第2回日米労働政策対話について

2019年12月11日(水)から12日(木)にかけて、第2回日米労働政策対話をアメリカ(ワシントン)にて開催しました。

1 開始の経緯

 2018年5月に日米両国で署名した労働分野の協力覚書に基づいて実施するもので、雇用・労働問題について政策対話を行い、双方の相互理解と経験の交換を促進することを目的としています。

2 これまでの実績

日本、米国の順に交互に定期的に会合を開催し、テーマについては開催毎に双方で協議して決定します。
 
第1回 2018年10月東京開催
・技術革新時代における人材開発
・労働力の変化を支える政策について
・今後の二国間協力について
 

3 第2回日米労働政策対話の概要

(1)プログラム
○会合(12月11日(水))
・トピック1「技術革新に対応した人材開発」
・トピック2「女性活躍の推進及びハラスメント対策」
・トピック3「技術革新が労働市場へ与える影響の測定」
○視察(12月12日(木))
・Joint Apprenticeship & Training Committee(JATC)/ International Brotherhood of Electrical Workers(IBEW)
・Arlington Employment Center
・TechAdvance Program ※George Mason University’s Arlington Campusで行っているプログラム
 
(2)出席者
・日本側:厚生労働省国際労働交渉官、大臣官房国際課長 他
・米国側:米国労働省国際労働局副次官、国際労働局副次官代理 他
 
(3)内容
<会合>
○トピック1「技術革新に対応した人材開発」(日米発表及び議論)
 米国側からは、スキルを持った人材不足への対策として、アプレンティスシップ制度(見習い制度)を促進していくとの説明がありました。また、O-NET(職業情報ネットワーク)では、900以上の職業について必要な能力やスキルなどの情報を集めており、必要な知識やスキルの変化が激しいIT等の職種においては四半期ごとに情報のアップデートを行っていると発表がありました。
 日本側からは、労働需給のミスマッチが予測される中、民間教育訓練機関の質向上のためにガイドラインの策定や普及等の取組を行っていると説明を行いました。
 
○トピック2「女性活躍の推進及びハラスメント対策」(日米発表及び議論)
 日本側からは、女性活躍における諸課題や新たな対策である女性活躍推進法の内容、ハラスメント対策や更なる課題について発表を行いました。
 米国側からは、雇用における差別禁止法の施行機関であるOFCCP(連邦契約法令遵守局)が、連邦政府と契約した事業主に対する雇用差別禁止のために取組を行っていると説明があったほか、EEOC(雇用機会均等委員会)が実施しているハラスメント対策や規制について発表が行われました。
 
○トピック3「技術革新が労働市場へ与える影響の測定」(米側発表及び議論)
 米国側から、自動化やデジタル化、人工知能による労働環境の変化への対策のため、データの収集や分析を検討していると紹介がありました。
 
<視察>
○Joint Apprenticeship & Training Committee(JATC)/ International Brotherhood of Electrical Workers(IBEW)
 労働組合が業界団体と連携して訓練を行っている取組例として、IBEW(国際電気工組合)とNECA(全国電気工業者団体)と共同で出資・運営している訓練機関を視察しました。NECAが加盟している企業でのOJTと当機関での座学を組み合わせたアプレンティスシップ・プログラムについて説明を受けました。
 
○Arlington Employment Center
 日本のハローワークと同様の取組を行っている公的機関であり、求職者への就職支援の取組内容について説明がありました。
 
○TechAdvance Program ※George Mason University’s Arlington Campusで行っているプログラム
 ジョージメイソン大学において、就職に際し必要となる技術革新に対応したスキルを保持できるよう、正規のカリキュラムとは別に実施しているIT実務教育のプログラムである”TechAdvance Program”について説明を受けました。
 
(4)会合・視察の様子
<会合の様子>


<IBEW視察の様子>