2020年5月18日 第2回健康・医療・介護情報利活用検討会、第2回医療等情報利活用WG及び第1回健診等情報利活用WG 議事録

日時

令和2年5月18日(月)17:00~18:30

場所

WEB会議方式

出席者

<構成員(五十音順、敬称略)>
 
 秋山 智弥                                       近藤 則子                                        牧野 和子
 秋山 祐治                                       澤 智博                                           松川 紀代
 石川 広己                                       宍戸 常寿                                        三原 直樹
 宇佐美 伸治                                    高倉 弘喜                                        宮田 裕章
 遠藤 秀樹                                       高橋 肇                                           森田 朗(座長)
 大道 道大                                       田尻 泰典                                        山口 育子
 大山 永昭                                       田宮 菜奈子                                     山本 隆一
 岡村 智教                                       利光 久美子                                     弓倉 整
 熊谷 雅美                                       永井 良三                                        渡邊 大記
 小泉 立志                                       長島 公之

<オブザーバー(五十音順、敬称略)>
 
 榎本 芳人                                       高野 博明                                        簗瀬 博章
 笠松 信幸                                       高橋 弘明                                        松岡 正樹
 喜多 紘一                                       田河 慶太                                        三好 昌武
 齋藤 俊哉                                       堤 康博

  
                
 

議題

健康・医療・介護情報の利活用に向けた検討課題について

議事

 
 
○南補佐 事務局でございます。
定刻になりましたので、始めさせていただきたいと思います。
ただいまより、健康・医療・介護情報利活用検討会、医療等情報利活用ワーキンググループ及び健診等情報利活用ワーキンググループの合同会議を開催いたします。
皆様におかれましては、御多用のところ御出席いただき、ありがとうございます。
今回の会議開催に当たり、構成員及びオブザーバーは、参考資料1~3の各開催要綱の名簿を御参照ください。
印南構成員、金子構成員、中山構成員、樋口構成員につきましては、用務のため欠席される旨の御連絡をいただいております。
続いて、事務局、関係府省の出席者は、お配りしている出席予定者リストのとおりです。
次に、資料の確認をさせていただきます。議事次第、本日の出席予定者リスト、本体資料が1点、参考資料1~8を事前にメールで送付しております。議事進行中は、当該資料をお手元で御覧ください。ウェブ会議の画面上では表示できないため、よろしくお願いいたします。
それでは、これより議事に入りますが、本日は規模の大きいウェブ会議のため、御発言に当たっては、次の2点に御協力ください。
御発言の意思があるときは、インスタントメッセージに「発言あり」などと記載していただき、森田座長から指名された方のみ御発言願います。
また、御発言の際は、御所属と氏名を告げてから御発言願います。
なお、本日の会議は開催要綱に基づき、公開としており、プレスの方が傍聴しております。
それでは、森田座長、議事進行につきましてよろしくお願いいたします。
○森田座長 森田でございます。
聞こえますでしょうか。
ありがとうございます。
本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の会議では、第1回検討会や各ワーキンググループ内での御議論を踏まえまして、整理した検討課題について、事務局におきまして取りまとめた資料を用意しておりますので、構成員の皆様に御議論いただきたいと思っております。
なお、このような大人数のウェブ会議でございますので、発言で混乱が起こらないように私のほうでできるだけ公平に指名させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日の議事、「健康・医療・介護情報の利活用に向けた検討課題について」につきまして事務局から説明をお願いいたします。
○南補佐 事務局でございます。
ワーキンググループでの検討状況及び本日の検討会での議論等につきまして、本日資料としてお配りしております「健康・医療・介護情報の利活用に向けた検討課題について」に沿いまして御説明をさせていただきます。本日は、こちらの論点に沿って御議論いただければと考えております。
1枚目でございますが、「これまでの経過と本日の議題」ということで資料を整理しております。
本検討会は、これまでの検討会を取りまとめて、健康・医療・介護情報の利活用を一体的に検討するために設置し、3月9日に1回目を開催しております。
この検討会につきましては、本年の夏に策定することとしております工程表に向けた議論を進めることといたしまして、3月9日の第1回目の際に2つのワーキンググループを設けて、下記のマル1~3の論点について検討をお願いしているところでございます。本日は、この3つの論点に沿って検討課題を提示させていただきますので、それに沿って御議論をお願いしたいと思います。
3月9日の第1回目以降、ワーキンググループについて検討を進めてきておりましたが、4月以降、新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する状況におきまして、正式な開催が難しい中、オンライン等も活用して意見交換等も行ってございます。
本日の検討会におきましては、このワーキンググループ等での議論、それから現在の新型コロナウイルス感染症対応における情報の利活用の現状等も踏まえまして、次のページ以降でお示しする論点について御議論いただきたいと思います。
なお、資料の説明については割愛させていただきますが、参考資料におきまして、第1回の検討会の資料の抜粋でありますとか、ワーキンググループでの資料の抜粋を添付させていただいております。
また、本日お示しする論点におきまして提示をしておりますオンライン資格確認でありますとか、レセプト情報についての現状について御説明させていただく資料につきましても参考資料に添付しておりますので、御参照ください。
続きまして、2ページ目で「各論点に関する検討課題」ということで、まず「(1)総論」でございます。
基本的な考え方ということで、本検討会の開催要綱等でも書いておることも重複いたしますが、1点目は、この情報の利活用につきまして、患者・国民にとって有用で、安心・安全で利便性の高い仕組みとすることを第一の目的とお考えいただいてよろしいかということでございます。
2点目でございますが、この情報の利活用の仕組みを迅速かつ効率的に進めるために、オンライン資格確認のシステムやマイナンバー制度といった既存インフラを活用することとしてはどうか。また、特にこの新型コロナ感染症の対応を踏まえて、迅速にこの利活用を進めていくべきではないかというところも記載してございます。
3点目は、全国的に医療機関と薬局を結ぶ既存のネットワークとして、オンライン請求ネットワークがございます。情報の利活用に関し、この仕組みを活用することについてどう考えるかという点でございます。
4点目は、新型コロナウイルス感染症のような感染症が拡大している状況、あるいは大地震などの災害時といった場合において、患者・国民、さらには医療関係者の方のためになる情報の利活用の在り方はどうあるべきか。
5点目は、適切な医療等サービスの提供や負担軽減・働き方改革にもつながる情報の利活用の在り方はどうあるべきか。
最後に、全体としまして、こういった仕組みを構築、運用するためのセキュリティについてどう考えるかという点を総論として提示させていただいております。
以降、各論について御説明をさせていただきます。
○神ノ田健康課長 厚生労働省健康課長の神ノ田でございます。
それでは、3ページの「(2)各論マル1」を御説明いたします。こちらは、PHRの関係の検討課題ということになります。
5点挙げておりますが、1点目は、各種健診・検診情報の情報管理主体は様々でございます。保険者であったり、自治体だったり、事業主であったりと異なっているという中で、国民が生涯にわたる健康データにアクセスできるようにするための情報提供の在り方をどう考えるかというような課題でございます。
2点目がオンライン資格確認等システムの構築によって、今年度中に40歳以上については特定健診情報が閲覧できるようになります。今後、さらにこの仕組みをどのように活用していくべきかが2点目の課題でございます。
3点目でございます。健診・検診結果について、関係機関が効率的に情報連携し、国民に情報提供するためには、情報の電子化やデータ形式の標準化が必要になるということでございます。それをどのように進めていくかというのが3点目の課題でございます。
4点目でございます。官民と個人、本人の役割分担ということでございますけれども、国や自治体の役割としては、基盤となるインフラについては、国や自治体等で整備するということについてどのように考えるかということと、その上で、国民等が既に民間PHRサービスをかなり利用されている状況にありますけれども、国民や関係機関等が安全で適切なサービスを選択・活用するためのルールづくりをしっかりとしなければいけないということになります。また、運用・メンテナンスを行う体制の整備についてどのように考えるかということでございます。
また、マイナポータル等とのAPI連携等についてどのように考えるかということで、以上が4点目の課題でございます。
最後の5点目でございます。これは災害関係ということで、今般の新型コロナウイルス感染症の発生時や災害時のような非常事態において、患者・国民、さらには保健所・医療機関による取組に資する情報の利活用の在り方はどうあるべきかということと、災害時等にデータ逸失することがございますけれども、そういったデータ逸失の防止を含め、適切な情報管理の在り方はどうあるべきかということでございます。
以上5点の検討課題を挙げております。
私からは以上です。
○森医療情報技術推進室長 医政局研究開発振興課の森でございます。
続きまして、資料の「(3)各論マル2」について説明をさせていただきます。こちらは、医療等情報利活用ワーキンググループでの議論を踏まえた提示となっております。
こちらについては、参考資料7に3月26日に開催しましたワーキンググループ資料の抜粋を添付しております。適宜御参照いただければと思いますが、ワーキンググループでは、昨年度に厚生労働省で調査をしました、どのような保健医療情報が有用であるか、診療現場でどのようなものが有用であるかといったものを現場の医療機関や患者さんにアンケートやヒアリングを行いました。
また、同じく参考資料になりますけれども、10ページ以降に、総務省事業におきましてもレセプト情報の有用性について実証事業を高松市で行っておりまして、その結果も上がってきております。
そういったものも踏まえまして、本体資料のほうに戻りますけれども、論点を提示させていただいております。
1点目になりますが、診療における情報連携が有用なミニマムデータについては、医療の質の向上や効率化、患者自身の健康管理や重症化予防の視点とともに、技術動向や費用対効果を踏まえて検討することについてどう考えるか。
2点目になりますが、これまで議論してきた有用な情報の中には、レセプトに基づく情報といったものがあります。こちらに基づく情報については、既に全国一律に統一された様式で集約をされておりまして、様々な状況において有用と考えられております。こういったデータ項目を患者本人や全国の医療機関が確認・利活用できる仕組みを早期に構築していくことについてどう考えるか。
事例としまして幾つか挙げておりますけれども、例えば、高齢者や意識障害の救急患者等におきまして、抗血栓薬等の薬剤情報や手術・移植歴、透析、特定健診情報等、救急医療に有用できるのではないか。
また、高齢者をはじめとして、複数の医療機関を受診する患者さんといった方も増えているかと思います。こういった方々について、集約された薬剤情報等を把握することで、重複や併用禁忌の確認、また、かかりつけ医に期待される総合的な診療にも有用ではないか。
また、高齢者や認知症等の患者が増えて、本人が覚えていない、うまく話せないといったことが多く、過去の受診医療機関に照会をしたいといった場合に、医療機関名等の情報を正確に把握することで、迅速な照会・入手や、確認にかかる手間の負担軽減とにも有用ではないか。
次の事例としまして、地震等の災害や今般の新型コロナウイルス感染症といったような事例を挙げさせていただきましたけれども、通常の医療機関やかかりつけ医等の医療機関にかかれなくなったような場合や、今回のコロナの関係ではオンライン診療等といったものの活用も議論されております。こういった中で、薬剤情報や傷病名等から重症化リスクのある患者や継続が必要な治療の把握に有用ではないかといった例を挙げております。
3点目の論点になりますけれども、レセプト情報以外の医療情報について、医療情報の標準化をしていかなくてはいけない部分、また、医療機関外へ情報が提供される仕組みの検討といったものが必要になります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大時といった観点で、実際、今回の医療現場の情報連携のニーズがどうだったのか、その実態がどうだったのか、また、薬剤情報等のレセプトの仕組みが稼働し始めたときに、その稼働状況や現場の利便性といったような状況も踏まえる必要があるのではないか。そういったことも踏まえながら、医療情報システムの標準化を進め、さらなる検討を進めることについてどう考えるかといったことで論点をまとめております。後ほど、また先生方の御意見をいただければと思います。
○吉屋企画官 続きまして、医薬局の吉屋です。よろしくお願いいたします。
次の5ページ「(4)各論マル3」の電子処方箋についてということで御説明させていただきます。
電子処方箋につきましては、3月26日のワーキンググループでガイドラインの見直しについて紹介させていただきましたところ、全国で統一のシステムであるべきであるということであるとか、単に医療機関から薬局への情報伝達にとどまらず、電子処方箋の機能そのものをもう少し検討すべきではないかという御指摘であるとか、紙の原本の扱いであるとか、その真正性についてどう考えるかというような御指摘をいただきました。これらを踏まえまして、今回のペーパーに論点を整理させていただきました。
1つ目ですけれども、処方箋の電子化による利便性についてどう考えるか。
2つ目につきましては、現在、電子処方箋が活用されていない現状を踏まえまして、活用されるような仕組みとしてどのようなことが必要なのか。
3つ目は、この点は詳しく御説明差し上げますが、単に医療機関から薬局への情報伝達にとどまらないのであるとすると、リアルタイムに処方情報、それから調剤情報を薬局、医療機関と共有することによって、医師が処方する際、または薬剤師が調剤する際に、その直前の処方や調剤の状況を把握できて、結果として重複投薬が回避できるような全国的な電子処方箋の仕組みに関してどう考えるか。
4つ目については、コロナ対応ということで、ファクス情報に基づく調剤を認めている現状との関連ですけれども、その際には処方箋原本の確認作業に一定の負担があると理解しております。患者さんが医療機関にも薬局にも行かないというような場合に、電子処方箋においてはこのような作業負担をどのように軽減して、利便性の高いシステムにするのかというところが4点目です。
最後は、先ほど申し上げた3点目のポイントなのですけれども、処方情報、調剤情報を共有するという観点では、既存のインフラとしてオンライン資格確認システムのネットワークがありますので、こういうものに関して、電子処方箋をどのように考えるかということを5点目とさせていただいています。
以上が電子処方箋ですけれども、最後に「(5)各論マル4」です。以上の御説明差し上げたPHR、それから医療情報、電子処方箋の3つの論点に加えまして、利活用する仕組みについてどのように考えるかというものが最後の(5)になってございます。
事務局からは以上でございます。
○森田座長 御説明ありがとうございました。
ただいまの説明にございました検討課題に沿って、それぞれ各構成員の方から御意見をいただきたいと思います。
たくさんございますので、まず、資料2ページの「(1)総論」につきまして御意見がある方は御発言をお願いしたいと思います。チャットにお名前を上げていただきますと、私のほうで指名させていただきます。
いらっしゃいませんでしょうか。
もし、チャットが上手く入力できないような場合には、お名前を言っていただければこちらのほうで対応させていただきますが、いかがでございましょうか。
○森田座長 では、山口構成員、長島構成員の順でお願いいたします。
失礼しました。チャットの反応が遅かったようでございますので、今は出ております。
どうぞ。
○山口構成員 御指名いただいてありがとうございます。
COMLの山口でございます。
「総論」のところで、4つ目のポツで大きな地震、あるいは今回の新型コロナウイルス、このようなことへの利活用の在り方というのは、非常に国民のコンセンサスが得られやすいのではないかと思います。最初に「患者・国民にとって有用で、安心・安全で、利便性の高い仕組みとすることを第一の目的として考えて良いか」と書いてあるのですが、これはぱっと見たらとても分かりやすくていいことのように見えるのですが、例えば、利便性を重視すると安全性が下がってしまいますし、安心については一人一人の基準が結構違うことがあると思うのです。
そうしたときに、3つ並んでいるのですけれども、特に今回はどこに力を入れて国民のために有用だという目的にするのか、事務局のお考えがあれば、そこをまずは確認させていただきたいと思っております。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、事務局はお答えいただけますか。
○八神審議官 とても大事な御質問だと思います。利便性と安全性、安心が必ずしも全てが相並び立たないこともあるのかもしれません。ただ、私たちとしては、やはり「有用で、安心・安全」というのは、安心・安全というのは基本的に何としても維持した上で、かつ利便性が高いということではないかと思っております。
もちろん、いろいろな御意見はあろうかと思いますので、先生方からまたいろいろな御意見をいただければと思っております。
よろしくお願いいたします。
○山口構成員 その辺りのバランスを取るのが非常に大事かと思いますので、注意しながらバランスを取って、目的を考えていく必要があるかと思います。
○森田座長 よろしいでしょうか。
続きまして、長島構成員、お願いします。
○長島構成員 日本医師会の長島でございます。
今のこととも関係しますけれども、特に新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえ、迅速なデータ利活用ということがあります。各論のところでも、新型コロナウイルスのことがいろいろと書いてあります。
迅速は極めて重要ですが、迅速を重視し過ぎて拙速になるのは非常によくないだろうと思います。新型コロナウイルスのような場合、非常時、緊急時に関しては、安全性あるいはセキュリティー、プライバシーよりも利便性とかスピードということを重視して、安全性の優先度が低くなるということがあり得ます。これは、そういう非常時にはこのバランスが重要かと思いますが、この非常時にあまりに引っ張られ過ぎて、まさに将来の基盤となるようなことがそちらに引っ張られ過ぎるというのはよくないと思いますので、非常時における対応と平常時における対応をきちんと峻別して考え、両方に対応できるようなもの。それから、現在既に非常時に対応していろいろなものが動いておりますが、これの検証もしっかり行いながらやるべきではないかと思っております。
以上です。
○森田座長 ありがとうございます。
これは御意見として承っておくということでよろしゅうございますね。
○長島構成員 そういうことをこの「総論」のところに、迅速なデータ利活用ということに関して、先ほどのこともありますけれども、安全・安心とかいうようなことのバランスも考えるべきだということを付け加えていただければと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
事務局はそういう御意見でございますが、それでよろしいでしょうか。
○八神審議官 事務局の八神です。
先ほどの山口構成員に続きまして、長島構成員からもいただきました御意見はごもっともだと思います。そういったバランスを考えながらと思っておりますので、了解いたします。
○長島構成員 よろしくお願いいたします。
○森田座長 ありがとうございます。
続きまして、健保連の田河オブザーバー、お願いいたします。
田河オブザーバー、どうぞ。
田河オブザーバーは聞こえていないのでしょうか。
事務局、確認していただけますか。
それでは、時間ももったいないようですので、三原構成員、先にお願いいたします。
○三原構成員 ありがとうございます。
国立がんセンターの三原と申します。よろしくお願いいたします。
冒頭で恐縮なのですが、不勉強なものでお教えいただきたいのですが、健康・医療・介護情報の利活用というときのスコープの範囲を確認したいと思っています。
といいますのは、今日拝見している資料の中には研究という言葉がなくて、あえて外しているのか、もうちょっと後のタイミングで何か議論するのかというところが気になっています。
医学・医療の発展のためには医学研究は表裏一体だと思っていまして、目的に応じてきっちり研究のフィールドにもそういうデータを供出していて、新たに得られた知見を現場に返してくる、そういうフィードバックも必要かと感じていますので、その辺りはこのワーキンググループあるいは検討会等でどういうスコープにされていますでしょうか。
○森田座長 これについては、事務局のほうからお答えいただけますか。
○山下医療介護連携政策課長 保険局医療介護連携政策課長の山下と申します。
今の御意見、ありがとうございます。まさにどういうところをスコープとしているかは大事な御指摘だと思います。
我々の考えとしましては、まずは健康・医療・介護情報は一次利用ということで、実際に患者さんとか介護を利用する方とか、また、診療する方、介護サービスをする方の一次利用の話をスコープに置いております。
一方で、研究につきましては、当然、私どものほうで管轄していますけれども、集まったデータはナショナルデータベースとか、また老健局でも介護データベースがありますけれども、それはまた別途の話だと思いますので、今回は、まずは利用する当事者の一次利用でお考えいただいて、御議論いただければと思っております。
○三原構成員 ありがとうございます。
○森田座長 田河オブザーバーの通信事情が回復したということでございますけれども、それでは、田河オブザーバー、お願いできますか。
○田河オブザーバー 健保連の田河です。
どうも失礼いたしました。
大きな流れとして、情報の利活用を進めることが重要だと認識しておりますが、「総論」の1番目と2番目について御意見申し上げます。
「総論」の1番目に「患者・国民にとって有用で、安心・安全で」というふうにされておりますが、やはり費用対効果の点もそうした中で加えていただくべきではないかと思います。仮によいシステムでもコスト的に釣り合わなければ現実性がないと考えます。
また、安心ということとも関連するかもしれませんが、医療情報は個人情報の中でも取扱いに最も留意が必要でございます。この点をもっと強調していただいてもいいかと思っております。
また、財源負担も大事でございます。「総論」の2番目にオンライン資格確認等、「既存のインフラを活用」とされておりますが、オンライン資格確認は本来保険給付のために構築されるものであって、当初の目的と異なる形で活用するのであれば、財政負担、特にランニングコスト等を誰が行うのか、新たな検討も必要であろうと考えております。
以上でございます。
○森田座長 ありがとうございました。
御意見ということで承ります。
○田河オブザーバー はい、結構です。
○森田座長 それでは、田尻構成員、お願いいたします。
○田尻構成員 ありがとうございます。
その2ページ目に書いてある「総論」の1つ目のポツですけれども、確かに患者・国民ということで分かればいいのですけれども、これは当然、医療関係者、医療機関、それから薬局も含めて、医療を提供している医療職がきちんと利用できる仕組みにしてほしいということと、もう一つは、先ほど御発言がありましたけれども、このラインはオン資のシステムのネットワークを使うのか、それとも既存のオンライン請求ネットワークのどちらがきちんと使えるネットワークとお考えであるのか。
それから、先ほど長島構成員からも御発言がありましたけれども、今回、コロナウイルス感染予防のためにと言う事で電話もしくは通信機器を用いての服薬指導が限定的に可能とされていますが、これは一つの新しい体験をできたということではありましょうけれども、この事の検証をきっちりした後、再度考えることが必要になろうかと思います。セキュリティーの部分も当然でありますけれども、そこら辺のところは慎重に図っていただきたいと思います。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
2番目におっしゃいましたネットワークのことにつきまして、事務局のほうからお答えがございましたら、コメントをお願いいたします。
○山下医療介護連携政策課長 ありがとうございます。
医療介護連携政策課長です。
今、田尻構成員がおっしゃったとおり、オンライン資格確認、オンライン請求はいずれにしてもどちらも同じインフラでございまして、各医療提供施設、薬局や診療所、病院から請求という形で支払基金、国保連、国保中央会のほうに行くルートは請求だけではなくて、資格確認も同じルートを使っていきますので、この既存のインフラをどのようにうまく利活用できるのかということでございます。
確かにこれは保険請求、また保険の資格確認のパイプラインではあるのですけれども、それらをうまくどのように活用できるのかということでの御議論をいただければと思っております。
○森田座長 よろしいでしょうか。
続きまして、田宮構成員、お願いいたします。
○田宮構成員 ありがとうございます。
筑波大学の田宮です。
今の議論の中で、最初に「総論」の1行目にあります「患者・国民にとって有用で」のさらにその後に「安心・安全」と出てきますので、まず、有用であることは第一と位置づいていると思います。
その場合に、有用というのは何かということをもう少し考えておいたほうがいいと思いまして、そうすると、やはり国民の健康の向上、それからクオリティー・オブ・ライフとか、まずは健康の向上に資するというものでなければ、有用ではないのではないかと思うのです。
そうなりますと、先ほどがんセンターの三原構成員が研究のことをおっしゃられましたが、研究もいろいろありますけれども、本当に国民の健康に寄与できるものかどうかというのは、一施設の小さなデータだけでは断言が難しく、また、分母を定義し、個々に異なるいろいろな条件を調整した上で比較して、初めてこれが有用だったと分かるという状況がございます。
なので、研究というと、いろいろなイメージがあるかもしれませんが、新薬の開発とかそういうことだけではなくて、今行っている医療が実際に患者さんの役に立って、有用かどうかを検証するという研究はやはり必要なプロセスで、そのために必要なある程度の分母をきちんとするとか、ある程度の重症度を分かるように仕組みをつくるとか、そういうことはパーソナルな段階でも意識しておく必要があるのではないかと思っています。
あと、前回も話したのですが、健康のアウトカムの最後の指標といいますか、死亡データも重要です。そういう意味でも本当に国民にとって有用なしくみ作りのために、最低限必要なデータも研究をどうのこうのとは別に考えていただきたいと思います。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
今のは御意見ということでよろしゅうございますね。
続きまして、永井構成員、お願いいたします。
○永井構成員 永井でございます。
重複になりますけれども、三原構成員、田宮構成員が言われたように、研究というと医療とは違う、一次利用ではないと捉えられがちですけれども、今のコロナの感染症を見ていても、集団とかフィールドのデータがそのまま診療になるわけです。ですから、患者さんの安全・安心と言うのであれば、フィールドのデータ、集団のデータは研究というより診療だと思います。患者さんの安心をもたらすデータであるということで、ぜひ集める仕組みを最初からデザインしていっていただきたいということです。意見です。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、高倉構成員、お願いいたします。
○高倉構成員 国立情報学研究所の高倉です。
私のほうからセキュリティーに関してコメントをさせていただきたいのですが、他の構成員も言われたとおり、安全・安心はとても大事なのですが、やはり災害時を考えたときには、どこかに妥協点、セキュリティーのレベルを下げるなりしなければいけないことが発生すると思われます。
そのときにどこまで下げるのか、いわゆる平時と有事という言い方はあるのですけれども、グレーなときにどこまでセキュリティーレベルを下げても安心が確保できるかというのを検討しておいたほうがいいかと思います。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、牧野構成員、お願いいたします。
どうぞ。
○牧野構成員 日本介護支援専門員協会副会長の牧野と申します。
当協会は、健康・医療・介護分野のデータのICTを積極的に活用することにより、国民の健康寿命の延伸や国民の利便性の向上、その効率化や生産性の向上を図ることができるよう、寄与したいと考えております。
「総論」の中のポツの4つ目になります。災害時等に関しまして、救急対応や災害時データの部分です。アクセスをしっかり行えることは、薬剤情報、特定健診情報活用につながり利用者支援に役立つことになります。危機的な状態において、データのアクセスがトラブルなく行える仕組みが重要ではないかと考えておりますので、今回、意見としてお伝えさせていただきたいと思いました。
○森田座長 ありがとうございます。
重要な御指摘をありがとうございます。
それでは、後になりましたけれども、田河オブザーバー、お願いいたします。
○八神審議官 田河オブザーバーは先ほど通信環境がよくなって御発言をいただいたかと思うので、追加がなければよろしいかと思います。
○森田座長 そうでしたか。
大変失礼いたしました。
それでは、時間もございますので、次の資料の3ページの「(2)各論マル1」について御議論いただきたいと思います。
御発言をまたチャットでお願いいたします。
それでは、山本構成員、どうぞ。
○山本構成員 ありがとうございます。
医療情報システム開発センターの山本です。
ここに書いていることに特段大きな問題があるとは考えていないのですけれども、この4つ目の後半で「適切なサービスを選択・活用するためのルール作りや運用・メンテナンスを行う体制の整備」と書いているのですけれども、これはその上段でも書かれていますように、既にPHRサービスが民間で始まっていて、非常に熱心な事業者さんもいらっしゃいますし、ちょっとどうかと思うような事業者さんもいることは確かですので、急いでやって、あまり熟し過ぎていない状態でしっかりとその上の3つのポイントや最後のポイントも含めて、そういった方向に結びつけるためには、4つ目のルールづくりや運用を少し急いだほうがいいと考えます。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
次は、山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 たびたびありがとうございます。
論点というよりも、少しこれに付随したことについて確認をさせていただきたいと思っております。
といいますのも、オンライン資格確認システムが始まると、国民がさまざまな自分の情報を確認するために、マイナポータルを利用することが今後増えてくると思うのですけれども、ここにも最後のほうにマイナポータルとAPI連携ということが書いてあります。
そうしたときに、今、マイナポータルを使おうと思っても、カードリーダーがなかったらアクセスできなくて、私もやってみたのですけれども、カードリーダーなくてできるというスマホは私の機種だとQRコードの対象にならないとか、結構使い勝手がまだ十分よくなっていないのではないかという印象です。現在、特別定額給付金の10万円を申請するためにマイナンバーカードを取得したいと希望する方が増えているという報道もございます。マイナポータルについて、国民が自分の情報を確認する手段のことで改善が行われているのかどうか、そこの確認をさせていただきたいと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
これは、事務局のほうからお願いいたします。
事務局、いかがでしょうか。
○神ノ田健康課長 健康課の神ノ田でございます。
内閣官房の番号室ともよく相談しながら進めていきたいと思いますけれども、まずはこのユースケースというのですか、こういう形で利用できるというものをどんどん増やしていくことと同時並行で、使い勝手もしっかりと改善を図っていくということで進めていけたらと思っております。
御指摘の点は、確かに使いにくいという話は聞いておりますので、そこは何とか同時並行で使いやすいものを開発していくことも進めていく中で、このPHRについても定着させていきたいと考えております。
○森田座長 山口構成員、よろしいでしょうか。
○山口構成員 最初のアプローチのところで断念する方が結構いらっしゃるのではないかという気がしましたので、ぜひそこからまず始めていただければと思っております。
よろしくお願いいたします。
○森田座長 ありがとうございました。
○八神審議官 今の件は、内閣官房の番号制度推進室が参加をしているはずなので、何かあれば。あるいは、私どもからももちろんよく話をしますけれども、番号室のほうで何かあればお願いします。
○森田座長 官房番号室は、お答えいただけますか。
○八神審議官 ちょっとうまくつながらないので、時間もありますので、すみません。恐縮です。
○森田座長 また後で御連絡がありましたら、もう一度いただきたいと思います。
続きまして、榎本オブザーバー、どうぞ。
○榎本オブザーバー 全国健康保険協会の榎本でございます。
私は「各論マル1」の2つ目のポツにつきまして意見を申し上げたいと思います。
事業主健診作業班に私どもの協会けんぽも参加をさせていただきましたけれども、作業班では事業主健診データを集めるのではなく、現在も高確法に定められているとおり、40歳以上の方の特定健診と同項目のデータを事業主が保険者に提出し、特定健診データとして閲覧できることをもってPHRへの対応とする方向で検討が進められてきました。
事業主健診データの取得が進んでいない協会としては、この効率的な提出方法を検討いただくのはありがたいのですけれども、提出方法を変えるだけでは実効性に乏しいのではないかと考えています。
作業班でも提案いたしましたけれども、実効性を高めるためには、労働安全衛生法等へも高確法同様に保険者への提出義務を追加いただくことや、事業主健診でも生活習慣病の服薬歴や喫煙歴の問診項目を必須としていただくこと、血糖検査の取扱いをそろえていただく必要があることなど、提出方法についてだけではなく、制度面でも保険者へのデータの提供が進むよう、改善をいただきたいと思います。
以上、意見を申し上げました。
○森田座長 御意見ありがとうございました。
続きまして、長島構成員、お願いいたします。
○長島構成員 日本医師会の長島です。
4つ目のポツの民間PHRサービスに関しまして、先ほどの山本隆一先生の御発言とも重複するところがございますが、やはり国民にとって有用かつ安全・安心ということでは、まず国によるルールづくり、それから、そのサービスをしっかり評価、選択できる仕組みの環境整備が重要であり、これはできるだけ早く、急ぐべきだと考えます。
また、有用、安全・安心ということでは、民間PHR事業者がきちんと医療の専門職、例えばかかりつけ医と御本人が一緒に使うことを勧めていくこと、あるいはそのサービス展開において、医師会や医学会等の専門職団体としっかり連携するということが重要かと思いますので、この点も加えていただければと思います。
以上、意見です。
○森田座長 御意見ありがとうございました。
続きまして、田尻構成員、どうぞ。
○田尻構成員 日薬の田尻でございます。
このページに書いてありますけれども、このワーキンググループ自体がもともと健診情報を対象としているということを聞いておったのですが、どうも内容自体はPHR全般に係るようなお話が討議されているようですので、当然、その電子お薬手帳のデータ自体もPHRに属するものと認識しております。ぜひともこのワーキンググループの中に、その日本薬剤師会の役員も構成員として入れていただきたいと思うこと。
もう一つですけれども、先ほどとの繰り返しになりますけれども、このPHRのサービスの民間事業者はどういう基準で線を引いていくのか、そしてそのデータなり、一般の国民の皆さんが見て勘違いをしないようなサービスでないと本末転倒になってしまうと思いますので、そこら辺の整備を急ぐ必要があるかと思っておりますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○森田座長 御意見ありがとうございました。
続きまして、遠藤構成員、お願いいたします。
○遠藤構成員 日本歯科医師会の遠藤でございます。
ありがとうございます。
このPHRに関しましては、当然、乳幼児から高齢者まで生涯にわたる医療データの連携は重要だと思っております。
この中の1番目のポツの中で、括弧の中では厚労省関係の健診が各種挙がっておりますけれども、生涯を通した場合には、学童期から大学までの学校健診等のデータは非常に大きな意味を持っていると思いますので、PHRの中ではやはりその位置づけが重要だと考えております。
学校健診のデータはアクセスが難しいと、日頃そう感じているわけですが、本日はオブザーバーというか、事務局のほうでも文科省の方もいらっしゃるようですけれども、具体的にそういう計画があるか、またはどういうイメージで、具体的にどのような形でやられるかというようなことがありましたら教えていただきたいと思います。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
これは文科省の方から御回答いただけますか。
○小林健康教育・食育課学校保健対策専門官 文科省でございます。
学校健診につきましても、PHRを実施していくというところでは変わりはないのですけれども、実施の方法としましては、現在、1人1台端末を整備しているICT環境整備の途中でございますことから、その環境整備の進み具合を見ながら検討していきたいと考えております。
以上です。
○森田座長 遠藤構成員、よろしいでしょうか。
○遠藤構成員 はい。
なるべく全体をトータルな形で提供していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
以上、意見です。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、牧野構成員、どうぞ。
○牧野構成員 日本介護支援専門員協会副会長の牧野でございます。
「各論マル1」のポツの3つ目と4つ目についてお伝えしたいと思います。高齢者や障害者の本人同意についてです。本人の理解が難しい場合が考えられます。特定健診情報や薬剤情報の閲覧等に関しまして、医療機関、薬局等が照会作業を行うことも想定されます。本人の同意が必要となる場合に、本人同意をどのような方法で行うという向性があるのか教えていただきたく思いました。
よろしくお願いします。
○森田座長 これにつきまして、事務局のほうで御回答いただけますでしょうか。
○山下医療介護連携政策課長 ありがとうございます。
医療介護連携政策課長でございます。よろしければ参考資料5の「オンライン資格確認やレセプト情報等の現状参考資料」を御覧いただきたいのですけれども、2ページでございます。
薬剤情報、医療費情報、特定健診データのマイナポータルなどでの閲覧の仕組みでございまして、本人のほうで医療機関、薬局に行く際には、薬剤情報、特定健診の情報を医療機関に薬剤情報を薬局に見せる場合には、マイナンバーカードで、かつ本人がちゃんと受診のたびに同意をして、自分のデータを主治医の方、または薬局に見ていただくというような形にしようと思っています。
そのためにも、顔認証付きカードリーダーのモニター画面を使って本人同意を取るというような仕組みにしておりますので、勝手に本人の同意なくやるということではなく、必ず診療の都度、また薬局に訪れた都度、本人の同意を取るということをしております。
○森田座長 よろしいでしょうか。
○牧野構成員 はい。ありがとうございました。
○森田座長 続きまして、構成員の方に先にお話をいただきたいと思いますので、宮田構成員、どうぞ。
○宮田構成員 慶應大学の宮田です。
5つ目のポツで、新型コロナウイルスに関連して少し御質問と御要望事項なのですけれども、一つは、保健所のシステムでICTが発注されて稼働していると思うのですが、これから第2波というのか、第3波というのか、そういったところに対応する上で、保健所の業務を円滑にするだけではなくて、その後の重症度、治療との関わりは治療薬の評価といったところをするためにも、先ほどの研究面というところもありましたが、どういう治療が効果があり、どういう方が重症化するのかというところの連結も必要ですし、もちろん死亡データ等の連結も必要です。
さらには、陽性患者だけではなくて、今後はPCRだったり抗原検査といった検査を実施して陰性であるということも含めて、この社会の状況を把握する上で重要なのですが、この辺りの連結をしながら行政としての一次利用だったり研究としての利用と、この辺りの見通しについて伺えればと思います。これが一点。
その後のAPI連携なのですけれども、今回、例えばコンタクトトレーシング、経路追跡に関しては、グーグル、アップルに従うような形で今開発が動いているのですが、海外に関しては、イギリスやフランスのような国は、グーグル、アップルのやり方であると十分公衆衛生的な目的は果たせないということで、国が独自にアプリをつくったり、企画を提案したりしているので、この辺りはもちろん沿うことも必要なのですが、例えばGPSを使うとか、中央的な管理を必要とするような形でそれ以外の選択肢も考慮した上で、その企画に乗るかどうかを考えるというプロセスも恐らく必要なのかとは思うのですが、この2点について伺えればと思います。
○森田座長 それでは、事務局のほうから御回答をお願いできますか。
○神ノ田健康課長 健康課長の神ノ田でございます。
御質問をいただきありがとうございます。
保健所支援システムにつきましては、現在、試行利用を一部の自治体で開始をした段階でして、今月中には全国利用を開始したいと考えてございます。
治療薬の評価というお話があったのですが、これについては、どこまで臨床情報を取るかというところについては、当然、患者さん本人の同意とか、そこら辺の手続きもございますので、今回のシステムでは必要最小限のところで人工呼吸器をつけているかどうかとか、あるいはICUに入ったかとか、新型コロナウイルス対策上、非常に重要な情報について、この保健所支援システムの中で取っていく予定ではございます。
ただ、治療薬の評価とか研究的なものということになりますと、本人同意を取りながらといったことでのシステム運用が難しいかと思いますので、今回の保健所支援システムの中では、スコープの中には含めていないというような状況でございます。
あと、PCR検査の関係もお話があったかと思うのですが、陽性率をはじけないのではないかということで国会等でも御指摘を受けております。PCR検査については、検査を受けるという段階でID発行をする予定でございまして、陽性か陰性かにかかわらず、検査を受ける人については全てにIDを発行するということで分母の確定をし、また検査結果が陽性となった方については分子ということで数字をしっかりと把握していきたいと考えておりますので、それによって陽性率をしっかり把握していきたいと考えております。
あと、コンタクトトレーシング、接触アプリの関係ですよね。
○宮田構成員 はい。
○神ノ田健康課長 これについては、一応、この保健所支援システムは「ハーシス」という名前になっていますけれども、このハーシスの中で連携していこうという方針が決まっておりまして、今後は技術的なところを検討していく予定になってございます。
○宮田構成員 ありがとうございます。
まさに非常にいい方向で整備いただいていると思いますので、例えば臨床研究との連携であれば、今は保健所だけにデータがあるような形なのですが、例えばこれが都道府県も情報共有できるようにして、そこから臨床研究として適宜追加していけるような工夫をすれば、全部保健所側のほうでデータを扱う必要はないと思うので、そのような形でこの拡張的な利用が担保できるようになるとすごくいいと思います。陰性も把握できるようになっていることは非常に安心できました。
あと、コンタクトトレーシングに関しては、まさにこれからということだと思うので、多分グーグルとアップルに言われたことの中だけで考える以外の選択肢も時に視野に入れて、日本として必要なことを検討していただけるとすごくいいかと思いますので、ぜひ引き続き検討いただければと思います。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、お待たせしておりますけれども、葛西アドバイザリーグループ長、どうぞ御発言ください。
○葛西アドバイザリーグループ長 発言の機会をありがとうございます。
私がちょっと気になったのは、この書き方のポツの上から2つ目などで、オンライン資格確認システムという話がその前の「総論」でも出てきたのですが、オンライン資格確認システムとマイナポータル、マイナンバーインフラという話がちょっと混在していると思います。
まず、乳幼児期健診に関してデータが置かれているのは自治体ですし、特定健診は情報の鮮度が違うタイミングで基金に格納されていますと。事業主健診もまた違いますと。それぞれ情報システムに格納されている情報の鮮度が違うところに留意いただく必要があるかというのが一つのポイントです。
これが一つずれてしまうと、緊急性がある治療に関わる場合ですと全然使えなかったりしますので、この後にレセプトがあたかも使えるかのように書かれて、研究で使える場面もありますし、診療でも使える場面もありますが、緊急性がある場合には使えない場面もあるということを御留意いただく必要があるかと思います。
もう一点、私の意見としては、「マイナポータル等とのAPI連携」と書いてあるのですが、APIの開発は思った以上に工数、維持が大変です。できるだけ多くのAPIであるべきですし、この書き方だけですと、あたかもマイナポータルのAPIでないと情報が取れないかのようになってしまうのはちょっと危険かと思います。
それぞれのAPIをオープンな形で、どこの事業所、どこの機関、どこのサービサーさんが開発するのがいいのかということをいま一度考慮する必要があるかと思います。
以上です。
○森田座長 御意見として承っておきたいと思います。
それでは、あと2人がこの分野で御発言がありますが、今、高倉構成員が入られましたので、3人とさせていただきます。
まず、小泉構成員からどうぞ。
○小泉構成員 ありがとうございます。
全体の構造としては非常にいいものだと思うのですけれども、特に薬の重複であるとか、健診情報のデータが共有され、記録されると。非常に効果はあると思うのですけれども、利便性が向上すればするだけリスクも増える。(音声中断)
○森田座長 音声が切れました。
○小泉構成員 聞こえていますでしょうか。
○森田座長 はい。今聞こえるようになりました。
どうぞ。
○小泉構成員 多くの方がこのデータを使えれば使えるだけリスクも大きくなると思うのですけれども、それをどのようにセキュリティーを守っていくのかが課題だと皆さんも感じていると思います。全ての情報がカードに入るというのは非常に怖いものだと思っておりますし、地方でインフラの整備が追いつくのかどうかという面が気になります。
あと、介護情報がどこまで加味されていくのか、介護情報も必要なこともあると思いますので、御検討をいただければと思っております。意見でございます。
ありがとうございました。
○森田座長 ありがとうございました。
私はちょっと聞き取りにくかったかと思いますけれども、ただいまの発言で全ての情報がカードに入るというような御発言があったかのように聞こえたのですけれども、事務局のほうでその辺りの確認をしていただけますか。
○山下医療介護連携政策課長 医療介護連携政策課長です。情報がマイナンバーカードに入るということは誤解でして、カードは言わば鍵です。その鍵に全部の情報が入るわけではなくて、その鍵でもって、カードを持っている人がデータベースで自分のデータを取り出すことができる。その鍵で別の他人のデータを取り出せるわけでは全くないということですし、その鍵に全部のデータが入るわけではないということだけはくれぐれも御注意いただければと思います。今後もそのようになっていきますので、御理解いただければと思います。
○小泉構成員 すみません。失礼いたしました。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、岡村構成員、お願いいたします。
○岡村構成員 聞こえますでしょうか。
私は、自治体の健診のほうを見ていたのですけれども、基本的に、例えば自治体のサイドからすると、健康増進法に基づいた健診をちゃんとやるというのがもともとのミッションですから、その枠組みの中では、それに必要なデータの保存期間で考えてしまう。だから二次利用とか先々にいろいろと考えているのですが、本来の健診等の業務と保管してそれを利用するというのは、それぞれ目途が違うということを明記してやっておかないと、本来の業務と違うからここは要りませんということになってしまう。
基本的にデータはずっと保存したほうがいいものなので、そこの責任をどのようにつくっていくか。これはそれぞれ皆制度の成り立ちが違うのですが、そこはどこの責任でもってちゃんと保管していくということが、議論上、今後必要になってくるだろうと強く感じました。
以上でございます。
○森田座長 貴重な御意見をありがとうございます。
それでは、このパートで最後になりますけれども、高倉構成員、どうぞ。
○高倉構成員 高倉です。
先ほど、文科省さんの御説明で1人1台という御説明があったと思うのですが、多分GIGAスクールの件で、小中学校に1人1台端末をというお話だと思うのですけれども、乳幼児健診とか学校健診の結果を子供の端末で見るという想定をされているのか、それとも本来であれば保護者のほうで見られるようにするのか、マイナンバーもしくはマイナポータルと連携させたときに、子供のマイナンバーで保護者が見ることになるのはおかしな気もするので、どのようなことを想定されているのか、もし分かりましたら教えてください。
以上です。
○森田座長 ありがとうございます。
これは文科省の方にお願いできますでしょうか。
○小林健康教育・食育課学校保健対策専門官 文科省でございます。
まだ端末を導入した後の健診の閲覧方法等については議論ができておりませんので、今後の検討課題かと考えております。
○森田座長 今後の検討課題だということでございます。
高倉構成員、よろしいでしょうか。
○高倉構成員 分かりました。ありがとうございます。検討していただければ結構です。
○森田座長 分かりました。
ちょっと時間が押しておりますので、次のパートに入らせていただきます。
4ページの「(3)各論マル2」についてでございます。
これにつきましても、発言を希望される方はチャットにお願いいたします。
山本構成員、どうぞ。
○山本構成員 ありがとうございます。
この「各論マル2」のまとめが少し分かりにくくなっている。観点を少し整理したほうがいいと思うのです。この文章を変えろという意味ではなくて、これを実現していく上で少し考え方を整理しておくほうがいいと思います。
先ほど、葛西アドバイザリーグループ長のほうからも御意見がありましたけれども、ここに書かれている論点は、まずレセプトを基にやっていこうということなのですけれども、一次利用あるいは医療も含めた1.5次といった利用も含めて、レセプトが役に立つことはたくさんあるのです。
役に立たないこともたくさんあって、少なくともこのデータを利用しようと思うと、最低1.5か月は待たないといけない。つまり、1.5か月のタイムラグが絶対にある。これだけで一次利用は全てカバーができるはずもないですし、そういう意味では、もう少しライブ、リアルタイムな情報の収集方法も引き続き検討しなければいけないと思います。
レセプトは、書かれているものはある程度のレイテンシーがあってもいいデータです。一方で、レセプトはかなり厳しく形式が決まったもので、項目も決まっているのですけれども、実はレセプトの提供スキームは全医療機関が作成するものなので、非常に役に立つものです。これをコンテナとしてレセプトのスキームに使うのだけれども、いわゆる診療報酬請求明細ではない情報を入れるようにすることによって、随分拡張をすることができる。例えば、インフルエンザの流行時に、インフルエンザの抗原検査の結果だけを入れるとか、あるいは40歳以上の方は、もしヘモグロビンA1cを測ったら、そのA1cの結果は必ず入っている。
これを診療報酬請求に使うと問題はあるでしょうけれども、このデータを収集することによって、公衆衛生上非常に有用なデータになる可能性がある。そういう形式、コンテナとコンテンツを少し分けて考えたほうがいいということを申し上げたいと思います。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、長島構成員、どうぞ。
○長島構成員 日本医師会の長島です。
3ポツ目のレセプト情報以外の医療情報の提供というものがありますが、これに関しては既に全国で普及している地域医療連携ネットワークがございますが、これは電子カルテの内容をかなりリアルタイムに近く共有できるというものですので、これとの役割分担なり、どのような関係にするかということをきちんと整理する必要があるかと思います。
既にレセプトに書かれているような情報もこの地連を使えば共有できているので、これを例えば全国で拡張するというようなやり方もあるかと思うので、ここの整理をぜひお願いしたいと思います。
以上、要望です。
○森田座長 ありがとうございました。
御要望を承りました。
次は、松川構成員、どうぞ。
○松川構成員 松川です。
ありがとうございます。
今回の資料ですとか、皆さんの御意見などを伺いまして、今後、患者や患者の家族の側の役割が非常に大きくなるかと思いました。健康情報の取扱いですとか、同意一つを取っても、同意をするということはどういうことであるのかということがきちんと分からないと適切な活用ができていかないのではないかと思います。
患者や家族に対しても啓蒙というか、教育というか、そういったことに関して一般的なパンフレットをつくるなどのほかに、何か費用ですとか時間を特別にかけていただけるのか、そういった御計画があるのであれば伺いたいと思います。なければ、今後ぜひ検討していただきたい分野だと思いました。
以上です。
○森田座長 ありがとうございます。
それでは、葛西アドバイザリーグループ長、お願いいたします。
○葛西アドバイザリーグループ長 私は、現状で、実は医療的ケアが必要なお子さんのための情報共有システムを厚生労働省で、今プレ運用が始まらんとしているところで、システムづくりをしました。
その段階では、レセプトの情報で使うものもあります。当然処方類も使いますし、中にはてんかんをお持ちのお子さんなんかですと、動画の情報を上げてほしいとか、日々のケアの情報も共有したいという状態になっています。
結論から言うと、レセプトの情報か、電カルの情報かみたいな、そういうせめぎ合いではなくて、例えば障害がある場合ですとこういう情報が必要だとか、それぞれの患者の属性によって必要な情報が違うと感じたのです。
なので、あくまで標準化として、レセプトは当然標準化されているのですけれども、レセプトの情報の鮮度を考える必要もありますし、日々のケアの情報ですと御家族が入力する仕組みになっていたりしますので、あまりデータの質のカテゴリーにとらわれる必要はないのではないかとシステムづくりから感じたという次第でございます。
以上です。
○森田座長 御意見ありがとうございました。
続きまして、宮田構成員、お願いいたします。
○宮田構成員 宮田です。
どうもありがとうございます。
先ほどの山本構成員、そして葛西アドバイザリーグループ長の話にもつながってくるのですけれども、まさにこのレセプトのいわゆる窓口だったり、既存の電カルということに縛られずに、例えば、非常に緊急かつ重要なものに関しては、ウェブAPIで迅速に情報を共有するという方向も今の状況は考えたほうがいいかと思います。
先ほど、例えば新型コロナに対して、保健所のシステムは神ノ田課長から保健所の範囲でできる限りのことだけをやるということで、これは極めて正しいと思うのですが、例えば臨床の現場でレムデシビルを使うときに、患者の処方のときの重症度だったり、いろいろな緊急に必要な実態の情報みたいなものをリアルタイムで共有できるようなルートをつくっておくということも短期的には必要です。中長期的に考えたときに、例えば免疫チェックポイント阻害薬とか、非常に高価かつ重症な治療に関しては、実態をリアルタイムで把握していくということも必要になっていくので、こういうような迅速に実態情報を把握すべきものに関しては、既存のルート以外の方法も活用しながら迅速に国として把握できるようにということも可能にしておくことは一つの検討事項かと思いました。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、永井構成員、どうぞ。
○永井構成員 永井です。
先ほど、レセプト情報の利用という話になりましたけれども、確かに統一された書式では集約されていますけれども、地方自治体へ行きますと、これを管理しているのが県であり、また市町村であり、広域連合であり、国保連合会と、いろいろな管理するシステムがあります。そのうちのいずれからクレームが出ても使えないということです。
そういう状況がありますので、こうしたレセプトの情報をどう集約するかだけではなくて、管理システムについてもきっちり約束事を決めておいていただきたいという要望です。
以上です。
○森田座長 貴重な御発言をありがとうございました。
それでは、このパート3のほうもよろしいでしょうか。
ちょっと時間が押しておりますので、続きまして5ページ、最後のページになりますけれども、「(4)各論マル3」につきまして、御意見を賜りたいと思います。
どうぞ、発言をお願いいたします。
○山下医療介護連携政策課長 座長、その永井先生の件で、ちょっと発言させていただきます。
○森田座長 そうですか。失礼いたしました。
どうぞ。
○山下医療介護連携政策課長 申し訳ございません。
永井先生、ありがとうございます。
確かにおっしゃるとおり、健康保険、被用者保険も含めて、地域保険、あと広域連合など様々な保険者がそれぞれレセプト情報を持っていますので、これを扱うのは難しいとありました。おっしゃるとおりでございます。
一方で、参考資料5にありますけれども、オンライン資格確認等システムというのは、実は被用者保険が管理している支払基金のほうで集まっているレセプトデータ、そして地域保険、広域連合も含めて集まっている国保連、国保中央会のデータを全部一元管理しているものがオンライン資格確認等システムでございます。それが今、これから構築されようとしておりまして、おっしゃることについては、一元管理が既にされているというところだけ御理解いただければと思っております。
○永井構成員 ありがとうございます。
○森田座長 それでは、チャットのほうに発言の御要望が出ておりますけれども、これはパート4の「(4)各論マル3」ということでよろしいでしょうか。
それでは、田尻構成員からどうぞ。
○田尻構成員 ありがとうございます。
時間もないので、この中でちょっと気になることだけお話しさせていただければと思います。
3つ目のポツですけれども、1行目の中ほどに「全国で利用でき」と、これは当然必要なことなのですが、現状、運用する組織か本体かは分かりませんけれども、それが乱立した場合に、利用ができないと難しいですから、ぜひとも乱立することがあるようであれば、相互運用性をきっちり確保できないと利用する国民が非常に困ると思います。
今回のコロナの医療の流れで、やはり電子処方箋が必要な場面は想定されますので、そこら辺のことも含めて、間違いがないようにまた検証をする機会があればと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 COMLの山口でございます。
私もこの3つ目のポツのところで、先ほどリアルタイムで情報共有していくという事務局の御説明がございました。ということは、リアルタイムで一元管理して、例えば複数の医療機関にかかっている方も情報を共有できるシステムと理解したのですけれども、今、処方箋だけだと病名も病状も分からないという現状があって、私はずっと医療機関から薬局に対しての情報提供の仕組みづくりが必要だということをかねてより申し上げているところなのです。
その辺りのところは、医療機関から薬局への情報提供ということも同時に進めていかないと、これはきちんとした情報共有にならないのではないかと思います。というのも、この薬が一体どんな病気のどんな症状に対して出されているのかということが把握できないと意味がないのではないかと思ったことと、先ほども国民の理解が大事だという御発言があったのですけれども、例えば、そうなってくると、一元管理をすると、患者さんの中にはこの薬の情報は共有してほしくないというような思いを持つ方がきっといらっしゃると思うのです。
そうすると、そういうときにはどのようにしておくと情報共有が行われずに済むのかということもこの仕組みについて国民がしっかり理解をして、使い分けることができないと、何で私のこの情報がここに漏れてしまったのかというようなことにもなりかねないと思いますので、このことについては、やはり国民に対していかに分かりやすく、そして理解できるように周知していくことを同時進行でおこなっていくことが大事だと思っております。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、渡邊構成員、お願いいたします。
○渡邊構成員 ありがとうございます。
日薬の渡邊です。
電子処方箋に関しましては、全体論として、実現化していくということを考えないと駄目かと思っています。
4番目のポツなのですけれども、これに関しては、新型コロナ等、今回の対策の中でも書かれているのですけれども、基本的には通常、通院されて、対面で診療されて、薬局にも来られて、対面で服薬指導するのが通常だと思うので、電子処方箋がどのように機能することができるのか。(音声乱れ)
○森田座長 すみません。ちょっと音声が。
○渡邊構成員 5番目のポツのところにもリアルタイムでの情報共有についての仕組みと書いていますけれども。
聞こえていますでしょうか。大丈夫でしょうか。
○森田座長 ちょっと今途切れました。
○渡邊構成員 聞こえますでしょうか。
○森田座長 はい。大丈夫です。
○渡邊構成員 ですので、全体論としての通常の対面診療かつ対面での服薬指導の中でどのように電子処方箋を普及させるかというところを、まず議論していかなければならないのではないかと思っています。
5つ目のポツについても要望ですけれども、リアルタイムでの情報共有の仕組みについてどう考えるかということについては、通常の診療と投薬の中で処方情報と調剤情報というような内容に違いのある部分を、どの段階で誰がどのようにして扱うことができるのかということを整理しておかないと、先ほども山口構成員からも御発言がありましたように、どの情報を誰が共有できるのかというところと連動しますので、要望として挙げたいと思います。
よろしくお願いします。
○森田座長 ありがとうございました。
続きまして、牧野構成員、どうぞ。
○牧野構成員 日本介護支援専門員協会副会長の牧野でございます。
(4)の5つ目のポツの整備状況について御意見させていただきたく思います。
現在、オンライン化資格確認の導入に向け、医療機関や薬局のシステム整備の支援、電子カルテの標準化に向けた対応がされています。具体に医療情報化支援基金が令和元年度に創設されておりますけれども、こちらの整備状況や利用状況などで課題が見つかっていれば教えていただきたく思いました。
よろしくお願いします。
○森田座長 ありがとうございます。
これは御質問でございますが、事務局は簡潔にお答えいただけますでしょうか。
○山下医療介護連携政策課長 ありがとうございます。
医療介護連携政策課長でございます。今の御質問なのですけれども、参考資料5の4ページでございまして、令和元年度、そして令和2年度の予算で既に基金としてこれだけの金額がついているということですけれども、今後、カードリーダーの配布や、各医療機関、薬局でのシステム改修をしていただければ、それに対して補助をするということを今後やってまいりますので、これからということでございます。
○森田座長 よろしいでしょうか。
○牧野構成員 分かりました。
ありがとうございます。
○森田座長 続きまして、宇佐美構成員、お願いいたします。
○宇佐美構成員 日本歯科医師会の宇佐美でございます。
各論マル1、2、3の全部にわたってですが、今回、こういうコロナという状況で、「災害」という言葉が多用されております。昨年までこの健康・医療・介護連携のときは、災害はまだあまり重要視されていないというか重きがなかったような感じがします。
今、このコロナの状況で、災害時の情報連携に関しまして、私どもの日本歯科医師会の口腔診査情報の標準化ということで、個人を特定するということで、この文言をぜひ各論マル1またはマル2に口腔診査情報と災害時の個人を特定するためのと、その辺の言葉も一言、ぜひ山下医療介護連携政策課長、森医療情報技術推進室長、入れていただきたい。その辺にちょっとお考えがあればよろしくお願いいたします。
お願いします。
○森田座長 ありがとうございました。
かなり重要な御指摘かと思いますけれども、事務局はいかがでございましょうか。
○森医療情報技術推進室長 医政局の研発課の森です。
標準化について、重要な御指摘をありがとうございます。
口腔診査の情報の標準化の取組はお聞きしているのですけれども、医療情報全体の標準化を進めていかなければいけないということで、ぜひその中で先生方の御意見をお聞きして進めていきたいと思っております。
以上になります。
○森田座長 宇佐美構成員、よろしいでしょうか。
○宇佐美構成員 今、森医療情報技術推進室長がおっしゃっていただいたとおりなのですが、あわせて、10年前の東北震災のときに、個人を特定する上で、要は患者さんの同意がない状態での口腔診査情報の提供が起こったわけです。
先ほど山口構成員のお言葉にもありましたけれども、有用性と同意の微妙な違いを少し認識していって、ぜひまとめていただければと。これは要望でございます。
ぜひお願いいたします。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、これで最後になります。
高倉構成員、どうぞ。
○高倉構成員 国立情報学研究所の高倉です。
私からは4ポツ目の紙の処方箋をどうすればいいのかということについて意見させていただきたいのですが、この新型コロナの件に関してもかなりさばいていますので、電子版での原本保証をするような枠組みは、法改正とかシステム開発も必要なのは分かってはいるのですが、検討すべきではないかと考えています。これが1点目です。
もう一つなのですけれども、先ほどの山口構成員からもありました開示したくない情報をどう守るのかということに関して、今度は薬のほうから考えるときに、禁忌情報が出てこなくなると非常にまずいので、伏せておきたい情報と、それでも共有しなければいけない情報の線引きはどこかに考えておかなければいけないだろうと考えています。
以上です。
○森田座長 重要な御指摘をありがとうございました。
それでは、大分時間が参りましたけれども、よろしいでしょうか。
最後は5ページ目の(5)のその他ということでございますけれども、これまでのところも含めまして、何か御発言があればお願いいたします。
残り時間も少なくなっておりますけれども、この機会にということであれば、どうぞお願いいたします。
三原構成員、続いて、大山構成員、どうぞ。
○三原構成員 ありがとうございます。
国立がんセンターの三原でございます。
この「各論マル4」の最後の行に書いてある「医療情報システムの標準化」という言葉について、ちょっと確認をさせていただけたらと思っております。
医療情報システムの標準化というのは、言葉としてはすごく広いと思っていまして、捉え方によっては、例えば、電子カルテ自体を標準化しなさいというところまでいくこともあれば、そうではなくて、今回の議論にあるように、集めるべき情報、目的に応じたデータ項目をどう標準化し、それを収集する(音声中断)ためにどういうシステムを標準的につくっていくかというようなところの議論が多分私の感覚だと正しいかと思っていまして、「医療情報システムの標準化」という言葉が独り歩きすると、かなり危険なことにならないかと懸念しています。その辺りはどういう範囲を想定されていますでしょうか。
○森田座長 事務局、いかがでしょうか。
○森医療情報技術推進室長 医政局研究開発振興課の森です。
医療情報の標準化としましては、先生がおっしゃるとおり、議論の範囲が広く、課題もたくさんあるかと思っていまして、こういった限られたオンラインのウェブ会議での議論はなかなか難しく、今後、丁寧に議論を進めたいと思っております。
参考資料7に医療情報システムの標準化の資料を参考資料としてつけさせていただいていまして、既に先生たちも御承知のとおりですけれども、昨年、内閣官房の健康・医療戦略室で開催されました検討会でも在り方について示されております。この中で専門家の先生方に御議論いただいて、電子カルテそのものの画一化されたような製品は恐らく現実的ではないだろうと。そういった中で、三原先生がおっしゃられた目的に照らして、必要な標準化の範囲や、どのようなものを目指していくかという丁寧な議論が必要だと考えています。
言葉だけだと独り歩きになってしまうのはおっしゃるとおりですので、具体的な議論はこれから先生方としていきたいと考えております。
ありがとうございます。
○森田座長 三原構成員、よろしいでしょうか。
○三原構成員 はい。ありがとうございます。
○森田座長 それでは、大山構成員、どうぞ。
○大山構成員 今日はいろいろなお話を聞かせていただいて、まずは御礼申し上げたいと思います。いろいろと勉強になりました。
1点がお願いと、1点は自分の意見で、皆さん方に御理解いただきたいところを説明したいと思います。
一つは、電子処方の話でありますが、今、政府が言っているものも似たところはあると思いますけれども、デジタルトランスフォーメーションという大きな変化が世の中的には望まれているのだろうと。こういうウェブ会議をやっているのも既にその一つだと思います。単に紙を電子化するというだけではなくて、電子が主になる、すなわち紙は、処方箋の場合には単なる写しに置き換えるということを考えると、様々なことについて皆さんが望んでいる将来をつくっていく可能性があるのではないか。そのためには、法改正を含めたいろいろな検討あるいは開発が要りますが、やはりここは、ここまで状況が来ているところを考えると、ひとつ大きな飛躍をするタイミングではないかと思うのが1点目です。
2点目は、これは皆さん方に御理解いただきたいのですが、先ほど、患者さんの同意の話の中で、具体的にはマイナンバーカードもJPKIと呼ばれる公的個人認証サービスのPINなし、PINの4桁を入れない利用の話が出ていたと思います。そのときに、同意を取るのに顔認証をするという話がございましたが、顔認証はあくまでPINの代わりであって、それをもって同意をしているというわけではない。裏返して言うと、通常、PINを入れるのは、同意をするという本人の意思があるからPINを入れてくれるのでありますが、システムあるいはリーダライタに顔認証装置がついているもので取るというのはPINなしですから、ここは本人が同意しているかどうかは全く保証の限りではないということは間違えないようにしていただきたいということを指摘したいと思います。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
○山下医療介護連携政策課長 すみません。その件で私の説明が足りなかったので、一応説明させてください。申し訳ございません。
医療介護連携政策課長の山下です。
大山先生、ありがとうございます。
おっしゃるとおりです。私が申したのは、顔認証で同意を取るということではありません。顔認証付きカードリーダーでこのマイナンバーカードの所有者が本人かどうかという本人確認をするということで全医療機関に配ります。その顔認証付きカードリーダーについているモニターに、本人確認とは別に、そのモニター画面を使って、「あなたの薬剤情報や特定健診の情報を主治医の方に伝えていいですか」という同意・不同意の画面がモニターに現れるようにする予定です。その上で、自分で同意するというボタンを押すか、同意しないというボタンを押すか、そのモニターを使うというだけですので、おっしゃるとおり顔認証の話とごっちゃにしないようにしたいと思っています。
失礼いたしました。
○森田座長 大山先生、よろしいでしょうか。
○大山構成員 結構です。
○森田座長 続きまして、石川構成員、お願いいたします。
○石川構成員 石川でございます。
今日は全体的に到達点の確認という感じになっていると思うのですけれども、私からは2ページの「総論」の一番最後にあります「セキュリティについて」ということについて意見をさせていただきたいと思います。
まず、先ほど電子処方箋のところがございましたけれども、電子処方箋で一番大事なことは、処方箋の真正性だと思うのです。例えば、本当にこれは医者がその方に書いた処方箋なのかどうなのか、本物なのかとかいうことの真正性がきちんと担保されなければ意味はない。今、大山先生がおっしゃったように、デジタルのものを今後はそれを中心にやっていくということであれば、どうやってそのデジタルの真正性を確保するかということがこれから本当にきちんとやっていかなければいけないと考えています。
そういう点で、このセキュリティーはそういう真正性とか、偽物だとか、そういったものについて偽物が入り込まないと。健診のデータでも誰が入力してということも含めて、きちんと正確な情報を入れていくということで、そういうものは私はこれからのセキュリティーだろうと思っております。
何よりもこのセキュリティーということで考えると、一番大事なのは、僕は患者さんの個人情報、それからプライバシーの問題を守るということがセキュリティーの一番根幹にあるべきだと思っておりますので、そういう方向でこの全体像を動かしていくべきだと考えております。
以上です。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、長島構成員、どうぞ。
○長島構成員 日本医師会の長島です。
環境整備という意味では、利活用と国民の安全・安心のバランスを保つためには、法律、法令の整備が重要かと思いますので、こちらの検討もよろしくお願いいたします。
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、ほぼ時間が参りましたというか、少しオーバーしておりますので、今日のところはこれぐらいで終わらせていただきたいと思います。
まだ御意見がいろいろあるかと思いますけれども、それにつきましては、また事務局のほうにでも御連絡いただければと思っております。
また、保健医療情報の利活用に向けた工程表の策定につきましても、本日、皆様からいただきました貴重な御意見を踏まえて、御検討を事務局にお願いしたいと思います。
最後に事務局のほうから御連絡があるかと思いますので、マイクをお返しいたします。
○南補佐 本日は活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。
初めてのウェブ開催でしたけれども、皆様の御協力によりまして、大変円滑な進行となりました。本当にありがとうございます。
例年でありますと、夏に向けて、政府におきまして骨太の方針等の検討が進んでいく予定でございます。本日の御意見も踏まえまして、政府において検討を進めてまいりたいと考えております。
また、夏の工程表の取りまとめに向けましては、座長からもありましたとおり、本日いただいた御意見を事務局のほうでも整理をさせていただきまして、再度検討会で御意見をいただきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたしたいと思います。
最後に、本日の議事録につきましては、作成次第、御発言を皆様方に御確認いただき、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○森田座長 それでは、これで本当に終わらせていただきたいと思います。
本日はこれで閉会といたします。
活発な御議論をどうもありがとうございました。