【照会先】
労働基準局安全衛生部安全課課長 安達 栄
主任中央産業安全専門官 永野 和則
課長補佐 長山 隆志 (内線5190)
(代表電話) 03(5253)1111(内線5481)
(直通電話) 03(3595)3225
報道関係者各位
平成31年1月から令和元年12月までの労働災害発生状況を公表
~死亡者数は過去最少、休業4日以上の死傷者数は横ばいの状況~
平成31年1月から令和元年12月までの労働災害による死亡者数(以下「死亡者数」)は845人(前年比64人・7.0%減、平成29年比133人・13.6%減)と2年連続で過去最少となりました。休業4日以上の死傷者数(以下「死傷者数」という。)は125,611人(前年比1,718人・1.3%減、平成29年比5,151人・4.3%増)となりました。
労働災害を減少させるために国や事業者、労働者等が重点的に取り組む事項を定めた中期計画である「第13次労働災害防止計画」(以下「13次防」)(平成30年度~令和4年度)では、平成29年比で死亡者数を15%以上、死傷者数を5%以上減少させることを目標としております。
死亡者数については、13次防の目標達成に向け着実に減少していますが、死傷者数については、平成29年と比較すると未だ多くの業種で増加する結果となりました。
13次防の3年目となる令和2年度は、目標の達成に向け、13次防の重点業種である製造業、建設業、林業、陸上貨物運送事業、第三次産業への対策に引き続き取り組むとともに、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン(※))の周知指導、外国人労働者に対する安全衛生教育の促進などの就業者に応じた対策、働き方の多様化に対応した対策など、13次防の目標達成に向け取り組んでいきます。
※ 参考「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」パンフレット
https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000623027.pdf
【平成31年/令和元年労働災害発生状況の分析等の概要】
1(1) 死亡者数 ※1
死亡者数は845人と2年連続で過去最少となった。13次防の重点業種では、建設業が269人(前年比40人・12.9%減、平成29年比54人・16.7%減)、製造業が141人(同42人・23.0%減、同19人・11.9%減)、林業が33人(同2人・6.5%増、同7人・17.5%減)となった。[参考資料P.2]
1(2) 死傷者数 ※2
13次防の重点業種では、陸上貨物運送事業が15,382人(前年比436人・2.8%減、平成29年比676人・4.6%増)、小売業が14,666人(同281人・1.9%減、同785人5.7%増)で対前年比で減少。社会福祉施設が10,045人(同500人・5.2%増、同1,307人15.0%増)、飲食店が5,141人(同126人・2.5%増、同420人8.9%増)で増加となった。[同P.4]
年齢別では、全死傷者のうち60歳以上の占める割合が年々増加しており、26.8%(前年比0.7ポイント増)となった。[同P.4]
男女別・年齢別で労働災害の発生率である死傷年千人率(※3)をみると、男性では、最小となる25~29歳と比べ、最大となる75歳以上で約2.1倍。女性では、最小となる30~34歳と比べ、最大となる70~74歳で約4.8倍となった。[同P.4~6]
男女別・年齢別・事故の型別で死傷年千人率をみると、「墜落・転落」は、女性と比べて男性で高く、かつ高年齢となるほど高くなる傾向がみられる。「転倒」は男性と比べて女性で高く、かつ高年齢となるほど高くなる傾向がみられる。[同P.4~6]
2 業種別の災害発生状況
製造業の死亡者数は、前年比では特に「崩壊・倒壊」で減少し、平成29年比では、特に「墜落・転落」で減少した。[同P.7~8]
建設業の死亡者数は、2年連続で減少し、最多である「墜落・転落」で大きく減少した。[同P.9~10]
林業の死亡者数は、「激突され」が前年比で増加し、全数も増加したが、平成29年比では減少した。[同P.11~12]
陸上貨物運送事業の死傷者数は、「墜落・転落」、「転倒」は前年比で大きく減少したが、平成29年比で増加した。「動作の反動・無理な動作」は増加傾向にあるが、「交通事故(道路)」は減少傾向にある。死傷年千人率では前年を下回ったものの、平成29年比では増加した。[同P.13~14]
第三次産業のうち小売業、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は、「転倒」と腰痛などの「動作の反動・無理な動作」が多くを占めており、増加傾向にある。小売業の死傷者数は前年を下回ったものの、平成29年比では増加となり、社会福祉施設及び飲食店の死傷者数は前年を上回り2年連続で増加となった。また、年千人率では、小売業及び社会福祉施設は増加傾向、飲食店は横ばいの状況にある。[同P.15~16]
※1 死亡災害報告をもとに、死亡者数を集計。
※2 事業者から提出される労働者死傷病報告書をもとに、休業4日以上の死傷者数を集計。
なお、これらの件数に通勤中に発生した災害の件数は含まない。
※3 1年間の労働者1,000人当たりに発生した死傷者数の割合。
1年間の休業4日以上の死傷者数/1年間の平均労働者数 ×1,000 で算出。
【別 添】平成31年/令和元年労働災害発生状況
【参 考】平成31年/令和元年労働災害発生状況の分析等