療処置や身体の状況に応じた看護が必須となり、ハード面とソフト面の両方を整備する必要があると考えております。
今般の新型コロナウイルス感染症拡大により、通所ができなくなった医療的ケア児に対して、事業所が電話やオンラインによる支援ができるよう、報酬上の評価が必要と考えております。
5ページをお願いします。意見でございますが、5点あります。1点目、医療ニーズの対応可能な看多機が共生型サービスの指定を受けた場合の単価を拡充し、医療処置や身体の状況に応じた加算を設けること。
2点目、児童発達支援・放課後等デイサービスにおいて、看護職を配置した場合の基本単位数を引き上げること。
3点目、医療的ケアは急な欠席となることが多いこと、送迎やケアに人員が必要となることを鑑み、現行の「欠席加算」「送迎加算」を廃止し、月額の「医療的ケア児管理加算(仮称)」を新設すること。
4点目、医療的ケア児は医療処置や身体の状況により見守りや管理が異なるため、「医療的ケア児特別管理加算(仮称)」を新設すること。
5点目、新型コロナウイルス感染症拡大を鑑みて、電話やオンラインで支援した場合の報酬上の評価を設けることを意見として述べたいと思います。
次のページは意見の2点目です。精神障害者を支える保健・医療・福祉の連携強化についてです。背景として、第5期障害福祉計画に係る国の基本方針で、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築が進められております。医療機関から地域への退院が進められています。しかし、精神障害者は退院後、住まいや就労の問題、人間関係の悩みや不安などから病状が悪化し、退院後の地域での生活日数は1年未満という現状があります。精神障害者が地域で継続的に安心して暮らしていくためには、生活や心身の状況など様々な悩みを気軽に相談できる場は重要であります。相談支援事業所による生活上の相談支援に加え、病状の悪化を予防するために、医療者が病状等のアセスメントをする機会が必要であります。
そのためには、相談支援事業所が、医療や看護と連携しやすい体制整備が求められます。
意見・提案の内容です。精神障害者の相談支援において、相談支援事業所と精神科医療機関や精神科訪問看護基本療養費を算定している訪問看護事業所が連携した際に、相談支援事業所の評価として「精神障害者支援医療連携加算(仮称)」の新設を意見として述べたいと思います。
7ページは、3点目、感染症拡大や災害等の健康危機に備え、平時より保健・医療・福祉の協力体制の整備についてです。背景として、新型コロナウイルスの感染症拡大により、医療施設や介護施設だけでなく、障害支援施設においてもクラスターが発生しております。今回のような感染症拡大や災害等の健康危機が発生した場合、地域の施設を利用する利用者の安全が担保できません。また、発生後の一定期間、利用者やその家族への支援が途切れる可能性が高くなります。そのため、平時より感染管理体制を整備する必要があります。
地域の専門性の高い看護師が障害支援施設に出向き、感染管理の基礎知識の研修や各事業所の課題抽出、具体的な改善策の提示に至るまで一元的な支援を行うことにより、感染防止に寄与できると考えております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大の際には、必要な医療物資が届かなかったという経緯があります。今後、感染症拡大や災害等の健康危機が発生した際に、医療物資が必要な障害児者に確実に届くよう整備が求められます。
意見として、1点目は、障害支援施設等が感染管理の専門性が高い看護師との連携により感染予防の体制整備を行った場合に「感染予防対策加算(仮称)」を新設することです。
2点目は、有事の際、医療的な管理が必要な障害児者に確実に医療物質が届くよう、物資が必要な障害児者の情報を自治体が一元化して把握し、保健・医療・福祉と情報を共有する体制を整備することです。
最後に、障害福祉サービス等報酬改定とは直接関係ありませんが、医療的ケア児を支える体制整備について申し添えたいと思います。1つ目は、看護職員の確保についてです。医療ニーズのある医療的ケア児とその家族が地域で暮らすためには、医療、福祉、子育て支援、保健、教育等の多岐にわたる分野が関係します。医療的ケア児が生活する場でどのような看護が必要かをそれぞれ整理し、学校や障害支援施設、事業所がそれぞれ看護職の人材確保策を推進するのではなく、各事業所等を所管しています関連省庁が連携して取り組んでいただきたいと思います。
2つ目は、看護職員が安心して働くための環境整備についてです。学校や障害支援施設、事業所といった幅広い場所で看護職員は働いています。現在、人材確保と質の向上のため、学校や障害者支援施設、事業所等で研修をそれぞれ行っていますが、関連省庁が連携して横断的な体系の研修をつくっていただきたいと思っております。
以上、看護協会からの意見は終わります。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いしたいと思います。田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 御丁寧な御説明、どうもありがとうございました。
私の質問は、(1)の医療的ケア児やその家族を支えるサービスの充足というというところに絞らせていただきたいのですが、私自身、周産期センターで長らく働いておりまして、NICUで高度な医療的ケアを必要としたまま在宅に移行せざるを得ないという患者さんをたくさん見てまいりました。そういう方に対して、看多機が共生型のサービスをこれから積極的に考えていただけるということは、非常にありがたいことなのですが、共生型のサービスの場合だと、そうでない場合の3分の1ぐらいしか報酬が入らないということを今日初めて知りまして、これはぜひ何とかアップしていただかなければいけないことかなと考えております。
私の質問は5ページのところに絞らせていただきます。2.で「看護職を配置した場合の基本単位数を引き上げること」と書かれておりますが、これは看護師の加配加算のことを指すのではないかと思われているのですが、具体的にどの程度のアップを考えておられるのかということが2.に対する質問でございます。
3.では、医療的ケア児が、高度の医療的ケアを持っているがゆえにキャンセルをするということはしばしばあることですし、御家族のほうも送迎をぜひしていただきたいと希望されているということはよく聞くことですけれども、欠席加算と送迎加算を廃止して、月額の医療的ケア児管理加算にするということですね。これから出てくる団体も含めてたくさんの団体の方が、欠席加算と送迎加算をもっとアップすべきだということはおっしゃっておられるのですけれども、むしろこれらを廃止して、月額の医療的ケア児管理加算にするということのメリットは何なのでしょうか。
以上、2点についてお尋ねしたいと思います。
○日本看護協会 基本単位数の加算でございますが、児童発達支援の基本単位数は、今、利用定員に応じた単位を設定され、基本報酬に加えて児童指導員等加配加算や看護職員の加配加算が算定できるようになっております。また、基本単位数とは別に、加算項目として欠席時対応加算や送迎加算、延長支援加算があります。児童発達支援は、児童発達支援センター及び重症心身障害児を主として見る場合に、看護職員が人員配置基準として定められております。しかし、看護職員配置加算を算定しても、看護職員を1名配置できるだけの報酬にはなっておりません。そこで、児童発達支援において医療的ケア児は、特に看護が必要でありまして、看護職員を配置するため、もともとの基本単位数を上げる必要があると思っております。
また、放課後等デイサービスにおいても、基本単位数は利用定員に応じた単位を設定された基本報酬に加えて、児童発達支援と同様に児童指導員等加配加算や看護職員加配加算が算定できます。基本単位数とは別に加算項目として欠席時加算等があります。放課後等デイサービスは、看護職員の人員配置の基準はありません。しかし、けいれん等の急変時の対応等の医療処置や、成長過程にある医療的ケア児の看護を行うためには、看護職の配置が必要であると考えております。そこで看護職員の確保ができるよう、基本単位数を引き上げる必要があると意見を述べました。
2つ目の質問については、現行の報酬体系は加算項目に欠席時対応加算と、送迎加算があり、出来高の報酬となっております。医療的ケア児は成長の中で入退院を繰り返し、急な欠席となる場合が多いです。ある事業所にヒアリングをしたところ、多い児で1割程度の医療的ケア児が急な欠席となっていました。また、多くの医療的ケア児は送迎に人手を要します。特に人工呼吸器を使用している医療的ケア児は増加しており、送迎時の車両の振動により吸引を要したり、けいれん等の急変に対応したりする必要があります。また、車椅子やストレッチャーや呼吸器や酸素といった荷物も多く、一度に複数名を同乗させるという送迎は非常に難しい現状にあります。急な欠席でも職員は確保しておかなければならないということを考慮しますと、現在の出来高報酬ではなく、1か月の包括報酬にしてはどうかと考えまして、今回「医療的ケア児管理加算(仮称)」として、月額の報酬を求めたいと思っております。
○田村アドバイザー よろしいでしょうか。
○竹内障害福祉課長 田村アドバイザー、お願いいたします。
○田村アドバイザー その場合に、送迎加算なのですけれども、ここで言う医療的ケア児管理加算を新設した場合には、その中の条件として、その患者さんを送迎するということを義務の中に入れるという理解でよろしいでしょうか。
○日本看護協会 そうです。
○田村アドバイザー 分かりました。ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 ほかにいかがでしょうか。佐藤アドバイザー、お願いします。
○佐藤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
非常に大まかな質問で失礼なのですが、福祉の現場に看護師さんが専門職としていらっしゃることはとても重要だと思うのですけれども、今まで伺ったお話ですと、専門職に見合っただけの報酬を得るシステムになっていない。福祉の現場に看護師さんにいていただくために、報酬以外に考えられるインセンティブみたいなものはあるでしょうか。ないようでしたら、報酬以外にはあり得ないとおっしゃっていただいていいのですが、何かあるようでしたら教えていただければと思います。
○日本看護協会 報酬以外のインセンティブはなく、報酬を上げないと看護職の配置ができないと思っております。報酬を上げられず福祉の場に看護職の配置ができない場合、医療機関や訪問看護ステーション等との連携を強化し、医療的ケア児とその家族の地域における生活を支援することが考えられます。しかし、福祉の場に看護職を配置することは重要であり、今回看護職配置の評価を要望しました。
○佐藤アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 それでは、お時間が参りました。公益社団法人日本看護協会の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、オンラインで御参加いただきます一般社団法人日本難病・疾病団体協議会より、森幸子様、辻邦夫様、よろしくお願いいたします。
○日本難病・疾病団体協議会 よろしくお願いいたします。
2ページに概要を示させていただいております。私どもは日本難病・疾病団体協議会(JPA)と申しまして、難病や長期慢性疾患、小児疾患などの全国の患者団体、地域の難病連で構成している中央団体です。全ての人の尊厳が大切にされ、安心して暮らせる医療と福祉の実現を目指してこれらの活動を行っております。
3ページ目をお願いいたします。本日の意見と概要を7つの項目にまとめました。
4ページの詳細から説明させていただきます。1番目です。障害の内訳でも難病等の患者のニーズが記載されていないということに象徴されるように、障害福祉サービスの利用においては、いわゆる障害者手帳を持っているか、持っていないかによって大きな格差が生まれています。難病患者の場合は、報酬の議論に至る以前の課題が多く、サービスの在り方が優先課題です。本日の発言も本日の趣旨と外れる現状報告が多くなりまして、申し訳ございません。まずは他の障害との差別をなくし、難病や長期慢性疾患も全ての障害者施策の対象となることを強く求めています。
2015年には難病に対する法律、難病法が施行しましたが、社会福祉その他の関連施策との連携により総合的に行われなければならないとしています。
しかし、難病患者に実施されたアンケートでも、「福祉サービスを利用できることを知らなかった、利用できる内容の支援サービスがあるのかどうか分からない」など、まだまだ周知できていません。このことは、患者だけではなく、医師や福祉関係者、行政窓口でも難病が障害者施策の対象となっていることを御存じない方が多く、日常生活に大変な困難を抱えていても我慢していたり、家族だけで頑張っている状態で、支援を受けられず、福祉相談にも結びついていません。行き届く周知方法と具体的支援の検討が必要です。
5ページです。2番目ですが、障害の対象として難病等が含まれると言いましても、障害者基本法では「その他の心身の機能障害がある者」としており、私たちは障害者総合支援法の改正のときと同じように、障害者基本法にも「難病等」と明記するように求めております。
7ページ、3番目です。障害者総合支援法の対象疾病はまだ限定的で、困難を抱えている支援の必要な状態の患者をさらに対象とすべきと考えております。また、「障害者総合支援法における障害者支援区分、難病患者等に対する認定マニュアル」では、難病の特性に配慮することとなっており、日によって、または状況によってできたりできなかったりする場合は、できない状況と判断することとなっています。しかし、日本の障害福祉サービスは、障害の固定とすることが根強く、難病の特性である日内変動や病状の進行など障害の程度の変化があることが障害認定となりません。具体的に利用できる支援がないという声も多く、難病患者等への生活実態調査が早急に必要だと考えています。
8ページです。また、難病患者が居宅介護を望んでも、対応できる事業所を探すのがとても大変です。一定の研修を受けて、医療的ケアを行うことのできるヘルパーを派遣できる事業所には報酬加算など、さらなるインセンティブが必要と考えます。
福祉サービスの質も重要で、報酬の改定は患者の満足度が上がるものではなければなりません。また、社会資源の不足を補うために患者負担が増えるのではなく、国が体制を整え、社会保障を強化すべきと考えています。
9ページをお願いします。4番目、所得保障、就労支援です。生涯にわたって治療を必要としている難病患者には、所得の保障は生きるために重要です。他の障害と同じレベルとなる税控除や障害年金の認定基準の改善が必要と考えます。
また、医学的な進歩により、治療を受けながら働きたいと希望する患者は多いのですが、社会参加や、また自立について就労は最も大きな問題です。アンケート調査では、難病などを隠して就業している人は約4割にも上ります。告げると仕事を失う、または働きにくくなるという現状があり、合理的配慮も求められず、安全に能力を発揮して、働くためにも社会の理解が必要です。そのためには、まず障害者雇用促進法を見直し、難病等の障害者を法定雇用率の算定枠に加えていただくように求めています。
また、障害者就労継続支援B型作業所などについては、毎日通所することは難しい、朝から夕方までの勤務は無理という方もおられます。それでも何かで社会参加したい、役に立ちたいという願いに応え、作業所では一人一人の生活状況や体調に合わせた支援を行うことを大切にされています。このような当たり前の支援を行うと平均賃金を上げることはできずに、みんなの足を引っ張りたくないとの思いで作業所を辞める人もいます。孤独にさせず、安心して働くことができるよう、このような作業所が財政的に不安定にならないように、平均賃金ではなく、報酬査定を見直していただきたいと思います。
10ページ、11ページをお願いします。難病の患者には、いまだに就労を希望しても、難病であることを告げると断られたり、病気を治してから出直すように言われるなど、厳しい現状を何十回も重ね、病気の症状のつらさ以上に、社会で生きていくつらさで疲弊している人も少なくありません。現在は様々な働き方ができるはずですけれども、アンケート結果でも、体調に合う仕事が見つからない、テレワークで仕事をしたい、病気のことの配慮や、話せる環境・雰囲気が欲しい、理解してほしいと求めています。
難病患者就労サポーターが各都道府県のハローワークに配置され、難病相談支援センターと連携を取ることで就労相談は増えましたが、サポーターは常勤でなく、多くは都道府県に1人程度の配置にとどまるなど、まだまだ足りません。サポーターの人数を増やすためにも処遇改善を行う必要があります。
また、発病の診断前から仕事についている人もやむを得ず退職したという方が多く相談されます。仕事になれた貴重な人材を失わないためにも、就労継続支援のさらなる充実を求めます。やむを得ず退職となっても障害者手帳なしでは雇用保険の失業保険給付の受給日数に大きな差があり、その先の人生に向けても重要な課題です。
14ページをお願いします。難病を発病し、様々な障害が起こり、補装具や意思伝達装置の機器、器具などは、早い段階から訓練を重ねたほうが使いやすくなります。このような制度の検討が必要と思います。
また、リハビリテーションは多くのところで効果が上がっていますが、診療報酬や高齢者医療、介護だけではなく、障害者福祉サービスにおいて、日常生活の向上、在宅支援の一つとして、本格的なリハビリテーションの提供が必要と考えます。
15ページをお願いします。ピアサポーターについては、なぜ自分が難病になったのか原因が分からず、治らない現実に思い悩みます。時には死にたいと強く考えたり、生きたいとの思いで揺れ動くことがあります。そんな不安は、経験を持つピアサポーターの存在が不安を和らげ、生きる勇気を与えることがあります。ピアサポーターとの出会いや相談の機会が必要であり、ピアサポーターとして患者の身近なところで活躍できる、報酬も含めた検討が必要です。実態調査を行い養成研修等の充実が必要です。
16ページをお願いします。6番目は小児発症の支援です。医療的ケア児等の総合支援が打ち出されましたが、まだ医療的ケア児への理解も得られず、体制も整わないために苦労しています。拒否されることなく就学・進学から、その先も切れ目なく支えるために、早期に総合支援の実現を求めます。親や介護者の高齢化や健康不安などがあると、どう患者を支え続けるのか悩んでいます。親や介護者の精神面も含めたサポートも必要です。災害については、外見から分からない障害であっても、難病や慢性疾患患者には自力で避難できない人もいます。要支援者としての登録を行い、取り残さない災害対策が必要です。治療を続け、感染防止に特別な配慮が必要な患者も多いです。避難場所が拡充できるよう多方面での体制づくりが必要と考えています。
最後に17ページ、新型コロナウイルス感染症による影響ですが、難病や慢性疾患のような基礎疾患のある人、免疫抑制剤などを用いた治療を続ける患者は多くいます。日頃から常に感染防止に人一倍注意を要しますが、そんな中でもマスクや消毒液が手に入らず、大変な不安と恐怖の中、危険と隣り合わせで、本人のみならず、家族も極力外出を控える日々です。医療機器を使用する人はもちろん、使用しない患者も感染防止に、必要な物資の確保に苦労しています。
難病等の疾病に対する医療や介護は日常的に不足している状態ですが、さらにコロナ禍での人員不足は深刻です。自粛要請の状況となっても継続した福祉サービスは命を守るために必要ですが、依頼しにくい状況があります。人と人との接触を避けられないこともあり、医療現場同等の念入りな対策が求められています。
18ページです。緊急事態宣言の下でも就労先に難病のことを告げられず、通勤など密な環境下での就業となりました。その後も危険が多く、通学・通勤ができない患者もいます。作業所や研修等にも出かけられない状況です。また、医療や介護・福祉に関わる事業所等にも大きな影響が出ており、緊急対応のみならず、これから先も長期にわたる支援体制が必要と考えています。
以上です。ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いいたします。田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 御丁寧な御説明ありがとうございました。
16ページのところの小児期発症の支援についての災害対策ですけれども、おっしゃるとおり、災害時の災害弱者は、こういう難病を持っているような方とか、障害を持っておられるような方が該当すると思うのですが、今の体制では、16ページの一番下「集団での避難場所」と書いてございますけれども、いわゆる福祉避難所というのは最初から行けるわけではなくて、一般の避難所に行って、それから福祉避難所が必要だと判定された場合は福祉避難所に移動する。だけど、福祉避難所も多くの場合は高齢者を対象とした福祉避難所で、免疫抑制剤などを使っている難病の方とか、高度な医療的なケアをされているような方を対象としたようなところではないので、必ずしもそこがその方にとって安全な避難所にならないというのが現状だと思います。
そのためには、初めからそういう難病の方で、災害のときには一般の方と同じようなところには避難できない、普通の福祉避難所でも行けないという方に対しては、事前に行政のほうがその方にふさわしい特別な避難所を用意しておく、登録しておくということが大事かと思いますけれども、それについてはどう思われますか。
○日本難病・疾病団体協議会 ありがとうございます。
全くそのとおりだと思います。今、御説明いただいたような形で、福祉避難所はほとんど私たちにとって機能していない現状があります。また、医療的な器具などを使用している人は、保健所などでは把握はしているのですけれども、そうでない、例えば私どものような免疫抑制剤を服用している患者であったり、また医療機器そのほかのものでいろいろな障害のある方などは、要支援の名簿に登録されていない状況というのがまだあります。難病全体の要支援者の把握をしていただき、個々に個別支援のように、どのような支援が必要なのかといったところの把握からまず始めていただきたいと思いますし、感染のことがありますと、個室での避難ということも非常に重要なことになってきますので、今回の新型コロナ対策にもありましたように、ホテル等を使ったり、様々な広い意味での対策というものを検討する必要があるかと思います。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 ほかはよろしいでしょうか。
それでは、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会の皆様、どうもありがとうございました。
○日本難病・疾病団体協議会 ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 続きまして、オンラインで御参加いただきます一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会より、久保厚子様、又村あおい様、よろしくお願いいたします。
○全国手をつなぐ育成会連合会 ありがとうございます。一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会の久保でございます。
私どもの会は、知的障害者の本人と家族から成っている団体でございます。知的障害者の権利擁護と政策提言を行う活動を柱として行っております。全国の全ての都道府県と8つの政令指定都市で55の正会員がそれぞれの役割を担って、有機的なつながりを持って連合体として活動を行っております。主な活動としましては、全国大会やブロック大会、そして各県大会などの大会を開催することと、権利擁護セミナー、育成会フォーラムなどの研修会、それから55正会員への支援、機関紙「手をつなぐ」を毎月3万部発行している団体でございます。
現在、新型コロナに関する不安の声がとても多く私どもの会に寄せられております。それで、先般厚生労働省に緊急の要望をさせていただきました。その要望に対しまして、幾つかについては迅速に御対応いただきまして、本当に感謝を申し上げます。
本日は、8項目に絞りまして、常務理事の又村より詳細を説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○全国手をつなぐ育成会連合会 それでは、引き続き又村のほうから全国手をつなぐ育成会連合会の意見について御説明申し上げます。
3ページをお願いします。総論でございますが、我々全国手をつなぐ育成会連合会、この後「全育連」という略称で呼ばせていただきますが、知的障害のある人が、障害の程度にかかわらず、ライフステージにおいて適切な支援の下で安心して暮らすことができる地域を実現していくということで、そのためには、障害者総合支援法、あるいは児童福祉法などの福祉サービスの充実が不可欠と考えております。
また、この後御説明しますが、新型コロナウイルスの関係では、障害福祉サービスはエッセンシャルワークという位置づけにされ、維持が期待されるサービスであるということが改めて明確になりました。つきましては、これから事業所の報酬の部分に関しての意見を中心に御報告を申し上げたいと思います。
なお、直接的に関連しないものについては、参考資料1、2にそれ以外の事項もまとめてございますので、適宜御覧いただければと思います。
それでは、5ページまでお進みいただけますでしょうか。新型コロナウイルスに関する項目でございます。こちらについては、私ども全育連としても、知的障害のある人の生活を支える事業所の機能維持が不可欠と考えているところです。その中でも、今、会長の久保からもお話しいただいたように、報酬を算定する際の特例などについて、私どもの意見も取り入れて、かなり特別な対応を今、頂いております。これについて継続をしていただきたい。さらに強化をしていただきたいというのが1点。
2点目に、今回テレワークという働き方が図らずも注目されたわけですけれども、こちらについてもサービスの質が低下しないということが前提になりますし、国としてもペーパーレス化を強力に進めていただく、あるいは判こを押さなくてもいいという文化にしていただくということを条件といたしますが、オンラインによるサービス管理をむしろ推奨していくべきではないかという提案です。
3点目には、いわゆる地域内における支援事業所の相互支援です。この場合は、当然職員を送り出す事業所に対する特別な施策が必要と考えますので、送り出し事業所に対する特別な加算について創設を提案します。
感染症対応につきましては、いわゆるBCP、業務継続計画をつくった場合の加算、もしくはつくっていない場合の減算について検討いただければと考えています。
6ページは、地域生活支援の推進です。これにつきましては、既に国としても地域生活を進めるという方向にかじを切っていることについては評価しております。また、グループホーム等についての整備についても評価しておりますけれども、特に知的障害の約90が家族同居という実態がございますので、家族支援の視点も含めた地域生活支援を推進する必要があると考えております。
以下、何点かございます。まず、地域生活支援拠点の整備の促進でございます。これについては、面的整備を大半としながら進んでいるところでございますが、ぜひ体験利用について、宿泊型自立訓練も対象にする。それから、地域体制強化共同支援加算については、今のところいわゆる困難事例ということになっていますが、むしろ地域の社会資源とのつながりを重視した加算要件にすべきと考えます。
次に、共生型の類型の報酬の見直しです。これにつきましては、先ほども意見が出ておりましたが、あまりに報酬が安いので、転換しないという状況がございますので、改善をお願いします。
次に、短期入所の緊急対応につきましては、欠席時対応加算に相当する加算の創設や、緊急短期入所の受入加算についての引き上げを求めたいと思います。
7ページです。次に、いわゆる地域に働きかける、地域づくりを積極的に行う事業所への地域づくり加算のような形の評価をぜひお考えいただければと考えます。
最後に、自立訓練(訪問型)については、いわゆるひきこもり状態の方の支援につながりますので、積極活用をお願いしたいと考えています。
続いて、相談支援の強化です。相談支援は、知的障害の人にとっては極めて重要な命綱と言っても過言ではないと考えております。現状で加算は設定していただきましたが、低調ということもございますので、さらに進めていただければと思います。
1点目、相談支援の質の評価です。既にもう相談支援事業所のモニタリング結果の検証が制度化されていますが、これを質の評価にまでつなげ、報酬に反映させていただきたいと考えています。
8ページをお願いします。1人職場に対する支援の強化です。1人職場になりがちな相談支援ですので、ぜひ特定事業所加算(Ⅰ)の算定要件に1人職場への支援といったものを入れていただければと思います。
次に、モニタリング頻度の明示です。いわゆる8050や医療的ケアを必要とする人は、毎月にしていただけると大変よいかと思います。
この項目が最後です。複合的な課題に対する支援ということで、いわゆる「断らない相談」がこれから始まりますが、これを入り口にサ計画等を作成した場合の評価を新たな加算として求めていきたいと思います。
続けて、住まいの場の充実です。こちらにつきましては、様々な暮らしぶりができているということを踏まえまして、9ページに進みます。まず、グループホームについては、ヘルパー利用の個人利用の恒久化、グループホームから独立生活に移行する際の評価、そして重度障害者支援加算の拡充、この3点については、支援の面から求めたいと思います。
一方、グループホームの補足給付、いわゆる事実上の家賃補助については、本当は金額(通信不良)10ページです。医療的ケアを必要とする方の支援と、この次の強度行動障害の方への支援は極めて重要なポイントと考えています。まず、医療的ケアについては、判定基準の見直し、研究班において研究が進んでいると伺っていますので、ぜひこれを活用していただければと思います。
そして、重度障害者包括支援の利用の拡大、医療型短期入所の報酬の引上げ、そして医療的ケアに着目した加算。例えば入浴や送迎に関する加算を御検討いただければと思います。
11ページです。さらには、生活介護は今、生活介護という形で、重心型がございませんので、重心型の設定を御検討いただければと思います。
この項目が最後です。介護職員の喀痰吸引。
続いて、重い行動障害のある人への支援ですが、行動援護の居宅内支援などを求めたいと思います。障害児支援の質的な変容については、特に放課後等デイサービスの位置づけの見直しと、保護者へのスキル伝達をお願いします。
最後に、制度の持続可能性ということで、幾つか項目がございますが、全育連としては、これらの項目については報酬を少し引き下げる方向も検討すべきと考えております。
少し雑駁になりますが、以上でございます。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いいたします。小川アドバイザー、お願いします。
○小川アドバイザー 御説明ありがとうございます。
6ページの共生型類型の報酬設定見直しについてお聞きいたします。共生型サービスが伸びない理由の一つとして、確かに報酬が低いことはあるかと思いますが、利用者が介護と障害は違うということで、利用をためらう実態もあるかと思います。共生型サービスが、障害者が65歳以上になってもサービスを使い続けられるという側面がクローズアップされてはございますが、介護系の共生型サービスの利用を障害者が実は敬遠してはいないだろうか。共生型サービスとは、障害があってもなくても高齢者ということで、障害者と高齢者がともに過ごすという意味もあるのではないだろうか。こういったことから、共生型サービスを利用するに当たり、利用者側として、どうすればもっと気軽に利用できるようになるのか、そういった意識を変えるための方法など、障害者側から積極的に介護系の共生型サービスを利用することについての御見解などがあれば、お聞かせください。お願いいたします。
○全国手をつなぐ育成会連合会 ありがとうございます。
今のお話につきましては、例えば御家族、親御さんが要介護の状態になったタイミングで介護保険のデイサービスを利用することになった際に、御本人がその介護事業所が行っている共生型の生活介護のほうを利用されたといった事例も全国では一部出ているという状況がございます。今、御指摘をいただいた点につきましては、育成会の立場としては、選択肢が増えていくという観点から共生型の取組を推進している立場ですけれども、一義的には様々な体験・経験の中から、利用する方が適切にそのサービスが提供できるように、例えばケアマネジャーや相談支援事業所の相談支援専門員が、その方にとって必要な支援というものを提案し、それを御本人が選び取っていくという意思決定支援も含めた取組が進んだ結果として、共生型の利用が進んでいくのではないかと考えています。
以上です。
○竹内障害福祉課長 橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
14ページの食事提供体制加算の見直しについて、お伺いしたいのですが、私の娘は知的障害と自閉症がありまして、小さい頃は特に激しい偏食に苦労しました。いっときは水やお米すら食べられず、決まった銘柄の幾つかの食品しか食べてくれず、療育していく中で最も困ったことが食事でした。そのような激しい偏食も学校給食のおかげで幾らか改善をし、学校という社会の中で、娘のみんなと同じことをしたいという気持ちが強いこだわりを越えたのではないかと思っています。
そこで質問なのですけれども、食事提供体制加算の見直しについて、全育連で御提案されている摂食支援加算について、「刻み食や流動食などの対応がないと食事が困難な者(たとえば重心判定者や医療的ケア者)」とされていますが、例えばこのような強いこだわりや感覚過敏による偏食などでは、ほかの利用者と違うメニューを提供せざるを得ない場合もあるのではないかと思いますが、この摂食支援加算の対象になるとお考えでしょうか。お願いします。
○全国手をつなぐ育成会連合会 ありがとうございます。
今、御指摘を頂いたとおりでございます。「など」とさせていただいたのは、様々な事情によって特別なお食事への支援が必要な方に対して、個別に摂食支援加算を新設すべきであるという主張ですので、今、橋本アドバイザーが御指摘いただいたようにケースについては対象になり得ると考えております。
他方で、まさに御指摘の中にありましたように、お子さんについては職域的な関わり、あるいはそのお子さんに無理がない形での様々な食事へのアプローチ、こういったものは、特別にいわゆる偏った食の嗜好ということがなかったとしても必要性があると考えておりますので、児童期の食事提供に関しては、体制加算で全体として対応していくということが考えられるということで、こちらにつきましては食事提供体制加算の見直しがされた場合の提案になりますが、全育連としてはそのように考えております。
以上です。
○橋本アドバイザー ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 御苦労さまです。
視点3の制度の維持について、ほとんどのところが提案してくれなくて、全育連は幾つも出していただいたので、大変敬意を表したいと思います。ここをいろいろと議論したかったのです。1つ、身体拘束ですね。ここをちゃんと要件を満たしていないところはもっと減算する。私も大賛成なのですけれども、今、津久井やまゆり園の検証も神奈川県でやられていますが、これを見ると、記録はしている。検討委員会もつくっている。指針も出している。研修もしている。だけど、延々と身体拘束はやっている。つまり、形式的なことだけはやっているけれども、実態は変わらないというのがよく分かってきて、ダブルスタンダードがあるなと思ったのです。
ここはもっと踏み込んで、ずっと改善できないところをするとか、あるいは外に出して普通にやられているところをすごく報酬を上げるとか、実効性あるものに結びついたものがもうちょっと必要だなという気がしているのですが、どうでしょうか。
○全国手をつなぐ育成会連合会 今、御指摘をいただいた部分については、津久井やまゆり園ということを特別に意識したということではないのですけれども、外形的に整っているということと質が伴っているということが必ずしもイコールではないというのは、現に外形的に事業所の指定が整っているから指定されたはずの事業所で非常に目を覆うような虐待事案が起こっているということからも、これは全てではありません。そういうところもあるという認識をしております。ですから、これをどこまで実効性を求めるかということと、あとは外形的にどう判断するかという難しさがあるのですが、今回はこういった形で出させていただきましたが、私どものほうでも書かせていただいたように、最終的には強度行動障害者支援者養成研修が未配置ということが既にリスクだと。これはあくまで例です。こういうところまで踏み込んでの議論というのは、ぜひ報酬改定検討チームの中でもしていただければと考えています。
以上です。
○野澤アドバイザー もう一点だけいいでしょうか。これだけ利用者も増えてきて、でも、財政は逼迫している中で、どこかを下げないと本当に必要なところにお金が回らないと思うのです。いろいろと考えたときに、放課後等デイというのはいろんな課題があるなと思っていて、今回も当然着目されると思うのですけれども、ただ、今は昔と違って共働き、シングル、収入が少ないという家庭が多くて、お母さんが働かないとやっていけない。子供の都合でなくて、親の都合なのでしょうけれども、結果として子供自体はより社会的養護が必要な状態になっていると思うのです。
逆に言うと、そういうところこそもっと手厚く支援をする必要があるという気もしているのですけれども、どうでしょうか。放デイと日中一時と分けてとなると、今の体系というか、あれだと、どうしても市町村事業のほうが報酬が低くて、なかなかやる事業所がないということになって、結果、困っている人がより利用できなくなるということが起きるような気もしているのですけれども、いかがでしょうか。
○全国手をつなぐ育成会連合会 ありがとうございます。
今回全育連のほうで視点3で上げさせていただいたのは、単純にお金をひっぺがすということではなく、政策的な方向性をより明確にすることによって、質の担保をしながら、必要なところからはお金が削られていく、そういった仕組みを提案させていただいたという意図でございます。
その意味では、今、野澤アドバイザーがお話をされた内容については、いわゆる養護的な必要性があるというところについて、報酬をなくならせてしまうという趣旨ではありません。むしろ日中一時支援は地域生活支援事業のその他事業ですので、市町村によっては全くやっていないという実態もございます。その意味では、公的な仕組みとして個別給付である放課後等デイサービスに、今、野澤アドバイザーがお話をされたような様々な視点での養護性の高い、あるいは就労支援の必要性が高いという方向けの類型をつくり、しかしながら、言葉を選ばずに言うと、安定的に一定のボリュームのお子さんが利用されるということを前提に、重度訪問介護の報酬設定の考え方に近くなると思いますが、全体としては少し報酬のボリュームを下げることも可能ではないかという趣旨の提案ですので、考えとして置いていってでも報酬を下げるべきだという趣旨ではないことはぜひ御理解いただければと思います。
以上です。
○野澤アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 小船アドバイザー、お願いします。
○小船アドバイザー すみません。お時間がない中、1点だけ。資料の8ページです。相談支援の充実強化のところで1人職場への支援強化という御提案をいただいていますが、こちらの内容は基幹相談支援センターの役割にも値するのかなと思いますけれども、その関係性について御説明いただければと思います。
○全国手をつなぐ育成会連合会 ありがとうございます。
小船アドバイザーの御指摘のとおり、この役割は本来は基幹相談支援センターと考えています。しかしながら、基幹相談支援センターは、設置そのものについて特段のいわゆる法的な義務の定めがないということで、設置は進んでいますが、まだ未設置の地域も多いということ。もう一点は、様々な条件下ではありますが、基幹相談をやりながら、特定事業所加算(Ⅰ)が取れるぐらいの人員配置になっているケースも多いということで、報酬の面で議論するとすれば、特定事業所加算(Ⅰ)の要件にすべきという意見であります。報酬の面にこだわらなければ、基幹相談支援センターの役割であるということについては、全く思いは同じでございます。
以上です。
○竹内障害福祉課長 それでは、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会の皆様、どうもありがとうございました。
○全国手をつなぐ育成会連合会 ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 続きまして、オンライン及び対面で御参加いただきます公益財団法人日本知的障害者福祉協会より、井上博様、河原雄一様、よろしくお願いいたします。
○日本知的障害者福祉協会 日本知的障害者福祉協会であります。
協会の概要について、最初に井上会長のほうから御案内させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○日本知的障害者福祉協会 日本知的障害者福祉協会の井上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私のほうから、基本的には当協会の方針等を御説明させていただいた後、河原委員長のほうから具体的な中身について御説明をさせていただきます。
協会の概要等については資料を見ていただいて、御理解いただければと思います。
その下に福祉協会が重点事項として取り上げている内容を記載しておりますので、ぜひ御確認いただきたいと思うのですが、やはり一番の問題点は、先ほども出ましたけれども、津久井やまゆり事件と、それから障害者虐待の大体7割は知的障害を持つ人たちであるということを大変深刻に受け止めて、協会として対応していきたいと思っているところでございます。
基本的には利用者を中心とした協会活動でありたいなと思いますし、利用者が地域社会の中で生きていくというソーシャルワークの原理原則に基づいた協会活動を推進していきたいと思っております。
重点事項については、1番の意思決定支援の推進と権利擁護、障害のある人の望む暮らしの実現、強度行動障害のある人たちの支援、人材確保・育成、新型コロナウイルスの対応というところを中心に取り組んでまいりたいと思います。
それでは、河原さん、どうぞよろしくお願いします。
○日本知的障害者福祉協会 引き続きまして、日本知的障害者福祉協会政策委員会の委員長を務めております河原から御説明をさせていただきます。
まず、概要版、3ページを御覧になってください。今、会長からも協会の説明がありましたが、当協会は、子供から成人期まで、また高齢期まで幅広い方たちが支援を受けています。その方たちが将来安心して暮らすこと、そして安定的な障害従事者の確保、並びによりよいサービスを提供することを目的に、今回9項目にわたって団体ヒアリングの要望を出しております。3ページから4ページにかけて9項目の要望を上げております。
各項目について、5ページの詳細版から御説明をさせていただきます。1点目、障害福祉サービスの人材の確保及び定着について。1点目といたしましては、処遇改善等による給与格差の改善を行っておりますが、相変わらず全産業との格差があるということで、この部分のところに御配慮いただきたいこと。
現行の処遇改善加算等については、相談支援専門員を含めて、他の職種が含んでいないところを鑑み、対象者の拡大についての御配慮をお願いしたいと思います。
3点目、福祉専門職員配置等加算、これはⅠ、Ⅱ、Ⅲとありますが、Ⅰ、Ⅱが国家資格の保有率、Ⅲが常勤の勤続年数という質の異なるものですので、併給できるように検討をお願いいたします。
6ページを御覧になってください。食事提供体制加算についてです。これは御承知のとおり、平成30年度の報酬改定で経過措置が継続されましたが、相変わらず年金で生活している低所得の方たちの経済的な負担、それから先ほどからも出ていますが、バランスのとれた食事の提供が大きな目的で、これがなくなることによってサービス抑制にもつながりかねないということで、引き続き恒久的な加算としての位置づけをお願いいたします。
なお、子供の方につきましては、食育の観点から、この加算の名称を「食育等支援加算」と改め、恒久的な加算の位置づけをお願いしたいと思います。詳しくは参考資料2のところにエビデンスを上げております。
3点目、地域における移動手段と送迎の保障です。自力で通所できない方たちの移動の保障というのは非常に重要であるということで、1点目としては送迎加算の基本単価。これは前回下がりましたが、このデータが自家用車の調査結果であるということ。その部分では実態に即して単価の見直しをお願いしたいと思います。
2点目、就労A・放課後等デイサービスが前回課題になりましたが、特別支援学校の送迎の状況であるとか、公共交通機関の可能性を踏まえ、サービス等利用計画に必要性を明記した上、加算の対象として検討をお願いいたします。
なお、通勤・通学のための利用のトレーニングの評価の仕組みも御検討いただけたらと思います。
4点目、障害者が地域で安心して暮らすための体制整備についてです。こちらは主に相談支援の充実という点で3点ほど上げております。1点目が計画相談の基本単価が前回減額をされました。経営概況調査によりますと、マイナス3.1%の数字が出ております。その部分から厳しい経営状況になっているというところで、基本単価と加算の見直しをお願いいたします。
2点目、主任相談支援専門員の研修が進んでいないところを鑑みて、特定事業所加算Ⅱ、Ⅳの経過措置の延長をお願いしております。
3点目、地域生活支援拠点の整備の推進に向けて、相談支援強化加算、共同支援加算の月当たりの限度回数を外して、地域におけるコーディネートの機能の強化をお願いします。
5点目が障害児に関する専門的で多様な支援です。こちらにつきましては、障害児入所施設の職員の配置を4:1、児童発達支援センター職員を3:1、これに見合った報酬の設定並びに手厚い職員を配置しているところの加配をお願いします。
次に、障害児入所施設の在り方検討委員会の報告に基づいて、地域小規模入所施設並びに過齢児の対策として、成人のサービスの意向に関わる自立支援システムの構築等々の検討をお願いいたします。
同様に、この報告書に基づきまして、被虐待へ対応を行うソーシャルワーカーの配置、並びにこの虐待受入加算の年限の限定の適用について検討をお願いいたします。
6点目が利用者が地域でよりよい福祉サービスを利用するためにということです。1点目としては、生活介護の事業所において人員配置体制加算以上の職員を配置した場合の報酬上の配慮をお願いいたします。
2点目が、障害者支援施設で生活介護を通所で利用している方の重度障害者支援加算の対象について御配慮をお願いします。
3点目が利用者の権利擁護。身体拘束の未実施減算の要件に、対策をする委員会の開催、指針の整備、職員に対する研修の実施を段階的に取り入れるようお願いいたします。
4点目が生活介護と就労Bとチェックリストは、研究事業等々で提案されましたが、この内容を精査した上で仕組みの検討をお願いいたします。
住まいの場における重度化・高齢化への対応についてです。1点目が障害者支援施設です。利用者のQOL、新型コロナ対策として個室化、小規模ユニット化は有効であるということで、まずは職員の配置基準を上げ、必要以上に加配している場合の職員の対応をお願いいたします。
次はグループホームです。重度障害者支援加算の対象を障害者支援施設の対象要件としてお願いいたします。
2点目、個別のホームヘルプ利用に関わる経過措置は、利用を必要とする方がいるので、恒久化をお願いいたします。
3点目が看護職員の配置加算。これは前回の報酬改定で設定をされましたが、40人に1人においても単位が取得できるような形をお願いいたします。
グループホームの最後は、地域移行を促進する目的として、利用30日以内、初期加算の検討をお願いいたします。
8ページ、障害者が働くための支援についてです。これは就労継続のB型。1点目が5:1の配置基準。2点目が、工賃の3万円以上4万5000円未満。ここが1万5000円の幅で設定されておりますので、5,000円刻みについてお願いいたします。週の利用日数が少ない方をこの算定の母数から除外していただくようにお願いいたします。
就労継続のA型。年次有給休暇、有給の取得義務化に伴い、報酬上の評価を御検討いただきたいと思います。
9点目、新型コロナウイルスの対応です。協会からもいろんな要望を出させていただきまして、速やかな対応をありがとうございます。
引き続き長期化が予想されるというところで、事業所が安定して継続できるような御配慮をお願いしたいと思います。
13ページ以下が各項目についてのエビデンスです。
37ページを御覧になってください。我が協会としては、今回の報酬改定後も今後目指すべき方向性についてということで、「住まいの支援」「子どもの支援」「社会参加・社会生活の支援」「働くことへの支援」「相談支援」、中期的な視野に立った横断的かつ包括的な議論を進めていくようにということで、このような提案を出させていただいております。
時間がちょっとオーバーしましたが、以上で日本知的障害者福祉協会の提案を述べさせていただきます。ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いいたします。いかがでしょうか。野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 加算がいっぱい要望として上がっているのですが、全部その加算を実現したとすると、加算分だけで幾らぐらい必要になりますか。
○日本知的障害者福祉協会 申し訳ございません。まだそこのところまでの積算はしておりませんが、幾つかの加算の中で、今回改めて新規に加算として要望を出しているのはグループホームの初期加算であって、残りの加算については、現行の加算の見直しをお願いしたいという形で、協会としては要望として上げさせていただいております。
以上です。
○野澤アドバイザー あと、冒頭の井上会長のお話は大変すばらしい、賛同できるものだなと。意思決定支援とか虐待防止を福祉協会自ら最優先課題として掲げられていて、大変評価したいと思うのですけれども、例えば意思決定支援のところ、具体的な。今回の提言でもうちょっとあってもいいのかなと思っていたのですが、その辺りの議論はどうなのでしょうか。
○日本知的障害者福祉協会 協会の中で意思決定支援の特別委員会をつくらせていただいて、6年ほどたって、成果物も出してきているわけですが、今後ともそこら辺を中核として、より現場のスタッフにその意思決定支援ということの浸透を図っていって、知的障害のある方々の思いを酌み取るということを第一義的にやっていきたいなと思っております。御質問ありがとうございます。
○野澤アドバイザー 大変影響力のある大きな団体ですので、旧来的な、総花的な、あれもこれも加算してくれというよりも、戦略的にもっと障害者福祉のたてつけそのものを変えて、未来型にしていけるような御提案みたいなことをちょっと期待したいなと思って聞いておりました。
○日本知的障害者福祉協会 ありがとうございます。
○日本知的障害者福祉協会 野澤アドバイザー、ありがとうございます。
今回、コロナ禍において非常に厳しい状況であるというところで、できるだけ現行の仕組みをバージョンアップするというところを視点に置いて、将来的な部分では37ページのところに今後の在り方ということで提言させていただいておりますので、引き続きこういったポイントについて議論を重ねていただけたらと思っております。
御質問ありがとうございました。
○野澤アドバイザー よろしくお願いします。
○竹内障害福祉課長 そのほかよろしいでしょうか。
それでは、公益財団法人日本知的障害者福祉協会の皆様、どうもありがとうございました。
○日本知的障害者福祉協会 ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 続きまして、オンライン及び対面で御参加いただきます一般社団法人日本ALS協会より、嶋守恵之様、岸川忠彦様、よろしくお願いいたします。
○日本ALS協会 では、令和3年度の障害福祉サービス等報酬改定に関する意見ということで、述べさせていただきます。会長の嶋守はオンラインのほうで参加させていただいております。私が代理で、岸川と申します。よろしくお願いします。
まず、日本ALS協会の概要、紹介から入りたいと思います。設立年月日は昭和61年(1986年)4月20日になります。設立から約33~34年たっております。
活動目的と主な活動内容については、ALSと闘い、ALS患者が人間としての尊厳を全うできる社会の実現を目指すとともに、ALSに関する社会啓発、ALSに関する原因究明と治療法の確立のための研究助成、患者の療養環境整備等を行うことによって、ALS患者・家族及び国民の医療及び福祉の向上に寄与することを目的として、長年にわたって活動してきております。
主な活動内容としては、ALSに関する正しい知識の普及と啓発事業。括弧内に少し詳細に書いております。次に、原因究明及び治療法確立などの研究助成事業。基金を設立しまして、助成を行っております。患者・家族に対する療養支援事業。相談会、交流会などで直接の支援。それから今回のようなヒアリングなどを通して行政、団体のほうにいろいろと要望を出すということをやっております。それから調査研究事業。治療研究、患者の療養生活の実態調査等々です。
支部が全国に42支部あります。
会員数は4,100名です。この中で患者・家族の会員が大体半分の2,000名になります。
法人代表は嶋守恵之になっております。
では、福祉サービス等報酬改定に関する意見を述べさせていただきます。6項目あります。その1、痰吸引などの医療的ケアが可能な介護サービスの提供体制の拡充を求めたいと思います。ALSなどでは病気進行により医療的ケアが必要な重度障害者になります。住みなれた地域で在宅療養を続ける上で、医療支援と医療的ケアが可能な介護サポートが不可欠となります。家族や当事者から医療的ケアが可能な介護者を提供する介護事業所や介護者がいないとの問合せや相談が多いです。全国的にも事業所と介護者不足が指摘されています。
最後のページにアンケート結果がありますので、それを御参照いただけたらと思います。
介護報酬の面からですが、医療的ケアが可能な介護提供体制を拡充する総合的で大幅な改善を求めたいと思います。以下、主なものです。
1番、重度訪問介護者の夜間、休日、祭日の割増加算の増額を希望します。
2番、医療的ケア実施者の1人1日1,000円の増額をお願いしたいと思います。
医療的ケア提供者数による体制加算の大幅増額をお願いしたいと思います。
新人介護者研修における熟練者同行時の報酬減額の見直しをお願いしたいと思います。
喀痰吸引等の研修、我々のほうでは3号研修になりますが、これを拡充するための助成をお願いしたいと思います。
その2です。重度訪問介護サービス提供の時間の底上げと地域間格差の是正を求めたいと思います。まず、介護保険の介護サービスが十分使えないという問題があります。医療的ケアを担う介護事業所が少ない。僻地・離島などで利用できないところがある。介護保険の不足というものがあります。したがいまして、重度訪問介護のほうで頑張っていただきたいという気持ちがございます。
2番、重度訪問介護サービス給付において区市町村で公平に給付されておらず、大きな給付格差が見られます。これを改善していただきたいと思います。
重度訪問介護サービス給付の制限理由として、中には財政事情、無理な家族介護を求めるなどの苦情が相談などで聞かれております。
次に、入院中の重度訪問介護の利用についての意見です。入院中の重度訪問介護の利用が円滑に行われるよう、各施設への周知を求めたいと思います。
2番、災害時の医療者不在時のヘルパーの医療的ケアの許容について、御検討をお願いしたいと思います。
就労における重度訪問介護サービスについてです。重度障害者には就労において重度訪問介護サービスが必要になります。したがって、就労による社会参加支援をお願いしたいと思います。
最後に、新型コロナ関連の要望です。まず、利用者の感染、濃厚接触、あるいはその疑いによる休業中のヘルパーの給与保障を事業所が思っておりますが、それに対する助成を検討いただけたらと思います。
消毒用アルコール類、精製水、防護服などの配布についても御検討をお願いいたします。
今、ヘルパー1人当たり20万円か、または5万円の給付があると思いますが、それを継続してほしいということです。
入院中のヘルパーなどの付添い、見舞いの在り方に関する検討を要望します。例えば個室料の助成などを検討していただきたいと思います。
最後ですが、災害対策。台風、局地的なゲリラ豪雨などが最近目立っておりますので、水害・土砂崩れなどの危険地域からの事前避難策、物品購入などへの助成をお願いしたいと思います。バッテリー、栄養剤、衛生用品などの備蓄に対する助成。避難時の移動介護にかかる2人以上の体制を報酬として評価していただきたいと思います。最後ですが、医療的福祉避難所の確保。人工呼吸器利用者や、医療的ケアニーズのある方を対象とする避難所の確保を検討していただければと思います。
以上です。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いいたします。小川アドバイザー、お願いいたします。
○小川アドバイザー 御説明ありがとうございます。
4ページの4番の就労における重度訪問介護サービスの利用について、御質問させていただきます。重度障害者の就労に重度訪問介護サービスが必要との御意見でございますが、就労、雇用は、障害があってもなくても、可能な限りその能力を活用する対価として賃金を支払うという意味からも、本来労働者の働く環境の構築というのは、雇用側が考えること、働く人を雇い入れる事業者の責任になるといった側面もあるのではないかと思います。そのことを認識した上で、就労側でも考える視点、積極的に障害者を受け入れた場合、例えば対応した場合の事業者への補助など、費用負担についての議論も必要ではないかと思いますが、そういった視点について御見解等であればお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○日本ALS協会 ありがとうございます。
もちろん、雇用側のほうにもしっかりとサポートをいただけないといけないと思いますが、特にALSの患者さんは、呼吸器をつけたりしますと、実際四肢は完全に動かない。あと、先ほど申しました喀痰吸引、いつ吸引の状態になるかも分からない。そういう状態で在宅の勤務になって、リモートでやったときに、見守り的なサポートが必要になりますので、それに対して、就労時にこの重度訪問介護が利用できれば、社会参加に伴ってALSの当事者の方の気持ちも変わってくるものと思いますので、ぜひとも実現していただきたいと思っております。もちろん、最初におっしゃいましたように、受入れ側も大事ですけれども、それを働く側のほうにも少し拡充していただきたいと思います。
○竹内障害福祉課長 ほかにいかがでしょうか。野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー 御説明ありがとうございます。
私もALSの当事者の方でとても魅力的な社会活動をしている方を何人か知っていまして、ALSの方の社会に与える、特に若い人たちに与えるインパクトは、とても大事だと思っているのです。ただ、今、人工呼吸器をつける方というのは3割ぐらいですか。つけない方のほうが多いのですね。ヘルパーさんの確保がとても重要になってくると思うのですが、ヘルパーの単価だけでなくて、ヘルパーさんの確保の方策というのは、何か考えられていらっしゃることはありますか。
○日本ALS協会 ヘルパーさんの確保はなかなか難しいところであります。ヘルパーさんが安心して働けるような制度をつくっていただきたいというのが一つですけれども、当然ながらALS当事者、支援者としても、四肢麻痺の方、人工呼吸器の方をサポートするということが逆に自分の成長にもなるのだという視点で少しでも関心を持って、我々と一緒に活動していただければと思っております。
○野澤アドバイザー あともう一つ、医療、人工呼吸器とかによって長く生きられるようになったし、介護の体制が整えば、家族なしでも生活できるようになる。ただ、京都の事件を見ても、心の問題をどういうふうに支えていくのかというのを今、突きつけられているような気がするのですね。これまだ社会保障というと、現金の給付か、医療や介護サービスの給付が中心でしたけれども、なかなか心のケアのところまで手が伸ばせていないですね。この辺り、ちょうどこういうタイミングですので、何か新しいそういう提案というか、あれがあるといいなと思っているのですが、協会として今回の事件において何か考えられている、議論されていることはありません。
○日本ALS協会 今回の京都の事件は、我々も非常にショックを受けております。事件自体もそうですし、御本人のそういう意思があったこと、それを東京と仙台の医師が診療もせずに薬を入れて殺害してしまったこと、非常に残念だと思います。
我々としてやれることというのは、亡くなられた方のブログとかを少し読ませていただきましたが、どちらかというと自分ができなくなったという視点で自分の人生を考えられたのではないかなと思います。ただ、我々の会長、いろんなALSの患者さんを存じ上げていますが、一度全てを失った後で自分の別の人生を築き上げて、それから世の中に貢献するという活動をされていますので、例えば今後不幸にして罹患される方々に、そういう視点で見るようにというようなアドバイス等々をしていけたらと思っております。
○野澤アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 嶋守様、お願いします。
○日本ALS協会 先ほどの就労の件に関して、嶋守のほうから。就労のヘルパーの付添いは月60万になります。雇用主には無理ですというお話がありました。
以上になります。
○竹内障害福祉課長 そのほか、いかがでしょうか。
それでは、一般社団法人日本ALS協会の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、一般社団法人全国重症心身障害日中活動支援協議会より、末光茂様、木村真人様、よろしくお願いいたします。
○全国重症心身障害日中活動支援協議会 御紹介いただきました会長の末光から歴史的経過と当面の課題について、少しお話を申し上げた上で、事務局長の木村さんから要望内容の説明をさせていただきます。
昭和42年、重症心身障害児・者のための入所施設が医療機関であり、かつ児童福祉施設としてスタートし、53年がたちます。当時、全国1万7000人の重症児を救い、家族を守るには、全ての重症児1万7000人分の入所施設をつくる。重症児全入が家族の悲願であり、国の目標でもありました。それを大きく変えたのが昭和54年の養護学校義務設置でした。在宅の重症児と家族に希望と勇気をもたらしました。
それだけに、義務教育終了後の日中活動の場をとの声を受けて、平成元年に全国5か所で、国は重症心身障害児施設併設の重症児通園モデル事業をスタートさせたのであります。その際、ただ単に昼間を過ごす場としてだけではなく、障害の軽減と一人一人に即した日課の提供にチャレンジいたしました。しかし、定員15名の重症児に対して7名の職員配置という厳しいものでした。そこで、看護師や各種訓練士の確保、通園手段の提供には年間1000万円~1500万円の持ち出しを余儀なくされたのであります。
最近では超重症児、準超重症児だけではなく、障害が軽いか、ほとんどないけれども、医療ニードが極端に重い医療的ケア児が法の谷間に残されていることから、その受入れにも努力をいたしております。しかし、現在の報酬はまだまだそれらに適したものになっておりません。どんなに障害や医療ニードが重くても、地域で安心し、輝いて暮らせるような制度。それも大都会だけでなく、地方都市、そして人口過疎の地でぽつんと暮らしている医療的ケア児も漏れなく受け止められる体制にしていただく。そのためにもう一頑張りの対応をぜひともお願いする次第であります。
○全国重症心身障害日中活動支援協議会 それでは、私から意見のほうを説明させていただきます。資料の4ページです。当協議会では報酬改定前年度に障害福祉サービス等経営実態調査に準じた調査を実施しております。その結果、平均収支差率は前回調査からは大きく改善しておりますが、それでもなお平均3.7%の赤字です。
5ページです。この調査結果を踏まえた上で意見を申し述べたいと存じます。意見概要は御覧のとおりですが、時間の関係上、主に視点1と2に絞って説明させていただきます。
6ページです。1点目は、医療的ケアに対する評価の見直しです。看護職員加配加算は、その算定要件が厳しいために、当協議会ではその算定は17.8%にとどまります。
1ページ飛ばして8ページです。特に注目していただきたいのは、看護職員加配加算を算定している事業所の収支です。加配加算を算定している事業所ほど、さらに多くの医療的ケア児を受け入れており、収支が厳しい現実があります。看護職員加配加算は、その算定要件、加配上限人数を含めて大幅な見直しが必要です。
参考までに9~11ページに私どもが考える当該加算の見直し案を掲載いたしました。
12ページです。2点目は児童発達支援の定員区分による報酬低減の見直しですが、次の13ページを御覧ください。重症児対象事業は、最少定員5人の場合は実態に即した報酬が設定されていますが、定員が1人増すごとに報酬は低減し、11人以上になると60%以上の減になります。
14ページ。この報酬低減が収支に与える影響です。表6の全体126事業所とそのうち児童を受け入れている表7の73の事業所を比較してみますと、定員11人以上の事業所で5%、定員21人以上では7%も収支が悪化しています。特に定員11人以上の事業所は、その地域において重症児在宅福祉の中核を担っている事業所が多く、赤字になるからといって児童の利用を制限できる状況にありません。定員区分による報酬低減の見直しを切にお願い申し上げます。
15ページ、3点目は児童指導員等加配加算の拡充ですが、次の16ページを御覧ください。重症児対象事業の報酬低減は、その人員基準に深く関連しています。すなわち、定員が5人であれ20人であれ、配置基準は責任者1、看護1、保育士等1、機能訓練1の合計4人です。定員にかかわらず、おおむね1:1の人員を配置している実態を踏まえ、定員5人を超える事業所には2人目ないし3人目の加配が必要です。
18ページ、4点目はサービス内容や利用者の受益とその負担に見合った加算の拡充です。例えば重症児者の送迎には複数の添乗職員が必要な場合が多く、乗降介助も医療的ケアも必要でない短期入所の送迎よりは明らかに多くの費用を要しています。
20ページです。特に成人された重症者の場合は、自宅での入浴が物理的に不可能な場合が多く、入浴サービスのニーズは切実ですが、報酬上の裏づけがないため、入浴サービスを提供してもしなくても同じ報酬です。送迎や入浴など、事業所の負担が大きければ大きいほど重症児者及び御家族の受益も大きくなります。この負担と受益に見合った報酬の改定を切に望みます。
21ページ、5点目は事業区分として重症者対象の生活介護の創設ですが、22ページを御覧いただきたいと思います。現行の生活介護の報酬体系は、障害支援区分が6であれば、重症心身障害であっても、独立歩行が可能で嚥下障害のない知的障害であっても同じ報酬です。このため、おおむね1:1のケアを要する重症者の割合が高くなるほど事業所の赤字が増大する傾向があります。
23ページです。現行制度に基づき重症者対象の生活介護の定員を5人にするには、障害児通所支援の基準省令に基づき、児童発達支援等の指定を受けた多機能型でなければなりません。この制度体系を理解していない自治体から適切とは言えない指導が繰り返されています。事業区分として重症者対象の生活介護を創設し、児童発達支援の指定を受けなくても定員5人を可能にすることが必要です。
24ページ、最後の意見は、手厚い人員を配置している実態に即した重症者対象の生活介護における看護職員や生活支援員の加配加算です。
25ページです。例えば看護職員を複数名配置したとしても、常勤看護職員配置加算は人員の上乗せ加配ではないので、その報酬額は5人定員の場合には加配加算の14分の1以下であり、赤字を解消できないのが現実です。
26ページです。重症者対象の生活介護は、定員20人以下の報酬単価が同一のため、成人のみを受け入れている事業所では規模が小さいほど収支が厳しく、今回の調査では最大の14.4%の赤字となっています。重症児者が身近な場所で安心して通所できる体制を整備するためには、規模の小さな事業所の安定した運営、経営が不可欠です。
なお、27ページに重症児者対象事業の定員と報酬の関係をグラフに表しました。これを見ていただくと、局所的に大きな赤字が発生している原因を視覚的に御理解いただけるのではないかと存じます。
時間となりましたので、以上で終了させていただきます。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いいたします。田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 御丁寧な御説明ありがとうございました。
見直し案の1と2、スライドでいきますと10ページと11ページになります。11ページ、せっかく平成30年に看護職員の加配加算のシステムができたのに、これが現場ではうまく活用されていないということで、大幅な見直しが必要だという御意見。私ももっともだと思うのですけれども、以前から末光会長は、見直し案2のところにある「16点以上の障害児については2人分、24点以上は3人分として算定すること」ということをおっしゃっておられて、なるほど、なるほどと思って聞いていたのですが、今回の見直し案1と2では、1のほうで判定スコアで8点以上で400単位、判定スコアで16点で600単位、判定スコアで24以上で800単位となりますと、先ほどの16点以上の障害児については2人分、24点以上は3人分という計算とは少しずれるのではないかと思うのですけれども、この2つの見直し案について、それぞれいい点、悪い点、もしくは実現可能性のある点、厳しい点ということについて御説明いただければ、ありがたいと思います。
○全国重症心身障害日中活動支援協議会 御質問ありがとうございます。
見直し案1と2の一番の違いは、見直し案1の場合には、医療的ケアの人が1人でも2人でも医療的ケアそのものを評価して加算ができるという点でございます。見直し案2のほうが、医療的ケアをたくさん受け入れているところは若干有利になります。私が所属している法人4か所でこれを試してみたところ、やはり医療的ケアの人をたくさん受けているところは、見直し案2のほうが収支が改善いたしますが、しかしながら、これでもなお黒字化した事業所はございませんでした。
また、見直し案1の8点以上の人が400点というのは、今の定員5人の看護職員加配加算が、1人加配するために1人当たり400点ということがあるので、そこを基準にしたということで、こうすると実態に即しているというのではなくて、今の基準に合わせて設定したということでございます。
以上です。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、一般社団法人全国重症心身障害日中活動支援協議会の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会より、茶圓光彦様、長井浩康様、よろしくお願いいたします。
○全国重症心身障害児(者)を守る会 全国重症心身障害児(者)を守る会の常務理事の茶圓と申します。よろしくお願いいたします。なお、私自身が障害者の親でございます。
私たちの会は、重度の肢体不自由と重度の知的障害を併せ持った重症心身障害児者の親の会でございまして、「最も弱いものをひとりももれなく守る」という考えの下に活動をいたしております。
本日は、利用者の立場からサービス利用の困難性を解決していただくための4点のお願いと、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるための3点のお願いをいたします。
私たちの子供は、行政の皆様の支援なくしては生命の維持、日々の生活が成り立ちません。本日のお願いも全国の親の切実な声を集約したものです。お聞き届けくださるようにお願い申し上げます。
詳細につきましては、理事の長井から説明いたします。
○全国重症心身障害児(者)を守る会 説明資料の3ページを御覧いただきたいと思います。その詳細につきましては4~9ページにございますが、時間の関係から3ページの概要版で御説明申し上げたいと思います。視点が1から4までございます。視点1につきましては、私たちは利用者の立場でございますので、申し上げることはございません。
視点2につきまして、4点ほどお願いしたいことがございます。1点目でございます。短期入所施設の利用でございまして、介護者の急病や葬祭など突発的な事態のときに短期入所の利用が必要になってまいりますが、これが非常に困難な状況にございます。当会の東京都支部が行いました調査の速報値を見ましても、年齢層で18歳から20歳ぐらいのお子さんのいる家庭では、約6割の人が「本当に緊急時には使えない」と回答しております。
報酬改定におきましては、緊急時短期入所受入加算が設けられました。加算の単価が約3,000円となっておりますが、この水準でのインセンティブが働いていないのではないかと思われます。せめて50%の上乗せをしていただきまして、緊急時の短期利用ができるような仕組みを構築していただきますようにお願いいたします。
2つ目でございます。強度行動障害者に対する支援です。私どもの会の会員には強度行動障害のある方の親も入っております。本来でありますれば、私たちは重症心身障害者の親の会でございますが、強度行動障害に特化した専門の施設体系が必要だと考えますが、その体系がないために、今、経過措置により従来から療養介護を利用していた方は、そのまま利用できるようになっております。しかしながら、新規に障害支援区分の判定を受けた方で療養介護の対象にならない方がいらっしゃいます。特に医療が必要な方については、療養介護の対象としていただきたく、お願いしたいと思います。そのためには、強度行動障害に対する支援実態など、厚生労働省主導で調査していただく必要があるのではないかと考えています。
3つ目は、重度訪問介護の障害児が入院したときの利用についてです。平成30年の改正で重度訪問介護につきましては、「訪問先の拡大」として、医療機関に入院した最重度、これは大人の方になりますが、利用者の状況などを熟知しているヘルパーを引き続き利用し、そのニーズを的確に医療従事者に伝えるなどの支援を受けることができます。障害児におきましても同じニーズがありますので、大人だけではなくて、最重度の児童も対象としてくださいますようにお願いいたします。
4つ目、通所の欠席加算でございますが、前回の改定で月4回から8回に改正していただきました。しかし、私どもの法人が運営するあけぼの学園という通所施設が、幾ら頑張っても44%の欠席率がございます。経営実態調査をしていただいていると思いますが、欠席率を見越したサービス単価としていただくようにお願いしたいと思います。これは視点3の持続可能な制度に関係してまいりますが、視点3の資料は私どもの8ページの資料に書いてございますが、利用者としては事業所を増やしていただくのが本来のお願いになりますが、報酬単価が低いと、事業を撤退する事業所が出てくるのではないかという危機感がございます。特に看護師などの医療職や、保育士などの福祉職を求めましても人材の確保に窮しております。報酬の多寡は障害福祉制度の存続に関わると思われます。
視点3の目的というのは、財政をいかに縮減させるかというのがテーマだと思うのですが、利用者の団体としては、できるだけの範囲で自助・共助の精神で頑張りたいと思いますが、本当に必要なときには公的サービスに頼ることになります。
地域の相談支援を充実していただきまして、自助、共助、公助のバランスが必要だと考えます。
最後に、視点4の新型コロナウイルスの関連でございます。厚生労働省におきましては、新型コロナ対策につきまして微細にわたり対策を取っていただいており、大変感謝申し上げております。
9ページに3つほど掲げさせていただきました。1つ目は、通所事業において3密を避けるために利用者を半分程度に制限する必要があります。その分職員を半減するというのは現実的に無理があります。事業所は除菌は当然でございますが、利用者同士の接触を避けるなどの工夫をしております。そのための人員も必要になってまいります。これを勘案し、例えば一定期間報酬を2倍にするなどの特例を設けて、安定的に事業が継続され、今後とも私どもが安心して支援が受けられる措置を講じていただくようにお願いしたいと思っております。
2つ目、通所事業の代替支援です。障害児者は感染によりまして命に直結してまいります。家族や職員が大変気を遣っているところでございますが、事業所に来なくても電話とかウェブを使った支援を行うことによりまして、自宅から外に出ることが出来ない重症児者と事業所がつながっていくことが大切だと考えております。そのため、コロナ禍が終息するまで特例を継続していただきますようにお願いいたします。
3つ目、感染予防対策費用を報酬に上乗せしていただきたいと思います。また、マスクや消毒液等の衛生用品の優先供給も引き続きお願いいたします。
以上よろしくお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問等があればお願いいたします。石津アドバイザー、お願いします。
○石津アドバイザー 御説明ありがとうございました。
大変困難な中、大変なお仕事、活動をされていらっしゃるというお話を伺わせていただいたところです。そういった中でお伺いするのは大変恐縮なのですが、視点3のところについてです。おっしゃいましたとおり、予算を縮減させるといいますか、そういったところのアイデアなり何なりをお聞かせいただきたいなと思いながらお話を伺ったところですけれども、先ほど自助と共助ということから地域の方向性ということをおっしゃっていたと思いますが、もうちょっと具体的にどういったことを回していくと予算の縮減のほうにも、あるいは向かっていくようなことを考えられるということを意味されているのか教えていただけますか。
○全国重症心身障害児(者)を守る会 御質問ありがとうございます。
私どもは親の会でございますから、できるところは自分たちでやりたいと思っております。例えば送迎ができないところは、自分たち、親でもって送迎をすることも頑張っておりますけれども、やはり公的サービスに頼らなければいけないところもございます。ただ、公的なサービスだけではなくて、インフォーマルな支援を地域地域で相互扶助として構築していただければ、大変すばらしい地域社会になるのではないかと思います。公的サービスを使わないようにできるだけ地域の支援を受けながら、自分たちでも頑張って生活していける社会であれば望ましいと考えております。
以上です。
○竹内障害福祉課長 橋本アドバイザー、お願いします。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
今のお話に引き続きですけれども、自助、共助、公助の調和を図るというところに相談支援などを通じてというふうに御説明がありましたが、これは基幹相談支援センターなのでしょうか。それとも計画相談なのでしょうか。どのような相談支援に役割を求めているのか、お聞かせいただければと思います。
○全国重症心身障害児(者)を守る会 相談支援事業が地域地域にあると思いますので、そこでただ単に公的サービスを提供する、アドバイスをするだけではなくて、インフォーマルな支援について話し合う場が設けられ、話し合われた事が活用できるようになれば望ましいと思います。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、公益社団法人日本重症心身障害福祉協会より、児玉和夫様、関谷和義様、よろしくお願いいたします。
○日本重症心身障害福祉協会 よろしくお願いいたします。日本重症心身障害福祉協会を代表いたしまして、理事長である私、児玉が御説明させていただきます。
日本重症心身障害福祉協会は、全国で106の法人及び団体が属しておりまして、135の施設がその中で運営を行っております。1万3000人ぐらいの重症心身障害児者を施設入所としてお世話をさせていただいております。ただし、今、18歳未満は医療型障害児入所施設、主に重症心身障害という区分でありますし、18歳以上は療養介護サービスという形でサービスを提供させていただいて、私どもはその児と者を一体となって運営している施設が多いもので、重症心身障害児者施設という形でくくらせていただきます。
今までそういう重症心身障害児者をお世話するということにつきましては、厚生労働省からも多くの支援を頂きまして、今、入所している方々は、超重症と言われる呼吸器をつけたような方々も含めてたくさんの方々のお世話をさせていただき、その面での支援はたくさん受けてきたと思いまして、感謝をしているのでありますけれども、この10年ぐらいその構造が大きく変わってきました。
重症心身障害児者と言いましても、資料10は最近行いました千葉県におきまして重症心身障害児者の実態について調べた貴重なデータでございますが、上のほうの表が重症心身障害児と言われる子供たちが児童の中でどれぐらいの割合を占めているのか。それが右に行って、者になるとどれぐらいの割合を占めているのか。年齢的な分布を調べておりますけれども、その中では、児童の中においては人口の1,000人当たり0.7とか0.8という比率ですが、30歳、40歳を過ぎますと、0.2とかそういうふうに下がってきます。圧倒的に小児の時期はこういう重症障害児の比率が大人に比べると多いわけです。
その下です。では、その児はどういうふうに生活しているかというと、圧倒的な数は在宅でございます。広く言えば在宅、地域での生活でございまして、大人になってからだんだん施設入所が増えてくるということで、今や重症心身障害児者、特に児についてのサービスは、施設入所をもっては全てをサービスし切れない。この在宅の方々に対して、私たちはどういう支援をしなければいけないかという境目に来ております。
3ページに戻ります。今回私どもがお願いするのは、大きく分けますと重症障害児者、医療的ケア児者の医療型短期入所の拡充についてということと、新型コロナウイルスに関係したことに大別されますが、特に前半につきましては、この10年来、私どものサービス、あるいは重症心身障害児者のこれからの生存ということは、地域についてのサービスを抜きにしては語れない。私どもの施設の多くは、今まで入所の方を中心にやってきましたので、入所の方につきましては、そのまま私どもがサービスをしながら続けていけば、施設の収入、支出という運営面でも安定してきております。
しかし、こういうサービスを短期入所を中心としまして、通所もありますけれども、地域に拡大すればするほどその基盤は非常に脆弱なものになってきます。私どもの施設の中では短期入所について、非常に多くの方を受けているところもありますが、そういうところほどこれからのいろんな不安定な状況に面しますと、運営上も大きなダメージを受けますし、特にコロナの中においては大きなダメージを受けております。これからの2~3年を通じまして、厚生労働のいろんな仕組みの中におきましても、この短期入所というのを重症障害児者のサービスの中心に据えて検討していただきたい。
そういうことで、具体的提案として10番までまとめてありますけれども、この10番までのまとめは、私どもも中心的なメンバーとして加わっておりますが、関連する多くの法人、団体、事業及び日本小児神経学会であるとか、いろんな学会も含めて協議を進めておりますので、いずれ全部がまとまった形でお願いすることになると思いますが、そこに10番までまとまっている中で、1番、医療型短期入所サービス費基本報酬の増額。
有床診療所での医療型短期入所における看護師配置への配慮。私ども施設だけが全部をカバーするわけにはいきませんので、地域におきまして開業している先生方、あるいは小規模な病院等々がこういう短期入所に乗り出してくださってきています。しかし、そういうところで夜勤の看護師を増やそうにも、そういうものの見返りがないということ。
3番目に、移動可能な医療的ケア児者。重症障害と言いますと、座位レベルまでの、要するに、運動面ではほとんど動けない方々を前提としておりますけれども、今、小児の中で困っているのは、例えば呼吸器をつけたまま歩ける方とか、そういう方を救う道がないわけでございます。そういう方々も重症障害児者に準じた形で私たちのサービスを広げたい。
短期入所の一番の問題点は、いろいろ組んでもキャンセルが非常に多いとか、そういうことで、10名枠で組んであっても、平均すると7名とか6名になってしまう。そういうキャンセルの補充。
緊急短期入所。緊急受入れというのは非常に大事なのですけれども、これに対しての見返りが不十分。
日中活動への加算。日中活動というのは、短期入所は、今までは御家庭の、特に一番大変な思いをされているお母さんのほうが多いですが、親御さんを休ませるための短期入所と言われていましたけれども、今や子供たちがそこで生きていくということが前提で、そうすると、短期入所においてもその子のためにならなければいけない。ためになるということは、単に医療的なベッドを提供するだけではなくて、いろんな療育的なサービスを行わなければいけない。しかし、それは今までの報酬の中には組み込まれていないわけでございます。重症障害児者の入所におきましては、診療報酬として医療面での請求ができるとともに、福祉サービス費というのが出ているわけです。そういうことを見込んでほしいということ。
超重症児者の入浴対応加算。お風呂に入れるのが大変なのです。呼吸器の方などはドクターがバギングしながら入れたり、そういう大変なことに対して、やはり見返りが欲しいということ。
送迎加算の充実。送迎は、都市部であるとか、田舎であるとか、条件によって非常に違いますので、一律とは申しませんけれども、送迎に頼っている方々に対しては、これは効率が非常に悪いのです。通所であれば一遍に3人、4人を乗せるということができますが、短期入所では1人をお迎えして、1人をお送りするという形になってきますので、その点が十分できるような加算ということ。
9番目はユニークですけれども、次子出産支援に対する加算の新設。これは次の子供を産みたくとも産めないという御家庭がたくさんあるわけです。そういう方々を支援するために、お産ですから予定日がありますけれども、予定日はしばしばずれます。その間を私たちはベッドを用意してお待ちしていますし、お産の前後が長引く場合は月を超えることもありまして、そうすると、普通の受給者証にありますように月何日ということを超えてしまいます。それから、お産の場合におきましては、お産の後に帰っていくところの、障害を持ったお子さんと赤ちゃんを育てるためにどうしたらいいかという協議も必要です。これは非常にユニークな、しかし、非常に感謝される項目です。
10番目は、高度な医療に対する事業所への報酬の新設でございます。私どもの施設は病院でありますので、多くの医療的な対応はできますけれども、しかし、それをもってしても対応し切れないような医療を抱えた方々がおられます。心臓の病気をお持ちであるとか、透析が必要であるとか、そういう方々をお受けできるような病院となりますと、総合病院であるとか基幹病院であることになりますが、そういう基幹病院が地域のためにセクションを設けてサービスをしますよというときには、それに対しての見返りがないと、どの病院も踏み切れない。
1番から10番までを含めて、これが来年すぐに全部が解決するという形には思えませんけれども、基本的な見通しを立てたこれからの短期入所こそ、特に小児期における、特に医療的ケアを抱えた重症障害児のサービスの基本であるということをもって、来年度辺りぐらいから本格的な仕組みを考えていただきたいと思っております。それが私どもの短期入所についてのことでございます。
次に、新型コロナ感染対策における減収と、入所者を守り、地域支援も可能にする整備費等への支援の要請という形に移ります。いろんな表を掲げておりますが、13ページは、特に今年の緊急事態宣言が出される前後ぐらいの段階では、私どもの多くの施設は短期入所をストップしております。それから通所も削減しております。そういうことを行っております。そのためによる減収ということで、額としては非常に大きな施設もありまして、短期入所をたくさんしているところほどそうなりまして、最高のところでは5000万円ぐらいの減収になっているところもございます。もちろん、短期入所をあまりしていない施設はそういうところの影響は少ないのですが、問題はこれからでございます。こういう大きな減収をどう補うかということが1つでありますけれども、しかし、ストップしているわけにはいかない。地域のために尽くすためには、我々の施設を改修・改造、あるいは人員配置しても地域のためにオープンしなければいけない。私どもは今のところそういう方向に全国の施設が向かっております。
そのためには施設の改修も必要でありますし、装備もありますし、それから医療的なスタッフの配置もそうですし、何より問題なのは、私どもが医療機関であるために、抱えている方々が重症障害であるために、感染がある方、では、ほかの病院に移りましょうというふうには恐らくならないのではないかと思います。大きな病院に附属している施設ならまだいいのですけれども、そうでないところは、それぞれの施設で見てくださいということになると思います。そうすると、私どもの施設の多くは、もし感染者が出た場合、自分のところで抱え込む覚悟を持っています。しかし、抱え込む覚悟を持つからには、それなりの見返りをぜひ保障していただきたいということで、その見返りの中にはいろんな装備等への補助もそうですが、多くの場合は、多人数部屋を個室にするとか、そういう改修が必要であるのと、それから環境を整えるという意味で陰圧室を設けるとか、それから健常な感染していない方々、あるいは外来の方々と区別するために、セクションを分けて別の病棟をつくるとか、それから廊下を分けるとか、そういうことの投資が必要に大事になってきます。
今まで第1次補正予算でそういうことの幾つかは盛り込まれていることは承知しております。それは非常に感謝申し上げますが、これから先の出方によっては、どれぐらいお金がかかるか全く分からないわけでございます。それに検査の問題もあります。今、PCRのことが非常に話題になっておりますけれども、今、私どもは、保健所経由でPCRを出して、2~3日待ってという余裕がございません。自分の施設で抱え込むからには、自分のところが医療機関として、コロナの感染を受け入れる病院として登録していなければだめだよということで、今、いろんな規制がございます。PCRを出すにしても。
その中で、そういう感染者を抱え込む施設であるならば、コロナウイルスの感染者を受け持つ施設として、準じてみなしてもいいという形で、いろんな補助であるとか、あるいは検査を出してもいいとか、それを保険診療できるとか、そういうことについてぜひバックアップしていただきたいと思っております。これからどういう状況になるか分かりませんので、何を、どういうお金をどれだけ頂きたいということではまとめられませんが、ぜひその点での御配慮をよろしくお願いいたします。
以上、少し時間が長引きましたけれども、よろしくお願いいたします。
○竹内障害福祉課長 どうもありがとうございました。
それでは、御意見に対しまして、アドバイザーの皆様から御意見・御質問があればよろしくお願いいたします。田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 詳しい御説明、どうもありがとうございました。
特に今日お話しされたこれからの重症心身障害児者のサポートのためには、医療型短期入所の拡充がキーになるということに関しましては、私も全く同じ意見でございます。
ここに挙げておられます理事長が調査された千葉県の独自の調査のほかにも、厚労省が令和元年度の調査として医療型短期入所に関する実態調査をして、その事業報告をしておりますけれども、そこで挙げられた課題に対して一つ一つ丁寧に解決案を提案されているのではないかと読ませていただきまして、非常に感動しております。
私の今日の質問としましては、9ページのところで、これからの少子化対策にも結びつけようという非常に大きな将来性を見据えた御提案をされておられますが、10のところで「高度な医療に対応する事業所への報酬の施設」ということで、高度医療対応型類型という条件がかなり厳しい3つの条件、24時間救急に対応する手厚い医療体制、重症度の高い医療的ケア児者を一定割合で受け入れる、移動可能な医療的ケア児者も排除しない事業。その3つの条件を備えた場合に、高度医療対応型類型として医療入院に匹敵する報酬を保障するということを提案されておられますが、こういう3つの条件をカバーできるような施設は全国では何か所ぐらいおありだと推計されておられるでしょうか。
○日本重症心身障害福祉協会 実際今、こういう形で運営していて、要望が出てきた代表は、国立成育医療センターにありますもみじの家です。そこは背景が国立成育医療センターなもので、それこそ高度な医療で、そこで福祉サービスとしての医療型短期入所を行った場合は、これだけのことが必要でということですけれども、現実におきましては全国の病院でそういうことを行っているところが幾つかはありますが、残念ながら福祉サービスとしては行っていなくて、医療入院としては行っていて、医療入院の中で診療報酬で取れるものをたくさん取っていく。残念ながら福祉サービスの中で行った場合は取れない報酬がたくさんありますので、そこで成り立たせているということで、それを福祉サービスのほうでも成り立たせてもらって、その道に入ってもらうためにはこういう配慮が必要ということになってきます。
私ども大阪の例でいきますと、高槻リハビリテーションセンターなどは、本当に総合病院として立派にやっておられるのですが、そこではほとんどの方が医療入院という形で行っています。医療入院がいいという道もあるかもしれませんけれども、先ほど述べましたように、入った方々への福祉サービスも含めて、こういうものを新しくセクションとして出してもいいのではないか。今までそういうことを福祉サービスで行っているところは、今のところもみじの家でございます。
○田村アドバイザー ありがとうございます。
私も病院の中で一般診療として入院させるということに関しては、医療的ケアの“医療”の面だけでは高度な医療を保障できますけれども、ここで理事長が上げておられる、“日中活動”ということに関しては、一般の病院ではなかなか難しいことなので、そういう施設を高度医療対応型類型という形で新しく区分分けして、それで高度医療的ケア児も日中活動を受けながら入院できる、短期入院できる、そういう施設があるべきだと思いますので、これからもぜひ御尽力いただければと思います。
どうもありがとうございます。
○竹内障害福祉課長 そのほかにいかがでしょうか。佐藤アドバイザー、お願いします。
○佐藤アドバイザー 質問ではないのですが、今般の新型コロナ感染症に関わって、いかに病院が緊迫した状態にあるのかということを非常によく理解させていただいたと思います。収入が減る中で、感染症対策として様々な経費がかかるという状態で、今、何ができるのかというか、つまり、診療報酬体系の問題ではないと思うのですけれども、それ以外のルートで、医療の関係の機関に少なくとも今よりは安心してそのような改修とか対策を立てていただくために、今、緊急で何が必要なのかということがありましたら、教えていただけますでしょうか。
○日本重症心身障害福祉協会 ありがとうございます。
これは全国の地域によって全く異なってまいります。私は今、理事長職ですが、私がもともと勤務しているところは大阪・堺市ですけれども、その周りにある基幹病院と重症障害の受入れについて今、協議をしておりますが、協議が成り立って受入れ可能であるというところにもってきましても、感染が非常に爆発的になった場合は、そのベッドは全部占められてしまうかもしれません。その場合には私どものスタッフが出向いてとか、あるいはいろいろ協力し合いながらほかの病院で診るとか、いろんな協議をしなければいけません。ですから、それは地域によってどういうものを構築するかというのは違ってくると思いますけれども、少なくともそこで経費が発生することにつきましては、積極的に重心施設、重症障害施設もコロナの病院の一つであるということをもってバックアップしていただきたいとは思っております。
○佐藤アドバイザー ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 そのほかはよろしいでしょうか。
それでは、公益社団法人日本重症心身障害福祉協会の皆様、どうもありがとうございました。
○日本重症心身障害福祉協会 ありがとうございました。
○竹内障害福祉課長 本日予定している議事は以上で終了となります。
次回の検討チームは8月27日木曜日の14時より、本日と同様のオンライン会議にて開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれで閉会いたします。
お忙しいところ、誠にありがとうございました。