2019年度第3回化学物質のリスク評価検討会議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

令和元年12月19日(木)13:29~15:35

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 12I

議題

  1. リスク評価対象物質のリスク評価について
    1. チオ尿素
    2. エチリデンノルボルネン
    3. 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸
    4. メタクリル酸2,3-エポキシプロピル
    5. ジボラン
    6. ニッケル(金属及び合金)
    7. 1-ブロモプロパン
  2. その他
    1. リスク評価実施要領及びばく露評価ガイドラインの改定について
      (ばく露評価小検討会での検討結果の報告)
    2. Ceiling等を二次評価値としていた物質のリスク評価について
      (イソホロン及び2-ブテナールの初期リスク評価書案の再検討)

議事

 
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら時間が参りましたので、本年度、2019年度第3回の化学物質のリスク評価検討会を開催させていただきたいと思います。
本日は、内山先生、原先生と吉成先生が御欠席ということで御連絡をいただいております。
そうしましたら、
座長の名古屋先生、お願いできればと思います。
○名古屋座長 ではまず、事務局から資料の確認、よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 ペーパーレス開催ということで、委員の方々にはタブレットをお配りしておりますけれども、Web上にも一式、資料を載せてございます。
資料1-1から1-6までチオ尿素、エチリデンノルボルネン、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、メタクリル酸2,3-エポキシプロビル、ジボラン、ニッケル──ニッケルの中でも金属及び合金ですね──、この6つの初期リスク評価書案と、ちょっと追加の説明が発生するのですけれども、資料2-1として1-ブロモプロパンのリスク評価書案をおつけしてございます。この1-ブロモプロパンについては、後ほど、具体的な御説明をさせていただきますけれども、資料2-2としてブロモカーボン協議会さんからいただいている資料をおつけしてございます。
そのほか、資料3-1から3-3まで、Ceiling等の取り扱いについての資料を3つご用意しておりますのと、それを踏まえて、再検討をお願いできればと思っております個別物質2つについて、資料4-1と4-2として初期リスク評価書の案を、具体的にはイソホロンと2-ブテナールについて、それぞれ資料を御用意してございます。
参考資料としましては、リスク評価検討会の開催要綱と名簿、リスク評価の実施状況、この辺りは毎度のものです。また、Web上ではリンクの形で掲載させていただいておりますが、委員各位のタブレットには、参考資料3-1としてニッケルの中間報告を29年度にやらせていただいたものですとか、3-2として1-ブロモプロパンの関係で過去の検討会の資料などをおつけしているところでございます。
その他、参考4として、Ceiling等の取り扱いのこれまでの議論に関する資料を御用意しています。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず、7物質について、通常の初期リスク評価事案について検討を行います。その後、前回議論したCeiling等の取り扱いについて、ばく露評価小検討会で行った議論の結果の報告の後に、議論のきっかけとなったCeiling等を二次評価値としていた物質について、初期リスク評価案の再検討を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、まずは、一番目の資料、チオ尿素、よろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら資料1-1を御覧いただければと思います。
チオ尿素の初期リスク評価書(案)です。有害性評価の中身については、ほかの物質もそうなのですけれども、これまで有害性評価小検討会の皆様には御確認いただいておりますし、ばく露評価小検討会のほうでも簡単には触れさせていただきましたので、この場でのご説明はちょこちょこ割愛しながらやらせていただきつつ、基本的にはばく露評価のポイントのところを御説明させていただきたいと思います。
チオ尿素につきましては、資料1-1の193行目に二次評価値を書かせていただきました。発がん性については、動物試験において限定的なデータはあるが、人における発がん性の報告はないと。そのほかの毒性からLOAEL、NOAELを諸々計算しまして、0.019 ppmという値を採用してございます。この物質は粉じん状なので、単位としてはmg/m3を使って、0.06 mg/m3と表現した方がいいかもしれませんね。ともあれ、こちらの値を採っているところです。
それに対するばく露作業報告の提出状況等につきましては、記載のとおりです。詳細は割愛させていただきますが、58事業場から提出がございました。
そのうち7事業場から同意が得られまして、ばく露実態調査をやらせていただきました。個人ばく露測定24人分、スポット測定19地点、A測定が3単位事業場ということになってございます。
チオ尿素の用途です。「他製剤の原料」ないし「触媒又は添加剤としての使用」というようなものが主だったということなのですけれども、肝心の測定結果についてはPDFの8ページ目後半から──行数でいきますと237行目あたりからですかね──測定結果ということでまとめさせていただいてございます。一つ一つの数字のところは細々としておりますので省略させていただきますけれども、248行目のグラフを御覧いただければと思います。0.06 mg/m3という二次評価値に対して、実態調査の結果の最大ばく露が超えていました──というのが、このグラフではちょっと最大値が表示範囲を飛び越えちゃっているので上のほうは見えていないのですけれども、0.94 mg/m3と3.5 mg/m3ということで、かなり超えていた作業がございました。具体的には、このグラフにa1、a2と書いてございますけれども、下に表を書いてございますチオ尿素の粉砕とか計量の作業に従事していた被測定者のところでかなりばく露が高いような作業がございました。
これを取りまとめましたのが252行目の「リスクの判定及び今後の対応」というところになります。最大ばく露量が8時間TWAの最大値で2.1 mg/m3──いや、すみません、2.1 mg/m3は区間推定ですね、失礼しました。測定データの最大値は3.5 mg/m3です。これは後で直しておきます。ともあれ最大ばく露量は二次評価値を上回っていましたということで、詳細リスク評価の必要があるでしょう、というようなまとめ方にさせていただきました。
詳細リスク評価の際にどういった作業について注意が必要かについては、二次評価値を上回ると考えられる作業として、他製剤の製造等、特にa1、a2という同じ事業場で、チオ尿素の粉砕等を行っていらっしゃるところで高いということですので、「特に」と括弧書きで該当の作業の中身を書かせていただきましたが、こういった作業につきまして、「当該作業工程に共通した問題かをより詳細に分析するとともに、実態調査を行った作業以外に高いばく露の可能性があるかを確認する」と。経皮の勧告はございません。
そのほかは詳細リスク評価に行くパターンの毎度の書きぶりを使わせていただいているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
ここに書かれていますように、二次評価値を超えているのは、a作業場だけですけれども、これと同じような作業があるかどうかということで、もう一度確認するということと、それ以外にもしかしたら二次評価値より高いばく露を示す事業場があるかどうかを確認することで詳細リスクに行って、その辺のところを明らかにしましょうということです。このままでいきますと、詳細リスクにいくという形でよろしいでしょうか。ほかに何かありますでしょうか。よろしいですか。
そうしましたら、チオ尿素は詳細リスクにいくという形で終了したいと思います。
では、続いてエチリデンノルボルネンをお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 自分で読んでいる間に「ここ間違えてる」というのがいくつかあったので、そこは追って修正させていただきますので、失礼しました。
チオ尿素については御議論いただいたとおり、対応させていただきたいと思います。ありがとうございます。
そうしましたら、次、資料1-2、エチリデンノルボルネンを御覧いただければと思います。
非常に声に出して読みにくい物質なのですけれども、こちらにつきまして有害性評価小検討会にて御議論いただきました二次評価値が224行目に記載してございます。ACGIHのTLV-TWA、それから日本産衛学会の許容濃度、いずれも同じ値をとっておりまして、2 ppmということになってございます。こちらの値を二次評価値として採用させていただいております。
ばく露の評価の状況なのですけれども、有害物ばく露作業報告の提出状況等は233行目以降に表がございますが、8事業場から提出をいただきました。実態調査はそのうち7事業場から同意が得られましたので、そこを対象に調査を実施してございます。個人ばく露測定が13人分、スポット測定が17地点分となっています。
この実態調査の対象事業場で実際にどういった用途で使われていたのかというところにつきましては、「他製剤の原料」及び「その他」ということになってございますけれども、ばく露の可能性のある主な作業としましては、270行目のグラフとあわせて御説明させていただければと思うのですけれども、270行目と271行目の「ばく露の可能性のある作業」というところとをあわせて御説明させていただければと思います。表の各作業に対応する測定値がグラフの値となっております。例えばaさんではローリーからタンクに受け入れをするときにガス抜きするですとか、f1さんでは金属ナトリウムを投入する作業とか、そういうようなものがあるそうでして、この辺りでばく露の可能性がありそうだということで現場に測定しにいきました。
結論としましては、2 ppmという二次評価値に対して、グラフの方で御覧いただけますように、個人ばく露測定の値は非常に低い値でございました。最大ばく露濃度の推定についてまとめたものを272行目に記載してございますが、先ほど御紹介しましたグラフの測定データの最大値が0.071 ppm、区間推定をとりますと0.096 ppmとなってございますけれども、二次評価値2 ppmに比べると、かなり下回っているというような状況でございました。
結論としましては、274行目の「リスクの判定及び今後の対応」というところに記載させていただきましたけれども、最大ばく露量、区間推定をとりましても、二次評価値を十分下回っておりますので、経気道からのばく露のリスクは低いと思われる、としております。本物質について経皮の勧告はございません。
したがって、後半は自主的なリスク管理を行うべきというところで、こちらは初期リスク評価までのパターンの記載にさせていただいているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
ここもばく露は二次評価値より著しく低いですし、経皮吸収もありませんので、初期リスクで終了とさせていただきます。
何かお気づきの点はありますでしょうか。
○大前委員 271行目のところの測定者f1のところは金属ナトリウムの投入という作業があるのですが、これは本当に金属ナトリウムを投入する作業があるのかどうか、ちょっと確認を。これは本当に金属ナトリウム投入という作業があるのですか。結構危ない作業。
○阿部中央労働衛生専門官 事業場の作業の詳細については、なにぶん非公開での議論とさせていただいておりますので、公開のこの場ではあまり具体的なことはご説明できないのですけれども。対象物質の生成過程でなので溶解槽に金属ナトリウムのインゴットを投入する作業があるのだそうです。
○名古屋座長 インゴットは大きい塊だから、危険性は少ないと判断しているのですか。
○阿部中央労働衛生専門官 どのぐらいのサイズのインゴットかまでは今ちょっと把握していないのですけど、金属ナトリウムを実際に投入する作業は、どうもあるようです。
○大前委員 わかりました。ありがとうございます。
○名古屋座長 ありがとうございます。
あと、よろしいですか。
そうしましたら、この物質は初期リスク評価で終了という形になります。ありがとうございました。
 では、次の2,4-ジクロロフェノキシ酢酸をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-3です。2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、「2,4-D」と皆様お呼びのものでございます。こちらはまず269行目を御覧いただければと思います。ACGIHがTLV-TWAの勧告を出しておりまして、10 mg/m3という値がございます。こちらを二次評価値として採用させていただいているところでございます。
ばく露作業報告の提出状況が277行目以降に表としてございますけれども、こちらを御覧いただいてもおわかりになりますように、報告数は1事業場のみということで、非常に少なかったというか、調査の候補もそこしか無かったということになります。当該事業場から同意が得られましたので──すみません、ここ、括弧内では「平成30年度7事業場」となっていますが、誤りですね。ちょっと後で直しておきます。ともあれ、当該1事業場についてばく露実態調査を実施しました。製造・取扱作業に従事する1人、まさにその事業場のお一人ですけれども、その方について個人ばく露測定をやらせていただきまして、スポット測定も1地点分やってきました。
具体的な測定結果につきましては、305行目にグラフ……と呼ぶのもちょっとおこがましいようなものを書いてございますけれども、先ほど申し上げましたように、二次評価値としては10 mg/m3という値をとっているものの、当該1事業場で測ってきた結果としては、0.051 mg/m3という値が個人ばく露の8時間TWAでしたということになります。1データしかないので区間推定もとれませんで、グラフもこういう……、そもそも書いておくのもどうかなと思うぐらいの代物にはなっているのですが、ともあれ、結果としては最大ばく露が二次評価値を大きく下回っていたという状況でございます。
結論としましては、308行目、「以上のとおり」というところでございますけれども、最大ばく露量が0.051 mg/m3ということで、二次評価値を大きく下回っていたと。ですので、経気道からのばく露についてはリスクは低いと考えてよいのかなと思っております。他方、本物質につきましては経皮吸収について、DFG MAKで区分Hがついているということがございますので、経皮のリスクを考える必要はあろうと。したがって、経皮吸収の観点も含めたリスク評価確定が必要であろう、というような経皮関係の文言を入れさせていただいております。──すみません、「なお」以降が詳細リスク評価のパターンになっていないですね。こちらは後で修正させていただきますが、結論としましては、経皮の観点から詳細リスク評価にいくというような流れになるのかなと考えているところでございます。
以上です。
○名○名古屋座長 ありがとうございました。
経気ばく露的には、著しく低いのですけれども、今の流れでいいますと、経皮吸収のあるものについては詳細リスクにいって調査して評価を確定しましょうとなっておりますので、この物質につきましては、経皮吸収の観点から詳細リスクにいって、再度検討するという形になるということで、よろしいでしょうか。
そうしましたら4番目の物質、メタクリル酸2,3-エポキシプロピルですね、よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。今の2,4-Dのまとめの部分については、「なお」書き以降のところは詳細リスク評価のパターンに追って修正させていただきます。
次、メタクリル酸2,3-エポキシプロピルについてです。こちらは先日、措置検討会でもネタにさせていただきました、がん原性指針の対象となっている物質でして、実はこれまでご提示していた資料の中で記載が漏れていたことに気付きましたので、今回、資料1-4の13行目、がん原性指針の対象物質であるというところを事務的に追記させていただきました。有害性評価書のほうにも同様の記載を入れておりますので、事務的な修正として御容赦いただければと思っております。
そのメタクリル酸2,3-エポキシプロピル、有害性評価の結果としましては、これがまさに措置検のほうの資料で反映ができていなかったので大変失礼しましたというお話になったものだったのですけれども。日本産業衛生学会が0.01 ppmという値をつい最近設定してございます、というのを284行目に書いているところです。経皮の吸収もありということになってございます。
これを踏まえまして、二次評価値としては263行目に書かせていただきましたように、今申し上げました産衛学会さんの許容濃度0.01 ppmを採用という形でやらせていただいてございます。
これに対してばく露作業報告についてなのですけれども、271行目以降にまとめた表を記載してございますが、83事業場とそれなりの数が出てきていました。
一次調査の結果、高濃度のばく露がありそうなところ8事業場から調査の実施に同意が得られましたので、こちらでばく露実態調査を実施させていただきました。283行目あたりから記載しておりますように、個人ばく露測定11人分、スポット測定が21地点分、A測定が4単位事業場ということです。※印のところで補足しているのは、調査の実施については実際にはもうちょっと多く同意が得られていたのですけれども、事前調査の過程で対象から外れたりですとか、そもそも対象物質の取り扱いが無かったところもございまして、最終的に8事業場を対象としたという、経緯を記載しているものになります。
こういった調査の結果をまとめましたのが、313行目のグラフと「ばく露の可能性のある作業」の表とを上下で並べて記載しているところになります。先ほど御説明させていただきましたように、産衛学会の許容濃度を採用した二次評価値0.01 ppmという値に対して、実際の個人ばく露の状況は結構高い値が散見されましたと。特にf1さんがかなり高いですね。「抜液」──液を抜く作業ですかね。あるいはaさんの「ポンプアップにて中間タンクに仕込む」、d1さんの「対象物質をタンクへ充填」する作業──と、こういったところで0.01 ppmという二次評価値を超える個人ばく露が実際に見られましたと。このあたりの実際のばく露の値と、区間推定とかを採ったものとをあわせて最大ばく露がどのぐらいだったかをまとめましたのが315行目の「最大ばく露濃度の推定」というところです。測定データが最大になっていたのは先ほど申し上げましたf1さんで、値としては0.085 ppmでございました。さらに区間推定をとりますと、0.13 ppmという値が出てきましたというのがここのまとめです。
結論としましては、317行目以降、「リスクの判定及び今後の対応」というところで書かせていただきましたけれども、メタクリル酸2,3-エポキシプロピルの最大ばく露量0.13 ppm──これは区間推定をとったものでございますが──は二次評価値0.01 ppmを上回っていると。ですので、詳細リスク評価を行い、ばく露の高い要因等を明らかにする必要があるでしょう。詳細リスク評価のパターンでまとめさせていただいているところでございます。
具体的に二次評価値を上回ると考えられる作業については、他製剤の製造作業等ということで書きましたが、特定の事業場に限らず、複数の事業場で二次評価値を上回る傾向があるように見受けられましたので、比較的ばくっとした書き方で、「他製剤の製造作業」と書かせていただいてございます。これは経気道のほうの詳細リスク評価が必要です、という記述でございます。
一方で、324行目にも書きましたけれども、経皮吸収の指摘もございますので、詳細リスク評価の際には経皮のほうも注意する必要がございます、という書き方にさせていただきました。
また、後段、詳細リスク評価の結果を待たずリスク低減措置を講ずることが必要であるというような部分はいつもの詳細リスク評価のパターンですけれども、327~328行目の辺りについては、大体いつもは『ラベル・SDSの交付義務対象物質である』のようなことを書いている部分がなのです、メタクリル酸2,3-エポキシプロピルはラベル・SDSの交付義務対象物質になっていないものですので、代わりに強い変異原性とがん原性指針の対象物質だということを枕詞的に書いてあります。
結論としては、経気道で詳細リスク評価が必要、経皮ありということでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
今、説明がありましたように、ばく露的にも詳細リスク評価にいくし、あとは、経皮的にもリスク評価を確定させるために詳細リスクにいって、経皮吸収のリスクをきちんと評価していただけるという形になるかと思います。
何か御質問がありますでしょうか。
○圓藤(吟)委員 16ページ、許容濃度等の許容濃度の設定のところ、日本産業衛生学会、設定なしになっておりますので、修正願えますでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 失礼しました。総合評価表ですよね。修正いたします。失礼しました。
○名古屋座長 その修正、よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 失礼しました。有害性評価書のほうも入っていないですね。あわせて直しておきます。
○名古屋座長 そうしましたら、詳細リスクに委ねることで終わりたいと思います。
そうしましたら、次のジボラン、よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 
次です。資料1-5のジボランを御覧いただければと思います。
こちら、二次評価値につきましては234行目に記載してございます。産衛学会さんの提案されている許容濃度0.01 ppm、こちらを二次評価値として採用するという形を採らせていただきました。
なのでこのあたり、ACGIHのTLV-TWAが0.1 ppmで、そのほかにNIOSHとOSHAが同じように0.1 ppmという値を出されていたのですけれども、産衛学会さんのほうが新しいというか、そもそもACGIHの値はかなり古い1956年の値というところもございまして、新しい産衛学会のほうを採るというような形となりました。
二次評価値0.01 ppmに対して実際のばく露の状況はどうだったかというところが241行目以降のばく露の評価なのですけれども、247行目の表のとおりなのですけれども、ばく露作業報告自体は4事業場からございました。実態調査につきましては、4事業場のうち2事業場の協力を得ましてやらせていただきました。
ばく露実態調査の結果のところで250行目にただし書きが書いてあるので、ここのところの御説明をさせていただければと思うのですけれども。平成28年度、1事業場でまず測定を行っておりましたが、実は調査の当日にホウ素の化合物を含む粉体原料が同時に取り扱われていたのだそうで、実際に平成28年度の調査で結構高い値が出たようなのですね。ジボランの測定方法についてはPDFの一番最後のページに載せていたと思うのですが、詳細は割愛させていただきますけれども、結論から言うと、この測定分析法はホウ素を測定する方法だということでして、他にホウ素が混ざっているものが現場にあると値がぶれてしまうことになります。ですので、ここのところを測り直しました、というのがただし書きで補足しているところでございます。例えば254行目で「製造・取扱作業に従事する5人(延べ7人)」と書いているところなど、一部「延べ」という書き方をしているところがございますが、ここのあたりが、先ほど申し上げました平成28年度の事業場で測定した人について、同じ事業場の同じ人で、もう一回平成30年度にばく露実態調査を実施したため、重複する事業場と人について書いているところになります。
257行目にちょっと書かせていただきましたけれども、報告があった4事業場のうち1事業場は誤報告だったということでございます。なのもう1事業場あったのですが、そちらはボンベの運搬とかの作業をされているのみで、そこからガスを抜いたりとかしているわけじゃないというところが事前調査で把握されましたので、ばく露の可能性は低いだろうということで、調査対象からは除外させていただいてございます。結果として、残り2事業場を測っていることになります。
こういった実態調査の結果、どうだったかということで、補足が必要かなと思っておりますのが、264行目の対象事業場における作業の概要というところでございます。
265行目、「ジボランの用途は、「対象物の製造」及び「他製剤の原料」であった」。268~269行目、「作業環境に関しては、調査した作業は全て屋内で行われており、ばく露防止対策としては、粉体原料投入等の作業については局所排気装置が設置され」と、ここのところまでの書き方はあまり珍しいことではなのですけれども、その後ろのところ。呼吸用保護具が使用されていたのはいいのですけれども、「高圧ガス保安法の規定に基づくガス検知器による連続モニタリングが行われていた」という話がございました。なのでガス検知器で連続モニタリングが行われているということなので、ガス漏れの状況を見ているのだと思うのですが、そういったこともございまして、かなり厳しい管理が行われているような環境だったということでございます。
結論としましては、延べ7人の方々に対して行った測定についてなのですけれども、先ほどちょっと御説明させていただきました平成28年度の測定で、ホウ素化合物が同じ事業場で使われていたので検出されてしまいました、というところを除きますと、いずれも定量下限値を下回る低濃度だったということでございました。
個人ばく露測定による8時間TWAの値は、そもそも定量下限値以下なので算出できませんということになってございまして、毎度のグラフがないのは、そういう理由でございます。
したがって、279行目、「以上より、ばく露最大値は、ばく露評価ガイドラインの規定に準拠しても算出できない」と。ただし、個人ばく露測定の定量下限値が0.052ppbだということですので、それよりも低いというふうには言えるだろう。結論、二次評価値よりも低いと言えるだろう、というようなばく露評価でございました。285行目、最大ばく露濃度の推定のところでもろもろ計算できないとなっているのも、そういった事情でございます。
「リスクの判定及び今後の対応」としましては、288行目以降に記載してございますけれども、「ジボランの製造・取扱事業場においては、全ての測定データが個人ばく露測定の定量下限値の最大値である0.052 ppbを下回っており、二次評価値0.01 ppmに比べても十分低いため、経気道からのばく露のリスクは低いと思われる」と。経皮の勧告もございませんので、初期リスク評価までのパターンの記載にさせていただいているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございました。
特に著しく濃度が低いですので、このままですと、今、お話がありましたように、経皮吸収もありませんから、初期リスクで終わるという形になりますが、何か御質問等ありますでしょうか。
○大前委員 267行目、それから284行目に「粉体原料の投入等」というのがあるのですが、ジボランそのものはガスなので粉体原料にはならないということと、それから、この粉体原料というのは、ジボランをつくるメーカーだから粉体原料の投入という、そういうようなことと解釈すればよろしいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 
これも個々の事業場の作業の内容についてのお話なので、あまり詳細なお話はできませんが、今、御指摘いただきました原料投入についてのお話は、粉体原料を溶剤と一緒に反応機に入れながら、撹拌しながら原料ガスを注入する、そんなような作業とのことです。
○大前委員 原料ガスのところでジボランを使うということですね。わかりました。ありがとうございます。
○阿部中央労働衛生専門官 いえ、粉体原料というのがホウ素化合物なのだそうです。
○圓藤(陽)委員 ホウ素化合物にまたジボランを入れるのですか。
○阿部中央労働衛生専門官 粉体原料を溶剤とともに反応機に入れ、撹拌しながら原料ガスを注入すると、対象物質のガスが発生するのだそうです。
○大前委員 二次生成。
○圓藤(陽)委員 二次生成、原料じゃないのだ、生成物。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、説明がちょっと分かりにくかったかもしれません。この作業自体が、対象物質そのものを製造する工程です。
○名古屋座長 ちょっとそれは、なかなかわかりにくい。著しく濃度は低いですから、初期リスク評価で終了という形になると思います。密閉系でやっているもので、どのような作業かというのは書きにくいところだから、どうするか、お任せします。
こと出来る範囲で書いて○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。作業内容をどこまで書けるかは確認します。
○名古屋座長 初期リスクで終了という形になります。
  では、6番目のニッケル(金属及び合金)です。よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-6を御覧いただければと思います。ちょっと今日は数が多かったので、最初、駆け足でいったのですけど、ちょっと余裕が出てきたかなと思いながら。
ニッケルに関してです。ニッケルの金属及び合金って前に何かやらなかったっけという御記憶をお持ちの先生方もいらっしゃるかなと思うのですけれども、経緯として御説明させていただきますと、参考3-1としまして、平成29年度の中間報告という資料を用意してございます。端的に申し上げますと、ニッケルについては、化合物──もともと特化物だったニッケルカルボニルだけは除外しておりますけれども──についての評価は既にやっておりまして、それらは既に特化則の対象になっています。ですが、金属単体と合金については別途検討という話で化合物とは分割して検討を進めてきたところでございます。
この評価については、平成29年度までに1回、ある程度検討結果のとりまとめを行っておりまして、リスクは低い方向で大体いいのかなという雰囲気だったのですけれども、一部、溶接作業のところでばく露実態の評価が不足……というか、もう少しちゃんと確認しておいたほうがいいだろうというような御指摘をいただいておりました。したがって、平成29年度の時点では一旦中間報告という形にさせていただいて、それまでのとりまとめを公表させていただいていたというのが、これまでの経緯のざっくりとしたところでございます。
ですので、最初の有害性評価からは大分時間が経ってしまっているのかなと思うのですけれども、ばく露評価の観点から、もう一回、一部追加調査を行っていたという状況です。
ここでは一応、おさらい的に有害性評価の結論のところだけ御説明させていただきますと、211行目に書いてございますとおり、ACGIHがTLV-TWAを出しておりまして、1.5 mg/m3という値になっています。
これに対して、ばく露作業報告の提出状況が218行目以降にございます。表のところを御覧いただければと思うのですけれども、407事業場ということで、流石に桁が多いなというような感じでした。そのうち8事業場を選定してばく露実態調査を実施しました、というのを226行目以降に記載してございますけれども、※印を付けております点、232行目で書きましたように、先ほど御説明させていただきました「平成29年度化学物質のリスク評価検討会における中間報告」によって、「当該時点までの調査結果からはリスクは低いと考えられるが、ヒューム等の発生が見込まれる溶接作業に関するデータの不足」について御指摘をいただきましたので、平成30年度、1事業場ですけれども、ばく露実態調査を追加で実施してきています。この点が、平成29年度の中間報告からのアップデートでございます。
結論として、対象事業場としては追加分も含めて全体で8事業場についてばく露実態調査をやっておりまして、個人ばく露測定が26人分、スポット測定が28地点、それからA測定を4単位事業場となっています。
28年度までに実施していたばく露実態調査の対象事業場におけるニッケルの主な用途は「他の製剤等の原料として使用」、もしくは「対象物の製造」ということで実際にニッケル合金とかをつくっているところが中心だったようなのですけれども、ばく露の可能性のある主な作業としては、特にガウジングとかは非常に高そうだというのがありまして。その辺りの作業と測定のデータをまとめましたのが262行目のグラフと263行目の表となっています。なのc3の人、ガウジングで0.68 mg/m3、これが一番高い値でした。先ほど申し上げましたように、二次評価値が1.50 mg/m3という値ですので、それに比べて、ガウジング──ガウジングというと、映像とかを見ると、すごい火花が散るような作業なのですけど、それでもこんなものなのだねというような値だったということでございます。
これに対して、平成29年度の時点で、追加で溶接のところを調べようということで御指摘いただきまして、実際に測定をしてきました結果が、PDFの資料で黄色のマーカーがついているところになります。平成30年度に追加でばく露実態調査を行った溶接等の作業で8時間TWAの最大値は0.043 mg/m3です、と。スポット測定のほうは、実は溶接等の作業が比較的高かったということで、0.192 mg/m3となっていました。こちらが先ほど申し上げた平成29年度の中間報告からのアップデートの箇所の実測の結果でございます。
結果的には、個人ばく露について8時間TWAをとりますと、追加で調査してきた溶接等の部分もそこまで高いわけではないかなと。値としては0.043 mg/m3ですので、262行目のグラフのh3のところですので、測定結果を並べてみた中でも結構下のほうですね。263行目の表の記載だと「自動肉盛り溶接、グラインダー研磨」というところですけど、この作業でこのぐらいの値でしたと。スポット測定をやったら、そこの部分についてはちょっと高目ではあったけれども、それでも0.192 mg/m3ですので、まあまあ十分低い値でしょうというような結論でございます。
これを踏まえまして、最大ばく露濃度の推定のところ、264行目以降に計算結果を記載しておりますけれども、測定結果の最大値は8時間TWAで0.68 mg/m3、二次評価値1.5 mg/m3に比べると十分小さい値だということになってございます。
以上を踏まえまして、266行目、リスクの判定及び今後の対応、まとめのところでございます。ニッケル(金属及び合金)の製造・取扱事業場においては、最大ばく露量──これは先ほど申し上げました8時間TWAの0.68 mg/m3ですが──二次評価値1.5 mg/m3を下回っているので、経気道からのばく露のリスクは低いと思われます。経皮の勧告はございません。ですので、171行目以降の部分につきましては、初期リスク評価までのパターンで記載しているところでございます。
以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
ガウジングが高かったのですけれども、初期リスクの中でも、溶接作業である肉盛りの溶接はあったのですけれども、ミグ溶接とマグ溶接とか、それは入っていなかったので、溶接の方がヒュームが上がってくるので、もしかしたら高いばく露を受けるのではないか、だからそれを実態調査してみましょうということで、測定してみたら、かなりばく露評価は低かったということですので、ここは初期リスクで終了という形になります。よろしいでしょうか。
ありがとうございました。6物質終わりました。若干の文章の修正等はありますけども、全て詳細リスクと初期リスクという形で分けることができました。
続きまして、1-ブロモプロパンのところにつきましては、資料2-1により、同様の議論の検討を実施したいと思います。ただし、業界からのコメント等が提出されているために、資料2-2の各資料に基づいて事務局から概略の紹介をしてから、結果自体を経気道リスクが高く、経皮吸収もあるということの判断が変わらない、その辺の判断は変わらないのですけれども、一応、そういうことが業界からありましたので、説明していただくという形になるかと思います。あわせて、その他のところが1件。Ceilingの説明からいかなくて大丈夫ですか。
○阿部中央労働衛生専門官 多分、大丈夫かなと。
○名古屋座長 では、お任せします。よろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、1-ブロモプロパン、資料2-1と2-2を御覧いただければと思います。
先に資料2-1を開いていただいている状態だとすると、すみません、タブレットのほうには「机上配付」というタイトルをファイル名の頭につけまして、「1-ブロモプロパンの有害性評価の過程」という名前のファイルを入れさせていただいてございますので、まずはそちらをご覧いただければと思います。こちらは何かといいますと、10月7日に開催した本年度第4回有害性評価小検討会の際に、ブロモカーボン協議会さんからコメントを頂いておりまして、配付資料として載せておったのですけれども、そういったコメントをいただいた結果、有害性評価小検討会では、こういう御議論をいただきましたというところが分かるよう、その検討会の議事録の抜粋をつけさせていただきました。今、画面にも出しておりますけれども、内容としては、Webの方では「参考資料3-2」としてリンクを載せているもののうち、Bの有害性評価小検討会の「資料」の2-4の「ブロモカーボン協議会からのコメント」と、「議事録」の中で1-ブロモプロパンについて言及しているところを抜粋しているものになります。委員各位には、お手元のタブレット上で簡単に見ていただく都合上、抜粋したものを机上配布として載せておりますので、そちらを御参考に御覧いただければと思います。
また、ブロモカーボン協議会さんからは思うのですけれども、追加でコメントをいただいておりまして、一旦、その机上配付の資料の最後のページにその追加コメントを記載しておりますので、そちらを御覧いただければと思います。場所はおわかりになりますでしょうか。
○圓藤(陽)委員 一番上?。
○阿部中央労働衛生専門官 机上配布資料の一番上に記載しているものは、これは最初の有害性評価小検討会のときのコメントで、今回の追加コメントは一番下に記載しているものになります。
すみません。ファイル名が頭に「机上配付」とついている1-ブロモプロパン、「1-BPの有害性評価の過程」というやつです。
○内田化学物質評価室長 ファイル自体はタブレットの一番上に出ているファイルでございます。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですね、一覧上は。
今回はWebへの資料掲載が間に合わなかったので一旦机上配付のみとしていますが、いずれにせよ読み上げさせていただきます。先の有害性評価小検討会の後、ブロモカーボン協議会さんからこういったコメントをいただきましたということで御紹介させていただきます。
「ACGIH、JSOH」──「JSOH」は産衛学会さんですよね──「の勧告値の設定根拠となる論文の結論に至る測定データの内容及びとらえ方には、当協議会含め関係団体と致しましては多くの疑義を持たざるを得ないと感じております。例えば設定根拠となっている文献(リー及び市原先生らの論文)に対しては、測定データに疑念を生じさせる(東京大学 生物統計学 大橋先生)、また測定方法がナンセンス(ではないか)」というのが、青森県立中央病院の馬場先生からの御意見としていただいているものです、と。
「この点については、2016年にATSDRに正式文書として提出」、コメントしているということなのですね。で、「当協議会を含め関係団体と致しましては、やはり米国EPAの議論を踏まえた、特に数値設定については、慎重な御検討をお願いしたいと考えております」と。こういったコメントをいただいているというのが背景でございます。
一応、協議会さんのコメントも御紹介させていただきましたので、こういったところを踏まえつつ、行ったり来たりで恐縮なのですけれども。資料2-2として、Web上では一つのファイルにまとめたものを掲載しているのですが、タブレット上の資料では元の分割版をいくつか並べた形にしているものを載せています。あるのです細かいところは後で御覧いただければと思うのですが、まず資料2-2のAとしているのが、2016年5月9日付、TSCA向けの米国化学工業協会のコメントで、英文と和訳がそれぞれございます。ファイル名──Web掲載版ではしおりの名前で、e、jと、それぞれEnglishとJapaneseということで英文と和訳を載せておりますけれども、こういったコメントをアメリカで出しているよという話です。
同じく資料2-2のBで1、2、3というふうにファイル名をつけておりますけれども、こちらは2016年5月21日付、アルベマール社書簡となっていまして、こちらは先ほど御紹介しましたATSDR宛の書簡として、こういうコメントを出しているよという話です。ただ、この3つのうちB1まではWeb上にも載せておるのですけれども、B2、B3に当たるAppendixのⅡとⅢという資料につきましては、一旦、タブレットのほうにだけ入れさせていただいております。それぞれがアルベマール社の2016年の書簡についていたAppendixだということなのですね。具体的には、例えば先ほど御紹介させていただきました追加のコメントの中で言及されていた青森県立中央病院の馬場先生からのコメントですとか、東大の大橋先生からのコメントとかが、Appendix Ⅲ、資料2-2のB3というファイルになっています。
このB2とB3については、ブロモカーボン協議会さんから送付いただいたファイルに先生方のメールアドレスとかが書いてありまして、あるのですこれをそのままWebに載せちゃって大丈夫なのか確認していたりしたものですから、一旦、公開資料としてWebに載せることはしておりませんが。
このAppendix Ⅲのコメントの内容については、ちょっと私は専門的なところが如何とも言いがたいので、何とも言いかねますが、どうやら『こういった試験方法って、ちょっとイレギュラーじゃないの』とか、そういったコメントをされているようです。
この資料2-2のBというのは、先ほど申し上げたように2016年に出されていたものなのですが、今回追加で頂いておりますのが資料2-2のCというところで、2019年8月30日付で出されていますTSCA向けアルベマール社コメントとなっています。今年に入ってからもコメントの提出等はやっていますというお話ですね。それから、割とついこの間、10月21日付ということで厚生労働省宛てのアルベマール社書簡というのも頂いておりまして、資料2-2-Dという名前にしておりますけれども、要は、先ほど読み上げました追加コメントのように、リスク評価に当たっては、数字のところを気をつけてほしいなという御意見をいただいている──という理解でございます。ちなみに、アルベマール社というのが、ブロモカーボンをつくっているメーカーさんの中でもすごい大きいところですね。アルベマール社書簡となっていますが、関係業界の企業の代表として、ご意見を送っていただいているということだと思います。
和訳も仮訳──というか、私がつくったわけじゃなくて協議会さんの方から送っていただいているものなので、仮訳なのか正式訳なのか、正確な位置付けはちょっとわかりませんけれども、ともあれ和訳のほうもついておりますので、するすると後で御覧いただければと思います。また、協議会さんからは思うのですけれども、ほかに何かこういうところが気になるなどあれば、言ってくれれば用意するよというようなお話も頂いている状況です。
ちょっと長くなりましたが、こういう背景がございますというところを踏まえつつも、さらにもう1個、経緯というか、途中経過がありますので、そこのところにも一応触れさせていただきたいと思うのですが。参考資料3-2として、Web上にはリンクを載せておりまして、委員各位のタブレットのほうには直接いくつかファイルを入れております。ざっくり経緯だけ御説明しますと、1-ブロモプロパンにつきましては、何か去年やらなかったっけ……というような御記憶がもしかしたらお有りかもしれないなのですが、平成30年度第3回の化学物質のリスク評価検討会で、有害性評価はまだ終わっていないのだけれども、ばく露実態調査だけは一旦区切りがついているので、その経過を御報告しますということで、一旦、中間報告……というか、ばく露実態調査の結果だけ御報告させていただいておりました。
何でそんな特殊なことをやっておったのかと言いますと、有害性評価のほうがまだ終わっていないので、その時点では二次評価値とかは全然決まっていなかったのですけれども、産衛学会さんや各機関が出されている値とかを参考にすると、そういった値に比べてばく露の値があまりにも高い。なので、これはちょっと先に注意喚起しておかないといかんのではないか、という観点で実態調査の報告だけさせていただいて、昨年度リスク評価関係の指導通知の中でも、リスク評価は終わっていないけれども、ばく露がかなり高い事業場があったので気をつけましょう、というような文面を一筆入れていたところでございます。
という経緯を踏まえつつ、中身のほうに戻らせていただければと思います。何かすみません、経緯ばっかりで長くて申し訳ないのですけれども。
あちこち行ったり来たりで恐縮ですが、資料2-1をご覧いただければと思います。具体的に有害性評価の結果として採用しております二次評価値とか、そういったところについては、今後、いろんなところで新たな知見があって何某か見直しがあるのであれば、ひょっとしたら数字の見直し等発生するのかもしれませんが、一旦、現状ではどういう形で我々のリスク評価としてまとめるか──という観点でご用意しておりますのが、資料2-1になります。
328行目、二次評価値を書いてございますけれども、ACGIHの勧告しているTLV-TWA、こちらを二次評価値として採用する形にしております。値としましては、0.1 ppmですね。後で上のほうの記述も見ていただければと思うのですけれども、産衛学会さんが0.5 ppmという値をつけておりまして、それに対するACGIHの値が0.1 ppm。設定のタイミング的には、産衛学会さんが2012年で、ACGIHが2014年ですので、あまり変わらないのですが、この取組はリスク評価というところもあり、低目の値を採っているという理解です。経皮の勧告も一応ついていますね。DFGのほうで区分Hがついています。というところを踏まえまして、一旦、二次評価値としては0.1 ppmをとっているところです。
335行目以降には、ばく露作業報告の提出状況等を記載してございます。227事業場から報告が出てきましたということで、かなり広い範囲で使われているということです。主な用途は洗浄とか、他の製剤等の原料というところもございますけれども、特に多いのは洗浄なのかなという印象でしょうか。
ばく露実態調査の結果につきましては、昨年度、実態調査の部分だけの御報告はさせていただいているところなのですけれども、おさらい的にやりますと、227事業場のうち10事業場についてばく露実態調査を実施させていただきました。個人ばく露測定が15人分、スポット測定が28地点、A測定が11事業場、それぞれやってございます。
ちょっと補足が必要かと思いますのが357行目でマーカーを引いているところ、ばく露評価小検討会の中で御議論いただいた点で、注書き的にこんな感じかなと思って記載しているものになります。なのでばく露実態調査の調査対象とした作業については、38作業中29作業で発散抑制設備はありましたということすが、ここでのポイントは、発散抑制設備はあったのですけれども、実際、測定結果の値を注目して見てみると、どうだったかというところです。371行目と372行目に個人ばく露測定の結果とばく露の可能性のある作業を、それぞれグラフと表でまとめているところでございますので、そちらを御覧いただければと思うのですが。0.1 ppmという値を基準にとると、実態調査に行ったところは軒並みこの値を超えているという状況になってございます。実際に評価の軸とする値としてどれが妥当なのかというところに検討の余地があるのかもしれないとしても、いずれにせよ、すごいことになっているよねという印象がありまして、昨年度は実態調査の結果を先行してご報告するという動きをとっていたという認識でございます。
結果的には、有害性評価のほうも、0.1もしくは0.5という昨年仮置していたところで値をとってございますので、今の状況でのリスク評価の枠組みとしては、経気道のリスクは高いという話になるのかなという理解です。
測定結果の詳細につきましては、371行目のグラフを見ていただきつつ、それぞれどういう作業が重かったかというのは372行目の表の上の方から書いてございますので、そちらをご覧いただければと思いますけれども。一番ばく露が多かったのは金属製品の洗浄とか対象物質の小分け等を行っていたbさんということになってございます。が、372行目のばく露の可能性のある作業の表は、bさんからg2さん、hさん、g1さんということで、ばく露が高かった順に並んでいるんですけれども、こちらを見ていただくと、多いのは洗浄かな……という感じですよね。ほかのところでもちょこちょこ高い値が出ているのですけれども、でも最後は洗浄かな……みたいな、そんな感じの流れで作業がリストアップされています。
最大ばく露濃度の推定は、TWAの最大値だけを見ますと14 ppmなのですけれども、区間推定を算出すると42 ppmということで、二次評価値0.1 ppmという値に比べると非常に高い値でした。
以上を踏まえまして、375行目、リスクの判定及び今後の対応というところです。二次評価値0.1 ppmに比べて、最大ばく露量は──これは区間推定の値をとっておりますが──42 ppmとかなり上回っておりますので、詳細リスク評価にいく必要があるでしょうと。また、有害性評価のところについては、どれだけ再検討する必要があるのか、また、評価書中にどこまで書くかという観点はありつつも、一応背景として※書きで書きました点として、「本物質の関係業界からは、本評価において二次評価値の根拠として採用したACGIHのTLV-TWA0.1 ppmの根拠に疑義があるとの意見がある」と。ですが、他の機関が設定している値として、産衛学会さんの0.5 ppmとかもありますし、そういったものに比べてもやっぱり大きいと。その他、本物質については経皮の指摘もございますので、やはり今の我々のリスク評価の枠組みからすると、詳細リスク評価の実施の必要性があることには変わりがないと考えられる、という形のまとめを記載させていただきました。
詳細リスク評価の際に、どういったところに注意するべきかという点については、384行目、先ほどちょっと申し上げましたように、一定の発散抑制装置は確かにあったのだということなのですけれども、どうもそういった場所でも二次評価値を上回る傾向が見られるようですので、そのあたり、特に他製剤の製造ですとか洗浄、こういった作業については、より詳細に分析する必要があるのではないかと。
さらに、DFGの区分H、経皮の指摘もございますので、経皮吸収の観点も含めたリスク評価が必要であるでしょうと。経気道のリスクが高い、かつ経皮ありのパターンのまとめ方にさせていただいているところでございます。
長くなりましたが、以上です。
○名古屋座長 ありがとうございます。
作業所も多いのに、これだけばく露して、今まで何も起こらなかったのがちょっと不思議だなと、ばく露小検討会のところで、そういう話をしますが、いずれにしても、ばく露で詳細リスクへ行き、かつ経皮吸収がありますので、詳細リスク評価に行くということは間違いないと思います。
○圓藤(陽)委員 検診やっていないのだ。
○名古屋座長 していないのでしょう。
これは発散抑制装置に直したのは、前はこの箇所に局排と書いてあったから、発散抑制に直したのですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 そうです。もともとばく露評価小検討会向けに事務局から御用意していたばく露評価部分についての案文では局所排気装置と書いていたのですけれども、これは局排なんだったっけという話になりまして。実際、局所排気装置に相当する発散抑制装置として取り扱われているものではあるのですけれども、いわゆる局所排気装置とはちょっと違うよねみたいなところもありまして、ふわっとしたまとめをさせていただいています。
○名古屋座長 でも、ここに書くと、ページ9のところに発散抑制装置の中に、これと違うものが書かれていて、前のばく露小検討会で見たとき、これって多分表面に、液か何かを置いて表面を被覆するよという形なので、その時は、ばく露は一切なかったですよね。製品を取り出すときに、当然、表面に乗せたものが割れて、その割れ目から出てくるという形なのでというふうに、写真を見せてもらったときにそう思ったので、この表現だと、概念とは違いますよね。実際の工場が。ここにある発散抑制装置ですと、密閉化設備だとか局所排気装置、くしくも全体換気装置と、このどれかに該当するかという形の誤解を受けるので、言葉を選ばれたのは、よくわかるのだけれども、どう考えても、そうじゃないよねという。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですか。
○圓藤(陽)委員 簡易抑制装置。
○名古屋座長 簡易ですよね。被覆しているだけだからね。
○阿部中央労働衛生専門官 なるほど。
○名古屋座長 要するに、水の表面にアルコールを垂らして、表面に膜をつくっておいて、それで発散防止しているよというだけで、だから当然、物を入れると被覆膜が割れるので、その割れ目から蒸気が出てくるねということなので、局排とか、上に何もついていないで排気もついていないので、局排ではないな。
○阿部中央労働衛生専門官 そうなのです。まさに局排じゃないよねという議論があったので、じゃあどうしようかなと思って、一旦そういう形に。
そこの文言は相談させていただきたいと思います。ともすれば具体的な製品について言及する形になりかねないので、ちょっと調整させていただきますけれども。
○名古屋座長 結構、これは嫌なのは、この装置が業界に広まっていることなのですよね。それで局排だと思って使われていると、ちょっとつらいなと。
なのです○阿部中央労働衛生専門官 ざっくり言うと、有機則の12条で設備の特例というのがございまして。規定を読み上げますと、「事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、」局排の規定にかかわらず、「有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置及び全体換気装置を設けないことができる」となっています。その具体的な例として挙げられているものの一つが、「有機溶剤等が入っている開放槽について、有機溶剤の蒸気が作業場へ拡散しないよう、有機溶剤等の表面を水等で覆い、又は槽の開口部に逆流凝縮機等を設けたとき」とされています。「逆流凝縮機」とは何かというと、「冷媒を使って発散する有機溶剤の蒸気を冷却凝縮して再び元の容器内に戻す装置をいう」とされていますが、今回の事業場で使われていたのは、この「逆流凝縮機」だということです。蒸気等で洗浄し、その蒸気は冷却凝縮させて再利用できるようにする、ということですね。
なので、ばく露評価小検討会の方では、いわゆる局排じゃないよねと、そういう話をしていたものになります。
○大前委員 ただ、その洗浄機で洗浄したものを、どこかで乾かすわけですよね。そこには局排がないと、まずいよね。
○阿部中央労働衛生専門官 装置の内部で乾燥させるのじゃないかと思います。通常は。
○大前委員 自然乾燥。冷却状態にしておいて。温度は低いですよね。
あるのです○圓藤(陽)委員 冷やしているのでしょう。
○大前委員 冷やしている。冷やしながら乾燥って、なかなか難しいと思うのだけれども。
冷却管で液体にして戻すということでしょう、蒸気を。
○阿部中央労働衛生専門官 多分、装置自体は密閉系になっていて、洗浄するものを出し入れするための蓋がついているのじゃないかと思うのですけど、十分に凝縮する前に蓋を開けちゃったりすると蒸気が漏れたりするということなのかなと。
○大前委員 そうでしょう。だから、そこに局排がいるのだよね。実際の作業所だと、まさにそれで、若干置いておいて取り出すときに必ず出るので、その先に局排がいるのです。
○名古屋座長 上に局排をつけますよね。それは、つけないとまずいですね。
○大前委員 だから、それがついている場合、局所排気装置といってもいいかもしれないけど。
○圓藤(陽)委員 ただ、この規定はかなり前からあったわけですか。今の、何というのですか。局所排気装置に準ずるみたいな言葉が。
○阿部中央労働衛生専門官 「逆流凝縮機」の解釈が昭和35年に出されていますので、かなり昔からあったのじゃないかなと思われます。
○圓藤(陽)委員 昔からあるの?。
○阿部中央労働衛生専門官 この規定の文言がいつ入ったものかまでは今日はちょっと確認してきていないのですが。今回、ここの発散抑制装置の記述については、ばく露評価小検討会のほうで注意が必要だろうという議論をしていただいていましたので、ばく露評価の際にご用意していた原案からは表現を改めていたものだったのですけど、それだけだと有害性評価の先生方には何の話か伝わらないかと思われましたので、補足させていただいた次第です。○大前委員 例えば、昔から結構あるもので、脱脂洗浄とか何だかんだ全部あれでしたものね。
○圓藤(陽)委員 それを消していかないといけないよね。
○大前委員 必ず蒸気は漏れるので、これだけばく露があるのだから。
○圓藤(陽)委員 これはちょうどいい例じゃない。これではだめだという。
○名古屋座長 実際に、それを使っているところのばく露が高いのだから。
○宮川委員 もう1点、この物質だからこういう装置ではだめだったのか、ほかの溶剤でも同じように起こるかというところが、ちょっと気になって、ほかの溶剤でも起こるのであれば、そもそも今の規定自体のほうをかえないとおかしいですし、この溶剤に特別な状況があるのかどうかというところも確認をできればしていただきたいなと。
それから、こういう装置のためだけに、これだけ非常に高い濃度、この結果を見れば、二次評価値としてどれをとるかとか、その数字が0.1か0.5とかというのとは、けたが違う話なので、どうしてこんな高いところが多いのか、この装置のせいなのか、いや、そうじゃなくて、ほかの要因があるのか、これはリスク評価の対象の物質になっているはずなので、本来であれば、リスク評価をそれぞれやっていなければいけないはずなのですけれども、それでもってどういうリスク評価を各企業はやっていて、こういう結果があったときに、それをどう考えていたかということを、きちんと調べて、今後の対策を考える、いい例になるのじゃないかというふうに思いました。
○圓藤(陽)委員 有機則の物質の場合は、多分、局排の濃度測定みたいなものがあると思うのですね。風速で規制があるから、多分、有機則に載っているものについては、このような形では使っていないと思うのですけど、それ以外のもの、要するに規則に載っていないものについては、業者が、これが局排に該当しますといって、セットで売るのじゃないかなと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 例えば、個々の装置自体には問題がなくても、使われ方に問題があって実際に蒸気が漏れている場合、有機則のほうでは作業環境測定でひっかかるので、このままではだめじゃないかと、多分、そうなる。装置自体に問題があるわけではなくて、かつ、ちゃんと漏れない形で使われている限りにおいては、このままでもいいよねみたいな話になるのではないかと思います。つまり、現状ではチェックが効いていないということなのではないかなと思いますので、そこは実態調査の中で何かしらフォローできるようにしたいと思います。
○名古屋座長 間違いなく詳細リクスにいき、その先の健康措置検討会に行くから、その健康措置検討会のところで特化則の規制を検討するときに、そこで局所排気装置の設置などについて議論をきちんとできると思う。ただ、初期リスクのところでも、これだけ漏れているのだから、やっぱり書いてあげるときに、こういうのを使っていたら危ないよとか何か書いて、注意喚起をやってあげたら。実質的なところ、特化則では、今は、未規制の物質だから、規制はかけられないわけでしょう。でも、やっぱり今言ったように。
○阿部中央労働衛生専門官 どういう形で書くかは、要は、こういうものだということを御紹介した上で、リスク評価書の最後のまとめ方は御相談させていただければと思います。長くなりましたが、一応、そういうお話でございます。
○名古屋座長 間違いなく詳細リスクと経皮吸収で、また確認してもらうという形で。
○大前委員 そのほか、いいですか、今の点以外。このリスクは初期評価書の中の遺伝毒性の次が神経毒性になっていて、真ん中の発がん性が記載漏れなのですよ。
○阿部中央労働衛生専門官 記載漏れがありましたか、すみません。失礼しました。
○大前委員 今言っているのは、205行目、ここまでが遺伝毒性ですよね。その次が神経毒性なので、この間にたしか発がん性が入っているはずなのです。だから発がん性の記述が抜けている。
○阿部中央労働衛生専門官 ああ、それでしたら、発がん性と発がん性以外で分けているので、発がん性は25行目に記載しているものになります。こちらでよろしかったでしょうか。
○大前委員 失礼しました。
○名古屋座長 大丈夫ですか。
○大前委員 大丈夫です。
○阿部中央労働衛生専門官 発がん性と言えば、今回の評価書の内容自体に直接関係する話ではないのですけれども、実は、発がんワーキングとかのほうで発がん性区分をどう整理するかみたいな話とかも別途やっていたりしますので、その中で、例えば、ある発がん性区分に対応する文言の見直しなどを行うことになった場合には、微妙に表現ぶりとかが変わってくるかもしれませんが、それはそのうち反映するということでやらせていただければと思っております。
○圓藤(吟)委員 訂正のお願いですが、16ページ、発がん性の4行目、産衛学会は2B(暫定)となっているところの暫定を消していただきたいと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 失礼しました。直させていただきます。
○圓藤(吟)委員 同じことが34ページ。
○阿部中央労働衛生専門官 有害性評価書のほうですね。
○圓藤(吟)委員 そうです。34ページの805行目、ここも暫定が入っていますので。
○阿部中央労働衛生専門官 承知しました。アップデートさせていただくようにいたします。
○圓藤(吟)委員 それから、36ページ、903行目、生殖毒性分類(2014年提案)と。
○阿部中央労働衛生専門官 今、2015年提案になっているところが2014ということですか。
○圓藤(吟)委員 そうです。2014年提案です。
○阿部中央労働衛生専門官 失礼しました。ありがとうございます。
○名古屋座長 では、修正等、よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 もろもろ御指摘いただいた点は反映した上で、最後、書きぶりの調整が必要そうな点については、評価書をまとめる段階で御相談させていただくようにいたします。
○名古屋座長 そうしましたら、資料3-1から資料3の各ドキュメントの改正案につきまして、御意見等お願いしたいと思いますので、説明等、よろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、まず、資料3-3を御覧いただければと思います。前回10月30日にやらせていただきました本年度第2回の化学物質のリスク評価検討会のほうで、Ceiling等の取り扱いについての御相談をさせていただきました。遡ると有害性評価小検討会とかでも議論はあったのですけれども。この後、御確認いただければと思っておりますイソホロンと2-ブテナールという物質でCeilingしか設定されていないという事情がありまして、二次評価値にCeilingの値を採用していたところ、これはそのままでいいのかしらという御議論をいただいたものでございます。
その結論というか、10月30日に、ほぼそのためだけに時間をとっていただいたような感じだったのですが、徹底的に御議論いただきまして、方向性はこんな感じかなというので幾つか出ていたものと思っておりますポイントを、今回、資料3-3としてまとめさせていただきました。実は、直近のばく露評価小検討会のほうで御相談させていただいたときの資料を更新したものなのですけれども。基本的には、一番左のポイントのところを御覧いただければと思っております。
まず、No.1のポイントは、「ばく露限界の決定には、TWA等に加えてCeiling等も考慮することを明確化」というものです。このポイントについては、リスク評価実施要領とかばく露評価ガイドラインとかの関係ドキュメントの更新を検討しましょう、という方向性を共有いただいているかと思っております。
また、「TWA等とCeiling等」については、これはいずれか一方に着目すればよいというものではなくて、それぞれ別の軸として並列して確認しましょうというお話だったと理解してございます。
さらに、TWA等とCeiling等について、いずれか設定があれば自動的にその値をばく露限界とするのではなくて、それぞれその値の設定理由を精査した上で、その値が我々がやっているリスク評価の枠組みに使えるものなのかどうなのか、これを一つ一つ検討しましょうというところを御確認いただいたという理解です。
改定箇所と書いておりますのは、各ポイントに対応する実施要領とばく露評価ガイドラインそれぞれに手を入れているところになります。実際の改定内容については、資料3-1と3-2の改定案のほうを後で御覧いただければと思うのですけれども、具体的な文言につきましては、基本的にばく露評価小検討会でばく露評価に関係する部分、有害性評価小検討会で有害性の部分について、それぞれ御議論、御確認いただくと。そして最後、それをがっちゃんこして改定しましょうという方向性でよろしいのかなと思っておりますので、一旦、ばく露の部分はばく露の部分で、先日11月18日にばく露評価小検討会のほうで御議論いただいたというのが今までの状況です。有害性部分は、有害性評価小検討会は今年度は開催予定が無いので、まだご確認いただくことができていないのですけど。
ともあれ、一旦、そういう形で検討を進めていく中で、ばく露評価小検討会のほうで御議論いただいた結果、実は、10月30日の本検討会の中でこんな感じかなと言っていたものとちょっと違う方針──ちょっと違うといいますか、微妙に方向性に修正が入った部分がありましたので、御説明をと思っておりますのがNo.2のところでございます。
Ceiling等に基づくばく露限界を設定するとき、つまり、二次評価値としてCeilingとかを採用するときに、なので実際の現場のばく露の評価のほうをどうするかという話なのですけれども。10月30日の議論のときには、基本的にはスポット測定の結果を活用するのかなという話をさせていただいておりました。その方向性を踏まえてばく露評価ガイドラインとかの改定案を事務局のほうで御用意しまして、11月18日にばく露評価小検討会の方に諮らせていただいたんですけれども、その際、スポット測定で本当にいいのかなという話になりまして。具体的には、ばく露実態調査を本年度受託いただいている中災防のほうから、『いやいや、個人ばく露測定でいいんじゃないの』と。Ceilingでも短時間の測定でも個人ばく露測定でいいんじゃないの、というお話をいただきました。思うのですWeb上では参考4として11月18日開催の2019年度第3回ばく露評価小検討会の資料へのリンクを張っていますが、その中の資料3-4というのが中災防さんからいただいたご意見となっています。ざっくり言うと、個人ばく露測定のときに使うサンプラーの部分を替える──サンプラーヘッドというのですかね、そこのところだけちょこっと替えるだけで短時間測定ができるので、それでいきませんかという、そんな感じのお話ですね。
いま、画面の方にもそのときの資料を映しましたが、個人サンプラーによる測定を行うときの格好として、作業着にサンプラーが2本ついているのですけど、そのサンプラーの部分だけ取り替えればいいので、測定可能であるという、そういう話でした。ばく露評価小検討会の中では、スポット測定に比べると、そんなに個人サンプラーを何本もつけるのは大変じゃないのとか、いろいろ気になったところを話はしたのですけれども、そもそもCeiling等が設定されているもの自体がそんなに多いわけでもないし、全体から見ると許容範囲でしょうと。そのほうが、今の個人サンプラーの活用とかのトレンドを踏まえてもよいのではないかと、そういった御意見をいただきまして。ばく露評価小検討会としては、通常の個人ばく露測定は、それはそれでTWAを測定するためにやるのだけど、それと併せて作業毎の短時間捕集もやって、Ceiling等に相当する個人ばく露測定をやりましょう、というのが基本路線……といいますか、大まかな方向性となっています。その上で、必要に応じてスポット測定を参考にしましょう、というようなご議論をいただいたというのが今の状況でございます。
その他のばく露評価ガイドラインの修正箇所とかその詳細については、正直、マニアックなところもありますので、この場で改めてご説明するのは割愛させていただきますが、10月30日の本検討会の中で御議論いただいたものを踏まえて整理しているポイントだけ、簡単に御説明だけさせていただきたいと思います。
資料3-3に戻っていただきまして、No.3です。各種毒性の区分とか定義とかについては、基本的にはGHSを参考にして毒性の呼称を設定するのかなと思っていたのですけど、10月30日の本検討会での御議論では、実際に我々のリスク評価の枠組の中で着目している毒性の中には、GHS分類に出てくるものだけじゃなくて、分類が微妙なものも確かにあるので、どういう毒性・区分を採用するかについては、有害性評価のほうで御検討いただいたものを使いましょうという結論なのかなと思っております。このあたりは、場合によっては、有害性評価小検討会のほうでまとめております「リスク評価の手法」のほうには今後修正が入るかもしれませんけれども、実施要領とかばく露評価ガイドラインの文面にはあまり影響しないかなと思っています。
その次のNo.4はなので、これは10月30日の本検討会の場ではなくて、その後で追加の御意見をいただいたものだったかなと思います。もともとの実施要領の中では、MOEというのが出てきますが、これは本リスク評価の枠組みでは、今、使っていませんよねと。そうしましたら、それは実施要領の関係のところを消しましょうかと、そういったお話でした。その次のNo.5は、今回いろいろ手が入ることになるので、もう一回実施要領を改めて見直していましたら、ばく露限界について、『二次評価値を設定できなかった場合』を想定した書きぶりがいくつかありまして。具体的には、二次評価値の設定がなかった場合は「動物実験等から得られた値から推定した値」を使いましょうとか、そんなような書き方をしている部分があるのですけれども、現状、有害性評価小検討会の方では、そういったステータスの情報も含めて、最後、ばく露限界として二次評価値を設定していただいていますので、そういうばく露限界が把握できない場合を想定した箇所というのは削りましょうかと。そういうことを書いているところでございます。
No.6につきましては、これはばく露評価側のお話ですけれども、従前の版では、実際の事業場で調査ができなかった場合、ばく露レベルの推定をやって、ばく露限界と比べてどうも怪しそうだ……というのを判断しましょうか、といった文言がありまして。実施要領を最初につくったときには、そういうことになる可能性も想定されていたのだと思うのですけれども、これは、今、ばく露レベルの推定だけでリスク評価をやるということは流石にちょっと無いよね、というご指摘がありました。そういった取扱いでリスク評価を行うのは事実上困難だということで、今、こういった箇所は落とす方向で御検討いただいたところでございます。
あるのですNo.7については、従前の版ではリスク評価の中止の条件が実はあまりはっきりしていませんで。事実上、ばく露作業報告が出てこなかった場合には打ち切りという形で運用してきているのですけれども、実は実施要領とかに何も書いていなかったので、そこのところをちゃんと書きましょうかと、そういうところをいくつか修正しているところでございます。
その他の改定箇所については、用語の修正ですとか、事務的なところもあるのですけれども。今回の資料3-3では、11月18日のばく露評価小検討会の方でお諮りした内容から追加で一番最後のページに黄色くマーカーを引いているところがありますがしているところがあるの、これはURLを更新したりとかになります。ばく露推定に使えるコントロールバンディングについて、EUかどこかのページにリンクが張ってあったのですけど、リンク切れになっていまして、最新のURLに更新しましたとか、そういったところをちょこちょこと手を入れているところでございます。こういった基本的に事務的に修正させていただくところ以外についてはあるのです、御確認いただきたいと思うポイントを整理した上で、それぞれの小検討会の方で──ばく露評価のほうは既に見ていただきましたが、有害性のほうも後ほど御確認いただいた上で、両小検討会での議論の結果を最終的に統合する形で進めさせていただきたいと思っております。
以上、今回改めてご報告させていただいた中でも特にポイントとなるのは、ばく露評価のほうで御検討いただいた結果、大筋として、スポット測定をCeiling等に対応するものとして使おうかと言っていたものが、個人ばく露測定重視の方向になりました──というところになります。
とりあえず、そういう状況なのですが、実際の物質の話をさせていただいてもよろしいでしょうか。
○名古屋座長 はい。
○大前委員 その前に、今、その絵で、Ceilingを短時間にはかるという話ですけれども、それはタイミングとしては、例えば、作業者がそこへ行くと、においがするよとか、目がチカチカするよとか、そういう場所の作業のときに短い時間やるという、そういうような意味ですか。
○阿部中央労働衛生専門官 基本的には、作業を始めるタイミングなのか、作業ごとにサンプラーを付け替えるイメージですかね。
○大前委員 だから、午前中と午後で二つ分けているのだけれども、しょっちゅうかえられないので、最初は2本ぐらい、午前中で2本ぐらい、4カ所、限界で4回ぐらいそれは、はかればいいだろうと、それが限界かなと。そのタイミングは任せましょうという話ですよね。
○圓藤(陽)委員 ただ、業者はいつが高くなるというのは大体わかっていますよね。
○大前委員 そのタイミングを作業者に聞いて、その時間スイッチオンにしてはかると。
○圓藤(陽)委員 そういうことですね。
○名古屋座長 多分、スイッチオンにしなくても、モーターを回しておいて、サンプラー部分だけ交換するようにするはずです。
○大前委員 回しっ放しにしておいて。
○圓藤(陽)委員 時間だけ。
○名古屋座長 時間だけ聞いておいて、あとはこれで。
○大前委員 そういうことですか。
○名古屋座長 すっと交換するという形だから簡単にできます。連続で、一々スイッチのオンオフをかえたりしないで済むから、それは楽だねという話だったのです。
○大前委員 そういうスタイル。
○名古屋座長 そうしないと、何回もはかれないので。
○阿部中央労働衛生専門官 基本的には、ポンプはつけっ放しで、サンプラーヘッドだけ付け替えると。
○名古屋座長 かえるという形ですよね。できるだけ頻度をかえてはかったらどうでしょうかと。
○鷹屋委員 それは作業者にやっていただく前提ですか。
○大前委員 行くのでしょう。
○鷹屋委員 作業者じゃなくて。
○圓藤(陽)委員 ついている。
○名古屋座長 ついているので。
○圓藤(陽)委員 Ceilingのところではつきっ放し。
○阿部中央労働衛生専門官 それぞれの作業の中でどのタイミングを測りましょうかというのは、多分、事前調査とかで現場の作業の様子を実際にご確認いただいた上で、個別に検討することになるのだと思うのですよね。逆に言うと、そういう手間暇をかけないといけない話になるので、本当に大変だと思うのだけれども、それで大丈夫かな……とも思ったのですけど、十分可能だということでしたので、じゃあ、それで行きましょうと。
ただ、スポット測定の値とかも無視はできないのは変わらないと思いますので、引き続き参考にはするのかなとは思っていますが。その辺りは、実際にそういった手法で測定する例が出てきたとき、どういった作業のどのタイミングで、どういった条件で何分捕集してきたのか、といった情報をお付けした上で、その結果がこれこれこうでした、ちなみにその現場でやったスポット測定の結果はこうでした、といったご説明をさせていただくしかないのかなと。その上で、いろいろ総合的に勘案していただいて、これはCeiling等にひっかかるよねとかという話をしていただくしかないのかなという気がします。
○名古屋座長 だから二つはかるし、特にCeilingの場合はスポットといっても、スポット的なばく露をはかっているので、そこで一番高いばく露濃度のところを評価しましょうという形でしかできないね。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですね。先ほど、何を付け替えて何が付けっぱなしなのかについてどなたかから声が上がっていたかと思いますが、画面上の資料で改めてご説明します。3頁目の写真のところで、「サンプラー交換時には、この部分のみを付け替えます」と書かれている部分がありますが、付け替えるのはここだけらしいです。一方で、付けっぱなしなのはポンプの方でして、この写真の範囲には写っていませんが、腰の辺にあるのでしょうね、きっと。そのポンプの方は、これはもう本当につけっ放しというお話です。ただ、本当に実際の現場でどこまでできるかというのは、現場に行ってみて、この作業でそんなやり方をするのは無理じゃないかとかというケースが出てきたら、個別に調整をしていかなきゃいけないと思います。なので、いま事務局の方でご用意している実施要領とかばく露評価ガイドラインの改定案の中では、基本としてはこういう方向性を追及しましょう、でもそれがなかなか有効じゃない場合も考慮してスポット測定も参考にしましょう、みたいな感じのふわっとした書きぶりにしているところです。最終的に実施要領の改定については、有害性評価小検討会のほうでも見ていただいた上で取りまとめることになりますが、ばく露評価ガイドラインはばく露評価小検討会で粛々と改定の検討を進めさせていただくのかなと思っておりますので、この部分は一旦これはこれで。
○名古屋座長 実際にやられているところが、これでできると提案したので、多分できるのだと思いますので、これでやらせてくださいということです。
○阿部中央労働衛生専門官 一応、今年度の受託者の方はそれでいけるということですので、ここを踏まえながら。
ただ、繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたように、この形の測定が実際にどこまでできるかについては、現場に行ってみての微調整が必要だと思いますので、それぞれの物質について、結果的にこういう測定をやってきましたというのをばく露評価小検討会なり委託の委員会なりのほうで見ていただいて、それはちょっと足りないのじゃないのとか、もうちょっとここ測ったほうがいいのじゃないのというのがあったら、これまでどおり、では追加で測ってきますとかやるのかなと思います。
……と、以上が、ばく露評価の方ではこういう方向性になりましたという御報告なのですけれども。これを踏まえて……というのも何なのですが、率直に申し上げると、あまり仕掛かりの案件を溜めておくわけにもいかないというのもありまして、Ceiling等の議論のきっかけとなったイソホロンと2-ブテナールの評価をできればやってしまいたいというのが、今回、事務局からの御相談事項でございます。
資料4-1と4-2が、それぞれイソホロンと2-ブテナールの初期リスク評価書の案として書いているものでございますが、個別のご説明の前に、先に種明かし……というわけじゃないのですけど、概要だけお話させていただくと。今、御説明させていただきましたように、ばく露評価小検討会のほうでは、基本的には個人ばく露測定をやったほうがいいよねという方向性で御議論いただいてはいるのですけれども、一方で、じゃあ、イソホロン、2-ブテナールそれぞれを、もう一回、個人ばく露測定で短時間捕集からやり直してこようかというと、流石に負担も大きいということもございますし、時間がかかっちゃうばかりで、ちょっとあれだなというのが、正直思っているところです。
さらには、なので片方は経気道のリスクはどうも低そうだし、経皮もついていないと。もう片方は、スポット測定で超えているところがあるし、経皮もついていると。結果として白黒きれいに分かれているので、片方はもう初期リスク評価まででいいことにさせていただきつつ、もう片方は詳細リスク評価に進みましょうと。そういう路線でまとめさせていただくことができますと、とりあえず初期リスク評価が2件済みとなりますので、その辺りも踏まえながら取り進め方について御相談をさせていただきたいというふうに思っています。
そうしましたら、まず、資料4-1のイソホロンを御覧いただければと思います。内容につきましては、これまで累次にわたって、都度都度事例でお出ししてきましたので、どんな物質かとかは割愛させていただきますが。おさらい的に要点だけ御説明させていただきますと、243行目、二次評価値5 ppmと書いてございますが、これがACGIHのTLV-Ceilingに由来するものでして、二次評価値として採用を検討していたところでございます。
他の濃度基準としては何があったっけ、というところは上のほうにいくつか書いてあるのですけれども。184行目、ACGIH値のCeilingは5 ppmなのですね。207行目、DFGが2 ppmという値をつけていたりとか、あるいは232行目以降、NIOSHが4 ppm、OSHAが25 ppm、UKが5 ppmとか、値自体はいろいろあります。じゃあ、このいろいろある中で実際にどの値を採用するかというところですが、とりあえず基本的にはACGIHか産衛学会の値を採用するという路線を踏襲するのかなという話をさせていただいていたところでした。これに対して、ばく露の実態はどうだったのかですが、まず作業報告はどうだったのかというところに関して言うと、258行目に表を載せておりますけれども、3桁事業場から報告があったということですので、結構いろいろところで使われていますね、というお話です。
実態調査は6事業場やらせていただきました。個人ばく露測定15人分、スポット測定26地点やってきましたよ、というところの測定結果をまとめておりますのが289行目と290行目のグラフと表になります。ばく露の可能性がありそうな作業としては、塗料の調合とかインキとかの印刷関係ですね。そういった事業場での調合とかの作業がいろいろ行われていましたよということなのですけれども。個人ばく露測定を見ますと、8時間TWAの最大値が塗料の調合とか塗装ブースの洗浄──これはf3の人ですね──で0.49 ppmでしたと。グラフの上のところ、280行目以降にまとめて書いておりますけれども、区間推定が0.33 ppmとなりまして、8時間TWAの最大値が0.49でした。二次評価値の5 ppmに比べると、かなり低い値だという状況です。
それではスポット測定はどうだったのでしたっけ……というところなのですけれども、スポット測定を見ますと、これも最大値が1.452 ppmで、5 ppmに比べるとかなり低い値になっています。
以上を踏まえつつ、ここからが先ほど申し上げました御相談事項なのですけれども。293行目、「リスクの判定及び今後の対応」というところです。最初に本検討会に諮らせていただいたときにお示ししていました案文に、これまでの議論を踏まえて加えたところを見え消しで記載しています。「イソホロンについては、許容濃度やTLV-TWAの設定がないため、二次評価値としてTLV-Ceilingの5 ppmを採用」しました、と。この箇所は、もともと特に何も説明を付けずに、しれっと二次評価値はこれですと書いていたわけなのですが、これはCeilingに由来するものですよということをちゃんと強調して書きつつ、じゃあ、それと比べるばく露レベルはどうするのかということで、8時間TWAの最大値0.49 ppmとスポット測定の最大値を併記して、いずれも二次評価値を下回っているのだということを説明しています。この二次評価値はCeiling由来ですので、本日ご報告させていただいたばく露評価のラインから行けば、作業別の個人サンプラーによる測定をやるのがスジなのですけれども、今ある情報の範囲だけでも、8時間TWAとスポット測定の最大値がいずれも二次評価値をかなり下回っておりますので、経気道からのばく露のリスクは低いと言ってよいのではないでしょうか──というのが、ここの書きぶりです。また、産衛学会、ACGIHのそれぞれで経皮吸収の勧告もないよ、と。
こういうことを踏まえますと、後半は初期リスク評価までのパターンの書きぶりで当初の文面から変えてはいないなのですが、一旦、このようなとりまとめ方で如何でしょうか……というのがイソホロンについての御説明になります。
すみません。このイソホロンについての結論の前に、資料4-2の2-ブテナールのほうもあわせてご説明させていただければと思います。
2-ブテナールについては、二次評価値が154行目、ACGIHのTLV-Ceilingの0.3 ppmという値を採用しています。その上のほう、127行目以降に、許容濃度とか他の機関が出しているものも書いてございますけれども、ACGIHはCeilingを出していて、Skinもついていますと。産衛学会は設定なし。DFGは皮膚吸収のHの区分がついています。NIOSH、OSHAはTWA 2 ppmの値を出している状況でして、こういう選択肢だと、もうCeilingを採るしかないよね──ということで、二次評価値としてはもともとTLV-Ceilingの0.3 ppmを採っていたというのが経緯です。
ばく露作業報告の提出状況は、その下のほう、166行目に表を記載してございますけれども、5事業場ございましたと。イソホロンに比べると少ないですね。実態調査については、報告のあった5事業場のうち2事業場は取り扱いがなかったということなので、3事業場について実態調査をやりました。
その中で個人ばく露測定3人分、スポット測定4地点分、それぞれ測ってきましたよというところをまとめた結果が195行目と196行目、個人ばく露測定結果のグラフとばく露の可能性のある作業というところなのですけれども。この個人ばく露測定結果のグラフだけ見ると、二次評価値よりも低いじゃん、という話になってくるのですが、本当にそれでいいのだっけ、と御指摘いただいたのがこの物質になりますので、そこのところをもうちょっと掘り下げて考える必要があろうかと思います。そこで、おさらい的になるのですけれども、グラフのちょっと上のところ、184行目から書いている「測定結果」のところでございます。8時間TWAの最大値は、いま見ていただきましたように二次評価値よりも低かったのですが、なお書きで192行目に書いている部分、スポット測定の実測データの最大値は1.202 ppmとなっていまして、この値は個人ばく露測定結果のグラフには当然出てこないのですけれども、二次評価値、Ceilingの0.3 ppmと比べると高くなっているわけでして、ここの取り扱いをどうしようかというのがまさにひっかかった理由だったわけです。
それをじゃあ、どうまとめるかということなのですけれども。今回、いろいろ御議論いただいた結果、Ceiling等に対応するばく露レベルを何某かの形で把握して、TWA的なものとCeiling的なもの、それぞれ2軸で評価した上で、両方クリアしていなければ詳細リスク評価をやりましょう……というのが結論だと理解しております。で、この物質の場合、Ceiling等に対応するばく露レベルとして作業別の個人ばく露測定をやりましょう、という方向性の調査はまだ実施しておりませんので、先ほどご確認いただいたアプローチとはちょっと違うのですけれども、でも、スポット測定でこれだけ超えているということは、やっぱりだめなんじゃないのというのは自然の発想として出てくるところかなと思っておりまして、そういった発想で方針案をまとめてみましたのが199行目以降です。
「以上のとおり、2-ブテナールについては、許容濃度やTLV-TWAの設定がないため、二次評価値としてTLV-Ceilingの0.3 ppmを採用」しましたと。これは先ほどのイソホロンの案文と同じ書きぶりです。他に手頃な濃度設定が無いのでこれを採用していますが、これはもともとCeilingなのですよ、という強調ですね。
「2-ブテナールの製造・取扱事業場においては、最大ばく露量(8時間TWA)の最大値0.12 ppmは当該二次評価値を下回っているが、スポット測定の最大値1.202 ppmはこれを上回っている」と。なので、ここの書きぶりはひょっとしたら御相談かもしれませんけれども、「経気道からのばく露のリスクが低いとは断定できない」と書いています。今まででの整理だと、ばく露レベルが二次評価値より低ければ「リスク低い」ですし、超えていたら「リスク高い」と書いていたのですけど、この物質の場合、個人ばく露のほうは低いけど、Ceiling等に相当するものとしてのスポット測定の値が高いので、リスクは低いとは言い切れないのかな……というようなニュアンスです。
さらに、本物質については、経皮も指摘されているので、経皮吸収に関する知見云々と、経皮のリスク評価が必要でしょうというところ。ここは、すみません、最初にご提示していた事務局案では経皮の勧告なしのパターンを書いてしまっていたので修正させていただいている点なのですが、結論としましては、経気道もスポット測定がCeiling等の値を超えているし、経皮もあるしということを鑑みると、やっぱり詳細リスク評価は必要でしょう、とは言えるのかなと。
「したがって、」として次のページの208行目以降に書いているところなのですが、今年度、リスク評価実施要領等の改定の検討をしていることも踏まえながら、詳細リスク評価を行うことが必要でしょう。どういったところに注意する必要があるかというと、TWA等とCeiling等の両面から二次評価値をもう一回検討しましょうか。具体的なTWA等の候補が今の時点であるわけではないのですけれども、基本的には2軸で併行して評価を行うという話になっていますので、両面から再検討しましょう。8時間TWAでは二次評価値を上回らないものの、比較的短時間のばく露──これはスポット測定の値を結果的にとりましたが──二次評価値を上回る可能性がある製造等の作業があるということですので、こういった部分については、詳細な分析を行いましょう、と。
残りは通常の書きぶりに近いですけれども、実態調査を行った作業以外に高いばく露の可能性があるものがないのか、ですね。こういったところを諸々確認しましょうかということで、最後、詳細リスク評価に進む場合の書き方にさせていただいているところでございます。
以上、2物質を比べてみていただくと、Ceiling等の取扱いについて合意いただいた軸は共有しつつも、結果として、それぞれの物質の評価結果は別れるよね、というところのニュアンスは出ているようにしているつもりなのですが、如何でしょうか。……というところで、2物質の御説明としては以上でございます。御検討、お願いできればと思います。
○名古屋座長 このままいくと、先ほどのイソホロンは初期リスクで終わるのだけれども、ブテナールは詳細リスクにいくよということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。
○名古屋座長 それで、何かお気づきの点はありますか。
○圓藤(陽)委員 評価のところ、ばく露実態調査結果のところに、やっぱり、TWAの数値だけじゃなくて、CeilingのときはCeilingの結果も入れないと、最後の言葉だけでは、何でそれが出てきたかわからないのじゃないですかね。
○阿部中央労働衛生専門官 なるほど。
○圓藤(陽)委員 それと、もう一つは二次評価値の説明のところ、例えば、今、ブテナールだと156行目のところ、40時間、これはCeilingを二次評価値とした場合には、この言葉は合わないのですよね。今まではTWAで8時間平均でやっているから、こういうことになるのですけど、Ceilingの場合には、Ceiling用の文言を入れないといけないのですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 なるほど。当該箇所、どうしようかな。ちょっと書きぶりを検討しまして、報告書にまとめる段階で、先生方に御確認いただくような感じでよろしいでしょうか。
○圓藤(陽)委員 有害性評価に回してください。
○阿部中央労働衛生専門官 有害性評価小検討会の委員の方々にご相談させていただきます。あと、御指摘の『スポット測定の結果がCeiling等の値を超えている』感をどう御説明するかのところは、グラフにするのかどうなのか……何か形を考えてみます。
○圓藤(陽)委員 グラフにしなくてもいいのですけど、最後のところの表のところ、最大ばく露濃度の推定か、もしくはどこかで結果を一度入れないと。
○阿部中央労働衛生専門官 承知しました。多分、こんな感じでいけるかなというのが無いではないですが、ちょっと考えてみます。
○名古屋座長 あと、212のところを見ると、「8時間TWAでは二次評価値を上回らないものの、比較的短時間」と書いてあるのですけれども、今までの書きぶりだと、要するにCeilingを二次評価値として使わないときにはいいのですよ。Ceilingを使うときには、通常のばく露濃度とスポット測定の二つの測定を実施することになります。この文章だと、普通のときもスポット測定を行い、その結果を評価する形になるから、ここは、通常の場合とCeilingを二次評価値として使った場合を使い分けないとだめなんじゃないですか。あくまでも今までどおり二次評価値がCeilingじゃないものについては、スポット測定は参考にはするけれども、それを使って、評価はしませんよという形になる。でも、今回はそうじゃなくて、Ceilingを二次評価値として使った場合については、リスク評価をする場合、当然8時間TWAも使うけれども、そのほかにスポットの測定によって評価するという形の書き方をしないと、ちょっとこの書きぶりだと、今までの評価法と混同するので、わかりにくいかなと、誤解するかなと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 承知しました。書きぶりは何か変えたいと思います。そうですね、日本語の調整でいけるのじゃないかと思います。
最後、報告書をまとめさせていただく段階で文言は御相談させていただきながらになるかと思いますので。
○名古屋座長 結果の評価は、これでいいと思いますけどね。
お気づきの点、何か。どうぞ。
○宮川委員 今のところなのですけれども、結論の評価はこのとおりでいいと思うのですけれども、書きぶりとして、この物質の場合は、たまたまCeilingと他の機関が出したTWAがあって、そちらのほうが高いのですよね。なので、刺激性等を問題にしたやつが一番低いところなので、これでやっていればいいわけですけれども、その逆になる場合があり得ると思うのです。Ceilingで刺激性の中では、ここで絶対超えないように、でもTWAとしては、もうちょっと低いところで平均してトータルすると、だめというのが、例があるかどうか記憶にはないのですけれども、そうすると、両方を考えた上で、最後にまとめるときには、TWA的なものと、短期のものと、それぞれ分けて、こちらはこれを使いましたよということがわかるような記載を考えていただければなと思います。
○圓藤(陽)委員 イソホロンがそれですね。
○名古屋座長 高いほうをとりますからね。
○圓藤(陽)委員 DFGが2 ppmなので、それとDFGの2 ppmとCeilingの5 ppmを両方合わせて評価する形にするかどうかですね。先ほどの文章だと、両方を評価して決める形というので。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしますと、あれでしょうか。有害性評価でTWAに相当する軸をどうするかを御確認いただく必要があるというイメージですかね、イソホロンについても。
○圓藤(陽)委員 DFGを入れるかと。今までは二つでしたけど。
○大前委員 どっちかですよね。
○圓藤(陽)委員 でも、できるだけ根拠があるものについては使ってもいいと思うのですよね。
○名古屋座長 管理濃度の変更を検討しているときも、以前の古いときは、ACGIHと許容濃度、どちらかを使いなさいとなっていたのだけども、平成26年に、管理濃度の変更のとき、ACGIHと許容濃度の二つだけではなくて、新しい情報についても検討の資料にすることが明記されました。その条項を採用したのが、リフラックトリーセラミックスファイバーです。結果的には、リフラックトリーセラミックスファイバーの管理濃度を決めるとき、リスク評価の二次評価値がACGIHの0.2(f/cc)だったので、通常ですと管理濃度が、0.2になるはずだったのですが、最新の情報を入手して検討することになって、探してみるとドイツが0.3を使用している事が判明しでしたので、0.2と0,3の濃度の提案理由を検討した結果、管理濃度委員会では0.3を採用して、管理濃度にしました。新しいものについては、その中できちんと議論したほうがいいですよということは、それは濃度についても同じことだと思うので、やっぱり入れたほうがいいですよね。低いものがあるのにかかわらず高いという形があるので。
○阿部中央労働衛生専門官 承知しました。
○名古屋座長 有害性評価のところは、有害性評価の先生にお願いして、書いてもらえればいいわけですよ。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。有害性評価小検討会は当分やらないので、どうしようかなと思っていまして。今、御指摘いただいた点の検討についてなんですが、改めてTWAに対応するものとしてどれを採るかというのは、なかなか検討が難しいのだろうなというところもあったので、今回2-ブテナールのまとめを書く中で、211行目、TWAとCeilingの両面から二次評価値の再検討が必要ではないか……と入れ込んでみているのがその話なのですね。ですので、すみません、今、御指摘の点、改めて検討する必要があることについては、文言としてはこの中に書き込むことはいたしますので、可能であればなのですけれども、日本語で調整で対応させていただけるとありがたいなと。
有害性評価小検討会をもう一回やってからでないと結論が出ない、ということになりますと、ちょっともったいない……というと語弊があるかもなのですが、おそらくそのプロセスを経ても結論はあまり変わらないような気がしますので、その方向性で報告書の文言の御相談をさせていただけるとありがたいです。
○名古屋座長 お願いします。
その後は、もう事務局そのままの実態で、ガイドラインとその辺のところの直しは、事務局のそのままで大丈夫だと思いますので。
○阿部中央労働衛生専門官 ありがとうございます。そうしましたら、ばく露評価ガイドラインについては、この文面で確定しましたというところ、各検討会の皆様にそれぞれ御連絡させていただくようにいたします。実施要領のほうは、有害性評価小検討会の方でご議論いただく必要がある部分もありますので、また後日になるかと思いますけれども、御相談させていただければと思っております。
ありがとうございます。
○宮川委員 1点、ガイドライン改定のことでちょっと気になったので、有害性のほうのときに、用語として、一次評価値、二次評価値、この説明を。それから、もっと言うと、初期評価と詳細リスク評価ですか、そのものの定義といいますか、説明を入れておいていただきたいような気がするのです。ちょっとここに、なかったような気がするので。
それから、もう一つ、一番最初の物質で気になったのが、疫学調査の計算値から二次評価値と言っていますけれども、許容濃度等がない場合にとってくるのを、私も記憶が定かじゃないのですけれども、二次評価値と言っていいのかどうか。ちょっと申し訳ないのですが。
○阿部中央労働衛生専門官 実は御指摘の点、「二次評価値」という用語についてですが、以前何かのときにちらっとお話ししたような気もするのですが、そもそも、実施要領のほうには「評価値」という言葉自体が出てこないのですよ。「ばく露限界」という言葉しか出てこなくて。「評価値」の考え方がどこに書いてあるかというと、「リスク評価の手法」にまず出てくると。それを受けて、ばく露評価ガイドラインで一次評価値、二次評価値というのを入れている気がするのです。ですので、「リスク評価の手法」の改定がとりまとまった段階で、その内容をばく露評価ガイドラインのほうにフィードバックする……といったアプローチは必要になるかもしれません。
○宮川委員 この物質の場合には、疫学からとった計算値をこれこれこういうことで二次評価値としますということを、例外的な措置であるということをどこか、わかるように、最後のほうに書いていただくと、あれ、二次評価値って許容濃度じゃなかったのかなとか思う人がいると思いますので、そのあたりの説明をつけていただければと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 チオ尿素ですよね。ちょっと、そこは御相談させていただきます。
○名古屋座長 ガイドラインに書いてある一次評価値、二次評価値ではだめなのですか。もともと労働者の有害物によるばく露等には一次評価値はどうです、二次評価値と書いてありますけれども。
○阿部中央労働衛生専門官 現行のばく露評価ガイドラインの改定案が、資料3-2としてご用意しているものになります。11月18日のばく露評価小検討会で見ていただいたものに、当日の御議論で、ここはちょっと方向を軌道修正しようかというようなところを御検討いただいたものを反映させたものになってございます。
11月18日のばく露評価小検討会でご確認いただいた版からは、いろいろ細々と手が入っているのですけど。評価値のところは……。
○名古屋座長 31ページ、705ですか。
○阿部中央労働衛生専門官 実は、評価値のところが微妙な書きぶりで……というと変な言い方なのですが、基本的に評価値に言及している箇所があまりなくて、「ばく露限界」と書いているところが多いのです。けれども、二次評価値と比べますと書いているところは……。
○名古屋座長 二次評価だね。ごめんなさい。
○圓藤(陽)委員 でも二次評価値の比較と書いてありますよ。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、今、画面の方にも出します。書いてあるところは一応あるのですけど。
○名古屋座長 いつものフローを見ていると、あそこに書いてありますから、それだとずっと思っていたから。
○阿部中央労働衛生専門官 大雑把に申し上げますと、今、名古屋先生におっしゃっていただいた資料3-2の改定案のうち31ページのところ、705行目とかで、一次評価値とか二次評価値とか書いてあるところは確かにあるのですけれども、全般に『ばく露レベルが評価値を超える場合には』という書きぶりにさせていただいておりまして。二次評価でいくと、720行目、もともと「TWA8hの最大値が二次評価値を超える場合」と書かれていましてあるのです、評価値の比較対象となるものがTWA決め打ちで書かれていた部分なのですが、ここの比較対象を「ばく露レベル」と書き直しました。というのが、「ばく露レベル」ってそもそも何なのかというと、これまではTWAを想定した個人ばく露測定の結果しか設定されていなかったのですが、今回、TWA等とCeiling等に対応するものとして、それぞれ個人ばく露のTWA 8hと作業毎の短時間ばく露の値を対応させるという書きぶりを途中に入れておりまして。結果として、このばく露レベルと二次評価値の比較という文言そのものの中に2軸の要素が入っている、という構成にしてみています。なので、御指摘のように、個別の評価書を書くときにどういうまとめ方をするかというのは、確かに注意が必要かと思うのですけれども、ばく露評価ガイドライン上は、既に2軸の考え方を溶け込ませていることになります。
○宮川委員 要するに、私が言いたかったのは、今のところのあるのですけれども、ポイントは、いわゆるNOAELから計算した、これは疫学データも含めて計算したものが基本的には一次評価値で、それからACGIHだとか産衛学会等が提唱しているのが二次評価値ということでやっていますので、これがデフォルトだというところが、どこかにないといけないのかなと。デフォルトで、もちろん検討した結果、それが不適切な場合には修正は可能ですけれども、とりあえず、一段目はそういうことでやりますよという、ある程度、型を決めておくということもリスク評価では重要かと思っていますので、これだけ中に入って、一次評価、二次評価と言っている中で、一次評価値、二次評価値について説明がないと、少しあれっと思われる可能性があるかな。特にさっきの物質については、そういう扱いが通常と違いましたのでということです。
○阿部中央労働衛生専門官 ご指摘のニュアンスは、多分、理解できたと思います。
実は、先ほど申し上げましたように、一次評価値と二次評価値の考え方が先に出てくるのが「リスク評価の手法」のほうになっていまして。今回の配付資料には、今年度の有害性評価小検討会で検討していただいていた改定中の版をおつけしていなかったなのですが、なのですみません、これも入れておけばよかったですね。今、画面の方には出力しますけれども。
ともあれ、「リスク評価の手法」の中で、二次評価値をどう設定するか書いているところがありまして、許容濃度またはTLVが設定されている場合は、基本的にそれを採用することになっています。それ以外の場合、つまり許容濃度もTLVも設定されていない場合は、「以下の優先順位により最新の知見を考慮して値を採用する」という表現になっていまして、逆に言うと、この範囲で決める限りにおいては、元の値がTLVとか許容濃度じゃなくても、二次評価値は二次評価値ということになるわけです。例えば、発がん性以外の毒性試験で得られたNOAELから外挿した値とかでも、優先順位の順番は低くなっていますが、それ以外に適当な値が無い場合には採り得るという書き方になっているので、ご指摘のような値が仮に根源になっていたとしても、この「リスク評価の手法」に即して有害性評価小検討会で検討した結果、これを二次評価値としましょうと言われれば、そうなるという、そういう構造なのですよ。
○宮川委員 先生方のそういう細かいところもあると思いますので、個別のときにさっきの物質みたいに、そちらからとってきたときには、それがわかるように書いてもらいたいというのと、それから、さっきの物質で言うと、そうやってとってきたやつを一次評価値が10分の1よりも大きかったからという書きぶりは、そうするとちょっとあれっと思うところもありましたので、ということです。
○阿部中央労働衛生専門官 そこは確かに逆算で書いちゃっているところがあるので、文言としては調整をさせていただきたいと思います。
○名古屋座長 よろしいですか。一部確認することと修正等あります。これは事務局に確認していただいて、次回に御報告いただければと思います。
あと、事務局から何かほかにありますか。
○阿部中央労働衛生専門官 今後のざっくりとしたスケジュール感なのですけれども、1月15日にばく露評価小検討会をもう一回やらせていただいて、その次、2月にもう一回この合同の検討会をやらせていただく予定です。合同の日付は2月3日の午後ですね。
ネタとしては、未定なのですけれども、詳細リスク評価に進んでいるものの中で、昨年度までのばく露実態調査の進捗を踏まえて、一旦これでいいでしょうか、どうでしょうかというのを、ばく露評価小検討会のほうで御相談し、結論として、これで詳細リスク評価の結果としてよいのではないか……という話が得られましたら、合同のほうで詳細リスク評価のほうの御相談をさせていただくかもしれません。
あと、これも御相談しなきゃいけないかなと思っておりますのが、ばく露作業報告とかが少なく実態調査ができる事業場がゼロのものについて、打ち切りとかを含めた意思決定をどこかでしなきゃいけないかなと思っているものがありますので、その辺もまとめた上で御相談をしたいと思っております。
  以上です。
○名古屋座長 では、よろしくお願いします。
  ちょっと時間が過ぎて申し訳ありませんでした。本日のリスク評価は閉会とします。どうも本日はありがとうございました。