2020年6月26日 第56回中央最低賃金審議会 議事録

日時

令和2年6月26日(金)13:00~13:20

場所

厚生労働省 省議室(9階)

出席者

公益代表委員
 藤村会長、戎野委員、鹿住委員、権丈委員
労働者代表委員
 伊藤委員、小原委員、古賀委員、冨田委員、永井委員、平野委員
使用者代表委員
 池田委員、佐久間委員、高原委員、中西委員、橋本委員、堀内委員
事務局
 加藤厚生労働大臣、坂口労働基準局長、村山安全衛生部長、五百旗頭賃金課長、
 小城主任中央賃金指導官、水島副主任中央賃金指導官、手計賃金課長補佐、松本賃金課長補佐

議題

(1)令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について(諮問)
(2)その他

議事

○藤村会長
 定刻になりましたので、ただいまから第56回中央最低賃金審議会を開催いたします。本日は、中窪委員と松浦委員が御欠席でございます。お手元に新しい委員名簿を資料No.1としてお配りしておりますので御確認ください。
 はじめに、委員に一部交替がありましたので御紹介いたします。昨年の中央最低賃金審議会以降、日本労働組合総連合会労働条件・中小労働対策局次長の新沼委員、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長の正木委員が退任されました。新たに就任されました委員の御紹介をしたいと思います。まず、労働者代表委員といたしまして、日本労働組合総連合会総合政策推進局労働条件局部長の古賀友晴委員です。
 
○古賀委員
 連合の古賀でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○藤村会長
 続いて、使用者代表委員といたしまして、一般社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長の池田三知子委員です。
 
○池田委員
 池田でございます。よろしくお願いいたします。
 
○藤村会長
 よろしくお願いいたします。それでは、本日の議題に入ります。「令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について(諮問)」です。本日は大臣に御出席を頂いておりますので、大臣から諮問文を頂戴いたしたいと思います。
 
○加藤厚生労働大臣
 令和2年度の地域別最低賃金額改定の目安について、貴会の調査審議を求める。令和2年6月26日。厚生労働大臣加藤勝信。よろしくお願いいたします。
 
(諮問文手交)
 
○藤村会長
 それでは、大臣から御発言を頂きたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 
○加藤厚生労働大臣
 ただいま令和2年度地域別最低賃金額改定の目安について諮問をさせていただきました。
 また、本日は大変お忙しい中、こうして審議会のメンバーの皆さん方には足を運んでいただき、新型コロナウイルス感染症拡大のときでありますが、こうした防御をすることによって、基本的な対面式のやり方で進めさせていただくということに御理解いただきまして、ありがとうございます。
 経済の好循環を実現させるためには、最低賃金を含めた賃金の引上げは重要であり、第2次安倍政権発足以降、賃金引上げのための環境整備に全力を挙げてまいりました。
 最低賃金については当審議会で、公労使の皆様に真摯に審議をしていただき、政権の発足した平成25年度以降の7年間で、全国加重平均で152円の引上げを実現することができました。また、昨年度は27円の引上げとなり、現行方式で過去最高の上げ幅となっており、そうした中で、賃上げの流れが継続しているところであります。
 今月3日に開催されました全世代型社会保障検討会議においては、本日御出席の労使代表委員も属される労使団体の代表の方にも御参加を頂き、今年度の最低賃金についての御意見も頂きました。
 会議での意見も御意見も踏まえ、安倍総理より、「昨年閣議決定した『より早期に全国加重平均1,000円を目指す」との政府方針を堅持する」とした上で、「新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響が厳しい状況にあることから、今は、官民を挙げて雇用を守ることが最優先課題である」との政府としての考え方が示され、私、厚生労働大臣に対して、「中小企業・小規模事業者が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進めるよう」指示がございました。
 現在の雇用情勢については、令和2年4月の有効求人倍率は1.32倍と前月より0.07ポイント低下し、新規求人数を見ると、前月比22.9%減少と過去最大の減少幅となるなど、求人が大幅に減少している状況にあります。
 また、令和2年4月の完全失業率は2.6%と前月より0.1%の上昇となっているものの、パート・アルバイトを中心に、非正規雇用の職員・従業員が前年同月差で97万人と大きな減少となっております。また、休業者数が597万人、前年同月差で420万人と大きな増加となっております。
 多くの事業主の方々には全力で雇用維持に取り組んでいただいておりますが、新型コロナウイルス感染症や経済活動の自粛等の影響が顕著となっており、引き続き雇用情勢にはより一層注意する必要があると考えております。
 厚生労働省としては、引き続き、感染拡大防止に全力を尽くすとともに、第2次補正予算で拡充いたしました雇用調整助成金等を活用いただき、労使各位にも御協力いただきながら、雇用の維持、事業の継続、そして生活・くらしを守り抜いていきたいと考えております。
 審議会におかれましては、こうした状況についても十分に御考慮いただきながら、今年度の最低賃金額改定の目安について御審議を頂きますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 
○藤村会長
 どうもありがとうございました。大臣は他の用務のため、ここで退席をされます。
 
○加藤厚生労働大臣
 どうぞよろしくお願いいたします。
 
○手計賃金課長補佐
 報道各社の皆様に申し上げます。頭撮りはここまでとさせていただきます。カメラ、ビデオのみの方々は御退室いただきますようお願いいたします。
 
○藤村会長
 それでは、次の議題に移りたいと思います。今後の進め方でございますが、お手元の資料No.2の運営規程を御覧ください。第3条に、「会長は、審議会の議決により、特定の事案について事実の調査をし、又は細目にわたる審議を行うため、委員を指名して小委員会等を設けることができる」とございます。目安については、従前の例にならいまして、今年度も「目安に関する小委員会」を設けて審議を行うこととしたいと思います。また、小委員会の委員には、お手元の資料No.4に挙げられております方々にお願いをしたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。
 
(異議なし)
 
○藤村会長
 よろしいですか。ありがとうございます。小委員会の委員については、案のとおりといたします。
 次に、小委員会の委員長の選出についてはいかがいたしましょうか。
 
○戎野委員
 委員長につきましては、やはり会長に兼ねていただいて、審議をスムーズに進行していただけたらと思います。皆様、いかがでございましょうか。
 
(異議なし)
 
○藤村会長
 どうもありがとうございます。それでは、私が委員長を兼務させていただきます。小委員会委員の方々には、誠に御苦労をお掛けすることになりますが、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 先ほど大臣の御挨拶にもありましたが、私も今年度の最低賃金額の改定の目安については、新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響について配慮する必要があると考えております。そこで、事務局においては、例年準備していただいている資料に加え、新型コロナウイルス感染症の現状や影響等をまとめた資料、特に産業別・地域別・雇用形態別等の影響が分かるものを工夫して御準備の上、提出をいただくようにお願いをしたいと思います。
 
○五百籏頭賃金課長
 承知いたしました。
 
○藤村会長
 よろしくお願いします。その他、皆さんから御意見があればお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。冨田委員どうぞ。
 
○冨田委員
 ありがとうございます。先ほど大臣からの御挨拶の中で、全世代型社会保障検討会議について触れられておりましたので、そのことに対する労側の受け止めと、審議会運営について、事務方にお願いがございますので、その件について発言をさせていただければと思います。
 先ほどの厚労大臣から言及のありました全世代型社会保障検討会議において、最低賃金が議論された、そのことについては、正に最低賃金がいかに大事な政策であるのか、そして全世代の活躍に大きく関わる事柄なのかということを表していると受け止めておりまして、この中央最低賃金審議会において具体的な方向感を示すという役割と責任の重さを改めて痛感をしているところです。生活不安や雇用不安を抱える中で、国民が一丸となって、このコロナ禍に立ち向かっていくためには、社会安定につながるセーフティネットを促進していく必要があり、最低賃金の改定は、正にそのメッセージとなり得るものと考えております。
 厚労省の事務方におかれましては、現下の経済の状況のみならず、緊急的に措置された経済対策によって見込まれる効果や労働者の賃金、生計費に与えた影響、更には最低賃金がそもそも抱える課題などについても、それら含め様々な検討ができますよう、資料の準備と審議会運営をお願いさせていただきたいと思います。
 私ども労働側としましては、公益の先生や使側の先生の御知見を伺いながら、誤りのない回答が出せるよう努力してまいりたいと思います。以上です。
 
○藤村会長
 分かりました。事務局へのお願いという部分もありましたが、よろしいですか。
 
○五百籏頭賃金課長
 事務局として、最善を努めてまいりたいと存じます。
 
○藤村会長
 その他ございますでしょうか。どうぞ、池田委員。
 
○池田委員
 ありがとうございます。今年の目安審議は、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックという、これまで経験したことのない状況下で行われるもので、最近の審議とは全く異なるといった認識を共有すべきではないかと考えております。先ほど加藤大臣が御挨拶で言及されておられた安倍総理からの御指示、すなわち官民を挙げて雇用を守ることが最優先課題であり、中小企業・小規模事業者が置かれている厳しい状況を考慮し、検討を進めるようにといった総理の指示を重く受け止める必要があると考えております。労使で真摯な議論を行うとの前提を堅持しながら、安倍総理の指示を重視し、また、その他の観点も吟味しながら審議してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
○藤村会長
 分かりました。その他何か御発言はございますでしょうか。よろしいですかね。では、小委員会での審議に移りたいと思います。今日の審議会はここで終了というようにしたいと思います。議事録の署名については、古賀委員と中西委員にお願いをしたいと思います。
 引き続き、目安に関する小委員会を開催いたします。小委員会の委員におかれましては、準備の都合上、開催までしばらくのお時間を頂きたいと思います。どうもありがとうございました。