社会福祉法人の経営組織

社会福祉法人の各機関

 社会福祉法人の経営組織は業務執行の決定機関である理事会、法人運営に係る重要事項の議決機関である評議員会、理事の職務執行の監査を行う監事(一定規模以上の法人が必置となる会計監査人)で運営されています。

理事、監事、会計監査人、評議員と法人との関係

社会福祉法人の経営組織

評議員・評議員会

 評議員会は、法人運営の基本ルール・体制を決定するとともに、役員の選任・解任等を通じ、事後的に法人運営を監督する機関として位置付けられています。従来の評議員会に対し諮問されていた業務執行に関する事項についての意思決定は理事会で行うこととなり、評議員会の決議事項は法に規定する事項及び定款で定めた事項に限定されています(法第45条の8第2項)。
 なお、法律において評議員会の決議を必要としている事項について、理事、理事会その他の評議員会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、効力を有しません(同条第3項

理事

  1. (1)理事長の職務及び権限等
    理事長は、理事会の決定に基づき(法第45条の13第2項第1号)、法人の内部的・対外的な業務執行権限を有する(法第45条の16第2項第1号)。対外的な業務執行をするため、法人の代表権を有します(法第45条の17第1項)。 理事長は、3か月に1回以上(定款で、毎会計年度に4ヶ月を超える間隔で2回以上とすることが可能)、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければなりません(法第46条の16第3項)。※業務執行理事も同様です。
  2. (2)業務執行理事の職務及び権限等
    理事長以外にも社会福祉法人の業務を執行する理事として業務執行理事を理事会で選定することができます(法第45条の16第2項)。業務執行理事は、理事長と違い代表権はないため、対外的な業務を執行する権限はありません(法第45条の17第2項)。
  3. (3)(1)及び(2)以外の理事の職務及び権限等 理事長及び業務執行理事以外の理事は、理事会における議決権の行使等を通じ、法人の業務執行の意思決定に参画するとともに(法第45条の13第2項第1号)、理事長や他の理事の職務の執行を監督(同項第2号及び第3号)する役割を担うこととなります。

監事

 監事は、理事の職務の執行を監査するために、監事には各種の権限が付与され、また義務が課されます。監事が複数いる場合でも、その権限は各監事が独立して行使でき、義務は各監事がそれぞれ負います。

理事会

理事会の権限等

  • 理事会は、全ての業務執行の決定や理事の職務執行の監督を行うこととなります。
  • 法律又は定款に定める評議員会の決議事項以外の事項については、評議員会に諮る必要はありません
  1. (1)理事会の職務
  2.  (ア)業務執行の決定(法第45条の13第2項第1号)
  3.  (イ)理事の職務執行の監督(法第45条の13第2項第2号)
  4.  (ウ)理事長の選定および解職(法第45条の13第2項第3号及び同条第3項)
  5. (2)理事に委任することができない事項
  6.  ・社会福祉法人においては、重要な財産の処分及び譲り受け等、法第45条の13第4項各号に列挙されている事項についての決定を理事に委任することができないこととしています(同条第4項)。これは、一部の理事による専横や複数の理事が法人の運営を巡って対立し、それぞれ独自に決定するといった混乱した事態が生ずるのを避けるためです。

役員等の兼務について(特殊関係含む)

 評議員、理事、監事、会計監査人は兼務することができません。また、親族等の特殊の関係のある者の選任についても制限があります。

PDF:(役員等の兼務)[240KB]