2020年7月21日第10回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

 

 

1.日時 令和2年7月21日(火)14:00~17:00

2.場所 オンライン会議(TKP新橋カンファレンスセンター ホール14E)

3.出席者
井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、小川アドバイザー、小船アドバイザー、佐藤アドバイザー、橋本アドバイザー、野澤アドバイザー、田村アドバイザー、平野アドバイザー、橋本障害保健福祉部長、野村企画課長、源河障害福祉課長、佐々木精神・障害保健課長、本後障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、米澤障害福祉課長補佐、猪狩障害福祉課長補佐、公益社団法人 日本精神神経科診療所協会、特定非営利活動法人 全国地域生活支援ネットワーク、社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会、公益社団法人 全国脊髄損傷者連合会、一般社団法人 全国地域で暮らそうネットワーク、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会、全国自立生活センター協議会、一般社団法人 全国児童発達支援協議会、一般社団法人 日本自閉症協会
  
4.議題
(1)関係団体ヒアリング3
(2)その他
 
5.議事
○源河障害福祉課長 時間になりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第10回会合を開催します。
関係団体及びアドバイザーの皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、ありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議システムを活用しての実施とさせていただきます。
また、傍聴席は設けず、動画配信システムでのライブ配信により一般公開する形としております。
なお、アドバイザーの皆様にはオンライン会議にて参加いただいております。
本日のアドバイザーの皆様の出席状況ですが、石津アドバイザーにつきましては、所用により御欠席です。
また、本日はヒアリングを行うため、関係団体の方々にはオンライン会議での御参加、または会場にお越しいただいております。
ヒアリングは1団体ごとに行いますので、団体名及び御出席者につきましては、各団体からヒアリングを行う際に御紹介させていただきます。
それでは、議事に入る前に、お手元の資料の確認とオンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。
まず、資料の確認です。本日は電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。
本日の資料ですが、議事次第に続きまして、ヒアリング資料の1から9として、本日ヒアリングを行う各団体より事前に御提出いただいている「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定に関する意見等」の資料を用意しております。
資料の不足等がございましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの対応をお願いします。
次に、ヒアリングの進め方です。ヒアリングは1団体ごとに行い、まず意見陳述を8分間行っていただきます。4分を経過した時点でベルを1回鳴らします。8分を経過した時点でベルを2回鳴らしますので、その場合は速やかに意見をまとめてくださいますよう、お願いします。
意見陳述が終了しましたら、アドバイザーの皆様からの質疑応答を行います。質疑応答の時間は7分間です。御発言される場合は、通常の会議と同様に挙手をお願いします。発言者はこちらから指名させていただきますので、指名に基づき発言してくださいますよう、お願いします。
挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては挙手にて意思表示をお願いします。
なお、御説明については、こちらから事前にお伝えさせていただいております次の4つの視点を踏まえて行っていただきたいと思います。
1つ目の視点は、より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策・評価方法。
2つ目の視点は、地域において、利用者が個々のニーズに応じたサービスの提供を受けられるようにするためのサービス提供体制の確保に向けた課題及び対処方策。
3つ目の視点は、障害福祉サービス等に係る予算額が障害者自立支援法施行時から3倍以上に増加し、毎年10%弱の伸びを示している中で、持続可能な制度としていくための課題及び対処方策。
最後に、4つ目の視点は、新型コロナウイルス感染症による影響です。
以上の4つの視点を踏まえて、御説明をお願いします。
各団体における冒頭の撮影につきましては、会議の進行に支障のない範囲でお願いします。
それでは、早速ですが、関係団体の皆様から順次御意見を賜りたいと思います。
初めに、オンラインで御参加いただきます公益社団法人日本精神神経科診療所協会より、上ノ山一寛様、どうぞよろしくお願いいたします。
○日本精神神経科診療所協会 よろしくお願いします。上ノ山です。
公益社団法人日本精神神経科診療所協会からの意見を申し上げます。
次のページをお願いします。平成7年に設立して、現在は加盟団体数は地区協会が47で、会員数が1,686名の団体です。
次をお願いします。与えられた4つの視点に沿って概要をまとめてあります。
より質の高いサービスを提供していく上での課題等は1番、2番とありまして、1番は医療と福祉の連携が重要であるということです。これまでは、医療と福祉に関してはわざと違いを強調するような形での施策が進められてきたような気がするのですが、やはり改めて連携を強調していく必要があると考えています。連携という面では、介護保険との連携についても今後考えていく必要がある。
視点2としましては、サービス利用のためのアセスメントは片手間にはできないので、それをちゃんと評価していくべきであるということと、体験利用は重要ですので、それに対する評価をしてほしいということ。それから、期間限定のサービスが結構ありますので、例えば再チャレンジする仕組みが必要である。それから、短時間のサービスを認めていくということが重要であるということです。
視点3では、これを持続可能なものしていくためには、どうしても障害福祉サービスに営利産業が参入してきている面がありますので、専門性を担保するという形の枠組みが必要であろう。それから、ピアの積極的参加を認めていくということです。それから、就労を支援していく体制をつくっていくということ。
視点4として、新型コロナに関しては、経営的な影響がすごく大きいのですけれども、一方では、在宅ワークを進めている中で、新しい可能性が生まれてきている点について評価する必要がある。それから、災害に対する災害時の利用計画についても、それをあらかじめつくっていく必要があるということが概要です。
次をお願いします。医療と福祉の連携についてですけれども、精神障害は疾患と障害の両側面がありますので、これを包括的にやっていく必要がある。これまでは、医療と福祉に共通の言語が育っていないのが現状ではないかいうことで、以下の3点を提案しています。
1番は、相談支援事業所においては、医療と連携した計画相談を行う場合に評価する必要がある。少なくとも、支援区分認定の結果やそれに基づく支援計画は主治医に連絡する必要があります。これが現在はできていません。その上で、医療機関のPSWなどが参加したケア会議を開催したり、主治医との情報共有などによって、医療機関と連携して計画相談やモニタリングを行う場合には、それを評価する必要があります。また、医療機関への同行支援なども相談支援の利用者は結構ありますので、それに対する評価も必要です。
2番としては、医療機関の看護職員が事業所を訪問して看護を行う場合などでは認められていますけれども、それだけではなくて、障害福祉サービスにおいて、医療と連携した個別支援計画をつくっていく必要がある。具体的には医療機関のPSWなどが参加したケア会議を開催する、主治医との情報共有などを行う、医療機関と連携して個別支援計画をつくることによってそれを評価する。
これら2つのバックアップとして、医療機関においても障害福祉サービスの連携をするための評価が必要であるということです。
次は、同じようなことですけれども、質の高い相談支援事業(ケアマネジメント)が必要であるということです。
次をお願いします。サービスがつながってからの評価は結構多いのですけれども、サービスにつなげる前の支援が必要ですし、サービスがつながった後もそれを定着していくための支援が必要である。
とりわけ、サービスにつながる前の支援が重要である。精神障害の場合、自ら援助を求めなかったり、求める力の弱い人が多い。サービスにつなげていく支援は高い専門性が求められます。サービスにつなげていくための支援への評価が必要です。
また、一旦サービスにつながっても、中断してしまうことが多いので、サービスが定着していくための支援にも高い専門性が求められます。週1回以上の支援を行うような集中支援を行っても、現在の相談支援では評価されません。サービスにつながった後の丁寧な定着支援の評価が必要です。
それから、介護保険との関係で言いますと、認知症高齢者の領域で地域包括ケアが先行していますが、介護保険の領域と障害福祉の連携は必ずしもうまくいっていません。地域ケア会議では、精神科関連の問題が主要テーマとなることが多いわけですが、地域包括支援センターでは必ずしも適切に対処できていません。区分認定あるいはサービス内容、自己負担などの食い違いがたくさんあるのですけれども、それが介護保険優先ということで、一くくりにされてしまう。
ひきこもりの長期化、高齢化が問題となって、最近では8050問題として大きく取り上げられていますけれども、介護保険のケアマネジャーはこの問題に関してはあまり慣れていなくて、障害のある子供は入院させてしまえというような形の安易な解決策を求めることが多い。現行の介護保険の地域ケア会議に精神科医が関与することは、現在あまりありませんので、そのような現状です。それに対して、地域包括ケアを充実していくためには、ケアマネジャーの再研修が必要ではないかという提案です。
次をお願いします。
視点2ですけれども、サービス提供体制の確保に向けての課題ですが、サービス利用のためのアセスメントは丁寧に行う必要がある。アセスメントが大事と言うのですが、それのための評価が今のところは少ないということです。
例えば、就労経験のない方などが就労継続支援B型を利用する場合には、就労移行支援でのアセスメントが必要とされていますけれども、就労移行支援のプログラムを行いながら、片手間に就労継続支援Bの適性をアセスメントすることは無理です。そのために、アセスメントのための人材をそろえ、専門性を持ったアセスメント機能を持つ事業に対して別建ての評価が必要ではないかということです。
それから、体験を積極的に利用する必要があります。サービスを利用する前には不安や迷いが非常に生じやすくて、一旦利用を決めたとしても、一歩踏み出していくことにためらいを覚えることが多いわけです。体験を利用する方には格別な配慮が必要です。サービスの体験を利用して、それでサービスにつながっていくわけです。
日常のサービス提供を行いながら、体験者の不安や迷いに寄り添いながら情報提供を行い、関係づくりを行いながらサービスにつないでいくのは簡単な業務ではありません。サービスの体験利用を受け入れるためには、そのための人材と専門性の確保が必要です。サービスの体験利用に対して積極的評価が必要である。
それから、再チャレンジを勧める仕組みが必要である。これは先ほども言いましたけれども、期間限定のサービスなんかが終了してしまった段階で、次につながらないで閉じ籠もってしまう人が多い。そういうことで、再チャレンジを認めるという形が必要ではないかということです。
次は、短時間利用など、多様な働き方を評価する仕組みが必要です。就労支援B型の事業者では平均工賃によって報酬が算定されています。そのため、週1~2回とかの短時間の利用や不定期の利用などで辛うじて就労支援につながっている利用者を排除する動きにつながるおそれがあります。多様な働き方を受け入れていくために、算定対象から除外できる利用者の幅を広げていく必要があると思います。
次をお願いします。PSWなどの配置などを評価する専門性を確保するということは、障害福祉サービスに営利産業の参入が非常に目立っています。精神障害者の地域生活を継続的に支援するよりも、企業の論理が優先されている場合がある。異業種の参入によって、就労支援の活性化などが期待される面もありますけれども、企業の論理に流されない高い専門性が必要です。中には、グループホームと訪問看護が一体となっているようなところも結構あります。
それから、ピアの積極的活用が必要です。障害福祉サービスにおけるピアの役割は大きく、ピアの積極的活用が必要です。新しくサービスを利用する人はピアの活動に触れることによって勇気づけられ、未来を展望することが可能になります。
このような形で、ピアの活用に係る事業は精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築においても重要項目として挙げられていますが、多くの都道府県で進捗が見られません。障害福祉サービス事業所に一定以上のピアスタッフを採用するためには研修が必要ですけれども、その研修体制をつくって、それを受け入れていく評価をすることは必要だと思います。
就労定着支援の充実ですが、就労定着支援は月まるめの包括報酬になっているけれども、支援の内容に応じた報酬にすべきである。就労後2年目以降も企業との密な関係を引き続き継続する必要があります。転職後は、新たに3年まで利用できる仕組みとするべきである。
就労支援を受けた後も、就労の場を確保できずに、徐々に就労意欲をなくしていく方も多いわけですが、職場体験実習は、受け入れた企業と利用者双方に報奨金を支給するなどによって、就労に向けたインセンティブになり得ると思います。また、定着に課題の多い精神障害者の場合、カウントを考慮する必要がある。
次をお願いします。コロナに関連してですが、「新しい日常」に沿った支援体制を組み立てていく必要がある。
新型コロナウイルスへの感染の不安のために通所できなくなった利用者も多いわけです。また、感染拡大防止のために利用を制限している事業所も多い。その中で、事業継続に困難を来している事業所も非常に多いわけですが、一方で、在宅ワークを経験することによって、これまで引き籠もっていた利用者が少しずつ日中活動を行い、社会参加の可能性が広がっている事例も見られます。今後はコロナの期間だけでなく、在宅ワークを組み合わせた支援の仕組みが必要であろう。
それから、災害が非常に多発しているわけですけれども、コロナ禍だけではなくて、台風その他の全国各地での災害が発生している状況にあって、東日本大震災では障害のある人の死亡率は住民全体の2倍と言われています。
事前の備えの理解や災害発生時の必要な行動の判断に障害のある方に対して「サービス等利用計画」の中で、災害時の対応を加えた場合に加算できるようにしたらどうか。その場合には、本人に分かりやすい形で、ふだんからの構え、避難するための持ち物、災害が起こったときの行動、連絡先や避難先、災害時の支援体制等を別途作成して、本人や御家族から同意を得て、支援者と共有するものにしたらどうかというのが提案です。
以上です。
○源河障害福祉課長 どうもありがとうございました。
ただいまの御意見に対しまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
橋本アドバイザー、どうぞ。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
御提案があった災害時対応について、これは本当に必要なもので、せっぱ詰まった課題だと思っています。また、私の夫は身体障害と難病を抱えておりまして、特に薬がなくなってしまうと、本当にどうにもならないのです。
それは精神の方も同じだと思うのですが、薬が手に入らなくなる不安は本人も家族も非常に大きいものがあると思います。「サービス等利用計画」に災害時対応を加えるとしたら、災害時に薬を切らさないために、医療と連携してどのような対策を計画に盛り込むとよいと思われますか。また、災害時に相談支援専門員には医療と連携してどのような動きをしてほしいと期待されているのか、よろしければ教えていただけますでしょうか。
○日本精神神経科診療所協会 分かりました。ありがとうございます。
まだ具体的にそれらを作成したわけではないのですけれども、例えば診療所では今回のコロナの対応に対して、電話再診と処方箋を郵送ということで診療報酬が認められることになっています。そのようなことが、相談支援事業所と医療機関との連携が密にできるような形ができたら、少しは進むのではないかという気がしています。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 御説明ありがとうございます。
視点3のところで、就労定着について、包括報酬ではなくて、支援の内容に応じた報酬にすべきだとあるのですが、具体的に教えてほしいと思います。
この視点3は持続可能な制度にするための課題ということなので、そういう文脈からいうと、支援の内容、つまり、よくないものは下げて、いいものは上げてくれと読み取れますよね。
精神の場合は、定着率がほかの障害に比べて非常に低いとされているのですけれども、それを踏まえた上で、これの意味するところを教えてください。
○日本精神神経科診療所協会 やはり定着をさせていく努力が必要だと思います。だから、定着支援を密に行っているところは評価すべきだし、定着支援がそれほど密でなければ評価を下げるというようなことになるのでしょうか。その内容が問われてくるのではないかと思います。
今のところは定着支援という形が評価されているのですけれども、その中身が問われてくるのではないでしょうか。
○源河障害福祉課長 ほかにありますでしょうか。
田村アドバイザー。
○田村アドバイザー 最後の災害のところでございますけれども、災害のときに福祉避難所がありますが、福祉避難所は初めからは公開されていないところがほとんどで、障害者の方も一般避難所に行って、それから福祉避難所を紹介されるというのが今の体制ではないかと思うのですけれども、そういったことは医療的ケア児の場合、非常に困ったことで、事前にきちんと災害のときの福祉避難所を各自治体が希望する御本人、家族に伝えておくということが精神・神経疾患の患者さんの場合にも必要ではないかと思うのですが、それについてはいかがお考えでしょうか。
○日本精神神経科診療所協会 非常に難しい課題ですけれども、やはり必要かと思います。
今、例えばコロナの感染者で、軽症者の場合は宿泊療養ということが言われていますけれども、その中で精神症状を発生している人は結構出てくるわけです。
それに対して、今は向精神薬はオンラインでは処方できないというというようなことで、非常に不自由しています。そこでのかかりつけ医とコンサルテーションをする精神科医がうまくそのチームを組むことによって、支援する体制ができたらいいなと今のところ思っていて、実際に各地でそういう動きは起こっています。
以上です。
○源河障害福祉課長 佐藤アドバイザー。
○佐藤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
視点1で、医療と福祉の連携が重要という御指摘をいただきました。ここで橋渡しの役目として期待されているPSW、精神保健福祉士ですけれども、この資格を持っている方たちは、この橋渡しという重要な役目をしていただくのに十分な人数がいらっしゃるかどうなのかを伺いたいと思います。
よろしくお願いします。
○日本精神神経科診療所協会 PSWを雇っている診療所は、我々の団体の中では現在25%程度です。だから、非常に重要な役割を果たしているのですけれども、この人たちの活動に対して評価が非常に低いものですから、なかなか雇えない。私は非常に期待をしているのですけれども、現状はそういうところです。
○佐藤アドバイザー 分かりました。ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
お時間が参りましたので、ここで終了とさせていただきます。
公益社団法人日本精神神経科診療所協会の上ノ山様、どうもありがとうございました。
○日本精神神経科診療所協会 どうも失礼しました。
○源河障害福祉課長 続きまして、オンラインで御参加いただきます特定非営利活動法人全国地域生活支援ネットワークより、大原裕介様、小田泰久様、どうぞよろしくお願いいたします。
○全国地域生活支援ネットワーク 全国地域生活支援ネットワークの大原と申します。今日は事務局長の小田も一緒に参加しております。どうぞよろしくお願いいたします。
次のページをよろしくお願いします。我々の団体ですが、簡単に申し上げますと、私も小田も社会福祉法人の経営をしておりまして、あらゆる障害のある方を24時間365日支える仕事をしておるグループでのネットワークとなっておりまして、その中に当事者の方や御家族の方々もお招きし、これまでも様々な議論を進めてまいりました。
今回の提案についても、そうした立場で、自分たちの経営に大きく影響を及ぼすということも想定されながら、僕らとして今回議論をした中で、これは前回の報酬改定の際にも我々が強調したところですが、特に視点3の持続可能な制度としていくための論点が重要だと思っております。
財源を確保していく一部事業については、公金を使っているサービスである以上、国民の理解を得ていくといったサービスの規律化が必要だと思っております。
簡単に言えば、基礎報酬を下げる、加算を廃止する、区分に応じて傾斜配分とすることを施し、本当に必要なサービスをしっかりと手厚くしていくという視点が我々のベースにあります。
ただ、前回の報酬改定と大きく違うのは、視点4にある新型コロナウイルスということで、厚生労働省のほうで様々なフレキシブルなサービス運用について御提案があって、一部事業者は救済されましたが、やはりサービスによっては大幅な減収が伴ったというところも多く見られておりますので、今回の報酬改定に当たっては、こうした大幅減収、経営実態についても十分配慮した改定を強く望みます。ですので、下げるということに僕らは自分たちの経営の腹を切る覚悟ではおりますが、その分必要な方にしっかりと手厚いサービスをしていくことと、コロナで影響を受けた事業所をしっかりと救済していく、補償をしていくといったことに重きを置いていただきたいと思っております。
新型コロナウイルスについて、我々は現場の中で、経営者として、ときには専門職としてタクトを振ってきました。厚労省から人員配置基準の暫定的な規制緩和であったり、一部ICT・IoTの活用についても運用が認められました。我々としては、これを現場として非常に評価しています。
ただ、これはコロナが収束したということで、これまでの人員基準の暫定的規制緩和やICT・IoTの活用については、収束後も人口減少が到来している我が国において、福祉人材の確保の難しさであったり、地方になかなか人材が集まらないという実態も踏まえて、これを上手に運用していくものを今回の報酬改定でも取り入れていくべきではないかといった面を2点目に御提案するところです。
最後の視点1、視点2についてですが、我々が先ほど申し上げた手厚くしてほしいというのは、重度の障害を持つ方々の必要なサービスであったり、なかなか進まない障害がある方の一人暮らしを推進していくサービスであったり、これはコロナである意味顕在化されましたが、放課後等デイサービスというものが実は子供の貧困、場合によっては虐待を受けている子供たち、不登校の子供たちにとっても必要な受皿となるサービスになるのではないかという視点。さらに、現場で我々がとても支援に苦慮している高次脳機能障害の方々の言わば重度のスコア化が出にくいという実態がありますので、そうしたことについて手厚くしてほしいというところでございます。
3枚目以降の資料は御参考までに見ていただければと思います。
前に戻っていただいてよろしいでしょうか。
1番目の持続可能な障害サービス提供のための人員基準緩和及び効率的な人員の活用についてということですが、各サービスの専門性を担保して効率的に運用するための人員配置基準の緩和ということですが、これは現場の中で、今は障害福祉に特殊かもしれませんが、サービス管理責任者というものと管理者、さらに常勤1人を置きなさいという手厚いサービスになっているのですが、この人員を確保していくのがなかなか難しい。
さらには、管理する立場においても、実際にサービスの現場に入っているという実態がありますので、この際、今回、このサービス提供責任者も常勤換算として認めて、サービスの中に入ってもいいといった、専門性を担保しつつ、効率的に運用するための人員配置を緩和してはどうかというのが一つです。
2つ目ですが、リハビリテーション職、例えば作業療法士や理学療法士といった方々が医療の現場ではなくて、こういった障害福祉の現場にも活躍の場があるというような、そういった加算の構築を立てたらどうかというのが2点目です。
3点目ですが、限られたリソースでサービス管理責任者を確保するのが難しい実態の中で、例えば1人のサービス管理責任者が複数のサービス管理責任者を担うことによって、1つの専門性をシェアしていく。さらには、1つ極めた専門性を広く広げることによって、その人自身の個人をしっかりと評価していく兼務体制の基準緩和を求めたいというところです。
2番目のICT・IoTですが、これは先ほども意見がございました。はっきり申し上げて、今の障害福祉の事務手続は無駄だと思われる点が多々あります。
例えば、一々印鑑を押しにいくとか都度都度書類を出さないといけないことについて、これは一種ICT・IoTを使って是正していくべき、もしくは今回、コロナということで対面が厳しくなったという実態を受けて、このIoT・ICTを活用したものも一部人員基準の中に認めていくといったことの必要性が2つ目です。
最後の複雑化する利用者ニーズ対してというところですが、最初に申し上げたのは、先ほどお話しさせていただきました子供の貧困のことでしたり、不登校といった社会的養護の子供たちに対する言わば支援評価をしてはどうかという点です。
もう一つ、地域を豊かにするために共同生活援助ということで、今回、我々は一人暮らしをして、例えば年金をもらい、それなりの工賃、報酬を得ている利用者の家賃補助を下げてでも、こういった重度の方が共同生活援助で暮らせるような拡充を求める提案を細かくさせていただきました。
3つ目ですが、生活介護についても、軽度の方々の大規模なところは傾斜配分で報酬を下げて、重度で小規模で見ているところを手厚くするというのが提案の3つ目です。
4つ目は、先ほど申し上げた一人暮らしが進まない実態がありますので、障害がある方の一人暮らしを進める自立生活援助、ポストグループホームとするためにというサービスがなかなか採算性を伴わないサービスになっておりますので、この辺の報酬の見直しをしていただきたいという点です。
高次脳機能障害は先ほど申し上げましたので、最後は相談支援体制ですが、我々は「断わらない相談」という今回国が打ち出した新しい仕組みについては大いに歓迎しております。
ただ、一方で市町村に財源の裁量が委ねられたときに、障害というものが先細ってしまわないかという不安が一部意見としてありますので、この辺りの運用についてしっかりと配慮いただきたい。そういった点で整理ということで書かせていただきました。
以上になります。ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対しまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いします。
田村アドバイザー、どうぞ。
○田村アドバイザー 9ページの中ほどのところに、「障害児入所支援施設からの早期の退所に向けた支援や病院からの医療的ケア児の退院支援についても地域移行支援の対象となっていない」と書かれてございます。これは私自身、NICUのある総合周産期センターで長らく仕事をしておりましたので、NICUでの長期入院児で医療的ケアが必要なために在宅に移行することを御家族も希望しておられるといったときに、相談支援サービスがあまりうまく活用できないということはよく体験しており、これは今の大きな問題点だと思います。
それで「意見・提案の内容」の最後のところに「児童相談所及び市町村行政との役割整理を行い、相談支援事業所等で担う役割については地域移行支援として対応が行えるように、対象者の拡大が必要である」ということで、これも非常に大事なのですけれども、今の相談支援専門員の方が、例えば子供の在宅移行にあまり積極的に関わっていただけない一つの理由として、介護保険などと違って、定期的にケアマネジャーが支援計画を立てるということが義務づけられていないことが問題だと思いますので、ここで移行支援だけではなくて、移行後のモニタリングに関しても相談支援専門員の役割として支援すべきだということを含めたほうがいいのではないかと思うのですが、それについてはいかがでしょうか。
○全国地域生活支援ネットワーク ありがとうございます。
先生の御指摘はごもっともだと思います。
今、先生が御指摘いただいた介護保険と違うというところについては、ひとえに今の相談支援の脆弱性に関わってくるところに起因してきますので、そうしたモニタリングも評価していくということになれば、当然そこに手厚い人材を配置することも可能になってくるという点から、今いただいたような御提案について、私もそのように思いました。
ありがとうございます。
○田村アドバイザー ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ほかにありますでしょうか。
小船アドバイザー、どうぞ。
○小船アドバイザー 自立生活援助についてお伺いいたしますけれども、同行支援加算を回数で評価をするという御提案と、初回加算を最低でも3か月という御提案をいただいているわけですが、実践する現場の中で、どうしてこういった御提案が必要なのかという事例などがありましたら、御紹介いただければと思います。
○全国地域生活支援ネットワーク これは、精神障害の方と例えば発達障害の方と知的障害の方ということで、すぐに短い期間でそうした移行的なところをサポートできる方もいれば、長く伴走して、そのうち生活が自立した後も、また調子を崩されて、さらにサポートが必要な方と、非常に個体差のあるサービスになっておりますので、その辺りで一定の複線のサービスでいろいろな状態像に対応できるような非常に個体差の強いサービスだと認識しております。
○小船アドバイザー ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 岩崎アドバイザーで、次は小川アドバイザー、野澤アドバイザーでこのコーナーを閉めさせていただければと思います。
まず、岩崎アドバイザー、どうぞ。
○岩崎アドバイザー よろしくお願いいたします。
ICTとかIoTの活用というところで御質問なのですけれども、今回、いろいろな緩和が行われたわけですけれども、実際に対面で行う面接とリモートで行う面接というようなものは質が同じと評価をなさるのか、それとも報酬上、そこら辺は違いというものをお考えになってこの御提案をされているのかということをお聞きしたいと思うのです。
実際に訪問するとなると、時間もお金もかかったりするわけですし、また観察できる範囲が非常に広いわけですけれども、リモートとなると制限される部分も出てまいりますよね。そこら辺はどのようにお考えいただいての御提案か教えていただければと思います。
○全国地域生活支援ネットワーク ありがとうございます。
当然、これは全てリモート、オンラインでやるというのは難しいと思っておりますが、ハイブリッドで支援をしていく、つまりオンラインでやる面とオフラインでやる面と、その人一人一人の形に合わせて、今までは全て訪問してオフラインでやらなければならないといった支援を一部分についてはオンラインでやっていくというようなことをハイブリッドでそれぞれ個別支援計画の中で位置づけて、訪問しないと加点にならないといったサービスではないといった展開が必要なのではないかということで、私たちは考えております。
○源河障害福祉課長 小川アドバイザー、どうぞ。
○小川アドバイザー 今の岩崎アドバイザーとちょっと関連するところなのですけれども、4ページのところで、コロナの関係でICTの重要性などは理解するところでございますけれども、それと併せてICTの関係と複数事業所におけるサービスの管理責任者の兼務要件緩和というのがあるのですけれども、複数の事業所のサービス管理責任者の兼務だとか、ICT活用による遠隔業務については、管理業務の低下を招くおそれが懸念されるかと思うのですが、サビ管の重要な業務である例えば個別支援計画の作成だとか、利用者のニーズをしっかりと受け止める必要があるため、本人の顔が見えなくなるような対応になりかねないかというような心配もあるのですが、その点についてはどのようなお考えかをお聞かせいただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
○全国地域生活支援ネットワーク ありがとうございます。
もちろん、今、小川委員が御指摘いただいた点は、我々のほうでも議論になりました。
先ほどの答えと重複するかもしれませんが、全てをオンラインで、例えば私は今北海道におりますが、東京の利用者の方を全てオンラインでサービスの管理をするというのは難しいかもしれないのですが、1人が1か所のサービスをオンラインでやるという時代をテクノロジーとともにイノベーションしていかないと、もう人数が足りないので、この1人の一管理者のキャリアがそれ以上上がっていかないというような、ここに対する大きな懸念があります。
ですので、もちろんオンラインでやる面と、先日もオフラインで行動障害を抑制できるのかという研究をなされていたというのを動画で拝見しましたが、むしろそういった1人の専門家がオフラインとオンラインを組み合わせながら、いろいろな管理業務を務めることで、その1人のキャリアを高めていくというような検討と研究が今後必要になるのではないかということで提案させていただきました。
以上です。
○源河障害福祉課長 野澤アドバイザー、どうぞ。
○野澤アドバイザー どうも御説明ありがとうございました。
今後も中長期的にいろいろなことを考えていったときに、人口減少とか、働き手不足だとか、あるいは予算がなかなか確保できないということを考えたときに、提案があった配置基準の緩和は私は極めて大事な視点だと思います。
これまではサービスを拡充していろいろとバリエーションが出てくると、そのチェック体制をきちんとガバナンスをしようということで、規制がどんどん増えていって、それが現場の重荷になっているという実態ですよね。それをこれからの時代に合わせたときに、大転換させなければいけないと思うわけです。今回の報酬改定は、まさにここを目玉中の目玉にする必要があるぐらいに私は思っています。
そのために何が必要なのかと考えたときに、現場でICTとかAIを活用して省略化していくというのはもちろんなのですが、その一方で、自治体の方がいたら非常に失礼な言い方かもしれませんけれども、自治体とか行政の評価とかチェックの在り方まで踏み込んで変えていかないと、要するに行き来ができないために余分な書類とか形式要件ばかりを求めていくという傾向があるという現状があると思うのです。なので、ここは現場だけで何とかするということではなくて、自治体の評価、チェックの在り方を含める。
もう一つは、相談支援がやはり重要だと思っていて、自治体の方は担当が人事異動で替わっていきますけれども、ずっと現場で客観的な目で見ていく相談支援、特に基幹型相談支援センターの役割は非常に重要だと思うのです。
この辺を連動したダイナミックな評価の仕組みを変えていく。それによって、形式的な要件さえ整えていれば、サービスの中身が多少おかしくても、グレーゾーンでも、みんな素通りしていって、支援が難しい人を一生懸命やっているところが形式要件を満たすために四苦八苦しているような矛盾を、ここでこそ解消しなければいけないと思っているのです。
もしその辺で何か具体的な御提案があれば、1つ、2つ聞かせていただけるとありがたいと思います。
○全国地域生活支援ネットワーク ありがとうございます。
僕の記憶が正しければ、今回のコロナ禍で厚労省から第5、第6報までサービスの運用について、様々なフレキシブルな対応をやっていいというような通知を頂きました。
ここでフリーズした、どう運用していいか分からなくなったところ、つまり、今まで決められていたサービスの中でやるということにとらわれていたところは全く機能しなかったのです。
もう一つは、これをいいことに楽をして効率的にサービスを運用しようとするところが出てきたのが2つ目です。
3つ目で、僕らが目指したいところは、その決められた枠組みの中で一人一人に合った、それぞれのサービスや人を組み合わせてどうクリエーティブな1日をつくっていくか。こういうところが言わば僕らの魅力的なところなのではないかと思うのです。
あまりにも決められ過ぎた中で、できることよりもできない、やってはいけないことのほうに事業所が追い込まれている状況の中で、このコロナ、人口減少社会、担い手不足の中で、今、野澤委員が言っていただいたように、一定の専門性を担保しながら、そこをどう創意工夫していくのかということで、大きなパラダイムシフトを起こしていかないと、今のままでは立ち行かないという危機感を持っています。
さらに、行政の委員の方々がたくさんいる中で大変恐縮なのですが、監査というものが果たしてどれだけ機能しているのかというのも極めて悩ましいです。
本来見られるべきは、例えば先ほども議論になったBCP計画がしっかり整っているのかとか、質の高いサービスをしているのかとか、監査のために書類を整えるということではなくて、質をどう担保し、何か災害があったとき、こういうコロナがあったとき、どのように法人はサービスを果たしていくべきなのか。そういったことに注力できる、本来やるべきことを各自治体ないし現場の中で議論をしていく。
野澤委員が言っていただいたように、今回、そういった人の配置や法人の運営、行政との協働の在り方、専門性の担保、質の在り方をぜひこの報酬改定で議論いただきたいと思っております。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
それでは、ここで終了とさせていただきます。
特定非営利活動法人全国地域生活支援ネットワークの皆様、どうもありがとうございました。
○全国地域生活支援ネットワーク ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 続きまして、オンラインで御参加いただきます社会福祉法人日本身体障害者団体連合会より、阿部一彦様、よろしくお願いいたします。
○日本身体障害者団体連合会 日本身体障害者団体連合会の阿部です。よろしくお願いいたします。
まず、私たちの団体なのですけれども、47都道府県と政令指定都市、それからオストミー協会と全難協の64団体で構成している団体です。市町村ということであれば、その支部を含めると、様々な市町村にネットワークがある団体ということです。
次をお願いいたします。概要について示していますけれども、これに基づいてお話しさせていただきます。
まず、視点1「より質の高いサービスを提供していく上での課題及び対処方策・評価方法」ですけれども、加盟団体で事業を展開しているところなどと情報を交換しながら出てきた内容について紹介させていただきますけれども、1番目の「生活介護におけるサービスの評価について」は、地域によって生活介護の入浴サービスを行っているところと、全然行っていない地域もあるのではないかということが分かってきました。
入浴サービスは重度障害の方にとってとても大事なことなので、最初の提案なのですけれども、入浴サービスを提供することに関する加算、インセンティブを働かせていただいて、自宅では入浴が難しい場合もありますので、どこの地域でも入浴サービスを受けられるように、そのような加算が必要だと思います。
(2)に処遇改善加算、特定処遇加算の支給の在り方とありますけれども、おかげさまで介護職員に関しては加算をいただきましたけれども、ほかの職員にはそれがないということで、一体となって様々な役割を果たして事業運営をしているのですから、介護職員だけということではない報酬の上積みというのは大事ではないかということをお話しさせていただきます。
(3)には福祉専門職加算ということで、先ほどもお話しされていましたけれども、作業療法士とか理学療法士が必要な事業は、生活介護のみならず、就労継続でも必要な場合がありますので、その専門性に関する加算が必要ではないかということでお話しさせていただきます。
就労継続支援B型事業なのですけれども、サービスを利用されている方が、例えばアビリンピックとか全国障害者スポーツ大会に出場するときに、このサービスを使えなくなるのは当然かもしれませんけれども、全国障害者スポーツ大会などではこの期間が結構長いものですから、事業所でその部分について、言ってみますと、補償という仕組みがあったほうがいいのではないかというのが2~3の事業所から来ました。
5番目の食事提供体制加算についてとか送迎加算については必要だということで、継続をお願いしたいと思います。
それから、ここで6として示していますけれども、視覚・聴覚に特化した施設では支援体制加算があるのですけれども、地域ということを考えますと、特化した施設だけではなくて、視覚障害の方、聴覚障害の方がサービスの提供を受けている場合があります。視覚障害の方の移動支援はマンツーマンということもありますので、そういう加算が必要ではないかという意見がありました。
(7)の就労定着支援事業についてなのですけれども、その利用を指定特定相談支援事業者における計画相談支援を必須とすることについてということで、セルフプランを使って福祉的就労を行っていて、一般就労に移行した場合などなのですけれども、これはしっかり「サービス等利用計画」と一貫した連携が必要なのではないのかというようなことが事業所から出されています。
(8)に書いていますけれども、計画相談支援とメンタリングについて先ほどもお話しましたけれども、そのようなことが(7)とともに、(8)では就労系のサービスの資質の向上が求められるので、しっかりした、充実した研修等を展開していく必要があるだろうし、その研修を受けていることを評価する仕組みが必要ではないのかということなどです。
9番目に障害支援区分による報酬単価の考え方ということで、障害支援区分と支援内容が必ずしも一致するとは限らないということで、支援区分が低い場合でも、支援内容が充実したものが求められる場合もあるので、そのような点からの検討も必要ではないかということが事業所から出されました。
視点2です。ここでは、生活介護などで医療的ケアを使いたいという方が結構いらっしゃるそうなのですけれども、このときの常勤看護職員等加算というのは2段階なのだけれども、これをもっと人数配置を増やすなどして3~4段階にすれば、もっと充実した体制で医ケアが必要な方々を受け入れられるのではないかということです。
次のページに移ります。重度障害の方のグループホームの設置促進のためにも、報酬単価を引き上げていただきたいということ。
(3)にありますけれども、重度障害の方のヘルパー確保ということで、これも報酬単価、特に24時間体制が必要な場合もありますので、居住系の夜間支援等体制加算、夜間職員配置等体制加算などを検討すべきではないかという意見が上がっています。
(4)です。地域生活支援事業は裁量的経費で、地域によって格差が大きいのではないかということで、その格差是正の必要性がうたわれています。
5番の就労定着支援事業は、福祉的就労を経た方だけが受けられるサービスですけれども、そうではなくて、特別支援学校から直接就職する方もいますので、そういう方なども範囲に入るように、就労定着支援サービスについては利用対象範囲を拡大していただきたいということです。
6番目に、共生型サービスの事業が展開できるような報酬単価の見直しが必要ではないかということが出ています。
視点3なのですけれども、障害福祉サービス等に係る予算額が障害者自立支援法施行時から3倍以上に増加しているという背景の中で、持続可能な制度としていくための課題及び対処方策ということでは、障害がある人が重いサービスを受けなくても済むように、言ってみれば、元気で生活できるシステムをつくっていただきたい、さらに充実させていただきたいという声です。
ここに書きましたけれども、地域生活支援事業などにおいて、自助グループ、ピアサポートを前面に出しながら社会参加の機会をつくっていく。社会参加をすることが健康を維持することにつながるというのは高齢領域でも言われていることでありますし、健康日本21の第2次計画でもうたわれていることです。当事者意欲を踏まえて、社会に参画する機会を増やしていくべきではないかということ。
また、それにも関係するのですけれども、同行援護サービスはとてもいいサービスですけれども、雨とか雪のときにキャンセルがあることが多いので、事業の経営が安定しないということで、欠席時の対応加算のような制度が必要という声が上がっています。
視点4ですけれども、新型コロナウイルス感染症による影響で、様々な事業所が収入減になっていますので、それに対する補償が必要だということとか、相談支援の充実ということを図るためにも、オンライン環境を含めた支援も必要になるのではないのかということと、身体障害者相談員制度、知的障害者相談員制度というものがありますので、これらの活用が必要という意見がありました。
そして、新型コロナウイルス感染拡大がありますので、施設関係者、利用者のPCR検査や抗体検査の早急的な体制整備が必要という意見が多く出ましたということです。
駆け足でたくさんのことをお話ししましたけれども、以上で日身連からの意見などを紹介いたしました。ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対しまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
田村アドバイザー、どうぞ。
○田村アドバイザー 御説明ありがとうございます。
8ページの詳細版のところで(1)として、医療的ケアを伴う重症心身障害者の生活介護の受入促進が今は十分に機能していないということで、2段階方式の常勤看護職員らの配置加算を3~4段階方式に拡充するべきだという御提案でございますけれども、これは具体的にどういう条件があれば2段階から3~4段階に変えるというようなことを御教示いただければありがたいと思います。
○日本身体障害者団体連合会 この申出について連絡してきた事業所と確認しましたところ、ただいまのところは常勤看護職員がいるか、いないかだけの査定になるのだそうですけれども、看護師がいるというだけではなくて、看護師の数も必要なのではないか。場合によっては兼職ということもあるかもしれませんけれども、医療的ケアが必要な方の受入れのためには、それに対応する人員の配置が必要で、そのことによってもっと多くの方のニーズに応えることができるので、幾つかの段階ごとにしていただければ、その体制を整備することができるので、さらに充実した事業が展開されるのではないかというようなことが、現在、医療的ケアを伴う方、重症の方を受け入れている施設から上がってきたことです。
○田村アドバイザー 分かりました。
ただ、そこでもっと説得力を持たせるためには、「“どこまで大変な医療的ケアか”ということを根拠にして、看護師を1人配置しているだけでは不十分なので、複数必要だ」というような形で、この医療的ケア児者がどういう状態の場合に看護職を複数配置すべきだという形で御提案されたほうがより説得力があるのではないかと思います。
○日本身体障害者団体連合会 どうもありがとうございました。
関係事業所は幾つかありますので、そことまた連携しながら、説得力があるというか、現状に即した提案にさせていただきたいと思います。
どうもありがとうございます。
○田村アドバイザー ありがとうございます。よろしくお願いします。
○源河障害福祉課長 ほかにございますか。
それでは、ほかにないようですので、ここで終わりとさせていただきます。
社会福祉法人日本身体障害者団体連合会の阿部様、どうもありがとうございました。
○日本身体障害者団体連合会 どうもありがとうございました。
○源河障害福祉課長 続きまして、公益社団法人全国脊髄損傷者連合会より、大濱眞様、安藤信哉様です。どうぞよろしくお願いいたします。
○全国脊髄損傷者連合会 脊損連合会の大濱です。よろしくお願いします。
時間が短いので、さっそく内容に入ります。4ページ目から説明します。
重度訪問介護の報酬単価が非常に低いために、支給決定を受けてもなかなか利用できないという問題はまだ現状でも起こっていますので、重度訪問介護、特に重度の障害支援区分6の加算率をしっかり上げていただきたい。重度障害者等包括支援の対象の加算率も上げていただきたい。特に重度の人に対する介護者不足のための方策として単価を上げていただきたいということで、一応の目安として、重度包括の場合で15%、障害支援区分6で10%の引き上げを提案しています。
5ページ目ですが、今申し上げましたように、重度訪問介護は非常に単価が安い。したがって、なかなか利益が出ないということで、参入する事業所も少ないというのが現状です。
しかも、これを調べてみると、どうも特定事業所加算の取得率が非常に低いのが現状でして、そうなると、重度訪問介護の場合、下から2つ目の○ですが、土日、祝日とお盆、年末年始を含めた、年間を通して時間帯を問わずにサービスを提供していることが私たちは非常に重要な要件だと思っております。
したがって、優良な事業所を判定する一つの指標として、算定要件「サービスの提供体制」が有効だと考えられます。
次のページをお願いします。このように整理をしていきますと、実際にこの「体制要件」の中の赤で書いてある1.から5.までは、算定要件としては要らないのではないか。監査のために仕事をしているような事業所がかなりに見られるので、これは本当に必要なのでしょうかということで、「人材要件」などを継続して、これに重点を置いていただきたいということです。
7ページ目をお願いします。ここで提案したいのは、例えば重度訪問介護の場合は特定事業所加算Ⅳが今はないので、これを新たに新設していただくことを提案しています。10%ということで、要件としてはここに書いてあるとおりです。
8ページ目です。2018年の改定で新たに創設された同行支援の単価ですが、これは今、研修をするヘルパーも、教える側のヘルパーも15%減算ということになっています。ですが、これはやはりおかしいのではないかということで、教える側のヘルパーは逆に10%ぐらいアップして、教える側の立場をきちんと認めていただきたいということでここに提案しております。
次のページをお願いします。今、特にコロナで介護要員が非常に少なくなっています。そういうこともあって、求人広告費の助成をお願いしたいというのが9ページ目です。
10ページ目ですが、これもコロナと関係していますが、電車等の公共交通機関を重度の障害者が使うことには非常にリスクがあります。このため、今は車で移動することが非常に増えています。
したがって、車で移動した場合に、運転中に停車して介護を受ける必要がある事例が非常に多いので、ぜひここにきちんと加算を設けていただきたいということで、「停車時介護加算(仮称)」を提案しています。報酬の単価としては、通院等介助の単価の3,930円を参考にしています。
次のページをお願いします。ここに書いてありますように、運転中に一時停止をして介護をすることが実際に発生していますので、それに対する加算を提案しています。それを通院等介助と同じような3,930円でお願いできればと思っています。
12ページ目は、共同生活援助(グループホーム)ですが、今、私たちの中でも利用している人たちが増えています。ここでお願いしたいのが、都道府県にもよりますが、建築確認の検査済証の写しを提出することを求められていますが、これをぜひ廃止していただきたいというのがお願いです。これは指導等でお願いしたいと思っています。
13ページ、サテライト型住居ですが、普通の本体住居1か所に対して2か所、定員4名以下の場合は1か所を限度としておりますが、この基準を撤廃してもらいたいというのが13ページ目のお願いです。
その理由としては、施設を出て、サテライトを経験し、一人住まいを経験して、独居に移行する人たちが増えつつあります。そういうこと考慮して、ぜひサテライトの設置基準をもっと緩和していただきたい。それと同時に、個人単位で居住介護等を利用する場合の特例を恒久化していただきたいというのがここのお願いです。
14ページ目は相談支援の話です。
相談支援では基本相談が非常に重要だと以前から指摘されていますが、その一方で基本相談には全くお金が手当てされていません。相談支援の事業所にもいろいろ聞いていますが、やはり相談事例の3割ぐらいが基本相談で終わって、報酬に結びついていない相談があるということですので、基本相談にもきちんと報酬を手当てしていただきたいというのがここのお願いです。
15ページ目です。これは以前からずっとお願いしておりますが、国庫負担基準を大幅に引き上げていただきたい。というのは、国庫負担基準をオーバーした額は、その75%が持ち出しになるということで、小規模市町村には非常に負担がかかっています。
次のページをお願いします。それで、2018年の改定では、利用者数と重度率によって国庫負担基準額を嵩上げする制度が大幅に拡充されました。1年間で600人未満、1か月で50人未満の市町村で、重度率が20%以上の場合には、国庫負担基準額を100%嵩上げすることになっています。ですが、これは実際に現場でいろいろと問題が起こっていて、ある市町村では、今までALSの長時間利用者が2人いましたが、1人がつい最近亡くなったため、1人では重度率20%をクリアできなくなっています。そういうことで、急に市町村は負担金が減ってしまいますので、やはり利用者数が年間600人未満の市町村はぜひ嵩上げ率を100%にしていただきたいというのが16ページ目のお願いです。
あと2ページぐらいあるので、よろしくお願いします。
17ページ目です。ここは、国庫負担基準を廃止していただきたいというお願いです。訪問系サービスの給付費の全額を国と都道府県の負担の対象とするということです。また、25%でも小規模な市町村では負担が困難だということで、負担率を大幅に引き下げていただくことも併せてお願いします。
18ページ目です。これが国庫負担基準額の表です。
19ページ目です。最後になりますが、これはいわゆる介護保険優先の制度はそろそろ廃止していただいて、介護保険給付と自立支援給付の選択制へ移行していただきたい。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
小川アドバイザー、どうぞ。
○小川アドバイザー 13ページに「サテライト型住居の設置数の規制の撤廃」というのがあるかと思うのですけれども、サテライト型の住居を増やすことは、本体のグループホームの管理体制の低下を招くといったおそれもあるかと思うのですが、そういったことを考えると慎重に検討すべきと思っているのですが、その辺についてどのようなお考えがあるのかを教えていただけたらと思うのです。
○全国脊髄損傷者連合会 ありがとうございます。
サテライトにつきましては、施設から出た場合に、まずはグループホームに移行した後で、一人暮らしに移行するためにサテライトを使いたいという人たちが今増えています。そうなると、この2か所では数が十分ではないということで、もう少し増やしていただきたいというのが現場から上がっている声です。
今、質の低下という問題を言われましたが、個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例が今はありますので、ここできちんと質は担保されると考えております。
○源河障害福祉課長 田村アドバイザー、どうぞ。
○田村アドバイザー 時間の関係だろうと思いますけれども、御説明いただけなかったのですが、23ページのところに重度訪問介護の「外出」の定義を見直して、通学中と学校内も対象にという御提案がありますけれども、ここについて御説明いただければと思います。
今の制度の下で、文科省のほうも少しずつ学校のほうに看護師を増やすという方向で動いていただいているのですが、それが医療的ケアを必要とする子供たちに対する対応にまだまだ間に合っていないというのが現状だということは我々の調査でも明らかになっています。ここのところに介護士が重度訪問介護を活用できるということは非常に意義があると思いますので、ここについて御説明をお願いいたします。
○全国脊髄損傷者連合会 ありがとうございます。
れは、私どもで調査研究を実施して、その結果、今、やっと地域生活支援促進事業の修学支援事業が手挙げ方式でできるようになっております。しかし、地域にまだ浸透していないこともあって、なかなか市町村に手を挙げてもらえない事例もあります。
こうしたことから、地域生活支援促進事業ではなくて、私たちは重度訪問介護本体の制度できちんと学校に行けるようにしてくださいと常々お願いしています。ですので、ここにつきましては、現在の地域生活支援促進事業の制度をワンステップ前に踏み出していただいて、ぜひ重度訪問介護で学校に行ける、これは通学や学校内の問題だけではなくて、通勤等も含めて、ぜひそういう方向で検討していただければ大変ありがたい。
私たちは重度訪問介護でシームレスな形で社会に参加したいということを以前から言っておりまして、そういう制度にぜひしていただきたいと思っております。
○田村アドバイザー どうもありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ここで終了とさせていただきます。
公益社団法人全国脊髄損傷者連合会の皆様、どうもありがとうございました。
○全国脊髄損傷者連合会 ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 続きまして、一般社団法人全国地域で暮らそうネットワークより、岩上洋一様、鈴木篤史様でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○全国地域で暮らそうネットワーク 私は全国地域で暮らそうネットワークの代表の岩上と、事務局長の鈴木でございます。
本日は、このような貴重な機会を頂戴しまして、ありがとうございます。
私たちチイクラネットは、社会的な支援が必要な精神障害者の地域移行に向けた課題の解決及び、希望する地域で自分らしく生活することができる持続可能な社会づくりに寄与することを目的として活動しております。
それでは、報酬改定に関する意見を述べさせていただきます。
3ページでございます。新型コロナウイルス感染症発生は、図らずもお互いを尊重することの意義を再認識する機会となっています。今はただ、様々な困難を抱えながら自分の生き方を見つけてきた障害者に学ぶときだと考えております。
お示しいただいた視点1から視点4はもちろんのこと、障害者総合支援法の基本理念に即したサービスの適正な運営の下、本人の意思を中心とした質の高い支援並びにそのための人材確保に資することを基軸として意見を述べさせていただきます。
4ページに8つの項目がございます。ピアサポートが活躍する社会をつくる。障害福祉サービス事業所は地域全体の幸せに寄与する。ひきこもり等の支援を自立訓練で的確に行う。総合支援法の理念に基づき、地域移行支援と自立生活援助を格段に推進させる。そして、地域基盤は相談支援と地域生活支援拠点を充実させて整備する。こんなイメージで提案をさせていただいているところでございます。
5ページでございます。「ピアサポート職員の配置等加算について」ですが、令和2年度の地域生活支援事業に「障害者ピアサポート研修事業」が位置づけられました。ピアサポーターの活躍は地域共生社会の理念の下、本人の意思を中心とした質の高い支援に貢献すると考えます。
今後のピアサポートの専門性の活用を推進するため、ピアサポート職員の配置等加算により、報酬上、評価することを提案いたします。
6~8ページでお示ししたとおり、ピアサポートの効果については、調査研究事業等で検証されております。
9ページでございます。「地域づくり加算」の創設についてです。
これは前回の報酬改定でもお願いしているところでございますが、地域全体の幸せを考える社会福祉の思想を障害福祉サービスにおいても再構築する必要があると考えます。
第1に、就労継続支援に限らず、地域づくりに貢献している通所事業には、障害報酬において評価する仕組み等を創設する。
第2に、通所の障害福祉サービス事業費から一定程度を減額して、それを加算財源に充てることを提案します。
10~13ページにお示ししましたように、既に事務連絡通知や共生サービスでは、利用者が地域の担い手となり、地域づくりを行うことを推進しています。このような魅力的な活動は、市民の理解を深め、福祉人材の確保に寄与し、持続可能な制度の維持につながると考えております。
14ページは「自立訓練(生活訓練)の充実」でございます。
通所による自立訓練は、サービス終了後を見据えて、人生をデザインする選択の機会となります。そのため、ピアサポート、地域住民の交流、地域活動への参加は重要な要素です。
自立訓練を魅力あるサービスとして推進するためには、前述した「地域づくり加算」をここで導入するという考え方も提案したいと思います。
15ページは、総合福祉推進事業に掲載されているA事業所の取組でございまして、御本人の支援とともに、利用終了後を見据えた地域社会づくりに寄与しているという事例でございます。以下、提案について御参照いただければと思います。
16ページは「地域移行支援の促進」でございます。
調査研究によりますと、人員配置、業務量及び報酬の兼ね合いで実施をためらう事業所があることが明らかになっています。そこで、実績のある事業所の評価と、新規参入の推進のため、地域移行支援サービスを3段階で評価することを提案します。
また、高次脳機能障害等の一般科の入院者についても地域移行支援の対象者としてはどうかと考えておるところでございます。
17ページにございますように、今後、精神科病院に1年以上入院している人で、社会的な支援が必要な人への市町村の関与を明確にすることができれば、地域移行支援は格段に推進できると考えております。
これについては、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に係る検討会」でぜひ進めていただきたい案件ですが、それを踏まえて早急に地域移行支援体制を整備することが必要だと考えております。
18ページでございます。「自立生活援助の推進」です。
調査研究により、退所等から1年以上生活をされた人や、家族同居から保護者の死亡に伴って一人暮らしに移行された人であっても、密度の高い支援が必要であることや、急遽一人暮らしを開始した場合には、関係性の構築に数か月の時間を要することが分かってきました。
また、19ページにございますように、必要な事業所数の整備が課題となっています。
総合支援法の理念に資するこの自立生活援助を推進することは極めて重要なことであり、対応として4つほど提案をさせていただきました。
20ページでございます。「相談支援の充実」です。
今般の新型コロナウイルス感染症発生に際しては、1事業所当たりの相談支援専門員が少ないことで、緊急事態への対応に困難が生じることが分かりました。
以下、相談支援の充実に向けた提案でございます。
第1に、地域ごとに複数の相談支援事業所が協働して運営する形態を認めて、あわせてそのような事業所には特定事業所加算が算定できるようにする。
第2に、特定相談、一般相談、自立生活援助を一体的に運営する事業所を包括的事業所として報酬上、評価することを提案します。言うなれば、地域生活支援拠点の面的整備と多機能型をイメージした相談支援体制ということでございます。
以下の提案は御参照をお願いいたします。
21ページの「7 地域生活支援拠点の推進」でございます。
宿泊型自立訓練に体験利用を位置づけること、共同生活援助において幅広く体験利用できる仕組みをつくること、体験利用や短期入所の際に個別支援計画を作成した場合に評価することを提案します。
22ページにありますように、私どもの団体のチイクラネットの調査では、宿泊型自立訓練を行っている事業所のうち、個別支援計画作成についての重要性を79%の事業所が認めているところでございます。
23ページの「8 利用者負担額の再設定」でございます。
新型コロナウイルス感染症流行下あるいはそれに類する状況下においては、利用者負担額の所得区分の一般1、2を減免とすることを提案します。
また、これは前回の報酬改定でも提案しておりますが、新型コロナウイルス感染症の収束後には、所得区分を自立支援医療重度かつ継続等に合わせて再認定することを提案いたします。
24ページにありますように、256億円の財源の確保となります。この点については、合意を得るにはなかなか難しいところもあるかとは存じますけれども、時間をかけてでも適切に議論していただきたいと存じます。
最後に9の御検討いただきたい事項として、4点掲げているところでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対しまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
橋本アドバイザー、どうぞ。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
自立生活援助についてお伺いしたいのですけれども、家族は常に親亡き後のことを心配しているわけですが、私にも障害を持つ娘がおりまして、今から親が亡き後のことを話し合って、今のところは自宅で自由に暮らしていきたいと言っています。できるだけ本人の希望に沿ってあげたいとは思うので、親亡き後に施設やグループホームに入所する道だけではなく、住み慣れた自宅でそのまま落ち着いて暮らすことも選択できるチャンスがあるとよいと思っています。
そのためにも、自立生活援助は重要な事業であり、また御提案されている事業にピアサポーターが配置され、支援をしてくださると、仲間もできて大変心強いと思います。
質問ですが、障害者が自宅で一人で暮らしていく場合に、一般的にはヘルパーに入ってもらうことが多いと思いますが、ヘルパー不足もなかなか深刻なようです。一人暮らしの方を支援するときにヘルパーを利用するよりも自立生活援助を利用したほうが適していたのではないかという方は多いのでしょうか。また、本来、自立生活援助でやるべきことをいまだ計画相談などで賄っているということが多いのでしょうか。教えてください。
○全国地域で暮らそうネットワーク ありがとうございます。
先ほどは機関銃のようにしゃべってしまって、少し落ち着いてお話をさせていただきたいと思います。申し訳ございません。
御質問いただきました点でございますけれども、自立生活援助はまずもって本当にすばらしいサービスを厚生労働省につくっていただいたと思っています。ヘルパーが入ることのよさももちろんありますし、ヘルパー事業所で自立生活援助を行っている事例も聞いているところでございます。
その中で、御本人がどのように生活をしていくかをきちんとアセスメントをさせていただいて、その方に合った生活を一緒につくっていくのが自立生活援助の魅力でございます。そうは言っても、サービスを使っている中で困難なことも生じるのですが、自立生活援助を使っていますと、困難な事態に早めに自立生活援助の事業所も出会えるようになる。そこでどうやって解決しようかという解決するすべも一緒に考えて見つけていくことができるようになります。そういう意味では、計画相談の役割、ホームヘルパーの役割はそれぞれございますけれども、自立生活援助の役割は非常に大きいと考えています。
以上でございます。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
小川アドバイザーの次に小船アドバイザー、その次は野澤アドバイザーでお願いいたします。
○小川アドバイザー 5ページのピアサポート職員の配置加算についてでございます。
ピアサポートについては、この経験を生かして障害者を支援するという点では大変有益だと私も思っております。
そこで、加算という考えもあるかと思うのですが、障害者雇用を推進するという観点もあるかと思いますので、積極的に職員として配置していくという考えもあるのかと思っております。
例えば、精神の人は長い時間働けないというのもあるので、ピア職員2名で健常者職員1名分の配置基準として認めるといった制度改正も検討してはどうかとも思ったのですが、この辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○全国地域で暮らそうネットワーク ありがとうございます。
制度等の改正については、また議論していただければと思うのですけれども、まず厚生労働省につくっていただいた研修のスキームがございまして、それは精神に限らないのですけれども、障害者の皆さんが受けられるカリキュラムになっているのと同時に、雇用主もきちんと受けていただくというスキームになっています。
そういった意味で、報酬上、評価する際には、ピアサポートを行う方が研修を受けただけではなくて、雇用される方もきちんと勉強をしていただいて、対等な関係で雇用関係を結んで、ピアサポートの良質な支援に生かしていく。そういったスキームで組んでいただくのが一番よろしいかというのが今の私の考えでございます。
○源河障害福祉課長 小船アドバイザー、お願いします。
○小船アドバイザー 御説明ありがとうございました。
私のほうからは16~17ページにかけての「地域移行支援の促進」についてお伺いいたします。
我々市町村への関与も御提案いただき、ありがとうございました。障害者の方が地域で暮らすためには、我々市町村のほうでも支援チームの一人に加えていただいて、チームとして支援していくことが重要だと認識しております。
その中で、精神科病院や障害者支援施設に長期間入院、入所されている方には、地域移行支援というのは時間がかかるサービスかと私は現場で実感しておりますので、こういった御提案をいただいた上で、地域移行支援の標準利用期間についてはどのようにお考えであるか教えてください。
○全国地域で暮らそうネットワーク ありがとうございます。
地域移行支援について、市町村の関与をどのように位置づけられるかというのが大きな課題でございまして、それが推進できますと、格段に地域移行支援が進んでいくと思っています。医療機関の課題ではなくて、地域の課題にしていくということが重要であると思っています。
その中で、現在でも期間については延長できることになっておりますので、基本的には半年をベースとしながらも延長できる。小船アドバイザーには御理解いただいていると思いますけれども、むしろそれについて多くの市町村にその地域移行支援の使い方をきちんと御理解いただくことも必要かと思っています。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 野澤アドバイザー、お願いします。
○野澤アドバイザー ありがとうございます。
コロナで私はいろいろ考えているところがあって、コロナが広がったとき、学校はばっと一斉に閉めたのです。病院は閉められずにずっと開けざるを得ない。福祉はというと、さっと閉めたところもあれば、ずっと開けているところもあって、福祉はエッセンシャルワークなのだろうかとか、いろいろ考えたのです。
そのときに、地域によってばらばらなのですけれども、基幹相談が非常にしっかりしているところは、本当に福祉が必要な人をちゃんと把握して、必要なところに、必要な人に必要なサービスを届ける。それは地域の事業所とうまく連携したり、協力体制をつくったり、本当にそのときに相談支援がきちんと機能しているところはすごいな、ありがたいなと思ったのです。これは障害者だけではなくて、子供だって、高齢だって、生活困窮だって同じはずなのです。
片方で、地域共生社会の議論がここ数年進んでいて、今年まとまった報告だと、相談を一本化していこう、あるいは連携していこうというような方向が打ち出されていると思います。
チイクラネットのこの相談支援の提案はすごく重要だと思うのですけれども、精神だけではなくて、ほかの障害あるいは子供とか、生活困窮だとか、高齢とかそういうところへの広がりというのはどのように考えていらっしゃるのかというのをお聞きしたいと思います。
それとともに、今回、非常に重要な提案が幾つかされていて、ピアサポートにしても、地域づくり加算にしても、自立生活援助にしても、考えてみると、地域共生社会をつくっていくときの重要なヒントがいっぱいあるような気がするのです。障害の側から一番これまで大変だと思われていた人を地域でしっかり支えていく取組の中に、これからも地域共生を考える上で非常に重要な考え方とか実践はあるのではないかと思っていて、それをほかの分野にも広げていくような、ぜひそういう取組につなげていけたらと私は個人的に考えているのですけれども、チイクラネットの中でそのような議論とかあるのかどうなのか、あるいはどのように考えているのかというのを少しお聞かせ願えたらと思います。
○全国地域で暮らそうネットワーク 野澤アドバイザー、ありがとうございます。
1つ目の御質問でございますけれども、障害者の分野では基幹相談支援センターを適切な運営の下できちんと配置するというのは非常に大きいと思っています。
今、コロナで非常に大変な事態が生じておりますけれども、やはり日常の積み重ねの中で非日常が起こってくると思っていますので、そういった意味では、従来からしっかり基幹相談支援センターをつくってきたところでは、もちろん地域生活支援拠点の議論もしているところでございます。こういった困難な状況に陥ったときにどうするかという準備は着々と進めているところがございますので、そういった意味では適切な基幹相談支援センターの設置は今後も推進していただきたいと思っています。
2つ目の御質問で、ピアサポート、地域づくり加算といったことで、自立生活援助が地域共生社会をつくる。まさしくそのとおりだと思っています。
地域づくりをしていくというのが障害福祉の醍醐味で、私たちがとても力を注いでやってきた、先達がやってきたことなのです。それをきちんと引き継いでいく。引き継ぐためには、報酬上の政策誘導も必要ではないかということで今回提案をさせていただいたところでございます。
この中でも説明しましたように、そういった地域共生社会、福祉事業をみんなで一緒につくっていくことができますと、市民の理解を得られますので、市民の理解ということは、そこにお金を使ってもらって構わないとまで言っていただけたらありがたいですけれども、そういったことになりますし、そういったところで福祉の世界で自分たちが働きたいということになっていく。私どもの団体ではこのようなことを議論して、提案をさせていただいたところでございます。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 先ほど、私のほうで見過ごしてしまったようで申し訳ありません。
もう一人、最後のアドバイザーの方に御発言をお願いしたいと思います。
お待たせいたしました。岩崎アドバイザー、お願いいたします。
○岩崎アドバイザー お時間が押しているところ、Wi-Fiの調子が不安定で、出遅れてしまってすみません。
野澤アドバイザーの御質問ともちょっと近いのですけれども、実際に相談支援の充実というところで、この間、いろいろ加算を創設したけれども、その加算の取得率が低いという問題がございました。
チイクラが御提案されている、複数の事業所が力を合わせることによって加算が算定できる仕組みを創設したらどうかという御提案に非常に興味を持ったのですけれども、もう少しそこを詳しく教えていただけませんでしょうか。
○全国地域で暮らそうネットワーク ありがとうございます。
これは数年前から私のほうで提案をしていて、今回の報酬改定でも幾つかの団体がこの視点で意見をしていただいていることは大変うれしく思っているところです。
では、相談支援は幾つかあるのだったら、みんな最初から一つの相談支援事業所をつくればいいではないかといった考え方ももちろんございますけれども、やはりそれは生まれが違うみたいなところもございますので、まずは一緒に合同体をつくっていくということが必要かと思います。
先ほどの基幹相談の説明でもございましたけれども、基幹相談がきちんと機能しているところでは、基幹相談支援センターが指定特定相談支援事業所を支援しながら相談支援体制をつくってきていますので、そういったところでは週に1~2回とかはみんなで連絡を取り合いながら、地域全体として相談支援体制をつくっている。充実を目指していくとするならば、そこは合同体として認めてもよろしいのではないか。
ただし、ペーパーのほうにも書いてありますが、少なくとも1事業所に常勤専従者を1名は置く。そこが重要かと思っています。0.何人のところだけを集めても、相談支援体制はなかなかつくれませんので、そういった意味での政策誘導とお考えいただいてもいいかと思います。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
それでは、ここで終了とさせていただきます。
一般社団法人全国地域で暮らそうネットワークの皆様、どうもありがとうございました。
○全国地域で暮らそうネットワーク どうもありがとうございました。
○源河障害福祉課長 続きまして、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会より、光増昌久様、室津滋樹様でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の代表の光増と、事務局長の室津が出席しております。よろしくお願いします。
グループホーム学会は、すごく学識的な「学会」という名前をつけていると思うかもしれませんけれども、その冒頭に「障害のある人と援助者でつくる」と書いてあります。グループホームの入居者のことを大事にしながら、暮らしやすいグループホームをつくっていくことを目的として諸活動を行っています。
2ページに本会の概要が書かれています。
最初に、5ページをお開きください。
現在、グループホームは、平成元年に100か所、入居者437人でスタートしましたけれども、今年の3月の国保連データでは、事業所数が9,111、入居者は3つの類型を合わせて13万1627人、施設入所支援を大分前に追い抜いて、現在、グループホームの数は物すごく増えております。
6ページが、障害者自立支援法が始まった年の年度末から今年の年度末までのグループホームの入居者の推移をまとめているものです。このように、今、グループホームがすごく増えてきている成果はあるのですけれども、様々な問題もあります。今日は、グループホームの問題を中心に話していきたいと思います。
3ページの概要版の1をお開きください。視点1からお話ししていきます。
3年ごとの報酬改定でいつも論議になるのは、前回、日中サービス支援型で世話人配置基準の3対1が実現しました。しかし、介護サービス包括型、外部サービス利用型でも、障害の重い人や高齢者を手厚く支援する流れは変わっておりません。介護サービス包括型や外部サービス利用型でも世話人配置基準が今のグループホームの基本報酬のベースになっていますので、3対1とか、あるいは障害の重い人の場合は2対1の人員配置ができるようなことをぜひ検討して、評価していただきたいと思っています。
それから、これも3年ごとに論議している日中支援加算(Ⅱ)ですけれども、初日からの算定ができなくて、3日目からの算定になっています。これは今回のコロナの問題に関しても、例えば入院が必要だ、あるいは濃厚接触者で支援が必要だといったときに、3日目からの算定しかできないというのはちょっと不合理で、入院時支援加算や帰宅時支援加算も含めて、なぜ3日目からの算定かというのを根本的に見直す必要があるのではないかと思っております。
グループホームでは重度障害者支援加算がありますけれども、これは区分6の重度包括対応の方に限定となっています。これを介護サービス包括型だけではなくて、日中サービス支援型は利用できますけれども、外部サービス利用型も考えるということと、もう一つは、10ページに書いてありますけれども、区分6だけではなくて、例えば行動障害を持っている区分4以上の人とか、区分5の重症心身障害で支援が必要でグループホームに住んでいる人などにも対象者を広げるということもぜひ視野に入れていただきたいと思っています。
前回の報酬改定で、生活介護の行動関連項目10点以上の方にグループホームの重度障害者支援加算の半分の単価の180単位がついた経過もありますので、ぜひ検討をしてほしいと思っております。
夜間支援加算の見直しは、後半のほうに資料をつけて、夜勤の実態と労基とのいろいろな流れが書いてありますので、ぜひこれも検討をしていただきたい課題だと思っています。
また、この間、3年ごとに特例の経過措置で続いている区分4以上の居宅介護もぜひ恒久化するような見直しをしていただきたいと思っています。
グループホームの世話人、生活支援員はグループに関する支援ですけれども、居宅介護のヘルパーはあくまで個人の介護や支援になっています。グループホームでも、居宅の利用という視点でぜひ考えていただきたい。
短期入所は、医療型の短期入所は、短期入所の日中利用は認められましたけれども、ほかの福祉型の短期入所の日中利用は認められていません。これは以前はあった制度ですので、ぜひ復活させていただきたいと思います。
なぜかというと、日中一時支援事業は市町村事業で、地域生活支援事業ではありますけれども、全ての市町村が日中一時支援事業を行っているわけではありません。これは任意事業です。ぜひレスパイト的な支援で短期入所の日中利用をできるようにお願いしたいと思います。
食事提供加算の継続も、グループホームの利用者にとっても日中通う上ですごく重要だと思います。
相当障害福祉サービス及び介護保険サービスのところについては、重度訪問介護は介護保険の訪問介護とは同等のサービスとは言えないということと、グループホームでも65歳以上になった場合、介護保険に誘導する市町村があります。利用者中心の視点で、誘導的に介護保険のグループホームに移行するようなことはぜひやめていただきたいと思っています。
4ページの視点3に関しては、この間の自立支援法からのいろいろな状況の見直し、規制緩和等がありますけれども、グループホームは経営実態調査で常勤率が低い、正職が少なくて、契約職員やパート職員、アルバイト職員が多くて、常勤換算でいろいろな比較をすると、非常に収支差が高いのでという形で報酬が下げられる傾向がこの間ありました。
そうではなくて、実際、今の福祉の仕事に就く人が少なくなって雇用ができていない、欠員がある、あるいは短期間で辞めていくという複雑な総合的な状況で収支差が一時的にプラスになっているということをぜひ加味していただきたいと思っています。
それから、給与体系も含めて、持続可能な体制にしていただきたいということと、最低賃金の改定と連動した地域区分と報酬額改定の見直しが必要ではないか。
最後に「新型コロナウイルス感染症による影響」で、グループホームも全国で数か所コロナの感染者が出たり、濃厚接触者が出たり、大変危機的な状況になっています。
1から8番目まで重要なポイントが書いてありますけれども、大きい法人や事業所はほかの事業所が職員体制で協力できるようなところもありますけれども、事業所が1~2か所しかないという脆弱なグループホームが感染症になったときの支援体制をどうするかということも今後の大きい課題なので、例えば自立支援協議会に、感染症だとか自然災害のときのグループホームの支援はどうするか、保健所の連携とか、そういうことも必要かと思っています。
概要版の細かい説明に関しては、そのほかのページに細かく書いてありますので、時間の関係上、細かいところは詳細版を見ていただきたいと思います。
最後に、グループホームの制度ができて、かなり時間がたっております。グループホーム自体は今の基準上では4畳半の広さでいいとか、1ユニットが最大10人まででいいとか、そういうところも、ユニットの見直しだとか、4畳半が最低基準でいいのだというような考え方もぜひ見直してほしい。
今回のコロナで感じたのは、例えば共有部分のトイレとか洗面所しかないということではなくて、今後新しく補助するグループホームはバリアフリーで、個室にトイレや洗面所もあって、万が一感染症が出た場合、ちゃんと保護できるような環境も整えるようなグループホームをつくっていくべきではないかと思っております。
以上です。ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御意見に対しまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
橋本アドバイザー、どうぞ。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
私の法人でもグループホームをやっていますが、重度の障害者をグループホームに受け入れるには、時に施設並みの対応が必要で、専門性のある職員が必要になるかと思うのですが、グループホームは施設と違い、住居単位が小さく、それぞれで世話人や生活支援員が必要で、特に夜勤の職員の確保に課題があると思いますが、御提案のような加算の見直しを行うことで人材の確保が進んでいくとお考えでしょうか。教えてください。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 一つは、支援度合いを上げることは、配置の人材を多くするということが必須条件だと思います。
今は、世話人の配置基準が基本報酬になっていて、生活支援員の障害支援区分による配置はあくまでも基準上になっています。ですから、世話人の配置基準を一つ上げて、基本報酬を上げること、生活支援員の基準を上回る職員を配置することによって生活支援員加配加算などをつけることで、より人材を厚くする。もちろん、重度障害者支援加算だとか、そういう研修を受けてスキルを高くした職員を養成していくということも必要ではないかと思っています。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 事務局長から補足です。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 15ページの一番下で、日中活動と日中活動以外の住まいの報酬額のバランスの変更が必要なのではないかと感じています。
日中活動の生活介護の報酬額と、グループホームで同じ人が土日も含めて1週間生活したときの単価と比べたときに、非常に大きな差があります。日中に比べてグループホームの報酬額が低いというのがあります。
生活基盤としてきちんと整えていくためには、このバランスを検討していかないと、グループホームを支えていくというのは難しいのではないかと感じています。今回の報酬改定で何とかできるという話ではないと思うのですけれども、本当に生活の場と日中活動の場のバランスを検討していく必要があると感じています。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
野澤アドバイザー、どうぞ。
○野澤アドバイザー これはグループホーム学会に限ったことではないのですけれども、今回の報酬改定のヒアリングを聞いていて、視点3のところが厚労省の質問とヒアリングをする団体の皆さんの答えが何かかみ合わないのです。つまり、厚労省側は報酬はずっと3倍になっているのだ、上げ続けると制度がもたないから、不可能だから対処方法を示してくれと言っていて、団体側は事業所が苦しくて、このままでは経営が継続できない、職員が働き続けることができないので増やしてくれと、反対のことを言っているところが多いのです。
私はお二人とは長い付き合いだからあえて聞きますけれども、グループホームは大事だと思います。これからも増えていくだろうし、増やしていかなければいけないと思うのです。そうすると、障害者福祉全体の予算で、例えばどこかから減らすなり、なくすなりして、グループホームを手厚くする、グループホームで働く人が働き続けられるような企業体系にしていく必要があると思うのです。その辺についてはどのように議論をされていますか。本音のところで聞きたいのです。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 なかなか難しいところですけれども、障害福祉の予算はどんどん上がっていくというのは皆さんも御存じだと思うのですけれども、一方では、サービス対象者がどんどん増えてきているという現実もあると思うのです。
もう一つは、今、野澤さんが言っているように、どこを減らしていくかというところはすごく難しいところで、例えば地域生活移行はどんどん進めて、入所施設の定員を減らして、入所施設に入るお金を減額していければ地域のお金が浮くのかと言えば、逆にそうではなくて、例えば障害の重い人が地域で暮らして居宅介護だとか、いろいろなサービスを使って、総合的にパッケージにすれば、入所施設で暮らしている人よりも報酬額というか、支援額がすごく上乗せになります。だから、ただ単純にどこを減らせばいいかというところでは解決できないような課題があるのではないかと思います。
事務局長からちょっと補足します。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 入所施設も含めてですけれども、日中と生活の場のバランスがやはり最初から悪かったのだと思います。
その中で様々な努力をしてきていますけれども、結局、入所施設の場合には昼間に来たお金を夜に回すということでバランスを取っていて、それが入所施設における昼間のサービスが非常に少ないということで解決をしてしまっている。
それから、グループホームはもっと専門性がある人が必要なのに、非常勤で回すということで成り立っているということで、今回、こちらが言えるのは、どこを削ってこっちに回すというよりも、そもそも昼間と夜のバランスをどのように考えていくのかを考えてほしいというようなところまでしか言えないような気がします。
○野澤アドバイザー 何か答えが出てこないような気もするのでするけれども、人口は減っていく、経済はなかなかよくならないで、コロナでまた出費が増える。このままだと借金ばかり増えていくという現実を考えたときに、必要だから、対象者が増えているから予算が増えるのは当然だという論理だと、国民の理解もなかなか得られないのではないかと思います。
こういうことを言うと、このヒアリングに来る皆さんから大変不評を買うことを承知であえて言っているのですけれども、その辺りはみんなが本音でここで議論をして考えていく、本気で議論をしているのだというところを国民の皆さんに見せることも必要だと思うのです。そうでなければ、何か勝手なことばかり言って、みんな大変な思いをしているのに、障害者のところだけ対象者が増えているからもっと予算を増やせと、それだけでは国民はなかなかついて来られないような気がするのです。
難しいのは分かります。私も本当にそう思っているのですけれども、そこは現場の方ではないと分からないようないろいろな情報もあるし、工夫のしようもあるのではないかというのであえて投げているわけで、ぜひその辺を出してほしいと期待をしたいと思います。これはグループホーム学会だけではなくて、ほかのところにも同じことを申し上げたいと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
それでは、ここで終了とさせていただきます。
障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会の皆様、どうもありがとうございました。
○障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会 ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 続きまして、全国自立生活センター協議会より、岡本直樹様、山本広次郎様、よろしくお願いいたします。
○全国自立生活センター協議会 全国自立生活センター協議会の常任委員をしています岡本と山本のほうで出席させていただきました。
時間が限られておりますので、概要版を用いて説明をしていきたいと思います。
なお、詳細版の重点項目等に関しては、太字等で一応装飾しているつもりなのですが、当会で話し合ってきた大事な指摘を記載しておりますので、議論の参考にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、視点1、スライドで言いますと資料5~6ページになりますので、詳細版を見ながら説明します。
全国自立生活センター協議会は、どんな重度の障害を持っていても、独立した一人の人間として、差別することなく、地域で自分らしく自分の選択と決定に基づく生活を送れる社会を目指していくということで、そのために障害を持つ当事者が主体で運動と事業を展開するのが自立生活センターですということで、団体の説明をさせていただきます。
視点1の5~6ページを御覧ください。当会としましては、重点課題という形でまとめています。
背景としましては、国連障害者権利条約の完全実施というものが現在はまだまだ至っていないのかと感じています。
意見・提案としましては、地域移行に力を入れたいと考えております。特に医療的ケアが必要な方、心疾患の方であるとか、重度心身障害者の地域移行なんかもぜひ進めていきたいと考えています。
それから、重度訪問介護の積み残し課題であります、全ての知的障害や精神障害がある方など、障害種別や児童とかも対象に含めるような形で、年齢制限等の撤廃などができればと思っています。
医療的ケアの評価が十分ではないと思います。例えば、特定事業所加算1を取得すると、医療的ケアの評価がされません。そういうのが問題かと思っています。こういったことを改善しなければ、医療的ケアが必要な重度障害者の介助制度というか、介助者が集まらずに取り残されてしまうのかなという課題を感じています。
もう一つの背景といたしましては、介護保険と障害福祉サービスの2つのサービスについてです。両法律に関しては、法律の趣旨やサービス提供範囲等が異なると感じています。共生型サービスであっても、やはり介護保険の考え方が中心となってしまって、障害福祉サービスに制限がかかっていることは問題であると感じています。
また、自治体によっては、障害福祉サービスを使う場合、障害支援区分6以上または要介護5以上というような悪質な制限があったりします。そういったことがありますので、全国のALSの方なんかも非常に困っていると聞いています。
65歳以上の国庫負担基準についてですが、今、手元の資料にはないと思うのですが、16万500円という基準があるかと思いますが、これに一律に設定されてしまって、区分6になると3分の1程度に下げられたり、包括対象者に関しては6分の1という形で下げられてしまうので、大きな問題であると思っています。私たちは、障害福祉サービスか介護保険かを選択できるようにするべきかと考えています。
エビデンスとしては、スライド15以降にまとめています。スライド15は障害者権利条約の第5条の平等及び無差別の資料、スライド16は社保審で出されていた地域移行者数の推移の資料になっています。
スライド20は障害者虐待防止法の最新の資料を載せています。虐待防止法に関しては、どの分野でも一定数の虐待通報や認定件数がありますが、最近では津久井のやまゆり園でも発覚しております。入所施設は突出して増加傾向にありますので、地域資源をつくりながらさらに地域移行を進めたいと考えています。
視点2については、7~12ページでまとめています。当会としては、現状の課題に対する意見、改善策としてまとめています。
背景としては大きく2つで、1-1ということで人材不足について、そしてサービスがあっても提供する人材がおらず、十分に派遣できないという問題があります。また、併せて重度障害者に対する質の高い人材確保というところも、それに見合った報酬が必要なのではないかと思います。
この背景から、自治体レベルで潜在的な有資格者を把握して、介護労働者を目指しやすくするようなインセンティブが働く仕組みを考えていくべきだと思っています。
2点目は、積み残し課題についてです。重度訪問介護による入院中の介護については、区分6の方には随分浸透してきているかと思っています。当然ながら、区分6に満たない私たちの仲間たちも入院時の派遣を希望する声があります。入院時の派遣については支給決定を新たに増やすということではないので、どの区分でも認めてもいいのではないでしょうか。
グループホームについては、他の団体でも要望が出ていますが、介護サービス利用型、日中サービス支援型で認めている区分4以上のホームヘルパーの利用についてですが、やはり経過措置ではなくて、恒久的なサービスとするべきだと感じています。
重度訪問介護のシームレス化については、私たちの悲願です。その中では、報酬告示にあるような「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出」という規定を個人的には何とか削除していただきたいと考えています。
就労の施策については、視点3で触れたいと思います。
相談支援についてですが、国が定めるプロセスになじまないユーザーが一定数いるかと思います。意思決定支援を必要とする方などは丁寧に行う必要があるため、そういったところには評価すべきと考えています。例えば重度訪問介護のような包括対象者であるとか、15%加算などの評価はシンプルではないかと思います。
これからの地域移行は、相談支援事業にかかっているということもあります。特に今、地域移行に関わる人の声として、相談支援専門員が入所者にこの先の人生をどのように地域で暮らすか、地域で暮らすためにどんな制度があり、どう利用していくのか、地域自立生活の将来のイメージが実際にある人たちが相談支援の受け手でなければいけないのかと感じています。大人もそうですし、子育て中の保護者と障害のある子供を将来が見えない苦しみの中にとどめ置き続けることになり、ひいては障害者の地域生活の可能性をたやすく壊し得ることになると思います。質や評価の両輪が必要かと思います。
視点2のエビデンスは、スライド23以降を参照してください。スライド23、スライド24は重度訪問介護の単価の比較や、スライド25、スライド26に関しては障害者権利条約の第3条の項目、第19条の自立生活条項を載せています。特に重要な点は赤字等で記載していますので、スライド27以降は入院時の派遣に関する意見を記載しています。
視点3について説明させてください。13ページになります。非常に難しい問いだと感じています。
しかしながら、運動体と事業体を併せ持つ当事者団体として言わせていただきますが、重度訪問介護の報酬がほかの介護単価と比較して低く、人材不足やコロナ禍の影響で経営が悪化していると感じています。お伝えした状態なので、少なくとも地域生活を支えていくための予算は削らないよう、お願いしたいと思います。
あと1点だけ、その対応策というか、意見としては、例えば通勤、就労中の介護の重度訪問介護への拡大が私たちの願いですので、そのサービスを使いながら一般企業等で働けるようにして、納税人口を増やすということがそれに対する反論なのかと感じています。
以上です。ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に対しまして、御意見、御質問があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
御質問、御意見がある方はいらっしゃいませんでしょうか。
田村アドバイザー、お願いします。
○田村アドバイザー 御発表に対する質問というよりも、先ほどの野澤アドバイザーのご質問に対する私からの意見ということになるかもしれませんけれども、5ページのところに医療的ケアが必要な人の地域移行件数が多い相談支援事業所を評価するということを書いておられます。
確かに野澤先生の考え方でいけば、このことだけに新たな加算を設けるということは、ひょっとすると障害福祉サービスのお金を増やすことになるのではないかと思います。一方では、こういう方が病院とか施設にいるということで、そこでかかる経費と在宅などに移行した場合の経費を、以前厚労科研でNICU長期入院児問題のときに評価したことがありますけれども、圧倒的に在宅に移行したほうが医療費は少なくて済みます。
ですから、こういうところにおいても、先ほどのような野澤先生の御意見に対しては、こういうことをすることによってどれだけ医療費が節約できるのかというようなことも一方で計算して出しておかれれば、説得力があるのではないかと思いました。
以上です。
○全国自立生活センター協議会 ありがとうございます。
まとめていきたいと思います。
○源河障害福祉課長 ほかにございますか。
よろしいでしょうか。
それでは、ここで終了とさせていただきます。
全国自立生活センター協議会の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、一般社団法人全国児童発達支援協議会より、加藤正仁様、北川聡子様です。よろしくお願いいたします。
○全国児童発達支援協議会 ただいま御紹介にあずかりました一般社団法人全国児童発達支援協議会、俗称CDS Japanと言っていますが、その会を代表して今回、こういう場に出席できることをとてもうれしく、また光栄に思います。
今日は、こうした私たちの日頃の現場での実践を通して、ぜひ改善、改定、バージョンアップをしてほしいというようなところを制作担当の副会長の北川を中心に発表させていただきますので、よろしくお願いいたします。
その前に、私たちの会ですけれども、皆様のお手元にもありますように、2009年に立ち上がりました。これはこの前に様々な大きな我が国の障害者施策制度の改正、改定が行われました。御案内のように措置制度から利用契約、支援費制度、さらには自立支援法というようなところでの大きな変化がございました。
そこでの一つの大きな変化として、障害の一元化という問題がございました。これに呼応して、私たち子供の担当者が従来、児童福祉法で規定されているところの難聴幼児通園施設、知的障害児通園施設、肢体不自由児通園施設、心身障害児通園事業という法外事業の4団体が合体しまして出来上がった団体でございます。全国7ブロック、現在社会福祉法人、一般社団法人、NPO法人、あるいは株式会社等、いろいろな団体の方が約600法人参加しております。
そこでの合意ミッションは、時代の変化を受けまして、一人一人の発達支援、家族支援、発達支援の場合、特に小さな子供たちの場合には、ハビリテーションということになろうかと思いますが、それを地域の中でインクルーシブにというのが我々のミッションであります。そのミッションに基づいて、現在、全国の発達支援事業の各種調査、厚労省からの委託研究、職員研修養成、あるいは関連制度等、様々な諸提言をさせていただいております。さらに、被災地支援というようなところも、同じ仲間たちの相互支援ということで、特に積極的に行っているところであります。
今日の13ページにわたる意見提案と、9ページにわたるエビデンス、資料も自分たちが毎年行っている調査の中から引用したものであります。ぜひお聞きいただきたいと思います。
それでは、北川さん、お願いします。
○全国児童発達支援協議会 政策担当、副会長の北川です。よろしくお願いします。
まず、視点1に関してなのですけれども、放課後デイサービスの事業区分の見直しについてです。
現在の子供の区分の割合によって事業所の区分になるというのは、今は子供への適切な支援につながっていない。それから、指標も実際の子供の支援度を表すエビデンスになっていないということで、廃止していただきたいと思っています。放課後デイも児童発達支援と同様に、職員体制と機能によって「センター型」と「一般型」に分けることが必要だと考えます。これは視点3にも関係することだと思っています。
そして、困り感の高い社会的養護を必要とする子供や、不登校児、医療的ケアの必要な子、強度行動障害児などケアニーズの高い子供には、合理的配慮の観点から、子供によって必要な加算をつける必要があるのではないかと考えます。
2つ目です。家族支援加算の創設ということで、今、事業所内相談支援加算、家庭連携加算、訪問支援特別加算の3つがありますけれども、特に事業所内相談支援加算は障害のある子供を育てるお母さんたちに対する子育て支援の観点から非常に重要でありますが、回数と単位が不十分です。そして、お母さん同士が語り合うグループでの支援については、報酬がありません。この3つはばらばらにありますけれども、ぜひ合わせて月5回ぐらい取れるような報酬にしていただければと思います。
また、グループでの活動も大事ですので、グループでの相談形態も加えてほしいと思います。
食事提供加算は、今までもお伝えしていますけれども、障害のある子にとっては、とても大切な、専門性の必要な支援ですので、食事提供加算もしくは子供食育加算を求めたいと思います。
4番目です。生活支援を伴う児童発達支援への加算です。
児童発達支援センターに通えない子供もいますが、児童発達支援事業所で本当に手厚く行っている事業所があります。しかし、短時間での支援と同じ単価になっていますので、そういった子供に基本単価を見直すか、生活支援への加算が必要だと考えます。
5番目です。基本単価については、11人以上でも安定して事業運営ができるような単価の設定が必要なのではないかと考えます。
送迎については、ここを読んでいただければと思います。
視点2です。先ほど会長からも言いましたけれども、平成24年に身近な地域での支援が受けられるようにということで一元化になりましたが、実際は福祉型、医療型があります。そして、福祉型の中では、障害別に分断されていて、全ての障害のある子供が利用できるような状態ではありません。本当の意味で一元化を進める必要があると思います。一元化された児童発達支援センターは、生活モデルを基盤として、保育士の配置基準を3対1まで引き上げていただきたいと思っております。
また、児童発達支援センターが地域の後方支援も含めて、専門的な支援につながるように、今は配置のないOT、PT、ST、心理師を必須とすべきでありますし、社会的養護の必要な子供が増えてきて、他機関との連携の必要性が増していますので、ソーシャルワーカーの配置も必要だと考えます。
3番目の児童指導員等配置加算ですけれども、専門職のところに教員免許、それからここにある国家資格者を対象にしていただきたいということです。
4番目です。保育所等訪問支援事業が18歳の誕生日でばすっと切れてしまいますので、3月まで、もしくは二十歳までにしていただきたいということです。
それから、支援の質の向上のための研修をぜひ国の障害児通所支援従事者研修を制度化して、報酬に評価していただきたいし、それだけで支援が整うわけではないので、その後もスーパービジョンなどをやっていく仕組みも大事だと思っています。
6番と7番は関連項目で、障害のある子も子供なので、子ども家庭局だとか母子保健施策など他機関と一緒になって進めていただきたいと思っています。
8番目です。事務量が多いので、軽減をしてほしいと思います。IT化とか在宅勤務なども、これからできたらいいなと思います。
視点3です。収支差率が11%と高くなっているのですけれども、実は今回のコロナ禍の中で融資を申し込んだ事業所が多くあると聞いています。定員10名で、小規模の事業所において経営実態を表す資料として、本当に今の収支差率が適切なのか検討が必要なのではないかということです。
インクルージョンに関して、子供と高齢だけではなく、障害のある子とない子が共生できる仕組みがほしいと思います。
障害児福祉計画です。他の子供政策と同じように、障害児支援に関しても将来の課題を解決していくために、必要なところでは抑制を前提とするのではなく、地域のニーズに応じた適切な整備が必要だと思います。
視点4です。
1番目ですけれども、今回、例外的報酬算定を措置していただいて、本当に感謝しております。さらに最低保障の制度が必要になるのではないかと思います。
2番目になります。今回、オンライン支援をさせていただきました。対面での支援もとても重要ですけれども、事業所に来られない子供や家族にとって、この支援が実施可能になれば、働いているお母さんとか事業所に来られない子供さん、それから、子供の様子を共有したりなど、バリエーション豊かな支援につながるのではないかと思います。
以上がCDS Japanの意見となります。ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があるアドバイザーの方は挙手をお願いします。
田村アドバイザー、どうぞ。
○田村アドバイザー 御丁寧な御説明をありがとうございます。
まず、5ページのところの家族支援加算の創設ということでございますけれども、特に高度な医療的ケアを必要としているハイリスクのお子さんを在宅で育てているお母さんたちと接触をしている私たちの立場からいきますと、これは非常に大事なポイントだと思います。
特にこの中で、公認心理師によるカウンセリングがここに挙げられていますけれども、日本の社会におきましては、病気を持った子供を見るのは親―特に母親―の務めだろうという考え方があって、こういう障害福祉で問題となるような分野におきましては、在宅医療をしている限り、お母さんの負担が非常に大きくなります。実際にお母さんがそれで鬱になったり、場合によっては自殺企図、また逆に子供の虐待が発生するというようなことを我々は見聞きしておりますので、これについては、私は非常に大事なことだと思いますので、よくここを考えていただいたと感謝いたします。
もう一つですけれども、9ページの「保育所等訪問支援事業対象の拡大について」で、今の制度では、基本的に満18歳になった途端に保育所等訪問支援事業が利用できなくなる。これは実は保育所等訪問支援事業だけではなくて、今の児童福祉法におきましては、18歳になった途端に児童福祉法の対象ではなくなるということがあるために、例えば特別支援学校に行っている子供が高校で18歳になった途端に、このような形でそれまで受けられていたような社会保障制度が受けられなくなるということで、せめて18歳になったらではなくて、18歳になったときの年度の学年が終わるまではちゃんと児童福祉施設や障害児施設なんかにおいてもこういう制度を受けられるということが非常に大事なことだと私は思っております。
ただ、先ほど言いましたように、これは児童福祉法という一つの法律をある意味変えなければいけないので、かなりハードルが高いと思いますから、今回の障害福祉サービス等報酬改定ですぐ実現するかどうかはかなり厳しいとは思いますけれども、ぜひ今後もこういったことを主張し続けていただきたいと思います。
○全国児童発達支援協議会 ありがとうございました。
子ども家庭局のほうでは、措置制度ですけれども、もう措置延長が一般化されていますし、22歳までの補助事業などもありますし、だんだんそういう方向に日本全体が行くといいと思っております。ありがとうございました。
○田村アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。
橋本アドバイザー、どうぞ。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
田村先生と同じお話のところではあるのですが、家族支援加算についてです。
障害児が健やかに育つためにも、被虐待児童をなくすためにも、保護者への支援や、保護者をいかに育てるかということはやはりとても大切なことだと思います。
私も障害を持って生まれた子供の障害受容から育て方、考え方やこれからの生き方などを支援者や同じ障害児を持つ保護者同士の関わりの中で、子供と一緒に学び、新たに自分自身を育て直してもらったという実感があります。
この家族支援加算なのですけれども、児童発達支援や放課後等デイサービスが子供を預ける場所だけではなく、家族が障害児を育てる力をつけ、同じ保護者の仲間をつくる場となることが必要だと感じていますが、先ほどの御説明にもありましたように、グループカウンセリングやペアレントトレーニング等がそのような場になっていると考えてよろしいのでしょうか。また、それには標準化された手法があるのでしょうか。教えてください。
○全国児童発達支援協議会 先生、ありがとうございます。
やはり子供を育てるには親御さんをサポートすることがとても大切だと思います。
前々回の報酬改定のときから、この事業所内相談支援に関して私たちの団体としてもすごく強く要望してまいりました。というのは、子供を預けるだけの事業所が当時多かったものですから、この加算の単位はとても少なかったのですけれども、つけるだけでも、家族の方の支援につながるということであれば、本当にすばらしい加算ではないかと思って要望してまいりました。そして実現してまいりました。
グループカウンセリングだとかペアレントトレーニングを通して、親同士の懇談会とか、先生が入っての懇談会とかも含めて、親同士で気持ちを分かち合ったり、子供を育てる、頑張っていこうという意欲につなげるには、やはりグループがとても大事だと思っています。
それに加えて、この今日の虐待の状況とかを考えると、ペアレントトレーニングという新たな、褒めて育てようとか、いいところを見つけようとか、子供が問題行動を起こしたときにどのような対処をしていくかということをしっかりと学んでいくということも必要です。それにはライセンスなどが要りますけれども、これは今後とても必要になってくると思っております。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 佐藤アドバイザー、どうぞ。
○佐藤アドバイザー 御説明ありがとうございました。
児童の問題ですので、文科省のほうになりますけれども、学校教育との関わり、何らかの連携のようなものも必要とされるのではないかと思いますが、その辺りについてはどのようにお考えでしょうか。
○全国児童発達支援協議会 放課後デイにおいては、学校教育との連携が非常に重要だと思っていますが、まだここは国のほうでトライアングルプロジェクトとか、そういうことを出していただいていますけれども、なかなかうまくいっていない課題だと思っています。
特に幼児のところでは、移行に関わる加算が3月31日までなのです。そして、4月を過ぎるとこの加算は使えないということで、学校への移行のための十分な準備がなかなかできない加算体系になっているということは、今後の課題かと思っております。
学校との連携は必要ですので、今後もCDS Japanとしてもしっかり取り組んでいかなければいけないと思います。
ありがとうございました。
○佐藤アドバイザー ありがとうございました。
○全国児童発達支援協議会 今は保育所等訪問支援で学校に行くということもできます。
○源河障害福祉課長 お時間が参りましたので、ここで終了とさせていただきます。
一般社団法人全国児童発達支援協議会の皆様、どうもありがとうございました。
続きまして、一般社団法人日本自閉症協会より市川宏伸様、今井忠様です。どうぞよろしくお願いいたします。
○日本自閉症協会 本日は、このような会にお声がけをいただきまして、ありがとうございます。
本日は、副会長の今井とともに参加させていただいております。
日本自閉症協会は昭和43年に自閉症児親の会全国協議会からスタートしておりまして、基本的には保護者及び当事者の団体でございます。一昨年、創立50周年を迎えたところでございます。
目的及び主な活動内容につきましては、2ページ目のところに書かせていただいているとおりでございます。
最近の主な活動として幾つか挙げてございますが、特に5番目の世界自閉症啓発デー関連イベントについては、厚労省の方にお世話になりながら、共催として取り組んでいただいているところでございます。
日本自閉症協会の下に各都道府県及び政令都市の自閉症協会がございまして、今年6月の時点で51団体ということで、各団体の数及び本部に直属でいる個人を足しますと1万1667名ということでございます。
自閉症をはじめとする発達障害は、正式には平成17年の発達障害者支援法以来きちんと認められているのではないかと私は思っておりまして、まだまだ15年しかたっていないせいでしょうか、見た目で分からないとか、そのようなことで理解していただけないところがありまして、今井のほうからも意見を出していただきますが、まだまだ理解してほしいという意見がいろいろなところから出てくるという現状でございます。
それでは、よろしくお願いします。
○日本自閉症協会 今井です。
それでは、資料に基づきまして、説明させていただきます。
私どもは、基本的には当事者団体ですので、事業団体がメインではありません。そういう意味で、私たちの要望は制度上どこに当てはまるのかというのが十分に分かっているかというと、そうではありません。それは率直に申し上げます。
3ページ目のところは目次でございますので、省略させていただきます。
4ページでございます。
一つは、支援従事者不足問題が依然としてあります。これは量的な問題と質的な問題の両方です。そこで、処遇改善加算等でやっていただいておりますけれども、我々の現場的な感覚から、まず事業所の基本報酬を上げるということがどうしても必要ではないか。もちろん、これは地域的な差もあると思います。細かいやり方は別としまして、基本報酬を上げるということが必要かと思います。
5ページ目でございます。書類作成事務の大幅簡素化をお願いしたいと思います。
各事業所においては、報酬請求関連、支援記録等、書類記入作業について、一部は利用者のほうでも判を押したりいたしますけれども、この負担がやはり支援の妨げになっていると感じます。事務作業業務を、半分以下になるようにしてほしい。
特に処遇改善加算の請求は極めて複雑でございますが、聞くところによりますと、今回、既に簡素化されていると聞いておりますけれども、さらなる簡素化をお願いしたいと思います。そして、簡素化した上でIT化を考えていただきたい。
6ページです。障害支援区分の問題です。
直接には報酬とは違いますけれども、依然として自閉スペクトラム症で行動上の課題がある人の障害支援区分が低く判定されやすいという現状があります。それで必要な支援を得にくくなっております。支援実態を反映した見直しをやっていただきたいと考えております。
7ページ目でございます。放課後等デイサービス。
すみません。文章にミスがあります。直してください。(背景、論拠)のところで「2つの区分と2つの定員規模の4マス」と書いてあるが、これは間違いで「区分と定員規模のマスで報酬単価が設定されている」ということで、数字は消してください。このマスの間の差が大き過ぎるという問題であります。
もう一つは、自閉スペクトラム症児の場合には、要支援度が高いにもかかわらず、低く評価されて、報酬が見合わないということがございます。つまり、定員規模と要支援度の両方の問題です。
定員規模が大きいところの単価を上げていただきたい。
自閉スペクトラム症児の場合には、重度として扱ってほしい。
規模で区分をつけるのではなくて、利用児童一人一人の区分単価が望ましいのではないかと考えております。
次のページは参考資料ですから飛ばします。
9ページ目でございます。5の就労継続支援A型及びB型共通項目で、新聞報道によれば、一般就労移行の目標値を設けると伺っております。目標値を設けると、一般就労に結びつきにくい障害者が事業所から敬遠される傾向を助長しかねないと考えております。
そういう意味で、一般就労移行の目標値を継続に設けることに反対です。一般就労に移行するかどうかは、本人の意思によるべきだと考えております。
10ページ目です。継続のB型です。
この事業の利用者には短時間なら作業ができる人、ゆっくりなら作業ができる、長期に家から出られず、やっと週1日なら通えるようになった人など、様々な課題を抱えた人が多数います。現在の平均工賃月額を基準とする報酬体系では、そのような利用者が事業者から敬遠されます。特に自宅から出ることに不安感を抱くタイプの人、いわゆるひきこもり状態の人の社会参加機会としても、本事業が引き続き実施されていくようにすることが求められていると思います。
そこで、平均工賃月額が2万円以下の場合の報酬単価を上げていただきたい。平均工賃月額については、以前のように、月額だけではなくて、日額、時間額も選択可能にしていただきたい。
重度支援体制加算についてですけれども、現在は障害基礎年金1級を受給している人の割合で加算が受けられるようになっていると思いますけれども、支援区分も選択できるようにしていただきたいということであります。
11ページは、グループホームです。
休日日中を一人で過ごすことが困難な人の場合、親の高齢化が進んでいることから、保護者による支援を前提とした仕組みでは対応できません。通所系サービスの休日利用が拡大されるようにしてほしい。
それから「休日日中に訪問系サービスを使えるように」と書いていますが、これは間違いで、現在でも使えるわけですけれども、このサービスをもっと多く使えるようにしてほしいということであります。
休日における区分3以上の人の単価を引き上げてほしい。
大規模住居等減算について、現在は8名以上から減算になっていますけれども、10名までは減算を行わない制度としてほしいということであります。
自閉スペクトラム症の特性を持つ人のサテライトについては、2年を経過後についても、継続利用できるような制度にしてほしい。
次は生活介護等の通所サービスです。
保護者の高齢化に伴い、保護者による支援を前提とできないケースが増えています。これはよく言われている土日祝日問題であります。
これは地域差がございますけれども、地域によらず支給日数の上限が31日となるようにしてほしい。平日以外の報酬単価を25%引き上げて、支援者を得やすくしてほしいということでございます。
13ページは、就労移行支援です。
自閉スペクトラム症者の場合には、自分に合った就労支援者を見つけることがなかなか容易ではありません。2週間程度の体験利用で正式な契約をしてほしいということであります。その体験利用の間は、2年に含めないでいただきたい。
それから、利用期間の2年を経過した場合に、継続して利用できるようにするため、今でも一定の条件では利用できますけれども、そのハードルを下げていただきたいということであります。
最後のページです。
グループホームや入所施設への新型コロナ感染防止対策です。この場で言うのが適切かどうか分かりませんが、一つは予防と感染時の対策が必要ですけれども、不顕性感染者の存在を前提にした感染防止が必須です。入所施設で隔離する場合と、入院しなければならない場合の両方が想定されておりますけれども、支援職員不足が生じます。
そこで、感染予防のためのPCR検査等、ほかの検査でもいいのですけれども、公費で定期的に行って、早期に感染者を発見して隔離できるようにしてほしい。
施設等での隔離支援が必要な場合には、支援職員の心理的、物理的負担を考慮した経済的支援を事業者に行ってほしい。
付添いが必要な利用者が入院する場合が大変問題でありまして、保護者が付き添えない場合は本人に慣れた支援職員が付き添うことになりますけれども、職員増員にかかる費用を応援していただきたい。
以上です。ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ただいまの御意見につきまして、御質問、御意見があるアドバイザーの方は挙手をお願いいたします。
御質問、御意見がある方はいらっしゃらないでしょうか。
橋本アドバイザー、どうぞ。
○橋本アドバイザー 御説明ありがとうございました。
私の娘も自閉症なので、同じ立場でお気持ちは非常にせっぱ詰まるものを感じるところなのですけれども、生活介護等の支給日数の上限を31日としてくださいというところがあるのですけれども、その31日を全部行ってしまうと、本人が非常にくたびれてしまうのではないかということも親として思ったのですが、その辺はいかがでしょう。
○日本自閉症協会 おっしゃるとおり、一律に31日にしたほうがいいということではなくて、上限をそのようにしてもらいたい。地域によっては、既にそのようになっているところもあります。ですから、制度的には使えるようになっているはずだ、あとは自治体での判断ではないかと言われるような気もいたしますけれども、いろいろ聞いてみますと、やはり31日は一般的ではないという認識が全体的にはあると聞いております。
○橋本アドバイザー ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
それでは、ほかにないようですので、ここで終了とさせていただきます。
一般社団法人日本自閉症協会の皆様、どうもありがとうございました。
○日本自閉症協会 ありがとうございました。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
本日予定しております議事は、以上で終了となります。
次回の検討チームは7月30日の木曜日の14時より、本日と同様のオンライン会議にて開催しますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、これで閉会いたします。
アドバイザーの皆様、お忙しいところ、長時間にわたり、ありがとうございました。