要介護者に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会(第3回)議事録

老健局老人保健課

日時

令和2年6月18日(木)10:00~12:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター
ホール14A(WEB開催)
 

議題

1.要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の指針案について
2.介護保険事業(支援)計画における要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の構築に関する手引き(案)について
 3.要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会報告書(案)について
 

議事

議事内容
○長江課長補佐 定刻になりましたので、第3回「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」を開会させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、誠にありがとうございます。今般の新型コロナウイルス感染症に関する様々な対応につきまして、各自治体や関係団体の皆様には、各方面において多大な御尽力をいただいており、感謝申し上げます。本検討会においても、第1回、第2回と持ち回り開催という形を取らせていただきました。
 本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点からオンライン会議システムを活用しての実施とさせていただきました。また、傍聴席等は設けず、動画配信システムでのライブ配信により、一般公開する形としております。本日の委員の出席状況ですがね中畑委員より御欠席の連絡をいただいおります。以上により、本日は、17名の委員に御出席いただいております。
議事に入る前に、お手元の資料の確認と、オンライン会議の運営方法の確認をさせていただきます。まず、資料の確認を行います。本日は、電子媒体でお送りしております資料を御覧いただければと思います。同様の資料をホームページに掲載しております。まず、議事次第がございます。次に資料1「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の指標案について」。資料2「介護保険事業(支援)計画における要介護者等に対するリハビリテーション提供体制の構築に関する手引き(案)」。資料3「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会 報告書(案)」。参考資料1「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会構成員名簿」。参考資料2「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会(第2回)議事録」。資料の不足等ありましたら、恐縮ですが、ホームページからダウンロードいただくなどの御対応をお願いいたします。
 次に、オンライン会議における発言方法等について、確認をさせていただきます。御発言される委員の方は、通常の会議のように挙手をお願いいたします。オンライン会議で、オンラインの画面で田中座長に御確認いただき、指名していただきますので、指名に基づき御発言をいただくようにお願いします。挙手しているにもかかわらず、発言希望の御意思が会場に伝わっていないと思われる場合は、オンライン会議システムのチャット機能等で会場へ御意思をお伝えいただくことも可能ですが、原則としては、挙手にて御意思の表示をお願いします。なお、チャット機能等でお伝えいただいた内容については、オンラインの画面に表示されますので、御承知をお願いします。
 それでは、冒頭のカメラ撮影は、ここまでとさせていただきます。本日は、報道の皆様を含め、ここで退出をしていただくことになりますので、よろしくお願いします。
(カメラ退出)
○長江課長補佐 では、以降の進行を田中座長にお願いいたします。
○田中座長 委員の皆さん、おはようございます。今までと違う感じですね。本日は「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の指標案について」。2番目「介護保険事業(支援)計画における要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の構築に関する手引き(案)について」。3つ目「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会報告書(案)について」などに関する議論を行います。また、最終報告書(案)も議論いたします。
 本日、この案がほぼ了承されれば、この委員会は終了となります。最近は、皆さんも、もう慣れておいででしょうが、本日は、この委員会としては初めてのオンライン会議です。手を挙げるときは、しっかりと手を挙げてください。小さく挙げると見えませんので、大きく挙げてください。時間に余裕もございませんので、事務局においては、資料説明を簡潔に行ってください。各委員の皆様も、論点に沿った簡潔な議論をお願いいたします。
 本日の進め方ですが、議題1から3について、事務局が一通りの説明を行います。その後、まとめて質疑の時間を取るようにします。その旨、御了承ください。では、事務局より、資料の説明をお願いします。
○木下高齢者リハビリテーション推進官 おはようございます。老人保健課の木下です。
 それでは、資料1から資料の説明を差し上げたいと思います。資料1「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の指標案について」の説明を差し上げます。
 スライドの2ページ目を御覧ください。前回検討会では、第1回検討会における議論を踏まえ、用語の定義・議論の範囲・考え方の整理案、事務局によるストラクチャー指標・プロセス指標項目の算定件数の調査結果、ストラクチャー指標・プロセス指標の項目案、アウトカム指標の考え方と例示案が示され、これをもとに、事務局によるストラクチャー指標・プロセス指標項目の算定件数の調査結果、ストラクチャー指標の項目案、プロセス指標の項目案、アウトカム指標の考え方と例示案、手引きの内容についてを論点とし、議論をいただいておりました。
 続きまして、3ページから7ページにつきましては、第2回検討会においていただいた主な御意見を記載させていただいております。
4ページ目を御覧ください。ストラクチャー指標に関する主な御意見になります。1ポツ目ですが、算定件数に関係なく、リハビリテーションサービス提供体制として重要である項目は残すべきではないか。2ポツ目、短期入所療養介護の老健施設数は重要な指標と考えるという御意見をいただいております。
 続きまして、5ページ目を御覧ください。プロセス指標に関する御意見となります。1ポツ目、リハビリテーションマネジメント加算などの重要な指標については、政策誘導的にも検討すべきであるという御意見をいただいております。2ポツ目、福祉用具貸与件数は指標として採用するのは難しいのではないか。3ポツ目、特に通所リハビリテーションにおける稼働率を把握することで、新規に事業所を開設しない場合でも、定員と稼働率の乖離があれば、既存の事業所を活用できるのではないか。4ポツ目、短時間の通所リハビリテーションは採用されていないが、多くの医療機関で右肩上がりに増えているので、指標に入れるべきであるという御意見をいただいております。
 続きまして、6ページ目を御覧ください。アウトカム指標の考え方と例示案に関する委員からの御意見となります。3ポツ目、介護度の維持率というのを指標に加えてはどうかという御意見をいただいております。
 7ページ目を御覧ください。手引に関する御意見となります。1ポツ目、行政担当者は各プロセス指標に詳しくないことが想定されますので、プロセス指標の内容とこれを拡充させる意味、アウトカムの関係について説明すべきである。2ポツ目、人的資源の乏しい地域では、ストラクチャー指標を目標として拡充させることは難しい。指標をもとに現状把握をした上での個別の計画を立てることが重要である。また、都道府県の地域リハビリテーション体制との連携も重要な観点である。必要に応じて都道府県単位で解析を行う点、都道府県が果たす役割について記載すべきであろうという御意見をいただいております。
 これらの意見を踏まえて、8ページ目を御覧いただければと思います。ストラクチャー指標案として、介護保険における介護サービスを提供する施設や事業所の物的資源、人的資源、地域の状態像などを表す指標として、以下を指標としてはどうかというところを提示させていただきます。指標案としましては、サービス提供事業所数、定員数、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の従事者数に加え、サービス提供事業所数、短期入所療養介護におけるサービス提供事業所数を、今検討会で追加とさせていただいております。
続きまして、9ページ目となります。プロセス指標案です。介護サービスを提供する施設や、居宅介護支援事業所との連携、事業所の活動や、事業所や施設間の連携体制、また、利用者の関係を測る指標として、以下を指標としてはどうか。利用率、短期集中(個別)リハビリテーション実施加算算定者数、認知症短期集中リハビリテーション実施加算算定者数、個別リハビリテーション実施加算算定者数、生活機能向上連携加算算定者数、経口維持加算算定者数、赤字のものは、前回から今回にかけて追加としているものですが、定員当たりの利用延べ人員数、短時間、1時間以上2時間未満の通所リハビリテーションの算定者数、リハビリテーションマネジメント加算II以上の算定者数、これらをプロセス指標として提示してはどうかというところでございます。
 11ページ目は、ストラクチャー指標、プロセス指標の項目案をまとめさせていただいております。スライドの11ページ目「論点3(参考指標について)」でございます。第1回検討において、算定件数の少ない指標は適さないという御意見がありました。第2回検討会では、算定件数に関係なく重要である項目は指標とすべきではいかという意見がありました。指標となる項目もある一方で、前回までに指標として提示がありましたが、リハビリテーション指標として採用されなかった項目について、保険者が必要に応じて追加解析が可能な参考指標として提示してはどうかということ。ストラクチャー指標、プロセス指標の参考指標案を提示させていただいております。
 つづきまして、12ページ目となります。アウトカム指標の考え方と例示案となります。アウトカム指標は、今の時点で定めることは難しく、今後の課題とし、以下の考え方と例示はどうか。アウトカム指標の考え方としましては、生活期リハビリテーションは活動・参加の拡大を目指すこと、地域共生、本人の尊厳、生活の維持向上、保険者機能を強化推進交付金及び介護予防の成果のイメージ等の既存の項目を参考にすることとされております。アウトカム指標の例示につきましては、主観的幸福感、健康感、社会参加への移行、ADL(BI,FIM)の変化度、IADL(FAI)、障害高齢者の日常生活自立度というものも例示として挙げられております。また、アウトカム指標の例示について、今後のデータ収集方法と併せて示すべきであるとされ、主観的幸福感はニーズ調査、ADLはVISIT及びCHASEの今後の運用にデータ集積が期待されました。上記以外に、認知症、心身機能、基本動作、日中の過ごし方、トイレでの排泄が可能となった件数、経口摂取が可能となった件数が意見として挙げられました。要介護認定率の変化については、その更新が最長で3年であるという要介護認定の実態から指標としては適切ではないという議論となりました。ただし、被保険者の年齢分布に考慮した上で、低い要介護度を維持できている状態などを指標化できれば、将来的には要介護度をアウトカム指標として活用可能ではないかという意見を挙げられました。以上が資料1の説明となります。
 続きまして、資料2介護保険事業(支援)計画における要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の構築に関する手引き(案)」の御説明を差し上げます。
めくっていただきまして、まずは、目次の説明を差し上げたいと思います。第1章「本手引きの位置づけと基本的な考え方」。第2章「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に係る介護保険事業(支援)計画の作成プロセス」。第3章「介護保険事業(支援)計画の作成プロセスの例」。第4章「介護保険事業(支援)計画作成後の実践と進捗管理」。こういう目次で構成をさせていただいております。
1ページ目から説明を差し上げます。1ページを御覧ください。第1章「本手引きの位置づけと基本的な考え方」となります。「1.本手引の位置付け」ですが、1ポツ目、介護保険は、2000年4月に創設され、介護(支援)などが必要な人の尊厳を保持し、能力に応じ、自立した日常生活を営むことができよう支援することを基本理念としております。2ポツ目、制度創設から20年が経過し、医療と介護の連携がますます重要となってきております。3ポツ目、リハビリテーションにおいても、医療保険で実施する急性期・回復期のリハビリテーションから、介護保険で実施する生活期リハビリテーションへ、切れ目のないサービス提供を構築することが求められております。
 2ページ目となります。1ポツ目、介護保険事業(支援)計画には、介護保険の理念である高齢者の自立支援・重度化防止等に向けた各市町村の取組を推進するため、地域の実情に応じた具体的な取組と目標を設定することとされていますが、このような背景の中で、保険者・都道府県においては、第8期計画の策定の際、要介護(支援)者に対するリハビリテーションの目標については、国が示す指標を参考に具体的な取組を計画に記載していただき、介護保険で実施するリハビリテーションサービスの見込み量の推計を行い、地域の実情に応じた適切な施策を実施することが期待されます。2ポツ目になります。その際には、地域が目指すべきリハビリテーションサービス提供の在り方、ビジョンとデータに基づいた各地域の実態や課題の分析を通して、これを達成するための構築方針を明確化することが重要となります。4ポツ目、本手引は、地域が目指すべきリハビリテーションサービス提供の構築に向けて、こうしたデータを活用して地域の実態や課題を分析し、構築方法を明確化するための一連のプロセスを示すものです。6ポツ目、本手引は、計画作成に向けた分析や関係者間での議論の一助となるよう、一般的に想定されるプロセスを具体例とともに整理しているものでございます。
 続きまして、3ページ目に行きまして「本手引きにおる介護保険の生活期リハビリテーション」の項となります。1ポツ目、いわゆる団塊の世代が75歳に到達している2025年に向けて、地域の特性を生かした地域包括ケアシステムを進化・推進していくことが求められております。2ポツ目、高齢者がその有する能力に応じて自立した生活を営むことができるように支援することや、要介護状態などとなることの予防、要介護状態の軽減、悪化の防止といった介護保険制度の理念を踏まえて、具体的な取組を進めることが重要となります。3ポツ目、特に、介護保険サービスの対象となる生活機能の低下した高齢者に対しては、生活期のリハビリテーションとして、高齢者が有する能力を最大限に発揮できるよう、心身機能、活動、参加のそれぞれの要素にバランスよく働きかけていくこと、また、これによって日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能とすることが重要となります。
 めくっていただきまして、4ページ目となります。1ポツ目、高齢者本人への活動へのアプローチとしてのADLやIADLの向上への働きかけはもとより、高齢者が共生社会の中で尊厳を持って暮らしていくことができるよう、地域や家庭における社会参加や役割の創出といったところまでをカバーし、QOLの向上を目指すことが重要でございます。3ポツ目、訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・介護老人保健施設・介護医療院で実施されるリハビリテーションは医師の指示のもとに、医師またはリハビリテーション専門職が多職種と連携しながら行うことで、利用者の心身機能の維持回復を図るものです。4ポツ目、地域のリハビリテーションサービス提供体制の検討においても、リハビリテーションの必要性だけでなく、リハビリテーションサービス等を通した高齢者本人への取組に加えて、高齢者を取り巻く環境への取組も検討し、要介護状態になっても地域・家庭の中で生きがいや役割を持って生活することができる地域を目指すことが重要となります。
 5ページ目「本手引きにおけるリハビリテーションサービスにおける提供体制の議論の範囲」となります。本手引きは、介護保険事業(支援)計画策定に向けたリハビリテーションサービス提供体制の検討にかかる基本的な考え方や例を示すものとして、介護保険の生活期リハビリテーションに焦点を当てています。2ポツ目、介護保険の生活期リハビリテーションとして本手引きで議論の対象とする介護保険サービスは、訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・介護老人保健施設・介護医療院の受給による4つのサービスになります。3ポツ目、本手引で対象とする4つのサービスのほか、居宅サービスや、介護予防への取組、また医療サービスとの連携が必要となります。また地域医療構想の影響に伴う在宅サービスのリハビリテーションのニーズの把握も必要となってまいります。
 続きまして、6ページ目に移ります。「本手引きで用いる用語の定義」となります。リハビリテーションサービス提供体制の検討に際しては、介護保険事業(支援)計画の策定担当者をはじめ、地域の医療職や介護職、関係団体等が目的を正しく理解し、共通の言語でコミュニケーションを進める必要があります。そのためには基本的な用語の定義が必要であることから、本手引では用語の整理を行いました。以下に用語の定義がございますので、御確認いただければと思います。
続きまして、9ページ目に移ります。「第2章:要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に係る介護保険事業(支援)計画の作成プロセス」。項1「PDCAサイクルを活用した計画策定と進捗管理の意義」となります。1ポツ目、リハビリテーションサービス提供体制の構築のためには、介護保険事業(支援)計画において、地域の実情に応じたリハビリテーションサービス提供体制の在り方やその実現のための具体的な取組や目標を明確にするとともに、計画の策定後には、取組や目標達成に向けた活動を継続的に改善する手法であるPDCAサイクルを活用しながら、進捗管理を実施することが重要です。2ポツ目、具体的には、リハビリテーションサービス提供体制に関する現状や、第7期の取組の実施状況とその効果を評価(確認)します。その上で、第8期で目指すリハビリテーションサービス提供体制の在り方を検討し、その実現のために必要な取組と、取組の達成状況を評価するための目標を設定します。さらに、計画の策定後には、取組の実施状況の評価を通して、より効果的に取組を推進するための改善方法を検討することが望まれます。
 10ページ目に移ります。1ポツ目、リハビリテーションサービス提供体制の構築には、都道府県の地域リハビリテーション支援体制との連携も重要となります。都道府県は、例えば管内保険者のリハビリテーションサービス提供体制の実情を把握し、提供体制が整っていない保険者には、他保険者との調整や地域医療介護総合確保基金を利用した支援をすることが考えられます。次の項目からは、その具体例となっておりますので、御確認ください。
 12ページに移ります。2項「リハビリテーションサービス提供体制に係る事業計画の作成プロセス」を説明いたします。1ポツ目、本手引では、リハビリテーションサービス提供体制に係る事業計画の作成および作成後の進捗管理のプロセスを、以下に示す図で整理しております。
 13ページ目に移ります。「計画作成(Plan)」のところになります。1のポツ目、前期(第7期)介護保険事業(支援)計画における基本理念や取組の評価(振り返り)を通して、地域のリハビリテーションサービス提供体制として目指す理想像(ビジョン)を明確化します。その際には、まずは基本理念に相当するような地域としてあるべき大きな絵姿を描いた後に、その実現のために必要な、より具体的なビジョンへと落とし込みます。2ポツ目、次に、具体的なビジョンと現状の乖離の分析を通して、地域として解決・改善する必要のある課題を把握します。分析の際には、以下の3つの観点、ストラクチャー指標、プロセス指標、アウトカム指標を意識することで、PDCAサイクルに基づいた検討がしやすくなると考えられております。3ポツ目、課題を把握した後、課題の優先度を検討し、第8期介護保険(支援)計画でターゲットとする課題と、それに対する具体的な取組や、取組の評価のための目標値を検討していきます。こちらは取組と目標となります。
 めくっていただきまして、14ページ目となります。「(2)取組(Do)と確認(Check)」のところですが、1ポツ目、計画の策定後は、取組を推進するとともに、確実な推進のために継続的な進捗管理を行うことが重要でございます。
 続きまして、15ページ目に移ります。3項目「都道府県の医療政策担当者とのコミュニケーション、データ共有の重要性」についてであります。3ポツ目となりますが、介護保険事業支援計画担当者は事業計画を策定する上で、(特に在宅医療介護連携において)都道府県医療政策担当者と情報共有することが望ましいです。
 めくっていただきまして、16ページ目の一番下のポツですが、宅医療・介護に関するデータについては、都道府県のみならず市町村にも共有されることで、現状把握、課題抽出、施策の検討に利活用されることが期待されております。
 続きまして、19ページ目に移らせていただきます。「第3章:介護保険事業事業(支援)計画の作成プロセスの例」となります。本章では、第2章に示した介護保険事業(支援)計画の作成プロセスの例を示しさせていただきます。「1.地域として目指す姿の明確化と課題・施策検討に向けた確認事項の例」です。2ポツ目、地域として目指す姿(ビジョン)と具体的なビジョンの明確化と課題・施策検討に向けた確認事項のひとつの例として、ここでは下図を事例として説明いたします。リハビリテーションサービス提供体制構築のためのビジョンの明確化として、地域として目指すべき理想像、例えば、ここでは「要介護・要支援者が、本人の状態に応じて、生活している地域において、必要なリハビリテーションを利用しながら、健康的に暮らすことができる」を理想像としております。その理想像実現のための、より具体的なビジョンとし、一番上の真ん中上の四角の中ですが「リハビリテーションが必要な要介護者・要支援者を受け入れるサービスの基盤が構築できている」。これに対する課題、施策検討に向けた確認事項として、例えば、地域リハビリテーションサービスの施設、事業所数や定員数、地域のリハビリテーション専門職の数は、リハビリテーションサービスの利用立や事業所の状況はというものを確認事項として挙げるのはどうかというところの例でございます。
 続きまして、20ページに移ります。上図では、先ほどの図では、地域として目指す理想像を実現するための4つの具体的なビジョンに細分化した後に、課題や施策の検討に向けた確認事項を整理しています。「確認の観点の例」としては、図中にも記載のとおり、以下の観点が考えられます。「① 経年での推移の状況は?」「② 全国や県、近隣地域と比較した相対的な現状は?」「③ 現状はこれまでの介護保険事業(支援)計画における方向性と合致している?」などとなります。
 21ページ目に移ります。「2.リハビリテーションサービス提供体制の指標例」となります。「(1)ストラクチャー指標・プロセス指標について」。3ポツ目になりますが、PDCAサイクルを推進する指標として、リハビリテーション指標を挙げていますので、検討時の参考としてくださいとさせていただいております。PDCAサイクルの推進には、具体的な数値を用いた目標設定や進捗管理が有用ですが、数値を改善することそれ自体を目的とするのではなく、地域として目指すリハビリテーションサービス提供体制を実現するために、数値を活用することに留意してください。4ポツ目、本指標は訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、介護老人保健施設、介護医療院の受給による4サービスのみを対象としていますが、リハビリテーションサービス提供体制を考える上では地域リハビリテーション活動支援事業の活動も考慮すべきであることにも留意が必要でございます。22ページには、先ほどのスライド、資料1で示しましたリハビリテーション指標、ストラクチャー指標、プロセス指標を示させていただいているとともに、分かりやすい例示で示すということで考え方、また、データ出典も示させていただいております。内容については、御確認いただければと思います。
 続きまして、24ページ目に移ります。これらのリハビリテーション指標を前章で例示した地域として目指す姿と具体的なビジョンの明確化と課題・施策検討に向けた確認事項の例に当てはめると、次のような図になります。先ほどで申し上げた地域のリハビリテーションサービスの施設数、事業所数の定員数はという確認事項におきましては、ストラクチャー指標であります、サービス提供事業所指数や定員というもので確認ができるという構成となってございます。2ポツ目となりますが、各指標については、地域間の比較や時系列の比較の際には、指標値の多寡は地域の規模に依存することに注意が必要でございます。3ポツ目、指標値の分母としては、リハビリテーションサービスの需要を反映する要介護(支援)認定者数のほか、目的に応じて人口や第一号被保険者数を用いることも考えられます。
 めくっていただきまして、25ページ目となります。1ポツ目、現状の分析の際には、指標値のみに着目するのではなく、指標値を参照しつつリハビリテーションサービスサービス提供体制の状況を関係者で議論していただくことが重要でございます。2ポツ目、リハビリテーションサービスの需要を把握するにあたっては、各地域における需要調査、他地域との本指標の比較、在宅医療に関わる指標などとの比較検討を、必要に応じ実施していただくことも求められます。3ポツ目、本指標は、リハビリテーションサービス提供体制に係る初めての指標であることと、指標の数自体が少ないことから、重点指標は設定しておりません。4ポツ目、ストラクチャー指標における施設数・事業所数や、プロセス指標における算定件数が著しく少ない場合には、保険者における利用には問題はありませんが、これらの数値の公表にあたっては施設・事業所が特定されない配慮が必要となります。6ポツ目、関係者と議論を深めていただくにあたり、上記のリハビリテーション指標の他、以下に示す指標も有用と考えられますので、参考としてくださいということで、参考指標を提示させていただいております。
 続きまして、27ページ「(2)アウトカム指標について」の説明となります。2ポツ目、リハビリテーションサービス提供体制のアウトカム指標の考え方としては、以下を反映した指標とすることが考えらということで、考え方を提示させていただいております。3ポツ目、アウトカム指標の例示として以下が考えられますが、引き続き検討がなされているところですというところで、アウトカム指標の例示を示させていただいております。4ポツ目、これらの例示の中で、ADLやIADLは、厚生労働省がリハビリテーションサービス等の介護分野におけるエビデンスの蓄積とその活用に向けて運用している「通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業のデータ(VISIT)」や「高齢者の状態・ケアの内容等を収集するデータベース(CHASE)」で収集対象となっており、今後、全国の施設・事業所からのデータが蓄積される予定となっています。また、CHASEでは認知症に関するデ蓄積されることから、将来的にはこれらのデータの活用に基づいて、高齢者の状態を評価する項目が検討される見通しとなってございます。めくっていただきまして、28ページ目になります。上記以外にも活動と参加の考えた方に該当するものとして、「心身機能」「基本動作」「日中の過ごし方」「トイレでの排泄が可能となった件数」「経口摂取が可能となった件数」が考えられます。項目3になります。「ストラクチャー・プロセス・アウトカムの観点からの分析」となりますが、地域のリハビリテーションサービス提供体制は、リハビリテーション指標等を活用して、ストラクチャー・プロセス・アウトカムの観点から多角的に把握・評価することが期待されます。こちらにつきましては、リハビリテーション指標を活用した分析例として、保険者・都道府県について、各一例ずつ挿入を予定させていただいております。
 続きまして、29ページから見える化システムの活用となりますので、ここでの説明は、割愛させていただきます。34ページ目を御覧ください。「第4章:介護保険事業(支援)計画作成後の実践と進捗管理」。「1.計画作成後の実践に向けた取組」となります。計画策定後には、設定した取組と目標が確実に推進できるよう、定期的な評価(振り返り)に基づいて進捗状況を確認するとともに、必要に応じてより効果的な取組となるように見直しを実施します。めくっていただきまして、35ページです。本手引で示したリハビリテーション指標を活用して、計画策定の段階で取組と目標(および具体的な目標値)を設定し、実施状況の評価の際に、進捗状況をモニタリングできるようにしておくことが重要でございます。こちら、リハビリテーション指標を活用した進捗管理の事例の挿入を予定させていただいております。続きまして、36ページ以降に参考資料としてリハビリテーションマネジメント加算、生活機能向上連携加算についての説明を追加させていただきます。以上が、資料2の説明となります。
○長江課長補佐 資料3について、老人保険課の長江から御説明させていただきます。
 資料3は、検討会の報告書(案)になります。まず、めくっていただきまして目次があります。章立てとしましては、4章に分かれておりまして、第1章が「はじめに」、第2章が「介護保険の生活期リハビリテーションについて」、第3章で、提供体制の考え方と指標について、最後に「おわりに」となっております。
 1ページ目をめくっていただきまして、まず、検討会の背景としまして、介護保険の理念を御説明し、制度創設から20年経過していることを記載しております。続きまして、経緯につきましては、リハビリテーションは、医療から介護と横断的な体制構築が求められているところです。介護におきましては、自立支援を支えるために不可欠になっていることを記載しております。特に、介護保険事業計画におきましては、要介護状態となることの予防または要介護状態の軽減もしくは悪化の防止及び介護給付費の適正化への取組及び目標の設定について記載事項として定めております。特に、介護保険における生活期リハビリテーションにつきましては、高齢者が共生社会の中で、尊厳を持って暮らしていくことを目指しております。そのことから、自立支援を推進する観点から、要介護者等のリハビリテーションサービスの提供体制の確保の方策について、具体的な取組と目標を記載することを必要としたところであります。今回の検討会の委員の中には、先立って実施されました、令和元年度老人保健健康増進等事業において議論しました。本検討会では、老健事業で御議論いただいた指標が対象とするリハビリテーションサービス提供体制の範囲、用語の整理、指標の考え方、具体的項目について共有を踏まえ、要介護者等に対するリハビリテーション提供体制の指標開発事業に関する、今回の検討会を設置しました。
 3ページ目の2ポツ目につきまして、本検討会における議論の範囲につきましては、介護保険事業計画に位置づけられるリハビリテーションサービスのうち、訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・介護老人保健施設・介護医療院による4サービスとしたことを記載しております。
 4ページ目の1ポツ目に行っていただきまして、今回、決めた指標を市町村及び都道府県に展開するために、目的を正しく理解し、共通の言語でコミュニケーションを進めるために、本検討会において用語の定義について整理を行っております。こちらが資料の4ページから6ページのほうにまとめさせていただいております。
 続きまして、7ページ目になります。「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制の考え方と指標について」です。考え方としましては、各地域において、先ほど挙げました4サービスの整備状況の現状把握からはじめ、要介護(支援)者がリハビリテーションの必要に応じて利用可能な提供体制の構築を目指すために的確なものでなければならないと書かせていただきました。4サービスの指標でありますが、地域リハビリテーション活動支援事業の活動なども考慮する必要性や、指標の具体的な活用方法を分かりやすく示すことが必要であるとされました。アウトカム指標に関しましては、本検討会の御議論を基に、引き続き検討課題とさせていただきました。また、現時点では、重点指標の設定は行わないということを記載させております。
 7ページ目の(2)になります。続きましては、ストラクチャー指標になります。こちらに関しましては、資料1でも提示させてもらっております指標を、今のところ記載させております。8ページ目にお移りいただきまして、その中でも、指標の中で算定件数など、指標の候補になった項目につきましては、参考指標として提示させていることを記載しております。8ページ目の2ポツ目になりますが、指標に当たっては、使うに当たって、ストラクチャー指標に関しましては、人的資源の乏しい地域では、目標として拡充することが難しいので、指標を基に現状を把握した上で、個別に計画を立てることが重要であるということを記載させております。続きまして、プロセス指標についても同様に、資料1で提示している指標を記載しております。また、同様に参考指標も設定して記載しております。
 アウトカム指標についてが9ページになります。アウトカム指標につきましては、現時点で定めることが難しく、今後の課題とし、考え方と例示を、こちらに記載しております。
 11ページ目が「おわりに」ということで、保険者・都道府県において、第8期を含む今後の介護保険事業(支援)計画の策定の際に、今回示すリハビリテーション提供体制構築に係るPDCAサイクルに沿った指標を参考に具体的な取組と目標を計画に記載していただき、介護保険で実施するリハビリテーションサービスの見込み量の推計を行い、地域の実情に応じた適切な施策を実施することが期待されます。今後、介護保険事業計画の取組として、関係者及び関係団体と協働し、周知を図りながら、さらに地域で本指標が展開され、本取りまとめに整理された事項について、手引を参照しながら適切に対応されることが期待されることを記載しております。事務局からは、以上の説明となります。
○田中座長 説明ありがとうございました。話を伺っていて、26年前、自立支援システム研究会で、リハビリテーションは介護の前にあると、前に置くと書いてリハビリテーション前置主義などということを話したのを覚えています。多分、齊藤正身委員は覚えていらっしゃるかもしれませんが、それがここまで来たことに、非常にすばらしいと感じました。当時は、活動と参加ということも余り有名ではありませんでしたし、ましてやCHASEとかVISITとか、そんなものは形もありませんでした。この二十何年間の進化を踏まえた今回の報告書です。今日の議論もよろしくお願いいたします。では、委員の皆さん、ただいま説明を伺った事項について、御意見、御質問があれば、お願いいたします。
 どうぞ、どなたからでも。齊藤正身委員、どうぞ。
○齊藤正身委員 よろしくお願いします。この資料のどこからでもいいのですか。
○田中座長 どこでも結構です。
○齊藤正身委員 用語の定義の話なのですけれども、リハビリテーションや理学療法士の用語の定義はありますが、「地域のリハビリテーション提供体制」と「地域リハビリテーション支援体制」というのが、ごっちゃにならないか気になりました。「の」があるから分かるだろうと言っても、その地域というものの受けとめ方も違うと思うので、少なくとも、「地域リハビリテーション支援体制とは」というのは、用語の定義の中に入れておいてもいいのではないかと思いました。厚労省が示している地域リハビリテーション支援体制とはということで。恐らく広義の意味で地域リハビリテーションとはというと、余計分からなくなってしまうかもしれないので、その辺は、厚労省はいかがでしょうか。
○田中座長 お答えになりますか、お願いします。
○長江課長補佐 御意見ありがとうございます。そこら辺は、今回の手引や報告書を読む自治体の担当者が分かるように、明記をさせていただきたいと思います。
○齊藤正身委員 よろしくお願いします。
○田中座長 角野委員、お願いします。
○角野委員 滋賀県の角野でございます。今回の指標、多くはストラクチャー指標、プロセス指標ともによくなったのかなと思うわけですけれども、しかしながら、この指標の多くは、それぞれの契約、提供に関するものが多くて、いわゆる地域づくりに関わるものというのが、少し少ないように思います。したがいまして、やはり地域ケア会議の実施であるとか、あるいはリハ関係者の、そういったことへの参加状況、そういったものを指標の1つとしてあったほうが、やはり包括ケアシステムにおいては、構築ということにおいては重要なのかなと考えるところです。
○田中座長 いかがでしょう。お答えになりますか。
○長江課長補佐 御意見ありがとうございます。老人保険課の長江です。今回の議論の範囲ということで、対象を給付の範囲である訪問リハビリテーション・通所リハビリテーション・介護老人保健施設・介護医療院に焦点を絞って御議論をしていただきましたので、指標も、それが基になっております。一方で、そういった地域ケア会議といった、一般介護予防事業に近しいところ、そういったことも考慮することが必要であるということを、報告書の中に記載をさせています。
○田中座長 角野委員、よろしいですか。では、岡島委員、お願いします。
○岡島委員 ありがとうございます。私からは、それぞれの資料に関して意見を申し上げたいと思います。まず、手引(案)についてですけれども、これを自治体に示す場合には、ボリュームが大きくて、読むほうも大変ではないかと思いますので、もう少し絞り込む必要があると思います。この手引(案)は、生活期リハビリに焦点を当てるとされていますけれども、この4サービスのみに限っていることに対する説明が不足しているのではないかと思います。これは、第1回の検討会の書面会議でも意見を申し上げておりますけれども、ほかの業種に代替をして、サービスを提供しているリハビリもあるということと、それから、この4業種以外あるいは、このリハビリ職4職種以外にも、例えば、看護職や介護職、それから歯科医師や薬剤師、栄養士といった方々が、多職種のチームで地域のリハビリを支えている、継続を支援しているといったこともございますので、あたかも、この4サービスを整備すれば、リハビリがうまくいくというような誤解を与えないような記載が必要だと思います。特に、手引の5ページにあります概念図、報告書の3ページにも同じものがありますけれども、これは、小さく書かれたサービスがリハビリとは関係ないというような誤解が生じないかということを懸念しております。それから、報告書について申し上げますけれども、定義について、先ほど御意見がございましたけれども、リハビリそのものに対する説明が不足していると思います。地域リハビリとは何なのか、地域のリハビリテーションを支えるサービスというのは何なのか、あるいは生活期リハビリとはどのような範囲を示すのかということが、この手引では非常に重要なポイントではないかと思います。むしろ、職種の説明ですとか、あるいはビジョンとは何かとか、PDCAの定義というのは、自治体にあえて示す必要もなく、後段に例示があれば、それでよいのではないかと思いました。
 それから、報告書(案)について申し上げます。まず、1ページ目の最終行に、リハビリテーションは医師の指示のもとに、医師またはセラピストが行うことを再認識しとありますけれども、ここも先ほど申し上げたように、リハビリ職以外の職種によるリハビリを排除しているように見えます。ですので、本検討会で扱う生活期リハビリに焦点を当てた議論というのは、一体どの範囲なのかということをもう少し丁寧に記載する必要があると思います。また、定義についても同じです。報告書と手引に齟齬が生じないような記載が必要であることと、不要な定義は排除してよいと考えております。それから、報告書(案)の3ページ目の2番の(1)にございます関係団体との連携は、どのような団体を示すのかということも丁寧に記載すべきだと思います。あと、7ページの、先ほどの地域リハビリと地域のリハビリテーションとの書き分けというものが非常に重要になるかと思います。あと、報告書の10ページの最後の行に、要介護認定率の変化については、要介護認定の実態から指標としては適切ではないという記載が、一般の方、この議論に参加していない方には理解しにくいと思います。先ほど木下様から、最長3年の更新の期間では適切ではないというような説明がございましたけれども、そうであれば、そのような記載がなければ御理解いただけないような文面ではないかと思いました。私は要介護状態、それから要介護認定率などをアウトカムに入れてはどうかという意見をもっております。サービスを使っている方、リハビリテーションの支援を受けている方のうち、重度化をして区分変更した方々の割合や数というものはアウトカムとして使えるのではないかと思いますので、更新申請のタイミングのみならず、悪化による変化というものを拾うことを想定してもよろしいのではないかと思います。以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。たくさん問題提起をいただきました。多職種とか、他の事業種別の関わりを無視すると、リハの範囲を狭く考えられてしまうのではないかとか、リハビリに関する定義をもう少し丁寧に書いてはいかが等々ありました。事務局に答えていただくよりは、むしろほかの委員の意見を伺ってから、最後に事務局に言っていただいたほうがいいかもしれません。関連したことでも結構ですし、そうではないことでも結構です。中村委員、お願いします。
○中村委員 先ほどの角野委員の御指摘は、私もそのとおりだと思うのですが、この手引の案の21ページに、一番下のポツのところで、地域リハビリテーション活動支援事業の活動も考慮するという中に、私の理解では、ここに地域ケア会議の取組ですとかが入っているなと理解しているのですが、そのような理解でよろしいですか、事務局に確認したいと思います。
○田中座長 今の点、お答えください。
○長江課長補佐 事務局です。手引の21ページの、特にということで、一番、第1回、第2回で例示として挙がったのが、地域リハビリテーション支援体制や活動支援事業でしたので、そこを明記させてもらっています。当然、一般介護予防事業だったり、地域ケア会議というのも含まれることは想定されますので、どこまで例示を追記するかというところはありますが、そういうことが含まれていることは追記しようと思います。以上です。
○田中座長 どうぞ。
○中村委員 そうであるならば、少しそこに分かるように、括弧書きか何かをしていただいたほうがいいのではないかという提案です。
○田中座長 ありがとうございました。久保委員、お願いします。
○久保委員 久保でございます。先ほどから定義の議論がありますので、以前の会議でも発言させていただきましたけれども、ここでも今一度簡単に述べさせていただきます。リハビリテーションという言葉がアメリカから日本に入ってきたのは、1950年代から60年代で、今から60年ぐらい前です。アメリカのリハビリテーション医学の定義は、physical medicine and rehabilitationです。日本の場合、リハビリテーション医学には、physical medicineという言葉が入っていませんが、physical medicineすなわち心身を鍛えるという面が含まれていることを念頭におくべきです。アメリカでいうphysical medicine and rehabilitation のリハビリテーションのところだけ捉えると、どうしてもバランスが悪くなります。また、リハビリテーションの定義において、生活期あるいは地域リハビリテーションという面だけで定義をしてしまうと、リハビリテーション全体を表していることになりません。急性期もありますし、回復期もあります。したがって、定義の決め方に関しては、かなり慎重にしておかないと、急性期、回復期、生活期というフェーズで齟齬が生じることになります。それから、ICFの活動と参加という用語がありますが、活動と参加の線引きが難しいということが実際あります。日本リハビリテーション医学会で用いている「社会での活動」はICFの「参加」に相当すると考えられます。用語で一番大事なことは、介護でも医療でもそうですけれども、受ける方がよく分かることです。受けている内容が全国で統一された言葉で説明されることが大切だと思います。したがって、できるだけ用語をシンプルにしていく必要があります。患者さんに分かりやすい内容で実施していくために、定義や用語を整理していくことを提言させていただきます。ヒトの活動性をあげるということに関しては、異論がないと思います。日本リハビリテーション医学会が提唱している「日常での活動」、「家庭での活動」、「社会での活動」という分け方で、それぞれ活動を活発にさせるという説明のほうが、患者さんが分かりやすいのではないかと考えます。関係団体が今後煮詰めていくべき定義というか、コンセンサスではないかと思っております。以上でございます。
○田中座長 ありがとうございます。今後議論していくべき事柄と、この報告書で6月にまとめるのと、少しタイムスパンが違うので、それぞれうまく考えていきたいと思います。ありがとうございます。今村委員、手を挙げていらっしゃいましたね。今、ちょっと修正が必要で、今村委員の発言が、漫画の主人公の声みたいになってしまっているので、別に情報を伝える仕組みを、今、事務局が考えていますので、しばしお待ちください。また、後ほど御参加ください。田辺委員、お願いします。
○田辺委員 臨床整形外科学会の田辺でございます。今、久保委員からの発言もあったように、用語の定義の中で、生活期リハビリテーションというのは、非常に言葉が新しくて、我々古い医者としては、昔が急性期、慢性期あるいは回復期と言っていたわけですが、生活期リハというのは、どういうものかという定義を、ここに1つ書いておく必要があるのではないかと思います。それから、久保先生のおっしゃった、日本のリハビリテーションでは、フィジカル・メディシンと社会的な要素が2つ入っているという話でしたが、また、後でお話があると思いますが、プロセス指標とアウトカム指標の中で、プロセス指標は算定の項目、アウトカム指標は、いろんなことが、今、議論されていますけれども、フィジカル・メディシンに対してのアウトカム指標というのは、今まで余り定義されていませんので、一番鋭敏な指標であるフィジカル・メディシンのところも、やはり注目していかなければいけないのではないかと考えます。
○田中座長 ありがとうございます。角野委員、どうぞ。
○角野委員 アウトカム指標のことで、この報告書で少し触れていただいたのですけれども、前々から議論されていますように、アウトカム指標は大事ではあるけれども、なかなか具体的にどうするかということが決まっていない状況があるわけですけれども、そこで、やはりアウトカム指標が大事であることを強調するという意味で、この報告書の最後のところの順番を入れ替えていただきたいと、アウトカム指標で、最初の○で、今の時点で定めることは難しく、今後の課題だと書いているのですけれども、最後のほうに「アウトカム指標はプロセス指標との関係を念頭に提示するのが望ましい。また、心身機能に関するアウトカム指標も今後検討すべきであるとされた」。この行をむしろ最初に持ってきていただいて、アウトカム指標というのは、本来、非常に大事なのですよと、しかしながら、今はこういう状況なので、あえて示すことはできなくて、今後の検討課題ですと、そういう表現に順番を変えていただければと思います。以上です。
○田中座長 修正案の提示をありがとうございました。後ほど、事務局と検討いたします。
 中村委員、お願いします。
○中村委員 アウトカム指標のお話が出ましたので、御提案ですが、この中に、各自治体が興味関心チェックリストを多く用いていると思うのです。この中に興味関心チェックリストを挙げていただいてもいいのかなと思います。御提案です。
○田中座長 御提案ありがとうございます。今、ぱっと決められないかもしれないので、後ほど検討いたします。ほかに、事前に検討いただいた川越委員、アウトカム指標について、いかがですか。
○川越委員 川越です。専門職の方々からの、要はリハの方々からの視点で御意見がいっぱい出ているので、逆に私は、市町村を今まで支援した側の立場から市町村が置かれている状況と、その方々に向けた手引ですので、どういったものが必要かという視点でコメントさせていただきます。1つは、市町村の方のリハに対するイメージというのは、恐らく機能訓練に近い。これは、去年の委員会でも、そういった御意見がありました、市町村の側からです。だから、現行のサービスが不足しているかどうかとか、他のサービスで代替されているかどうかといった実態も、実はよく分かっていない。デイサービスやデイケアの違いとか、デイサービスの中にリハ職がいるところもあるという感覚も、実は弱い部分がある。こういったのが、恐らく市町村においては、現状なのです。だから、すごくそういった意識が低いというところにある。一方で、自立支援、重度化防止をやらなければいけないと言われていて、リハ職との連携強化も必要ということは、すごく意識は高くなっている。これが、今、市町村が置かれている状況です。一方で、マネジメントの視点からすると、一連の志向がつながっていないので、指標だけ出されると指標を取ることが目的化しやすいという状況にもある。こういった状況において、どうやって使っていただくのかというのがすごく大事。そうしたときに、第8期計画策定で、今、結構頭の中が忙しいので、その中で、リハの整理をどうするかというのは、恐らくそんな重要度が、彼らの意識の中で高いわけではない。だから、今回第8期では、とにかくリハの4種類のサービスですけれども、そうしたところがどういう提供体制の実態になっているのか、どれぐらいのマンパワーがあるのかという、まずは事実関係をきちんと押さえていただくと、第8期は、そこの部分をきちんと押さえる必要がある。
 そして、9期計画、10期計画というところで、きちんと、その整備計画がちゃんと進んだかという進捗管理を9期、10期でちゃんとやっていただくというところに、まずは焦点を置いたほうがいいのではと、これが私の、市町村が置かれた現状に対する認識です。
 その上で、手引の24ページの、実は市町村にとっては図が結構大事なのです。恐らく、この図を見て、ビジョンをどう置けばいいのかとか、ビジョンをどう具体化したらいいのかとか、どういうふうなクエスチョンを意識すればいいのか、それらのデータとして何を取ればいいのか、それらのデータをどこから取ればいいかが知りたくなるのです。だから、この24ページが、実はすごく大事になってきて、この中のSとPで挙げられている中で、例えば、これとこれが見える化システムで分かりますとか、そういうのもこの中で一緒に示してもらえると、見える化システムを見に行けば、これらが把握できるのだといって、安心感につながるのです。そうした視点で意識していただくといい。
 そうなると、例えば、28ページ、35ページ目に、分析例、進捗管理といった部分的な方法論の例示があるのですけれども、24ページに相当する一連の考え方を示すような事例をお出しいただいたほうが、イメージがすごくわくと思います。そうしたことを意識していただくといいのではないか。だから、指標等の把握をどうしていくのか、要は、現状どうやって把握したらいいのかの中に、データから把握をするものと、専門職からのヒアリングで把握する現状があるわけですから、そうした現状の把握の仕方をして、課題を認識してもらって、対策を検討する中で、専門団体との連携という側面も入ってきて、実際、それらをどういったことで評価していこうかという一連の志向を見せてあげないと、志向がつながらないという気がいたします。
 あと、手引は、概要版が必要だと思っています。これだけだと、ボリュームが大き過ぎるので、ちょっと概要版で2、3ページの簡単なものも併せて提示をいただくといいのではないかという気がいたします。あと、市町村を支援する体制は、都道府県のことが書かれているのですけれども、リハの団体の役割は結構重要だと思っていて、要は市町村を支援するために、リハの団体のほうも連携の窓口を作っていくとか、そういったことも必要であるというのは、これは報告書レベルでいいと思うのですけれども、ちょっと一言添えていただくといいのではないかと考えます。私からは、以上です。
○田中座長 市町村の実態に詳しい立場から、貴重な意見をありがとうございます。9期、10期の話と、8期ですべきことを分けるというのも大切ですし、市町村は、指標が固定されると、かえってそこに拘泥してしまいかねないなどとの御指摘がありました。先ほど、今村委員がつながりませんでしたが、今回、電話でつながりましたので。
○今村委員 すみません、御迷惑をおかけしました。私の指摘は3つありまして、まず、資料1の9ページに、今回新しく定員当たりの利用人数のことが指標として出ています。
 この利用人数が利用率として、これを出そうとしていますので、利用率で出すときに、いろいろと難しさがあると思っています。私、医療計画の指標の研究班のことをやっていまして、そこでも利用率が非常に問題になるのですけれども、分母になる側の数字が、例えば、どれだけ開業しているかということが定義に入ってくるのですけれども、もともとどれだけ開業しているかというのは、結構、それぞれの事業所によって違うわけです。ですから、それぞれの事業所単位で3日開けているといっても、1日開けている場合もあるし、半日しか開けていない場合もあると。ですから、分母側の数字の設定によって、随分評価が変わるものだと思います。今回、式が、手引の23ページに書いてもらっていて、もともと営業日という式の定義だったのが、今回、開催日に変えてもらっていますので、この23ページの※3ですね。これで大分改善はしていると思うのですけれども、これは必ず異論が出ると思います。それでも、私は出す価値はあると思うのですが、ある程度、こういう数字というのは、分母の設定で大きくぶれるということを理解した上で出していく必要があります。私も医療計画の指標をたくさん出していますけれども、ものすごく怒られるのです。ですので、作った人に非難が集まりますので、ぜひ御留意をというのが1つ目。
 2つ目が、資料1の12ページですけれども、アウトカム指標の考え方、先ほどから幾つか御意見を出していただいています、例えば、岡島先生から出していただいたものとかぶるのですけれども、介護の認定率の変化はアウトカムには使えないというのは、そのとおりなのですけれども、ある程度低い介護度で維持できている、もしくは介護度が上がるという瞬間そのものは、ある程度アウトカムに使えるのではないかと思っております。これもまた、私、医療計画のほうの在宅のほうの指標作成に関与しておりまして、医療計画の在宅指標、これが参考の資料に出てきていますけれども、手引の16ページに出てきているのが、医療計画の在宅の指標なのですけれども、これを作る際にも、結局アウトカムは作れなかったのです。アウトカムが作れないまま在宅のほうの医療のほうも来ているという状況で、リハビリのほうも、今回、アウトカムが作れないというのは、状況としてはよく似ているのですけれども、では、なぜ医療計画のほうで作れなかったかというと、やはり、介護のデータと両方とも組み合わせない限りは、アウトカムというのは作れないということで、今、我々のところでも何とかそういう指標が作れないかということのトライ・アンド・エラーをしているところなのです。ですから、12ページのアウトカムの指標にちょっと書き加えてもらって、低い介護度に維持できているということが指標になり得るということを、ぜひ今後の課題として考えてもらいたいし、次の計画辺りでは、そういったものが、医療と介護のデータをくっつければ、分かるようなアウトカムというのができると思いますので、そういうことで考えていただければと思います。
 3つ目は、手引の3ページであります。先ほどから出ている生活期のという考え方で、私、今回の議論の中で、全体に環境因子ということが抜けているのがとても気になっています。もう一つ、私、ICDの研究班を厚労省で15年ぐらいやっているのですけれども、その中でICFもやっておりまして、ICFは、生活期の因子としては、この3因子ともう一個大きな柱として背景因子、環境因子があります。ですから、環境因子とこの3つの因子との相互関係の中でリハビリというのは考えるべきだと思っています。今回、指標に採用されなかったですけれども、住宅改修とか、福祉用具というのは環境的な因子ですので、そういったことを今後、ぜひ環境因子的なものを付け加えていくべきだと思っていまして、そういう観点からの議論と、今後の指標作成ということをぜひ考えてもらいたいと思います。私の意見としては、以上です。
○田中座長 ありがとうございます。全体の考え方を示す話と、今回、直接入れる指標、また、その先に指標として検討すべきというのを整理したほうがいいということは伝わってきました。今村先生、ありがとうございます。では、東委員、お願いします。
○東委員 私からは、今回のもともとのミッションについて申し上げたいと思います。先ほど川越先生もおっしゃいましたけれども、今回は、要介護者に対するリハビリテーションサービスの提供体制について、各自治体が第8期の計画を立てるうえで考慮すべき指標を提示するというのがミッションだと確認すべきだと思います。そういう意味からすると、私も川越先生と御意見はほぼ一緒でございまして、自治体の方のリハビリに対する認知というものが、中には理解度が高いところもあるかもしれませんが、なかなかまだ充分ではないというのが、全国的な実情だと思います。例えば、全老健が開発しました認知症短期集中リハビリテーション、認知症にリハビリが効くというエビデンスがあるということを知っている自治体の方が何人いらっしゃるでしょうか。知っている方は少ないと思いますし、それは大変問題だと思います。まずは、リハビリのことを第8期では知っていただき、かつ現状を把握していただくということを目指すべきだと思います。そこも川越先生と一緒でございます。従って、先ほど来、多くの委員から今回の報告書で用語の定義を明確にしようという意見が出されておりましたが、私は時間的に間に合わないのではないかと思います。今回は事務局(案)ぐらいにしておいて、今後時代も変われば定義も変わりますので、また次の機会にでも、ブラッシュアップしていけばいいかなと思います。それから、地域ケア会議についても御意見がございました。確かに地域ケア会議もリハビリを提供していく上で、ある重要な因子かもしれません。しかし、冒頭申し上げましたように、リハビリということを、まず、きちんと認知して、現状の把握をしていただくところから始めるという意味では、余り地域ケア会議のことを言い出すと、自治体の方が、頭がぐちゃぐちゃになってしまうと思います。今回は、サービスの提供を4種類に限っておりますが、ストラクチャー、プロセスだけでも、かなりの分量になっております。これを第8期の計画につなげるということですら、自治体の方にとってはなかなか大変なのではないでしょうか。そういう意味では、アウトカム指標も大変重要なことは重々存じておりますが、アウトカム指標の内容を余り細かく提示しても仕方がないと思っています。今村先生もおっしゃいましたけれども、医療のほうでもなかなかアウトカム指標ができない状況において、介護分野における報告書の中で、アウトカム指標を完璧なものにしろということは、時期尚早ではないかと考えます。
 最後に、アウトカム指標の中に社会参加支援加算の算定回数があります。しかし、この加算の算定率は非常に少なく、この加算の意義自体にも疑問を持たれていることから、これをアウトカム指標の中に入れてしまうこと自体が少しどうかなと考えます。またプロセス指標の中の生活機能向上連携加算ですが、この加算も要件が大変複雑なうえに、算定率のかなり低い。こういうものをこの中に盛り込んでいくと、現場の混乱を招くのではないかなと思います。以上でございます。
○田中座長 第8期というところに絞って、極めて現実的な御意見をありがとうございました。次に、齋藤和也委員、お願いします。
○齋藤和也委員 東伊豆町の健康づくり課の齋藤と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほど、川越委員さんと、東委員さんがおっしゃっていただいたとおりでございまして、怒られてしまうかもしれませんけれども、現場といたしますと、余り専門性を深く掘り下げた手引になってしまいますと、なかなか作り切れないなというのが現状でして、リハだけのサービスではなくて、計画を作るに当たりましては、他の分野の給付、それから、地域支援事業等、検討する課題が、かなりボリュームが多い中で、今期、8期に計画を策定する上でなのですけれども、この手引等を出していただくのは、8月ぐらいになるのだと思うのですけれども、そこから8期の計画を立ててしまうには、実際、12月ぐらいにまでには、全ての計画を作ってしまわないと間に合わないような形になってしまうのです。現場といたしますと、そうすると、この指標を示されて、そこから専門職の方の意見を聞いたり、需要と供給等を検討しながら目標を立てるというのをやっていくのは、なかなか時間的にも厳しいものがありますし、また、先ほど来、おっしゃっていただいた、我々一般行政のほうからしてみると、リハビリの内容について、正直、どこまで把握しているかというのは厳しいというのはおっしゃられたとおりの部分なものですから、実際、8期の中に計画まで指標から現状を分析して、目標を立て、それから、PDCAを8期の中で回していく、そこまでもっていくというのは、ちょっと厳しい部分があるのかなというのが自分の意見です。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。使えないものができても仕方がないので、大変貴重な御意見でした。ありがとうございます。岡島委員、どうぞ。
○岡島委員 ありがとうございます。意見を付け足させていただきたいのですけれども、今、自治体の方からの御意見もありましたとおり、本年度は策定年度でございます。自治体は、1年目から評価をし、給付の分析をしながら3年目は保険料の算定も含めて全体のサービス量を決めていく年度です。したがって8月、9月に指標を示されても、そこから分析を改めて行うということは非常に厳しいということを念頭に入れて、よりシンプルな手引にする必要があると思います。今回、この検討会の中でもアウトカムをしっかりと決められないのであれば、どういうビジョンを描くのがいいのかということを市町村に求めるのもかなり厳しいことだと思うのです。これまでほかの委員の皆様からも出ていますように、8期ではリハビリの観点で、どのようなサービス種別の現状を把握すればよいのか、あるいはどんな実態を把握すればリハビリの実態がつかめるのかということを中心にお示しするのがいいのではないかと思います。1点、事務局に質問がございます。報告書ですけれども、先ほども申し上げましたが、要介護者へのリハビリ、特に生活期におけるリハビリというのが、この4サービスに限らず、特養やグループホーム、看護小規模多機能、小規模多機能、訪問看護も携わっていまして、大きな役割を果たしています。これらについて、いつ、どのような形で検討を行うのか、また、報告書の最後には、将来に向けた検討課題が記載されるべきと思いますが、これについて、どのようにお考えをお持ちか、お聞かせいただければと思います。
○田中座長 事務局、お答えください。
○長江課長補佐 御質問ありがとうございます。
 今回の老健事業から本検討会にかけて、介護保険事業計画におけるリハビリテーションサービスをどのように考えていくかに当たって、まずは、この4サービスを中心に考えていって、その後、どうなっていくかという話で、議論としては経過していったと事務局では考えております。ですので、現時点で、まず、この4サービスで計画を、自治体がどれくらい作っていただくかという点もありますが、その上で、現状を見た上で、特養といったほかのことも考えていくことになるのかなと思っております。
○田中座長 補足をお願いします、課長。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。若干補足をさせていただきます。もちろん、今回の整理といたしまして、まずは、この4サービスで、いわゆる医師の指示に基づくリハビリテーションを行うというところのサービスを中心に御議論をいただいたところでございます。一方で、岡島委員から御指摘がありましたとおり、様々なサービスにおいても機能訓練、また、包括的な医師の指示に基づくような、そういうリハビリサービスが行われているのだろうということは承知をしております。もともとの介護保険の理念上も、能力に応じて自立した日常生活を営むことができるように、各事業所がサービスを提供するということでございまして、そういう理念自体は、介護保険法の理念だと思っておりまして、各事業者も、それに沿ってサービスを提供していただいているものだと承知をしております。一方で、今回は、このようにリハビリに焦点を当てたわけでございますけれども、この大きな文脈、能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにしていくという文脈におきまして、各サービス、どのようなサービスの在り方がいいかということに関しましては、今後、また、この場ではなく、もう少し広い場になると思いますけれども、御議論をいただければと思っております。以上です。
○田中座長 岡島委員、説明、よろしゅうございますか。齊藤正身委員、お願いします。
○齊藤正身委員 冒頭、田中座長から、リハビリテーション前置の考え方のお話が聞けてうれしかったのですが、介護保険が始まる前後で、この言葉はありながらも、文言としてはどこにも入っていなかったのです。それで、平成24年の頃から、その文言が入るようになったのですが、ここで言う前置の考え方というのは、まず訓練ということではなくて、しっかり評価をして、分析をして何をするべきかということをちゃんと定めて動いていこうという前置だったと思うのです。そういう意味では、専門職がしっかり関わった上で、多くのいろんな人たちが、それを受けて、おのおののサービスの中で展開していくというのが介護保険におけるリハビリテーションの考え方の基本だったと思いますので、その辺りは、逃してはいけないというか、外れては、何でもリハビリというわけにはいかないのではないかというのが、私の意見でございます。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。今、齊藤委員もおっしゃられましたし、冒頭に田中滋先生が、26年間の経緯をお話しいただきましたけれども、当初から介護保険はリハビリ前置主義というスタンスは、明らかな文脈には出ておりませんが、我々は、多分、今日の委員の方々も多くは、そのように認識されていると思っております。したがいまして、まず、自治体の職員の方々は、当然、職場の異動も、配置転換等もございまして、なかなか専門性を極める、深めるということは、非常に厳しいと理解しておりますので、先ほど御意見ありましたように、自治体の方が、本当に使える、活きたマニュアルというのが非常に重要ではないかなと思っておりますので、まずは、リハビリ前置主義、すなわちリハビリテーションの重要性を、まず、このたびから認識していただくというのが、非常に重要なことで、今回のミッションであろうと思っております。特に生活期リハ、先ほど新しい言葉という御意見もございましたけれども、やはり生活期リハビリテーションは心身機能のみならず、活動参加にバランスよく提供するもの、そして、社会参加をいかに、障害があっても、どう社会参加できるのかというところの重要性を、今一度自治体の職員とともに共有をしていく必要があるのではないかと思っております。
 そして、今回は、要介護者におけるリハビリテーション、文脈にございましたが、医師の指示による、医師またはリハビリ専門職が行うものをリハビリテーションと定義しておりますので、今回の議論においては、その辺りを十分踏まえて、特にデイサービス等で行われている個別機能訓練あるいは訪問看護ステーションからリハビリ専門職が出ておられる訪問看護サービス、この辺りとのいろんなすみ分けも踏まえながら検討していく必要があるのではないかと思っております。
それでは、まず、資料1について意見を申し上げたいと思いますけれども、。8ページの論点1ですけれども、今回、老健・介護医療院の短期入所療養介護を追加していただくことには、非常に賛成でございます。そして、ここでニーズ把握をするに当たっては、地域医療構想で入院外で過ごされる方が一定割合増える状況において、そういったところのリハビリのニーズの問題、あるいは自治体の方におかれましても、できる限り医療・介護政策あるいは診療報酬、介護報酬の動向というのを入手していただいて、ニーズを把握した上で、また、検討が必要ではないかと思っております。
 続きまして、9ページの論点2でございますけれども、ここも、つづりを、点を入れていただいてありがたいと思っておりますし、利用率、先ほど今村先生のほうからも御意見がありましたけれども、通所リハ事業所を営業している私としましては、余り難しいことは必要なくて、営業日掛ける定員数が分母ぐらいだといいのかなと思っています。営業に値は、もちろん365日やっているところもあれば、週5日というところもありますし、ざっくり定員数というのを、どうかというふうに思っております。これを申し上げておりますのは、特に通所リハビリテーションにおいては、居宅サービスの中でも、定員と実利用者数の乖離がかなり大きいサービスでございますので、地域包括ケアシステムは、既存の社会資源をいかに有効活用するかという観点も非常に重要でございますから、実は潜在的に、かなり通所リハビリテーションのキャパシティーがあると認識しておりますので、その点を踏めて、参考資料として、ここに加えていただいているのは、大変ありがたいかなと思っております。
次に、短時間通所リハビリテーション、これも非常に必要な指標だと思っておりまして、特に通所リハビリテーション、短時間通所は、多くは医療機関で行われておりますけれども、今後、ますますこの利用者は増えてきます。それから、通所リハビリテーションも、例えば、長時間型と、医療機関における短時間通所の利用者は、状態像が大きく異なりますから、そういったことも参考資料に入っております。リハビリテーションマネジメント加算II以上の算定者数、これもデイケア協会等の研究会事業報告においても、リハマネ加算を多く算定している事業所は非常に効果がいいという結果が昨年度の研究事業で結果が出ておりますし、特にリハマネ加算の最初の第一歩は、医師の関与の強化でございまして、医師が関与するリハビリテーションのほうが、質が高いと、いろんなデータが少しずつ出ているところでございますので、ぜひ、ここは算定数が少なくても、これは政策誘導的にも含めていくべきものではないかなと思っております。もし、可能であれば、参考資料で、かなり今、訪問看護ステーションからリハビリ専門職が多く出られておりますので、その辺りの、訪問看護ステーションから出ているリハビリ専門職の、いわゆる訪問看護サービス、この数は、参考資料として持っておいたほうがいいかなという気もしております。併せまして、生活期リハでしたら、まだまだ心身機能に偏っているのが現状ですけれども、提供内容によって、活動と参加がどれぐらい提供されているかというのは、なかなか取りにくいデータでございますが、参考指標になるかと思っております。
 続きまして、11ページの論点3でございます。これは、参考指標なので、12ページの論点4でございます。アウトカム指標についてですけれども、先ほどからいろいろ御意見が出ているところでございます。まず、アウトカム指標について、やはり、軽度者と、重度要介護者については、かなり目指すところが違うだろうと思っておりますし、要介護4や5の方が、例えば、要介護度を改善することよりも、当然改善するほうがいいのですけれども、それに加えて大事なことは、要は、要介護の固定した障害があっても、いかに生活が自分でできるのか、生活力を、自力でできる範囲がどうなのか、身の回りのことは人に頼らないで、できる範囲が拡大することが非常に幸せなことですので、そういったことで、ちゃんと尊厳の保持が、尊厳が保障されているということが、重要な観点だと思っております。あるいは、施設系においては、寝たきりをいかに減らしていくのかということもつながってくることと思います。あとは、栄養状態が大きくリハビリの成果に影響しますので、いろいろ栄養状態等も、背景には影響があることも認識しておく必要があると思っております。
それから、アウトカム指標の例示で、今回、FIMが加えられておりますけれども、一応、今、CHASEと一般介護予防の通いの場の指標においては、バーセルインデックスを採用した報告になっておりますので、FIMについては、今後ルーティンになってもよろしいのかなと、あるいはFIMの特性からも、生活期リハにおいては、まだ検討が必要かもしれません。先ほど東委員がおっしゃいました、社会参加支援加算というのは、私もアウトカム指標としては余りふさわしくないのではないかと思っています。特に、算定要件もございますし、デイケア等からデイサービス、卒業した数のみでございますので、余り御本人のADLとか、幸せ感に着目したものではないと考えておりますので、そういった考え方もあるのではないかと思っております。
 最後に、そもそもケアプランに、どれぐらい位置づけられているのか、あるいは退院、退所直後の初回のケアプランへのリハのプランニング率でございましたり、あるいは退院、退所から初回リハまでのインターバル、これは前回の改定でも議論になりましたけれども、そういったリハの継続性あるいはケアプランにおけるリハの位置づけ、この辺りも大変重要な指標なので、自治体においては、ケアマネジャー等、いろんなところと総合戦略で取り組む必要があるべきと思っております。以上でございます。ありがとうございました。
○田中座長 総合的な意見、ありがとうございました。半田委員、お願いします。
○半田委員 半田でございます。資料3の1ページを見ていただきたいのですけれども、先ほど、江澤委員もちょっとおっしゃられた、あるいは久保委員、田辺委員もおっしゃられたのですけれども、下のほうの○の2つ目と3つ目について、実は、平成27年あるいは25年で介護保険の生活期リハの論点は、心身機能向上のための機能訓練だけではなくて、活動参加とバランスよく働きかけるのが、生活期リハと理解しています。ところが、今回は、介護保険における生活期リハにおいては、バランスとか、あるいは身体機能向上というのは外されているわけですね。ということは、これまで、我々は介護保険上でやってきたことについての定義、心身機能向上のために機能回復訓練のみでなくて活動参加にバランスよく働きかけるのが介護保険下における生活期リハだということに定義化されたと理解してきたのですけれども、下から2つ目を見ると、介護保険における生活期リハビリテーションにおいては、ADLやIADL、文章が変わってきているのですけれども、これはかなり意識的に、そこのところについては変えられたと見てよろしいのでしょうか。
○田中座長 事務局、お答えになりますか。
○長江課長補佐 御質問ありがとうございます。事務局であります。前の記載ぶりは、今回の検討会でもいろいろ御議論いただいて、どういう形がいいかというのは、また、振り返ってみて、平成27年のときは、多分高齢者の検討会で議論されて、介護報酬で書かれたと思いますが、今回は事業計画の中で、先生方にいろいろ御意見をいただいて集約させてもらっていますので、また、そこら辺のあたりは皆さんに分かりやすいようになるように、記載ぶりは考えたいと思います。
○田中座長 御指摘に基づいて検討いたします。ありがとうございます。今村委員、お願いします。
○今村委員 先ほど、手引の簡略版を作るという議論があって、私は、手引の簡略版を作ることは賛成なのですけれども、この指標の導入というのは、なかなか大変な作業なので、今回は、試行的に入れるという意味で簡易版を作って、試しに使ってもらうということはいいことなのですけれども、今後、長い目で見たときには、これを習得してもらうという意味では、長いロングバージョンというのは、絶対に必要だと思います。医療計画で、この資料を導入したときは、これは、都道府県向けではあったのですけれども、3日間から4日間の研修合宿のようなことが実施されまして、その中で、各都道府県の担当者の方と、県医師会の方が、一緒に参加していただいて、PDCAの回し方というようなことから、指標の作り方、そして、データの扱い方というようなことを習得していただくということを、国がやっていました。その後、今、保健科学院でも、それに準じた研修会が、引き続き行われているという状況で、結構、この指標、各都道府県や市町村で導入してもらうためには、それぞれ習得してもらうための努力を国側もしていかなければいけないと思います。医療計画と、この介護指標で大きく違うのは、医療計画は都道府県がベースなので、47都道府県が対象なのですけれども、介護の場合は、どうしても市町村がベースになりますから、市町村ベースで、これを考えていただくときに、この難しい指標とかを、どんなふうに習得していただくか、県からの講習のような形で、本当に伝わるのかというのは、難しい問題だと思います。今回、このショートタームで、全部を習得していただいてというのはしんどいと思うので、簡略版で自動的にまずはやっていただくということがよいとは思うのですけれども、その後、本当にこの指標はどういう意味なのですかということを分かっていただくための段取りというのが、今後、必要だと思いますので、それは、厚労省のほうでも、今後、研修計画なり、改善のための議論の場を設ける、もしくは市町村のモデルプランを示していただくことが必要になってくると思います。意見としては、以上です。
○田中座長 ありがとうございます。指標を提示するだけではなくて、現実にそれが使えるようにするプロセスですね、伝達していくプロセスが大切であると、経験から言っていただきました。指標を作ると怒られるというのも、なかなか面白いですね。ありがとうございました。
○今村委員 そうですね。これは、作った人に集中的に怒りが集まります。いい指標を作れば、作るほど外れ値が出てくるのですね。その外れ値が許せないという怒りが一通り集まってきます。それに耐え切れないと指標は死んでしまって、耐え切れると指標は生き残るというのが、実体験でございまして、今回も利用率、江澤先生からの御進言で入っていますけれども、恐らく、あれを見て怒るところがたくさん出てくると思うのです。
 そのときに、これは必要なものだからと耐え切らないと、怒られたから落としますと言ったら、そこで指標が死んでしまうので、そうならないように、ぜひ頑張っていくべきだと思います。以上です。
○田中座長 大変参考になりました。ありがとうございます。山田委員、どうぞ。
○山田委員 山田です。全体的なお話が続く中で、恐縮なのですけれども、アウトカムのことについてです。私も当初から介護度の維持率というのを加えてはどうかと述べさせていただいていたのですが、もう一つ、私どもケアマネジャーの現場感覚で考えてみますと、変更申請の率というようなことも考えられるのかなと。特に要介護度が軽い方に関しては、例えば、要支援が要介護度1になるというと、デイサービスあるいは今回ので行けば、通所リハに、今まで週2回しか通えなかったのが、要支援2から要介護1に変われば、3回、4回通えるようになる。これは、利用者、家族、それから担当のケアマネジャーにとっては、かなり大きなことで、この辺りというのは、相当皆さん敏感にやっておられるのです。要介護4だ、5だというのは、これは、極端なことを言うと、余り変わりはありませんので、実際、状態が悪くなっていても、必ずしも変更申請をかけるかというと、これはどうか分からないです。だけれども、要介護1が2、2が3、ましてや要支援1や2が要介護1や2になるかもしれないとなれば、これはほぼ間違いなくと言うと、言い過ぎかもしれませんが、かなりの確率で変更申請をかけられるという可能性が高いので、この辺り、維持率というふうにも考えてはいたのですが、実際、ベンチマークがあるわけでもありませんし、なかなか難しいですが、変更申請がどれぐらいの割合でかけられるかというのは、維持率よりは、もう少し見やすいのかなということを最近になって、ちょっと思っておりますので、その点、発言をさせていただきました。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。今村委員、お願いします。
○今村委員 今の山田委員の意見に、私は本当に賛成します。介護度が上がる瞬間というのは、信用できるなというのは、今、我々データベースを触っていて分析していても、それは痛感するところですので、今後、アウトカム指標として考えられるとすれば、例えば、1以下にずっと抑えられている、維持ということのほかに、上がらないということですね、だから、上がらない、もしくは上がった人がどれだけいるかという、1回目に上がるというところまでは信用できると思いますので、それが2回目、3回目も入れると、実は変になっていくので、多分、1回目という辺りが信用できる数字かなと思うので、それを今、検証をやっていますので、今後、こういったことがアウトカムになっていく可能性があるかなと。ただ、例えば、急に亡くなった方とかがおられて、医療のほうで入院してしまって介護度が出ないという方もおられて、そこと両方とも足さないと数字としてはアウトカムにならないので、今、足すということを、我々は、研究としてはやっておりまして、そういったことがアウトカムにつないでいければなと考えております。追加で説明でございます。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。検証を経て、どこかの段階で取り入れることになるのでしょうかね、急にというのは無理かもしれませんが、今後の研究を期待いたします。
○今村委員 ありがとうございます。
○田中座長 齊藤正身委員、お願いします。
○齊藤正身委員 今のアウトカムのことですが、私はデイケアの会長をしている時期が結構長かったものですから、今、近藤先生に代わり、協会としてはもっとよくなっていますけれども、以前からデイケアとデイサービスはどう違うのか、その評価をどうするかというのは、二十数年やり続けていて、その中で、やはり医師のかかわりを評価してほしいというのは、ずっと言い続けてきたことです。しかし、老化もありますし、その置かれている状況によっても、維持するだけでも大変だというケースは結構あるので、そこをしっかり評価してほしいというのは、今でも同じ思いであります。あとは、中重度の人と、軽度の人では、例えば、ADLの具体的に注目する項目が随分変わってくるということは、十分把握しておかなければいけない。これは2017年に全老健とデイケア協会と訪問リハ協会、リハ病院・施設協会も含めた合同の実態調査を行い、それを介護給付費分科会でもヒアリングのときに発表させていただいたのですが、新規利用開始から3か月たったときの変化を見ると、中重度の人の場合は、移乗とか、トイレ動作、そういう項目が改善していくということなのです。軽度の人の場合は、歩行とか、階段昇降が改善していくというように、見る視点が変わってくるというところもしっかり押さえておかないと。ですから、今回、アウトカムでADLやBI、FIM、IADL、FAI、いろいろ出ていますが、個別に項目を見ていってあげないと、ADLの全部の点数がこうだったというような見方よりは、一つ一つの項目を丁寧に見ていく。これは川越先生が専門だと思いますが、絶対に必要だと思いますので、忘れないでいただければと思います。以上です。
○田中座長 ありがとうございます。今後の検討課題について触れていただきました。ありがとうございます。近藤委員、お願いします。
○近藤委員 医療保険でのリハビリテーションが要支援、要介護者に対して長期にわたって提供できることが困難となっている状況の中で、医学的根拠のあるリハビリテーション治療、介護保険の枠組みの中で提供できているかどうかということを考えるに当たって、今回の指標の策定は非常に有意義であると私は考えております。そこが全体の枠で、細かいところを2点ほどですけれども、1つは、地域におけるリハビリテーションの手引のほうの24ページなのですが、分母をどう切っていくかということが、実は重要だと思っておりまして、人口10万体であるとか、要介護、要支援認定者割合だけではなくて、もう一つ、視点が必要かと思っておりまして、在宅が、本当の在宅なのか、それとも施設系の在宅であるかというところの高齢者の要支援者の割合において、実際、リハビリテーションが提供されている状況が異なる可能性がありますので、在宅の特性に合わせた評価という分母の切り口も少し、今回は無理かもしれませんが、今後はあってもよろしいのではないかと。在宅のほうが、リハビリテーションが利用されていて、そうではないのは、在宅系とされているものに対して十分リハビリテーションが提供されているかどうかということの把握も必要かと思っております。
あとは、アウトカムにつきましては、認知の問題が入っておりますので、認知の改善の把握はできるのですけれども、認知の変化等に反映することが難しい。一方でFIMを使うと、介護者の身体的負担だけではなくて、心理的な負担もある程度反映できるのですが、そういう意味では、介護負担感という考え方は、将来的にあってもいいのかなと思っています。以上です。
○田中座長 近藤委員、ありがとうございました。中村委員、どうぞ。
○中村委員 今回、このようにまとめていただいて、非常にありがたいなと思っています。
 私どもは、本当に20年経って、やっと願いが、こういった形によって表れたなということ。今回、私自身も評価していますが、リハビリテーションというのは、一般的に同義語にされていると思うのです。3職種、別々にちゃんとストラクチャーのところで把握していただけるようになって、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の別々の視点で、ちゃんと実態を把握していただくことは、非常に意義があるなと思っています。それで、アウトカムというお話がありますが、それぞれ技術も違いますし、対象も違って、目標も違うわけですから、今後、VISITでそれが明らかになってくるのでしょうが、今後、どういう職種がどういうことであって、どういう成果を表しているのかということが、やはり見える化の方向性の1つだと思いますので、今後の課題ですね。リハという全体として捉えることも大事ですが、それぞれ目標に向かって、どういうことをしているかということの把握も必要だと考えております。以上です。
○田中座長 ありがとうございました。今村委員、どうぞ。
○今村委員 本質的な問題ではないのですけれども、細かい点で、至るところにPDCAのアクトのアクションという言葉ができているのですけれども、医療系のほうでは、全体にPDCAのAはActを使っていますし、Actionがいいか、Actがいいかは、ぜひ、別途リトルアルに検討してもらいたいと思います。医療計画も、多分、看護系も全部Actを使っていたと思うので、意味は変わらないですけれども、Actのほうが改善という意味が強いということで使われているようなので、ちょっと御指摘だけさせていただきます。
○田中座長 医療計画と整合性が取れていないといけないし、動詞、名詞の感じもありますので、そのようにしていただきましょうか。ありがとうございます。田辺委員、どうぞ。
○田辺委員 田辺でございます。先ほど齊藤先生がおっしゃったことの続きなのですけれども、我々、整形外科学会としては、2007年からロコモティブシンドロームということで、国民に啓発をしてきています。早く身体の衰えに気がついて、それに対策を打つことによって、要介護、要支援にならないようにするのというのがロコモティブシンドロームの概念なのですが、最近、フレイルという言葉が出てきて、フレイルとロコモとごっちゃになってしまっているわけですね。我々フレイル学会とか、いろいろなところとお話をして、フレイルとか、ロコモとか言っていないで、全体的なフレイルロコモでも何でもいいのですが、そういったもので、国民に早く気がついてもらう、それに対して、ロコモ度テストというようなことが、我々はずっとやってきて、ロコモ度テストというのは、ロコモの重症化を示す指標として、我々はずっと前から使っていて、エビデンスもかなり出てきていますので、ぜひアウトカム指標の中の考え方の1つに捉えていただけないかと思います。その指標の原点は、先ほど齊藤先生がおっしゃったように、最初は縦の移動、階段の上りが衰えて、それから歩行が衰えて、最後にはトイレの動作が悪くなるという段階があるわけで、それを早く気がつくというのがロコモ度テストでございますので、その辺もアウトカム指標の議論の中に加えていただければと思います。 以上です。
○田中座長 ありがとうございます。一当たりよろしゅうございますか。
皆さんから御意見をいただきました。介護保険分野の生活期リハのために、長期的に考える話と、具体的に8期で市町村が取り上げられるかどうかというのは、別な次元なので、記述としては両方必要かもしれませんね、理念として生活期では、こういうことがあり得ると、ただ、指標についても、長期的には、こういうことを検討しなくてはいけない、研究しなくてはいけないということと、8期で具体的に取り上げることとは分けていかないと、できもしないことを8期に要求したら、かえって市町村は何もできない、混乱してしまうでしょうから、それが皆さんの御発言でよく分かりました。今日は、また、たくさんの御意見を頂戴し、もう少し報告書も、手引書も、皆さん、改めて意見を伺って、整理しなければいけないと感じました。ここで、座長一任というほど、まだまとまっていないと思いますので、事務局としては、御苦労ですが、今日いただいた御意見を踏まえて、もう少し作業をして、最終的に今回、市町村の方々にも分かっていただけるような、一方で、理念が伝わるような報告書を作ってまいりましょう。修文できるところは直し、修文した案を次回のこの会に提出、議論した上で、最終的な合意にしたいと存じます。
 次回の開催について、事務局から何かありますか。
○長江課長補佐 事務局となります。次回は、6月29日の月曜日の10時から予定しております。詳細は、追って御連絡させていただきますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。
○田中座長 また、オンラインになるかどうかは、これから決めるのですね。
○長江課長補佐 基本はオンライン開催でと思っております。
○田中座長 それでは、次回もオンラインになるそうです。委員の皆様におかれましては、今年の4月から本日まで、それぞれ新型コロナウイルス感染症対応で、極めてお忙しい中、精力的に、かつ前向きに議論をいただきまして、誠にありがとうございました。
 以上をもって、要介護者等に対するリハビリテーション提供体制に関する第3回の検討会を終了いたします。御参加ありがとうございました。