2020年3月4日 第48回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

日時

令和2年3月4日(水)14:00~16:00

場所

一般財団法人日本航空協会
航空会館701+702 会議室(7 階)
(東京都港区新橋1丁目18-1)

議題

  1. (1)「レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン」改正について
  2. (2)オンサイトリサーチセンターにおける利⽤者⽀援について
  3. (3)令和2年度第三者提供の審査スケジュールについて
  4. (4)令和2年度DPC データの提供審査スケジュールについて

議事

議事内容
○山本座長 それでは、定刻少し前ですけれども、構成員の先生方は全員おそろいですので、ただいまから第48回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。
構成員の皆様には、御多忙の折、お集まりいただきありがとうございます。
会議に先立ちまして、事務局から、先般の新型コロナウイルスに対する感染拡大の防止に向けた対策の案内をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。
開催に伴いまして、感染機会を減らすために、出入口にアルコール消毒を設置しております。適宜御利用いただければと思います。また、手洗いや咳エチケットの徹底など、感染拡大防止につながる行動をぜひお願いいたします。
○山本座長 感染拡大防止の件、構成員の皆様、傍聴の皆様には、本趣旨を御理解と御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、本日の構成員の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。
それでは、本日の構成員の出欠状況につきまして御報告させていただきます。
本日の欠席者は後藤構成員、松田構成員、松山構成員の3名となります。
なお、本会議の運営規程に基づいた開催要件は満たしておりますことを併せて御報告させていただきます。
本日、藤井康弘構成員が欠席のため、新居秀夫参考人が代理出席となります。
○山本座長 それでは、会議の開催要件を満たしているとのことですので、早速ですが、議事次第に従って会議を進めてまいりたいと思います。
なお、本日の会議はペーパーレスにて開催させていただきます。
まずは、事務局から説明をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。
厚生労働省全体の取扱といたしまして、審議会等のペーパーレス化を進めているところでございます。本日は、これに伴い、構成員の皆様にはお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。
タブレットの操作方法につきましては、お手元の資料「ペーパーレス審議会等 タブレット操作説明書」のとおりでございます。タブレットの操作方法につきまして、御不明な点がございましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、お声かけいただければと思います。
次に、本日の会議資料について確認をお願いします。
議事次第、構成員名簿、座席表につきましては、お手元に紙の資料を配付しております。
そのほかの資料につきましては、タブレットの第48回有識者本会議のフォルダをお開きいただきますと、資料の番号順にPDF化して収録させていただいております。
それでは、ここから議事に入りますので、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。傍聴の皆様におかれましては、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上です。
(報道関係者退室)
○山本座長 ありがとうございます。
ペーパーレスの件、説明書は多分ないと思いますけれども、もう皆さん慣れていらっしゃいますから大丈夫だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
それでは、これより議事次第に沿って進めていきたいと思います。
まず、本日の議事の1つ目「『レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン』改正について」、事務局から説明をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。
タブレットより、資料1「『レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン』改正について」の資料をお開きください。
資料の1ページでございますけれども、「これまでの経緯」といたしまして、医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議の検討の経緯について示させていただいております。
この有識者会議は、NDB及び介護DB情報等の連結解析基盤に関して、法的・技術的な論点について整理するため検討を行ってまいりました。検討事項におきましては、下にお示ししているとおり、個人情報保護法制との関係ですとかデータの収集・利用目的、対象範囲、第三者提供、費用負担、実施体制、技術面の課題について検討を行ってきまして、平成30年11月16日に報告書の取りまとめを行い、公表いたしております。
また、この報告書を受けまして、令和元年5月15日、第198回通常国会におきまして、「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律案」が成立いたしまして、5月22日、改正法が公布されております。
また、法施行に向けました必要事項の議論というところで、昨年の11月15日に第10回の有識者会議を行いまして、方向性については一定の御了解を得たという経緯でございます。
資料の2ページ、3ページに改正法の概要についてお示ししておりますので、御説明は割愛させていただきますけれども、適宜御参照いただければと思います。
資料の4ページ、「ガイドライン改正に向けた検討事項について」、NDBのガイドラインの改正を今後行っていくというところでございますけれども、<検討事項>のところでございますが、先ほどの改正法の見直しの点についておさらいをしておきますと、2011年以降、運用で実施してきたNDBの匿名データの第三者提供を法定化し、これまで対象外としてきました民間企業等にも提供できることとしました。同時に、データ利用者の講ずべき安全管理措置義務を法定化いたしました。国による立入検査やデータ利用者の義務違反に対する罰則を設け、安全性を強化しております。また、NDB・介護DBのデータを連結して分析、提供できることにいたしました。加えて、2022年4月の施行になりますけれども、DPCデータベースのデータにつきましても、NDB・介護DBと連結できることにしたというところでございます。
これを受けまして、2020年10月の改正法の施行に向けまして、改正事項のうち、「政令で定める」または「厚生労働省令で定める」とされている事項等につきましては、その具体的な内容の検討を行う必要がございます。
省令事項、政令事項につきましては、下記1~4にお示ししておりますけれども、後の資料の説明にも関連してまいりますが、3の匿名データの提供の可否を決定する委員会の立ち上げにつきましては、医療保険部会、介護保険部会の両部会で審議するということを予定しております。
3つ目の○でございますけれども、本有識者会議におきましては、上記を踏まえまして、下記の方針に基づいてガイドラインを改正する方向で考えております。「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」報告書にて指摘されております「運用面の課題」等についてガイドラインに反映できるものとします。また、高確法及び政省令の規定に基づくガイドラインの改正につきましては、高確法及び政省令との整合性をとってまいりたいと考えております。
また、「オンサイトリサーチセンターにおけるレセプト情報・特定健診等情報の利用に関するガイドライン」につきましては、本ガイドラインに吸収させた形で反映させていきたいと考えております。
下に、<改正に向けた今後のスケジュール(予定)>をお示ししておりますけれども、現在、令和元年度、2019年度の3月で赤線を引いているところでございますけれども、施行は2020年度の10月になっておりまして、それまで、今日を含めまして3回、有識者会議の本会議でガイドラインの内容について検討していきたいと考えております。
資料の5ページでございますけれども、左側に現行のガイドラインの目次を掲載させていただいております。また、本日3月の有識者会議で検討する事項、6月の有識者会議で検討する事項について、それぞれの項目について「○」をつけさせていただいておりまして、6月の有識者会議につきましては、主に介護DBとの連結に関連する部分につきまして検討させていただきたいと考えております。ですので、本日の有識者会議につきましては、それ以外の「○」をつけていただいている事項について御審議いただければと考えております。
早速、ガイドラインの改正案について御説明させていただきたいと思います。6ページでございます。「第1 ガイドラインの目的(案)」につきまして、最初の四角枠にお示ししております最初の○でございますが、先ほど御説明させていただいたとおり、第198回国会にて成立した高確法を含んだ改正法により、第三者提供に係る規定が設けられたところでございます。
改正高確法第16条の2におきまして、第三者提供できるデータにつきましては、「匿名医療保険等関連情報」と定められましたため、本ガイドラインの名称につきましても、「匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報の提供に関するガイドライン」とさせていただきまして、それに応じてガイドラインの目的も下記のように改正してはどうかと考えております。
なお、「保険者及び後期高齢者医療広域連合が厚生労働大臣に提供する情報の利用及び提供に関する指針」、こちらのNDBの第三者提供の基になっておりました告示に関しましては、廃止する方向で検討してはどうかと考えております。
下に旧のガイドライン、現行のガイドラインの記載と、ガイドライン改正案をお示しさせていただいておりますけれども、旧の部分で、告示の規定に基づいて行うデータ提供の部分を、高確法の第16条2の規定に基づいて行う匿名レセプト情報等の提供に係る、こういった文言に改正させていただきたいと考えているのと、また、このガイドラインの目的でございますけれども、下に新ガイドラインの案としてお示しさせていただいている下線の部分でございますが、提供申出者が提供申出等を適切かつ円滑に実施できるようにと、こういった目的に関しましても明確にしていきたいと考えております。
7ページは、廃止する方向で検討しております指針でございますけれども、こちらも掲載させていただいております。
8ページでございますけれども、用語の定義につきまして案をお示しさせていただいております。
上の四角の最初の○でございますが、改正高確法第16条の2の規定に基づきまして、第三者提供を行うに当たり、用語の定義を改正する必要がございます。また、研究の成果を事前に確認する際に、定義が不明瞭な用語がございますため、それらについても併せて定義づけてはどうかと考えております。
具体的な内容でございますけれども、カテゴリの部分で格納情報というところです。こちらは先ほど御説明させていただきましたが、第三者提供できる情報が匿名レセプト情報、匿名特定健診等情報というところで高確法の16条の2に規定されましたので、それに合わせた形で用語の定義も改正してはどうかと考えております。
また、カテゴリの「提供申出に関わる内容について」というところでございますけれども、こちらは新設する定義といたしまして、「提供申出者」というものを設けさせていただきたいと思っております。
案文につきましては、本ガイドラインにおきまして「提供申出者」とは、法第16条の2第1項の規定に基づき、厚生労働大臣に匿名レセプト情報等の提供を依頼しようとする者をいう。
また、この理由ですけれども、法改正によりまして、高確法第16条の2第1項におきまして匿名医療保険等関連情報の提供を受ける者は、同項各号の機関及び団体等になるためとさせていただいております。
次に、現行のガイドラインでは「提供依頼申出者」とさせていただいたものを、新ガイドラインでは「担当者」という形で定義づけを行っていきたい。
案文といたしましては、本ガイドラインにおいて「担当者」とは、省令につきましては改正後の省令になりますので、今後改正を予定している省令の規定でございますけれども、省令の規定に基づき、提供申出書に記載される、実際に提供申出を担当する者をいう。
この理由につきましては、提供申出者の定義と区別させていただくために、実際に提供申出を行う者、こちらは個人を定義づけるためということで、こういった定義を設けさせていただきたいと考えております。
その次の新設させていただく定義で「代理人」というところでございますが、こちらの案文といたしまして、本ガイドラインにおいて「代理人」とは、省令の規定に基づき、提供申出書に記載された、代理で提供申出をする者をいう。こちらは、提供申出を実際に行う者と代理で行う者、こちらは個人を定義づけるために設けさせていただきたいというところでございます。
次に、現行のガイドライン、旧ガイドラインでは、「利用者」とさせていただいていた分類を「取扱者」とさせていただきたいというところで、案文におきましては、本ガイドラインにおいて「取扱者」とは、省令の規定に基づき、提供申出書に記載された、実際に匿名レセプト情報等を取り扱う者をいうというふうにさせていただきたいというところでございます。
この理由につきましては、法改正によりまして、高確法第16条の3において、匿名医療保険等関連情報利用者は機関及び団体等になりますので、それらと区別する必要があるためというところでございます。
次の現行のガイドラインの「有識者会議」のところでございますけれども、こちらは先ほど御説明させていただいたとおり、新案にお示しさせていただいております「匿名レセプト情報等の提供に関する委員会・審査委員会」。こちらの名称につきましては、先ほど御説明させていただいている、医療保険部会、また介護保険部会で審議される内容を受けてでございますけれども、今の有識者会議に相当している部分を委員会・審査委員会という形で定義させていただきたいというところでございます。
こちらは、法改正におきまして、高確法におきましても、データを提供しようとする場合には、あらかじめ社会保障審議会の意見を聞かなければならないとされたところでございますので、こういった会議名称を含めて医療保険部会で議論する予定でございます。
カテゴリの「公表物の確認における定義の明確化」というところでございますけれども、こちらは上の四角の2つ目の○で、「研究の成果を事前に確認する際に、定義が不明瞭な用語があるため」というところで、ここを明確化していきたいというところで新設の定義を設けさせていただきたいというところでございます。
一番上のところでございますけれども、「中間生成物」の定義の案文といたしましては、本ガイドラインにおいて「中間生成物」とは、匿名レセプト情報等を提供したのち取扱者が生成したものであって、最終生成物や成果物以外のものをいう。なお、「中間生成物」については、「取扱者」以外に公表することを禁じる。こういった定義とさせていただきたいと思っております。
次の「最終生成物」でございますけれども、本ガイドラインにおきまして「最終生成物」とは、匿名レセプト情報等を提供した後、取扱者が最終的に生成したものであって、厚生労働省による公表前の事前の確認を受けていないもの全てをいう。なお「最終生成物」についても、「取扱者」以外に公表することを禁じるとしてはどうかと。
また、次の「成果物」でございますけれども、こちらの案文でございますが、本ガイドラインにおいて「成果物」とは、第12の規定に基づき、こちらはガイドライン上での第12の規定でございますが、厚生労働省が承認したものをいう。第12につきましては、現行と同じく「提供申出者による研究成果等の公表」になる予定でございます。
資料の9ページ、10ページに改正後の高確法の条文につきましてお示しさせていただいておりまして、10ページにガイドラインの現在の用語の定義を掲載させていただいております。
続きまして、資料の11ページでございますけれども、「第3 匿名レセプト情報等の提供に際しての基本原則(案)」でございます。
上の四角の部分でございますけれども、基本原則につきましては、改正高確法等の規定を記載する改正は必要でございますけれども、その他の部分につきましてはおおむね現行どおりとさせていただきたいと考えております。ただし、外部委託を行う場合の措置につきましては、下記の<考え方>の部分ですけれども、下記のとおり改正が必要ではないかと考えております。
<考え方>の部分ですけれども、取扱者については、当該業務の委託を受けた者を含め、全て提供申出者に記載を求める予定でございます。また、匿名医療保険等関連情報利用者が講じなければならない安全管理措置の具体的な内容につきましては、改正高確法第16条の5に基づき、省令で定めることとしておりまして、これは全ての取扱者に安全管理措置を講ずるようにする予定でございます。
現行の全部または主たる部分の外部委託禁止規定につきましては、当該業務の委託を受けた者についてレセプト情報の適切な利用が図られなくなるおそれがあるのではないかというところで置いておりますけれども、先ほど上記で御説明させていただいたとおり、当該業務の委託を受けた者を含めまして、今後、安全管理措置を講じなければならないとされるところでございますので、全部または主たる部分の外部委託禁止規定につきましては置かないこととしてはどうかと考えております。
具体的な案文につきましては、下の旧と新のところを御参照いただきたいと思います。旧のところの下線の部分でお示しさせていただいております「利用者が国の行政機関又は都道府県以外である場合は、利用者が申し出たレセプト情報等を用いた研究の全部又は主たる部分を外部委託することは認められない」、こういった記載については削除させていただく。
ただし、案文の下の下線の部分を御覧いただきたいのですけれども、こちらはオンサイトリサーチセンター内での外部委託に関しての記載を追記させていただきたいと考えております。
オンサイトリサーチセンターのコンセプトですけれども、これは自分で解析環境を準備できていない研究者が、研究者自身が研究をすることが目的となっておりますので、もともと外部委託を想定していないものでございます。ですので、こちらにつきましては、「オンサイトリサーチセンター内での作業については外部委託することは認められない」、こういった記載を新たに設けてはどうかと考えております。
続きまして、12ページ、「提供申出者による研究成果等の公表(案)」でございます。上の四角の部分でございますけれども、提供申出者による研究成果等の公表における最小集計単位等につきましては、引き続きガイドラインで規定させていただきたいと考えております。
一方で、研究者等から「0」の公表に関する要望が多数あるところでございまして、今回のガイドライン改正に伴いまして、「0」については公表可としてはどうかと考えております。
<考え方>のところでございますが、「0」については、対象が存在しないため、それ自体は個人を特定する情報ではないと考えられると思っておりまして、ただ、下の(例)にお示しさせていただいておりますけれども、X医療圏の部分、こちらは総数が分かっている場合に、疾患Bにおきまして「0」を表示することで疾患Cの数が予想できてしまう場合、こちらにつきましては逆算可能性の上昇について注意をする必要があると考えておりまして、こういったところは留意しなければならないのではないかと考えております。
こちらにつきましては、<考え方>の2つ目の○に戻らせていただきますけれども、個人を特定する情報ではないといった観点、また、ある疾患の患者が「いない」、また、ある診療行為等が「行われていない」、対象となる医療機関等が「ない」、こういった情報が明らかになることで得られる知見もあるのではないかというところで、こういった公表に関する規定につきましては「0」について公表を可とするという方向で改正したいと考えております。
13ページに、現行のガイドラインにおける公表に当たっての留意点に関する記載を掲載させていただいております。
続きまして、14ページを御覧いただければと思います。こちらは、第11の「匿名レセプト情報等の利用後の措置等」及び第13の「実績報告書の作成・提出」に関する案でございます。
上の四角の部分でございますけれども、現行のガイドライン第5の3(1)でございますが、こちらでは申出書1件につきまして、その後の手続に必要とされるレセプト情報等の利用に関する依頼書、レセプト情報等のデータ措置報告書、またレセプト情報等の利用実績報告書の作成もそれぞれ1件ずつ作成することになっております。
ただ、上記手続では、利用場所が複数存在する場合でも、データ措置報告書につきましては1件。下の旧のイメージ図を御覧いただければと思うのですけれども、複数の箇所でデータを利用する際でも、データ措置報告書、利用実績報告書はそれぞれ1件となっております。ですので、全ての利用場所でデータ措置が的確にされたかどうかというところが不明確となる可能性がございます。また、利用実績報告書につきましても同様の考え方でございます。
こうした背景を踏まえますと、データ措置報告書につきましては、下のイメージ図の左の部分でございますが、利用場所ごとに、利用実績報告書については公表後速やかに、3カ月以内に提出することとしてはどうかと考えております。
なお、改正高確法にデータの消去、漏洩や不当な目的での利用等についての規定が置かれ、その罰則についても定められたところでございます。
15ページは、現行のガイドラインの「申出書の作成単位等」というところのデータ措置報告書とか利用実績報告書の記載につきまして掲載させていただいております。
続きまして16ページ、「第14 匿名レセプト情報等の不適切利用への対応(案)」を示させていただいております。上の四角の部分でございます。現行ガイドラインにおきましては、違反内容とそれに対する対応内容について記載されております。また、他制度との連携として、法令や契約違反により提供禁止措置等がとられている場合の措置についても記載されております。
改正高確法におきましては、照合等の禁止、消去、安全管理措置、利用者の義務の規定が置かれたところでございまして、これらについて規定に違反していると認められた際は、当該違反を是正するため必要な措置をとるべきことを命ずることができるとされているところでございます。
こうした改正を受けまして、改正ガイドラインにおきましても、改正高確法の規定に基づく違反内容を記載し、その対応内容を記載してはどうかと考えております。
この際、現行のガイドラインの対応内容につきましては、提供禁止期間等の明記がないところでございまして、こちらは有識者会議で決めることとなっておりますが、統計法における「匿名データの作成・提供に係るガイドライン」を参考に、こちらは具体的な内容につきましては今後検討するところでございますけれども、下の統計法のガイドラインと同様に、この括弧のような記載を明記してはどうかと考えております。
17ページに、改正後の高確法につきまして、「照合等の禁止」「消去」「安全管理措置」の実際の条文を掲載させていただいております。
最後、18ページは、「第16 集計表情報の取扱い(案)」でございます。上の四角でございますけれども、現行のガイドラインにおきまして、「特定の患者個人又は医療機関・薬局等の識別性の問題に配慮した上で、レセプト情報等の情報について、提供依頼申出者の申出に従い、厚生労働省が最も狭い地域性の集積単位や都道府県として一定の集計を加えたものとする」とされているところでございます。
最も狭い地域性の集計単位につきましては、現行ガイドラインの第12に定めております「提供依頼申出者による研究成果等の公表」におきまして、最も狭い地域区分の集計単位は2次医療圏または市区町村となっておりますので、改正ガイドラインでは、「最も狭い地域性の集計単位を市区町村として一定の集計を加えたものとする」としてはどうかと考えております。
また、3つ目の○につきまして、実運用を考慮した際のことでございますけれども、多次元・多数の集計表情報の作成につきましては、運用側の負担が大きく、データ抽出に要する時間が非常に長くなっておりまして、他の提供申出に影響を与えることが想定されますので、「医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議」報告書で、「第三者提供に係る個別審査を円滑に実施、迅速に提供するための方策(適切な審査頻度の確保等)を検討すべき」、こうした指摘がされているところでございますので、提供できる集計表情報につきましては、原則として、内容が簡易であって表数も少数であるものに対して行うものとさせていただきまして、内容が複雑または表数が過大と考えられるものにつきましては、必要に応じて審査の対象とするか否かにつきまして社会保障審議会の意見を聞くこととし、当該意見を踏まえた上で対応することとしてはどうかと考えております。
資料1の説明につきましては、以上になります。
○山本座長 どうもありがとうございます。
それでは、ただいま御説明いただきました資料1「『レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン』改正について」に関しまして、御意見、御質問がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
前回の有識者会議で御報告があったように、法制化されたことによる定義の明確化、用語の変更等でございますけれども、若干、この機会に変えるというのも入っていますので、その辺に関しても御意見をいただけると幸いです。どうぞ。
○石川構成員 11枚目の資料ですけれども、下のところに新しい案があって、「オンサイトリサーチセンター内での作業については外部委託をすることは認められない」と書いてあります。介護データベースとNDBとの突合とか、そういうことで複雑化する作業が入ってくるわけですけれども、そうすると、ますますオンサイトリサーチセンターの中での渋滞というのが出てくると思うのですね。そういったところの解決についてはどういうふうに考えているのでしょうか。
○梅澤室長補佐 事務局です。
まず、前提として、現時点でオンサイトを実際に運用しているのがNDBのみになっています。介護DBは、今後、オンサイトを検討していくことにはなるかと思うのですけれども、実際は介護DBのほうでオンサイトが動き始めてからという形にはなるかと思いまが、できるだけオンサイトで行列ができて待たないようにという形で、複数回線を用意するとか、今後、NDBについてもクラウドで運用することを検討しておりますので、できるだけオンサイトを使うまでに長い時間を待つようなこととか、連結して使うときに長いこと待って使うということがないように検討していこうとは思っております。
○山本座長 よろしいですか。
○石川構成員 匿名データベースについては、ある面では集計表だとか、PHRという個人情報が件名のデータベースがあったときに、比べるということについてのデータベースの使い方が一つの利用法になるはずなのです。例えばPHRを持っているこの患者さんのこの病気のこの治療というのが、個人的な治療ですが、それが全体のNDBとか介護データベースのところでどの位置にあるのかとか、こういった使い方が恐らく出てくると思うので、集計表だとかそこら辺の充実がこの辺の渋滞をなくすことの一つになるのだと思うのですね。解決方法としてはね。
そのときに、NDBと介護データベースを連結したような集計表みたいなものを厚生労働省の側で、これだと使いやすいという集計表だとか、そういったものを設計していくのが、ほかの件名データベース等の利用の仕方ということではすごく役に立つと考えているわけなのです。そういったところで、こういう渋滞が起きそうなところは、渋滞ができないようにできるのではないかと考えているのです。
ぜひ検討をお願いしたいと思います。
○山本座長 ありがとうございます。
オープンデータの結合版みたいなものですね。あれば絶対に便利だと思いますので、またこれから検討してまいりましょう。
ほかはいかがでしょうか。
皆さんが考えていらっしゃる間に、12ページで、「0」は患者さんあるいは医療機関の特定につながらないという意味で、「0」を示す必要がある場合に「0」を示すということは問題ないと思うのですけれども、問題は「0」を表示することによって特定性が上がってしまうような場合、例えば12ページで言うと、X医療圏で仮に総数が分かっている場合、それからY医療圏も同じで、これは「0」ではないのですが、どっちも総数が分かっていると「*」のところが出てしまうわけですね。こういった場合にどう対応するかというのは、注意するとは書いてあるのですけれども、どう対応するというのが書かれていないのですが、何か案があるのでしょうか。
○梅澤室長補佐 事務局でございます。
「0」につきましては、公表しなければならないという形ではなくて、公表することができるという形で定義づけようと思っております。例えば12ページ目の右下の表ですと、X医療圏で総数が上の患者数のところからすると21と分かるのですけれども、21とX医療圏で総数が出ていた場合、「0」を明示することで疾患Cが6と逆算できてしまいますけれども、そういった場合は、例えば疾患Bの「0」をルール上は公表できますけれども、疾患Bについてもマスクして、疾患B、疾患Cともにマスクという形で、逆算できないようにするといった形で研究者側で対応するようにお願いというか、そういう工夫をしていただく形になるかなと思います。
○山本座長 どうぞ。頭金先生。
○頭金構成員 総数を出さないということで逆算できないのではないですか。
○梅澤室長補佐 私がお話しした例は一例でして、この12ページの趣旨としては、「0」を明示するのであれば総数を出さないように書く。総数を出すのであれば、疾患Cが逆算で出てきてしまうので、「0」も併せてマスクする。複数工夫の仕方はあるかと思うのですけれども、そのやり方は研究者側にお任せするという形がいいかなと思っています。
○山本座長 あるいは、総数を16~25というふうに範囲で指定すると出せますよね。「0」が非常に重要だという場合も多分あると思うのですね。その場合は、総数を範囲指定に変えるとか、そういったある程度の方策の例を挙げておいたほうが、ガイドライン自体でなくても、そういったことが利用者にとって分かりやすいのではないでしょうかね。
ほかはいかがでしょうか。本日検討する範囲では、これでよろしゅうございますか。
それでは、事務局から御提示のあった資料1の案に沿って改定を進めていきたいと思いますが、それでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○山本座長 ありがとうございます。
それでは、議題(1)に関してはこれで終わりたいと思います。
議題の2つ目は、「オンサイトリサーチセンターにおける利用者支援について」。事務局から説明をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。資料2「オンサイトリサーチセンターにおける利用者支援について」という資料をお開きください。
1ページは、「オンサイトリサーチセンターの第三者利用の開始に向けたこれまでの対応」という部分を、経緯を含めまして記載させていただいております。
上からでございます。平成25年1月に「レセプト情報・特定健診等情報データの第三者提供の在り方に関する報告書」がまとめられまして、こちらにおきまして、「より円滑なデータ提供のためには、探索的な研究や希少疾患の研究に有効で、患者や個人立の医療機関の情報を保護することができる、オンサイトセンターでのPrivacy Preserving Data Mining等を用いたデータの利活用について検討を進めることが望ましい。」とされたところでございます。
平成27年12月から試行利用を開始いたしまして、オンサイト運用のための基本方針を策定させていただいたところでございます。
また、平成28年9月に、オンサイトのパフォーマンステストはおおむね完了いたしまして、第三者利用本格運用開始に向けた準備といたしまして、オンサイトリサーチセンター諸規定等の整備を行ったところでございます。
平成28年12月、第三者利用の開始に当たりまして、まずは試行期間として厚労省オンサイトの運用を開始させていただきました。
平成30年2月から、厚労省オンサイトで第三者利用の試行利用を開始させていただき、同年8月に厚労省オンサイト試行利用の報告をさせていただいております。
また、令和元年、昨年の10月から、第三者利用を厚生労働省及び京都大学で開始させていただいているところでございます。
この第三者利用の開始におきましては、2ページにお示ししておりますが、こちらは第45回レセプト情報等の提供に関する有識者会議で御審議させていただいた資料3から抜粋させていただいておりますけれども、厚生労働省と京都大学のオンサイトリサーチセンターにおきまして、四角にお示しさせていただいている要件の下で、現在、第三者利用を行っていただいているところでございます。
内容といたしましては、1のアからウに示す内容ですね。先ほどオンサイトのコンセプトというところでもお示しさせていただきましたけれども、原則といたしまして、第三者提供の個票抽出の利用経験を有している者で、イのSQLの知識を持って実際ファイルの加工ができる者というところで要件を定めております。また、オンサイトリサーチセンターにおけるレセプト情報・特定健診等情報の利用に関するガイドライン第5の4.利用依頼申出者の範囲の者であるという要件を設けさせていただいたところでございます。
また、2の部分で、利用期間につきましては、探索的研究は3カ月、それ以外の場合は6カ月とさせていただいているところでございます。
3.申出の数でございますけれども、当面の間、各オンサイトリサーチセンターで同時に利用できる申出を2つまでとさせていただいているところでございます。
審査につきましては、4でお示しさせていただいておりますが、昨年9月の有識者会議から順次行っておりまして、要件を満たした申出から利用を開始させていただいております。
利用時間につきましては、平日の原則9時から17時まで。
また、最後の文で、一般利用の開始後におきましても、継続的に利用の実態に係る課題等を把握いたしまして、有識者会議の意見を踏まえ、必要な対応を講じていくこととしております。
3ページに、本日御審議いただきたい「オンサイトリサーチセンターの利用者支援に係るワークフロー」、こちらのイメージ図をお示しさせていただいております。上の四角の部分でございますが、最初の○のところで、オンサイトリサーチセンターの利用者支援につきましてはオンサイト運営管理者、こちらは厚生労働省、東京大学、京都大学が現在行っているところでございます。
2番目で○でございますけれども、NDBデータにつきましては、ありがたいことに高く評価いただいておりまして、利用ニーズはございますけれども、実行可能性やデータ解析等に不安があるというところで、実際の研究者の利用数はあまり増えていないというところが実情でございます。
こういった背景を受けまして、オンサイトリサーチセンターにおける申請前支援といたしまして、運営管理者が行える業務にオンサイトリサーチセンター利用申出者のリサーチクエスチョン、実際に解析といったものが実行可能であるかどうかというものを事前に探索できることとしてはどうかと。こちらも、事前探索のためのオンサイト運営管理者による事前準備業務も含むこととさせていただきまして、こういった事前の探索をできることとしてはどうか、今回、御審議していただきたいと思っております。
具体的なイメージといたしましては、下のイメージ図を御参照いただければと思いますけれども、上の青の四角に書かれている部分と矢印でお示しさせていただいている部分は、現行の申請までのフローでございます。
左から、申出者によるオンサイトの利用申請がある。こちらは、第三者提供支援窓口というものが現在設置されておりますけれども、この窓口で相談いただきまして、メールや電話による支援を行いまして、申請書類を準備いただき、最終的に押印の上、紙媒体で提出いただいているところでございます。
このオンサイトリサーチセンターにおけるデータ利用に関するガイドラインに基づきまして、個別に有識者会議で審査を行っていただきまして提供可否を判断し、利用中の疑問点等につきましては、オンサイト運営者が適宜対応しながら解析を行っているところでございます。
ここのフローの中の「申請前段階」という部分、矢印の下の部分でございますけれども、申請までの流れ、NDBとは、審査とは、申請とは、こういった疑問につきましては現行どおり第三者提供支援窓口が支援を行っていくというところは変わりないのですけれども、こういった分析、RQ、リサーチクエスチョンの部分で、こういった疑問があってこういった分析がしたいのだけれども、実際、NDBを使ってできるのかどうか、データがどのくらいあるのかみたいなところを、申請前の段階ではイメージしづらいというところがございますので、こういった部分をオンサイトリサーチセンターの運営管理者が申出予定者のリサーチクエスチョン等の疑問に対し支援するために、事前にオンサイトを使ってNDBデータを探索できることで、こういった課題について対応していったらどうかと考えております。
資料の御説明は以上となります。
○山本座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました「オンサイトリサーチセンターにおける利用者支援について」に関しまして、御質問、御意見があれば、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
どうぞ、高橋先生。
○高橋構成員 今の申請前段階の話ですけれども、これはどこのオンサイトリサーチセンターで誰がやるというのは決まっているのですか。例えば厚労省のところだと厚労省の人が教えるとか。意味が分かりますか。誰がお手伝いするかというのは、申請者のほうが決めることができるのか。あるいは、オンサイトリサーチセンターのほうの管理者がそれぞれ議論して決めるのか。それはどんなふうでございますか。
○梅澤室長補佐 今、想定していますのは、利用するオンサイトでというのを想定しています。ただ、厚労省がこれをやるのは少し難しいかなと思っていて、現時点ですと主に東大もしくは京大という形になるかなと思っています。
○高橋構成員 そうすると、実行可能性というのはその方たちが判断してしまうということもあるということですか。
○梅澤室長補佐 どちらかというと、判断というよりはアドバイスという形になるかなと思います。
○高橋構成員 そうすると、その情報は前もって見られるということになるわけですね。
○梅澤室長補佐 研究者側は見られません。研究者側がNDBのデータが実際にどうなっているかというのが分からないところがあって、なかなか実行に踏み出せないという背景を持っている方がいらっしゃるので、それを事前に東大もしくは京大に相談いただくことで、東大もしくは京大のオンサイト運営管理者が、全例を見るとちょっと重くなってしまうので、1カ月、2カ月程度、実際にデータを少し見てみて、研究者が持っているリサーチクエスチョンが実際にNDBデータを用いて研究可能かどうかというのを見てあげるという形になります。
○高橋構成員 その東大、京大の方たちはボランティアみたいな感じですか。
○梅澤室長補佐 実際はそうなります。
○高橋構成員 分かりました。
○山本座長 ボランティアなのですか。
○梅澤室長補佐 予算をつける予定はないです。
○山本座長 できるとすることに対しては問題ないのですけれども、ボランティアだとやれる範囲が決まっていますから、どうしても運営管理者側で順位づけをしたりということが起こると、今度は申請者から不公平だというようなクレームが出る可能性もないではないと思うのですね。
米国のCMSではResDACがこういうことをやっていますけれども、そこは申し込めば、講習会とか順番がかなりあって、単純にコンサルテーションができるわけではないですけれども、それなりに分け隔てなくやれるような体制になっていると思うのです。それをどう確保するのかというのを考えておかないと、実際に不公平にやっているかどうかは別として、申請者が不公平感を持つようなことになると、ちょっと具合が悪いかなという気がしないでもないですよね。
どうぞ。
○石川構成員 これで見ますと、申出者という方が自分がNDBとかそういったものを使ってどういう研究ができるか、自分の持っているこれをやりたいということがNDBできるかどうかということですよね。そうすると、それがオンサイトの利用の申出という前に、まずNDBであなたの研究ができますよみたいな、もう一つ前のオリエンテーションが必要なのではないかと思うのですね。
この絵で見ますと、申請前段階のところに「NDB?」と書いてあったりしていますけれども、NDBでそもそもこの人の研究ができるのかどうかという問いがあって、今まではオンサイトセンターがないときもあって、そのときはNDBをどうやって使うかという、幾つか僕らも審査したことがあって、途方もない申出もあったわけですけれども、そういうことをやっていましたよね。
そもそもNDBというのはあなたの研究にこういうふうに使えますよという、その話し合いというのがまずは必要なのではないかと思うのです。オンサイトセンターをあなたが使って支援者をつけますよという問題よりは、そこがまず第一歩であるのではないかと思うのですけれども、それはどうなのでしょうか。
○新畑室長 ありがとうございます。
御指摘いただいた内容はとても重要な点だと思っております。データの分析というものを、今後、データベースを整備していくとともに、実際に使っていただく人材をどのように育成していくか、またそこに対してどのような支援をしていくか、いろいろな課題があると認識しております。オンサイトの人材ですね、こういったことに対してボランティアでやっていただくということが適切なのかどうかというところは今後も検討していかなければいけないところでございます。
一方で、こういった支援を包括的にできる体制があるかというと、なかなか現状は難しいところがございますので、そういった様々な課題につきましてはもちろん今後も検討してまいりたいですし、まずは東京大学、京都大学のオンサイトの管理者の方がこういった形で支援いただけるといったところで御了解いただいているところでございますので、こういったできるところからは始めていってはどうかと考えております。御指摘いただいた点は大変重要な点でございますので、今後も検討してまいりたいと思います。
○山本座長 頭金先生。
○頭金構成員 オンサイトリサーチセンターの利用資格としては、2枚目の1.の(1)のアのところに、利用できる者が、「原則として、第三者提供の個票抽出の利用経験を有する者」とあります。この規定はまだ生きているわけですよね。そうしますと、少なくとも特別抽出でNDBを使った解析をした経験がある人ということになります。
従って、今回のオンサイトセンターの利用者は、個票データの扱いについては経験があり、初めてNDBのデータを使うことにはならないと思います。このような理解でよろしいですか。
○新畑室長 御指摘のとおり、現行の要件というものは変わらず、ある程度データの操作ができる方がオンサイトを利用していただくという前提は変わらないところでございますが、そういった方におきましても、実際、リサーチクエスチョンを考えている中で、本当にこのデータはあるのか、どのくらいあるのかみたいなところはなかなか難しい部分があると思いますので、そういったところはこういったスキームを通して支援していきたいと考えているところでございます。
○山本座長 ほかはいかがでしょうか。
これはガイドラインに書き込むということですか。そうではなくて、現場の運用に関してやっていいこと、悪いことをこの辺で明確にしておこうということですかね。
○新畑室長 はい。
○山本座長 どうぞ。
○三浦構成員 今のところで、私もうっかりしていたのですけれども、2ページの1番の要件のアですけれども、私、以前も指摘させていただいたのですが、特別抽出の利用経験がある人は、特別抽出をお願いして自分の施設で分析されるほうがよいだろうと思うのですが、そういうことができない人のためのオンサイトリサーチセンターなのではないかなと思い、以前も発言させていただいたことがあります。アの要件を厳しくしてしまうと、オンサイトリサーチセンターを本当の利用したい人が利用できないことになるのではないかと思うので、その「原則として」というところがどのぐらい原則であるかというような条件、その辺りを御検討いただければと思っております。
○山本座長 何か事務局からありますか。
○梅澤室長補佐 こちらは昨年の9月に出させていただいた資料になりますけれども、ここで一定の了承を得たと事務局としては認識しております。まずこの前提として、現時点のオンサイトがそれぞれの拠点で2つの端末しかないという形で、数が制限されているということと、あとはそれを支援してくださる東大と京大の人員についても現時点では少ないという前提がございまして、開始当初はこういった経験を有する者という形で始めてはどうかと考えていたところになります。
ただ、今後、同時にオンサイトが使える端末が増えていくに伴って、こういったところも見直す時期が来るのではないかと考えていますので、今後、ここを少し開放したりということは考えられるかなと思います。
時期については、いつまでとか、いつからというのは、現時点で指定するのは少し難しいと考えています。
○山本座長 もともとオンサイトリサーチセンターは、入門編ではなくて、特別抽出で提供することができないとされている探索的な研究が非常にリクエストが多かったものですから、探索的な研究をするのであればオンサイトリサーチセンターでやってもらわないと困りますねということで、今日の資料の1ページ目の最初の「探索的な研究や」というところがオンサイトセンターで、私が聞こうとしたのだけれども、その後ろの「希少疾患の研究に有効」なのは、実はオンサイトセンターではなくて、PPDMのうち特別な統計手法みたいなものを使うことになって、そっちのほうはまだ全然進んでいないわけですけれども、だから、探索的研究を行うという前提でつくりまして、今、使われている利用目的がそうばかりとは限りませんけれども、そういう意味ですから、ある程度経験のある人でないと多分難しいだろうと思いますね。
なおかつ、これは、それでも実際にそのリサーチクエスチョンがちゃんと解決できるかどうかという見当をつけるための手助けという意味ですよね。だから、運営管理者の先生方がこういうことをしていいと思っていらっしゃるのであれば、当面これをやっていただいて、少しこの有識者会議で、特異な、試行的な実施をしていただいて、不公平が起きないとか、そういったことを確認しながら進めるという形にするということでいかがでしょうか。
それでは、そのようにさせていただきます。
この件に関して、ほかに御質問、御意見はございますでしょうか。どうぞ。
○大久保構成員 最初、オンサイトで何かやろうと思って、多分オンサイトのほうに相談に行くのだと思いますが、それでオンサイトの担当者がちょっといじってみて、これはオンサイトでやらなくても特別抽出でお願いすればいいのではないのというような場合は、申請がこちらに上がってきても、それはそれで構わないということでよろしいのですか。
○梅澤室長補佐 一応、オンサイトの利用を前提としたフローを考えていますので、なかなか難しいところはあるかなと思いますけれども、オンサイトの運営管理者がそのように案内するのであれば可かなと思います。ただ、そもそもオンサイトの利用をしようとする研究者は、自身で環境を準備できないのでオンサイトを利用しようと思っているわけでありまして、第三者提供でという案内は状況として少し難しいのではないかなという印象はあります。
○山本座長 どうぞ、石川先生。
○石川構成員 確認なのですけれども、1ページ目の、山本先生の話から出てきた「Privacy Preserving Data Mining」、この言葉はあまり出てこない言葉なのですけれども、具体的にはこの有識者会議、あるいはこの後の分科会でこのことについて詳しく知らなければいけないということはないですか。どうですか。
○梅澤室長補佐 こちらは、平成25年1月にこの有識者会議の下に設けられたワーキングで出てきた報告書で取りまとめていただいたことで、この後にこちらの有識者会議で議論していただいた結果、オンサイトができたという形になっていますので、ここでの報告書はクリアしているというか、基づいてオンサイトができたので、これ以上は検討することはないと思っています。
○石川構成員 手続的にはそうなのですけれども、これからはこのオンサイトの利用者というのが申し出てきたときに、このことについてはどういうことを意味しているのかということが、次の分科会だとかそういったところで分からないとだめだと思うので、しょっちゅうこれを解説しないと、やはり本当に評価はできないのではないかなと思ったので、今、質問しました。
○山本座長 ありがとうございます。
このNDBの有識者会議の中でというよりは、もう少し範囲の広い問題で、現状、今の個人情報保護法が匿名加工情報を提起したために、個人情報保護、つまり個人のプライバシー保護の解決手段の一つである匿名化、匿名加工というのが強調されているのですね。Privacy Preserving Data Miningというのは、データマイニングを行うときにプライバシーを保護する方法の総称で、その中には匿名化、匿名加工も含まれるのですけれども、匿名化、匿名加工によらないで個人情報を保護する方法も数多く提案されていて、幾つかというか、かなり多くのものが実用化されているのですね。
それに関しては、現状、個人情報保護委員会で認められていないといいますか、特段検討されていないので、NDBだけ突出してやるというのも難しいところがあって、これは例えば経産省のところどころの会議等でこの話題は出てきていますので、今後、多分出てくる可能性はあると思います。それが、いわゆる個人情報保護法制の中できちっと評価されて位置づけられたら、我々としてもしっかり検討していけばいいのではないかと私は個人的には思っています。
私はこれの研究者なので、なぜ採用されないのかというのはすごく不満なのですけれども、今のところはしようがないというところで、学術論文等ではたくさん出ておりまして、それなりに世界的には評価を受けているような仕組みが多いですね。
例えば日本で10例しかない症例の医療費の平均を求めたい、医療費の平均を求めるのに一例一例の医療費は知る必要がないので、その10例の医療費の何も見ないで平均だけを求める方法というのがもう確立されているのですね。それを使うことによって、個票は一切見ないで、統計値だけを統計的な正確さをもって計算できる方法というのがあって、その場合は10例あろうが、5例であろうが、全く個票を見ないので、患者さんを特定するような話は一切ないにもかかわらず、欲しい情報を得ることができる手法が存在します。
そういったことも、このNDB等で使えると、NDBですから網羅性がありますので、そういう意味では非常に少ない病気に関しても、NDBで分かる範囲の統計量であれば導くことができるということがあります。現状、それは物すごく難しいのですね、真面目にやろうとすると。それが非常に素早くできるという意味では、価値はあると思うのです。
あと、実用例としては、東北メディカルメガバンクの遺伝子分析に関して、今、こういうPPDMの手法をたくさん使ってやっていらっしゃいますね。遺伝子の場合は特にそうで、こういう方法を使わない限りはまともに分析ができないところがあるのだろうと思います。
そういうことで、ここは一応問題点として、言い出しておきながら恐縮ですけれども、少し先送りとさせていただければと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、2つ目の議題はこの辺りにして、議事の3つ目、「令和2年度第三者提供の審査スケジュールについて」、事務局から説明をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。
資料3、令和2年度第三者提供の審査スケジュールについてという資料をお開きいただければと思います。こちらは、今後ホームページに公表させていただきますレセプト情報等の提供に関する申出書の2020年度の審査スケジュールについて御審議いただければと思います。
スケジュールにつきましては、表の左に「審査月」を記載させていただいておりまして、真ん中に「申出に必要な提出書類一式の受付締切」を書かせていただいております。また、右側の「審査結果の通知」というところで、審査後1カ月前後の通知というところで予定しております。
また、今まで議論させていただいております法改正の関係で、2020年12月以降は新しい体制での審議になりますけれども、予定のスケジュールといたしましてはこのような形で進めさせていただければと考えております。
資料の説明につきましては以上になります。
○山本座長 ありがとうございます。
後ろ半分は新体制ということで、ここで了承する話でもないと思いますけれども、このようなスケジュールで特に問題はございませんでしょうか。
それでは、このように進めていただくように事務局でお計らいをよろしくお願いいたします。
引き続きまして議事の4つ目、「令和2年度DPCデータの提供審査スケジュールについて」、事務局から説明をお願いいたします。
○新畑室長 資料4で、令和2年度DPCデータの提供審査スケジュール、こちらの資料をお開きいただければと思います。
先ほどと同様の資料でございますけれども、「DPCデータの提供に関する申出書」の審査スケジュールにつきまして御審議いただければと思います。
先ほどの資料と同様の構成になっておりますが、真ん中の「申出に必要な提出書類一式の受付締切」という部分は、先ほどお示しした資料と少し異なる点がございますけれども、「審査月」及び「審査結果の通知」につきましては先ほどと同様の月及び期間と考えております。
資料の説明は以上になります。
○山本座長 ありがとうございます。
DPCの提供の申出は、匿名レセプト情報、匿名介護総合データベース情報の名称が変わるのか、何が変わるのか分かりませんけれども、改組された後もその委員会でこのDPCをやることにはなるのですね。
○梅澤室長補佐 DPCデータベースの第三者提供につきましてもガイドラインを改正する予定でして、次回の6月に担当部署から資料が出てくる予定になっておりますけれども、恐らく改正したNDBのガイドラインを、該当部分を少し変える程度の改正になるかなと思っております。詳しくはまた6月に議論をしていただくことになるかと思います。
○山本座長 分かりました。
このスケジュールで特段問題はございませんか。
それでは、このスケジュールで進めていただくよう、事務局で準備をお願いいたします。
ありがとうございました。本日御審議いただく事項は以上でございます。
事務局から、何かお知らせはございますでしょうか。
○新畑室長 次回の開催についてです。次回についても、引き続きガイドラインの改正につきまして御議論いただく予定でございます。介護DBとの連結に係る手続等が含まれてまいりますので、次回から6月、9月で予定されておりますこの2回につきましては、要介護認定情報・介護レセプト等情報の提供に関する有識者会議との合同開催とさせていただきたいと考えておりますけれども、座長、いかがでしょうか。
○山本座長 合同開催でよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○山本座長 それでは、そのように進めていただくようにお願いいたします。
ほかに何かございますか。
○新畑室長 本日、この後、休憩を挟みまして、16時から審査分科会を開催させていただきたいと思っているのですけれども、若干早く終わりましたので、審査分科会の構成員の皆様がそろわれましたら適宜始めさせていただきたいと思います。審査分科会の構成員の皆様におかれましては、引き続きよろしくお願い申し上げます。
事務局からは以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
それでは、本会議のほうはこれで終了いたします。
若干の休息で、分科会の構成員の先生がそろわれましたら分科会を始めたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。