2019年12月19日 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録

日時

令和元年12月19日(木)14:00~
 

場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
 

出席者

出席委員(17名)五十音順

 ◎分科会長 ○分科会長代理


欠席委員(5名)

行政機関出席者

 樽見英樹(医薬・生活衛生局長)
 森和彦(大臣官房審議官)
 鳥井陽一(総務課長)
 山本史(医薬品審査管理課長)
 渕岡学(化学物質安全対策室長)
 中井清人(医療機器審査管理課長)
 関野秀人(医薬安全対策課長)
 田中大祐(安全使用推進室長)
 江野英夫(監視指導室長)
 石川直子(血液対策課長) 他

議事

○総務課長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。医薬・生活衛生局総務課長の鳥井でございます。
本日の委員の出欠でございますが、川上委員、真田委員、半田委員、南委員、山田委員から御欠席との連絡を頂いております。現在のところ、委員数22名のうち17名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。併せて、事務局に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。本日、所用により欠席でございますが、医薬品副作用被害対策室長に海老敬子が着任をいたしております。よろしくお願いいたします。
分科会を開始する前に、委員の先生方の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。同条におきましては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。本分科会におきましては、会議開催の都度、こちらの規程の適合状況を書面に御署名いただく形で御申告いただく運用とさせていただいております。今回、全ての委員の皆様より、同規程に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には、引き続き申告について御協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、本日の資料について御説明いたします。本日、席上に座席表、委員名簿、議事次第を配布しております。その他の資料につきましては、タブレットで御確認をお願いいたします。
これより、タブレットの使用方法について御説明させていただきます。タブレットの一番上の所に、マイプライベートファイルと黒い文字で書いてある画面が開かれているかと思います。そちらの一番上の議事次第を開いていただきますと、議事次第が開かれます。元の画面に戻る時は、左上の青い字の所をタッチしていただきますと元に戻ります。画面が表示されましたら、「06公開案件」というフォルダがありますので、そちらをタッチしていただきますと、資料1~資料4、資料その他が表示されていると思います。これらの資料をタッチしていただいて、各資料を確認していただければと思います。簡単ではございますが、操作の説明は以上です。資料の不足等ございましたら、お申し出いただければと思います。以上でございます。
○総務課長 よろしいでしょうか。本日は冒頭の報告事項4件につきまして、会議を公開とさせていただきます。公開案件終了後は、非公開とさせていただきます。それでは、橋田分科会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○橋田分科会長 それでは、始めさせていただきます。最初に、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
○事務局 公開案件の資料を確認させていただきます。タブレットを御覧ください。フォルダの「06公開案件」をタッチしていただきますと、資料1~資料4、資料その他1~3が入っております。不足等ございましたら、お申し付けください。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。本日の公開案件は報告事項が4件、その他事項として事務局より1件の報告案件が予定されております。それでは、報告事項議題1、資料1です。「令和元年度第1回血液事業部会について」でございます。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から、議題1、資料1、血液事業部会について説明いたします。マイプライベートファイルの資料1を御覧ください。「令和元年度血液製剤の安定供給に関する計画(需給計画)の一部を変更する件」です。需給計画は毎年度作成し、血液事業部会で御議論いただき、その結果を当分科会へ報告しているものです。今年の3月に分科会へ報告した内容を一部変更するものです。
今回の変更の内容といたしましては、まず1点目が10月1日に消費税率が引き上げとなっておりますので、それに伴う原料血漿標準価額の変更、2点目が、人免疫グロブリン製剤の需要見込と輸入目標量の変更です。資料1の2ページを御覧ください。まず、原料血漿標準価格の変更です。これは、日本赤十字社から血液製剤の製造販売業者に原料血漿を配分する際の価格で、消費税込みの価格となっております。今般、消費税率が8%から10%へ引き上げられたため、凝固因子製剤用が11,990円から12,210円に、その他分画用は10,980円から11,180円にそれぞれ変更しております。
次に、人免疫グロブリン製剤の需要見込と輸入目標量の変更です。人免疫グロブリンにつきましては、一部の製品の需要が増え、当初の見込みを上回っておりました。この状態が継続すると、後々グロブリン製剤の供給がひっ迫するおそれがございました。それによって、人免疫グロブリンの輸入目標量需要見込を変更しております。人免疫グロブリンの国内メーカーにおいては、グロブリン製剤が不足しているからといって、急遽今年度内に製造量を増やすことは困難であります。それは、製造のリードタイムが長いことがあり、今直ちにつくったとしても製品として市場に出荷されるのは、半年や8、9か月先といった状況になるといったことがございます。その欠品リスクを回避するため、今回外国製品の輸入量を増やし対応することとなりました。そこで、需給計画に定める需要見込と輸入目標量の変更を行っております。
なお、血液法第25条の7項におきまして、製造販売業者におかれましては、製造又は輸入に当たっては需給計画を尊重するとなっておりますので、この規定に従い、今回需給計画を変更しております。具体的な変更内容につきましては、資料1の3、4ページを併せて御覧ください。4ページが需給計画の変更内容を新旧対照表で示したものになっております。3ページの参考にも記載しておりますが、血液法第25条の5項で、需給計画を変更しようとする時には、あらかじめ薬事・食品衛生審議会の意見を聞くこととされております。
これらの変更については、8月の下旬に電子メールを活用した血液事業部会の持ち回りという形で部会を開催し、部会委員の皆様方の御了承を頂いております。今回の需給計画の変更につきましては、厚生労働省告示第133号として、9月30日付けで官報に告示をしております。御参考までに、8ページ以降に変更前の需給計画、今年3月に当分科会に報告させていただきました需給計画を添付しております。事務局からの説明は以上となります。
○橋田分科会長 ありがとうございました。血液事業の需給計画の変更ということでした。それでは、委員の先生方、御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。
○脇田委員 感染研の脇田です。確認しておきたいのですが、この一部のグロブリン製剤の需要増の原因が一時的なものなのか、それとも今後も続くということで、来年度以降も需要増が見込まれるのかどうかについてお尋ねしたいと思います。
○事務局 事務局から回答を申し上げます。このグロブリン製剤の需要につきましては、来年度以降も引き続き伸びる傾向にあることが見込まれております。また、来年度も需給計画の変更を年度途中に行うことのないように、需給予測をしっかりと私どもでも行い、医療現場に免疫グロブリン製剤が適切に供給できるよう、きちんと注視してまいりたいと考えております。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。他にございますでしょうか。それでは、本件につきまして、御確認いただけたものとさせていただきます。
続きまして、報告事項の議題2、資料2です。「令和元年度第2回医薬品等安全対策部会について」です。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 資料2、令和元年度第2回医薬品等安全対策部会について御説明いたします。11月18日に開催した部会で、一般用医薬品のリスク区分について御審議いただきましたので、その結果を御報告いたします。一般用医薬品は、リスクに応じて第1類医薬品から第3類医薬品に分類され販売規制が行われております。当初は、要指導医薬品として販売され、その間に製造販売後調査が行われ、この調査の終了後1年間は第1類医薬品に分類された後、調査の結果等に基づいて分類の見直しを行っております。
第1類医薬品に分類されておりましたトリメブチン(過敏性腸症候群治療薬に限る)につきましては、11月の部会に先立ち、8月27日の安全対策調査会において、製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討を行いました。安全対策調査会では、消化器内科の領域の専門家の参考人にも御参加いただき、特に注意を要する副作用は挙げられていないということで、第2類医薬品とすることが適当であるが、販売時にチェックシート等を用いて効能・効果の括弧書きのとおり、以前に医師の診断・治療を受けたことのある人に対して、適切に販売されるようにすべきだとされました。11月の部会においても、パブリックコメントの結果も踏まえた上で、同様に副作用等の観点から第2類医薬品とすることが適当であるが、チェックシート等の販売時の対応を徹底する必要があるとされました。以上から、第2類医薬品が適当であると議決されまして、12月9日付けで答申を頂いております。このトリメブチン(過敏性腸症候群治療薬に限る)につきましては、令和2年1月10日をもって、第2類医薬品に移行予定です。資料2の御報告については以上です。
○橋田分科会長 ありがとうございました。それでは、医薬品等安全対策部会長の五十嵐委員、御追加がありましたらお願いします。
○五十嵐委員 特にございません。
○橋田分科会長 それでは、委員の先生方、御質問、御意見等ございますでしょうか。一般用医薬品のリスク区分の変更ということです。よろしいでしょうか。それでは、本件につきまして、御確認いただけたものとさせていただきます。
続きまして、報告事項の議題3、資料3です。「令和元年度化学物質安全対策部会について」です。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料3、令和元年度第3回化学物質安全対策部会の審議結果についてを御覧ください。「1.背景」にございますように、今般ストックホルム条約におきまして、国際的に製造、使用等を原則禁止する化学物質として、ジコホル及びペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質が追加され、化審法の第一種特定化学物質に指定し、国内においても製造、使用等を原則禁止することが適当とされましたので、その旨を9月の本分科会において御報告させていただきました。
その後、PFOA等に関しては、PFOAを含有する製品に対する措置等につきまして、本年10月に開催の化学物質安全対策部会において御審議いただきましたので、その内容につきまして御報告いたします。「2.化審法による対応」を御覧ください。(1)輸入を禁止する製品の指定につきましては、国内外におけるこれまでの当該化学物質の使用状況、使用されている製品の輸入状況等を踏まえて、表に示しておりますとおり、PFOAとその塩、あるいはPFOA関連物質が使用されている製品群を輸入禁止製品に指定することが適当とされました。ジコホルについては特段指定はございません。
続きまして、(2)を御覧ください。ストックホルム条約において製造等の禁止の適用が除外されており、かつ代替困難な用途であるために、第一種特定化学物質の使用を例外的に認める用途として、PFOA関連物質については、「医薬品の製造を目的としたPFOBの製造のためのPFOIの使用」を指定することが適当とされました。ジコホル及びPFOAとその塩につきましては、特段指定はございません。
最後の(3)を御覧ください。当該化学物質が使用されている製品のうち、その形態から環境を汚染する可能性があるため、取り扱う場合に技術上の基準に従わなければならない製品として、PFOAとその塩、あるいはPFOA関連物質が使用されている消火器、消火器用消火薬剤及び泡消火薬剤を指定することが適当とされました。ジコホルにつきましては特段指定はございません。
今回御報告いたしました内容については、所要の手続を経て、来年、第一種特定化学物質の指定と併せて、化審法施行令の改正政令を公布、施行することとしております。資料3につきましては、御報告は以上になります。
○橋田分科会長 ありがとうございました。それでは、化学物質安全対策部会長の奥田委員、何か御追加がございましたら、お願いいたします。
○奥田委員 私の方から特段の追加はございません。
○橋田分科会長 他に委員の先生方から御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件につきまして、御確認を頂けたものとさせていただきます。
続きまして、報告事項の議題4、資料4です。「令和元年度第6回医薬品第二部会より生物学的製剤基準の一部改正について」です。事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、議題4、生物学的製剤基準の一部を改正することの可否について、事務局より御説明いたします。こちらは、11月25日の医薬品第二部会で審議されたものとなります。資料4、生物学的製剤基準の一部改正についてのファイルをお開きください。資料1ページ目の「1.制度の概要」を御覧ください。医薬品医療機器等法第第42条第1項に基づき、保健衛生上特別な注意を要する医薬品等について、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、必要な基準を設けることができるとされており、生物学的製剤基準において、ワクチン、血液製剤等に係る基準を定めております。これまで、おおむね5年ごとに全体的な見直しを行ってきたところ、この度、国立感染症研究所や業界団体からの当該基準に係る改正要望を受け、関係者と検討を行ってきました。この検討に基づき、今般、基準の改正を行うものとなります。
「2.改正の概要」を御覧ください。今回の改正は、現在の科学的水準に合わせるため又は日本薬局方等との整合を図るために所要の改正を行うものであり、例えば1ページ目の下段に記載のあるインフルエンザHAワクチン他3品目の異常毒性否定試験について、これまでの試験実績を踏まえ、50回以上連続して適合している場合は本試験を省略できる規定を追加しております。その他の点につきましても、資料の中に記載させていただいております。
4ページを御覧ください。「3.今後の予定」ですが、現在パブリックコメント等の準備をしているところであり、それらの手続を行った後、令和2年4月を目途に公布する予定としております。なお、国立感染症研究所から本改正案について検討していただいた結果として、新旧対照表をその後に付けさせていただいております。生物学的製剤基準の改正についての説明は以上となります。
○橋田分科会長 ありがとうございました。医薬品第二部会長の清田先生、何か御追加はございますか。
○清田委員 はい、特にございません。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは、ただいまの御説明に対しまして、御質問あるいは御意見がございましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、本件につきまして、御確認いただけたものとさせていただきます。ありがとうございました。
○奥田委員 すみません、先ほどの化学物質安全対策部会の件ですが、鈴木委員にコメントを頂くのが筋でして、私は瞬間にありませんと答えまして、失礼いたしました。
○橋田分科会長 それでは、お願いいたします。
○鈴木委員 追加は特にございません。
○橋田分科会長 私が間違えました。申し訳ありません。よろしいでしょうか。それでは、最初にその他の事項1件があると申しましたが、1月29日に開催されました医薬品第一部会で報告された案件につきまして事務局より本分科会においても報告があると伺っております。それでは、御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、事務局より説明いたします。概要を使って説明いたします。タブレットの公開案件フォルダの資料その他1、2、3とありますが、そのうちの「資料その他-2概要版」という所を御覧いただければと思います。
こちらは、本年7月30日にエーザイ株式会社より公表されました同社が実施する健康成人を対象とした治験において発生した死亡事例について、機構の調査結果報告書を11月29日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で報告をした件で、そちらの報告書の概要に関するものとなっております。
内容を説明しますと、本治験において用いられた治験薬は、エーザイによって抗てんかん薬として創製された治験成分記号E2082という物質です。事案は、健康成人男性を対象としたヒト初回投与試験で生じました。
案件発生時の経緯ですが、死亡した被験者は入院下で本剤15mg/日・10日間反復投与を受けたところでした。入院中、この被験者には軽度~中等度の眠気及び浮動性めまいが生じておりました。また、投与後に設定された3日間の入院観察期間中には軽度の悪心、眠気、浮動性めまいが生じておりましたが、それ以外は特段の異常を訴えずに退院したところです。
しかし、その後、この被験者は退院したその日に、自主的に治験実施医療機関に再来院いたします。その際に、実施医療機関の医師に対しまして、入院観察期間中に幻視、幻聴、不眠があったということを訴えました。医療機関側は被験者の受け答えがはっきりしており、容態が安定していたこと等から経過観察を決断しましたが、翌朝、警察からこの被験者が電柱から飛び降りて死亡したことが伝えられたものです。
当該死亡事例の発生後、本剤の投与は全て中止した状態になっております。医療機関側は本治験の他の被験者の安全確認を行いましたが、一部異常を訴えた被験者はいるものの、重篤な有害事象はありませんでした。
本事案を受けまして、治験依頼者及び治験実施医療機関が「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」、いわゆるGCP省令に基づいて適切な対応を取っていたかどうかを調査を行いました。
ページを進んでいただきまして、その結果については以下の通りでした。まず、本剤とお亡くなりになられた被験者に生じた有害事象との因果関係は否定できないと考えております。
続いて、治験実施医療機関及び治験依頼者のGCP省令に対する遵守状況についてですが、治験実施医療機関が被験者から治験参加の同意を得る際に、治験の概要や予想される副作用について情報提供をしていることや、治験依頼者が医療機関に多くの治験の実施があり、緊急の事態が生じた際の対応が定められていること等を踏まえて施設に治験の依頼を行っていることから、GCP省令に対する重大な逸脱に該当する所見があるとは認められませんでした。しかしながら、GCPの理念を踏まえれば、医療者にはより配慮を要する事項があったと考えています。
まず、第1に、治験実施医療機関は、この被験者の再来院があった際に、速やかに精神科等の専門の医師に受診をさせるべきでした。また、第2に、治験実施医療機関は、同意説明時に被験者に対して、自殺に関連するリスクを含む治験薬の心身に与える影響について、より詳細に注意を書面で伝えるべきでした。また、第3に、治験担当医師にとって専門外の有害事象が生じた際には、より慎重に構じるべき措置を判断すべきでした。最後に、治験依頼者は治験薬のリスクを踏まえ、精神科医等による診察が可能な実施体制が整った医療機関を選定するか、治験責任医師・分担医師に精神科医等を含める等の対応を取ることが適切でした。
以上の調査結果等を踏まえまして、開発初期の治験を実施する際の対応として、今後の対応を取りまとめております。まず、治験依頼者についてですが、被験薬のリスクに応じた対応が可能な治験実施医療機関及び治験責任医師等を選定することや、発現が想定され重大な転帰につながる有害事象について、治験実施医療機関に十分な説明を行い、被験者に文書で情報提供をすること、特に中枢神経症状を来すような薬剤の治験を行う際には、それに加えて有害事象の診断が可能な治験実施医療機関での実施や、家族等の保護者が関与することについて検討を行うといった対応が考えられました。
(2)、続いて治験実施医療機関についてですが、被験者に発現が想定され、重大な転帰につながる有害事象について、文書で情報提供するとともに、心身の変調が生じたら、速やかに申告するように被験者に伝達すること。更に重篤な事象が発現した場合には、入院期間の延長や家族等への連絡などの対応を行う可能性があることを説明して、同意を得ること。被験薬の性質により、治験終了後も有害事象が発現する可能性があることを理解し、被験薬投与終了後も被験者の有害事象の発現の有無を確認し、記録を取ること。そして、重大な転帰につながる可能性がある事象が発生した際には、臨床経験のある専門の医師の意見を参照する等、適切な連携体制を整備することなどの対応が考えられました。
こういった対応については、今後、適切に医療機関、治験依頼者、業界団体等へ指導を行ってまいりたいと考えております。なお、11月29日の医薬品第一部会では、有害事象が発生した際には、治験実施医療機関として適切に診断が行えるような体制を整備することや、被験者から異常をしっかりと見付けて、必要な場合には治験の中止をも含めた判断ができることが必要であるとの指摘や、被験者が自らの病識の判断ができないケースでは、近親者から異常の声がきちんと得られるようにすること、今回の事例のような有害事象が生じた際には、精神保健専門医等といった専門性の高い医師の関与の必要があることなどについて御指摘を頂戴いたしました。説明は以上です。
○橋田分科会長 医薬品第一部会長は杉委員ですが、何か追加いただけますでしょうか。
○杉委員 はい、ありがとうございます。非常に残念な事案が起きて、そのことでも討論しましたが、やはり被験者の保護を大前提として、今回の関係した所には指導の徹底を行っていただくということと、製薬業界全体にもこのことを知っていただいて、注意喚起をもたらすということが非常に大事だろうということで、私もその時申し上げました。以上です。
○橋田分科会長 ありがとうございました。フェーズ1の治験で、こういう有害事象が出て、治験薬の投与とこの事象との因果関係が否定できないということでして、非常に大きな問題かと思っております。今、別添の1の概要で御説明いただきましたが、別添2には、より詳細な調査結果が出ておりますので、恐らく今後、例えば学術的・科学的な立場からこうしたデータの検証が行われ、それに基づいて将来の治験の改善に向けて色々なフィードバックが行われることを期待したいと思っております。先生方、御意見がございましたら、是非よろしくお願いいたします。
○佐藤委員 これは治験継続なのですよね。
○事務局 事務局から回答いたします。治験自体を中止はしていませんが、全ての治験薬投与等は事実上現在行っていない、止まっている状態です。
○佐藤委員 それで改善するということで、治験をまた続けるのですよね、これで開発中止というわけではないのですよね。
○事務局 事務局より回答いたします。この件については、エーザイが今後、この治験を完全に終了させてしまうのかについては、エーザイ側で引き続き判断をすることになりますので、現時点ではまだ決まっていない状況です。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○橋田分科会長 他に、望月委員どうぞ。
○望月委員 もともとフィコンパは、徐々に漸増して用法・用量を上げていくということで承認を取っていたお薬だったと思うのです。それで、今回は最初から高用量というか、維持量に近い量を投与することができないかということで、治験をされたというような感じで私は受け止めているのですが、それでよろしいですか。
○事務局 事務局より回答いたします。本剤についてはこの15mg/日の投与の前に、低用量の投与をだんだんドーズアップしていったその最後のフェーズでして、これが最終的な、例えば臨床用量そのままになるかというのは、また別問題にはなっております。
○望月委員 その前の段階の、徐々に量を上げていった時の安全性の部分の評価というのは、どのような感じだったのでしょうか。
○事務局 事務局より回答いたします。単回投与を40mgまで終わったあと、反復投与群に移っているわけですが、いずれの場合においても、めまい、傾眠といった有害事象は発症しておりますが、こういったような行動異常等は認められていなかったという状況です。
○望月委員 めまい、傾眠というのは用量依存的な感じだったのでしょうか。その辺りも全部含めて分析をして、今回はある程度連投されて再度退院をされてから、おかしいといって最後に受診されたという形だと思うのですが、その連投のところの血中濃度の予測も含めて、そういう解析をされた上で、最終的に15mg/日で、最初からいくという形を取っていらっしゃるのですか。
○事務局 事務局より回答いたします。概要にはそういったところは書いておりませんが、資料のその他の3番、別添2で、そういった非臨床試験からどのようなドーズを考えるかといったところであったり、あるいは今回の副作用の発現状況についての解析等がどのように行われていたかというところが示されております。例えば、有害事象に関しましては、資料その他の3、調査結果報告書別添2の13ページの所に、そういった状況が示されているところです。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。調査報告書においてパートAの単回投与時に40mgまでの用量において発現した有害事象と、パートBの反復投与時に10mgまでの用量において発現した有害事象を検討しております。先ほど事務局からもお伝えしましたように、生じた事象は軽度であったという点と、血中濃度の観点においても15mg/日の用量で反復投与した時の曝露量が単回投与時と同レベルになるであろうという点を考慮し、15mgの反復投与においても、同じような安全性になるだろうという予測の下で、15mgの反復投与コホートが追加されました。
○望月委員 分かりました。ありがとうございます。
○事務局 機構からもありがとうございました。
○橋田分科会長 他にいかがでしょうか。中川委員どうぞ。
○中川委員 薬理学的なことではなくて、被験者が死亡するまでの経過の中で、別添1の2ポツの所がありますが、どこが一番問題かということを明確に認識しないと駄目だと思うのです。私はこの2ポツの(1)の3つ目のポツ、これが問題だというか、間違いだったというように思うのですが、そういう認識でよろしいですか。
○事務局 事務局より回答いたします。なかなかどれか1つの責任に帰着させることは難しいとは思っておりまして、そういったことも踏まえまして、今後の対応のところで様々なことは申し上げておりますが、委員御指摘のとおり、再来院の際の対応が何かできていれば若干変わったのではないかというようには思うところでもございます。
○中川委員 この辺をはっきりしておかないと、治験を再開することはできないでしょう。退院したその日に自分で自主的に再来院しているわけです。そして、容態が安定していたこと等からというのはおかしな話で、この辺はやはりとても問題だと思います。1つに原因を絞るということはできないとしても、やはり一番の問題はここだというように皆さんが認識しないと、これは誰でも、一般の方でも経過を見たら分かることです。そういうことを言っているのです。
○橋田分科会長 いかがでございますか。
○事務局 事務局より回答いたします。委員御指摘のポイントについては、先ほどの概要版の別添1の中でも、今後の対応の中で、中枢神経系の症状を来す薬剤の治験を行う際には、こういった有害事象の診断が可能な治験医療機関で実施を行うことなどが対応として考えられるということも御指摘させていただいておりますし、また、重大な転帰につながる可能性がある事象が発現した際には、臨床経験のある専門の医師の意見を参照にするといったこと、あるいは治験責任医師や分担医師等に精神科医、神経内科医の先生を含めていただく、そういったようなことも重要なポイントであろうかと考えております。機構から補足はございますでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 今回の状況について、少し補足させていただきます。資料その他3、調査結果報告書別添2、23ページを御覧いただければと思います。その上から4ポツ目になりますが、この規定外来院時において治験責任医師が心療内科受診を勧めておりますが、その時に被験者が心療内科の受診を頑なに拒否したということで、次回来院時には心療内科受診を勧める予定であったという状況です。ただ、今回の事例を受けまして、生じた事象に応じて、やはり速やかな対応が必要だったと考えておりますので、それを調査報告書にまとめさせていただいております。
○橋田分科会長 いかがですか。状況としては非常に分かり易いことでございますし、御意見と言いますか、何か非常に納得できないものをお感じになっているとは思いますが。はい、どうぞ。
○審議官 中川先生が御指摘になっているところは私どもも大変非常に気がかりなところで、実際にどのような経過であったのかということについて、御当人が亡くなられてしまっているので、その確認ができない。それ以外の関係者の方々に、それぞれ色々な記録類も含めて確認をしながら、その当時の経過を確認していく調査を現地にも赴いてやったということで、それに基づきまして、この報告書を機構がまとめてくださったということです。
23ページの、今引いた所の御参照いただいた所でのこの経過が、分かった範囲がここまででありまして、この段階でその御当人がどのような強い拒否を示していたのかというのは、その場にいない限りは分からないところもありまして、この時にもう一段強く勧めて入院をしてもらっていれば、もしかしたらというようには考えられるところではあるのですが、ここまで拒否感の強い方にどこまでできたのかなということについて、一方的にこのやり方が甘かったというところまで、断定的にはなかなか言えないのではないかというところがあります。そもそもこういう事態を、最悪事態を想定して、あらかじめ被験者としてどのような方にお願いするのか、そしてその被験者の方にきちんと、こうなったらこういうようにしますよと、それはいいですねというようにしっかり同意を取っておくなど、もう少し周りのセッティングから根本的にやり方を変えるような形で、被験者を守るという手を構ずるのができることではないかというような検討の結果が、先ほど御紹介した内容の今後の対応の部分ということです。何しろ、このように御当人が亡くなってしまわれますと、本当に解明が難しいということは、本当に残念なことですし、そういうことで今回このような形で御報告をさせていただいているということです。
○橋田分科会長 いかがでございますか。御意見がございましたら伺わせていただきます。佐藤委員、どうぞ。
○佐藤委員 今、審議官がおっしゃったようなことで、改善を行って、仮にこの企業が今後Ⅰ相試験を続けたとすると、多分、まれな事象ですから、Ⅰ相試験が何ごともなく済んでしまうと思うのです。そうした時に、Ⅱ相試験に進んで、てんかんの患者に使われた時に、もっと高頻度でこういう事象が起きるのではないかという懸念があるのですが、その辺りについてはどうお考えでしょうか。
○医薬品審査管理課長 本剤、これからどういうように企業が判断するかというのは、まだ分かりませんので、今は全部中止しておりますし、そこはしっかり私どもも注視したいと思っております。こういった事案が発生したものですので、それを踏まえて我々はこういったことが起こらないようなことをすべきだと思いますし、開発についてもしっかり企業に考えていただきたいと思っております。
○橋田分科会長 中川委員、どうぞ。
○中川委員 例えば23ページの心療内科に受診を被験者が頑なに拒否したとありますよね。これも副作用ではないかという可能性もあると思うのです。一方的に決め付けているわけではないのですが、そういうこともかなり考えなければいけない。フェーズⅡに進むという前に、これはきちんと検証、確定していないとできないでしょうということを言っているのです。
○審議官 はい、そのとおりだと思います。
○中川委員 なんとなく、ほんわり終わらせては駄目ですよ。
○審議官 ほんわり終わらせるということでは決してないというように、私ども皆考えております。ここのお話に関しても、本当に危ないと思えば措置入院も考えるべきではないかということも、専門協議の際に議論されています。ただ、それが確実に問題なく行われるようにするための事前のセッティングをもっときちんとしておかないと、こういう事態になった時に、うまく対処できないというようなことが、今のままだといけないのではないかということです。実際に、御本人が頑なにというのは、正しく先生がおっしゃるように、薬の影響がまだ残っている、あるいは薬の影響があってのことなのか、薬の影響によって二次的な反跳現象で起きていることなのか、それも実はよく分からないというところがありまして、これについて本当にきちんとした解明をしたいところですが、得られる限りの情報で分からない部分があるということ、分からない部分があるから、佐藤先生がおっしゃるような、もし、ではてんかんの患者ではどうなるのだろうかという当然の疑問が生じるわけでありまして、そういうことに1つ1つ被験者の安全、将来の患者の安全をきちんと考えられるようになっていなければ、安易に前に進めるということはできないと考えることが、恐らくこの場の先生方皆さんがお考えになっていることではないかと、このように考えております。
○橋田分科会長 望月委員、どうぞ。
○望月委員 とすると、退院時は特に問題はなかったのですが、退薬症候かもしれない可能性があるということを考えると、やはり退院後のフォローアップというのを、こういった領域の薬の場合、かなりしっかりしないといけないのかなということも併せてお考えいただいた方がいいかなというように思いました。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。本当にこういう残念な事案ですが、行政からも是非適切に厳しく御対応いただきまして、こういう結果を今後の治験計画の策定においては、より有効・適切に役立てていただくということでお願いをしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、本件については確認を頂いたものとさせていただきます。以上で公開案件は終了いたしましたので、以後の議題は非公開とさせていただきます。傍聴者の皆様は御退席をお願いいたします。
-傍聴者退室-
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは再開いたします。最初に、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
○事務局 それでは、非公開案件の資料を確認させていただきます。左上の青の字の所をタッチしていただきまして、マイプライベートファイルの画面を出していただきます。「07非公開案件」というフォルダがありますので、こちらをタッチしてください。こちらの中に資料5から資料23を格納させていただいております。また、マイプライベートファイルをタッチしていただきまして、「08文書報告」をタッチしていただきますと、文書報告資料として資料101から資料131までを格納してございます。議題概要につきましては、報告事項と文書報告事項の2種類を紙でもお配りしてございます。以上です。不足やタブレットでの確認ができないなどございましたらお申し付けください。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは議事に入りたいと思います。
本日は、報告事項19件について御議論いただくことになっております。事務局より、御担当の部会ごとに区切って説明を頂くこととします。それでは、資料5、「副作用・感染等被害判定第一・第二部会について」御説明をお願いいたします。
○事務局 タブレットの非公開案件、資料5を御覧ください。令和元年9月、10月及び11月に開催されました判定第一部会及び判定第二部会の結果について御報告いたします。資料につきましては、1ページから3ページに3回分の判定結果をまとめたものをお示しし、4ページ以降に各回の判定結果とその一覧表を添付しております。
それでは、1ページ目から判定結果に沿って御報告いたします。副作用被害判定につきましては請求等の内訳のとおり、新規378件、継続30件、現況46件の計454件の請求があり、判定を行いました。判定結果は、支給決定することが適当であると考えられるものが382件で、その内訳は(1)~(3)に示すとおりでして、全体の85%が支給となっております。
続いて、3ページ目を御覧ください。不支給決定することが適当であると考えられるものは68件で、その内訳は、「疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したと認められないため、不支給とすることが適当である」が31件、「医薬品の使用が適正であったと認められないため、不支給とすることが適当である」が12件などです。副作用・感染等被害判定結果の報告は以上です。
○橋田分科会長 ありがとうございました。副作用・感染等被害判定第一・第二部会長は滝川先生ですが、いかがでしょうか。
○滝川委員 特に追加することはございません。
○橋田分科会長 ただいまの報告に対しまして、御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。3回の部会分の報告がございました。もちろん、件数はたくさんありますけれども、支給、不支給のケースがそれぞれ報告されております。よろしいでしょうか。それでは、本件につきまして御確認を頂けたものとさせていただきます。
続きまして、資料6~15です。医薬品第一部会、第二部会についてです。説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。それでは、医薬品第一部会及び第二部会関係の報告事項につきまして御説明させていただきます。タブレットは資料6から13までですが、議題概要を用いて説明させていただきたいと思いますので、マイプライベートファイルにお戻りいただいて、「04薬事分科会議題概要(非公開案件)」を御覧いただければと思います。
まず最初に「コレクチム軟膏0.5%」ですが、デルゴシチニブを有効成分とする外用のJAK阻害剤でして、効能・効果は「アトピー性皮膚炎」となっております。本剤と既存薬(ステロイド、タクロリムス)との使い分けについて、関連学会のガイドライン等で周知が必要ではないかとの御指摘を頂いておりまして、ガイドラインの作成について関連学会に働き掛けるという旨を御説明し、了承を頂いております。また、潰瘍とかびらん部位への使用、塗布部位の皮膚の状態による副作用発現への影響、既存薬との併用などにつきまして、適切な情報提供が必要ではないかという御指摘がございまして、こちらも情報提供をするというところを御説明し、御了承を頂いております。こちらのコレクチム軟膏につきましては、本年10月25日に開催されました医薬品第一部会において御審議いただきまして、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
続きまして、左側の資料7ですが「アネレム静注用50mg」です。こちらはレミマゾラムベシル酸塩を有効成分とする全身麻酔剤でして、効能・効果は、全身麻酔の導入及び維持となっております。
次に、下の資料8「デエビゴ錠2.5mg、5mg、10mg」です。こちらはレンボレキサントを有効成分とする不眠症の治療薬となっておりまして、効能・効果が不眠症となっております。本剤につきましては、半減期が長いために持ち越しについて注意が必要であるというような御指摘がございまして、半減期のデータ等を添付文書において記載させていただいております。また、CYP3Aを阻害する薬剤との併用につきまして、影響の程度を検討して使用を制限する場合もあるのではないかとの御質問がございまして、こちらの方、添付文書の用法・用量に関連する使用上の注意におきまして、CYP3Aを中程度又は強力に阻害する薬剤との併用については、慎重に患者の状態を観察した上で本剤投与の可否を判断するよう注意喚起しているという旨を御説明させていただいて、御了承を頂いております。
続きまして、資料9「ユリス錠0.5mg、同錠1mg、2mg」です。こちらはドチヌラドを有効成分とする尿酸の再吸収阻害薬でして、効能・効果が痛風、高尿酸血症となっております。こちらは臨床試験において、主に尿酸排泄低下型の患者が対象になっておりまして、尿酸産生過剰型の患者におけるデータが限られていることから、その点を情報提供した方がよいとの御指摘を頂いておりまして、資材等で情報提供する旨を御説明し、御了承を頂いております。
以上、3品目につきましては、本年11月29日に開催されました医薬品第一部会において御審議いただきまして、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
続いて、2ページ目です。資料10「リンヴォック錠7.5mg及び同15mg」ですが、こちらはウパダシチニブ水和物を有効成分とするJAK阻害剤でして、効能・効果が既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)となっております。こちらは、徐放錠でありながら、販売名で「徐放錠」と明示していないのはなぜかという御質問を頂いておりまして、現行ルールでは速放錠が市場流通していない状況で、徐放錠の明示が必須とされておらず、徐放錠とそれ以外の剤形を区別する場合に必要とされている旨を御説明し、御了承を頂いております。さらに、臨床での適切な使用のためにも、徐放錠である場合には名称に入れ込むべきではないかという御指摘を頂いておりまして、本剤のみならず全般的なルールに関する事項になりますので、医師とか薬剤師の意見も聞きつつ検討するという旨を御説明し、御了承を頂いております。
続いて、資料11「ピフェルトロ錠100mg」です。こちらは、ドラビリンを有効成分とするHIVの感染症の治療薬となっております。
続いて、資料12「ノクサフィル錠100mg及び同点滴静注300mg」です。こちらはポサコナゾールを有効成分とする抗真菌薬でして、効能・効果が造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防とフサリウム症、ムーコル症、コクシジオイデス症、クロモブラストミコーシス及び菌腫の治療となっております。
続いて、資料13「ニュベクオ錠300mg」です。こちらは、ダロルタミドを有効成分とする前立腺癌の治療薬でして、効能・効果が遠隔転移を有しない去勢抵抗性の前立腺癌となっております。こちら、本剤投与による心臓障害について、審査報告書では心臓障害について記載され、添付文書においては不整脈等の心臓障害について注意喚起がされ、別の文言、注意喚起がされている理由は何かという御質問がございましたが、審査においては広く心臓障害について本剤の影響を検討しておりますが、臨床試験等のデータに基づいて、個別事象の重篤性、発現状況、本剤との因果関係の有無等を考慮し、添付文書では不整脈等の心臓障害について注意喚起することを御説明し、御了解を頂いております。
以上、こちらの3品目につきましては、本年11月25日に開催された医薬品第二部会において御審議いただきまして、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
続いて、次のページ、資料15「希少疾病用医薬品の指定について」御説明させていただきます。こちらは、今回ですが、andexanet alfa、システアミン塩酸塩、チラブルチニブ塩酸塩、ポラツズマブベドチン(遺伝子組換え)、テポチニブ塩酸塩水和物、ブロダルマブ(遺伝子組換え)、セクキヌマブ(遺伝子組換え)の7品目に関しまして、それぞれ、こちらに記載の予定効能・効果について指定の可否が審議されております。これらの品目につきましては、本年10月及び11月の医薬品第一部会並びに10月及び11月の医薬品第二部会で御審議いただきまして、希少疾病用医薬品として指定して差し支えないとされましたので、andexanet alfa、システアミン塩酸塩、チラブルチニブ塩酸塩、ポラツズマブベドチン及びテポチニブにつきましては本年11月19日に、ブロダルマブとセクキヌマブにつきましては本年12月10日に、それぞれ、希少疾病用医薬品として指定させていただいたところです。
部会の審議品目についての報告事項につきましては以上ですが、今回、部会に報告した品目に最適使用推進ガイドラインを作成する品目がございましたので、ガイドラインについて説明させていただければと思います。マイプライベートファイルから非公開案件のフォルダの中の資料14-1をお開きください。こちらは、オマリズマブ(遺伝子組換え)、ゾレアの最適使用推進ガイドラインです。こちらは、本年10月31日に開催されました医薬品第二部会におきまして、季節性アレルギー性鼻炎に関する効能・効果を追加する製造販売事項一部変更承認の可否について御審議いただき、本年12月11日に承認をしており、同日付けで発出させていただいております。こちらのガイドラインの内容について御説明させていただきます。
まず3/15ページですが、枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しております。こちら、効能・効果は季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)とさせていただいておりまして、こちらの下の方の表のとおり、投与換算表により設定された用量を2週又は4週間隔で皮下注射するという用法・用量となっております。
本剤の臨床成績につきましては、6/15ページ以降に記載させていただいております。こちらは、スギの花粉シーズンに既存治療で鼻症状が効果不十分でありました12歳以上のスギ花粉の患者さんを対象に、フェキソフェナジン塩酸塩との併用投与下で本剤とプラセボを比較する臨床試験が実施されておりまして、主要評価項目である症状ピーク期におけるNSSのスコアの有意な改善が認められております。
こちら、施設の要件と患者選択について定めておりまして、施設の要件が10/15ページになります。本剤の処方につきましては、アレルギー関係の専門医に相当する臨床経験のある医師が、本剤に関する治療責任者として配備されている診療科等を指定させていただいております。
また、12/15ページに投与対象となる患者を規定させていただいております。スギ花粉による季節性アレルギー性鼻炎の確定診断がなされていることですとか、本剤初回投与前のスギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上であること等を設定させていただいております。
○事務局 続きまして、資料14-2、アテゾリズマブ(遺伝子組換え)の非小細胞肺癌に関する最適使用推進ガイドラインについて説明させていただきます。テセントリク点滴静注1,200mgにつきましては、10月31日に開催されました医薬品第二部会において、非小細胞肺癌に関する用法・用量の変更に関する製造販売事項一部変更承認について御報告し、11月22日付けで承認しております。当該用法・用量の変更を踏まえて、最適使用推進ガイドラインの改訂を行い、同日付けで資料としております通知を発出しております。
続いて、資料14-3について御説明いたします。こちらが文書報告であります資料116のバベンチオ点滴静注200mgの腎細胞癌に関する最適使用推進ガイドライン(案)になります。バベンチオ点滴静注200mgにつきましては、11月25日に開催されました医薬品第二部会において、腎細胞癌に関する効能を追加する製造販売事項一部変更承認について御審議いただきました。当該承認に合わせて最適使用推進ガイドラインを作成する予定としておりますので、その内容について御説明いたします。資料のページ番号ですが、こちらは、各ページの最下部に記載しております「/14」で示す通し番号に基づき説明いたします。
3ページを御覧ください。枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しております。対象となる効能又は効果は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌です。アキシチニブとの併用において、1回10mg/kgを2週間間隔で点滴静注するという用法・用量になります。
続いて、5ページを御覧ください。こちらに臨床試験成績を示しております。スニチニブを対照群として、本剤とアキシチニブとの併用投与の有効性及び安全性を確認する臨床試験が実施されており、この試験において本剤とアキシチニブとの併用投与の有効性が示されております。当該試験成績を踏まえまして、12ページに記載しております「5.対象となる患者」では有効性に関する事項として、臨床試験において有効性が示されている患者及び有効性が確立していない患者をそれぞれ提示しております。12ページから記載しております投与に際して留意すべき事項につきましては、これまで作成しておりますバベンチオのガイドラインと同様の内容です。
続いて、14-4、キイトルーダ点滴静注20mg他の腎細胞癌及び頭頸部癌の最適使用推進ガイドライン(案)について御説明いたします。キイトルーダ点滴静注20mg他につきましては、11月25日に開催されました医薬品第二部会において、腎細胞癌及び頭頸部癌に関する効能・効果を追加する製造販売事項一部変更承認について報告しており、当該承認に合わせて最適使用推進ガイドラインの策定を予定しております。資料では腎細胞癌と頭頸部癌のガイドラインをまとめております。ページ番号につきましては、各ページの最下部に示しております通し番号に基づき説明いたします。
まず、腎細胞癌のガイドラインです。3ページを御覧ください。枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しております。対象となる効能又は効果は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌です。アキシチニブとの併用において1回200mgを3週間間隔で点滴静注するという用法・用量になります。
続いて、5ページを御覧ください。こちらに臨床成績を示しております。化学療法歴のない根治切除不能又は転移性の腎細胞癌患者を対象としてスニチニブを対照群として設定した臨床試験が実施されております。この試験において本剤とアキシチニブとの併用投与の有効性が示されております。
9ページ以降の内容につきましては、安全性についてキイトルーダの既存のガイドラインを参考としておりますが、おおむね、先ほど御説明いたしましたバベンチオの腎細胞癌のガイドラインと同様の内容となっております。
13ページ以降が頭頸部癌のガイドラインになります。15ページを御覧ください。枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しております。対象となる効能又は効果は、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌です。1回200mgを3週間間隔で点滴静注するという用法・用量になります。
17ページ以降に臨床成績を示しております。化学療法歴のない患者さんを対象として、セツキシマブ、5-FU及びプラチナ製剤の併用投与を対照群として設定した臨床試験が実施されております。この試験において、本剤と5-FU及びプラチナ製剤の併用投与並びに本剤単独投与の有効性が示されております。
当該試験成績を踏まえまして、24ページから記載しております対象となる患者の有効性に関する事項として、臨床試験において有効性が示されている患者及び有効性が確立していない患者をそれぞれ提示しております。また、先ほど御説明いたしました臨床試験において、PT-L1の発現状況の指標でありますCPSにより有効性に異なる傾向を示す結果が得られておりますので、その結果に基づき、CPSも確認した上で本剤投与の可否を判断いただくよう記載しております。CPS別の結果につきましては、20ページ及び21ページに示しております。
28ページから記載しております投与に際して留意すべき事項ですが、こちらは、これまでに作成しておりますキイトルーダのガイドラインと同様です。説明は以上になります。
○橋田分科会長 ありがとうございました。それでは、医薬品第一部会長の杉委員、御追加がございましたらお願いいたします。
○杉委員 いいえ、私からは、特段ございません。
○橋田分科会長 それでは、医薬品第二部会長の清田委員、いかがですか。
○清田委員 特にございません。ありがとうございます。
○橋田分科会長 医薬品の関係で、製造販売承認の案件が8件、希少疾病用医薬品の指定が7件、それから、最適使用推進ガイドラインを今回新たに設定するということで4件、御説明がございました。順不同で結構ですので、御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。
○鈴木委員 8番のレンボレキサントについてです。これまでスボレキサントが使われてきていると思うのですけれども、薬理学的な特徴としてオレキシン2受容体の作用が強いというように書いてありました。実際の作用としてどのような有意性があるのでしょうか。
○事務局 御質問ありがとうございます。こちらは、先生御指摘のとおり、既存のものと同じ作用機序の薬剤になっております。今出てきている臨床試験等の成績の結果ですと、既存薬と特に何か違いを書いて添付文書上で記載するとか、そういったことは特に見当たらなかったというところで既存薬と同じような位置付けとして添付文書等でも記載させていただいているところです。
○鈴木委員 分かりました。
○橋田分科会長 他にいかがですか。製造販売承認の方は概要で御説明いただきましたけれども、個々の審査報告書がそれぞれ付いておりますので、具体的な内容はそちらで御確認いただくということかと思っております。どのようなことでも結構ですので、御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。
○佐藤委員 事前に最適使用推進ガイドラインについてコメントを送っているのですが、それについて回答は頂けますでしょうか。
○事務局 御紹介しておりませんで申し訳ございませんでした。事前に佐藤先生から、質問を大きく分けて2点頂いておりまして、最適使用推進ガイドライン、資料14のゾレアとアベルマブの項につきまして御質問を頂いておりました。
まず、佐藤委員から頂いておりますゾレアの方を御紹介させていただきます。用法・用量の記載の所で、今回2週間投与と4週間投与が分かれているのですが、実際この表を組み合わせると特に重なっている所がないので、合わせてもいいのではないかというような御意見が1点目です。
2点目が、6ページの表だったり7ページの表の1と2の主要評価項目のNSSの所が、本剤群とプラセボ群の平均値が表1だと3.65と4.70、表2では3.66と4.69と、ほんの少し値が異なっていて、表2にはスコアの最小二乗平均値とございまして、表1の脚注がプラセボ群との差が最小二乗平均値と同じものということで、表1に最小二乗平均値を記載する方が分かりやすいのではないのかというのが2点目です。
3点目の指摘としては、表2のJRQLQNO.1が、この領域の方であれば知っているべき内容、QOLなのでしょうが、「日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票」とした方が分かりやすいのではないかという3点を頂きました。まず、こちらの3点について御回答させていただきます。
最初の2週投与と4週投与のところは、先生御指摘のとおり、表の所に重なりがないので、実際合わせてしまっても問題はないのですけれども、2週投与と4週投与を合わせた時に、どこで線を引くかという、書きぶりの問題になってしまうのですが、どちらが分かりやすいかというような観点で、現在、添付文書でも2週投与と4週投与をそれぞれ分けて記載させていただいておりまして、ここのところ、最適の方も同様に記載しているところです。ただ、どういった形で情報提供するのが、一番、医療従事者の方等に分かりやすく伝わるかというところはあると思いますので、今後も検討させていただきたいと思っております。
2番目のスコアのところですが、御指摘のとおり、表1のデータの所は、最小二乗平均値で同じものを使っているので、そちらで記載する方法も一案だと考えております。ただ、一方で、得られた結果の範囲を直接的に示すには平均値と標準偏差を記載した方が分かりやすいのではないかという観点で、今回は記載させていただいていて、そこのところは分かりづらくなってしまって申し訳ないのですが、どういった形で結果を表に記載するのが分かりやすいかについて、今後も引き続き検討させていただきたいと思います。
3番目も同様に、略語で申し訳ないところなのですが、ここも同様に略語でない方がいいということであれば、正式な名称で記載させていただきたいと考えております。ゾレアで頂いた質問についての回答は以上になります。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。
○佐藤委員 2週投与と4週投与、やはり分からないのです。要するに、4週毎投与だと、この表にある範囲だけで、あとは使わないというのなら分かるのですが、その空欄の所は、2週毎投与の方を参照しろと書いてあるわけですよね。
○事務局 そうですね。そういう意味では、空欄は要らないと言われればそうだと思います。
○佐藤委員 仮に分けるにしても、少なくとも投与不可の所は両方に書いておいた方がいいように思うのですが。
○事務局 そうですね。2週投与、4週投与で、それぞれ実際、参照する所はなくてもいいというところはおっしゃるとおりだと思います。
○佐藤委員 添付文書もこうなっているのは確認したのですけれども、記載の整備をお願いしたいと思います。
○事務局 すみません。ありがとうございます。
○佐藤委員 以上です。
○事務局(鶏内) 続きまして、資料14-3のアベルマブの腎細胞癌の最適使用推進ガイドラインの御指摘です。こちらの臨床試験成績は5ページに示しております。今回、主要評価項目といたしましては無増悪生存期間と全生存期間が設定されておりました。今回、PFS(無増悪生存期間)の方では有意な延長が認められているのですが、OS(全生存期間)についてはそのような結果はまだ得られていないというところを御指摘いただいております。
続きまして、7ページに記載しているPD-L1発現率別の結果に対するご指摘です。こちらのPD-L1発現率が1%未満の患者さんですと、他の患者集団と比較して効果の大きさが小さくなっている傾向が認められているというところで、本薬とアキシチニブとスニチニブ群の無増悪生存期間のハザード比が0.89、カプランマイヤー曲線からも若干上回っているようには見えるけれども、PD-L1陰性の患者集団ですので、本剤に関係なく、単にアキシチニブ群とスニチニブ群の結果にも見えるのではないかということを御指摘いただきまして、これらの点を踏まえて、効能・効果としてはPD-L1陽性の集団に限定すべきではないかという御意見を頂戴しております。
まず、こちらは効能・効果ですので審査での判断にはなるのですが、PD-L1発現率別の結果といったような部分集団の結果につきましては、各部分集団の患者数が限られていることもありますので、評価には限界があるものと考えております。御指摘のとおり、PD-L1発現率により効果の大きさに違いがあるようなデータが、今回得られているのですが、これまでの審査におきましても、全体集団において有効性が示されている場合に、特に特定の患者集団に対して使用すべきではないと考えられるような結果が得られていない限りは、効能・効果としましては、試験で対象とされた患者を効能・効果の対象として含めるようにして承認されているところです。
もう1つの御指摘、PD-L1発現率が1%未満の患者集団の結果が、単にアキシチニブとスニチニブの群の差を見ているのではないかという点につきまして、今回対象とされた患者集団に対して、アキシチニブ単剤とスニチニブ単剤を比較した結果がこれまで得られておりませんので、これがどのような結果になっているかというところは明らかではないのですが、全体集団と同様に、本剤とアキシチニブを併用投与したときに有効性が示されるかを確認して、1%未満の集団についても明らかに異なる傾向は認められていないというような判断のもと、効能・効果としましては、1%未満を除外することなく、全体集団について承認して差し支えないと判断されたところです。説明は以上です。
○橋田分科会長 いかがですか。
○佐藤委員 国際共同試験といいますか、こういう試験で全体集団の結果で認められていれば、PD-L1抗体の陽性か陰性かで分けた結果で何か違いがあっても、全体集団の結果を採用するという理屈は分かるのですが、この試験の主要評価項目はPD-L1陽性患者の無増悪生存期間と全生存期間なのですよね。そのPD-L1陽性患者の中で、無増悪生存期間だけが検証できて全生存期間は検証できていないわけですから、これはやはりPD-L1陽性患者について承認、最適使用推進ガイドラインよりも文書報告の資料116のコメントとして書いた方が良かったかもしれないのですが、やはり、この試験の構造からいくと、主要評価はPD-L1陽性患者に限定されていますから、効能・効果もそちらに限定する方が、より臨床試験からの一貫性としてはあるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○事務局 御指摘いただきありがとうございます。主要解析集団といたしましてはPD-L1陽性集団が設定されておりましたが、その後の解析のところでは、全体集団も統計学的有意差を検証できるような設定がされておりました。PFSとOSが主要評価項目として設定されていて、OSは検証されていないのではないかという御指摘はあるかと思うのですけれども、PFSのみであったとしても臨床的意義があるという判断がなされており、全体集団において有効性が示されていると判断できると考えております。
○橋田分科会長 いかがでしょうか。
○佐藤委員 それは少し理解しづらいです。それから、その次のキイトルーダの場合は、確かPD-L1などの発現頻度に関わりなく効果があるというようなデータがあったように思うのですが、アベルマブに関しては、そういう試験結果というか、その上乗せではなくて単剤で比較して、PD-L1抗体が陰性であっても、アベルマブの方が有効性が良かったというような試験結果は、あるのだったら理解できますけれども、これはあくまで上乗せなので分からないですよね。
○事務局 御指摘のとおり、今のところは、アベルマブにつきまして単独投与での有効性を確認したという試験成績は得られていない状況です。
○佐藤委員 なぜそれで、PD-L1発現の有無にかかわらず有効だと判断されたのですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から、審査の中での議論について少し補足説明させていただきます。先ほど少し御説明がありましたが、主要評価項目としては確かにPD-L1陽性の集団が設定されていましたが、統計学的な調整はなされていて、我々の試験の解釈としては、全体集団に対してもPFSで検証された、そういう評価ができると判断させていただいております。そのため、主要評価項目は確かにPD-L1陽性なのですけれども、統計学的解釈としては、全体集団で承認することで差し支えないのではないかというのが我々の判断になります。その上で、確かに陰性集団で効果の大きさとしては劣る傾向が認められていますので、その点は慎重に議論させていただいたのですけれども、効能・効果でPD-L1陽性と限定しますとその投与の機会は完全になくなってしまう状況かなと思いますが、今回の統計学的な設定からいくとそこまでの判断には至らなかったというのが、我々機構の評価になります。
○佐藤委員 分かりました。ただ、キイトルーダの場合は全生存でも全体集団で勝っていますから、やはりそこのところは慎重に検討していただいた方がいいと思いますし、今後の動向をきちんと追っていただくようにしていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘ありがとうございます。その点については、企業、それから我々も含めて、今後慎重に見守っていきたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○橋田分科会長 ただいまの話は、本日は、承認に関しては適用拡大ということで文書報告の形で出ておりますが、それに基づいて最適使用推進ガイドラインという事項で報告が出てまいりましたので、併せて御議論いただいたということです。他にいかがですか。よろしいでしょうか。それでは、以上の項目につきましては、最終的に御確認いただいたものとさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、資料16、医療機器・体外診断薬部会について御説明をお願いします。
○事務局 事務局です。医療機器について御報告いたします。資料16、「パルスライダー」の使用成績評価の指定の要否についてです。図1、図2を御覧ください。本品は、外科的手術又は塞栓コイル単独のコイル塞栓術では治療困難なワイドネック型分岐部脳動脈瘤に使用され、コイル塞栓術時にコイル塊の親動脈への突出・逸脱を防ぐために親動脈に留置する分岐部瘤用アシストステントとなっております。分岐部への留置を目的に開発され、分岐部脳動脈瘤専用アシストステントとして申請された国内初の品目です。
本品の有効性・安全性は、臨床評価報告書及び米国で実施された臨床試験で確認されておりますが、同試験では、前交通動脈及び中大脳動脈の分岐部脳動脈瘤が含まれていなかったこと、さらに、分岐部脳動脈瘤専用デバイスとしては国内初の製品であるということも踏まえて、使用成績評価の指定を行うことが適当との審議結果を頂いております。医療機器の報告は以上です。
○橋田分科会長 ありがとうございました。医療機器・体外診断薬部会長の荒井委員はいかがでしょうか。
○荒井委員 特段、追加はございません。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは、委員の先生方、御質問あるいは御意見がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認を頂いたものといたします。
続いて、資料17~19です。再生医療等製品・生物由来技術部会についてです。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料17~19の再生医療等製品・生物由来技術部会で議論された3点を御報告します。議題ファイルで御説明したいと思いますので、マイプライベートファイルにお戻りください。マイプライベートファイルの「04薬事分科会議題概要(非公開案件)」を御覧ください。こちらの4ページです。今回、御報告いたします3件は、いずれも希少疾病用再生医療等製品に関する審議の結果になります。
まず、資料17、NSR-REP1についてです。本品は、REP1遺伝子を導入した遺伝子組換えアデノ随伴ウイルスを網膜に注射し、正常なREP1タンパク質を産生させる遺伝子治療用製品で、遺伝性網膜疾患である「コロイデレミア」を対象としております。
続いて、資料18、bb2121についてです。本品は、患者の末梢血単核球にヒトB細胞成熟抗原を標的とするキメラ抗原受容体を発現させたCAR-T製品で、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象としております。
最後に、資料19、HLCM051についてです。本品は、健康な非血縁ドナーの骨髄から採取した接着性幹細胞を静注投与する製品で、急性呼吸窮迫症候群を対象としております。
以上、3品目の希少疾病用再生医療等製品への指定の可否について、患者数・医療上の必要性・開発の可能性の3つの観点から、指定して差し支えないとの審議結果を頂き、いずれも11月25日付けで指定しております。御説明は以上になります。
○橋田分科会長 ありがとうございます。再生医療等製品・生物由来技術部会長の奥田委員、何か追加がありましたらお願いいたします。
○奥田委員 特段、追加の発言はございません。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは、委員の先生方、御質問あるいは御意見がありましたらお願いいたします。遺伝子治療、CAR-T、それから他家の細胞、骨髄幹細胞を使った細胞治療と、いずれも非常に新しい医療技術ということかと思います。よろしいでしょうか。それでは、本件についても御確認を頂いたものといたします。
続いて、資料20は指定薬物部会についてです。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、指定薬物部会について御説明いたします。資料20を御覧ください。令和元年度第3回指定薬物部会が、令和元年11月13日に開催されました。指定薬物は、危険ドラッグに含まれる成分について、中枢神経系に作用する蓋然性があるものについて指定し、製造、販売、使用などを禁止するものです。
令和元年度第3回の部会では、カンナビノイド系1物質とフェネチルアミン系2物質の計3物質について、指定薬物に指定するか否かを御審議いただいた結果、いずれの物質も指定薬物とすることが適当であるとされました。御審議いただいた3物質については、令和元年11月14日に指定薬物に追加する省令を公布し、11月24日に施行いたしました。指定薬物に指定した物質の名称、構造式等については、お手元の資料20の2ページ以降に記載しております。報告は以上です。
○橋田分科会長 ありがとうございました。指定薬物部会長の鈴木委員、追加がありましたらお願いいたします。
○鈴木委員 特にございません。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御意見あるいは御質問等ありましたらお願いいたします。今回は、3化合物ということでした。よろしいでしょうか。それでは、本件についても御確認を頂けたものといたします。
続いて、資料21~23は動物用医薬品等部会についてです。御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、農林水産省から動物用医薬品等部会関係について御報告いたします。まず、資料21は動物用生物学的製剤基準の改正についてです。資料22と同じ件名になっておりますが、9月の部会と12月の部会について2件御報告いたします。
まず、1ページです。ニューカッスル病・鶏伝染性気管支炎2価・産卵低下症候群-1976・鶏伝染性コリーザ(A・C型)・マイコプラズマ・ガリセプチカム感染症混合(油性アジュバント加)不活化ワクチン(シード)です。こちらについては、製剤のシードロット化が行われたことに伴い、シードロット製剤として製法、性状、品質、貯法等を定めるものとなっております。
38ページです。先ほどのものと同様ですが、ニューカッスル病・鶏伝染性気管支炎2価・産卵低下症候群-1976・鶏伝染性コリーザ(A・C型)混合(油性アジュバント加)不活化ワクチン(シード)ですが、こちらも製剤のシードロット化が行われたことに伴い、製法、性状、品質、貯法等を定めるものとなっております。
69ページです。ジステンパー・犬アデノウイルス(2型)感染症・犬パラインフルエンザ・犬パルボウイルス感染症・犬コロナウイルス感染症混合(アジュバント加)ワクチン(シード)ですが、こちらについては、犬コロナウイルスの抗原量の測定方法を改良するために承認事項の一部変更があり、そのことに伴い、基準の一部を改正するものとなっております。
97ページです。ジステンパー・犬アデノウイルス(2型)感染症・犬パラインフルエンザ・犬パルボウイルス感染症・犬コロナウイルス感染症・犬レプトスピラ病(カニコーラ・イクテロヘモラジー)混合(アジュバント加)ワクチン(シード)ですが、こちらについても、先ほどのものと同様に、犬コロナウイルス抗原量の測定方法を改良したことに伴い、基準の一部を改正するものです。
資料22の1ページです。アカバネ病・チュウザン病・アイノウイルス感染症・ピートンウイルス感染症混合(アジュバント加)不活化ワクチン(シード)ですが、こちらについては、製剤の再審査が終了したことに伴い、製剤の製法、性状、品質、貯法等を定めるものとなっております。
26ページです。猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症2価・猫汎白血球減少症・猫白血病(猫白血病ウイルス由来防御抗原たん白遺伝子導入カナリア痘ウイルス)混合ワクチン(シード)ですが、こちらについては、製剤のシードロット化が行われましたので、シードロット製剤として製法、性状、品質、貯法等を定めるものとなっております。以上、動物用生物学的製剤基準の改正について御報告いたします。
続いて、資料23は、動物用医薬品"京都微研"キャトルウィン-5Hsの再評価についてです。まず、3ページのプレスリリースを御覧ください。平成29年9月の本分科会においても御報告いたしましたが、株式会社微生物科学研究所(以下、京都微研)において承認申請資料の改ざん・ねつ造があったことを受け、平成29年8月1日付けで同社に対して50日間の業務停止命令を行っております。
1ページにお戻りください。この際に、有効性に係るデータを改ざんしていた疑いのある8製剤について、再評価を行うこととしており、追加のデータ提出を求めておりました。今般、これらの製剤のうち"京都微研"キャトルウィン-5Hs、本製剤の概要については、1ページ下段から2ページにかけて記載しておりますが、牛用の混合ワクチンとなります。こちらについて追加のデータが提出されました。
当該調査の結果、効能又は効果の1つである牛パラインフルエンザの予防について、有効率が48.3%、接種前の抗体が陰性の牛に投与した場合では約3割しか抗体価の上昇が見られなかったことと、2つ目として、承認申請時の臨床試験成績では8割弱の効果が認められておりましたが、これと比べて有意に有効率が低く、また、類似の既承認製剤である"京都微研"牛5種混合生ワクチン、これは本ワクチンから1つ有効成分を除いたワクチンとなるのですが、こちらの臨床試験成績及び使用成績調査の結果と比べても、有意に有効率が低いということから、本年12月4日に開催されました動物用医薬品等部会において、承認の取消しが妥当とされたものです。以上、御報告いたします。
○橋田分科会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明に対して、御質問あるいは御意見がありましたらお願いいたします。動物用生物学的製剤基準ということで、新しいものが入りますと各条が加わる、あるいは内容が変わると各条の一部変更というような形で規制されているものです。それから、3つ目の案件は、製造販売の承認の取消しということで、これは重いことだと思っております。よろしいでしょうか。
それでは、本件についても御確認を頂けたものといたします。以上で、本日御用意した議題は全て終了いたしましたが、これ以外にも、先ほど少し話題になりましたが、文書報告でそれぞれ御報告させていただいているものもあります。それについても、何か御質問があればお受けしたいと思います。あるいは、本日の御議論全体を通じて御意見あるいは御質問がありましたら、お受けしたいと思います。いかがでしょうか。治験に関しては、色々御意見を頂き、本当に重い問題だと思っております。よろしいでしょうか。鈴木委員どうぞ。
○鈴木委員 本日の内容と少し違うのですが、よろしいでしょうか。
○橋田分科会長 どうぞ。結構です。
○鈴木委員 12月3日にstonという吸うカフェインが発売になり、非常に売切れ状態となっています。吸引ということで非常に効果が強く出てくる可能性もありますので、厚労省がどの程度これに関わっているのかどうか、あるいは関わっていないとしたら、このままこれを放置した場合に、重大な事件が起きる可能性があるのではないか。そのようなことで御意見を頂ければと思います。
○橋田分科会長 事務局からいかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 医薬安全対策課長です。今、御意見を頂きました製品は、恐らく薬事の承認ということではなく、市販、世の中に流通する1つの製品ということだと思います。そのような意味では、薬事規制の内側にはないと思いますが、その中に含まれておりますカフェインというものに関しては、当然、医薬品もあるのですが、そのカフェインの摂取に関して、過量や連用などの観点では日頃から注意をして見ているところです。
ただ、一方で嗜好品という意味では、コーヒーなど様々な物に含まれておりますので、どのぐらいの量に、例えば1日当たりあるいは1年を通じて、どのぐらいが適切か、あるいはどのぐらいまでにとどめるべきかといったことに関しては、国際的にも議論はあるところですが、なかなか基準値の設定までには至っていない状況にあります。
一方、食品の分野で申し上げますと、やはり様々なドリンクがエナジードリンクを含めて出てきておりますので、この辺りは食品部局とも連携しながら注視はしているのですが、なかなか情報収集というところにとどまっており、国際的な機関とも連動しながら、引き続き注意深く見ていくという状況ですので、今の御指摘も踏まえて、また更に気を付けるべき製品が1つ2つ増えてきているというような捉え方をさせていただけたらと思っております。
○鈴木委員 ここにある、このようなstonという本体があって、ここで熱をかけて、電子たばこのように気化させて、それを吸引するわけなのです。カートリッジがあって、カフェインとGABAが入っているものもあります。やはり、かなり注意しないと危険、それで吸入というのが非常に危険だと思いますので、是非、御検討いただきたいと思います。
○橋田分科会長 非常に吸収が早くて効率もいいわけですし。どうぞ。
○遠藤委員 今、少し出ましたカフェインに関してです。一般用医薬品で眠気防止薬としてカフェインを含有する製剤が販売されているかと思います。一時、エナジードリンクなど、そういった製剤を併用して死亡事例の報告がありましたが、一般用医薬品としては、そのリスク分類が眠気防止薬に関しては第3類に分類されているのですが、その後、リスク分類に関しての見直しの動きや、そういった対策などは現状、動きとしてされているのでしょうか。
○橋田分科会長 どうぞ、お願いします。
○医薬安全対策課長 御意見ありがとうございます。カフェインについての一般用医薬品としてのリスク分類に関しては、やはりカフェインという成分を捉えた場合には、当然、食品との兼ね合いで、両方あるという状態ですので、そういった面ではリスク区分の定義上は第3類になるのですが、一方で、使い方や、一度にどのぐらい使うかという注意喚起の部分については、医薬品である以上、そこは製販業者を通じて行う部分も含めて注意深く見て、また、副作用報告も制度的に上がってくる対象になっていますので、その辺りを注視している状況にあります。
○奥田委員 鈴木委員が御指摘の件は、恐らくカフェインは、普通の食経験ですと食べて胃から吸収されるが食品だと思うので、経肺になると、また少し慎重な議論が必要なところなのだろうと思います。おっしゃるように電子たばこなどと類似した話になるのかなと思っております。恐らく色々な、もう少し広範のところで議論が必要だと思っております。
○橋田分科会長 望月委員どうぞ。
○望月委員 奥田委員のおっしゃるとおりで、やはり電子たばこもかなり色々な問題を海外でも引き起こしていますし、日本はニコチン含有の電子たばこは、確かニコチン含有カートリッジが医薬品、ニコチンを霧にする装置が医療機器になっていたと思います。その辺りも、イメージとして、医療機器という印象が、安全がある程度確認されているような印象になってしまう部分もあるので、ニコチン含有の医療機器としての電子たばこと、そうでないものの違いなど、きちんとソーシャルサイエンス的な部分も含めて御検討いただきたいと思いました。
○橋田分科会長 ありがとうございます。鈴木委員どうぞ。
○鈴木委員 今年の日本中毒学会、上條教授が行われた会においても、カフェインの高用量摂取により、救命救急などに随分運ばれて死者も出ているということですので、是非速やかに、色々調整をしていただき、御検討いただければと思います。
○橋田分科会長 よろしいでしょうか。嗜好品という意味でも、非常に新しいものがたくさん出てきているということと、それを規制というか管理する時に、薬事なのか食品なのか、そのようなところから議論が必要だということだと思います。人の健康等に関わる問題は、例え嗜好品でも当然本分科会で関心を持つべき重要な課題ですので、十分考えていきたいと思っております。
よろしいでしょうか。それでは、この議論はここまでといたします。最後になりますが、事務局から何か追加はありますか。
○事務局 次回の薬事分科会は、3月18日水曜日14時を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
○橋田分科会長 それでは、以上をもちまして、本日の薬事分科会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
 
備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部公開で開催された

照会先

医薬・生活衛生局総務課 

薬事審議会係(内線2785)