2020年2月14日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

日時

令和2年2月14日(金)16:00~

場所

新橋8E会議室(8階)

出席者

出席委員(17名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(4名)

行政機関出席者

 樽見英樹(医薬・生活衛生局長)
 山本史(大臣官房審議官)
 中井清人(医薬安全対策課長)
 田中大祐(安全使用推進室長)
 山田雅信(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

 
 

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから令和元年度第2回薬事・食品衛生審議会医療機器・再生医療等製品安全対策部会を開催いたします。お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。御理解のほど、よろしくお願いします。傍聴の方々におかれましては、あらかじめお伝えしております留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日は、真田委員、宮地委員、山口委員、脇田委員より欠席との御連絡を頂いております。現時点で17名の委員が出席しております。本部会の定員は21名ですので定足数に達していることを御報告申し上げます。

 また、今回より委員として御参画いただくことになりました先生方を御紹介いたします。公益社団法人日本歯科医師会常務理事でいらした三井委員の後任として、同会理事の征矢亘委員が御着任されました。一言お願いできますか。

○征矢委員 日本歯科医師会の征矢と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○安全使用推進室長 次に、事務局に人事異動がありましたので御紹介いたします。令和2年1月1日付けで着任いたしました厚生労働省大臣官房審議官(医薬担当)の山本です。

○審議官 山本でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○安全使用推進室長 厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課長の中井です。

○医薬安全対策課長 どうぞよろしくお願いします。

○安全使用推進室長 医薬品医療機器総合機構安全管理監の山田です。

○安全管理監 山田でございます。よろしくお願いいたします。

○安全使用推進室長 医薬品医療機器総合機構医薬品安全対策第一部長の鬼山です。

○医薬品安全対策第一部長 鬼山です。よろしくお願いします。

○安全使用推進室長 それでは、議事に入りますので冒頭のカメラ撮りはここまでといたします。以後の議事進行は、荒井部会長にお願いいたします。

○荒井部会長 それでは、議事を始めます。まずはじめに、事務局から薬事分科会規程に関する遵守事項等について御説明をお願いいたします。

○安全使用推進室長 所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。薬事分科会規程第11条においては「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告いたします。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願いいたします。議事に関する遵守事項の説明、薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果の御報告は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。続いて、事務局より配布資料について説明をお願いいたします。

○事務局(武内) 資料の確認をいたします。本日、席上にお配りしております資料として、議事次第、資料一覧、座席表と委員名簿は両面1枚でして、合計3枚をお配りしております。資料については、前回の部会に引き続きペーパーレス化を実施しており、各委員におかれましてはお手元のタブレット端末で資料を御確認いただければと思います。

 タブレットに入っている資料として、それぞれ資料番号が振られております。資料1は資料1-1から資料1-4で、資料1-4は資料1--4まであります。次に、資料2は、資料2-1から資料2-4まであります。資料3は、資料3--1から資料3--2まであります。資料4は、資料4-1から資料4-7まであります。資料は以上です。なお、本日の議題は全て報告事項となっておりますので、よろしくお願いいたします。

○荒井部会長 よろしいですか。それでは、議題1を始めます。議題1について事務局より説明をお願いいたします。

○事務局(武内) それでは議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」、資料1-1から資料1-4に沿って御説明いたします。まず、資料1-1の2ページを御覧ください。背景について御説明いたします。薬剤溶出型冠動脈ステント及び薬剤塗布型冠血管向けバルーン拡張式血管形成術用カテーテルについては、添付文書の「使用上の注意」において、二剤抗血小板療法(DAPT)の期間について、こちらの機関は、各製品において行われた臨床試験の内容を基にした推奨期間が記載されることとしておりました。

 今般、日本循環器学会などの関係学会により組織されました合同研究班により、「安定冠動脈疾患の血行再建ガイドライン」及び「急性冠症候群ガイドライン」のそれぞれ2018年改訂版が取りまとめられたことを受け、2ページの新旧表右側の改訂後の下線部分のとおり、当該ガイドライン等の最新の関連ガイドライン等を踏まえて適切に実施する旨へ記載を改訂することとしたものです。本通知では、添付文書の改訂と医薬品医療機器総合機構への添付文書の情報掲載及び関連医療機関等への情報提供を通知発出後の3か月後までに完了することとしており、これまでに対応が完了していることも併せて御報告いたします。資料1-1については以上です。

 続いて、資料1--1です。総務省では、平成12年度から携帯電話などの電波が植込み型医療機器などへ及ぼす影響の調査を実施しており、平成29年度からは在宅で使用される医療機器に対する影響の調査も実施しております。本通知はこれらの調査の結果として、平成30年度「電波の植込み型医療機器及び在宅医療機器等への影響に関する調査等」という報告書が取りまとめられたことを周知するものとなります。検証の内容については、別途、資料を使って御説明いたします。

 番号が前後しますが、資料1--3は、在宅で使用する医療機器への影響の調査です。左下のイメージ図のとおり、携帯電話端末から電波が最大限に発せられるように設定し、一方、医療機器側では流量などのセンサーの感度を最大限にし、電波干渉などの電波の影響が最も起こりやすい極端な条件にした上で、携帯電話端末を医療機器に接近させ、医療機器の機能への影響の有無について検証したものとなります。

 この調査の結果として、成人用人工呼吸器及び二相式気道陽圧ユニットにおいて、携帯電話端末から発せられる電波を、人工呼吸器などにおいて患者の自発呼吸として誤って検知してしまい、呼吸回数が増加し続けてアラームが鳴り、その後も自発呼吸の回数として増加し続けるといった事象が確認されました。なお、この事象は携帯電話端末を医療機器から離すことで解消されました。

 本検証試験については、先ほど申し上げたとおり、極端な条件を想定したものであり、実際の使用環境においては、不具合などの報告において、携帯電話端末から発せられる電波により同様の電波干渉が発生したという報告はありませんが、本調査の結果を受け、携帯電話端末から発せられる電波により、潜在的な電波干渉のリスクがあることが分かりました。

 続いて、資料1--2の2ページは検証結果を踏まえた内容となります。在宅において使用することが想定されます人工呼吸器及び二相式気道陽圧ユニットを製造販売する企業に対して、添付文書の使用上の注意を改訂し、医療機器から携帯電話端末を離す距離を明確にするとともに、使用患者やその家族に対して日常観察指導を行うよう改訂を指示する通知を発出しております。

 現在、各製造販売業者により、添付文書の改訂と医療機関への情報提供が進められているところですが、医療関係者に加え、患者やその家族などの一般の方にも注意を促すためのリーフレットを別途作成しております。リーフレットが作成されましたら、関係部局にて連携し、広く周知するよう努めてまいります。資料1-2については以上です。

 資料1-3は、前回の部会以降に開催されました安全対策調査会における審議内容と審議後の対応結果について御報告するものとなります。まず調査会の背景です。金属同士の擦れ合う結合部分を持つ人工股関節は「Metal-on-Metal人工股関節」と呼ばれており、それを用いた人工股関節全置換術については、術後に金属摩耗粉に対する生体反応と考えられる疼痛や偽腫瘍等の合併症が発生することが知られております。

 そのため、日本人工関節学会により、術後合併症の発生頻度及び診療アルゴリズムについて診療指針として取りまとめられました。この診療指針に対する論点は、資料の8ページを御覧ください。8ページでは、図2において術後における合併症の診療アルゴリズムとしてX線像において異常所見が得られた場合や臨床症状を呈する場合に、MRI検査により再置換術の必要性について判断することが推奨されております。一方で、現状の多くのMetal-on-Metal人工股関節製品については、MRIを使用するに当たっての情報提供が十分になされていない状況でした。

 2ページに戻り、調査会での審議の内容です。各Metal-on-Metal人工股関節製品の製造販売業者が、厚生労働省へ提出したMR適合性の評価資料や、これまでの医療機器の不具合報告の内容が、PMDAにより精査された結果が報告されました。これまでの市販後の不具合報告では、実際の臨床におけるMRI検査の実施により、熱傷などの健康被害が発生したという報告はないものの、MR適合性評価資料の結果の中には、実験的な条件下においては温度上昇が生じる旨の資料が提出されたことについて報告されております。

 これを踏まえ、Metal-on-Metal人工股関節製品を植え込んだ患者に対して、MRI検査を実施する上では、当該製品が発熱するなどのリスクが必ずしも否定できないことから、適切な場合にはMRI検査以外のCT検査などによる診断も考慮する必要があるとの議論がなされました。また、日本人工関節学会を含む関連学会により、Metal-on-Metal人工股関節を用いた置換術後の合併症の診断を行う際のMRI検査の撮像条件や留意事項などに関する診療指針の補遺が取りまとめられた後に、医療機器製造販売業者から医療機関に対して改訂された情報に基づいて提供される方針が了承されたことになります。

 その後、関連学会により診療指針の補遺が取りまとめられました。実際に取りまとめられたものに関しては、25ページに掲載しておりますので御覧ください。こちらの補遺が取りまとめられ、各関連学会において公表されたことを受け、24ページにありますように、厚生労働省より医療機器製造販売業者に対し、当該補遺の内容について医療機関などに適切に情報提供するよう求める通知を発出しております。資料1-3に関する説明は以上です。

 続いて、資料1--1は、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者が不具合等の報告を行う際の様式の一部改正に関する報告です。まず、2ページを御覧ください。医療機器及び再生医療等製品については、その製品の使用による不具合又は疑いのある不具合が発生した際には、法令に基づき所定の不具合報告様式を使用して厚生労働大臣に報告することとなっております。現在は、医療機器の一部の報告様式に関して、電子情報処理組織である不具合情報管理システムにより、電子的に医薬品医療機器総合機構へ報告書を提出することができることとなっておりますが、その他の報告様式については、書面による報告を行うこととなっておりました。

 3ページです。今般、この受付システムを改修し、医療機器においては全ての報告様式について電子的に報告ができるよう拡充することとなりました。また、受付システムの改修に伴い、これまでに国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF)において実施しておりました不具合の国際標準用語化の取組の成果である不具合用語集を医療機器の報告様式において、使用可能とする変更も併せて行うこととなりました。こういった医療機器のシステム改修に合わせて、再生医療等製品についても同じように、全ての報告様式について電子的に報告が開始できるように対応することとなりました。

 次の4ページでは、これらの取扱いの変更点を取りまとめたものがあります。取扱いの変更に伴う実際の不具合などの報告様式の主な改正内容については、5、6ページにまとめております。まず、5ページは、各報告様式に共通する変更点である報告の受理番号や受付方式の変更に伴う変更点を説明しております。6ページは、医療機器の不具合報告の様式において、国際標準化した不具合用語集を使用できるように様式を変更する部分をまとめたものとなります。これらの報告様式の一部改正に伴い、報告様式の各項目の記載内容の細則を定めた関連通知も改正しております。

 次の7ページは医療機器に関する関連通知の改正点、8ページは再生医療等製品の関連通知の改正点を示したものです。それぞれの関連通知では共通した改正を行っており、先ほど御説明した報告様式の改正に伴う項目の細則の変更を行いつつ、通知の構成を変更し、各様式の共通事項に関する記載内容を集約する構成へと改正しております。

 最後に、9ページは今後の予定です。今回の変更は、本年4月1日より新しい報告様式を使用して報告することができるようになり、その後は従来の報告様式を使用した報告ができる移行期間が、医療機器の場合は1年、再生医療等製品の場合は半年あり、この後は完全に移行することとなります。資料1に関する説明は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございました。大きく分けて4つの項目について御報告いただきましたが、今の項目について何か御質問等、いかがでしょうか。

○中川委員 横浜栄共済病院の中川です。報告ありがとうございます。資料1--3の携帯電話端末からの電波による在宅医療機器への影響の概要についての御報告がありましたが、前回もそうでしたが、こちらがまだ充実された周知が行われていないという実感があります。今後、どのような周知が行われるのかお伺いしたいと思います。それから、これらの周知に関して、導入した医療機関では、おおむね把握されていることが多いのではないかと考えておりますが、在宅の医療機器の管理や患者さんのケアに関しては、開業医が行っていたり、訪問介護・訪問看護等の施設が行っているケースが多く、その方々の交流の場で電磁干渉に関する話をしてもなかなか理解が得られないということで、是非分かりやすいパンフレットをお作りいただき、周知いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○荒井部会長 いかがでしょうか。

○事務局(武内) 2つあり、両方に関わるお話ですので1つにまとめてお話いたします。周知の方法に関しては、通知のみでは、なかなか全てについて十分な周知がされるのは難しいと感じております。そういったこともあり、先ほど御説明いたしましたリーフレットを作っておりまして、そのリーフレットの配り方、周知の仕方についても工夫が必要と考えており、先ほどおっしゃられたように、例えば老人介護施設など、そういった在宅に関係する施設にも広くリーフレットが周知できるように、今後関係部局と連携してまいりたいと思っております。

○荒井部会長 ありがとうございました。大変重要な点だと思います。そのようなルールを作る時に、現場からの意見を伺うようなルートはあるのでしょうか。行政側として決められる時に、現場はどうなのかというところを、例えばMEの方々に聞いたり、代表的な施設に意見を伺うなど、そういった情報収集について、その辺のルートはどうなっているのでしょうか。

○事務局(武内) もちろんリーフレットや、今後情報提供する上で関連する職能団体や関係学会にも御意見を伺いながら、より分かりやすいものを作ってまいりたいと思っております。

○荒井部会長 よろしいですか。

○西澤委員 今の関連です。先日、私は総務省の会議でこの話を進めていたのですが、リーフレットを作成するということで、イラストを使ったり、若しくは必要であれば医療機器にラベルを貼るなりした方がいいのではないかと委員から出ました。中川委員がおっしゃったように、使う方が一般の方なので、医療従事者だけではないということがあり、その時に、今の荒井部会長の言葉にありましたが、言葉の使い方で心臓外科医の委員の先生がおっしゃっていたのは、影響があると言っただけで、ペースメーカーを入れている患者さんが、もう危ないのではないかと思ってしまうと、影響があるという言葉だけで、すごく恐いと思ってしまうことがあるので、例えばそのような言葉の使い方や、可逆的とこの文書は書いてありますが、不可逆などといった言葉は一般の言葉ではないので、そのようなところも聞き取られる時に、どのような言葉であれば、科学の言葉ではなく一般の人に分かりやすく伝わるのかということも検討する必要があると総務省の委員会で出たことでした。

○荒井部会長 ありがとうございます。

○事務局(武内) ありがとうございます。先ほどおっしゃられたように、一般の方が正しくと言いますか、正しく恐がると言いますか、過剰に恐がっていただく必要性はないと考えており、そういった上で適切な言葉、一般の方でも分かりやすいようなものにする必要性はあると考えております。一方で、リーフレットに関しては、まだ構想段階ではあるのですが、医療従事者の方が患者様に対して説明する時の資材としても使えるようなものをイメージしており、その中でも医療従事者の方も理解しやすいものにもなるように工夫してまいりたいと思っております。

○荒井部会長 ありがとうございます。

○中川委員 続けて失礼します。総務省から来ている報告書は十分理解しており、我々医療機関も患者様に分かりやすく説明をしているところですが、実はこの電磁波による影響は、確かにそれほど恐れるものではないと我々も理解しており、患者様にもそのようにお伝えしているところです。

 ただし、現在植込み型の医療機器で一番問題になっているのが、電磁波よりも磁力線と呼ばれるものなのです。磁力線は、磁石を代表するようなもの、モーターにも入っておりますが、植込み型は、例えばペースメーカーであり、植込み型除細動器の場合は磁力線を浴びると設定が変わるようにできています。ですので、これは不具合ではないのです。もともと磁力線を浴びると設定が変わるのです。

 そこで我々は、その磁力線を利用して患者様の遠隔操作をすることを行っているのですが、実は先ほども患者様のお宅に環境調査に行ったのですが、患者様のお宅や周りには色々と磁力線を発射するものがあり、不具合ではなく設定が変わってしまうという注意喚起が添付文書にも僅かに書いてあるのですが、是非そういったところも把握していただき、今後、例えば電気自動車に大きなモーターが付いておりますので、そういったところで磁力線が発せられると一番問題になるのは植込み型除細動器の不整脈の検出が止まる機能がありますが、この機能に切り替わるのです。ですので、そういったところを、是非御検討いただければと御要望申し上げたいと思います。

○荒井部会長 ありがとうございます。

○事務局(武内) おっしゃるとおり、様々な電子機器や、電波でしたら電磁波を出すものというのは、この世の中に溢れているのが現状かと思います。総務省のマターになるかもしれませんが、そちらの会議体についても厚労省も参画しておりますので、総務省と連携して、そういった調査も今後進めてまいる予定ですので、そちらでも検討したいと思っております。

○荒井部会長 大変貴重な御意見をありがとうございます。電磁波、磁力波というのは、結構身近な所にあります。また、先ほど御指摘いただいた言葉に関しては、最近のコロナのことで言われていますが、「冷静に恐がる」といいますか、内容を正しく理解できるようにすることがとても重要ではないかと思われます。文言だけが並んでも、かえって脅しになってしまう場合もあるでしょうし、大変難しいとは思いますが、色々な方々が知恵を出し合って、いい落しどころの言葉を選んで頂ければと思います。貴重な御意見だと思いますので是非よろしくお願いいたします。その他、この議題1について何か御意見はよろしいでしょうか。

○渡邉委員 資料1-3の中で、我々医療機関としては、MRIをする前に、体内金属やペースメーカーが対応かどうかを事前に問診するのですが、こういったMetal-on-Metal人工股関節を植え込んだ患者さんを自施設でした場合は、その情報はもちろん分かるのですが、医療機関をまたいで来られた場合など、患者さんからの問診ではほとんど分からないのですが、医療機関同士でもその辺の情報が十分ではない中で、どうしたらそれを事前に知り得ることができるのか。それがいつも困るのですが、何かお考えがあれば教えていただきたいです。

○荒井部会長 ありがとうございました。これもいつも問題になります。いかがでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 PMDAよりお答えいたします。非常に私どもでも、その問題はかなり多く言われています。何か記録を取っているとか、何かカードを持っていただいているといった、現状ではそのような状況ではないために、先ほど先生も難しいとおっしゃられたのですが、やはり問診で聞いていただくことが一番かと思います。

 今回出されている学会からの情報提供文書にも、確か問診をしていただくようにと、手術歴も含めて確認していただく必要があるかと思います。申し訳ないのですが、現状ではそれしか手がないというところです。

○荒井部会長 何か良い案をお持ちですか。MRについては、いつもこの問題が出てきます。どうぞ、中川委員。

○中川委員 体内金属も含めて植込みの医療機器を入れている方は、人工血管もそうですが、患者登録のトラッキング制度といって、必ず製造業者には何を植え込んだかを登録しているのですが、その際に、例えば人工血管や冠動脈ステントは、以前は登録者カードが必ずその製品に入っていて患者様に渡しておりました。ペースメーカーに関しては、やはり患者様にお渡しして、お薬手帳や保険証、そしてこの植込み者カードを必ず持って他の医療機関に受診してくださいと御案内しております。

 ですので、例えば、今回問題になっている人工股関節もトラッキング制度で必ず登録されているはずですので、その中で患者様に登録者カードをメーカーが発行して把握をした上で、患者様にそういったものを所持してもらうという方法が1つ考えられると思いましたのでお話いたしました。

○荒井部会長 今回問題になっているMetal-on-Metal人工股関節については、トラッキングといいますか、カードがあった段階でしたでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 Metal-on-Metal人工股関節自体が、かなり古い医療機器になりますので、中川委員がおっしゃられたようなカードの概念ができる前に恐らく使われているものではないかと思います。ですので、当時はなかったというところです。中川委員がおっしゃられたように、能動医療機器、動いている、リズムを刻んでいるような医療機器、機能している医療機器に関しては、やはり設定が変更されると困るということもあり、カードが普及していって常時所持していただくようになっていると、あとは、リスクの高い医療機器や一部の医療機器に関しては、そのような動きをしているところです。今の対象となっている医療機器については、現状ではそういったものがないというところではあります。

○荒井部会長 これから出てくるものに関しては、基本的にその制度に乗っているという理解でよろしいのですか。過去のことで今更戻れないところもあるとは思いますが、Metal-on-Metal人工股関節に限らず、これから植え込むものが将来未知の事象を起こしてくるかもしれない。そういうものをトラッキングで捉えて行こうというようなシステムが動いているのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 トラッキング制度自体が、特定医療機器に指定されるものとなっており、人工血管のように臓器を代替するようなものが主に設定されているところで、もう一度確認をする必要があるかと思いますが、この機器に関しては対象になっていないと思います。そういった関係上、まだそこも追跡できるような状況にはなっていないかとは思います。

○杉山委員 整形外科領域に関しては、こういった制度は全くないと思います。

○荒井部会長 これは、ここで一朝一夕にこうしましょうと結論は出ないところですが、やはり今後、対応は考えていかなければいけない領域ですね。高齢化が進んでいますので、問診には明らかに限界があり、「何が入っているのか分からない」という状況が生じる場合はますます増えると思われますので、非常に重要な御指摘だと思います。何らかの方法で御本人がきちんと申告をしなくても分かるような体制を、少なくともこれからの機器に関しては作っていかなくてはならないわけで、御検討いただければと思います。

 その他よろしいですか。議題1について、他の項目、あとコロナリーステントのこともあります。では、よろしければ議題を次に進めたいと思います。本日は項目が多岐にわたりますので、場合によっては少し前の議題だけどという御発言でも構いませんので、おっしゃっていただければと思います。

 それでは、次の議題2に移りたいと思います。事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局(武内) それでは、議題2「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」、資料2-1から2-4に沿って御説明いたします。初めに資料2-1の1ページ目を御覧ください。1ページ目では、1.本部会への報告に関する医薬品医療機器法第68条の12第1項の規定を記載しております。本日は、令和元年度の上半期である平成31年4月1日から令和元年9月30日までの6か月間の報告状況について御報告いたします。

 次に2ページ目を御覧ください。不具合等報告の全体の概要となります。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の2つから成り立っており、1.医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく製造販売業者等からの報告についてと、3ページ目の2.医薬品医療機器法第68条の10第2項に基づく医薬関係者からの不具合等報告でして、それぞれについて報告いたします。

 2ページ目に戻って、1.製造販売業者等からの不具合等報告ですが、医薬品医療機器法第68条の2第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等については、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用をするために必要な情報について能動的に収集するように規定されております。

 国内において医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合には、製造販売業者等がそのことを知った時、医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務があります。報告の対象や情報を入手してからの期限については、医薬品医療機器法施行規則第228条の20により定められております。

 また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品について、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合の情報については、医療機器や再生医療等製品が使用されている国の規定に従って、それぞれ各国の規制当局に報告されることとなっておりますが、日本で承認された医療機器や再生医療等製品との間で形状や構造、原材料、使用方法、効能、効果などが同一性を有すると認められる製品については、それらの海外における不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手した時には、日本においても外国の症例の不具合報告として報告を行う対象となります。この場合の報告者は日本の製造販売業者となります。

 今回の資料では、平成31年の4月1日から令和元年9月30日までの医療機器や再生医療等製品の不具合の報告状況について、それぞれの項目に件数として示しています。

 続いて1.()の1)の不具合報告の件数については、国内と外国の合計が35,774件でした。前回の令和元年8月開催の部会で報告いたしました平成30年度の後期である平成3010月1日から平成31年3月31日までの件数である26,500件と比較して、約9,000件の増加となっています。前回からのこの増加に関しての分析については、後ほど御説明いたします。

 今回の35,774件の内訳は、9つの製品の分類で申し上げますと、多いものは分類3「処置用・施設医療機器等」の10,716件と、分類4「生体機能補助・代行機器」の22,325件の2つでして、全体の92%を占めています。国内の報告と外国の報告の件数ですが、国内の報告は9,838件、外国の報告が25,936件となっております。

 また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合の報告は、国内が729件、外国の報告が1,231件の計1,960件ありました。前回の令和元年8月開催の部会で報告いたしました件数との比較ですが、平成30年度の後期の報告件数としては、国内が698件、外国が1,144件の計1,842件でして、そちらと比較して僅かに増加する傾向となっております。

 また、再生医療等製品の不具合の報告については、国内が71件、外国が477件ありました。再生医療等製品については、これまで報告されている製品は海外において許認可されていない、若しくは類似品はあるものの本邦承認品との同一性を持つものがないということで、外国の不具合の報告に関するものはありませんでしたが、今回の取りまとめの期間において、外国でも使用されている再生医療等製品が本邦においても承認されたことを受けて、その製品に関する外国報告がなされるようになっています。

 続いて、2)感染症報告に関しては、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品のいずれも0件です。3ページ目をめくっていただきますと、()海外の規制当局や外国製造元が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が617件、再生医療等製品は1件でした。なお、繰り返しとなりますが、再生医療等製品に関しては、先ほどの説明のとおり外国でも使用されているものが本邦においても承認されたことを受けて、この1件が報告されています。

 続いて、()研究報告です。医療機器については1,477件、再生医療等製品は0件で、()感染症定期報告は医療機器については35件、再生医療等製品は31件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明いたします。

 また、2.の医薬関係者からの不具合等報告は、医療機器では230件、再生医療等製品は0件です。3.副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告につきましては、医療機器、再生医療等製品ともに0件でした。

 次に、全体の報告件数の推移について御説明いたします。4ページ目を御覧ください。4ページと5ページ目につきましては、過去3年分の不具合の報告件数の推移をグラフ及び表で示しています。こちらは国内の報告と外国の報告を合わせた件数となっています。医療機器の不具合報告の全体の傾向としては、先ほど説明しましたとおり平成30年度の下半期と比較して、令和元年度の上半期は約9,000件増加しています。この増加に関する国内外の内訳としては、国内が約1,000件、海外が約8,000件となっています。

 この増加傾向のうち、外国の不具合の増加に関しての1つの要因としては、グラフの上から3番目の三角印のグラフの分類3、処置用・施設用機器等と、その上の2番目のバツ印のグラフの分類4、生体機能補助・代行機器の外国医療機器、これらを多く扱う企業において安全性情報の収集体制の強化がなされたことが要因となっております。具体的には、従来外国措置報告等の情報として、国内の製造販売業者が海外から入手していたものに加えて、個別の症例の詳細情報が入手できることになったということにより、不具合の報告件数が増加している要因があると分析しています。その他の要因として、外国で広く使用されている循環器分野の新医療機器が昨年複数承認されたことに伴い、その製品に関する不具合報告が上乗せされたことも要因として挙げられます。

 一方、国内不具合報告の増加の要因は、同じく分類3と4の製品群の件数の増加であり、これらの要因についても外国報告件数の増加の要因と同様で、新しい医療機器として承認されたものの上市によるもの、そして企業の報告体制の強化によるものと考えています。

 続いて、5ページ目のコンビネーション医薬品については、平成28年度後期以降、半年当たりで2,000件前後の水準となっており、報告件数のペースとしては落ち着いています。国内と外国のそれぞれの件数についても、およそ国内が500件から600件、外国は1,000件から1,500件程度でして、企業に対しては安全対策措置の指導が必要になったというものはありません。

 再生医療等製品については、先ほど申し上げましたとおり、外国で使用されるものが本邦においても承認されたことを受け、その製品に対する報告が上乗せされたことを要因として、件数が増加しています。一方、国内の不具合報告の件数については、増加の傾向は見受けられません。今後、大きな増減が生じた時には、その要因について適宜調査する予定です。

 続いて、6ページ目を御覧ください。2.令和元年度前期の不具合等の状況の概況です。2-1の各分類における国内不具合報告については、各分類における国内の不具合の報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しています。不具合等の報告の件数のうち、多いものから順に1番目から3番目までの一般的名称を表の左側に掲載していまして、主な不具合又は健康被害状況の欄については、それぞれの一般的名称の製品群の中で報告されたもののうち、多いものから順に1番目から3番目までを記載しています。なお、同数で同順位となる一般的名称や不具合名については、全て記載しております。

 順に説明いたしますと、分類()画像診断用機器の報告件数は、国内で合計16件報告しております。分類()内視鏡、血液分析装置、生体情報モニタなどの生体監視・臨床検査機器等については、国内で合計280件報告されています。分類()インスリン注入器やカテーテルといったような処置用・施設用機器等は、国内で合計4,405件報告されています。分類()については、輸液セットなどの病棟で広く使用される頻度の高い製品や、アブレーションカテーテルのようなリスクの高い製品が分類されているため、相対的に報告件数が多くなっているという状況です。

 続いて、7ページ目を御覧ください。分類()では、心臓ペースメーカーや冠動脈ステント、人工関節などの生体機能補助・代行機器を記載しております。国内で4,594件となっております。分類()については、植え込み型両心室ペーシングパルスジェネレータ、CRTDでしたり、植え込み型心臓ペースメーカー、大動脈用ステントグラフトのようなリスクの高い医療機器が多く分類されているということで、報告件数が多くなっています。

 分類()では、手術用の電気メスやドリルなどの治療・鋼製機器等として、国内では合計776件報告されています。分類()は歯科用機器・材料でして、国内の合計は7件となっております。分類()は後房レンズやソフトコンタクトレンズなどの眼科用機器について、合計108件報告されています。

 続いて、8ページ目を御覧ください。分類()の衛生材料・避妊用具・家庭用機器等については、子宮内避妊具、家庭用マッサージ器及び臨床検査用手袋などに関する報告が合計で7件となっています。最後の分類()のプログラム医療機器については、国内報告は合計で5件となっています。なお、これらの国内での不具合の報告及び外国での不具合の報告については、資料2--1にまとめていますので、後ほど簡単に説明させていただきます。

 次に、コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告として、国内報告は729件となっています。これらの不具合報告の詳細については、資料2--2にコンビネーション医薬品の不具合報告の一覧表として、別途まとめています。また、再生医療等製品は国内で71件報告されております。これらの報告は別途、一覧表として資料2--3にまとめております。

 続いて9ページ目は、平成2910月1日から令和元年9月30日までに新医療機器として承認された品目について、国内での主な不具合報告の状況を御説明したものになります。平成31年4月1日から令和元年9月30日までの期間において、国内の報告があったものについてまとめております。順に説明しますと、平成29年度に承認されたものから3品目、平成30年度に承認されたものからも3品目となっています。大半が添付文書に記載されている既知の事象ですが、未知の事象が新たに報告された場合には、速やかに添付文書を改訂するといった安全対策措置を実施してまいるというところです。資料2-1の説明は以上です。

 続いて、2--1を御覧ください。先ほど申し上げたとおり、医療機器の不具合等の報告の詳細の一覧表となっています。こちらの読み方ですが、資料2--1の1ページ目に「注意事項」として、この不具合の報告リストの見方が記載してあります。この報告については、医療機器との因果関係が不明なものも含めて、製造販売業者等から報告されたものであること、報告に関する分類は()から()までの9つに分類されていて、次に「目次」が記載されております。そこからページ番号どおりに一覧が記載されております。

 一覧の掲載順に関しては、医療機器の一般的名称、企業名、販売名の順に50音順で掲載しています。それぞれの件数に関しては、提出された報告書の件数を示したものになっていて、同一の症例で複数の医療機器が関与しているような場合については、複数の企業からそれぞれ報告されることがありますので、そういった場合には同一の症例を重複してカウントしてしまうことになります。ですので、報告件数がそのままの症例数にならない場合があります。

 また、報告症例の中には不具合状況がなし又は不明であり、かつ健康被害の状況が不明というケースもあります。これは、健康被害状況が不明で、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったため、不具合報告がなされたものです。

 表の右側の「対応状況」の欄に、対応措置の項目として、原則として令和元年9月30日時点での措置の内容を簡潔に記載しています。「回収(改修)」と記載しているものについては、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施などを行うという「改修」の措置を行ったということを示しています。「情報提供」と記載されているものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関などに配布したなどの措置を取ったものを意味しています。この中には、既に添付文書などで関連する注意喚起の記載がなされているものも含んでおります。

 資料2--1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料の2--2ではコンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合報告のまとめを、資料2--3では再生医療等製品に関する不具合の報告を、それぞれ一覧表でまとめています。

 続いて、2--1について御説明します。2--1は、医療機器に関する外国措置報告でして、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法などが同一性を有すると認められる外国で使用されている医療機器を製造販売している場合、外国の規制当局などで取られた措置について、日本の行政当局にも報告するというものです。

 令和元年度上半期では617件の報告が来ています。資料の一番右の2列には国内外の対応状況について記載しています。外国での措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応を取っているという状況です。

 また、再生医療等製品については今回1件報告しており、資料2--2にまとめています。資料2--2を御覧ください。こちらの外国措置報告では、Company core data sheetという企業文書の改訂を行うものとされており、今回初回報告として1回報告されたものです。現在、国内の製造販売業者による本邦における対応の検討を行っていて、今後追加報告がなされる予定となっています。

 続いて2-4を御覧ください。こちらは医療機器の研究報告です。この医療機器研究報告は不具合の発生頻度や発生の条件などの疫学的な調査でしたり、集計・分析などに関する内容の文献の報告があった時に報告されるもので、今回は文献数にして1,477件ありました。なお、今回の報告により、安全対策上の特段の措置が必要になったものというのはありませんでした。資料2に関する説明は以上となります。

○荒井部会長 ありがとうございます。いつものことですが、この膨大な資料の分母の数は実は分かっていません。報告されたものの動きの中から、何を読み取って何をこの部会で指摘をする、あるいは意見を交わすわけで、一番実力を試されるところです。今御説明いただいた中で、どの部分からでも結構ですので、御意見、御質問はありますでしょうか。いかがですか。基本的には、日本で承認をされたものが前提で、その情報が入ってくるわけですので、数は承認されれば当然増えてくる、あるいは承認が海外でも承認されたなどでも状況が変わってくるので、余り数の動きだけを追いかけてもしょうがないところがあります。

 先ほど、承認されたので数が増えたという説明があって、それから企業の報告体制が良くなったからというのがありましたが、私は日本に関してはかなり徹底しているのではないかと思っていたのですが。わざわざ企業の報告体制が良くなったということを言っておられると、まだ結構報告がずさんな所が多くあるという認識なのでしょうか。その辺りはどうなのでしょうか。

○医療機器品質管理・安全対策部長 ずさんというよりは、企業の報告をする体制と言いますか、例えば電子的に報告をするなどです。例えば昔ですと、日本の企業が海外の企業に聞いてやっと分かったような情報が、海外の企業が同時に日本にも報告するということができるようになったので、このようなことができるようになったのではないかと。そこが体制というように我々は理解しております。

○荒井部会長 認識としては、きちんとやっているという理解でよろしいですか。

○医療機器品質管理・安全対策部長 はい。結構です。

○安全使用推進室長 もう1点補足しますと、最近はグローバルな企業が多くなっていますので、海外で承認を取っている医療機器で、不具合報告をその国の当局にしているものがあります。その国では報告された個別の不具合報告に基づいて、その国において例えば回収などの措置が取られることがあり、その措置が取られたという報告自体については当然日本にも報告されている状況です。つまり、海外でどういう安全対策措置が取られたかということは、これまでも報告されてきていたという状況です。

 これに対して、最近のグローバル化の動きの中で、各国の規制当局に報告している個別の不具合報告を、グローバルの本社から他の国の子会社に情報を出すようになってきているという動きがあることを聞いており、そういう個別報告された情報についてもグローバルの本社から販売している国の本社以外の所にも入ってくるようになったということで、その部分の数が上乗せされてきたということで、体制の強化ということで申し上げたのは、その部分もあります。

○荒井部会長 全体として、報告体制に関しては良い方向に動いているという理解でよろしいですね。

○岩﨑委員 今日ご報告いただいた数が増えたところは、論文報告と学会報告が電子的に出せるように数年前からなったのだと思いますが、恐らくそれらが増えて、今日の前半の話にあったように電子報告をされた研究報告が増えたということでしょうか。論文報告や学会報告を電子的に出せるようになったことは非常に良い試みになったと思います。先ほどご報告のあったあの報告様式の改訂によって提出されたものが増えたというわけではないという理解でいいですか。

○安全使用推進室長 あの報告様式に関して。

○岩﨑委員 手書きの方の報告様式です。今日の全体の報告数が増えたというのは、先ほどの資料で言う最後のもの、この資料の2-4が増えたという理解でいいのでしょうか。件数について、全体の報告数の中の内訳です。結局、色々な報告形式があるのだと思うのですけれども、外国報告と国内報告を足したものの中で、何が増えたかということです。

○安全使用推進室長 これは個別の不具合の報告の数が増えているということになります。先ほどの説明の際にも少し申し上げましたが、日本の製造販売企業が報告するのは、海外で同等性のある医療機器の不具合等に関する情報を、日本の製造販売業者が入手した場合に報告するということになっていて、行政措置報告というのは当然入ってくるのですけれども、この措置報告の元になっていた海外の規制当局に出された1件1件の個別の報告までは、従来日本の製造販売企業が入手できなかったということがあって、その分については海外でどういう安全対策措置が取られたかというのは入ってきたけれども、その元になった1件1件が数としては入っていなかった。今回はそういう個別の情報も体制の強化によって入ってくるようになったということで、その部分の数が上乗せされているという理解です。

○荒井部会長 よろしいでしょうか。その他にはいかがでしょうか。実際、これだけの情報の整理自体も膨大な作業だと思われますが、ざっくり見て、確かに増えているものに関しては、なぜ増えたかというのは大体説明の中で触れていただいたように思います。具体的な対応については、個々のものを挙げれば余りにも膨大なのできりがないのですが、今回大きく動かなければいけない、あるいは、目立ったものはなかったというのが正直なところだと思います。個々の対応についてさらに徹底した方がという部分で、もしお気付きの点があれば、御発言いただければと思います。

○小野部会長代理 ここ数年、割と新規の医療機器、特に比較的治験をする必要があるのだけれども、日本では多く治験ができない症例を、欧米データを基に日本の少数の治験症例を加えて承認をすると。従来は、承認前の治験を徹底して、そこでデータを集めていくということからだと、いわゆるデバイスラグにつながるということで、それを解消する意味で欧米データをしっかりトライアルデータがある場合には、日本ではフィジビリティのデータだけを取って、PMS市販後のデータを取った上で、いわゆる市販後治験のような形で、日本の中での承認品の安全性と有効性を証明していこうと、PMDAは近藤理事長の時に、そういう承認方式に切り替えていきましたよね。PMSを徹底するということは、不具合報告が挙がりやすくなることにきっとつながるのだろうと思うのです。それがこの報告数が増えていることに関連しているのかどうか。その辺のところをPMDAの方々はどうお感じになっているのか、お話いただければと思います。

○荒井部会長 ありがとうございます。今、小野先生の御指摘頂いたように、「前を軽く」というのは適切な表現ではないかもしれませんが、承認の後のところ、裏を取る部分が重くなっている。その流れは明らかにあると思われます。時間的な推移等を合わせると、今、上がっている件数の増加が、そういった制度が変ったことに直接影響を受けているのか、あるいは受けていないのか。いかがでしょうか。

○医療機器品質管理・安全対策部長 これは私の感触的なものですけれども、直接そうだから不具合報告が多くなったということではないと感じています。しかしながら、そういう製品については、我々としても注視していますし、該当企業ときちんと連絡を取って、何かあった場合にはきちんと報告するようにいつも言っています。それによって不具合報告の数が変ったという感覚ではないのですけれども、しっかりとそういう製品については、市販後の安全をきちんと確保できるように不具合報告を上げるように指導しています。

○荒井部会長 よろしいでしょうか。そうした承認の制度が変ってきていますので、小野先生から御指摘いただいたことが原因となって増える部分が今後も出てくる可能性は当然あると思います。この部会でやっていることは出てきたものの結果で、承認とは場所が違うわけですが、実際にはリンクして動いている部分も当然あると思われます。その他、いかがですか。

○城守委員 今の質問に似てるのですけれども、大変基本的なことで申し訳ないのですが、これから再生医療等製品がどんどん増えてきて、イノベーションの評価ということで条件付き早期承認制度に乗ってくる製品が増えてくるという中において、先生がおっしゃったように、市販後調査をしていっても、なかなか症例が集まらないという場合、外国のケースを一定程度加えるということはあるにしても、安全性の評価ということに関して、PMDAではしておられるのかと思うのですけれども、何か基準があってやっているのですか。件数はここに上がってくると思うのですけれども、少し趣旨が違うかなと思うのですが、その辺りはどうなのですか。

○安全使用推進室長 城守先生から頂いた御質問ですが、例えば条件付き早期承認制度で、市販後に情報を多く取っていくという制度ができてきていますけれども、この場合には市販後に実際に使われる医師を中心とするような医療関係の学会と、きちんと市販後の使用状況を情報として集めますということを条件として、承認がされると認識しています。その観点から言うと、しっかりと市販後の不具合報告が上がってくると考えています。

○城守委員 そういうことだろうと思うのですけれども、ここの部会とは関係ないのですが、条件・期限付承認時価格をつけて、それを再評価する時に、安全性・有効性が低かったりすると、それを変えようという流れになっていますので、有効性は別にしても、安全性はどういう評価をどこでどういう基準でされるのかというのをお聞きしたかったのです。

○荒井部会長 私自身は条件付き早期承認の制度によって早期に承認されたものについて、安全性の点で問題が上がってこないような状況、あるいはそこで評価できないような状況は恐らくなくて、むしろかなり厳しくきちんとフォローされているという認識を持っています。そういう理解でよろしいでしょうか。大変大事なところについてのご指摘をありがとうございます。

 その他御意見はありますか。よろしいですか。ここは本当に膨大な所なので、もし何かお気付きのことがありましたら、後で御発言いただいて構いませんので、その時は御発言ください。それでは、議題2を一旦終了して、次の議題3に進みたいと思います。では、事務局から御説明をお願いします。

○事務局(駒井) それでは、報告()の感染症定期報告についてです。資料は資料3のシリーズになります。まず、感染症定期報告について、制度の概要を説明いたします。

 ヒトや動物等に由来し、保健衛生上特別な注意を要するものとして、厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子である細菌、ウイルス等を含有している可能性が否定できません。また、感染症については、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べて、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。このような背景を踏まえ、生物由来製品については、医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対して、製品への直接的な影響が未だ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見を常に把握し、それを集積した上で、感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務付けております。これが感染症定期報告です。

 この感染症定期報告で寄せられた情報については、本部会も含めた薬事・食品衛生審議会に報告し、措置が必要ないかを御検討いただいております。以上が、感染症定期報告の概要です。

 資料は3-1と3-2に分かれており、資料3-2は重複も含む期間中の全ての報告になります。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に改めて新規に報告されたものをまとめたものが、資料3-1になります。また、資料番号の末尾が1である3--1及び3--1が医療機器、末尾が2である3--2及び3--2が再生医療等製品の報告をまとめたものとなっております。

 それでは、資料3--1、医療機器の報告をご覧ください。今回は、昨年4月1日から9月30日までに報告されたものをまとめております。こちらについては今回、新たに報告された文献は47件ございました。詳細な説明は省略させていただきますが、全体の傾向としてはクロイツフェルト・ヤコブ病関係が7件報告されております。

 次に資料の3--2、再生医療等製品の報告をご覧ください。こちらについては今回、新たに報告された文献は5件ありました。こちらも詳細な説明は省略させていただきますが、ダニ媒介熱関係が2件報告されています。これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に事前に御確認いただいております。特段この場で御紹介すべき意見は頂いておりません。報告3の感染症定期報告に関する御説明は以上となります。

○荒井部会長 ありがとうございます。何か御意見、御質問等はございますか。よろしいですか。特に御意見がなければ、議題の3を一応ここで閉じさせていただき、続きまして、議題の4に移らせていただきます。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局(武内) それでは議題4のその他について御説明をさせていただきたいと思います。今回、資料4-1から4-7とございまして、事前に委員の皆様にお送りしておりますため、その資料のうち重要と思えるものについて御報告させていただきたいと思います。資料4-1を御覧ください。こちらについては、まず通知の経緯を説明させていただきたいと思います。過去に持続的緩徐式血液濾過治療をこちらはCHDFと言いますが、こちらを行う際に、血液濾過器と間違えて、膜型血漿分離器を取り付けてしまったことによる死亡事故が発生してしまいました。こちらを受けまして、血液透析の関連学会、そして職能団体及び医療機器の製造販売業者の間の連携によりまして、これまでに包装のデザインの変更や表示の変更といった取り違いの防止の対策措置が講じられてきたところです。

 しかしながら、こういったCHDF式の血液濾過器と膜型血漿分離器の取り違えが発生する根本的な要因としましては、CHDFのための血液濾過器の接続口と血漿分離器の接続口の形状が同一であることが挙げられました。この点について、日本透析医学会などの関連学会により、誤接続を防止するために血漿分離器の接続口の形状を変更することについて、要望が取りまとめられ、厚生労働省へ提出されました。

 この要望を受けまして、従来の血漿分離器の血液回路の接続口を新しい形状の製品へ変更することとし、移行措置期間をもって新しい製品へ供給を切り替えて、誤接続の防止を図るために、本通知では関連製造販売業者に対して製品の切り替えを周知徹底するものということとさせていただいています。

 なお、新旧の製品の切り替えの際に、旧製品と新製品との間で血液回路が接続できずに、医療現場で使用不能となることがないように配慮する必要性があることから、本通知においては移行期間の間に、血液回路製品側において中間コネクタを同梱して、市場に供給することとしております。

 これらの配慮点を踏まえた供給切り替えのスケジュールについて、こちらの資料の中の5ページ目の中で説明させていただきたいと思います。資料5ページの別紙2を御覧ください。まず、供給の切り替えの第一段としまして、2018年の10月からは、血液回路側の製品に中間コネクタを同梱する形で出荷することとし、中間コネクタを取り外すと新形状のコネクタを備えた血液回路製品として使用できるようにいたしました。そして、新形状コネクタの血漿分離器が供給された際に、医療現場において、円滑に新形状のコネクタの血漿分離器に移行することができるようにします。続いて、第二段階として、2019年9月からは、新しい接続口の血漿分離器製品の供給を開始しまして、血液回路側については中間コネクタを同梱しない状態で出荷を開始することとします。

 今後の予定としては、2020年2月末において旧製品の血漿分離膜製品と血液回路の新たな出荷が終了となり、中間コネクタについては2020年8月末までの出荷となりまして、その後は新製品のみの供給となります。

 現在は既に第二段階の時期となっていまして、製造販売業者から関連する医療機関へ情報提供などの必要な対応を取るように周知徹底を指示しております。

 続いて、資料4--1を御覧ください。こちらは、後ほど説明させていただきます資料4--2とともに説明させていただきたいと思います。ゲル充填人工乳房、いわゆるブレスト・インプラントについては、植え込み後にわずかな発生確率ではあるものの、ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫、これをBIA-ALCLと言いますが、これが発生することが知られておりまして、日本国内では承認された当初からBIA-ALCLの発生リスクについて、添付文書や患者説明用資料などにおいて注意喚起がなされていたところです。このBIA-ALCLの特徴ですが、他のリンパ腫と異なり進行が遅く、手術後の適切な定期健診において確認された場合においては、外科的治療などにより十分治療が見込めます。しかし、治療開始が遅延したことによって化学療法や放射線治療が必要となる場合でしたり、非常にわずかではありますが、死亡に至った症例も海外では報告されています。

 本邦にて薬事承認されたブレスト・インプラントを植え込んだ患者様においては、これまでにおいてBIA-ALCLの発生は確認されていませんが、昨年2019年7月下旬に米国FDAがアラガン社のテクスチャードタイプという表面が荒い表面加工された製品について、BIA-ALCLの発生率が他の米国国内の製品と比較して高いという結果を示した上で、この製品に対する自主回収を求めました。この求めに対して、米国のアラガン社はそのリクエストを受け入れまして、米国及び日本を含む世界各国における製品の自主回収を決定しまして、本邦の承認品の中のテクスチャードタイプ製品についても、2019年7月25日より自主回収が開始されたという経緯があります。

日本国内においては、自主回収が開始された時点において市場に流通していた人工乳房製品については、こちらのアラガン社の日本法人でありますアラガンジャパン株式会社のナトレルブレスト・インプラント及びナトレル410ブレスト・インプラントの2製品でしたが、これらは表面がザラザラしたテクスチャード製品であり、自主回収により日本国内では使用ができなくなるという状況になりました。

 このような現状に対して、関連学会はゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術を希望される方でしたり、乳房再建用の皮膚拡張器、これは人工乳房を植え込む前に目標部位に入れてスペースを作るものですが、こちらを植え込んで、今後人工乳房の植え込みを待っていらっしゃる方、そして人工乳房を入れた方への情報提供を取りまとめました。

 多くの方になるべく早く必要な情報が届くように、厚生労働省からも情報提供するために、同じ内容について通知を発出いたしました。取りまとめた資料については、この資料の2ページ目以降にまとめております。

 続きまして、資料4--2を御覧ください。先ほどの自主回収が行われた後の話となりますが、2019年の10月に入りまして、自主回収された製品等とは異なる製品表面を持った製品、これは表面がツルツルしたものですが、こちらが承認されまして、市場にて販売が開始されました。

 このタイミングと合わせまして、関連学会では情報提供文章を改訂しまして、各学会のホームページにて公表しました。改訂された情報提供資料の内容が、こちらの資料の2ページ目以降からとなっていまして、これらの情報提供の内容は、先ほどの通知で御説明しました患者様の方を対象としたもので、新たに許認可されたブレスト・インプラントが治療の選択肢として加わった旨の変更点がなされています。資料4に関する説明は以上となります。

○荒井部会長 ありがとうございます。項目は多いのですが、重点的な所を御説明いただきました。御質問、御意見はいかがでしょうか。冒頭の接続については、いわゆる過渡期というのが一番怖いのですよね。もう現場的には終わっているという理解でよろしいのですか。まだ、中間コネクタが残って、実際にそれを使って、ちょっと怖い接続をしているような現状があるのか、いかがなのでしょうか。

○医薬品医療機器総合機構 PMDAよりお答えさせていただきます。資料4-1の一番最後に、旧製品と新製品の出荷開始時期も含めて記載をさせていただいておりまして、中間コネクタ自体が2020年8月末までの出荷ということになっておりますので、現状としては混在している時期というところにはなっております。ただ、私どもの方に、こういったものに関して特別に何か危ないというような御連絡を頂いたことは今のところないというところです。

○荒井部会長 これは両方とも使い捨てといいますか、使い回すものではないから、1対1で新しいのがくれば新しいもの同士という格好になるから、濾過器の方は動かさないでチューブだけ変わることは絶対にない話ですよね。

○医薬品医療機器総合機構 はい、おっしゃるとおりです。

○荒井部会長 ありがとうございます。その他、何かお気付きの点はございますか。よろしいですか。人工乳房の植え込みのものはこれまでも御存じかと思いますが、一応これも対応が終わっていて、学会も全て対応してくれているという状況かと思います。御説明は特に頂かなかったのですが、委員の方々は既に御存じかと思います。その他の項目について何かございますか。よろしいですか。

○中川委員 誤接続防止に関して、これまで経腸栄養ポンプや麻酔関連の誤接続防止の対策が取られて、現在変更が行われているところで、CHDF又はそれ関係の誤接続の方も我々現場の方で対応しているところですが、今後、気送管など色々な接続チューブの誤接続の防止対策を検討されていると情報が届いております。誤接続というと、単にチューブの接続の仕方の間違いということもあるのですが、チューブの取り違えは色を付けて防止するなど、そういったものも是非入ってくると、更にこういった不幸な事故が起きないで済むのではないかと思いますが、今後こういった誤接続を防止する、予防する上で、どのようなものを対象に、発信された情報以外にあれば、教えていただけたらと思います。

○医薬品医療機器総合機構 PMDAよりお答えさせていただきます。現状で誤接続、相互接続防止という観点での議論は、国際的な会議の場であるISOの方で議論されておりまして、現在規格設定に向けて議論が進んでいるのは呼吸器に関するものです。呼吸器と、先生が先ほどおっしゃられました経腸栄養、麻酔、あとはカフですね。カフの部分の空気の導入の所、この辺りがつながらないようにするということで、現在それぞれの分野に関してコネクタが変わっていっているというような現状です。今後は、先ほど申し上げた呼吸器が新たに作られる、規格自体が作られるということでして、まだ導入時期等については、まだ規格の成立を見ていませんので、分からないところではありますが、そういう状況です。

○荒井部会長 ありがとうございます。誤接続は1回でも起これば本当にとんでもないことになりますので、よろしくお願いいたします。その他はよろしいですか。議題4に限らず、1から4を通じて何か御意見があれば伺いたいと思いますが、よろしいですか。どうぞ。

○木下委員 医療機器の不具合のことですが、企業からレポートされたものを厚生労働省が把握するというのは良いのですが、これだけ膨大なデータを、ユーザーが関与しているにもかかわらず、ユーザーはこの実態をわかっていないと思います。例えば、眼科で眼内レンズに関して100件の不具合報告があるのですが、それには6、7の企業が関係しています。比較的不具合の多いレンズは何なのかを私はここに出ているから認識するのですが、ユーザーの眼科医は分からないのです。したがって、その基幹学会あるいは関連学会に、将来的に何かフィードバックすることによって、ユーザー側も認識をより広げることが出来て、安全性を厚生労働省が認識しているだけではなくて、より製品の改善にもつながる可能性があると思います。ただ、それには報告が完全に義務化されていて、抜け穴はないというところも必要かと思いますので、フィードバックについての方策を考えられては如何かなと思いました。

○荒井部会長 ありがとうございます。これも貴重な御意見だと思います。御意見頂きましたように、この部会を通過すればそれで終わりというのはもったいないですし、ハレーションという言葉を使われましたが、出し方の問題はあるにせよ、少なくとも関係する専門集団や職能集団に対しては、何か情報を提供するという方向性は検討していただくなど、いかがでしょうか。

○医薬安全対策課長 基本は、今やっていることは全てここにも、本日も公開でやっていますので、公開になっているということが1つと、一応まとめたものは公開しているということです。それからあとは、これによって対策したことは、もちろん添付文書等で対応しているというのが今までのやり方です。先生の言われているように、そこをもう1歩、医療現場の立場からこういうことを気を付けるべきだということなので、もう1歩踏み込んだ感じになっているのだと思うのですが、そこまでやれる、リソースを含めて、どこまでやるかという問題があるのだと思うのです。また、方向性としては、そこは我々もできれば、例えば学会に呼ばれればそういう講演をするなど、そういったことはやりたいとは思うのですが、だから、そこを先生が言われたように、もう1歩進んでルーチン的に医療現場にこういう不具合があるから気を付けろということだと思うので、そこはもう少し1歩上になっている感じになっていますが、そこは受け止めさせていただきたいと思います。すぐにできるということをお約束できませんが、受け止めさせていただきたいと思います。

○荒井部会長 ありがとうございます。よろしいですか。その他御意見よろしいでしょうか。

○正宗委員 細かいことなのですが、3--2の資料の感染症別文献一覧の概要が、ほぼ同じ感じなのです。1個目と2個目は少し違っていて、2個目と3個目は同じジャーナルということでよろしいでしょうか。何かのミスでしたら、単純なものだと思うので、本論とは余り関係ないのですが。

○荒井部会長 資料の重複ですね。

○正宗委員 重複なのか、記載ミスかどちらなのかと思いました。

○医薬品医療機器総合機構 3番はウイルス感染なのですが、ダニの。

○正宗委員 そうですね。

○事務局(駒井) 御指摘ありがとうございます。確認させていただきます。

○荒井部会長 よろしくお願いします。その他、よろしいでしょうか。よろしければ、これで本日予定していた議題は、全て報告ですが、終了となります。その他、特に御意見がなければ、事務局からの連絡をお願いいたします。

○安全使用推進室長 次回の部会の日程については、例年どおり令和2年8月頃を予定しておりますが、別途、部会での審議が必要な事項が生じた場合には、開催予定を早めさせていただくことがあります。その旨御承知おきいただければ幸いです。日程調整等については、事務局より改めて先生方の御都合をお伺いさせていただきまして、調整させていただきたいと思っております。事務的な連絡は以上です。

○荒井部会長 ありがとうございます。8月頃はオリンピックで随分と騒々しい時期です。交通機関も大変かもしれませんので、御配慮いただければと思います。それではこれをもちまして、令和元年度の第2回目の医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会とさせていただきます。どうも長時間ありがとうございました。

( 了 )

備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局 

安全対策課安全使用推進室 副作用情報専門官 田中(内線2751)