難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ(第4回)議事録

日時

令和元年11月29日(金)13:00~15:00

場所

TKP虎ノ門駅前カンファレンスセンターホール2A(2階)

議事録

 
○南川課長補佐 それでは、少しお時間早いですが、おそろいですので、第4回「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
本日の出席状況ですが、森構成員より御欠席の連絡をいただいております。水澤構成員よりおくれるという御連絡をいただいております。
また、参考人として森構成員と同じ、日本難病・疾病団体協議会理事の伊藤たてお様に御出席いただいております。
カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
(報道関係者退室)
○南川課長補佐 傍聴される皆様におかれましては、傍聴時の注意事項の遵守をよろしくお願いします。
以降の議事進行については、五十嵐座長にお願いします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
では初めに、資料確認の御説明をお願いいたします。
○南川課長補佐 お手元に、議事次第、資料1「難病・小児慢性特性疾病研究・医療ワーキンググループとりまとめ(素案)」、参考資料を御用意しております。また、参考までに5月15日の合同会議で示した事務局資料をファイルに入れて御用意しております。
過不足等ございましたら、挙手をいただければと思います。
○五十嵐座長 いかがでしょうか。大丈夫ですか。
では、きょうは「具体的な論点の検討」というとりまとめがありますので、これの検討に入りたいと思います。事務局から初めに御説明をお願いいたします。
○領五課長補佐 それでは、事務局から資料について御説明をさせていただきます。本日、お手元に資料1といたしまして、ワーキンググループのとりまとめの素案をお配りをさせていただいております。こちらのこれまで3回ワーキンググループ開催いただきまして、いろいろ御意見頂戴しました。そちらの御意見につきましては、参考資料においてもお配りさせていただいているところではございますが、そのうちワーキンググループの中で、これまでの議論の中で一定の方向性みたいなものが見えてきた部分もございますので、とりまとめの素案として、文章の形でお示しをさせていただいております。
まず1枚お開きいただきまして、「内容」ということで、目次というか項目を入れておりますけれども、「はじめに」と「基本的な考え方」に続きまして、合同委員会においてこのワーキンググループで検討すべきとされた医療費助成制度、そして、医療費提供体制、そして、最後に「調査・研究について」ということで、項目ごとにお示しをさせていただいております。
まず1ページ目の第1「はじめに」でございます。こちらは1つ目の段落におきましては、まずは難病法の基本理念、5年前に制定されたわけでございますけれども、その基本理念を確認するパラとして説明をさせていただいております。その後は、このワーキングが設置されました経緯及びこれまでの議論の経緯でございます。
1ページ目の下の第2の「基本的な考え方」でございますが、こちらでも、冒頭で難病法の基本理念、こちらは重要なものだと思いますので、まずは御紹介をさせていただいております。地域で尊厳を持って生きることができるよう、共生社会の実現に向けて総合的に施策が講じられるべきだと法律でうたわれております。
続きまして、2ページ目でございます。
特に医療費助成が最も大きな支援策の柱であると理解をしておりますけれども、その医療費助成については、難病法制定時の難病対策委員会において、マル1番の治療研究を推進するという目的、そして、マル2番の福祉的な目的をあわせ持つものと整理をされてございますので、こちらについて説明として入れさせていただいております。
そして、あわせて、公費により助成を行うものでございますので、広く国民の理解が得られる公平かつ安定的な仕組みとなるようということも当時整理をされております。
そして、こうした考え方については、これまでのワーキンググループの議論の中におきまして、基本的にはこれを維持すべきだろうということの御議論の方向性だったかと思いますので、その下で、今回の見直しに当たっても、上記の「基本的な考え方に則って検討を行うことが適当ということで、まずは検討の前提となる基本的な考え方を整理させていただいております。
そして、その下に、難病法と小慢に関する児童福祉法の改正法の成立時においては附帯決議が付されておりますので、その内容についても十分に踏まえることが適当という形にしております。
続きまして、2ページ目の後半、第3の「医療費助成制度について」というところ以降が具体的な中身でございます。
まずは、医療費助成の対象疾病についてということでございまして、このとりまとめの素案全体にわたってですが、各項目ごとに、(これまでの状況)という項目と「対応の方向性」ということで、2段階に分ける形でそれぞれ構成をさせていただいております。
まずは、対象疾病についてのこれまでの状況でございます。指定難病の追加の検討におきましては、指定難病検討委員会で医学的見地から検討を行って、これまで指定を行ってきております。
そして、法制定前には56疾病が対象だったわけですけれども、その後順次拡大をしまして、現在は333まで拡大をしております。
そして、3つ目の○でございますが、難病法制定時の議論におきましては、制度の安定性・持続可能性を確保するためとして、治療方法の確立など、そういう状況の変化に応じて定期的な評価、見直しをすることと整理をされてございます。
そして、2ページ目の一番下からですが、小慢については、このワーキングの議論の中においても、少し違う、児童の健全育成という趣旨があるという御意見もいただいておりましたので、そのことについて説明をさせていただいております。
3ページ目、(対応の方向性)でございますが、制度創設時の考え方に基づき指定難病に指定していくことが適当だということでこれまで御議論いただいていたかと思います。
「他方で、」というところでございますけれども、診断基準が確立していないと指定難病の要件を現時点で満たしていないと判断されたものについては、引き続き、必要に応じてその研究をしっかりやっていくべきだということが2つ目でございます。
そして、3つ目の○は、既に指定されている指定難病でございますが、指定難病委員会におけるフォローをきちんとして、それによりいろいろと評価をしていく必要があるだろうということ。そして、その上で、治療方法の進歩等に伴い状況の変化が生じていると判断される疾病については、その指定の解除という表現はいろいろ御意見もあるかもしれませんが、指定の解除について検討をすることが適当ではないかといったような御意見もこれまでいただいていたかと思います。
また、その際には、経過措置等についても検討をしたほうが妥当ではないかという御意見もございました。
そして、小児から成人への移行に関する論点でございますけれども、成人期に向けた切れ目のない支援が必要だということでございまして、その強化が必要だということを書かせていただいております。そして、ワーキングの議論の中でも、小慢のうち、まずは指定難病の要件を満たすものについてはきっちりと着実に指定していくことが重要だということでございまして、また、そのためには研究を促進する等、しっかり支援を強化していくべきであるということでございます。
そして、総合的な支援が必要だということでございますので、あわせて、移行期医療に関する体制整備、そして、地域共生のもう一つのワーキンググループで議論されている自立支援についても強化をしっかり図っていく必要があるということでございます。
そして、3ページ目の下からは、対象患者の認定基準ということで、いわゆる重症度基準とも呼ばれているものでございます。下から、(これまでの状況)については、法制定時の考え方について紹介をさせていただいております。広く国民に理解を得る観点から等として、症状の程度が一定以上である方を対象とするということで、具体的には、日常生活または社会生活に支障があるものとされてございます。
「他方で、」と書いてあるパラでございますけれども、法の施行後、56から333まで疾患が拡大されてきたわけでございますが、この疾病を追加するごとに、それぞれ基準を設定してきたということでございますので、現状、333について見た場合に、類似の症状を呈する疾患間で基準に差異がある等の状況があるという御指摘がございました。
その下の(対応の方向性)でございますけれども、法制定時の経緯等を踏まえますと、引き続き基準の仕組みは維持するとしつつ、「その上で、」ということでございますが、現行の認定基準については、医学的観点からより公平なものとなるよう見直しが行われる必要があるということで、ワーキングでも御意見があったかと承知をしております。
そして、4ページ目の下からは、自己負担についてということでございます。こちらは(これまでの状況)でございますが、法制定時、難病委員会のとりまとめに基づきまして、障害者の施策とか高齢者の施策等も踏まえつつ、他制度との給付の公平性・均衡を図るという観点から、現行の水準が設定をされてございます。
(対応の方向性)でございますが、まずは考え方の前提としまして、自己負担の水準を考えるに当たりましてはさまざまな要素がございます。自己負担の限度額もそうですし、あとは、負担割合、そして、対象となる医療の範囲等、そういうものを総合的に勘案して検討をしていくことが必要であるということでございます。
「その上で、」ということですが、現行の自己負担限度額については、制度の安定性とか持続可能性等の観点から定められたものでございますけれども、今、施行から5年ということで、現時点において特段の事情変更があるとまではなかなか言いがたいのではないかということでございますが、他方で、データに基づいた議論のために、引き続き現行の水準は維持しつつも、国においてきちんとデータ収集を行っていくという形で書かせていただいております。
その後、患者の利便性の向上等のところでございますが、「医療費助成の対象とならない患者の登録について」ということで、これはいわゆるこれまで軽症者登録という形で資料等に記載させていただいていたところでございます。(これまでの状況)ということで、データの登録については、現行、助成の申請を行った方で同意をされた方のみしかデータの登録がなされておりませんので、研究目的ということに照らしても、悉皆性を有するデータベースにはなっていないということ。
そして、登録の方法についても、現状、申請のときに患者が地方自治体に対し提出した臨個票についてコピーを登録センターに送付するということで事務負担が課題となっているという現状でございます。
(対応の方向性)といたしましては、これまでここの部分はかなり多くの方々から、データを医療費助成の対象とならない患者さんについても何らか登録をする仕組みがあったほうがいいという御意見をたくさんいただいていたかと承知をしております。
そして、5ページ目の下からでございますが、当然、こういう登録の仕組みはメリットがあるという一方で、新たな仕組みの導入については負担を伴うものでございますので、そこのバランスを考えていく必要があるということでございます。
そして、6ページ目に移っていただきまして、四角囲みで囲ってあるところですけれども、これまでいろいろと、例えば患者さんにとって過度な負担を課さないとか、そういったいろいろな御意見を頂戴しておりました。これについて、今回、マル1~マル4という形で考え方を整理をさせていただきました。
まず1つ目が、指定難病患者にとって過度な負担を課さないものであるということ。これは事務負担もそうですし、その中では特に登録する項目とか登録の頻度等についていろいろと考える必要があるだろうと。ただ、あわせて、登録の仕組み自体は、その研究促進という目的がございますので、そこを損なわないという留意も必要かなと考えております。
そして、2つ目が、患者の同意を前提としたものであること。
そして、3点目が、データの登録が促進される工夫を行うこと。この議論の中では、登録者証みたいなもののニーズという御意見もいただいておりました。あとは、その患者さんに対して研究の意義をフィードバック等する仕組みということも御意見をいただいております。
そして、最後の点、4点目でございますが、新しい仕組みを導入するに当たっては、まずはオンライン化をしないと地方自治体にとってもなかなか厳しいという御意見を頂戴しておりましたので、その点について書かせていただいております。
そして、6ページの下の文章料につきまして、他制度等の仕組みも鑑みた形で現在の仕組みを維持することが適当という形で書かせていただいております。
続きまして、7ページ目でございますが、「医療費助成の実施主体について」でございます。こちらは、5年前に難病法ができましたときの検討規定におきまして、現在、難病については都道府県と指定都市が実施主体となっているわけでございますが、中核市まで権限委譲すべきかどうかということで検討規定の中に盛り込まれているものでございます。
他方で、(対応の方向性)に書かせていただいておりますが、希少の疾病であるという指定難病の特性に鑑みますと、審査業務におけるその専門性の確保等の課題があるということで、一定程度広域的な地方自治体において事務を担うことが適当だということで御意見をいただいていたかと存じます。そのため、引き続き、都道府県及び指定都市が事務を行うことが妥当という形にさせていただいております。
そして、7ページ目の第4の「医療提供体制について」というところでございます。こちらは医療提供体制と申しましても、合同委員会でも大きく3つ論点として挙げられておりました。まずは、難病の全体の医療提供体制ということでございまして、その拠点病院の整備の点でございます。
7ページ目の一番下の○のところでございますが、拠点病院については、現状、35都府県に整備をされているということでございます。これまで進んできてはいるわけでございますけれども、まだ47都道府県には至っていないという現状がございます。
そして、2つ目が遺伝子診断体制でございます。現状、その診断のために必要な遺伝学的検査が保険収載されているものもございますし、また、研究の中でいろいろとIRUDなどで対応しているところもございます。
そして、3点目が移行期医療の支援ということで、現状、移行期医療支援センターにつきましては3カ所の設置という状況でございます。
(対応の方向性)でございますが、1点目の難病拠点病院の点ですけれども、まずは、全都道府県での設置を目指すべきだとしております。
そして、遺伝子診断体制につきましては、引き続き、保険診療の対象となる疾病を検討していくということについてまず触れさせていただいております。
そして、現在、別途、ゲノム医療に関する検討も別の場で行っておりますので、これについても取組を進めていくべきだということで書かせていただいております。
そして、最後の移行期医療につきましては、こちらは千葉県の事例などをこのワーキンググループでもヒアリングをいただきましたけれども、疾患の特性に応じて課題は異なるという御指摘もございました。現状、センターが3カ所ということでもございますので、まず課題の把握を行って、引き続き、センターの設置の促進の対応について検討をすべきという形で記載をさせていただいております。
9ページ目、最後でございますが、「調査及び研究について」ということで、これまでデータベースに関しては、ヒアリング、そして、さまざまな御議論をいただきました。これまでの状況でございますけれども、難病・小慢ともにデータベースが構築され、医療費助成の対象となっている方であって、同意をいただいた方につきまして登録がされ、また、その登録いただいたデータの提供を行っているというところでございます。
他方で、2つ目の○でございますけれども、これまでの合同委員会におきましても、中長期的な課題ということで、データベースの難病・小慢の統一化でありますとか、また、他の公的データベースとの連結解析の仕組みの必要性みたいなことが指摘をされてございます。
また、他の公的データベースにつきましては、法律上の根拠規定の整備が最近進んできておりますけれども、難病・小慢については、現状、そういった法制上の規定はないという現状でございます。
(対応の方向性)でございますが、個人情報保護に十分配慮する必要があるというのが、希少な疾病である難病の特性という御指摘がございました。そして、その上で、NDB等の他の公的データベースとの連結解析データなど、治療研究に有用なデータの提供が促進されるように、まずは法律上の規定をしっかり整備すべきだという御議論をいただいていたかと存じます。
その際には、希少な疾病という特性に配慮をしつつ、既に法律上に規定があるNDB等のルールも参考に所要の措置を講ずるべきであるという形にさせていただいております。
そして、「併せて、」というところは、これは技術的な話でもありますけれども、連結解析をするに当たりましては、確実かつ正確に連結ができるようにするということが必要であります。そのためには、個人単位化をされます被保険者番号の履歴を活用することはどうかということで書かせていただいております。
そして、連結解析に当たっては匿名性を担保することも必要になってきますので、そのための所要の措置を講ずるべきであるというふうに書かせていただいております。
そして、最後の点につきましては、前回のワーキンググループでも御指摘があったかと思いますけれども、現在の難病法におきましては、調査研究については、基本的には国がということで国が主体になっておりますけれども、それに関連して、例えば都道府県等とか、患者さんの役割についても考えてはどうかということでございます。
事務局からは以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
それでは、ただいま御説明いただきました資料1のワーキンググループとりまとめ(素案)の内容を踏まえて、これから討議を始めたいと思います。
まず、やり方ですけれども、幾つかに分けて討議したいと思いますので、それでよろしいでしょうか。
では、まず1ページ、2ページの第1「はじめに」と第2の「基本的な考え方」のこの記載につきまして、何か御意見等ありますでしょうか。
○福島構成員 難病のこども支援全国ネットワークの福島でございます。
今までのワーキングの議論の中で、きょうは手元に参考資料という形で、これまでのワーキングにおける主な御意見という形で意見をまとめていただいているのですが、今回のとりまとめの参考資料として、今までの主な御意見というものを最終的に添えて合同委員会に提出したほうが、今までこのワーキングで検討されてきた意見が正しく伝わると思うのですけれども、そのへんはどのようにお考えでしょうか。もしわかっていたら教えてください。
○領五課長補佐 御意見ありがとうございます。
参考資料につきましては、現時点では、まずは議論の経過と開催要綱と構成員の名簿ということで考えてはおりましたが、今の御意見を踏まえて、ちょっと検討をさせていただければと思います。
○五十嵐座長 参考資料であったほうが合同委員会では皆さんの理解が深まるという、そういう御指摘ですので、ぜひ検討をしていただきたいと思います。
そのほか、いかがですか。
どうぞ。
○伊藤参考人 このワーキンググループについては初めて参加させていただきますので、過去の議論がどうだったのかよくわからないことがあるので、そのことに関する質問も含めてちょっとお願いいたします。
1つは、2ページの2つ目の○ですけれども、これは以前からいろいろ発言はいっぱいあったと思うのですが、例えば、他制度との公平性。制度の安定性は問題ないにしても、他制度との公平性の話をするのであれば、他制度にはあって、他制度にないものについてはどうするのかなというようなことについて、これは随分前からの議論の継続だと思うのですが、今のこの時点でのお考えがあれば、具体的に解説をしていただければと思います。
それから、その次の○のこれもこういうことを書いていただいたのはよかったとは思うのですが、難病法・児童福祉法改正の成立時の国会の厚生労働委員会での附帯決議についてですが、その内容も十分に踏まえることが適当であるというように大きくくくっておられるのですけれども、この附帯決議の内容もかなり幅の広い、非常にたくさんの項目について書かれているわけですが、この中でも、「十分に踏まえることが適当である」というような文言については、今後、具体的にどのように進めていかれるつもりなのかもちょっと聞かせていただければと思います。
○領五課長補佐 御意見ありがとうございます。
1点目の他制度との公平性についてというところでございますけれども、これは5年前に難病法と児童福祉法を改正する際にもこうした議論があったということで承知をしております。各制度、趣旨・目的がそれぞれありまして、異なるというところではございますので、それも踏まえてどういう施策が必要かということを御議論いただいて、難病と小慢について現在の形になっているということではございます。
また、当然、難病患者さん、小慢の児童の皆様、保護者の方々がほかの制度を使えるということも十分ございますので、そこはそうしたものをしっかり使っていただけるように例えばつなげていくこととか、そういうことも踏まえて、全体でどういった形での支援が必要かというような視点になろうかというふうには思ってございます。
そして、2点目の附帯決議ということでございますが、附帯決議の内容につきましては、本日机上に置かせていただいております緑の紙ファイルの290ページ以降に附帯決議については記載をされてございます。こちらにつきましては、伊藤参考人の御指摘もあるように、中身については必ずしも法改正とか法律事項ではない運用的なものも入ってございますので、そういったことにつきましては、難病法ができた後にもしっかり取り組んできたというところではございますが、例えば療養、これは医療とは少しずれてしまいますけれども、医療機関等のネットワークについて地域間格差が生じないようにしっかり取り組むでありますとか、療養環境整備事業等につきましては、地域間格差につながらないよう地方自治体の負担に配慮することとか、あとは、長期にわたり疾病の療養を必要とする児童が成人しても切れ目のない医療等が受けられるように、疾病難病の拡大とか自立支援事業の取組・促進をしっかり図るといったようなことが書かれておりますので、こちらについては今回の見直しの御議論も踏まえつつ、また、その運用レベルでできるところはしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○五十嵐座長 どうぞ。
○伊藤参考人 ありがとうございます。
今のお話で、今後取り組めるものは取り組んでいくというようなお話でしたから、そうなると書きぶりの問題ですけれども、十分に踏まえることが適当であるというように書くよりも、当面、取り組めるものについて順次取り組んでいくとかというようなふうに書かれたほうが、読む側としては具体的にイメージできるのではないかと思います。
その前ですけれども、「他制度との公平性」は、使い方によっては非常に危ない使い方のできる表現だと思うのですね。何と何が公平で、何と何がまだお互いに公平でないのかということもありますので、こういう具合に、他制度との公平性はたくさん出てくるのですね。本当におっしゃったように議論したままで終わって、その言葉が残っていったわけですけれども、今思い返しても、「他制度との公平性」という言葉については、この言葉の中にあるものをもっと取り出して明確にしていかないと、ずっと言葉だけがひとり歩きすると、他の制度と公平なのではないかという印象を受けてしまうのですね。これはぜひ御検討いただきたいし、駒村先生は専門家でいらっしゃると思うので、この問題についても、また、解説していただければありがたいです。
○五十嵐座長 どうぞ。
○駒村構成員 伊藤さんとは前の委員会で御一緒させていただいて、ずっとこれを議論させていただいて、金澤委員長のもとでもう随分時間はたちましたけれども、きょうのこの前半部分、今思い起こしても、あのときの議論は、まず予算事業だった時代が非常に不都合がたくさん問題があったと。そして、社会保障税一体改革の中でこの問題を真正面から考えていこうという流れになってきて、この遺伝的な病気あるいは人類みんなで共有しなければいけないこの病気に対して我々はどう立ち向かっていくのかと。この費用を社会的に共有していく必要があるのだということでこの制度ができたと。ただ、その際に、指定難病ということで幾つかの難病を科学的な要件・技術的な要件で指定をしていくと。その治療の間において、または、技術開発する間において、きちんとこうして支援をしていこうという趣旨だったと思います。
社会保障の制度の中で、私が最初に聞いたときにある種珍しいというか新しい仕組みかなと思いました。社会保険というのは拠出と給付の間に対応関係がありますし、あるいは、児童手当みたいなものはある一定年齢以下の子供たちにユニバーサルに、所得制限もありますけれども、出すと。その目的税みたいな児童手当拠出金みたいなものが背景にはあると。そして、公的扶助というものは、所得制限があって限定的に出すという性格のものの中で、これは一体新しいタイプの給付ではないかと、こう整理をしたわけですね。
そうすると、ここで言う「他制度」というのは何に比較して考えていくべきなのかというのが非常に悩ましいところであるわけですね。医療技術を開発するためにデータをなるべく包括的に継続的に集めていくというのと一セットの制度になっていたということで、公平性のバランスの対象とする制度が見当たらないというか、なかなか難しかったのですけれども、一つの目安としては、この資料の中にもありますけれども、最終段階だったと思いますけれども、障害者医療制度とのバランスで考えていこうということなので、今のところ、このバランスの相手は、他制度のリファレンスの相手はこういう制度なのかなと。
だから、おっしゃるように変なふうに公平性を言われると、例えば生活保護とか、公的扶助とのバランスを言われるととんでもないことになってしまうわけですので、そういう意味では現行制度はちょっと新しいタイプの給付であるということで、この障害者医療とのバランスで設定されたのかなと思います。
ただ、きょうこれから後半で議論になりますけれども、そういう意味ではこの制度は技術進歩との間でつくられた制度であろうと思いますので、希少性とか治療技術の開発とともに病気は常に見直されていくというのがある種の特徴になっていき、そこを社会保障目的である消費税がちゃんと補っていく、財源保守をしていくということですけれども、後のほうで、また、データの問題と、それから、この対象から外れていく疾患とか、重症ではなくなった方へのサポートが今のままでいいのかと。不安を感じた人に本当に寄り添い切れているのかというと、その部分を今回強化していくと。もう一個のワーキンググループでもそれをやられているわけですけれども、そういうところで附帯決議のほうを受けていただいているのではないかなと思います。
済みません、私のせいでそうなっています。ありがとうございます。
○伊藤参考人 ありがとうございます。
○五十嵐座長 よろしいですか。
あと、見直しに関しましては、参考資料の9ページをごらんいただきますと、附帯決議2つがしっかりと書かれておりますけれども、これは要は、見直しをするときには慎重にやってくださいという、こういうことだと私は理解しております。附帯決議の内容も十分に踏まえるというのは、今まで簡単に認めていた疾患を切ったりとかそういうことは十分に考慮して慎重にやっていただきたいという、そういうふうに私は理解いたしました。
どうぞ。
○伊藤参考人 ありがとうございました。
そういう難しいというか、本当に新しい考え方やいろいろなものも含まれているこの項目はそういうものなのですね。ですから、単純に「他制度との公平性」というふうに短く言い切ってしまうとか、単純に附帯決議の内容を踏まえるというようなことではなくて、可能であれば、もう少し具体的な表現をされたらいいのではないかということをお願いしておきたいと思います。
ありがとうございました。
○五十嵐座長 わかりました。ありがとうございます。
これは事務局、御検討をお願いします。
どうぞ。
○羽鳥構成員 パラグラフ2つ目のところで、「施行後5年を目途として見直し規定が置かれている」ということですけれども、この見直し規定というのはどのレベルまで行くのかという。例えば文言、字句の整理だけなのか。それとも、ある程度根本的なところまで見直していくのか、そのレベル感を教えていただきたいのと。
例えば、難病・小慢については、できるだけいい治療法ができるというのが大きな目的にもあると思うので。そうすると、何回も言っていますけれども、データベースをしっかりつくるというのが大きな役目だと思います。9ページ目にあるようなデータベースの統一化とか、ほかの公的データベースの連結、このへんが大きな問題だと思うので、参考資料72~73ページにあるような公的データベースのところで、根拠法が難病と小慢についてはないのは大きな問題だと思いますので、どの程度まで見直す予定なのか、そのレベル感を教えていただきたいと思います。
○五十嵐座長 お願いします。
○領五課長補佐 1点目の見直しの規定ということでございますが、附則におきまして、政府はこの法律の施行後5年をめどとして、この法律の規定について、その施行の状況等を勘案しつつ、中段ちょっと省きますが、検討を加えて必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするということとされておりますので、まずは、まさに今、合同委員会、そして、このワーキンググループで御議論いただいていることを踏まえて、例えば、どの点が法律で手当てすべき事項なのかというところは精査が必要ではございますけれども、その議論を踏まえて必要な措置を講じさせていただきたいと考えております。
2点目のデータベースに関するところでございますが、こちらはこれまでの御議論におきましては、ほかのNDB等についてはさまざまな提供のルールに関してとか、何か不正があった場合への対応に関する規定とか、そういったものが置かれてございますので、そうしたものを参考にしたほうがいいという御議論が、今のところはそういう流れなのかなと考えておりますけれども、そうすべきということであれば、そういった御意見を踏まえて、しっかり規定ぶりというのを考えていきたいと考えております。
○五十嵐座長 どうぞ。
○羽鳥構成員 いわゆる研究班ごとに個人情報の扱い方も少し違うのだというようなお話もあったと思うので、ここはできるだけ早く根拠法をつくっていただいて、ほかのデータベースとの連結をしたときにそごがあってはいけないという、そういう発想のもとにやっていただければ、研究者の人にとっても、製薬メーカーの人にとっても、活用しやすいものになるだろうと思います。そのへんがいいかげんだと、せっかく薬はできたけれども、個人情報の保護ができてないからだめだというようなことになってしまうのは非常にもったいないことなので、そのへんの整備をぜひやっていただきたいなと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
では、続きまして、2ページの第3「医療費助成制度について」検討をしたいと思います。この第3というところは非常に多岐にわたっておりますので、2つに分けて議論をしたいと思います。2ページの「対象疾病について」から4ページの自己負担上限額についてまでを最初に討議したいと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。
○伊藤参考人 このところは患者会からは大変たくさん意見が寄せられている部分であると思います。少しお伺いしておきたいのは3ページですが、(対応の方向性)で、ここでも「制度の公平性」となっているけれども、これをどう考えるか、この言葉をどう扱うかということによって、随分結果に違いが出てくると思いますので、改めて、ここの部分でもこの「制度の公平性」とは何かということを聞いておきたいと思います。
それから、3つ目の○の4行目ぐらいから、前の行からつながるのですが、「治療方法の進歩に従い、指定難病とは言い難いような状況の変化が生じていると判断される疾病については」ということですが、この「指定難病とは言い難いような状況の変化が生じている」ということの意味は、具体的には何なのかということを伺っておきたいと思います。
これは私の個人的な判断ですけれども、本当にこの研究が進んで、もう薬も飲まなくていいし、きちんと社会生活も送れるということになれば、それは喜んでこの難病対策から外れていいのだと思うのです。だけれども、この文言では、単に「指定難病とは言い難いような状況の変化が生じていると判断される疾病」というのはどうもしっくり来ないのではないか。もう少し明確に具体的に説明をいただきたい。
その次の行に、公平性・安定性の観点から、指定の解除について検討することが適当ではないか。安定性はまだしも、公平性の観点から、この解除が検討されることが適当ということは、これは指摘があったとは書いてありますけれども、これは適当ではないかというのは、これはそれこそ不適当ではないかというような気がいたします。そういう他の制度との公平性の観点から検討するのではなくて、本当にその難病が克服されて、社会の一員として活動していけるという状況になったのであれば、それは喜んで検討をするべきではないだろうかと思いますが、他の制度との公平性の観点からというのはちょっと承服しがたいと。
それから、「一定の経過を設ける等の激変緩和措置」ということは、一定の経過を設けることで、激変緩和というのはどういう意味かと。激変が予想されている。そこを緩和するために何とかしようということなのか。そもそもそういう激変ということはあるべきなのかということについてお伺いしておきたいと思います。
4ページですと、一番上ですけれども、「難病法制定時の難病対策委員会の議論において」というのは、これは私も参加していたのでよく覚えていると思いますが、「広く国民に理解を得る観点から」というようなことで書かれているのですが、特にこの中では、単なる重症であるとかないとかというだけでなくて、薬を飲むなり何なりの一定の治療を受けている。それが必要な人は対象とすべきではないかという議論がありつつも、こういう重症度分類を行うということに至ったということですので、丸々みんなが賛成して重症度分類に行ったわけではなくて、やはり一定の議論があった、その上ですので、そこのところを、例えば、今度の見直しにおいても踏襲するのか、そこにも切り込んでいくのかという考え方が必要なのではないかと思います。
次の○ですけれども、「疾病の特異性を踏まえた認定基準を疾病ごとに個別に設定する必要があるところ」と書いてあります。これは当然のことだと思うのですが、その後に書かれていることは、これはそれから○を3つほど過ぎていくのですけれども、片方ではこういう疾病の特異性を踏まえてとか、「個々の指定難病の特性に応じ」と書いてありますが、その下のほうにいくと、「同一の領域内で同様の所見を評価する場合には、可能な限り当該所見を評価する指標の標準化を図ることが適当である」と。若干意味不明ですけれども、こういう同じような領域の中で同じような所見があった場合には、指標の標準化を図ることが適当だというようなことが書いてあります。この2つの間には何か特別な考え方があっての話なのか、それとも、何かちょっとそごを来しているのかということについてお伺いしておきたいと思います。
以上です。
○五十嵐座長 少し多いですけれども、大丈夫ですか。
○領五課長補佐 はい。
○五十嵐座長 お願いします。
○領五課長補佐 済みません。もしかしたら、また、お尋ねするかもしれませんが。
まず1点目の「制度の公平性」という文言でございますけれども、こちらはもしかすると、本日いただいた御意見を踏まえて、少し精査をさせていただこうとは思いますが、特に対象疾病につきましては、他の制度というものもというよりは、その制度の中といいますか、予算事業自体はその予算の制約等もいろいろな事情がございまして、難病に疾病を追加してくることがなかなかできなかったといいますか、そこにつきましては、疾病関連の公平性という点でも課題があったということでございます。その上で、しっかりと義務的経費化をして法制化をしたということをもって、その後は、56疾病から333疾病までしっかりとその要件を満たすものについてはきちんと指定をしてきたということで、より公平な制度になったということと捉えておりますので、そうした意味合いも入っておりますので、そのあたり、ちょっと文言が紛らわしいようなところは、少し修正をさせていただきたいと考えております。
そして、2点目の「激変緩和措置」というところですが、済みません、こちらも趣旨としましては、御意見として今後見直しというものが将来的に生じる場合については、その経過措置など、そうしたものを設けてその患者さんにとって余り急激な変化がないような配慮があっていいのではないかというような御意見もございましたので、こういう言葉に今させていただいてはおるのですが、こちらも用語については少し工夫をさせていただこうと思います。
済みません、ちょっと飛ばしてしまったのですけれども、「指定難病とは言い難いような状況の変化が生じていると判断される疾病」につきましては、こちらの合同委員会の論点として6月28日におとりまとめいただいたもののフレーズを参考に、こちらでも同じものを使わせていただいてはいるのですが、本当に純粋にロジカルに考えれば、指定難病の要件というものは複数ございますけれども、それを全て満たしていれば現在指定をされておりますので、その何か満たさなくなれば、それを見直しをするということは考え方としてはあり得るとは思うのですけれども、他方で、法制定時の附帯決議におきまして、例えば、特に患者数だけでなく、患者の治療状況や指定難病に指定された経緯等も考慮しつつ慎重に検討することとされておりますので、その点を踏まえると、例えば、患者数のみで判断するということが適当なのかどうかというところは御議論があるかと思いますので、そのあたり状況の変化が生じているというところは、総合的にフォローをして判断していくのかといったところは、このワーキングでも御意見をいただければと考えております。
○南川課長補佐 重症度の話の御質問があったと思います。4ページ目の部分で、基本的に疾病の特性を踏まえて認定基準ごとに個別に設定する必要があるというのを書いてありながら、(対応の方向性)の中で、下から2つ目の中で、現行の認定基準で、医学的な観点からより公平なものとなるよう、見直しが行われる必要があるという点についてですけれども、これについては、合同会議等でもそのような論点が提示されながら、我々研究班で、具体的に本当に重症度の部分を医学的に評価するに当たって、全ての疾患に対して、例えば特定の指標があり得るのかみたいな研究を、横断研究班をつくらせてもらった上でさせていただきました。その結果も、このワーキングの第1回に御提示させていただいたのですけれども、基本的に、まさか全ての疾患に対して同一の指標で判断するのは困難であるということで1つ目の結論があって。
他方、今回、指定難病について、同じような臓器別であったりとか、そういう領域を15領域に分けて、その中であればより公平性が担保される。医学的な妥当性を担保した上での公平性が見込めるような重症度基準の見直しができるのではないかというような御意見をいただいておりますので、基本的にそれに沿った形で。かつ、政策研究班であったりとか指定難病検討委員会の中で医学的な整合性をしっかり確認した上で一定の見直しを図っていきたいということを考えておりまして、その趣旨でここは書かせていただいているところでございます。
○伊藤参考人 きょう、ここは先生方がたくさんいらっしゃるからあれなのですけれども、同じような病気で同じような経過をたどっていく、重症化とか、あるいは、最後までの経過とか、同じように行くのであれば同じ病気なのではないですかと。だから、他の多少違う疾患も合わせて同一の領域みたいな考え方は、基本的にはそれは成り立たない。もし同じだったら同じ病気にすればいいわけで。そこのところもちょっと曖昧かなという気はしたのですが、先生方はいかがなのか。
○五十嵐座長 今の御指摘の点は、特に小児慢性特定疾病の場合は、できるだけ類縁疾患まで挙げて一つのカテゴリーとして扱っていこうということをしてきました。ですから、難病のほうと違って、疾患ごとの対応が必ずしもできない。しかも、患者さんの数が少ないということで、あくまでも医療費助成を中心にやっていこうという方針でやってまいりました。
ですから、そういう意味では難病のほうと比べると小慢のほうがどうしても診断基準とか重症度分類について非常に曖昧と言うとちょっと言葉は悪いのですけれども、非常にストリクトにはいけない面がございます。そういう点を踏まえてこういう文章になっているというふうにも御理解いただければいいと思います。
それから、もう一つ、3ページの「指定難病とは言い難いような状況の変化が生じていると判断される疾病」のことは、実は医学の進歩で、これからいろいろな研究班の成果を踏まえていろいろなデータが出てくるだろうと。そういう状況をちゃんとキャッチアップして、そして、今後、もし明らかに指定難病と言わなくてもいいような状況が将来出てきた場合にはそういうことを対応していこうということであって、今の現状で、今の状況で、何かふるいにかけて何かを落とそうとか、そんな議論は全然しておりませんでした。ですから、これはどちらかというと将来、これからの基本的方針としてこういう考え方もとろうという、そういうふうに御理解いただければいいと思いますけれども、それで納得していただけますでしょうか。
○伊藤参考人 本来、そういう病気の治療法ができてよくなっていくということについては、お互いにみんな歓迎されるべきことなので。ただ、このままの書きぶりだと、何か心配する患者さんたちもいっぱいいますので。
○五十嵐座長 誤解がないように。
○伊藤参考人 はい。将来目的としてというようなこととかお願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
井田先生。
○井田構成員 私もこの3ページ目の(対応の方向性)の3つ目の○の伊藤参考人がおっしゃった「指定難病とは言い難いような状況」と「指定難病の指定の解除」は、非常に患者さんが注目する点だと思うのです。
この「指定難病とは言い難いような状況の変化」とは、具体的にはどういう事か、が重要です。すなわち、治療によって症状が軽減した事を言うのでしょうか。そうだとすると治療を必要としているのに、指定難病の指定を解除されると患者さんは困るのではないかというのが私の心配です。「この状況」というのは、具体的にイメージすると、先ほど伊藤参考人がおっしゃったように、医学が進歩して、もう何にも必要なくて、普通の生活ができれば、それはもちろんオーケーだと思うのですけれども、何らかの医学的介入が必要で、状態がいいのを「状況の変化」と定義されているのか否かは重要なポイントです。
もう一つは、「指定難病の指定の解除」する時には明確な基準をもって解除しないと、現場も混乱しますし、患者さんも納得されないのではないかなと思うのです。ですから、どういうふうなイメージで解除の方針を考えているのかざっくり教えていただけないでしょうか。患者数が増えたときには希少性がなくなるので指定は解除しなければいけないですよね。そのほかに解除の要件は何かありますか。
つけ加えですが、指定難病においては、診断基準が確立しており、きちんとした診断をもとに治療を行うことが大前提です。類縁疾患というくくりを設けると診断が曖昧になり治療法も確立しないわけです。ですので、診断基準は少し厳しくして医学的な診断基準に則ったものを採用しないと難病制度の運用は難しいのではないかなというふうには思います。
以上、「状況の変化」と「解除の基準」の2点についてどんなふうにお考えかということをお願いします。
○領五課長補佐 御意見ありがとうございます。
今回、まず皆さんよく御承知かと思いますけれども、難病の定義ということで、参考資料の4ページ目に要件をまとめた資料をお配りをしてございます。
基本的には、まずは広い難病の要件として4つございます。発病の機構が明らかでないとか、あとは治療方法が確立していない等でございます。その上で指定難病ということで医療費助成の対象につきましては、客観的な診断基準が確立している等、あと、人数に関する基準があるということでございます。こちらについて医学的な見地から、現在、指定難病検討委員会というところで検討をいただいて入ってくるということでございますので、基本的にはこの要件に当たっているかどうかというのを全体を見て判断するということかと思います。
その上で、10ページ目でございますけれども、こちらの平成31年3月に指定難病委員会においてとりまとめられたものの抜粋でございまして、指定難病の見直しに関する御議論もございました。将来的に、先ほど五十嵐座長からもお話がございましたけれども、治療成果の大幅な向上が見られるとかそういったことが変化が生じてくるということであれば、そういう点をしっかりフォローした上で、医学的な見地から判断をするということだと思いますので、そのあたり、治療によって抑えられているのかということをどう捉えるのかというのはちょっと難しい判断はあるかとは思いますけれども、まずは、しっかり全ての要件に当たるところについてフォローをしていった上で判断をしていくということかなと思います。
○井田構成員 そうすると、例えば代謝異常症であれば、その原因が酵素欠損であると分かり、それに対する治療法が確立され、その治療法によって患者さんのQOLが維持できている場合は指定を解除されるという事でしょうか。また、予防医学の見地からスクリーニングを行い、介入することによって通常の生活をしている状況の場合、指定難病とはならない、あるいは指定を解除されるかが、私の最大の関心事です。
○南川課長補佐 直接のお答えではないかもしれないのですけれども、今は、指定難病は333疾病ございまして、それにそれぞれ対応する政策研究班というのを我々設置しておりまして、基本的にこの政策研究班は当然指定難病の患者さんのQOLを向上させるために、もしくはいろいろなガイドラインをつくっていくということをミッションとした研究班になっています。
この研究班において、いわゆるどういう治療法が変わっていくかという形を、今後、この記載にあるとおり、フォローアップをさせていただいて、その中で、このフォローアップが一定程度固まって見えてきたときに、先ほど来、領五からの話にあった、それぞれの要件に対してどれぐらい合致しているか、治療成績が大幅に向上したのかというのは、それは、さらにその先の中で指定難病委員会等で御議論をしていくという形になっていくのかなと思っております。
○五十嵐座長 ですから、治療によって症状が緩和されていてよくなったからといって、それですぐ外してしまうとかという、そんな議論をしようというふうな意図ではないということだけは御理解いただきたいと思います。
○井田構成員 多分、患者さんはそれを心配されていると思うのです。
○本間構成員 あせび会の本間です。
確かに患者さんからすると一番心配なところでありますね、特に数の多い疾病の場合はですね。ただ、これは指定自体から外す外さないというのは一番最後の段階の話でありまして、いい薬ができた、いい治療法ができた、全体の症状が底上げされて軽くなってきたという場合には、それこそ重症度分類で、そこから外せばいいわけなので、そこには軽症者登録という問題が出てきますけれども、重症度の最後の一人が完治するまで外す必要は私はないと思いますね。むしろ、指定はそのままで、要するに、完全な治療が確立していないわけですから。していない限りは、極端な話、一人二人になろうとも外すということはちょっと適当ではないのかなと。要するに、重症度分類で自然に外れていくということだけでありまして、それはいいと思うのですね。
それと、私どもの患者は、今までその病気だと思っていたのがちょっと違うねということで、例えば、治療研究もそうですし、医療費助成から外されるということになると、これは非常に大きな問題でありまして、類縁疾患は類縁疾患としてきちんとこれまでどおりできれば、その症状が改善されない限りは、同じような待遇で、同じような助成を受けさせてもらわないと、これからゲノム解析が本格化されますと、今までの病気の中からちょっと違うと弾かれてくる患者さんがふえる可能性は十分あるのですよね。そうした場合、そういう問題が必ず起きてきますので、そのへんは、治療研究と医療費助成とは切り離した考え方で対応をしていただきたいなと思います。
○五十嵐座長 水澤先生どうぞ。
○水澤構成員 今の議論からちょっと戻るのですけれども、先ほど伊藤参考人がおっしゃったことに、類縁疾患をまとめるといお話があったと思います。類縁疾患をまとめるという形ではないのですけれども、日本の指定難病の診断名は、いわゆる包括的な病名が多いのです。ですから、333疾患といっても、これはいわゆる遺伝子1個について名前が決まってくるような病名、例えば欧米ですと、Orphanetとかではそういう形でその疾患が規定されています。それでいきますと、千を超える疾患はあるのです。そういうふうに分類しますと、例えば脊髄小脳変性症という病気には数十の病気が含まれています。まさにおっしゃったような一つの病気と見なせるくらいの病気をもう既にまとめてあるのです。そういう病名はかなりたくさんあります。免疫不全症とか、それも100疾患以上の疾患が入っています。そういう形で、こういう議論を想定したわけではないとは思いますけれども、以前からそういうふうになっていますので、数を比較されると日本は少なくて欧米は多いみたいに見えるのですけれども、そういう事情があって、既にそういうふうな対応は結果的になされているという部分があります。
ちょっと補足をいたしました。
○五十嵐座長 どうぞ。
○伊藤参考人 ありがとうございます。
私は類縁疾患をまとめてということを言ったのではなくて、4ページにあります上から2つ目の○の中にある疾病の特異性ということとか、個々の疾病はいろいろ違うのだというふうに書いておきながら、下から2つ目の○では「当該所見を評価する指標の標準化を図ることが適当である」ということは矛盾するのではないですかということをちょっと言わせていただいたのです。
○水澤構成員 両方の側面があるのでしょうね。共通するものをまとめて判断していく。特に基準に関してはそういった意味が必要だと思いますし、非常に特徴的ものについてはそれは無視できないといった感じの両方が出てくるのではないかと思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○駒村構成員 3ページの○3の先ほど伊藤参考人が言及されたところで、「状況の変化」というのは、制度ができたときの想定の議論されたように、技術的な変化というふうに私は読んでいるのですけれども、ただ、御指摘があった「及び制度の公平性・安定性からの観点」は、この言葉はちょっと余計な言葉のような気がしますね。
これをリファレンスしているほかの制度とは一体何かというと、次のページの4ページに書いてあるものを多分指すと思うのですよね。高額な治療を長期的に必要であるような制度、高齢者や障害者を対象とする他制度と、これとのバランスを見ると。だから、そっちを下げたらこっちも下げるのかとかという話になってしまいますし、財政の安定性の意味からこの指定を解除するとか解除しないかという議論にはならないはずなので、あくまでも技術的な変化を受けての指定の解除かどうかという議論のはずなので、「及び~観点」は、何の趣旨で、そんな深読みしなくてもいいということかもしれませんけれども、これを入れておくとちょっとまずいのではないかと思いますので、これは削除したほうがいいのではないかと思います。
○領五課長補佐 済みません。恐らく文言が紛らわしかったのかもしれませんが、どちらかというと、こちらは疾病間での公平性ということで、制度の中で要件を満たしたものを対象にするという、その制度の趣旨に鑑みて、その疾病の間で余り不公平がないようにというような意味合いの趣旨がございます。
御指摘を踏まえて、ちょっと検討したいと思います。
○五十嵐座長 西村構成員。
○西村構成員 今の疾病の指定の見直しについて、今いろいろ御議論があったところですけれども、今のお話で、「状況の変化」が起こる場合は、まずは医療・医学の進歩ということで治療法を確立するという、ここは本当に望ましい方向でというのが将来はあり得るということなのですけれども、あともう一つ、希少性の要件が指定についてはかかってきているので、この点では、また、こちらの点から指定の検討をしなければならなくなるような疾病というのも、また、あり得るというふうに考えられて。そういうときに、これを検討の対象にしてくださいというどこから発するのかとか。
今、政策研究班がガイドラインを作成しているということでしたけれども、そういうものを使ってそういう発議がなされるものなのか。そして、医師の指定をする専門委員のところで検討をされるとは思うのですけれども、そういう意思決定の流れをはっきりさせておく必要があると思うのですね。
それで、最終的には附帯決議もあるので、希少性のところで人数規模0.1%というところが患者数あっても、そこは個別の状況を勘案してということで、ただ数字だけで決めるということじゃないというところで、そういうことも含めて総合的に勘案して見直しを検討するのだというようなことを、見直しのプロセスをしっかり書いて、その仕方も置くということが必要なのではないかと思います。
○五十嵐座長 重要な御指摘ありがとうございました。
どうぞ。
○羽鳥構成員 それに関してですけれども、例えば、見直しの対象になり得るような幾つかの病気が既に想定されているのだと思うのですけれども、その場合でも、さっき水澤先生がおっしゃったように、一つの包含された疾患を個別に10個とか20個に分轄していくと、この人口のおおむね1000分の1になるような仕組みをつくることは可能になってしまいますよね。潰瘍性大腸炎だって、こういうのだってあるよという、そういうことに対してはどうするのでしょうか。
難病がほかの例えばがんとか循環器の病気に比べて、予算がある意味で公平性がそもそも少ない。難病は与えられている予算が少ない。国民の理解が得られてないのかもしれませんけれども、難病・小慢に対する予算がそもそも少ないということがあるので、ほかの疾患と比べると、そういう意味ではそもそも不公平であると、そういう見方だってあるのだろうと思うので、そういう発想から見ると、また、このへんもいろいろな議論が出てきそうだなと思って、水澤先生に聞いたほうがいいのかもしれません。
○水澤構成員 よくわからなかったのですが。
○羽鳥構成員 今までは大くくりにして非常にふえてきたと。だから、0.1%を超えてしまったと。だけれども、そのもとになる原因の病気を探っていけば、これは4つ5つでも、あるいは100個でも分けられるねということになったら、そういう疾患として、新たに、333+100とかということになったら、この要件1000分の1というのははるかにクリアしてしまいますねという話です。
○水澤構成員 理論的にはできると思うのですけれども、それをどうやって分けるか、どの基準にするかといったら大変難しい問題が出てきそうです。すぐ思いつきますのは、重症度は今議論していますけれども、重症度による区分です。これは一つの疾患の中でも、多くの疾患は重症例と軽症例が大体ありますね、どんな疾患でもですね。だから、それが非常に少ない数なのか。ほとんどの方が重症なのかといった議論に関係すると思いますし、重症度によって分けて、ある病気で重症度の高い人だけを認めるという議論にも関わると思うのです。先ほど御議論ありましたけれども、例え1名でも重症の方が残っていたら、その疾患も難病のままで残るといった考えですね。
ですから、違う病名をつけてしまうというのはなかなか難しいかなと思われます。国際分類もありますね。ICD-11とかそういうのもありますので、ちょっと考えると、なかなか難しいかなと思いますけれども、おっしゃったことは一部重症度分類で対応しているのだと思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○南川課長補佐 事務局から補足ですけれども、参考資料で、今、指定難病がどのような形で指定されているかをちょっと御紹介をさせていただければと思います。34ページを見ていただきますと、指定難病の検討に入るときの進め方になりますが、これについては、先ほど申し上げたガイドライン等をやっている研究班だったり関係学会が整理した情報に基づいて、それで、先ほどの5つの要件を指定難病検討委員会の中で、満たすか満たさないかという形を判断して、基本的に疾病ごとに認めているところになります。
これはどういう要件なのですかと、具体的にその要件の中身についても314ページ以降、「指定難病の要件についてということで、発症機構が明らかでないことであったりとか、例えば治療法が確立してないことであったりとか、長期の療養が必要であることみたいな要件について、それぞれの疾病単位の中で判断基準は一定程度示しております。
先ほどの診断基準の部分につきましては、333のところに、関連学会において承認を受けた基準や既に国際的に使用されている基準とか専門家で一定の合意が得られているものというような形の記載がされていますので、このような形で医学的な妥当性を確保しながら、さらに、指定難病委員会の先生方にも確認してもらいながらやっておりますので、その中を細分化していくとかいうようなことについては、医学的に妥当な範囲外ではなかなか起こりにくいのかなとは思っております。
以上です。
○五十嵐座長 どうぞ。
○井田構成員 コメントですけれども、今、羽鳥先生からお話がありましたけれども、代謝異常症などを見ていると、ある疾患群をひとくくりにした病名と、遺伝子異常や酵素異常に基づいた非常に細かい病名が混在しています。ですから、そこをまずきちんと見直さないと、ある病名が一個抜けてしまうと、多くの病気が外されてしまう危険性があります。この点に注意して見直しが必要で、羽鳥先生がおっしゃったように、現在の病名で見直しを行うと問題が生じる可能性があります。 コメントです。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○伊藤参考人 たびたび済みません。諸先生方にお願いがあるのですが、今の指定難病の要件で、この委員会ではそんなことはないと思うのですけれども、0.1%と表現される方々がたくさんいらっしゃるのですね。これは、(参考資料の)4ページを見ていただければわかると思いますが、その横に「程度」とつけてあるのですね。この「程度」をつけるかつけないかで大変な議論をしたわけです。それで、結局、この「程度」は何かというところまで踏み込んで、なおかつ、この「程度」をつけたわけです。ですから、ぜひ、0.1%とおっしゃらずに、0.1%程度と言っていただきたいと思います。
これはアメリカの患者数の人口比とヨーロッパの人口比とのちょうど真ん中だったのですね。これはパーキンソン病とかそういうところの登録患者の数に合わせて「程度」にしたのではなくて、実際、真ん中だったということで、そういう議論になっていったという経緯もありますが、この「程度」を大事にしていただきたいと思います。済みません、お願いいたします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○福島構成員 ちょっと話題が離れてしまいますけれども、難病こども支援全国ネットワークの福島です。
資料の3ページの上から4つ目のところでございますけれども、トランジションについてであります。これは今までルールを申し上げておりますけれども、この制度が始まった1974年からこの制度がずっと持っている課題で、この5年後の見直しで見直さないで一体いつ見直すのよというレベルの話だと思っていて、この書きぶりを見ると、ちょっと言葉は悪いですけれども、ちょっと心意気が足りないというか、もうちょっとやるんだというところをぜひ前面に出していただきたいなと思っています。
小慢のうち指定難病の要件を満たすものについては、「引き続き着実に」と書いてありますが、「着実に」ではなく、例外なく指定していただきたいというのと。
もう一つは、これも今までも出ていますけれども、指定難病と小慢は要件が違うわけですから、そうなってくると、必ずトランジションできない疾病が残ってしまうわけで、それをどうするのだという議論を今回きちんとしていただきたいと思っていて、具体的には、障害者施策との統合を含めて考えるというやり方、これは地方自治体の医療費の助成の制度のほうでうまく載せられるかどうかという話になってくると思いますけれども、そのほかには、小慢を卒業した人たちに対する何らかの施策というものがなければ、永遠にこの課題は解決しないわけで、そういったものも含めて検討をしていくという心意気をぜひこの報告書に載せていただきたいと思っております。
○五十嵐座長 ありがとうございます。これは書きぶりを追記していただきたいと思います。
ほかはよろしいでしょうか。
では、後半の5ページからですけれども、利便性の向上、事務負担の軽減について御意見をいただきたいと思います。
どうぞ。
○矢内構成員 6ページの四角の囲みの中ですけれども、2番目の「データの提供は、患者の同意を前提としたものであること」というのは当然だと思うのですけれども、患者の同意をとるためには、なぜその登録が必要なのか、あるいは、データがどういうふうに活用されていくのか、どういう成果があったのかということがわかりやすく患者さんに示されないとなかなか同意がいただけないと思います。
そうなってくると、同意をとる主体は主治医の先生が一番適当なのではないかと思います。そうなると、下のほうにもありますけれども、結果としてオンライン登録が進んでいかないと、同意をとって軽症患者さんの登録を進めるということがなかなか難しいのではないかと思いますので、そういった議論を今後も引き続き続けて、制度の構築をぜひ国で御検討いただければと思います。
マル3のところに、「指定難病登録者証」という新しい名前が出てきて、これは全ての患者さんにこういったものを交付するのかということが1点と。
もう一点は、軽症の患者さんでこの指定難病登録者証をお持ちの患者さんについて、「各種福祉サービスがまず円滑に利用できるように運用上の工夫を行う」とありますけれども、実際に軽症になったから医療費助成を受けられなくなった難病患者さんが、ほかの難病患者さんが受けられる福祉サービスが受けられないという状況は余りないのではないかと思います。例えば、日常生活用具の給付であったり、就労支援であったり、難病相談支援センターの利用については、医療費助成を受けていることが要件になっているわけではありませんので、そういったサービスは普通にお受けになることができると思います。
最初のほうに駒村先生が軽症の患者さんにも寄り添うとおっしゃっていましたけれども、どういう各種福祉サービスをイメージしているのか。受けられないサービスがあるのであれば、それを確実に把握して受けられる仕組みをつくるべきですし、何か新たな福祉サービスを受けられるような制度を構築するというのであれば、福祉サービス部門と十分調整をしていただいて、財政的な担保をしていただかないと難しいと思います。
この次に書いてある「急な重症化が見られた場合にも円滑に医療費助成が受けられる仕組み」は確かに何回も議論が行われていて、重症化したので再び医療費助成の申請をしたけれども、医療費助成の申請をしてからしか助成が受けられないということで何とかならないのかというお話もございましたけれども、これを行うためにはどういう仕組みをつくればいいのかというのが、ちょっと私もイメージとしてわかりませんので、ぜひ、この部分については今後の検討課題なのだとは思いますけれども、国のほうで十分な検討を行っていただければと思っております。
マル3のところにもありますし、先ほども申し上げましたけれども、研究班での研究成果というものは、私が何か調べようと思っても、研究成果という形で研究班報告を目にすることがとても難しいです。患者さんにあるいは国民の方皆さんたちに難病については医療費助成を行ってこういう研究が行われてこういう成果が出てきたということをぜひわかりやすく医療機関、国民、患者さんにお示しをいただきたいというのは、これは強い要望としてお願いをしたいと思います。
以上です。
○田中課長補佐 福祉サービスについては、もう一つの地域共生のワーキンググループで主に議論をされているところでございますが、特段、受けられるサービスがないという議論ではなくて、制度を知らない。つまり、その制度を自分が使えるということを、軽症の医療費助成の方たちを受けていない患者様が知らないということと。
もう一つは、行政とのつながりが、非常にその機会が少なくなってしまうことへの不安というようなことが指摘をされておりまして。「難病患者登録者証」(仮称)とございますけれども、こういったものにそのサービスが利用できるのだというようなことを記載をしてほしいというお声は、もう一つの地域共生のワーキングのほうでは御意見をいただいているところでございます。
○五十嵐座長 よろしいでしょうか。
そうすると、もう少しわかりやすく書きぶりを変えるということでしょうかね。それが必要かもしれないですね。お願いしたいと思います。
ほかは。
どうぞ。
○山野構成員 軽症登録者というこれまで議論していた方々が対象になっている、そこの負担の軽減という項目ですけれども、それにもつながることだと思うのですが、重症者も含めて指定難病のいろいろ記載しないといけない項目が非常に多い疾患もあったりしますので、全体の項目のスリム化というところも同時に検討を進めることによって、全体的な負担の軽減を図り、それは恐らくオンライン化を進める上でも非常に円滑に、これは患者の負担もですけれども、登録する指定医も結構負担がかかっているところがありますので、そういうふうな負担を軽減できないかというところは、全体の項目のスリム化という検討を同時にここの中に書き込んで進めていくということはいかがでしょうか。
○南川課長補佐 先ほどの矢内構成員にお答えしそびれていましたので、研究班の話については、先ほど申し上げた政策研究班だけではなくて、AMED実用化研究というどちらかというと治療法開発の両方やっていますので、いずれにしても、その周知の仕方は、例えば既存のデータベースに載せている等はありますけれども、よりわかりやすい周知の仕方をしていくべきだという御指摘だと思いますので、この制度そのものの趣旨が研究をしっかりやっていくということでもございますので、それについては真摯に検討したいと思っております。
もう一つのデータ項目のスリム化の話につきましては、おっしゃるとおり今あるものが研究的なニーズそのものは一定程度あるのでしょうけれども、そこも含めてどうしていくかについては、オンライン化とあわせて検討をしていくのかなと。ここに載せられるかどうかは別として、ちょっと検討はしていきたいと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○西村構成員 今のデータの登録ですけれども、この登録証ができていくということによって現物の給付のほうが円滑に利用できるようになるということでは、すごく重要だと思っているのですけれども、これができるのにはオンライン化ということが自治体の業務との関係もあり前提になるということなので、少し何年かかかるということになるということになると、その間、暫定的にどうやって対応をしておくのかというようなことも検討しておく必要があるのではないかと思います。
○田中課長補佐 先ほど申し上げたもう一つのほうのワーキンググループで、その点についても御議論をいただいているところでございまして。現在、申請を行っていただいて、審査の結果、医療費助成の対象とは認められなかった方たちには「不認定通知」というものが送られているところでございまして。この通知にも福祉サービスが利用できる旨記載がされているのですが、題名が「不認定」と書いてあるような紙を自治体に持っていって使っていただくことは非常にやりにくいし、自分としても気持ちも嫌だというようなお声をいただいています。
こういった不認定通知のあり方というか、内容を少し変えるようなことでサービスを使えるような周知が進むということは御意見としていただいておりますが、これはあくまで申請をしていただいて不認定だった方たちにのみ一定の数値の内容をもう少し使いやすいものに変えるということでございますので、全ての患者様というわけではありません。今の不認定になった方というような、対象としては少し狭まるというふうにはお考えをいただいてもいいと思います。運用でできますので、オンライン化ができる前から、運用でそういった工夫をさせていただくことは検討をしたいと思います。
○五十嵐座長 よろしいですか。
では、福島さん。
○福島構成員 難病こども支援全国ネットワークの福島です。
6ページの一番下の文書料についてですけれども、これも小慢の場合は子供のいろいろな医療費の助成の制度がありますので、この問題がクリアされないと、せっかくデータベースが構築されても、必要なデータが集まらないという部分は恐らく解決しないと思われます。ここに「現在の仕組みを維持することは適当であると考えられる」と書いてありますけれども、言い方を、僕は適当とは思いませんけれども、「やむを得ない」とか、「やむを得ないけれども、運用上の工夫を検討していく」とか、そういう形で、例えばオンライン化によってそういったものを超えていくとかそういったことも含めて検討をしていただきたいなと思います。
○五十嵐座長 羽鳥先生。
○羽鳥構成員 今のこととも少し関連するのですけれども、その上の四角、矢内さんから御指摘がありましたように、患者の前提を同意とする、これは主治医がとるべきである。これは全く同意です。ただ、主治医の先生に過大な負担をかけると、やはり誰も登録してくれないということがあるのと。
それから、これは医師会から言ってはいけないことだとは思うのですけれども、今、福島さんがおっしゃった文書料について、医療機関によって値段が全く違うというのがあるので、それはある程度統一して、場合によってはどこかで行政が負担してくれることもいずれはあってもいいかもしれないけれども、ここの医療機関だとこの値段だけれども、こっちへ行くと10倍するとかそういうのはちょっとまずいと思います。
例えばの話ですけれども、「登校許可証」は極端な話、500円というのもありますよね。普通の疾患の診断料だと3,000円とか幾つかあると思うのですけれども、手間が少なければもっと安くてもできるのだと思うのですけれども、手間がかかるものを、これをこの値段でやれと言うのかということになると、主治医の先生もじゃやめようということになってしまうので、そのへんの勘案を何とか、言葉にできるなら言葉にして、言葉にできないならばさまざまな工夫をしていただけたらと思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○井田構成員 患者さんからすれば、文書料はただのほうがよろしいかもしれませんけれども、現場の医師としては、ある程度のお金を徴収していただきたいです。書類申請の時期が来ますと、どかんと診断書が来ます。同意をとって、説明をして、入力するという膨大な業務が生じます。今は事務のメディカルアシスタントがサポートしてくれますので大分楽にはなったのですけれども、それでもかなりの負担なのです。医師の働き方改革の観点から少し考えていただきたいと思います。患者さん、厚労省のいろいろ言い分はあるでしょうけれども、何とかそこをうまくしていただかないと、お医者さんのほうもなかなか大変なのです。山野先生が簡素化とおっしゃってくださいましたけれども、診断書の記載は現場医師の負担になることをお考えいただきたいです。
○五十嵐座長 この部分の書きぶりを大幅に変えないといけなくなるのではないかと思いますけれども、よろしくお願いします。
そのほかよろしいでしょうか。
それでは、7ページ、第4の「医療提供体制について」に移りたいと思います。何か御意見ございましたら、お願いします。
どうぞ。
○井田構成員 8ページの上から2つ目のポチの移行期医療支援センターがいまだに3カ所にとどまっているということですが、これは移行期医療から考えるとかなり深刻な状況です。どうして進まないのかの要因を考える必要があります。これを進めていかないと移行期医療がなかなか進みませんので重要な問題です。厚労省はどんなふうにお考えになられていますでしょうか。
○田中課長補佐 これは平成31年4月現在と書いていますが、平成30年度から体制構築は始まっているのですけれども、このセンターについて一体どういう働きがあってとか、そういったガイドのようなものを私どもがお示ししたのが少し時間がかかったということもございまして、ほかの難病の拠点病院等よりもそういった皆様への周知が1年弱ぐらいおくれているということはございますので、今後も、自治体の皆様、それから、こういう移行期センターを担っていただける病院等において丁寧に説明をしていくことで構築を進めてまいりたいと思っています。
現在、成育の御協力も得て、各ブロックごとに研修なども行っていただいているところでございます。そういった周知が進めば、難病の拠点病院と同様にこういったセンターの構築が進むと、もう1年半ぐらいお時間をいただければと思います。
○井田構成員 成育医療センターはナショナルセンターですので、人的にも予算的にも非常に余裕があるのではと推察されます。私は慈恵医大の病院長ですが、私立では人的にも経済的にも余裕がありません。センターをつくるのには、事務員を配置しなければいけない、看護師さんを配置しなければいけない、医師を配置しなければいけない。この人件費を病院の予算でやれというのは、結構厳しいものがあります。何か工夫をしていただかないと移行期医療支援センターは全国的に拡がっていかないと私は感じています。
○田中課長補佐 御指摘ありがとうございます。
拠点病院も同じですけれども、このセンターにもコーディネーター、いわゆる患者様と医療機関等をつなぐ、それから、患者様のいろいろな御要望をお伺いするというようなコーディネーターの人件費については担保をしておりますが、それでは先生がおっしゃったように不十分だという御意見は拠点病院含めていただいているところではございます。
○五十嵐座長 成育医療センターには移行期医療支援センターはありません。
○田中課長補佐 成育にお願いしているのは、このセンターの理解を進める研修をお願いしています。
○五十嵐座長 これが予算的な面で何か支援があったほうが助けになるという、そういう御指摘ですので、そのへんも書き込めるかどうかはわかりませんが、検討をすることが非常に重要ではないかと思います。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
○伊藤参考人 そういう大きな話ではないのかもしれませんけれども、今、公的病院の統合の問題が打ち消しても打ち消してもどんどん出てきて、テレビ等でも報道されています。この中では地域の方々の不安は大変大きいのですよね。救急医療をやれと言っても、そういう患者さんが出たらほとんど中核病院へ回してしまうわけですから、地域の医療機関、町立とかそういうようなところでは救急でやるということもありませんし。ただ、慢性の疾患をどう診るか。それから、特に高齢化社会の中で在宅医療をどう支えるかというほうに大きく転換しています。そういう中で難病もたくさん診ていただいているのですね。1つは主治医との連携が、専門医との連携がだんだん進んできているということもあって、地域の病院でも設備は十分持っていますから、かなり診ていけるということと。
それから、専門医の先生をその地域の医療機関の中で分担して時々来ていただいて、その中で、リウマチをやる町立病院、神経難病をやる町立病院というような形で分けて、その中で地域の中ではお互いに患者さんのやりとりやら教育やらをやっている。こうやって苦労をしてそういうような仕組みもつくってきている地域もあるわけなのですね。その中で不採算だから何とかしろという中で大丈夫なのでしょうかということを聞いておきたいのです。
○田中課長補佐 不採算だから何かしろという意図ではなかったと我々は承知をしておりまして、あくまで機能を分化して、それぞれ同じような役割を持っているところはそれぞれ役割を明確化するべきであるというのが医政局の主張であったと私どもは承知をしているところでございまして、なくなっていい病院というわけではもちろんないということはここでちょっと御説明をさせていただきたいと思います。
地域の皆様が御心配になるような報道もなされていることは承知をしておりますが、難病についても、分野別拠点病院というのを置いて、それぞれの分野で特化している、そういうような病院を設置していくことを今進めているところでございますので、各地域それぞれの事情がございますので、その事情に応じてそういった拠点が明らかになってくることで患者様の安心が生まれてくるのかなと思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○水澤構成員 移行期医療支援センターについてですけれども、ここに書かれていること、それから、議論されていることは大変そのとおりだと思います。
前回のヒアリングのときに少しお聞きして、一番困るあるいは具体的に十分に移行期の医療が行われていないのはどこかというようなことをお聞きしたら、それは小児病院で、成人の科がないところだというお話があったと思います。
今の伊藤参考人のお話もそうですけれども、その地域地域で特性があると思うのですね。こういう移行がうまくいってない、うまくいっているところもあると思いますので、その重みづけをして進めていく必要があるのではないかなと思います。ここに書かれることは一般的な形になってしまうと思うのですけれども、具体的には、各地域で本当にそれが必要なこと、あるいは、こども病院でぜひ成人の部分をつくるとか、何かそういう形にしないと実効性が乏しいかなという懸念があるので、中身としてはそうやっていただきたいとは思っています。
○五十嵐座長 欧米の小児病院の中には、実は、小児病院なのだけれども、成人の部門を新たにつくって入院もできるというようなところが幾つか出始めています。ですから、今先生がおっしゃったように、大学病院あるいは総合病院のように、基本的に院内で全て完結でき得るところではない施設の場合に、そういう工夫も一部では行われているようです。
御指摘ありがとうございます。
○水澤構成員 その地域で違うと思うのですね。そういうふうに一つのこどもセンターの中に成人部門をつくるのか、近くにもし大きな総合病院、大病院とかあれば、連携を密にするといったこととか、それぞれ違うと思いますので、各地域で一番適切な形をつくるというのが大事だと思っています。
○田中課長補佐 参考にモデル事業を先行して行っておりまして、九州であれば九州こども病院等が参画をして3つのケースについて検討をしたというモデル事業の後に一応このセンターを動かしております。全ての地域についてもちろんやっているわけではないので、典型的な例としてこういったものを御参考にしていただくということで、準備はさせていただいております。
○五十嵐座長 小児病院の隣に総合病院があるというアメリカ型が一番いいわけですけれども、ヨーロッパだと日本と同じようにスタンドアローン型が多いのですけれども、国によってもやり方が随分違うようです。
どうぞ。
○伊藤参考人 済みません、最後です。ゲノムのことですけれども、この遺伝子検査をするというように義務づけられていくと、例えば、将来この病気を発症しますよということがわかっていれば、例えば生命保険とか、国でも障害年金のさまざまな条件の中で、既に発症が予測されている、あるいはわかる、あるいは発症していたのではないかというようなことになると、例えば障害年金の認定日と合わなくなってくるとか、さまざまなことがあるわけですよね。
特に生命保険などですと、そういう将来的な予測がされている人に対して生命保険の加入者として認めるかとかというようなこと、あるいは学校教育の場でとか、さまざまなことで大きな不利益を御本人及び家族に与えることが考えられる。そのことも考えてこの検査を義務づけるのか。アメリカなどでは、これは僕は見ているわけではないのですけれども、ゲノムの検査による不利益をしてはならない、差別をしてはならない。ならないと言われても差別は起きるわけですけれども、そういうような法律もつくっているというような情報もあるわけですが、このあたりについても難病対策では十分に考えておくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○南川課長補佐 今回、8ページの1つ目の○に書かれている部分でちょっと誤解も少し生じたのかもしれないのですけれども、そもそも遺伝学的検査という医療の世界の中で言いますと、義務づけは当然されていなくて、あくまでも通常の診療の中で診断の手法の1つとして遺伝学検査が今保険収載されているものが60疾病ございますので、もちろんこれをしなくても診断がつくものもありますし、しなければ診断がつかないものもあるという形になるので、それは義務づけとは異なって、一つの遺伝子に対して発見をして、これが病気の診断の決め手となるような場合もあるのが保険収載されているのがあります。
そのほかにも遺伝学的検査が診断基準には入っているけれども、保険収載されてないものもございまして、それについては検査体制そのものの整備もあわせてやっていく必要がございまして、そことも同時並行で行いながら、改めて検討をしていきたいということを方向性として書いています。
それとは別途、ゲノムの研究という意味で、医療ではなく将来のことに向けた研究も、また、ここに記載されていますとおり、8ページ目の(対応の方向性)の2つ目の○の部分ですけれども、「経済財政運営と改革の基本方針」の中で、ゲノム情報が国内に蓄積する仕組みを整備し、全ゲノム解析等により難病の早期診断に向けた研究等を着実に推進するために、数値目標だったり人材育成・体制整備を含めた具体的な実行計画を年内をめどに策定すると書いてあります。これに向けた検討会を別途立ち上げまして、これはまだ研究の話ですので、当然、もし、これに参加される方であれば、同意を得た上で参加することになりますし、そこで得られた個人情報は当然守られるということになると思います。
その上で、もし将来、さらにこういうようなゲノム医療が実現をしてくるという時代になったときには、伊藤参考人おっしゃったとおり、これがわかることによって生じる不利益という部分に対してどう手当てしていくのかみたいな部分は、それはそれでもちろん大きな検討課題としてあると認識しています。
以上です。
○田中課長補佐 不利益に関しては、ゲノム医療協議会でも御指摘がございまして、既に検討が始まっておりますので、そういったゲノムの医療を進める中で必ず考えなければいけないことについては、ここの場ではございませんが、別途、しっかり検討をされているということはお伝えをさせていただきます。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
では、最後、9ページ、10ページまでかかっていますけれども、第5の調査研究について御意見をいただきたいと思います。
どうぞ。
○矢内構成員 9ページの一番下の○ですけれども、「現在の難病法においては、」というところで、調査研究については国が行うと規定されていることがこの義務規定なのだと思いますが、その後に、都道府県等や患者の役割についても、引き続き検討と記載がございます。
まず1点は、調査研究に関して都道府県等や患者の役割については、このワーキングでは少なくとも議論が行われていたという記憶はないので、どういった経緯でこういう記載があるのかということの確認が1点。
もう一点は、都道府県等が調査研究を行うというのは、希少な難病について各都道府県ごとに何か研究を行うのは非常に非効率的であるとともに、都道府県がその研究を担えるということはなかなか難しいと思いますので、これはどういったことを具体的にイメージされているのかということを確認したいと思います。
○駒村構成員 これは私の発言のところだと思います。私が、ここは、データに関して都道府県や患者がどういう位置づけがあるのかというのが今の制度上書いていないので、調査研究というよりはデータ収集に関してどういうポジションになっているのか、都道府県はどういう向き方をすべきなのか、患者はこれに対してどういう意義を理解しておくべきなのかということを議論したほうがいいのではないかということを受けての話かなと、私の議論だとそうだと思います。
○矢内構成員 現在の難病法の中にも難病の申請については都道府県が実施すると記載がありますので、それ以上のことを何かイメージしているということなのでしょうか。
○領五課長補佐 御質問ありがとうございます。
現状、矢内構成員おっしゃるとおり、医療費助成については実施主体は都道府県ということになっておるのですけれども、他方で、そもそもデータの登録とかそういう医学情報の登録は運用上でやっておりまして、そのことについては規定がないという状況でございます。
研究というよりはデータ収集だというお話、今、駒村構成員からもございましたが、調査研究についても、国についても、抽象的な推進をするものとするという、そういう義務規定があるのみでございまして。そのあたりどう考えていくのかということかなと思います。
これは先ほどのオンライン化の議論ともちょっと関わるとは思うのですけれども、現状、そのデータの収集という面で臨床個人調査票が患者さんから都道府県に提出をされたときに、その後のデータの収集という意味では、現在、必ずしも速やかに100%登録センターに届いているという状況ではないので、そのあたりのデータの収集のあり方をどう考えていくのかということだと考えております。
○矢内構成員 話の内容としてはわかりました。
記載については、そうなると、これではなかなかそう読み取れない部分がございます。また、法に新たな事務規定・義務規定が書かれていくということになれば、これは都道府県の中でもきちんと整理をしなくてはいけない事項になってまいりますので、十分な都道府県との協議・確認をしていただきたいというふうに、これは要望させていただきます。
○五十嵐座長 よろしいですね。
ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
どうぞ。
○羽鳥構成員 最初に発言したのでいいとは思いますけれども、9ページの(対応の方向性)ですけれども、「希少な疾患である指定難病の特性に配慮しつつ、法律上に規定が設けられているNDB等のルールを参考に、所要の措置を講ずる」これをぜひ今回の見直しで実現してほしいと思います。もちろん、それに当たって、その下のパラグラフの連結解析に当たって、個人情報の保護・匿名性、これはしっかり担保していただきたいと思いますけれども、書き込んでいただきたいということをぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
よろしいですか。
そうしますと、もう一度全体を振り返りまして、改めて、何か御意見がありましたら、お願いしたいと思います。
○駒村構成員 4ページの一番上の○のところで、「症状も多様である中で、真に支援を必要とする」と、「真」という言葉があんまり好きな言葉ではないので、ちょっと制限的意味はわかりますけれども、あんまり私が好きな言葉ではなくて、使わないほうがいいのではないかと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。誤解が生じる可能性があるということで、検討したいと思います。
いかがでしょうか。
どうぞ。
○本間構成員 あせび会の本間です。
6ページの四角の中のマル1です。患者にとって、過度な負担を課さないものであることというその下の具体的には、登録項目、それから、頻度などが書いてあるのですけれども、これは患者さんもそうですけれども、主治医の先生方が、どの項目が必要で、この項目は抜いていいというのは、これはどこでどなたが決めればいいのでしょうね。患者のほうからすれば、それほど抵抗はないと思います。むしろ、先生方のほうが大変なのかなという気もするのですけれども、そのへんの何かイメージ的なものは事務局ありますか。そこは頻度ですね。
○南川課長補佐 今の臨床個人調査票の登録項目そのものも、重症度基準であったり診断基準とかが指定されるときに、研究班を中心にどのような項目が研究にとって必要なのかみたいな形でつくられているものですので、ここら辺の項目について精査をするということになると、研究班等との連携をした上で、どこまでスリム化なのか合理化なのか、それとも研究にとって必要な項目をどう選定していくのかみたいな形になると思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○井田構成員 その方法でいいと思うのですけれども、研究班はどうしても専門家の先生の集まりなので専門性を追求するため調査票の項目が多くなる傾向があると思います。「現場の医師が登録するのに過度の負担にならないように御配慮をお願いいたします」と各研究班の先生方に言っていただくと助かります。どうしても自分の専門ですのでどんどん知りたくなってどんどん項目がふえていくのです。そんなような印象をちょっと受けていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○南川課長補佐 御指摘を賜って、しっかりと検討していきたいと思います。
○五十嵐座長 疾病によっても違いますよね。ですから、333全て同一ということ自体がちょっとはなから無理な感じもしますね。そのへんも考慮していただきたいと思います。
どうぞ。
○羽鳥構成員 まさにそういう意味だと、井田先生さっきおっしゃったように、タスクシフトの話をしっかり書き込んで、この部分は事務が書き込んでいい、ここだけは医師に書く、もちろん最後の署名は医師が欲しいとか、当然あるでしょうけれども、ここは事務に任せてもいいというところも明示していただいたほうが先生方にとってはやりやすいのではないかなと思いますので、よろしくお願いします。
○井田構成員 ありがとうございます。
○五十嵐座長 貴重な御意見ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
どうぞ。
○福島構成員 難病ネットワークの福島です。
自己負担割合についてちょっとお話ししたいと思うのですが、他制度との均衡という話が冒頭にございましたけれども、小慢の場合は恐らく自立支援医療の育成医療を指していると。それから、指定難病の場合は同じく自立支援医療の更生医療のことを指しているのだと思うのですけれども、育成医療も更生医療も自己負担割合は1割になっていると承知しておりますが、指定難病と小慢については2割ということで、何でこれが2割になったのかという経緯は僕はちょっと存じ上げないのですけれども、普通に考えると、例えば育成医療は手術等で使う医療費なので、期間としては例えば半年とか1年とかで割と期間が限られた医療の助成の制度だと思うのですけれども、小慢とか指定難病は基本的に一生物ですよね。そういった意味では、育成医療とか更生医療と比べても負担がさらに少なくても本来いいのではないかと思ったりもするところなのですが、なぜ、これが2割になったのかという経緯等がもしあったら教えていただきたいと思います。
○領五課長補佐 御質問ありがとうございます。
自己負担割合という点では御指摘のとおりでございまして、障害者の施策のほうは1割で、小慢と難病のほうは2割でございますが、当時、この自己負担についてはいろいろ御議論があったと承知をしておりまして、今回、5ページ目の(対応の方向性)の最初の○にも少し書かせていただいてはいるのですが、自己負担割合という点もそうですし、あとは、その限度額、そして、今、福島構成員からも御指摘のありました対象となる医療の範囲等々のその要素を全部踏まえて総合的に御議論いただいてこういう形になったというふうには承知はしてございます。
そして、難病と小慢それぞれの比較も踏まえながら今の形になっているということでございまして、そのバランスの中でということなので、2割、1割のところが特にこういう理由でというところは、済みません、直ちにはなかなか申し上げられないのですが、そういうことでさまざまな立場から御議論いただいた結果と承知をしております。
○五十嵐座長 どうぞ。
○伊藤参考人 済みません、ちょっと確認です。確かに難病は保険の自己負担は2割だったのですよね。そうすると、指定難病の場合は受給者証を持っていると余り関係なかったのでちょっと気がつかなかったのですけれども、そうではなくて、ずっと医療も継続しながら不認定になった方々の医療費は自己負担2割でいいのですか。3割ですか。
○領五課長補佐 それは医療保険がそのまま適用されるということでございますので、医療保険で3割負担の方は3割ということになろうかと思います。
○伊藤参考人 その2割というのはどういう意味ですか。
○領五課長補佐 2割は、難病の医療費助成として、受給者証をお持ちの方は2割負担ということになっておりますので、そこの3割と2割の差額が生じている方については、そこの部分を難病の医療費助成として公費から出しているということでございます。
○田中課長補佐 負担上限額が設定されておりますので、必ずしも全ての方が2割負担されているわけではございません。所得に応じて自己負担額上限という方も多くいらっしゃると承知をしています。
○五十嵐座長 そのほかはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、ちょうど時間も来ております。きょうの議論はここまでとしたいと思います。
次回の日程などについて事務局からお願いいたします。
○南川課長補佐 次回は調整がつき次第、追って構成員の皆様に御連絡させていただきます。
なお、机上のファイルについては次回も反映させていただきますので、お持ち帰りにならないようお願いいたします。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
これで終了いたします。