シルバーエコノミーフォーラムについて

2019年7月9日(火)から7月10日(水)にかけて、シルバーエコノミーフォーラムがフィンランド(ヘルシンキ)にて開催されました。

1 経緯

 本フォーラムは、シルバーエコノミー(高齢層に重点を置いた経済活動)に関する政策や実践について議論を行うことを目的に、フィンランド政府等が主催し、各国政府や企業の代表が招待されたものです。
 厚生労働省には7月9日のセッション「ヘルシーエイジングのためのイノベーション:シルバーエコノミーによる保健制度の変化」での講演依頼があり、鈴木医務技監が出席しました。

2 参加セッション概要

(1)出席者
・厚生労働省 鈴木医務技監
・ポーランド家族・労働・社会政策省 Kazimierz Kuberski副大臣
・Pinetree Care Group(※)Ninie Yan Wang創業者
 ※中国の在宅ケアサービスを行う企業
・世界銀行人間開発部門 Annette Dixon副部長
・米国保健福祉省 Don Wright副次官
・ジョン・ビアード WHO高齢化と人生コース(Ageing and Life Course)元担当部長 ※モデレーター

(2)内容
 鈴木医務技監から、日本では労働者人口が激減する2040年に向け、持続可能な社会保障制度構築のために、医療・福祉分野の生産性向上を目指し、ロボット・AI等の研究開発等に取り組んでいることを発表しました。また、介護の取組については、地域包括ケアシステムや医療と介護の連携に取り組んでいると発言しました。
 各登壇者からは各国の取組や課題について以下のような発言がありました。
・Kuberski副大臣(ポーランド家族・労働・社会政策省):
 テクノロジーやファイナンスの面からの取組や、高齢者が社会活動に参加できるようなプログラムの策定、認知症の人々の特別なケアについての検討を行っている。
・Wang創業者(中国Pinetree Care Group)
  中国の高齢者の介護について、地域ごとに必要なケアシステムは違うため、各地域で有効な取組に特化した制度を計画している。また、より効果が大きい取組に多く投資することが重要と考えている。
・Dixon副部長(世界銀行人間開発部門)
 世界銀行では、高齢化によって生産性を落とさないために、医療制度や教育を重要視している。ただ、貧しい国や医療の状況に格差がある国もあるため、改善していかなければならない。また、ケアサービスに関するジェンダーギャップをなくすことも重要である。
・Wright副次官(米国保健福祉省)
 米国保健福祉省では非感染性疾患の予防に取り組んでおり、健康的な生活習慣の普及や、疾病や傷害の予防と治療を推進していくことを目指している。

(3)会合の様子
会合の様子の写真