第25回技能検定職種の統廃合等に関する検討会議事録

日時

令和2年2月6日(木) 17:00~18:50

場所

中央合同庁舎第5号館共用第8会議室

出席者

委員(五十音順 敬称略)

議題

(1) 令和元年度技能検定職種の統廃合について
 a 検討対象職種の説明
 b 業界団体からのヒアリング
(2) その他

配布資料

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議事

第25回「技能検定職種の統廃合等に関する検討会」
○樋渡係員 定刻となりました。本日はお忙しい中、令和元年度第2回技能検定職種の統廃合等に関する検討会に御出席いただきありがとうございます。委員改選がございましたので、改めて御紹介をいたします。五十音順で御紹介をさせていただきます。玉川大学経営学部国際経営学科教授の大木栄一様です。株式会社日刊工業新聞社編集局中小企業部長の川瀬治様です。政策研究大学院大学教授の黒澤昌子様です。協和監査法人代表社員公認会計士の髙山昌茂様です。ものつくり大学技能工芸学部教授の武雄靖様です。職業能力開発総合大学校名誉教授の松留愼一郎様です。明治大学商学部専任教授の山下洋史様です。職業能力開発総合大学校名誉教授の和田正毅様です。
では初めに、お手元のタブレットで資料の御確認をお願いいたします。厚生労働省では会議のペーパーレス化を推めており、本会議について、今回は一部ペーパーレス開催とさせていただいております。タブレット内の資料の読み上げをさせていただきます。まず、01番として議事次第、02番は参考資料、検討会開催要綱と参加者名簿、03番は資料1の職種の統廃合について、04番は資料2の2職種の概要と統廃合等の経緯、05番として資料3のパブコメ意見募集及び御意見、06番として資料4の業界団体へのヒアリング項目、07番は参集者限りの資料1のウェルポイント施工技能検定統廃合検討会ヒアリング提出資料、08番は参集者限りの資料2の印章彫刻技能検定統廃合検討会ヒアリング提出資料、09番は参集者限り資料2-1の印章業会員数推移、10番は参集者限り資料2-2の印章彫刻講座です。これらの資料に不足あるいは機材の不調等ございませんでしょうか。フォルダ内のPDFが01~10番まであります。御確認いただきましてありがとうございます。もし、この先も含めまして機材の不調等ございましたら樋渡までお申し付けください。
また、本日は業界団体からの自由な意見を聴取することから、ヒアリング部分については非公開で行うことといたします。本日の検討会の開催に当たり、主任職業能力検定官の成毛より御挨拶申し上げます。
○成毛主任職業能力検定官 本日は、職種統廃合検討会に大変お忙しい中お越しいただきましたこと感謝申し上げます。
さて、皆様御承知のとおり、この技能検定については60年も経過をして、約700万人の方が受検されて技能士となっていただいている伝統のある資格制度です。最近、働き方改革等もありまして、仕事の見える化、働き方の見える化が言われていますが、職業能力の見える化という点において、この技能検定はこれからもますます重要な位置付けになってくるだろうなと思っております。
ただ、その中にあっても、本日御審議いただく都道府県方式の技能検定については、国及び都道府県からの補助金が入っていることもありますので、やはりそこはしっかりとしたニーズを踏まえた技能検定でなければなりません。具体的に言いますと、業界としてこの技能検定がしっかり活用されているとか、技能士が活躍できる、あるいはしっかりと企業の中で評価されるといった制度として使われているかどうかということが大切なところでございます。本日は、業界団体から対象職種についてヒアリングを行います。皆様方の活発な御意見、御議論を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○樋渡係員 それではこの検討会を進めるに当たり、座長を選出いたしたいと思います。座長については、開催要綱の中では「互選により選出する」となっております。どなたか立候補されたい、または推薦したい方がいらっしゃいますでしょうか。どなたもおられないようでしたら、大変僭越ではございますが、事務局として黒澤委員に座長をお願いしたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
                                   (異議なし)
○樋渡係員 ありがとうございます。それでは、座長を黒澤委員にお願いすることとさせていただきまして、これからの進行は黒澤座長にお願いをいたします。
                            (黒澤委員、座長席に移動)
○黒澤座長 本日はお集まりいただき、どうもありがとうございます。私はこの委員をまだ1年もやっていないような状況で、このような大役を仰せつかりまして大変恐縮なのですが、精一杯やらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、本年度の統廃合等検討対象について、また今回のヒアリング対象について事務局より説明をお願いします。
○中島上席職業能力検定官 事務局の中島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私の方から資料に沿って御説明等をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。着席にて失礼いたします。
タブレットの中で03の職種の統廃合についてというのをクリックいただければと思います。こちらは資料1の技能検定職種の統廃合等についてです。行政改革の重要方針ということで、平成17年12月24日に閣議決定がなされておりまして、既存の職種については民間の指定試験機関への移行を促進するとともに、経済社会情勢の変化に対応した統廃合を行うということです。2番目、規制改革推進のための第2次答申ということで、平成19年12月25日の規制改革会議で、具体的に例えば受検者数が年間100名以下の検定職種等については廃止する方向で検討を進めることとするなど、定量的な基準を盛り込むべきであるという答申が出ております。
それを踏まえて矢印の所ですが、技能検定の職種等の見直しに関する専門調査委員会報告書ということです。平成21年1月にこの検討体制を踏まえて、特に3番の所ですが、統廃合等の判断基準ということで、検討対象職種の選定(第1次判断)、過去6年間の年間平均受検者数が100人以下。ただし、以下の場合は検討対象から除外するとしまして、1 直近2年間の受検者数がいずれも100人超、2 隔年又は3年ごとの実施で、平均受検申請数が50人又は30人に達する場合ということで、このような場合は検討対象から除外する形になっております。
2ページからは、これまでの検討状況ということです。平成21年以降廃止が11職種、他職種との統合が2職種ありまして、その経緯が4ページまで載っております。
5ページです。今年度、令和元年度の検討対象についてですが、左側の方に黄色で書いてある陶磁器製造、ウェルポイント施工、印章彫刻というものが本年度の検討対象でして、右側に検討対象と書いてあるのですが、その中で陶磁器製造については、昨年の11月に開催しました第1回の検討会で、廃止の方向で検討を進めるということです。ただし、試験の最終実施を3年後に行うという結論をいただいているところです。本日については、残りのウェルポイント施工職種、あと印章彫刻の2職種が今回の検討対象となっているところです。以上です。
○黒澤座長 ありがとうございます。以上の事務局の御説明のとおり、本年度の検討対象は3職種ではありますが、そういうことで本日はウェルポイント施工と印章彫刻の2つの職種を検討することになります。何かこれについて御質問などありますか。
それでは、今回のヒアリング対象であるウェルポイント施工と印章彫刻の職種について、業界団体からのヒアリングの進め方を事務局からお願いします。
○中島上席職業能力検定官 分かりました。そうしましたら、ここからは非公開ということで開催させていただきたいと思います。傍聴者の方は御退室願います。
                                  (傍聴者退室)

○黒澤座長 すみません。時間が過ぎてしまって申し訳ないのですけれども、それでは、ヒアリング済みということで、ウェルポイント施工と、それから印章彫刻について、皆様に御議論いただきたくお願いいたします。
まず、ウェルポイント施工について、皆様に御意見いただきたいのですが、よろしくお願いいたします。お1人ずつでも大丈夫でしょうか。よろしいですか。
○成毛主任職業能力検定官 できれば、お1人ずつ。
○黒澤座長 では、和田委員からお願いしてもよろしいですか。ウェルポイント施工についてお願いいたします。
○和田委員 ウェルポイント施工技術は重要だと思いますし、こういう努力をされているところもありますので、関係業界団体は、今後、会員以外も含めウェルポイント工法への理解促進等を通じ、試験実施間隔を隔年ごとから3年毎に実施することを条件に、引き続き都道府県方式による存続は認める形で進めていただければいいのかと思います。
○黒澤座長 ありがとうございます。
○山下委員 私も先ほど個人的な意見を言いましたが、業界も3年に1回ということで考えていらっしゃるようなので、少し先ほども質問させていただいたのですが、こういう作業に関しては、この資格がないと駄目なのだと、特に液状化に対して、資格を持っていない人ができるのかどうかを明確にしていっていただきながら、3年のインターバルということだと、その分1回に受ける人が多くなることと、それから2級から1級というところのタイミングに合うので、現時点ではそこら辺が自然かと思います。
○黒澤座長 落としどころかということですね。ありがとうございます。松留先生、いかがでしょうか。
○松留委員 業界団体の方のお話をお聞きしても、3年に1回実施することで、1回様子を見るのが良いと思います。それで本当に伸ばしていただき、努力もしていただき、3年に1回ということで様子を見て、それで難しければ今度はもう一回審議をしなければいけないかと思います。
○黒澤座長 ありがとうございます。
○武雄委員 私も同じです。かなり難しい印象は受けましたが、頑張ってくださることに期待していきたいと思います。以上です。
○黒澤座長 ありがとうございます。
○髙山委員 私も個人的意見を言わせていただきましたけれど、液状化対策がこれから非常にクローズアップされることだと思っておりますので、このウェルポイント施工について、3年ごと実施ということについては賛成いたします。
○黒澤座長 ありがとうございます。
○川瀬委員 私も業界団体の方のお話をお聞かせいただいて、周知活動に力を入れていくことの熱意も、あるいは実際もう出てまいりましたので、3年ごと実施でいいかと思います。
○黒澤座長 ありがとうございます。大木先生はいかがですか。
○大木委員 同じでいいです。
○黒澤座長 ただ、印象としては、ウェルポイント施工の方が2番目の方よりもかなりやる気というか情熱が感じられなかったというところがありましたね。何か、お上頼みというというところが見えたので、その辺りを、先ほど和田先生がおっしゃっていましたが、やはり1級だとどのぐらいで、2級だとどのぐらいかといったものを、もう少し明確にして、それをアピールするということを、1つの条件とした上で、3年ごとの実施にするという形でよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
そうしましたら、印章彫刻についてはいかがでしょうか。今度は、大木先生からよろしいですか。印章彫刻についてはいかがですか。
○大木委員 団体が会員以外を含め潜在的な受検候補者への働きかけに取り組む姿勢をみせていること等を踏まえ、直ちに廃止とはせず、当該団体としての、受検者拡大に向けた具体的な取組結果を踏まえ、改めて本検討会に諮ることでいいです。
○黒澤座長 印章彫刻は、昭和45年に申請されたのですが、累計受検者数が段々と減っていて、技能検定の受検は非常に低調であることと、過去にもこういった統廃合の検討会の対象に挙げられているよということ。また、ヒアリングによると潜在的な受検者候補者数はあるけれども、受検ニーズに繋がっていないということ、技能検定を長く実施しているにもかかわらず、業界全体として技能検定の必要性が理解されていないことが考えられます。このため廃止することが適当ではないが、しかしながら一方で、関係業界の団体は会員以外を含めて、潜在的な受検候補者への働き掛けに取り組む姿勢を見せていること、現行の3年ごとの実施に当たる令和3年度の技能検定試験では、先ほど令和3年度は120名以上あるのだとおっしゃってましたので、そういったことを踏まえて、直ちに廃止とはせず、令和3年度の受検者数をきちんと見極めた上で、当該団体としての受検者拡大に向けた、具体的な取組結果を踏まえて、改めて本検討会にて諮ろうということでございますね。
○川瀬委員 私も先ほどのお話で、熱意が感じられましたので、廃止が適当であるかもしれないのですが、もう一度見てということに賛成です。
○黒澤座長 ありがとうございます。髙山先生、いかがでしょうか。
○髙山委員 私は先ほどから厳しいことを申し上げているのですが、その背景としては、私は公益認定等委員会の参与をやっていまして、公益法人を管轄して見ております。この協会が積極的に活動するのは相当厳しい、もともと協同組合があり、その中から公益法人が出ていますので、公益法人としての活動は相当制限をされていますので、やる気はあっても、なかなかできない、だからこそ下の協同組合や任意組合を動かすしか、まずないだろうと。
本当にやる気ならば、その自分たち自らの協会が公益認定等委員会に働き掛けて、こういう事業をやりたいよと、正にこの事業を拡大したいよということで、公益事業に認めてもらう、あるいは収益事業に入れてもらうところまでやると、私としては二重丸なのですが、実際にはそこまで中々できない。ただ、動けないからこそ下に頼むという熱意は感じました。協会としての活動には、やはり限界があるのですが、本当はそこをもう一歩打破してもらいたい希望があって、厳しく申し上げたのですが、中々こういう成り立ちの組織では意見がまとまらないのですよ。また、外からは中々入ってこられないという限界もあり、非常に気の毒な制約がある中で頑張っていらっしゃると思いました。直ちに廃止とはせず、令和3年度の受検者数をきちんと見極めた上で、当該団体としての受検者拡大に向けた、具体的な取組結果を踏まえて、改めて本検討会にて諮ることで結構です。
○黒澤座長 ありがとうございます。
○武雄委員 僕も120名に期待したいと思います。
○黒澤座長 ありがとうございます。松留先生は。
○松留委員 申し上げたとおりで120名を見ましょう。それで難しければ、今度こそ厳しいかなと思います。業界努力も見ましょう。
○黒澤座長 ありがとうございます。山下先生、いかがでしょうか。
○山下委員 直ちに廃止とはせず、令和3年度の受検者数をきちんと見極めた上で、当該団体としての受検者拡大に向けた、具体的な取組結果を踏まえて、改めて本検討会にて諮ることで結構です。
○黒澤座長 ありがとうございます。和田先生。
○和田委員 一言だけ、やはり7,000事業者があって、950名、ほとんど個人ですね。そうすると、恐らく一代限り、後継者がそういないのではないかと。そうすると、120名というのも今後、続けていくのは非常に難しいかと、だからそこら辺のところをもう少し拡大することを、やはりもうちょっと努力をして欲しいということをお伝えできればと。
○黒澤座長 おっしゃるとおりですよね。次回だけ受験者数が増えてもそれ以降は駄目というのではなく、安定的に受験者数を確保することが可能なのかどうか。そういった側面と共に、そもそもこの技能が社会で必要とされ続けるものなのかということに問題があると思われるので、その辺りは努力はされているのだけれども難しいかもしれないことを含みおきながら、直ちに廃止とはせず、令和3年度の受検者数をきちんと見極めた上で、当該団体としての受検者拡大に向けた、具体的な取組結果を踏まえて、改めて本検討会にて諮る形でよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。時間がオーバーするかと思っていたのですが、皆様の御協力のお陰で、うまい感じでまとまるかもしれません。既に皆様と日程調整をさせていただいておりますが、もしこの場で、皆様の御意見が出尽くされたようでしたら、次回は私の方で事務局とたたき台を作らせていただき、皆様にはメールでお知らせして、御意見をいただくという持ち回りの形でやらせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。ありがとうございます。では、そういうことでよろしいですか。
○成毛主任職業能力検定官 今の先生方の御意見を整理いたしますと、ウェルポイント施工については、社会的ニーズが災害対策でもあるということ、だけれども受検者もまだ少ないですし、一方で業界団体がやる気にはなっていることで、結論からすると、いきなり廃止ではないですが、存続はするけれども、実施間隔をまず延ばして様子を見ると、その間に業界団体の取組をしっかりフォローさせてもらうというような感じでよろしいですか。
それから、印章彫刻については、今の先生方の御意見を踏まえますと、受検者は少ないわけなのですが、その都度業界団体としては受検者増に向けた取組をしているのですが、中々安定的な確保に繋がっていないことで、全体的に見ると廃止が適当なのかもしれないのですが、ただ先ほど言っていたとおり、非常に熱心であって、受検者増への取組もやると言っていること、それから特に会員外についての取組もやると言ってはいるので、その辺はよく厳し目に見ることで、陶磁器製造と同じように、一旦廃止ということを考えつつも次回の受検者数、それから次回のそのときに業界団体の取組状況を踏まえて、また再度この検討会で諮っていくという形のまとめ方でよろしいでしょうか。
○黒澤座長 ありがとうございます。
○成毛主任職業能力検定官 そうしましたら、これで事務方で報告書案を作って、座長と相談しながら、それで先生方に一旦メールで送らせていただく形にしたいと思います。
○中島上席職業能力検定官 本日はありがとうございました。報告書案について次回の検討会で御議論いただきたいと考えていたのですが、持ち回りで。
○成毛主任職業能力検定官 当初、次回報告書案についてお諮りいただこうということで、3月18日の午前で考えていたのですが、先ほど言いましたまとめ方で、一度報告書案を作って、とりあえず先生方にお送りさせていただき、持ち回りで終わらせたいと思います。
○黒澤座長 そうしましたら、今の時点では、それ以降の日程調整の必要は別にないですよね。
○成毛主任職業能力検定官 本年度は終わります。
○黒澤座長 本当にどうもありがとうございました。