令和元年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(議事要旨)

 

 

1.日時 令和元年11月22日(金) 15:00~17:05
 
2.場所 AP虎ノ門貸会議室Aルーム
      (東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル11階)
 
3.出席者
○日本通運株式会社総務・労働部専任部長 北 隆司
○東京海上ホールディングス株式会社人事部ウエルネス推進チーム専門部長 砂原 和仁
○日本商工会議所 産業政策第二部長 湊元 良明
○全国中小企業団体中央会 常務理事 中澤 善美
○セコム株式会社人事部主務     久保田 祥子
○日本製鉄株式会社 人事労政部長 山内 幸治
○一般社団法人日本経済団体連合会 労働法制本部上席主幹 阿部 博司
(代理:一般社団法人 日本経済団体連合会労働法制本部長 輪島 忍)

4.議題
(1)社会復帰促進等事業に関する平成30年度成果目標の実績評価(積み残し12事業)について
(2)令和元年度第1回検討会を受けて令和元年度成果目標を変更した事業について(報告)
(3)社会復帰促進等事業に関する平成30年度評価の令和2年度概算要求への反映状況について
(4)社会復帰促進等事業における主な新規・拡充(令和2年度予算要求)について
(5)平成30年度労災保険経済概況等について
 
5.議 事<主な指摘事項と対応>
<全体>
○労災勘定と雇用勘定の双方から予算が出ている事業があると思うが、按分比率に関してルールがあるのか。
 →双方に関連する場合は基本半々だが、いずれかの勘定に重点を置く事業は割合が偏るものもある。
 
○新規・拡充事業のうちポータルサイトが増加することで、厚生労働省のホームページがわかりにくくなることを懸念している。抜本改善をお願いしたい。
 →できるだけ改善を図って参りたい。
 
○全体として社復費は縮減を図っていただきたい。PDCAサイクルに厳密に沿うなら、B・C評価事業は減額が原則で、増額はあくまで例外。今後は、増額する場合は「こういった要件にあてはまったので例外的に増額した」という整理が必要かと思う。
 →各評価についての原則を守れるように令和3年度以降の予算編成の際は留意してまいりたい。
 
<個別事業について>
<外国人安全衛生管理相談支援等事業(新規No.2)>
○特定技能による新たな外国人材の受入を開始し、外国人労働者数の増加が見込まれることから、新規事業に外国人安全衛生管理相談支援等事業や、多言語相談支援事業が設定されていることは適切かと思う。もっとも、使い勝手が良くなければ意味がないので、行政でも制度や事業内容のきめ細かいチェックを行うとともに、スピーディーに制度のブラッシュアップを行っていただきたい。
 →ご意見を踏まえて運営して参りたい。
 
○外国人労働者の増加により災害発生件数も増加しているという説明だが、災害発生率としては横ばい程度のようであり、そこの考え方を教えていただきたい。事業内容の業種別を見ると、例えば陸運業のように、特定技能に含まれていない業種があげられており、特定技能と実際の対策事業の業種が合致していないのではないか。
 →ご意見のとおり、災害発生率で見ると近年は同程度の発生率で推移している。発生率が上昇したからというものではなく、外国人と日本人の総件数で考えたときに災害発生全体を減らすためにも、外国人の増加を防止したいという理解。
  業種についても、特定技能の創設前から一定のニーズがあるという認識のもと作成しているので引き続き作成してまいりたい。
 
<設計・施工管理を行う技術者等に対する安全衛生教育の支援事業(新規No.4)>
○これまで作業者に対する安全衛生教育の支援事業はあるが、技術者等に対するものはなかったとのことだが、両者にどの程度違いがあるか。
 →作業者向けの教育は現場での作業についてどのような行動をすれば安全なのかを教育するものだが、技術者向けの教育は、そもそも労働者に危害を加えるおそれのない設計を行い、現場の作業者に安全に配慮せよと言わずに済むようにするという違いがある。
 
<多言語相談支援事業(新規No.5)>
○(再掲)特定技能による新たな外国人材の受入を開始し、外国人労働者数の増加が見込まれることから、新規事業に外国人安全衛生管理相談支援等事業や、多言語相談支援事業が設定されていることは適切かと思う。もっとも、使い勝手が良くなければ意味がないので、行政でも制度や事業内容のきめ細かいチェックを行うとともに、スピーディーに制度のブラッシュアップを行っていただきたい。
 →ご意見を踏まえて運営して参りたい。
 
○当該事業と働き方改革の実現に向けた労働時間の上限規制の定着による長時間労働の抑制等のための取組(No.1-26の拡充)の労働条件相談ほっとラインの事業には、双方とも多言語に対応するものであり、内容の重複があるのではないか。
 →当該事業は平日日中の役所で行うもので、ほっとラインの事業は役所の開庁していない平日夜間や土日の事業という違いがある。
 
<副業・兼業労働者の健康確保支援事業(助成金)(No.1-25の拡充)>
○副業・兼業をおこなった人だけ助成をする趣旨が不明。
 →副業・兼業をしているから単純に支給するわけではなく、現行では健診を受ける法的義務はないが一般労働者に近い働き方をしている労働者を対象としているもの。
○企業の副業・兼業の実態の把握は難しいので、支給要件は配慮いただきたい。
 →たとえば副業・兼業をしている旨の申告など
支給要件は難しくないものとしたい。
 
○副業・兼業の場合労働時間をどう把握するかは難しいところ。医療保険者が実施する健診との関係もあり、事業者でなく本人に対する助成金にできないかも検討いただきたい。
 →ご意見を踏まえ検討してまいりたい。
 
<働き方改革の実現に向けた労働時間の上限規制の定着による長時間労働の抑制等のための取組(No.1-26の拡充)>
○そもそも外国人の場合ほっとラインに相談すれば良い、というところまでたどり着かないのではないか。情報発信の仕方はどうなっているのか。
 →ポータルサイトをまず外国語で閲覧できるようにしているほか、様々な機会をとらえて周知している。ほっとラインは、言語ごとにダイヤルが決まっており、かけると即時に母国語で対応される。
 
<職場におけるハラスメントへの総合的な対応(No.1-31の拡充)>
○事業内容が企業にとってわかりにくい点もあるので、適切に周知いただきたい。
 
<自動車運転者の労働時間等の改善のための環境整備等(No.1-38の拡充)>
○是非やっていただきたい。そもそも長時間労働というが、その労働の中身はトラックとタクシー等では異なる。事業内容の実態把握の具体的内容はどういったものか。
 →検討会で実態把握の内容を検討いただく予定。
 
<中小企業・小規模事業者等に対する働き方改革推進支援事業等(No.1-47の拡充)>
○令和2年度からの拡充部分はしっかり周知いただくことが重要。
 
<産業医学振興経費(No.1-44の拡充)>
○産業医の確保が重要であることは、行政とこちらの認識は共通していると考える。ただ、問題は医師になった後で産業医に就任いただけるかだと思料。予算の増額の中身の施設整備費について詳細を教えていただきたい。IR室を設けることにより、産業医が増えることの理屈を教えていただきたい。
 →施設整備費は最新の設備導入のための経費で、産業医を目指すに当たり、その前段として、まずは医師としての最新の技術、知見を得るために最新の機器を整備することが必要であると考えている。
また、IR室は、学生のための良質なカリキュラムの提示など、教育環境を整えることに資するもの。入学から卒業までの学生の志向を含めた様々なデータを集積した上で、学生に対して教育担当からアプローチすることで、産業医志向を高めていくことにも活かすことができるものと考えている。
 
○電子カルテ化は本来病院の経費で行うものであり、電子カルテ化と学生の教育とは直接関係ないのではないか。
 →先の回答と重複するが、産業医養成の前段として、まずは医師・看護師として医療の現場を知り、また最新の医療設備、システムを体験いただくことが重要と考えている。
 
 
<平成30年度労災保険経済概況等について>
○労災保険経済概況については、平成30年度の決算について、当初予算とおり赤字になったとのことだが、できる限り削減の努力をしていただきたい。
 →ご意見を踏まえて運営してまいりたい。
 
○本体給付である労災保険の取扱を議論していく中では、事務費及び社会復帰促進等事業費を全体として抑えるという話もあるが、今回は増えたと思って見ている。
 →事務費及び社会復帰促進等事業費は効率化・PDCAサイクルによる抑制を行い、令和2年度のみならず、3年度以降もしっかり抑制してまいりたい。