第19回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(議事録)

医政局地域医療計画課 救急・周産期医療等対策室

日時

令和2年2月6日(木)
14:00~16:00

場所

TKP御茶ノ水カンファレンスセンター ホール2F

議事

下記のとおり
2020-2-6 第19回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会
 
○野口救急医療対策専門官 ただいまから、第19回「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中を御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本日、猪口構成員、畝本構成員、嶋津構成員、山崎構成員から御欠席の連絡をいただいております。
団体を代表して参加いただいている構成員である猪口構成員から、代理の連絡を事前にいただき、座長の了解をいただいております。猪口構成員の代理として林秀樹代理人の出席について御承諾いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○野口救急医療対策専門官 なお、本日はオブザーバーとして、総務省消防庁救急企画室の齋藤健一様、一般社団法人日本救急救命士協会の鈴木哲司様にお越しいただいております。
それでは、お手元の資料を御確認ください。
まず、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1、参考資料1から4をお配りしております。不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○野口救急医療対策専門官 それでは、遠藤座長に以後の議事進行をお願いいたします。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。
それでは、早速議事に入りたいと思います。議題1「救急救命士の資質向上・活用に向けた環境整備について」、事務局から資料1について説明をお願いします。
○新井病院前医療対策専門官 それでは、事務局から、資料1に関して御説明をさしあげます。
まず、「救急外来における全体像」をご説明致します。2ページ目をお開きください。前回、前々回と、負担の大きい救急外来の現状をお示ししてきましたが、今回は救急外来において、どのような業務がされているか等を、より具体的に見ていくことから始めたいと思います。また、先に申し上げておきますと、特に注釈がない限り、本資料における救急救命士は、医療機関に所属する救急救命士のことを指します。
まず、救急外来における全体像のイメージです。縦軸に、病院前から入院までの時系列、横軸に、場所、業務、業務を行う者、傷病者をお示しさせていただいております。こちら、模式的に示しておりますので、全てが網羅されているわけではございません。特に、業務を行う者、紫の欄に救急救命士とあると思いますが、現在は病院前でのみ救急救命士がその資格を生かして業務を行っているということがお分かりになると思います。
次のページから、3例、具体的に救急診療の事例を整理させていただいております。各事例において救急外来で発生する業務を列挙しておりまして、特に赤い枠で囲ったところが救急救命処置の範囲に含まれる項目になっております。当然、現在、医療機関内で救急救命処置はできませんが、仮に救急外来で救急救命処置ができるようになると、この項目ができるのではないかという意味でお示ししています。
また、強調はしておりませんけれども、検体搬送、患者移送など、現在でも可能な業務を含めると、多岐にわたって資質活用の場面があることが想定されます。
同じように、3ページ目、4ページ目、5ページ目とそれぞれ事例を挙げさせていただいておりますので、参考にしてください。
救急外来には複数のベッドが並んでおりますので、複数の傷病者をこういう形で受け入れていきますと、受け入れた分だけ業務量が増えていきますので、多岐にわたる傷病者の病態に対応しながら診療が進んでいくというところで、負担が大きいということが分かると思います。
それでは、6ページ目に進みます。「これまでの議論の整理及びさらに御議論を深めていただきたい事項」と題させていただきました。7ページ目をお開きください。救急救命士の資質活用に関する論点で、こちらは令和元年11月6日の第17回の検討会でお出しした5つの論点でございます。こちらの論点に従いまして、前回、前々回と議論いただきました。次のページ、おめくりいただきまして、このうちの論点マル1について、負担の大きい救急医療の現場において、救急医療体制の今後の在り方はどのように考えるかというところをまとめさせていただいております。
上の段にございますように、救急医療に従事する医師、看護師等の医療職種にかかる負担というものは、救急搬送件数の増加や疾病の変化等に伴って、年々増加してきております。
救急医療現場では、医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師など、多くの医療職種が関与しておりますけれども、救急医療に従事するスタッフの確保が課題の一つであるというところは、こちらの検討会でも課題抽出させていただいているところでございます。
今までいただいた御意見を整理させていただきますと、救急救命士は救急救命に対する知識や技術を専門として習得しており、その資質を病院前のみではなく、医療機関内においても活用することについて期待感が示されているところです。
ただし、医師のタスク・シフト/シェアリングの観点から、救急救命士の資質活用の議論のみではなく、救急外来に従事する看護師の負担軽減、配置等についても併せて考える必要があるのではないかという御意見もいただいております。
このような御意見を踏まえまして、今後の方針として、増大し続ける救急医療現場の負担軽減のために、2つ、事務局として提案させていただいているところでございます。
①として、救急医療に従事する看護師の効率的・効果的な運用について議論を行う。そのために、救急外来における看護師の勤務状況等を把握するための研究を行う。こちらは、前回の資料にも出させていただきました。
2点目として、救急救命士が医療機関内においてもその資質を活用できるように、救急救命士法の改正も含め、具体的な議論を進めるとさせていただいております。
それでは、9ページ目をお開きください。次に、先ほどお示しさせていただいた論点⑤、救急救命士法の趣旨についてどのように考えるかというところについて事務局として改めて整理させていただきました。
今までいただいた御意見でございますけれども、救急救命士は医療機関に搬送されるまでの間に応急的に重度傷病者に対して救急救命処置を行うために誕生した職種です。資格の定義を変えてまでも病院で働けるようにするというのはおかしいのではないかという意見がございました。
また、救急救命士法の立法趣旨を確認したところ、「搬送途上において、医師の指示のもとに必要性の高い救急救命処置を行うことができる新たな資格制度を設けることが必要であり、新たに救急救命士の資格を創設し、搬送途上の医療の充実を図る」。こちらは、平成3年当時の立法趣旨でございますけれども、今回論点に挙がっている医療機関内での活動は、この趣旨とは全く異なるものになるのではないかという御意見をいただきました。
特に、中段でございますけれども、救急救命士法の趣旨について、救急救命士法の制定当時の時代背景としては、以下の3ポツのようなものがございました。1ポツ目、全国的に見れば、救急医療提供体制の整備は、量的にはほぼ充足してきている状況であったこと。2ポツ目、その一方で、救急搬送の数は年々増加してきており、心肺停止状態で搬送される患者も増加していたこと。3ポツ目、しかし、搬送途上の医療に医師、看護師等が関与することは少なく、搬送途上の医療提供が十分ではなかったこと。
この3点を鑑みまして、議論を重ねた末、新たな国家資格として救急救命士が創設されたということになっております。
下の青い枠でございますけれども、ここで今般の議論と救急救命士法の趣旨との関係性をまとめさせていただいております。
1ポツ目にありますように、救急医療現場の負担は、救急搬送件数の増加、疾病の変化等に伴って年々増加しており、救急救命士法制定当時の「救急医療提供体制側の整備が量的に充足」とは言い切れない状況にあると考えます。
救急救命士は、医師や看護師のみでは医療提供が充足し切れない分野における活用を意図して創設されたものです。救急医療現場の現状を踏まえれば、救急救命士の活躍の場を、医療提供が充足し切れないところに拡充することは、救急救命士法の趣旨を転換するものとは言えないのではないかと考えられます。救急救命士法の創設以来、30年かけて作り上げられてきた病院前の医療のシステムでございますけれども、こちらに関しては崩れることはございませんので、当時の趣旨もそのまま踏襲されるということになると考えております。
10ページ目でございます。今、論点①と論点⑤をまとめましたけれども、これまでの議論を踏まえまして、②、③、④に関しまして、改めて御議論を深めていただきたい事項として、以下にまとめさせていただいております。
②医療機関内における救急救命士の資質を活用する場について、こちらには小項目1、2、3とさせていただきまして、場を語るには、対象となっている傷病者、救急救命士の範囲についても制限がございますので、こちらを三位一体で考える必要があるというところで出させていただいております。
③医師の指示について、どう考えるか。医師の指示等を含めて、医療機関側の体制についても、こちらで検討させていただきたいと考えております。
④救急救命士に対して追加で行われる研修の内容についてですけれども、こちらについても、前回から引き続き御議論いただきたいと考えているところです。
それでは、それぞれの各論に参りますけれども、11ページ目、「②-1 救急救命士の資質を活用する場について」の考え方でございます。
12ページ目、救急救命士の資質を活用できると想定される場所でございますけれども、こちらは第17回検討会のときに事務局として出させていただいたものでございますけれども、現在は、青い点線の枠の中、病院前で救急救命処置が行われるものでございますけれども、赤の点線の中、入院に至るまで、いわゆる救急外来というところで救急救命処置ができるようにしてはどうかという形で提案させていただいたところでございます。
医療機関内において救急救命処置が可能な場について、前回、前々回で御議論いただいて、いただいた御意見を3つに大別させていただきました。1つ目は、いわゆる救急外来まで、2つ目が医療機関全体としてはどうかというもの。あとは、その他というところで、そもそも反対であるという3つに御意見をまとめさせていただきました。
14ページ目になります。医療機関内において救急救命処置が可能な場については、本検討会以外で関係団体様から頂いている、最近の主な提言等をまとめさせていただきました。
まず、日本救急医学会を中心に協議会という形で、「救急救命士が医療機関で業務する必要性と課題解決のための提言」というものを令和元年11月に出していただいております。こちらは、今回、参考資料4に添付させていただいておりますので、ご参照ください。特に赤い下線を引いたところ、2)の救急外来、救急初療室、病院救急車(ドクターカー、ドクターヘリ等を含む)を原則として業務の場を拡大してはどうかという形で提言されています。
中段でございますけれども、こちらは日本看護協会から令和元年12月に出されているものです。救急救命士が院内で救急救命処置を実施することを認める提案には、患者安全・国民の命を守る観点から反対ですという御意見をいただいております。
また、下の段でございますけれども、四病院団体協議会から、先月、要望書を頂いているところでございます。こちらでも、医師の指示に基づく、医療機関内での救急外来、病棟急変時、等における救急救命処置及び診療補助として要望をいただいているところでございます。
次に、事務局として「いわゆる救急外来」とはどういうものなのかをまとめさせていただきました。
事実関係ですが、医療機関の救急外来につきましては、物理的な形態としても、運用上の概念としても、医療機関によって様々でございます。
例えば、物理的な形態という観点から言えば、個室等診察室がある場合/ない場合。処置室と初療室が一体となっている場合/別になっている場合。CTなどの画像診断機器が併設されている場合/そうでない場合など、物理的にいろいろな形態があるということは、皆様も御了解いただいていると思います。
あと、運用上の概念として、いわゆるER体制を敷いている場合/そうでない場合。あと、専従する救急科の医師がいる場合/各科の医師が救急外来に呼ばれたら降りてきて、On Call体制を敷いている場合など、一概に言えないというところで、救急外来と一言に申しましても、医師ごとに思い浮かべるイメージが違ってくるのではないかと思われます。
そこで、下の青い枠にございますけれども、以上を踏まえますと、「いわゆる救急外来」というものを物理的な場として一概に定義することは困難です。
なので、2ポツ目にございますとおり、一般的には、救急外来は、救急診療を要する傷病者が、一連の診療によって入院または帰宅となるまでに必要な診察、検査、処置等を受ける場として認識されていると考えられます。そういうところで、救急医療のプロセスの一部として捉えるべきではないかと、事務局から提案させていただきました。
それでは、救急救命処置をするのは救急外来だけなのかといいますと、いわゆる救急外来以外のところにおいて、「院内急変」という形で突発的に胸骨圧迫等のニーズが発生することもあると思いますけれども、そこの考え方をまとめさせていただきました。
1ポツ目にございますとおり、入院病棟の場合、配置基準に従って看護師が配置されておりますので、看護師が対応することが想定されるところでございますけれども、もし院内急変が発生したときに、周囲にほかの医療職種がおらず、心肺蘇生を行うことが明らかに患者の利益となることが考えられる場合、臨時応急の手当てとして救急救命処置に含まれる処置、例えば胸骨圧迫等を医師や看護師等以外の者が行った場合は、一般的に緊急避難の法理が適用されます。こちらは、救急救命士に限らず、一般の方も町中でやっても問題ないものです。
すなわち、院内急変の議論というものは、資格法の議論というよりは、それと分けて整理されるべきではないかと考えているところでございます。
次に、17ページ、②-2の傷病者の考え方について、まとめさせていただいているところでございます。
18ページ目をお開きください。「いわゆる救急外来」にいる重度傷病者とは、どういう患者かということを出させていただきましたけれども、一番上にございますとおり、「いわゆる救急外来」というものには、救急用自動車等によって搬送された傷病者に主眼を置いて今まで議論していただいておりましたけれども、当然walk inで来院される傷病者もいるところでございますので、この辺を含めて考えてはどうかというところで出させていただきました。
下にございますとおり、搬送経路に関わらず、来院時には病態が不明確でありまして、ここに例1、例2と、緊張性気胸のパターンとアナフィラキシーショックのパターンを出させていただいておりますけれども、当初は、重度傷病者には見えなかったのですけれども、時系列を追って重度傷病者としてみなせるようになってきたということが、ままあると思われますので、予期せず急激に病状が悪化することも考えられる。救急外来という場には、そういう場合も考えられるということでまとめさせていただきました。
下の青い四角に参りますけれども、救急搬送以外でも重度傷病者が存在して、救急救命処置を必要とする場合がございます。
また、救急搬送と救急搬送以外を分けて扱うことは、以下の懸念が生じるということで、見直すに当たっての制度の整理として一貫性が保てるか。あと、現場において運用に混乱を生じさせるのではないかという懸念があります。
以上を踏まえると、救急医療のプロセスの一部において救急救命士が対応する傷病者が重度傷病者である場合には、救急救命処置を行うことを可能とするべきではないかと提案させていただくところでございます。もちろん、ここでは救急救命処置以外の医行為に該当しないものは、当然可能でございます。
それでは、次のページに参ります。②-3、救急救命処置の範囲についての考え方です。
20ページをお開きください。こちらは、現在の救急救命処置の範囲になっておりまして、現行、範囲内の救急救命処置に関しましては、国家資格として、その安全性は担保されているところでございます。
法制定当初から、救急救命処置の業務拡大の推移についてまとめさせていただいております。平成15年から26年にかけて、徐々に救急救命処置の範囲が見直されてきたところでございます。こちらでは、しかるべき検証のプロセスとか検討会を経て慎重に見直してきました。
次のページをお開きください。また、参考でございますけれども、今般、救急救命処置検討委員会というものを厚生労働省として設置しているところでございます。こちらは、平成27年から設置しているものでございますけれども、右の図の真ん中のところ、このような委員会で検討していただきまして、厚生労働省に答申として頂きまして、最終的な判断は厚生労働省で行って、省令改正等で示すこととなっておりますので、こちらも参考にしていただければと思います。
次のページ、お開きください。業務の拡大がなされてきたところでございますけれども、その質を担保するために、今まで、ただ追加するだけではなくて、メディカルコントロール体制の充実強化をお願いしてきたり、カリキュラムの見直しを都度行うことで、処置の質の担保に努めてきたところでございます。
次のページをお開きください。救急救命処置として規定している薬剤についての事実関係の確認です。現在、厚生労働省告示によって、乳酸リンゲル液、エピネフリン、ブドウ糖溶液の3剤に、救命士が使用できる薬剤は限られているところでございます。
ただし、傷病者への経静脈的な投与を想定した教育はされておりませんが、救急救命士の国家試験の出題基準となっている薬剤もあります。
ここは事実関係ですけれども、25ページ目に救急救命処置の範囲についての考え方を整理させていただいております。上の段でございますけれども、救急救命士法の制定以降も、救急現場における要望や提案を踏まえて、適切に整理を行ってきたところでございます。その措置もしっかりやってきておりまして、安全性を担保してきたところでございますけれども、そのような経過を踏まえまして、下の青枠の中、現行の救急救命処置の範囲であれば、傷病者に対して安全に医療を提供できるという前提の下、医療機関内で行う救急救命処置の範囲につきましては、現行の範囲から変更しないこととしてはどうかと事務局として提案させていただくところでございます。
ここまで、②-1から②-3を見てきましたけれども、次のページ、これまでの事務局案を総合して、場としてどういうふうに考えるかをまとめさせていただいております。
27ページ目をお開きください。現状は、以下のように整理することができるのではないかという形でまとめさせていただきました。
今までのまとめでございますけれども、救命処置は重度傷病者の症状の著しい悪化を防止し、またはその生命の危機を回避するために緊急に必要なものである。
傷病者の搬送経路にかかわらず、「いわゆる救急外来」には重度傷病者が存在します。
現行範囲内の救急救命処置に関しましては、国家資格として安全性は担保されているところでございます。
「いわゆる救急外来」には、傷病者が来院してから一連の診療を受けて入院または帰宅に至るまでの救急診療のプロセスの一部として捉えるべきではないかとさせていただきました。
また、入院病棟におきましては、基準に基づいて一定の看護師が配置されておりまして、こちらは回復の過程を考慮して全人的なケアを行っているところでございます。
一般病棟の患者さんは、比較的病状が安定しておりまして、救命士法第2条で定めます救命処置を行う頻度は少ない、もしくは恒常的には求められていないのではないかと考えます。
他方で、集中治療室等、重度傷病者が入院している病棟も存在しますけれども、そのような患者には救急救命処置を超えた高度な医療が施されておりまして、救急救命士の持つ資質をここは超えているのではないかと考えます。
また、院内急変時に関しましては、臨時応急の手当てとして救命処置に含まれる処置を医師や看護師等以外の者が行った場合には、一般的には緊急避難の法理が適用されるところでございます。
以上を踏まえまして、以下の3つ、対応案として出させていただきました。救命処置の対象者は、従来どおり重度傷病者とする。処置の範囲に関しましては、現行の「救急救命処置の範囲について」で示している33行為に限定する。資質を活用する場合は、以上を前提とした上で、「いわゆる救急外来」までとする。この3点を今回、事務局として提示させていただきたいところでございます。
28ページ目をお開きください。こちらは、医療機関に所属する救急救命士が行う主な業務のイメージでございます。医療機関に入るまでは点線で示しておりますけれども、消防機関に所属する救急救命士が救急救命処置をするものでございます。※書きにございますとおり、消防機関の救急救命士はここで引き継ぎまして、今回、病院の中に救急救命士が存在すれば、このまま救急救命処置を引き継ぐことが可能です。更に、医療機関に所属する救急救命士は入院の引継ぎにつなげていくという形になっております。
救命処置はこのようになってございますけれども、下の矢印にございますとおり、医行為以外の事務作業等は、現行法の中でも問題なくできますので、その辺は誤解なきようお願いいたします。
また、次の29ページ目には、病院救急車の考え方を参考で整理させていただいておりますので、こちらは今回の本筋ではございませんので、割愛させていただきます。
それでは、30ページ目をお開きください。論点③でございますけれども、「医療機関で救急救命士を活用する場合の医師の指示及び医療機関側の体制について」ということでございます。
31ページ目にございますとおり、メディカルコントロール体制というものが敷かれているところでございます。32ページ目をお開きください。医師の指示についての考え方をまとめさせていただいております。
事実関係として、救急救命士は、医師の指示の下に救命処置を行う。こちらは、第2条で定められているところでございまして、基本的に医師が不在である病院前におきましては、救命士に対する指示体制及び救急隊員に対する指導・助言体制をMC体制により確立しまして、医師の包括的な指示及び具体的な指示によって、救命処置を実施しているところでございます。
ということを踏まえまして、下の青い枠でございますけれども、救命士が医療機関内で救命処置を行うに当たっては、医師の指示の下に行う必要がある。これは今まで通り変わりありません。
また、「いわゆる救急外来」におきましては、診療のプロセスの中で常に医師が存在しますので、ほかの医療職種に対して行う指示と同様に、救命士に対しても具体的に指示を出すことになると思います。
次のページには、消防機関と消防機関以外に属する救急救命士の質の確保についての考え方を整理しています。これは平成30年12月に出させていただいている資料でございます。
次のページに医療機関の体制についての考え方を整理させていただきました。これまでいただいた御意見としては、救命士の業務の質を担保するような仕組みが必要ではないか。MC体制に相当する仕組みが必要ではないかという御意見をいただいておりますので、それに伴って、下のような対応案を提示させていただきました。
まず、1ポツ目にございますとおり、医療機関内で業務を行う救命士に対する医師の指示につきましては、当該医療機関の医師が当然行うものと位置づけてはどうかとさせていただいております。
また、2ポツ目、医療機関に所属する救命士を活用する場合は、救命処置等の質を担保するために、各医療機関で以下に示すようなことを整備してはどうかとさせていただきました。あらかじめ、救命士に対する指示に関する規定を整備すること。例えば、指示する医師を決めておくとか、そういうところでございます。あとは、救命士が行う行為や範囲に関する規定を整備すること。救命処置の33行為の中でも、これはやってもいい、これはやっていけないというのは、医療機関ごとに整備してはどうかというところでございます。救命士に対する研修体制を整備すること。また、事後検証を行う体制を整備すること。
この4点を挙げさせていただいた上で、上記を整備するための院内委員会のようなものを設置してはどうかとさせていただいております。ただし、既存の院内委員会、医療安全検討委員会ですとか、そういうものをこの委員会に位置づけることも可能ではないかとさせていただいております。
それでは、次のページにお進みください。論点④、追加で行われる研修の内容についてでございます。
36ページ目は、今までいただいた御意見をまとめておりまして、37ページ目にお進みください。まず、環境の違いに注目して、救急用自動車の中、医療機関内の違いを列挙させていただいたところでございます。こういうものがありまして、行為自体に着目すると、救命処置の範囲を変更しないのであれば、救急用自動車と医療機関内の双方で、当該処置の質は担保されていると、今まで説明させていただいておりますけれども、環境の違いに着目した追加の研修が必要ではないかとさせていただきました。
最後のページにお進みください。研修の内容の対応案、事務局としての提案でございますけれども、救命処置に関しましては、33行為は国家試験で担保されておりますので、カリキュラムの変更は不要ではないかとさせていただいた上で、下にございますとおり、医療機関内で働く上で留意すべき事項について、養成課程におきましては、感染対策、医薬品、安全管理等、教育は行っているのですけれども、救急外来で使用される医療資機材に対する知識、医療機関内で発生し得る医療過誤に関する知識等については、追加的に習得する必要があるという認識でございます。
その上で、4ポツ目にございますように、医療機関内で救命士が働く場合、救命処置以外で安全性を担保するために、追加で必要な知識につきましては、必ず追加的に研修を受けるべき事項として、通知等で明確化してはどうかというところで、①から③までとさせていただきました。医療安全、感染対策はそうですけれども、今回の検討会で議論された事項というところで、ここでは構成員の先生方の御意見を伺いたいと考えているところでございます。
事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から、それぞれの論点ごとの理由と、それに基づく事務局案が出されました。それにつきまして皆様から御意見、御質問等いただければと思います。論点が多岐にわたりますので、絞りながら御議論いただいたほうがよろしいかと思いますので、まず最初は、8ページと9ページに書かれております論点マル1及び論点マル5の内容につきまして御質問、御意見等いただければと思います。8ページ、9ページの論点マル1と論点マル5、事務局提案でございます。もちろん、それ以前に議論されている、提示されました様々な資料等についての御質問、御意見でも結構でございます。いかがでございましょう。
島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 背景について、私も経緯を調べましたが、こういう背景だったと思います。
ただ、9ページの一番下の、特に「救急救命士法の趣旨を転換するものとはいえない」という言葉使いはやや気になります。というのは、おっしゃるように、この救急救命士法ができた当時の状況と今日の状況は違う。特に、救急の現場が非常に疲弊しているという背景なり、あえて言えば、立法事実が違うというのはそのとおりだと思います。ただし、だからといって、「救急救命士法の趣旨を転換するものとはいえない」という言い方になるのは、救急救命士法の改正の内容と関わってくるので、言葉使いは慎重に考えたほうがいいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。この言葉を使うことがもしあるとすれば、そこは慎重に考えてほしいということですね。
事務局、何かコメントありますか。
○奥野課長補佐 事務局でございます。
まさに御指摘いただいたとおり、この議論いただいた内容を踏まえて、実際に何を改正するのかという条文によって、ここが最終的に決まってくるということでございますので、その言いぶりについては、そういう検討も終えてから慎重に表記したいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかにいかがでございましょう。井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 同じく9ページ目のところですが、先ほど島崎構成員もお話しされたように、2つ目の囲みの「救急救命士法の趣旨について」の1つ目には背景が書かれていると思います。そのため、趣旨についてもう少し丁寧な議論を進めるため、資格法を制定された当時、場と対象を限定して、なおかつ行為も限定した理由は何だったのか、御説明をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 事務局、よろしくお願いします。
○奥野課長補佐 特に今回、場の話をしておりますので、場の限定が課せられているということについてのお尋ねと認識しております。行為等については、当時、どういったところにニーズがあるかというところからの議論で、随時追加もされているので、そういった経緯のものかと思います。
場についての規定でございますが、私ども、様々な資料を当たっておりまして、そこで調べたところによりますと、例えば医者の指示をしっかり受けるための通信機器とか、救急救命処置を行うために必要な医療機材等がしっかりと準備されているというところで、救急救命行為を行うべきとの考えから場が限定されている。すなわち、救急車の中でなく、どこでも医療機関の外でやっていいというわけにはいきませんので、そういったところが担保される救急車内というところに限定させていただいた。このような趣旨で場所の限定がなされていると私どもとしては理解しております。
○遠藤座長 井本構成員、いかがでしょう。
○井本構成員 今の説明は理解しましたが、これまでの議論からも、ほかに業の場を限定する職種はないと認識しております。その中でそういう職種として創設されたからには、それなりの理由があっただろうと推測します。それに関しては、先ほどの内容も含め、安全性の担保に関することではないかなと考えておりますので、もう少し詳しく議論を進めていきたいと思います。現在の救急救命士は、その限定的な状況の中で業を行うとして教育がされていると承知しております。限定の理由が明らかにならなければ、その限定を外して救急外来まで拡大するということが、医療の安全を損ねないかという懸念は払拭できないと考えております。前回もお話ししましたが、国民の安全を脅かす可能性がある提案には、本会は賛成できないと考えています。
以上です。
○遠藤座長 御意見として承りました。
ほかにいかがでございましょう。どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
先ほどの内容を聞きますと、救急車両の中というのは医師からの指示が直接、いろいろな形できっちりと伝わるような条件であることからオーケーだということだと思います。確かに救急車から外へ出て、指示も受けられないところでは駄目だという場の認識でよろしいわけですね。
ありがとうございました。
○遠藤座長 ほかにいかがでしょう。井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 もう一点、8ページにお戻りいただきたいのですが、今後の方針として2点挙げていただいております。
1点目が、私どもも主張しておりました、看護配置に関する内容を示していただいているのかと思うのですが、現在ですと、それに言及している文章になっておりません。ここを、「救急外来における看護師の勤務状況等を把握するための研究を行い、今後、看護師の配置に関する基準や評価を検討する」と直していただきたいと考えております。
また、2点目に「救急救命士が医療機関内においてもその資質を活用できるように具体的な議論を進める」とありますが、現在、看護師の配置に関する基準や評価がない状況を前提としての議論になっておりますので、私どもとしては、この議論の前に看護師の配置の促進に関する議論をしていただきたいと考えております。
○遠藤座長 御意見として承りました。
ほかにいかがでございましょう。坂本構成員、どうぞ。
○坂本構成員 この場のことに関しましては、参考資料3にございますように、もともとは救急救命士法第2条第1項で、病院又は診療所に搬送されるまでの間というのが原則としてあって、第44条の2項で、救急用自動車等と言いながら、それに乗せるまでの間は、この限りではないという注釈が加えられております。
この当時からの今の救急医療を考えると、我々の認識としては、入院治療に関しては、ある程度安定した状態というか、患者に対して医師と看護師がついて、しっかりやれるわけですけれども、入院に至るまでの救急外来の部分というのは、圧倒的に手が足りないことがしばしばある。そして、そこに多くの処置が必要で、非常に未確定な部分もある。そういうふうに考えたときに、第2条第1項の、病院又は診療所に搬送されるまでの間というところに、実際には患者の転帰をよくするためには、入院にたどり着くまでの間で救急外来という部分が、この44条2項のただし書のようにあってもよいのではないかという解釈も成り立つかと思いました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
これは、事務局からコメントがあればどうぞ。
○奥野課長補佐 事務局でございます。
法文の立てつけに関する御提案かと思います。第2条の読み方については、私ども、法制的な観点から整理させていただいて、改正が必要であれば改正する。検討を事務的に進めさせていただきたいと思います。今のは、御助言として承ります。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかによろしいですか。田中構成員、お願いします。
○田中構成員 救急救命士の活躍の場ということですけれども、これは大分以前に作られた法で、その後、大きな災害等発生していますので、もし改正するということがあれば、災害医療の現場における活躍の場とか範囲ということに関しても、何か追加していただけたらと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それも先ほどと同じような御意見として承りましたので、必要があれば御検討いただくことにしていただきたいと思います。
島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 まず、今、坂本構成員がおっしゃった条文の書き方というのは、すぐれてどこまでやるかどうかということとの関係があるので、今、議論すべきであればここで議論したいと思いますし、議論の流れとして、今のところは救急救命士法の趣旨が何だったかということの共通認識を持ちたいということであれば、私の意見はとどめておきたいと思いますが、それでよろしいですか。
○遠藤座長 結構です。
○島崎構成員 では、とどめておきます。
その上で申し上げると、先ほど事務局のほうがおっしゃった、医師の指示云々ということよりも、素直に考えれば、当時の事実として、救急搬送中の救命率を何としても上げなければいけないという必然性があって、その部分について救急救命士という一種特別な資格を創設したと考えればいいのではないかと思いますが、それでよろしいですね。
○奥野課長補佐 御指摘のとおりの認識でございます。
○遠藤座長 よろしいですか。
○島崎構成員 結構です。
○遠藤座長 それでは、御意見が大体出尽くしたと思いますが、もしあれば、また戻っていただければと思います。
それでは、幾つか論点がありますので、次の論点に進みたいと思います。論点マル2、これは27ページに事務局の原案が示されております。これにつきまして何かございますか。
島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 27ページで、救急救命士の活動の場は拡大するけれども、やる行為と対象者は変えないということですね。要すれば、そういうことですね。先ほど坂本構成員がおっしゃった参考資料3を見ると、確かに場に関して言うと、救急救命士法は2つのところで規定しているわけです。つまり、2条1項の定義規定に関わるところと、44条2項の活動の場というか、行為も限定していますけれども、2つのところに書いてあるわけです。
44条2項については、罰則規定まで書いてありますから、ここについては厳密に書かなければいけない。そうしないと、何が罰則の適用になるかどうか分からなくなってしまうので、ここは厳格に書かなければいけない。ただし、その書き方として、いわゆる救急外来という形で書けるかどうか。先ほどの御説明だと、私の聞き違えでなければ、そのプロセスとして書いていくよりしようがないのではないかという話ですね。
聞きたいことは、先ほど坂本構成員がおっしゃったように、今の法律の立てつけがどうなっているかというと、2条との関係で、あくまでも救急車の中という限定をかけた上で、「ただし」ということで、その例外として、乗せるまでは認める。先ほど坂本構成員がおっしゃったのは、そういうことが許されるのであれば、その後についてもただし書をつけて、そこまで書けるのではないかという御趣旨ですね。大ざっぱに言えば。
○坂本構成員 そうです。
○島崎構成員 そういうことですね。私が聞きたいのは、原則とただし書の関係をそういうふうに整理するのか。違う言い方をすると、2条は先ほどの事務局の説明だと、直すこともあるし、直さないこともあり得るというニュアンスに聞こえたのですけれども、そういう理解で正しいですか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○奥野課長補佐 事務局でございます。
具体的な改正の条文については、今日の御議論も踏まえて具体化していくつもりでございますが、イメージとしては、御指摘のとおり、ただし書で、後についてもというのが自然かと思っております。その場合に、第2条1項にどのように反映するのかということにつきましては、今の条文でどこまで読めるか。すなわち、搬送されるまでの間にということが、概念的にきちんと入院医療につなぐまでの間と読めれば改正は不要かと思いますし、そうは読めないということであれば、テクニカルな修正が必要だと思いますので、そこは私どもも条文上の問題として検討させていただきたい。今、そこの答えははっきりと申し上げられないということを御理解いただければと思います。
○遠藤座長 それで結構だと思います。そこから先の議論は、それなりのデュープロセスの話であって、我々はどうするべきかを決めればいいだけの話だと思います。
○島崎構成員 そんなことはないです。
○遠藤座長 いや、それは事務局の仕事だと思います。
○島崎構成員 私は、具体的な条文の書き方の話をしているわけじゃなくて、原則と例外との関係をどう整理するのかということを聞いているので、その限りにおいて、そこは議論が詰まっているかどうかということを聞いているだけの話です。そこは、別に私が条文をこの場で示さなければいけないとか、条文の細かいテクニックの話をしてくださいということをここに出せと言っているわけじゃなくて。つまり、違う言い方をすれば。
○遠藤座長 それでは、島崎構成員はどういうことがよろしいと思いますか。
○島崎構成員 私は、結論を申し上げれば、救急外来までは広げていいと思います。広げるべきだと思います。まず、そこは基本的なスタンスです。もっとストレートに言えば、そのときに救急外来まで仮に広げたときに、質問は、対象者なり対象のできる行為を今と同じようにしておくという説明は、どういう説明をされるのですか。素直に考えれば、さっきの流れ図で言えば、救急外来のところにおいて、重度傷病者以外の人もいるし、それから様々な行為が必要なわけですね。先ほどのフローの中にあった、赤で括った以外のいろいろな行為があるじゃないですか。
その行為については、基本的にはやらないという前提ですね。では、そこはなぜやらないという説明なのか。それが、あえて言えば、拡大することについて反対があるという話ではなくて、安全性との関係でどういう説明をされるのかということを聞きたいのです。つまり、一番素直に考えれば、救急外来の場まで広げるのだとすれば、それに伴ういろいろな行為についての安全性も確保するというのが一つの考え方としてあると思います。
もちろん、それに伴って、新たな資格を作るのと同じような結果になってしまうので、それとの関係で、今、それは難しいという話はあるかもしれませんけれども、場を拡大した上で、救急救命士のこれまでの性格は、本質は変えないという説明はどういう説明なのかということが理解できないということです。
○遠藤座長 事務局、何かありますか。
○奥野課長補佐 先ほどの坂本構成員からの提案とリンクしてくる話だと思います。すなわち、基本的には第2条1項にあるとおり、搬送ということが中心になっていて、そこの前についてただし書で広がっているところを、後についても広げましょう。ただ、中心は搬送。すなわち、あくまでも救急救命士法の趣旨は基本的に変えるつもりはなくて、搬送中のことをやることが中心ですと。ただ、その前後においても継続的にやるという事態も生じ得ますから、そこについては認めましょうということかと思っています。という考え方から出発いたしますと、行為を広げるという、そもそもそういう議論になるような前提で、今のところ私どもは考えておりません。ということがまず1つ。
あとは、実態的な要請といたしまして、今後、タスク・シフティングに関する検討会との接続も考えますと、本来、救急救命士の活用というところから出発しましたが、タスク・シフティングという側面も持っている。そのタスク・シフティングは、医師の働き方改革が2024年であることも考えれば、早急に結論を出していかなければいけない課題だと認識している。そういう実態面の要請、この2つから、私どもとしては、行為については今のままで行かせていただくという提案をさせていただいているということでございます。
○島崎構成員 分かりました。
であれば、先ほど私が申し上げたただし書の真ん中に救急搬送を入れて、ただし書でサンドイッチにするのが一番素直だと思います。したがって、2条は変えないのだから、できる行為も当然限定されるという説明でするよりしようがなくて、2条の定義を変えたら、それは行為とか対象者も変えなければいけないのではないかという議論は惹起すると思います。
だからといって、2条は一切可能性がないかどうかは、それは事務局のほうでお詰めになるべき話ですけれども、私は何を申し上げているかというと、この検討会で議論して、タスク・シフトの検討会とか医療部会まで報告されるのかもしれませんけれども、最終的には法律改正に絶対なるわけで、そういうときに、こういう議論について、どこまで丁寧に詰めたのかということに関して言うと、私は検討会としての責任はあると思いますので、そういう発言をしております。
○遠藤座長 大友構成員。
○大友構成員 今の議論に関連するのですが、walk inの患者さんも重症化するので、これもぜひ診るべきだというのは、僕は大賛成ですが、そうすると、今の議論の中で、救急搬送しない傷病者ですから、それをどう読み込めるか、法文でwalk inの患者さんも扱えると読めるようにぜひお願いしたいと思います。
○遠藤座長 どうぞ。
○田中構成員 院内急変という形で対応するしかないのかなと思うのですけれども、当院でも、最近、救急車の使用をいろいろなところで制限するようなキャンペーンもあって、非常に症状の悪い方がタクシーで来られて、外来に着いたときは心肺停止という状況があって、それはもし救急救命士がいれば対応するべき、あるいは一般の方でも対応しなければいけないということがあるわけで、今はそういう院内急変に準じた扱いになるのかなと感じます。
○遠藤座長 井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 これまでの議論に関連することですが、私もこの資料の18ページの上の枠の2つ目の項目で、walk inで来院した傷病者が救急救命処置の対象者になっていることに関して、意見を申し上げたいと思います。救急救命士法第2条の内容や趣旨は基本的には大きく変えないという事務局からのお話があり、搬送というキーワードも示されました。その観点から考えると、これは資格の定義とは矛盾することになると認識しています。
先ほど大友構成員は私とは全く別の御意見でしたけれども、walk inの患者さんに対応できるようにするためには、資格の定義を変える、新しい資格になる必要があります。11月6日の本検討会でも申し上げましたが、新しい資格になるのであれば、その資格の必要性や専門性、教育も含めた、大変大きな議論になっていくわけで、そこについては納得が行きません。
○遠藤座長 ありがとうございました。
加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
walk inの話ですが、実際の話として、我々の病院でも救急車で来られる方を中心として救急室が動いているのですが、先ほどの事例にもありましたように、walk inで重症患者さんが来られることも多々あるわけなので、その人は診ないよ、それは処置しないよという話はちょっとどうかなという感じがします。ですから、今回、書かれているような、何らかの形でwalk inも診られるようにぜひともしていただきたいなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。森村構成員、どうぞ。
○森村構成員 総論に関しては全く異存はなくて、今のお話のままですけれども、私は法律は強くないので、国民も含めてですけれども、医療従事者がこう読めるというのではなくて、読んで分かるというものをぜひ御検討いただきたいなと思います。
今の話の中で、前回の会議のときも申し上げましたけれども、こちらにも書かれていますけれども、救急救命士の方の資格の下での資質、持っている技能と知識をどう活かすかというところが、実は今の議論の解決の糸口ではないかなと思いました。
救急車に関しては、今の法律の下でという話はあると思いますが、walk inに関してはもう少し工夫が要るのかなと思います。
総論的で申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。これはお願いでございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょう。井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 この関連でなくてよろしいですか。
○遠藤座長 できれば論点マル2に関連したほうが。特段なければ。
○井本構成員 では、進行を待ちます。
○遠藤座長 加納構成員。
○加納構成員 14ページの四病協からの要望だけさせていただきたいと思うのですが、「救急外来、病棟急変時、等」となっているのは、あくまでも救急外来といえども、いろいろな考え方が先ほどもありましたし、我々病院においても、今、救急外来の在り方というのを非常に考えておりまして、実例として、救急車からの搬送が病棟まで上がって、そこで降ろして処置するという病院も今、出てきています。いろいろなことがありますので、この「等」ということを入れさせていただいております。説明だけさせていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、少し先に進ませていただいて、また何かあれば戻っていただきたいと思います。
次は、論点マル3でございます。これは、34ページに事務局原案が出されております。
大友構成員、どうぞ。
○大友構成員 34ページの対応案の2つ目の四角の4つの整備すべき項目ですが、2つ目の救急救命士が行う行為や範囲に関して規定を整備すること。つまり、病院ごとにやれる行為を改めて決めろということですが、そうじゃなくても、27ページにありますように、33行為はオーケーと共通にしておけば、病院ごとに一々決める必要はないのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○遠藤座長 その趣旨をお聞きしたいということですね。
○新井専門官 事務局です。
すみません、先ほど言葉が足らずに、ちょっと申し訳なかったのですけれども、33行為ができないというわけではなくて、できるという前提の上、例えば救急外来の実情というものは各病院で違うと思いますので、安全性を鑑みて気管挿管はさせないという場合はあると思いますので、その辺は絞ってやるところも実運用上はあるのではないかということなので。
○大友構成員 むしろ引き算ですね。
○新井専門官 そういう意味です。
○大友構成員 分かりました。
○遠藤座長 どうぞ。
○坂本構成員 上のこれまでの検討会でいただいた意見の3つ目の四角のところで、院内では医師がいるので、当該医師は直接の指示ができる。これは確かにそのとおりですけれども、一方で、このような活動をしているときに、包括的な指示で一連の流れの中で行ったほうがいい。例えば、胸骨圧迫するのに胸骨圧迫しろと一々指示するのか。そのチームの中で自分がやれるときには、それをやるのかということを考えると、この対応案の中の医師の指示というものに関しては、特定行為については具体的指示でありますし、それから、通常、包括的指示でやられているものの中には、もちろん明言化してやったほうがいいものもあるけれども、包括でもいいというものもあるという解釈でよろしいでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○奥野課長補佐 この点につきましては、ほかのコメディカルの規定等も考えますと、基本的に医師の指示といった場合には具体的な指示を指すものであることが一般的な見方でございますので、この場合につきましては、院内であれば基本的には具体的な指示ということになろうかと思います。
○遠藤座長 坂本構成員。
○坂本構成員 そうすると、個別にその場で口頭もしくは文書で指示を出さないとやれないということですか。
○奥野課長補佐 原則的には、ほかのコメディカルと一緒ということでございますので、救急救命士だけ包括的でよいということにはならないかと思います。
○遠藤座長 久志本構成員、どうぞ。
○久志本構成員 病院前では、救急救命士の一定の彼らの能力・資質に基づいて判断して、かつ処置していたと思います。ところが、今のお話ですと、院内では処置はいいけれども、判断は認めないという形になって、逆に彼らの活動にかなり制限をかけてしまう形になるのではないか。包括の指示なり、一定の判断・能力があるわけですから、そこも含めた形で活躍できるようにするということは考えていただいていいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○奥野課長補佐 御指摘の点につきまして、法律上、基本的には、指示、救急車という中の限定された場ということ。あとは、MC体制を別に定めて、そこで運用して包括的な指示というところでやっている。ある意味特殊性の中でやっています。
ただ、院内におきましては、ほかのコメディカルと同様のルールによって、私どもとしてはやっていくべきだと思っておりますし、条文としても指示としか書かれておりませんので、そこだけ包括的に異ならせるということにはならないかと思います。私どもとして申し上げたいのは、ほかのコメディカルの方と同様のルールで、指示形態でやっていただく。そこをお願いしているということを御理解いただきたいと思います。
○遠藤座長 島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 いわゆる指示が成立するための4要件といって、タスク・シフト/シェアの検討会でも、かなり細かな議論がされていると思いますので、確かに救急救命士だけ、ほかのコメディカルと違う特別扱いができないというのは、そうかもしれません。ただ、今後いろいろなチーム医療が重要だとか、業務をより効率的に進めていく要請を考えてみたときに、そのあたり、解釈としてどこまでできるのか。逆に言うと、どういう条件をつければ、いわゆる包括的な指示でもできるのかということについては、ここでどこまで詰めるのがいいかどうかはちょっと別にしまして、検討していかないと実態に合わないかなという気が、率直に言ってします。
意見です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、大友構成員、どうぞ。
○大友構成員 具体的指示の定義をもう一回確認したいのですけれども、20ページにあります救急救命処置の範囲の中で、明確に具体的指示と包括的指示と書いてありますけれども、ここの具体的指示というのは、必ず書類が発生するのです。実施したことに関して、指示を出した書類というか。病院でも、全ての具体的な処置・指示に対して書類を書かせるということなのか。ほかの看護師とか、そういう職種に対して、具体的な指示をしていることに関しては書類が発生していないので、院内の具体的指示というのは、そういう書類を伴わないものだと、別の意味があるということでよろしいですか。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○奥野課長補佐 少なくとも法律上の解釈等を踏まえれば、ほかのコメディカルの方と同様の取扱いでよろしいかと思っております。すなわち、院内でほかのコメディカルがそういう書類でやられていないのであれば、院内では不要なのかなと思いますが、いずれにしろ、解釈上の整理として、ほかの並びも見ながら。
○大友構成員 分かりました。では、院内の具体的処置というのは、そういう書類が要らないということで理解しました。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。坂本構成員。
○坂本構成員 今の20ページで、逆に左側の医師の包括的な指示の中に、例えば血圧計の使用による血圧の測定などというのは、救急救命士にとっては包括的指示ですけれども、今の院内の他の職種というのは、例えば1時間ごとに血圧を測ってくださいとか、状態が変わったら測ってくださいというのは包括的指示。看護師さんたちも、医師に測れと言われなくても、血圧は適宜測りますね。
○遠藤座長 井本構成員。
○井本構成員 プロトコールのことをおっしゃっているのかと思いますが、事務局に整理をしていただいた方がいいと思います。
○坂本構成員 プロトコールに基づいて行うものは包括的指示ということ。
○井本構成員 プロトコールが包括的指示という位置づけなので、プロトコールに基づいて行う場合にも、事務局が整理したように、指示を受けているという構図になっています。救急救命士が病院前でメディカルコントロール体制のもとで「指示」としているものと、院内の他職種が受けている「指示」が、どう違うのかについては、もう少し共通認識した上で議論ができるよう、事務局に整理していただいたほうがいいかと思います。
○遠藤座長 いいですか。
それでは、今の議論に関連してでも結構ですし、そうでなくても結構ですが、何かあれば。
先に進ませていただきまして、最後の論点マル4です。41ページ、最後のページになりますが、研修の話でございます。これについて、何か御意見ございますか。
阿真構成員、どうぞ。
○阿真構成員 研修のところですけれども、私、総務省消防庁の救急業務の在り方に関する検討会の委員を、8年だと思うのですけれども、務めていまして、救急救命士さんたちの資質が今回のこれに十分やっていただけると個人的には思っています。
ですが、総務省のその検討会でも、オリパラの対策などで、昨年度の検討会で感染症のところがかなり多めに盛り込まれてきたりしているので、新たに養成課程を受ける方々は、新たに盛り込まれたものを受けられると思うのですけれども、今の救急救命士さんたちはそこがなかったりすると思うので、5つ目に出ているように、医療安全とか感染対策とか、個々の医療機関で研修が必要であったり、全体としての研修も必要だと思うのですけれども、救急救命士さんたちが病院の中で救急外来で活動してくださることによって、国民の安全が脅かされるということは決してないと思っています。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 資料の39ページの医療安全と感染対策に関する出題基準について、事務局に事実確認をさせていただきたいと思います。救急救命士の教科書も出題基準も全て目を通しましたが、これらは大項目「病院前医療概論」の中に含まれている内容を指していると認識してよろしいですか。
○奥野課長補佐 そのとおりでございます。
○井本構成員 そうしますと、先ほどの構成員とは少し違う意見ですけれども、具体的な中身も拝見しましたが、病院前や搬送中から始まる概説ですとか、救急車内という限定での概説になっておりましたので、医療機関内で必要となる内容とは少し異なるだろうなと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。
ほかに何かございますか。島崎構成員。
○島崎構成員 先ほどの坂本先生が御紹介された協議会の、具体的に言うと参考資料4の提言の13ページを見ますと、救急救命士が医療機関で業務を行うという前提ですけれども、いろいろな教育の内容とかプログラムを検討する必要があるということが書いてあって、それで関連して言うと、昨日、事務局のほうから資料を頂いたのですけれども、「救急救命士の業務の場の拡大に関する研究」というのが、後ろの参考文献のところに入っていますね。番号で言うと9です。
これは、厚生労働科研の研究の中ですけれども、その中を見ると、結構細かくいろいろ議論されていて、追加で必要な知識・技能をどうするかということに関して、それを習得するための必要な講習、その認定について整理する必要があるということになっています。今日の資料にはついていないのですけれどもね。
私がお伺いしたいのは、必要な講習の後の認定という言葉をあえて使っているのですけれども、これは坂本先生がお書きになったものではないのですけれども、それについて何か議論があったのでしょうか。つまり、なぜ聞いているかというと、院内の各個別の医療機関のほうに委ねていいのか、そうじゃなくて、ある程度まとまった講習の仕組みみたいなものを設けて、そこで認定と言うかどうかはともかくとして、一定のサーティフケートを与えるということまで、何か議論されているのでしょうか。その点について事実関係をお伺いしたいと思います。
○遠藤座長 では、坂本構成員。
○坂本構成員 今、手元に僕も持ってきていないので、ちょっと不正確かもしれません。基本的には、活動の場、業務の場の拡大が病院の中であれば、これは中で医師の指示の下で行うということになります。それ以外に、この業務の場の拡大に関しましては、今まで検討されてきたものとしては、いわゆる民間の救命士が、例えばスカイツリーとかディズニーランドとか、そういうところで救急隊が来るまで活動するという場合がある。
その場合には、直接医師が指導しているわけではないですし、それから、現場でのそこにいる消防本部の、あるいはその地域のメディカルコントロール協議会のプロトコールを理解して、それに従うということもありますので、そういう場合に認定という言葉が使われてきたと思っております。病院救命士の部分とはちょっと違うかなと。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。森村構成員、どうぞ。
○森村構成員 研修の内容として、2点盛り込んでいただいたほうがいいかなと思ったのは、病院の中と救急車の中の違いを考えた場合には、多くの場合は傷病者と1対1で対応する救急車に比して、これから救急外来のwalk inを診るか診ないかの議論はさておき、救急車が数台並ぶ場合ももちろんあるわけですので、複数傷病者に対する患者のIDの認識であったり、取り違えということは絶対に避けなければいけません。ドクターやナースたちは同時進行で業務を行っておりますので、これに対するトレーニングは必須だと思います。これは、救急現場のトリアージとは全く異なるスキルが必要になると思います。
もう一つ、救命士法の45条か46条だったと記憶しますが、たしか多職種に関するトレーニングは義務づけられていたと記憶していますが、そこで想定している今までの多職種は、当然ながら救急隊員とドクター、ナースといったところに限定的だったと思います。しかしながら、院内においては、病院の規模にもよりますけれども、数多くの技師さん、ソーシャルワーカーや、多くの方々が医療事務も含めていらっしゃいますので、同じタイトルではあるかもしれませんけれども、病院の中での職種に鑑みて、その研修の内容を追加することも不可欠だろうと考えます。
この2点です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
事務局、何かコメントありますか。特段ありませんか。
○永田救急・周産期医療等対策室長 事務局でございます。
まず、1点目につきましては、事務局としても同じ問題意識というか、見解を持っておりまして、例えば37ページをお開きいただきますと、オレンジ色の医療安全とさせていただいている部分で、救急用自動車の中には基本的には1人、ないしは2つベッドを持っているものがあるので、括弧書きで2人とさせていただいて、一方で医療機関内には複数人という形でお示しさせていただいているところでございますので、森村先生からいただきました1点目につきましては、そういったことについて、各医療機関において研修していくべき事項ということの一つの例示になるかと考えております。
2点目でございますけれども、御指摘いただいたように、例えば参考資料3のほうでもお示しさせていただいておりますけれども、救急救命士法第45条、参考資料3を御覧ください。救急救命士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならないというのは、既に法律上も規定しているところでございますけれども、まさしく御指摘いただいたように、今後の検討におきまして、こういった部分のことも重要であるという貴重な御指摘かと、事務局としては考えます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに。島崎構成員。
○島崎構成員 オブザーバーの方にちょっとお伺いしたいのですけれども、救急救命士の資格を取って、消防庁の場合、なかなかあれかもしれませんけれども、その後、いろいろな救急救命技術が進歩してキャッチアップしなければいけないですね。それとか、先ほどの話だと、対象の範囲も多少広がったりすることがあると思うのですけれども、そういう場合の追加教育とか追加研修とか、そういうものは実際どの程度おやりになっているのでしょうか。
○遠藤座長 お願いします。
○鈴木オブザーバー(日本救急救命士協会) オブザーバーの鈴木と申します。消防吏員の場合には、自治体が税金を投じ、しっかりとした再教育や追加教育を行う体制が整備されています。一方、民間救急救命士の場合は、職域が多岐に亘り場の制限が為されている環境下において、追加教育を必要とするということやニーズが、そもそも今まであまりなかったということです。医療機関に所属して活躍する救急救命士に関しては、院内での教育研修や、外部で開催される各種標準化コース教育等を受講して、自身の研鑽と資質向上を図っていました。
今後、医療機関に所属する救急救命士に対しての場の制限の一部解除が行われるならば、先ほど追加研修の必要性についてのお話もございましたが、それらに必要とされる追加研修について、職能団体である日本救急救命士協会として、厚生労働省、日本医師会、救急関連学会その他の関係機関との連携を図り追加研修・教育を行っていきたいと考えております。
もう一点ですが、追加の研修の内容、かつての救急救命士の標準テキストの中には、看護学概論という項目が存在しました。また、車内看護という用語もテキストに記載されていました。しかし、看護学概論という項目が削除されてしまいました。救急救命士が院内で業務を行うことを考えますとどうしても看護という視点が必要になってきますので、そのためにも看護学教育をぜひ追加していただければという要望でございます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。
○島崎構成員 ちょっと今の、聞いていいですか。すみません。
消防隊員というか、消防機関に勤めていない場合は分かりにくいかもしれませんけれども、それほど頻繁にそういう教育が、失礼な聞き方になるので申し訳ないのですけれども、つまり、どのくらいの頻度でそういう追加的な研修とか、どのくらいの間隔でおやりになっているのですか。
○鈴木オブザーバー(日本救急救命士協会) 本体ならば民間の救急救命士においての再教育については、2年毎に再教育を受けるのが望ましい環境であると考えます。しかし、現在のところ民間の救急救命士の場合には故人の研鑽と自助努力に寄るところが大きく、民間の救急救命士に対する教育研修体制の構築については、職能段田オトして今後整備していかなければならない喫緊の課題であると考えております。
また、救急救命士の追加教育に関しては、国民が救急医療に求めるニーズや時代の変遷、業務拡大に伴い、その都度、実施されてきていきます。特に、消防機関に属する救急救命士の場合は、追加教育は計画的にしっかりと行われています。しかし、医療機関に属する救急救命士については、現在のところ追加教育体制が未整備である状況です。この点につきましても、場の制限は一部解除されるならば職能団体において追加教育・研修等を実施し、医療機関に属する救急救命士の資質の向上と医療安全の担保を図っていきたいと考えています。
○遠藤座長 大友構成員。
○大友構成員 消防に属さない救急救命士のお話は、この検討会で何回か前に紹介されていると思います。それで、先ほど坂本先生がおっしゃったようなスカイツリーとか、そういうところで働いている方は、救急車が来るまでの間、救急救命士の資格を使って救急救命処置を行うという話。それに関しては、田中秀治参考人が、きちんとした認定制度と、それからメディカルコントロールの体制と再教育の体制も、ほぼ消防に属する救急救命士と同じような体制を作られていると思います。ですから、病院で働く救命士も、そういった再教育は間違いなく必要だと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。
では、マル1からマル5まで通してで結構でございます。もし何か発言し忘れていたとか、あるいはほかの委員の御発言を聞いて、何かおっしゃりたいことがあれば、どうぞ。島崎参考人。
○島崎構成員 今日、余り聞くつもりはなかったのですけれども、スカイツリーとかマラソンのときのマスギャザリングみたいな話がありますね。その場合、救急救命士の人が心肺蘇生とか、いろいろなことをおやりになるのでしょうけれども、そこも救急救命士の活動の場として、今回規定しろという趣旨ですか。そうではないですね。今、救急救命士に関して、さっきスカイツリーがどうのこうのとおっしゃったので、そこのところも救急救命士としての活動の場として、今回規定しろという趣旨でおっしゃったわけではない。
○大友構成員 救急救命士法の先ほど議論されている44条2項のただし書以降のところ、救急用自動車等に乗せるまでの間において救急救命処置を行うという話です。救急救命士の資格を使って救急救命処置を行うので、それはきちんとメディカルコントロール下で行う体制が作られていることを紹介させていただきたい。
○遠藤座長 ありがとうございます。
大友構成員、どうぞ。
○大友構成員 院内急変のお話ですが、緊急避難の法理に基づいてという説明になっていますけれども、たまたま急変した人のところに居合わせて、ほかに医療者がいないので医療行為をやったというのであれば、これはそうなのでしょうけれども、院内急変があって、例えば院内の救急救命士に連絡して、来てくれ。救命処置を行ったときには、これも緊急避難と言えるものなのか。スタットコールで呼ぶようになっていて、業務として呼ばれて対応するときに、法律上、緊急避難と言えるならそれでいいですが、大丈夫なのかが心配です。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○奥野課長補佐 そこの議論になりますと、もはや個別での判断ということになるので、一概にお答えできません。呼んだからNGとか、そういうことではなくて、現場、現場の判断になって、呼んだとしても、救急救命士1人しか処置できなければ成り立つ可能性はあります。そこに関しては、一般的なお答えは。
○大友構成員 あり得る体制としては、医師に同行して救命士も急変の場に行って、医師と一緒になって救急救命処置を行うということですが、そのときは大丈夫かということです。その場合に、医師と一緒と救急救命処置を行うことは大丈夫かということです。
○奥野課長補佐 そこに関しても、かなり個別具体的な例示だと思います。一般的に申し上げることはできないのですけれども、例えば医師と2人がかりでなければ亡くなってしまうときに、医師と救急救命士しかいないという現場であれば、その法理が成り立つ可能性はありますし、そこの判断について一般的に申し上げることはちょっと難しいです。
○大友構成員 ということは、危ないからやれないということですか。許されることもあるけれども、許されないこともあるとすると、後になってじゃないと分からないということになれば、院内急変はやらないほうがいいという話になるのですか。それとも、ほぼ認められるということ、どっちですか。個別に後で確認となると、危ないからやらないという話になる。
○遠藤座長 森村構成員。
○森村構成員 ありがとうございます。
私も今、それを考えていたのですけれども、院内急変で院内で救命士さんがいろいろ処置をするようなエビデンスが余りないのではないかと思ったので、ドクターがいて、ナースがいて、やることは。例えば点滴をとるのかなとか、それよりは初療室に連れていくのではないかなとか、ちょっと思ったものですから、個別で対応できるのかしらと、今は思っていたのですが。
そのこともそうですけれども、よろしいですか。
○遠藤座長 どうぞ。
○森村構成員 今までの話で、活躍する場の拡大という表現においての場の設定というのは、恐らく処置をする場というところからくっついている話だと思うので、その点において言うならば、救急車で運ばれたケースに関して、先ほどの法律のことも含めてですけれども、救急外来以降といったところの解釈は、私としては分かりやすいなと思っていたのですけれども、先ほどの繰り返しになりますけれども、救急外来に関しては、あるいは今の院内急変も含むのかもしれないですけれども、法律というところから考えると、先ほどの読み方はしないでと言っておきながらですけれども、ちゃんと解釈できるような形が必要なのかなと思いましたので、そのことについて再度申し上げたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょう。加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 今のことに関わるかと思うのですけれども、「いわゆる救急外来」は、先ほども申しましたように、救急の体制は病院によっていろいろ違います。場合によっては、集中治療室に直接受け入れる病院や、先ほど申しましたように、救急車からの搬送が病棟まで上がっていって受け入れる病院も出てきております。そういった意味で、言葉尻の話になってしまうかと思うのですが、部屋に入った途端に処置をしては駄目だという話にならないように、バトンタッチして、入院の医療行為が始まるまでは、どこであろうが、「いわゆる救急外来」でいいのではないかという判断でさせていただきたいかなと思っております。
よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
坂本構成員。
○坂本構成員 先ほどの院内急変にこだわりますけれども、医師と一緒に、例えば院内の訓練でも、事務職員とか看護師が一緒に駆けつけるときに、手が足りなければ、事務職員が胸骨圧迫をするのであれば、これは一般市民の緊急避難で許されるけれども、救急救命士は救急救命処置になってしまうのでできないというのは、一番上手な人ができないというのは理に反するように思うのですけれども、その辺はいかがでしょう。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○奥野課長補佐 すみません、少し誤解があるようですので。一般職員ができるのであれば、緊急避難というのは、職種、関係なく適用されるものですから、そこは一般事務職員と同じことは絶対にできます。ただ、隣に有資格者がいて、そこで十分賄えるのにさらにやるということになると、緊急避難法理が適用されない可能性が出てきますので、そこは申し訳ございません、個別判断になりますので、一般則を申し上げることはできないということ。現場、現場の当然の判断で、いきなり違法だということで逮捕されるみたいなことは、私どもは余り想定しているわけではないのですけれども、法律の整理で言いますと、そういうことになります。
○遠藤座長 ほかにいかがでございましょう。どうぞ。
○大友構成員 確認です。ドクターカー、ドクターヘリの話は、29ページにあるように、全て現行法で可能になっていると解釈してよろしいですか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○永田救急・周産期医療等対策室長 29ページに整理させていただいております。上のマル1、マル2、マル3、マル4というところをそれぞれ4パターン。1つは、ほかの病院から自分の病院に来られる場合、あるいは自分の病院からほかの病院に送る場合の2パターンに、医師が同乗する場合と同乗しない場合という形で整理させていただきました。事務局の現在の見解としましては、下の部分のマル1~マル4のいずれにおいても救急救命処置を行うことは可能であると理解しているところでございます。
○遠藤座長 よろしいですか。はい。
ほかに。島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 どういう解釈なりをしているかということでお伺いしたいのですけれども、先ほど救急車の中で重度傷病者を対象にするということになっているわけですね。実際、救急車で搬送される人は、現実問題としては重度傷病者に限らないじゃないですか。そのときに、救急救命士は、重度傷病者でない人に対して、一定の行為をするということは想定されますか。つまり、何を聞きたいかというと、さっき私が言ったことと一見矛盾するように思えるかもしれませんけれども、非常にがんじ絡めに三重の縛りをかけたわけです。場所を限定し、対象者を限定し、行為まで限定しているわけじゃないですか。
そのときに、極めて緊急避難的にというか、事後的に診たときに、かなり危なそうなことをやったとしても許されるような類型の人に対して、非常に緊急的な行為をするというのが救急救命士法の立てつけになっているわけですけれども、実際に救急車で搬送される人はそういう人ばかりじゃないですね。その人に対して救急救命士が事実上行う行為が、救急救命士としての行為である場合とない場合があると思いますけれども、そこはどういう解釈になっていますか。言っている意味がちょっと分かりにくいですか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○奥野課長補佐 その点に関しましては、過去の政府答弁とかをまだ拝見しておりませんので、確かなことは申し上げられませんが、基本的には救急車に乗っているときに、それが重度傷病者かどうかという確定的な判別が、正確に対面で医師の判断が出ているわけではないので、重度傷病者だという前提で行為を行っていると考えるべきかなと思っています。
○遠藤座長 森本構成員。
○森本構成員 補足ですけれども、各メディカルコントロール協議会等で決めた観察のプロトコールがあるので、それに基づいて重症だと判断した場合に、間接的あるいは直接的に医師に判断を請うてからやることなので、恐らく救急車の中でショック状態でない患者さんに、私は点滴をとれる技術があるから点滴をとりますというのはしないと思いますので、ここは入口に関してはそんなに大きくはぶれないのかなと思います。規定している行為に関しては。
ただ、観察する技術に関しては、もちろん高いものがあるという意味だと解釈しました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。林参考人、お願いいたします。
○林参考人 まだお時間ありますか。猪口先生の代わりに参考人として出てきている林と申します。
先生方と一番異なるのは、僕、徳島県の中でも非常に田舎のほうから出てきています。何が言いたいかというと、日本の恐らく7割ぐらいはどんどん過疎になって、人がいないのです。医師、看護師、介護人どころか、住んでいる人自体も、恐らく皆さんは想像がつかないくらい人が減っているのです。今、救急車で運んでくるときとか、救急車の中、病院の中とかあるのですけれども、その地域の中に住んでいる方はそんなことは余り分かっていないのです。結局、診てくれる医療機関があるかどうか。そのために、家族がどんどん地域からいなくなったり、徳島県は、日本で一番、徳島市内とその周辺地域の格差が大きい、人口比率が大きいところですけれども、どんどん加速しているのです。
もちろん、皆さんが救命士さんが現場で働きやすいように、どこが何をするかというのは分かった上で、これからもっと地域格差が大きくなるので、人が減っていく中でも救命体制というか、救急医療が成り立つような体制を、なるべく現場に即したような格好で動いていただけるのは非常にありがたいかなと思っています。
言葉足らずですけれども、よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。ありがとうございます。活発な御意見、ありがとうございました。
それでは、本日、事務局から原案が出されまして、皆様から御意見を承ったということでございます。事務局原案については、原則とすれば、一部反対という御意見もありますが、おおむね御了承いただけたかな。ただ、中には幾つか検討の事項も残っているという位置づけだろうと思います。
年度もそろそろ終わりになりますので、でき得れば、この部分につきましては、検討会としてのまとめをそろそろしなければならないと考えますので、事務局におかれましては、本日、様々な御意見を踏まえまして、また所要の対応をしていただいて、でき得れば次回に事務局のさらなる原案を出していただきたいと思います。個々の先生方には、事務局のほうから御意見を伺うことがあるかと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、この件につきましては、このくらいにさせていただきたいと思います。
議題2「その他」でございますけれども、何かありますか。
○新井病院前医療対策専門官 事務局でございます。
特にございません。
○遠藤座長 それでは、皆様、全体を通して、このマル1からマル5までの課題でなくても結構でございますが、何かあれば御意見承りたいと思います。島崎構成員。
○島崎構成員 資料1の12ページを御覧いただきたいのですけれども、青いところに「救急医学を専門分野として教育されている救急救命士の資質」と書いてありますね。業法とか資格法の話なので、「救急医学を専門分野として教育されている救急救命士」がという言い方は、少し気をつけられたほうがいいのではないか。特に、活動の場所とか行為とか、それから教育されている中身はかなり限定されているので、ワーディングとかは丁寧にされたほうがいいというのが、助言というか、意見です。
なぜこんなことを言っているかというと、一般的に救急救命士法とか、条文をよほど丁寧に追いかけていかないと、あるいは立法趣旨を追いかけていかないと、何でこんな議論をしているのか、多くの人からしてみると分からないと思います。単純に言えば、そこに救急救命士の人がいて、救急の現場で病院の中で働かせてあげればいいじゃない。それが有効活用でしょうみたいな話になるじゃないですか。ところが、それがそうは簡単に行かないのですよという話ですね。
特に、この間、医療部会があって、この法律の構成はこういうことになっているので、救急救命士は救急搬送救命士として作られた資格なのだという話をしたのですけれども、余り理解されていない感じがありましたので、その辺、注意されたほうがいいのではないか。ここに限らず、ワーディングについては少し丁寧にお考えになったほうがいいのではないかというのが参考意見です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、長時間どうもありがとうございました。
何か事務局からありますか。
○鈴木地域医療計画課長 特にありません。
○遠藤座長 それでは、本日の議論はこれまでにさせていただきたいと思います。
次回の日程につきましては、事務局から追って連絡させますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、長時間、皆さん、どうもありがとうございました。

照会先

医政局地域医療計画課

救急・周産期医療等対策室
救急医療対策専門官 野口(2556)
災害時医師等派遣調整専門官 西田(4130)