第3回社会保障審議会統計分科会 生活機能分類専門委員会生活機能分類普及推進検討ワーキンググループ 議事録

日時

令和2年2月18日(火)10:00~12:00

場所

厚生労働省 専用第20会議室

出席者

<委員(五十音順)>

議題

(1)WHO-FICネットワーク年次会議(2019年バンフ)におけるICF一部改正の投票結果について
(2)ICF専門委員会への活動状況報告について
(3)その他

議事

 

○ 事務局
予定より少し早いのですが、皆様お揃いでございますので、第3回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会生活機能分類普及推進検討ワーキンググループを開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところご出席賜りまして誠にありがとうございます。国際分類情報管理室の高橋でございます。どうぞよろしくお願いします。
次に本日の委員の出席状況でございますが、出江委員と森田委員がご欠席でございます。
次に、第2回ワーキンググループの開催から事務局に異動がございましたのでご紹介させていただきます。国際分類情報管理室長の渡でございます。
 
○ 国際分類情報管理室 渡室長
渡でございます。先生方にはお忙しい中精力的にご検討いただいており、大変ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○ 事務局
関係部局といたしまして障害保健福祉部より田上福祉工学専門官にオブザーバーとしてご出席いただいております。田上専門官は所用により一時中座いたしますので、よろしくお願いいたします。事務局の紹介は以上でございます。
続けて会議資料の確認をさせていただきます。
 
○ 事務局
会議資料の確認をさせていただきます。
議事次第。資料の1、資料の2、資料の3、資料の4、参考資料の1-1、1-2、1-3。参考資料の2、参考資料の3、参考資料の4、資料は以上でございます。
 
○ 事務局
円滑な議事進行のため、前撮りはここまでとさせていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
では、議事に入りたいと思います。ここからの進行は向野座長お願いいたします。
 
○ 向野座長
それでは、さっそく議事のほうに入りたいと思います。議事の1、WHO-FICネットワーク年次会議におけるICF一部改正の投票結果につきまして、事務局より資料の説明をお願いいたします。
 
○ 事務局
資料1をご覧ください。2019年WHO-FICカナダバンフ年次会議でのICF年次改正の投票結果についてご説明します。今回改正の対象となった提案は、2019年提案の新規分が39、2019年以前の継続協議分が28と、合計67項目の提案事項が審議の対象となりました。前回、9月の第2回ワーキングの際は、すべての審議対象をリスト化させていただきましたが、今回は10月の年次会議で賛成もしくは否決となった項目をリスト化しております。
1ページ目が新規の2019年の提案分で、この区分※1としているのは、事務局にて提案内容を類型化したものになります。Aとしているのは、下の脚注に書いてありますが、ICF-CYに基づく内容の追加。Bはそれ以外の新提案。その隣の投票とあるのは、日本からの投票結果でございます。それから、分類・統計諮問委員会の頭文字を取って「CSAC」の審議結果、対面による最終的な結果になります。この新規分は承認が11、否決が2となっております。
次の2ページ目が、2018年以前からの継続分の審議結果になります。こちらの承認は8件。すべて活動参加のチャプターに関するものとなっております。一応この10月時点では、新規・継続分を合わせて19項目が承認されております。内容のご説明、山田委員お願いできますでしょうか。
 
○ 山田委員
補足をさせていただきます。投票の欄、○と△ついておりますが、△欄に関しては保留ということで、こちらは、アップデートの過程の非公開討論層で投票した内容になっております。最終的にApprovedされたものには△から○に変わっているわけですけれども、これはCSACの会議で検討したということになります。○からApprovedされたものに関しては、この場で説明は割愛させていただきますので、△からApprovedに移ったものに関して、簡単に掻い摘んで内容を説明させていただきます。
No.5番の396。これは、ICF-CYとの統合に基づきと書いてありますけれども、具体的に車を運転する際の精神的なストレス等々、そういった具体例を追加させていただいております。
続きまして7番。ID400。こちらはconversing、これは動名詞を直すという方向で、conversingがhaving a conversationに直ったという修正になっております。
8番、402、これは第4レベルの項目を追加するということで、具体的に、新旧の項目としてimagingという第4レベルの項目が足されている。これもICF-CYから移行されているという内容になっております。
9番目、403。これも同様です。この資料に、第3レベルと書いてありますけど、第4レベルの間違いかと思います。第4レベルで、物を使うことによる通しての学習に関して、role play等々の下位項目を足しているという改正になります。
続いて資料をめくっていただいて、裏のNo.14、329からですね、336までは、ほぼ同じ内容になりますけれども、これは一度に審査されておりますが、これも英語のニュアンスをちょっと直したということで、具体的にEngaging in等々、動詞を直したといった簡単な内容で直されております。
以上をCSACの会議の場で審議をしまして、最終的に日本として投票、賛成に回ってApprovedになっております。以上でございます。
 
○ 向野座長
只今の説明について何か委員の先生方からコメント・質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、議事の2の方に移らせていただきたいと思います。ICF 専門委員会への活動状況報告についてです。2年間の活動ということで始めてまいりましたけれども、次回のICF専門委員会にワーキンググループの本年度の活動状況というのを報告させていただきたいと思います。去年の4月から始まりまして2年間の時限的な委員会ですので、今回は重要な報告になると考えております。そこで本日は、まずは各班の活動の報告をいただきまして、そのあと事前に事務局に活動状況をまとめていただいておりますので、その報告案について事務局から説明をいただきたいと思います。
まずは、フィールドテスト班の報告を私のほうから行いたいと思います。資料の2の5ページ目をご参照ください。フィールドテスト班です。フィールドテスト班ですけれども、目標としては国内でのフィールドテスト実施に必要な資料案の作成ということになっております。この2年間の計画の中で、ICD-11 V章のフィールドテストを実際に実地で行うということがひとつの大きな目標になっておりますので、それに向けた準備を進めるということで取り組んでまいりました。
作業の内容としては、今年度、まずICD-11 V章の各項目の情報収集方法の検討と草案の作成。こちらはもともとICD-11 V章がどのような構造であるのかということの検討と、それに、それぞれの構造に基づいてどういうふうにデータを集めたらいいのかということを、ワーキンググループ班の委員の皆様方と一緒にご相談させていただきまして、草案を作成いたしました。また、ICD-11 V章に関する臨床ツールのエビデンス収集も併せて行いました。
ICD-11 V章に関しては3つのパートがありまして、WHO-DASに基づくもの、Model Disability Surveyに基づくもの、それからGeneric functioning domains。一般的生活機能領域と呼ばれるICFに基づくもの。この3つのパートに分かれております。WHO-DASとMDS、Model Disability Surveyに関しては、もともと基になっている質問紙があるということで、一般的生活機能領域についての情報収集をどうするかというご相談をさせていただいたわけですけれども、そこでの議論に基づいて簡潔で直感的な説明文の作成というものを行おうということになりましたので、それについて今回はコンセンサスミーティングを1月に開催させていただきまして説明文の作成を無事終えました。現在の状況としては、WHO-DASとModel Disability Surveyに関しては、もともと質問紙があって、それから一般的生活機能領域に関しては、すべての項目について簡潔で直感的な説明文が作成されているという状況になりましたので、これから採点リファレンスガイドの作成に取り組んでいくということになります。こちらに関しては、すでに草案作成に取り組んでおりまして、委員の皆様方にご相談をする段取りを進めているところでございます。
これまでの成果としましては、ひとつはICD-11 V章の各項目の情報収集手法を確定したということ。それから、ICD-11 V章の臨床ツールのひとつである簡潔で直感的な説明文の作成についてすべて終えたということになります。今後の予定としましては、先ほども少し触れましたけれども、ICD-11 V章の採点リファレンスガイドの作成および採点の検者間信頼性の検討というところを急ぎ進めていきたいと思います。こちらを早めに終えまして、夏前にある程度の規模のフィールドテストを行っていきたいというふうに考えております。このフィールドテストでは、有用性・妥当性をしっかり検証をしていきたいということです。さらに、臨床での使用を促進するための支援ツールを作っていきまして、その先に臨床で皆さんに使っていただけるような仕組みを作っていくということをこの1年の間に終えたいというふうに考えております。
フィールドテスト班からは以上でございますけれども、何かご質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
これから実際にフィールドテストの作業に入っていくわけでございますので、何か今後の方針とご提案等ございましたら、あるいは質問でも結構でございますけれども何かありましたらよろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。では、あとでまとめてお聞きする中で、出てきたらよろしくお願いいたします。
それでは次ですけれども、教育ツール班です。こちら出江先生が本日ご欠席ですので、私のほうから報告をさせていただきます。
教育ツール班は、目標としては、ICD-11 V章の国内適用に向けた指針案作成。それから、普及教育のための参考資料作成ということになっております。それに向けまして作業としては、まずICFの国内外の教育に関わる資料収集と、医療職における教育の現状の調査ということを行ってまいりました。こちらは特に国際的に行われている教育に関する資料作成の取り組み。それから、国内の各学会等におけます教育の現状についての報告をいただきまして、そちらをまとめていただきました。
それから、ICF e-learningツール。これは、WHO協力センターネットワークの教育委員会が作成しているものですけれども、こちらの翻訳準備ということで取り組みました。こちらは、現在診療情報管理学会のほうで取り組まれている翻訳の取り組みがありますので、それと連携して行うということでこれからも取り組んでいくということになります。
それから、ICD-11 V章の教育ツールのプロトタイプ作成に取り組んでおりまして、こちらは出江先生と私と連絡を取りながら、まずたたき台を作るというところに取り組んでおりまして、今後委員の先生方に展開をして活発なディスカッションをいただくという方向性になっております。成果としては、今のところICFの国内外の教育の現状に関するまとめを作成したというところで、こちらはフィールドテスト班との仕事との連携が重要ですので、これから緊密な連携をもって取り組んでいきたいと考えております。
今後の予定ですけれども、ICD-11 V章の国内適用に向けた指針案作成。こちらは現状に関するまとめをベースとして作っていきたいと思います。ICF e-learningツールの翻訳に関して診療情報管理学会のほうと連携をしていきたい。それから、ICD-11 V章の国内適用のための教育ツールを作成していくということになります。
教育ツール班からは以上でございますが、こちらに関して何かご質問等ございますでしょうか。はい。
 
○ 横堀委員
この作業報告のところに書いてありますICF e-learningツールの「教育委員会が作成」って書いてありますが、これ教育委員会が作成ではなくてFDRGが作成したものを教育委員会EIC、教育・普及委員会でありますEICが協力しているっていう形です。作成はICFのグループのほうが作っていて、EICが教育としてどうかをチェックしているという形なので、修正してください。
 
○ 向野座長
わかりました。失礼いたしました。では、その点修正をさせていただきたいと思います。ほか、いかがでしょうか。
 
○ 近藤委員
その前のページの、支援ツールの作成というのが一番下に書いてございますけれども、これと教育ツールというのは、どういう感じでオーバーラップするのか。それとも全く完全に個別なものなのかというのが、ちょっと教えていただきたいのですけれども。
 
○ 向野座長
フィールドテスト班の臨床ツールという形で今想定しておりますのは、コンピュータアプリケーションを作りまして、臨床家が患者さんを診て簡単に入力をできるような仕組みのアプリケーションを作ると。それで簡単にデータ収集ができるようにする。それを臨床で使いやすくするということを目的としたアプリケーションを作るというのが、フィールドテスト班のほうの支援ツールです。
それから、教育ツール班の教育ツールということについては、オンラインの講義、プレゼンテーションのファイルを作っていくとか、あるいは採点を練習するための練習問題を、これは具体的な内容についてはこれからの議論ですけれども、そういった練習用の問題みたいなものを作るかどうかとか、あとは実際に初心者が採点をするときに簡単にできるような支援ツール。解説文を作るとか、そういった形の支援、教育ツールという議論に今のところはなっているかと思います。
 
○ 近藤委員
そうすると、フィールドテストをするときは、その教育ツールが存在しないっていう前提で、支援ツール使ってやっていくっていう理解でよろしいでしょうかね。
 
○ 向野座長
その点は、フィールドテストの、当初の我々のイメージとしては、フィールドテストを行うときに教育ツールを用意して、それで教育をしてから採点をしてもらうという形を想定しておりましたけれども、ちょっと教育ツールは、こちらのフィールドテスト班で用意していく採点の仕組みが、少しまだ時間かかりそうですので、そこから教育ツールにまでちょっと時間がかかるかもしれないので、1回目のフィールドテストに関しては、教育ツールではなく直接教育するような仕組みを1回フィールドテストのために用意して、そこから採点をしていただくということで最初はやりたいというふうに今のところは考えております。
 
○ 近藤委員
そこの最初にやるインストラクションと、あとで出来てくる教育ツールの間の整合性は、どういうふうにみていくというか。ある程度最初にやったものを参考にして教育ツールの基本的な枠組みを作っていくのか、全くそれとは別に教育ツールが出来上がってくるのかというのも、ちょっと教えていただきたいんですけれども。
 
○ 向野座長
基本的には最初に教育する内容と、そのあとの教育ツールの内容は、きちんと整合性を取れるように進めていきたいと考えております。
 
○ 近藤委員
ありがとうございます。
 
○ 横堀委員
ひとつよろしいですか。ICF e-learningツールですけれども、これWHOが作ったものを、早々と教育委員会のほうから入手できたので取り掛かっていたのですが。今、資料を持ってきているのですけれども、昨日送ったので皆さん見ていらっしゃらないかと思います。また、向野先生と教育ツール班の出江先生宛になっていました。これもやりながらいろいろ問題があり、どう日本語に訳すか、今ある翻訳された資料や、皆さんがすでに翻訳している資料がありますよね。それを見ながら、訳しておいたほうがいいのではないと訳しています。ですから、どういう言葉にするかを決めないと、これ使えないのではないかというのが怖いところです。
ただ、ICF e-learningツールがどういうものかが、日本語になっていたほうがわかりやすいですよね。ですから、これを皆さんすべての方に提供して、「使えるか、使っていくか」ということも検討でくるのではないかと思います。まず、この翻訳でいいかということは別にして、この素材を使うのか使わないとかいうのを判断することはできるのではないかと思います。それを今度逆に、WHOの許諾を得なくてはならないということは別にあるのですけれども。それと、今回、我々が翻訳したものが最終版なのかっていうのも確認が必要です。まだWHOと話していかなくてはならないことが多くあると思います。
それから、Excelで、当学会の中でも一応二手に分かれて翻訳をしました。そのときに、本当に簡単な単語でも意見が合ったものをExcelにまとめて送ってあります。一応、第一案、仮案を昨日送ったところです。よろしくお願いします。
 
○ 向野座長
ご協力ありがとうございます。これはまあ、ほぼ正式版に近いところにあるようなものになると思いますので、こちらを中心にやっていきたいというふうに考えておりますけれども、内容を精査させていただきまして。私も一応全部拝見したことありますので、内容はだいたい見ていますけれども、基本的なICFの知識について網羅してあると思いますので、こちらを上手く使って、それに重複しないように何か付け足すぐらいのことでいければいいなというふうに考えております。
 
○ 大夛賀委員
3点ほどお伺いしたいと思います。まず1点目が、教育ツール班の説明資料の最後に「V章の教育ツール作成」とありますが、ICF全般に関わる内容か、それともGeneric functioning domains、WHO-DAS、Model Disability Surveyの3つの使い方に限定するのかをお教えいただきたいです。
2点目は、V章を実際に使っていくとすると、現実的にはWHO-DASやICF一般セットといったショートセットを使っていくことになると思います。現在は、V章でフィールドトライアルを行っていますが、このショートセットを念頭に置いた使い方について言及していくかをお教えいただきたいです。
3点目は、現在ご紹介があったフィールドテストの成果物や教育ツールをICFのポータルサイトに掲載していく予定があるかをお教えいただきたいです。よろしくお願いいたします。
 
○ 向野座長
まず、このICF教育e-learningツール含めて、位置づけとしては、このワーキンググループとしてはICD-11 V章の普及に関しての準備をしていくというのが第一ですので、ICD-11 V章ももちろん全部ICFに基づいているわけですけれども、まずはICD-11 V章というものを中心に置いて、その中で、そのベースとなっているICFの考え方について学ぶツールとしてのe-learningツールというのが基本的な位置付けになるかと思います。
それから、どのように使うかということは非常に重要なところになってくると思います。実際にICD-11 V章を全部付けるのは結構大変ですし、3つのツール全部用いるというのは現実的ではないかと思いますので、その点をどのようにするかというのは、私は個人的には前の厚労科研ではそういう急性期のセットとか回復期のセットとかというのを作る取り組みをしてきましたけれども、今後も実際に臨床の場面は、医療の場面あるいは介護福祉の場面で、どういうふうに使うかということも最終的にはフィールドテストを経て、リコメンデーションを出していけるといいのではないかなというふうに思っております。
それから、ここで作っていくツールは、すべて広く普及するために作っていくものですので、もし可能であれば、ポータルサイトのようなところに載せていくことができればいいのではないかというふうに考えております。
 
○ 大夛賀委員
ありがとうございました。今回のワーキングでの仕事がICD-11 V章に焦点化しているというところなんですけれども、この間のシンポジウムのようにこれまでICFのみを勉強して生きた人に対しては、ICDの動向などをお教えすることが重要かと思っています。先生のご回答で今後の臨床ツールや教育ツールの展望がよくわかりました、今は準備段階にあると思いますが、臨床やそのほかでV章のみならずICFのコンセプトを活用していこうとすると、さまざまな視点からのツールが必要になると考えています。
 
○ 向野座長
先生のおっしゃるように、ICDとの連携は、WHOと日本の、シンポジウムではなくて、あれは、一昨年行われたフォーラムですね。あの場面でも触れられたところでございますので、これから非常にその点重要と思いますので、最終的な成果の中にもその内容を含んでいければいいのかなというふうに思います。
ほかはよろしいでしょうか。
 
○ 村井委員
確認ですけれども、全体像の私の中の整理で、少し教えていただきたいのですが、先ほど情報、診療情報学会のほうで作られた冊子というのは、ICFに関する全体の翻訳ですか。
 
○ 横堀委員
私共が翻訳したものは、ICF e-learningツールというツールです。それを訳したものなので、ICFを訳したのではないです。教育ツールみたいなものです。これ自体はV章ではなくて、ICFの全体のものです。
 
○ 村井委員
わかりました。ありがとうございます。こちらのほうの教育ツールっていうのは、ICFの考え方を普及するということで、V章に限っていないということですか。
 
○ 向野座長
そうですね。
 
○ 村井委員
わかりました。対象はICFを学びたいすべての人というふうに捉えてよろしいですか。
 
○ 向野座長
一応教育ツールに関しては2つの面がありまして、1つ一番大きなことは、ICFを教育していくということがメインですけれども、実際にはICD-11 V章を使っていくためにどうしたらいいのかという部分も教育には必要だと思いますので、その点を特にこの1年の間には作成していくということも頭に入れておきたいと。そこをひとつの軸としていきたいというふうに考えているということです。
それでは次に、分類更新・翻訳班のリーダーの山田委員から報告をお願いいたします。
 
○ 山田委員
分類更新・翻訳班から報告をさせていただきます。この班の目標ですけれども、ICFの改正案に対する意見出し。V章の仮訳の作成。ICF2020に向けた準備ということで、これまでの訳の整理統合。あと、総論。第V章関連ですね。総論の仮訳案を作成および参考資料の作成ということで、今年度の作業の報告になります。先ほど私のほうから説明させていただいたように、2019年の改正案ですね、監修して10月のCSACで審議をして、Approvedを受けております。
日本語版英語版の作成に協力をしております。第V章日本語訳ワーキング案を作成いたしました。(資料)とありますが、今日お手元には資料の用意できておりません。成果になりますけれども、これも先ほどの報告どおり採択19で、残りのものに関してはCSACでまだ継続審議中です。これがまとまって2020という形で、今年の分も含めて、それがまとまりましたら、先ほど目標に掲げましたICF2020の訳というのを進めていきたいというふうに考えております。
あと、第V章日本語訳案は、生活機能分類専門委員会に上申したとありますが、一応事務局のほうでまとまっております。のちほどご説明いただきます。
今後の予定になりますけれども、先ほども触れましたけれども、19年の改正案が最終的にまとまり次第翻訳作業を行っていきたいと思います。あとは、ICD-11 V章のホームページ、ICDのホームページですね。質問文が出されております。具体的にはWHO-DASからきている文章ですけれども、その翻訳作業を、先ほどの第V章の日本語訳案が作成されてから作業に着手したいというふうに考えております。2020年の改訂に向けての情報収集ということで、3月にミッドイヤーミーティング、ロシアで開催されますけれども、そちらの情報も仕入れて年次会議に向けて準備を進めていきたいというふうに考えております。以上になります。
 
○ 向野座長
今のご報告のうちですね、V章の和訳案に関して事務局から補足があるということですのでお願いいたします。
 
○ 事務局
補足させていただきます。
ICD-11全体の全体の和訳を私たち事務局がやっておりますが、和訳する時のお作法みたいなものがありまして、例えば「及び」「又は」のような接続詞は、漢字にするとか、中黒と点の使い方に意味があり、この場合は点にするとか、英単語の意味を日本語として分けた場合は中黒にするとか、些細なルールがあって、微修正をさせていただきました。この会議終了後に委員にお送りしますので、それを確認いただきご承認いただいて、専門委員会に提出したいと考えています。
 
○ 向野座長
それでは、山田委員からの報告及び事務局の補足に関してご質問やご意見等ございますでしょうか。
 
○ 大夛賀委員
山田先生にご質問したいと思います。現在、ICF第2版(2020)に向けた改訂作業が進められていると思いますが、かなり大きな改訂になると理解しています。現在のWHO-FICや各種ミーティングにおける検討の進捗状況などについて情報提供いただけると助かります。よろしくお願いいたします。
 
○ 山田委員
年次改訂がアップデートで、これ年次改正ですね。改正という語を使っていて、それがある程度まとまると改訂ということでリビジョンになります。ICDでいうと、10から11に変わるような大きな動きが今回のICF2020になるという流れになります。イメージとしては、先ほど日本語に訳されているICFですね。赤い本、まとまっているもの。あれがまた出来上がるような感じになってくるはずですので、どこまでこの作業で対応できるかなかなか難しいところもあるかと思うのですけれども、一応流れとしてはそういう方向です。
CSAC、FDRGのほうでは、かなり紛糾とは言いませんけれども、かなりお尻が詰まっているというか、急いでやらないと間に合わないということで、先週、今月にもテレカンファレンスがありましたけれども、残っているアップデートの作業を加速しているのと、なので、そのあたりどういう時系列でやっていくのか。ミッドイヤーのほうでたぶんロードマップが示されるんじゃないかなと思っております。
 
○ 向野座長
ほかにご質問ご意見等ございますでしょうか。
私からよろしいですか。第V章のホームページに掲載されている質問文ですけれども、こちらはフィールドテストと連携していると思うのですけれども、タイムライン的にはどのぐらいでやっていくような感じで今考えておられるでしょうか。
 
○ 山田委員
今、最終段階になっているのが、親委員会に上げてそこで承認を受けるという、V章そのものの訳ができないと、それに沿って質問が訳せない状況です。専門委員会が終わってからの作業になります。作業自体はもともとの日本語訳がありますので、それを手直しする感じになりますから、作業自体は4月、5、6ぐらいで見込めると思うのですけど、それをまた承認してもらうっていう手続きがたぶん発生するのですよね。となると、実際オフィシャルに使えるっていうと、来年度中になんとかなればという流れではないでしょうか。
 
○ 向野座長
なるほど、わかりました。ではその点は、フィールドテストをどのように行うかも含めて、またご相談をさせていただきたいと思います。
 
○ 向野座長
最後にリコード班の大夛賀委員からご報告をお願いいたします。
 
○ 大夛賀委員
リコード班のほうでは、既存研究と連携したICFリコードの実践に関する目標を3つ挙げています。既存調査資料の収集、分析及び妥当性の検証、リコードテーブルの作成の3つです。
具体的な内容についてご説明させていただきます。
まずは諸外国で行われているリコードに関わる研究成果を調べ、その概要について取りまとめております。先日のICFシンポジウムでも一部ご紹介させていただいたのですけれども、委員の先生方と主に拠り所として共有しているものとして2つございます。1つは2005年のシエザ先生のICFリンキングルールという論文がございます。
もうひとつが、近年のスタッキー先生ほかの2017年の論文で、ICFを使っていく場合の4つのステップがありますということが紹介されています。
少しだけ紹介させていただくと、ステップの1つ目は、「ICFのどの領域を評価するか」ということです。私が先ほど質問させていただいたように、ICFのもともとのコードを使うのか、V章を使うのか、いろいろありますよね。WHO-DASを使うのかというところもあります。
2つ目は評価の視点です。ICFの大原則の「健康」というものがありますが、生物学的な健康、生活上の健康、政策上定義する明確な限定的な健康といったようにたくさんありますので、この整理が必要ということです。
3つ目は「どのようにしてICFの情報を収集していくか」ということです。直接フィールドテスト班で用意しているようなツールを使って評価していくということもありますし、既存データを私たちがやっているようにリコードして収集ということもあると思います。あるいはもっと大きなコンセプトを使って情報を整理するといったいわゆるマッピング作業もあると思います。
4つ目は、3つ目にも関連しますが、「どの情報収集ツールを適用するのか」というところです。大きくは直接データを収集するのかリコードするのかということがあります。
こういったように、ICFを使う場合の4つのステップがありますので、これはひとつ国際的に発表している論文として私たちの参考になるでしょうということで、その考え方を整理して共有したところです。
ただ、これ以外にもいくつか、すでにICFのリコードに関わる内容が発表されていますので、そういったものもこのリコード班で随時共有しながら、この方法論を我々の活動に取り入れていきましょうという話をしているところです。少し長くなりましたが1つ目の作業です。
2つ目ですが、リコード班の先生方とお話しして、まずは基本的な作成ルールを定めてから着手したほうがいいでしょうというところで、項目対応作成ルールと点数化作成ルールの2つの案を作成しております。
3つ目です。具体的な作業として、すでに前回の委員会でもお話しさせていただいているように、まずは要介護認定調査項目のリコードを行いました。これがかなりのビッグデータとして、我が国で収集されているところもありますので作業を行いました。さらには、臨床現場における普及や活用状況を鑑みて、高齢者福祉やリハビリテーション分野で活用されているADLに関わるFIMやBarthel Index、BIについて、現在リコードテーブルを作成しております。
これについてはすでに案ができておりまして、リコード班員の先生の中には、本日の会議までにご意見をいただいたところです。この場でご紹介させていただきましたので、このワーキング先生方に展開して、一定期間時間を区切ってご意見をいただいて、このワーキングの中のひとつの案としてホームページ等で公開していくことを予定しております。
今後の予定ですが、リコード作業を続けるとともに、点数化ルールの検討を進めていきたいと考えております。具体的には、いくつかのアセスメントツールを同時に調査したりとか、あるいは臨床家の方々に集まっていただいて、複数のリコードの点数化のことを話し合うといった調査を検討しております。また、これは向野座長ともお話ししているところですけれども、ICDにはリコードのための補助ツールみたいなものがあると思いますが、ICにもこのような補助ツールがあると活用が広がるのではないかということで、こういったツール開発を検討しております。
以上がリコード班の報告になります。
 
○ 向野座長
ありがとうございました。それでは今のご報告について、ご質問とかご意見ございますでしょうか。
 
○ 浅川委員
私の興味になってしまうんですけど、わかったら教えてほしいんですけれども、既存の例えばFIMとかですと、FIMとICFの評価点の信頼性の研究とかっていうのは、海外あるいは国内でもやられているかと思うんですけれども、そのときのリコード、リンキングされたものと先生方でやっているのとは、結構違ってきますか。それともだいたい同じに収まるようなものなのでしょうか。
 
○ 大夛賀委員
今回の我々のメンバーで行ったところと、これまでの研究成果のリコードのやり方は違っていたりするので一概に言えませんが、現在進めている項目の対応でも考え方がかなり異なっていました。よって、そのプロセスを記録することや事前に方法論を統一して示すということが重要と考えています。また、浅川委員のご質問には、点数対応のリコードの話も含まれていると理解しておりますが、まだ我々はそこまで検討できていない状況です。さきほどお話ししたように、今後何らかのフィールドテストを経て点数化の事例も示せればいいということは考えております。
 
○ 向野座長
私からもちょっと補足させていただきますと、リンキングルールっていうのが、大夛賀先生のお話でも出ましたけど、シエザ先生が作られたものがあって、アップデートっていうのも出ているんですけれど、基本的には、ご存知かもしれませんけれども、原理・原則しか載っていないというようなルールで、具体的なやり方についてはあまり書いていない、決まっていない。あれに基づいてリンキングをしましたという論文はたくさんあるのですけれども、どれも細かいやり方、細部では結構異なっていて、論文によってリンキングが違ったりする。それも同じグループから出ている論文でも違ったりするということが実際にありますので、リコード、おそらく違うところが出てくると思うのですけれども、ある程度きちんとルールを決めてやったということを発表していくっていうことが大事で、どこがそのリードを取るかっていうことにもなると思うのですが、日本からはこういうルールできちんとやりましたというのを出していくということが大事なんじゃないかなというふうに考えております。
 
○ 大夛賀委員
このリコード班の成果は、絶対ではなく、現在のメンバーで考えた一つのやり方と考えております。よって、研究を行う際に、違うルールで行うといったことも考えられます。
また、同じルールを採用したが、検討したメンバーによって、結果が異なるということもあると思います。
こういったプロセスを可視化したうえで検討進めることで、より建設的な議論が広がり、活用が広がっていくと思っています。また委員みなさま方からも、今回の提案にご意見いただければと思っております。
 
○ 向野座長
リコードに関しては、親委員会の生活機能委員会のほうではかなり重要視されているところですので、こちらに関してはしっかり特に成果を出していかないといけないかなと思っております。大夛賀委員どうかよろしくお願いいたします。
では、以上で各班からの本年度の活動報告を終了いたします。各班からの報告内容を踏まえて、事務局が専門委員会の報告資料案をまとめていますので、これについて説明をお願いいたします。
 
○ 事務局
事務局から専門委員会への報告案についてご説明いたします。資料2の「生活機能分類普及推進検討ワーキンググループの本年度の活動状況について(案)」をご覧ください。
では、通しで全体を読み上げます。まず導入部分ですが、経緯の説明ということで、1.生活機能分類普及推進検討ワーキンググループについて。このワーキングでは、WHO が平成 30 年6月に公表したICD-11に、新たに生活機能評価に関する補助セクションV 章を設けたため、平成31 年3月に開催された社保審統計分科会の下にある生活機能分類専門委員会において、生活機能のレベルの定量化等、必要な検討について実務者レベルでの具体的な対応が求められたため設置されたとしております。
次に2として、本年度のワーキングの審議事項及び開催状況についてですが、本ワーキングは、令和元年6月 19 日に実施した第1回の会議において、以下の4つを審議事項とすることで合意しております。活動を行うにあたって、フィールドテスト班、教育ツール班、分類更新・翻訳班及びリコード班の4つの検討班を組織して、ワーキングの構成員はそれぞれ検討班に所属して班別に個別テーマごとの検討を進めることとした。
4つの審議事項ですが、1 WHO が刊行する ICF 資料に関する翻訳案の作成、2 ICD-11 第V章を国内適用するにあたって、具体的な活用案(フィールドテスト等を含む)の検討、3 WHO から提案される ICF 年次改正案に対する日本からの意見提出案の検討、4がその他ということで、次にワーキングの開催状況とその検討内容ですが、第1回が令和元年6月ということで、具体的な活動内容の検討、活動班の班分け。第2回が令和元年9月。各班の2年間の活動計画、活動班の役割分担。そして今回が各班の1年間の活動状況の確認となっております。
次がこの活動状況報告の中核となるところですけれども、3のワーキングの主な活動の状況及び今後の対応ということで、ワーキングにおける現時点までの検討状況及び今後の対応予定は、以下のとおりである。
最初に(1)ICD-11 「V章生活機能評価に関する補助セクション」のフィールドテストに向けた対応ということで、V章の有用性、妥当性検証のために国内におけるフィールドテスト実施へ向け、必要な資料を検討し、素案の作成を進めている。今後は、以下の資料の作成を進めるとともに、検者間の信頼性の確保等も検討しながら、ICD-11 V章に関するフィールドテストを実施する予定である。これまでの対応ですが、ア.V章の各項目の情報収集手法の確定。V章がWHO-DAS、MDS、Generic Functioning Domainsの3つの構造からなるところ、既存の質問紙の活用、新規の質問紙の作成など、情報収集手法の確定を行った。イ.V章の各項目の翻訳。ワーキンググループ案を作成し、生活機能分類専門委員会へ提出した。ウ.V章の各項目について簡潔で直感的な説明文の作成。支援ツールとして、フィールドテストの対象者に分かりやすい説明文を作成した。エ.V章の教育ツールの作成。プロトタイプの作成を行い、今後も作業を継続予定である。
次に今後の予定ということで、オ.採点リファレンスガイドの作成。同一の症例を複数人で評価する等の評価を行う際のガイダンス資料を作成する。カ.フィールドテストの実施ということになっております。
次に(2)のICF に関する対応ということで、こちら三部構成になっております。まず1ICFの改正への対応。ICFの改正提案について、WHO、WHO-FIC、CSACで採決がなされるところ、以下の対応を行っている。
まず、これまでの対応ですが、ア.2019 年の改正提案への日本としての対応案作成に協力した。今後の予定ですが、次のページをご覧ください。イ.2019 年採択案件の日本語への翻訳作業を行う。ウ. WHOからICFの 2020年版の公表が予定されているところ、継続して情報収集を行う。
2つ目。既存の評価手法のICFコードへのリコード。生活機能に関係する既存の評価手法が多数存在するところ、評価の、既存の評価手法についてICFの分類をリコードする作業を実施している。これまでの対応ですが、ア.諸外国で行われているリコードに関する研究成果のとりまとめ。イ.リコードに関する基本的ルールの作成。ウ.上記に基づき、要介護認定項目、FIM、BI(Barthel Index)の項目対応リコードテーブルの作成(今後も継続予定)。
それから、今後の予定。エ.リコード普及推進に向けたリコード辞書(案)の開発に向けた検討となっております。
3つ目。ICFの教育に関する対応。ICFの普及教育のための調査及び資料の作成を行っている。
これまで及び今後の対応ですが、ア.ICFの国内外の教育の現状のまとめ。資料収集を行うとともに、医療職における教育の現状に関する調査を行った。イ.WHO WHO-FIC教育委員会作成のICF e-learningツールの翻訳準備を進めている(今後、翻訳を実施予定)。
最後4番になります。その他の活動ということで、まず1つ目。第8回ICFシンポジウムを企画し、令和2年1月 18 日に開催した。応募者は、400名を超えたが当日の悪天候で300名弱の参加となった。ポスターは、17 題を選定した。
2つ目。ICF情報集約サイトの構築に向けた情報収集を行い、4月の公開を予定しているということで、以上本委員会への報告にあたりまして、ワーキングの今年度の活動状況案としてまとめさせていただきました。
次のページは参考ということで、こちら4つの班の委員構成の名簿になっております。以上でございます。
 
○ 向野座長
只今の資料について、また、専門委員会への本ワーキングの活動の報告についてご議論いただきたいと思いますので、ご意見をお願いいたします。この内容について何かご意見等ございますでしょうか。
すみません、1点修正なんですけど、フィールドテストのところで、オの採点リファレンスガイドの作成ですけれども、同一の症例を複数人で評価する等の「プロセスを通じて」とか、そういった言葉を入れていただいたほうがいいかなと思いますが。
 
○ 事務局
承知いたしました。
 
○ 向野座長
よろしくお願いいたします。フィールドテストに向けた対応。それからICFそのものに向けた対応。それから、既存の評価手法のICFコードへのリコード。あと教育に対する対応と、4点について書いてありますけれども、V章のディスクリプションの翻訳に関することもちょっと入れたほうがいいでしょうかね。どうでしょうか。それはまだ作業として取り組む前なので、承認されてから、翻訳が承認されてからということになりますでしょうか。
ほかはいかがでしょうか。先ほどご説明をいただいた内容をまとめていただいたという形になりますけれども。どうでしょう。
 
○ 事務局
先ほど横堀委員からご指摘のあった、3のイのところ、WHO-FIC、教育委員会作成ではなく、FDRG作成のというところで、同じ書きぶりで直しておきます。
 
○ 向野座長
その点は修正お願いいたします。
このほかに何か追加するべきとか、あるいはまだ入れないほうがいいとか、そういった内容についてございますでしょうか。
今回は中間報告ということですので、今までやっている作業を報告していきますけれども、特にこれからの1年が非常に重要で、最終的な成果がどのぐらいでるかということが問われると思いますので、是非皆様のご協力をお願いします。
それでは、こちらを本ワーキンググループの本年度の活動のまとめとして、ICF専門委員会のほうへ報告をさせていただきたいと思います。
それでは、議事の3「その他」について事務局より資料の説明をお願いいたします。
 
○ 事務局
事務局からは2点。ICF情報集約サイトの件と、第8回ICFシンポジウムの件についてご説明させていただきます。
まず、ICF情報集約サイトの構成内容についてご説明いたします。資料3をご覧ください。目的は従来より申し上げている、ICF に関する資料の集約、研究成果等情報共有の場としたいと考えております。構成ですが、トップページはこのようなイメージで、携帯でも見られるようにしようと思っています。
次に各頁の内容です。ICFの日本語版は、WHOに私たちが報告しているので掲載されていますので、そこにリンクは貼ったらどうかと思っております。併せて、ICFは、一部改正をしており、ICF専門委員会で内容については翻訳を終了しておりますので、終了したところについては載せていったらどうかというふうに考えております。
次の論文ですけれども、過去、第14回のICF専門委員会で、厚生労働科学研究で取り扱っているICFの研究リストというのが報告されているのですが、そのリストに追加していく形で掲載します。その情報の集約の場所に行くと、保健医療科学院のデータベースがあり、そこにリンクを貼って、内容を詳細に見ることができるようにしたらどうかと考えております。
次にポスターですけれども、今までシンポジウムでいくつかポスター募集しておりますし、それからWHO-FICの年次会議でもポスター発表しておりますので、ICFに関するポスターを集約した場所を設けたらどうかと。
マッピングに関しては、今先ほど大夛賀委員の班のほうから報告があったようなマッピングのリストを随時更新して載せていったらどうかと考えております。
関連リンクに関しましては、WHOの本部のウェブページ。ICFの本体の英語版でありますとか、社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会の資料等、この普及推進検討ワーキンググループの報告。また、ICFの投票サイト等もリンクで載せたらどうかと考えております。
ICF関連行事に関しましては、ICFのシンポジウムや、WHOから報告があった告知された事項等があれば、そこで適宜発信していこうかと考えています。「ICFとは」というのは、このあとで申し上げますけれども、ICFって何かっていう質問はわりと多くいただいているので、基本情報として掲載するのはどうかということ。そしてほかに、例えば先ほども参考資料として載せていた概念図でありますとか、これまでの取り組み等も載せていったらどうか。
そして、その他として、ICFのコラムというタイトルがいいのかはともかくとして、ICFの動きを適宜発信していく。それから、関連行事で写したフォトを載せたり、一般の方からいただく、ICFに関するよくある質問などをまとめて、質問と回答というような場所を設けたらどうかというふうに考えております。
3番の各ページのイメージとして、「ICFとは」のページを載せてございます。次のページに、「ICFとは」の原稿案が載せてございます。これは、先日のICFシンポジウムのときに、この内容で掲載しました。けれども、一般公開をこれからしていくにあたって、これだけでよいのか。あるいはもっと噛み砕いた表現が必要なんじゃないか、それからもう少し例題を載せたらどうかというご意見もあるかと思うので、それらについてご意見をいただければと考えています。説明は以上です。
 
○ 向野座長
こちらについて、ご意見ございましたらお願いいたします。こちらのページは、このような情報を全部載せていくと。例えばインタラクティブな仕組みとかは入れるのは難しいですよね。
 
○ 事務局
予算の問題もございますので。少し検討させていただければ。
 
○ 山田委員
先ほど事務局のほうから「例題を載せるのか」みたいな話もありましたけど、先ほど来翻訳しているe-learningツールとかをリンクを張るみたいな形を想定しているのでしょうか。
 
○ 事務局
今私が申し上げた例題というのは、「ICFとは」の原稿の2枚目に概念図がございます。これはWHOが、載せている概念図そのままです。私たちは、普及を目指して、「生活機能分類の活用に向けて」という冊子を出したのですけれども、そこに概念図の例示を載せていたのです。例えば「活動」に、歩行、各種ADL、家事等、「参加」に就労、趣味、スポーツ、地域活動等いくつか載せていたのですけれども、実はそれはICFの赤本に載っていないものですねとご意見があって、そのへんを少し精査したほうがいいのではないかと。使う目的によってこの例示も変わるのではないかということがあったので、先日のシンポジウムの資料には、例示を外しました。ただ、使うほうから考えると、ある程度例示は欲しいという要望もいただいているのです。そのへんも、どういう書き方がよいのかということも含めて、ご相談したいと思った次第です。
 
○ 山田委員
誰がどうやるかっていうことも問題ですね。
 
○ 向野座長
具体的なとこを入れていくのは、十分な議論が必要かと思います。議論の仕組みを作る、プロセスをちゃんとしてやりましたっていうのが一番問われると思うので。実際に具体例がないと、なかなかわからないと思うので、そういうのを載せていくのはいいと思いますので、今後は、そのプロセスを少し議論したいと思います。
 
○ 横堀委員
ICF e-learningツールもリンクかサイトになのるのでしょうか。日本語版としての手続きのプロセスはいると思うのですけれども、サイトに載せていただくような方向になるといいとは思います。
 
○ 事務局
どういう情報を集約したらよいかというところも含めてご議論いただいて、その上で検討したいと思っておりますので、ひとつそれを掲載したらどうかというご意見ということで承りたいと思います。
 
○ 横堀委員
そうですね。これをどこかに、どうやって使っていっていいやら、何か考えていただければなと。
 
○ 向野座長
一番マテリアルとしては使いやすいというか、ある程度FDRGで作って、WHO-FICの教育委員会でも議論されているということで、使いやすいものだと思いますので、そちらを載せていくというのはいいんじゃないかと思います。懸念点は、例題みたいなの、具体例みたいなものが、それが本当にそのまま使えるのか、懸念はありますけど。そこは委員の先生方も含めて議論をしていきたいと思います。基本的にはそういうものを載せていくのがいいのではないかと思います。私の意見としては。
いかがでしょうか。ほかに「こういうものを載せたらいい」とか。
 
○ 大夛賀委員
ICF日本語版はICFのコード集ということですよね。そうすると、山田委員が分類班でまとめられたICD V章のコード集も載せてもいいのではと思います。
もう1点は、リコード班の成果に関わるマッピングを項目として特出しししていただいたのは有難いのですけれども、評価ツールを項目として立て、向野委員長の研究成果も載せていただきたいと思います。
構造についての意見ですが、たとえば「どのように使うのか」という項目があって、次にマッピングであったり、評価であったりといった項目を次頁に示すといった階層化が必要と思いました。
同じように、「ICFを学ぶ」という項目をつくって、そのページに「ICFとは」であったり、「教育ツール」リンクがあるといいと思いました。ご検討よろしくお願いいたします。
 
○ 向野座長
評価ツールについては、私も厚労科研で採点のいろんなアプリケーションなんかを作っていますので、そういったものを自由にダウンロードしてもらうような形にしてもいいんじゃないかとは思います。
 
○ 大夛賀委員
直感的な説明文も、先生の評価ツールに入っているのでしょうか。
 
○ 向野座長
入っています。アプリケーションの中に入っていますので、そういったものを使ってもらえるのではないかと。
 
○ 大夛賀委員
直感的な説明文に加えて、項目リストも有用と思いますので、その成果もダウンロードできるといいと思います。検討いただければと思います。
 
○ 向野座長
ワーキンググループの成果としても重要なところですので、そのリストなんかも出させていただくと。ほかにはいかがでしょうか。
 
○ 村井委員
臨床家側から言わせていただくと、例えばこのページを見たときに、一番知りたいのはICFのさっき言った各項目の説明はあるといいなと思うのですが、実際にどういう活用をされているのか。先ほど何回か出ていますが、どういう活用の仕方があるのかというアウトラインが、今、日本で例えばこういう領域ではこのように活用されていますよみたいなものがあると、すごく助かるかな。要するに、臨床家側からはこれをどう使うかっていう話になってきますので、そのときの参考になるようなものが、ひとつ例示、事例じゃないですけども、あるととても嬉しいかなというふうに思います。
あと、今日もお話聞いて、臨床側からすると、要するにシンプルなのが一番ですね。難しいことよりはシンプルで、「これとこれ」と対応するほうが、やっぱり使いやすい」ということで、難しい議論はいっぱいあるのですけれども、その中でシンプルに、是非普及したいのであれば、このホームページはシンプルなものから上に上げておいていただけたほうが、普及するのであれば、いいかなというふうに思います。
あと、私のほうで、臨床の中でよく質問されるのは、実は4ページのところのこの図ですね。赤い本は活動がaコードで参加がpコードになっていますが、コードがaコードっていうのがなくて、例の赤い本はdコードですよね。ドメインになっているのですけど、これとの整合性っていうのは、なんかここを出されている理由っていうのがありますか。これよく聞かれます。「前は活動と参加と分かれていました。今dコードになっていますよね」って話したときに、dコードと活動と参加がどうなのかという質問が、よく現場で聞かれるもので、ここの関係性も説明を、もしこのまま載せられるのであれば、やっぱり経緯を入れていただかないと、今どれを使うのっていうのがやはりわからなくなるかなというふうに思います。
本気で使おうかなと思うと、やっぱりこういうことすごく大事になってくるかと思いますので、ちょっともしよければ、今の段階でわかる範囲教えていただけたら幸いです。
 
○ 事務局
dコードに関しては、ICFを最終的に勧告する直前まではaとp。活動と参加というふうに、全く分けてコード化されていたと聞いています。最終的に、いよいよ「勧告する」となったときに、分け方の中で議論が起きたようです。「いや、こっちはaだ」「こっちはpだ」っていうところで。このままだったら、もう喧嘩別れしちゃうと。だったらドメインというコードで、見た目の項目は一緒だから一緒にしちゃおうというのが、発表の1年前ぐらいの段階でウワーっと決まったと聞いています。その議論に参加していた先生から伺った話だと、自分たちはすごく反対したけれども通らなかった。最終的なWHOの勧告はdになってしまったと。だけれどもおっしゃるように、dとして何かを説明するときにすごく説明しづらいので、赤本の後ろのほう、付録3に「活動と参加のリストの使い方」というのが書いてあります。領域のリストの問題として、活動(a)と参加(p)の関係をどのようにするかについては、4つの選択肢がある。と。それくらいもめた議論がだから、「aを使うべき」「pを使うべき」「両方一緒の項目は一部分だっていうふうにしてもいい」みたいな、例示があって、使い方は「各国どうぞ」というようにされてしまっているように見えます。そういうところも、このワーキングでディスカッションをして、もちろんWHOはdコードというふうに説明しているけれども、実際使うときにはaとpに分けたほうが使いやすいというようなことがあれば、活用というところでそこは議論していかなければいけないことではないかというふうには思っているところです。
 
○ 村井委員
そういう経過っていうのは、すごく一般国民、私たちは臨床の現場ではわからないので、やはりそういうのは基本どおり書いたらいいのかわかりませんが、そういう議論も少し書いておいていただき、今さっきおっしゃったところのaがいいのかpがいいのか、apとまたはdがいいのかっていう議論は、どこでどう固まるのかわかりませんけれども、意見聴取できる場で聞いておくほうがいいのかなというふうに思います。実際使うとなったら、ここは重要なポイントになってきますので、混乱しちゃいますので。同じ言葉を使っていてもaコードって書いてくる人とdコードで書いてくる人、どちらを使うのって話にはなると思いますので、できれば是非一度まとめていただけると幸いかなと思います。
 
○ 向野座長
そうすると、コンセプト。考え方としてaとpがあるということは合意があったけれども、分け方で議論が収束しないのでd としてまとめることになったということになるんですかね。
村井委員のお話で、ユースケースを出していくっていう話もありましたけれども、実際なかなかまだあんまり、それほど有効に使われてないところもあるかなと思うんですよね。だから、こちらからある程度提案、こういった具体的なツールとともに提案していくっていうのも大事ではないかなというふうに思いましたけれども、そういうところも含めて、そんなに皆さんコードを眺める時間もないので、パッと見て、これが使えるといって、それを取り出してできるというような仕組みがあると、非常に便利なのかなということでしょうか。
 
○ 村井委員
現場側からみると、厚生労働省がICFを一番わかりやすく概念図で出したのは、ケアマネジャーの研修の平成15年ですよね。ICFを使いましょうという考え方として、生活機能全体を捉えるのに、このマトリックスを使いましょうということで、お出しになられた部分。ここも結構、介護支援専門員の中では混乱をしている。なので、やはり使い方の説明ってすごく大事で、例えばもうオフィシャルになっている介護認定のケアマネジメントだったらこういう使われ方をしているみたいなものが明らかに書かれているほうが、とてもいいかなと。これがすべてじゃないよと。今言った活用はいろいろありますので、切り口。リハの領域ではこういう活用、先生の話でされているような、こういう活用をされていますみたいなことがしめされてないと、みんな一緒だと、ICFだから一緒だっていうふうに取られる方が多いので、やはり丁寧な説明がないと現場大混乱みたいなことにならないかなというふうに思っていますので、ご配慮いただけると幸いです。
 
○ 大夛賀委員
説明という点においては、現在、年に1回シンポジウムという、その皆さんと対話する場があるので、その場を活用してはどうかと思います。
具体的には、次年度の開催に向けての提案ですが、例えば、各団体におけるICFの活用みたいなことで報告していただいて、それをポスターとしても掲載していくことで現場発信のICFに関わる実践に即した検討状況が可視化されていくのではないかと思います。
 
○ 事務局
本件につきましては、委員会後、テストサイトを皆様にお送りします。それを眺めていただいて、項目に関しては、ただ今ご議論いただいたものをこれから修正していく予定ですけれども、修正の必要の無い、確定情報から順次アップしていくというふうにしたいと思います。まずは4月に、この情報サイトができましたということが、報告できるように進めたいと思いますので、ご意見の返信は、大変ショートで申し訳ないのですけれども、2月28日の金曜日までにいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
○ 向野座長
今の説明について何かご質問ございますでしょうか。よろしいですか。
はい、ではもう1点。第8回ICFシンポジウムについてのご報告ということですので、事務局からのご説明をお願いいたします。
 
○ 事務局
次にICFシンポジウムについて、資料4をご覧ください。当日は雪が降る悪天候になってしまいまして、事前の募集、応募は400名を超えて、実際の参加人数としては300名弱になりました。ワーキンググループからは向野先生、山田先生、大夛賀先生にご登壇いただきまして、ご発表いただきましてありがとうございました。
アンケートを取っておりましたので、次のページをご覧いただければと思います。見やすいようにグラフにしてございます。年代、性別、所属、職種。時間などもだいたい好意的なご意見をいただいています。今後の希望する形式は、少人数のセミナーというのもいいのではないかというようなご意見もありましたので、参考にしながら、事務局といたしましては、来年度もこのようなシンポジウム開催したいと思っておりますので、開催時期でありますとか、形式。先ほど大夛賀委員からもご意見がありましたけれども、それらについてご意見をいただきたいと考えております。よろしくお願いします。
 
○ 向野座長
特にこれからワーキンググループの成果も踏まえて、シンポジウムの内容も考えていくということで、よろしくお願いいたします。
議題のほうはすべてこれで終了しましたけれども、全体を通して何かご質問あるいはご意見等ございますでしょうか。
 
○ 近藤委員
まだ現段階でのウェブサイトだと、ちょっとまだ難しいと思うんですけれども、将来的には一定の入力ができるようなCGIを作成して、自動的にデータサーバーにICFのデータが溜まっていくようなものを、最終像としては是非考えていただきたいと考えております。ただその前提条件になるのは、やはりスコアリングのやり方に関して十分なディスカッションですね。特にここに対してかなりセンシティブな人たちが世の中にいっぱいいるので、内向きの議論だけではなくて、やはり広く意見を求めるという場を設定していただきたいと思います。そこがある意味ICFが日本の国内で使われるかどうかの転換点になる可能性が高いので、ひとつの班の仕事ではなくて、全体で推進をワーキンググループ全体でやっていくっていうスタンスが必要になってくるんじゃないかなと思います。
もうひとつ、ウェブページからの入力を促進していく上で大事なのは、やっぱりバラエティがあるサブセットの作成ですね。特にこの領域ではこのサブセットがすごく役に立つということを、具体例を伴って示していく必要が非常に高いと考えております。そういったある程度のゴールを考えた上で仕事を進めていっていただけると、ICFの日本国内における利用を促進していく上では非常に大事なことになると考えておりますので、是非ご検討いただければ有難いです。
 
○ 向野座長
スコアリングに関しての意見集約ですけれども、例えばどういう形での意見の集め方というのをイメージされていらっしゃいますでしょうか。
 
○ 近藤委員
今のところ、大夛賀委員がやられているとおっしゃられたノミナルグループディスカッションの形式でやられています。それは最初の段階でのたたき台を作るために非常にいいやり方で、クレバーなやり方なんですけれども、ただあくまでも内向きのものなので、そのステップの次にくるのはやっぱりデルファイですね。この領域のトップの専門家を集めて、やはりアンケート形式で20なり30なり意見の集約を図るというのが非常に大事だと思います。その際に多数決ではなくて、特異的な意見をやはりすごく重視して、たぶんその中に今お話ししたサブセットの問題とかスコアリングの問題が入ってくると思いますので、そこをきちんと丁寧にやっていくというのが非常に大事です。
ある意味、有り体に申しますとICFに対する嫌悪感というのがものすごいこの世の中には強いですので、そこの部分をオーバーカムしない限りは、ICFが広まるのはとても考えられないということになると思います。
 
○ 向野座長
ありがとうございます。今のお話は、特にリコードに関してのことですか。
 
○ 近藤委員
スコアリングです。
 
○ 向野座長
スコアリング全般ですか。
 
○ 近藤委員
あともうひとつ別の枠として、サブセットが。
 
○ 向野座長
わかりました。スコアリングというのは、では我々が取り組んでいるような点数付けのことに関してもですね。
 
○ 近藤委員
まあ、個人的な意見を申し上げさせていただくと、スコアリングをひとつの形に統一してしまうと、やはりいろんな問題が起こってきますので、状況に応じたスコアリングを考えていくという形のほうがクレバーだと思います。政策的にはあるかなしか。あるいは、変化を見ていく上では、やはり多段階のっていうものを考えないといけないんですが、そうすると当然多段階のものを作ると、各段階に対する説明が必要になってくるので、項目を絞ってサブセットでやるという前提条件が入ってきますので、スコアリングとサブセットっていうのは、ある意味、表と裏みたいな問題ですので、そこは是非一緒に考えていただけると有難いなと思います。
 
○ 向野座長
ただその実際に、そのいろんなバージョンがあるみたいな話になりますと、結構難しい話になりますよね。そのへんをどう解決するのか。例えばISPRM。国際リハビリテーション医学会の中では、3つのバリエーションを許容しましょうということになっていまして、0から10のintuitive rating、それから0から4のintuitive rating。それと、ディスクリプションを作るパターンも許容しましょうということで、そういう3つがあると。で、この先のプロセスとしては、それぞれのスコアリングのやり方の中でどういう違いがあるかっていうのを検討していきましょうと。そういう形なんですけれども。
これをそのスコアリング、例えばディスクリプションのスコアリングのパターンをデルファイでやっていくというのは、なかなか大変な作業になるかなというふうにも思います。またちょっと具体的な方法についてはご相談をさせていただきたいと思います。
 
○ 近藤委員
すみません、ちょっと追加で。デルファイはやっぱり方向性を正すときにやるべき作業なので、細かいスコアリングに関して意見を求めても、たぶん難しいなという気はいたします。
 
○ 大夛賀委員
近藤委員からご意見ありましたスコアリングについて補足させていただきます。
個人的には、スコアリングについては大量データによる日本人サンプルを収集して、統計的に重みづけを行うことが必要と考えております。
たとえば、WHODASはICD V章のなかでも体系化されたアセスメントツールになっていますので、スコアリングルールが示されています。
現在、今内閣府のほうで障害統計の整備に関する研究委員会が立ち上がって、国民生活基礎調査や労働力調査といった基幹統計の調査項目の中に、例えば障害者あるなしという項目を入れていきましょうということを検討しています。その中で、ワシントングループの調査セットと、ユーロスタットの調査セットと、ICFからWHO-DAS2.0の調査セットの3つが示され、検討されている状況にあります。今回は、実査の段階で1万人ぐらいのサンプルを対象とした調査が実施され、WHO-DAS2.0のデータも収集されています。
こういった成果をもとに今後、戦略的に議論を進めていくことが必要と考えています。
少し話は変わりますが、先ほどの事務局からの来年度のシンポジウムについてご説明ありましたが、これについても意見してよろしいでしょうか。
 
○ 事務局
ご意見いただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 
○ 大夛賀委員
ではもう時間だと思うのですけれども、少しお話しさせていただきます。
私は、シンポジウムについてこれまでにも意見させていただいきましたが、分科会に分かれて、小講義を行って、そのフロアの人たちとワークショップを行うといった時間帯があってもいいのかなと思います。
次年度については、そういうことができる会場を是非押さえていただければと思います。
またこのシンポジウムの成果を、ホームページに掲載していくことが重要と思いますので、そのことを念頭に入れてご検討いただければと個人的には思っております。
 
○ 向野座長
大夛賀委員ありがとうございます。ほかにこのシンポジウムに関してのご意見ございますでしょうか。先ほど私がお聞きし忘れてしまって申し訳ございません。今おっしゃっておきたいことがあれば、お願いいたします。
では全体のご意見ご質問もよろしかったでしょうか。
 
○ 小松委員
最後にひとつだけ私からの意見ですけれども、もともとICFは環境因子とか活動因子とか、すべての因子が含まれてこそということになっています。研究にて評価尺度をリコードさせていただいていて思うのは、ADLに関しては、ほとんどがdコードに該当します。その結果、評価する尺度によって、使われるICFコードっていうものには偏りが出ているっていうことが分かります。その時、リコード班として言うのはちょっと変かもしれませんがリコードをするメリットというものを明らかにしないと、じゃあ初めからFIMでずっと評価すればいいじゃないか、Barthelでやればいいじゃないかっていうことに繋がりかねないと思っています。なので、その評価尺度がどういったICFコードに属するかと考えることが大切と考えます。尺度をICFコードで定義するのも重要なことですが、それにプラス、もともとのICFの概念である、この環境因子のこのコードを入れてあげることで、できていないADLがこう上がるというような評価をすることが、本来のICFを使う目的のひとつになるかなと考えています。
もうひとつは、ICDにV章が入ったということで、ICD側がV章をどう使ってもらえるかという承認としての目的や、何がメリットになるかと考える必要がある。また、V章にはeコードはひとつも入っていない。ほとんどがdコードです。別の臨床の評価尺度を考えたときに、個人的なことになって申し訳ありませんが、例えば難病の臨床調査個人票とかだと、sコードが多くなります。すると、使用する項目によって使用されているコードが違ってくる。リコード班でADLを評価している尺度に関して、sコードが非常に少ないということになると、ICFはdコードだけでもないですというようなことを考える必要があると思います。
なので、ICDに関してV章が入った、それで使う側が(多くは)臨床医が使うことを考えたときに、V章を使うメリットっていうものを今後提示していくのも、リコード班としての役割かなと考えていますので、今後こちらリコード班で検討しないといけないかなと思っています。以上です。
 
○ 向野座長
そうですね。ICFを使うメリットとしては、やはりそこに情報が集約していくっていうことだと思うのですけれども、それがただ単にコードを変えるだけっていうことになると、先生がおっしゃられるようにFIMをそのまま使えばそれで済むじゃないかっていう議論になりますので、それを環境因子なども含めて、どういうふうに情報を集約してどういうふうに利用していくかというところを含めたディスカッションが、今後必要になってくると思いますので、その辺りも見据えてこの1年取り組んでいきたいと思います。
 
○ 事務局
本日は活発なご議論ありがとうございました。次回の開催につきましては、事務局より改めてご連絡させていただきます。以上でございます。本日はお忙しい中ありがとうございました。
 

照会先

政策統括官付参事官付国際分類情報管理室 渡、高橋

代表03-5253-1111 内線7493