難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第5回)議事録

日時

令和元年12月26日(木)15:00~17:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンターホール14E(14階)

議事録

 
○田中難病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第5回「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日の出席状況ですが、加治構成員、高橋昭彦構成員、中田構成員、森構成員より御欠席の御連絡をいただいております。また、高橋郁美構成員におかれましては、おくれての御参加ということでございます。
参考人といたしまして、前回のワーキンググループ同様に森構成員と同じ日本難病・疾病団体協議会理事の伊藤たてお様に御出席いただいております。
加えてオブザーバーとして、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課、小林係長。社会・援護局障害保健福祉部企画課、伊藤課長補佐。職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室、秋場室長補佐に御出席いただいております。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
(カメラ退出)
○田中難病対策課長補佐 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、小国座長にお願いいたします。
○小国座長 初めに、本日のワーキンググループでは、前回同様タブレットを使用し議事を進めてまいります。ただし、本日は配付資料も机上にございます。使用方法に御不明な点があれば挙手をいただき、事務局までお問い合わせください。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
では、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 タブレットのフォルダーの中の資料一覧をごらんください。タブレット内の本体資料として、議事次第、構成員名簿、参考人名簿に続きまして、資料1「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループとりまとめ(案)」。参考資料、これまでに示された意見を御用意しております。なお、机上には前回お配りした、とりまとめ(素案)からの変更点を見え消しにしている資料を御用意しているほか、参考までに5月15日の合同委員会で示した事務局資料をファイルに入れて御用意しております。
過不足等ございましたら、挙手をお願いいたします。
○小国座長 いかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
それでは、早速、議事1「ワーキンググループとりまとめについて」に入ります。前回の議論により追加された内容などを含め、事務局から説明をお願いいたします。
○領五難病対策課長補佐 事務局でございます。委員の皆様のお手元に机上配付資料といたしまして、前回のとりまとめの素案からの修正の箇所がわかるようにした資料をお配りしておりますので、そちらに沿って御説明させていただきます。
まず、3ページの「第1 はじめに」でございます。こちらにつきましては前回、難病法が制定されたときの基本理念について、もう少し詳しく丁寧に記載してはどうかといった趣旨の御意見を頂戴いたしましたので、当時の難病対策委員会の議論や法律の基本理念につきまして追記させていただいております。また、その他文言上の所要の修正をさせていただいております。
また、下の方でございますけれども、前回や他の回のワーキンググループの会合でもそうだったのですが、別途、今議論が行われております研究医療ワーキンググループにおいて、医療費助成の対象とならない方に対する支援、医療費助成の対象とならない方のデータの提供をどうしていくのかという議論が行われております。その一貫として、そういった方々に対して福祉支援をどのように届けていくのかといったところが、こちらのワーキンググループでの議論と重なるところがあるという御指摘もございましたので、今後2つのワーキンググループで取り扱う事項は相互に関連するものであるということをしっかり明記した上で、「両WGの報告を踏まえ、合同委員会において更なる検討が行われることを期待する」ということで、相互に関連し合う内容があるということをこちらで書かせていただいております。
また、「第2 基本的な考え方」については、御意見はなかったものと承知しておりますので、前回からの修正はございません。
「第3 療養生活の環境整備について」の「1 難病相談支援センターについて」でございます。4ページの一番下の行でございますが、難病相談支援員の有資格者としまして、社会福祉士も明記してはどうかという御意見がございましたので、追記しております。
次に、5ページの「(対応の方向性)」でございますが、従前の素案ですと、難病相談支援センターの均てん化・底上げということで書かせていただいていたのですけれども、均てん化というよりは地域の特性を生かした形で支援の質の向上を図ることが重要であろうということでしたので、修正をさせていただいております。
また、5ページの下でございますけれども、少し文章を切らせていただいているところもありますが、支援員に対する研修の充実に関して御指摘がございましたので、追記させていただいております。
次に、6ページでございます。難病相談支援センターの周知に当たって、医療機関を活用した周知の重要性についてこれまでも何度か御指摘がございました。その際、指定医療機関だけではなくて、拠点病院についても重要ではないかという御意見がございましたので、追記しております。また、介護サービスを受けていらっしゃる患者さんも多いということですので、介護関係者への周知も有効と考えられるという点を、御意見を踏まえて追記しております。
また、「全国難病センター研究会研究大会」ということで、ここは名称の修正をさせていただきました。
その次の○でございますけれども、難病相談支援センターが障害者施策に関する地域の協議会と連携していくことの重要性について御意見がございましたので、追記をさせていただいております。
「2 地域協議会について」につきましては、表現に関する御意見はなかったものと承知しておりますので、前回からの修正はございません。
7ページ「第4 福祉支援について」でございます。こちらは修辞上の修正をさせていただいております。8ページの「(対応の方向性)」ですが、1つ○を追加してございます。医療費助成を受けていない方であっても難病患者が利用できる支援があることについて、周知の強化が必要だという御指摘がございましたので、その点書き加えさせていただいております。
「第5 就労支援について」でございますが、括弧書きで「(障害者手帳を所持しない方)」というのが1つ目の○に入っていたわけでございますけれども、こちらは意味を変えるというよりは障害者手帳を有する方であっても支援の対象になっておりますので、誤解を招かないように削除させていただいております。
また、行政との連携というところですが、「障害福祉や生活保護に係る行政窓口との連携」という形で、より具体的な表現に変更させていただいております。
「(対応の方向性)」でございますが、こちらも前回のワーキンググループにおきまして、就労は収入の確保だけではなく、社会参加という意味合いでも重要であるという御指摘がございましたので、その旨を追記させていただいております。
また、従前では1つ目の○で難病相談支援センターとハローワーク等との連携を書いていたのですけれども、ナカポツセンターなども含めた就労支援機関との連携が重要ではないかという御指摘がございましたので、修正させていただいております。
続いて9ページでございます。新規就労と就労継続の場合では、必要となる支援、関与する関係者が異なり得るというパラでございますが、継続就労に関しまして産保センターも重要であろうという御指摘がございましたので、追記させていただきました。また、企業への支援に当たりましては、中小企業への配慮が必要であるという趣旨の御意見がございましたので、その旨を書かせていただいております。また、前回のワーキンググループにおきまして、高齢・障害・求職者雇用支援機構が既に作成しているマニュアル等もあるので、こういったものをしっかり活用していくべきであるという御指摘もございましたので、追記しております。
次の「難病患者の治療と仕事の両立支援においては」というパラグラフにつきましては、新しく追加させていただいております。こちらにつきましては、前回のワーキンググループにおきまして、難病の特徴を踏まえた支援が重要ではないかという御指摘、また、多様な働き方の選択肢があるということを踏まえた支援が必要ではないかという御指摘がございましたので、そのような趣旨を反映したパラグラフを追加しております。
また、最後の○でございますけれども、法定雇用率に関する御指摘がございました。こちらについては労働政策審議会において議論が行われるべきものではあるけれども、そういう指摘があったという紹介をしてほしいという御意見がございましたので、その旨追記させていただいております。
続いて「第6 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について」でございます。10ページの「(対応の方向性)」の1つ目の○です。前回のワーキンググループにおきまして、様々な分野の専門職を含む関係者の方々が連携して、生活者の視点からの支援のあり方を考えるべきという御指摘がございましたので、その旨を追記させていただいております。また、医療費助成の申請手続の機会等を活用したニーズ把握も重要であるとの御指摘がございましたので、その旨も追記させていただいております。
また、2つ目の○でございますけれども、自立支援事業につきましては、多様なニーズに応じた支援を行うことができる仕組みであるということですので、他の支援との連携を一層充実させることが重要であるという御指摘がございましたので、その旨を追記しております。また、具体的な支援としまして、学習・教育に関する支援が重要であるということと、「きょうだい支援」という言葉だけではわかりにくいのではないかといった御指摘もございましたので、より丁寧に書かせていただいているほか、保護者の就労問題ヘの対応という点も言及したほうがいいという御指摘がございましたので、追記させていただいております。
次の○でございますけれども、「また」以降でございますが、「任意事業の現状や課題について分析するとともに」という文言を追加させていただいております。単なる好事例の周知だけではなくて、そういった分析が重要ではないかという御指摘を踏まえたものでございます。
続きまして11ページ目でございます。こちらは地域の協議会に関する箇所でございますが、前回のワーキンググループにおきまして、難病の地域協議会については顔の見える関係づくりといった記述をしているので、こちらの小児のほうにも同じような記載ぶりをすべきであろうという御指摘がございましたので、修正させていただいております。
前回からの変更点は以上でございます。
事務局からは以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、説明のあった資料1、ワーキンググループのとりまとめ案の内容を踏まえまして議論に入りたいと思います。前回のワーキンググループにてとりまとめた素案に対して各構成員からの発言を受け、事務局のほうで修正が行われておりますが、修正に関する御意見や追加の御意見がありましたら、御発言をお願いいたします。
まずは、3ページの「第1 はじめに」と、4ページの「第2 基本的な考え方」で御意見がおありになる方、いかがでしょうか。
福島構成員、お願いします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
両方のワーキングに出ていていろいろなことを言っているので、話がちょっとごっちゃになっているかもしれませんけれども、附帯決議にはとても大事な視点がたくさん盛り込まれていると思っています。お手元のファイルの292ページに参議院の厚生労働委員会の附帯決議がございます。例えば、この8項目を見ると、長期入院児童等に対する学習支援を含めた小慢児童等の平等な教育機会の確保や、家族支援に対して充実を図ることであることや、4項目には小慢の自立支援事業の任意事業について、地域間格差につながらないよう十分配慮することという、とても大事な視点が盛り込まれておりますので、ぜひ「第2 基本的な考え方」に、この附帯決議に関して文言を加えていただきたいです。
もう一個のワーキングにおいては、この附帯決議に関しまして、法成立時の附帯決議において示された事項に関し、法施行後の状況を踏まえ、運用等も含む取り組みのあり方について検討することが適当であるという文言を盛り込んでいただいておりますので、ぜひこのような形でこちらにも附帯決議を入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○小国座長 ありがとうございました。
では、事務局からそれに対して、よろしいでしょうか。
○領五難病対策課長補佐 ただいま福島構成員から御指摘のあった点、構成員から既に読み上げていただきましたが、そのような文章が研究医療ワーキングのとりまとめ案には入っておりますので、もし、構成員の皆様がよろしければ同じものを追記させていただければと思います。
○小国座長 今の福島構成員の御提案はいかがでしょうか。御異議のある方はいらっしゃいますか。いらっしゃらないようですので、文言を入れていただきたいと思います。よろしくお願いします。
ほかの方はいかがでしょうか。伊藤参考人、お願いいたします。
○伊藤参考人 きょうはまとめの委員会だということで、幾つか質問させてもらいたいと思います。
1つ教えていただきたいのは、ハブ的機能というのが何カ所か出てくるのですけれども、きのう相談支援センターの方々と意見交換する場があったのですが、ハブ機能とは何だと聞かれました。これはわかりやすく日本語で、例えば「ネットワークの中心」的なものでも結構ですけれども、皆さんがわかるようにしないと、わからない方が結構いるのではないかと思いましたので、これについて一言お願いします。
それから、この間からずっといろいろ考えたのですけれども、なぜ福祉的な施策も結構これだけ厚くさまざまに取り組んでいながら浸透しないのかなと考えましたら、例えば、厚生労働省から現場に伝わっていく、あるいは医療機関の書類を書くようなところに伝わっていくルートが途中で切れているのではないか、あるいは混線しているのではないかということを考えまして、具体的にどのように考えておられるのか教えていただければと思います。例えば、障害者基本計画というのがあるのは当然皆さん御存じだと思いますけれども、第4次計画作成には私も障害者政策委員会の委員としてかかわったのですが、難病に関する項目は結構たくさんあるんです。この基本計画の終わりには数値目標に向けてどうだったかということも議論することになっているのですが、こういう障害者基本計画に難病も盛り込まれているということが、保健分野にはなかなかつながっていないのではないか。保健師さんの中では知らなかったという声も多いようなので、そのあたりについて具体的にどういうルートで自治体や窓口に伝わっていくのか教えていただければと思います。
もう一つ、これは福祉の関係でどういう扱いになるのか御質問したいのですが、平成28年3月14日の衆議院予算委員会で、薬師寺みちよさんの御質問に対して塩崎大臣が、障害のとらえ方というのは医学的モデルと社会的モデルがあるとお答えになっていて、福祉あるいは雇用の世界では障害者を支援する制度については手帳の有無のみならず、それぞれの趣旨あるいは目的を踏まえて支援が必要な対象者の範囲が定められることになっていると。障害者総合支援法においては、手帳の等級ではなく、障害者支援区分を分類して支援への必要性を判断するということをやっていると。難病患者や障害児については、手帳の有無を問わず制度の対象としておるところでございますと。雇用の分野でも就労相談支援の対象としていると、ここでは手帳の有無を問わずということを言っているわけです。難病もその枠の中に入るということなのですが、手帳の有無を問わずということは、実際にそう認定されているケースをたくさん目にしておりますので、具体的にはいいのですけれども、例えばどういうケースでそういうことをとらえておられるのか、きょうはせっかく障害福祉部の方が見えているので、お聞きしておきたいと思います。
それから、平成28年5月11日の衆議院の厚生労働委員会では、藤井保健福祉部長さんが答えておりまして、福祉などの障害のある方々を支援する制度につきましては、手帳の有無ならずそれぞれの趣旨・目的を踏まえつつとか、あるいは難病患者や手帳の有無を問わず制度の対象としてございますと。障害のある方々に適切な支援が個々のニーズに応じて提供されるよう取り組んでまいりますということ。
あるいは、平成31年4月26日ですと、土屋職業安定局長さんが、手帳をお持ちでない難病患者の方でも障害者雇用促進法による支援の対象になるということでございますと答えているのですが、それぞれが障害者基本計画の中では数値目標と、結果としていつも発表されるのですが、このようなことが具体的にどうなっているのか、あるいは保健福祉の分野、難病対策の分野でもこういうことを現場の保健所の方々などが御存じなのかどうかをお尋ねしたいと思います。
ちょっと長くなりましたが、以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、まず、第1のハブ的機能の「ハブ」を日本語にしたらどうかという点においてはいかがでしょうか。事務局でどのようにお考えでしょうか。
○領五難病対策課長補佐 事務局といたしましては、今、伊藤参考人から、「ネットワークの中心」という修正の御提案があったかと思いますので、それについて御議論いただければと思います。御議論いただいた結果を踏まえて適切に修正させていただきたいと考えております。
○小国座長 わかりました。それでは、今、仮に「ネットワークの中心」という形で伊藤参考人から御提案がありましたけれども、そういう形で日本語に訳すということでよろしいでしょうか。御異議のある方、別の意見のある方はいらっしゃいますか。
○伊藤参考人 自分で言い出しておいて何ですけれども、実際「ネットワークの中心」というとらえ方までしていいものかどうか。例えば、その後の地域協議会などでも保健所が中心となって進めることになっていますよね。それとの混同とかいろいろあると思いますので、ちょっと考えていただければと思います。
○小国座長 わかりました。「ネットワークの中心」という言い方だと少し混乱が招かれるのではないかということでしたけれども、いかがでしょうか。
横内構成員、お願いいたします。
○横内構成員 恐らく来た相談を適切なところにつないでいくといった趣旨で「ハブ的機能」という意味合いかなとは思います。「ハブ的機能」という言葉だけの問題であれば、それを置きかえるのはいいと思うのですけれども、確かに「ネットワークの中心」とまで言うと。適切なとこにつないでいくというような。
○小国座長 「適切なところにつないでいく機能」というのは、いかがでしょうか。
○小倉構成員 例えば、5ページの「(対応の方向性)」で「同センターが地域の関係機関を結ぶハブ的役割を担い」と書いてあるのですけれども、これは「ハブ的」を省いても十分意味が伝わる内容になっていると思うので、かえって混乱を招くようだったら、その部分を削除されるほうが適切なのかなと思います。
○小国座長 削除するという案もありますが、いかがでしょうか。
○伊藤参考人 現状では多分抜いてもいいのでしょうけれども、将来的にはそういう役割みたいなものを背負ってとか、担ってという意気込みなどもここで示されているのかなと思いますので、外すということはあり得るのでしょうけれども、外すよりは適切な翻訳のほうがいいかと私は思います。
○小国座長 いかがでしょうか。訳すならば「適切なところにつないでいく」と、ちょっと長くなりますが、それはいかがでしょうか。
○伊藤参考人 難病相談支援センターの役割としては、つなぐというだけの役割でもない、もう少し現実的な支援もあると思いますので。ただ、「ハブ的機能」というのは一般的にもちょっとわかりにくいかなと思うので言ったまでなのですが。
○小国座長 ほかに御意見ございますか。必要のないような場所では混乱を招く言葉を削除することはよろしいかと思いますし、また、「ハブ的機能」を使う場所によって、例えば「適切なところにつないでいく機能」と言いかえるとか、また違うところで使う場合には違う表現もあるかもしれませんので、その都度検討するということではいかがでしょうか。事務局いかがですか。
○領五難病対策課長補佐 「その都度検討する」と今、座長がおっしゃったのは、その箇所箇所でということでよろしいでしょうか。
○伊藤参考人 そうではなくて、そのように受け止められる訳し方がいいのではないかと。余りここで時間をとったら申しわけない気もするのですが。
○小国座長 「適切なところにつないでいく」というのは、今回は正しいかなとは思うんですよね。だけれども、おっしゃるような危惧というのは恐らく、前後の文章からそれだけの機能ではないということはみんな読み取れると思いますので、「ハブ的機能」の意味がわからないわという方には「適切なところにつないでいく」という機能も含まれるということで、もしかしたらよろしいかなという気はしますが、よろしいでしょうか。
○伊藤参考人 私は、そのときにはそのような説明をしたのですが、ちょっとピンと来なかったみたいなので。
○小国座長 では、もう一度検討しますが、何かいい案がありましたら、おっしゃっていただけるとうれしいなとは思います。
○領五難病対策課長補佐 先ほど、座長におっしゃっていただいたとおり、難病相談支援センターそのもののセンターによる支援自体の質の向上というのは別のパラグラフでも出てまいりますので、この箇所については、例えば適切につないでいくという趣旨に重きを置いた文章であるという整理をこの場でしていただけるのであれば、そのように修正するといったことがあり得るかと思います。
○小国座長 それでは、そのような方向でやっていければと思います。
2番目に関しては、今は厚労省からいろいろな指針が伝わっていくことになっているわけですけれども、実際に医療現場や、あるいはさまざまな現場にきちんと伝わっていないのではないかと危惧されることがあるということで、例えば、今こういう答申やいわゆる決まったことが、どういうルートで現場に伝わっているのか知りたいということだったと思いますが、事務局からいかがでしょうか。
○伊藤社会・援護局障害保健福祉部企画課長補佐 障害保健部企画課の伊藤と申します。
お尋ねの件に関しましては、こちらのワーキンググループで以前、障害部から発表させていただいたと思うのですけれども、その中にもありましたように、障害の部局だけではなく医療機関にも周知されますように、都道府県の医療機関を担当している衛生主管部局にも周知しております。あわせて医師会にも同じように周知しておりますので、その点で医療機関もしくは医師に情報が行き届くような工夫をしております。
もう一つ、障害認定区分につきましてもお答えいたしますけれども、障害支援区分に関して言いますと、難病の方がその支援の度合いに応じたサービスを受けられるように認定調査員に向けたマニュアルを障害部として作成していまして、それを活用していただきたいと考えております。
以上です。
○小国座長 伊藤参考人、いかがでしょうか。
○伊藤参考人 これは時々いろいろなところでも言っているのですが、認定マニュアルは本当によくできているのですけれども、支援区分の認定マニュアルですから、保健師さんや病院では余り重視していないのか、そういうマニュアルがあることを知らなかったと、いまだにそういう声をたくさん聞くんです。厚労省全体としても、せっかくできているいい内容ですので、それがもう少し伝わらないかなと思っております。
保健所の方に伺ったのですけれども、保健所に来ると総務に行くのだそうで、そこでいろいろ仕分けてしまうと、担当保健師さんまで行かないというのがままあると。これは総務だとか、これは所長までとかいろいろやるらしいのですけれども、難病を担当しているところにはなかなか直に来ないこともあるとおっしゃっていたので、そのあたりで混線か断線があるのかなと思いまして、宛名を何か工夫されるということはいかがなのでしょうか。
○小国座長 根本構成員、どうでしょう。保健所においてということだったので。
○根本構成員 柏市保健所の根本と申します。
私の部署は難病ではなく小児慢性を取り扱っているのですけれども、一応隣の課になっておりまして、難病・小児慢性に関してはお互いに情報を共有する形となっております。その他の分野でほかの部局にいろいろな文書が来たりしますけれども、その中でこれはちょっと関連するよねというようなものは、お互いに文書を合い議といった形で回すようには心がけているところです。
○伊藤参考人 マニュアルは。
○根本構成員 マニュアルは私ではわからないので申しわけないです。ただ、そういったマニュアル等に関しましても、担当の部署の保健師等がもしかして存じ上げないかもしれないということがあったりしますので、そういったところは宛名や関係部署にも提供をお願いしますということは、ほかの文書でもよくありますので、一言添えていただけると大変助かります。
以上です。
○伊藤参考人 ありがとうございます。
○小国座長 城構成員、お願いいたします。
○城構成員 私も、ある市の認定審査員をさせてもらっているのですけれども、認定調査員の方がマニュアルをもとに認定調査された後、適切に障害福祉課であったりという部分では、マニュアルを使った訪問調査の情報を適宜交換されている部分はありますので、全ての市がその情報をうまく共有できているかどうかはわかりませんが、市・町単位ではできているところもたくさんあるのかなとは思っています。
○小国座長 地域・場所によって違うのかもしれませんが、適切な宛名をということを厚労省でもお願いしたいということでしょうか。宛名が適切な場所に届くようにしてほしいという要望はあるようでしたので、よろしくお願いしたいと思います。
あとは、「手帳の有無を問わず」という言葉に関しては、そういうことを周知しているかどうかという話だけですよね、同じような内容ですね。では、よろしいでしょうか。
ほかにございますか。それでは、続いて4ページの「第3 療養生活の環境整備について」の「1 難病相談支援センターについて」と「2 地域協議会について」、御意見があればお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
両角構成員、お願いします。
○両角構成員 長野県難病相談支援センターの両角です。
4ページの「1 難病相談支援センターについて」の下の○ですが、保健師や看護師、社会福祉士の有資格者のところですが、その職種に限らず精神保健福祉士や心理士さんもいらっしゃいますので、例えば「社会福祉士など」という表現にしていただくと、広がりがあるのかなと思いましたが、いかがでしょうか。
以上です。
○小国座長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。「など」という言葉をつけてほしいということですね。
ほかはいかがでしょうか。伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 全く同じことを言おうと思ったので。
○小国座長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
続いて、7ページ「第4 福祉支援について」と、8ページ「第5 就労支援について」、御意見・御議論をお願いいたします。
福島構成員、お願いいたします。
○福島構成員 今までも何度か障害と難病の概念についてお話しさせていただいたと思います。国際的にもかなり狭いと言われている日本の今の障害という概念では、難病や慢性疾病による活動制限や参加制約がとらえられないという現状があると認識しているわけですけれども、そういったハンディキャップ、生きづらさ、暮らしにくさを抱えている人たちに対しても、障害の認定をするという視点が必要なのではないかと思っています。極論を言ってしまうと、難病や慢性疾病による生活者支援は何も病名単位である必要はないわけですね。例えば、痛みやだるさがあるという状態や、気管切開をしているとか自己導尿が必要であるというようなこと、人工呼吸器、経管栄養というような医療的ケアが濃厚であるといったことをもって、障害者施策の対象とする必要があるのではないかと私は思っています。
先ほど、伊藤さんからもお話がありましたけれども、児童や一部の難病については障害者手帳がなくても障害福祉サービスの対象にはなっておりますけれども、障害者施策との統合を図れば、例えば税制上の控除が受けられたり、障害年金の対象になったり、法定雇用率への算定がされたり、より広い必要な支援をスムーズに受けることができるわけで、ぜひそういった意見があったことを盛り込んでいただきたいと思います。もちろん、この場が障害の範囲を議論する場ではないということは承知しておりますので、あくまでもそういった意見があったということで書き込んでいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかにございますか。伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 今の福島構成員さんのお話にちょっと注釈が必要かと。必ずしも、障害者総合支援法で難病という概念を取り入れて、そこは手帳を持っていなくても対象にするよということを国会の答弁では言っていないように読めるんですね。その文章を配っていないのですけれども、例えば、福祉やあるいは雇用の世界では障害者を支援する制度については、手帳の有無のみならず、それぞれの趣旨あるいは目的を踏まえてとなっておりますので、文章を読む限りは、手帳の有無を問わずということで全て社会的な総合支援法による支援を必要とする人あるいは就労支援が必要な人は対象にしますよということを、部長さんや大臣が答えているということなんです。今いきなりこの制度のことを抜きにして議論してしまうと、また大混乱になりますが、そういう法律そのものが持つ趣旨あるいは意味を日常の行政の窓口でも十分認知していただければ、窓口で手帳がない人はだめよということで帰したとか、どうしても手帳が必要なのだとか、診断書を持ってこいという話にはならないのではないかと。つまり、現場ではこういう福祉の制度の趣旨、制度の意味を理解していただきたい。また、そのように国会での答弁はなっていると私は読んだのですが、そこを強調したかったということです。
○小国座長 ほかはいかがでしょうか。田中構成員、お願いします。
○田中構成員 滋賀県東近江保健所の田中と申します。
「第5 就労支援について」ですけれども、「(対応の方向性)」の2つ目に難病患者就職サポーターのことが書かれているのですけれども、難病の方の相談の中で就労というのはすごく重要で、相談も多いし困っておられるのですが、就職サポーターは非常に有効なのですが地域によって使えなくて、県によって1人であったりとかで、うちの保健所だと使えない地域になっていまして、非常に地域差があるなと思っています。ここで全ての地域で使えるようにということは書けないかもしれませんけれども、方向性としてそういうふうに配置していただけると、非常に難病の方の就労支援が進むかなと思うので、そういうことを盛り込んでいただければと考えたのが1つです。
3つ目の○で、医療機関は就労支援機関とのつながりがすごく薄いなと現場では感じているのですけれども、保健所は医療職である保健師がおりまして医療機関ともつながっておりますし、精神の方の支援、障害者の方の支援等もしていて就労機関ともつながっておりますので、このあたりのつなぐ機能は保健所でもできるかなと思っているところがございます。方法の1つとして保健所の活用を書いていただけると、少し就労支援について広がりが持てるかなと思うので、一言入れていただけるとよいかなと思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございます。
では、2番目の○、就労サポーターを使える地域をできるだけふやすという文言かもしれませんが、3番目は、医療と就労とをつなぐところとしても保健所が有用ではないかということですけれども、そういう文言を入れることに関していかがでしょうか、よろしいでしょうか。御異議のある方はいらっしゃらないですかね。
どうぞ。
○秋場職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室長補佐 職業安定局の障害者雇用対策課の秋場と申します。
難病患者就職サポーターに関しては、現在全国で51人配置していまして、おっしゃられるとおり47都道府県に1人か2人かといった配置をしているところです。確かに、配置自体は少ないのですけれども、全てのハローワークには専門援助部門といって障害者の方が活用できる窓口がありますので、難病患者就職サポーターが配置されていない場合でも専門援助部門にお越しいただければ、難病患者の方にもしっかり個別支援していくという形で対応しておりますし、現在の案の中でも「(対応の方向性)」の2つの○で、「難病相談支援センターやハローワークによる支援の充実」という形で書いておりますので、できればそのあたりで読み込んでいただけるとありがたいかなと担当課としては思っています。
○小国座長 そのあたりはいかがでしょうか。田中構成員。
○田中構成員 実際、難病相談支援センターも県で1カ所なので、そちらで難病患者就職サポーターさんと一緒に相談を受けてもらえるケースもあるのですけれども、そこから地域のハローワークに来たときに実際の支援になかなかつながらない、難病の人はわかりませんと言われることも多かったりして、うまく支援につながっていないなということがあります。難病就職サポーターさんにつながると、本当に丁寧に支援してくださって非常に助かっているので、それがもう少し地域として広がるとかなり変わるのではないかと思うので、希望なので書けなければいいのですけれども、意見としてありましたとしていただければありがたいです。
○小国座長 伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 参考人がたくさんしゃべって申しわけないのですけれども、物すごく成果が上がっていると思うんです。数少ない、しかも非常勤で週2日とか3日の勤務ですよね。それなのにこれだけ成果が上がっているのだから、ここに正規の職員を張りつけてくれたら、どんなに成果が上がるだろうかと思っているのですが、職員をふやすとか設置場所をふやすことについては、ここではまだ書けないのでしょうか。
○小国座長 部署が違いますか。お願いします。
○領五難病対策課長補佐 先ほど、秋場補佐からも御説明させていただきましたが、支援の充実ということで、結果的に難病患者さんの就労支援が進むことが目的であり、そのために色々なやり方があろうかと思います。その一つとして、皆様からサポーターの体制強化を図っていただきたいという御意見があるということは承知しておりますので、どのように支援を進めていくのかは考えていきたいと思っておりますが、「支援の充実」という文言に含まれるものなのかなとは思っております。
○小国座長 それでは、江口構成員、お願いします。
○江口構成員 非常にいろいろ御意見を盛り込んでいただいて、ありがとうございました。すごく大きな話にはなるかと思うのですが、現場で就労支援をしていますと、差別の問題、スティグマの問題というのはすごく大きいと思っていまして、今回がんについてはいろいろなところでいろいろな団体さんがポスターをつくったりして、がんでも働けるというメッセージを社会全体に出すことで大分世の中変わってきたのかなというところがあるのですけれども、私が支援している難病の方というのは、がんは基本的に身近に皆さん1人か2人は親族にいるのでイメージがつきやすいのですが、難病は病気そのものの名前の難しさもあって、スティグマや差別の問題が厳然として存在していて、働けるのだけれども難病だと言ったことで働けないだろうと見られてしまうので、就労の点について企業側への啓発や、社会資源も先ほど伊藤さんからもお話があったように、例えば、障害者職業センターさんなども難病であっても使えたりするんですね。そういうところのジョブコーチなど、そういう社会資源の活用全般も含めて、高齢・障害・求職者雇用支援機構さんがいろいろマニュアル等つくられているのですけれども、もう少しゼネラルなメッセージを企業側に出していけると、いろいろ現場の活動もしやすくなっていくのかなと思いましたので、その辺が盛り込めるかわからないのですけれども、就労だけではないのかもしれませんが、いわゆる社会全体の啓発的なものは少しメッセージとして出していけるといいのかなとは思いました。それが具体的な施策としてどうなるかというところは、無責任な言い方になってしまうかもしれないのですが、その辺はがん以上に出していく必要があるのかなというところで、病気の比較ではないのですけれども、その辺コメントさせていただきました。
○小国座長 ありがとうございました。
では、城構成員、お願いします。
○城構成員 少し9ページにも書いていただいておりますけれども、難病の方の新規就労ももちろん大事なのですけれども、私が今までお会いした方は既に仕事を辞めてしまっておられる方が多くて、もう少し早く相談につながっていれば、決して辞めずに済んだ方、仕事と病気を両立しながら働き続けられた方が非常に多いと思うのです。その中で、2つ目の○でも「指定医療機関やハローワーク等の就労支援機関のみならず」と書いてあるのですけれども、企業の方へのメッセージも含めて具体的に書いたほうが、一体どこに相談したらいいのだろうか、就労支援機関というのはどこなのだろうと思われたりするのかなと思いました。具体的には、なかぽつや職業センターというところになるでしょうけれども、そういうところの名前まで含めて書いたほうが、ひょっとしていいのかなと思いました。
以上です。
○小国座長 その下に書いてあるけれども、上のほうにも書いたほうがいいということですか。
○城構成員 そうですね、2つ目の○の真ん中あたりですけれども「企業側の理解を得ていくことが重要であり、指定医療機関やハローワーク等の就労支援機関」とありますが、就労支援機関はハローワーク以外にも、具体的には、なかぽつや職業センターなども含めて書いてもいいのかなと思いました。
○小国座長 「等」を具体的に全部書くということですね。ありがとうございました。
ほかにございますか。よろしいでしょうか。
では、続いて9ページの「第6 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について」、御意見・御議論をお願いいたします。
小倉構成員、お願いします。
○小倉構成員 成育医療研究センターの小倉です。
意見をたくさん盛り込んでいただいてありがとうございました。10ページの「(対応の方向性)」の2つ目、きょうだい支援の話が書かれている項目なのですけれども、ここには医療的ケアが必要となる児童が取り上げてあるのですが、医ケア児に限らず、小慢児は全ての方がきょうだい支援が必要である、疾病がある子どもさん全てのきょうだいさんが心理的なストレスや葛藤をお持ちであるので、ここはあえて医療的ケア児に特定せずに記載されるべきと考え、削除していただいたほうが適当ではないかと思いました。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。そうですね、難病のきょうだいの方は医ケア児だけではないですものね。
ほかにはいかがでしょうか。福島構成員、お願いします。
○福島構成員 10ページの上から3つ目に、学習に関する支援が非常に重要であるということで盛り込んでいただいています。学校についてはこの場でも今まで何度も発言させていただいたと思うのですが、かなり困難を抱えている御家族がいるという認識でございます。通学や学校の中、校外行事も含めて、学校教育行政から必要な支援が得られていないケース、介助員がいない、看護師がついていないといった場合に、補完的に自立支援事業の活用が考えられるということが実施主体である自治体の人たちから見てわかるような書きぶりを工夫していただきたいと思います。現状の自立支援事業はかなり広い範囲のことができるのに、その辺が地方自治体の実施主体の皆さんから見ると逆にわかりにくいというような話もございます。学校は本当にいろいろな問題を抱えているということで相談を受けていますので、ぜひ例示していただきたいと思います。
2つ目は、医療費以外の負担に対する補助ということも以前発言させていただいたかもしれませんけれども、子どもの場合は希少な疾患も多くて、専門医が離れた場所にいるケースも多いわけで、遠隔地にいる専門医にかかる際に生じる交通費や、家族が別れて一定期間暮らさなければいけない場合にかかる宿泊費といった医療費以外の負担もかなり重いということがございますので、そういったものに対する何らかの工夫ができないのかということを、すぐには実現できないにしても、今後検討していくような道筋を書いていただきたいと思います。
以上です。
○小国座長 今の御意見も含めて、ほかに御意見はよろしいでしょうか。
伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 どんな病気の子にも発達を保障するということで教育をということは非常に大事だとは思うのですが、私も子どものころ長い間病院にいまして、入院していても実習生の看護師さんに盛んに勉強しよう、勉強しようと言われたのですけれども、調子が悪いときはそう言われることも非常に負担というか、遠ざけたい気持ちにもなりますので、単純に教育が必要だ、支援イコール教育だとは思わないで、本当に病気に立ち向かっていく子どもの気持ちに添った支援はほかにもあるはずだと思いますので、そういう意味でも十分注意を払っていただければありがたいなと思います。
○小国座長 せっかく文科省の方も来ていらっしゃるので、何か聞いてみたいことはありませんでしょうか。
○福島構成員 文科省でも医療的ケアも含めて、いろいろな施策を新しく展開していただいています。しかし、それが実際、学校現場にはなかなかうまく伝わっていなくて、これは私の偏見もかなりあるかもしれませんが、学校の場合、属人的要素が強くて、校長さんがかわると今までできたことが全然できなくなったり、その逆ももちろんあるのですけれども、そういったことが非常に強いと感じます。文科省から地方の教育委員会を通して学校現場にいかに必要な支援が行き届くように、いかに啓発や広報を進めるべきか、どうしたらうまく現場が動くのかというあたりについて、何か御見識がありましたら、お聞かせください。
○小国座長 それでは、文科省からよろしくお願いします。
○小林文部科学省初等中等教育局特別支援教育課支援第二係長 例えば、文部科学省では、医療的ケアに関する事業や高等学校段階における入院生徒の教育保障体制整備事業を実施しており、事業の協議会については、委託先以外の教育委員会の担当者の参加も呼び掛けるなどしております。通知等に関しても教育委員会を通じても学校に周知していただくようお願いしているところです。
学校への周知の工夫ですが、事業の成果を普及するため事業の報告書については文部科学省ホームページに掲載しているほか、教育委員会の担当者等に対する行政説明等においても通知や事業について周知しております。また、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所では地域で指導者的な立場に立つような方々に対する研修を実施しており、そこでも当課から行政説明等をしております。今後も引き続き様々な機会を活用し、わかりやすく情報を発信していきたいとは思います。
○小国座長 ぜひ、大変な子どもたちがまだいるのだというところで、文科省でも考えていただいて、これからもどんどん吸い上げていただきたいと思います。
どうぞ。
○本間構成員 あせび会の本間と申します。
今の件に関連してですが、私どもが会員の指定や学校に行くときに、小学校、中学校でもそうですけれども、いざ入学するとなると親子して非常にプレッシャーが強くて、果たしてちゃんと受け入れてもらえるのだろうか、行ったらいじめられないだろうかという不安は一般の親子よりはるかに強いです。入ってうまくいくかいかないかは、事前にその学校の担任の先生、校長先生、教育委員会の関係者の方々に一致した認識を持ってもらって、この子はこう扱うのだということを共通認識としてかなり強く持たないと。ほかの先生や一般の児童は知らないので、子どもは特に知らないというのが非常に大きくて、いじめてしまうのも知らないからなんですよね。一旦説明してわかってもらえれば、いじめがなくなるというケースも何回かありました。そういう意味で、最初の周知徹底を親子も教育関係者も含めた事前のミーティングなどをもう少し充実していただければ、かなり不安、実際に通ってからの学校生活といったものがスムーズにいくのではないかということが多々見られますので、3つ目に「地域の福祉関係者と教育関係者が連携し」云々と書いてあるので、その中に含まれてしまうのですけれども、いずれにしてもそこを特に教育委員会の方に具体的にこうするのだということを徹底していただけると、今より事態はもっとよくなるのかなと思います。
○小国座長 よろしくお願いします。
ほかにはございますか。田中構成員、お願いします。
○田中構成員 何度も済みません。小児慢性については、保健所の中では難病が全てのことに先行していまして、人数が少ないということもありますし、なかなか取り組みにくい分野で、勉強も本当にできていないというのがこのワーキングに来させていただいて感じているところではあります。
少し不勉強で変なことを言うかもしれないのですけれども、1つ目の○に自立支援員の研修のあり方、質の向上のことを書いていただいているのですけれども、現場で医療費の助成の受付をしていたり、相談を受けている保健所の保健師自体も全然研修を受けられていないですし、研修の場もないですし、資質向上については、難病はいろいろな国の研修があって行かせていただいたり、県から派遣もさせていただいていますし勉強させてもらっているのですけれども、小児についてはそういう機会もなかなかないと思っておりまして、まずは、ふだん接している職員がもっと広く、難病の自立支援のみならず、もう少し医療機関のソーシャルワーカーもそうですし、現場の保健師等も勉強できるような機会を設けていただくことによって周知もしていけるのではないかと思いますので、入れていただけるとよいなと思います。
もう一点、関連するのですけれども、小児の協議会も同様です。難病については前身も含めてうちでも10年くらい協議会をやってきていまして、かなり関係者の顔の見える関係もできていますし、議論も深めてきているのですけれども、小児については手つかずの状態です。ここ1~2年、小慢の方の現状把握や相談支援等もしながら、小児の課題について中でも協議しますし、協力機関等とも相談することがふえてきた中で、先日中で話していたのですけれども、小児も協議会が必要ですねという言葉がうちの担当者から出てきました。それは、先日、新宿区の保健所長さんも言っておられたのですけれども、やはり現場にいる者が、その方たちのニーズを把握できることで必要性を感じていけるというのをまさに今感じておりまして、来年度考えていけたらよいなと思うのですけれども、顔の見える関係づくりを進めるというところで協議会は必要なのですが、そのためには現場のニーズを直に感じるような機会を進めていくということもそうですし、国が地方自治体に対して取り組んでいるよい事例等を提供していただくことで進むかなと手ごたえとして感じているので、このとおりなのですけれども、少し意見させていただきました。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。では、根本構成員、お願いします。
○根本構成員 小慢の学習支援の部分ですけれども、10ページですと「(対応の方向性)」の1つ目、2つ目にも書いていただいておりますが、連携ということがどこの部分にも書いてあるのですけれども、多職種やいろいろなところで連携、連携と言われておりますが、具体的に何を連携していくかというところで最近、私どものところで小慢の交流会をやりましたので、その報告がてらさせていただきたいと思います。
交流会では、一応、就学前のお子さんを中心に、教育委員会の医ケア児を担当している部署の先生に来ていただきました。その中で、先生たちが直接お母さんたちから意見や質問、いろいろなお話を聞かれておりまして、実際にお母さんたちも就学に向けてどのような時期にどのような相談をしていいかよくわからないということでアドバイスを求められていました。先生からは、相談を受ける教師側も実際に医ケアや病気を持ったお子さんたちによく接しているわけではなくて、何をお母さんたちに聞いていいのかも実はよくわからないということをおっしゃっていまして、まず、お母さんたちが相談される先生方に自分のお子さんの病気や気にしていただきたいことを理解してもらうところから初めてほしいとおっしゃっていたのと、あとは、お母さんだけではなく必ずもう一人、お父さんであるとか一緒に支援してくださる方複数で相談に行っていただけると、相談された方たちの説明も客観的によくわかるのでというようなことをおっしゃっていました。
あと、たまたまその場には在宅酸素をしているお子さんがいらっしゃいまして、お母さんは就学をするに当たって特別支援学校しかないのかとおっしゃっていたのですけれども、交流会の後、先生とお話をさせていただくと、その先生はずっとその後考えていて、あのお子さんは反応もいいし、学校側で考慮すれば普通学校でも行けるのではないかということをおっしゃっていて、お母さんが気にしていた、例えば、感染症予防の点で普通学校では難しいのではないかとか、あとはお子さんの受け入れ体制が通学区域の学校ではどうかというようなこともあったのですけれども、もしかして隣の学区であれば小さな学校なので、みんなでマスクをして感染症予防やいろいろなことに柔軟に対応できるのではないかということもおっしゃっておりました。それは個別性、今回のまとめの中でも地域に応じたということがいろいろ記載されておりましたけれども、まさに地域に応じた、そのお子さんの住んでいる学区や状況に応じた支援が個別的に考えてできるのかもしれないということがありまして、連携というところでは、今、柏市は小慢に特化した協議会がないのですけれども、それに関連した医ケアのワーキングなどいろいろなものがあったりして、少しずつ顔が見える関係づくりができてきております。そういった関係の中で、自分のところだったらこういうPRができるとか、保健所でしたら就学の相談の周知やつなぎができるというように、少しずついろいろな形で具体的な連携ができていけばいいのかなと思います。
まとまらないですけれども、以上です。
○小国座長 御体験も含めて、貴重な御意見ありがとうございました。
ほかにはございますか。それでは、全体で御意見がございますか。伊藤参考人、よろしくお願いします。
○伊藤参考人 私は、途中から参考人という形で加わったので、それまで積み重ねられた議論全体を承知しているわけではありませんが、どうしても最後に一言、このワーキンググループが終わる前にお願いしておきたいことがあります。
この難病法をつくるときにも患者会はかなり頑張りましたけれども、そのときにも既に不十分な点があるということは承知で法律の成立に向けて努力したわけですが、難病法の最後に附則として5年以内の見直しというのがあります。やってみなければわからないこともいっぱいありますので、5年以内の見直しというところに今回積み残した部分については、その見直しの時期にかけて頑張ろうということを話し合ったわけです。そして事実、見直しの議論が始まる前から、患者各団体はそれぞれにアンケートをとったり、話し合いを持ったり、さまざまな形で5年見直しに何を乗せてもらうか、どこが不十分なのか、さらに新しいものを入れられないのかという議論が重ねられてきました。
そういう中で、目玉ともいうべき問題は、軽症患者をどう対象としていくか。特に、福祉的な支援の対象にしていくかということが大きな課題でした。本当に目玉だと言っていいと思うのですが、そういう患者さんたちのサービスの利用がたくさんいろいろな分野に書かれているわけですし、そういうサービスなり、あるいは専門医療との結びつきを担保するためには、何らかの具体的な対策が必要なのではないか。それが軽症者登録制度だったり、登録カードだったりするということで、議論はそういう方向にいっていたわけですけれども、医療研究のワーキングでも確かに議論されていますが、それはあくまでも医療面での軽症をどう取り扱うかということが大きな中心になっておりますが、これだけたくさんの患者も使えるサービスあるいはさまざまな支援があるにもかかわらず、このサービスの活用や支援を本当にごく簡単に受けられる仕組みにするためにというよりも、むしろそれを進める医療側、診断書を書くような医師、指導するべき医師あるいは親切に相談に乗ってくれるべき行政の窓口の方々がどのように理解するかを促進するためにも、一目瞭然でわかるカードが必要だと私どもは考えているわけですが、それに対して冒頭、両方のワーキンググループに係る課題については合同委員会で考えてくださいみたいな話なのですけれども、私はそうではなくて、医療研究のワーキングには登録カードの問題が具体的に出ているわけですから、ぜひ地域共生のところでもしっかりと今後の展開を担保するためにも、難病患者の登録制あるいは軽症患者に対する医療の現場や行政の窓口で理解してもらうための何らかのツールの開発をはっきりすると書いていただかないと、患者会としてはここまでの努力は何だったのかということになってしまいますので、書きにくいこともあるのかどうかはちょっとわかりませんが、私どもとしては、ぜひこれを書いていただきたいと思います。
○小国座長 最初のところで書いてはございましたけれども、両方のワーキングに関連するものの大きな1つだと思いますので、そこはもう一つのワーキンググループと同様に、軽症者と言っていいのかわからないのですけれども、難病の方々を網羅するような取り組みというか、登録者カードなのか、制度なのか、そういうものを検討していくことを盛り込むということですよね。よろしいでしょうか。
○領五難病対策課長補佐 この後ほかの構成員の方から御意見があれば御議論いただければと思いますが、伊藤参考人の御指摘は、福祉支援に限らず、この地域共生ワーキンググループで取り扱われている事項全体についてということでよろしいでしょうか。
○伊藤参考人 福祉のところしかよく見ていないのですけれども、そういうものがあれば全体としてはもっと前に進むのではないかということと、その場合、小慢を取り残していいのかということにも気がついたのですが、そのようなことで何かここで文言として詳しいものを載せられる可能性があればお願いしたいということです。
○領五難病対策課長補佐 現時点の案でございますけれども、福祉支援につきましては8ページの最後のパラグラフで、医療費助成の受給の有無にかかわらず難病患者が利用できる支援があること等について周知の強化を図るべきであると書いてありますので、例えば、この箇所を少し修正するのか、あるいは全体についてということですと、基本的な考え方の4ページですが、3つ目の○「その際には、現に医療費助成を受けている患者等のみならず、同じ指定難病や小児慢性特定疾病にかかっている患者やその保護者が、広く支援を受けることができるようにしていくことも重要であると」書いてありますので、ここによりサービスが届きやすいようなツールというか具体的な仕組み、工夫について検討していくことが重要であるといった形での書き方も考えられるかなと思いますので、御議論をいただければと思います。
○小国座長 「第2 基本的な考え方」の3番目の○に入れるか、あるいは8ページの上から2つ目の○に入れるかということですが、御意見どうでしょうか。まだ、本格的にどうしていくかという具体的なこともこれからやらなければいけないことを考えますと、「第2 基本的な考え方」の3番目の○の後に、さっきおっしゃった御提案を入れていくということではいかがでしょうか。
○本間構成員 軽症者登録は今、伊藤参考人がおっしゃったのと、就労支援の例の法定雇用率でも障害者手帳にかわる証明書になり得るわけなので、その辺も含むと全体が含まれるという意味で、4ページのほうがいいと思います。
○小国座長 ほかの方はいかがでしょうか。では、4ページの3番目の○の後に先ほど御提案してくださった文言を入れるということでいきたいと思います。
ほかに全体的なことで御意見ございますか。小倉構成員、お願いします。
○小倉構成員 全体的ではなくて1個前に戻ってしまって申しわけないのですけれども、先ほど根本構成員から、小児慢性特定疾病の個別のケースに対してかかわる人たちの個別ミーティング、ケースカンファレンスのようなものを念入りにする必要性と、その後の地域の顔の見える関係づくりというお話があったと思うのですけれども、現在、福祉と教育の連携で、「トライアングル」プロジェクトが始まっていますが、そういうものも活用しながら、個別支援計画をケースのレベルでしっかりやっていくことと、協議会のレベルで地域の課題を共有しながら使える資源をシェアしていくというか有効活用していくという、ちょっと次元の違うかかわり方が必要だと思います。ケースに対しての顔の見える関係性づくりであったり、教育との連携であったりというところも何かしら少し入れていただけると良いと思いましたので、済みません一言だけ。
○小国座長 具体的には、11ページの顔の見える関係づくりのところに「地域の課題を共有し、地域の状況を評価し」という前にですか。地域、学校、どういうふうに入れるという御提案でしょうか。顔の見える関係づくりの前に。
○小倉構成員 「地域レベルにおいては」で、この流れがそのまま協議会の話になっていくので、この間に個別支援計画なりを使いながら、個別の患者さんに対しての支援を関係者が相談するような連携、個別の連携というレベルを1つ挿入してもいいのかなと思ったのですが。
○小国座長 個別の関係を連携していくということですね。
○小倉構成員 個別支援計画については、たしか教育領域と福祉領域で使用される用語がちょっと違っていたと思うので、そこは適切な用語を用いて、個別支援に関する対応についても書いていただいたらと思います。
○領五難病対策課長補佐 事務局でございます。個別の支援のニーズの把握や把握した上での関係者が連携した支援の重要性ということかと思いますが、10ページの「(対応の方向性)」の1つ目の○が、どちらかというと個別の児童の皆さんへの支援という文脈になりますので、そこの表現ぶりを工夫するということでよろしいでしょうか。
○小倉構成員 それで結構です。お願いします。
○小国座長 それでは、その形で修正をしていただければと思います。
ほかにはどうでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本日の議事はここまでといたします。本日いただいた御意見を踏まえまして、事務局で追記・修正などをお願いいたします。今後の取り扱いについては、座長である私に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○小国座長 ありがとうございます。
最後に、事務局からお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 構成員の皆様におかれましては、長きにわたり活発に御議論をいただきまして、まことにありがとうございます。
最後に、宮嵜健康局長より一言御挨拶をさせていただきます。
○宮嵜健康局長 健康局長でございます。
本日は、構成員の皆様方には、本当に年末迫ったお忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。また、小国座長初め、各構成員の先生方におかれましては、5回にわたりまして精力的に御議論いただきましたこと、この場をおかりして御礼申し上げる次第でございます。
このワーキンググループでは、今ずっと御議論がありましたが、難病の相談支援センターや地域協議会のあり方、あるいは福祉支援・就労支援の方策について、あるいは小児慢性特定疾病児童等に対する自立支援事業の活性化など、さまざまな論点につきまして、それぞれ御専門のお立場から多くの御意見をちょうだいしたところでございます。
本日は、幾つか宿題をいただいておりますけれども、おおむね御了解いただいた形で、また座長と御相談させていただいてとりまとめる形になろうかと思いますが、これにつきましては、もう一つの研究医療ワーキンググループのとりまとめとあわせて、合同委員会に報告させていただきたいと考えております。2つのワーキンググループで御議論いただいた事項は相互に関連するものもございますので、とりまとめにおいて引き続き検討すべきとされた事項を中心に、合同委員会においてさらに深掘りしていただく、御議論を進めていただくということを考えております。本ワーキンググループの構成員の中にも、合同委員会の委員になっていただいている方がいらっしゃいますので、引き続き活発な御議論をいただければと思っております。
簡単ではございますが、御礼の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○小国座長 ありがとうございました。
本日は、以上で終了いたします。皆様ありがとうございました。