2020年2月4日第6回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」議事録

 

 

1.日時 令和2年2月4日(火) 10:00~12:00
 
2.場所 全国都市会館大ホール(2階) 
 
3.出席者
石津アドバイザー、井出アドバイザー、岩崎アドバイザー、小川アドバイザー、小船アドバイザー、佐藤アドバイザー、野澤アドバイザー、橋本アドバイザー、小島厚生労働大臣政務官、橋本障害保健福祉部長、野村企画課長、源河障害福祉課長、佐々木精神・障害保健課長、本後 障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長、土佐障害福祉課長補佐、石井障害福祉課長補佐、米澤障害福祉課長補佐、小林障害福祉課長補佐、鈴木障害児・発達障害者支援室長補佐、高橋地域生活支援推進室長補佐、藤川地域生活支援推進室相談支援専門官、古屋企画課データ解析専門官

4.議題
(1)令和元年障害福祉サービス等経営概況調査の結果について
(2)令和2年障害福祉サービス等経営実態調査の実施について
(3)令和2年度障害福祉サービス等従業者処遇状況等調査の実施について
(4)障害福祉サービス等報酬改定検証調査(令和2年度調査)の実施について
(5)その他
 
5.議事
○源河障害福祉課長 定刻となりましたので、ただいまから「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第6回会合を開催いたします。議事に先立ちまして、本検討チームの主査である小島厚生労働大臣政務官から御挨拶を申し上げます。
○小島政務官 皆様、おはようございます。御紹介いただきました厚労政務官の小島です。どうぞよろしくお願いします。本日は、大変御多忙の中をアドバイザーの皆様方には、第6回「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」にお集まりいただき、感謝申し上げます。平成30年報酬改定では、改定率プラス0.47を確保し、本チームでの検討を踏まえまして、障害者の重度化、高齢化への対応、医療ケア児への支援などの課題に対応した見直し等を行いました。また、令和元年10月には改定率プラス2.00%を確保し、新しい経済政策パッケージに基づく障害福祉人材の処遇改善及び消費税率10%への引上げに対応するため、臨時の報酬改定を行ったところでございます。
なお、一方で、平成30年度報酬改定の取りまとめに当たっては、次期報酬改定においてはサービスの質に関する調査研究を行うなど、サービスの質を報酬体系に反映させる手法を検討するとされております。このため、お集まりいただきましたアドバイザーの皆様方のお知恵をお借りいたしまして、令和3年4月に予定されております障害福祉サービス等報酬改定に向けて、その議論の基礎資料を得るための各種調査及び報酬改定の内容について検討を行い、厳しい財政状況の中でしっかりと国民の皆様に説明できるよう、報酬改定の議論を深めていき、我が国の障害福祉施策を着実に前進させていきたいと考えております。
アドバイザーの皆様には精力的に議論いただくようお願い申し上げまして、挨拶の言葉といたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○源河障害福祉課長 続きまして、本検討チームの構成員等を御紹介させていただきます。構成員等につきましては、資料1の別紙を御覧ください。主査である小島政務官を含む6名の構成員に加え、10名の外部有識者の方々をアドバイザーとしてお招きしております。
まずはアドバイザーから御紹介させていただきます。
明治大学教授の石津寿惠さんです。
和光大学学長の井出健二郎さんです。
早稲田大学人間科学学術院教授の岩崎香さんです。
柏市保健福祉部障害福祉課長の小川正洋さんです。
白岡市健康福祉部福祉課長の小船伊純さんです。
東京大学社会科学研究所社会調査・データアーカイブ研究センター教授の佐藤香さんです。
一般社団法人スローコミュニケーション代表、植草学園大学客員教授、毎日新聞客員編集委員の野澤和弘さんです。
医療法人聖母会成田地域生活支援センター施設長の橋本美枝さんです。
なお埼玉医科大学総合医療センター小児科学教室特任教授、佐久大学客員教授の田村正徳さん、立教大学教授の平野方紹さんにつきましては、本日、所用により欠席でございます。
次に、構成員を御紹介いたします。
本検討チームの主査は、ただいま御挨拶させていただきました小島厚生労働大臣政務官です。
副主査の橋本障害保健福祉部長です。
構成員の野村企画課長につきましては、遅れて出席いたします。
同じく構成員の佐々木精神・障害保健課長です。
同じく構成員の本後障害児・発達障害者支援室長兼地域生活支援推進室長です。
申し遅れましたが、私は、障害福祉課長の源河と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、事務局として当課の職員も同席させていただいております。
なお、本検討チームの議事は公開とし、本検討チームにおける審議内容は、皆様に御確認いただいた上で、後日、厚生労働省のホームページに議事録として掲載する予定となっております。あらかじめ御了解いただきますよう、よろしくお願いいたします。
撮影の方はいらっしゃらないと思いますが、報道カメラの方は退席をお願いします。
また、小島厚生労働大臣政務官につきましては、公務によりここで退席させていただきます。
(小島政務官退室)
○源河障害福祉課長 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます前に、1点御連絡いたします。
厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化を推進しており、本検討チームにおいてもペーパーレスで実施いたします。このため、会議資料については事前に厚生労働省ホームページに公開し、一般傍聴の方は資料を印刷するか、お手持ちのノートパソコン、タブレット等の端末に保存の上、各自御持参いただくようにお願いをしております。
構成員及びアドバイザーの皆様へは、紙の資料の代わりにタブレット端末を配付しておりますので、資料についてはお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになります。操作についての説明書をお手元に配付しておりますが、御不明な点がありましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、御遠慮なくお申しつけください。
次に、本日の資料の確認をさせていただきます。
資料1「「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」開催要綱」。
資料2「令和元年障害福祉サービス等経営概況調査の結果について」。
資料3「令和2年障害福祉サービス等経営実態調査の実施について(案)」。
資料4「令和2年障害福祉サービス等経営実態調査 調査票(案)」。
資料5「令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の実施について(案)」。
資料6「令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査 調査票(案)」。
資料7「障害福祉サービス等報酬改定検証調査(令和2年度調査)の実施について(案)」。
参考資料「障害福祉分野の最近の動向」を配付させていただいております。
資料に過不足等ございましたら、事務局にお申しつけください。
それでは、議事に入らせていただきます。
まずは、資料1のとおり、本チームにおいて令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の検討を進めますが、詳細な検討スケジュールは次回にお示しさせていただく予定としております。このため、今回、関連する調査等について御議論いただきますので、資料2に基づき、令和元年障害福祉サービス等経営概況調査の結果について担当から説明させていただきます。
○小林障害福祉課長補佐 おはようございます。資料2の令和元年障害福祉サービス等経営概況調査の結果について御説明させていただきます。障害福祉課の小林と申します。どうぞよろしくお願いします。
資料2になります。本資料につきましては、1月17日に開催されました社会保障審議会障害者部会で公表したものです。本調査は、平成30年度報酬改定の影響を把握するため、平成29年度、30年度の経営状況等を調査いたしました。調査対象は、全ての障害福祉サービス等事業所の中からサービス別に層化し、無作為に抽出しております。令和元年7月に約1万2000施設・事業所へ調査票を発送し、有効回答率は約43.8%でした。
調査結果を見ると、右下の黄色いところですが、平成29年度以前からあるサービスの収支差率は全体平均プラス3.9%で、29年度と30年度で違いはありませんでした。
なお、平成30年度からの新規サービスも調査しましたが、年度途中から開始している事業所が大半で、年度単位で回答する本調査では正確な収支差率の把握が困難であったため、当該ページの下段に参考数値として別掲してあります。来年度には、これまでも3年に1回実施している経営実態調査にて直近の経営状況を把握しまして、本年秋頃に報酬改定の検討資料とする予定となっております。
なお、今後の検討スケジュールの詳細につきましては、次回お示しすることとしておりますが、平成30年度報酬改定の例を参考にしますと、来年度、つまり本年4月以降に関係団体ヒアリングを行いまして、論点等整理をした上で、夏頃から個別サービスの検討、秋頃に先ほど申し上げました経営実態調査を公表しまして、その後、報酬改定の方向性を取りまとめて、12月に改定率セットされ、その後、具体的な単位数等を含めた報酬改定の概要を取りまとめる予定となっております。
資料2の説明につきましては、以上でございます。
○源河障害福祉課長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
橋本アドバイザー。
○橋本アドバイザー 報酬改定を受けての感想というところでもよろしいのでしょうか。
○源河障害福祉課長 はい。
○橋本アドバイザー 報酬改定を受けて、計画の加算が種類も多くて複雑なため、事業所によってはうまく取れていなかったり、市町村でも加算を間違えて捉えているところがあると聞き及んでいます。相談は子供たちのためだけではなくて、家族の支えにもなっています。何かしらかの簡素化や加算が適正に取れるように、例えばマニュアルのようなものを提示してもらえればと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
○野澤アドバイザー 個々に見ると、放課後等デイサービスが11.0%で就労継続支援A型が7.8%、ここは前回の報酬改定で結構厳し目に絞ったところですね。だけれども、逆に前回よりもさらにプラスになっているというのはどういうことが考えられるのでしょうか。
○源河障害福祉課長 この調査だけではなくてほかの分析も必要だと思うのですが、今、考えられることについて、担当からお答えさせていただければと思います。
○石井障害福祉課長補佐 就労支援を担当しています障害福祉課の石井です。
御質問ありがとうございます。A型につきましては、今、こちらの表で言いますと、29年度と30年度で比べて収支差率がプラス2.2ポイントですので、報酬改定の影響としては、平均値として収支差率が増えているということです。
考えられることですけれども、まず、A型につきましては、30年の報酬改定において、基本報酬を平均労働時間で7段階に区分をさせていただいたところです。A型において、長い労働時間で利用者が働いているA型は報酬が増える仕組みで、逆に短い労働時間の場合は報酬が減るという仕組みを導入しました。この数字だけではなかなか言えないものの、やはり長い労働時間で利用者が働いていたA型が思いの外多かったというと、長い労働時間で働くような形にシフトしたA型も多かったというところで、報酬が増えたのではないかというのが1点です。
2点目としましては、A型につきましては、経営改善を図らなければいけないという観点から、賃金向上等に取り組む職員を配置した場合、新たな加算というのを30年の報酬改定で設けたところです。A型の経営改善は、国としてもちゃんとしていかなければいけないという観点からつけた加算ですけれども、そういった加算を各事業者が御利用になって、その加算分がプラスになったのではないかと考えています。
以上です。
○本後障害児・発達支援室長 障害児・発達障害者支援室長でございます。
放課後等デイサービスにつきましては、収支の状況を見てみますと、事業活動の収益で見ますと、これは実はややプラスになっております。一方で、事業活動の費用のほうは余り変化がないという状況になっておりまして、この事業活動の収益がどういう背景でプラスになっているのかというのは、現段階ではまだ十分に分析ができておりません。
野澤アドバイザーがおっしゃったとおり、前回の報酬改定の中では加算も含めますと若干抑える改定にしているのに加えまして、利用している方の状態に応じて区分を分けるということもした上で、この収益の状況になっておりますので、このあたりはもう少し、なぜこういう状況になっているのかというのは掘り下げて、これから分析をしていきたいと思います。
また、放課後等デイサービスにつきましては、収益もさることながら、事業所数、利用している人数を含めて大きく増加する状況は変わっていないということでございます。このあたりは事業所の状況、自治体の中での状況を踏まえて、さらに分析を進めていきたいと考えてございます。
○源河障害福祉課長 よろしいでしょうか。
○野澤アドバイザー これは当初、改定があった直後、これではかなり厳しくてやっていけないみたいな声がすごく上がったのですね。聞いてみても、やはり厳しいという声も結構聞くのです。だけれども、これだけ増えている。危惧している人たちは、これだけ収益が上がって、2桁でかなり突出していますよね。この数字を見てまた下げられるのではないかとすごく懸念の声も聞くのです。なので、原因というか理由のところをしっかり分析した上で、本当に頑張っているところがダメージを受けないように。ひょっとしたら何かのからくりでうまく収益を上げられているところがあるのかもしれませんけれども、そういうところを改善していくみたいなことが必要なのかなと思いました。念のためというか、数字がかなり独り歩きしていろいろ言っている人が多いものですからね。
あと、A型なのですけれども、短時間しかやっていなくて、結構事業をやめてしまったところがありましたね。そういうところが淘汰されたので、比較的上がったみたいなことは考えられるのですか。
○石井障害福祉課長補佐 障害福祉課の石井でございます。
御質問改めてありがとうございます。そのようなことも考えられると思います。A型につきましては、昨今、非常に事業所数の伸びが大きかったところですけれども、平成29年度で指定基準を厳しくさせていただいた関係等で、その伸びというのも非常に鈍化しています。平たく申し上げますと、駄目なという言い方はおかしいですけれども、なかなか至らぬA型等の新規参入が抑制されたというところはあるのかなと思っております。そういった全体平均を押し下げる要因が少なくなっているという意味では、そのような分析もあろうかと思いますので、これからそれも詳細に分析させていただきたいと思います。
○源河障害福祉課長 ほかに、どうぞ。
○岩崎アドバイザー 岩崎でございます。
御報告ありがとうございます。私も、野澤アドバイザーと同じようにA型については閉じたところがあるということで、こういう結果になったのかなと思っていた部分もあるのですが、ただ、そういうところがやめたところと、あと、もともと福祉事業をやっていたところはB型に移行するということもあったりして、そういう点では工賃が比較的高いB型として、再度違う形でやっていらっしゃるところもあるのかなと思ってはいますけれども、それは想像の範疇でございますので、ぜひそこら辺を分析していただけるとありがたいと思っています。
それから、先ほど橋本アドバイザーが計画のことをお話しされていたように思うのですけれども、もともとなかなか経営的にプラスにならないというふうに言われていたところで、この前の報酬改定でかなり配置を厚くして、加算が取れる事業所は経営として順調にいく想定で多分改定をしていただいたと思うのです。ただ、やはり小さい事業所がなかなか人員配置の点ですとかで加算がうまく取り切れなかったとか、そのようなことがあってこのような結果になっているのかどうか。詳細をこの数字だけでは分からないところでございますが、その現状と、あと、今後どのようなことが明らかにできるのかというような見通しを教えていただければと思います。
○藤川地域生活支援推進室相談支援専門官 御質問ありがとうございます。障害福祉課で相談支援を担当しております藤川と申します。
今、橋本アドバイザーから頂いた部分も併せてお話をさせていただきますと、今回の実態調査の結果といたしましては、まず、29年度と30年度を比較してマイナスになっているということ。そして、30年度の決算におきましても単年度の収支差率としてマイナスになっているというところがございます。ここの詳細な分析は、まだこれから必要であるとは思っておりますが、お二人から頂戴をしたような御意見の部分も十分仮説としてはあり得るのではないかということで、今後、精査を進めてまいりたいと思っているところでございます。
また、国保連等のデータを見ましても、加算の算定状況については非常に低調な状況でございます。特定事業所加算全てを足し合わせましても、1から4を足し合わせましても2割に届かないといったような状況になっておりますので、非常に複雑で取りづらいといったようなお声も聞いております。まず、経営状況の数値的な部分についても精査をしてまいると同時に、なぜできないかという部分、困難になっているかという部分につきましても、今年度も調査をさせていただいておりますので、もろもろを併せながら検討してまいりたいと思っているところでございます。
○源河障害福祉課長 小川アドバイザー。
○小川アドバイザー それでは、今の流れで1ページに概要がある中で気になったのは、計画相談と障害児相談支援の数字が低かったりマイナスだったりという結果で、これらの障害福祉サービスの報酬が低過ぎるという意見は日頃から現場の事業所等から言われているところで課題があると認識しています。現状から申し上げますと、計画相談等を実施している法人等だとほかのサービスで相談事業の赤字分を黒字のサービスで補い、収支バランスを保っているところがあります。相談は障害者を支援する入り口で、かなり大切な部分であることを考えると、ある程度もうかる仕組みを作らないと、障害者を支援するうえで大切な入り口の部分を良化させることは難しいのではないかと思っています。
具体的な例を申し上げますと悪循環になっているのが、例えば計画相談が一ヶ月40件を超えると減算になる仕組みとなっていて、スキルがある相談員がいても相談件数を増やせない。そもそも相談スキルのある人が少ない中で、こういった仕組みとなっていることから結果的にセルフプランが増えてしまう。改善策としては、例えばモニタリングを毎月実施し報酬につながるようにするとかあると思います。モニタリングは結構重要な収入源なので、介護のケアマネのような形を考えてもいいと思います。あるいは重度障害者等時間を要する大変なケースを支援した場合は重度者の支援加算を創設するとか、いろいろなことが今後議論に出てくると思うのですが、現場の立場からいうと、やはり入り口の部分、相談支援業務は重要だと思っています。特に柏市の場合、幸いにして地域生活支援拠点を複数整備でき、24時間365日、地域において相談受付支援サービスを行っている中で、拠点を運営する事業者、そこに関わる相談支援担当者のモチベーションが上がることを含めて、相談の部分を何とかしていきたいという思いがありますので、そういった声を何らかの形で今回の報酬改定で生かしていただけたら幸いに思います。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 次の表の収益における給与費の割合を見ると、平成30年度はほとんど軒並みマイナスになっていますね。これはどういう要因というか評価をされているのかというあたりを解説してほしいのです。
○小林障害福祉課長補佐 平成29年度と30年度の給与費の割合が減少しているという御質問、ありがとうございます。
本調査は、各サービスについての費用等の実態を明らかにして、各障害福祉サービス等の収入及び支出の状況を調査しているものであります。一方、実際の障害福祉サービス等の事業は法人単位で実施されておりまして、サービス間の兼務等も考えられます。また、事業規模の変動、事業者数の変動等の可能性もあるため、本調査の給与費の割合をもって従業者の方々の賃金が引き下げられているとまでは言えないのではないかと思っております。
また、現在、8割以上の事業者が取得しております処遇改善加算におきましては、毎年、事業所から都道府県等に対しまして加算取得時に処遇改善計画書、年度終了後に実績報告書の提出が行われているところでありまして、その中で賃金改善が行われているか確認しており、原則、加算額を上回る賃金改善がなされていなければ指導の対象となるので、適切に賃金改善が行われていると考えております。
なお、従事者の給与水準につきましては、後ほど御説明しますが、来年度実施予定の処遇状況等調査において把握してまいりまして、詳細につきましてはそちらの方で分析していきたいと考えております。
以上です。
○石津アドバイザー 今の件なのですけれども、ちょっと私の理解不足かなと思いますが、加算も取られているということをお伺いしましたが、それでも全体としてマイナス4.2ということで、その上、どれもみんなそれぞれほとんどがマイナスになっている。そうしてみると、兼務だからという御説明はちょっとわかりづらいのですけれども、もうちょっと教えていただけますか。
○小林障害福祉課長補佐 すみません。この概況調査ですけれども、そういう細かい分析につきましては、処遇状況等調査でやっていきたいと思っております。
以上です。
○佐藤アドバイザー 今の件ですけれども、従業者数は常勤換算でやっていらっしゃると思うのですが、29年度と30年度と両方の従業者数をとっていらっしゃるのでしょうか。従業者数が変わらないで給与の割合が減っていたら、1人当たりが減っていると言えますけれども、従業者数が減っていたら、総額が減っていても減ったことにはなりませんよね。
○小林障害福祉課長補佐 従業者数につきましては、31年4月時点を取っております。両方ではありません。
○佐藤アドバイザー ということは、従業者数の増減が分からないので、給与の比の増減を見ても、それ以上のことは余り分からない。
○小林障害福祉課長補佐 そうですね。今後、処遇状況等調査でそういう細かいところも取っていくというふうになっております。
○佐藤アドバイザー 分かりました。それでは、むしろ余り細かくこのデータで分析しないほうがいいかもしれないように思います。
○小林障害福祉課長補佐 そうですね。分析はまた処遇状況等調査のほうで報酬改定に向けてやっていきたいと、そちらのほうの結果は秋頃に出る予定で進めております。
○佐藤アドバイザー 分かりました。
○源河障害福祉課長 よろしいでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。資料3、資料4に基づき、令和2年障害福祉サービス等経営実態調査の実施について御説明させていただきます。
○小林障害福祉課長補佐 続きまして、資料3、資料4、令和2年障害福祉サービス等経営実態調査の実施について御説明させていただきます。資料は3と4となっておりますが、4のほうは個票になっておりますので、資料3の概要版のほうで御説明させていただきます。
本調査は、障害福祉サービス等施設・事業所の経営状況を調査しまして、次期報酬改定の検討に必要な基礎資料を得ることを目的としており、3年に1度実施しております。
1ページ目の2の調査票の調査時期でございます。前回の平成29年度調査時のアンケート等を勘案しまして、決算が確定していない事業所等が多い5月中の回答が困難であると思われたため、今回、調査時点を6月初旬に変更することとしております。
また、1ページ目の項目3~6の事項につきましては、おおむね前回調査と同様ですが、2ページで御説明しますけれども、細かい点で変更を予定しております。
2ページ目をおめくりください。まず、1につきまして、総務省から同時期に実施する障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査と類似している調査項目を整理しまして、回収率等の向上を促すよう指摘されているところでございます。処遇状況等調査と類似している項目は、「職種別給与額」と「職種別従事者数」であり、全く同じ調査項目ではないものの、相互の調査で把握が可能であることから、経営実態調査においては1つ目のポツのとおりでございますけれども、前回の調査項目「職種別給与額」について、前回調査時のアンケートでもいろいろ御意見いただいたのですけれども、そもそも職種別に給与額を管理するものではない等の理由によりまして、最も記載が困難な項目というアンケートの調査が出ていました。また、処遇状況等調査において、職員個人の処遇状況を集計することによりまして、職種別給与額の集計が可能であることから、当該項目を削除することとしております。
また、同ページの2の回答者の負担軽減につきましてですが、サービス提供状況等につきまして、回答者負担軽減のために1年分から1カ月分に変更する検討を行いました。やはり1年分というのがすごく事務量が多くて負担になっていたという結果もありましたので、今回、調査時期の実施時期に最も近い月で利用者数の変動が少ない3月中を調査範囲とすることとしまして、ほかの調査項目も3月中に変更したところでございます。
なお、ホームページの一番下の※の欄に書いてあるのですけれども、現在、総務省の審査過程で調査事項等には変動があり得ることを御了承ください。
今、言葉で御説明しました変更点等につきましては、3ページ目の表を御覧ください。左側に平成29年度調査、右側に令和2年度調査としております。一番上の変更点につきましては、令和2年の調査のところのアンダーラインを引いてありますが、まず、調査時点は令和元年度になっております。また、サービス提供状況等の先ほどの1年分というところでございますが、開所日数、延べ訪問回数、延べ利用者数など、こちらのほうを1年間調べているところ、今回、3月中に変更させていただいております。
また、職種別給与額、法定福利費など給与等実態調査でダブるようなものにつきまして削除をするということで、前回調査から変更点をアンダーラインでお示しさせていただいたところでございます。
変更点の細かい資料については資料4につけてありますので、後ほど御覧いただきたいと思っております。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
井出アドバイザー。
○井出アドバイザー ありがとうございました。
1点確認と1点はお願いで、1点は、今回変更点というのは分かりました。前回の調査と大きなフレーム的には変わりがないのかどうかということをお伺いしたいのと、次のもう一点はお願いで、今回変更点の中で状況調査と重複するようなことはカットすると。そういうのは本当にいいことだと思っています。
恐らくこれからまた説明する資料7でも、さまざまな調査が走っているようなので、お願いは、ほかの調査でももし簡素化できるところがあれば、ぜひお願いしたいなというところです。
1点、大きくフレームは前回と変わっていないかどうかだけ教えていただければありがたいです。
○小林障害福祉課長補佐 今回の調査客体数等、フレームにつきましては特に変わってございません。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
どうぞ。
○石津アドバイザー 御説明ありがとうございました。
資料3の2ページの中ほどのところにあります経営調査については、職種別の給与額の調査については含まれなくなるという点について教えていただきたいと思います。先ほどの質問の中でも出てまいりましたけれども、給与については処遇のほうでということでしたので、したがって、両調査の調整が必要なのだろうなというところは理解したところであります。
他方、福祉の経営状況においては、給与の関係の占める部分というのは大変大きいかなとも思っております、そうしますと処遇状況等調査のほうだけで給与のほうをやっていくということは、経営状況のほうの調査の分析に当たって何か影響がでるのではないでしょうか。経営状況と給与は大きな関係がありますので、職務別の給与について処遇状況等調査のほうだけで行うということだと、経営状況調査の分析に影響があるのかなとも感じるところですので、そこのところについて教えていただきたいのが1点。
あるいは経営状況と処遇状況等調査のそれぞれの回答個体のひもづけがされているのだったら、そういう心配はないのかなと思うのですけれども、そのあたりがどうなっているのかというのも教えていただけますか。
○小林障害福祉課長補佐 経営実態調査の関係では、サービス別の分析はできないということなのですけれども、給与のほうは処遇状況等調査でやっていきますので、ひもづけといいますか、サービス別の分析はできないのですが、御心配のところの点につきましては、いろいろ細かく分析をしていきたいなと思っています。
○石津アドバイザー では、ひもづけしていないけれども、給与については処遇状況等調査のほうでやれば問題ない。経営状況と給料というのは大きな関係があると思われますが分析に当たって、これをはずしても影響はないということですか。
○小林障害福祉課長補佐 そうですね。今回、回答者の負担の軽減のために同一項目を別にするというふうになりましたので、同一の案件を一緒にするというのが今回はちょっと困難な状況にあります。
○源河障害福祉課長 ほかにございますでしょうか。
小船アドバイザー。
○小船アドバイザー 質問というよりも印象的なことなのですけれども、これまで1年分を調査していたことを3月の一月に集約されるということは、支給決定をお預かりしている市町村の立場からしても、年度末でサービスを割と充実してお使いになっている時期かなと思います。特に障害児の方は春休み中等になりますので、サービス利用についても過不足なく支給決定させていただいているような状況が調査できるのかと思います。それと、事業所さんの御負担軽減という意味でも、確かに1年分を集計取られるのは大変なことだと思いますし、6月に調査を実施して直近の3月の実績内容というタイミングもとてもよろしいのではないかという印象を受けました。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
ほかにございますでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。資料5、資料6に基づき、令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の実施について御説明させていただきます。
○小林障害福祉課長補佐 資料5、資料6、令和2年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査の実施につきまして、御説明させていただきます。こちらのほうも先ほどの調査と同じように、資料5が概要版になっております。資料6につきまして詳細な調査票になっておりますので、資料5、横版の資料のほうで御説明させていただきたいと思います。
まず、1ページ目の1の調査項目でございます。本調査は、障害福祉サービス等従事者の給与等を調査しまして、障害福祉サービス等報酬改定の影響等の評価を行うとともに、報酬改定の基礎資料を得ることを目的としております。今回は特に10月から創設された、福祉・介護職員等特定処遇改善加算の状況把握がメインとなっております。
2の調査時期につきましては、前回10月に実施していたところ、今回は4月に変更いたします。また、公表時期につきましては、報酬改定の検討中であります本年秋頃に調査結果を公表する予定でございます。
1ページ、3~5の調査対象、抽出方法、抽出率につきましては、前回の平成30年度調査と同様で行う予定でございます。
6の調査項目につきましては、福祉・介護職員等特定処遇改善加算に関する項目を追加しているところでございます。
2ページ目をごらんください。令和2年度の調査においては、大きく特定処遇改善加算の状況把握等、同時期に実施予定の経営実態調査との項目整理、回答者負担の軽減の3つの考え方に基づいて見直しを行うこととしております。
まず、今回の調査のメインは、令和元年10月に創設されました特定処遇改善加算の状況把握がメインであります。そのため、特定処遇改善加算に関する調査項目を追加しているところでございます。
また、実施時期につきましては、前回は4月の報酬改定の状況を4月から9月までの一時金と9月の給与で把握することから、10月に実施していたところでございます。今回は10月から創設された特定処遇改善加算の状況を速やかに把握するために、10月から3月までの一時金と3月の給与を調査することとしておりまして、実施時期を4月に変更しているところでございます。
また、2番目の項目の経営実態調査との項目整理につきましてです。こちらのほうは、先ほども御説明しましたが、総務省から同時期に実施する障害福祉サービス等経営実態調査と酷似している調査項目を整理しまして、回収率の向上を促すよう指摘されているところでございます。経営実態調査と類似している項目は職種別給与額と職種別従事者数であり、2つ目のポツになるのですが、2つ目のポツのとおり、処遇状況等調査においては、職種別従事者数の項目を削除することとしております。
また、3の回答者負担軽減のための項目の削除につきましては、今回の調査では特定処遇改善加算に関する調査項目を追加するために、その分の回答者負担の軽減を図るため、前回調査で把握している項目のうち変化が少ないと考えられる項目を削除することとしております。後ほど詳細は3ページにまた対比をしてありますので御説明します。
これまでの変更調査につきましては資料6として添付してありますが、こちらの概要版で説明とさせていただきます。
3ページ目になります。先ほどと同じように項目を変更したところを対比として、左側に平成30年度調査、右側に令和2年度調査としております。先ほど回答者の負担軽減をするために調査項目として変化が少ないと思われる項目については真ん中ら辺で、加算(I)、加算(II)の行わない理由などは削除させていただいております。
また、左側、特定処遇改善加算の届出の追加等につきまして加算の提出状況、5項目につきまして項目を追加しております。
その下、調査対象サービスの従事者数につきましては、御説明のとおり削除というような形で調査を行うこととしております。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
佐藤アドバイザー。
○佐藤アドバイザー 削除の理由は実に先ほどの御説明で分かっております。追加の項目が多少多いようですけれども、今、調査票を拝見したところ、それほど問い数が増えている感じでは、変更の対照表で拝見するよりも増えている感じは質問紙の上ではなかったので、これなら大丈夫だと思います。全体としてとてもよくできた変更案だと思います。
もう一つは、同時期に行う2つの調査ですが、対象は完全に別の機関になるように調整なさるのでしょうか。一部重なるのでしょうか。
○小林障害福祉課長補佐 調査対象が全数となる小規模なサービスは重複するのですが、その他は調査対象がダブらないような調整は負担軽減のためにしていくことになると思います。
○佐藤アドバイザー 全数調査のところは2つやることになるなと思って拝見していましたけれども、それ以外のたくさんあるところでは重ならないように調整していただければと思います。ありがとうございます。
○源河障害福祉課長 野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 簡素化するのは事業所にとってはとても助かるので歓迎するだろうと思うのですけれども、前回の令和元年の経営実態調査を見ても、前回のものでも8割近く回答率があるところもあれば、サービスによって2割台のところもあったりして、簡素化すると一概に、回答はしやすくなるのでしょうけれども、回収率、回答率が上がるのかなという気がしまして、2割台とか3割台のところにもっと回答してもらうような方策はあるのかなと思うのですが、そういうところは多分このぐらいの簡素化では同じような気がするのですけれども、これは質問紙をわっと配って郵送して、それで来るのを待つという感じですか。
○小林障害福祉課長補佐 そうですね。前回は自治体に協力いただいて提出していただいたりしております。今回もそういうところと協力し、客体を増やしたりして回答率を上げるようにして、こちらのほうもやっていきたいなと考えています。
○野澤アドバイザー そのあたりは何か工夫したほうがいいのかなという気がしますね。サービスごとに文化も違うし、体力とかも随分違うと思いますので、そのような気がします。
○小林障害福祉課長補佐 御意見としていただいておきます。
○源河障害福祉課長 岩崎アドバイザー。
○岩崎アドバイザー 私も野澤アドバイザーがおっしゃることに賛同というか、毎回出てくる数字が実はある程度事業者に余裕があるというか、そういうところの回答であって、本当にいろいろな意味で厳しいところが回答できていないのではないかと。この結果が本当に代表性があるのかという議論はあると思うのです。無記名での御回答なので、回答したところに何かメリットということもなかなか難しいと思いますけれども、やはり何とかして代表性がある数値というものが出ればいいなと、それは要望でしかございませんが、よろしくお願いいたします。
○源河障害福祉課長 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。資料7に基づき、障害福祉サービス等報酬改定検証調査の実施について、御説明させていただきます。
○小林障害福祉課長補佐 資料7になります。報酬改定検討調査の実施についてということで、まず1ページ目をお開きください。こちらのほう、平成30年度、令和元年度、令和2年度の報酬改定に向けた各調査のスケジュール案を書いてあります。一番右側の令和2年度、赤い文字で書いてあるところが新しい調査になっております。もちろん下の白い部分なのですが、今は2月なので新年度になりましたら、厚生科学研究費や総合推進事業など、今まさにテーマ、必要な調査を整理、募集しているところでございまして、こちらのほうはまた増えましたら御報告します。
今回、報酬改定に向けて必要な調査というのは30年度、元年度から続けておりまして、今日現在、令和2年度ではこの赤いところの調査を御報告させていただきます。
調査の項目の2ページ目をお願いいたします。先ほどは見やすいように増えているところを赤字で書いておりますが、この赤字の調査につきましての概要を御説明させていただきます。
1の調査の目的につきましては、次期報酬改定に向けての基礎資料に必要な各サービスの提供実態を把握することを目的としております。
実態調査なのですが、まず(1)訪問系サービス支援の実態調査、(2)施設入所における摂食・嚥下機能支援の実態調査、(3)共同生活援助事業における夜間支援の実態調査、(4)障害児通所支援事業所における医療的ケア児の受入れ実態調査、(6)障害児入所施設の支援の実態調査、以上6項目を現在予定しているところでございます。
スケジュールにつきましては、4月までに仕様書等を作成しまして、受託機関を決定します。
なお、今、(1)から(6)の調査につきましては、次のページから3ページ以降に調査概要等を添付しているところでございます。
今回の調査内容につきましては現時点の調査の関係でございまして、今後変更があり得ることを申し添えたいと思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ただいまの説明について、御質問、御意見等がございましたら、お願いいたします。
また、これに限らず、平成30年度、令和元年度の報酬改定を踏まえた現状や、本日参考資料として障害福祉分野の最近の動向という資料をお配りしておりますので、それにつきましても何かございましたら、御発言いただければと思います。
野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 意見がないようなので。やはり現場で今すごく困って直面している問題は、行動障害と身体拘束だと思うのです。随分、強度行動障害の支援者養成講座とかをやられるようになって、これだけ地域の福祉に従事している方たちが全国で養成講座を受けようというものになってきたというのは、やはり日本の障害者福祉のある意味到達点だと思って、私はすごくいいことだと思っているのですけれども、実際に現場でどのぐらいそれが反映されているのだろうと見ると、まだまだ形だけ。身体拘束も本当にきちんと書類は整っているけれども、身体拘束の意味そのものが余りわかっていなくて、かなり形骸化してやられているという事例も最近いろいろなところで見ます。
それが各地でそうではないかという指摘もあちこちから聞こえてくるのです。ここが本当に大事なところで、一番利用者側の生活の質を考えたときにも、むしろ身体拘束することによって行動障害を引き起こし、それによってまた身体拘束を繰り返すみたいなこと。表面上の書類だけは整っているけれども、実態としては同じことが繰り返されている。ここをぜひ改善に向けてもう一段アクセルを踏んで取り組んでいけるような調査だとか報酬改定への反映というものがぜひ必要な時期だなとすごく痛感しているのです。そのあたりを、先ほどのいろいろな調査項目がありましたが、ここが必要ではないのかなと思ったりしているのです。そのあたりは何かやりようがあるのかなと、自分でもこうしてほしいとかこうすべきだと言えないのでもどかしいのですけれども、ちょっとそのあたりを考えているのですが、どんなものでしょうかね。
○小林障害福祉課長補佐 こちらは今、御説明した調査項目自体を増やすというのはなかなか難しいのですけれども、本年、身体拘束の関係の実態調査につきましても調査しておりますので、その調査結果も見ながら、どういうことが見えてくるかというのを考えていきたいと思います。
以上です。
○野澤アドバイザー 関連で、身体拘束をやられているというのはマイナスだけではなくて、実際に身体拘束をやめて行動障害の改善につなげているところも結構聞くのです。ぜひそういうところの調査もしてもほしいと思うのです。どうすれば改善につながっていくのか。そこは経営上どんなプラスマイナスがあるのかみたいな相関関係をぜひ知りたいなと思っているのです。それを示すことによって、一生懸命やろうとしているところを後押しできるような気もするのです。
○小林障害福祉課長補佐 御意見をお伺いしまして、いろいろ考えていきたいと思います。
○源河障害福祉課長 佐藤アドバイザー。
○佐藤アドバイザー 今、野澤アドバイザーから提起された問題は、サービスの質をどう計測するかということだと思うのです。こうした質問紙の調査で質を計測するというのは非常に難しいということを調査している人間としては実感しておりますので、やはり別立てで、事例研究のようなことを別に走らせて実態を把握してただくのがよいかと思います。こうした質問紙の調査では、とりあえず提供されているサービスの量ですね。時間で計測できるかと思いますが、それと、それに携わっている従業者の方とその給与とか全体の収支の関係といったことを正確に捉えることに注力していただければ、それで十分だと私は考えております。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
橋本アドバイザー。
○橋本アドバイザー やはりちょっと質の話なのですけれども、グループホームが地域格差はありますが新規参入のところが随分増えてきて、数自体は地域で随分増えてきているなと感じています。ただ、やはり軽度の人を対象としているところが多く、重度になってくると難しく、入れるところがなかなかないのが実態だと思います。重度の方を見られるということを質と捉えるかどうかというところはありますが、なかなかそこが追いついていっていないなと思います。ぜひ重度の方々も地域で暮らしていけるグループホームが今後増えていくことが望まれていると思います。
以上です。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
小川アドバイザー。
○小川アドバイザー 資料の6ページ、別紙4の「障害児通所支援事業所等における医療的ケア児等の受け入れ実態調査」の1つ目の○にある、動ける医ケア児についてです。こちらの部分については、手間がかかる割には報酬上の問題があって、評価のあり方を検討するというのは大変いいことで、ぜひやってほしいなという思いで、意見というか感想です。
現場の意見で例えば、肢体不自由児を育てる会という団体からは、動ける医ケア児のための受け入れ先の必要性を求められたりしています。また柏市には、東葛地区初の医療方福祉センターとして整備した重症心身障害児者入所施設がありますが、動けない重心を入所させたほうが事業所からすると報酬や人的負担のバランスを考えても割がいい。また重心の定義を大島分類を基本にするといったような考えがあるからだというわけではないですけれども、ただ、実際、動けない重心だとか途中で交通事故とかで重身になった人はなかなか受け入れてくれないので、何とかしてほしいという現場の声はあります。支援が大変な動ける医ケア児等を支援するような人たちにスポットを当てるような方向、報酬体系になっていただければいいかなと思いますので、この点についてはやっていただくという考えは大変評価しているところでございます。
以上でございます。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ほかにありますか。これまで今日皆様からいろいろな御意見をいただきました。最初の経営概況調査のところで特に就労A型、放課後デイサービス、計画相談、障害児相談支援について気になるというお話をいただきました。特に概況調査の中で収益に対する給与費の割合が低下していることについて、皆様から御意見をいただきましたが、この点は障害者部会でも御意見を頂戴しておりまして、この調査でできるかどうかはともかく、ほかの調査も踏まえて給与の割合がどうなっているかという分析はしていきたいと思っております。
それから、調査全体を通して大きなフレームワークに影響を与えない範囲で簡素化をしてほしいというお話、調査方法の変更がほかの分析に影響を与えないようにという御意見もいただきました。
それから、回収率を上げる工夫についても御意見を頂戴しました。
報酬改定の検討に当たって、利用者の支援の質、サービスの質の継続をどう考えていくかや、あるいは身体拘束の問題をどう考えているかというのは前回の報酬改定のときにも次期報酬改定に向けた検討事項として残されているというふうに認識しておりまして、今後それを念頭に置いて、調査等も踏まえて検討していきたいと思っております。
個別の話題といたしましては、グループホームが増えているが、重度の人をどう考えていくかという問題や、動ける医ケア児についても御意見を頂戴したと思っております。
全体を通してほかに何かありましたら、御意見頂戴できればと思いますが、いかがでしょうか。
野澤アドバイザー。
○野澤アドバイザー 何度も済みません。時間があるようなので、せっかくの機会なので。
先ほど最初に政務官からもあったように、やはり大枠から見れば財源はだんだん厳しくなっていくし、重度化が進んで、高齢化が進んで、どこに重点的にそういう限られたものを充てるかというのが現実的には問われると思うのです。先ほど橋本アドバイザーがおっしゃったように、重度の人で特に行動障害があるような、あるいは医療的ケアの必要な、そういう人が普通に地域で暮らせるようなところを目指していくべきだろうなと思うし、働けそうな人で一人暮らしできそうな人は、むしろ地域共生社会の土俵のほうにもうちょっと近寄って、福祉だけではなくて、むしろ地域全体で支えたり支え合えたりする中でやっていくということも考えていくべきだろうなと思います。
先ほど私は身体拘束のことを言いましたけれども、これは本当に佐藤アドバイザーがおっしゃるとおりで、なかなか質問紙でアンケートして返ってきた数字を見てもわからないですね。個々のケースを幾つも洗い出して、例えば私の知っている範囲でも幾つかあるのですが、行動障害があるということで入所施設、どちらかというと公的に近い入所施設にいると。ところが、そこは身体拘束をやって、また行動障害を引き起こしているという悪循環をして、社会から隔離しているだけであって、本人の質の改善には全然つながっていない。だけれども、強度行動障害の何とか事業というので加算をいっぱい使っている。ここは相当、本人のためにもなっていし、職員のためにもなっていないし、誰のためにもなっていないと思うのです。その一方で、こういう方たちは最近あちこちで、やはり地域でということで地域の民間の法人がグループホームに引き取ったりする。そうすると、最初は大変なのです。結構荒れている状況で、だから2人ぐらい配置して赤字なわけです。年鑑結構な赤字。でも、頑張ってやっているとどんどん改善されてきて、そのうち行動障害もなくなって、普通の状況で暮らせるようになってくる。
そうすると、ここはまた支援区分を下げられてしまったりする場合がある。そうではなくて、頑張っているというのでそのまま支援区分の高いまま出してくれているところもあったりして、グループホームに移ったときにこのグループホームを経営しているところがどんな体制を取っていて、どのぐらい経営面で負担をしているのかとか、改善されてきた後どうなっているのかとか、そういう事例をいっぱい出してほしいと思うのです。どこが困っているのか、どこが頑張っているのかというところを浮き彫りにして、そこに重点的に予算をつけていって、そういうところをふやしていくというのが一番必要なのではないかと思っています。
余りにも強度行動障害は大変だということだけで、ただそれだけで大きな施設でお金をたくさんつけるという、もうそんな時代ではないと思いますし、それは明らかに失敗してきた歴史があるわけで、次の新しい時代に踏み出すべきだと思います。
○源河障害福祉課長 ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
本日予定している議事は、以上で終了となります。今日も日頃の御研究、あるいは支援や自治体での現場でのお話だったり、あるいは当事者の御家族としての立場でいろいろ御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございました。野澤アドバイザーから最後にありましたように、アンケート調査だけではなくて事例研究等も、いい事例等も踏まえて今後検討していきたいと思っております。
次回の検討チームは、詳細な日時や場所等が決まりましたら、改めてお知らせさせていただきます。
本日は、お忙しい中を長時間にわたり、どうもありがとうございました。これをもちまして「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」の第6回会合を終了させていただきます。ありがとうございました。