難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第4回)議事録

日時

令和元年11月18日(月)13:00~15:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンターホール14E(14階)

議事録

 
○田中難病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第4回「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日の出席状況でございますが、加治構成員及び森構成員より御欠席の御連絡をいただいております。また、小倉委員は、少しおくれて御参加と伺っております。
参考人として、前回のワーキンググループ同様に、森構成員と同じ日本難病・疾病団体協議会理事の伊藤たてお様に御出席をいただいております。
さらに、本日は、前回のワーキンググループで福島構成員より御提案のありました、慢性疾病児童等地域支援協議会の取り組みを御紹介いただくため、青森市保健所健康づくり推進課保健師の伊藤麻乃様にも参考人として御出席をいただいております。
加えて、オブザーバーとして、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課、濱谷課長補佐、厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室、秋場室長補佐に御出席をいただいております。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
(カメラ退出)
○田中難病対策課長補佐 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、小国座長にお願いします。
○小国座長 初めに、本日のワーキンググループでは、前回同様、タブレットを使用し、議事を進めてまいります。使用方法に御不明点があれば、御遠慮なく挙手をお願いいたします。
ほかに開かない方はいらっしゃいますか。
それでは、資料の確認をお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 タブレットのフォルダ内の資料一覧をごらんください。タブレット内の本体資料として、議事次第、構成員名簿、参考人名簿に続きまして、資料1(青森市 伊藤参考人提出資料)、資料2(難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループとりまとめ(素案))を御用意しております。
また、参考資料として、前回ワーキンググループまでの御意見をまとめた資料を御用意しております。
なお、机上には参考までに5月15日の合同委員会でお示しした事務局資料をファイルに入れて御用意しております。
過不足等がございましたら、挙手をお願いいたします。
また、今回のワーキンググループでは、座長と協議の上、初めに、小児慢性特定疾病児童等の自立支援事業について、関連する慢性疾病児童等地域支援協議会を含め、現場の取り組み状況を御報告いただいた上で、自立支援事業への展開のあり方などについて、さらなる議論を深めていただきたいと考えております。
その後「具体的な論点の検討について」ということで、事務局が作成したワーキンググループのとりまとめ(素案)を用いて、議論を進めさせていただきたいと考えております。
事務局からは以上になります。
○小国座長 それでは、早速、議事(1)の「関係者からのヒアリング」に入ります。
青森市保健所健康づくり推進課の伊藤麻乃参考人から、15分程度で御発表をお願いいたします。
○伊藤(麻)参考人 青森市保健所から参りました、小児慢性特定疾病児童等自立支援事業を担当しております保健師の伊藤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、このような場にお声がけいただきまして、大変光栄であります。大変恐縮ではありますが、一保健師として現場の取り組みを御紹介したいと思いますので、よろしくお願いします。
では、資料を開いていただきまして、資料1、2ページ目のほうからお願いいたします。
青森市の概要を簡単に説明いたしますけれども、青森市につきましては、青森県の県庁所在地であります。平成18年度から中核市となっておりまして、保健所が設置されております。
人口等の数値はごらんのとおりなのですけれども、少子高齢化に加え、短命というところも本市の大きな課題となっておるところでありました。
次の3ページ目です。本市の保健福祉分野の組織体制を御紹介いたします。
平成29年度に機構改革がありまして、健康福祉部という1つの部を福祉部と保健部という2つの部に分けて再編いたしております。保健部は、中核市保健所としての業務を行うとともに、母子保健から成人保健までの市民の健康づくりの活動全般を担っております。
現在、来年4月からの母子健康包括支援センターの開設に向けて動いておりまして、改修工事などを行っておるところでありました。
福祉部の子育て相談を担う子ども支援センターと、保健部の健康づくり推進課にあります母子保健チーム、こちらが1つに統合されまして、妊娠期から子育て期の支援というところを行っていくことになっております。
小慢の児童等への支援につきましても、これまでどおり、母子保健チームの地区担当保健師及び医療費支給事業の事務担当と、自立支援事業の担当の私と、あとは、小児慢性特定疾病児童等自立支援員が1名おりますので、その者が連携して行っていく予定であります。
次の4ページ目です。本市の母子保健事業ということで載せておりますが、上のほうが母子保健事業、下が医療費助成ということで載せておりますけれども、本市では母子保健事業と医療費の助成事務を1つの健康づくり推進課で一元的に行っております。疾病のある子もない子も、切れ目なく支援を行っていくことに努めております。
次のページです。それでは、本題に入りまして、本市における小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について、3つの取り組みを御紹介いたします。
資料の6ページに参ります。
取り組みの御紹介をする前に、本市の小児慢性特定疾病医療費受給者の状況になります。受給者数は平成31年3月31日現在で288名でした。疾患群別に見ますと、慢性心疾患が91人と最も多い状況です。次いで、内分泌疾患が51人、悪性新生物が32人という状況になっております。
次のスライドをごらんください。7ページです。
それでは、1つ目の取り組み「小児慢性特定疾病児童等自立支援員による相談」について御説明いたします。
自立支援員につきましては、平成27年度から嘱託職員として健康づくり推進課に看護師1名を配置しております。
対象者への支援といたしましては、窓口での相談支援、家庭訪問での相談支援などがございますけれども、一番大事にしているところは、小児慢性特定疾病医療費支給の新規または更新の申請時に対象者の方や御家族の方が窓口にいらっしゃいますので、その際に顔を合わせて面談できる場とそのタイミングが対象者のニーズを捉える大事な機会となっておりますので、その際にも、できるだけ対象者の方、御家族の方の状況確認を行うとともに、一人一人の状況に応じて助言をしているところであります。
御家族から相談がある場合ももちろんありますし、それはもとより、医療機関から提出されます療育指導連絡票に対応して支援することもございます。
次の8ページです。平成30年度の自立支援員の相談支援の実績になります。
相談対象者といたしましては、去年は189名に支援しておりました。
相談内容といたしましては、医療費支給の申請に関する相談が最も多かったです。次いで、医療について、家庭看護についての相談が多い状況にありました。
次のスライドです。9ページ目に「相談支援の実際」とありますけれども、こちらは自立支援員に寄せられた相談を簡単に載せました。
例えば保育所に関してであれば、病気があっても保育園に入れるかな、入れる保育園はあるのかなというところ、あとは、相談支援事業所さんにつきましては、自宅で子供の入浴介助ができる事業者さんはありますかとか、そういった相談があります。この相談を受けて、関係機関に適切につながるように支援を行っているところでありました。
次の10ページ目は、2つ目の取り組みを御紹介いたします。
こちらが「小児慢性特定疾病児童等相談支援事業」というものになりますけれども、本市では医師による相談支援と保護者交流会を行っております。気軽に医師の方に相談ができる事業になるのですけれども、保護者交流会のほうは先輩ママの話を聞くことができる会になっておりますので、ピアカウンセリングにもつながっているものになります。病気のこととか、育児全般の悩み・不安の解消につながっている事業になっております。
託児ルームを用意していますので、当日はお子さんをそちらに預けていただいて、ゆっくり参加してもらっています。
さらに、この保護者交流会の同日に、小児慢性特定疾病の専門医、来ているお医者さんによる講演会を抱き合わせで開催しておりまして、市民の方に広く慢性疾病の周知・啓発をする機会にもしております。
次の11ページに行きます。こちらは昨年度の講演会、保護者交流会の様子になります。
保護者交流会のほうからは、感想として、皆さんの体験談、苦労話を聞くことができて安心できましたとか、心強く思いましたとか、そういった声が上がっておりました。思いを共感できる場とか、安心して話せる場というところにつながっているものと捉えております。
次に、12ページ、3つ目「青森市慢性疾病児童等地域支援協議会」の取り組みについて御説明いたします。
本市の協議会は平成26年度に立ち上げられました。4つの役割を掲げておりまして、1つ目は「地域の現状と課題の把握」、2つ目は「地域資源の把握」、3つ目は「課題の明確化」、4つ目は「支援内容の検討」というものを行っております。
次の13ページ、こちらは協議会の構成員についてです。
構成員につきましては、立ち上げ当初は、上のほうから右回りに行きますが、保健所長を初めとして、患者会さんは2つ、糖尿病の患者会さんと心臓病の患者会さんから各1名来ていただくとともに、あとは、青森県の医療ソーシャルワーカー協会、ハローワークさん、青森市養護教諭会さん、青森県の社会福祉士会さん、青森市の障がい者支援課と教育委員会指導課から各1名、計9名で行っておりましたけれども、平成27年に制度改正で当課に自立支援員が加わりましたので、その1名をまず加えまして、そのほか、青森市の保育連合会から1名と庁内の子育て支援課の相談担当者も1名加え、さらに、平成29年度からは、同じ子育て支援課からなのですが、保育の入所の担当者を1名加えまして、現在は計13名で行っております。
次に14ページです。「協議会の取組み内容」を経年的に説明させていただきます。平成26年度からです。
平成26年度は立ち上げ時でしたので、まずは、現状の課題が何なのかというところの共有を行っておりました。患者さん、御家族さんの心のケアのこと、医療費負担のこと、小慢の周知・啓発が足らないのではないかという課題が上がりまして、ただ、検討をしていくためには実態調査がやはり必要なのではないかという話になりました。
そこで、平成27年度には小慢の医療費支給対象者を対象として実態調査・アンケート調査を行いました。結果としては、病児の受け入れ体制の不足、相談窓口の周知不足、医療的ケア児の施設の不足などの課題が浮かび上がりました。
相談窓口の周知不足というところに関してですけれども、相談窓口一覧を掲載しました簡単な冊子をつくりまして、そちらを配布した経緯があります。
その後、平成28年度は、ライフステージに応じた地域資源の把握というテーマで、乳児期、学童期、青年期と時期を分けまして、それぞれの地域資源の情報共有を行いました。
これまでの協議会で浮かび上がっていた保育園の入所の課題というものもありまして、そこをもう少し掘り下げましょうということで、保育園等を対象としまして受け入れに関する調査も行いました。
そのほか、小慢の情報を掲載しました青森市オリジナルの通信があるのですが、きょうは皆様には配付していないのですけれども、こちらの「ふくろう通信」というチラシ物になるのですが、こういうものを作成しまして、御家族の方、保育園、幼稚園、関係機関のほうに情報発信を行っておりました。
次のスライド、15ページです。
青森市の課題の明確化ということがありますが、立ち上げから平成28年度まで3年を経て、これまでの協議会での意見交換とか、実際にやりました実態調査から青森市の課題が明確化されてきまして、大きく4つにまとめるとこのようになるのですけれども、まず1つ目は「就学前の医療的ケア児と家族の支援体制の不足」、2つ目に「現在ある地域資源や相談窓口のわかりにくさ」、3つ目は「子どもの難病に対する地域の理解促進」が足りない。4つ目は「保護者の不安を軽減する支援の不足」があるということが出てきました。
できるところから本当に一つずつ取り組みを進めていこうということで頑張ってやっていたのですけれども、ただ、医療的ケア児に対する支援の課題については、どのように取り組んでいくべきかというところで非常に悩むところがありまして、次の年の取り組みになります。
次に、16ページです。平成29年度からは平成29年度と30年度の2年で医療的ケア児のことをメーンのテーマにして検討しています。
平成29年度は、医療的ケア児の支援体制、支援ネットワークの構築というところに向けて検討しようということになったのですが、障害福祉部門でそれをやるのか、子育て支援部門でやるのか、はたまた保健部門でやるべきなのか、どこの部門がイニシアチブをとるべきなのかというところがなかなか明確ではなかったのですけれども、市としては、どの部門も同じく関係するよねということで、まずは協議会の中でできるものからやっていこうよという考えで方向性を共有しておりました。
できることとして、現在ある地域資源とか、相談窓口がわかりにくいという課題がありましたので、そこの部分について、もっとしっかりと窓口やサポートを案内できるガイドができればいいねという話になりまして、皆様のお手元に配付させてもらっています「慢性疾病や医療的ケアのあるお子さんとご家族のためのご案内 ふくろうガイドブック」、こちらはvol.2になりまして、今年度版になるのですけれども、この前にvol.1がありまして、それが初版になっております。まず、この作成の素案に取りかかったわけです。
作成に当たりましては、他自治体さんのガイドブックも参考にして、どのような情報を入れたらいいのかなとか、御家族が使いやすいようにするにはどうしたらいいか、あとは、保健・福祉以外の教育、就労というところの情報に関しても、1冊にまとめていけたらなという思いでつくっていきました。
次のページは平成30年度の取り組みになります。
平成30年度も医療的ケア児の支援について検討していくわけなのですけれども、この年度は青森県の実態調査もありましたので、その調査の結果の共有もいたしましたし、保育園の入園や就学の具体的な支援というところにも入り込んで検討しておりました。
先ほどの協議会の集大成であります「ふくろうガイドブック」のvol.1がようやくここで完成いたしました。
A3ページの次の次のページに目次がありますので、ごらんになっていただくとわかると思うのですけれども、医療制度、相談窓口、あとは、子育て支援事業、障害福祉サービス、保育園、学校、患者会さん、就労のことまで、全ての情報を項目ごとにわかりやすくこの1冊にまとめております。使いやすく項目ごとに載せたというところがポイントです。
あとは、親しみやすい雰囲気で構成するよう努めまして、4ページ、5ページを少し見ていただくとわかるのですけれども、相談事例というものも入れまして、Aちゃんにはこういう症状があって、こういうところが困っていて、でも、こういうところに相談して、こういうサポートを使っていますという事例も載せて、親しみやすいような形でつくっております。
このガイドブックは、協議会の思いが本当に強く込められた冊子となっておりまして、保護者の方とか関係機関の方にお配りしたところ、すごく使いやすいですねとか、勉強になりますということで、保護者の方だけでなくて、支援者の方からも使いやすいと高評価をいただいておりました。
次の18ページです。
「協議会を通じて生まれたこと」といたしまして、開催してきて、やってきてよかったなと思うところですけれども、1つ目には、関係機関と信頼性のあるネットワークが構築されたこと。
2つ目には、患者会さんや現場の支援者の方の生の声を聞くことができて、今、まさに困っている課題が把握できたこと。
3つ目には、それらの生の声をいただくことによって、相談窓口の周知不足の課題ですとか、我々が今後取り組んでいくべき課題が明確化されたこと。
4つ目には、課題がはっきりすることで、より使いやすく、わかりやすい「ふくろうガイドブック」ができたこと。
これらが最も大きな成果だなと考えております。
次の19ページ「協議会の取組み内容」は、最後に、今年度の取り組みです。
今年度は「関係機関の連携促進や支援体制の充実」というテーマで、各関係機関の支援の現状を再確認するとともに、もう一つつくったものがありまして、それが今お手元にあります「ふくろうガイドブック」vol.2の最初に折り込んで入れてありますA3のカラーのページになるのですが、こちらが「慢性疾病や医療的ケアのあるお子さんとご家族の支援体制」という支援体制図になるのですけれども、こちらを作成しています。
窓口の周知不足というところをさらに解消したくて、今後、お子さんが成長していく過程の中で利用する可能性のあるサービスというのを、一目で見てわかるようなツールが欲しいなと思いまして作成してみました。「ふくろうガイドブック」のページも一緒に載せて、詳しい内容の部分は「ふくろうガイドブック」のページを見てくださいという感じで、ガイドブックの最初のほうのページに差し込んで、vol.2として更新しました。
以上、青森市の取り組みになります。
この「ふくろうガイドブック」ですが、ふくろうは青森市の市の鳥なのです。疾病のある方、ない方、お子さんに幸せがやってくるようにという願いを込めてふくろうのマークを作成して、小慢のマークにしています。そのふくろうから「ふくろうガイドブック」という名前で作成したものになりますということで、紹介でした。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
本当に漸進的なとても活力のある活動をされていて、非常に参考になりました。
ただいまの伊藤参考人の発表について、御質問、御意見がございましたら、お願いいたします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
貴重なお話、どうもありがとうございました。
この「ふくろうガイドブック」ですけれども、縦割りの支援を超える強力なツールになるのではないかということで大変参考になりました。ありがとうございます。
2つほどお聞きします。1点目は、今後、取り組むべき課題が明確化されたということで、具体的に自立支援事業の任意事業の立ち上げについて、検討に入っていくことになる段階なのかなとお聞きしたのですけれども、厚労省で描いたポンチ絵にも描かれている地域協議会と自立支援員の果たす役割であるとか、それから、自立支援事業の任意事業の立ち上げのスキームについて、今、うまく回っている自治体は非常に少ないのかなという認識を私は持っています。実施主体から見て、任意事業の立ち上げを展開するために国としてどういった支援があればいいのか、国に対する要望であるとか、あるいはそのスキームのどこを変えればうまく回るようになるのかというあたりについて、御意見がもしございましたら、お聞かせいただければと思います。
2点目は、中核市でいらっしゃる青森市さんの取り組みについてお聞きしたのですが、青森県との協働や連携などについて、何かありましたら御教授ください。
○小国座長 伊藤様、よろしくお願いいたします。
○伊藤(麻)参考人 任意事業なのですが、今、青森市のほうでも今々にこれを任意事業として始めようというところまでの検討までも至っていない状況ではあるのですけれども、先ほど御紹介させてもらった取り組みを本当に一つずつできるところからということでやっています。
ただ、課題として、まだこの辺はできていないよね、ただ、市としてやるのはまだ難しいよねという課題はやはり残っておりまして、例えば、これは県の担いになってくるのかなとは思うのですが、移行期医療のサポートの支援体制とか、医療的ケア児を預かる施設がまだ足りないというところ、あと、今、例えば看護師さんや、医療的ケアの必要なお子さんを支援するコーディネーターの方の研修も県のほうでやっている状態なのですけれども、その研修に行くことすら大変なのですというお声も聞いているので、そういうところはすぐに進むのはなかなか難しいのだなというところはあります。
そういう課題がまだ残っているということは把握しているのですけれども、今、そこを市として任意事業でやっていこうというところの話はまだできてはいなくて、そこは私たちもまた任意事業というところで、では、できるところは何なのかというところは、これからのお話になってくるかなと思います。
ちょっと答えにはならないのですが、済みません。
○小国座長 それでは、2点目の県との連携はいかがでしょうか。
○伊藤(麻)参考人 アンケート調査は、先ほどちょっと御紹介させてもらった、青森県でやっている医療的ケア児の調査には協力をさせていただいていまして、市で把握しているお子さん、御家族のほうに調査のお願いをして、調査用紙を郵送させてもらったり、あとは、別の話にはなるのですが、私たちも医療的ケア児の協議会が今後どのように進んでいくのかなというところはすごく心配があったのですけれども、ようやく今年度、青森県のほうで医療的ケア児の協議会を立ち上げて、青森市も県の協議会に出席するという話になっておりましたので、医療的ケア児のところ、小慢のお子さんも対象になっている方がいらっしゃいますので、この協議会でも連携していけているのかなと思っております。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかには。
では、高橋先生、どうぞ。
○高橋(昭)構成員 栃木県うりずんの高橋と申します。
この「ふくろうガイドブック」はとてもよくできていますし、内容を拝見したところ、10の災害時とか緊急時にまで結構踏み込んでいらっしゃって、私も医療的ケアが必要なお子さんの在宅医療とかお預かりをやっているのですが、実際にそういったお子さんが地域にいるということがなかなか周知されていないし、個人情報の壁があってなかなか難しいところもあるのですが、38ページ目は、避難行動要支援者、つまり、自分で避難することが難しい、支援が必要な方に関しては「災害時には、同意の有無に関わらず避難支援等関係者へ名簿を提供します」と。ここは結構調整が要ったのではないかなと思い、その御苦労などをお聞かせ願えればと思います。
○小国座長 どうぞ。
○伊藤(麻)参考人 実はこちらは本当に御案内ということでこのガイドブックにお載せしたのですけれども、実際のこの制度自体を私たちと支援制度を担当している課とですごくもんだというわけではなくて、そこも今、実はすごく課題として残っておりまして、例えば、こちらで把握している対象者の皆さんをこの制度にどのようにつなげていくかという話し合いまではまだちょっとできておらず、今のところは、まず周知という部分にとどまっております。なので、今は、まずは、こういうものがありますよというところを知ってもらうという段階かなと思っております。
では、実際にこういう方がいらっしゃって、それこそ人工呼吸器の電源はどの施設、どの避難所にあるのかとか、実際、そこのところが大事になってくるのかなと思って、この前、確認してみたのですけれども、災害担当と障害のある方の災害担当をまた別のところでやっているというのが大変難しいところで、そことそこがちゃんとつながっているかというところが、私が第三者の課になるので、そこが庁内でうまくできているかというところは、しっかりと最後まではまだ確認できていないというか、まだとどまっているところがあるので、そこはちょっと私も課題かなとは思っているところです。
○小国座長 では、伊藤参考人、よろしくお願いします。
○伊藤(た)参考人 御案内いただいたときに「伊藤参考人」と書いてあったので、びっくりして、まだ資料はつくっていないよと思ったのですけれども、違ってよかったです。
私は北海道の難病連で長い間活動していて、近いせいか青森にはよく呼ばれていたのです。ただ、当時、小児のことはまだ余りわからなかったのですが、幾つかお伺いしたいことがあります。
1つは、北海道では、政令の保健所であっても、難病の担当をする課というのがあるのですが、青森市ではどこの課が担当しておられるのか、ちょっと教えていただければということ。
それから、難病に関しても、就職サポーターのところには難病就職サポーターがあるのですが、何か特に法律でやらなければならないという義務はないかとは思うのですけれども、そういう相談が紛れるのではないかという感じがしておりますので、ちょっと聞きたいということです。
もう一点は、小慢の中で膠原病というのは病気として登録されていますけれども、難病対策とこの小児慢性特定疾病対策はずっとダブっているところが随分あるのですが、研究その他もあって、この登録というのは結構奨励しているわけですけれども、小慢以外の難病のほうでの登録というのは進められているのかどうか。これはほかのところもかかわるものですから、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
それから、このパンフレットも慢性疾病と医療的ケアということになっているのですが、これは慢性疾病というより、小児慢性特定疾病のことを言っておられるのかどうかもお聞かせください。
それから、アンケートの中で医療に関しての相談があるのですが、これは医療費助成みたいなことについての相談というのはなかったのでしょうか。
それから、私、先ほど言ったように、随分長い間に何度も青森の患者団体の方々といろいろなことで一緒に取り組んでいて、みつばち会なんかは載っているのですけれども、実際、青森県難病連との関係というのはあるのでしょうか。それとも、最近、余り活発でないから、この際、抜かれてしまったのかなとも思うのですが、何かそこらあたりの情報がありましたら、私たちのほうでも取り組みたいので、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
以上です。たくさん言いまして、失礼しました。
○小国座長 では、伊藤参考人、よろしくお願いいたします。
○伊藤(麻)参考人 難病患者さんへの支援というところになりますけれども、私の資料の3ページの組織体制のところで、健康づくり推進課と同じ保健部の最初のところに保健予防課というところがあります。こちらが難病対策とか感染予防の担当課になるのですけれども、こちらで難病患者さんへの支援は行っております。配置としては同じ保健所内の隣の課なので、何かあればすぐ聞きに行けるような連携しやすい状況になっております。
次に、就職サポートの方、実は青森市の協議会も、就業の課題に対しまして難病のサポーターさんに来てもらった時期がありまして、ハローワークさんのほうから紹介していただいて、来てもらっています。
障害福祉の担当は福祉部の障がい者支援課というところで行っておりまして、まず、成人になられた方のお仕事の御相談となると、やはりハローワークさんとか障がい者支援課、そして、青森市の相談支援事業所さんの直接の相談という形で相談窓口はあります。
保健部で就業のサポーターさんに直接何かお願いするということはないのですけれども、もちろん、うちの窓口にそういった就職のことでとかというお話があれば、そういった窓口、ハローワークの就職サポーターの方を御紹介したりという流れになっていきます。
3つ目、ごめんなさい。
○小国座長 小慢の難病と登録ということに関して、きちんと登録をされているのかどうかというようなことだったのですが。
○伊藤(麻)参考人 登録というのは、ごめんなさい。
○伊藤(た)参考人 難病の登録制度があるわけですね。小慢とダブっているのですが、多分、小慢であっても、難病の研究その他のためには登録していただきたいというお願いをしているのだと思います。医療費助成では小慢のほうが有利なのだと思いますが、例えば、そういう相談などがあったときに、難病との連携というのは進めておられるのかという意味です。
○伊藤(麻)参考人 そのあたりは、難病のほうに移行する年齢もありますよね。
○伊藤(た)参考人 難病のほうは年齢制限はないのです。
○伊藤(麻)参考人 小慢のほうが18歳までで、20歳までの方もいらっしゃいますし、その移行の部分で、では、次は難病ですねということで難病の対象になったりですとか、あとは、難病の疾患でなくなる方もいる。なくなる方といいますか、小慢の疾患である方がそのまま難病に移行できないという方もいらっしゃいますので、その方が登録にはならないという形になりますかね。
○伊藤(た)参考人 登録しない。
○伊藤(麻)参考人 ごめんなさい。ちょっと私もその登録というのが。
○小国座長 あと、このパンフレットに慢性疾病と書いてありますけれども、これは小慢のことですね。
○伊藤(麻)参考人 そうですね。小児慢性特定疾病なのですけれども、小慢の対象者の方にかかわらずという形で、例えば、御病気を持っていて、発達障害もあってとかの方にもこれはもちろん差し上げていますし、小児慢性特定疾病の対象にならない疾病をお持ちの方で寝たきりの方もいらっしゃるので、そういう方にも差し上げています。
次は医療費。
○小国座長 医療費助成という相談業務の中で、医療費助成の相談はなかったのでしょうかということですね。
○伊藤(た)参考人 アンケートの中で医療というのはあるのですけれども、医療費助成にかかわることも含めてということなのか、純粋に医療の問題なのかということをお聞きしたかったのです。
○伊藤(麻)参考人 先ほどお話ししたように、小児慢性特定疾病で医療費の助成対象になっていたのに、19歳からは医療費はどうなるのですかといった相談はございます。
○小国座長 あと、青森県難病連との連携はどうか。
○伊藤(麻)参考人 そちらになると、難病の担当が保健予防課になっておりまして、県の難病連さんとのかかわりというところは、こちらの課としてはなかったです。
○小国座長 どうぞ。
○伊藤(た)参考人 よく誤解されるのですが、難病対策というと大人の難病という言い方をされるのですけれども、年齢に制限を設けていないということと、難病連というのは、子供の病気の団体から大人の病気の団体まで一緒になって県内で活動しておりますので、これはお願いになりますが、ぜひ気にとめておいていただければと思います。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかにはございますでしょうか。
田中構成員、お願いします。
○田中構成員 滋賀県の東近江保健所の田中と申します。
この「ふくろうガイドブック」は、本当に患者さんと御家族の欲しい情報を載せるという視点で、すごくいいものをつくられているなと思いました。ありがとうございました。
質問は、協議会のメンバー構成についてなのですが、検討されて、今、このメンバーになっていると思うのですが、協議会をしようと思うと、うちだと必ず医師会という、やはり医療機関がすごく大事になりますし、地域でと考えていくと、医師会さんに入っていただくということが大前提になってきてしまうのですけれども、青森市さんの場合は、医療のところはソーシャルワーカー協会のソーシャルワーカーさんに入っていただいているのだなということがすごく新鮮でして、このあたりを少し教えていただけるといいなと思うのと、小慢の中の地域の核となる医療機関さんに入っていただくと、うまくいったりするのかなと思いながらお聞かせいただいたのですが、そのあたりも教えていただけるとありがたいなと思います。
○小国座長 どうぞ。
○伊藤(麻)参考人 本当にそうですね。我々もぜひ地域のお医者さんに入っていただきたいなというところではあったのですが、医師会さんのほうにも一度お話しさせてはもらったのですけれども、その当時はちょうどよく引き受けてくださるお医者さんの方がいらっしゃらなかったのです。
うちの保健所長が小児科の医師をしておりましたので、医療の現場というところでは、まずは保健所長のほうから現在も実際に小慢の方の診察をしているお医者さんと連携を図っていますので、今の現場ではこういう問題が課題になっているよとかというお話は所長のほうからも聞けております。
あと、県の医療ソーシャルワーカー協会からソーシャルワーカーの方にいらしていただいておりますが、本当にこの方も、お子さんの支援というのは、本当に最近になってから大分力を入れてやり始めたというお話があるのですけれども、成人の方の治療、生活、就労、その辺まで本当に網羅していらっしゃいますので、とても貴重な御意見をたくさんいただけます。
本当に治療ということだけにかかわらず、その方のその後のモニタリングのお話とか、ソーシャルワーカーさんとハローワークさんの就労のサポーターさんとがつながっていますとか、そういった話も伺うことができますし、構成員としては本当に心強い一員という形になります。
○小国座長 よろしいでしょうか。
では、江口構成員、お願いします。
○江口構成員 北里大学の江口と申します。
非常に興味深い発表をありがとうございました。
1点お聞きしたいのですが、288人受給されていて、その人たちが主にかかわられる対象だと思うのですが、その中で、例えば、保護者の就労の継続に影響があるような方というのは、私は産業保健をやっているので、自分としては結構大きく捉えるのですけれども、ただ、実態としてそれほどニーズがあるものなのかどうなのかというのは、青森市さんぐらいの規模だとどんな感じなのでしょうか。
○伊藤(麻)参考人 実際、仕事を続けられないですという相談はありました。放課後デイサービスの空きがない。空きがあったとしても、学校から遠い場所であるとか、あとは、保育園もそうなのですけれども、そこの空き状況、通所ができなくて本当に仕事をやめなければならないですという相談は確かにありました。
その場合も、どうしてもある施設しかないので、空いている施設をお伝えするしかないのですが、お母さん方も就労先の方に大分相談はしてきてくれているのですが、そういう声はあります。
○江口構成員 年に数件程度のイメージですか。
○伊藤(麻)参考人 そうですね。そのぐらいです。
○小国座長 どうぞ。
○伊藤(た)参考人 1点忘れていたので、済みません。
難病患者の福祉サービスについては、今、障害者手帳がなくても、総合支援法の支援区分に合致すれば、国の福祉サービスというのはいろいろ利用できるわけですね。特に小さいお子さんなどは、電動の車椅子とかさまざまなコミュニケーション機器とか、いろいろな問題があると思いますが、活用できると思いますので、総合支援法はここでいくと福祉課の仕事になると思いますけれども、ぜひそちらのほうもちょっと目を配っていただければと。やることがたくさんあり過ぎて大変でしょうけれども、ちょっとそのこともお願いしておきたいと思います。
○伊藤(麻)参考人 はい。
○小国座長 よろしいでしょうか。
では、次に行きたいと思いますが、ありがとうございました。
それでは「具体的な論点の検討について」に入りたいと思います。
事務局から説明をお願いいたします。
○領五難病対策課長補佐 本日、事務局から、資料2として、今回のワーキンググループの取りまとめの素案ということでお配りさせていただいておりますので、そちらのファイルをお開きいただければと思います。
これまで3回にわたりワーキンググループでいろいろと御議論をいただいてまいりましたので、今回、これまでに頂戴しました御意見を中心に、取りまとめの素案ということで事務局において作成させていただきました。
これは取りまとめの素案ということでございますので、必ずしも全ての御意見について載せられているものではございませんが、特にいろいろ御意見があった点、また、WGの議論の中で方向性がある程度出ているのではないかと思われる点について、中心的に書かせていただいております。
お開きいただいて、目次の内容のところでございますけれども、構成としまして「はじめに」と「基本的な考え方」という全体像に加えまして、第3から第6ということで、これまでに御議論いただいた具体的な論点について、それぞれテーマごとにまとめさせていただいております。
では、3ページ目をご覧ください。
「第1 はじめに」につきましては、こちらのワーキンググループが設置されました経緯、これまでの御議論の経過等について、簡単に書かせていただいております。
その下の「第2 基本的な考え方」でございますが、難病患者や小児慢性特定疾病児童等の方々につきましては、医療費助成や治療研究等の医療に関する支援が重要であることは言うまでもありませんけれども、やはり地域共生という観点での支援も重要だということで書かせていただいております。
これまでも何度も御意見を頂戴したかと思いますけれども、やはり皆さん、それぞれの支援ニーズというのは、疾患ごともそうですし、個々の状況に応じてもかなり多様であるということでございますので、こうしたニーズに適切に対応するためには、地域における関係者の関係強化がまずは大事だろうということで、基本的な方向性として書かせていただいております。
3つ目の○でございますが、今回、別途、研究医療ワーキンググループのほうで、医療費助成を受けていない難病患者の方々の、データの登録・提供に関する仕組みについて、御議論いただいておるところですけれども、そういう方々に対して、福祉ですとか、その他の医療以外の支援・サービスについて、どのように届けていくのかということについても、このワーキングでかなり御議論いただいたと思いますので、基本的な考え方として、入れさせていただいております。
その後、4ページ目以降は個別のテーマについてということでございます。
それぞれのテーマごとに、例えば難病相談支援センターですと、4ページ目の冒頭に(これまでの状況)ということで、これまで事務局からお示しさせていただいた資料をごく簡単にまとめるような形で、現状について説明をさせていただいております。
その後、4ページ目の下のほうでございますけれども、(対応の方向性)として、これまでワーキンググループで頂戴しました様々な御意見について、方向性ということでまとめさせていただいております。
これ以後、(対応の方向性)という欄について、簡単に御説明をさせていただきます。
まず、4ページ目、難病相談支援センターについてでございますけれども、やはり難病患者の方々のニーズというのは、疾病の特性、個々の状況等に応じて多様であるということですので、センターが単独で全ての課題を解決するということよりも、地域の関係機関を結ぶハブ的な役割を担い、円滑に支援につなげていくということを目指すべきであろうということを、これまで何度か御議論いただいたと理解しております。
その上で、センターの均てん化・底上げを図るということで、体制づくりを進めていくことが重要でございますし、また、関係者の中でのセンターの認知度を高めていく必要があるだろうという御意見があったと理解しております。
センターの役割に関しましては、保健所で対応が難しい分野について、役割を果たすことが必要なのではないかといった御意見ですとか、ピアサポーターに関する御意見等々も頂戴しましたが、それぞれ地域の実情に応じて独自の取組をされるということは、あるべき姿といいますか、望ましいことではある一方で、どの地域においても患者の方々が適切に支援を受けられるように、国において引き続き好事例の収集等を行うとともに、これを踏まえて、地方自治体の取り組みを促すような具体的な方策について、検討すべきであるということで書かせていただいております。
この辺りは、具体的な御意見等がございましたら、また引き続き頂戴できればと思っております。
センターの周知促進のためには、さらなる周知のための具体策が必要であるということで、前回のワーキンググループになりますけれども、医療機関とか、医療費助成の申請のタイミングを捉えた周知が有効なのではないかということ。そして、難病情報センターの活用に関する御意見等もいただいたということで書かせていただいております。
その次でございますけれども、難病相談支援センター間の連携につきましても、これまで御意見をいただきましたので、そのことについて書かせていただいております。
その次の○でございますけれども、地域協議会をどのように活用していくか、そこが重要であるというような御議論をいただいておりましたので、書かせていただいております。
5ページ目の下からは「2 地域協議会について」ということでございまして、センターと同様に(これまでの状況)をまず簡単に書かせていただいた上で、次の6ページ目に(対応の方向性)ということで素案を示させていただいております。
地域協議会につきましては、これ自体が目的ということではなく、地域において適切な支援を行っていくために、どのように活用していくのかという視点が重要だという御指摘がございました。
そして、地域での顔の見える関係づくりということと、これも前回出た御意見だったと思いますが、特に都道府県レベルの協議会におきましては、地域の状況を評価して、課題解決につなげていく場という役割も必要だろうという御意見があったということでございます。
また、これまでのヒアリングやその後の御議論でもございましたが、本体の会合を年に1回ということだけではなくて、必要に応じてさまざまなレベルでの会合というのが望ましいであろうということでございます。
その次は、まだ地域協議会について未設置の自治体があるということでございますので、まずは地方自治体に必要性を認識していただくということと、ニーズ把握を進める中で取り組むべきことが明らかになり、そうなれば設置が進むのではないかという御意見があったと承知をしております。
地域協議会の取組について、さらに対策を促進するためには、やはり国においても活性化を促すような具体的な方策をきちんととるべきであろうということで入れさせていただいております。
6ページ目の下からは「第4 福祉支援について」ということでございます。
(これまでの状況)としまして、障害者総合支援法の経緯などを書かせていただいておりまして、7ページ目に(対応の方向性)ということで、この点については、やはり周知が課題だという御意見がこれまでもございましたので、例えば「難病」という用語を用いた周知など、わかりやすい周知をしていくべきであるということと、患者側のみならず、関係者、医療機関も含めた支援者側に対する周知が重要だということで書かせていただいております。
その次が「第5 就労支援について」ということでございまして、これまでも難病患者就職サポーター等によるきめ細やかな支援を行ってきておりますし、これからもそれがまずは必要であるということでございます。
7ページ目の(対応の方向性)でございますが、まずは、これまでやってきたことを続けていくということでございますが、それに当たって、ハローワークと難病相談支援センターによる支援の充実を図ることが必要だということでございます。
次のページでございますけれども、就労というものは、医療機関によっては就労支援機関との直接のつながりがない場合もございますので、難病相談支援センターのつなぐ機能が重要なのではないかということでございます。
その次の○でございますが、これは過去のヒアリングやワーキングでもかなり御意見がございましたが、難病患者さん御自身が、症状とか配慮事項について、説明が難しい場合があるということでございますので、そこをつなぐことができるようなツールの開発や普及が必要であるということでございます。
次の○でございますけれども、就労の支援に当たりましては、新規の場合と継続の場合は少し分けて考える必要があるだろうということで、関係者も少し異なってくるのではないかという御指摘がございました。
新規の場合はハローワーク等がございますし、継続の場合は、それに加えて産業医さんとの連携が必要であろうということで、これもこれまで御議論があったところでございます。
最後の○でございますけれども、地域協議会に就労に関する部会を設置している自治体もあるということで、ヒアリングでいろいろと御紹介もございましたので、このように協議会を活用するということがこの分野においても重要であろうということでございます。
最後のテーマでございますが「第6 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について」でございます。
8ページ目の下のほうから(これまでの状況について)ということで、任意事業が進んでいない現状などにつきまして書かせていただいております。
次の9ページ目の(対応の方向性)ということでございますが、相談支援事業を通じて自立支援員等も関わっていただきながら、まずはニーズや課題を把握していくことが重要であるということ。そのためには、自立支援員のさらなる資質の向上も必要であるということでございます。また、
こうしたニーズや課題を地域の関係者で共有して、まずはそれを積み重ねていくということで、任意事業の企画、実施にもつなげていく必要があるということでございます。
次の○でございますが、未実施の理由を自治体に尋ねますと、実施方法がわからない等としているところもございますので、引き続き国において好事例を周知していくべきであるということでございますが、それでもなお、現在、実施率が決して高いとは言えないというか、低い状況でございますので、単なる好事例の周知にとどまらない具体的な支援が必要なのではないかということで、これまでに御意見をいただいているところでございます。
次の○でございますけれども、医療的ケアが必要となるお子さんや障害児の方も小慢児童の中にはいらっしゃいますので、そういった医療的ケア児や障害児に関する施策との連携の重要性について、このワーキングでかなり御議論いただきました。やはり国と地域、それぞれのレベルにおいて、まずは具体的に連携を強化する取組を行うことが重要であるということも記載しております。
また、特に小慢については、本日、青森市さんから取り組みの御紹介もございましたけれども、地域支援協議会の設置がまだ十分に進んでいないという現状も踏まえまして、まずは国が自治体に対して、その意義について改めて示すということと、必要に応じて他の協議会と共同して開催して差し支えないということについても、改めて周知をすべきだということで書かせていただいております。
次の○でございますが、任意事業の活用を進めるためには、患者の方々はもちろんですけれども、医師や医療機関に事業の存在をまず知ってもらうことが効果的だという御議論がございました。
また、岡山のポケットサポートのヒアリングの中で出てきた点だと思いますが、例えば医療機関とかNPO法人とか、そういう事業をやろうかなという潜在的な支援者に対して、そもそもこういう枠組みがあるのだということが立ち上げのきっかけになるということもございますので、そういうことについても、ここに盛り込ませていただいております。
最後の○でございますけれども、任意事業については、実施主体ごとに取組状況に差があるということで、地域によって利用できるサービスが異なるという現状がございます。その取組の差を解消するためにも、任意事業の共同実施を行う仕組みも必要であるということで、こちらも御意見が出ておりましたので、ここに記載をさせていただいております。
これを踏まえて、本日また御議論をいただければと思っております。
事務局からは以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、資料2のワーキンググループの取りまとめ(素案)の内容を踏まえまして、議論に入りたいと思います。
御説明いただいた各項目の記載内容について、具体的な方策に関しての御意見や過不足がある事項など、御意見、御議論をいただければと思います。
まずは、3ページ目の「第1 はじめに」と「第2 基本的な考え方」というところについて、何か御意見はございますか。
では、福島構成員、お願いします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
これは当たり前過ぎるので書いていないだけなのかもしれないですが、国会が議決している附帯決議の実現を目指すというところがスタートラインであるはずです。完全な実現は難しいのかもしれませんけれども、それを目指すということはやはり盛り込んでいただく必要があるのではないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小国座長 わかりました。
伊藤参考人、お願いいたします。
○伊藤(た)参考人 参考人の伊藤ですが、参考人が余り発言するのもいかがかと思いますけれども、今回の5年での法改正というのは、患者にとっては非常に重要な問題ですので、少し話をする機会をお許しください。
「第1 はじめに」というところですが、これは書き込みは難しいかもしれませんけれども、例えば、就労支援などについては5番目ぐらいに書かれているのですが、「第2 基本的な考え方」は、法改正の考え方、まとめの考え方はこれでいいのだと思うのですけれども、この「はじめに」というところにどう書き込むかということは非常に大切なことだと思います。
その1つは、難病法の理念がどうなのかという問題もありますので、難病法の理念・目的というところを追求するために、この5年見直しを行うのだという姿勢を明確にここで触れるべきではないか。
例えば就労支援のところでは、何となく間違えられるのは、難病患者も働いて金が欲しいのかというような、いわゆる稼働所得の問題と受けとめられたら困るわけです。これは患者の社会参加にとっては非常に大事なことでありますし、尊厳を持って地域で生活していくことのできる、共生社会の実現を目指すとしている難病法から見れば、その中でも最も重要な取り組みであるというような位置づけをしてよいのではないかと思います。
特に近年、さまざまな研究会や学会では、就労問題での発表が非常にたくさん続いております。そういう意味でも、働ける人は働いたらという話ではなくて、病気を持っている人も、社会の一員として働くことができる人は働いていいのだよと。医療とか相談ということだけが問題なのではないということについて意思表示をするために、この「はじめに」のところにそのようなことを書いていただければ、大変ありがたいなと思います。
あと、ついでですからもう一点ですが、次は「第2 基本的な考え方」ですよね。「はじめに」については、そのようなことをお願いします。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。
貴重な御意見をありがとうございました。
続いて「第3 療養生活の環境整備について」の「1 難病相談支援センターについて」と「2 地域協議会について」という項目について、御意見をお願いいたします。
○伊藤(た)参考人 済みません。第2は。
○小国座長 第2はその前だったのですが、どうぞ。
○伊藤(た)参考人 第2の2つ目の○のところに、いろいろなことをやっていますよという中で、厚生労働省としては難病対策の中で難病患者サポート事業をやっているということを載せておいていただければ、今後、もっとこの事業自体も広がりを見せていくのではないかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
○小国座長 ほかにはございますでしょうか。
それでは、難病相談支援センターと地域協議会については、いかがでしょうか。
横内構成員、お願いします。
○横内構成員 千葉県総合難病相談支援センターの横内です。
2つ目の○のところで、同センターには保健師や看護師の資格を持つ難病相談支援員が配置されるという文言があるのですけれども、千葉県はソーシャルワーカーもやっていて、社会福祉士のほうも併記していただければと思います。
以上です。
○小国座長 保健師だけではなくて、社会福祉士もということですね。
○横内構成員 はい。
○小国座長 ほかにはいかがでしょうか。
○伊藤(た)参考人 1つは、5ページの一番上の○のところに難病相談支援センターの均てん化ということが書いてありますが、底上げを図るのはこのままでいいのだと思いますけれども、均てん化というのは、前の難病対策委員会でもいろいろ問題になっていて、この均てん化の意味は何なのだと。そのメリット、デメリットも考えなければならないのではないだろうか。
今、現実に難病相談支援センターはさまざまな形で運営されておりますが、地方の特性が出るような運営も含めて、そこまでを含めて均てん化と言っておられるのかどうか、これは事務局にお伺いしたいところでもあります。
また、相談支援センターの2つ目の○で「保健所では対応が難しい分野において」ということが書かれておりますが、必ずしもそれだけの狭いものではなくて、もっと広い意味があるのではないかとも考えております。
また、医療機関における医療相談、あるいは地域連携の事業などともまたちょっと違った形で、中立的な第三者的なところでの難病相談支援センターの意味があったわけですから、そういう意味では、難病相談支援センターをつくったときの精神に基づいて、その書き方について、何か少し工夫をいただけないかという気がいたします。
その下の○ですけれども、ここも医療ソーシャルワーカーに対する周知が有効というだけではなくて、例えば、これは今ですと介護問題もありますが、さまざまなことで相談に行くと、包括支援センターとか、そういうところに回されることも多くて、少なくともケアマネの方々への周知というのも非常に重要なのではないかと私は思います。特に生活支援とか介護という問題を考えると、重要ではないかと思いますので、そういう言葉を何か入れていただくことはできないだろうかと思います。
ここではそのように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○小国座長 事務局のほうからお願いできますでしょうか。
○領五難病対策課長補佐 ただいま伊藤参考人のほうから御指摘のありました「均てん化」というところでございますが、御指摘のとおり、我々も地域の独自性という点も重要だと考えておりまして、今の素案におきましては、違うパラになって恐縮なのですけれども、5ページ目の上から2つ目の○の上から5行目の「同センターによる支援に当たって、地域の実情に応じた独自性が発揮されることは望ましいが、同時に、どの地域においても、難病患者が適切に支援を受けられるよう」とさせていただいておりまして、このような表現でいいのか、もしくは独自性も重要であるということをもう少し押し出すような表現にしたほうがよろしいのかというところは、もし御意見がありましたら頂戴できればと考えております。
○小国座長 伊藤参考人、お願いいたします。
○伊藤(た)参考人 独自性も過ぎればまた問題があるかと思いますが、均てん化ということを強調するよりはいいかと思います。
○領五難病対策課長補佐 ありがとうございます。
趣旨としては、どの地域においても適切な支援を受けられるという方向性が重要であろうということかと考えておりますので、御意見を踏まえて検討させていただきます。
○小国座長 ほかにはございますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
○城構成員 滋賀県社会就労事業振興センターの城です。
概要の方向性の中で「ハブ的役割」という言葉が二度ほど出てきていると思うのですが、もちろん難病相談支援センターがハブ的な役割を担っていくことはすごく重要なことなのでしょうけれども、地域協議会のことだけではなくて、前回か前々回か少し私もお話しさせていただきましたが、就労のところとか福祉的支援のところとも関連するのでしょうけれども、各地域の障害者自立支援協議会との連動みたいなところも少しどこかで御記入いただくのもありなのかなと思いました。
以上です。
○小国座長 それでは、今の御意見も含めまして、御意見はございますか。
よろしくお願いいたします。
○中田構成員 5ページ目の上から4番目の○に「全国難病センター研究会等を通じた顔の見える関係」と書いてあるのですが、ここでいう「全国難病センター研究会」というのは、これまで事務局から提出された資料の「全国難病センター(仮称)」とは別のものの扱いとして記載されているという理解でよろしいでしょうかという確認と、もし別のものであって、また別に全国難病センターというのを設置されるのであれば、それが今回の各都道府県の難病相談支援センターとどう絡んでくるのかという点について、今後、どのように考えているのかという見解を共有させていただきたいなと思っています。
私個人としては、全国難病センターのように各都道府県の難病相談支援センターを支援する組織であるのであれば、そことの連携は非常に大事になるので、そういったことは重視していく必要があるかなと思いまして、こういったところにも方向性として記載も必要になってくるのかなと思った次第です。
以上です。
○小国座長 では、事務局からお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 御意見ありがとうございました。
今まで事務局のほうで御説明をしている「全国難病センター研究会・研究大会」とこちらは同義でございます。各地のセンターの皆様がお集まりいただいて、さまざまな事例などについて検討を行う、こういった研究会が非常に役立っているという御意見があったかと認識しておりまして、こういった研究会を通じて、顔の見える関係の構築ということで記載しておりますが「研究大会」の間違いです。そこを修正させていただきたいと思います。
○中田構成員 わかりました。
今の説明では、要は、これまで資料で書いてあった「全国難病センター(仮称)」というのは、この報告書の中では「全国難病センター研究会」として記載されているという理解でいいのですよね。
○田中難病対策課長補佐 緑のほうの198ページに「相談支援センターの相談支援員に対する研修等」という表が出ておりまして、今まで私どものところで委託などをして、行っている研修の中に、一番下のところに「全国難病センター研究会・研究大会」というのがございまして、こちらが非常に有効であるという御意見があったので、こういうところを活用していくということで、森構成員のほうから御意見をいただいていた、仮称となっている全国難病センターとは別のものという認識です。
○中田構成員 わかりました。
そうしたら、今後、全国難病センターというのは設置する予定になっているのでしょうか。もしそういうことであれば、そことの関連も大事かなと思ったので、ちょっと確認をさせていただければと思います。
○小国座長 では、伊藤参考人。
○伊藤(た)参考人 実は難病センター研究会というのは民間の団体でして、事務局を私がやっているものですから、そのほうが早いかと思いまして、説明させてもらいます。
これはあくまでも民間の研究会としてやっております。患者団体も、研究者も、相談支援センターの方々も、医療者も一緒になって研究をしていくというところです。
これで「難病相談支援センター」となっていなくて「難病センター」となっているのは、実は30年ぐらい前からずっと全国都道府県に難病センターをつくろうという運動がありまして、実現したのは北海道だけなのですけれども、それを全国に広めていくということと、この難病相談支援センターができたときに、いち早く全国各県にこの相談支援センターをつくろうと、実現させようという運動を起こすということと、相談の質・レベルを上げていこうということを目的とした研究会、あくまでもこれは民間の研究会のことで、ただし、厚生労働省の難病患者サポート事業からの補助金をいただいているということで進めております。
○田中難病対策課長補佐 「(仮称)全国難病センター」については、森構成員のほうからは、センターの相談員が困った事例などについて、相談できるような体制を構築する必要があるということで、全国難病相談支援センターの構築を希望されるという御意見があったかと思うのですけれども、事務局としては、そういった相談できる体制というのは、あわせて、こちらにある難病相談支援センター間の連携を促進することも重要であると。他方で、難病相談支援センター間のネットワークシステムは問題があるというのですが、こういった活用をすることで、困難な事例、それぞれの難しい事例について回答できるようなシステムを構築することを目指したいと思っています。
○中田構成員 わかりました。
○小国座長 ほかに御意見はございますでしょうか。
では、田中構成員、お願いします。
○田中構成員 滋賀県の田中です。
5ページの3つ目の「難病相談支援センターの周知促進」のところの2行目なのですが「具体的には、指定医療機関へのポスター掲示」等、指定医の先生に周知するということは本当にすごく大事だなと思うのですけれども、表現としては「指定医療機関」というのは多分なくて、指定医のおられる医療機関なのか、さらに、今までのこの会議では出てこなかったのですが、難病医療連絡協議会であるとか、難病医療拠点病院とか協力病院への周知というか、そこの協力等が入ってくると、なお周知できるのではないかなということを思いましたので、追加で発言させていただきます。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかにはございますでしょうか。
福島構成員、お願いします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
地域協議会についても、よろしいですか。
○小国座長 はい。
○福島構成員 地域協議会の(対応の方向性)について書きぶりが、指定難病の協議会に特化されているように感じるのです。ここに書いていただいている「顔の見える関係づくり」であるとか「頻度の高い意見交換」であるとか、活性化に向けた国からの取り組みなどの要素は、小慢の協議会にも当然共通する大切な視点でありますので、ぜひ取りまとめにもそれがわかるような形で反映していただきたいと思います。
○田中難病対策課長補佐 ありがとうございます。
自立支援事業については、第6というところで記載させていただいておりまして、こちらの中にも「小児慢性疾病児童等地域支援協議会」という文言がございますので、こちらのほうで追記をさせていただきたいと思います。
○小国座長 ほかにはございますでしょうか。
両角構成員、お願いします。
○両角構成員 長野県の難病相談支援センターの相談員、両角です。
今の5ページの一番上の「難病相談支援センターの均てん化」というところですが、先ほど伊藤参考人がおっしゃったことにちょっとつけ加えてなのですが、気持ち的には、難病相談支援センターの均てん化という裏には、相談支援員の質の向上を目指す研修会の充実などというところが少し欲しいかなというところがありまして、支援員は、それぞれのセンターによって、患者さんの団体であったり、または専門職であったりするのですが、研修会の年に1回、2回では補えないところがありますので、職員の配置であったり、そのあたりも含めてもう少し加えていただけますとありがたいと感じています。
以上です。
○小国座長 ありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。
では、次に移りたいと思います。続いて、6ページの「第4 福祉支援について」と7ページの「第5 就労支援について」について、御意見はございますでしょうか。
では、伊藤参考人。
○伊藤(た)参考人 また発言をさせてもらいます。
この中で、1つは、7ページ目の上から2番目なのですが「福祉サービスを利用できることを知らなかった」という回答が多かったということで、周知に課題があるということをいま一歩進めて、この課題に対応するためには、難病患者の軽症と指定された方は、今、指定難病の対象にならなかったという通知が来るわけですけれども、その一番下に国の福祉サービスを受けることができますよと書いてある。
それだけでは誰もなかなかわからないし、医師もよくわかっていないから書かないのですが、この通知をするときに、その部分をもっと可視化するというか、厚紙でも結構なのですけれども、軽症者の登録カードというようなものにはっきりと方向を書いて、そこにはっきりとこのカードではこういうことができますよと書いていただくと、受け取った患者の側ももちろんそうですが、それを発行する行政の側も、それから、地域の福祉相談にさまざまな形でかかわる方や業者の方々も、みんなが理解できるのではないかと思っているわけです。周知に課題があるというよりも、そういう方向を検討していただければと思います。
そのことは同じことで、例えば(対応の方向性)の2番目のところにも不認定通知書を活用する場合があるとなっていますけれども、このところも、登録カード化することによって、しかも、その中に軽症高額制度もありますよということを書いていただければ、このカードはさらに大事にされるのではないかと考えております。
そういう意味で、このカードの位置づけというのはそんなに軽い意味ではなくて、難病患者も障害者と同じサービスを差別なく受けるためにもとても大事なので、それから、社会参加に向けての活用もできますので、そのことに触れたものを書けば、ここでのさまざまな課題はある程度解決されるのではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ということで、これはちょっと御意見を伺ってみたいなと思っているのですが。
○小国座長 とても貴重な御意見ですが、多分、軽症者の方の登録については、もう一つのグループのほうでも同じようなディスカッションがされていると思うのですが。
○伊藤(た)参考人 もう一つ、医療面のことで軽症者を登録するという意味でのことはもちろんあるわけですけれども、ここでは福祉サービスあるいは社会参加ということで、このように使えますということを書かれたらいかがかということです。
○田中難病対策課長補佐 伊藤参考人の御意見は、あくまで不認定通知を受けた方たちに対して、不認定通知で下のほうに小さく書いてある福祉サービスが利用できるという内容を、もう少しわかりやすい形で送付をしてはどうかという御意見ということでよろしいでしょうか。
○伊藤(た)参考人 わかりやすくするということだけでいえば、現実にはそうかもしれません。だけれども、実は難病法というのは、医療費助成としては病気に軽症、重症というのを設けて、一定の範囲内の人に医療費助成をしますよとなっていますけれども、難病患者全てに適用できる法律になっているわけですね。
さまざまな支援を受けられると書いてありますし、現実に障害者総合支援法では、指定難病の認定患者であるか、ないかにかかわらず、福祉サービスを受けられるとしているわけです。必要な人は必要なサービスを受けられるということになっているわけですから、そういう意味で、特にそのような制度であるということを、行政とか、医療機関の窓口とか、医師とか、こういう方々に御理解いただきたいと。そのためのツールとしても非常に大事だという意味です。
○田中難病対策課長補佐 ありがとうございました。
○小国座長 ありがとうございます。
ほかにはございますでしょうか。
江口構成員、お願いいたします。
○江口構成員 北里の江口でございます。
素案の作成、ありがとうございました。
私からは3つ、私は就労のところなのですけれども、1つは、連携の部分については、第6の2つ上の○の「指定医療機関やハローワークのみならず、産業医との連携が重要となる」という点については、そのほかにもいろいろな社会資源はあるかと思いますので、その辺との連携についても、他課のところにもなってくるかと思うのですが、そこに言及して、例えば産業保健総合支援センターであったり、あとは、障害者職業センターさんであったり、あと、いろいろ言って申しわけないですが、障害者総合支援法の就労移行支援事業であったり、なかぽつさんも含めて、いろいろなところと連携してもらうということが必要かなと思いますし、そういうことを産業医サイドにも啓発していくということが必要かと思うので、そのことは書いていただければと思います。
2点目は、周知・啓発の部分で、今、両立支援の部分では、安全衛生部のほうがいろいろ進めているのですけれども、やはり両立支援というメッセージでしかないので、こちらは難病というところでよりフォーカスを絞った両立支援の周知・啓発が必要になってくるのではないかというところがあります。
難病の特徴として、診断までの時間がかかったりとか、症状が慢性化するというところであったりとか、先ほど伊藤参考人のほうからもありましたけれども、フルタイムの就業がなかなか難しいというところも出てきますので、そういったところを少し言及して、周知・啓発の部分で、神経難病を含めて、臨床医の就労に関する関心はまだ十分ではないところがあると思いますので、その辺はいずれか言及していただければと思います。
あとは、先ほどの伊藤さんの話とも関係していますが、事例の収集ということで、今まで我々としては、やはりフルタイム勤務ということが前提でいろいろ就労の継続等を考えてきたというところがございますが、フルタイムではなくて、例えば、短時間勤務でさまざまな形態の就労をしている企業さんがあるかと思いますので、そういう企業さんのちゃんと企業としてのアウトプットも出しながら、そういうこともちゃんとできているよというような事例とかも、難病にフォーカスしてとれていくといいのではないかなと思います。そうすると、フルタイムだけではなくて、もっと多様な働き方という文脈で入っていくのではないかなと思っています。
あと、ここではあえて触れられていないのかな、ほかのもう一個の研究グループかなと思うのですが、拠点病院であったりとか、指定医療機関であったりとか、そういう難病指定医さんにも、就労とか産業医との連携とか、そういうところに少し関心を持ってもらえるようなものであるとか、がん拠点にがん相談窓口があるように、難病の指定医療機関であれば、難病の就労についても県を引っ張っていくようなインセンティブといいますか、そういうリクワイアメントをつけていただけるといいかなと思いました。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、城構成員、お願いいたします。
○城構成員 私も就労の部分なのですが、8ページの(対応の方向性)の最初の○のところなのですけれども、難病患者就職サポーターさんはまだ少ない状況があって、就労支援の拠点としては、各県域にある就労生活支援センターが重要になってくると思うので、この「等」というところに就労生活支援センターということも含めて明記していただくことも、すごく重要なことなのかなと思っております。
あと、先ほどの江口先生の話と少しかぶる部分もあるのですが、4つ目の○の産業医との連携で、産保センターのことは、今、江口先生からおっしゃっていただきましたけれども、実際には、恐らく中小企業への周知とか、中小企業で働いている方への支援という部分は、今回は余り触れられてはいませんが、とても重要になってくると思っています。
会社の99%が中小企業ですし、労働者の80%が中小企業で働いているということを考えると、難病患者の方、特に中小企業で働いておられる方への支援という部分では、産業医さんとはなかなか結びつかないというところで、今後の課題なのかもしれませんが、経営者団体とか、いろいろなところと連携しながら周知・広報をしていくということもすごく重要なことになるのかなと思っております。
以上です。
○小国座長 それでは、伊藤参考人、お願いします。
○伊藤(た)参考人 私も8ページの3つ目の○なのですが、今、何人かの先生方がおっしゃったように、就労というと、今までは日本の就労形態は、8時間労働だとか、時間どおりに出てきてとか、せいぜい4日にするとか3日にするという話だと思いますが、今、テレワークやいろいろなものがありまして、特に福祉就労の施設でさまざまな経験を積み重ねているのです。
いろいろやってみたりして、難病患者も雇用するよというところもたくさん出てきて、そういうものを奨励するためにも、今、先生方がおっしゃったような書きぶりのほうが間違われないのではないかと。必ずしもフルタイムの全面的な勤労ということではない。
ただし、難病患者がほかの障害よりも有利な点が多いのは、1つは、成人になってからの発症者が数としては多いわけで、一定の社会的スキルあるいは仕事上のスキルを持っている方も多いので、即戦力としても大変役に立つということと、就労支援というのは、あなたの就労だけを考えないでいただきたいと。今、勤めている方がやめなくても済むような支援もぜひお願いしたい。
病気を持っている人が1回やめてしまうと、履歴書に大きな穴があいてしまうために、再び就労していくというのは非常に難しくなっていく。そういう意味では、多面的な就労ということだと。
しかも、会社に雇用されるだけではなくて、いろいろなアンケートで難病の患者さんの職業の調査をすると、事業主だったり、自由業だったり、1人で働くことのできる仕事をしている人が非常に多いということがわかってきていますので、そういう意味で、そういうノウハウを生かしつつ社会に参加していく。そのための就労だというようにお願いしたいと思います。
なお、3つ目の○については、このようにつけ加えてもらえればと思うのですが、最後の行で「共有することができるようなツールの開発や普及」ということがありましたけれども、これだけではちょっとわからないでしょうから、1つは、福祉の制度では、障害者の雇用とか就労についてのマニュアルがいっぱい出ています。その活用とか、高障求でつくっているものの活用だとか、「支援区分認定マニュアルの活用など」としていただきたい。
今、障害者総合支援法による支援区分の認定マニュアルというのがあって、大変すぐれたものになっています。ただし、これは合本になっているのは支援マニュアルと書いてありますが、中身はすかすかのものですから、これはだめなのですけれども、独自に障害福祉部で出しているマニュアルがありますので、その普及というようなこともここに1行書いていただければ、具体的で大変わかりやすいのではないか。難病の特性に応じた支援とは何かと書いてありますので、ぜひお願いいたします。
○小国座長 よろしくお願いいたします。
○本間構成員 あせび会の本間です。
今の就労支援の関係で1つお願いがあるのですけれども、この就労支援の中に障害者雇用促進法で出ている法定雇用率の文言が全くないので、一文だけでも、ワンパラをつけ加えるべきではないかと思います。
というのは、ここに「難病患者の就職件数はいずれも年々増加してきているが」というくだりがあるのですけれども、実際にいただいた資料を拝見したら、2017年で障害者全体で10万人ぐらい就職しているのですが、難病患者はたしか2,500人ぐらいという数字が出ているのです。
これはハローワーク経由なのですが、この数字が多いか、少ないかはいろいろ議論があるところなのですけれども、就労支援の方向性の中で、いろいろなところの連携が必要だというところはあるにしても、現実問題、企業に雇用される場合というのは、非常にハードルが高くて、今回、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えるということで10年ぐらいかかっているのかな。企業や行政機関の理解を得るというのは大変時間がかかるのです。
ですから、今回の見直しではちょっと時間がないのかもしれませんけれども、次の基本方針の見直しに向けて、ちょうど法定雇用率の算定の議論も5年後ぐらいにあるので、それにあわせて、新しいテーマとして、難病患者を法定雇用率の算定基礎に入れるかどうかという議論を早急に始めるべきではないかと思います。
これがあると、今回、精神障害者の雇用が激増しているのですけれども、効果は物すごく明らかです。それがいいか、悪いかというのはまた異論があることは私も承知しているのですけれども、関係機関だけでいろいろ連携していてもなかなか広がらない。
それから、仕事をしていない難病患者、軽症者が多いのですけれども、アンケートなどを見ていても、利用の仕方自体がわからないという人が圧倒的に多いわけですよね。そういうことからも、そういったところの議論をしたほうが、ふえ方は進むのではないかと思います。
ただし、これにはここだけの議論ではだめで、今度、労働政策審議会のほうで議論して、企業などの理解を求めなければいけないという作業が必要なわけです。そういう意味からも、かなり時間がかかるので、早急にこちらから議論を仕掛けていって、障害者雇用のほうにも波及していくという手順が必要ではないかと思うのですけれども、ぜひここで議論を始めるべしというのを、ワンパラ入れていただけないかというのを要望します。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
では、横内構成員、お願いします。
○横内構成員 江口先生や城先生からもあったのですけれども、就労継続になると、企業とのトラブルというか、企業との話し合いという場が必ず出てきていて、どうしても法律が出てくるのですよね。患者さんを守るには患者さんの持っている労働者としての権利とかを主張していかないといけないので、どうしても法律職との連携が非常に大事だと思うので、そこを盛り込んでいただければと思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
では、よろしくお願いします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
これは福祉支援と就労支援と両方関係してくると思いますが、障害者施策との関係で、従来の障害では捉えられない難病や慢性疾病による活動の制限を含んだ新たな障害の認定が必要ではないかということを発言させていただいて、主な発言というところも書いていただきました。この取りまとめに、局が違うので、ちょっとハードルがあるかもしれませんが、そういった話があったということはぜひ残していただきたいと思います。
○小国座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○両角構成員 時間がない中で申しわけありません。
今、この場所で発言すべきではないかもしれないのですが、センターのほうに企業の方からの御相談も多い中で、企業の方たちが難病の方を雇い続けたい。でも、相談窓口というか、こういうことをどこに相談したらいいのかということがなかなか明確にされていなくて、ここでは主としては難病の方の雇用継続というところにはなるのですが、片や、企業側にも相談できる、または使える制度とか、利用できるマニュアルとか、何かしら企業側からも雇用が継続できるための支援というところで、具体的なことは申し上げられないのですが、そういうことも少し盛り込んでいただくといいのかなと感じました。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、時間もありますので、次に移りたいと思います。
続いて、8ページの「第6 小児慢性特定疾病児童等自立支援事業について」の議論に移りたいと思います。
まず、議論に先立ちまして、前回御欠席でありました根本構成員にお聞きしたいのですが、任意事業について、柏市では相互交流支援事業というのが実施されていると伺っているのですけれども、実施に至った経緯などがわかりましたら、お聞かせいただけませんでしょうか。
○根本構成員 柏市の根本です。
柏市では、任意事業では、唯一、相互交流支援事業のみを行っているのですけれども、こちらのほうは、平成27年度に、患者さんたちに、更新申請では90%ぐらい、ほぼ全員面接をしておりますので、その中でアンケートをとらせていただきました。
本来であれば、レスパイトですとか、そういったものも御希望としてはあるのでしょうけれども、資源としてはないものですから、そちらのほうではなくということで、とらせていただいております。
その中で、やはり80%ぐらいの方が、同じ疾患の保護者の方と交流を持ちたい、どのような悩みを持っているのか、お互いに共有したいというようなことがありまして、その中で、翌年にこちらの交流事業を持ちました。
ただ、実は1年目に行ったのが糖尿病の方でして、柏市には、今、1年間で400人程度の小慢の認定の方がいらっしゃるのですが、それぞれの病気といっても、年代も違いますし、悩みも違いますので、さほどはいらっしゃらなくて、その当時は糖尿病で20~30人ぐらいいたのですけれども、それに参加したいという方は7~8組ぐらいということで、どうしようかというようなところで、柏市の場合、千葉県で都内から比較的近いところで、病院のほうも実は柏市内には大学病院が1つしかございませんで、都内のほうとか、県内あちこちに主治医の先生がいらっしゃるような状況です。
あと、千葉県内で船橋市さんですとか、中核市のところ、あとは、近隣の保健所がありまして、そちらのほうも自立支援事業をどのようにやっていこうかということでやはり困っておりまして、それでは、お互いにやるときには声をかけ合ってやりましょうというようなことで、実際に柏市で行った交流事業も、お隣の保健所管内の患者さん等も何組かいらっしゃったという経緯がございます。
今でも近くの保健所とは、お互いの交流会に声をかけ合って参加をしていくということで取り組んでいるような状況です。
交流会については以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
今の取り組みも含めまして、小慢の自立支援事業について、御意見がございましたらお願いいたします。
よろしくお願いします。
○小倉構成員 国立成育医療研究センターの小倉です。
3点ほど発言させていただきたいのですが、1点目は、9ページ目の1個目の○のニーズ把握のところで、相談支援事業を通じて自立支援員が把握していくことが大事と記載されているのですが、確かにこれは議論の中に出てきたことではあるのですけれども、一方で、福島構成員からも発言があったように自立支援員の育成の大変さというところが課題であり、また、相談支援事業自体を活用されている方が少ないというデータもあったと思います。
そうなってくると、結局、自立支援員からだけではニーズ把握はできないということになってしまって、また、ニーズがないから事業をしないという堂々巡りになってしまいます。それに対して、先ほど根本構成員が発言されたように、申請や更新のときに窓口でニーズ把握をする工夫とか、指定医療機関のソーシャルワーカーにニーズを把握させるような仕組みとか、ニーズ把握のための裾野を広げるような取り組みをここで考えていくべきではないかなと思いました。
2点目は、その次の○のところですが、実施方法がわからないということで進んでいない現状があって、好事例の周知にとどまらないように一歩踏み込んだという話が書かれており、この例として「具体的な立上げ支援」と書かれているのですが、この表現では、立ち上げますよと手挙げをした自治体に対しての支援と読めてしまいます。そうすると、結局、手を挙げないところが多くて、またこれも進まないという話になるように感じるので、ここに関しては、本当の意味での一歩進んだ取り組みをもう少し検討しなければいけないのではないでしょうか。
手挙げを待っているのではなくて、なぜ実施方法がわからないのか、なぜ実施できていないのかについての課題の分析をするとか、自治体の予算的な問題であるのか、具体的なメニューがわからないという問題であるのかなど、対応するための少し踏み込んだ解析等をしていった上で、一歩進んだ国の取り組みというか、支援をしていくべきではないかなと考えます。
3つ目に関しては、地域共生について子供たちを対象に考えた場合には、教育領域というのが非常に重要です。何回か学習支援についての取り組みや、文科省の方からの情報提供がありましたが、文章の中には何も触れられていません。厚生労働省の所管の範囲内で書かれているのかとは思うのですが、重要性が高いことについては触れるべきだと思います。小児慢性特定疾病対策は子供を対象としたもので、子供の地域共生において学校生活がとても大事な要素になりますので、何らかの形で記載はあるべきかなと思いました。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
ほかにはございますでしょうか。
福島構成員、お願いします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
私からは2点ほど発言させていただきます。1点目は、前回お話ししたような記憶もあるのですけれども、我々が相談を実際に受けていて、かなり困っているなと感じるものは、医療的ケアのある子供、通常の学級に在籍している病気のある子供、それから、家族支援とか移行期支援、そういった問題の相談が多く寄せられます。こういった問題を解決するためには、医療とか保健とか、教育とか福祉がお互いにのりしろを伸ばして生活者の視点から支援のあり方を考えないと、解決することが非常に難しいと思いますので、ぜひ生活者の視点から専門職が支援のあり方を考えるべきだという視点を盛り込んでいただきたいと思います。
2点目は学校です。これも何度かお話ししたかもしれませんが、文科省ではいろいろな施策をやっていただいているのは承知しておりますけれども、ただ、実際、学校現場においては、日々本当に苦しんでいる御家族からの声が多く聞こえてまいります。例えば、介助員とか看護師ということに限っても、そういったものを配置する制度がない自治体もありますし、遠足とか修学旅行にはそういうものが使えなかったり、そうすると、即、親が付き添えとか、親が付き添わなければ連れて行かないとか、そういった話になるのですね。これは昔から変わっていません。数としては減っているかもしれませんけれども、今年になってからも寄せられている話です。
ですから、そういった意味で、私は、本来、学校のことは一義的には文科省がやることだと思いますが、そういった制度が行き届いていない部分については、この自立支援事業で補完的にサービス提供できるような柔軟性を持つべきだと思いますし、ぜひそういった形で自立支援事業が展開していくように願います。文科省のことなのでなかなか書きづらいというのもあるのかもしれませんけれども、この取りまとめにも記載していただければと思います。よろしくお願いします。
○小国座長 ありがとうございます。
ちょうど文科省の濱谷課長補佐がいらっしゃっているので、そのあたり、自立支援事業の中でまだ満たされない子供たちへの支援ということが、厚労省と連携して今まで行っていたのか、あるいはこれから行う可能性があるのか、何かお考えがあるのかどうかをお聞きしたいのですが、よろしくお願いいたします。
○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課濱谷課長補佐 文科省です。
前回もお話ししたと思うのですが、病気療養児の教育体制保障事業というものがございまして、これは青森県とか秋田県さんに取り組んでいただいているのでございますが、来週27日にそういった機会がありますので、その際には厚労省さんにも来ていただいて、今の小児慢性特定疾病児童等自立支援事業についても御紹介いただく。
教育委員会の指導主事の方々が来ていますので、これを受ける際には、多分、都道府県の保健福祉部局とかに行っているのだろうとは思うのですが、教育担当者も知らなければ、こういった事業を活用できるということがわからないので、そういった部分については、教育のほうにも知らせると。
それぞれ連携をとりながら取り組んでいただきたいということとともに、先ほど医ケア児についても、教育、福祉等の連携ということでございますが、これも年に1回、厚労省さんと共同で実施しています。
その際には、医ケア児の担当部局は都道府県や自治体によっていろいろと違うらしいのですけれども、担当する部局から来ていただいて、いろいろな事例を紹介するとともに、協議をしていただいて、そこで顔を合わせて、戻ってからもきちんと意見交換しやすいように、横串を刺すような活動もしていただいているところでございます。
あとは、看護師さんとか支援員をつけているのだけれども、修学旅行とかはなかなか行けないという話がございました。それについては、我々もこの3月まで検討会を開いてきたのですけれども、やはりその場でもそういった御意見がありましたので、ただ単に人をつけるだけではなくて、今回の報告書では、そういった勤務時間管理の見方も見直して、そういった子供がいろいろな場、あるいは学校外の教育活動にも参加できるように取り計らいたいということで各教育委員会に周知したところでございます。
いずれにしても、さまざまな方法を使って、そういった小児慢性疾患の子供の教育機会が保障されるように取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○小国座長 ありがとうございます。
今、本当に自立支援事業の中でも任意事業が進まない現状がある中で、もしそういう制度を使っていただけるなら一番よいのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
高橋構成員、お願いします。
○高橋(昭)構成員 栃木県の認定NPO法人うりずんの高橋です。
今も福島構成員から医療的ケア児のお子さんの話もございましたけれども、医療的ケア児のお子さんは今ふえてきていて、最新のデータですと、20歳未満のお子さんで2018年ではもう2万人に近づいてきています。
小児慢性特定疾患全体では11万3000人ぐらいかと思うのですが、そのごく一部ではあるのですけれども、医療的ケア児のお子さんの大半は、多分、小児慢性特定疾病もお持ちであるということも考えたいのですが、そこで問題になるのは、御本人に対する支援というのは、医療の制度とか、福祉の制度とか、特に2016年の法律改正から結構進んではきているのですけれども、取り残されてしまっているのはきょうだい児の支援です。
ここに踏み込んだ施策というと、現状では小児慢性特定疾病の子の任意事業のきょうだい支援しかないのではないかなと認識しておりまして、例えば、大阪にはNPO法人しぶたねさんという本当にきょうだい支援をずっとやっていらっしゃるすばらしい団体もありますし、あと、愛媛にはラ・ファミリエさんというNPOがありまして、ここも小児慢性特定疾病の事業を使ってきょうだい支援をされていますが、そういったことができるのだよということを、こういう国が出されるところで、きょうだい支援と一部を書きますと、何のことか全然わからない方も結構多いと思いますので、もう少し踏み込んだ形の表現がなされると大変ありがたいなと思っております。
以上です。
○小国座長 ありがとうございます。
ほかにはございますでしょうか。
では、江口構成員、お願いします。
○江口構成員 1点だけ。
医ケア児の親にもフォーカスしていただけると、この中には親の就労の部分は書かれていないので、そこは少し関心を持ってもらえるといいのかなと思いました。
○小国座長 ありがとうございます。
ほかにはございますでしょうか。
では、根本構成員、お願いします。
○根本構成員 柏市保健所の根本です。
9ページの3つ目、医療的ケアが必要となる児童や障害児も一定程度、小慢の特定疾病児童の中には含まれるというところなのですが、先ほど青森の伊藤さんから報告がございましたシステムの感じですと、本当に小慢というよりは、慢性疾患をお持ちの医ケアの必要なお子さんも含めた中での全体的な取り組みということでお話を伺わせていただいたのですけれども、まさに特定疾病のお子さんの中に医療的ケアが必要となるお子さんがいるのか、逆に医療的ケアが必要となるお子さんの中に小慢の方もいらっしゃるというようなところでした。
どちらでもなのですが、柏市のいろいろな医療的ケアの会議の中に、今年度から学校で医ケアのお子さんがたまたまいらっしゃって、とても先生が未経験なものですから、わらをもつかむ思いで庁内のいろいろなところに顔を出したという経緯があるのですけれども、その中で、実は今、特別支援学校に通っているお子さん、お母さん、保護者の方たちは、本来であれば、支援学校ではなく通常の自分の地域の学校に行きたいというお子さんがほとんどなのだということをお聞きになって、それを初めて聞いたとその先生はおっしゃっていて、すぐに教育委員会の上司、教育長にもそれを伝えたとお聞きいたしました。
そうすると、上の方もそれを初めて聞いたみたいな形の感想があったとお伺いして、みんなで驚いていたところなのですけれども、今、やはり縦割りというところで、障害のお子さんであれば障害分野、小慢のほうであれば保健分野というところで、あとは、学校のほうは学校ということで、かなり分断されている形がありますので、本当に法的な部分でも、国からの文書のいろいろなところでも、それぞれの連携というところを強く記載していただけると、お互いが意識して取り組めるのかなと思いましたので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○小国座長 今の御意見で、文科省の方からは何かありますでしょうか。
○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課濱谷課長補佐 今の学校教育制度上は、特別支援学校と特別支援学級、通級、通常の学級というように分かれていて、それぞれは障害の程度に応じてきめ細やかな支援をするために、教員の定数が決まっていまして、子供何人に対して教員を何人つけるかというのが決まっています。
さはさりながら、保護者の方が通常級に入れたいのであれば、通常の学級であれば、30人に対して1名の教員とか、本来、標準法上では40人に1人なのですけれども、標準であれば大体30人に1人ついています。
その際に、安全・安心を確保した中で受け入れられるのかどうかということについては、各教育委員会が検討すべきだと思います。
また、緊急時、病院と近いのかどうかということもございますし、ですから、以前の特殊学校の時代は、病弱の養護学校というのは、そもそも病院と併設か、病院の中に学級があったのですが、特別支援学校になってからは、肢体不自由の学校は過去から病院との連携等はとっていますけれども、通常学校に行った場合に、緊急時にすぐ病院と連携・連絡がとれるか、また、保護者と連携がとれるのか。また、医ケア児を学級に入れたときに、看護師なり介助員をきちんと確保できるのか。あとは、学級の他のお子さんとか他の保護者の理解が得られるのかとか、幾つかのハードルがございますので、そういった環境も整備しながら取り組んでいく必要があるのかなと考えています。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。
全体を通して、そのほか、何か御意見はございますか。
それでは、時間も来ておりますので、本日はここまでといたしたいと思います。
次回の日程などについて、事務局からお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 本日は活発な御議論をいただきまして、まことにありがとうございました。
次回は、事務局より取りまとめ案のようなものをお示しした上で、取りまとめを行っていただきたいと考えております。
次回の日程調整がつき次第、追って構成員の皆様に御連絡をさせていただきます。
なお、机上のファイルについては、次回も机上配付させていただきますので、お持ち帰りにならないようお願い申し上げます。
本日はどうもありがとうございました。
○小国座長 本日は以上で終了いたします。ありがとうございました。