2020年1月31日 第64回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会・第40回 社会保障審議会 児童部会 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(合同開催) 議事録

日時

令和2年1月31日(金)17:00~19:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール14A(14階)

議事

議事内容
○南川課長補佐 定刻となりましたので、第64回「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」と、第40回「社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」の合同委員会を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日の出席状況について御報告をいたします。
井田委員、小幡委員、佐藤委員、高橋委員、滝田委員、花島委員、矢内委員、及川委員より御欠席の連絡をいただいております。
また、竹内委員、石川委員、羽鳥委員は遅れる旨、伺っております。
加えて、オブザーバーとして、社会・援護局障害保健福祉部企画課の伊藤課長補佐、職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室の秋場室長補佐に御出席いただいております。
また、昨年6月28日の合同委員会より、事務局の体制に変更がございましたので御紹介させていただきます。
健康局長として、宇都宮に代わり、宮嵜でございます。
難病対策課長として、川野に代わり竹林でございます。
難病対策課課長補佐として、大平に代わり領五でございます。
そして、難病対策課課長補佐として田中に代わり、私、南川でございます。よろしくお願いします。
続きまして、宮嵜健康局長より御挨拶を申し上げます。
○宮嵜健康局長 改めまして、健康局長の宮嵜でございます。
委員の先生方におかれましては、日頃より、厚生労働行政全般にわたりまして、御支援、御協力賜っておりますことを厚く御礼申し上げる次第でございます。
今ほど紹介がありましたら、昨年の7月、健康局長ということで着任いたしまして、その後、ワーキンググループで何度か御一緒させてはいただいてはおりますけれども、合同委員会は初めてということでございますので、御挨拶させていただければと思います。
既に御案内のとおりでございますけれども、難病法と改正児童福祉法、これは制定時の附則におきまして、法律施行後5年後以内を目途とした見直しを行うこととされておりまして、本年の1月で施行から満5年を迎えるということで、昨年の6月に合同委員会におきまして今後検討するべき論点を整理していただいているところでございます。
この論点を受けまして、研究・医療のワーキンググループと地域共生のワーキンググループを2つ、設置、開催させていただきまして、それぞれ5回ずつ活発な御議論をいただきまして、昨年の12月、それから今年の1月にかけて議論の取りまとめを行っていただいたところでございます。
本日の合同委員会では、両ワーキンググループの取りまとめにつきまして、それぞれの座長の先生方から御報告いただきますけれども、医療費助成の対象とならない患者さんのデータ登録など、引き続き検討すべきとされた論点につきまして活発に御議論いただければ、忌憚のない御意見をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○南川課長補佐 それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
傍聴される皆様におかれましては、傍聴上の注意事項の遵守をよろしくお願いします。
誠に恐縮ですが、宮嵜局長は次の公務のために、これをもちまして退席とさせていただきます。
以降の議事進行につきましては、千葉委員長にお願いしたいと思います。千葉委員長、よろしくお願いします。
○千葉委員長 それでは、初めに事務局から資料の確認をお願いします。
○南川課長補佐 お手元に、議事次第、資料1-1、研究・医療ワーキンググループの取りまとめ。
資料1-2、地域共生ワーキンググループの取りまとめ。
資料2-1「令和2年度予算案について」。
資料2-2「全ゲノム解析等実行計画(第1版)」。
資料3「今後の議論の進め方について」。
資料4「主な論点について」。
参考資料1、2、両ワーキンググループの主な意見を御用意しております。
なお、参考までに、昨年の5月15日の合同委員会で示した事務局資料をファイルに入れて御用意しております。
過不足等ございましたら、挙手をいただければと思います。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。
本当に久しぶりの合同委員会でありますけれども、よろしくお願いします。
初めに、「難病対策・小児慢性特定疾病対策の見直しに関する検討状況について」ということで、昨年6月の合同委員会以降の検討状況につきまして、2つのワーキンググループで議論されてきました。その内容や、令和2年度予算案の概要など御報告をいただきたいと思います。
ワーキンググループにつきましては、この6か月の間に皆さん方、何度もお集まりいただいて御議論いただいたところであります。それで、それぞれのワーキンググループの座長であります五十嵐先生と小国先生から御報告をいただきたいと思います。
まずは、研究・医療ワーキンググループにつきまして、五十嵐先生から御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。
それでは、資料1-1を御覧いただきたいと思います。
私どもの研究・医療ワーキンググループでは、主に3つの観点を中心に検討させていただきました。1つは医療費助成制度、2番目は医療提供体制、そして3番目として調査・研究に係る論点でございます。その結果を、12月にまとめさせていただきました。
裏表紙を御覧いただきますと、この報告書の内容は第1から第5まで分かれております。今日は、この対応の方向性の部分を中心に、概要全体について御報告をさせていただきたいと思います。
まず、1ページを御覧ください。
「はじめに」のところでは、これまでの難病対策、そして小児慢性特定疾病対策の経緯についてまず触れました。そして、研究・医療ワーキンググループと地域共生ワーキンググループで取り扱う事項は相互に関連するものですから、引き続き検討すべきとした事項を中心に、2つのワーキンググループの報告を踏まえて、合同委員会でさらなる検討が行われることを期待するというふうに初めに書かせていただきました。
2ページ目、「基本的な考え方」ですけれども、この見直しの基本的な考え方については引き続き難病法の基本理念にのっとって、そして共生社会の実現に向けて総合的に施策が講じられるべきであるというふうにいたしました。
さらに、医療費助成に関しましては、現行の助成制度は治療研究を推進する目的と、それから福祉的な目的の2つを併せ持つものとして、広く国民の理解が得られる公平で、かつ安定的な仕組みになるように、必要な財源を確保しつつ法制化されています。
このことを踏まえまして、難病法の基本理念や、こうした法制定時の基本的な考え方にのっとって、必要な見直しを検討することが適当であるというふうにいたしました。
2ページ目の「医療費助成制度について」、その中のまず「対象疾病について」ですけれども、これにつきましても従来、毎年あるいは数年に1回の割合で見直しが行われてきたわけですが、今後も公平かつ安定的な仕組みとするためには、この制度を作ったときの考え方に基づいて、指定難病の各要件を満たすと判断された疾病について、指定難病に指定することが適当であるといたしました。
そして、指定難病の要件を満たさないと、そのときに判断された疾病などについては、研究事業を推進することによって、必要に応じて当該疾病に関する調査研究を支援するべきといたしました。
つまり、データがまだそろっていないんだったら、しっかりデータを取って研究することによって、重症度分類等を作っていただく。そういうことによって、新たな指定難病に指定されることが将来あるだろうということを期待している文章であります。
さらに、指定難病に指定されている疾病については、治療成績の改善状況等を評価していく必要があるというふうにいたしまして、こうしたフォローの結果、将来的に治療方法の進歩に伴い、指定難病の要件に合致しない状況が生じていると判断されている場合には、指定難病の見直しを検討することが適当であるといたしました。
また、もし見直しを行う場合には、一定の経過措置等について検討することが妥当であるといたしました。
次に、小児慢性特定疾病児童等の成人移行、トランジションの問題です。この問題は、ずっといろいろなところで討議され、努力がされているわけですけれども、難病法の制定以前からの課題でありまして、成人期に向けた切れ目のない総合的な支援の取組の一層の促進を図ることが必要であるといたしました。要するに、10年も15年もずっと問題視されてきたわけですが、なかなか改善しないところがありますので、これについてはさらなる努力が必要であるということは皆さん一致しているのではないかと思います。
さらに、小慢のうち指定難病の要件を満たすものの着実な指定をすること、移行期医療の体制整備を一層促進すること、それから別途、地域共生ワーキンググループで議論されている自立支援の強化を図ることが必要であるといたしました。
4ページを御覧ください。「対象疾患の認定基準について」です。
いわゆる重症度基準については、基準が導入された経緯や、疾病間の公平性などを考慮いたしますと、今後も認定基準の仕組みを維持することがやはり適当であろうといたしました。その上で、現行の基準については医学的観点から、より公平なものとなるように、指定難病検討委員会において引き続き見直しが行われる必要があるといたしました。
5ページは、「患者の自己負担について」です。
医療費助成における患者の自己負担につきましては、難病の特性を踏まえつつ、難病法制定時の議論の経緯にも留意し、月ごとの自己負担限度額のみならず、自己負担割合や対象となる医療の範囲などの要素も総合的に勘案して検討していくことが必要とした上で、難病法の施行後、現時点において特段の事情変更があるとまでは言い難く、引き続き、現行の水準を維持しつつ、国において必要なデータ収集を行っていくべきといたしました。
6ページ、「患者の利便性の向上・自治体の事務負担の軽減について」ですけれども、まず「医療費助成の対象とならない患者の登録について」です。いわゆる軽症者の登録の在り方については、今般の5年後の見直しにおける重要な柱になる事項と考えています。ワーキングでも、特に時間を使いまして議論をさせていただきました。
取りまとめでは、研究を促進する観点からは、医療費助成の対象とならない患者についても、データを登録することができる仕組みを新たに設けることが望ましいとした上で、新たな仕組みの導入は各関係者の負担の増大につながることになりますので、メリットと負担のバランスを十分に考慮する必要性を指摘させていただきました。
さらに、具体的な仕組みの構築に当たって踏まえるべきこととして、4つの視点を整理しました。
まず1番目に、指定難病の患者さんにとって過度な負担を課さないもの。
2番目として、データの提供は患者さんの同意を前提としたものであること。
3番目は、データの登録が促進される工夫を行うこと。
4番目として、登録の仕組みを構築する前提として、データ入力においてはオンライン化を早急に進めていただきたい。
この4点であります。
それで、この指定難病患者のデータ登録の在り方については、3つ目の視点にある各種福祉サービスが円滑に利用できるような運用上の工夫など、地域共生ワーキンググループの議論ともに、これにも関連いたします。そのため、具体的な仕組みの在り方については、2つのワーキンググループの議論を踏まえて、この委員会においてこれから御議論いただきたいと考えています。
そのほか、臨床調査個人票の簡素化、この簡素化の意味は記載内容を簡素化するという意味と、それから入力の間隔ですね。毎年やるのか、あるいは2年か3年に1回でいいのかとか、そういうような議論も必要だと思います。
それから、文書料を今後取っていくのかどうか、これについても議論がなされました。
8ページを御覧ください。「医療費助成の実施主体について」です。
現在の難病医療費助成の実施主体は、都道府県と指定都市でありますけれども、難病法の附則において、実施主体の在り方について施行状況等を勘案しつつ検討を行うこととされているということを踏まえまして、その在り方について議論をさせていただきました。
希少である指定難病に関する審査業務は専門性を確保する必要があることから、一定程度、県単位ではなくて、より広い広域的な地方自治体で事務を担うことが適当であって、引き続き都道府県及び指定都市が事務を行うことが妥当だろうといたしました。
同じく8ページの「医療提供体制について」ですけれども、難病の医療提供体制については、難病患者がどこに暮らしていても早期の診断がつき、適切な治療が受けられるようにするためには、まずは難病診療連携拠点病院の各都道府県における設置を目指すべきといたしました。
また、難病分野におけるゲノム医療の推進の重要性や、今後の移行期医療支援センターの設置促進のための対応の必要性に関する記載もさせていただきました。
10ページ、「調査及び研究について」です。
指定難病データベース、そして小児慢性特定疾病児童等データベースにつきましては、個人情報の保護に十分に配慮をしつつ、NDB、ナショナルデータベース等のほかの公的なデータベースとの連結解析データなど、治療研究に有用なデータの提供が促進されることが必要と考えております。
そのために、法律上の規定を整備し、収集・利用目的、第三者提供のルール等を明確に今後定めるべきと考えています。
その際には、希少な疾病である指定難病の特性に配慮しながら、既存のナショナルデータベース等のルールを参考にして所要の措置を講ずるべきといたしました。
それから、連結の解析に当たりましては、確実性・正確性を確保するために、個人単位化される被保険者番号の履歴、いわゆる医療等IDを活用した連結をすべきであるというふうにいたしました。
最後に、現在の難病法では、調査研究に関して国の責務規定が置かれていますけれども、調査研究に関する患者さんの理解や、地方自治体の取組の重要性などを念頭に置きながら、調査研究に関する規定の在り方について、引き続きこの委員会で検討して、必要に応じて対応がなされることが望ましいといたしました。
以上、研究・医療ワーキンググループの取りまとめの概要を御説明させていただきました。
○千葉委員長 ありがとうございました。様々な課題につきまして、それぞれ今後の在り方について御検討をいただいたと思います。
続きまして、地域共生ワーキンググループにつきまして小国先生から御報告をいただきます。よろしくお願いします。
○小国委員 地域共生ワーキンググループの取りまとめについて、御報告いたします。
1ページ目の「第1 はじめに」を御覧ください。
地域共生ワーキンググループでは、療養生活の環境整備、福祉支援、就労支援、小児慢性特定疾病児童自立支援事業について、現場で支援を行っている方を含め、有識者からのヒアリングを交えながら、全5回にわたり検討を進めました。
1月22日に、取りまとめを発表いたしました。取りまとめの概要について、合同委員会で引き続き議論すべきであるとした事項も含め、御紹介させていただきます。
2ページ目の「第2 基本的な考え方」を御覧ください。
難病患者及び小慢児童などにつきましては、医療費助成や治療研究に含む医療に関する支援が重要であるということは言うまでもありませんが、地域において安心して療養生活及び日常生活を営むことができるような、共生社会を実現するための支援というものが不可欠です。
これまでも難病相談支援センター等による支援が行われてきていますが、難病患者等のニーズというのは、その疾患の特性や個々の状況などに応じて多様であることから、こうしたニーズに適切に対応するために、地域における関係者の一層の関係強化を図っていくことが重要となります。
また、支援を行う際には、現に医療費助成を受けている患者等のみならず、同じ指定難病や小児慢性特定疾病に罹患している患者様や、その保護者に広く支援を受けることができるようにしていくことが重要であり、現行の各種支援施策を行き届くようにするためにも、具体的な方策として利用費助成の対象とならないような軽症者の方のデータ登録の仕組みも踏まえて、この合同委員会にて引き続き検討されるべきと議論があったことから、本件について、より具体的な方策について御議論いただきたくお願いいたします。これは、最初のグループと同様でございます。
これからは、各論に入ります。
まず、2ページの「療養生活の環境整備について」ですが、難病相談支援センターと地域協議会について議論を行ってまいりました。
初めに、難病相談支援センターについて、現在、各都道府県におおむね1か所設置されておりますが、各相談支援のほか、就労支援やピアサポートも行うこととされており、医療機関だけでなく、関係機関と連携しながら支援が行われております。
一方で、難病患者様に向けたアンケート調査から、難病相談支援センターの周知や、関係機関との関係強化という点が必要という状況が見えてまいりました。
このような現状を踏まえ、対応の方向性として、難病患者様のニーズは多様であることから、同センターが患者様と地域の関係機関、あるいは地域の関係機関との間を結び、つないでいく役割、ハブのような役割を担って適切な支援につなげていくことを目指すべきであるとしました。
また、そのためには地域の特性を生かしつつ、難病相談支援センターによる支援の質の向上や、底上げを図るといった体制づくりを進めるとともに、難病相談支援センターの認知度を高めていく必要がある。こういった形で、意見を集約いたしました。
また、センターによる支援において、地域の実情に応じた独自性が発揮されることは望ましいのですが、どの地域においても難病患者様が適切に支援を受けられるようにすることが重要であり、国のほうで好事例の収集・比較を行うとともに、地方自治体の取組を促すような具体的な方策を検討すべきという意見や、支援員の研修の充実という意見がございました。
難病相談支援センターの周知促進の具体的な方策として、受療や医療費助成の申請の機会を捉えた周知が効果的・効率的と考えられることや、難病相談支援センター間の連携の促進も重要という意見がありました。
さらには、地域の関係者間の顔の見える関係づくり、難病相談支援センターが地域の関係機関をつなぐ役割を果たすためにも、この後、御説明する地域協議会の活用が重要であり、センターが積極的に協議会に参加していくことが望ましいとしております。
続いて、4ページの「地域協議会について」、開催頻度は年に1回程度という都道府県が多いという意見がございました。
ですが、ワーキンググループでヒアリングを行った地方自治体においては、本体の会合とは別途、部会や担当者レベルの会議が行われておりました。
対応の方向性として、地域協議会は顔の見える関係づくりを進めるために重要であり、地域の課題を共有し、地域の状況を評価し、これを課題解決につなげていく場としていくことが必要です。
そのためには、地域協議会本体の会合のみならず、必要に応じて様々なレベルでの会合を持ち、頻度の高い意見交換を行うことが効果的となります。
このような地域協議会での取組について、国からも地域協議会の活性化を促すような方策について検討すべきであるとしております。
続いて、5ページから「福祉支援について」になりますが、対応の方向性として、難病という用語を用いた、より分かりやすい周知が行われており、こうした取組を継続していくことが必要です。
また、患者様側だけではなく、支援者側の周知も重要となり、医療費助成の受給の有無にかかわらず利用できる支援があることや、その内容について周知の強化を図ることが行われるべきです。
続いて、6ページからは「就労支援について」です。
対応の方向性として、就労支援は難病患者様の社会参加を促進する上で重要ですが、そのニーズは多様であることから、難病相談支援センターが地域の関係機関と連携していくことが重要となります。
そのため、難病相談支援センターがハローワーク、難病患者就職サポーターと連携してきめ細やかな支援をしていくことが重要であり、その支援の充実を図ることが必要となっていきます。
また、医療機関によって、就労支援機関との直接のつながりがない場合があるため、難病相談支援センターが適切な機関につなぐ機能を果たす役割が期待され、難病相談支援センターの主要な役割の1つとして位置づけていくことが重要となります。
そのほか、患者様自身が、症状や配慮事項など、関係者への説明が難しい場合があるため、関係者間で情報共有できるツールの開発・普及が必要であることや、就労継続の支援においては産業医などへの連携も重要であること、難病患者様の治療と仕事の両立支援では難病の特徴を踏まえるとともに、多様な働き方があることを念頭に置いて支援が行われるべきであるという意見もありました。
続いて、8ページ以降の「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について」に入ります。
対応の方向性として、小慢児童等の自立を支援するためには、医療・保健・教育・福祉等の分野の関係者が、個々の児童のニーズや課題を共有し、生活者の視点から支援の在り方を考え、連携していくべきであり、その際には相談支援事業を通じて自立支援員などが個々のニーズや課題を把握していくことがまず重要となります。
ニーズ把握は医療費助成の申請の機会も活用し、これらを通じて把握したニーズや課題を関係者で共有し、地域における任意事業の企画・実施につなげる必要があります。
また、自立支援事業は多様なニーズに応じた支援を行うことができる仕組みであるため、地域で切れ目のない支援を行うためにも、他の支援との連携を充実させることも重要となります。ここで、文科省の方とも様々な意見交換をさせていただきました。
一方、任意事業については、その実施方法が分からないという都道府県などもあることから、国において好事例を周知していくべきですが、その際には任意事業の現状や課題を分析するとともに、好事例の周知にとどまらない具体的な立ち上げ支援など、さらに一歩踏み込んだ国の取組が必要とされました。
また、医療的ケア児や障害児の施策との連携であり、特に地域レベルにおいては顔の見える関係づくりを進め、地域の課題共有、そして状況を評価し、課題解決につなげるため、慢性疾病児童等地域支援協議会を活用することが重要であるが、設置が十分進んでいないことから、国が地方自治体に協議会の意義などを改めて周知すべきという御意見です。
また、任意事業の活用を進めるためにも、医師などにも事業を知ってもらい、受療時に患者様に伝えることが効果的でもあり、また、この自立支援事業という仕組みがあること自体についても関係者に認知されることが立ち上げ促進に資すると考えられますので、これらの周知も図られるべきという御意見が出ました。
以上になります。
○千葉委員長 ありがとうございました。こちらも、非常にたくさんの事柄につきまして御議論いただいたようであります。
それでは、この2つのワーキンググループの報告につきまして、何か御質問等ございましたら、ここでまず受けさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
時間が余りありませんので、2つまとめて、どちらのほうに対する御質問、御意見でも結構ですのでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤参考人 参考人なんですけれども、発言してよろしいでしょうか。
○千葉委員長 結構です。
○伊藤参考人 皆さん、お忙しい中、大変よい方向でいろいろと取りまとめをしていただけたものと感謝しております。
それで、質問ですけれども、地域共生ワーキングのことでちょっとお願いしたいのですが、就労支援というのは今、患者にとって大変重要な対策になっていると思うのですが、特に難病患者就職サポーターの活動というのは大変大きな役割を果たしてきていると思います。
ところが、実際には各県にまだ1か所程度しかなくて、その地域内においても難病患者就職サポーターの存在を知らないハローワークもいたり、余り相談支援センターとは結びつかなかったりとか、いろいろなことがあるのですが、しかし、課題になると思うのは、この就職サポーターの方の処遇というのはどうも安定していない。そして、就労というか、執務する時間も非常に限られているというようなことがあって、私はこれをもう少し評価をしていいのではないかと思っているのですが、その評価だけではなくて、具体的に今この就職サポーターの存在について何か対策を考えておられるようなことがあったら、それも教えていただきたいと思います。
○千葉委員長 いかがでしょうか。対策といいますか、中で出た意見というか、そういったようなことだと思いますが。
○小国委員 就労支援については、サポーターとか、いろいろな形でハローワーク、就労支援機関等との連携ということがとても大事だということで、長崎県からのヒアリングなども行いました。
それで、長崎県のヒアリングでは、ハローワークからの就労支援が難病指定相談支援センターに派遣されておりまして、非常にうまく回っているという御意見もありましたので、そういう好事例を出していくというのはいいことだろうという意見が出ました。
ただ、その処遇については改善されるということは必要かもしれませんけれども、その辺りの意見というのはありましたが、その解決法というのは残念ながら、コンセンサスが得られなかったというところです。
○千葉委員長 今お話があったように、うまくいっているところをモデルケースとして、そこを参考にしていくというのは非常に重要だろうと私自身も考えますが、サポーターの処遇等につきましては、それこそ今後の課題ということになろうかと思います。
どうぞ。
○秋場地域就労支援室長補佐 安定局障害者雇用対策課の秋場と申します。
難病患者の就職サポーターは当課で担当しています。処遇に関しまして、現在は月10日勤務の方と15日勤務の方といる状況ですが、10日勤務の方の中には、他のセンターのお仕事などもされていて、むしろ10日勤務のほうがいいという方もいらっしゃいますが、地域のニーズや難病サポーター自身の希望などを併せて考えてまいります。これから健康局の方から来年度の予算案の説明がありますが障害者雇用対策課の予算でも、難病患者就職サポーターに関しては月10日勤務の一部を15日勤務にするということで、1.9億から2.2億に少しだけですが、拡充をする方向で予算案としてお願いしているところです。
今年度については今、議論の途中だったので、そのぐらいの規模で要求したところですが、こちらの合同委員会での議論が取りまとめられたら、次の令和3年度の予算要求ではまた考えていきたいと思っています。
○千葉委員長 ありがとうございます。この後で2年度の予算のお話が出てくると思いますが、それとも関連していたわけですけれども、このワーキンググループとしては、こうあるべきであるということを提案していただいたわけですが、それをこの委員会でアップルーブして、実際には厚労省のほうで動いていただくという流れになろうかと思います。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○春名委員 少し便乗して。難病患者就職サポーターによるきめ細かな支援は重要ですが、先ほどの御説明でもあったように、難病相談支援センター等がハローワーク、難病患者就職サポーターと連携するといった支援が重要です。しかし、実態として、地域によっては、地域の難病患者さんの就労相談が難病患者就職サポーターさんに様々な機関から集中してしまって、相談が何か月待ちのような状態になってしまうということもあります。難病患者就職サポーターだけに難病就労支援の担当が集中しないように、むしろ、難病患者就職サポーターさんには、ハローワークだとか、難病相談支援センターだとか、今後は両立支援だとか、そういういろいろな関係者の地域のハブとなるようなネットワークを作っていくような役割を担っていっていただくことも非常に重要なことかと思います。
○千葉委員長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
森委員、どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。この合同委員会ですとか、それから取りまとめのほうのワーキングの取りまとめなどにも、非常に患者団体の意見もたくさん出させていただく機会をいただきましたし、取りまとめのほうでも多くの意見等を入れていただいていると思いまして、感謝申し上げたいと思います。
今、取りまとめが公開されまして、やはり多くの患者団団体からいろいろな意見を出したけれども、まだ反映されていないといったような御意見、声もたくさんきています。
ただ、それは取りまとめという限られたスペースで限界があるかと思いますし、こちらに例えば文書に書いてあるような支援の充実といった言葉の中に私どもの意見とか、それから好事例のことなども含まれていると理解はしますけれども、そういったところに実際に確実に実施につながるように書き込んでいただけるような工夫なども、この合同委員会でのまとめも出ると思いますのでお願いしたいと思います。
それから、研究・医療のほうなのですけれども、指定難病になるのと、ならないのとでは、やはり大きく支援が違っています。
そこで、まだ要件を満たさない疾病であるとか、これから先の対象疾患の見直しであるとか、そして今、問題となっています認定基準、重症度ですね。そこのところでも、指定難病の検討委員会のほうで検討はされるのではありますけれども、やはり日常生活または社会生活に支障があるものとするというところが適切であるとされていますので、医学的な見地だけではなく、やはり患者の実態というものもそこにしっかりと把握していただいて、それも踏まえた検討であっていただきたいので、対象となる患者団体等からはやはりきちんとヒアリングをして、そして検討していただけるようにぜひお願いしたいと思います。以上です。
○千葉委員長 ありがとうございました。患者さんの立場から御意見をいただいたと思います。
ほかはいかがでしょうか。
どうぞ、駒村委員。
○駒村委員 地域共生ワーキンググループの7ページの一番下の○ですけれども、報告書は意見があったということでありますが、今日は障対課の方もいらっしゃっているので、これを検討するに当たってどういうことを整理しておかなければいけないのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○千葉委員長 7ページの一番上ですね。
○駒村委員 法定雇用率のカウントに入れるか、入れないかといったことは労政審で議論してほしいという意見があったわけですけれども、こういうことをもし考えている場合、難病をこの委員会としてはどういう材料が必要だったり、どういうことがこの議論を始めるに当たっては考えておくべきことなのかということを障対課の事務局に教えていただきたいという趣旨です。
○千葉委員長 どうぞ。
○秋場地域就労支援室長補佐 障害者雇用対策課の秋場です。
まず、障害者法定雇用率ですが、身体、知的、精神ともに、障害者手帳をお持ちの方を雇用率としてカウントするという形になっていまして、それは公正性等の観点から障害者手帳をお持ちの方に限定しています。
手帳をお持ちでない難病患者の方について、その算定基礎に入れるかどうかについては、これまでもずっと議論はされてきております。
ただ、なかなか就労の困難性とか、長期にわたり、職業生活に制限があるというところにどのぐらい該当するかとか、そういうところを明確に示すものがないということと、あとは企業側に義務を課す制度ですので、企業の受け入れ態勢の整備、どんな配慮をすればいいかというところが確率されていないとその義務も課すことは困難です。
その2点で、前回障害者雇用の算定基礎に入れるかどうかという議論では、手帳をお持ちでない難病患者は対象から外れたという経緯があります。
ですので、就労の困難性や企業の受け入れ態勢という観点から、この雇用率に入れるかどうかについては今後も議論されていくことになります。
○駒村委員 ということは、今の2点が客観的に明らかになるように、難病のほうの委員会も今後研究を進めればいいということだという理解でよろしいですね。
ありがとうございます。
○千葉委員長 ありがとうございます。ここにまさにあるように、議論を始めるべきであるという提言もワーキングではなされているということで、今の駒村委員の御質問に対する回答は、現時点でその方針でというふうに理解をしたらよいということでありましたが、ほかはよろしいでしょうか。
どうぞ。
○春名委員 今回、指定難病登録者証(仮称)というものが示されております。これは以前、「軽症者登録証」と言われていて、私はそれでは意味が分かりにくいと考えていました。やはり「難病登録者証」ということで、今まで社会に余り認知されていなかった難病について認知していただいたり、いろいろなサービスなども円滑に利用できるようにするということで、難病患者さんを社会的に認知するための1つのツールとして意義がより明確になると考えます。ワーキンググループにおいては、このような「軽症者」ではなくて「指定難病」登録者証になったという議論の経緯はいかがでしたでしょうか。また、指定難病以外の難病の登録というところまでは進まないのかとか、そのような議論はありましたでしょうか。
○五十嵐委員長 お答えさせていただきます。
まず、最初の御指摘のように、要するに指定難病には一定の重症度のクライテリアがありますから、それには入らないけれども、しかし疾病の診断がつく方はたくさんいらっしゃるわけですね。そして、そういう方たちをできれば早くから診断して治療をすれば重たくならないということも十分あるわけですので、今回はこういう軽症者という名前はあえて入れずに、指定難病患者さんとして広く認定する方向があったほうがいいのではないかという議論になりました。
そして、その内訳というか、では何のためにそれをやるかというと、最初に申し上げたように、早く診断して早く治療するということもあると思うんですけれども、自治体によっては指定難病に認定されていない軽い患者さんでも、いろいろサービスが受けられる可能性があるというようなことも議論になりまして、そういうことからいわゆる軽症者登録、実際には指定難病患者のデータ、より広い意味でのデータ登録をすべきではないかという議論になった次第です。
ただ、春名委員が御指摘になった全ての難病、原因が分からない病気全てを難病として登録するという議論ではありませんでした。そのときには、そこまで広げた議論はいたしませんでした。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。
御意見がおありと思うんですけれども、時間が非常に押していますので、端的にお願いします。
○西澤委員 2つのワーキングでそれぞれ方向性が示されていましたけれども、それぞれ引き続き検討ということで、例えば医療のほうのワーキングですと、福祉サービスの利用が円滑に進むように、あとはデータ登録などとの関連で議論をする。
それからもう一つ、地域共生のほうでも、患者の登録の仕組みなどについて引き続き検討とあったわけですけれども、合同委員会のレベルでは、よりここで具体的な仕組みについて、データ登録とか、周知とか、それから利用に進めるという意見がそれぞれかなり出されているのですが、具体的なものまでまだここでは出ていないので、この合同委員会で具体的な仕組みづくりというところまで踏み込んで今後議論をしていくのかどうかというところのお考えを伺いたいのですが。
○千葉委員長 これはむしろ私がお答えすることにもなろうかと思うのですけれども、もちろん具体的に進められる範囲においてはきちんと進めていきたいと、私自身も委員長の立場として思っておりますが、一方で、この対策委員会のミッションとしましては、大きな指標を提示するということが非常に重要だと思っております。
それを踏まえて、具体的にはこの委員会と厚労省とで最終的に詰めていくというか、そういうことになろうかと思いますが、ここについては厚労省としてはいかがですか。
○領五課長補佐 御質問ありがとうございました。厚生労働省の難病対策課でございます。
本日、この後の今後の進め方という議事のところで詳しく御説明をしますけれども、ただいま西澤委員から御質問のありましたとおり、地域共生ワーキンググループと研究・医療ワーキンググループにおいて、双方にまたがる事項として、指定難病の患者さんのデータの登録の仕組みのところが一番大きな論点として残っているというか、引き続き検討すべき事項であると承知をしております。特に研究・医療ワーキングの中では、その前提としてオンライン化を早急に進めることといったような具体的な御示唆もいただいておりますので、本日そうした点も踏まえた具体的な案をお示しをさせていただく予定でございます。
こうした点を踏まえて、この合同委員会で御議論を進めていただければと思っております。
○千葉委員長 ありがとうございます。
ちょっと時間がないのでここら辺で切らせていただきますが、まさに今後の論点というのはこの後出てきますし、その中でもたくさん意見が出たところについては集中的に、より重点的にやる方向性は出ているというふうに私自身理解しております。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、続いて令和2年度予算案等につきまして、事務局から御報告をお願いします。
○磯崎課長補佐 難病対策課の磯崎と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、資料2-1「令和2年度予算案について」、御説明させていただければと思います。
まずは1ページ目の下のポンチ絵ですが、「令和2年度難病対策予算案について」ということでございますが、合計といたしまして令和2年度は1271億円計上させていただいているところでございます。
その主なものといたしましては、1の「医療費助成の実施」ということでございまして、ここが大半を占めておりまして、1144億円計上させていただいております。
それ以外にも、2といたしまして「難病患者の社会参加と難病に対する国民の理解の促進のための施策の充実」で、12億円計上させていただいておりますが、こちらの主な事業といたしましては、都道府県及び指定都市が設置しております難病相談支援センターの事業に対する補助金についてが主なものとなっております。
3といたしまして、「難病の医療提供体制の構築」で、6億円計上させていただいております。こちらの主な事業といたしましては、難病医療提供体制整備事業ということでございまして、都道府県のほうで設置していただいております難病診療連携拠点病院等の整備に対する補助金ということになっております。
4といたしまして、「難病に関する調査・研究等の推進」で、108億円計上させていただいているところでございます。
それと、先ほどちょっとお話が出ました難サポさんの経費なのですけれども、少し縦割り的なことを申し上げて恐縮なのですが、こちらの資料は難病対策課の予算を中心として作成しており、この金額の中には難サポの事業については含まれていないというところでございます。
おめくりいただきまして、「令和2年度小児慢性特定疾病対策予算案について」でございます。こちらについての合計でございますが、176億円計上させていただいております。こちらにつきましても、主なものといたしましては医療費助成の実施ということでございまして、170億円計上させていただいております。
その内訳といたしましては、小児慢性特定疾病医療費負担金で161億円、それと自立支援事業の経費といたしまして9.2億円計上させていただいているところでございます。
2といたしまして、その他小児慢性特定疾病対策の推進ということで5.7億円計上しているところでございます。
その他の資料につきましては、各事業についてのポンチ絵でございますので、後ほど御覧いただければと思います。
私のほうからは、以上でございます。
○南川課長補佐 続きまして、資料2-2「全ゲノム解析等実行計画」について御説明させていただきます。
概要の資料を一回飛ばしていただきまして、2-2の中で「全ゲノム解析実行計画(第1版)」という文書の資料がございますが、これは昨年の12月20日に厚生労働省として施行したものでございまして、この中で難病に関する部分について主に御説明させていただければと思っております。
5ページ目を御確認ください。
まずこの実行計画が策定された背景ですが、「はじめに」とございます。第1段落にあるとおり、近年、個人のゲノム情報に基づいて、個々人の体質や病状に適した効果的な疾患の診断、治療、予防が可能となるゲノム医療に対する期待が高まっておりまして、諸外国、特に英国等では国家プロジェクトとして10万人のゲノム解析を完了しており、2023年までに100万人の全ゲノム解析等の実施を目指しているなど、進められています。
日本におきましても、2015年に健康・医療戦略推進本部にゲノム医療実現推進協議会が設置されていまして、政府全体としてゲノム医療の社会実装に向けた検討が行われておりまして、その中で厚生労働省は医療への実利用に近い疾患領域として、がん・難病等について、特にゲノム研究が進められております。
3段落目にいきますが、その中でも難病についてはゲノム医療として難病法に基づく医療提供体制の構築に当たって、遺伝学的な検査の充実を図るとともに、研究事業としましてIRUDという未診断疾患イニシアチブであったり、オミックス解析拠点などの実用化に向けたゲノム解析研究を行ってきたところでございます。
これらの背景がございました上で、昨年6月に閣議決定されています「経済財政運営と改革の基本方針」の中で、全ゲノム解析等による難病の早期診断に向けた研究等を着実に推進するために、英国等の取組を参考に、数値目標は人材育成・体制整備を含めた具体的な実行計画を2019年中を目途に策定するとされたことから、この実行計画が策定されたものでございます。
通し番号の6ページ目を御確認ください。
その上で、この計画を策定するまでに当たっての進め方ですが、「難病に関するゲノム医療の推進に関する検討会」を改めて設置しまして、3回ほど議論させていただきました。
7ページ目を御確認ください。
1の「これまでの取組と課題の整理」にいろいろ書いてありますが、特に課題とされているものは、やはりゲノム研究が進められてきましたが、大規模な日本人の全ゲノム配列データベースが構築されていないこと、そしてアカデミア、民間企業を対象としたデータの二次利活用が進んでいないことなどが課題として指摘されています。こうした状況を踏まえて、国家戦略として一人一人における治療精度を格段に向上させて、治療法のない患者に新たな治療を提供するといったがんや難病に対する医療の発展や個別化医療の推進などを目的にして、この計画は策定されています。
続きまして、「全ゲノム解析等の必要性・目的」ですが、8ページにいっていただきますと、「難病領域」におきましては8ページ目の一番下の段落です。難病領域として、難病の全ゲノム解析等は、難病の早期診断や新たな治療の開発など、難病患者さんのよりよい医療の推進のために実施をするとさせていただいております。
9ページにおいては一番上ですけれども、全ゲノム解析等を行う理由としては全エクソーム解析等のこれまでの研究手法では得られることのない情報の集積が可能となって、これによって本体解明が進んで、診断基準の確立であったりとか、効果的な治療、診断法の開発が促進されることが期待されていると記載させていただいています。
続きまして、10ページ目を御確認ください。
「具体的な進め方」なのですが、まずこれを具体的に進めるに当たって、全ゲノム解析については先行解析というものと本格解析という2つの解析の段階に分けさせていただきました。
先行解析なのですけれども、11ページの一番上のパラグラフですが、最大3年をめどに当面は主要な解析拠点、これまで研究事業でやっていましたIRUDという解析拠点であったり、オミックス解析拠点に保存されている約3.6万ゲノム、症例数に直すと2.8万症例ですが、及びそこに今後も提供される新たな検体数を解析対象とした中で、2つ目のパラグラフですが、その中で特に成果が期待できる疾患について約5,500症例、6,500ゲノムと、それに今後提供される新たな検体数について先行解析を進めていきたいと記載させていただいています。
12ページ目を御確認ください。
本格解析については、12ページ目の上から2つ目のパラグラフですが、先行解析後の本格解析では、先行解析の結果や国内外の研究動向等を踏まえて、改めて新たな診断・治療等の研究開発が期待される場合等の数値目標を明確にして、新規検体の収集を実施するとさせていただいております。
12ページの下のほうで「体制整備・人材育成」ですが、13ページで御確認いただきますとおり、体制整備についてはデータの収集、そして管理・運営、利活用の各段階の課題をまず整理していくという形にさせていただいていますし、13ページのパラグラフの2つ目ですが、人材育成については医師、遺伝子カウンセラー、バイオインフォマティシャン、遺伝統計学者、コーディネーター等の必要な専門的な人材についてもどうあるかを検討していくということにさせていただいております。
13ページの「今後検討すべき事項」には、いろいろな課題を載せさせていただいているところでございます。
「全ゲノム解析等実行計画」についての御報告は、以上です。
○千葉委員長 ありがとうございました。予算案等について御報告いただくということでありまして、最初の予算案と、それからただいまの全ゲノム解析等実行計画という2つの御説明をいただいたわけであります。
ここで、この2つの御報告につきまして質問等がございましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。予算案と、ゲノム解析のお話です。
では、どうぞ。
○坂上委員 読売新聞の坂上といいます。令和2年の予算案についてなのですけれども、2ページ目のマル2の「その他小児慢性特定疾病対策の推進」のところの金額が前年度に比べたら相当落ち、その下の総合支援事業も金額が落ちているのですけれども、これは何か理由があるのでしょうか。事業そのものが縮小されているということではなく、何か背景があるのでしょうか。
○磯崎課長補佐 御質問いただき、ありがとうございます。
こちらについては、令和元年度限りの経費といたしまして、医療費の支給認定事務にマイナンバーを用いるためのシステム改修費というものを地方公共団体のほうに補助金として計上しておりました。それは令和元年度限りの経費でございましたので、その分が落ちている。
それで、全体としては5.7億円になっていますし、総合支援事業のところで落ちているというのがまさにその経費という形になっております。
○千葉委員長 よろしいですか。令和元年に特別についた経費の部分が減ったという理解ですね。
ほかはいかがでしょうか。どちらの御報告に対する質問でも結構です。
どうぞ。
○伊藤参考人 ゲノムのことなのですけれども、具体的にどこまで検討されているのかと思って聞いていたのですが、13ページの「今後検討すべき事項」という中で全ゲノムの解析というのは予期しなかったものとか、二次的、副次的に様々なことが分かってくるわけですけれども、これについて説明が必須となるとまでしか書いていないのですが、具体的にどういうシステムでこれをフィードバックするものか、それはそうしないものなのか、今の時点で分かっていることがあったら教えていただきたいのですが。
○南川課長補佐 この二次的所見が発見されたときの返答も含めて、また二次的所見だけでなくて同意を取るときの在り方等も含めて、様々な御意見をいただいているところで、そこはこの先行解析を始める前に一定の検討をしていきたいというところです。
現時点で、この場でこういう方向になったということをまだ申し上げることはございませんが、ただ、大事なことですので検討していくべきことだと思っています。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。これは、難病に特化した話ではないわけですけれども、一方で、難病のゲノムということで鳥取大学の方が班長をされて研究班が走っておりますが、難病の立場からいいますと、既に分かっている遺伝子について指定難病の指定要件として入れていくかどうかというような問題とか、逆にまだ遺伝子が分かっていない難病について遺伝子を分からせて、その病態の解明に資するとか、いろんな方向性があると思いますけれども、これは研究班も含めて今、進んでいるところだと私自身も理解しております。よろしいでしょうか。
ちょっと時間が押しておりますので、ここのところはこれで打ち切らせていただきたいと思います。
それで、先ほどありましたように、続きまして「今後の議論の進め方について」ということで、これは先ほどのワーキンググループの御報告も受けた上での今後の議論の進め方というふうに理解しますが、そこにつきまして事務局から御説明をお願いしたいと思います。
○領五課長補佐 難病対策課でございます。資料3、今後の進め方として本日お配りをさせていただいております。1枚紙を御覧ください。
まず本日でございますけれども、ワーキンググループの取りまとめについて両座長から御報告をいただくとともに、事務局からこれまでの6月の合同委員会以降の動きについて御報告をさせていただきました。
また、「今後の進め方について」というのがまさにこの資料3のことでございます。
そして、この後、「主な論点について」ということで、本日と、あとは次回以降に御議論いただきたい点といたしまして、「主な項目」ということで挙げさせていただいております。
ワーキングの取りまとめにおいて、引き続き検討すべきとされた事項を中心に、今後御議論いただきたいと考えております。
4点ほど挙げさせていただいておりますが、まずは医療費助成の対象とならない患者さんも含めた難病患者のデータの登録の在り方についてということでございます。
また、2点目の「調査及び研究について」は、研究・医療ワーキンググループとりまとめの最後のところにおきまして、患者さんの御理解を得ることや、地方自治体の取組の重要性も踏まえた在り方を検討すべきではないかという御指摘があった点を踏まえてのものでございます。
また、3点目につきましては、地域共生ワーキンググループにおいて、研究・医療ワーキンググループでも議論中の、難病患者のデータの登録の在り方も踏まえて、そうしたものも活用した支援を行き届かせるための方策についてということでございます。
また、4点目は地域共生ワーキンググループにおいて色々と地方自治体の取組を促すための方策について、国において引き続き検討すべきという御指摘をいただいておりましたので、記載をさせていただいております。
その上で、議論の状況にもよるかとは思いますけれども、春ごろにお取りまとめをいただきたいというようなイメージで、今回案を示させていただいております。
事務局からは、以上です。
○千葉委員長 ありがとうございます。資料3の1枚の御説明をいただいたわけですけれども、この進め方につきまして何か御意見、御質問はありますでしょうか。このように進めていきますよという御説明だったわけですが、よろしいですか。
それでは、今後こういう方向性で話を進めていきたいと思います。
続きまして、次の議題であります「主な論点について」というところに入りたいと思います。このことについて、事務局のほうから御説明をお願いします。
○領五課長補佐 難病対策課でございます。資料4で、「主な論点について」というタイトルの資料をお手元に御用意いただければと思います。少し分厚いので、概略の御説明になってしまうかもしれませんが、御説明をさせていただきます。
まず、おめくりいただきまして、2ページ~5ページまででございますが、こちらは「WGとりまとめにおいて引き続き検討することとされた主な論点について」ということで、取りまとめの関連箇所をそのまま抜粋させていただいているものでございます。内容については、冒頭、両座長のほうから御説明をいただいたところでございますので、ごく簡単にさせていただきます。
まず、患者さんのデータの登録については4つの視点を整理いただいておりますので、これを踏まえた御議論をいただきたいと思っております。また、調査研究についてということで御指摘をいただいておりますし、地域共生のワーキンググループでも引き続き検討すべきとされた事項について記載をさせていただいております。
その上で、特に3ページ目のマル4としまして「登録の仕組みを構築する前提として、データ登録におけるオンライン化を早急に進めること」という御指摘をいただいております。その中で2行目でございますが、「国において、ロードマップを作成し、早急に具体的な取組を進めるべきである」というような御指摘もいただいておるところでございます。
こうした点も踏まえまして、7ページ以降でございますが、オンライン化に係る検討状況ということで本日資料をつけさせていただいております。
7ページでございますが、これまで合同委員会で6月28日に整理をいただいた論点においてもそうですし、研究・医療ワーキンググループにおきましても、やはりオンライン化について検討すべきであるというような御指摘を何度かいただいている状況でございます。
その上で、8ページをお開きください。オンライン化に向けて、私どもも準備をさせていただきたいと考えておりまして、参考となるような形で今回、大体のタイムラインのイメージをお示しさせていただいております。
現在、令和2年度の予算案にシステムの調達を想定して必要経費を計上しております。イメージとしましては、令和4年度中にオンラインの運用を開始できるような形で準備を進めたいと考えております。
それで、このときの留意点といたしましては、各自治体においても当然御準備をいただく必要が出てまいりますので、自治体の方とも調整を進めていきたいと考えておりますし、または指定医の所属している医療機関においてもこのオンライン化の対応というものをお願いしていくことになろうかと思いますので、必ず令和4年度に一斉に同じタイミングで医療機関で対応が整うかどうかというのは、今後の調整次第ということかと考えております。
また、9ページ以降、オンライン化によって、主に自治体と指定医のところでの事務負担の軽減が図られることが想定をされておりますので、それぞれまとめさせていただいております。
まず、9ページで自治体でございますが、臨個票を作成いただく指定医のところで、入力時にチェック機能が働くような形にしたいと思いますので、簡易な、例えば記載漏れですとか、そういったものが減ることによって自治体での確認も楽になるであろうということが想定をされております。
また、審査におきましても機械判定のような機能も付与することを予定しております。
また、現状、国に対して臨個票のコピーを物理的に送付していただいているのですが、こちらもオンラインでの対応になるということを見込んでおります。
続いて、10ページは指定医における負担の軽減ということでございます。主に5つの機能を書かせていただいておりますが、特に「前回値踏襲機能」ということで、毎年、臨個票を作成いただいているのですけれども、同じような内容を書く場面も多いかと思いますので、そういうところについて前回登録された情報を呼び出すようなことができるようにしたいとも考えております。
11ページは、オンラインで登録を行う仕組みについてということでイメージをさせていただいておりますが、がん登録のオンラインシステムなども参考にしながら、インターネットを活用しつつも安全に登録できる仕組みを構築したいと考えております。
その上で、12ページ以降、「難病患者のデータ登録の在り方について」ということで、事務フローを整理した資料を御用意させていただいております。
まず、13ページでございます。こちらは、これまでの合同委員会ですとか、あとはワーキンググループでもお配りをさせていただいたことがあるものになりますが、現在の医療費助成、またそれに伴うデータ登録の流れについて、1枚の絵にまとめたものでございます。
登録までの流れとしまして、まずは自治体において患者さんからの同意を取得していただいて、自治体から登録センターに送付をしていただく。登録センターにおいて臨個票のコピーを基にOCRで読み込みをし、確認をして登録をしているという流れでございます。
これをもう少し細かく、各関係者がどういったことをしていただいているかをまとめたものが14ページでございます。マル1の「受診」からマル8の「同意の撤回」まで、時系列に並べたものでございます。
まずは当然、「受診」をしていただくというところから始まるわけでございますが、患者さんから指定医の医療機関に対し臨個票の作成を依頼していただきます。
それで、恐らく診療時間中に臨個票を全て作成が終わるというケースは余り多くはないと思いますので、別途受取りをしていただくということになっております。
また、医療費助成の「申請」については自治体の方にしていただいておりますが、このタイミングでデータを研究目的に利用することについて御同意をいただける方については、同意書を申請書と併せて御提出いただいているということでございます。
その後、自治体において医療費助成のための「審査」というものが入りまして、認定の結果が出ますと、受給者証ないしは不認定の通知が交付をされるということでございます。
その後、申請日から医療費助成の対象となっておりますので、認定までの間の医療費の分については「償還払い」ということでございます。
マル7の「データの登録」のところですが、現状は自治体の方で同意が得られた臨個票について複写をして郵送いただいております。
「同意の撤回」については、場合によっては直接国のほうに御連絡をいただいているということでございます。
これが現状の流れでございますが、これをオンライン化したらどういうイメージになるのかということを整理したのが15ページ以降でございます。
15ページに文章で書かせていただいておりますが、大きく3点ほど負担軽減が図られることが見込まれるとしております。
また、※書きで書かせていただいておりますけれども、先ほどもタイムラインのところで簡単に申し上げましたが、指定医が所属する医療機関全てにおいてオンライン化のために必要なシステムが整備されることには一定の期間を要するという点が留意点かということで書かせていただいております。
実際のオンライン化のイメージにつきましては16ページ、17ページを御覧いただければと思いますが、17ページに沿って御説明をさせていただきます。
17ページの赤字になっている部分が、現在の紙ベースでのデータ登録との違いというところになってまいります。
まず、受診時に臨個票を作成いただくわけでございますが、指定医のところでデータベース上に入力をいただくということを考えております。
その後、臨個票が作成されたタイミングが分からないと、患者さん、または自治体も医療費助成の申請をしていいのかどうか、それを受理していいのかどうかの判断がなかなか難しいと思いますので、基本的に臨個票の写しというものを患者さんに対して交付をしていただいて、その上でそれと併せて申請書を自治体に御提出をいただくというようなイメージを考えております。
そして、その写しに、臨個票に患者さんのIDみたいなものが記載されるようなイメージでございまして、それを自治体のほうで御入力をいただくと、データベース上にあるデータが自治体でも閲覧できるようになるというようなイメージを考えております。
審査に当たりましては、機械判定機能みたいなものを活用し、審査事務が軽減されるであろうということが見込まれます。
また、最後の方ですけれども、データの登録につきましては現時点で紙を郵送いただいておりますが、オンラインのものについては当然、郵送は不要になるということで、事務負担の軽減が図られるということを見込んでおります。
これが、現状の医療費助成と、それに伴うデータの登録の流れをオンライン化した場合にどうなるのかということでございまして、これをベースにいわゆる軽症者の患者さんの登録についてどう考えるべきかということで論点を整理させていただいたのが18ページ目ということでございます。
18ページは少し細かい字になりますが、まず2つ目の○でございます。医療費助成を受けない患者さんのデータの登録につきまして、まずは対象者の範囲ということで2パターンあるかというように整理をさせていただいております。
マル1が医療費助成の申請をするかどうかにかかわらずデータの登録を受け付けることとするパターン、マル2が医療費助成の申請を行った患者さんについてその認定結果にかかわらずデータの登録を受け付けるというパターンでございます。
現行のスキームは、このマル2の方を既にやっておるという状況でございますので、マル1の方が、より広く患者のデータ収集が可能となるということではございます。
その上で、マル1のパターンを採るとした場合には、医療費助成の申請を行わずにデータの登録のみを希望される患者さんが出てくるということになりますので、その登録のフローについても2通り整理させていただいております。
マル1が、指定医が中心となってそのデータの登録が行われるというパターンで、マル2が自治体が中心となって登録がなされるというようパターンでございます。
19ページは、同意のプロセスについてまとめた資料ですので、後ほど御覧いただければと思います。
21ページと22ページは、先ほど私が申し上げました医療費助成の申請を行わない患者さんのデータを登録する場合のフローについて、マル1とマル2のパターンをそれぞれ図示したものになります。
21ページは指定医が中心となるパターンでございまして、指定医のところでデータベースに臨個票に相当するもののデータの医療情報について御入力をいただくと、直ちにそれが国まで届くようなイメージでございます。その場合、やはり国のデータベースに登録するということと、そのデータについて研究利用に使ってよいということに対しての患者さんによる意思表示といいますか、依頼書ないしはその同意書といったものをこの時点でとっていただく必要がございますので、これを指定医ないしは指定医の医療機関においてしていただく必要があるという案でございます。
続いて、22ページの方は自治体が中心となるパターンでございまして、こちらは先ほど御説明をした医療費助成の申請を行う患者さんとほぼ似たようなスキームになります。指定医に対しては、あくまでも臨個票と呼ぶのかどうかはありますが、臨個票に相当するものを作成してほしいということのみを御依頼いただいて、実際にデータ登録に関する依頼であったり、同意というものは自治体に対して御提出をいただくというようなイメージでございます。
23ページに、それぞれのスキームについてメリットとデメリットを整理させていただいております。自治体、指定医、それぞれの事務負担の問題も当然ございますし、あとは患者さんから見た点についてもそれぞれメリット、デメリットがあるだろうということで整理をさせていただいております。
簡単にポイントだけ御紹介しますと、マル1の指定医が中心となるパターンについては、患者さんから見れば地方自治体に別途登録依頼等を行う必要がないということでございます。他方でデメリットとしましては、やはり指定医の負担、責任が比較的大きいということです。また、最後のポツに書いてありますけれども、指定医の医療機関がオンライン化に対応できない場合もあろうかと思いますが、その場合には患者さんが地方自治体に対して紙ベースでの登録依頼等を行うことが想定されますので、地方自治体においてはデータ登録について異なる2つの事務フローが存在してしまうということになろうかと思います。
また、案マル2の自治体が中心となるパターンにつきましては、地域共生ワーキンググループでいろいろヒアリングをしていただいた中でも、自治体によっては様々な事務手続の機会を利用して、患者の支援ニーズを把握することもやっておられるというような御紹介がありましたので、そういったメリットはあるのだろうと考えられます。
他方で、やはり患者さんからみれば、直接、別途地方自治体に登録依頼等を行う必要があるということと、あとは地方自治体からみれば事務負担が発生するということがあろうかと思います。
また、欄外に記載しておりますけれども、今後恐らく登録者証の議論等も出てくるかと思いますので、そういった点も関連してくるかと考えております。
また、24ページ、25ページにつきましては、その他のワーキンググループで引き続き検討すべきとされた論点について簡単にまとめた資料でございますので、説明は割愛をさせていただきます。
26ページ以降は参考資料ということで、他の公的データベースの現状でありますとか、33ページなどにはそのデータベースについてこれまで学会からいただいた要望について、または34ページには現在、国からお示しをさせていただいておりますデータの活用に関する「同意書の内容について」ということを御参考までにつけさせていただいております。
また、35ページ以降は、現在の同意の状況ということで、おおむね6割程度の患者さんに同意を今はいただいているというようなアンケート調査結果でございますが、こうしたものをつけさせていただいております。
事務局からの説明は、以上になります。
○千葉委員長 ありがとうございました。資料4、主な論点ということで、最初の2ページ、3ページから5ページにつきましては、ワーキンググループで取りまとめていただいた論点を大体抜粋して書いていただいていて、今後のこの委員会での論点として拾い上げていただいているということであります。
あとは、その中でも特にオンライン化ということに今回は焦点を当てていただきました。これはワーキングでも問題になった点でありますけれども、従来からオンライン化というものは常に議論されてきたところであります。この見直しに併せて、ここを進めていきたいというお話でした。
7ページ、8~11ページ辺りにつきましては、その要点がずっと書かれています。現行のデータベースの登録の流れ、それからオンライン化された後の登録の流れというものが13ページ、14ページ、15ページ、17ページまで記載されています。
それから、いわゆる軽症者の患者さんの拾い上げというのがまた別の観点から議論に挙がっておりますが、このデータベースへの登録というのと非常に関連性が深いわけでありまして、その話が18ページから19、20、21、22、23ページまで書かれているところであります。
そういうことで、まずはいかがでしょうか、この要点をまとめていただいている分につきまして、簡単に何か御意見ございますでしょうか。これは、ちょっと見ていただかないといけないことだと思います。
どうぞ。
○賀藤委員 成育の賀藤です。大分、膨大な内容なので最初に教えていただきたいのですが、電子カルテシステムは大抵、病院ですとクローズドなサークルになっているので、こういう臨個票とか何か文章を作ったことはカルテの中には残しておかなければいけない。
ただ、その臨個票を作って、こういうデータをオンラインで登録するとなると、具体的にどの場所でどのコンピューターを使ってどうするのかを教えていただきたいのですが。
○千葉委員長 いかがですか。
○南川課長補佐 ありがとうございます。具体的な部分については、今お示ししている資料の中で10ページの部分でいうと、電子カルテシステムだと院内システムとの連携機能というところにありますが、おっしゃったとおり、病院であったりする場合は、電子カルテはいわゆる外のインターネットと一般には切り離されていて、それ以外は業務系といって別途メールとかできるシステム系が分かれていることが多いんですけれども、その中で電子カルテからいかに抽出をして、オンラインにつながっているパソコンに乗せていくかというような部分についても一応検討事項、もしくはこれをメリットとして書かせていただいておりまして、11ページのオンラインで登録する仕組みについてのイメージにあるとおり、このドクターが触っているパソコンもインターネットにつながっております。
もちろん、そのインターネット環境というのは診療所であったり、病院によっても異なったりしますので、いろいろ検討すべきことはあるとは思いますけれども、少なくとも現時点で考えている部分については、外とつながっているネットワークを介してデータベースを、もちろんセキュリティーを担保した形でデータベースに登録する形になっているというところまでが今、我々が御提示している部分で、その具体的な部分の詳細について現時点でここで御説明できるところはないというのが正直なところでございます。
○賀藤委員 例えば、うちの病院ですと、電子カルテの端末があって、電子カルテで動いているのと、今おっしゃってくださった業務系統がまた別に入っていて、それはインターネットとつながっている。
ただ、その業務系でつながっているインターネットの絶対的な保証は、具体的にはうちですとある会社のメールができるようになっていますが、そのサーバーに飛んだある会社のメールシステムのサーバーは国内にあること、あとは絶対にそのサーバー、クラウドですから、その中に入ったデータをその会社は一切利用しませんという一筆なり契約をするわけですね。
ですので、業務系でメールしてデータベースで飛んだ場合のシステムをどうするのかということをきちんと担保しないと、なかなか病院はオーケーしない。多分、それはもうお考えになっているんだろうとは思います。ですので、そこら辺はもう少しやればいいかなと思いました。
あとは、もともとのデータベースですね。巨大なデータベースとなるので、多分、巨大なビッグデータになる可能性がありますから、このデータベースだけではないのですが、将来これはセキュリティーの問題を考えると、業者さんとか、将来は研究者が利活用するデータベースになってくる。そうすると、現状のITの進歩の状況だと、数年後には秘密分散、秘密計算の世界に入っていきますから、今は無理だとしても、その方向性も含めて、後で秘密計算、秘密分散ができるぐらいの余裕を持っていかないと、将来データベースの利活用はいろいろなところでセキュリティーが問題になってくるのではないかと思うので、そこら辺は将来をお考えいただければということです。
○竹内委員 その点は、11ページにも書いてあるように、「がん登録オンラインシステム」が先行で動いているはずなのですが、その具体的な事例を紹介していただけると、もっと理解が進むんじゃないかと思います。
特に、院内電子カルテシステムとインターネットとの間の切り離しとかというのは、がん登録システムではどうなっているのかという情報をいただけると、もうちょっと理解が進むかなと思います。これは、既にデータベースが作られているわけですね。それで、現場でもデータを入力していますので。
○南川課長補佐 おっしゃるとおり、実際にがん登録の仕組みについては32ページの資料にございますとおり、これはがん登録法というものに基づいてそれぞれの病院であったり、もしくは指定された診療所から登録をするという形になっております。
実際、この登録についてはすみませんが、具体的な部分は今ここでお示ししていないんですけれども、また先生の御指摘も踏まえて、もう少し皆様方のイメージが浮かぶようにしてまた御準備させてもらおうと思いますけれども、現時点ではこのような状況になっているところです。御指摘ありがとうございます。
○賀藤委員 今のがん登録は、多分院内がん登録ですよね。そうすると、これは医者がやっているのではなくて、診療情報管理士さんが今やっているものだと思うので、それは一生懸命やっているんだろうと思います、
○竹内委員 電子カルテは多分、別個に登録しています。
○賀藤委員 それは私も理解しているのですが、では、現在議論中のことも、医師ではなくて、例えば別の人に頼んでやってもらうということを想定するのかどうか。
○竹内委員 多分、このがん登録を参考にするのであればそのシステムだと思います。
でも、全くそれとは違う形でいくのであれば、本当に医師に対する負担がかかって、現場で診療報酬はどうなるのかとか、様々な問題が発生すると思います。まずこのがん登録を参考にしてこれに倣うかどうかというところが一番のたたき台といいますか、ボトムラインなのではないかというふうに私は理解したのですけれども。
○賀藤委員 そこがちょっと私は区別がつかなかったので、そうすると診療情報管理士さんが今、院内がん登録をやっているわけですので、そういうシステムで本当にやっていくか。
それと、診療情報管理士さんが今後重要になってきますけれども、そうすると各病院がそのための人をどうするのかとか、そういうことがいろいろ今後大きなことで、病院としては財政的なことを考えなければいけないので。
○千葉委員長 これは、前回までの対策委員会にデータベースの利活用というワーキンググループがあって、その中でも今のお話の議論はなされていたと思います。
それで、結局ナショセンのデータベースの話とか、それから今のがん登録のデータベースの話とか、それぞれ走っているものがありますので、そこと比べてどうしていくのかとか、いいところ、あるいはこれが適切だというような話をしなければいけないというのは、そこでも議論されていたように思いますので、そこも含めて今後の課題だと理解します。
別のお話ですか。どうぞ。
○鶴田委員 9ページについてですが、自治体の環境整備が2021年からということになれば、自治体の予算要求上は2020年の7月ぐらいから検討を始めるので、これまでには示していただきたいというのが1つの要望です。
もう一点は意見ですが、論点1の医療費助成の対象とならない患者登録についてです。この登録をすることが患者さんにとってもメリットがあるという観点からすれば、私は先ほどの報告書の中の基本的な考え方の中の2ページに2つの視点が書いてあるのですが、もう一つは今の法律体系は多くのところで国民の責務というのが書いてあることからすれば、患者さんの責務として義務なのか、努力義務なのか、もしくはそうすることが望ましいのかは別にして、ある程度の責務というものがないとここのデータは取れないのではないか。
それで、23ページにどういうふうに患者さんの同意を取るかという流れが書いてありますけれども、基本的にもしこの同意を都道府県が取るとすれば、その同意を取る手間とか、取る人、都道府県職員の専門性からしてかなり難しいのではないかと思います。
もし都道府県がやる場合は、患者さんが同意した上で登録してくださいというだけだったら可能かもしれないけれども、同意まで取ることを都道府県が求めるのは難しいと思います。
そうすると、悉皆性がなくなるので半分しかデータがない、もしくは1割しかないようなデータで解析しても意味がないじゃないかと思いますので、そういうデータを悉皆性をもって取るのであれば、ある程度、患者さんの協力義務的な部分があってもいいのかなと思いますので、これは意見として述べさせていただきます。
○千葉委員長 今の点について、何かございますでしょうか。
それも今まで議論されてきたところで、流れとしてはしっかり同意を取るというよりは、文書で同意を取ったというか、そういう状況でいくというような流れがあったように思います。それで、結局そのデータベースを再利用するときに、改めてしっかりと同意を取り直すというような意見が前のワーキングでも出ておりました。それも含めて、検討いただくということになろうかと思います。ナショセンのデータベースの話も、そこで議論されていたように思います。よろしいですか。
ほかに、どうぞ。
○本間委員 あせび会の本間です。今の件に関してなのですが、患者側の立場からしますと、指定登録と自治体登録を比べてみると、どうしても指定登録のほうが便利かなという気はするんです。
ただ、その場合、どちらにも一長一短があるようなので、ここはさっき鶴田先生からお話がありましたが、始める場合にどういう課題があるのか。それぞれの先生から、もし見解があったら教えていただきたいのですが。
○千葉委員長 これは、いかがでしょうか。何か御意見はございますか。
○賀藤委員 これは、まず前提条件として、現在登録されている人も全部オンラインで同意を取り直すということになりますでしょうか。難病のほうですが、小慢は多分、同意はそのまま入っていると思いますが。。
○南川課長補佐 今、もう既に医療費助成を受けられている方も、一応自治体のほうで同意を書面上取った上でデータベースに登録されているという状況になっています。
○賀藤委員 同意を取るというのは結構、時間がかかるので、正直、普通の診察時間で医者が取るというのはきついかと思います。
多分、これはほかの研究のときでも同じですが、ある程度は説明をして、それで別に例えば臨床研究の人たち、治験とかでCRCという方が入ってきますけれども、医者とはまた別なところできちんと病院の中で説明をしていただいて、同意を得るかどうかということもやらないと、逆に医師の負担がちょっとつらいかなという感じはするので、そのシステムは議論しなければいけないのかなとは思います。
○千葉委員長 いかがでしょうか。
○石川委員 私がオンラインのことを言うと、全部潰しちゃうようなことになってしまうかもしれないんですけれども、特に小慢のオンラインの登録というのはもう10年来の検討なんですね。
それで、できてこなかった歴史というのがありまして、それは余りにも小児科の担当の先生方が毎年、毎年のことなので大変負担になるということと、それからセキュリティーの問題が今の御討議の中でも全然議論されていないんです。
これは、顕名データベースになるんです。名前がついたデータベースになっていくので、どこかで匿名化されるわけではないんです。ですから、セキュリティーは、より高くしないといけないということが1つです。
それから、先ほどがん登録で、診療は別の方がやるという方向でいっていますけれども、こればかりはちょっと簡単にはできないと思うんです。担当医が全部登録しなければいけないということになりますので、やはりきちんとしたもので、1つの臨個票というのは正式な書類になりますので、これは細かいところも含めて議論したほうがいいんじゃないかと思うので、10年来の検討課題ですので、これだけでもちゃんとしたチームを作ってやったほうがいいと思います。
○千葉委員長 何かございますか。
この点については、研究班がずっと走ってやっていますよね。オンライン化、それから先ほどから出ているような問題点についても議論はなされてきていると思うので、そこも併せてやっていただく必要があろうかと思います。
ほかはいかがでしょうか。
○竹内委員 医療側の観点でいいますと、今までの臨個票の問題点というのは一時期に、例えば8月とかに集中的にきまして、そのために医者側は非常に集中的に多量の書類を処理しなければならないという問題がありました。このオンライン化を進めるときに医者側の負担、医療側の負担というものを、例えばタイミングを患者さんの誕生日に合わせて登録するとか、ソフト的なところもなるべく医療サイドに負担がかからないようにするとか、先ほど賀藤先生が言われたように、がん登録と同じように医師の事務手続の補助をするようなスタッフをつけるとか、何か仕組みを考えながら、ソフトを今までとは違う形で考えていただくことでオンライン化が進むのではないかと思います。これはやはり絶対やらないとまずいのではないかと私は思っています。
○千葉委員長 そこも、ある時期に一度にというのではなくて、疾患が発症したときに申請できるようなシステムとか、そういったようなことも含めて議論になっていたように思いますが。
○賀藤委員 医師がこれを行うのはちょっと難しいと私は思っていて、でもしなければいけないとなると、医師以外の方に手伝ってもらう。その場合、ちゃんと個人の電子カルテを見て、この人はそれを作成することを可能にする。例えば臨床診療情報管理士、またはある程度、研修を積んだ医師事務作業補助者というものを別枠で作るかして、それである程度やって、こういう人はいいですよということで、結局最後はドクターがオーケーを出す。代行の承認を出すという形をある程度システム化して作るような形にしていただくというようなことを考えていただきたい。
というのは、外科系の登録というのは、外科の先生は全部登録して、あれも物すごく大変で、一度医師事務作業補助者にやってもらったことがありますが、複雑で最初からできなかったです。
ですので、これは勉強してやってもらうことになるのですが、チームにそういう方を1人入れると病院は楽になりますよというような制度を作っていただくと大変病院はありがたいし、今、働き方改革で医者に電子カルテから離れろと言っているときなのに、これ以上、医者に何々しろとはなかなか言えない状況ですので、今後いろいろ検討いただければと思います。
○竹内委員 医師医療事務補助加算などで雇用できる部分があると思うので、何か仕組みをうまく考えていただいて、医師の負担軽減が図られるようなシステムを作っていただければ、患者さんにとってはワンストップで医者で作ってもらった方がいいに決まっていますので、どうやったらそれができるかということを考えたほうがいいような気がします。
○賀藤委員 データベースに個人情報が入りますから、このセキュリティーをどうするのかというのはやはりみんなで議論しないと、これを飛んでデータベースに送るというのは大変なことなので、そういうことも含めて、匿名化という言葉がなくなるんじゃないかと思うほど多分、秘密分散というのが進みますので、そういうシステムを将来使えるようにしていく。何もデータを見ないで秘密計算できちゃうような時代がきますから、そういうことも含めて今後データベースの在り方、セキュリティーの問題も含めて御議論していったほうがいいのかなと思います。
○尾花委員 埼玉医大の尾花です。今、病院での登録のことを前提に話していらっしゃると思うのですが、小慢も難病も専門医であれば書けるという状況ですので、各対象の医師なりが病院勤務の方だけではないと思うんです。
そうすると、特別な資格を持った医師以外の方が書くということ自体が、余り現実的ではない部分も出てくるかと思いますので、そこまで含めてちゃんと普通の診療の中でできるかどうかということで、数は多くないかもしれないんですけれども、クリニック等で難病のものを書いていただいている方も数多くありますし、それで連携施設として病院とかがやっているところも実際ございます。
私自身は、自分でこの登録票を毎年書いていますので、どれぐらい大変かというのも分かりますけれども、大変というか、見慣れていれば書けるのですが、ちょっとずつ何年かごとに書式が変わってきたりとか、前になかったものが入ってきたり、前にあったものが外れたりということが割と予告もなく変わってしまうということと、都道府県によって書く部分もかなり違います。
先ほどの1年間というような縛りも、8月であったり、9月であったり、誕生日ごとであったり、本当に違ってくるので、そこをできれば国のほうで主導して、ある程度一定のものを出していただくと、これは仕方がないなというか、慣れてくると思うんですけれども、場所が変わるたびにやり方ももう一回思い出さなければいけないというのはちょっとつらいところがございますので、そちらのほうの整備も併せていただければ助かるかと思います。
○千葉委員長 今の話は入力の問題で、やはり臨個票の簡素化というのはずっと昔から言われてきていて、データベースをこのように作っていくためには、やはり一方で臨個票の簡素化というのは必須になると思うわけです。それも検討がなされているわけですけれども、そこも非常に大きな問題だと思います。
ほかはいかがですか。どうぞ。
○石川委員 これはオンラインをやるときに、先生方はお気づきになっているかもしれないんですけれども、医者が最終的に認めるというのはオンラインの中では、いわゆる電子空間のところで医者がちゃんと見ましたよというのを証明するのは簡単なことじゃないんですよ。
それを今、何かさらっと、オンラインの登録を行う仕組みについてとか書いてありますけれども、これはとても難しくて、いまだに処方箋には判こを押します。それから、介護保険の主治医の意見書は全部手書きで最後にサインをするわけです。これが何を意味しているかということがすごく大事なんです。
それで、臨個票もすごく大事な申請書なので、きちんと医者が書いたということを最後に証明する。これを、どうやってやるかということなんです。そこは難しいので考えないといけないので、ちゃんと別のチームで練らなければだめだというのが私の意見です。
○千葉委員長 いろいろな意見が出ておりますが、ほかはいかがですか。
どうぞ。
○春名委員 16ページのデータ登録の図について、臨個票を登録するときに指定医の方の負担を軽減するということです。以前は臨個票の中に就労状況だとか生活状況というデータがあったんですが、最近では指定医の登録の負担の軽減のためにはそういう項目は省略されています。今回、この16ページの図の中で、例えば指定医の方がそういう項目を入力するわけではないけれども、自治体の窓口だとか保健所などで年1回、就労状況だとか、そういう生活状況について確認している地域もありますので、そこで聞いた結果をここで入力するとか、そういうことは想定されるのでしょうか。
○千葉委員長 いかがですか。
○領五課長補佐 御質問ありがとうございます。今の御指摘ですと、昔はあったけれども、今はないというような御指摘ですか。
○春名委員 昔は、臨個票の中に就労状況などのものもあって、そのデータを使えば難病の方の就労状況というものが分かったんですけれども、今はもうなくなってしまっています。
○領五課長補佐 難病対策課でございます。現状、臨個票が何のためのものかということかと思うのですけれども、結局、医療費助成の申請のために、対象者であることを審査するために必要な情報ということで御提出をいただいているものですので、基本的にはその疾病にかかって罹患されているという診断基準を満たしているということと、あとはその症状の程度が一定程度以上であることが分かるものとして御提出をいただいています。
それに加えて、いろいろな情報を取るかどうかということなのですが、そうなってくると、目的としては医療費助成からは離れてくる部分もあろうかと思いますので、今、指定医もそうですし、自治体の事務負担というところを考えていかなければいけないというような中で、現時点ではそういうことは想定していないという状況でございます。
別途、そういったことの情報について多分、研究という形であったり、そういうことで調べる必要があるという御指摘はそうだと思いますので、その辺りは検討していきたいと思いますが、助成の申請手続の中でというのは、なかなか難しいかなというのが現状でございます。
○千葉委員長 これは、基本的な考え方として、とにかく医療費助成に対する資料としてあるということがあって、できればそれをみんなでデータとして共有したい。そのためにはどうしたらいいかというところのデータベース化ということですので、その視点は常に持っておいていただきたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
どうぞ。
○森委員 ありがとうございます。JPAの森です。先ほどの春名先生の御意見とも似ているかとは思うんですけれども、23ページに出していただいています指定医のほうで登録を行う部分と、自治体のほうで行うというところのメリット、デメリットですが、まさにこのとおりだと思うのですが、患者側からすれば、特に医療費助成でない軽症の方をいかに登録していただくかというところになりますと、やはり指定医のほうから直接データ入力ができるほうが、わざわざまた医療費助成を受けられないだろうという方も自治体のほうまで出向いて申請をするということを比べますと、指定医のほうから直接のほうがいいかと思いますが、一方で、今、自治体のほうでは地域によってもちろん違うんですけれども、災害対策のための支援であるとか、日常生活上の困難さであるとか、それからまたピアサポーターも会場のほうに一緒に準備をして、そのような視点から患者さん全体を各自治体のほうでも把握していく機会にもされていますので、そういったところがどこでまたカバーできるか、ちょっと心配があったりします。
○千葉委員長 ありがとうございます。
ほかはいかがですか。よろしいでしょうか。
このデータベース化の話ですら、これだけたくさん御意見をいただいたわけですけれども、御議論をお聞きしながら考えておりましたことは、難病のほうで言いますと、難病制度というのが患者さんの医療費助成の救済ということと、それをもって患者さんが研究に貢献していただく。これが、この難病制度の2つの大きな目標になっているというところはしっかり押さえておくべきだと思います。
したがって、先ほどありましたように、この個人票というのは医療費助成のための資料であると同時に、研究に資するというか、そのための資料でもある。
したがいまして、私はいろいろ困難はあろうかと思いますけれども、やはりデータベース化というのは非常に大きな目標の1つだと理解していて、いろいろ個人の問題とか機密の問題とかも併せて、いかに対応していくかというのが今後の大きな課題になろうと思います。
その中で、先ほどから出ておりました医療側、特に個人票を書くドクターの負担を軽減するというのは昔から話が出ていて、このデータベース化がそれに逆行するようではいけないと思うんです。ですから、やはり臨個票の簡素化とこのデータベース化というのは一緒に考えていく必要があるというふうに私自身は個人的に思っております。
そういうところでありますが、あとは何かぜひというような御意見の方、いらっしゃいますでしょうか。
ありがとうございました。今日は、2つのワーキンググループのほうから御報告をいただいたことと、それをもって今後の流れ、論点というものをお話しいただいて、その中でデータベースについてあと少し御議論をいただいたわけであります。今日のお話を基に、今後の対策委員会で話を進めていきたいと思っております。
以上でありますが、事務局のほうからよろしくお願いいたします。
○南川課長補佐 本日は、活発な御議論をありがとうございました。また、今回、様々な御議論の中でいろいろとさらに詳細に調べるべきことであったりとか、対応すべきこととかも出てきたと思いますので、次回に向けて事務局としてもしっかりと準備してまいりたいと思っております。
次回の日程につきましては、追って皆様に御連絡させていただきます。
事務連絡ですが、机上のファイルについては次回も配付させていただきますので、お持ち帰りにならないようにお願いいたします。以上です。
○千葉委員長 それでは、本当にたくさんいろいろな御議論をいただきました。今後にぜひ活用していただきたいと思います。
どうもありがとうございました。