第2回地域雇用対策懇談会

審議開始日

 令和2年5月14

議決日

 令和2年5月18

 (持ち回り審議による)

〇議題

 1.地域活性化雇用創造プロジェクトについて

 2.意見交換

〇委員

 青山 伸悦 (日本商工会議所参与)

 阿部 正浩 (中央大学経済学部教授)

 漆原 肇  (日本労働組合総連合会総合労働局雇用対策局長)

 金子 順一 (大正大学客員教授)

 後藤 準  (全国商工会連合会常務理事)

 高木 朋代 (敬愛大学経済学部教授)

 藻谷 浩介 ((株)日本総合研究所調査部主席研究員)

 

〇議事概要

 持ち回り審議により第2回地域雇用対策懇談会が開催されました。

【議題1について】
〇阿部座長
・厚生労働省案について、了承する。
 
〇青山委員
・厚生労働省案について、了承する。その上で意見は以下のとおり。
1.新型コロナウイルスの影響により、日本経済、地域経済にリーマンショック以上の悪影響が生じていることから、この観点を盛り込んだ募集要項としていくことを提案する。
2.新型コロナウイルスの影響は、少なくとも今後2年程度は続くとみられている。2020年度は「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」がスタートする年でもあり、各地方自治体において策定した地域創生ビジョン、および新型コロナウイルスによる経済的な悪影響を克服するような事業提案を期待する旨強調してはどうか。
 
〇漆原委員
・厚生労働省案について、了承する。
 
〇金子委員
・厚生労働省案について、了承する。その上で意見は以下のとおり。
・新型コロナウイルスの感染拡大で地域雇用への悪影響が見込まれるところ、本プロジェクトにおいても、雇用情勢を見極めつつ雇用創出事業等に積極的に取り組むことが適当。
また、感染収束後には社会経済活動のパラダイム転換が起きる可能性が高く、労働者の働き方や意識面での変化も見込まれるので、そうした変化を取り込み魅力ある雇用機会の創出につなげることが重要。
 
〇後藤委員
・意見は以下のとおり。
・新型コロナウイルスの影響で雇用情勢は大きく変化している。
地域活性化雇用創造プロジェクトの実施については、今後の状況を注視しつつ、各地(現場)の要望を聴取したうえで、予算の増額、事業内容や採択基準等の大幅な見直しが必要と思う。
・検討事項にもあるが、各省庁、地方自治体及び各種地域経済団体との連携がますます重要になると考える。
 
〇高木委員
・厚生労働省案について、了承する。その上で意見は以下のとおり。
1.本プロジェクトの対象
前回では想定し得なかったコロナ問題だが、その影響を考えると、今後は、「就職氷河期世代に対する支援」という文言は改めたほうが良いかもしれないと感じる。
2.地域の特性を活かした提案書の必要性
このプロジェクトで、「地域の実情や情勢を踏まえて」と表現される場合、それは暗黙的に雇用・失業情勢や労働力需給の状況など、数字で把握される実態がイメージされているように思える。しかし中央ではなく各地域で、雇用創出の方策を編み出してもらおうとする意図は、(中央からでは見えてこないが)地域であるがゆえによく把握できているであろう、その地域特有の産業や特産物、地の利、歴史、風土、人材、人々の生活スタイルなどというものに結び付けて、独自の雇用創出のシナリオを立ててほしいということにあるのではないかと思う。よって、各都道府県が提出する企画提案書には、そういった数字では表せないかもしれない地域の特性も分析に含めて、そこにひきつけた方策が描かれていることが望ましいように思える。
3.方法・事例の共有
上記のことは、事例を各地域が共有する場合にも有効と思える。当然、各地域の特性は違うであろうが、どうやってその特性を雇用に結びつけたのか、という方法論を地域間で共有することには、それなりに意味があると思う。
4.費用対効果の問題
採択された事業が事業期間を終えた後も、事業後調査やモニタリングは必要かもしれないと思う。その意図は、このプロジェクトの目的が、瞬間的に雇用状況を改善することにあるのではなく、この事業を通じて編み出された地域独自の雇用創出のシステムが、持続的に機能し、ある程度長期的に地域の雇用安定化を実現していくことにあるのではないかと思うからである。そのように考えなければ、雇用創出1人当たり150万円という勘定になり、これはパフォーマンスが悪いように思え、人々は納得できないように思える。事業を実施する都道府県においては、持続的な雇用創出システムをこのプロジェクトを足掛かりに築いていくという意識を持って頂く必要がある。恐らく事業終了後も協議会が継続していくことが鍵になると思う。
5.応募してこない地域の問題
このプロジェクトに応募してこない地域に関して、もし他の省庁プロジェクトなどから資金を得ているのであればよいが、そうではない場合で、難しい事情を抱えているようであれば、状況を聴取したほうが良いのではないだろうか。(どのような地域にも雇用の問題は恐らくあり、特にコロナ問題以降は顕著に問題が出てくるであろう。)
6.本プロジェクトの位置づけ
今回の事態については他の事業等で対策を講じるのであろうが、対策の方式は一つではなくあらゆる角度から複数用意して、救済の網の目をつくる必要がある。そうしないとこぼれ落ちる人々が出てくる。本プロジェクトも一翼を担うべきではないか、と思う。
 
〇藻谷委員
・厚生労働省案について、了承する。

配付資料