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難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ(第3回)議事録
日時
令和元年10月31日(木)14:00~16:00
場所
TKP新橋カンファレンスセンターホール14E(14階)
議事録
- ○田中難病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、第3回「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日の出席状況でございますが、根本構成員及び森構成員より、御欠席の連絡をいただいております。また、参考人として、森構成員と同じ日本難病・疾病団体協議会理事の伊藤たてお様に御出席をいただいております。
加えて、オブザーバーとして、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課、濱谷課長補佐、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課、伊藤課長補佐、厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室、秋場室長補佐に御出席をいただいております。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いいたします。
以降の議事進行につきましては、小国座長によろしくお願いいたします。
○小国座長 初めに、本日のワーキンググループでは、前回同様、タブレットを使用し、議事を進めてまいります。使用方法に御不明点があれば、御遠慮なく挙手いただき、事務局までお問い合わせください。
それでは、資料の確認をお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 タブレットのフォルダの中の資料一覧をごらんください。タブレット内の本体資料として、議事次第、資料1-1(今回特に御議論いただきたい論点)、資料1-2(これまで示された意見と具体的な論点)を御用意しております。また、森構成員から、参考資料として、患者団体から寄せられた主な御意見、御要望をまとめた資料を御提出いただいております。
なお、机上には参考までに、5月15日の合同委員会で示した事務局資料をファイルに入れて御用意しております。御参照いただければと思います。
また、過不足等ございましたら、挙手いただければと思います。
事務局からは以上になります。
○小国座長 それでは、議事に移りたいと思います。本日の議事は1つです。「具体的な論点の検討について」ということで、前回までの議論に引き続き、各論点に対する具体的な対応について議論していただきたいと思います。
それでは、事務局より資料を用いて説明をお願いいたします。
○領五難病対策課長補佐 それでは事務局から、資料の説明をさせていただきます。
今回事務局からお配りさせていただいている資料は2種類ございまして、資料1-1と資料1-2でございます。前回まで、就労支援に関する御意見ですとか、福祉支援に関する御意見など、色々といただいたところではございますが、今回は特に御議論いただきたい論点としまして、難病相談支援センター、地域協議会、さらには小慢の自立支援事業ということで、特にこの3つについて集中的に具体的な御議論をいただければ幸いであると考えておりまして、これらの論点について特にまとめさせていただいたものが資料1-1でございます。
それでは、資料1-1について説明させていただきますので、ファイルをお開きいただければと思います。
基本的には、構成は前回までお配りしている資料をベースに、少し修正させていただいております。まず4ページ目をお開きください。「難病相談支援センターについて」ということで、前回までに頂戴した御意見についてはこれまでも御紹介をさせていただいていたところですが、前回新しく頂戴した御意見について、今回、下線を付す形で、わかるように記載させていただいております。
難病相談支援センターにつきましては、地域の機関とどのように連携をとっていくかが重要であるといった御意見ですとか、あとは、障害の自立支援協議会がありますので、そちらに参画していくこともいいのではないかといった御意見がございました。
そして5ページ目に、全国難病センター研究会に関する御意見として、課題のとりまとめですとか、相談支援が困難な地域から相談できる全国難病センターというものが必要ではないかといった御意見、そういったものがございました。
その次、地域協議会についても、前回までに頂戴した御意見ということで7ページ目に記載させていただいております。
その次の8ページ目でございますが、これまでに頂戴した御意見を踏まえまして、今回のワーキンググループで引き続き具体的に御議論いただきたい点ということで、オレンジ色の枠囲みでございますが、事務局の方で提示させていただいております。
まず、難病相談支援センターについてでございますけれども、センターが果たすべき役割についてどのように考えるかということ。そして、難病相談支援センター自体の具体的な周知方法についてどのように考えるかということ。そして、2つ目の○でございますけれども、役割を考えるに当たって、地域によって様々な運営形態がございますけれども、それぞれの好事例と言えるような取組を参考にしてはどうかということでございます。
後ほど御説明させていただきますが、これまでに合同委員会、そしてこのワーキンググループでヒアリングを行っていただいておりますので、そうした自治体の取組なども参考に御議論をいただければと考えております。
続きまして、他機関との連携についてということでございます。これまでの御議論の中で、地域の中で関係機関が連携を進めていくことが重要であるということについて、御意見をいただいております。そのための方策について御議論いただきたいと考えておりまして、例えば地域協議会をどのように活用していくのかということでお示しさせていただいております。
その流れで、次は地域協議会の活用についてということでございますけれども、地域における課題の共有ですとか、こうした課題についての協議を行うということで地域協議会というものの意義があると考えておりますけれども、そうした目的を踏まえた場合に、地域協議会の委員構成も含めて、今後の運営のあり方についてどのように考えるかということ。そして、この協議会を活用した関係者の関係強化についてどのように考えるかということでございます。
一番下の○につきましては、地域協議会が未設置の自治体がまだあるということでございますので、その設置を促進するための方策について具体的にどのように考えるかということでございます。
9ページ目でございます。こちらは難病相談支援センターの体制でございますけれども、やはり関係機関に適切につないでいくことが地域における支援のポイントかと思いますので、そうした場合に職員の体制についてどのように考えるかということでございます。そして、そのセンターの均てん化、底上げを図るために職員への教育や研修に関して充実させていく方策についてどのように考えるか。そして、やはりピアサポートの重要性ということはこれまでのワーキングでも御指摘いただいておりますので、ピアサポーターなどの職員が働きやすいような環境についてどのように考えるかということでございます。
そして、最後でございますが、センター間の連携についてということで、ネットワークシステムみたいなものも御用意させていただいてはいるところですが、利用率が5割であることですとか、あとはセンター同士で相談できるような仕組み。当然、地域では個々にやっていただいているところはあるかとは思うのですけれども、そうした仕組みがないということなども踏まえて、今後のあり方についてどのように考えるかということでございます。
10ページ目以降は、基本的にこれまでもお示しさせていただいている資料で関連するものを再度掲載させていただいております。センターの法令上の位置づけですとか、あと通知上においてこういうことをお示しさせていただいているというような資料、そして設置状況等々でございます。
その中で13ページ目をお開きいただければと思いますけれども、新しく今回お示しさせていただいているものでございます。これまでの合同委員会を含め、ヒアリングの中で各地域におけるセンターの取組について聴取してきていただいております。その特徴について、一覧性のある表としてまとめたものでございます。広島、北九州、滋賀、長崎ということで4つ掲載させていただいております。
運営形態それぞれまちまちであるということと、人員体制につきましても、やはりどの事例も専門職の方も置いていただく形でやっていただいているということ。また、就労の相談ということもやはり最近ニーズが高いというようなお話はヒアリングの中でもありましたので、難病患者就職サポーターとの連携などもやっていただいている状況にあるということでございます。
その次の14ページ目はその表の続きではございますが、ピアサポートについて、例えば広島県の例ですと、御自身で直接やられているわけではないようですけれども、そういう場合も、そうした支援につなぐことができるようになっているということでございます。さらに、地域協議会への出席ということで見ますと、どの事例においても、センターが出席されているということでヒアリングの中で説明があったという状況でございます。また周知の方法につきましては、ここに記載させていただいているとおりです。
こうした取組も踏まえながら、本日は具体的な御議論をいただければと思っております。
15ページ目以降はこれまでにもお配りしている資料でございますので、改めての説明は割愛させていただきます。
少し飛ばしまして、小慢の自立支援事業についてということで、30ページ目をお開きいただければと思います。こちらも、前回のワーキンググループで頂戴した御意見について、下線を付す形で示させていただいております。
一番下でございますが、岡山市の取組についてヒアリングもございましたので、「この事業が任意事業の立ち上げに繋がった要因の1つと考えている」ということで、任意事業の立上げの経緯について紹介として参考までに入れさせていただいております。
そして31ページ目でございますけれども、学習支援に関する御意見がございました。これはピアによる支援を行えるような仕組みをつくってほしいという御意見でございます。
そして一番下でございますが、医療的ケア児の施策との連携ということで、やはり地域の現場において会議同士の連携あるいは参加ということについて、国からも働きかけを行ってほしいといった御意見がございました。
32ページ目も、前回の御意見でございますけれども、学習支援に関して、自治体からどのようなサービスが利用できるか示していく必要があるのではないかといった御意見でございます。2つ目も、同じく周知に関する御意見でございます。
最後の2つでございますけれども、きちんと行き届くように柔軟性を持たせて欲しいといった御意見や、非医療職の方もサポートできるような仕組みがあるとよいのではないかといった御意見がございました。
33ページ目に、こうした御意見を踏まえて今回具体的に御議論いただきたい点ということでまとめさせていただいております。
まず、ニーズの把握をどうやっていくかということと、それを踏まえて任意事業にどのように展開していくかということでございます。また、そのニーズを把握するに当たりましては、現在、ほぼ全ての自治体で実施されております相談事業、いわゆる必須事業について活用するという考え方もあるのではないかということで入れさせていただいております。
また、国及び地方自治体の役割についてどのように考えるかということです。周知や連携については、患者御本人だけではなくて、医療機関側、支援者側にも周知していくことが重要なのではないかということで御意見をいただいておりましたので、具体的なあり方についてどのように考えるかということでございます。そして、地域同士の連携についてどのように考えるかということで、一番下の○にその点を入れさせていただいております。
34ページ目以降はこれまでもお配りしている資料でございますけれども、法令上の位置づけ、そして自立支援事業の中身に関する資料が続きます。あとは実施状況についてとかニーズに関する資料で、44ページ目には、前回、掛江先生のほうからヒアリングをしたときに、地域協議会に関する設置の状況ということで、共同設置していただいている自治体もあるということで御紹介がありましたので、参考までにつけさせていただいております。
事務局からは以上でございます。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、事務局資料の内容を踏まえまして議論に入りたいと思います。なお、全体を通して、医療費助成の対象とならない軽症者に対する登録制度の議論でありますとか、小慢から成人への移行期医療に関する議論については、もう一つの研究・医療ワーキンググループで議論を進めておりますので、本ワーキンググループでは議論は行わず、他の支援策などについて御議論いただければと思います。
まずは、難病相談支援センター及び地域協議会について、特に御議論いただきたい点として取り上げられた事項について、具体的な方策を含め議論を進めたいと思います。
まず1つ目の難病相談支援センターの役割について、御議論をお願いいたします。今までの議論では、センターにおけるピアサポーターによる患者に寄り添った相談支援の重要性や、専門的な事柄についても関係機関との連携をとっていくことの重要性について御意見があったと思います。
この内容をさらに具体的に深掘りしていく必要があると考えますが、まずはセンターにおいてピアサポーターが果たすべき役割はどのようなことで、その役割を果たすために何が必要か、患者会の構成員を初めとして御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
では、伊藤参考人、よろしくお願いいたします。
○伊藤参考人 きょうは参考人として出席させていただきました、日本難病・疾病団体協議会、JPAと呼んでいますが、の伊藤たておといいます。森がちょっと体調を崩しまして、どうしても患者会側からも何らかの発表をしたいということで、きょうは無理を言って参加させていただきました。発言してもよろしいのですね。
○小国座長 どうぞ。
○伊藤参考人 実はこの難病対策がどうあったらいいかということはずっと患者団体も考えてきていたわけですね。2009年に新たな難病対策、特定疾患対策を考えるという提言を発表して以来、急速にこの難病対策委員会が開かれることになり、2013年1月28日付では、私たちもこの「難病対策の改革について」のとりまとめに当たってという文章を出しております。このような患者会側からの積極的な働きかけの中で難病法をつくるというところまでいったわけであります。そのときから一緒に活動してきたのがここにいる本間さんとか福島さんという、実に限られたメンバーしか残ってはいませんけれども、そういうことをやってまいりました。
そのときに、私たちがそれまでの患者会の活動の中から何を学び、何が必要かということでまとめて提言していったものがあるわけであります。難病法ができるに当たって、若干そのときは急いでいた事情もあって、不十分な点については、衆議院、参議院ともに附帯決議というのをつけて承諾していただいたわけです。この附帯決議にはさまざまなことが書かれているわけですが、いろいろ委員会、あるいはワーキンググループの活動を拝見させていただいて、本当に御苦労をおかけしているなと私どもも思いますが、しかし、そのときの議論の中で、何が足りなくて何が今後に送っていくのかというような議論についてどう考えておられるのかということも、1つは事務局に伺いたいところでもあります。
実際にきょういただいた資料を見まして、患者会というのをどのように見ておられるか。ピアサポーターではないわけです。当事者であって、ピアというものでくくってもらうのは非常に我々としては不本意ではあるわけですが、こういうことのほかに、患者会というのは、1つは行政とさまざまな形で連携はしますけれども、あくまでもカウンターとしての存在なわけですね。そこでさまざまに意見を交換したり要望したり議論することによっていろんなものが正しく発展していくのだと思うのですが、例えばきょうの資料の25ページもちょっとごらんいただきたいと思いますが、地域協議会を設置していない理由ということでさまざまなことが書いてありますが、これはまさに全部、行政側の意見なのですね。患者会側の意見ではないわけですよ。
なぜかというと、行政がさまざまな機構を持っていながら、さらに屋上屋を重ねる形で、保健所をさらにもう一つつくるみたいな形でこの協議会を、保健所が主体となって運営しろとか言われると、少ない人員の中でこのような議論が出てくるのは当然なわけです。だけれども、これを患者や家族、患者会に聞いたらもっと別な意見が出てくるわけですね。このような形で屋上屋を重ねていくようなことだと、さまざまに議論を重ねても、本当に必要なのは何かということになかなか到達しないのではないかということを私は懸念いたします。
特に連携といっても、既にさまざまなところでさまざまな連携ができているわけですから、この相談支援センターや地域連絡協議会が何をどこと連携すればいいと言うのと。患者会は当然ピアサポーターという位置づけですし、みんな日常的に地域でも顔合わせ、さまざまなところでさまざま一緒に取り組んでいる中で、さらにこの連携をと言われても、これは困るに決まっている話ではあると思うのですね。
そういう意味で、この対策を進める上では、皆さん議論されたことをひっくり返すという気持ちはありませんけれども、改めて、その観点をどうするか、行政の観点から議論するのか、今までのさまざまな連携していった人たちのところで連携をさらにまた深めるということでいけるのかどうか、そのようなこともお願いしたいし、こういう難病対策、難病法のとっかかりについては、私どもの提言がきっかけであったという自負は持っているわけですが、そういう患者会側からの提言やさまざまな議論というのも、行政を進める、あるいはこういう対策を進める上で非常に大きな役割を果たすものだと思いますので、ぜひこの見直しに当たっては原点の確認というのも必要だと思っていただきたいと思います。
私たちが提言したのは、やはり既存の枠組みを壊すということが大前提だったわけですね。既存の枠組みで不十分なところがあるからお願いして、1つ2つ直して済むことであれば提言は無理してしなかったわけです。根本から直さないと新たな難病対策はできないというつもりで、さまざまに患者会が取り組んできた相談事業や、行事や、あるいはボランティアさんとの関係とか、あるいは行政との関係、議会との関係を総合して、こうあってほしいなという提言をしたわけですので、きょうは、出てきていきなりこんなことを言うのは大変申しわけないと思うのですが、大事なことだと思い、発言させていただきました。よろしくお願いいたします。
○小国座長 貴重な御意見、ありがとうございました。今までの経緯も含めていろいろ教えていただきましてありがとうございます。何か事務局からございますでしょうか。
○田中難病対策課長補佐 貴重な御意見ありがとうございました。原点に戻ってという御意見を伺って、我々も、まずは全てにおいて連携ができているとは実際思っていない部分があってこのような資料になっておりますが、さらによくするために、ぜひまた引き続き御意見をいただき、私どもも原点に戻ってもう一度考えたいと思います。ありがとうございます。
○伊藤参考人 いきなり続けてで申しわけないですが、ちょっと言い忘れたのがあったのですが、難病相談支援センターと難病センターとは私たちは違う意味で使っておりますので。患者会を中心として、各地で難病センターづくりというのは、実は一時期、各県でもみんな外科医に陳情したりしながら起きた、そういうブームがあったわけですが、できたのは北海道の難病センターだけでしたけれども、患者会の活動を支える、そういう主体の意味で、あるいは患者会だけでなくて、大きな病院、遠くから病院に通う、そういう人たちの支援をする、あるいは学習の場に提供していくとかいうようなことで、難病センターと言ってまいりました。
難病相談支援センターは、この難病法の前からですけれども、別な位置づけで相談支援センターができてきて、それが難病法でさらに強化されていったというもので、どちらかといえば、してあげる側の発想が相談支援センターになっているかと思います。しかし、この両者は全く別ものではなくて、連携していくこと、一緒に取り組んでいくということは可能な存在ではありますが、ちょっとまぎらわしい言い方ですけれども、私どもが患者会に使っている場合の難病センターというのと、ネットワークとしての難病相談支援センター、その全国ネットワーク版というのとはちょっと違いますので、ちょっと分けて考えていただければと思います。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、本間構成員、何かございますでしょうか。
○本間構成員 あせび会の本間です。
今、伊藤参考人から、これまでの経緯も含めて御説明あったわけですが、私も確かにそう言われて思い出しまして、この難病法をつくる4年前ですか、議論したのは5~6年前からですが、確かにそうだったなとは覚えております。
ただ、難病センターというのは、確かに北海道は伊藤参考人の御尽力もあって非常にうまくいっている好事例ではないかと思うのですが、これは日本全国まで広がっているかというとなかなか広がらない。ある意味では、患者会、患者団体の限界みたいなものを私なんかは感じるわけですね。そういった意味では、行政主体の難病相談支援センター、そこに中核で働く相談員の方々の御尽力というのも、どうしても私たちも当てにしなければならないのが現実であります。
ですから、私ども患者会は患者会で活動しますけれども、この支援センターの活動といいますか、これを難病法の施行と同時にうんと活躍の幅を広げていただきたいなと私どもも思いまして、この法律ができたわけですけれども、ただ、今回お示しいただいた調査の中では、実際に利用したことがある例というのは2割にもならない、それから、知らない人もまだ4割ですか、いるというのはちょっと私から見ても、患者側から見ても衝撃的な数字で、もう少し存在を世に知らしめる方策があれば大分違うのではないか。つなぎという役割で、病院、治療研究、あるいは福祉面、それから治療まで含めた、そこにあらゆる面で取り次ぎをしていただけるセンターであり相談員の方であるという存在理由をもっともっと広げていただきたいというのが今後の課題かなあと思います。
これだとちょっと狭過ぎて、地域の人はわからないかなあという気はするのですね。ですから、せめて、例えば、全国の指定難病医の指定医の診療所や、そこの受付あたりに、困っている人はここに連絡をという形で、紙一枚でもいいですから、電話番号をつけて張り出していただくとか、そういった形でも随分違うかなあと思います。
現実に、今回、指定難病が56から300にふえたときに、割と大きい病院でしたけれども、待合室に、これだけ広がりましたという紙が張ってあったのですね。結構みんな見ていました。ああ、なるほどなあ、このようにすれば、かなり原始的な方法ではありますけれども、ある意味、インターネットやそれよりも広がりはあって、印象に残るかなあと思います。この相談支援センターとか相談員の存在というのももうちょっと広げる方策を、これは行政になると思うのですが、ぜひ御検討いただきたいと思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。いろいろアイデアも含めて参考にしていただきたいと思います。
では次に、医療や就労など専門的な事項について、患者の支援ニーズに対応することもセンターの役割かと思いますが、実際にセンターにかかわっている横内構成員、両角構成員にお話を伺いたいのですが、よろしいでしょうか。
では、横内構成員、よろしくお願いします。
○横内構成員 千葉県で難病相談支援センターをやっております横内と申します。
千葉県では、9つの二次医療圏に1カ所、難病の協力病院の中に地域難病相談支援センターというのがあって、病院に設置されている医療機関委託だったのをセンターという感じになっております。難病患者さんの抱える問題は、療養のことであったり、生活上のこととか就労のこと、お金のこと、非常に多岐にわたっていて、難病に複雑に絡み合っているものが多いと思います。そういう問題に相談支援センターだけで対応していくというのはなかなか難しいのが現実で、いろんな機関と連携をして、いろんな資源を利用して患者さんを支える体制をつくっていくみたいなというところが理想なのかなと考えております。なので、難病相談支援センターの役割としては、相談の最初の窓口になるというところ、あと、地域の社会資源とのハブ的な機能を持つみたいなところが重要になってくるかなと考えています。
特に難病相談支援センター、なかなか周知されていないという件に関して言うと、難病患者さんが集まる場所できちっと周知していくのが一番効率的で大事なことだと思っていて、例えば、本間構成員からもありましたけれども、病院とかクリニック、あと保健所等々で周知していくというのが非常に効率的なのではないかと考えております。
また、患者さんの相談は、実は診療室でドクターに対してぽろっと生活上の相談事が吐露されることが多いように感じていて、それを診断する医師とか看護師が相談支援センターを知っているということが相談につなげていくという点ではすごく有効なのかなと考えております。
○小国座長 ありがとうございました。
では、両角構成員、お願いいたします。
○両角構成員 長野県の難病相談支援センターの両角と申します。
当県は信州大学医学部附属病院が委託を受けておりまして、平成19年に開設しましたので12年たったところです。私は当初から相談員を務めさせていただいているのですが、初めは1人という体制の中で7年ほど過ぎていきまして、患者会のほうからも、また地域のほうからも、広い長野県の中で1人の相談員ではとてもとてもということで、御要望を県のほうに上げていただきながら、また難病法のタイミングと合いましてというか、予算的なところも含めて、平成27年度に2人体制になったというような経過があります。
1つ、相談員をふやすということにつきましても、先ほどから何度かお話が出ています連携ということが非常に大事かなと思っておりますし、伊藤さんもおっしゃられた患者会という立場の方々のお力もあってということをつくづく感じた次第です。
1つ、先ほどセンターの周知というところでお話が出ているのですが、長野県は全国の中でも、最後のほうから2番目でしょうか、立ち上がったというところがありまして、センターがどういう役割を持っていて、何をすべきだろうというようなところから、私自身も本当に白紙のような状態で、先輩方の近県の支援員の方にも自ら連絡をとったり、センターのほうにお便りをいただくところを手がかりにしながら、どのような取り組みを他県ではなされていて、本来何をすべきなのだろうということを常日ごろ思っていました。
そういったときに、もともとは行政的なところでの相談の窓口といいますと、やはり保健所、今、保健福祉事務所というところかなと思っていて、保健所の本来の機能であったり窓口というところで、そこの既存のところをどうセンターが上手に連携を図りながらやっていかないといけないかなと思っていました。
なので、センターの役割というところにつきましては、今、横内構成員もおっしゃられましたように、いろんな相談をされる中で、療養士の方たちが困っていることを相談に行った機関で対応できたことはセンターに余り寄せられることはなくて、いろんなところに相談する中で、困ったこと、行き詰まったことがセンターに来ますので、非常に悩ましく、私たちのセンターだけでは解決できないところをいかに本来かかわるべきところとか、その方たちとつないでいくかというところかなあと思っております。
当県の場合は専門職で相談員がおりまして、今、2名体制で、私、保健師ですが、もう一名は信州大学の附属病院の看護部のローテーションみたいな感じで、1人、看護師がおりますので、私はなぜか固定しているのですが、もう一人の相談員はローテーションの中で回っていきますので、そういった看護師が病院から相談支援に非常に困難事例に遭ったりすると、なかなか悩ましく、この職として続けられないというところも1つ課題があります。
なので、当事者のピアの方たち、幹事会の方たちとも連携を図りながら、私ども、保健所との連携も大事にしておりますので、保健所さんが、保健師さんたちが本来すべきところが動いていただけるようなつなぎだとか、または一緒に考えたりというようなところを非常に大事にしておりまして、そういった中で、地域協議会の話もありましたけれども、地域の保健師さんたち、保健所の保健師たちも3年とか4年で異動なされていて、かわっていって、ようやく、ここのセンターとこういうことが地域で課題だよねと言われたことが後の方に引き継いでくださるのですが、実はそこからまた、人がかわったところで、所の中では共有できていることだとは思うのですが、そこから先になかなか進みにくいというところも非常に悩ましいところです。
かといってセンターがぐいぐいいくわけでもなく、やはり地域のことは地域が先頭に立ってやっていただけるようにというところで、保健所だとか、または患者会の方だとか、そういった方たちと一緒に考えたり悩んだりしながら一歩進めていくというのがセンターの役割といいますか、大事な原点ではないかなと。そこは私の私見的なところもありますけれども、ちょっとそんなことを感じる次第です。
長くなりまして済みません。
○小国座長 ありがとうございました。
そのほか、13ページ、14ページの資料というのが、今までの委員の方に話をしていただいたものも含めてありますけれども、難病相談支援センターが果たすべき役割について、この資料も見ながら、何か御意見ございますでしょうか。
○田中構成員 滋賀県の東近江保健所の保健師の田中と申します。
私は、先ほど両角委員もいらっしゃったのですけれども、日々、保健所の窓口等で、現場で難病の方の支援に携わっております。そこから、センターの役割と、あと保健所の連携についてということで少し御意見を言わせていただけたらと思います。
当県では現に1カ所、センターが設置されておりまして、そこには、1カ所ということもあるので、現場で働いている者としては、専門性の高い相談ですとか、ピアで保健所単位では人が集まらないところに希少な疾患の後援会とか交流会をしていただけるとよいなと思っているところと、あと患者団体活動の支援とかも保健所単位では難しいので、していただけたらよいなと思っております。センターが近い地域ではセンターのことを紹介しやすいのですけれども、うちですと1時間やはりかかりますので、紹介もしにくくて、紹介してもなかなか相談につながらなかったり、電話だけの相談になっている現状がございます。
一方で保健所のほうは、相談のほとんどが自宅へ訪問させていただいて、本人さんと御家族と出会わせていただくということがやはり特徴かなと思っております。一回で相談って解決しませんで、進行もしていきますし、それに合わせていろんなサービスの調整等が必要になるので、継続して相談できるであるとか、おうちに行かせていただけるというところを最大限活用させていただくのが保健所の特徴かなあと思っております。
医療機関や会社への訪問等も足を運んで実際させていただいているところです。地域の関係者を交えたケース会議の参加もかなりさせていただいていて、具体的に支援にも入らせていただいているのですけれども、やはり異動があるというところで、保健師の人材育成というところも課題がありますし、難病の方の数が少ないということもありまして、介護保険とか市町村の担当の人の知識とか技術、難病に関するところがわからないといったことで、支援に行き詰まったり困難を抱えることがやはり多々、結構行き詰まっております。
こういうところで、センターから専門的な助言とか支援、指導がいただけるといいなと日々感じております。特に病気の受容の支援とか、これはピアの方がいられると、もう少し受容していってサービスに入っていけるのではないかと思うような患者さんがおられたり、コミュニケーションの支援というところが結構難しくて、そういうところでもう少し専門的な相談ができるとよいなと日々感じておりまして、そこをセンターに期待しているところです。
もう一点、就労相談というのもありまして、そこも保健所ではやはり難しいなと思うのですけれども、センターが遠くて行っていただけないので、就労相談とかピアカウンセリングについては、ニーズに応じて臨機応変に出張相談、保健所に来ていただけたり訪問してもらえるとかなり御本人さんにとって効果的に相談につなげていけるのではないかなと、窓口をやっている者としては思っております。
もう一点、ピアサポーターさんも地域におられるとすごい活躍していただける場があるなと感じているのですが、ここの養成というのができませんで、センターのほうで養成していただいて登録していただくみたいな制度があると、必要なときにそこの地域の人が活躍してもらえるような場が設定していけるかなと思うので、そういうこともセンターにしていただけるとかなり連携していけるのではないかなと思います。
以上です。長くなりました。済みません。
○小国座長 ありがとうございました。ほかにはありますでしょうか。
では、城構成員、お願いいたします。
○城構成員 滋賀県が続いて申しわけございませんが、滋賀県の就労のほうをしております城です。
前回の発言でも、障害のほうの自立支援協議会との連携というところで少し御意見させていただきましたので、きょうは資料のほうも御用意させていただきまして、参考になるかわかりませんが、ペーパーで持ってこさせていただきましたので、ぜひお読みいただければなと、スライドのほうを見ていただければと思っています。
難病相談支援センター、滋賀県、今の田中さんのお話もありましたけれども、滋賀県も1つということで、先ほど、横内さんとか両角さんのお話もありましたけれども、患者さんのニーズというのも多種多様ですし、それは多分、難病相談支援センター単独で解決していくというのは非常に難しいということで、難病の方々が地域で働き暮らせる地域づくりという視点を持って動けるかというところがすごく大事なことなのかなと思っています。
障害のほうに関しては、障害者総合支援法上で障害者自立支援協議会という枠組みがありまして、お手元の資料を見ていただきましたら、上のほうの図ですけれども、いろんな方々が参画して、会議のほうもしております。例えばですけれども、私、就労のほうをやっておりますが、企業関係者とか就労支援関係者であったり、先ほどの話、高齢者分野の介護のほうとか学校とか保健医療とか、いろんな関係者が、これはあくまでも障害のある方々が地域で働き暮らせる仕組みをどうやったらいいのかということで集まる仕組みがもう既に障害者総合支援法上の中であるという形です。
その下のほうのスライドですけれども、自立支援協議会の機能としまして、1つが情報機能ということで、非常に困難な事例をどのように解決していったらいいのかとか、情報を共有する仕組みであったりという形かなあと思いますし、調整機能としてはまさしくそのサービスを調整する機能ということとか、あと開発機能としては、地域で必要な資源を、ないものはつくっていこうということで、この自立支援協議会自身が地域にない資源を自らつくるということなども含めてやっていくということで、この自立支援協議会の中に難病患者の方のいろんな課題を含めて一緒に考える仕組みをつくっていくことがきっと地域の中で有効になっていくのではないかと考えております。
ペーパーのほうをめくっていただきまして、自立支援協議会、各都道府県によってそれぞれ専門の部会はまちまちなのかもしれませんが、一例として、障害別でプロジェクト会議があったり、課題別で会議があったり、事業所別で会議があったりしております。自立支援協議会は県単位、圏域単位、市町単位という部分でありますけれども、自立支援協議会というのはあくまでも地域づくりの中核の存在であると思っていますし、先ほどの機能の部分とかぶる部分かもしれませんが、一つ一つのケースを、自己完結に陥らないために、みんなで取り組むという仕組みでもありますし、他人事にもしないと。いろんなケース、どんなことでも自分事にしていくというような地域をつくっていくことが自立支援協議会の必要な機能として、地域によってまちまちですけれども、少し機能してきているのかなあとは思っています。
その次のページで、滋賀県の2のところをまたごらんいただければと思いますけれども、これは一つ一つのケースを丁寧に地域でやっていこうと、その積み重ねがあくまでもこの自立支援協議会につながってきたと考えています。なかなか一つの機関、事業所では解決できないケースを地域みんなで考えてつくっていこうというのがこの自立支援協議会につながったのかなあと思っております。
その下が滋賀県の組織図ですけれども、1つは、医療的ケア児・者に関する協議会というのは、県の自立支援協議会の中にも、既に滋賀県の場合、設置しておりまして、今のところ、障害児の通園支援、養護学校への通園支援なんかをしておりますけれども、それ以外にも、こういうところでしっかりと議論していくことがすごく大事なことなのかなあと思っております。
最後のページ、裏側ですけれども、滋賀県、7つの圏域にそれぞれありますし、市町単位でもありますし、それをとりまとめる県一つの自立支援協議会もあるという形です。
最後のスライドで、滋賀県の自立支援協議会の大事にしていることということで、「四ない主義」と言っているのですけれども、抱え込まない、自分たちだけで抱え込まずに、みんなで一つ一つのケースを対応していこうという、抱え込まないという部分と、押し付けない。自分のところで受けたものをどこかの機関がやってくれるではなくて、みんなでやっていこうという部分で、押し付けない。いろいろ意見が違うかもしれないけれども、けんかしないという部分と、自分たちでやったという、一人勝ちしないという、この「四ない主義」をもとに地域をつくっていく。その中で、障害者支援だけではなくて、難病のある方々の支援もこの機能を使っていくというのも1つかなと思って、きょう、資料のほうも用意させていただきました。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。ほかには御意見ありますでしょうか。
それでは、役割について御議論いただきましたが、センターが役割を果たしても、それを患者様に利用していただかないと意味がありません。15ページにありますけれども、「センターを知らない」4割の人への周知をどうするかも課題です。これについて具体的な周知方法について、長野県、千葉県のセンターの周知方法などをお聞きしたいと思います。また、静岡県の事例もわかりましたら教えてください。
両角構成員、お願いいたします。
○両角構成員 周知のことですね。当県の場合、保健所だとか、あと県のほうでやる研修会、こちらのほうでも年2回シンポジウムがあるのですが、医療関係者だとか、あと、患者団体だとか、当事者も関係者も集まるような研修会やシンポジウムのときには、私どもからではなく、県の担当課のほうから周知をいただくようなお願いをしております。非常に県の担当課の方も協力してくださいまして、私どもではとても周知できないところまで細かくやっていただきまして、それこそ、本間さんからも話ありましたように、医療機関であったり、あと訪問看護ステーションであったり、介護関係の協会であったりというところで、県から市町村であったり、そういった協会のほうであったりということを細やかにやっていただいています。
あと、こちらのセンターのほうでも相談者の方々にも周知させていただいたりというような、それぞれのセンターだけでなく、関係する機関のほうにも御協力いただきながら、事あるごとにイベントのことを周知いただくと、そこに難病相談支援センター、このイベントだけでない、こういう相談にも乗ってくださったり、どこかにつないでくださるとかいうようなことを、ちょっとセンターと添えて、こういうところなんだよということを事あるごとに周知いただくようなことをちょっと工夫しておりまして、初めのころは県の担当課とそういった周知のやり方ではなかったときには、センターだけでやはり届かないかなあということをつくづく感じましたので、そういった中で、県の担当課の方と話をする中で、県から情報を流しますよということで広く周知いただいたことが、少しずつですけれども、周知されてきつつはあるのかなあと思います。
ただ、センターに相談いただくと、この割合かどうかわからないのですけれども、まだまだ知らない方がいらっしゃいまして、病歴が長い方がお電話くださったときに、私は発症して10年20年たつけれども、センターのことは何も知らなかったよと言われたときには、御本人さんたちも切ない思いをなさいますし、私たちも、もうちょっと早く知っていれば、制度なり何かつなぎができたのかなあと思うことが、ちょっと悲しい現実もありますけれども、ただ、こういった声を何かしら工夫しながら、私たちのセンターだけの問題ではなく、いろんな機関と共有させていただきながらというところでは、先ほどの協議会もありますけれども、そういった顔合わせるような機会あるときにも、いろんな周知の仕方というところで工夫はできるのかなあと思っています。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
横内構成員、いかがでしょうか。
○横内構成員 千葉県の周知は、ホームページとフェイスブックとかいうところと、あと、病院にあるので病院内に掲示をしているというところですけれども、ただ、病院は通常、相談業務というのもやっていて、難病患者さん、相談に来るのだけれども、相談支援センターに相談に行っているのと通常の相談室に相談に行っているのが余り区別できない状況にあって、御本人として、相談支援センターに来ているんだという認識が余りない可能性がありますね。確かに相談支援センターの認知度というのは余り高くなくて、そういう診療室に張ってもらったり病院に張ってもらったり、あと保健所で更新するときの書類に混ぜてもらうとかいうような活動をやっている。あと講演会をしているときに、相談を受け付けますというお知らせをするとかいう、そのような活動を主にしています。
○小国座長 ありがとうございました。
伊藤参考人、お願いいたします。
○伊藤参考人 こんなことをまた途中から口出していいのかどうかわかりませんけれども、この15ページの図ですけれども、どういう人たちを対象にこの利用状況の調査をされたかわからないのですが、このセンターを知っているか知らないかということから言えば、6割は知っているわけですね。これは僕は非常に高い数字だと思います。
例えば患者会とよく言いますけれども、患者会に入っている患者さんというのは、同じ病気の中でもごく一部なのですね。最大で10割、昔は、透析病院だとか特殊な治療しているところはほぼ100%近いというのもありましたけれども、だんだんそれもなくなってきていまして、それはいろんなことで患者会に頼らなくてもよくなったということも言えるのですけれども、余り患者会って意識していない。では、患者会の代表で、ここであれこれ言うのは何かというと、そのぐらいの数であっても、患者や家族、当事者の声を出すという機能としては十分評価されるものだろうと思うからです。
それから言えば、この利用状況ってそんなに低いものではないだろうと思うのです。むしろ、きょうも見えていますけれども、例えば難病情報センターを御利用になった方、いらっしゃると思いますけれども、あれは月のアクセスの件数というのは、平均しても300万件超えるわけですね。毎月毎月。すごい数だと思います。同じ人が何度も繰り返しているということもあるのでしょうけれども、そういうものを通じて、1つは、ある程度そこにあるいろんな相談の事例とかそういうことで満足してしまっている、あるいは病名とか治療法を聞いて満足してしまっているということもあるのだと思います。でも、そういうことを通じてでも、知っているということと知らないということは大違いですから、それは少しずつふえてきているわけですから、私たちとしては、知っていても来ないという人のことも考えると、まあまあこんなものかな、そんなに悲観するような数字ではないと。
問題はむしろ、きちんと相談があったときに、そのニーズに応える、その人の思っているニーズに応えることができる相談機能なのかどうかですよ。医療機関として、あるいは行政として、こういうことがあります、こうしたらいいのですかという話ではないのですね。その人が何を望んでいるか。それができるようなところがふえていけば、僕は、件数は少なくても十分役割は果たしていっているのではないか。それは患者会の相談なんかを見てずっと感じていることですけれども、そのように今思っていますから、そんなに議論しなくてもいいような気もしたりして。済みません。
○小国座長 周知というよりは内容だというようなことですけれども、そのあたりも含めて、静岡市はどうでしょうか。
○加治構成員 静岡市保健所の加治と申します。ありがとうございます。
静岡市の場合、センターの周知にこういうチラシを使っております。患者さん、あるいは御家族が保健所の窓口に申請に来られますけれども、新規の場合も継続の場合も、必ずこういうチラシをお渡ししているものですから、静岡市の患者さんでセンターを御存じない方はほとんどいらっしゃらないのではないかなと思います。お配りさせていただいてよろしいですか。
○小国座長 はい。
○加治構成員 では、これ、回していただけますか。済みません。
それから、ついでに申し上げますと、小慢に関してもこういうチラシをつくりまして、これは郵送しております。毎年、継続手続の書類を郵送するときに、この小慢の相談事業についてチラシを、以前は実は同じ封筒に入れて郵送していたのですが、昨年度、試しにこの小慢の支援事業に関するチラシを別個に郵送しましたら、昨年度、御相談がふえました。そういう実績がありますので、別個に送るとそれだけ印象が強いのかなと、そういうことも感じました。
それから、当然、病院の先生方、こういう事業のこと、御存じない方が多いと思いますので、毎年行っております難病指定医研修会では、病院の先生方に、こういう事業がありますよということをお話しするようにしております。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。そのように積極的にされている県もあるという状況だと思います。また患者会の立場としては、難病相談支援センターについて、どこでどのように周知されているかが効果的というような御意見、今までもちょっとありましたけれども、さらにそういう御意見、別にありますでしょうか。
○伊藤参考人 過去の話ばかりして申しわけありませんけれども、前の難病対策委員会なんかでも盛んに言われたことですけれども、何の病気かわからないで困っている、診断もつかない、あるいは専門医らしい人にも出会わないというような人たちが、実際、そういう病気でなかったり、難病という病気でなかったりしても別に全然構わないのですが、そういう悩みに答えられるようなものであればいいのではないか。既に病名がわかって治療を受けている人は、我々がアドバイスするとすれば、主治医ともう少しお話しされたらどうですかみたいな、あるいはそこの病院の相談室に行かれたらどうかというようなことを、患者会だったらお話をするということではないかと思います。
○小国座長 ありがとうございました。
そのほか、13、14ページの細かな情報までとは言いませんけれども、全国の難病相談支援センターごとにこのような支援を行っているかがわかるようになればもっといいのではないかと思いまして、難病患者さんも理解できる表のようなものを、全国のネットでありますとか、そういうところに公表するということはいかがでしょうか。どのようにお考えになりますでしょうか。
今、静岡市はチラシで配られるということですね。実際、ネットで見ますと、静岡市はネットも充実されていてということですけれども、全国的に見ると何もネットでは見られないという状況もありまして、公表するという点については何かございますでしょうか。やめたほうがいいとか。
○加治構成員 加治です。
やはり広く情報は共有したほうがいいと私は思います。個人的には。センターで御相談を受けると、必ずそれは情報を全国のあれに入力しますよね。ただ、入力はするのですけれども、その後はほとんど利用していないというのが現状のようなのですね。それはとてももったいないと思いますので、全国の情報を集めるだけでなくて、それを上手に発信していただいて、これは厚労省様にお願いすればよろしいのでしょうかね、例えば好事例というのを集めるようにして、うちの県、あるいはうちの市ではこのようにやっていますよという記事を載せていただくと、結構全国で閲覧されて利用されることにつながるのではないかなと思いますので、まずは具体的な例を発信できるような、そういうシステムがあればいいなと感じます。
○小国座長 患者様を含めて見やすいような発信ができるといいということですね。ほかにはございますでしょうか。
○本間構成員 あせび会の本間です。
今のに関連してですが、さっき伊藤さんがおっしゃったのは難病情報センターですね。これ、月アクセスすごい数なので。300万ですか。ちょっとでこぼこありますけれども、それぐらい視聴率高いところなので、ここに一覧表なりつくって、リンクを張るというのがやはり一番効果的だと思うのですね。それで、ここに出ているような各市町村、県とか市とか大学病院内の、こんなことやっていますというのを一覧表で見られると、それこそ日本列島の47都道府県ごとに、そこを押せば一覧表で見られるというところまでリンクいただけると非常に使い勝手がよくなると思います。自分のところはどうしているかももちろんですが、隣の県はどうなっているのか、あるいは地方の県ですと、首都圏のほうはどうなっているのか、いろんな参考情報が入っているので、患者側としても大いに参考になると思います。
それともう一つは、先ほども申し上げましたが、我々患者側のまず行くのは地方のお医者さんなのですね。特に難病の指定医のところに行ったときに、その指定医の先生に、お医者さんはどうしても治療が優先しますので、その結果、子供の保育園や学校はどうする、それから、大人になって仕事はどうするという問題はこちらの相談センターのほうになるわけですね。ですから、ここに行って、とにかく誰かに伝えてもらうなり、そこで相談をしてもらうなりということをやったらいかがですかという一言を指定医の方から言っていただけるだけでも、随分その後の行動が違ってくると思うのですね。そこのところはぜひこちらからもお願いしたいと思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。ほかに御意見ございますでしょうか。
城構成員、お願いします。
○城構成員 医療ソーシャルワーカーさん、MSの方にどう周知していくかというのはすごく大事だと思っていまして、恥ずかしい話、滋賀県のMS協会のほうでも、まだまだしっかりと周知いただいていないMSの方がおられるのも正直な現状で、どうMS、医療ソーシャル協会とかと含めて連携していくのか、周知していくのかということも大事なことかなと思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
お願いいたします。
○中田構成員 長崎県の中田です。
難病相談支援センターの周知については、例えば主治医からとか、あと更新申請のときに、きちんと一人一人指名するとかいう形で、周知すること自体は物理的に可能だと思うのですけれども、それを知って本当に相談に行くかというところまでつなげるに当たっては、例えば静岡市さんの出してくれたこれを見たときに、例えば同じ人と交流したいという相談があったときに、そういうことしたことがない人って、交流したらどういういいことがあるのですかとか、例えばこういう点で非常に自分の不安が解消されたみたいな、要はこれをやることによってどういうメリットがあるのかということがなかなか受け手として理解しないと最初の一歩って見出せないのかなあと思いましたので、これをホームページとかで啓発する際に、例えば交流したときに、こういう内容をやっていますよとか、こうした結果、体験談としてこのようにいいことがありましたよと、具体的にちょっとわかるような周知の仕方をすると効果的かなあと思いました。
ただ、一方、そのように周知すると、それは全国どこでもそのようにできるのですよねというふうに多分受けとめられますので、逆にいうと、その啓発の仕方によっては各難病相談支援センターのレベルも均一化しなければいけない部分も出てくるかと思うので、そことちょっと均衡合わせて啓発の仕方は考えたほうがいいのかなと思った次第です。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
伊藤参考人、お願いします。
○伊藤参考人 これはなかなか難しくて、今、私たちも希少疾患の患者会の設立支援というのをやっているのです。本当に数少ないから、なかなか難しいです。そういう方々は、ホームページつくって、そこで宣伝したりいろいろしているのですが、なかなかそれが乗ってこない。わからない。大体、見ていないかもしれない。それと一番問題なのは、怪しい呼びかけも多いわけです。それもわからないのですよ。正しい治療法かどうか、よくわからない。ずうっと読んでいくと、とてつもなくおかしな治療法を宣伝していたり、どこかの病院にそのまま誘導されていったりということもあるわけですね。それは余程知識のある人でないと見抜けない。
そういうことから言ったら、思い切り宣伝するというわけにいかないけれども、どこかがオーソライズしているものであれば、ここに載っているのは安心だよというのがあれば、例えばそれが難病情報センターだったり、あるいはチラシとしても、県とか市が配っているものとかいうのはそう怪しいものではないだろうということを考えつついかないとならない。
患者数の少ない病気の人ほど、同じ病気の人との交流をしたいという希望、非常に強いのですね。誰かに会ってみたい、その人どうしているか知りたいということですから、そういうのを応援する仕組みももう少し、我々も頑張っていますけれども、全体としても強化する必要がある。そういう点では相談支援センター間の連携というのはよくて、利用できるのではないか。こういう病気で、同じ病気の人を知りたいと言っていますというのが流れていったら、せめてそこの部分だけでもひっかけて、そして自分のところにもこういう人がいますよというところから始めていったらいいのではないか。これは前から言われていることですけれども、なかなかそれが実現しないのですが、そのようなことも一緒にあわせて検討していただければと思います。
○小国座長 わかりました。いろいろ情報をどうやってお互いに周知し合うかというところも含めてというように思います。
どうぞ。
○高橋(昭)構成員 うりずんの高橋です。
私、難病とか小慢の指定医もやっているのですけれども、さっき、指定医のところでなかなか情報がというお話もございましたけれども、実際の指定医の先生は、恐らく病気とか治療に関しては熱心だし、その指定医の所属している医療機関のMSW、ソーシャルワーカーの方はきっと医療費のことでは結構つながっていると思うのですけれども、問題はその次で、暮らしとか、その他の交流とか、こういった部分に関しては結構、診察室の中で多分情報が落ちてしまうと思うので、指定医は5年に1回更新の時期がありますから、そのときに、ただ書類出して終わりでなくて、支援センターを使うとこういうことがありますよと、好事例みたいな、一枚でいいので、何かこういうときは相談してくださいねみたいな具体的なことを、チラシを一枚入れて更新みたいな感じにしておくと、少しは診察室の中に情報が入ってくるのではないかと思います。
○小国座長 ありがとうございました。非常に有効な手段だと思います。
ほかにはよろしいでしょうか。
○両角構成員 今の周知の話からふと思ったのですけれども、例えばこういった一覧が出たときに、やはり運営形態によっても、また人員の配置によってもそれぞれかなあと思うのですが、私どものところも、1人から2人の相談員になりまして、楽になった部分というよりも、さらに事業がどんどんふえてくる中で、例えばですが、こういった一覧が出たときに、あちらの県ではこういうことをやっているけれども、うちにはどうと言われたときに、うちもやらなきゃいけないかなと。それもすごく大事なことだとは思うのですが、ただ、相談員の体制自体も非常に厳しい状況になっていまして、人がふえても事業は減らないというか、むしろいろんなことがさらにさらに追いかけてふえていくという中では、相談員の体制というところも何か充実できるような、継続して支援がスキルアップもできるような、いろんな研修もあるのですけれども、なかなか追いつかない現場があるものですから、一言そのこともちょっと添えさせていただけたらと思いました。
以上です。
○小国座長 では、2つ目にいきたいと思いますが、他機関との連携についてと地域協議会の活用についてというところに移りたいと思います。他機関と連携を進める具体的な方策と、それに大きく関連する地域協議会についてあわせて議論したいと思います。
他機関との連携について、先ほどの役割の議論と重なるところもあるかもしれませんが、さまざまな支援ニーズに対応するには地域の関係機関との連携が重要だと思われます。他機関との連携を強化する具体的な方策について、センター関係者や労働関係の立場から御意見もいただけませんでしょうか。また、保健所とセンターとの連携などについても御意見があったらお願いいたします。
○加治構成員 静岡市の加治です。
静岡市では、この地域協議会、年間2回開催しています。そのメンバーですけれども、難病の専門医、看護師、ソーシャルワーカー、理学療法士、介護支援員、ホームヘルパー、それから難病連の事務局長の方、それから介護支援専門員、患者家族会の方、それに行政の関係課の職員が出席しておりまして、保健所が事務局を務めております。そういう形で、一応その会議ではそれぞれの立場の方から御意見をいただきますので、それなりの連携はとれるかなと感じております。
それともう一点、ちょっと外れるかもしれないですが、実は静岡県では、在宅重症心身障害児・者対応多職種連携研修という会を、全県を8つに分割しまして、8つの医療圏ごとに毎年開催しておりまして、多職種連携研修会ですので、それこそさまざまな職種の心身障害児・者にかかわる方々が集まって、大体70~80名規模で会議を開いておりまして、顔の見える関係づくりを努めております。そういうことも役に立っているかなあと考えております。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。ほかにはありますでしょうか。
福島構成員、お願いします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
1回目か2回目のときにも同じようなことを申し上げたと思いますけれども、この協議会について、形骸化したものではなくて、地域のニードを汲み上げて、具体的な事業に結びつけられることを目指すのがやはり大事だと思います。そのためには、ほかの方からもお話がありましたけれども、部会の設置とか地域の関係者の顔がつながる交流とか、頻度の高い情報交換を促す仕組みが必要だと思います。
資料の25ページのところにも、予算、人員が確保できないという理由で協議会が設置できないという回答が出ております。この協議会自体の設置を義務づけるというのは難しいと思いますけれども、例えば義務的経費に位置づけるような何らかのインセンティブがやはりないとなかなか進まないとも思います。
また、先ほどお話があったとおり、障害者の自立支援協議会であるとか、それから、難病や医療的ケアに関する協議会を持っていらっしゃるところも多くございますので、その共同設置についてのメリット、デメリットをきちんと検証して、好ましいということであれば、ぜひそういった方法を進めるということも検討していただきたいと思います。
以上です。
○小国座長 田中構成員、お願いいたします。
○田中構成員 東近江保健所の田中と申します。
うちは地域保健所ですので地域協議会の事務局も持たせてもらっているのですけれども、地域協議会自体は年1回の開催になっているのですけれども、そこは本当にたくさんの方が、25人か30人ぐらいの参加になるので、どうしても、言われるとおり、形骸的な会議になりがちですので、そこをいかに動くものにしていくかというところに工夫が必要です。言っていただいている部会はないのですけれども、その前に、ことしテーマにしていく、今、課題になっていることについては、担当者会議をさせてもらったりネットワーク会議をするということで、もう少し実務者での会議で検討を重ねた上で協議会に上げるということをしています。
今年度については、医療的ケアが必要な方の重症難病の方の課題がかなりあるので、そのケース会議をかなりやっておりまして、そこの課題を上げてくるでありますとか、災害のテーマでありますとか、昨年度は就労のテーマですけれども、そこの関係者をまず集めて、かなり検討してから協議会に上げるということをしております。
協議会をしている中で一番感じるのは、そこに患者さん団体ですとかが入っていただいていることがかなり大きくて、「余り私関係ないけど、呼ばれたわ」という方も、正直、来られるのですけれども、そこで患者団体さんとか、うちの場合はNPOで作業所をやっておられる方が患者さんであったりするので、そこの方にも入っていただいているのですけれども、そういう方たちから直接話を聞いていただくと、すごい参加者に響きます。その後の活動につながっているなあと具体的に思いますので、どんな方に参加していただいて、誰に何を発言していただけるかというところも、動く協議会になる大きな要因だなと感じております。
もう一点ですけれども、うちの協議会は、どちらかというと保健所が最初主催して集めたというよりは、重症難病の方を支えていて、困っている方がまず集まって何とかしようよという形で始まっていることもありまして、法制化される前からやっていますけれども、法制化された後も、実は予算ゼロで、皆さん、手弁当で来ていただけるような形でやっておりまして、この辺はうちのよさでもありますけれども、やはり行政的には予算がついて、やらないといけないから開くというやり方もありまして、どちらがいいかわかりませんが、これからどうしてもやっていくということについては、一定予算があって、お金がついているから保健所としてやらないといけないというような後押しも必要なのかなと。どちらの方法も大事かなと思いますけれども、そういう方法もあるかなと思います。
以上です。
○小国座長 とても好事例とか、貴重な体験というか、示唆されるような御意見、ありがとうございました。
では、高橋構成員、お願いします。
○高橋(郁)構成員 新宿区の保健所の高橋です。
前々回でしたか、新宿区の地域協議会の取り組みについて御紹介させていただきましたので、その内容とちょっとかぶってしまうかもしれないですけれども、今ちょっとお話が出ています、地域協議会をどうしたら設置できるかと、設置が進むかということについて、ちょっと思うところをお話しさせていただきたいと思います。
この資料で8枚目のスライドのところに、県型ですと約1割が設置できていない。市では4割、特別区では6割が未設置と書いてありますので、これを見ると、県型の保健所ですと、広域的、専門的業務というところで、難病は本来業務というような考え方もあろうかと思いますが、県のほうから、本庁のほうからつくれと言われればつくるというような、そういうトップダウンが多いのかなあという気がします。
市と区はやはり市町村業務と保健所業務と両方やっていますので、どちらかというと市町村業務の多さですね。その業務に追われているところもあって、なかなか手が回らないというところも実際はあるのかなあと思います。ただ、トップダウンでできないこともなくて、そこがうまく機能していけば非常にいい形で進んでいくのも区市型の保健所のいいところでもあるかと思っています。
ですから、県型ですとトップダウン、市型ですと、どちらかというとボトムアップのほうがいい形でできるのかなあと思っていまして、それはどうしてかというと、新宿区では、この前もお話ししたのですが、昭和55年から、難病の医療費申請に窓口にいらした方に保健師が全数面接をしております。昭和55年からということで、当時の保健師さんたちの意識が高かったのか、当然と思ってやり始めたかよくわからないのですけれども、今でも、例えば妊娠届けでいらした妊婦さんたちも全数面接していまして、保健所というのは、困ったときに来てくれるといっても接点が少ないのですね。なので、そういう手続で来られたときの機会を逃す手はないということで、全数面接を心がけるというのは非常に保健師さんたちのやる気のあるところといいますか、非常にいいところだなあと思っていまして、これは人材育成の話になると切りがないのでここではそういうお話はしませんが、とにかくニーズを日ごろから把握していましたので、うちの保健師さんたちは何をすべきかわかっている。じゃあやるしかないなということで、ある程度難病の施策は進んできていると思います。まだ道半ばではありますが、そういう中で、協議会は当然やるのだと、やったほうがいいねという話で、そんな苦労もなく立ち上がったものですから。
それで、立ち上げてみて思うのですけれども、やはりピアの方たちの現場で活躍している方の生の声を聞けたりとか、関係者が一堂に会するという絶好の機会ですので、非常にいい情報共有ができるということで、ある程度、新宿区の場合、手がけていた施策をその場で発表することでピアの方たちにほめていただけるといいますか、非常によくやっていただけているねなんて言われると、やはり職員もやる気が出ますし、何をやったらいいのかと、言われたことは素直に、ではやりましょうとなっていくわけで、非常にいい形で進んできているかなと思います。スローガンを掲げて、みんな一丸となってやっていこうという機運も生まれますし、そういった形で、非常にボトムアップは時間がかかるように見えますけれども、新宿区も昭和55年からやってきていることですけれども、トップダウンでつくるのも一つの手かとは思うのですが、そういう新宿区での例を見てみると、まずは保健師さんの全数面接から始めてみてはいかがかなというところもちょっと提案させていただければと思います。済みません。よろしくお願いします。
○小国座長 ありがとうございました。
今いろいろ御意見を伺いましたが、連携がうまくいっているかどうかを確認するということで、どのように評価しているか、中田構成員、いかがでしょうか。評価についてはどのようにされているでしょうか。
○中田構成員 第1回目のときに長崎県の状況をちょっとお示しさせていただいたのですが、長崎県の実態を申し上げますと、全ての保健所で実施しているわけではなくて、8あるうちの2カ所で検討しているという状況でございます。さらに実態としては、今、保健所レベルでの検討で終わっていますので、本庁にその情報が上がってきて、何か難病対策として、県全体の施策に生かすという状況で検討してはいないという状況でございます。したがいまして、長崎県はそういった面で他県よりもちょっと課題があるのかなとは思っておりますが、一方では、これができていない地域は、我が県は離島圏域に1つ保健所を設置していますから、そこは、はっきり言うと保健所と市町村が本当は1対1の関係になってしまうぐらいの関係にもあり、非常に人口も少ない中でやっていますから、それができていないのは、もともとふだんから、結構身近な市町村の職員とそういう困っている方々が常に保健所と一緒にやっているから、あえてこういう会議をやらなくても、個別事案としてもできてしまっているからというところかもしれないと考えています。
結論から申し上げますと、それぞれの地域で、保健所接している地域も、人口規模も違うところが結構あると思いますので、この検討する中身についても、多分それぞれごとの特色があっていいのかなあと思っています。
その上で、こういうことをきちんと全部制度として全保健所区域でやったほうがいいのかどうかは、個人的にはそこまでの結論はわからないのですけれども、いずれにしても、それらの地域で連携体制の何らかの検討はやはり必要なのかなあと思います。
ただ、保健所もいろんな会議がありますので、ふだん顔合わせる関係がだんだん似通っている状況もあるので、ほかの会とうまく一緒に連携してやるなどのことのほうがより効率的にできるのではないかなあと思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。今いろいろな御意見が出ましたけれども、センターの職員の方の知見とか技能など、そのことも含めて、今までの御意見にもう少し御意見があるという方はいらっしゃいますでしょうか。
○江口構成員 北里大学の江口と申します。
地域協議会の件について少し御提案させていただければと思いますが、相模原市の場合には、今、就労部会というのをつくって、そこで申請される患者様方に対して、今、就労についてのアンケート調査とかをやっています。そういった意味で、協議会自体が地域診断の役割も担うのかなあと思っていたところだったのです。自分の経験上ですね。でも、今の皆さんのお話を聞きますと、連携、顔が見える関係を構築していくという部分があって、その辺をどのように役割をしっかりと持たせていく、明確化していくことが大切なのではないかなあと。確かに連携で顔が見える関係というところでもいいのですが、よりもう一歩踏み込んだことができるように。
ただ、それは言うはやすしで、各保健所が持たれている地域資源の部分でかなり格差があるというところもありますので、県単位のところでは少なくともそういう地域診断的なところで、地域の大学とかそういうところと連携していろいろやっていくともう少しいろんなニーズ把握ができていくのではないかなあと思いまして、その辺が連携だけではなくて、もう少しシンクタンク的な部分といいますか、そういうところも少し位置づけると、機能としてはそういった意味ではすごく使いやすいというか、そういう枠組みかなあと思って、今、自分の実体験上です。
相模原市の場合、5,000件ぐらいに対して療養の申請をしてもらっていて、当初、1,000名くらいしか返ってこないのではないかと思っていたら、3,000名くらいの方が皆さん任意でお戻しいただいていますので、恐らくそういう就労の部分についても、あくまでも申請される方々ではありますけれども、潜在的にもいろいろ自分の意見を聞いてほしいという意見は地域にはあるのではないか。それを酌んでいくことも1つ大切な役割ではないかなと思いましたので、その辺ちょっと意見させていただきました。
○小国座長 地域の大学などを使ったそういう取り組みもいいのではないかということですね。ありがとうございました。ほかにはありますでしょうかね。
城構成員、お願いします。
○城構成員 先ほどちょっと自立支援協議会の話もさせていただきましたけれども、この協議会自身とか顔の見える関係って決して目的ではなくて、あくまでも手段であるということだと思うのです。何かというと、やはり困っておられる患者さん一つ一つのケースを地域でしっかりと取り組んでいくということから協議会が始まるべきであって、協議会をつくろうといってつくるものでは本来あってはならないだろうなと個人的には思っています。
多分、ケースを持っている者からすると、全てのケースがうまくいくとか、スムーズにいっている、そんなことはあり得なくて、また自分一人だけでその方を支えるってとてもおこがましくてできないことで、それをどう地域で支えるか、困ったよというSOSを地域のほかの関係者とどう発信していくのかというところからでもいいと思うのです。何かそういう小さな積み重ねが、シンクタンクというお話もありましたけれども、そのケースの積み重ねがシンクタンクになっていくきっかけにもなると思いますし、地域の中で難しく考えずに、一つ一つのケースをみんなでやっていくということなのかなあということと、あと、やはり継続していくということで、確かに何でみんな毎回集まらなあかんのやという声も出てくる場合もあるとは思うのですけれども、それでもやり続けるというのか、ケースを一つ一つやっていくということがきっと協議会が根づいていくことになるのかなあと思います。
○小国座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
いろいろ御意見いただきまして、ありがとうございます。
続いて、難病相談支援センター間の連携ですけれども、前回のワーキンググループで森構成員から、センター間で相談ができる体制が必要というお話がありました。センター間の連携について、現状の制度や仕組みで対応できないのかということも含めて御意見をいただきたいと思います。例えばセンター間の連携について、困り事などが発生した場合の対応や連携の方策など、現場の御意見を聞かせていただけないでしょうか。そのほか、MSWの方は、困難な事例があるとどのように対応していくのかということで、両角構成員や横内構成員、いかがでしょうか。
○両角構成員 ありがとうございます。資料の18ページにありますようなネットワークの運営支援ということで、現在、こちらのセンターのほうでも、相談票の入力もそうですが、掲示板のほうを拝見して時折はしているのですが、ただ、日ごろの業務の兼ね合いもありまして、毎日こちらを見ながらというわけにはいかなくてというのが現実ですが、自分が困ったときに、過去に1~2例で相談を、ほかの県ではこういう相談があって困っているのですけどということで情報を求めたりとかアドバイスを求めるときに、ネットワークのこちらのシステムを活用させていただいたことがあります。
反応がある場合もあればない場合もあったりで、システムとしてはあるのですけれども、日々の業務の中で活用というところまでは自分の場合はいっていなくて、では日々はどうしているかというと、センターのほうでスーパーバイザーになっている医師がいますので、その医師やスタッフと共有したりしながら、この場合にはどうしたらいいかなあということであったり、ただ、それを超えて、先ほど伊藤さんもおっしゃったように、希少疾患の患者会が長野県にはない場合に、他県、どこかないかなあというときには、知っている相談員のほうに実際に電話をしたり、メールでやりとりができるものですから、そのような中で、狭い分野かもしれないのですけれども、実際のところはそのような横との相談支援員との連携というようなところではさせてもらっています。
ネットワークがなぜ使えていないかという一つの理由といいますか、ありまして、こちらは、ネット環境が大学病院のネットワークの環境にあるのですが、時々というか、年に数回、なぜかシステムダウンしてしまうことがありまして、そういったときには相談票も開けないですし、全く業務が滞ってしまう場合がありますので、こういったネットワークのシステムも使いながら、かつ、相談票のほうではちょっと紙ベースを使ったりとかも時にはあったりはするのですけれども、ネットワークの連携のあたりについてはなかなかうまくできていないという現状があります。
以上です。
○小国座長 横内構成員、お願いします。
○横内構成員 千葉県でも、ネットワークシステムのほうは導入を図ったのだけれども、それぞれの病院でそれぞれ記録の様式とかルールが違っていて、うまく進まなかった過去があります。県内の地域のセンター間の連携というのはすごくやっていて、会議等を行ってはいるのだけれども、県をまたいでの連携というのは実は余りできていなくて、個人的に東京都の方と知り合っているので、やりとりをしたりというのはあるのだけれども、全然連携できていないというのが現状です。もし全国センターとかが今後できていくということであれば、そこで全国の会議とか関東の会議とかいうのがあると、連携も深まっていくかなとは思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。ほかにはありますでしょうか。
伊藤参考人、お願いいたします。
○伊藤参考人 済みません。たびたびで。どういうところで研修しているかという調査されたものの中に難病センター研究会というのが1つ項目があって、ずうっと創立のときからかかわった者としては、そういう取り上げ方していただくのは大変うれしい話ですが、集まってこられる相談支援員の方々は何で集まってくるか、顔を知り、その人を知っていれば相談もできるけれども、何も知らないところで声をかけたりはしにくいというのがあるということはわかってきました。
それと、隣の県でどうしているのだろうというのがありますけれども、なかなかそれもいきなり電話で聞いたりメールで聞いたりはしにくい。実際は、この研究会とかそういうところに参加して発表を聞いたり自分も意見を出してみたりして交流していくのが顔の見える関係で、いろんな情報交流できると思いますが、今の予算の仕組みですと、相談員の方が県外に出ていけない。旅費をそういうのに使ってはいけないとか、一番大変だったのは、この研究会に参加するのに、それは自分の研修なのだから、公費で自己研修するわけにいかないからと言われて自費で参加するということになっていたり、ちょっと予算的にも使い勝手の悪さもあったり、あるいは、半分は県からお金出ているために、国はこうだと言っても、県のほうではそうではないと言われたらやはり予算は使えないとか、さまざまなことがありながら、少しずつ少しずつ改善はされていますけれども、基本はやはり、知り合った中での情報の共有であって、全然知らない人同士がネットワークだけで情報共有できるとか、あるいは相談できるとかいうのはどこかちょっと違うのではないかという気がしますので、もしもネットワークで何かしようとするのであれば、そこらあたりのところを補うものもあわせて考えないと、ちょっと危ない方向にいってしまったらまずいなとかいうこともありますので、何らかこれは慎重に考えなければならない問題かなと思います。
○小国座長 御意見ありがとうございました。考えていかなければいけない問題ではないかと思います。
それでは、ほかにはよろしいでしょうか。
この難病の今のネットワーク、あるいは難病支援センターについての議論を一応ここまでとして、小児慢性特性疾患のほうに移ってもよろしいでしょうか。
それでは、「小児慢性特定疾病児童等自立支援事業」に係る議論ということになります。こちらも特に議論いただきたい点として取り上げられた事項について、具体的な方策を含め御議論いただきたいと思います。
まずは、ニーズ把握と任意事業への転換について御議論をお願いいたします。具体的なニーズ把握について、自治体の取り組みとして何か御意見はございますでしょうか。
それでは次、ニーズ把握する自立支援員についてはいかがでしょうか。研修など、ニーズ把握は位置づけられているのでしょうか。福島構成員、お願いできますでしょうか。
○福島構成員 自立支援員の研修については、成育医療研究センターと私どもと共催で、自立支援研修会というものを年に1回ペースで行っておりまして、もう既に7回になっております。先ほど伊藤さんからもお話がありましたけれども、研修に参加するときの旅費の問題があって、自治体によっては、参加したいのだけれども参加できないというような声も聞きますので、そういった部分なども改善していただけるといいのかなと思います。それから、この研修は、私どもの前会長の小林と、成育の五十嵐先生の2人が、法律ができたときに、つくってそのままではなくて、やはりきちっと魂を入れる必要があるということで始まったわけですけれども、いつまでもその体制だけでいいのかということも問題意識としては持っています。きちんとした形で、国や各地域でやるのも必要かなと感じるところもございます。
以上です。
○小国座長 ほかにはございますでしょうか。
自立支援員など、研修、あるいはニーズ把握ということについて何か御意見。
○田中構成員 何度も済みません。田中です。
私は、難病と同じくですけれども、小児慢性特定疾病児童の手続申請のときと更新のときに、滋賀県全部なのですけれども、全員の方にお尋ね票というものを書いていただいています。それは内容は医療とか家族構成とか生活の状況とか困り事とかをアンケート形式で書いていただくものになるのですけれども、相談があった方だけではなくて、一応全員の方の状況を把握するという意味では、かなり状況がわかるものになっております。そこから、必要な方についてはその場で保健師のほうが面接をさせていただいたり、その後、サービスとか訪問とかにつなげさせていただいているのですけれども、数的なもののニーズについてはお尋ね票でかなり把握できますし、質的なものについては、相談があった方について入っていけるというようなメリットがあるかなと思っております。
ここに参加させていただいて、そこで弱いなと感じているのが、自立支援事業の中の任意事業ですね。そこにつながるような項目が余りないなんていうのもございまして、ちょっとそのあたり、工夫していくことで、任意事業のニーズ把握にもつながりますし、そこの事業の立ち上げにもつながるかなと考えておりますので、そのように使っていきたいなと思います。
あと、必須事業でやっている相談支援事業ですけれども、これも都道府県によっていろんな形でやっていると思うのですが、うちの場合ですと、民間の事業所に委託しているのですけれども、相談自体は本人・御家族からほとんどなくて、支援者からの相談がほとんどということで、なかなかそこからニーズを把握していただくのは難しいなと思うので、相談事業の活用方法についてもある程度、もう少し活用していくというか、周知徹底ということもあわせていかないと、ニーズの把握というところとか任意事業の立ち上げというところにつながらないかなと思うので、県として工夫が要るところかなと感じております。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。ほかにはどうでしょうか。好事例と言えるような自治体の取り組みや、また活性化の方策について、御意見がございましたらお願いしたいです。
よろしいでしょうか。
任意事業の実施状況が39ページにありますが、この具体的な自治体名などを国は公表しているのでしょうか。事務局の方、お願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 具体的な自治体名は公表しておりません。この設置も今回調査を行った上での結果となっておりますので、特段、公表等は行っておりません。
○小国座長 このような内容を国が、先ほどのものもそうでしたけれども、公表するという、周知することも大切ではないかと思いまして、周知を行うことで、実施していない自治体も少し、こういうことをやっているのかという認識もできるかもしれませんし、そういうことも必要なのではないかと考えますが、事務局のほうはいかがでしょうか。
○田中難病対策課長補佐 こちらの事業については、各自治体から実際やっているという情報を国がいただいてこのような形にしておりまして、実際にその情報をいただかないと、我々としては調査するのが難しいのですね。なので、自治体の御理解というのが必要かなあと国としては思います。
○小国座長 国がこのような情報が公表するということについて、各自治体はどうお考えになっていらっしゃいますか。長崎県、静岡県など、いかがでしょうか。
○中田構成員 こういう事業を県ごとに集計して、各自治体に一回フィードバックして考えてもらうというのが一つの考えるきっかけになるからいいのかなあと。その公表については、長崎県も中核市、佐世保市、長崎市が入っているので、そこの市の個別の事情まではちょっとわからないところもあるのですが、例えば、これを見た限り、任意事業の今の現状ですと、むしろやっているほうが少ないということですよね。これは各都道府県の問題なのか、何か制度上の問題なのかというのを評価しないと、それを公表したとしても次につながらないと思いますので、圧倒的に少ない、例えば指定都市が1カ所しかやっていないメニューもあるので、これは本当にニーズがないのか、何か使い勝手の構造的な問題なのか、もうちょっと議論したほうがいいのではないかなあと理解いたしました。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、加治構成員、どうでしょう。
○加治構成員 静岡市の加治です。
静岡市では、任意事業は実は一つも行っておりません。公表ということになりますと、自治体名を公表するというのにはちょっと私自身は抵抗があります。どこどこの市、あるいはどこどこの県でやっているから、ではうちもやろうかということにはならないと思います。
静岡市では、慢性疾病児童等地域支援協議会、毎年開催しておりますけれども、そこでアンケート調査をしておりますので、ニーズ把握に努めるようにしていますけれども、ニーズが多い事業がもしそこから浮かび上がってくればそれに取り組むという姿勢はございますので、上からやれと言われてやるものではなくて、やはりまずはニーズを把握してから取り組みたいと考えております。
以上です。
○小国座長 わかりました。ほかの御意見はございますでしょうか。
では、福島構成員、お願いいたします。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島です。
資料の45ページに小慢の自立支援事業のポンチ絵がございます。このスキームを見ると、地域支援協議会の活性化というのがこの自立支援事業の任意事業の展開には必須という形になるわけです。そのためには相談支援とか自立支援による個別の支援から地域のニードを掘り起こして具体的な施策の実行につなげることが必要なわけですが、どういった形にすればその仕組みが有効に機能するのかということをきちんと国として実態調査やヒアリングをしていただく必要があるのかなと思います。場合によっては、このポンチ絵自体を少し変えるということも必要になってくるのかもしれません。
それから、親の会からは、この任意事業について、教育とか就労とか家族、きょうだい支援については必須事業に位置づけてほしいという要望があることを御報告させていただきましたけれども、その一方、国として任意事業の立ち上げ支援のようなスキームも必要なのではないかとも感じますので、その点もよろしくお願いいたします。
○小国座長 ありがとうございました。ほかにはございますでしょうか。
○本間構成員 あせび会の本間です。
今の福島さんのお話の、この45ページのポンチ絵に関連するのですが、ちょっと根本的な意見で申しわけないですが、そもそもこの小慢の地域支援協議会と大人の難病の協議会と分ける意味がどこにあるのかと。以前、20歳になると適用される法律が変わって、制度が変わって、その意味はどこにあるのかとおっしゃった方がいましたが、私も全く同感でして、そもそも地域にこんなダブるような2つの協議会は必要なくて、統合すべきだと思うのですね。法律が違うからこのように別々につくっているのでしょうけれども、当然、小慢の子供、大人になっていくわけですね。ですから、それこそ保健所や相談支援センターにお世話になる場合には、やはりシームレスに患者を面倒見ていただくためにも、本来、法律を超えた、あるいは場合によっては法律自体を改正して一本化する。
最終的には、難病だけではなくて、障害者福祉ですね。障害者基本法自体を改正して、その中に難病をはっきり明記するという形で、地域の社協の中に繰り入れるのも一つの考え方かもしれません。就労の問題もあるのでまた後で申し上げますが、そういった形で、これだと無駄が多くて、要するに、1つ、それぞれの分野の対策としてはかなり深掘りしている感じもあるのですが、やはり広がりがない。だから、患者家族がどうやって使ったらいいかわからない。知らないというこのアンケート結果はそういう面があるのかなと思います。その辺を、今すぐにというわけにはいかないかもしれませんが、せめてこの協議会だけでも、やはり実質的な統合といいますか、みんなが問題を共有するという意味でも、できるだけ、別々に開いて、お互いに知らないということではないような形の運営をお願いしたいと思います。
以上です。
○田中難病対策課長補佐 御意見ありがとうございました。以前、成育医療センターの掛江先生のほうからお示しいただいた資料の中に、慢性疾病児童等地域支援協議会の開催をどことやっているかということをちょっと調べていただいていますが、一番多かったのが難病対策に関する協議会、次が医療的ケア等支援に関する協議会、その次が障害・自立支援に関する協議会と、こういうところと合同で開催しているという結果も出てはおります。やはり単独でするのが難しいので、そういうことも考えると、以前もいただいた御意見だと思いますが、そのような調査結果が出ているということを御報告させていただきます。
○小国座長 ありがとうございました。すぐにではないかもしれませんが、検討を速やかにしていっていただけるとうれしいです。
それでは、その自立支援事業についての周知や連携について議論を進めたいと思います。支援する側への周知について、支援側として、例えば医師への周知を行う場合、どのような取り組みを行うことで医師に周知されるか。先ほどの難病のほうでも御意見ございましたけれども、小慢について、小倉構成員から御意見をお願いできますでしょうか。
○小倉構成員 よろしくお願いします。成育の小倉です。
難病のほうからも、ドクターやナースが事業について知るべきということであったり、診療室から発信する必要があるのではないかという御意見が何名かの構成員の先生方から出てきたと思います。小児慢性特定疾病の特徴としては、対象となる年齢のお子さんたちが乳幼児医療費助成制度で医療負担がカバーされているケースが多いため、わざわざ小慢の医療助成を使わなくても負担を感じないため、小児慢性特定疾病の登録する必要を感じられない親御さんが少なからずいらっしゃいます。また、医師側も医療費助成しか知らないと、ご家族が登録を希望されない場合に、制度の利用を積極的に勧めるメリットがわからない、結果として小児慢性特定疾病に登録しないというような流れがどうしても現場では起こりやすいと思います。
本当は医療費助成だけではなく、福祉サービス、この自立支援事業というすばらしいサービスがあります。そこのアナウンスが結局できていないので、ニーズがないという状況があるのだと思います。改善するには、診断される段階で多面的なサービスについてご家族にお伝えする必要があるのだとは思います。
福祉サービスに関する情報については、残念ながらドクター側が十分に知っていなくて、相談サービスのほうにもつなげられていないというのが現状ではないかなと思います。この状況に対して、どのようなサービスがあるのか、相談支援サービスはもちろんですけれども、先ほどから話題になっている任意事業のサービスというのが本当は現場で非常に必要とされるようなサービスが多く、学習支援もそうですし、子供たち同士や家族支援もそうです、具体的にどういうサービス、メニューがあるのかということを医者側に周知していただくような手続が必要かなと思います。
1つは指定医を中心にお知らせしていただくというのが効率的と思います。また、小児科学会や関連する専門学会を通じて学会員に通じて知らせる、あるいは研修の場で知らせるというのも1つだと考えます。あるいは、指定医登録されているドクターに対してのアンケート調査、福祉サービスについて知っていますかなどの質問があれば、それ自体が周知になる一つだと思いますので、そうした中でニーズをつかまえてくる、診療している患者さんが求めているような、あったらいいなというようなサービスについて、任意事業として、こういうものも例としてあるけれどもどうでしょうかというように聞いていただければ、診療している側は患者さんを疾病だけでなく生活も含めて一生懸命診ていますし、患者さんの相談にも乗っているわけですので、制度を利用して提供していきたい部分としてニーズに関して回答すると思います。
以上です。
○小国座長 ありがとうございました。
横内構成員から、MSWの役割としてはどのように考えられますでしょうか。
○横内構成員 当院の小児科の担当のMSWでも、先生おっしゃったとおりで、小児慢性特定、なかなかお勧めするメリットがなかったりすると、御家族になかなか説明しづらかったり、あと、任意事業のメニューがわからないので、御家族に説明するにも困難だったりとかいうのがあって、ソーシャルワーカーでも、どこに手続に行ったらいいのかも余りよくわかっていないような現状があって、そういったところを整理していただけると進んでいくのではないかなと思います。
○小国座長 ありがとうございます。
それでは、患者様とか支援される側への周知についてはいかがでしょうか。福島構成員、お願いできますでしょうか。
○福島構成員 福島です。
小慢の医療費の給付に関する情報の入手先としてはやはり医療機関からという方が圧倒的だと思いますので、皆様からのお話と重複しますけれども、主治医とかMSWの方に自立支援事業があるということを周知徹底していただくのがやはり一番近道かなと思います。
○小国座長 ありがとうございました。
それでは、その他、1-2の福祉支援や就労支援を含め全体を通して何かございますでしょうか。
○福島構成員 自立支援事業について、ちょっと追加でよろしいでしょうか。
○小国座長 はい。
○福島構成員 今、小慢の自立支援事業の実施主体が都道府県と政令市、中核市、児童相談所設置市ということになっているわけですけれども、皆様御案内のとおり、政令市とか中核市とか児童相談所の設置市というのは、都道府県の中でも人口が多くて中心地域ということになるわけです。しかし、実施主体が分かれてしまって、同じ都道府県内にもかかわらず、提供されるサービスが分断されてしまったりとか、協議会もばらばらにやっていたり、そういったことが見られますので、ぜひ共同して自立支援事業を行えるような仕組みを進めていただくといいのではないかと思います。
○小国座長 ありがとうございました。どうぞ。
○江口構成員 事務的なことですけれども、きょうの話は資料1-2まで含めてになるのでしょうか。今の座長の意見の求め方からすると、今のその他のところで、ここに書いてある福祉支援、就労支援についても意見を述べるという感じ。
○小国座長 小慢についてはそういうところですね。
○江口構成員 では、こっちの1-2は、きょうは。
○小国座長 1-2というのは、先ほど事務局の方が最初におっしゃっていただきましたけれども、きょうのフォーカスとしてはそれをしないということでした。任意事業という中でお話しいただければ、それは入ります。
きょう、文部科学省の方もいらしてくださっているのでぜひちょっと伺いたいのですけれども、先日、三好様からも御講演がございましたけれども、今、自立支援の中、任意事業の中の学習支援ということにも絡んでくるのですけれども、院内学級というのが特別支援教育の中で進んでいるのかどうか。それが自立支援事業、任意事業にまた絡めて進めることはできないのか、そのあたりをちょっと教えていただけますでしょうか。
○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課濱谷課長補佐 文部科学省の濱谷です。
前回、10月の頭の会議で、きょうお休みの森さんからも、そもそも事業のこと、学習支援のことなどについて、要は、前回参考人でいらっしゃった三好さんの取り組みなんかを御理解ないのではないかというような話もありましたので、前回の会議でもちょっと言わせてもらいましたけれども、28年から30年度までは、学校段階に限らない、そういった入院児童生徒の支援事業をやってきたと。本年度からは、昨年3月のがん対策協議会の報告、高校段階における病気療養時の教育支援体制が不十分ではないかということで、高校にスポットを当てた事業を今やっているところです。
その中間の成果報告会を11月27日にやることにしておりまして、それは今6つの自治体に取り組んでいただいているのですが、取り組んでいない自治体にもお声をかけまして、取り組んでいないところも33自治体が来ます。その際には、厚労省の担当課に来ていただいて、こちらの小慢の自立支援事業、特にこの学習支援の部分については広報していただくような形にしております。
そのほかにも、我々のところに問い合わせがあれば、もちろん厚労省さんの事業についても紹介はさせてもらっているのですけれども、先ほどの資料にもありましたとおり、任意事業で取り組んでいるところが全国で17ですよね。そういうこともありますけれども、協議会の方々も、こういった事業があるとわからなければ、福祉サイドのほうにも連絡がとれないので、そういった部分についても我々としても広報させていただいていると。
先ほど座長がおっしゃっていた院内学級については、今は障害者の差別解消法がありますので、どんな子供でも教育できるようにということで、院内学級に在籍するのか、あとは訪問教育という形かわかりませんけれども、いずれにしても、教育を受ける機会を保障するようにしております。病弱・発育不完全による就学猶予・免除者は、近年30~40名程度となっておりますので、その他の方々はいずれかの学校に在籍して教育を受ける機会が設けられているというような現状でございます。
○小国座長 いろいろ問題もあるようで、在籍をどうするかということで、どこにも在籍できない子供ができてしまったりとか、院内学級、そこに人員配置がとてもできないということで、半分以下かもしれないというようなデータもちょっと見たことがあるのですけれども、今取り組んでくださっているということで、これからはどんどん充実させていく可能性はあるわけですね。
○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課濱谷課長補佐 今、座長がおっしゃったのがいつのデータかわからないのですけれども、多分、直近のデータであれば、教育の機会が提供されていないという子供はほぼいないと思います。お医者さんの指示によって、この子は病気療養に専念するために就学猶予免除ということで猶予免除になるだけであって、その他の方については必ず就学の機会が保障されることになっています。ですから、データがいつのことかわかりませんけれども、今、最新のデータをお調べになれば、そういったことはほとんど存在しないと思います。
○小国座長 ほかには。
小倉委員、お願いします。
○小倉構成員 済みません。1点だけ。文部科学省の方にお伺いしたいのですけれども、前もお話ししてくださったかもしれないのですが、院内学級に行く場合に、転校しなければならない手続があって、転校することをちゅうちょされて長期療養をとってしまう方というのは結構いらっしゃいます。そこへの手当てというのをどうされているのか、あるいはこれからどうされていくのかということを教えていただければと思います。
○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課濱谷課長補佐 今、小倉委員が御指摘のように、院内学級に在籍する場合は、とりあえず、一度登録した学校に籍を置いてということがこれまでは多かったのですね。ただ、28年度からやっている事業では、籍を移さないままの支援ということについても調査研究してもらって、その成果は多分自治体にも公表していると。
要は在籍関係がどこの機関・環境にあったとしても、子供の不安とかそういったものが低減された中で教育の機会を保障される必要があるということで事業を進めて、その事業の成果もありますので、そういったことでは必ずしも籍を移さなくても教育の機会が受けられますよということでは今後周知していきたいなと。高校段階においても、特別支援学校の高等部に籍を移さなくても、今、原籍校のままで支援ができないかということについても幾つかの自治体には取り組んでいただいています。そうでないと、高校入試で受かって入ったにもかかわらず、一回移すと、また元の学校に戻ってこられるのかどうかという不安もございますので、そういうことがない中での支援についても研究しているところでございます。
○小国座長 ぜひ検討をお願いいたします。ほかには御意見ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、時間も来ておりますので、本日はここまでとしたいと思います。
次回の日程などについて事務局からお願いいたします。
○田中難病対策課長補佐 次回は、調整がつき次第、追って構成員の皆様に御連絡させていただきます。
なお、机上のファイルは次回も配付させていただきますので、お持ち帰りにならないようお願い申し上げます。
本日は長時間にわたりどうもありがとうございました。
○小国座長 本日は以上で終了いたします。ありがとうございました。