2019年12月23日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会 議事録

日時

令和元年12月23日(月)
10時30分~12時00分

場所

AP虎ノ門 A会議室(11階)
(東京都港区西新橋1-6-15)

出席者

委員

有薗部会長、浦郷委員、大野委員、尾崎委員、魏委員、竹内委員、広瀬委員、宮島委員、六鹿委員

事務局
浅沼生活衛生・食品安全審議官、吉田食品基準審査課長、井上室長、横田補佐、田中補佐、狩集補佐、磯専門官、丹羽専門官、木道主査

議題

(1)ポジティブリスト制度における規格基準の設定について
(2)その他

議事

 

 
○事務局  定刻より少し早いのですけれども、お揃いいただけましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会」を開催いたします。本日は御多忙のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
まず初めに、本日の委員の皆様の出席状況につきましては、9名中9名全員に御出席を頂いておりますので、本日の部会が成立しておりますことを御報告申し上げます。また、事務局の変更について御報告いたします。本年11月11日に食品基準審査課課長補佐に配属となりました私、田中と申します。よろしくお願い申し上げます。以後の進行につきましては、有薗部会長にお願いいたします。
なお、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○有薗部会長  それでは、本日の議事を進めさせていただきます。最初に事務局より、配付物の確認等をお願いいたします。
○事務局  本日の配付物の確認をさせていただきます。まず、タブレットの資料01と入っているところですが議事次第、次に、02として委員名簿資料、資料03として座席表。資料1としてポジティブリスト制度の適用について、資料2-1として器具・容器包装のポジティブリストの策定・適用について、資料2-2として「改正食品衛生法第18条第3項」で始まるものがございます。次に、資料4-1、これは参考資料の1に当たるものです。資料4-2としているのが、参考資料の2です。資料4-3としているのが、参考資料の3です。タブレット上最後に、資料4-4として、参考資料4が入っております。
そのほかに、机上に資料2-3として、「食品、添加物等の規格基準改正案 別表」という、ちょっと厚めの資料がございます。委員の皆様方には、机上配付参考資料と右肩に記載しておりますものがあります。これは、これまでの会合で配付をしたスライドの中から参考となりそうなものを集めた、既存の資料の抜粋です。配付の資料は以上ですが、過不足等がありましたらお申し付けください。また、タブレットの操作の不明点などありましたらお知らせください。
○有薗部会長  皆様よろしいでしょうか。議題に移りますが、その前に事務局から本日の審議事項に関する利益相反の報告確認をお願いいたします。
○事務局  本日の審議事項につきましては、利益相反の対象はございません。
○有薗部会長  本日の議題の1番は、ポジティブリスト制度における規格基準の規定についてということです。事務局から説明いただき、審議を行いたいと思います。まず、ポジティブリスト制度の適用について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局  資料を説明いたします。お手元のタブレットで資料1「ポジティブリスト制度の適用について」をお開きください。スライドの2枚目の1つ目の○です。器具・容器包装のポジティブリスト制度につきましては、令和2年6月1日から施行されることとなっております。その下の※の小さい字ですが、法律の附則で、施行までに販売、製造、輸入などが行われた器具・容器包装に関しては、施行後も新制度の適用を受けないという経過措置が設けられているところです。
これに関して、2番目の○です。今回実施した器具・容器包装のポジティブリストのパブリックコメントにおいて、この法律の経過措置の範囲に含まれない部分についても、猶予期間の設定の要望が寄せられているところです。具体的には、現時点で事業者間の確認や調整が間に合わず、施行後に既存物質の追加収載の手続を行うための期間が必要ということ。また仮にポジティブリストに適合しないために原材料の切替えを行う必要がある場合においても、製品設計や原材料調達、製品試験、顧客への周知等を行う期間にかなりの期間を要するということで、これらを考慮して、下線のところですが、ポジティブリストの規格が未整備の物質、これには物質そのものが今のポジティブリストに収載されていない場合や、収載されていても使用量や使用制限などの細かい条件が合っていない場合などが考えられるかと思いますけれども、こうした既存物質を使用した器具・容器包装の製造や輸入について、施行日以降も一定期間認める猶予期間を設定する必要があるという意見です。
また3つ目の○ですが、ポジティブリストの告示日から施行までの期間に少しギャップが生じるということがあり、この期間にも新たな原材料を使用した器具・容器包装が流通することが当然考えられるところです。こうしたことから、下線部ですが、今年の12月2日に、食品用器具及び容器包装の規制の在り方に関する技術検討会を開催させていただき、検討会でもこれらの意見に対応するために、一定の経過措置は必要であるという共通認識が得られているところです。その場合の期間についてはいろいろな考え方があるところですが、技術検討会では、EUがポジティブリスト制度を導入した際には、大体5年間程度の猶予があったというお話や、食品表示法の改正に際しても施行後5年間の移行経過措置期間が設けられているとの御指摘もあり、本日の資料では、括弧のところですが、「5年程度を想定」と記載しております。
一番最後の○は、この経過措置の対象範囲ですが、当然施行時に既に流通している製品と同じものとすることが適当と考えられ、これについては事業者が説明することが必要と考えているところです。また、その経過措置期間中に、これらの物質に関しては追加収載、あるいは原材料の切替え等が適切に行われ、経過措置の期間が終了する時までには、今回の新しいポジティブリスト制度に適合した形になることが必要と考えているところです。
次の3枚目のスライドが、パブリックコメント等で寄せられた主な意見の抜粋です。1番目に、収載漏れした既存物質については、何らかの手当てが必要ではないか。2番目に、関係者が多岐にわたって、来年6月の施行までに準備が間に合わない。3番目に、製品の切替えを行わざるを得ない場合、年単位の期間を要することで、今回のポジティブリスト案の公表から施行までが1年未満の状況で、対応が困難であり、市場の混乱を避けるためにも猶予期間が必要という御意見です。それから4番目に、ポジティブリストに適合しない製品について、もし原材料を変更する場合は、各種試験が必要で、これには相当な時間が掛かるという御意見。5番目に、海外の原材料メーカーから協力を得るために努力しているところだが、体制整備に時間を要しており、時間が足りないとの御意見。一番最後の6番目に、新製品の開発に通常2~3年は掛かり、ヨーロッパでポジティブリスト制度に移行した際にも、1年半~4年半ぐらい掛かったことを踏まえると、今回も5年程度の移行期間を推奨するという御意見がありました。
最後4枚目のスライドは、ポジティブリストの策定と適用に関するスケジュールを整理した図です。一番上の青のところですが、事業者や業界団体からの情報を基に素案を作成して、2つ目の赤のところですが、今年6月のこの部会でまず素案をお示ししたところです。その後、今年8月以降に、パブリックコメントやWTO通報を実施し、各事業者や業界団体から追加の情報等を頂き、それを整理してまとめたものが本日の資料で配付していますポジティブリスト案です。真ん中の現在のところ、2019年12月、本日の部会の開催をさせていただいているところです。
今後のスケジュールですが、左側に2020年2月頃(予定)と記載しておりますが、こちらをめどにポジティブリストの告示を公示しまして、来年6月1日からポジティブリスト制度を開始する予定です。その下の赤字のところですが、今説明しましたとおり、施行以降も告示で経過措置を設けることにより、施行時に既に流通している製品と同じ場合には、規格が未整備の物質についても一定期間使用可能とすることを、現在検討している状況です。右側ですが、ポジティブリストについては、引き続き追加収載が必要な物質の把握に努め、その経過措置期間中も、右下の告示改正のところですが、既存物質の追加収載や許容量の修正などを行っていくという流れを想定しているところです。資料の説明は以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。ここまで来るに当たって、パブリックコメント等を実施し、今説明がありましたけれども、関係する事業者が多岐にわたり時間が足りない、あるいは材料の切替えに対応が必要ということで、一定の猶予期間をという意見が寄せられたということでした。12月2日に開催された技術検討会においても、一定以上の経過措置を設定する必要性については共通認識が得られているようです。今の説明で5年間ということのようです。これらの御説明に対して、先生方から御意見や御質問等がありましたら頂ければと思います。よろしくお願いします。
○六鹿委員  1つ質問させていただきたいのですが、猶予期間というのは、例えば5年としたら、5年後に完全施行、つまり告示で、物質リストが改正されて完全施行という意味でよろしいでしょうか。
○吉田食品基準審査課長  御質問ありがとうございます。正にそういう形になるということです。
○六鹿委員  ということであれば、告示の物質のリストを修正する作業、それ以前に物質の安全性を確認する作業、あと事業者から来た情報を精査する作業も含めて5年となりますので、事業者から情報を頂く時期が猶予期間ぎりぎりだと間に合わないので、ある程度余裕を持って締切を設定する必要があるのかなと思います。あと猶予期間といっても、すでにポジティブリスト制度自体は施行されているわけですから、本質的には守らなければいけないというところを、指導なり周知なりしていただく必要があるかと思います。
○吉田食品基準審査課長  御指摘ありがとうございます。正に御指摘のとおり、事業者の一定の対応が必要になりますので、ヨーロッパあるいはその表示の例なども参考にし、あるいは今回のパブコメで出された意見を基に、猶予期間を5年程度ということで御提案させていただいておりますけれども、当然のことながら、それより前に対応すべきものは対応していただくのは当然のことだと思いますし、それに向けた必要な情報などを提供していただくことも必要になると思っております。具体的ないつ、どんな形でというのは今後の話ですけれども、基本的にはそういう対応が必要ですし、あくまでも経過措置ですので、施行はもうされていますから、示されたものに対して遵守できるところはどんどん遵守していくと。ただ、一定のいろいろな対応に考慮すべき事情があるから、それは経過措置として認められるというのが本来の趣旨ですので、あくまでもそれは例外的に認められているという前提の下で対応すべきだと思っています。今回の経過措置の趣旨がどういうものかと、事業者はどういうことに対応しなければいけないのかについては、我々のほうで通知なりする際にはしっかりと徹底をさせていただければと思っておりますので、そうした前提で御理解いただければと思います。
○有薗部会長  ほかに、あるいは今の議論について追加の御質問でも、確認でもよろしいかと思いますが、ほかの先生方はいかがですか。
○尾崎委員  2点ほど質問がございます。2ページ目のスライドで、法律の経過措置において、施行までに製造等をされた器具・容器包装は、制度の適用を受けないこととされていますが、これはあくまでも最終製品のみで、その前のシートやフィルムや原材料というものは範疇には入らないのでしょうか。
2点目は4枚目のスライドになりますが、猶予期間を設けるということで、既存物質の追加収載や許容量の修正等を行うと書いてあります。許容量の修正を行うということは、今日配っていただいている告示の改正案のリストの数字、使用量等も変わっていく可能性があるという認識で合っていますでしょうか。
○事務局  御質問ありがとうございます。今回お話した経過措置については、未整備の物質も使用が可能ということですので、それを用いて作るフィルム、更に製造される製品についても、適合性の観点で猶予の期間が設定されるというものです。製品自体が適合かどうかについて対象範囲を設定するわけではなく、未整備の物質についても使用を可能とする期間として設定されることになります。
○吉田食品基準審査課長  今、これから設定する経過措置はどのように考えているかということを少し御説明しましたが、御質問は、ここに書いてある、今の法律で定められている経過措置の対象がどうかということかと思います。これについては、今確認しましたら附則の第4条にありまして、現在、法律の施行の時に販売あるいは使用、製造、使用等々されている器具及び容器包装についてはとなっていまして、器具・容器包装そのもの、現物については、そもそも適用がされませんと。これが法律の公布時に定められた附則に定められていますので、御質問の趣旨は多分そういうことだと思います。それが1点ですね。
2つ目の質問ですが、内容について、物質だけではなくて、いろいろな条件とか使用量とか使用制限といったものも今後変更されてくる可能性があるのか、という御質問ですけれども、答えとしてはそのとおりと考えております。これは後ほどの議論になりますが、いろいろな御意見が来ておりますので、場合によってはその物質の許容量が変わる可能性もあるかもしれない、それも否定はできません。ただ、恐らく方向性として厳しくなる方向は余りないのではないかと思っております。更にもう少し使える範囲が広がるというか、8月のパブコメで出した使用制限に対して、その制限では困るというか、もう少し実際はあるという御意見がたくさん来て、その確認を行っている状況ですので、方向性としては今回お示ししようとしているものから、更に制限が拡大するというか、緩和されるというか、そうした方向での修正が多い、ほとんどではないかと認識しておる状況です。
○有薗部会長  尾崎先生、よろしいですか。
○尾崎委員  はい。
○広瀬委員  細かいかもしれませんけれども、施行までに使われていたものとは、10月12日までに提出されたもののリストになるのでしょうか。言いたいのは、10月12日から施行までの間に新規に作ったものは既存に扱われる、それとも新規に扱われるのですか。
○吉田食品基準審査課長  その辺りは、よろしければ次の議題で御説明をさせていただければと思います。後ほどその辺も含めて御説明をしますが、結論から申し上げると、法施行時、すなわち来年6月1日までに製造、流通等々しているものについては既存物質という、これは法の立て付け上そうなりますので、そういう整理でどうするのかを次の議題で御説明させていただきます。
○有薗部会長  ほかにここの段階でいかがですか。どうぞ。
○浦郷委員  今回のポジティブリストへの変更で、業界の中で自主的にポジティブリストを作っていたので、それを移行すればいいのだろうと、最初はそういう感覚でいたのですが、やはり今回適用範囲を広めに取ったことと、物質の数が思ったより多かったことで、確認調整が間に合わないということですけれども、これは厚労省の事前の全体的な部分の把握が甘かったのだろうなと思っております。ですから、猶予期間の設定はやむを得ないのかなと思っております。やはり大きく制度を変える時というのは、事業者にとっても消費者にとっても混乱がないようにスムーズに移行していくことが必要だと思います。さらに、食の安全がきちんと担保されるところがとても大事なところだと思いますので、今後のところで厚労省と事業者で協力し合って速やかに進めていただきたいと思います。そして、新たな製品についてはきちんとリストに合致したものでないと使えないというところを徹底していただきたいと思います。
○有薗部会長  ありがとうございました。
○吉田食品基準審査課長  厳しい御指摘、どうもありがとうございます。この制度改正の議論をする際の実態の把握が甘かったのではないかという御指摘に対しましては、甘んじて受け止めさせていただきたいと思います。1点だけ申し上げさせていただければ、そもそもの食品衛生法でカバーされている事業者というか、器具・容器包装から初めて対象になるということで、今回のポジティブリストの制度をいろいろ考えるに当たり、それより更に上流の原材料メーカー等々、かなり裾野の広い事業者が関係してくるというようなところも少しありましたので、当初の私どもの見積り、ある程度は裾野が広がると認識していたところですが、想像以上に裾野が広く、あるいは対応もいろいろな事業者間の難しさがある。これまで我々が食品衛生法の世界でお付き合いしていた方々ではない、更に外の方々といろいろ議論なりさせていただきますと、やはり相当難しかったというのが今になって分かってきたということですので、そうした意味でこのような事態になっていることについては、お詫びして御説明させていただければということです。
ただ、いずれにしましても、浦郷委員御指摘のとおり、円滑な移行というか、トラブルのない、混乱のない形で移行すると。これについては、我々最大限、最重視して対応させていただければと思っております。これまでも、いろいろ対応してきていますが、今後も機会を捉えてはいろいろな説明なり、リスクコミュニケーションをしっかり取るなりして、消費者の皆様が不安にならないように最大限配慮しながら対応させていただきたいと思います。御指摘どうもありがとうございました。
○有薗部会長  ほかにどなたかありますか。
○大野委員  先ほど課長から一定期間の経過措置が、あくまでも例外的な措置だということをお聞きしましたので、少し安心したかなと思っております。ただし、事情をお聞きすると、なかなかすぐに施行とはならないというところは理解できますので、しっかり混乱のない形でこれから進めていただきたいと思います。
それから先ほどの許容量の修正に対しては、どうしても甘くなってしまう傾向にあるかと思いますので、その際には、現在のリストの根拠と緩和する根拠の整合性はしっかりと説明の上、改正していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
○吉田食品基準審査課長  御指摘どうもありがとうございます。基本的にはその方向で対応させていただきたいと思いますけれども、根拠というと現実的になかなか難しい面もあるのは事実ですが、可能な限りしっかり整合性を取った形で基準の改正に対応させていただきたいと思います。
○有薗部会長  ほかにありますか。
○宮島委員  私は医療機器に関わっているのですが、高分子材料等になりますと、製造販売メーカーがまず原材料を仕入れるところから始まるのですが、そのときに原材料に関する情報がなかなか得られない。医療機器の場合は、実際には最終的に製品で安全性の評価を行うので、それで何とか今までやってきているところがあるのですけれども、今回、そのポジティブリスト制ということで、数値の上で判断していくことになっていくと思いますので、原材料メーカーからきちんとした情報を頂くところが重要になってくると思います。そこのところの周知を含めて是非進めていただければと思います。よろしくお願いします。
○吉田食品基準審査課長  御指摘どうもありがとうございます。法の立て付け上も、ポジティブリストに適合することを確認できる情報を正確に伝えるという形にしているわけですが、原材料については繰り返しになりますけれども、食品衛生法の世界ではない、もともとそうではない世界の事業者になってくるところもあります。したがいまして、法の立て付け上もそこは努力義務となっているところがありますので、完全な情報をどこまでというところについては、若干、食品衛生法の世界だけで対応するのはなかなか難しいところがあります。けれども、もちろん可能であればそういう情報はどんどん伝えてもらうべきだと思っております。
一方で、情報伝達の在り方についての議論も並行して別の会議でやっているのですが、その際には、一定の限界があるのは認めざるを得ないというか、ですので、将来的な課題にはなるのですが、少し第三者的に証明することをもって、BtoBの世界でその情報が伝わる形でなくても、例えば第三者的な形で担保されていれば、それでいいと。そのような方法が将来的にできないかという議論もちょっとやっておりますので、そのような方法論も通じて、最終的にポジティブリストに最終的に器具・容器包装が適合していることを担保するという方向で考えさせていただきたいと思います。
○有薗部会長  ほかにありますか。基本的なところで適用についてのこと、特に経過措置を中心に確認していただいたり、コメントを頂いたりしてきました。基本的にこの一定期間の経過措置を設定した、この流れで今後進めていくことには、おおむね賛同いただいたものと思います。これらの意見も加えて、また今後もどうかよろしくお願いいたします。
ということで、次に具体的な内容に入っていくわけですが、ポジティブリスト制における規格基準の設定等について、事務局から説明をお願いします。
○井上室長  お手元のiPadのマイプライベートファイル資料2-1をお開きください。器具・容器包装ポジティブリストの策定・適用と、また今後の予定についてということで資料をまとめています。
1.は、改正法18条第3項においてということで、ポジティブリストに収載された物質でなければならないこととされているといった説明を記載しています。
2.からですが、先に開催されました技術検討会における議論を踏まえまして、いわゆる既存物質、これがポジティブリストに収載する必要がある物質ということで、前回の部会で確認を頂いたポジティブリスト案に対するパブリックコメント、またWTO通報などを通じて情報提供を受け、事務局において整理・確認を行い、現時点で、本日は紙でお配りしている資料2-3として告示案別表を作成しています。
※で少し記載をしていますが、前回の部会後の意見募集等の状況です。パブリックコメントに関しては、8月9日から9月7日まで実施をしています。またホームページにおける意見募集ですが、こちらも9月30日まで実施をしています。WTO通報ですが、10月8日又は10月11日、最終は10月11日まで意見の募集を行ったというところです。
寄せられている意見の状況ですが、まず基ポリマーに関しては、パブコメ時点では収載の物質数が約2,000物質ということでしたが、これに対して物質の追加や修正に関する意見ということで、データの数としてですが、延べ約2,800件の意見が寄せられています。一方で添加剤のほうですが、こちらはパブコメ時の収載数が約1,100物質ということでしたが、これに関して同じように物質の追加、修正に関する意見が延べ1万3,500件寄せられたという状況です。
これらの御意見を踏まえまして、3.です。最終的に10月11日までに情報提供された物質の情報を対象として、(1)ということで、現時点までに内容について確認を行えたものを告示案に反映をするという作業を行ったところです。なお書きで書かせていただいていますが、提供された情報からポジティブリストに収載する必要がないと判断される物質に関しては、今回の告示案には追加はされていません。これに関しての考え方ですが、本資料の別添1を御覧ください。こちらは、12月2日に開催された技術検討会でもお配りした資料です。特に添加剤に関して、ポジティブリスト制度の対象物質の考え方ということで、整理をさせていただいた表です。添加剤として、ポジティブリストに収載する対象であるか否かということに関して、このスライドの左側です。管理対象として整理するものに関しては、考え方としては最終製品に残るだけではなくて、最終製品に対して目的を有するということで、例として幾つか挙げています。安定化剤や可塑剤、分散剤、こういったものは掲載の対象としていくという整理で作業をさせていただいたところです。
一方で、真ん中にありますが、管理対象外として整理するものです。幾つか考え方を挙げていますが、例えば基ポリマーの構造に取り込まれる重合反応で使われるものや、合成樹脂の製造に使用されるわけですが、最終製品に残存することを意図しないもの、また、原料のほうの安定化ということで、最終製品に対して目的を有さないもの。こういった考え方に該当するものの例示を幾つか挙げていますが、これについては今回のポジティブリストの対象外と整理しました。従来までのネガティブリスト管理、従来の管理方法で適切に管理をしていくという形で考えています。
別添1のスライドの一番右側です。これらに関しては、個別に検討が必要なものという整理で、個別に情報を頂いて検討を個別にしていく必要があるものという形で整理をしています。
これを踏まえまして、お手元の紙で配付をさせていただいた資料2-3を御覧ください。1ページ目が、別表第1の第1表案ということで、基ポリマーのプラスチックからです。ポリエチレンから順々にリストが並んでいます。1ページの右上の※で記載していますが、今後、物質名称の変更、統合又は記載順の変更等の整備を行う予定です。
25ページからは、同じく基ポリマーですがコーティング等に用いられるものということで、フェノール樹脂等からリストを作成しています。
71ページからですが、同じくポリマーですが、基ポリマーに対して微量で重合可能なモノマーということで、リストアップをさせていただいています。
79ページが別表第1の第2表で、添加剤です。こちらも物質の名称の変更や統合、記載順の変更等、整備を今後少し行う予定です。79ページからが添加剤ということで、告示の際には順番の整備等はありますが、リストを作成しています。以上、2月の告示を目指すリスト案です。
資料2-1に戻らせていただきます。1ページの3.(2)からです。ポジティブリストに収載するために必要な情報が、現時点で確認できないものに関しては、確認作業を継続している物質ということで、「継続確認既存物質リスト」を別途、厚生労働省のホームページに掲載する予定です。この継続確認既存物質リストについては、今後も引き続き確認作業を進めさせていただければと考えています。その作業の中で、新たな情報等を踏まえましてポジティブリストに収載される必要がないと判断される物質や、既に先ほど御覧いただいた資料2-3に記載された物質と同じであると判断される物質も含まれていることがあり得ますので、その点も説明書きをした上で公表したいと考えています。これについては、まだ物質のリストはお示しできていませんが、iPadの資料4-1、参考資料1という名前を付けていますが、継続確認既存物質リストということで、今、少し説明させていただいたような内容を冒頭に頭書きで書かせていただいて、その上で、特に3つ目の○のところですが、既に提出された情報の内容の確認、物質の特定、用途、使用量の件も含めて、添加量の件も含めて、今後も提出者の方に確認をさせていただくことがあり得るといったことも記載をした上で、物質名を列挙するような形で作成をして、ホームページに掲載をしたいと考えています。
資料2-1に戻ります。2ページ目です。4.ですが、今回の告示案の作成に当たりまして、食品安全基本法に定める「いとまがないとき」に該当するという整理をさせていただきまして、事後に食品健康影響評価を行うことを前提に、告示の策定に向けた作業を行っているところです。ただし、事後に評価を行う前提として、特にいわゆる独自物質に関しては、構造や物性等を踏まえて、遺伝毒性の関係、文献情報等も踏まえて、一定の安全性を確認をしていると記載をさせていただいています。
今後の予定のところで、5.です。先ほど来、説明もありましたが、告示案に関しては、基本的に現在の内容を踏まえて分科会の審議を経て、来年2月をめどに告示を予定しています。継続確認既存物質リストについては、引き続き確認の作業を続けた上で、施行日6月1日までに新たに既存物質となるものの情報についても収載確認作業を行って、施行後の一定期間後、令和2年度末頃をめどということですが、また既存物質のポジティブリストの告示の改正を行うことを想定しています。
また(3)ですが、経過措置期間中は、規格未整備の既存物質も経過措置ということで使用可能であるとして、これらに関しても経過措置終了期限までには、ポジティブリスト告示の最終化を行う予定と記載をしています。今、説明させていただいた今後の予定に関して、少し図の形にしているのが本資料の最後の別添2です。2019年12月のポジティブリストの(告示)案というところが、現時点でありますが、これに関しては2月の告示に向けての作業を進めていくということです。6月1日施行後も一定の経過措置期間ということです。もう1つの矢印が真ん中にありますが、先ほど説明させていただきました継続確認既存物質リストに関しても、併せて確認作業を進めさせていただきます。これについては、2020年度末をめどにポジティブリストに改正して反映をしていきます。更にもう1つ右側に矢印がありますが、今回、10月11日までに情報提供された物質に関して作業していますが、その後も情報提供を頂いています。また、今後の新規のものもありますので、それも含めて2020年度末頃の告示改正に反映させる。さらに経過措置期間中に最終化を図っていくということで、今後の予定を考えています。
さらに、このスライドの右に緑色の四角囲みがありますが、新たにこれから開発をしてということで、新規物質が出てくるかと思います。これに関しても、2020年の春頃に収載の要請に関する手引きの発出を予定しています。その要請に沿って、新規物質に関しても必要な評価を踏まえて順次、収載の作業を進めていく、そのような流れになろうかと思います。少し長くなりましたが、資料2-1と2-3の説明は以上です。
○有薗部会長  ありがとうございました。現在、リストを作られた経緯、パブリックコメントなど、いろいろなものを合わせて事務局で整理されたこと、あと10月11日までに情報提供された物質に対する対応、継続確認物質についての対応の概要ですね。独自の物質も含めて、いろいろな対応で安全性確認してきたという情報。いろいろな情報を頂くけれども、令和2年度の年度末をめどに、6月1日が告示ですが、いろいろなものの追加の情報を入れたり、あるいは新規物質についての情報についてもお話し頂きました。先ほどの10月12日以降に情報提供された物質への対応等の話、これらをまとめてお話し頂きました。今のところについて、先ほどの議論も含めて、何かコメント、あるいは確認していただきたいことがあれば、どうぞ。
○竹内委員  資料のところで、事後に評価を行う物質については、海外でポジティブリストに収載されている物質については、そこで安全性が確認されているだろうということでいいと思うのですが、それ以外の物質についてはQSARによる解析、文献情報、個別試験データ等に基づきということがあるのですが、一定の安全性を確認してからポジティブリストに収載すると思いますが、これはどなたが、どういう体制でやるのか。実際に事業者が、何か自分でデータを出してどこかに提出されるのでしょうか。
○吉田食品基準審査課長  御質問ありがとうございます。ここについては、いずれにしても最終的なリスク評価、事後的なリスク評価というのは、食品安全委員会でやる形になりますが、ここはこのリストを作る、これは管理側として我々でやってきている作業です。方法論としては、パブリックコメント等で物質を追加してほしいという情報が来た際には、データがあるものについてはメーカーに出していただいています。それから、文献情報というのは例えばPubMedなどで検索を掛けて、逆に言うとネガティブな情報がないということの確認ができる。さらには、QSARで解析して確認できるものは、そういったものでできるということで、作業的には私ども、それから国衛研の先生方、そのほかの専門の先生方に事務局から個別に御相談させていただきながら、一定の安全性を確認し、少なくとも今回リスト化するに当たって遺伝毒性で非常にネガティブな問題があるというようなことがない、そういうネガティブな問題情報はないということで、一定の安全性を確認した形で、一応リスト化させていただいているということです。
繰り返しますが、一旦リスト化するのは、今回いとまがない形で載せる形になりますので、収載後、来年の施行後にこれについてはまた改めまして情報を整えて、食品安全委員会に事後的なリスク評価をお願いすると、そのような段取りになっています。
○有薗部会長  よろしいですか。ほかにありますか。
○尾崎委員  猶予期間の設定については、基本的に必要であり賛同しているのですが、その猶予期間が必要な理由として、既存物質の追加収載、事業者の原材料の切替え、周知期間等、様々な理由があるかと思います。この中で、既存物質の追加収載については、ある程度の期間の区切りというか、タイムスケジュールをもってどこかで切らないと、きりがないのかなと思います。令和2年度末頃に既存物質に係るポジティブリストの告示の改正を行うということで、これ以降も追加物質の収載を行っていくのか、それともこれを大きな1つのめどとするのか、どちらなのでしょうか。
○吉田食品基準審査課長  御質問ありがとうございます。まずは、2020年度の末頃に、来年6月までの既存物質の情報をできるだけ集めて、ここで最終化に近いものをできるだけ拾いたいという思いがあります。ただ、それであっても、完全に拾いきれない可能性も、もちろんありますので、そこで我々の思いとしては、2020年度の末頃にある程度のものができるような形で作業を進めたいと思います。それに向けての一定の情報をどこかで切らなくてはいけないというのも、もちろんありますが、そういう形で作業を進めますが、それでもまだ拾いきれないものがゼロではないと思いますので、そういった意味で2段階で、どれくらいで期間を切るかはちょっと分かりませんが、経過措置が終わるまでに最終化ができる、一定期間前までの情報で更なる最終化を行っていく、全体の流れはそんな形を考えています。
前段の御質問は、2020年の末頃に向けてどこで切るかという御質問ですか。
○尾崎委員  令和2年度末頃をめどにするものについての。
○吉田食品基準審査課長  それについての情報をどこで切るのかということですか。それはちょっとこれから考えたいと思いますが、一応、来年の6月までの情報を一旦集めて、それにどれくらい時間を空けて、締切を切って一旦集めるかというのは、検討の余地があるかと思います。逆算しますと、いろいろな審議会の手続、それからパブリックコメント、WTO等の作業の時間も必要ですし、出された情報に対して、確認の時間も必要です。今回も8月からパブコメをやって、10月に御意見を頂いたものでも、現時点でこういった状況ですので、そういう業者との間での確認の時間がどれくらい掛かるのかというのを、これから精査させていただきます。それで逆算をしていって、一定の当然必要となる期間を2020年度の末から逆算して、いつまでというところで一旦情報を切って作業を進めていく、そういう段取りに恐らくなるのではないかなと思います。ちょっとそこまでの細かいシミュレーションは、まだできていませんので、そのようなイメージではないかなと思っています。
○有薗部会長  よろしいですか。
○尾崎委員  追加でいいですか。最初の質問で、課長から実際に今出ているリストも規制の緩和の方向で、制限量が増える可能性が例外的にある、可能性があるということだったのですが、このリストの特に添加剤については制限量が決まらないと、食品安全委員会による食品健康影響評価も実施が困難になるかと思いますので、できるだけスムーズに、安全性評価もできるように、タイムスケジュールをもってやっていただけたらと思います。
○吉田食品基準審査課長  ありがとうございます。正にその部分もありまして、早めに物質と制限量を、可能なものはできるだけ確定するという作業を急がなくてはという思いがありますので、1つの目安として2020年の末頃に一旦、その時点での条件を固める必要があるのではないかなと。そうしませんと食品安全委員会での事後的なリスク評価が始まらないと思いますので、その時点の情報で取りあえず固めた形にして、それで評価を進めていく、そのような形で進めさせていただければと。ただ、それでもまだ追加情報が来て、少し手戻りすることもあるかと思いますが、おおむねここまで来れば、大体、固まるのではないかと思って、こういったスケジュールを御提案させていただいているところです。
○有薗部会長  ほかに委員の先生方からありますか。
○大野委員  別添2について、少し質問させてください。既存物質についてですが、2019年12月のポジティブリスト案をもとに、2020年の2月に予定されている告示の部分と、それから現在、継続確認しているリストの部分と、2019年10月12日以降に提出されたリストの部分との、3つに大きく分かれていると思います。先ほどの御説明の中で、添加剤等が当初1,100種類だったのが1万3,500と、確かこういう数字を言われたのかと思いますが、この3分類で今現在、どの程度の数が告示に間に合う部分であり、どの程度が継続確認しなくてはいけないものであるのか、3分類のおおよその数というのは分かっていらっしゃいますか。
○井上室長  御質問ありがとうございます。まず添加剤ですが、先ほど意見で寄せられた数ということで、延べで約1万3,500件と説明させていただきました。この中で、現時点で対象外、いわゆるネガティブリストの管理ということで対象外としたものが約5,000件です。残りの6,000件に関しての整理をしていくということになるのですが、ざっくりとした数字で申し訳ないのですが、この中で約半分の2,300件程度は対応中ということで、先ほどの検討中のリストといいますか、その中で整理していく予定と考えています。
基ポリマーに関しては、約2,800件と説明させていただきました。これに関しては、うち約1,000件が対応済みです。整理の結果、約600物質に関しては追加、修正をさせていただいたところです。残りの1,800件ですが、これは対応中ということで、先ほどの添加剤と一緒で検討中の継続確認既存物質リストということで整理をして、また継続的に確認をしていく予定です。以上です。
○吉田食品基準審査課長  ちょっと補足します。今、「件」と申し上げているのは、あくまで意見ですので、物質数ではないというところをちょっと御留意ください。そうしませんと、ものすごい数がまだあるのではないかと御心配されると思います。あくまでも出されたコメントの数として、数を申し上げていますので、1つの物質に対するコメントがたくさんもちろん来ますから、物質の数としてはかなり減ります。
先ほどの説明の中で、ポジティブリストの告示案、3つに分かれていますが、これについては、正に本日お示ししている資料2-3ですので、今現在の数というのが、1,900物質ぐらいになっていると御理解いただければと思います。あくまでもコメントの数が、1万3,000という形になりますので、物質の数としてはもう少し少ない形になります。
○有薗部会長  よろしいですか。ほかに先生方からありますか。
○六鹿委員  資料2-3の物質のリストを拝見させていただいて、先ほどの説明の中でも今後、物質名や物質の統合、記載順の整備が必要だということでした。ちょっと拝見させていただくと、結構大きく変わる部分もあるのかなという感じを受けますので、そういったところの混乱がないように、変更後と変更前との紐付けがしっかりできるような形で対応していただければいいかなと思いますので、よろしくお願いします。
○井上室長  御意見ありがとうございました。六鹿委員の御指摘のとおり、この検討の経緯の中で、物質名の変更や統合をしたりなど、そういったところもあります、今後の作業もありますので、先生方の御意見を伺いながら、紐付けも含めて整理をしていきたいと思います。
○吉田食品基準審査課長  一番問題になるのは、業者が確認するときに大変困るということだと思います。今、お配りしているのはいろいろな付加情報が付いていない形、告示ですので最低限の情報になりますから、こういう形になりますが、これまでも厚生労働省の専用のホームページのところで、このポジティブリストをお示ししていて、その際には、いろいろと付加情報が付いています、CAS番号やいろいろな通し番号ですね。その通し番号が、最初にお示しした番号からパブコメにあった番号等々、いろいろありますので、その辺の紐付けもできるだけ分かるような形で、またホームページにはしっかりとそういうものを載せさせていただきます。事業者におかれては、そういったものも参考にしながら、リストへの適合性の確認に対応できる、そのようにできるかなと思っています。
○有薗部会長  ほかに先生方から、よろしいですか。先ほど検討委員の先生方から御意見がありましたように、今後の策定の流れの中で、まだまだ関連の皆様、業界あるいはステークホルダーの方々との対応もいろいろありそうなので、無理というのではなく、うまく整理していただきながら進めていただければと思います。
関連のことですが、資料2-2の説明をお願いします。
○井上室長  マイプライベートファイルのところで、資料2-2を御覧ください。資料2-2については、これまでの御審議、また本日の御審議を踏まえた部会報告(案)という位置付けで作成させていただいております。最初の1の経緯のところは、これまでの法改正も踏まえてということで記載させていただいております。2の改正概要ですが、こちらは、では具体的に告示のほうで何が変わってくるのかということを、簡単にまとめたものです。2(1)、いわゆる規格基準告示の第3に、含有量等に関する規格を規定するということです。なお、含有量等の数値については、先ほど資料2-3で御覧いただいた形で、新たに別表を設けて規定するということです。
(2)が色材、着色剤に関してということで、包括的に規定するということです。(3)ですが、既存の規格基準告示の中の、具体的には第3のAの7とかFの5といったところを、今回のポジティブリストに取り込む形で整備するといった内容です。
これについて3番、1ページの下からですが、食品安全委員会において評価を頂いており、その概要を記載しております。厚生労働省は、11月22日に食品安全基本法に基づき、上記の2(1)及び(2)について、食品健康影響評価を依頼するとともに、2(3)について食品安全基本法の「食品健康影響評価を行うことが明らかに必要でないとき」に該当すると解することの可否についての意見を求めた、という記載をしています。
ここにもなお書きで記載しておりますが、個別の物質の食品健康影響評価については、今回、「いとまがないとき」に該当するものとしていますけれども、別途評価を要請する予定であると記載しています。これについて、食品安全委員会から12月3日付けで評価結果が通知されています。その通知に関しては、参考資料のほうでもお付けしています。以下は抜粋です。まず2の(1)及び(2)に関してということで、含有量等の使用制限が新たに設けられることになり、人の健康に悪影響を及ぼすおそれはないと考えられるという内容です。したがって、改正後の規格基準が遵守される限りにおいて、「人の健康に及ぼす悪影響の内容及び程度は明らかであるとき」に該当すると認められるという評価を頂いております。続いて先ほどの2(3)に関してですが、現行の規格基準告示の規定の一部を移行することに伴う削除ということで、人の健康に影響を及ぼすものではないと考えられるといった評価を頂いております。
以上の食品安全委員会の現時点の評価も踏まえて4ですが、今回の規格基準告示の改正における規則及び別表についてと項立てをしています。上記の内容について、これまでの部会における審議等を踏まえ、別添のとおりということで、新たに規則及び別表に、別表は資料2-3でお配りしておりますが、個別に規定する暫定規格基準を設定するということを記載しています。
4(1)設定手順に関しては、先ほど資料2-1等で御説明した内容を記載しております。3ページの上段までですが、「なお、以上の作業は厚生労働省において行われた」と記載しております。3ページの真ん中から(2)設定に際しての留意事項です。1から掲げておりますが、これまで部会で御審議いただいたルール等を列記しております。本日は机上配付で、参考資料として過去の部会で御審議いただいた資料を改めて配付させていただいております。3ページの(2)1は、例えば合成樹脂の原材料は基ポリマー、微量モノマー、添加剤等で構成されていなければならないと。また、規制の対象は最終製品に残存することを意図して用いられる物質である旨を規定するといったことでして、以降、これまで御議論いただいたルールに関して列記させていただいております。
4ページの11まで列記しておりますが、これらを規格基準告示の規則として告示するということで、本資料の別添ですけれども、6ページから御覧ください。先ほどの本資料の3、4ページに列記したルールに関して、今後、法制上の観点から文言等について変更があり得るということですが、規格基準告示の第3のAということで、以下の(案)で掲げている1~5に関して、規則として告示に反映したいと考えております。
以上が資料2-2の部会報告(案)の内容でして、4ページに戻らせていただきます。5その他と記載させていただいておりますが、(1)に関しては、今回設定するポジティブリストについては、既に寄せられている直近の使用実態等の情報等を踏まえて、法施行後、経過措置期間中も再度見直しを行うものとし、その後も最新の安全性等の情報を踏まえて、適時見直しを行う必要がある旨を記載させていただいております。(2)は新規の原材料に関してですが、これについてもガイドライン、通知の形でお示しして、収載が可能な体制を整備する必要があると。この2点をその他という形で記載しております。
そのほか、5ページはこれまでの審議の経過等です。資料2-2の説明は以上です。
○有薗部会長  部会資料の準備の状況、その中の食品安全委員会からの回答、コメント等の話も含め、最後のところに今日のお話の中でも皆さんに議論いただいた、直近の使用状況を考えて経過措置あるいは適時見直しということ、あと、令和2年春をめどにガイドラインを示すというお話がありました。この件について先生方、御意見、コメント等がありましたら、よろしくお願いいたします。中身的にはこれらは今までずっと議論してきたことがベースですので、追加で確認であったりコメントがありましたら、そういうことも含めて御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。特段無しでよろしいですか。ということであれば、今、御審議いただいた中で、ポジティブリスト制度における規格基準の設定については、本日はこの内容で終了して、次のステップにいっていただきたいと思います。委員の先生方、それでよろしいですか。ありがとうございました。
それでは、ダブることになりますが、今日の説明に併せて修正、コメント等がありましたので、全体の御意見の内容を反映したリストを作っていただき、部会報告書として改良するものがあれば、またしていただければと思います。それをもって私のほうで分科会へ報告する手続を取りたいと思います。その他、事務局から何かありますか。
○事務局  今後の手続の過程で、本日、御説明した修正内容の反映、その他細かい文言の変更等、軽微な修正が必要となった場合には、部会長に御一任の上御確認いただき、特に問題なければ修正の手続を進めさせていただいてよろしいでしょうか。
○有薗部会長  ということで私に一任いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、事務局のほうでも進めていただいて、適正に分科会のほうに資料を作っていただければと思います。今後のスケジュールは、どのようになりますか。
○事務局  今回の審議事項については、既に食品安全委員会の御評価、パブリックコメント、WTO通報等の手続は終わっております。本件は食品衛生分科会における審議事項に該当いたしますので、今後、食品衛生分科会において御審議いただく予定です。
○有薗部会長  よろしくお願いいたします。それでは議題2として、その他とありますが、この辺はどうですか。
○事務局  最後に報告事項として、器具・容器包装関係について法改正に伴う政省令の公布等を行っておりますので、その関係の直近の状況を御説明させていただきます。タブレットのマイプライベートファイルの一番下、参考資料4、改正食品衛生法における器具・容器包装に関する政省令等の策定状況についてというファイルをお開きください。2ページが法改正の全体の資料ということで、赤字のところの4番、器具・容器包装に関してポジティブリスト制度の導入を行ったということです。具体的には3ページに移っていただいて、法律の第18条第3項でポジティブリスト制度に関する規定を新設しており、その下の赤字のところですが、施行期日政令を公布させていただいて、令和2年6月1日が施行日ということで確定したということです。
4ページですが、ポジティブリスト制度の対象として政令で定める材質は、従来から合成樹脂ということで検討を進めてきたところです。その下に赤字で書いてありますが、こちらも10月9日に政令が公布されており、材質として合成樹脂が定められたということです。5ページは、合成樹脂の範囲についてです。これまでゴムに関しては、合成樹脂と区別してポジティブリスト制度の対象外と説明してきたところです。このゴムの定義に関して、従来の説明では熱可塑性がなく、架橋構造を有する高分子の弾性体と記載しておりましたが、その後、関係団体等から、一部架橋構造を有しない非架橋ゴムというのも存在しており、これについても従来からゴムとして取り扱われてきているという指摘等もあり、その下の施行通知の下線が引いてあるところですが、ゴムについては「熱可塑性を持たない高分子の弾性体」という形で整理させていただいたところです。
6ページは、第18条第3項のただし書の「人の健康を損なうおそれのない量」に関する規定です。こちらは食品安全委員会やこの部会でも御審議いただいており、その後10ppbとすることで、下の緑のところですが、パブリックコメントとWTO通報を実施したところです。
7ページ以降は製造管理基準及び情報伝達に関する省令です。こちらに関しては11月7日に省令を公布しております。具体的に公布したものが8ページ以降です。8ページ目が一般衛生管理に関する基準で、全ての器具・容器包装製造事業者に適用されるものです。
9ページはGMPの関係で、こちらは合成樹脂の器具・容器包装製造事業者に上乗せで適用されるものです。10ページが、施行通知の関連部分を抜粋したものです。主なポイントを説明いたしますと、(1)のⅰのところですが、内容としては、今回の省令については既存のガイドライン、通知で従来出させていただいておりますけれども、そちらを踏襲した内容になっているということです。次の(1)のⅱですが、事業者により取り扱う製品が多様で、詳細について一律の基準を定めることが難しいということもあり、各営業者は取り扱う製品及びその使用方法に応じた製造管理を行うこととさせていただいております。これに関しては(2)のⅰで書いていますが、事業者団体が作成した手引書を必要に応じて参考として活用していただきたいとしております。次に(1)のⅲのところですが、対象となる営業者については、器具の製造者及び食品又は添加物の製造者に納入される直前の容器包装を製造する営業者という形で、通知に記載をさせていただいたところです。
11ページからは、情報伝達に関する省令です。こちらも11月7日に公布しており、11ページがその省令の規定、12ページが施行通知の関連部分の抜粋です。施行通知の主なポイントですが、ⅱですけれども、営業者間での情報伝達を想定しているということで、消費者向けというのは含まれないということです。ⅲですが、伝達する内容というのは、あくまでポジティブリストへの適合性の確認に資する情報ということで、個別物質の種類や量などの情報というものは、必ずしも開示する必要はないとしております。ⅳは情報伝達の方法ですが、特段定めないということで従来から議論していますけれども、記録等によって事後的に確認できるようにしておく必要があるということを記載しております。これについてはその下ですが、契約時の仕様書や、入荷時の品質保証書、業界団体の確認証明書、そのほか適合性を傍証する書類等の活用も可能と考えられると記載しております。
最後、13ページは届出制度の関係です。右側のオレンジ色の四角のところですが、政令で新たに届出不要業種として、赤字の四と五で下線を引いていますが、合成樹脂以外の器具・容器包装の製造業者と、器具・容器包装の輸入・販売業を規定しております。法律の立て付けで若干分かりづらくて恐縮なのですが、ここに規定されていない合成樹脂の器具・容器包装の製造者というものは届出が必要ということで、一番下の緑のところにありますが、届出対象という形で整理させていただいているところです。
14ページ以降は、今回の法改正のうち器具・容器包装関係の関連条文を参考に付けておりますので、適宜御参照いただければと思います。以上、簡単ですが、政省令の策定状況の報告です。
○有薗部会長  これは報告ということのようです。事業者の方々への届出の情報があるということです。ありがとうございました。これで、本日予定された議題は終わりました。最後に、次回の予定について事務局より説明をお願いいたします。
○事務局  次回の器具・容器包装部会については、事務局より改めて御案内させていただきます。なお、タブレット・委員の皆様に配付しております必要事項連絡票については、事務局が回収いたしますので、机上に置いて御退室ください。
○有薗部会長  それでは、本日の器具・容器包装部会は、これで終了いたします。お疲れさまでした。