第12回 社会保障審議会企業年金・個人年金部会 議事録

日時

令和2年7月9日(木)9:30~11:45

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 15階ホールD

出席者

(オブザーバー)

議題

  1. (1)DCの拠出限度額について
  2. (2)DBの掛金設定の弾力化について

議事

議事内容
〇神野部会長
 それでは、定刻でございますので、ただいまより第12回「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」を開催したいと存じます。
 本日はあいにくの悪天候の下で御参集くださいまして、本当にありがとうございます。深く御礼を申し上げる次第でございます。
 本日の委員の出欠状況ですが、渡邊委員から御欠席との御連絡を頂戴いたしております。
 また、今回も、新型ウイルス感染症の状況に鑑みて、臼杵委員、小林委員、白波瀬委員につきましては、オンラインにて御参加いただいております。
 なお、臼杵委員におかれましては、所用により、途中にて御退席ということを伺っております。
 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えておりますので、この会議は成立していることを、まず、御報告申し上げたいと存じます。
 早速ですが、議事に入らせていただきます。
 カメラの方は特にいらっしゃらないかと思いますが、いらっしゃいましたら御退出をお願いします。
 
(カメラ退出)
 
○神野部会長
 御協力ありがとうございます。
 お手元の議事次第を御参照いただければと存じますが、本日は議題を2つ用意してございます。「DCの拠出限度額について」と「DBの掛金設定の弾力化について」の2つを議題として設定させていただきます。
 まず、資料の確認について、事務局からお願いできますか。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 年金局企業年金・個人年金課長の吉田です。本日もよろしくお願いいたします。資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料ですが、資料1「より公平なDC拠出限度額の設定の検討について」。
 資料2「DBの掛金設定の弾力化の検討について」。
 資料3「ヒアリングの実施について(案)」。
 参考資料1として、「企業年金・個人年金制度の現状等について」。
 参考資料2として、委員名簿を用意しております。
 また、年金局長は、他の公務により遅れての参加の予定です。
 事務局からは、以上になります。
 
○神野部会長
 ありがとうございました。
 それでは、議題を2つ準備いたしておりますが、議題(1)の「DCの拠出限度額について」と、「DBの掛金設定の弾力化について」を一括して御議論を頂戴したいと考えております。そこでもって、事務局からこの2つの議題につきまして、資料の御説明をお願いいたします。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 それでは、説明させていただきます。本日は、DC・DBそれぞれについて、当面の対応のために議論を要する事項として、DCについては拠出限度額を、DBについては今般の経済情勢を踏まえた掛金設定の弾力化を資料として用意しています。資料1と資料2を通しで説明させていただきます。
 資料1をお開きください。まずDCです。「より公平なDC拠出限度額の設定の検討について」を御説明します。
 1ページ、DCの拠出限度額です。DBには拠出限度額はありません。あくまでDCの拠出限度額の資料になります。
 今回の法改正によって、企業型DC加入者の個人型DC加入が容易となり、組み合わせることができるようになりました。今回の改正によって、この1ページのような形になることまでは決まっています。
 左から2つ目のところ、マル1の企業型DCのみを実施している場合の拠出限度額は、月額5.5万円になります。この範囲内で、かつ、月額2万円の範囲内で個人型DCに加入可能です。つまり、事業主掛金が月額3.5万円を超えると、個人型DCの拠出限度額は2万円から逓減しますが、原則月額2万円の個人型DCへの加入が、企業型DCの規約の定めがなくても可能になります。
 マル2の企業型DCとDBを併せて実施する場合、濃い青のDBが横たわる形であるわけでして、DCの拠出限度額の計算に当たって、全てのDBの掛金相当額を月額2.75万円と評価しているため、企業型DCの拠出限度額は月額2.75万円になります。また、この範囲内で、かつ、月額1.2万円の範囲内で個人型DCに加入可能です。つまり、事業主掛金が月額1万5500円を超えると、個人型DCの拠出限度額は1.2万円から逓減しますが、原則月額1.2万円の個人型DCへの加入が企業型DCの規約の定めがなくても可能になります。
 マル3のDBのみを実施している場合、個人型DCの拠出限度額は月額1.2万円となります。
 マル4の企業型DCもDBも実施していない場合、個人型DCの拠出限度額は月額2.3万円となります。
 一番左、第1号被保険者の個人型DCの拠出限度額は、国民年金基金等と合算で月額6.8万円となります。
 一番右、第3号被保険者の個人型DCの拠出限度額は、月額2.3万円となります。
 2ページ、企業型DCの拠出限度額は現行月額5.5万円になりますが、これは厚生年金基金における特別法人税の非課税水準を基に設定しました。拠出限度額の金額自体は、政令事項になります。
 3ページ、企業型DCの拠出限度額を超えた場合の調整状況になります。企業型DCの事業主掛金の額と拠出限度額の関係について尋ねたところ、事業主掛金の一番高い者が拠出限度額と同額になる設計が10.6%、事業主掛金の額が拠出限度額を超えている加入者が存在する企業が15.6%となっています。拠出限度額を超え、差分を調整している場合の調整方法は、拠出限度額を超えた部分を前払いとして給与や賞与に加算が60.6%、他の退職給付制度の給付が35.4%となっています。
 拠出限度額を超えることができないわけですので、企業に超えそうな者がいる場合、つまり非課税枠を使い切る場合は、前払いか事後的に何らかの形で差分の調整がなされています。
 4ページ、企業型DCの事業主掛金額別の加入者割合になります。先ほどの3ページは企業単位の状況ですが、4ページは運営管理機関の業務報告書を集計した加入者ベースでの状況になります。企業型DCのみを実施する場合、事業主掛金の拠出限度額は月額5.5万円となりますが、掛金額が5,000円までで27%を占めます。5,001円から1万円までで23.5%。1万1円から2万円までで24.1%。2万1円から3万円までで11.9%となっており、ここまでで全体の9割近くを占めます。
 5ページ、現行拠出限度額に係る給付水準の一つの試算になります。昨年4月や10月の部会でも提出させていただいた資料です。平均的な賃金カーブの下で、給与のピーク時の掛金が現行拠出限度額である5.5万円となるよう掛金率を設定し、その掛金率を全ての年齢の給与に適用して40年間拠出し続けた場合、運用利回りによってもちろん結果は異なりますが、運用利回り1.5%のケースで一時金換算額は約2400万円・年金月額約12万円、運用利回り2%のケースで一時金換算額約2600万円・年金月額約13万円となります。
 6ページ、退職給付水準の状況になります。退職一時金と企業年金現価額を合計した退職給付総額の平均額は、勤続年数30年以上の場合、2400万円から2500万円程度、これを企業規模別に見ると、1,000人以上規模の企業では3000万円弱程度となっています。
 7ページ、企業型DCの拠出限度額、現行月額5.5万円の水準については、これまでの部会の中でも何度か御指摘をいただきましたが、拠出限度額を引き上げるべきか否かに関しては、労使で意見が分かれています。
 8ページ、このような状況にある中、企業型DCの拠出限度額の水準、現行月額5.5万円についてどう考えるか、御議論をいただきたい点です。
 続きまして9ページ、DB型を併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額です。確定給付型(厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)など)を併せて実施する場合の企業型確定拠出年金(企業型DC)の拠出限度額は、企業型DCのみを実施する場合の拠出限度額(現行月額5.5万円)の一律半額(現行月額2.75万円)としました。これは、確定給付型に加入している者と加入していない者との間で不公平が生じないよう、企業型DCのみを実施する場合の拠出限度額から、確定給付型に拠出する掛金相当額を控除するという基本的な考え方に立ち、制度創設当時の厚生年金基金(1583基金)の給付水準の平均から、企業型DCのみを実施する場合の拠出限度額(現行月額5.5万円)の一律半額としたものですが、公平性の観点から課題とされてきた点です。
 2007年7月、DC法施行5年後の見直しを検証してきた厚生労働省年金局・企業年金研究会の報告書でも、「現状の取扱いはやむを得ない措置であると考えられるが、なおきめ細かい対応ができないか、実務上の対応の可能性を含め、引き続き検討すべきである」とされていますが、その後見直しが行われていません。
 2019年3月、企業年金連合会の研究会においても御指摘をいただいている点になります。
 10ページ、一律半額とした制度創設時の状況になります。厚生年金基金には代行部分に上乗せして支給する独自の給付があります。この上乗せ水準は、基金ごとに、また、基金の加入者ごとにも差がありましたが、確定拠出年金制度創設の検討当時、各基金の上乗せ水準の平均は、代行部分の0.86に相当しました。当時の「望ましい上乗せ水準」は、代行部分の1.7であったことから、上乗せ水準の平均は、「望ましい上乗せ水準」の概ね2分の1に相当しました。
 企業型DCの拠出限度額は「望ましい上乗せ水準」を掛金ベースに変換することで設定しましたが、確定給付型を併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額は、各基金の上乗せ水準の平均が「望ましい上乗せ水準」の概ね2分の1だったことを考慮し、企業型DCのみを実施する場合の一律半額としました。
 11ページ、厚生年金基金における上乗せ水準の平均の推移になります。1997年以降、厚生年金基金の給付水準は低下しましたが、確定給付型を併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額は、この給付水準の低下前の水準を基に設定されています。
 2003年9月からは、代行返上が可能となったことに伴い、給付水準の比較的高い単独・連合型の厚生年金基金が大きく減少し、給付水準の平均は低下しました。
 健全化法が施行された2014年度以降は解散・代行返上で厚生年金基金数が大幅に減少しています。
 12ページ、個人型DC(iDeCo)の拠出限度額の考え方になります。企業年金がある国民年金第2号被保険者のiDeCoの拠出限度額(現行月額2万円又は月額1.2万円)は、マッチング拠出の実態の大半をカバーする水準を勘案して設定しました。
 企業年金がない国民年金第2号被保険者のiDeCoの拠出限度額(現行月額2.3万円)は、企業年金を実施している企業の事業主掛金と加入者掛金の実態の大半をカバーする水準を勘案して設定しました。拠出限度額の金額自体は、政令事項になります。
 13ページ、企業型DCにおけるマッチング拠出の拠出状況になります。
 まず、左の円グラフを御覧ください。企業型DCのみを実施している場合のマッチング拠出は事業主拠出を超えることができませんので、最大月額2.75万円までとなります。実際に拠出されているマッチング拠出の金額は低い方から高い方までいるわけですが、個人拠出であるマッチング拠出の実態の大半をカバーする水準として月額2万円を、同じく個人拠出であるiDeCoの拠出限度額と設定しました。
 右の円グラフを御覧ください。企業型DCと確定給付型を実施している場合になります。そもそも企業型DCの拠出限度額が一律半額となっていますので、月額2.75万円が企業型DCの拠出限度額となり、マッチング拠出は事業主拠出を超えることができませんので、最大月額1万3750円までとなっています。このような中、同じくマッチング拠出の実態の大半をカバーする水準として月額1.2万円を、iDeCoの拠出限度額としました。
 14ページ、第2号被保険者の個人型DC加入時の事業主証明等になります。iDeCoの加入資格や拠出限度額の管理を行う国民年金基金連合会は、日本年金機構との情報連携により、iDeCo加入者の公的年金被保険者資格の種別と保険料納付状況を把握しています。
 加えて、第2号被保険者については、企業年金の加入状況を確認するため、従業員のiDeCo加入時における事業主証明の発行と、年1回の現況確認を必要としています。これは省令以下で規定されている事項になります。
 この事業主の事務は、DC制度創設時は企業年金を実施していない事業主のみが対象だったわけですが、現在は第2号被保険者の全てがiDeCoに加入できることとなったため、全ての事業主で実施する必要があります。
 15ページ、この事業主証明等に関しましては、見直しの要望をいただいています。
 続きまして、16ページを御覧ください。DBを併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額について御議論をいただきたい点です。
 企業型確定拠出年金(企業型DC)の拠出限度額については、確定給付型(厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)など)に加入している者と加入していない者との間で不公平が生じないよう、確定給付型の掛金額を控除する必要があります。この控除する確定給付型の掛金額については、現行は、制度創設当時の厚生年金基金の給付水準の平均から評価したものを、全ての確定給付型に一律に適用しています。
 現在、厚生年金基金は残りわずかとなり、確定給付型の中心は確定給付企業年金(DB)となっています。現行は全ての確定給付型の掛金額を毎月定額の2.75万円と評価していることとなりますが、多くのDBの掛金の実態はこの水準より低くなっています。
 公平な制度とするためには、どのような仕組みが考えられるか。例えば、DBごとの掛金額の実態を反映し、企業型DCの拠出限度額は、月額5.5万円からDBごとの掛金額を控除した額とすることが考えられるがどうか。
 なお、このDBごとの掛金額は毎年・毎月の実際の掛金額ではなく、DBごとの給付水準から掛金に相当する額への換算が必要です。詳細は後ほど説明します。
 ※の部分を御覧いただいて、式で表しますと、「企業型DCの拠出限度額=月額5.5万円-DBごとの掛金額」になります。DBを実施していなければ、DBの掛金額は0円、差し引く金額はないということになります。DBをやっていると差し引くことが生じるわけですが、現在はDBをやっているとどのような給付水準・掛金水準であるかにかかわらず、一律月額2.75万円を差し引いていました。これをDBの実態を反映しようというものですが、仮に2つ目のポツ、DBの掛金額が高く、DBの掛金額が月額5.5万円を上回る場合はマイナスになるわけでして、DCの拠出は不可、つまり拠出できないという形になります。
 絵の部分を御覧ください。左が現行で、DBの掛金額の実態にかかわらず、企業型DCの拠出限度額は一律半額です。これが右の絵、DBごとの掛金額の実態を反映後は、DBの掛金額が低い場合は、DCで拠出できる額が大きくなり、DBの掛金額が高い場合は、DCで拠出できる額は小さくなります。
 17ページ、DBの掛金額の状況になります。企業型確定拠出年金(企業型DC)の拠出限度額の算定に当たって使用する確定給付型の掛金額は、制度創設当時の厚生年金基金(1583基金)の給付水準の単純平均から一律半額(現行月額2.75万円)としたものですが、現在の確定給付企業年金(DB)の掛金額(加入者1人当たりの標準掛金の金額)の実態は、全体的に低く、バラツキもあります。
 グラフの部分を御覧ください。DBの掛金額は、2,500円以下から順に右に行くほど高くなるよう並べてあります。0.5から1万円のところにコブがありまして、DBの平均は1万3691円、加入者数による加重平均で見て1万7914円となっています。2.75万円以下で累積9割を占めます。DCの拠出限度額の設定に当たって現在控除しているDBの掛金額は、一律月額2.75万円ですが、多くのDBは控除する額が過大に評価され、DCの拠出枠は小さくなっており、一部のDBは控除する額が過小に評価され、DCの拠出枠が大きくなっていることが推測されます。
 18ページ、確定給付企業年金(DB)の掛金額の状況ですが、DBの状況について昔に遡ることができる限り遡ってみますと、2005年当時のデータがあります。2005年と直近の状況を比べてみても、DBの1人当たり掛金額は全体的に低額の割合、低い額の割合が多くなっています。
 19ページ、DBの給付水準から掛金相当額への換算です。確定給付企業年金(DB)は、給付の算定方式を決めた上で、その給付と財源が集団で等しくなるよう事業主が拠出する掛金を設定した上で、過去勤務期間に係る不足分を含む積立不足には事業主が掛金を補うことになります。また、2017年からは将来に備えてあらかじめ掛金(リスク対応掛金)を拠出することも可能となりました。このため、企業型DCの拠出限度額の算定に当たって使用するDBごとの掛金額は、毎年・毎月の実際の掛金額ではなく、DBごとの給付水準から掛金に相当する額(「仮想掛金額(仮称)」)への換算が必要となります。
 20ページ、ではどういう換算方法が考えられるかですが、確定拠出年金(DC)は、掛金額と加入者個人が行う運用の結果(利子)が加入者ごとに積み上げられ、「将来の給付水準」となります。確定給付企業年金(DB)は、「将来の給付水準」に向かって、集団(=加入者全体)で掛金額と企業が行う運用の結果(利子)が積み上げられます。積立不足が生じたときは企業が追加で拠出します。このように両者の制度設計は異なるものの、掛金額と利子が積み上がっていくという点では同様であることから、DBごとの給付水準から、利子分を控除すれば、DCとも比較可能なDBの掛金に相当する額(仮想掛金額)へ換算できるのではないか。
 21ページ、ではそのDBごとの給付水準をどう算出するかですが、確定給付企業年金(DB)は、給付の算定方式を決めた上で、その給付と財源が集団で等しくなるよう事業主が拠出する掛金を設定しますが、その際に用いる基礎率から「標準的な給付水準」を算定し、そこから予定利率による利子分を控除することで、「掛金に相当する額(仮想掛金額)」へ換算できるのではないか。
 絵の部分、マル1のDBの標準的な給付水準のところを御覧ください。予定新規加入年齢、最終年齢(退職年齢)などといった基礎率から給付水準を設定します。
 ※の2つ目、「掛金に相当する額(仮想掛金額)」は、財政再計算ごとに見直すことになります。
 ※の3つ目、同一DB内でも、労働協約等における給与、退職金等の労働条件が異なっているグループにおいて、それぞれの実態に応じた基礎率を設定する場合には、「標準的な給付水準」とそこから換算される「掛金に相当する額(仮想掛金額)」は区分して設定することが可能です。
 青色の部分のマル2、給付水準が定まったら、給付水準から利子分を除いて仮想掛金額を算出します。
 ※の1つ目、この手法は、標準加入者を設定する加入年齢方式の標準掛金を計算する手法に類似します。基礎率から標準掛金を設定しないDBはないわけですので、計算は可能であり、また、比較的容易であると考えます。
 ※の2つ目、DCと比較可能とするため、毎月定額とします。
 ※の3つ目、これが、現在は全てのDBの掛金に相当する額を毎月定額の2.75万円と評価していることと同義です。
 22ページ、企業型DCの拠出限度額の算定に当たって使用する確定給付企業年金(DB)の掛金額は、DBの給付水準から、DCとも比較可能なものへ換算したものを使用する必要がありますが、その換算に当たっては、DBの特徴を踏まえるとともに、事務負担にも十分配慮する必要があります。DBにおいても、非継続基準の最低保全給付・最低積立基準額の計算は個々の加入者ごとに行われていることから、これを応用して、「t年で脱退・終了した場合に支給される給付のt+1年での現在価値とt+1年で脱退した場合に支給される給付の同じ時点での現在価値の差額を拠出額とみなす」という仮想掛金額の算出も考えられます。
 しかしながら、DBについては、企業型DCとは異なり、事業主が集団(=加入者全体)で財政運営を行っていること、拠出段階では資産は個人の加入者に帰属していないこと等を踏まえれば、仮想掛金額は集団単位が適当ではないか。
 ※の部分ですが、前者の方法で仮想掛金額を算定しようとすると、DBの給付が給与に連動する設計の場合、事実そのような設計が日本の場合は多いわけですが、加入者個人の足元の給与の変動によって、「加入者個人の老齢給付金の見込み額」と「現在の仮想掛金額」も変動することとなります。非継続基準は、加入者の最終的な給付は未確定であるものの現時点で脱退したときに備えるための財政運営上の指標であり、これを仮想掛金額に応用することが適当か。
 23ページと24ページ、DB型を併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額については、これまでの部会でも御指摘をいただいています。
 23ページ、小川委員から、厚生年金基金を母体にして計算して古いこと、一律適用していること、一度設定して見直していないことといった問題点を御指摘いただいています。
 25ページ、続きまして、個人型DCの拠出限度額について御議論いただきたい点です。
 まず、企業年金(企業型DC・DB)の加入者の拠出限度額の在り方です。
 企業年金の制度創設当時は、企業年金の加入者は個人型DCに加入できなかったところですが、現在は加入可能となっています。
 しかしながら、企業年金の加入者の個人型DCの拠出限度額は、
・マル1「企業型DCのみに加入する者」は月額2万円(ただし、企業型DCの事業主掛金額との合計が月額5.5万円)
・マル2「DBと企業型DCに加入する者」は月額1.2万円(ただし、企業型DCの事業主掛金額との合計が月額2.75万円)
・マル3「DBのみに加入する者」は一律月額1.2万円
と、それぞれ異なっています。
 この点に関して、今回の法改正の際の議員修正による検討規定に基づき、自助努力に対する支援を国民が公平に受けられるようにするためには、どのような仕組みが考えられるか。例えば、DBごとの掛金額の実態を反映することで、企業年金(企業型DC・DB)の加入者の個人型DCの拠出限度額は、「月額2万円(ただし、企業型DC・DBの事業主掛金額との合計が月額5.5万円)」で統一することができると考えられるがどうか。
 ※の部分ですが、DCの拠出限度額の算定に当たって使用するDBの掛金額は、先ほど来、説明しているDBごとの給付水準から掛金に相当する額(仮想掛金額)へ換算したものです。
 もう一つは、個人型DCの拠出限度額の水準そのものについてです。個人型DCの拠出限度額の水準について、どう考えるか。
 26ページ、今回の法改正の際、与野党共同の修正によって附則の検討規定が追加されたことは、前回の部会でも御紹介をさせていただきました。税制上の支援を国民が公平に受けられるよう、政府に対して検討を求めるものですが、下線を引いていますが、個人型DCの拠出限度額は検討項目の例示の一つとして規定されています。個人型DCの拠出限度額は、政令で規定できますが、その際、立法府から公平となるよう仕組みを検討することが求められています。この立法府からの検討の要請にどう応えるのかが問われています。
 27ページ、DBごとの掛金額の実態を反映した場合の個人型DCの拠出限度額について、イメージがつかめますよう、表と絵を用意しました。
 上の表を御覧ください。現行は、企業年金に加入する者の個人型DCの拠出限度額は、先ほど説明したように3つに区分されていますが、DBごとの掛金額の実態を反映することで、これを、「月額2万円(ただし、企業型DC・DBの事業主掛金額との合計が月額5.5万円)で統一」することができるのではないかと考えます。
 下の絵の部分を御覧ください。現行は、濃い青のDBが横たわる形であるわけですが、これをDBごとの掛金額の実態を反映することで、企業型DCと個人型DCの拠出限度額を公平にすることができるのではないかという提案です。
 右の方の「DBごとの掛金額の実態を反映後」を御覧いただくと、薄い青の部分、企業型DCの拠出限度額は先ほど説明したように「月額5.5万円-DBごとの掛金相当額(仮想掛金額)」となります。個人型DCの拠出限度額は2万円で、事業主掛金額、これには企業型DCの掛金額とDBの掛金相当額が含まれますが、これとの合計が月額5.5万円以内、すなわち、事業主掛金額DB・DC合わせてですが、これが月額3.5万円を超えた場合は、個人型DCの拠出限度額が2万円から逓減する形になります。
 28ページ、DCの拠出限度額の全体像です。冒頭の1ページの現行の拠出額の絵と見比べていただきたいと思いますが、DBごとの掛金額の実態を反映することで、公平で資格区分も簡素になるのではないかと考えます。第2号被保険者の個人型の拠出限度額は、企業年金がある方かない方かに分かれるだけになります。
 また、重ね重ね申し上げますが、引き続きDBには拠出限度額はなく、あくまでDCの拠出限度額になります。DCの拠出限度額の算定に当たって、DBごとの掛金額の実態を給付水準から換算した上で反映し、DCの拠出限度額を公平で資格区分も簡素なものにできるのではないかという考え方になります。
 29ページ、続きまして、第2号被保険者の個人型DCの事業主証明等について御議論いただきたい点です。
 個人型DCの実施主体である国民年金基金連合会が拠出限度額の管理を行うためには、企業年金(企業型DC・DB)の加入に関する情報を国民年金基金連合会が確認できることが必要です。この確認については、現在、従業員の個人型DC加入時における企業年金の加入状況の事業主証明の発行と、年1回の現況確認で実施していますが、事業主の負担となっており、見直しを求める要望が強いが、どのような仕組みが考えられるか。
 ※の部分ですが、現行の仕組みは、年1回の確認のため、従業員が転職した際に届出を適切に行っていないと、掛金額の還付も発生することとなります。
 この点に関して、事業主が企業型DCを実施している場合は、記録関連運営管理機関(RK)にDCの情報(加入・掛金)が集積されています。事業主がDBも併せて実施している場合には、従業員がDBも適用されているかを含めて、RKには情報が集積されています。
 2022年10月からは、企業型DC加入者(DB加入を含む)については、RKと国民年金基金連合会の情報連携を図ることとしていますが、例えば、このような情報連携の仕組みをDB加入者全体について、事業主と、実際にはDB業務を委託している場合はその受託機関との関係になりますが、国民年金基金連合会との間で情報連携の仕組みを構築することで、事業主証明の発行と年1回の現況確認を全て廃止することが考えられるのではないか。
 このような仕組みを構築することで、個人型DC加入者にとっては、転職等に伴う企業年金の加入状況に関する事業主証明の届出が不要となるが、利用者の利便性の向上の観点からもどのような仕組みが考えられるか。ただし、拠出限度額が変動することによって、掛金額の変更が必要となる場合は引き続き残ります。
 ※の部分ですが、議論いただきたい点Ⅲにありますように、DBごとの掛金額の実態を個人型DCの拠出限度額に反映する場合には、DBの掛金額、すなわちDBごとの仮想掛金額の情報についても国民年金基金連合会が確認できるようにすることが必要となります。
 30ページ、企業型DC情報に関するRKと国民年金基金連合会の連携になります。企業型DC加入者の個人型DC加入の要件緩和後は、月額2万円(DB併用型は月額1.2万円)の範囲内で、かつ、企業型DCの事業主掛金額との合計が拠出限度額(月額5.5万円(DB併用型は2.75万円))の範囲内で、個人型DCの拠出が可能となります。その際、企業型DCの事業主掛金を管理する企業型DCの記録関連運営管理機関(RK)と、個人型DCの掛金を管理する国民年金基金連合会との情報連携の仕組みを構築します。この情報連携によって、国民年金基金連合会は、個人型DC加入者の企業型DCの加入状況が確認できるため、2022年10月以降は、企業型DC加入者に係る事業主証明の発行と年1回の現況確認は不要とすることができないか検討中です。
 31ページと32ページ、DB・企業型DCの加入者原簿の作成等の義務です。DB・企業型DCともに、加入者に関する原簿を作成し、閲覧や照会に回答できるようにしておく等の義務が事業主などの関係者に法令上課されています。
 こうした加入者に関する情報のうち、国民年金基金連合会がiDeCoの資格確認に必要な最低限の情報を集積する、いわば、企業年金の加入に関するプラットフォーム機能を構築することが考えられます。
 企業年金において、基礎年金番号を含めて原簿を適切に管理・更新いただき、そのデータを集積することで、御要望のある事業主証明や現況確認の見直しが可能になるのではないかと考えます。
 続きまして、DBの掛金設定について、続けて御説明をします。資料2をお開きください。「DBの掛金設定の弾力化の検討について」を御説明します。
 1ページ、DBの財政運営の流れになります。DBは、毎年度、決算を受けて、財政検証を行い、継続基準・非継続基準に照らして基準を満たしているか、財政状況を確認します。基準を満たしていない場合は、不足金解消のための追加掛金を計算し、掛金の引上げの規約変更を行います。
 また、このページの一番下、毎年度の財政検証に加えて、「財政再計算」として、少なくとも5年に一度、掛金額の見直しを行うことになります。
 2ページ、金融危機当時に講じたDB掛金設定の弾力化措置です。当時、2つの弾力化措置が講じられました。
 一つは、左の方を御覧いただいて、(1)2008年度決算に基づく財政検証や財政再計算の結果として、掛金引上げが必要となったDBで経営状況の悪化により掛金を拠出することに支障があると見込まれる場合には、2010年4月1日から2012年3月31日までの間、掛金の引上げの猶予を認めました。
 もう一つは右の方になります。
 まず、絵の部分を御覧いただきまして、DBは、毎年度、継続基準に照らして検証するわけですが、その積立不足がこの絵にあるような許容繰越不足額の範囲内にあれば、掛金の見直しは不要になります。これをも超えて不足金が発生した場合、不足金全額について特別掛金を設定して計画的に解消していくことになります。
 金融危機当時に講じた措置ですが、(2)2009年3月31日から2012年3月31日までの間の日を計算基準日として、継続基準に抵触した場合の財政計算については、解消すべき不足金から、許容繰越不足金の全部又は一部を控除することができることとしました。
 3ページ、令和元年度の決算の状況が各DBで明らかになってきますが、御議論いただきたい点になります。
 今般の新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、事業主がDB掛金を拠出することに支障があると見込まれる場合についてどう考えるか。
 例えば、金融危機当時に講じたDB掛金設定の弾力化措置と同様の取扱いを認めることが考えられるがどうか。また、これ以外の措置としてどのような対応が考えられるか。
 長くなりましたが、以上です。
 
○神野部会長
 どうもありがとうございました。
 議題(1)と(2)に関わる資料について、一括で御説明をいただきました。DCとDBそれぞれについて、当面の対応のために議論を要する事項ということで御説明を頂戴いたしたわけでございますが、さらに具体的に「議論いただきたい点」を提示していただいておりますので、こうした御説明を念頭に置きながら、御質問や御議論を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。
 金子委員、どうぞ。
 
○金子委員
 金子でございます。
 「議論いただきたい点」に関しましては、DBを併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額について、質問と意見を申し上げたいと思います。
まず、質問の部分なのですけれども、今議論しようとしているこの見直しというのは、DCの拠出限度額をより公平で簡素なものにしようとするものであって、DBの制度設計の自由度を狭めるものではないと思っているわけですが、その点について一応確認しておきたいと思っております。DB制度の上限を設定するものではないと私は思うのですけれども、将来を心配する声というのもいろいろ聞かれるわけでございまして、その心配を払拭する意味でどう考えているか、見解を確認しておきたいというのが質問です。
 それから、ちょっと続けて意見を述べさせていただきます。
 同じくDBを併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額に関わるところなのですが、DBの拠出水準の高い企業だと、従業員によっては企業型DCの事業主掛金が少なくなっていくということ、そういう見直しが行われると思います。事業主掛金の減額部分について当該従業員に何も還元されないという自体は、多分、あまり想定してはないのですけれども、そういう事態が生じないように配慮をすべきだと思っております。
 また、その際に年金に限らず、職場のみんなでNISAや財形などをやることを推奨するような雰囲気の醸成が欲しいと思っております。
 それから、もう一つ、同じDBを併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額に関する意見なのですが、今年の2020年改正を受けて、企業型DC加入者にはiDeCoの枠を通知することになります。実際には2022年から実施されるということだと思うのですが、それと同様に、DBだけやっている企業でもiDeCoの枠が幾らになるのかということを通知する、あるいは簡単に分かるようにすべきだと思っております。職場でDBがあるかないのか分からないという人や、あると分かっていてもどの程度手厚いか分からないという方が非常に多いと思うからでございます。
 なお、この延長線で、今回の議論の対象からは外れている部分ではあるのですが、職場に年金制度のない企業の従業員でも、iDeCoの存在と枠を通知するようなすべを考えるべきではないかと思っております。この人たちは、第2号被保険者の中でも最も自助努力による老後の準備の必要性が高い人たちだからと考えるからでございます。
 それから、これはiDeCoの加入時の事業主の証明等に関する「議論いただきたい点」がございましたが、その点について簡単に触れます。ここについては、基本的に事務手続が大幅に簡素化されるのであろうなと思っておりまして、期待しております。
 ただ、その際に何がしかの仕組みが必要になってくるわけなのですけれども、とかくありがちな重装備にしてしまうということがないように、くれぐれもコスト感覚を重視して、低コストでできるように十分注意してやっていただきたいと思っております。
 以上でございます。
 
○神野部会長
 ありがとうございました。
 ではまず、前者の再確認ということ。
 それから、あとにいただきました御意見についてコメントがあればお願いします。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 まず、御意見に対して。老後の生活は多様なニーズがあります。公的年金を基本としながら様々な方法で老後の備えを行っていただくことが必要になります。公的年金の上乗せである企業年金・個人年金も、老後生活の備えの全てではなくて、あくまで御指摘のとおり選択肢の一つでありますので、その一つとして御活用いただきいと思います。
 企業年金・個人年金は、御指摘のとおり、税制、制度面から一定の制約を受けるのもまた事実でして、DBの給与水準・掛金水準が高い一部の企業はDCの枠が狭まる際に、他の資産形成手段に振り替えるなど、事業主がしっかり対応していただくということが大事になるかと思います。
 また、御質問の件ですが、企業型DCの拠出限度額について、同じ企業年金である確定給付型に加入している者と加入していない者との間で不公平が生じないよう、確定給付型の掛金額を控除する必要があるという考え方でやってきました。この控除するDBの掛金額について、現在、財政運営が別で、給付水準・掛金水準がそれぞれ異なる1万を超えるDB、そして、その加入者940万人、これを一律月額2.75万円と評価しているわけですが、DBごとの掛金額の実態を給付水準から換算した上で反映することで、DCの拠出限度額をよりきめ細かく公平に設定できるのではないか、そして、多くの企業・従業員のDCの拠出可能枠を拡大できるのではないかということで、今回、論点を提示させていただいたものです。
 これは、DB・DCを同じ限度額で通算管理してDBに制約をかけるものではありません。あくまで企業型DCの拠出限度額の算定に当たって、給付建てのDBをどう評価するかの問題でして、いわば、今までDCの拠出限度額の設定に当たって一律評価していたものを個別評価に改めるものと言えると思っています。
 DBの給付水準から掛金に相当する額(仮想掛金額)の算出は、企業型DCの拠出限度額の算定に当たって公平性を確保するために算出するものであり、DBの制度設計の自由度を何ら狭めるものではないことは申し上げておきたいと思います。
 また、DBの将来像のお話がありました。DB・DCを問わず、企業年金の将来像については、特別法人税を撤廃するのであればどのような仕組みがあり得るのかを含めて、拠出・運用・給付を通じた課税の在り方を検討する中で議論すべき中期的なテーマで、なおかつ重い課題だと思っています。
 前回の部会でも説明したように、DB・DCについては、本来は運用時非課税ではなく、特別法人税課税のETT型でありまして、そのような中、DBには拠出時に限度がない一方で、拠出段階で個人の資産となる企業型DCについては、その後の資産運用を通常の経済活動としての貯蓄でも可能でありますから、課税繰延をしている範囲を通常の貯蓄と区分するために拠出限度額という枠が設定されているものです。特別法人税の在り方を含め、拠出・運用・給付を通じた課税の在り方については、様々な考え方があります。企業年金の性格づけとも関連する難しい問題ですが、今回のDBごとの掛金額の実態を反映した企業型DCの拠出限度額の設定の論点とは切り離すべき、また、次元が全く違う問題だと思っています。
 
○神野部会長
 それでは、臼杵委員が途中退席ということで手が挙がっておりますので、臼杵委員、お願いします。御発言ください。
 
○臼杵委員
 お時間をいただきましてありがとうございます。
 私の方からは、若干コメントと質問をさせていただきたいと思います。御丁寧な説明、ありがとうございました。
 まず先に、DBの話から申し上げると、掛金の弾力的な運用は、こういう場合はある程度やむを得ないのかなと思っています。景気が悪くなると、株、運用の方も悪くなるし、一方で母体、事業主の経営も苦しくなるということで、ダブルで状況が悪化するということはこれまでもあったわけで、そういう場合に備えてリスク対応掛金というのがあって、弾力的な掛金拠出ができるようにはなっているのですが、それでも難しいということであれば、そのDBの制度を維持していくという意味で、一時的な措置として弾力的な運用というのは、これはやむを得ないのかなと思っております。
 以上がDBに関するコメント、意見でございます。
 DCの資料について、論点に沿って申し上げますと、まず、スライド8の限度額については、5.5万円というのは昔決まった厚年基金の話ですので、なかなか難しいところはあるのですが、当面の措置として、税務当局との関係から考えると、まず、5.5万円というのが第一歩なのかなというふうには思っています。
 それから、スライド16で論点として上げていただいています、DBの掛金の多い少ないによってDCの限度額を決めるというのは、これは今まで一律で決めていた方が若干不公平、事業主掛金が多くてもたくさん出せたという意味では若干不公平があったので、そこを直していくということは合理的でまた公平なのかなと思っています。
 そのときに、DBの想定の掛金額をどう決めるかということなのですが、本来は一人一人、外国でも一人一人で決めている例もあるようですけれども、事務的な簡便さを考えると、スライド21のような御提案も、これも一つの方法かなと感じます。
 実際にはこれは、例えば年齢で考えると、本来DBが高い掛金である年齢の高い人は、個人別に考えた場合よりも枠が大きくなるわけですけれども、そういう人たちは拠出意欲と拠出の能力もあるので、ある一定の合理性もそういう意味であるのかなとは思っています。
 それから、DBがあった場合に個人型を同じように2万円にして、合計でDBプラスDCプラスで5.5万円とする点も、同じ趣旨でDBの実態を反映するという意味では、これはスライド25ですか、合理的なのかなと思います。
 あとは質問というか、課題ということで申し上げますと、まず、スライド21とか29、30、31ですね。その限度額管理を一体としてやるということなのですが、この辺は案としてはよく分かるので、あとは実際にフィジブルな形で、よく実務の人たちとも相談をしていただいて、きちんと仕上げていただきたいなと。
 例えば、スライド21で利子分を控除するということなのですが、予定利率がこれで変わった場合に、予定利率が仮に引き下がった場合には利子分が小さくなるのですね。そうすると、DBの掛金額が来年から上がりますよとか、そういうことが起こったりもするわけで、そういう場合に例えば過去の平均を取るとか、それがいいのかどうかは分かりませんけれども、円滑な運営に支障がないようにしていただければなと。
 それから、限度額の管理の方も、年金の方でデータベースをつくるということなのだと思うのですが、政府全体でもデジタル化でマイナンバーとかを使っていろいろな情報管理をしているので、そういうところ等をどう参考にするかとか、あるいは場合によってはうまくつなげるかということも考えていただければなと思います。これが1点目です。
 2点目はマッチングなのですが、マッチングは今回拝見していると、マッチングしていた場合は、まず加入者がマッチングか個人型かを選択できると。そうすると企業型の事業主掛金と2万円の小さい方ということになるのですかね、結局。それを上限として出せるということなのですが、このマッチングというのは、前も申し上げたかもしれませんけれども、ある意味で個人型だというふうにだんだん思っていった方がいいのではないかと。前から申し上げている企業型のプラットフォームを使った個人型というふうに考えて、もう事業主拠出というその上限を取っ払って、普通の個人型と同じように2万円を上限にしてしまってはどうかと。
 そうすると、企業の方で全部限度額管理もできますから、かなり事務的にも楽になってくるので、マッチングは個人型と企業年金の、イソップのコウモリではないですけれども中途半端な扱いを、むしろこれは企業型のプラットフォームを使った個人型だというふうにしていくような方向でちょっと考えていただけないかなと思っています。
 それから、前回に時間軸というお話がありましたけれども、より長期の時間軸ということでいくと、今回は企業型DBないしはDCのある場合ということなのですけれども、そもそも企業型のない場合もその穴埋め型という方向で考えると、5.5万円を個人型で出せるような方向にしていくことが一番公平になるかなと。これはかなり中長期的なタイムホライズン、時間軸ということなのかもしれませんけれども、そのときに併せて5.5万円という枠も、例えば老後に幾ら本当に必要なのだろうという観点から、厚生年金と併せてどのぐらいの枠があれば、ある意味で老後に必要最低限の生活ができるという観点から、5.5万円についても考え直していく必要があるのかなと思っています。
 以上でございます。ありがとうございます。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 御質問いただいた件もありますので、お答え申し上げます。
 DBの給付水準から仮想掛金額への換算・算定については、DBの特徴を踏まえるとともに、事務負担にも十分配慮する必要があると思っています。
 具体的には資料21ページにも出させていただきましたが、仮想掛金額については、当該DBにおける給付水準や標準掛金を設定する上で設定している基礎率から標準的な給付水準を設定し、利子分を控除することで算出することができるのではないかという提案をさせていただいています。先ほど、予定利率の問題等々御指摘をいただきましたが、詳細は日本年金数理人会をはじめとする関係者とよく検討していきたい課題と思っています。
 また、iDeCoの加入・掛金の情報を確認するために、先ほど、金子委員からもありましたが、重装備のシステム設計をしてもしょうがないわけですが、集積しなければいけない企業年金の加入・掛金に関する情報は、加入者の基礎年金番号、資格取得日、掛金額、これはDBの場合は仮想掛金額、DCは実際の掛金額といった、ごく極めて限定的な情報でありまして、システムへの影響、また、システムへの登録の実務が最小限に抑えられるよう、この部分も併せて検討していかなければいけない課題と思います。
 マッチング拠出の御質問につきましては、同じような表記を資料27、28ページ、下の方に※で書かせていただいていますが、企業型DC加入者は個人単位でマッチングかiDeCo加入かを選択できます。そのときに拠出枠というものが、マッチングとiDeCoで今は食い違っているわけでありますが、iDeCoを選択した場合は月額2万円の範囲内で、かつ、DB・DCの事業主拠出との合計が月額5.5万円の範囲内となる一方で、マッチング拠出は企業型DCの傘の下やっているという整理を今、取っていますので、この部分は見直しが必要ではないかという臼杵委員の御指摘かと思いますが、現在マッチング拠出の枠は、企業型DCの事業主拠出を超えることができない、かつ、DB・DCの事業主掛金との合計が月額5.5万円以内という形になります。
 事業主拠出の総額が同じでも、DBのウエイトが高いかDCのウエイトが高いかで、DCのマッチングができる大きさが変わってくるというふうになっていまして、中長期的な課題と臼杵委員もおっしゃられましたが、穴埋め型という議論があって、DCの拠出を月額5.5万円から、この5.5万円の水準もその際に見直すべきという御指摘ですが、DB・DCの事業主拠出を控除した残余の範囲内で、iDeCoやマッチング拠出の自由度も高めて拠出できるようにするというのは一つの考え方だと思います。その際には現在はTEE型で生命保険料控除の対象となっているDBの加入者掛金の問題、これの整理も併せて考えなければいけない大きな課題と思っています。
 
○神野部会長
 臼杵委員、重ねて何かございますか。よろしいですか。
 
○臼杵委員
 結構です。ありがとうございました。
 
○神野部会長
 ありがとうございます。
 では、井戸委員、お待たせいたしました。
 
○井戸委員
 井戸でございます。御説明ありがとうございました。
 私からは質問が3点と感想2点、御提案1点でございます。
 まず、御質問なのですけれども、28ページの拠出限度額の全体像を見て分かるとおり、本当に分かりやすくなっていると思います。大体のイメージとして、DBの仮想掛金額というのは、17ページのような分布になるというふうに理解したらいいのかどうかというのを教えていただきたいということが1つでございます。
 2つ目は、今の臼杵委員が、DBも企業型DCもない場合2万3000円のままというのは公平と言えないとおっしゃいましたけれども、私もそう思っておりまして、ここのところも5万5000円に揃えていく。時間がかかるように思えるのですけれども、企業年金のない会社というのは中小の企業さんが多いので、一緒に御検討いただければと思っています。それが可能かどうかということです。
 それから、3番目は、17ページの実態を見ますと、2万7500円を超えている企業というのもありますけれども、このうちどのぐらいが企業型DCを併用しているのか、実態は把握されているのかどうかを教えていただきたいと思います。
 あとは感想2点なのですけれども、情報基盤が構築されることで、事業主証明が非常に簡素化されるということは大いに期待しております。事業主の証明を紙で提出するのは、今はそうなのですけれども、iDeCoを始める際に職場の人事の人とか総務にお願いをして証明を出してもらったり、iDeCoをやっている人が転職したときに、また転職して間もなく職場に事業主証明を出してもらわないといけない。それを面倒くさいとか嫌がられるという声も聞いております。なので、事業主証明の提出がなくなれば、職場に知らせることなく御自分の老後の資産形成としてのiDeCoを始められるので、始めようという開始のハードルが非常に下がるものだと思っております。
 御提案が最後に1点なのですけれども、金子委員もiDeCoなどの枠が分かるようにとおっしゃっていましたけれども、私もそう思っておりまして、せっかく使いやすくなるので、拠出額の可能額のPRというのが非常に大事だと思っております。
 今ですと、給与明細で企業型DCをポイントで個人に見えるようになっている会社もありますけれども、RKの画面を見ない人が多いので、拠出限度額を例えば給与明細とか年末調整とか源泉徴収などで知らせる。気づいてもらうことが必要です。現場も大変かもしれませんけれども、PRのところも併せて力を入れていっていただければという御提案でございます。
 以上です。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 まず、御質問ですが、数字を何点か聞かれている件と、2.3万円の限度額の話がありました。お答え申し上げますと、まずは資料1の17ページ、DBごとの標準掛金総額を年度末の加入者数で割った1人当たり標準掛金の金額の分布を今回、お示しをしましたが、その実態は全体的に低くバラツキもあることが見てとれるかと思います。
 DCの拠出限度額の算定に当たって使用するDBの掛金額ですが、給付水準から換算する必要があると考えていて、その換算方法については日本年金数理人会と今後よく詰めるべき点があるかと思っていますが、仮に加入年齢方式で当該DBの予定利率を用いて仮想掛金額を算定するとすれば、加入者1人当たりの標準掛金の金額と同水準となります。我が国のDBの財政方式は、加入年齢方式が圧倒的多数ですが、もちろんそれ以外の方法もあり、また、閉鎖型だと少し数字がブレるわけです。つまり、必ずしもこの17ページの数字とは完全には一致しませんが、この1人当たり標準掛金の金額が一つの目安になります。大きな傾向はこの分布のとおりだと思っていただいて構いません。
 御質問は、この1人当たりの標準掛金の金額が月額2.75万円を超えている企業のうち、一体どれぐらいの企業が企業型DCも実施しているかということですが、月額2.75万円を超えているDBは全体の約1割弱ございますので、約1,000件程度になりますが、企業型DCの実施は時点の問題もあったり、また、代表事業主ベースでしか我々は把握できない部分もあったりしますが、この1,000件程度のうち、概ね3分の1程度がやっています。拠出額も様々で、いわゆる給与切り出し型の選択型DCを採用している企業もあるなど、制度設計は当然のように多種多様になっています。
 また、企業年金のない方の個人型DCの拠出限度額2.3万円について見直すべきではないかという御指摘をいただきましたが、この水準は平成22年に引き上げられて以来、据え置かれたままになっています。確かに企業年金のない方であり、引上げの必要性は高いわけですが、具体的な水準になりますと、先ほど臼杵委員からもありましたが、公平性の観点から考えると、企業型DCの拠出限度額である月額5.5万円というのが一つの考え方になると思います。
 企業年金のない方のiDeCoの拠出限度額を月額5.5万円にすると、企業年金の加入者だけれども、事業主掛金額が低い人、こういう人に対しても同じように月額5.5万円から事業主掛金を控除した分を拠出できる環境にしないと、公平性が確保できないのではないかという論点が生じます。
 要は、28ページの限度額の表を見ていただいて、この2.3万円のところを、ピンクの枠を引き下げると、企業年金のある方のこの2万円というラインも、この三角形の薄い青の斜面に沿って引き下がらないと変ではないかという論点が生じるわけです。森戸先生等々がよくおっしゃられる、いわゆる穴埋め型に通ずる議論になります。
 ただ、こうした場合、企業型DCの枠組みでやっている、臼杵委員御指摘のマッチング拠出が、事業主掛金拠出額を超えられないという点もまた併せて考えなければいけません。このように、企業年金のない方の個人型DCの拠出限度額2.3万円という問題は、単純に額を引き上げたら済むという問題にはとどまらないので、かれこれ10年近く引き上げられないという状況になっていて、こうした論点を含めて丁寧に検討をしていく必要があるのかと思っています。
 また、拠出枠がちゃんと見えるようにという御指摘を、金子委員からもいただきましたが、企業型DCを実施している企業の場合は、iDeCoの拠出可能枠をRKがホームページで表示することとこれからしようとしている中で、仮にDBも実施していればその仮想掛金分も反映することができるのではないかと考えていますが、この点はRKともしっかり検討したい項目だと思っています。DBのみを実施している企業の場合は、DBの仮想掛金額は規約や業務概況書による周知、また、個別の照会で対応していただくことになろうかと思っていますが、御指摘のとおり、なかなか見えにくくなりますので、事業主の皆様におかれては、是非、月額5.5万円マイナスDB・DCの拠出枠かつ月額2万円という枠がありますので、従業員の皆様に、我が社はiDeCoに何万円の拠出が可能だということ、さらにiDeCoのみならず様々な資産形成手段があることを、従業員の福利厚生のために、積極的な周知を期待したいところです。
 
○神野部会長
 いいですか。
 
○井戸委員
 はい。
 
○神野部会長
 伊藤委員、どうぞ。
 
○伊藤委員
 ありがとうございます。連合です。
 まず、1点目の論点、御議論いただきたい点Iというところなのですけれども、5.5万円についてというところで、これは労使で意見がそれぞれ出ているというところですので、ちょっと申し上げたいと思います。
 今日の資料から見ますと、給付水準と掛金の実態の両方から見て5.5万円で実害はあまりない、概ね妥当だという説明だと思います。それは一定理解できるところなのですけれども、1つだけ気になるのは、3スライドで拠出限度額を超えているのが15.6%あって、そのうちどうやって調整しているかというと、結局6割が前払い賃金にしているということなのです。
 退職給付あるいは企業年金、そして公的年金の補完という、企業年金制度の枠組みで労使で決めた掛金を、結局、賃金という退職給付や企業年金とは違う形に置き換えられているわけで、本来の制度目的を損ねてしまっているという意味にも受け取れます。ですから、この点についてはだから大丈夫でしょと簡単に済ませられないところもありますので、ここは課題だとは思っています。この6割のところについては、きちんとこの部会として考え方というのは持っておく必要があると思っています。
 それから、2点目の方なのですけれども、16スライドのところに御議論いただきたい点Ⅱというのがあります。まず前提としては、マッチング拠出については、以前から言っているように企業年金と個人年金の性格が全く違うものを曖昧にしかねないという意味で課題があるとは思っているのですけれども、それはそれとして。質問です。ここの仮想掛金額、掛金相当額を算出するというのは、個人ではなくて規約、集団単位だということなのですよねというのを、もう一度確認させていただきたいと思います。公平性が今回、強調されているのですけれども、改善ということは言えても、これで公平というのはどうかなとちょっと思ったもので、その規約ごとということなのかなということを確認させていただきたい。
 それから、あと、データ的に欲しいのは、DB併用型の企業型DCの上限2万7500円について、企業型DCの方の掛金実態がどうなっているかを知りたいと思います。13スライドは加入者掛金の方しか出ていないのです。去年8月の第7回部会の資料を見ると、事業主掛金の方だけが出ていて、併用型でマッチング拠出をしているというところも実態があるわけですから、企業型DCの事業主掛金と加入者掛金の合計額の実態がどういう分布になっているのかを知りたいと思います。
 最後に、3点目の方なのですけれども、御議論いただきたい点Ⅲは25スライドです。これは私の読み方、理解の仕方は違うのかどうかをちょっと皆さんに聞きたいぐらいなのですけれども、この国会での修正というのは26スライドに出ていますね。検討規定の第2条。国民が所得の確保に係る自主的な努力を行うに当たってこれに対する支援を公平に受けられるようにするのだと言って、個人型DCの拠出限度額などを検討すると書いてあります。今日の話はDB併用型のDCの限度額を2万円にそろえるという話が前提になっているのですが、附則で言っているのは、1ページの図で言えば一番左側にある国民年金第1号を含めた全国民の自助努力のことであって、個人型DCというのを、例えばNISAのように自助努力枠として別に、企業年金の掛金との相殺関係が生ずる形ではなく、全く別の平等な個人型の枠をつくれみたいなことなのかなと思って読んでいました。国年1号は除く国民についての一本化みたいなことの整理にするという議論の前提があるのですかねというのをちょっとお聞きしたい思います。
 
○神野部会長
 御質問等々ありましたので、事務局の方からお願いします。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 まず、3ページ、企業型DCの拠出限度額を超えた場合の調整方法について、実際には超えることができないので何らかの形で代替を取られているということでして、その実態が前払いが6割、退職一時金で後払いが35%といった実態にあるということです。前回、企業年金の性格と特別法人税の仕組みを御説明をさせていただきました。要すれば、給与で支払われたものを課税後所得で運用し、その運用益に課税されて給付時には課税されないというTTEが日本の課税体系の原則です。それを、企業年金というのは拠出時課税できないので、給付時課税に変えているときに、積立金に対して課税してETTにしないと、給与とのアンバランスが生じる、その公平性を確保するのが特別法人税だということになっています。今の企業年金、DC・DBは、運用時非課税というメリットを与えられていなくて、給与課税と同じような体系にするのだという設定になっています。
 この課税体系を、老後の所得確保に資するものに変えていこうではないかというのが、特別法人税非課税のEETにしていくという議論ですが、今は、前払いになっているか、DCで拠出されるか、特別法人税が課税されれば、何ら変わらないという状況にあるということになります。
 数字の御質問は若干理解できなかった部分はありましたが、しっかり次回以降に用意をしていきたいと思っています。
 あとは、DBの仮想掛金額の算定ですが、今はDBをやっていたら全てのDB、これは1万を超えるわけですが、そして940万人のDB加入者の掛金相当額が月額2.75万円に一律に評価されてしまっています。これを、DBごとの実態を反映させようということですが、DBというのは個人単位のDCと異なり、事業主が集団で財政運営をしています。いわば、その集団が一つの共同体になって、その集団における標準的な給付設計を定めていますので、そこから導かれる標準的な掛金、仮想掛金というものを算定して、1万ごとのDBの実態を反映させていただければ、企業型DCの拠出限度額がより公平になるのではないかという論点の提示でして、伊藤委員がおっしゃられるように、個人単位になっていませんので、ある意味、改善だと受け止めていただいて結構かと思います。
 資料1の26ページ、議員修正による検討規定ですが、経緯から申し上げますと、野党の方からまず、iDeCoの限度額について、2号被保険者のまちまちになっている形を、統一を図るべきではないか、水準は幾らでもいいのだけれども、2.75万円でという具体的なお話もあったりしましたが、まずそういう問題提起がありました。つまり、1号、2号、3号被保険者共通の非課税拠出枠を用意しようという議論ではなく、そういう野党の一つの提案を与党側が受け止め、個別具体的には検討規定の中に書いていないわけですが、検討項目だけ、「個人型確定拠出年金に係る拠出限度額」として残ったわけです。もちろんこれは例示の一つで、経緯は今申し上げたとおりですが、例示の一つですので、今日、我々が提案した企業年金加入者、DB・DC加入者で今はiDeCoの拠出枠が様々なものを改善するというのもこの検討規定でも読めると思いますし、さらにもっと大きな議論、穴埋め型の議論をしたり、企業年金と個人型は連動させないという議論をしたりすることも包含できる、そういう検討規定ではないかと私どもは受け止めています。
 
○神野部会長
 よろしいですか。
 
○伊藤委員
 はい。
 
○神野部会長
 ほかいかがでしょう。
 では、大江さん、内田さんでいいですか。
 大江委員、お願いします。
 
○大江委員
 大江でございます。
 DCの論点について申し上げたいことがあります。まずは企業型のDCの拠出限度額のところについて申し上げたいと思います。
 私どものNPO法人の方では、毎年企業型のDCの導入企業の実態調査をさせていただいておりまして、今年の分は今、実施中なので、昨年の7月実施のものなのですけれども、代表事業主約6,000の25.2%に当たる1,512社に御回答をいただいた中で、制度改善要望の選択肢として、44.2%の会社が「拠出限度額の撤廃」を選択されております。
 資料の3ページの方のグラフからは、大半の企業が無理なくこの限度内に収まっているように見えますけれども、実情としては上限があるということで、その範囲に収まるように制度設計をしているというところがあるのではないかと思います。本来の社員の処遇ということから考えると、企業の方としてはもう少し手厚く退職金、老後資金を手当てしたいと考えている事業主が約半数あるということを御報告させていただきたいと思います。しっかりした処遇で優秀な人材を雇える企業が日本に増えていくということは、とても大切ではないかと私は考えます。
 それから、拠出限度額以上に事業主から制度改善要望として多かったのが、マッチング拠出の事業主掛金額以下でなければならないという制約の撤廃です。これまでも話題に出ておりますけれども、44.4%の事業主が選択されています。マッチングを導入している会社に限りますと96%、ほぼ全ての企業が要望されており悲願とも言えることではないかと思っております。
 さらに、マッチングを導入していない企業にその理由を聞いたところ、この事業主掛金以下という制約に関わるようなものが約4割あり、天引きなどの事務負担よりも大幅に上回っておりました。
 この制約があることによって、この制約を規定で整備してすり抜けて、いわゆる事業主掛金を装って本人が拠出するいわゆる給与内枠、賞与内枠と言われるような拠出設計が一般化してきていて、大企業にも広がりを見せております。結果としては、法令にのっとって本人拠出をしているマッチング拠出を導入されている企業にお勤めの加入者だけがこの制約を受けるという結果になっております。
 先程の御発言でも話題にでた附帯決議にある、本人が拠出する自助努力に関する公平という観点からいいますと、ぜひこのマッチングの事業主掛金以下という制約は、撤廃の方向で御検討をいただきたいと思います。
 それから、2つ目の論点のDBの掛金評価の部分です。既に他の委員から出た御質問で疑問点はほぼ解消できているのですが、追加でふたつ確認をさせていただきことがあります。プランごとにDBの掛金を評価していった場合、仮想掛金額が非常に大きい企業でも、少しは企業型DCをされている企業はあるように課長から御回答があったかと思います。そうすると、その場合、今は企業型DCを実施しているけれども実施できなくなると思いますのでDCの加入者の資産は、その後どのようになるのか確認をさせていただきたいのと、これに関連して、DBのポータビリティーで転職した人たちの資産を受け入れる規約というのは非常に少ないと思っているのですが、その規約数がお分かりになれば教えていただきたいと思います。
 最後に、事業主証明のiDeCoの件は、関係者全員が楽になる話ですのでぜひ実施頂きたく存じます。事業主の方が残念ながら厚生年金基金と厚生年金保険の区別がつかず、事業主証明を間違って提出されるという、笑いごとのような話が運営管理機関さんの現場では起きていると伺っておりまして、そういうことがなくなるというのは大きなことだと思います。また、井戸委員からお話があった、ストレスを感じて個人が申込みをしなければいけないという点が解消されるのも大切なことです。ぜひ進めていただきたいと思います。
 その際に、既に何人かの委員から御意見が出ておりますが、システム構築の部分では、なるべくならばシンプルに。今のところに継ぎ足すのではなく、本当に今後を考えたコストを下げる形でのシステム構築を、丁寧に現場と調整をしていただきたいと思います。
 そして、iDeCoの件については、これによって一部の方が新たに入れなくなるというように認識をしております。企業型DCの同時加入も2020年の改正で整い、まさに国民全員が加入できるiDeCoというのが実現しそうな中で、DBの仮想掛金が多い会社にお勤めの方は入れなくなるということになろうかと思います。これが普及の観点から、それでよいのか、掛金額は別にして加入の道を残すような検討はしなくていいかというところが非常に気になるところです。
 最後に、臼杵委員からも出ておりましたけれども、DCの掛金については、そろそろ企業が従業員に対して払う報酬、ベネフィットである事業主掛金というものと、本人が拠出するiDeCo、マッチング、それから、途中に申し上げました会社掛金を装った加入者掛金といった本人拠出という、この2つの枠組みで捉え直して、もう一度限度額等を検討するべき時期に来ているのではないかと思います。
 長くなりすみません。以上です。
 
○神野部会長
 調査に基づいた御指摘などもいただいておりますので、何かありましたら。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 まず御質問の件ですが、企業年金・個人年金は継ぎはぎを重ねながらこの1ページのような形になってきたわけでありまして、企業年金二法の施行に際して、つまりまだDBがなかった時代に、企業型DCとDBを同時にやる企業向けに企業型DCの拠出限度額を設定する必要があったわけです。そのときに、厚生年金基金の給付水準の単純平均から一律半額という整理をして今に至っているわけでして、この継ぎはぎを重ねる中に綻びが生じているというのが実態で、それをある意味縫い直そうというのが今回の提案です。
 綻びの一例が、まさに大江委員がおっしゃられたDBのみ加入者がどのようなDBの給付水準・掛金水準にかかわらず一律月額1.2万円に入れていることが、まさにその綻びの象徴で、企業型DCの掛金額が高いところにお勤めになれば、その枠内で実施するマッチング拠出やiDeCoの拠出ができないわけです。それと同様に、DBの給付水準・掛金水準が高いところに転職すれば、当然その枠内でiDeCoの拠出ができなくなるというのは、DCとのバランスを考えれば当然のことと思えるかどうかだと思います。企業年金の加入者にもそのiDeCoの加入が認められて、先ほど言いましたように、この1.2万円は誰もが入れるというところが問題ではないかと思っています。
 ただ、iDeCoの拠出ができなくなったときに、企業型DCの掛金が高いところに転職すれば、そのDCというのは資産の移換が簡単ですので問題がないわけですけれども、一方で問題になるのはDBのまさに給付水準・掛金水準が高いところに転職されて、DCをやっていない企業だということだと思うのですが、そのDBにおいても今、ポータビリティーは認められています。iDeCo・DCからDBのポータビリティーというのは、平成28年の制度改正で開通をされたルートですが、DBが受け皿になるときには、DBにおいて規約を定めていただかなければいけないですし、集団での資産をDBは運営していますので、別建て資産を個人ごとに管理をしていただく必要があります。
 まだ例はもちろん少ないわけですが、実例としてあります。例えば、我が社のDBは給付水準・掛金水準がふんだんなため、従業員がiDeCoに入ることはできなくなる、iDeCoの資産移換をそういう企業だからこそ用意をしましょうということを考えていただかなければいけないのかどうかです。DBの規約例を示すなどをして、DBの給付水準・掛金水準が高くて、そういう御懸念のDCの拠出枠が消滅もしくは縮小する、そういう企業にお勤めの従業員の皆様方が困らないようにするという配慮はもちろん必要なのだろうと思います。
 
○神野部会長
 大江委員、いいですか。
 
○大江委員
 はい。
 
○神野部会長
 内田委員、どうぞ。
 
○内田委員
 御説明ありがとうございます。電機連合の内田です。
 私からは質問1点とコメント2点です。
 まず、資料1のスライド13にありますように、DB併用の企業型DCのマッチング拠出の現状を見ますと、1.2万円までのところで約90%を占めているという現状があります。1.2万円を超える加入者掛金を拠出しているのが全体の約10%にすぎないという現状を踏まえますと、1.2万円を引き上げる必要性が高いとは言えないのではないかと考えます。
 また、資料2になりますが、2008年のリーマンショック時の弾力化措置の活用件数がどの程度あったのか教えていただければと思います。また、特例期間終了後に猶予等部分が補填されたのか、あるいは給付減額が行われたということはないのかという、そういった実態について教えていただければと思います。
 また、最後になりますが、今後も感染症の拡大のみならず、様々な災害等が発生することが懸念されます。そのような事態にしっかりと備えるためにも、これまでも繰り返し申し上げておりますが、早期に支払保証制度の検討を始めるべきではないのかと思っております。
 以上です。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 まずは資料の13ページを御覧いただくと、マッチング拠出の実態があって、この実態を踏まえてiDeCoの限度額を設定しているわけですが、ちょっと私の聞き間違い、勘違いかもしれませんが、この右の方の企業型DCとDB型を併用している場合は、そもそも拠出限度額自体が2.75万円に無理に縮小された上で、さらにマッチング拠出の上限はその半分なので1万3750円と、このように天井が抑えられた上での拠出になっていますのでこういう実態にあると思っています。その拠出の実態にかかわらず、より公平な個人型の拠出限度額のあるべき姿というのはどういうことなのかというのを御議論いただきたいという趣旨で、今日の論点を提示させていただいています。
 資料2で、DBの掛金設定の弾力化の御指摘、御質問をいただきました。リーマンショック当時に講じた弾力化措置の活用状況ですが、残念ながらデジタル化が進んでいなくて、DBから紙で申請を受け付けて紙で処理していますので、紙の山はあるのですが、そこから件数を今、探すことができないという状況に至っています。紙は残っているのですが、労力さえかければ件数は分かるかもしれない、こんな状況に至ってしまっているところです。
 ただ、リーマンショック当時は、急激に経済情勢が悪化したのでこのような弾力化措置を講じたわけですが、結果的には経済はその後緩やかにではありますが回復基調になったこともありまして、ある受託機関をヒアリングすると、この件数というのはわずかしかなかったということはおっしゃられていました。その「わずか」というニュアンスがまた微妙なところなのですが、件数の実態が分からないというところは御容赦をいただければと思います。今回のコロナショックで金融市場に大きな変動が見られたわけですが、現時点である程度回復基調にあるのかどうか、また先行きというのは我々は分からないわけでして、リーマンショック当時のような措置が必要かどうかというのをぜひ御議論いただきたいところです。
 このリーマンショックの当時に講じた弾力化措置というのは、追加的な負担を一時的に軽減するだけでして、財政上必要な掛金の引上げに一定の猶予を設けただけですので、最低でも従前の掛金というのは拠出していただいた上で、猶予期間終了後には掛金の引上げが必要になります。掛金を例えば2年間据え置いてきたら、その部分は3年目に負債として認識されて特別掛金として拠出しなければいけなくなります。もしくはそれも拠出できなくなると、給付減額という形になってくるので、これをどう考えていくかだと思うのです。
 掛金の引上げが困難な事業主が今いらっしゃると、給付減額か制度終了かという選択を今迫るのか、それとも経済の先行きというのは誰も分からないので、給付維持・制度維持の可能性にある意味かけてみて、一定程度猶予をさせるかというところが大きな分かれ道と思っています。
 
○神野部会長
 内田委員、よろしいですか。
 
○内田委員
 はい。
 
○神野部会長
 小林委員、お待たせいたしました。御発言ください。
 
○小林委員
 ありがとうございます。
 私からは、資料1に示された各論点と資料2について順に申し上げたいと思います。
 まず、資料1、8ページの論点Iについてですが、企業型DCの拠出限度額引上げに関しましては、経団連としても過去から継続して要望してきた事項であります。DC制度のさらなる普及拡大や、雇用環境、働き方の変化を踏まえた老後所得確保といった観点からも必要性は高いと認識しており、引き続き要望したいと考えています。
 一方で、16ページの論点Ⅱで言及いただいている制度間の公平性も重要な論点と考えております。DC掛金の拠出限度額引上げを目指す上で、まず、公平性の確保が必要ということであれば、そのための対応について議論は必要だろうと考えています。
 今回の御提案は、その第一歩として、現状ではDB年金加入者の企業型DC掛金上限が一律半分となっている点について議論するというもので、違和感はないと思います。
 その方法論として、21ページにDBの仮想掛金額を給付水準から換算する考え方をお示しいただいていますが、こちらは現実に即したものであり、実務的にも対応しやすいと考えております。
 その一方で、既存制度への影響については一定の懸念もありますので、労使合意に基づく柔軟な制度設計の実現という観点も踏まえて、今後よく議論する必要があると考えております。
 次に、論点Ⅲですが、企業年金制度加入者の個人型DCの拠出限度額について、月額2万円に統一をするという御提案に関しては、第一弾の見直しとして前向きに受け止めております。
 また、論点Ⅳの2号被保険者の個人型加入時の事業主証明等に関しましては、事業主の負荷を最小化するという観点で御提案のような情報連携のしくみを構築することで、是非廃止していただきたいと考えます。2022年10月には「企業型DC加入者のiDeCo加入要件緩和」が施行されることから、それに間に合うように実現いただきたいと思います。尚、事業主からの情報収集にあたっては、オンライン対応による簡素な事務フローとしていただき、新たなスキームの詳細や推進スケジュール等を早期に開示するなど、円滑な施行に向けた配慮を併せてお願いいたします。
 最後に、資料2のDBの掛金設定弾力化についてですが、非継続の財政検証基準に関しましては、2008年の金融危機当時と比べると、積立金の状況だけでなく最低積立基準額そのものの評価も厳しくなっていると認識しております。
 具体的には、2008年度には2.27%であった法定の予定利率が19年度は1.05%と、1%以上低下し、最低積立基準額が増加しています。コロナの影響は当面継続すると思われ、今後、企業業績が急激に悪化するということもあり得ると思いますので、金融危機当時と同様の措置を講じる等の御対応を検討いただきたいと思います。
 私からは以上です。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 拠出限度額の話を幾つかいただきましたが、資料1の1ページを見ていただければ分かりますように、先ほど、大江委員にもお答えしましたが、DBが今、給付水準・掛金水準にかかわらずこの横たわるような形で濃い青があるわけでして、DB加入者のDC、これは企業型も個人型の両方ですが、DCの拠出限度額をどう設定したらよいのかというときに、引上げ要望もたくさんいただいていますが、このDBが寝ているので、なかなか額の議論がしづらい、税制改正の議論がしづらい現状にあるというのもまた事実です。
 今回、その部分をある程度改善ができないかという提案をさせていただいているわけでして、これまでDCの拠出可能枠が過少と評価されていた企業・従業員の皆様にとっては拠出可能枠は広がる一方、DCの拠出可能枠が過大と評価されていた一部の企業・従業員にとってはDCの拠出枠が縮小してしまうということです。DBの掛金額の実態を見れば、DCの拠出可能枠が拡大する企業・従業員の皆様が圧倒的に多いのは事実だと思うのですが、御指摘のとおり、少ないとはいえDBの給付水準・掛金水準が高くてDCの拠出可能枠が縮小または消滅する企業があり、その場合は現行からの変更になりますので、労働条件の変更になります。規約の変更、また、労働組合等の皆様との合意形成ももちろん必要になる部分ですので、十分配慮が必要ではないかという御指摘をいただいたものと受け止めました。
 また、個人型DC加入時の事業主証明の発行と、年1回の現況確認を紙で実施している部分ですが、これはまさに事業主の皆様に多大な御負担をお願いしている部分です。企業年金二法ができたときは、個人型DCに加入できる2号被保険者は、企業年金のない企業にお勤めの方だけが対象でした。従業員が個人型に加入しようとする場合、企業は企業年金をやっていないので、その代わりとして紙で、我が社は残念ながら企業年金がないのですというのを証明し、かつ、年1回の現況確認というものをまた紙でやっていた時代だったわけです。それが、今は全ての2号被保険者がiDeCoへの加入が可能になりまして、拡大前の23万人から大幅に今は増加し、現在、136万人もの2号被保険者の方々が加入をされています。全ての2号被保険者が加入可能になりましたので、今、全ての厚生年金適用事業所の事業主の皆様において、従業員がiDeCoに加入したいと言ってくると、企業年金の加入状況を、それは我が社はDCをやっています、DB・DC併用をやっています、DBのみをやっています、全くやっていませんという4択を紙で御登録いただくとともに、年1回またその現況を紙で確認をさせていただいておりまして、デジタル化が非常に遅れた分野だと思っています。
 従業員が現にiDeCoに加入しているかどうかにかかわらず、iDeCoへの加入可能性のある企業年金加入者の皆様方の加入の情報をデータとして国民年金基金連合会が確認できる環境を整えておけば、わざわざiDeCo加入者というラベリングをした人だけを確認する、しかも紙で確認するという実務は全く不要になるのではないかと考えたわけです。
 その企業年金の加入状況も、もちろん今は原簿という形で管理を事業主・企業年金の皆様にはお願いをしていますので、それをどうにか参照させていただきたい、それもコストをかけずにやりたいということです。
 
○神野部会長
 ありがとうございました。
 では順番にいきますので、小川委員、どうぞ。
 
○小川委員
 日本年金数理人会の小川です。
 今回も非常に複雑な内容につきまして分かりやすい資料の準備と御説明、どうもありがとうございました。
 私からは2点申し上げます。
 1点目は資料1に関してで、16ページから後のところですけれども、前回の第11回の部会で、ページ下方にありますDBを併せて実施する場合の企業型DCの限度額が一律2.75万円になっていることが課題であって、DBの給付水準をDCのように掛金に換算することが必要であるということを申し上げているわけですが、このやり方として、伊藤委員からも少し御指摘があったのですが、この換算の際に、DBというのは退職事由や加入年数によって退職するときに初めて本当の給付額というのが確定するという性質があります。
 また、積立金の運用をはじめとして、制度に加入している人全体で制度運営をしている、集団での運営になっていることを踏まえますと、もし仮に個人単位で掛金換算をしたとしても、それは最終の答えではなくて不確実性というのがやはり排除できないということと、やはり煩雑になり過ぎないということに鑑みましても、私としてはDB単位で算定するということが妥当ではないかなと考えております。
 それから、井戸委員などからもあったのですが、17・18ページはお分かりのように、換算額ではなくて今の実際の掛金分布を示している部分だと思うのですけれども、これを換算額計算したときにどうなるかというのは、まさに細部が詰まらないと分からないところなのですけれども、何度か吉田課長からの御説明があるように、21ページのところに大まかな換算のイメージがあるのですけれども、その図で見ると利子というものもありますし、マル1の下に幾つかの基礎率というのも書いていただいていますので、これをどう決めるかによってその分布というのは若干変わってくるのではないかなと思っております。
 いずれにいたしましても、今後より具体的な実務を細部にわたって詰める必要がありますので、日本年金数理人会としても全面的に厚生労働省さんに協力していきたいと思っております。
 なお、前回の部会でも申し上げたことなのですけれども、実際の運営とか導入に際しては、多くの委員から御指摘があるように企業型DCを減額しなければいけないのかとか、そういったところもありますが、公平と同じように、やはり制度普及の観点というのも考えなければいけないと思いますので、十分に配慮すべき点がたくさんあると思っておりますので、しっかり検討していただきたいと考えております。
 それから、最後に2点目ですけれども、資料2です。各年金数理人等から聞いている話で言うと、現時点では既に幾つかの企業、基金から掛金設定の弾力化の要望が出てきていると聞いております。例えば、この3月末で決算を迎えたDBの掛金の変更は来年の4月からというのが通常になります。したがって、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、今後も同様の要望が増えることも考えられますので、何らかの措置を検討しておいた方がよいと私としては考えております。
 以上でございます。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 DCの拠出限度額の算定に当たって使用することになるDBの掛金額ですが、DBの特性上、給付水準からの換算が必要だと思っておりまして、小川委員御指摘のとおり、まだ決め方についてはいろいろ論点がありますので、その換算方法は数理人会とも今後しっかり詰めていきたいと思います。
 
○神野部会長
 細田委員、どうぞ。
 
○細田委員
 丁寧な御説明ありがとうございました。
 以前より商工会議所から申し上げておりました、拠出限度額の引上げについては、積極的に議論していただきたいと思います。
 特に資料1の3ページに、拠出限度額の5.5万円を超えて何らかの手当てをしている企業が約15%、5.5万円という限度ありきで自社の年金制度を設計している企業が約10%と記載されており、両方合わせると実に全体の約4分の1の企業が、5.5万円というところに頭を押さえられながらも、従業員の今後の生活について考えているということを踏まえると、もっとこれが引き上げられてもいいのではないかと思います。
 加えて、その5.5万円の計算根拠が、昔の厚生年金基金に基づいたものとなっています。この厚生年金基金は過去に1,500程あったのが、現在では10基金以下となっています。そうした中、拠出額の算定にあたって、未だにそこにこだわるのではなく、今後は新しい根拠というものが出てきて良いのではないかなと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 また、iDeCoの加入申込み時における事業主証明の発行と、年1回の現況確認が不要となる点に関して、これは中小企業にとっては大変負担になっていた部分でございますので、そういった部分が簡素化され、加入手続き全体の簡素化が進んでいくことについては歓迎すべきことだと思いますので、今後もぜひ進めていただきたいと思います。
 最後に、今、小川委員からもお話が出ましたけれども、現下の経済状況の中で企業年金をやっていない中小企業がまだ多いわけですが、今後、企業年金を増やしていこうとする中で、企業の負担がかかってくるとなると、これは大変重要な問題でございますので、その辺の弾力的な運用といったこともぜひ御検討していっていただきたいなと思います。
 やはり今は従業員の人たちも、企業があっての従業員だと考えているのではないかと私は思っておりますので、そういったところもぜひ頭の中に置いておいていただきたいと思います。
 以上です。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 拠出限度額のお話は、各委員からもいただいていますが、要すれば、限りある税財源をどういう優先順位の下、政策の必要性を含めて考えていくかの問題だと思います。
 5.5万円を設定した当時の設定根拠・モデルが厚生年金基金を使っただけでありまして、今、それにこだわっているわけではないのですが、拠出限度額の単純な引上げというのは、拠出能力が高い企業・個人だけが引上げの恩恵を受けられる、そういう形になりますので、事業主掛金額の現状、4万円以下で累積9割になっているような資料5ページや、現行水準でも適切に掛金率を設定していただければ5.5万円の枠内でも相当程度の退職給付は用意できるのではないかという6ページのような統計を見ながら、今、5.5万円という水準がどうか御議論いただきつつも、さらに先ほどお答えしましたが、1ページのようにDBが給付水準・掛金水準にかかわらず横たわる形であるので、なかなか今は限度額の引上げ自体という議論がしづらい環境にあるということも御理解賜れればと思います。
 
○神野部会長
 藤澤委員、お願いします。
 
○藤澤委員
 藤澤でございます。
 前回の部会で、今後の議論のためにデータを出してほしいとお願いしたところ、資料1の17ページのような形で資料を提供いただきありがとうございました。DBの掛金の現在の状況がすごく分かりやすいグラフだと思います。これを見て分かるとおり、多くのDBの掛金が2.75万円を下回っており、これまでの一律半分とする評価が過大であったということを示すデータだと思います。この層に対してDCの掛金を拠出できるようにするという方向の改正は、ぜひ推進していただきたいと考えています。
 その具体的な手法について、21ページで御説明いただいたところですが、個々の制度の給付水準を反映した換算手法になっていることから、退職金由来で自由な給付設計が可能になっている日本の実情に即した手法だと思っています。
 ちなみに、いつもカナダの話ばかりして恐縮ですが、カナダの場合は一律最終給与比例と想定して換算するというシンプルな手法を用いています。その手法に比べると、21ページの手法はDBの給付水準を反映しているので、より公平な手法と見ることができると思います。
 以前も発言したとおり、実務的なことを考えると、個人単位よりも制度単位で行う方が望ましいと考えておりますので、この方向で検討するということに対して違和感はございません。
 その上で2点コメントしたいと考えています。いずれもちょっと細かい論点なのですが、仮想掛金額を財政再計算ごとに見直す、つまり少なくとも5年に一度見直すという部分についてです。
 1点目は、従業員の数が比較的少ないDB制度の場合、データの数が少ないので、いわゆる大数の法則が働きにくくて、基礎率がぶれやすいという特性がございます。再計算のたびに仮想掛金額が大きく変わると、従業員にも説明しにくいと思いますので、そういった中小企業に対して簡易的な取扱いを検討するなど、一定の配慮が必要だと考えています。
 2点目も同じ説明可能性の部分ですが、給付設計が変わらないのに基礎率が変わるとDCの拠出限度額が変わるというロジックは、一般の従業員の方からするとすぐに理解できるロジックではないと思っています。このDBとDCの両方の制度を実施する事業主が、従業員に対して事前にしっかりと説明するような周知の取組も必要だと思います。
 以上です。
 
○神野部会長
 どうぞ。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 企業型DCの拠出限度額の算定に当たって、給付建てのDBをどう評価するかですが、日本のDBの実情に即してDB単位がよろしいのではないかという御指摘だったと思います。カナダに詳しい藤澤委員ですのでよく御存じだと思うのですが、カナダの場合は予測単位積立方式が主に用いられています。これは加入期間が1年延びることに将来の給付もその都度追加的に発生すると考えて費用を計算する方式です。
 一方、日本の場合は、加入年齢方式が大多数でありまして、これはDBにおいて標準加入者という、いわばモデルを設定し、将来の給付と収入の現在価値が等しくなるよう標準掛金を設定する方法ですので、これを応用した形がふさわしいのではないかと我々も考えて提案をさせていただいていますが、特に従業員が比較的少ないDBは基礎率がブレるのではないかという御指摘、ごもっともな部分でして、この点、今のDBの財政運営においても、加入者数が500人未満のところは簡易基準というものを設けてやっています。こういう形で、特に小さなところに配慮した標準掛金の設定とともに、仮想掛金の換算というものも配慮していかなければいけないのかとは思っています。詳細は日本年金数理人会とも連携して考えていきたいと思っています。
 そして、DBは5年に一度、財政再計算をやります。その際に、給付設計は変えない、つまり高さは変えないのだけれども、基礎率の変動だけで標準掛金、仮想掛金が変わるのではないかという御指摘だったかと思います。高さを変えていない以上、そう大きく変動するものではないとは思っていますが、今まで従業員というのは標準掛金というものは気にもしてこなかったわけですが、これからは自分のDCの掛金額に換算されていくとなると、企業にとっては、従業員に、労働組合を含めてですが、しっかり説明をしてもらって、規約の変更をしていただくことが必要になります。つまり、DBに対する関心が、従業員・企業ともに高まるのではないかと思っています。
 
○神野部会長
 ちょっと時間を押しているのですが、白波瀬委員、何かございますか。
 
○白波瀬委員
 では、簡単に。
 細かいテクニカルなところはちょっと私も分からないのですけれども、今日の直接的な質問とはちょっと離れるかもしれないのですが、やはり企業規模のところは私としてはとても気になるところです。現状から推計していくというか、現状をもってそこから将来にみなすということもあるのですけれども、できるだけ広くと考えたときに、多様な働き方と多様な企業の状況ということを同時に考慮しつつ、様々なシミュレーションなりデータの提供をしていただけると、すごくありがたいなと思います。将来的なことなので、資料1の6にもありますように、かなり企業規模によって違いがございますので、その辺りをどこまで考慮しつつ推計を行うかということは、データとしては少し気になったところです。
 以上です。
 
○神野部会長
 森戸委員、どうぞ。
 
○森戸部会長代理
 ありがとうございました。
 コメントしながら、間にも質問があるのですけれども、一つはやはりDBの仮想掛金を出すということで、方向としてはやはり、先ほど穴埋め型という話も出ましたけれども、より公平な制度を目指して穴埋め型のような形を目指していく過程としてということではよいことだとは思うのです。1点確認ですけれども、先ほどから伊藤委員の質問なんかでもありましたが、DBごとに基礎率が一緒ならこの仮想掛金が決まってくるということですよね。そうすると、ある意味、若い人でも年取った人でもみんな同じ枠ということになって、ただ、若い人は割とDBがいい企業に勤めているから結構DBで枠を食ってしまって、DCの拠出限度額は割と少なめになり得ると。けれども、若いうちにさっさと辞めて転職すると、脱退一時金みたいのがあるかもしれないけれども、それは大体少なくなっているから、あまり枠が、DCが少なかったのだけれども、つまりこの会社にずっといれば最終的にいいDBをもらえたのかもしれないけれども、転職するとその分、枠があまり、DCの枠が少なかったのだけれども転職して、枠としてはその少ない枠しか利用できなかったということになるという理解でいいかということなのですけれども、これが悪いと言っているわけではなくて、DBというのは結局突き詰めれば長期雇用なり終身雇用を前提とした制度なので、ある意味それを前提とした枠の設定ですと言えるのかなと思うのですけれども、今のような理解でいいのかというのが一つの質問です。
 そして、それと同じことですけれども、結局今回、確かに全体としてフェアなことを目指す、それから、9割方はむしろ今の2.75で割り食っているのだからというのはそのとおりですが、他方でさっきから出ていますように、DBが非常にいい企業でかつDCも結構ちゃんとやっていたところはDCの枠が減ってしまうので、下手すればゼロになってしまうかもしれないので、そこは対応しなければいけないわけです。これは確かに、今までに恩恵を受け過ぎていたのだといえばそのとおりですが、他方で見方によれば、要は日本の企業年金を支えてきたところなわけですよね。DCもDBもちゃんとやってきたという意味では、日本の企業年金を支えてきた企業とも言えるわけで、ですからそこに影響が及ぶ話なので、その現場の声といいますか、実際にどういうことが起こりうるかという話とか、あとはどういうような対応をしていけばいいのかということをヒアリングなんかも必要かなと思いますけれども、ぜひこういう影響を受けるところの声をしっかり聞くということは必要だろうと思います。
 それから、さっきもちょっと出ていましたが、そういう影響を受ける企業がどうするかというときに、DBの給付削減というのはしないかもしれないけれども、そういうこともあるかもしれない。それから、DBをいじらないとすると、DCの方で出せなくなるわけですけれども、その分どうするのかと。給与に乗せるのか、また何違う形にするのかとか、いろいろあると思うのです。いずれにしても労働条件の変更という話に関わってくるので、労働法的な問題にもなってくると思います。
 それから、もう一つ、同じ話ですが、さっき申し上げたように、この仮想掛金額でやっていくというのは、大きな流れとして穴埋め型を目指すような公平な方向というふうには言えると思いますが、これはやはりここで止まってしまうと、ここまでだと、やはりさっき言ったように全体によりフェアな方向を目指すのが、この辺で中途半端に止まってしまうという可能性もあると思うのです。つまり、今回はDBがよくてDCをしっかりやっているところはある意味、少し影響を受けるわけですけれども、例えば、DBにはしていないけれども物すごくいい一時金制度を、ただ退職金でやっているというところはあまり影響を受けないわけですよね。DCも出せるし、でも立派な退職金制度もあってということが起こり得る。これは結局、究極的には、退職給付ということで一時金も含めて税制の話も含めて、全部一緒に考えていかなければいけないのではないかという、よりフェアにするにはどうしたらいいかという話につながっていくと思いますので、これはこれでフェアな方向を目指す流れとしていいとは思うのですけれども、ぜひここで止まらないで、より全体として公平な制度、より税制としてどういうのがいいかという議論につなげていくための議論というか制度改正にしていただければと思います。
 以上です。
 
○神野部会長
 では、端的にお願いできますか。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 では、簡単に。
 御指摘のとおり、DB制度全体で評価をします。いわばDBというのは日本型雇用モデルの就社に近い、メンバーシップ型の日本型雇用に合った仕組みです。お勤め先で、将来もしお勤め上げればこの水準になるというのがDBの設計です。途中で離脱すると脱退一時金で減額されているケースもあると思うのですが、手塩をかけて育てた従業員の労務管理で使われているDBという面を踏まえると、そういう仕組みしかないのではないかということです。
 御指摘のとおり、DBの給付水準が高くて仮想掛金額が高くなると、DCの拠出ができなくなる企業がいらっしゃいますので、そのときにDCの拠出枠を見直すとしても、森戸委員御指摘のとおり、労働条件の変更になりますので、見直しに当たって規約の改正、労働組合との合意等も必要となりますので、一定の期間を設けるなど十分な配慮が必要だという御指摘だと受け止めました。
 
○神野部会長
 では、鮫島オブザーバー、どうぞ。
 
○鮫島企業年金連合会理事長
 時間が押しておりますが、すみません。企業年金連合会の鮫島でございます。
 まず、論点のI、企業型DCの拠出限度額についてでありますが、企業年金全体の加入者数が減少傾向にある中で企業型DCの加入者は増加しております。私どもは、そういう意味で、企業型DCが老後の所得保障の柱として機能することを期待しておりまして、拠出限度額については十分な給付が可能な水準に向けて改善を図るべきだと考えております。これまでに何人かの方がおっしゃっていますが、同様でございます。
 それから、論点のⅡ、DBを併せて実施する場合の企業型DCの拠出限度額についてでありますが、今回、例として挙げられております仕組みにつきましては、公平な扱いに向けて、改善していくということでありますし、企業にとりましては、複数の制度を併用して自由な給付設計を行う、その幅を広げていく可能性もあります。また、加入者にとりましても、拠出限度額を有効に活用することができて、老後資産の形成につなげられるということでありますので、そういった観点から、私どもとしても評価できると考えております。
 ただ、これも既に出ておりますけれども、今の企業型DCの拠出限度額5.5万円、このままで新たな仕組みを導入した場合には、結果としてDC拠出が減少、あるいは不可となるケースが発生することになりますので、資産形成面への影響についてもよく確認をしながら議論をしていくことが必要であると思います。また、これを実施した場合の実務面への影響につきましても、先ほど、大江委員からも御指摘があったのですが、既に拠出した分の取扱いを含めまして、現場の混乱を招かないように十分な配慮が必要になるだろうと考えております。
 それから、飛びまして論点のⅣ、事業主証明等についてでありますけれども、これにつきましては、事業主や個人型DC加入者の利便性を向上させるものでありまして、企業年金・個人年金の普及発展に資するものでありますので、望ましいと考えております。私ども企業年金連合会も企業年金のナショナルセンターとして、新しい仕組みの中で期待される役割があるのであれば、前向きに対応してまいりたいと考えております。
 それから、DBの掛金設定の弾力化の問題でありますけれども、新型コロナの影響によりまして、今年の3月末の時点で多くのDBの積立水準が悪化しております。その後、マーケットは御承知のとおり持ち直しておりますけれども、今後、景気あるいは企業業績への悪影響が長引くのではないかというエコノミストの見方もかなり出ております。そうした中で、特に中小企業が多く加入しております総合型のDBにつきましては、今後、事業所の脱退が増えて、中小企業における企業年金実施率の低下に拍車をかけることが懸念されます。つきましては、DBの持続的な運営に御配慮いただき、掛金設定の弾力化措置を講じていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 以上です。
 
○神野部会長
 松下オブザーバー、どうぞ。
 
○松下国民年金基金連合会理事長
 国民年金基金連合会の松下でございます。iDeCoの実施機関としまして、簡単にコメントをさせていただきたいと思います。
 まず、DB加入者のiDeCo拠出限度額の見直しについてでございますけれども、今回御提案がありましたように、公平な支援という観点から上限2万円に設定するということにつきましては、評価をさせていただきたいと考えております。
 当連合会としても制度の詳細を踏まえまして、厚労省や関係者と連携して検討していきたいと考えておりますが、その際には、制度をいかに効率的かつ適正に実施するための体制整備あるいは基盤整備・強化、こういった観点からもぜひ十分な検討、あるいは今後の御審議をお願いできればと考えております。
 また、皆様から大変強い御要望がありました事業主証明の見直しにつきましても、これは制度全体の利便性の向上という観点から非常に重要だと考えておりまして、当連合会としても情報連携の仕組みの詳細も踏まえまして、しっかり対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
 
○神野部会長
 どうもありがとうございました。
 すみません。時間をオーバーしておりますのでこの辺で。次回以降も引き続き議論をいたしますので、この辺で議論につきましては打ち切らせていただきたいと思います。
 事務局から、次回以降の進め方について御説明をお願いいたします。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 資料3「ヒアリングの実施について(案)」をお開きください。
 論点は、当面の対応のために議論を要する事項と、中期的に議論を重ねていくべき事項に分かれ、時間軸を意識した議論が必要となっています。
 具体的な検討事項としては※1の部分でございますが、当面の対応のために議論を要する事項として、本日も御議論いただいた、より公平なDC拠出限度額の設定の検討、DBの掛金設定の弾力化の検討等があろうと思っています。
 また、中期的に議論を重ねていくべき事項として、今日、拠出限度額の引上げの話もありましたが、拠出時・給付時の仕組み、これは特別法人税も密接に関わる部分です。こういうもの等があろうかと思っています。
 こうした事項を中心に、部会委員・オブザーバーとなっていない関係団体、具体的には※2の部分の8団体と今、調整をしていますが、こうした関係団体の御意見を聴取し、令和3年度税制改正要望、また、その後の議論に役立てるため、次回以降、ヒアリングを実施してはどうかと考えています。
 以上です。
 
○神野部会長
 御説明がありましたように、次回以降にヒアリングを実施していくということで、御異論がなければそうさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
 
(首肯する委員あり)
 
○神野部会長
 それでは、そのようにさせていただきます。
 以上で本日の議事は終了いたしましたが、次回以降の開催について事務局から。
 
○吉田企業年金・個人年金課長
 次回の部会の開催日時につきましては、事務局から各委員の御都合をお伺いするとともに、ヒアリングを行う関係団体との日程調整も要しますので、それを行った上で正式な御案内をお送りいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○神野部会長
 どうもありがとうございました。
 私の運営の不手際でもって議事が大分遅れて、時間がオーバーしてしまったことを深くおわびする次第でございます。御多忙のところを御参集くださいまして、本当にありがとうございました。これにて閉会いたします。