2020年2月5日 第23回中央訓練協議会議事録

人材開発統括官付訓練企画室

日時

令和2年2月5日(水) 15:00~17:00

場所

中央合同庁舎5号館11階 共用第8会議室

議題

(1)令和元年度ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況等について【報告】
(2)令和2年度全国職業訓練実施計画(案)について
(3)令和3年度ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施規模について
(4)その他

議事

 

○今野浩一郎名誉教授(學習院大学) それでは、時間になりましたので、ただいまから第23回中央訓練協議会を開催をいたします。今日御出席していただける方の紹介については、お手元に座席表があると思います。また、参考資料1に出席者名簿がありますので、それを御覧いただきたいと思います。
今回から2名の方が変更になっておりますので紹介をさせていただきます。まず最初に、日本労働組合総連合会の仁平総合政策推進局長がいらっしゃいます。15分ぐらい遅れるということです。それと、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構より青田求職者支援訓練部長が就任されます。なお、京都府の鈴木商工労働観光部長の代理として、河島商工労働観光副部長に御出席をいただいております。
議題に入る前に、今回からペーパーレスということになりますので、事務局よりタブレットの使い方の御説明をお願いします。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 席の前にタブレットがございます。本日の資料は、議事次第のほか、資料1~5、参考資料1~3が、それぞれ資料として用意されています。資料の見方ですが、赤と白のアイコンをクリックしていただきますと、資料が出てきます。見たい資料のアイコンをクリックしてお開きください。今現在、開かれていますマイプライベートファイルのページに戻りたい際には、左肩に青いマイプライベートファイルという文字が表示されますので、そこをクリックいただきますと、元の最初の画面に戻ります。御不明なことがありましたら、会議中に手を挙げていただければ、事務局の者がお席にまいりますので、よろしくお願いいたします。
○今野浩一郎名誉教授 今回はペーパーもありますよね。次回からはペーパーはなくなってしまうのですか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 基本的にはペーパーレスで進めさせていただきたいと思っておりますので、御協力よろしくお願いします。
○今野浩一郎名誉教授 今回が最後ということですね。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 そういう形でお願いいたします。
○今野浩一郎名誉教授 ということです。
それでは、今回は令和2年度の全国職業訓練実施計画案と、令和3年度の公的職業訓練の実施規模を中心に御意見を頂きたいと考えております。まず、お手元の議事次第にしたがいまして、議題1の「令和元年度ハロートレーニング(公的職業訓練)の実施状況等について」報告をお願いいたします。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 まず、資料1に基づきまして御説明申し上げます。令和元年度公共職業訓練と、求職者支援訓練の実施状況についてです。
1ページ目です。令和元年度公共職業訓練の実施状況のうち離職者訓練についてです。離職者訓練については、令和元年度の11月末までの現在の数字ということで計上しています。離職者訓練の実績は、元年度は8万1,507名ということで、対前年度同期比では900名程度の減となっています。施設内が2万5,665名、委託訓練が5万5,842名で、それぞれ就職率については、施設内訓練が83.6%、これは昨年度より1ポイントの減で、委託訓練が71.4%で、対前年同期比は1.3ポイント程度の減となっています。
その下が在職者訓練の実績です。同じく令和元年度11月末までの実績で、合計が9万6,339名ということで、対前年同期比では700名程度の増となっています。
2ページ目です。離職者訓練の実施状況の詳細について、更に説明しています。分野別の訓練の状況ですが、離職者訓練トータルとしては、一番左側の受講者合計を見ていただきますと、多い順に事務系、情報系、サービス系が中心となっています。これを更に施設内と委託訓練に分けますと、施設内については、その右側の合計欄を見ていただきますと、一番多いのが製造系、サービス系、建設系といった順になっています。一方、委託訓練のほうは、その右のほうですが、合計受講者数の所で、多い順番に、事務系、情報系、介護系となっています。
3ページ目です。学卒者訓練の実施状況です。これは昨年度、平成30年度の実績となっております。学卒者訓練に関しては、30年度実績が1万6,934名ということで、前年に比べますと500名程度の減となっています。就職率に関しては、97.4%で、前年度よりも0.6ポイントほど上昇となっています。
続きまして4ページ目です。平成30年度の障害者訓練の実施状況です。障害者訓練の合計の受講者数は、5,023人ということで、前年に比べますと500名程度の減となっています。就職率は、障害者職業能力開発校における職業訓練に関しては就職率71.1%ということで、前年度よりも2ポイント程度の上昇、委託訓練に関しては52.2%で、前年度よりも2.5%程度の上昇となっています。以上、公共職業訓練の実施状況です。
続きまして、5ページからは求職者支援訓練の実施状況です。令和元年度の求職者支援訓練の実施状況は、同じく令和元年11月までの実績です。受講者の合計としては、1万3,783名ということで、対前年度同期比は、1,800名程度の減となっています。そのうち、修了者の就職状況ですが、下に基礎コース、実践コースそれぞれの就職率を記載しています。一番右の欄を見ていただきますと、基礎コースの就職率が57.3%、前年よりも4ポイントほど低下、実践コースに関しては61.4%ということで、前年度よりも2.9ポイントほどの低下となっております。
6ページは、分野別の実施状況ですが、分野ごとのコースとしては左から2番目の営業・販売・事務の受講者数が466名、デザインの受講者数が251名と、この辺りが分野別には多いものとなっています。
7ページ目は、直近の実施状況ということで、令和元年度の申請状況、認定状況です。ここ数年間と同様の傾向ですが、基礎コース、実践コースの割合は、おおむね30%と70%といった割合となっています。
8ページは、都道府県別の申請状況です。実践コースに関しては、今年度は認定上限値を超える申請があったということですが、基礎コースに関しては、認定上限値を下回る実績だったということです。設定のコースの割合がおおむね4対6という状況です。
9ページ目は、求職者支援訓練の定員・応募・受講状況です。応募倍率、定員充足率ともに、これは例年の傾向ですが、上半期のほうが下半期より高いといった傾向です。また、実践コースの応募倍率に関しては、おおむね7割以上を維持している状況です。
10ページ目は、分野別の受講状況です。IT分野、デザイン分野、理美容分野は、比較的安定した応募倍率を維持しており、他の分野よりも高い傾向が見られます。また、定員充足率については、デザイン分野が他の分野よりも高い傾向にあるという状況です。
12ページです。この後また御審議いただきますが、職業訓練実施計画で毎年、重点分野としているものとしては介護福祉、IT、医療事務があります。ITに関しては、令和元年度は平成30年度と比較しますと全体に占める割合がやや増加という状況です。また、医療事務、介護福祉に関しては、前年度よりも全体にシェアが縮小している傾向にあります。
また、それぞれの認定コース別の中止率です。前年度よりも中止率は低いという状況ですが、例年、上半期の中止率が下半期に比べますと低いということで、下半期の状況も含めて、今後の経過も見ていく必要があろうかと考えています。
続きまして13ページです。求職者支援訓練の受講者属性です。介護福祉分野に関しては、他の分野と比較して受講年齢層が高いといった状況です。これに対して、IT、医療事務、デザイン、理美容分野に関しては、全体の中で比較しますと若い世代、20代の受講率が高いという傾向があります。
14ページが受講の男女別の比率です。求職者支援訓練全体では受講生の7割超を女性が占めているということです。ただ実践コースと基礎コースに分けますと、女性の割合が多いという点では変わらないのですが、実践コースは男性の割合が5ポイント程度は高くなっているという状況です。分野ごとの男女別の比率ですが、特に医療分野、理美容の分野では女性の比率が高く、一方で、ITの分野では男性のほうが約6割を占めている傾向があるということです。
以上が、令和元年度の一部と平成30年度の公共職業訓練及び求職者支援訓練の実施状況についての御報告でした。
続きまして、資料2に基づき、令和2年度ハロートレーニングに係る予算案について御説明いたします。資料2ですが、令和2年度予算案の全体が1ページ目です。公共職業訓練全体の予算額が、令和2年度は約1,333億円ということで、対前年度としては56億円ほどの増加となっております。共通する増加の要素としては、消費税の引き上げが、通年、増加されることによる増額というのがあります。それ以外の要素としては、個別に御説明いたしますと、離職者訓練の施設内訓練が約657億円で対前年度比としては17億円増、委託訓練が約676億円ということで、対前年度比としては39億円ほどの増です。委託訓練に関しては、短期の訓練(3か月から6か月程度の訓練)を実施しているもののうち、比較的長めの6か月のほうに訓練の中心を置いているといったような内容の見直しがあったところにより、そういった意味合いの増加がなされているところでございます。また、障害者訓練に関しては約58億円ということで、前年度よりも4億円の増となっております。
2ページ目です。求職者支援訓練の予算額は約62億円ということで、前年度よりも7億円程度の減額となっています。これは例年度の求職者支援訓練の特定求職者数、あるいはそれに基づく求職者支援訓練の募集・応募の状況等を鑑みて、それに見合った訓練規模を設定したということです。公共職業訓練のうちの離職者訓練と求職者支援訓練の全体の訓練規模としては、一番下の右側にありますとおり、19万6,000人ということで、前年度よりも4,000人程度の減となっています。以上が、令和2年度の予算案の総括表の御説明です。
続きまして、来年度の新規拡充の予算の概要について御説明いたします。まず、資料2-3ページですが、職業能力開発大学校における授業料減免制度についてです。これは御承知のとおり、令和2年度より、大学、短大、専修学校等の学生に対して、入学金、授業料等の減免制度がスタートするということです。こういった状況を踏まえ、国、高障求機構が運営する職業能力開発大学校、あるいは都道府県が運営する公共職業能力開発校で実施しております学卒者訓練の受講生を対象に、本年4月から住民税、非課税世帯、それに準ずる世帯の学生を対象に、授業料及び入学金を免除又は一部の減免が実施できるようにしていくということです。
続きまして資料2-4ページです。65歳超の継続雇用支援のための能力開発支援の推進等です。高齢者のうち、65歳を超えて働きたいと考えておられる方が7割を超えているという中、あるいは今後70歳までの就業機会の確保に向けて関連法案の国会提出といったことも予定されているところです。こういう状況を踏まえまして、公的職業訓練の場でも高年期を見据えた能力開発支援を進めていこうということで、内容としては2つあります。1つ目としては、在職者向け訓練の推進です。これは国の独立行政法人高障求機構のポリテクセンターに設置されている生産性向上人材育成支援センターで、今現在、各企業の実情、必要に応じた在職者向け訓練を実施しています。特に、これまでの取組を更に拡充して、65歳超の高齢者の継続雇用支援に資するような訓練を拡充していきたいということです。
具体的には、資料2-5ページですが、現在進めております訓練カリキュラムの開発の概要です。まず、ここにありますように、関係する企業にヒアリングを実施し、高齢者の継続雇用のために必要な課題や、重要と考えているテーマを抽出しました。ここに10個ほどのテーマを挙げています。これらを分類して、右側の図ですが、こういった課題・テーマを幾つかの要素として分類する。例えば役割の変化への対応とか、技能・ノウハウの継承あるいは安全管理・健康管理、共通する基本スキルをそれぞれ整理して訓練カリキュラムを開発していこうという取組みです。
資料2-6です。現在、高障求機構のほうで進めているカリキュラム開発例として、3つほど例を挙げています。①役割の変化への対応、②技能・ノウハウの継承、③安全管理・健康管理で、幾つかの課題をベースとして、当初は20コース程度の訓練カリキュラムを開発して、それを体系的に整理する。引き続き、その事業主等の要望等も頂きながら、追加的なカリキュラムの整備をしていくということです。
続きまして、資料2-7です。同じく、高齢者を見据えた中高年向けの離職者訓練プログラムの開発・普及ということで、先ほど在職者向けの訓練プログラムでしたが、もう1つ重要な柱である離職者向けの訓練カリキュラム、プログラムということで、これも同じく独立行政法人高障求機構を中心に、事業を実施していきたいということです。具体的にはここにありますが、高障求機構の中に、職業大学校の基盤整備センターがあります。こちらを中心として、カリキュラムの研究開発を進めていきます。その中に検討会を設置して、実際に開発したカリキュラムを各都道府県のポリテクセンター、当面は3か所程度を予定していますが、そこで試行的に実施して開発を進めていこうということを来年度から取り組んでいきたいと考えています。
続きまして資料2-8ページは、障害者訓練に関する支援事業です。来年度の新規事業として、職業能力開発校、特に一般校における精神障害者等の受入れに関するノウハウの普及、対応力の強化のための事業を実施したいということです。御承知のとおり、特に精神障害者も含めた雇用の拡大ということが求められているという中で、職業能力開発校における精神障害者等の受入れ体制の強化というのが急務となっています。
特に各地域における一般の方を訓練するための一般の職業能力開発校において、こういった障害者、特に精神障害者を中心にした受入れに関するノウハウの普及を図っていこうということで、それぞれの都道府県における一般校のうちの1校を強化校ということで選定して、その強化校に校内委員会を設置してもらうと。そしてその強化校を中心に、県内の一般校を対象とした取組、あるいはノウハウを普及していくと。その強化校の中には、連携支援員を配置して、強化校内の取組と、県内の他の一般校を対象とした取組を進めていく。更には、精神保健福祉士(PSW)等のスタッフの協力を得ながら、その連携の取組を進めていくといった事業を来年度から進めていきたいと考えています。
最後ですが、2-9ページ、求職者支援訓練におけるコース設定の要件緩和ということです。これは現在、政府が進めております就職氷河期世代の支援対策の一環として、求職者支援訓練においても、実践コースに関しては、現行の訓練期間が3か月以上6か月以下とされているということですが、資格取得に要する期間に関して3か月より短い期間でもコース設定が可能と考えられるものがあります。こういった中で、特に就職氷河期世代で非正規で働いている方などで、昼間、訓練を受けるために十分な時間が取りづらい、働きながら資格取得をしたくても取りづらいという方もいらっしゃるということで、こういった者に対する下限を緩和していきたいと。もう1点が、この1日当たりに関しましても、訓練時間が原則5時間以上、1月当たりが100時間以上となっていますが、こういったものについても下限を緩和していきたいということです。
具体的に、見直しの内容ですが、まず訓練期間に関しては、現行の3か月以上を2か月以上というように引き下げるということです。今後、対象となるものの一例として紹介していますが、例えば介護初任者研修対応コース、あるいはメディカルクラーク等対応コースが、訓練期間が2か月で実施できます。もう1点が、その下にありますが、1日当たりの訓練時間の下限が「5時間」を「3時間」に引き下げる、あるいは1月当たりの「100時間以上」となっているものを「80時間以上」とするということで、平日は、より短い訓練、あるいは夜間とか土日に集中的に訓練を実施することによって、昼間働いている方でも訓練ができるといったようなことについても進めていきたいということです。来年度予算の概要につきましては以上です。
○今野浩一郎名誉教授 それでは、今の説明について、御質問、御意見をお願いいたします。
○関口正雄常任理事総務委員長(全国専修学校各種学校総連合会) 最初の資料の所で、令和元年度の実施状況の御報告を頂いたのですが、離職者訓練のうちの委託訓練の枠の中に、今年度で2年目になる非正規雇用労働者のための長期行動訓練があります。これは、全体の600何十億のうちの370~380億ぐらいの規模だったわけです。つまり、求職者のほうはかなり細かいデータがあるのですが、離職者訓練のうちの委託訓練のほうの内訳的なデータがないのです。特に大きな予算を取っている非正規雇用労働者のための長期高度訓練については、まだまだ予算に対して、実施状況は微々たるものだったように記憶しているのです。そうすると、2年目はどうだったのかというところが気になるところなので、その辺はいかがでしょうか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 平成30年度の実績ですが、長期高度人材育成コースの全体のコース設定数が716コースで、受講者が4,278名ということになっています。内訳としては、介護福祉士のコースが平成30年度は375コースで、受講者数が2,039名です。保育士のコースが210コースで、受講者数としては1,731名です。その他というのは細かくなりますので総計しますと、コース設定としては131コースで、受講者数が508名ということになっています。
○関口正雄常任理事総務委員長 つまり、まだ今年度のは集計がないということでしょうけれども、実際に申請して講座を開講している我々の立場から言うと、そんなに多く増えていないと思うのです。
これも以前にお聞きしましたが、相定されている予算に対応する受講者人数は2万人ぐらいとお聞きしているので、初年度のところでも4,278人ということで、しかも新しく想定した部分については1,770ぐらいということですから、ここが伸びないと、想定した予算には遠く及ばないということだと思うのです。
是非、これは今度の新しい計画の中にも想定していただいているとはお聞きしているのですが、我々全専各連としても告知をして、都道府県での取組を促すなど一生懸命やっています。しかし実情としては、まず都道府県の認定の学科数が非常に少なく、余り拡大していないということで、そのうち特にポリテクとバッティングしている分野については認められないということがあります。それと、ハローワークの取扱いによっては、受講者数に大きな差異があるということです。さらには、例えば東京都の場合は、非正規雇用労働者等の長期高度訓練という名称ではなくて、全く別の名称を使っていますから、全専各連で各地方の専各協会に告知しても、それにどれが当たるのかが分からないということがあります。何よりも、募集期間が1か月ちょっとしかないのです。その間にキャリコンの面接も受けなくてはいけない。募集期間を延ばせば、どの講座をやっているところも確実にもっと集まります。
こういうような都道府県の実情の把握を、訓練協議会から上がってくる情報だけではなくて、しっかり把握していただきたい。前にも申し上げましたように、従来の求職者訓練、委託訓練等を受けさせていただいているのは、地方中心だったのです。
そうではなくて、今度は本科生のところにそのまま入ってこられますから、東京、大阪等の体力のある所が本格的に取り組もうという姿勢を持っているだけに、ここで実情に合わせた振興策、訓練事業者のほうの立場に寄り添っていただいて、振興策をやっていただくことが、我々にとっても有り難いし、大きな予算についての使用状況もアップするということにつながるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 御指摘につきましては、正におっしゃるとおりだと考えております。長期高度人材育成コースに関しては、予算的にもかなりしっかりしたものを準備させていただいておりますし、引き続き今後、都道府県とも調整しながら、コース数の設定の拡大あるいは受講者の拡大ということを更に図っていきたいと考えております。また、各都道府県の労働局、ハローワークともしっかりと連携しながら、受講のあっ旋についても、更に進めていきたいと考えております。
また、今御指摘のあった名称の問題ですが、基本的に委託訓練は自治事務という部分もございますが、いずれにしましても各都道府県とも引き続き調整しながら、よりコースについても、受講者、応募者が、より拡大されるものが設定されていくといったことを進めていきたいと考えております。
○関口正雄常任理事総務委員長 テーマ化して取り組んでいただきたいと思います。
○今野浩一郎名誉教授 何らかの対応を取られるということなので、また次回の会議で聞いてください。
○関口正雄常任理事総務委員長 分かりました。
○正木義久労働政策本部長(一般社団法人日本経済団体連合会) 関口さんと同じ所で隔靴掻痒している気もするのですが、資料1の実施状況は、もう少し分析を加えていただきたいと思います。参考資料2にあるように、この協議会の目的は、訓練の規模の設定とか、どうやったら効果的な実施になるかということだと思います。例えば、最初の資料1の離職者訓練は横ばいないし微減に終わっていますがも、これはどういう理由なのでしょうか。施設のキャパシティがいっぱいなので、これ以上増やせないという理由なのか、ニーズに応えていないから増えていないのか、景気がいいから離職者が少ないのかとか、もう少し理由付けや分析があって初めてこの後の計画とか予算につながる議論ができるのではないかと思います。
資料1の終わりのほうのデータには分野別の人気とか属性とか、少し分析のようなことも書いてあるのですが、では介護の分野が重点分野なのに人が集まらない、これはどういうことなのか。資料1の分析が十分でないのに、資料2を見ると、高齢法が改正されそうだからとか、氷河期が別の文脈でテーマになっているからとか、要は、この協議会の事務局の直接の所掌ではないではない、様々な施策があるので、それに合わせて予算を付けますという説明はある。しかし、そもそもの、今の訓練の状況に応じて、ここを改善するからこのような予算にしますとか、この後の計画を工夫しますとかいうことのための分析に資料1の説明がなっている感じがしません。もう少しどうしてこうなっているのかということを加えてもらわないと、資料1の説明をどう受け止めていいのか、我々にとってよく分からないというところがあるのですが、例えば離職者訓練が横ばいないし微減な理由は何でしょうか。こうした分析を教えていただけると有り難いと思うのですが。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 資料の説明の仕方に関しては、おっしゃるとおりで、まだ工夫のしようがあると思います。どういった整理の仕方があるかにつきましては、引き続きの宿題として示させていただきたいと考えています。
個別の、例えば離職者訓練の実績は前年に比べて減っているということに関しては、大きく申し上げて、やはり求職状況が良いということで、離職者の数自体が減っている、あるいは離職者訓練に応募されている方が減っているということが中心だろうということです。予算が足りないからとか、あるいは施設の収容能力が足りないから受け入れられないというよりは、離職者そのものの減少に基づく受講者の減ということが中心になろうかと考えています。
いずれにしましても、今のような御指摘も踏まえまして、今後こういった形での資料の御提示の仕方につきまして、更に工夫をさせていただきたいと思います。
○今野浩一郎名誉教授 今のことでいいのですが、正木さんが気になることは、今1点しか言っていないから、これも気になる、これも気になるということだと、今の段階で事務局が答えやすいと思うのです。
○正木義久労働政策本部長 例えばコースの定員を満たしている、あるいは満たしていないという結果について、例えばいずれかのコースでは先生が足りないとか、もしそういうものがあるのであれば、その先生を増やすためのものをやらなければいけないということがあると思うのですが、そういうことなどはあるのでしょうか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 施設内の訓練に関しましては、基本的にテクノインストラクターの指導員が担当していますので、必要な訓練を実施するための指導員は確保されているという状況であろうかと考えています。
一方で、民間に委託して行われる訓練に関しましては、民間の教育訓練機関が中心となっていますので、その地域において、どれだけのプロバイダーがあるかということにも応じてくる部分がございます。特に地方にいきますと、どうしても民間教育訓練機関のプロバイダーの数が限られているということで、訓練の実施が大都市に比べると機会や数が減っていくという傾向はあろうかと考えています。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長(全国中小企業団体中央会) 私も今の正木委員と同じ考えを持っています。例えば資料1-12に、認定コースの中止状況というのが列記されています。私は昨年度の資料も確認してみたのですが、この中止の状況というのは、時代背景とか、訓練生の考え方にもよると思うのですが、分野により格差があるとおもいます。例えば、介護福祉は、それに携わる人事を一生懸命に増やそうと思って、コースを設けているのでしょうが、コースの中止率というのが非常に高くなっている状況です。ITは比較的人気がありますが、マイナスになっています。営業販売事務はプラスとなっています。また、旅行は71.4で、令和元年度分としては50.0となり、昨年度に比べても少なくなってきているとは言え、まだまだ他の分野と比較すると高くなっています。こういう分析を通して、人を育てていきたい分野というのはあると思うのですが、やはりコースが中止されるということになると、いろいろな地域で訓練をやっていらっしゃるでしょうから、地域性、ニーズ等を分析をしていただいて、より効果的なものとして進めていっていただきたいと考えています。
それから、あと2点意見があります。まず資料№2-4です。65超等とあるのですが、生産性向上人材育成支援センターが生産性向上の支援訓練等をやっていただいていると思います。非常に使い勝手がいいということもあると思うのですが、今、どうしても県との調整で、ものづくり分野はJEEDさんに実施していただいているわけですが、今の時代はAIもそうですし、それから販売の関係とか、どうしても、ものづくりの垣根を超えて、ソフト面というか、販路の支援というものにも使われることというのがあると思います。ソフト面の訓練プログラムもカリキュラムも取り入れられるようにしていただきたいと思います。今も少しずつ入っていると思うのですが、ものづくりとそれ以外の分野と垣根があると言いながらも、そういう訓練の仕方ということもカリキュラムに入れていただきたいと要望させていただきたいと思います。
もう1点です。昨年、私は職業能力開発総合大学校の施設の視察・見学をさせていただきました。そのときにお話を伺った中で、普通の大学と比べても、もう倍率が4倍ぐらいあって非常に高い状況となってきています。そして、訓練大学校とは言っていますが、本当に大学と変わらないような優秀な指導員の先生方を育てられて、その訓練生も指導員も併せて育成されてきていると思います。今は修士課程まではあるそうですが、せっかく大学で、ものづくりの環境をやっているので、その博士課程的なものも認めていただくよう、本日の中央訓練協議会の検討テーマとは若干、違うかもしれませんが、是非お願いしたいと思っています。
それと、ポリテクセンター等の施設を見せていただいて、中小企業に在職していたり、新たに就職する訓練生が受講されていると思います。減価償却が終わったような機械を中小企業ではまだ使用されている場合が多いと思います。これは予算も考慮しなければならないので、難しいと思うのですが、新しい機械とか、いつも使用している同じような機械であれば、いろいろとメーカーが販売しているようなものを広く入れていただくとか、厚労省本省のビルもそんなにきれいではないと思うのですが、大学校とか、ポリテクセンター自体が、見たときにひび割れなどをしているので、予算の範囲で補修等に手当を是非していただくことも必要ではないかと考えています。以上です。
○今野浩一郎名誉教授 今、4つの御質問がありました。一番最初の、分析を加えた説明をしていただきたいということは御要望として聞いておいて、あとの3つについてお願いいたします。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 1点目もお答えにはならないかと思うのですが、補足させていただきます。おっしゃるとおり、各コースの中止率をできるだけ低くしていくというのは重要な課題だと考えています。特に、介護などは地域においても重要な人材の供給分野ですので、しっかりと訓練が設定されていくことは必要ということで考えています。
各委託訓練、求職者支援訓練に関して、特に各地域ごとで訓練が実施されるわけですが、その具体的な分野の調整というのを各都道府県ごとに地域訓練協議会がございますが、これを中心に求人ニーズと訓練の供給というものがしっかりとマッチしていくような取組を、現在も進めておりますが、更に徹底していくということを進めていきたいと考えてございます。
2点目のJEEDの関係です。JEEDにおける訓練は、今もお話がございましたとおり、ものづくり系を中心となって進めているところですが、その新しい分野のニーズをカリキュラムの中で毎年度必要な見直しをして取り組んでいますので、より人材供給にとって必要な訓練コース、カリキュラムの開発ということを引き続き進めていきたいと考えています。
3点目の職業大学校の課程についての御意見でした。修士あるいは、その上の課程というお話もございました。いずれにしましても、テクノインストラクター、指導員の育成に関しては、厚労省、JEEDと一緒に、具体的な検討を進めているところです。その中で、よりテクノインストラクターの確保あるいは、その能力の向上のために、どのような取組が必要かということは、その中の課題の1つとして引き続き進めさせていただければと考えています。
それから、機械設備等の更新のお話です。JEEDの訓練施設の設備、それから都道府県の能開校の設備に関しては、それぞれ厚生労働省から交付金を交付することによって、計画的にその更新あるいは入れ替えを進めているところです。予算上の制約がありますので全てのものを直ちにというわけにはいきませんけれども、それぞれの施設ごとに優先順位を決めて、必要なアップデイトを図っていけるように、これからも進めていきたいと考えています。
○今野浩一郎名誉教授 佐久間さんに質問したいのですが、今おっしゃった中の博士コースを作りたいというのは、どういう気持ちでおっしゃったのでしょうか。私には、学術的な分野は要らないのではないかという気持ちが片方ではあるものですから。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長 私は職業能力開発総合大学校でお話を伺っていて、今は大学との競合というのも御自身で認識されていまして、倍率が4倍程度なのです。理科系で倍率が4倍というのは、結構な倍率があるということになります。そこの中で、こちらの資料でも記載されていますが、今は修士課程まではあります。やはり、指導員の先生方が勉強されて修士まではいけると。それが他大学に行って、違う修士を取ることはないでしょうけれども、そこで博士号を取りたい、また論文を出したいときには他の大学のほうに行かなければいけない。
私が伺ったのは、ほかの指導員の先生方も、他の大学とも兼ねているということはあるのですが、やはり職業能力開発総合大学校というか、能力開発の大学校の中で、私は学問的と言うか、文科省の大学制度の関係はよく分かりませんが、そこで博士というのを、もう一段も二段も上のレベルになるのかもしれませんけれども、目指すことができるということが、1つの教育体系というか、職業訓練の体系ではないかと思います。是非、博士課程という、目標と励みになる過程として、博士課程コースもあってもいいのではないか、御要望させていただいたところです。
○今野浩一郎名誉教授 でも、普通の大学と同じ学術的な博士を作っても、もしかしたらしようがないのではないか。普通の大学とは違うという面が重要なので。そういうような気もしたのです。
博士課程を作るというとき、博士号を取らせる人材としてどういう人材を考えているのだろうかをちょっと思ったものですから。普通の大学と同じ人材だったら、大学に行ってくださいという話になるのです。そこがよく分からなかったのです。理解しにくかったものですから。
職業訓練大学校は大学とは違うカラーを出して存在しているので、基本的には、一緒にしてしまったらいけないのです。そうすると、同じ博士課程を作るのであったら、普通の大学の博士とはこう違うということを言わないと、なかなか乗りにくい話だなと思ったのです。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長 大学の先生方から言われればそういうことになるかもしれませんが、やはり職業訓練というところで、皆さん方が同じような研究をされて、すばらしいことをやっていると思います。そこの中で、修士課程まではありながら、次の学術的な段階に進もうとすると他の大学に行かなければいけないのか、意欲があるのですから、設定することもよいのではないかと思うのです。修士まで取っていても、そんなに簡単に、他の大学で博士課程に進めるかというと、それはなかなか難しいのではないかと思うのです。ですから、自分が研究していく場である職業訓練大学校や職業能力開発総合大学校の枠内でも、課程があれば、それは励みになるのではないかということで発言させていただきました。
○今野浩一郎名誉教授 この問題はどうするかというのは、ここのミッションではないので。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長 そうなのですよね。すみません。
○今野浩一郎名誉教授 ですから、どこかでそういうことが本当になって、議論される場があったら、そういう違う意見もあったということを記録していただければと思います。
○青田光紀求職者支援訓練部長(高齢・障害・求職者雇用支援機構) 生産性向上支援訓練の関係ですが、実際は、お話していただいた、ものづくり分野のみではなくて、ものづくり分野以外の事業者にも活用していただいているという状況です。広報が足りないかもしれないので、これから更に活用していただけるように取り組んでいきたいと思います。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがですか。
○森信介専務理事(一般社団法人全国産業人能力開発団体連合会) 資料1-12ですが、先ほど少し御質問があったところで関連です。介護福祉士、医療事務が縮小傾向にあるということについて、私どもの会員の声を聞いて確認しましたので、お伝えします。
まず医療事務ですが、人材不足が深刻化しているので、現実問題として、資格や経験を必要としない医療事務の求人が増加しているので、訓練のニーズが減少しているということが1点です。事務職全体の有効求人倍率も高まっているため、医療事務の人気が低下傾向にある。訓練に申し込んでも、開講前にほかの事務職で就職が決まって辞退するケースも増えているという声が1つあります。
2点目のある事業者の声では、ハローワークの担当者の業務の理解不足による説明不足があるのではないか。ハローワークの方は、IT、営業事務、販売事務については、イメージが付きやすいと思いますが、医療事務についてはどこまで理解しているのか分からないので、なかなか伝わっていないと。これはいい例なのですが、ある熊本のハローワークの例では、担当者との関係が良好であり、ハローワークの担当者が医療事務を詳しく説明できるので、毎回満席開講に近いという事例もあるということです。
一方で、介護・福祉分野では、これも長期間にわたる人材不足が深刻化しておりますので、雇う側の事業主は、無資格者で雇用して、資格取得は入社後にということで、訓練ではなくて、無資格者を採って、民間のコースなどを受講させて、会社として取らせているということで、そういうような影響も出ているのではないかということです。
介護分野については、今年の1月10日にNHKの「ニュースウォッチ9」で、訪問介護の人材不足が深刻化しているということが、特集で取り上げられています。今、全体の有効求人倍率は1.5倍ぐらいですが、介護は4倍ぐらいです。介護の中で、訪問介護に限って言うと、有効求人倍率は13倍ということです。サービス別で見ると、かなり深刻度がどんどん長期化しているということですので、より細かい実情把握をお願いしたいということです。
○今野浩一郎名誉教授 どうぞ。
○仁平章総合政策推進局長(日本労働組合総連合会) 素朴なところから質問させていただきたいと思います。資料1-1で、なぜ、就職率が若干でも下がっているのかをお聞きしたいというのが1つです。ここの注にもあるのですが、3か月後の就職状況を取られているのだとは思うのですが、気持ちとすれば、どのように雇用に結び付いているのかという実態を知りたい。要するに、訓練が終わったときに100%近くて、3か月後に落ちているのかとか、都道府県でやっているものと高齢者の雇用支援でやっているものの、そもそもの水準の差があるとか、委託との差があると思っております。資料1-2を見ると、そこの差として「参考」の所にあるのですが、「雇用期間の定めのない就職者数」の比率を取っていて、最初に雇用に結び付くときの雇用形態の差がこれに影響しているのではないかなど、ちょっと分析的な話で恐縮なのですが、何か分かる範囲で教えていただければと思います。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 まず、前年度の就職率の比較に関しましては、例えば1ページ目で施設内委託で、それぞれ1ポイント程度が下がっているという現状がありますが、ただ、これがトレンドなのか、単年度の変化なのかというのは、まだ分析しきれておりません。また、これ自体も年度途中の数字ですので今後変わり得るという部分です。こういったものがどういった背景によるものかというのは、さらにお時間を頂いて分析していく必要があるのだろうと考えています。
また、3か月後の就職率、それから訓練終了後との数字を比較したものは現在ございません。そういったものが、訓練の就職に対する効果として、どういった効果があるのかというのは必要なデータだと考えていますが、現時点で御紹介できるものはありませんので、引き続きの課題とさせていただければと考えています。
○関口正雄常任理事総務委員長 介護についてなのですが、人材需要と教育訓練を通じての充足というのは、全体的な視点から言うと、留学生の動きが大きいです。介護福祉士を取る専門学校について言うと、ずっと学生募集が低調だったのですが、ここ数年、特にベトナムの留学生が多く入学してきまして、学校によっては60~70%が、ベトナムを中心とした留学生が占めています。そうした海外からの人材供給というか、そういうことも踏まえた中で見ていく視点も必要ではないかと、その点では、介護は典型的な分野だろうと思います。
○杉崎友則産業政策第二部副部長(日本商工会議所) 要望になるのですが、資料2-4、資料2-5の65歳超の方に対する能力開発支援についてなのですが、資料2-5の左側に図があって、重要と考えるテーマの中で2つ目に多いもので、「元部下と協働するための行動変化」というものがあります。こういった訓練を実施する際に、スキルの習得というものは非常に重要だと思うのですが、高齢者雇用に関していろいろな企業の声を聞いてみますと、こういった心構えということも非常に大事だという声を聞きます。したがいまして、こういったことに是非御留意いただいて、具体のカリキュラムを形成していただければと思います。
もう一点は、資料2-9の、いわゆる氷河期世代の方への訓練についてです。こちらも、今、非常に人手不足が深刻な中で、資格所有者などについてはすぐにでも採用したいという企業の声が非常に高まっています。そうした中で、今回御提示いただいた要件緩和については、非常に企業の実情と実態にも適っていると感じます。なので、こういった取組については是非、拡大・拡充していく方向性で検討していただければと思います。以上です。
○今野浩一郎名誉教授 基本的には御要望ですのでお聞きすればいいかなと思いますが、何かコメントはありますか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 高齢者を見据えた訓練に関しましては、御指摘のとおり、企業、事業主からのニーズというのは非常に重要だと考えています。引き続き、実施するJEEDとも連携しながら、しっかりとニーズをくみ取り、カリキュラムに反映させていくことを考えていきたいと考えています。
氷河期世代の対策ですが、本日は求職者支援訓練の要件緩和についてのみ御説明いたしました。これは氷河期世代の対策としては、本日の議題である公的職業訓練以外でも、幾つか令和2年度からの新規事業、例えば事業者団体を中心に短期間の訓練を実施していただくような訓練コースの設定をする新規事業等も実施することにしています。このような事業も活用しながら、しっかりと進めていきたいと考えています。
○正木義久労働政策本部長 各論のほうで、資料2-8の精神障害者の受入れのノウハウの普及と対応力強化の話題です。職業能力開発校は、障害者でない方の場合も、例えばジョブ・カードの書き方の指導などがあると思うのですが、主に精神障害者の方を想定して、この度、就労パスポートというものができています。それなどもこういう人材育成の過程で活用していただいて、書き方の指導などが入ると、それをもって就職につなげていくということで有効になるのではないかと思いますので、御配慮いただければと思います。
それから先ほどの森さんのお話を聞いていて思ったのですが、ハローワークの相談を受ける方もいろいろな職種についての理解がついていかないという点について、今日の経団連の大きな会議で宣伝したのですが、日本版O-NETが3月から始まることになっています。例えば「印刷営業とは」といって、動画で仕事の模様の紹介もあれば、必要な能力、各種数字も紹介されており、是非それをハローワークの方にも見ていただくということをすると仕事の理解が進むのではないかと考えています。日本版O-NETとの連動というのも非常に重要ではないかと思いましたので、意見として申し上げさせていただきます。
○堀有喜衣主任研究員(労働政策研究・研修機構) 資料1-7と資料1-8の基礎コースと実践コースは、この訓練協議会でも度々議論になっていると思います。資料1-8で、都道府県によって、基礎コース比率というのがかなり違っているように見受けられるのですが、これは何か理由があるのでしょうか。そして、国として比率というのを、ある程度定めているわけなのですが、地域ごとにある程度緩和していく必要があるのかどうか教えていただけないでしょうか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 都道府県ごとの差というのは確かにあるのですが、主な要因としては、私どもとして個々に分析できているわけではないのですが、それぞれの地域における訓練の供給主体である民間教育訓練機関で、どういったコースの教育ができるか、例えば基礎コースですとパソコンスキルなどが中心ですので、どういった教育機関が多いのかということにもよるのだろうと考えています。
そういう意味で、現在ここにあるとおり、特に基礎コースに関しては認定上限値を下回る申請ということですので、枠は十分にあろうかと考えていますが、地域ごとの訓練のニーズを踏まえながら、必要な枠が引き続き設定されていくようにしていきたいと考えています。
○河島商工労働観光部副部長(京都府) 京都府です。ありがとうございます。1つ視点を変えまして、資料2-3の授業料の減免制度についてです。自治体の実態を踏まえて、少し御意見を申し上げさせていただければと思います。これは職業能力開発の機会を広げていくという意味では非常にいい制度だと思っていまして、京都府においても、この2月議会で、早速条例改正をさせていただいて、授業料の減免、入校料の減免といった部分に取り組んでいきたいと思っているのですが、ただ一点、非常に事務手続が煩雑あるいは制約が厳しいというようなお話を、これは我々京都府だけではなくて、ほかの近隣県からも話を聞いております。
例えば高校卒業から入校するまでの期間が2年間という制限があったり、あるいは学業成績などの基準も予定されていると。これは文科省のスキームをそのまま持ってこられている辺りが遠因かなと思っていますが、本来のこの制度の趣旨、就職を目的にしたセーフティネットという観点からいきますと、できるだけ制限を緩和していただくような形で運用していきたいと思っていますし、そういった部分にもまた御配慮いただければ大変有り難いかなと思っていますので、御意見として申し上げさせていただきます。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 4月からスタートする授業料減免に関しては、お話があったように各都道府県とも調整しながら、意見を頂きながら進めていっているところです。例えば事務負担の軽減とか、幾つか御提案なり御意見を頂いている部分等もありますので、私どもとして何ができるのかということを引き続き鋭意調整しながら。いずれにしましても、4月から新しく訓練生が入ってくるということで、できるだけ授業料の減免等の手続が遅延しないように進めていきたいと思いますので、引き続きの御協力をお願いできればと考えています。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、いろいろ御意見を頂きましたので、参考にしていただいて、次回以降に反映していただければと思います。
では、次にいきます。次は令和2年度の全国職業訓練実施計画(案)についてです。お願いいたします。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 続いて、資料3に基づき、令和2年度における全国職業訓練実施計画案について御説明いたします。これは毎年度、全国における公的職業訓練の実施についての基本の計画として、この協議会で御議論いただいているものです。内容については、お手元の資料にありますとおり、今年度のものに変更している部分を赤字で見え消しで修正しておりますので、来年度に向けて改正している部分を中心に御説明します。1ページに関しましては、年度の変更ということで、修正を加えております。
3-2ページです。第二の一の労働市場の動向と課題の中の「こうした中」というくだりです。これは先ほどの予算の御説明でも申し上げましたが、いわゆる就職氷河期世代に対する支援の必要性ということを改めて明記しております。また、第4次産業革命による技術革新に対応する人材育成ということを個別の訓練の所にも改めて記載しています。
3-3ページです。同じく高齢者に対する課題の部分ですが、3行目に書き加えております。これも先ほど予算のところで触れさせていただきましたが、70歳までの就業機会の確保について継続雇用措置を図っていくために必要な法律改正を行っていくことを付け加えているところです。
3-4ページからは、具体的に今年度の公的職業訓練をめぐる状況についてのデータに関して記載しています。ここに引用している数字に関しては、先ほどの資料1で御説明した今年度の訓練実績等ベースに記載しているところです。
3-4ページの第三、計画期間中の公的職業訓練の対象者数ということで、具体的な訓練規模について記載しています。まず、第三の一の公共職業訓練離職者の対象者数ですが、計画期間中に実施する離職者訓練の対象者数は、来年度が15万8,164名で、離職者訓練の対象者数のうち、2万3,000名を施設内訓練として実施する。また、施設内訓練のうち、2,000名についてはいわゆる「日本版デュアルシステム」の対象として実施していくものです。また、離職者訓練の対象者のうち13万5,164名については、委託訓練として実施する。また、その対象者のうち8,500名については日本版デュアルシステムとして、それぞれ実施するというところです。
(2)離職者訓練の内容です。冒頭にもありましたが、離職者訓練においても、IoT技術等の第4次産業革命の進展に対応した訓練の実施にも取り組んでいくところです。またその下の基礎的なIT理解・活用力を習得する訓練に関しまして、事業名の変更に伴いまして、IT理解・活用力を習得する訓練というふうに変更をしております。
続いて3-6ページです。二の公共職業訓練(在職者訓練)の対象者数ですが、対象者数については来年度2万5,300名を対象にしていくということです。また訓練の内容については、離職者と同様に、IoT技術に対応した職業訓練の実施に取り組んでいくということを記載するとともに、3-7ページの上の辺りですが、先ほどの来年度予算のところでも御紹介した70歳までの就業機会の確保に向けた中高年齢者に対する訓練の実施ということを明記しております。またその下、三、公共職業訓練のうち学卒者訓練の対象者数ですが、その下の(2)訓練の内容としても同様に、第4次産業革命進展に対応した訓練ということを明記しているところです。(3)については、先ほどの予算の説明の中でありましたように、学卒者訓練における経済的負担の軽減対策についての実施を記載しております。
四、障害者に対する公共職業訓練対象者については、来年度の訓練対象者数が6,830名という数字をおいてあります。また、3-8ページを見ていただきまして、施設内訓練として3,850名という数字をおいているところです。
その下(2)の部分ですが、これも先ほどの来年度予算の概要で御説明いたしましたが、精神障害者等の受け入れに係るノウハウの普及等の事業について明記しているところです。
3-8ページの下の辺り、五が、求職者支援訓練の対象者数です。3-8ページ、3-9ページの一番上の段落ですが、人数としては2万7,613人に訓練機会を提供するということで、訓練認定規模に関しては4万8,440人を上限としております。なお、来年度に関しまして、毎年、就職率目標を定めておりますが、例年、基礎コースでは55%。それから実戦コースでは60%という数字を設定しておりました。ここ5年くらいを見てみますと、求職者支援訓練の就職率は向上しており、現状は基礎コースの55%、あるいは実戦コースの60%というのが基本的に達成できている状況ですので、これをそれぞれ3ポイントずつ上方に上げて、基礎コースで58%、実戦コースで63%を目標数値としているところです。
(2)求職者支援訓練の内容としては、これも冒頭ありましたとおり、「就職氷河期世代の者のうち不安定な就労に就いている者、あるいは無業状態の者など」を明記しています。
あと、以下に関しましては、年次の更新等の修正を加えているところです。簡単ではありますが以上です。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。それでは御質問と御意見をお願いします。何かございませんか。どうぞ。
○関口正雄常任理事総務委員長 授業料の減免の対象予測のパーセンテージというか、現在の大学、専修学校等の予測は、全入学者(在籍者)の20%ぐらいという読みだったのですが、実際にはもっと増えそうだということらしいのですが、その辺はどのくらいが対象になるというお考えですか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 失礼いたしました。資料2ですが、御紹介が漏れておりました。資料2-3ページ目ですが、授業料・入学金の免除又は減免ということで、3.の制度の対象者数は記載しております。これによりますと、在校生又は入校生の約24%という推計を基に予算額を積算しております。
○関口正雄常任理事総務委員長 ということは、世帯年収的には、相対的に低い人が多いだろうということですか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 私どもが高障求機構にも協力いただきまして把握しているところによりますと、日本学生支援機構が実施している学生の家庭の所得水準に比べますと、若干能開校のほうが世帯的に所得水準が低いのではないかというデータもあります。
○関口正雄常任理事総務委員長 ありがとうございました。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがでしょうか。数字の見方を教えてほしいのですが、これは先ほどあった予算の数字をここに当てはめているということが基本ですよね。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 基本的には予算額から導き出される訓練規模を人数に割り付けているという考えです。
○今野浩一郎名誉教授 そうですよね。大体、合っているかなと思ったのですが、ちょっと分からなかったのは、3-6ページの在職者訓練なのですが、予算では13.7万人で、ここで(対象者6万6,000人)となっているのは、これは数字は合わなくてもいいわけですか。ほかの数字は大体合っているのですがね。例えば障害者訓練だと、どっかにありましたよね。おおむね数字が合っているのです。ここだけが大きく違うかなと思ったので。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 失礼いたしました。予算の資料2のほうの在職者訓練、13万7千人と。
○今野浩一郎名誉教授 そうですね、はい。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 ありますが、これは国(JEED)と都道府県の両方を足した数字です。
○今野浩一郎名誉教授 そういうことね。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 資料3-6の66,000人というのはJEEDだけの数字です。ちょっと説明が不十分でした。失礼いたしました。
○今野浩一郎名誉教授 分かりました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。今あった御質問は計画案とは少し外れた御質問だったので、ということは計画案については特段の御意見がなかったということで、この場としては、大体いいぞ、これでということでよろしいですかね。それではそういうことにします。ありがとうございました。
それでは、最後3つ目は令和3年度ハロートレーニングの実施規模についてです。お願いします。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 資料4と5について御説明します。資料4は、毎回御紹介しておりますが、毎年度、地域訓練協議会を各都道府県で大体、年間に2回程度実施しておりますが、そこでいろいろな公的職業訓練に対する御意見が出されております。それぞれの詳細については、資料4-3ページ以降に、各県ごとの御意見の分離したものを付けておりますが、その概要については、資料4-1ページ、4-2ページに整理しておりますのでポイントを絞って御紹介します。
まず、公的職業訓練に関する制度周知についてです。例えば、実際の訓練風景を動画配信してPRしてはどうか。あるいは、訓練科名についてイメージのつきやすい名称にしたところ受講生が増加したという御紹介や、訓練リーフレットを人が集まるスーパー等に貼り出して若年者の保護者等にも周知していくということが大事ではないかといった御意見がありました。
それから2.地域の特性を踏まえた訓練設定についてということです。今後は、AIやIoTを使った産業も増えていき、製造業もロボット化が進んでいくといったことから、そのような訓練を行うことで、受講生を更に集めることができるのではないか。また、職業訓練は、既存システムの維持だけではなくて能力の育成に資するべきものであるので、訓練内容を十分に吟味して地域のニーズに合ったコースの設定を行うべきという御意見がありました。
3.人材不足分野に関してです。介護分野に関しては人材不足なのだけれども、実際にコースを設定しても応募者が少なくて訓練を中止となっている状態が続いている。一方で、介護職に興味を持っておられる求職者も一定数はいるので、引き続きその魅力や重要性を伝えていく。あるいは、在職者訓練について、事業主も中小企業で人材が足りなくて研修に出せないということがあるので出前研修のようなもの、これは、実際にこういった取組も行っておりますが、このような御要望もいただいているところです。
4.は、受講者属性等を踏まえた訓練設定についてです。障害者訓練に関して様々な障害に応じた訓練の実施が課題であって、今後も検討を進めていきたい。あるいは、職業訓練を受けて安定した雇用につながった成功事例を積み上げて、見える形にして検証する必要があるという御意見。
5.は、訓練実施機関についてです。今後の介護現場では、ロボットを導入したりして魅力ある職場に変えていかなくてはならない。介護の訓練でもロボット等を導入して、魅力ある職業に見せられるような訓練にして受講者を確保することも必要である。あるいは、それぞれの機関の訓練について、一般の求職者には分かりづらい部分が多いので、訓練の誘導に関しては丁寧な対応をお願いしたいという御意見がありました。
6.その他としては、総論的な御意見です。求職者ニーズと企業のニーズマッチングは非常に難しいが、今後も需要に合わせた訓練コースの設定が必要である。あるいは、ハローワークに来ない人、利用しない人の職場進出を一層進める必要があるといった御意見を頂いています。
続いて資料5について御説明します。これは、冒頭、資料1で公的職業訓練の実施状況について御報告しましたが、もう少し長い期間のトレンドを整理して、特に、来年度以降の中央訓練協議会で、今後の公的職業訓練の規模の在り方について御議論をいただく際の参考として御説明するものです。まず資料5の1ページ目です。公的職業訓練のうちの離職者訓練の実施状況です。平成28年度からの実績ということで御紹介しておりますが、平成28年度が11万人、平成29年度は10万3,000人ということで、例年、若干、前年度よりも減少傾向にあるという状況です。就職率については、令和元年度の数字ですが、施設内訓練は現時点で事業目標値を上回っている。委託訓練についても、現時点で71.6という数字が出ていますが、例年、年度末には何ポイントか上昇している傾向がありますので、その目標を上回るのではないかという見通しを立てているところです。 資料5-2が求職者支援訓練の実施状況です。これについては、平成26年度からの実績を御紹介しております。平成26年度に関しては約5万5,000人、平成27年度が約4万1,000人、直近の平成30年度は約2万3,000人です。ということで、これについても同じく、受講規模としては前年よりも減少傾向があることが見て取れるところです。就職率に関しては、平成26年度は目標値を若干、下回っておりますが、平成27年度以降に関しては、毎年度自己目標を上回る就職率が達成できているところです。
資料5-3、公共職業訓練のうち在職者訓練の実施状況です。平成27年度に関しては5万7,000人、平成28年度が6万1,000人、平成30年度が約7万人ということで、これに関しては、対前年度比の比較でいきますと、増加傾向にあることが見て取れるところです。
資料5-4、公共職業訓練のうち学卒者訓練に関しては、平成28年度からの実績ですが、これについては、おおむね大きな変更がなく、毎年度、約5,700人程度が学卒者訓練を受講している実態があります。
資料5-5、公共職業訓練のうち障害者訓練に関しては、平成28年度からの実績で、平成28年度が6,200人、平成29年度が5,600人、平成30年度が5,000人ということで、やや年を追うごとに減少している傾向があります。
資料5-7、新規求職者数と公共職業訓練受講者の状況について比率をグラフで表示しております。公共職業訓練の応募倍率については、今年度も含めて応募倍率は1倍超、それから定員充足率については約8割といった数字で、例年と大きな変動はないといった実態です。
一方で、資料5-8も同じく、新規求職者数と求職者支援訓練受講者の状況についてグラフ化したものです。求職者支援訓練の応募倍率は0.8倍未満で、定員充足率は大体6割前後で推移しているところです。
資料5-9、新規求職者数の推移です。令和元年の4月以降の数字を記載しております。このうち雇用保険受給者数、特定求職者数とも、前年同月比で減少傾向で推移している状況です。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。御質問、御意見ございますか。先ほど事務局から出た、例えば資料1についてのコメントという話が出ましたが、この資料5は、言ってみれば長期のトレンドがでています。これについても、なぜだろうと思うところが幾つかあって、私などにとってみると、こちらのほうが楽しいかなと思うのです。例えば、ちょっとよろしいですか。その前に、皆さんを優先しましょう。どうですか、御質問、御意見があれば。
○堀有喜衣主任研究員 5-4ページの学卒者訓練なのですが、訓練規模が、特に求職者支援訓練など、どんどん小さくなる中で、学卒者訓練のニーズだけは変わっていないということなのですが、これについて、これはもしかして、景気の悪いときにはもう少し定員を多くすべきだったのか、それとも、あるいは学卒者訓練を受ける人たちの層が景気の状況によって大きく変わっているかなど、何かお感じになっていることがありますでしょうか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 離職者訓練、あるいは求職者支援訓練の場合は、訓練の受講者は、離職者、求職者の数が大きく背景にあって、離職者、求職者が減っていれば訓練の受講者も減っていくという関係にあるかと考えております。他方で、学卒者訓練に関しては、必ずしも学卒者だけの受入れではないのですが、主たる訓練受講者が中卒、あるいは高卒の学卒者であるということから、景気動向というよりは、例えば18歳人口の動向、長期的には18歳人口自体も減っていますので、学卒者訓練の規模もこのままでいいのかという御議論があるかと思いますが、短期的な景気の変動で上下するという関係にはないのではないかと考えております。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがでしょうか。
○関口正雄常任理事総務委員長 いまだに、ものづくり分野の、地方が多いですが、各専門学校との競合関係というのがあって、これは、内監の所で出ているように、民営圧迫をしてはいけないということがあります。本来、高校卒の割合が90何%という状態ではなくて、高卒以外からの数を増やすべきだということであろうと思うのです。先ほどの話に出ましたが、例えば学費の減免についても、大学、専門学校等で手厚い施策で受入れを拡大しようということに対して、もともと学費は安いわけです。4分の1以下の学費のところに、更に減免することについては、専門学校としてはいかがなものかという観点もあることも併せてお伝えしておきます。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがですか。では私からよろしいですか。例えば、先ほど資料1でコメントがありましたが、それとの関連ですが、1ページ目を見てください。先ほど述べられた就職率がありましたね。これを見ると、長期的に見ると、平成28年、平成29年、平成30年は88%前後で推移していたのに、ここにきて84.8%に落ちている。これは何だと考えることは重要かなと思いますし、こういう長期トレンドを見ると、余計そういう数字の大事さが浮かび上がるかなと思いました。感想です。
それともう1つは、5-3ページ、やはり在職者訓練がすごい勢いで増えています。令和元年は5万8,000人ですが、これは11月までなので、残りを入れると7万人を超えるかなということで、これはトレンドとして増えてきたのだということになる。そうすると、これだけ大きくなってきているのに、資料2を見ていただきたいのですが、予算案のなかで在職者訓練の独自の予算は立っていないのです。多分、既存の人とか設備を使ってやっているのでしょう。ですから予算に立たないのです。これから在職者訓練をどうするかですが、このような勢いでどんどん増えていくと、ちょっと極端なことを言いますと、設備、規模は一緒で、資料2のように予算を立てていないということになると、これだけ膨らんできた在職者訓練にどれだけの資源を投入しているかがはっきり分からないことになってしまう。規模が小さいうちはいいですが、そういうことがちょっと気になると私はつぶやいたということです。この点について何かありますか。分かっているのでしたら。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 在職者訓練の規模に関しては御指摘のとおり増えているということと、背景としては、事業主からの御要望が高まっている。あとは、訓練を供給する側の事情から申し上げますと、座長からも御指摘がありましたとおり、同じ施設、同じ指導員が対応するということで、ある意味、在職者訓練が少し余裕が出ている分のキャパシティというのを使えているのかなと、いろいろな要素があるのだろうと考えております。いずれにしても、在職者訓練自体の位置付けとか、今後の規模をどうしていくのかというのは大きな課題だと考えておりますので、引き続きこの場でも御議論させていただければと思っております。
それから、順番が戻りますが、1点目の就職率の御指摘です。令和元年度は確かに数字が、平成28年、平成29年、平成30年と比べて若干、減ってはいるのですが、これは例年、11月現在の数字ということで、この時期(年度末)に比べますと、何ポイントか低いという状況です。
○今野浩一郎名誉教授 低いのですか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 はい、ということもありますので、どうなるかという点の話は置いておいて、これからまた上がっていくのだろうとは考えております。
○今野浩一郎名誉教授 分かりました。失礼しました。最後に5-7ページなのですが、実はここの協議会でいろいろ議論をして、このような数字を出すようになったと私は記憶をしているのです。これは、その時々の労働市場の状況に合わせて訓練規模をどうやって設定したらいいのだろうかということの目途がほしいということで。見ていただくと黒い実線は極めて安定的なのです。ですから、求職者に対する受講者比率は意外に、労働市場は上下するにしても、極めて安定的に推移しているので、こういうのを目途にしようということでこのような指標を作った。そういう点からすると、平成28年度までは、この黒の上に訓練規模を少しバッファーを載せて設定して、極めて安定的に動いているのです。これを見るとそうなのだと思いましたが、平成29年以降は少し上ぶれしている。これだけ見ると、少しオーバーサプライかなということになる。オーバーサプライかどうかというのは、そのほかのいろいろなことを勘案しなければいけないから、そう簡単に結論は言えませんが、私が言いたいのは、そういう意図があってこういう数字を出しているということだけをお知らせしたいかなということで話をさせていただきました。ほかに何か御質問ありますか。よろしいでしょうか。
それでは、いろいろ意見を頂きましたので、私も大分言いましたが、今日いただいた意見を踏まえて、訓練規模については、事務局で改めて考えていただきたいということにさせていただければと思います。それでは、今日、用意された議題はここまでですので、あと、その他について何かありますか。
○相本人材開発統括官付人材開発政策担当参事官 その他としまして、参考資料3をお配りしています。手短に御紹介します。これは、過去の訓練協議会で御議論がありました在職者訓練について、効果として何か分かるものがあるのかという御指摘もありました。これは在職者訓練を実施しておりますJEEDの優良事例です。事業主から御評価を頂いている事例、あるいは、実際に受講された訓練を受けた方からの声を整理して、こういう形で、中味が具体的に分かるような形で整理したものを作って必要な部署にお配りする取組をやっております。中味については、また後ほどお読みいただければと思います。こういった形で在職者訓練の活用事例をしっかりPRしていきたいと考えております。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございます。それでは終わりたいと思いますが、いや、実は言い残したのだということがあれば。もう十分発言されましたか。よろしいですか。では、今日はこれで終わりたいと思います。次回は9月頃を予定しています。また、事務局から別途、連絡をしていただきます。それでは終わります。ありがとうございました。