技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第41回) 議事要旨

                               人材開発統括官海外人材育成担当参事官室

○日時 令和元年12月16日(月) 15:00~17:00

○場所 厚生労働省専用第13会議室(21階)

○出席者:
  大迫委員、岡野委員、椎根委員、當間委員、冨高委員、花山委員
  厚生労働省人材開発統括官海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課
  外国人技能実習機構、公益財団法人国際研修協力機構
  (宿泊関係)宿泊業技能試験センター、厚労省生活衛生課、観光庁
  (RPF製造関係)日本RPF工業会、経済産業省、環境省
  (非加熱性水産加工食品製造関係)全国水産加工業協同組合連合会、水産庁
 
○議題
  1 宿泊職種(接客・衛生管理作業)の追加について
  2 RPF製造職種(RPF製造作業)の追加について
  3 非加熱性水産加工食品製造業職種(調理加工品製造及び生食用加工品製造)の追加について
 
○議事
  1 宿泊職種(接客・衛生管理作業)の追加について
  ○ 宿泊業技能試験センターより概ね以下のとおり説明があった。
  ・ 前回の指摘事項への対応について、必須業務から利用客の安全がなくなっており、利用客の安全と実習生
   の安全衛生が明確でないという指摘については、「利用客の安全確保と衛生管理」と実習生の「安全衛生」
   に分け、必須業務を明確にした。
  ・ 第1号技能実習の必須業務の「滞在中の接客作業補助」に「利用客への挨拶」が入っていない、また、
   お辞儀も深さによって違いがあるので、実技試験で出題してはどうかという指摘については、必須業務に
   「利用客への挨拶」を追記するとともに、実技試験で出題することとした。
  ・ 学科試験の試験基準が具体性に欠けるとの指摘については、学科試験の試験基準を具体的に記載した。
  ・ ウォークイン(飛び込み客)、客室の変更の対応等、実際にはあまりないことも試験するのかという指摘に
   ついては、知識として必要なので学科試験の試験基準に記載することとした。
  ・ 製作等作業試験、判断等試験のどちらかが0点であれば不合格とするのは適切なのかという指摘について
   は、それらのどちらかが40%未満だった場合は不合格とすることとした。
  ・ 製作等作業試験と判断等試験の再整理が必要との指摘については、製作等作業試験と判断等試験を再整理
   した。
  ・ 年間どれだけの方が試験を受け、何名程度の試験監督者が必要と考えているかとの指摘については、2号
   移行対象職種に追加された場合には、500名程度の受検者になるのではないかと想定している。1施設
   あたり3名の受検者を試験することとすると167施設で試験を実施することとなり、当面の間は1名の
   受検者を3名の試験監督者が評価するので、延べ500名、実員では160名程度の試験監督者を想定して
   いる。
  ・ アレルギーへの対応を必須業務に位置付けるべきではないかとの指摘については、初級、専門級の必須業務
   の「注文の受付」を「注文の受付(アレルギーの確認を含む)」に修正し、学科及び実技試験でもアレルギー
   に関する知識や確認作業を出題することとした。
  ・ 調理補助作業が下ごしらえ等だとすると、衛生問題が関わってくるので試験で出題するようにとの指摘
   については、調理補助作業は周辺業務から削除することとした。
  ・ 実技の試験時間が長いのではという指摘については、初級を40分、専門級を45分に変更することと
   した。
  ・ チェックイン対応等は難しいというが、荷物の預かりは専門知識を要するとは思えない、項目分けが不自然
   ではないかという指摘については、業務内容を精査し、第1号技能実習の必須業務の「滞在中の接客作業
   補助」に「荷物の預かりと返却」を追加することとした。
  ・ 試行試験では3名の試験監督者で1名の受検者を評価し、本試験では1名の試験監督者で評価するのか、
   曖昧な要素が多いので不公平となるのではないかという指摘については、実技試験について、曖昧な要素を
   極力減らした採点基準に修正するとともに、評価が一定になるまでは1名の受検者を3名の試験監督者で
   評価することとした。
  ・ また、試行試験や本試験での評価結果をもとに採点マニュアルを充実させ、同マニュアルを用いた試験
   監督者への研修会を開催することにより、評価がばらつかないようにすることとした。
  ・ ホテルと旅館で対応が異なるものがあるのではないかという指摘については、ホテルと旅館で対応が共通
   するものを実技試験に出題することとし、一方、対応が異なるテーブルセッティングの問題では、洋式と和式
   の問題を選択できることとした。
  ・ 試験実施機関の体制について、本センターは宿泊4団体により共同で設立され、1万6,000軒程度の
   ホテル・旅館が会員となっている。宿泊4団体と協力して会員の旅館・ホテルに勤務する方々を試験監督者と
   して養成していきたい。
 
  ○ 同団体からの説明に対して、概ね以下のような質疑があった。
  委員)実技試験はロールプレイング形式で客役の試験監督者に対してどのように対処するかを試験することに
    なると思われるが、試験課題のシチュエーションやストーリーを予め想定しているのか。また、試験内容が
    漏れ伝わることで後から受検する方が有利になると思われるので、不公平が生じないように数種類の
    シチュエーションのパターンを作ることを考えているのか。
  説明者)例えば、利用客の送迎作業では、宿泊客が入口から入って来られたときにどのように対応するかに
    ついて、受検者に前もって場面を伝えた上で試験を進める予定である。宿泊施設によって作業の順番等が
    違うことはあるかもしれないので、試行試験で各受検者で余りにも差が出るようであれば、シチュエー
    ションを何パターンか用意することとしたい。
  委員)判断等試験の「1.接客作業・衛生管理作業」の「利用客の安全確保」については、専門級では出題しな
    いのか。
  説明者)宿泊客の安全は大前提であるので、初級の試験でしっかりと確認するため、専門級では出題しない。
  委員)技能実習の段階が上がったら宿泊客の安全を軽視するのかという指摘についてはどうか。
  説明者)同じ安全衛生、利用客の安全確保でも、第1号で学んだことをベースに、第2号でプラスアルファの
    部分が出てくるかと思うので、専門級にも項目を入れるか試行試験の結果等を踏まえ再度検討したい。
  委員)第2号では実習生が利用客にアレルギーの有無を確認するということだが、確認ができるようになるのに
    日本人の労働者では大体どれぐらいの経験年数が必要か。
  説明者)次回、御説明することとしたい。
  委員)アレルギーは人の生死に関わる部分なので、第2号では上司の判断が不要とする必要があるのか。
  説明者)試行試験でヒアリング力などの諸々のレベルを確認した上で、アレルギーの確認に補助が必要か判断
    したい。
  委員)配膳などをするときに、手が清潔か、いつ手洗いを行うか、インフルエンザにり患していないかなどにも
    留意する必要があるのではないか。また、HACCPへの対応などについて、実技試験の採点基準や学科試験
    の問題に追加すべきではないか。
  説明者)例えば、自らの健康状態の確認については、学科試験の試験基準の「宿泊職種における事故・疾病
    予防」に含まれているが、御指摘を踏まえて検討したい。
  委員)旅館とホテルでどこまで試験を分けるのか。あまり細かく分けすぎて、旅館とホテルで問題が全て異なる
    ことがないようにしていただきたい。
  説明者)了解した。
 
  〇 検討の結果、宿泊職種(接客・衛生管理作業)については、次回以降、引き続き議論が行われることと
   なった。
 
  2 RPF製造職種(RPF製造作業)の追加について
  ○ 日本RPF工業会より概ね以下のとおり説明があった。
  ・ 前回の専門家会議での指摘事項は2点あった。まず、廃棄物処理業の労働災害の発生率が高い中で、
   RPF製造職種が追加された場合に実習生が安全に技能実習を行うための対応策を検討してほしいとの
   指摘については、次のとおりとした。技能実習を行うことができる事業所は、JIS認証を受けている又は
   300トン/月以上の生産能力を有する事業所とするとともに、これらの事業所には労働安全衛生法(以下
   「安衛法」という。)に基づく義務以上の安全への取組を課すこととした。また、安全衛生規定の制定は
   安衛法が求めるものではないが、技能実習を行うことができる事業所は、日本RPF工業会がHPに掲載
   するひな型の内容に準じる安全衛生規定の制定を求めることとした。さらに、複数人作業を担保し、かつ、
   夜間作業を禁止する観点から、「移行対象職種・作業とならない業務例」に、「一人作業」及び「深夜
   作業」を明記することとした。RPF製造業における安全衛生上のリスク箇所と対応策を整理した。危険性
   のある作業は、廃棄物を扱う作業、原料の配合と投入の作業、破砕作業、成形作業、設備メンテナンス作業
   等であり、これらに対する対応策を検討した。
  ・ 2つ目の指摘事項で、RPF製造職種について、2号や3号まで技能実習を行う技能があるのか、どの
   部分に高い技能があり、修得等にどれだけの時間を要するかについては、RPF製造の実習期間について
   整理した。実習は、第1段階として原料の理解、第2段階として製造工程の理解、第3段階として機械故障・
   メンテナンス対応等の順番で行うこととしているが、これらの実習項目において必要な技能を修得するため、
   順を追って修得することが効率的かつ効果的であると考えているためである。
  ・ 新規に雇用された日本人の労働者が指示を受けずに作業できるようになるには3年の期間が必要と考えて
   おり、実習生の場合、原料である廃棄物の理解、一連の製造工程、メンテナンス対応、指導的立場となるため
   の日本語の理解、母国に比べて高度な安全面の取組の修得を鑑みれば、5年間の実習期間が必要と考える。
  ・ 日本人の労働者の場合、1年目は原料の理解で、原料の把握と受入検査、原料及び不適合品の管理を
   行う。2年目は、それを踏まえた上で製造過程の実習を行い、原料の投入配合、破砕作業、成形作業を行う。
   3年目は機械の故障・メンテナンス等の対応で、トラブル対応、最終検査、日常点検、定期メンテナンス、
   指導を行う。
  ・ まず1年目の原料の理解は、搬入された原料は生産物ではなく発生物であるため、統一されておらず多種
   多様で形状も様々である。原料の仕分け作業は、最終的な製品の熱量に直接影響し、この作業を誤ることで
   製品が不適合となる場合もあるので、原料の特徴や熱量を把握しながら仕分けを行うことは非常に重要で
   ある。また、危険物や不適合物は製造工程で火事等の事故の原因となるため、慎重な仕分けが必要になる。
   このため、原料の特徴や熱量の知識に加えて、危険物の知識、それらを判断する技能を修得するには、
   6か月程度の修得期間が必要と判断している。原料不適合品の管理に関して、特に最近、リチウム電池が
   色々な電子機器に使われており、扱い方を間違えると火災の原因となるため、この知識も十分に学習して
   もらう必要がある。
  ・ 2年目の製造工程において、原料の投入配合は、ニーズに応じた熱量のRPF(石炭相当又はコークス
   相当)を製造するため、適した原料の配合率を計算し、破砕機に原料を投入する必要がある。原料の配合
   は製品の性能に直結する技能であり、また、成形不良が生じた場合の原因特定や適切な処置を行うため、
   約1年間の実習期間が必要と考える。破砕作業は、破砕が正常に行われているか常時監視し、破砕不良
   (破砕不良に起因する成形不良を含む)が発生した場合は、原因の特定を行った上で、適切な処置を講じる
   必要がある。原料と機械設備に対する知識と経験が不可欠であるため、約1年間の実習期間が必要と
   考える。成形作業は、成形が正常に行われているか常時監視し、成形不良が発生した場合は、原因の特定
   を行った上で、適切な処置を講じる必要がある。原料と機械設備に対する知識と経験が不可欠であるため、
   約1年間の習得期間が必要と考える。様々な成形不良が出てくるので、何が原因で、どのような対応をすれ
   ばいいか理解する必要がある。
  ・ 3年目の機械故障・メンテナンス対応において、最終検査では、完成した製品はロット毎に、蛍光X線分析
   器での分析、目視による外観形状や蓄熱火災防止のための温度測定等の最終検査を行う。また、品質を担保
   するために品質検査を行う。さらに、品質検査をした分析結果を基に、これを配合等の作業に反映する。
   日常点検では、生産量のチェックをしたり、車両、機械設備のグリスアップ等の日常のメンテナンスを行う。
   機械故障・メンテナンス対応では、週単位、月単位などで定期的に設備のメンテナンスを行うが、外部の専門
   業者に修理を依頼するかどうかの判断も必要になる。指導では、部下に指導を行い、現場リーダーとして工場
   のライン管理を行う。安全で衛生的な製造、周辺環境への配慮を理解して実践するとともに、他者へ指導する
   ことが必要となる。
 
  ○ 同団体からの説明に対して、概ね以下のような質疑があった。
  委員)日本人の労働者は3年でできるが実習生では5年かかる理由をもう少し端的に説明してほしい。
  説明者)専門用語はOJTの中で比較的早く覚えられるが、指導の際に欠かせない日常会話は修得に多少時間が
    かかる。また、原料の廃棄物は社会の発展段階や生活状況により変わってくるため、実習生の母国と比べて
    日本の廃棄物の種類は非常に多くなっている。日本人であれば廃棄物の由来等を比較的早く修得できるが、
    実習生は理解に余分に時間がかかってしまう。また、廃棄物に対する考え方も実習生に学習して理解して
    ほしいが、これらにも時間がかかる。
  委員)外国人の学生は言葉のハンディはあるが、日本人と比べて修得が遅いということはない。言葉のハンディ
    だけで余分に2年かかることが理解しづらい。
  委員)日本人の労働者では3年かかるという説明資料をもとに、実習生の5か年計画に書き直していただき、
    5年間かかる理由を明確にしていただきたい。
  説明者)了解した。
  委員)蛍光X線分析の使用は実習生には難しいのではないか。
  委員)メンテナンスを外部に出すか出さないかの判断や車両の整備もかなり難しいのではないか。第3号実習生
    がどこまで実施可能か再整理していただきたい。
  説明者)御指摘を踏まえて再整理したい。
  委員)まずは第2号まで整備して実習生を実際に受け入れ、その後に3号を追加することとしてはどうか。
  説明者)第2号までの整備とすると、指導、機械の故障やメンテナンス等の対応が技能実習の対象から外れる。
    RPF製造の技術を母国でも活用して廃プラスチック問題に対処していくためには、指導、機械の故障や
    メンテナンス等の対応まで含めて実習することが大変意義あると認識している。
  説明者)RPFの製造工場は特定の地域に集中するよりも分散して操業されることが望ましいため、帰国した
    実習生が母国で後進を育てたり機械の故障やメンテナンス等をすることが可能となる状況を作ることが必要
    と考えている。

  〇 検討の結果、RPF製造職種(RPF製造作業)については、次回以降、引き続き議論が行われることと
   なった。
 
  3 非加熱性水産加工食品製造業職種(調理加工品製造及び生食用加工品製造)の追加について
  ○ 全国水産加工業協同組合連合会より概ね以下のとおり説明があった。
  ・ 今回、既存の非加熱性水産加工食品製造業職種に調理加工品製造と生食用加工品製造の作業を追加する
   ことをお願いしたい。
  ・ 国内の水産加工業の概況について、国内出荷額は2002年よりほぼ横ばいの状態で、2017年は4.6兆円で
   あった。従業者数は2002年の24万人から減少し、2017年は約19万人となっている。都道府県別の事業者数
   について、国内の事業者数は8,589で、都道府県別では北海道、宮城、千葉、静岡など大きな漁場や漁港が
   所在する場所に多く事業者が集まっている。
  ・ 調理加工品製造の技能実習の目標と内容について、調理加工品とは、原料魚介藻類を加工に適した形態に
   処理した上で、味付け又はころもかけ等の他の食品を付加する加工を行うことにより、嗜好性、利便性、貯蔵
   性等を高めた製品と定義している。製品例としては魚介フライ、味付け切り身、味付けした海藻などである。
   ふぐの有毒部位の除去等の作業は技能実習の対象から除くこととした。これは生食用加工品製造でも同様で
   ある。
  ・ 調理加工品製造の工程について、工程表の作成・確認から始まり、原料の判別、解凍後原料の処理、
   調味液やバッター液の調合・調整、その付加作業と整形、仕上げを行う。
  ・ 第1号の目標と実習内容について、1年目では、主任クラスの者から指示を受けて、指示を理解した上で、
   作業を的確に行うことができるレベルを目指す。また、安全衛生と食品衛生は、食品事故に直接つながる
   ので、1年目から自主的に作業全般ができるよう実習する。
  ・ 第2号の目標と実習内容について、3年目までに、工程表や指示書など内容を理解した上で、上からの指示
   がなくても、原料処理から製品仕上げまでの作業を自主的に行うことができるレベルを目指す。
  ・ 第3号の目標と実習内容について、5年目までに、その日に使用する原料と受注された製品規格を勘案して
   工程表を作成し、作業内容を理解し、作業員等へ説明及び指導ができるレベルを目指す。作業内容を詳細に
   理解することで応用力が身に付き、送出国へ戻ってから原料や加工機械、資材が変わっても対応できる力を
   身に付けてもらう。
  ・ 生食用加工品製造の技能実習の目標と内容について、生食用加工品は、生鮮魚介藻類を生食用に、塩蔵、
   乾燥、発酵等を行わず、高鮮度を保ったまま原料を目的とする形態に整形し、冷蔵・冷凍した製品となる。
  ・ 生食用加工品製造の工程について、工程表の作成・確認から始まり、原料の判別、解凍後原料の処理、
   生食用加工のうち高度衛生管理や鮮度管理を行いながら非可食部の除去、整形、仕上げを行う。
  ・ 第1号の目標と実習内容について、調理加工品製造と同様に、1年目では、主任クラスの者から指示を
   受け、特に高度衛生管理と鮮度管理を行いながら作業が的確に行うことができるレベルを目指す。また、安全
   衛生と食品衛生は、食品事故に直接つながるので、1年目から自主的に作業全般ができるよう実習する。
  ・ 第2号の目標と実習内容について、3年目までに、工程表と指示書などの内容を理解した上で、鮮度管理を
   行いながら自主的に作業を行うことができるレベルを目指す。
  ・ 第3号では、5年目までに、その日に使用する原料と受注された製品規格を勘案して工程表を作成し、作業
   内容を理解し、作業員等へ説明及び指導ができるレベルを目指す。作業内容を詳細に理解することで応用力
   を身に付けてもらう。
  ・ 調理加工品製造の送出国のニーズについて、日本の水産調理加工品は、昭和30年代からエビフライの冷凍
   食品を起点に消費者要求に応え続けて、高品質な製品を作り続けている。また、日本で流通する魚介藻類は
   現在400種類を超えると言われているが、これらに様々な副資材を組み合わせて、種類も大変豊富である。
   多種な原料に対応し、最終製品を想定した原料の種類やサイズの判別や選定、食感や食べやすさを意識した
   カット技術、消費者ニーズに合わせた調味やころもかけ技術、長期保存や安心・安全を考慮した衛生管理等
   は、開発途上国に比較して優位性がある。世界的な和食の普及で、日本の水産調理加工品の味覚や利便性
   は各国で知られており、共働き率が日本より高いアジア諸国でも、経済成長に伴い、家庭用の冷凍冷蔵庫、
   調理家電、特に電子レンジなどが普及し、冷凍食品など調理加工品の需要が拡大している。特に東南アジア
   では、海洋資源があるものの、水産調理加工の技能不足から資源が有効に利用できておらず、品質も低い
   状況にある。例として、インドネシアはエビの産地であるが、日本のエビフライなどに似た簡単な加工品が
   売られているが、日本の多種多様な原料に対応できる技術を身に付ければ、原料をより有効利用できるもの
   と考える。
  ・ 生食用加工品製造の送出国のニーズについて、日本の生食は古くからの文化であって、生鮮流通に関して
   の保存技術、高度な衛生管理及び鮮度を保ったまま製品化する技術を基礎としている。また、水産生食用
   原料は高価なため、歩留まりを考慮して食品廃棄量を減らすための技術も優れている。非可食部を最小限に
   抑える整形技術なども、開発途上国に対しては優位性があると考えている。世界的に和食ブームで、アジア
   諸国では生食用の消費が増えている。特に東南アジア諸国の沿岸部で、コールドチェーン網が整備されつつ
   あり、冷凍流通が可能となるとともに、消費が拡大している。しかし、東南アジア諸国の水産生食加工技術
   では衛生や鮮度管理面に不安があり、また、技能不足による食品廃棄も多くなっている。また、例として
   インドネシアでは、地元で揚がるマグロや日本から直送される鮮魚を中心に流通しているが、生食用の加工品
   を製造する工場は衛生管理が不十分で品質の維持が難しい。また、魚をおろす技能の不足によって食品廃棄
   量も多い。日本で技能を身に付けることで食品廃棄を減らしたり、歩留まりを上げることで、供給量や収益が
   向上すると考える。
 
  ○ 同団体からの説明に対して、概ね以下のような質疑があった。
  委員)工程表を自分で作成できるようになるのはどの程度の難易度なのか。
  説明者)その日に揚がった魚の具合などを見ながら、その日に使う機械や包丁を加味して、工程表を作らなけれ
    ばならない。技能実習の4年目、5年目となってもかなり厳しいと思うが、母国に帰ったときに独り立ち
    できるよう、工程表を作成できるレベルまで到達してほしいと考えている。なお、既存の作業で上級の試験
    を行っているが、工程表部分の正答率は4割程度となっている。
  委員)水産加工品を製造する工場には、大規模な工場も、小規模な工場もあるが、実習生を受け入れる工場は
    どちらを想定しているのか。また、工場の規模によって評価される技能は変わらないと考えてよいか。
  説明者)工場の規模の大小にかかわらず同じ技能を修得できるので、実習は両方を想定している。また、工場
    の規模によって、評価される技能は変わらないようにしたい。
  委員)技能実習を行う工場の規模により使用されている加工器具などが違うが、試験では、好きな道具を持ち
    込んで使用してよいとするのか、それとも道具を指定するのか。技能実習を行う工場の規模によって、
    試験に不公平が生じないようにしてほしい。
  説明者)既存の作業では実習で使用している包丁を試験に持参してもらっているが、御指摘を踏まえて検討
    したい。
  委員)企業の規模の大小は考慮していないという話だったが、大規模な工場は頭を切るだけとか内臓を出す
    だけとかラインによって分業されており、一部の作業しかしていないが、どのように技能実習を行うのか。
  説明者)毎日、全部の工程を行うことはないかもしれないが、各ラインで実習することを通じて、実習の期間
    内で必須業務の全ての作業を学んでもらう。
 
  ○ 検討の結果、非加熱性水産加工食品製造業職種(調理加工品製造及び生食用加工品製造)については、
   厚生労働省、出入国在留管理庁において、省令の改正案に係るパブリックコメントを実施し、その結果を踏ま
   え、審査基準案や技能実習評価試験案等について引き続き議論が行われることとなった。
 
(以上)