令和2年1月24日 第175回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和2年1月24日(金) 17:00~18:30

場所

ベルサール九段 3階ホール

出席者

委員 ※五十音順

議題

1.居宅介護支援事業所の管理者要件に係る諮問について
2.平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の実施内容及び進め方について
3.その他

議事録

 
○栗原企画官 それでは、定刻になりましたので、第175回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りましてまことにありがとうございます。
 会の開催に当たり、まず前回の会議から委員の交代がありましたので、新任の委員を御紹介いたします。
 全国知事会社会保障常任委員会委員で神奈川県知事の黒岩祐治委員です。本日は御欠席の連絡をいただいており、黒岩委員にかわり、山本千恵参考人に御出席いただいております。
○黒岩参考人(代理 山本参考人) よろしくお願いします。
○栗原企画官 次に、本日の委員の出席状況ですが、亀井委員、河村委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 また、伊藤委員より、おくれる旨の連絡をいただいております。
 以上により、本日は22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
 それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。撤収方、御協力をお願いいたします。
 では、以降の進行は、田中分科会長にお願いいたします。
(カメラ退室)
○田中分科会長 皆さん、こんにちは。
 本日は、「居宅介護支援事業所の管理者要件に係る諮問について」と、もう一つ、「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の実施内容及び進め方について」などについて御議論いただきます。
 初めに、事務局より資料の確認をお願いします。
○栗原企画官 それでは、お手元の資料に基づき説明いたします。
 まず、議事次第と委員名簿がございます。
 次に、資料1「居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置について」、横紙のポンチ絵と、その後に続きまして諮問書のほうがございます。
 それから、資料2「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の実施内容について(案)」。
 資料3「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の進め方について(案)」。
 参考資料1「居宅介護支援事業所の管理者要件等に関する審議報告」。
 参考資料2「平成30年度介護報酬改定を踏まえた今後の課題及び次期改定に向けた検討について」がございます。
 資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 ここから、議事次第に沿って進めてまいります。
 まずは、「居宅介護支援事業所の管理者要件に係る諮問について」、議論を行います。本日は、事務局より、厚生労働大臣から社会保障審議会長への諮問書が提出されています。これに対する当分科会の意見を報告書の形で取りまとめなければなりません。資料について、事務局より説明お願いします。
○尾崎振興課長 振興課長でございます。私のほうから、ケアマネ事業所の管理者要件に係る経過措置の見直しについて御説明をさせていただきます。
 こちらの事項につきましては、昨年11月、12月と2回、この場で御審議をいただきまして、12月17日、きょうも参考資料1ということで配付をさせていただいておりますが、審議報告をまとめていただいたところでございます。その内容に沿って法令的な対応をするということで、きょう諮問をさせていただいているものでございます。
 まず、中身でございます。復習になりますが、資料1、横置きのポンチ絵を見ていただければと思います。こちらが、見直しの内容になります。
 まず、上の段が現行でございます。平成30年度の改定で対応したものになりますが、ケアマネ事業所の管理者、こちらを主任ケアマネするということを基本とした上で、経過措置ということで令和2年度末までの経過措置を設けていたところでございます。令和3年度からは、管理者が主任ケアマネであるということが必要だという内容になってございました。
 こちらについて見直しを行わせていただきたいということで、下の段の見直し案というところの、まずマル1でございます。「令和3年3月31日時点で主任ケアマネジャーでない者が管理者である場合」、こちらにつきましては令和3年3月31日の時点の管理者が引き続き管理者である限りは、そのままその人が管理者で居続けることができるという内容になっています。その期限につきましては令和8年度末、令和9年3月31日までということでございます。
 そして、2つ目の内容ですが、「令和3年4月以降に新たに管理者となる場合」、これは管理者が交代する場合も含まれますけれども、そういった場合には管理者は主任ケアマネであることが必要だということでございます。
 この点につきまして一番下の箱囲みでございますが、幾つかの配慮措置を設けているところでございます。
 箱囲みの1つ目の○ですが、中山間地域、離島などにおいては人材確保が特に困難だろうということで、関連の加算を取得できる事業所については管理者を主任ケアマネジャーとしない取り扱いも可能ということでございます。
 2つ目の○でございます。令和3年4月1日以降、急な退職など、不測の事態で主任ケアマネジャーを管理者とできなくなってしまった事業所につきましては、その理由と改善に係る計画書を保険者に提出いただくということで、管理者を主任ケアマネとする要件の適用を1年間猶予するということでございます。
 また、その地域にほかにケアマネ事業所がない場合など、利用者保護の観点から特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予措置を延長することができるという内容になってございます。
 その次、諮問書の後に別紙というものがあると思います。こちらが、法令上の整理をさせていただいたものになります。別紙の4ページをごらんいただければと思います。
 新旧という形になっていますが、上の段が改正後、見直しの内容になってございます。(管理者に係る経過措置)ということで、令和9年3月31日までの間は、令和3年3月31日の時点で指定を受けているケアマネ事業所、このうち管理者が主任ケアマネでないものについては、後ろから3行目の下のほうに線を引いてございますが、引き続き令和3年31日における管理者であるケアマネジャーさんを管理者とすることができますよという形にさせていただいてございます。
 2枚前に戻っていただいて、2ページです。こちらが、令和3年度以降の配慮措置の内容になってございます。3条の2項、前項に規定する管理者というのはケアマネ事業所の管理者になりますが、管理者は、2行目の一番下のところでございますが、主任ケアマネ、「主任介護支援専門員」でなければならない。
 「ただし」ということで、ここが配慮措置になります。主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等、やむを得ない理由がある場合については、主任ケアマネではない方を管理者とすることができるという内容になってございます。
 この運用通知で、先ほどの細かい内容については触れさせていただき、規定させていただくということにさせていただければと思います。
 このような形で、これまでの議論を踏まえた見直しをさせていただければということで諮問をさせていただいていますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
 説明は、以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 ただいま説明のあった事項については、前回までの会議においておおむね議論されたと記憶しています。特段の御意見がないようでしたら、取りまとめに移る段階ですが、いかがでしょうか。
 どうぞ、伊藤委員。
○伊藤委員 遅れて申し訳ありません。もしかしたら既に御説明いただいているかもしれませんが、1つだけ確認をさせていただきたいと思います。
 資料1の下のほうの配慮措置の1つ目に「中山間地域や離島等においては」という記載があります。管理者を主任ケアマネとしない取り扱いも可能ということなのですが、前にも申し上げましたが、この地域の管理者が既に主任ケアマネである場合に、「そちらでは別に要らないでしょう」と、別の地域に引き抜かれるようなことがあってはならないと思うのです。あくまで「人材確保が特に困難と考えられるため」の特例であり、今言ったような引き抜きが起きて、かえって人材確保が困難になることがあってはならないと思っております。その点について確認したいのですが、現に管理者が主任ケアマネである場合に、その主任ケアマネを引き抜いてまで管理者を主任ケアマネではない人に置き換えることはできない、しないということが前提と理解してよろしいでしょうか。
○田中分科会長 振興課長、お願いします。
○尾崎振興課長 御質問ありがとうございます。条文上は御指摘のとおり、主任ケアマネジャーの確保が著しく困難である場合等、やむを得ない理由がある場合についての特例という形になります。
 それで、今、僻地や離島の主任ケアマネジャーさんにも就職する場所の自由というのがありますので、第三者からリクルートされてどうしてもいなくなってしまうというケースは仕方ないと思います。その一方で、同じ事業所の中であえてわざわざその主任ケアマネジャーさんをそこからはがしてほかのところに置くということは、もともとそこに主任ケアマネを確保することができていたわけですから、この条文から言うとそのようなことは認められないというのが通常なると思います。よろしいでしょうか。
○伊藤委員 条文で、別紙のほうで第3条第2項のところですが、確かに主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等やむを得ない理由がある場合については今回特例として取り扱いできるとなっておりますので、現に主任ケアマネを確保ができている場合について、引き抜きをして人材確保難を引き起こすようなことはないように、ぜひ御指導願いたいと思います。
 以上です。
○田中分科会長 ほかにいかがでしょうか。
 武久委員、どうぞ。
○武久委員 この経過措置につきましては、まことに適切な時期に適切な措置をしていただいたというふうに私は感じております。
 1つのポイントは、主任ケアマネでなければいけないとなると、これは30年ぐらい前を思い出すんですけれども、老人保健施設ができたときに、必ずPTかOTか1人必置ということになりまして、その当時に理学療法士の給与が100万円になったりするところがあって、非常にまだ少なかったこともありまして、その需給バランスが非常に崩れていたときがあって、あれはちょっとまずかったかなと思いまして我々も現実に苦労したことがあります。
 これは、主任ケアマネじゃないといけないというふうに、令和3年に上段のようになりますとそういう可能性もあって、主任ケアマネジャーの給料が非常に奪い合いになって高くなるというような地域も出てくる可能性がある。
 これも、令和9年まで経過措置でしていただけるということは、地方の零細な居宅に対して非常に優しい措置だと思いますし、現在の主任ケアマネジャーの能力はまだ多少、玉石混交のところがありまして、この経過措置の間にかなり統一化されてきて、適切ないわゆる主任ケアマネジャーとして、居宅の管理者として育ってくるだろうと思いますので、今回の措置は私としては実際に非常に支持したいと思います。
○田中分科会長 ありがとうございます。
 ほかはよろしゅうございますか。
 大西委員、どうぞ。
○大西委員 今回の措置については、我々、全国市長会といたしましてもいろいろ御意見も申し上げたところでございまして、柔軟に対応していただけるということでよろしいかと思いますが、資料1の一番下の四角囲みの中の「令和3年度以降の配慮措置」については、今後、省令や規則等で具体的に定められるということでしょうけれども、事業者の不測の事態にも柔軟に対応できるように保険者の判断などで猶予期間を延長することができるといった運用をお願いしたいと思っているところでございます。
 それから、主任介護支援専門員がやはり足りないという状況の中、主任介護支援専門員の研修の開催におきまして、各都道府県において養成人数とか受講料というのが異なっていると聞いております。
 私どもの香川県で見ますと、実際定員の上限を超えて応募があるため、要件を満たして受講を希望しても、受講できない者がいるというのが現状でございます。この問題に対しては、今回、経過措置で救済制度が設けられますので、かなりの猶予期間はあるとしても、できるだけ早く主任介護支援専門員の育成を図っていく必要があろうかと思っておりますので、中長期的な観点、視点に立ちまして、都道府県を中心とした主任介護支援専門員の育成体制の強化と、そのための国による支援をお願いしたいと思っております。
○田中分科会長 御要望でした。
 東委員、どうぞ。
○東委員 私も、この件については賛成でございます。
 ただ今回の見直し案で経過措置の延長にはなりましたが、新たに管理者となる場合や交代する場合は、主任ケアマネジャーであることが必要とされます。そうすると、武久委員もおっしゃいましたが、主任ケアマネジャーの引き抜きや処遇を極端に上げるというようなことがもしかすると出てくる可能性もあると思います。前回の部会でも申し上げましたが、ケアマネジャーを受験する方も少なくなっているという事実もございますので、現在のケアマネジャーおよび主任ケアマネジャーの処遇や給与の実態がどうなっているのかを調べて頂きたいと思います。また、居宅介護支援事業者であっても小さい事業所や主任ケアマネジャーが1人あるいは複数いる居宅介護支援事業所の収支など、そういうものもきちんと今後出していただきたいと思います。以上です。
○田中分科会長 御要望ですね。ありがとうございました。
 山本参考人、お願いします。
○黒岩参考人(代理 山本参考人) 神奈川県高齢福祉課の山本と申します。皆様、よろしくお願いいたします。都道府県のお立場から、述べさせていただきます。
 居宅介護支援事業者の管理者要件につきましては、全国主要都道府県の民主主管部長連絡協議会としても、経過措置の延長について国に要望してきたところでございまして、このたびの経過措置の延長及びやむを得ない理由がある場合の配慮措置については賛成でございます。
 ただ、先ほど大西委員からもお話しがございましたけれども、本県でも今年度から主任介護支援専門員研修の受講定員を増加させるなどの対応をとっておりますが、やはりあわせまして主任ケアマネ研修の受講機会をしっかりと確保していく、提供していくということが都道府県としても必要だというふうに考えておりますので、対応はしっかりとっていきたいと思います。
○田中分科会長 前向きの見解をありがとうございました。
 ほかに意見がないようでしたら、事務局より報告案の配付をお願いします。
(報告案配付)
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。現在、委員の皆様のお手元に報告の案をお配りさせていただいているところでございます。審議の円滑化を図りますため、メインテーブルのみの配付とさせていただきます。
 なお、傍聴の皆様におかれましては、会場前方のスクリーンに映写をしてございます。それをごらんいただければと思います。
 また、本日の審議が終了した後に、厚生労働省のホームページにて資料を掲載させていただきますので、何とぞ御容赦願います。
 行き渡りましたでしょうか。
 それでは、報告案について読み上げをさせていただきたいと思います。日付は、本日のものが入る予定でございます。
 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)等の一部改正について(報告)
 令和2年1月24日厚生労働省発老0124第1号をもって社会保障審議会に諮問のあった標記について、当分科会は審議の結果、諮問のとおり改正することを了承するとの結論を得たので報告する。
 以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 では、この案にて、介護給付費分科会における諮問に対する報告といたします。御議論ありがとうございました。この後は、社会保障審議会長に報告し、その後、社会保障審議会長から厚生労働大臣に答申する手順となります。
 次に、議題2の「平成30年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和2年度調査)の実施内容及び進め方について」を議題として取り上げます。事務局より、資料の説明をお願いします。
 その後、委員会における議論の状況について、松田委員長から概要の説明をお願いすることになります。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。それでは、資料2、資料3、そして参考資料の2を用いまして御説明をさせていただこうと思います。
 最初に、参考資料のほうに移りまして大変恐縮でございますけれども、一番後ろのほうにつけております1枚紙の横長のものでございますが、前方スクリーンにも映し出していただいておるところでございます。これによりまして、この改定検証調査の全体像について、まず御説明をさせていただこうと思います。
 平成30年度の介護報酬改定を行いましたときに、今後の主な課題というふうに審議報告において取りまとめられたものがその真ん中に並べているものでございます。【横断的事項】【居宅系】【施設系】、それぞれ○が幾つかございます。
 こちらにいただきました課題を3カ年に分けて、私どもとして調査をさせていただいてまいりました。一番下に矢印がございますけれども、2018年度介護報酬改定が終わった後に、2018年度調査では7本、そして2019年度、ことしでございますが7本、そして来年度でございますが、きょう御承認いただければ5本となりますけれども、こちらでこれらの課題について対応を行ってきたところでございます。
 それでは、資料2のほうに戻らせていただきまして、前回改定の効果検証及び調査研究に係る調査の実施内容について御説明をさせていただきます。
 「目的」は前回改定の効果検証、そしてまた検討が必要とされた事項に対する調査研究を行うことでございます。
 調査項目は、5つございます。(1)~(5)でございますけれども、それぞれにつきまして簡単に概要を御説明してまいりたいと思います。
 1枚おめくりいただきまして、1ページでございます。(別紙1)というふうにございます。こちらは、「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」ということでございます。
 「調査目的」に書いてございますけれども、介護サービスの質の評価を行うことが求められているということでございまして、厚生労働省では科学的に自立支援等の効果が裏づけられた介護を実現するために、分析に必要なデータを新たに収集するデータベース、CHASEと通称しておりますが、こちらを今年度構築しまして来年度から運用を開始するところでございます。
 本事業では、CHASEなどによりまして収集されましたデータを分析いたしまして、事業所施設に対してフィードバックを実施し、そしてその効果が介護サービスの質の向上に資するかということを検証する。
 加えまして、既存の加算が幾つかございますけれども、その算定要件を精査いたしまして、加算の効果として利用者の状態の維持改善等を客観的なアウトカム評価指標によりまして、評価が可能であるかどうかを網羅的に検証するものでございます。
 「調査客体」数でございますが、これはざっと見積もっているものでございますが、約3,000の事業者でございます。もちろん、これは例えば老人保健施設ですとデイケアも一緒にやっていらっしゃったりするところがあると思いますので、そういうことも延べで申し上げて約3,000ということでございます。
 「主な調査項目」としては、【CHASEについて】は、CHASE等により収集されたデータを分析する。これは、申し上げたとおりでございます。
 そして、【既存の加算について】ということでございますけれども、こちらは介護関連データベース、介護保険総合データベース、VISIT、CHASEに収集されているデータを活用いたしまして、栄養管理、口腔機能維持、排泄支援等の既存の加算が、アウトカムに基づく加算に移行することが可能であるかどうかについて検証を行うというものでございます。
 それぞれの視点は、この下にありますマル1~マル4にあるようなものを考えているところでございます。
 (別紙2)、こちらは2つ目の調査でございますけれども、「福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業」でございます。これは、これまでも隔年で行ってきたものでございます。
 目的でございますが、平成30年10月から商品ごとの全国平均貸与価格の公表、貸与価格の上限設定を行っているところでございます。
 あわせて、30年度の改定に係る審議報告におきましても、31年度以降もおおむね1年に1度の頻度で見直しを行う等の内容が盛り込まれたところでございまして、これも「施行後の実態も踏まえつつ、実施していく」旨が明記されているところでございます。
 こういったことを受けまして、こちらも福祉用具の貸与価格がどのような推移をしているかということを例年のとおり調べるものでございます。
 「調査客体」は、事業所調査、悉皆でございまして6,000程度、そして利用者表もございまして客体数は3万程度。
 「主な調査項目」といたしまして、事業所の基本情報から上限設定への対応状況、経営及びサービス提供に与える影響。
 利用者の基本情報、福祉用具貸与商品・サービス内容の変化等でございます。
 3つ目の調査でございます。3ページ目をごらんください。「訪問介護における平成30年度介護報酬改定の影響に関する調査研究事業」でございます。
 これも振り返りでございますが、30年度改定では自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現や人材の有効活用等の観点から、自立生活支援のための見守り的援助の明確化、同一建物等居住者にサービスを提供する場合の見直し、生活援助利用回数の多い方への対応、サービス提供責任者の役割や任用要件等の明確化、生活援助中心型の担い手の拡大等の各種見直しが行われたところでございます。
 これらの見直しによりまして、どのような影響を与えたかを調査する。そして、検証を行うということでございます。
 「調査客体」数でございますけれども、訪問介護事業所でございますが、ここに記載のとおりでございます。
 居宅介護支援事業所も対象といたします。
 「主な調査項目」でございますけれども、事業所の基本情報に加えましてサービス提供状況、そして収支の状況、見守り的援助(身体介護)の提供状況、同一建物減算の適用状況など、前回の改定項目に沿った調査項目でございます。
 また、一番下にございますけれども、ICTの利活用と人材の有効活用ということも調査対象に含めているところでございます。
 それでは、4つ目の調査でございます。別紙4、4ページ目をごらんください。医療提供を目的といたしました介護保険施設等のサービス提供実態及び介護医療院等への移行に関する調査研究事業でございます。
 「調査目的」にございますとおりで、前回改定におきまして創設されました介護医療院の報酬設定を行うとともに、介護老人保健施設につきましては在宅復帰・在宅療養支援の機能をさらに推進する観点から報酬体系の見直しが行われてございます。
 また、介護医療院につきましては新しいサービスでございますので、その提供の実態ですとか移行状況を把握した上で、円滑な移行の促進と介護保険財政に与える影響の両面から、どのような対応を図ることが適当なのかを検討すべきとされているところでございます。
 こうしたことを受けまして、本事業では、介護医療院につきまして30年度、そして令和元年度も調査を行いましたけれども、その実態調査を引き続き行いますとともに、介護療養型医療施設、医療療養施設、介護療養病床、そしてまた介護療養型老人保健施設の移行予定や、移行に関する課題について調査を行うものでございます。
 また、介護老人保健施設につきましても、報酬体系の見直しがサービス提供にどのような影響を与えたかを調査するものでございます。
 「調査客体」数でございますけれども、介護医療院に関する調査に関しましては、介護医療院は悉皆、介護療養型医療施設も悉皆、そして介護療養型老人保健施設も悉皆でと思ってございます。
 医療療養、そして介護老人健施設につきましては抽出を行います。
 「主な調査項目」といたしましては、【共通】事項といたしまして基本情報、サービスの実施状況に加えましてサービス費・加算等の算定状況ですとか、医療ニーズ、実施されたサービスの状況などでございます。
 【介護医療院に関する調査】といたしまして、サービス提供の詳細、移行の予定、そして移行に関する課題などでございます。
 最後に5本目の調査でございますけれども、ページとしましては5ページ、6ページをごらんください。「認知症対応型共同生活介護等における平成30年度報酬改定の影響に関する調査研究事業」でございます。
 「調査目的」には、前回改定の内容が書かれてございます。
 1つ目の○で、認知症対応型共同生活介護でございますけれども、1つ目のポツにございますとおり、手厚い看護体制の事業所を評価するための区分を創設するなどとしてございます。
 また、2つ目のポツでございますけれども、入居者の早期退院や退院後の安定した生活に向けた取り組みを評価する。
 そして3つ目のポツですけれども、こちらは利用者の状況や家族等の事情により、介護支援専門員が緊急に利用が必要と認めた場合などの一定の条件下において、定員を超えてもいいというふうな受け入れの条件の緩和をしてございます。
 また、共用型の認知症対応型通所介護でございますけれども、こちらは認知症対応型通所介護の普及促進を図るという観点から、1ユニット当たりのユニットの入居者と合わせた定員数ですけれども、これの見直しを行ってございます。
 また、3つ目は共通的な加算でございますが、認知症専門ケア加算等の認知症関連加算が、それまで設けられていなかったサービスにおきまして、それらの加算を設けたところでございます。
 こうした改定を行ったところでございますけれども、この効果・課題等の把握を行うということで、5ページの下、「調査客体」にありますとおり、ここにございますような事業所を対象といたしまして、ここに記載のありますような抽出率などで対象とするものでございます。
 6ページにまいりまして、「主な調査項目」がございます。
 「共通項目」といたしましては、利用者、家族の回答による利用者の状況などを把握し、認知症対応型共同生活介護では、基本情報に加えまして加算などの状況、認知症専門ケア加算の取得状況、その効果と課題。
 認知症カフェや、認知症の人や、その家族への相談支援の実施状況などをお聞きするもの。
 ユニット型に関しましては、先ほど申し上げたような改定の結果、効果・課題。
 そして、その他のサービスは事業所の基本情報に加えまして、加算等を設けたことによりますその取得状況、その効果・課題をお聞きするものでございます。
 次に、資料3にいかせていただきます。この調査の進め方でございます。
 この改定を行う、議論をしていただく年は、その前の2つの年と少し順番を変えてございます。
 2段落目からでございますけれども、前回の改定年度と同様、調査票は介護報酬改定検証研究委員会の調査検討組織で議論後、介護給付費分科会の委員を確認させていただきまして、各調査の委員長に一任した上で決定するなど、調査スケジュールを前倒しし、そして簡素化を図ることで、できる限り調査の収集・分析等の時間を確保し、9月を目途に速報値の集計を目指すこととしてはどうかというふうにしてございます。
 こちらは介護報酬改定の年ということでございまして、9月、遅くとも10月にはこちらの改定検証調査の結果、速報値でございますけれども、これが出ないことには改定の議論に資することができないということでございまして、このような若干簡略化したような進め方を前回もさせていただきましたし、今回もお願いをするものでございます。
 ただ、もちろんこの介護給付費分科会の委員の皆様方の意見は、この部会の場というよりは、きちんと御紹介をさせていただいてその調査票には反映するというプロセスは経させていただきますが、分科会を挟みますと、最短で2週間とか、長い場合は1カ月弱、後ろ倒しになってしまう場合がございますので、このような審査の簡略化というプロセスを御承認いただければと思ってございます。
 そして、1ページ目の真ん中から下でございますけれども、予算の成立後ということでございますが、4月に仕様書を作成し、受託機関を決定、そして5月、6月に受託機関の決定後、厚労省において調査票を作成、そして介護報酬改定検証・研究委員会を委員長といたしまして、各調査内容に関する有識者、受託機関により構成された検討組織を設けまして調査票を検討して決定をする。そして、決定前にはこちらの委員の意見を確認というプロセスを入れさせていただいてございます。
 できれば、早目に、7月、8月ごろには調査実施を行いまして、9月、10月ごろに速報値を報告し、これで介護報酬の改定の議論に資するものにしたいということでございます。
 その後、引き続き分析・検証を進めまして、2ページ目にいかせていただきますけれども、3月には介護報酬海底検証・研究委員会を開催いたしまして、最終的な報告はさせていただくということでございます。
 以上、議題2の御説明でございました。
○田中分科会長 説明、ありがとうございました。
 では、松田委員長お願いします。
○松田委員 ありがとうございます。令和2年度の実施内容及び進め方につきましては、介護報酬改定検証・研究委員会において承認いたしましたので御報告いたします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明を伺った事項について御意見、御質問がありましたらお願いいたします。
 小玉委員、お願いします。
○小玉委員 ありがとうございます。
 御説明ありがとうございました。私から、2つお伺いしたいことがございます。
 まず、(1)の「介護保険制度におけるサービスの質の評価に関する調査研究事業」の件なのですけれども、(1)で既存の加算についてということで介護関連データベース、この中にCHASEが示されてございますけれども、このCHASEの項目を使って口腔機能維持等を評価するという形で示されてございます。
 CHASE、口の機能というと、皆さん御存じのとおり、食べたり飲んだりするんですけれども、そこの評価、例えばオーラルフレイルであったり、口腔機能低下であったり、食べる機能の障害ということが実際はあるんですけれども、そのCHASEの評価項目の中に、恐らく最後に食べる機能の障害というところが主に出ていて、その前段の状態とか、口の状態がどうなっているのかが示されてございません。そういった点での評価については今後どういうふうにされるか、お考えがございましたらまずお伺いしたいと思います。
○田中分科会長 老人保健課長、どうぞ。
○眞鍋老人保健課長 CHASEに関しましては、現在システムを構築中でございます。また、その調査項目につきましては現在、小玉委員から御指摘いただいたとおりで、既に示された項目を調査することになってございます。
 それで、この調査研究事業の中でも既存の加算について、私どもとしてはアウトプットかどうか。そしてまた、加算報酬設定の仕方にはどのようなことが可能であるかということについて検証を行うところでございます。
 それで、今いただきました御指摘につきましては、できればどのような形で生かせるかとか、少し受けとめて検討したいと思います。
○小玉委員 ありがとうございます。もし、専門的なところでいろいろ意見を述べさせていただくことがあれば、よろしくお願いしたいと思います。
 もう一点でございます。認知症の対応型共同生活介護等におけるというところの最後から2番目のところですけれども、私もユニット2つの施設のところに協力医として入らせていただいてございます。この中で普段生活されているときはいいのですが、例えば家に帰ってお風呂場で急に、あんなに元気だったのにお亡くなりになられる方とか、寒い時期に家でお亡くなりになる方が今回ちょっと目立ったようなことがあります。
 恐らく、お風呂場から室内はヒートショックみたいなことで急に血圧が上がったり、室内でもかなり温度が低いと血圧の上昇につながるというようなこともあありますが、そういった具体的な指導として、ほかの施設もそうだと思うのですが、家に帰ったときに血圧が急に上がらないように室温を気をつけようとか、そういったことに対する指導に関する何か具体的な評価が今後入ってくるのかどうか、お伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岡野認知症施策推進室長 認知症施策推進室長でございます。前回改定の検証というところでは特段、今、御指摘のようなことは考えておりませんが、今後、何らかの形でそういう調査研究も含めてどういった形ができるかというところは、御指摘も踏まえて検討していきたいと思います。
○小玉委員 わかりました。ありがとうございます。
○田中分科会長 石田委員、お願いします。
○石田委員 ありがとうございます。この5つの調査のうち、(3)にあります訪問介護における平成30年度介護報酬改定の影響に関する調査と、それから(5)の認知症対応型共同生活介護における平成30年度報酬改定の影響に関する調査、この2つは介護報酬改定の影響に関する調査というように説明されております。
 そこで、(5)ですけれども、ページでいいますと資料の6ページです。「主な調査項目」というところに「利用者、家族の回答による利用者の状況」を調べるというところがあり、介護報酬が改定されたのちの効果と課題について調査を行い、どのような効果があったか、また残される課題はなにかということを調べるようになっていると理解しております。
 一方、(3)で、3ページです。この「主な調査項目」を見ますと、サービス提供の状況であったり、実際に業務がどのように行われているかという調査はあるのですが、利用者にとってどのような効果があったか、さらに今後どのような課題があるのかというところについて調査が行われるのかどうかが不明です。
 これは主な項目なので、きっと調査をされるのではないかと思いますけれども、利用者側の効果が明らかにわかるような調査をぜひ項目に加えていただきたいということを、これは要望として申し上げたいと思います。よろしくお願いします。
○田中分科会長 ありがとうございます。要望ですね。
 江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。改定検証事業は今までもずっと繰り返し行われているわけですけれども、この事業から得られる結果が介護報酬改定等にいろいろ影響を及ぼす重要な指標となるわけですので、こういった検証事業はいろいろ公募等をして、企業のシンクタンク等が事務局になって、そして委員が集まって議論をするわけですけれども、特にシンクタンクの経験とか、力量とか、技量とか、当然差があってしかりなのですが、そのあたりはしっかりしたシンクタンクを選んでいただいて、ぜひ有意義な取り組みをしていただきたいと思っております。
 特に、データの解析、分析ですとか、統計学的な解析、あるいはサブ解析等、非常に重要になってきますので、そのあたりも含めてしっかりとしたデータをとっていただいて、そして改定に結びつけるようにしていただきたいというのが1点です。
 もう一点は、回収率が高くないと改定の資料に使うには難しくなってきますので、回収率を高める工夫と、しっかりとしたデータのクリーニングであったり解析をお願いしたいと思います。以上でございます。
○田中分科会長 どちらも大切な御指摘ですね。ありがとうございました。
 大西委員、どうぞ。
○大西委員 ありがとうございます。前回の報酬改定に際しての改定の効果の検証、あるいは調査研究を行うことは、PDCAサイクルをきちんと回していくという意味でも非常に重要だということでございまして、きちんとした調査をやっていただき、その結果を次期報酬改定に反映させていただきたい。特に直近の令和2年度調査についても速報値による分析を実施し、次期報酬改定に反映させることは、非常に有意義だと思いますし、重要だと思っております。
 そして、その点に関しまして資料3にスケジュール案がございまして、この中で前倒し、あるいは簡素化というのは是非やってほしいと思っているのですが、ただ、そうした場合に、このスケジュール案でいいますと、7、8月ごろに実際の調査が実施されるということになっております。
 ただ、これは現場の意見を聞いてみますと、調査客体となりますサービス事業所におきましては、この時期は例年、介護職員処遇改善加算の実績報告書を作成して保険者に提出する時期と重なるということでございまして、事業所へ過度な負担が強いられるおそれがあるのではないかということで、回収率、あるいは精度の低下が懸念される部分もございます。
 では、いつやるんだということはございますけれども、前倒しや、簡素化などを十分勘案しながら調査期間の設定、または内容について配慮していただければと思っているところでございます。
 次に、実際に調査項目の内容でございます。細かな点ですが、現場の意見の1つとして聞いていただきたいと思っておりますが、4つ目の調査の「医療提供を目的とした介護保険施設等のサービス提供実態及び介護医療院等への移行に関する調査研究事業」については、「介護老人保健施設について、報酬体系の見直しがサービス提供にどのような影響を与えたかを調査」するということになっておりますが、平成30年度の報酬改定におきまして、この介護老人保健施設にかかる加算が見直されて、要件が多岐にわたるようになり、求められる記録も増えて、現場の事業所からはこれについて非常に負担が大きいといったような不満があるようでございます。
 また、実際に本市におきましてもこの算定要件を十分満たしていないということが、実地指導等で判明し、介護報酬の返還を求めるケースも増加しているという実態等もございますので、このような現場の実態等がきちんと把握できるような調査票や、その作成に当たって配慮というか、現場の負担軽減等に反映できるような調査内容を工夫していただきたいと思っております。以上でございます。
○田中分科会長 現場の声を踏まえた御要望、ありがとうございました。
 武久委員、お願いします。
○武久委員 3年に1回の介護保険の報酬の改定の前に、いつも調査をなさるのですけれども、私は医療の部と介護のほうと両方のエリアで仕事をしている立場の者としての発言をさせていただければと思います。
 介護保険の要介護者になるということは、自然発生的になるというよりも、何か病気をして医療を受ける過程、または結果について要介護状態になるという方が結構多くございます。
 それで、この要介護者が発生してくる源に対しての調査というのも、私は必要ではないかと思います。自然発生的にどちらにしても要介護者はどんどん高齢者がふえるんだから、ふえるんだというふうな単純な考え方もありますけれども、医療の環境によって高齢者が非常に急性期病院でもふえていることによって、治療の過程で要介護者になるという状態がありますので、そこも少し減らしていく。また、どのくらいそういうものがあるかという調査で、一方的に要介護者がふえていくというスタンスのもとに調査をするよりは、そういうこともちょっと考えていただけたらと思います。
 医療保険では病気がよくなってみんな喜ぶんですけれども、なぜか介護保険では要介護度が軽くなると余り喜ばない。こういう2つの保険の中で、ちょうど私はその狭間の中にいて非常に不思議な感じがするのですが、やはり訪問介護にしても当初言われておりましたように女中がわりに使っているとかということがありまして、途中でいろんな条件を入れていただきましたけれども、まだ一向に、ともに手に手をとっていろんな作業ができるようにするというよりは、かわりに家事等を行っているという現場が非常に多うございます。
 介護保険の目標としては、要介護者を減らすということが前から言われているんですけれども、この辺のところをもう少しはっきりさせていただけたらありがたいかなということでございます。
 したがって、よくなったときに事業所側が利益をこうむらないという現状の形もいろいろ検討されていると思いますが、考えていただけたらと思います。介護保険も20年たちまして成熟期に及ぶころに、医療のほうでは入院患者さんの7割、8割が高齢者ということもありまして、単なる医療を提供するというよりも、介護を提供しながら医療を提供しないといけないというように非常に現場では複雑になってきておりますので、この医療保険と介護保険の両方の間を行ったり来たりする患者さんに対して、調査はそういうことも加味しながらやっていただいて、また、制度もそういうことを加味しながら、よくなったら評価するという形もとっていただけたらと思っております。
 今回のテーマの5つに該当するかどうかは別として、要望としてお話をさせていただきました。ありがとうございました。
○田中分科会長 来年度調査を超えて、制度のあり方全体の方向を御示唆いただきましてありがとうございます。
 藤野委員、お願いします。
○藤野委員 ありがとうございます。3ページの訪問介護における調査研究事業に関して意見を述べさせていただきます。2点あります。
 1点目は、居宅介護支援事業所への調査に関してですが、居宅介護支援事業所に関しては生活援助利用回数の多いケアプランの届け出に関しての調査ということなのですけれども、ぜひこの自立生活支援のための見守り的援助のほうでも調査いただけないかと思います。ケアマネジャーさんの立場から、どのように運用に関して自立支援につながっているかというような御意見も伺えればと思っています。
 2点目ですけれども、生活援助従事者研修修了者の配置状況に関しての意見です。要支援者の生活援助に関しても緩和した基準で実際に行われていて、市町村が認める研修修了者が従事できるようになっていますけれども、配置状況は市町村によってさまざまだと思います。こちらは介護報酬改定なので、市町村事業とは別だということは十分承知してはいるのですけれども、なかなか全体像が見えてこない中で、国の調査の中でそういうものを実施していただければと思って、意見として述べさせていただきます。以上です。
○田中分科会長 御要望でした。ありがとうございます。
 小泉委員、お願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。(2)の「福祉用具貸与価格の適正化に関する調査研究事業」でありますけれども、上限価格の公表後、売り上げが1割程度減少した事業所がある一方で、上限価格の上限まで値上げした事業所もございました。そのような実態の把握は、ぜひ必要ではないかと思われます。上限価格の変更に伴う事業所の事務処理の負担も問題になっておりまして、日常業務に支障を来しているという現状もあるようでございます。
 また、今後の毎年の価格の上限見直しが経営にも直結するという意見を聞いております。本来であれば、上限価格の設定というのは法外な価格、外れ値を除外するものだったと思うのですけれども、健全な事業所にも負荷を課してしまっておりますので、事業所における業務上の負担感について実態把握、意見聴取は必要と感じております。事業所からの意見も含めて、実情を把握できる調査にしていただきたいと思います。要望でございます。
 もう一件でございますが、(5)で「認知症対応型共同生活介護等における平成30年度報酬改定の影響に関する調査研究事業」でありますけれども、30年度改定においてグループホームは私の実感としては余り大きな影響はなかったように思われておりますが、現在経営に影響を及ぼしているのは、以前の改定で基本報酬単価の傾斜が変わり、要介護度の低い方の基本報酬が下がったことによる経営状況の変化であると推測をしているところでございます。
 グループホームは社会福祉法人やNPO法人、株式会社等、さまざまな事業体が参加しておりますので、小規模な事業所も多いという状況にもございます。そういった中で、報酬改定には経営母体によりさまざまな対応がとられているように感じておりますが、職員の対偶、処遇も事業所によってかなり異なっております。
 また、収入が下がれば食費を削減するような事業所も現実的にございます。小規模の事業所ですので、基本報酬が少しでも上下すれば経営運営には大きく影響します。また、人員配置も大きく影響いたしまして、9人の利用者を6人で介護するのか、8人で介護するのか、職員は正職員なのか、嘱託なのか、パート職員なのかなど、運営方針によってサービスに与える影響も多いと思いますが、そのようなグループホームの特異性を踏まえた実態把握をぜひとも行っていただきたいと思っております。
 調査結果については、平均値での議論ではなく、実情における事業所のギャップについても実態把握をしていただきたいという要望でございます。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 御要望、ありがとうございました。
 伊藤委員、どうぞ。
○伊藤委員 別紙2の、福祉用具貸与については、30年度調査で1品目以上引き上げ対応をしているところが17.1%という結果が出ていますが、理由が十分把握できなかったように思っています。ぜひなぜ引き上げたのかということがわかるように調査をしていただきたいというのが1つの要望です。
 それから、訪問介護のほうですけれども、生活援助利用回数の多いケアプランの届け出見直し件数、見直し後のサービス提供の実態、これらの把握は大変重要だと思っているのですが、見直し後のサービス提供の実態ということだけでなく、ぜひ見直し後の対応状況を把握していただけないでしょうか。先ほどの福祉用具のほうは上限設定の対応状況と書いてあるのですけれども、サービスの回数が上限にぶつかっている場合、要介護者が生活上でどういう対応をしてきているのか。家族も含めて、何か影響が出ているのかということは把握しておく必要があると思っております。サービスの面の影響だけではない形で把握できると大変有意義だと思っています。
 あとは、生活援助従事者研修修了者の配置状況というのも非常に興味深いところなのですけれども、どういう方がその修了者として配置されているか、属性も含めて把握できると、大変有意義だと思っています。以上です。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
 鎌田委員、お願いします。
○鎌田委員 ありがとうございます。私のほうからは、今回の調査では加算を受けたりとか改定のところには利用者として私たち家族とか御本人がいますので、6ページの「認知症対応型共同生活介護」のところで「利用者、家族の回答による利用者の状況」というふうに書かれていますけれども、今回行われる5本の調査においても、全て利用者、家族の声みたいなものも調査の項目の中に入れていただければという要望が1つです。
 2つ目といたしましては、3ページの「自立生活支援員のための見守り的援助(身体介護)の提供状況」のところですけれども、ここにおいては認知症の人も自分のできるところはやりたいし、できないところは少しサポートしてほしいというところがあって、特に要支援になっているような方々、要介護1になっているような方々には使っているわけなのですが、その利用者の能力のアセスメントをどういうふうにされているのかというところをきちんと出していただいて、それに対してどういうふうなサービスの部分がなされたのか。きちんと適切な能力に応じたサービスが提供されているのかがわかるような調査をしていただきたいと思っております。
 最後にもう一度6ページのほうに戻りますけれども、3番の大きな○の下のほうの「認知症カフェや認知症の人やその家族への相談支援の実施の状況、その課題と効果」というふうな調査項目がありますが、私たち家族にとって、本人にとってはカフェというのは初期の出会いの部分とか、まだまだ認知症かどうかわからないけれども少し行ってみようかということで大変重要なところなんですけれども、このところを例えばグループホームとか、認知症のデイとか、そういうところがやったりしたときに、その人員体制というのがどういうふうになっているのかは、やはり大変この人材不足の中では、やってほしいけれども人手不足で職員の方もジレンマの中で自分たちのやりたいことがなかなかやれないような状況もあるので、そこで人員体制のところを見ていただきたいのと、そういう認知症のグループホームとかは、認知症のことをよく知っておられる地域の認知症の拠点だと思っていますので、その知識とか経験が地域の方に生かされているような実態も調査項目の中に挙げていただければと思います。以上です。
○田中分科会長 御要望ありがとうございました。
 濱田委員、どうぞ。
○濱田委員 ありがとうございます。1ページのサービスの質の評価に関する調査研究事業の3の調査項目の既存の加算についてのところでございますが、診療報酬上で算定が行われている場合は、介護報酬では算定できないケースもございますので、恐らく考慮されているかと思いますが、一応考慮いただければと思います。以上でございます。
○田中分科会長 山本参考人、お願いします。
○黒岩参考人(代理 山本参考人) ありがとうございます。2点ほど、意見と要望を述べさせていただきたいと思います。
 まず(別紙1)の介護保険制度におけるサービスの質の評価の部分です。利用者の状態の維持・改善等を客観的なアウトカム指標により評価し、介護報酬に反映していく仕組みをつくっていくことが重要なことだと考えております。先ほど武久委員のほうからも御発言がございましたけれども、やはりいい介護をして、それによって利用者の状態が維持・改善されたら、それによって報酬が上がるような仕組み、インセンティブを与えていくような仕組みにつながるような調査研究をお願いしたいと思います。
 介護保険制度の目的でもある自立支援重度化防止に資するよう、各介護事業者のサービスの評価をきちんと行い、PDCAサイクルを回していくことが大事だと思います。そして、評価に当たりましては、そのためのアウトカム指標が大変大事だと考えております。神奈川県でも、そうした高齢者等の利用者の状態を評価する指標は大事ということで、WHOと連携しながら未病指標というものの開発にも取り組んでいるところです。
 今回の「主な調査項目」を見ますと、加算の効果を適切に評価可能な信頼性、妥当性が担保されたアウトカム指標が存在するかというような項目も入ってございますが、どのような指標が活用できるのか、ぜひ調査研究を進めていただきたいと思います。
 それからもう一点が、(別紙4)の医療提供を目的とした介護保険施設等のサービス提供実態の関係でございますけれども、介護老人保健施設におきましては医療保険の適用が制限されて、入所中の薬代等は基本的に介護報酬に包括されているという扱いになっていることから、施設側の負担が過大になっているという声を現場のほうから聞いております。その実態を適切に把握するような調査をお願いしたいと存じます。
 そして、その結果に基づきまして、今後、医療的ケアの必要な利用者がふえていくことが想定されますので、その医療の必要な要介護者が入所できるよう、介護保険施設が受け入れた場合の介護報酬上の評価、それからまた医療保険適用範囲の拡大等に向けて検討をいただきたいと存じます。以上でございます。
○田中分科会長 御指摘ありがとうございました。
 河本委員、お願いします。
○河本委員 ありがとうございます。今回の5件の調査項目とは別の話になってしまうのですけれども、1点質問させてください。
 昨年10月の新しいパッケージに伴う介護人材の処遇改善ですが、議論の中で、職場環境等要件の詳細な取り組み状況とか、あるいはその当該要件を含めた加算全体の効果検証が必要だという話があったと思います。昨年11月の本分科会でそのあたりの特定処遇改善にかかわる設定の効果については、令和2年度の老人保健健康増進事業の方で、別建ての調査を立てようと思っているという御回答をいただいた記憶がございます。そのあたりの状況が今どうなっているのかというのを教えていただければと思います。
○田中分科会長 老人保健課長、特定加算についてお答えください。
○眞鍋老人保健課長 今、御指摘のとおりでございまして、昨年10月から開始されております特定処遇改善加算でございますが、その導入に関しましては当分科会でさまざまな御議論がございました。職場環境等要件について、どのようなものが実際に効果を上げているか等についての詳細な実態の解明が必要ではないかと、そういう文脈での御指摘だったというふうに受けとめてございます。
 それで、そちらに関しましては、私どもとしてはちゃんと受けとめてございまして、それは来年度行います老人保健健康増進等の事業の中の調査研究で、より詳細にやっていこうと思ってございます。
 また、昨年11月の当分科会では、今年度でございますけれども、介護従事者の処遇改善状況等のいわゆる給与がどうだったかというふうなベーシックな基本的な状況の調査を行うことに関しまして御了解をいただいたところでございます。
 また、こちらは個別に御説明してもよろしいと思っていますので、そのように対応させていただければと思います。
○田中分科会長 調査は行われるようです。
○河本委員 間に合うように、よろしくお願いします。
○田中分科会長 一わたりよろしゅうございますか。
 では、本日のさまざまな御意見を踏まえて、今後具体的な調査設計を行う際は、各調査検討組織における委員長の主導のもとに検討が進められていくことになります。
 本日の審議はここまでといたしますが、よろしゅうございますか。
 では、次回の予定について事務局より説明をお願いします。
○栗原企画官 次回の日程は、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。以上でございます。
○田中分科会長 本日は、これにて閉会いたします。
 お忙しいところ、どうもありがとうございました。