令和2年1月24日 第7回障害児入所施設の在り方に関する検討会(議事録)

日時

令和2年1月24日(金)
14:00~16:00

場所

中央労働委員会会館 7階 講堂

出席者

構成員

議題

  1. (1) 障害児入所施設の在り方に関する検討会 報告書(案)について
  2. (2) その他

第7回 障害児入所施設の在り方に関する検討会 議事録

 
○本後障害児・発達障害者支援室長 それでは、定刻になりましたので、これから第7回「障害児入所施設の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
本日の構成員の出席でございます。原口構成員、相澤構成員からは、御都合により御欠席との御連絡をいただいております。
本会議、資料、議事ともに原則公開としております。議事録につきましては、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
また、厚生労働省における審議会等のペーパーレス化の推進の一環として、本日も資料の紙配付を行っておりません。卓上にタブレットを設置しておりますので、御不明な点がございましたら、事務局までお問い合わせをいただければと思います。
それでは、カメラ等の撮影はここまでにさせていただければと思います。
以後の司会は、座長、よろしくお願いいたします。

○柏女座長 皆様、この数日、ちょっと寒かったのですけれども、きょうは暖かくなっておりますが、年の最初の慌ただしい時期にお集まりいただきまして、ありがとうございました。
昨年2月から始まった、この検討会も、きょうが最終回という形になります。昨年度末に全体会を開きまして、たくさんの御意見を頂戴いたしました。それを受けて、事務局のほうで修正案を作成し、またそれを委員の方々に配信して、さらに御意見を頂戴し、そのいただいた御意見については、座長、副座長と事務局と詰めた形で調整を行い、そして、きょう、最終の案を出させていただいております。これまでたくさんの御意見を頂戴してまいりましたので、きょう、この最終案についての検討をいたしますけれども、これだけはという御意見に限りながら進めていければと考えております。
前半は、その報告書(案)についての御意見を頂戴するという形にし、後半については、皆様方から今後に向けて、一言ずつ頂戴できればと思っております。この検討会が始まる一番最初のときに、この検討会への願いというものを、みずからの専門性の御紹介とともに話していただきました。それが一番最初の取っかかりだったものですから、最終のときは今後に向けてということで、この検討会報告書を受けての思いというものを1人ずつ語っていただければと思っております。
したがって、20人近い方がいらっしゃいますので、お一人3分お話ししていただいても1時間かかるという形になります。でも、そのくらい話していただきたいと思いますので、そうすると、前半で報告書を議論し、そして後半で今後に向けての御意見を頂戴するという二本立てでいきたいと、きょうは思っておりまして、事務局ともそのような相談をさせていただきました。そんな方向性で進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、そのような方向で進めていきたいと思います。
それでは、議事(1)「障害児入所施設の在り方に関する検討会報告書(案)について」、事務局より最終の報告書(案)の説明をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

○本後障害児・発達障害者支援室長 それでは、資料を説明させていただきたいと思います。マイプライベートファイルの4 資料1(見え消し版)というものをお開きいただければと思います。これは、前回の案に見え消しで修正部分を明記したものでございます。これに沿って説明させていただきたいと思います。
まず、資料1、表紙でございます。タイトルをつけさせていただきました。「障害児入所施設の機能強化をめざして」ということで、これをメーンタイトルといたしまして、検討会の報告書という形にしたいと思っております。
それから、目次のほうは後で説明いたしますので飛ばしていただいて、「はじめに」というページは修正ございませんので、飛ばしていただいて、2ページ目、「平成31年3月時点における」というところから始まるページでございます。真ん中あたりに「全体では3割強となっている。また、入所児童の措置と契約の割合を見ると」。ここは、前回のときに、内容が分かれるのであれば段落も分けるべきではないかという御意見ございましたので、そこを反映いたしております。
それから、下に行っていただいて、3ページ目の初めですけれども、ここは用語の明確化でございます。
それから、さらにずっと下に行っていただいて、ページ番号3の下、「過去の集団処遇を基礎とした施設環境及び職員体制を見直し」「個別支援とともに子ども同士の集団の中で、共に過ごすことで発達を促す支援を実践できるよう」。これは、北川構成員から、個別支援とグループ・ダイナミックスについて記載すべきという御意見いただきましたので、そこを反映しております。
それから、その下(2)基本的な方向性、1のところですけれども、「ウェルビーイングの保障・家庭的養護」となっていましたけれども、方向性が書いていなかったので、「家庭的養護の推進」と言葉を補っております。
さらに下に行っていただきまして、ページ番号5の上のあたりです。「親子」だけでなくて家族であろうという御意見が前回ございましたので、「子どもとその家族の関係が維持できる支援を」と直しております。
それから、その下、これは北川構成員から、要望をしっかり明確に書くようにという御意見で、反映しております。
さらに、その下、「障害者施策」という文言を追加しております。これは、連携するに当たって、障害者施策との連携というのは重要になってまいりますので、その内容を加えております。
それから、さらに下です。ページ番号6の下、家庭的な養育環境の推進というところですけれども、このあたりは、北川構成員からいただいた御意見を反映しております。「児童福祉法第3条の2に規定する「良好な家庭的環境」」。それから、「専門性を高める支援の確保及び職員の孤立化・密室化を防ぐため」。あるいは、その下、「指定の際には条件を付加することにより、(障害児グループホーム)の単独での設置も検討」する。このあたりの言葉を補っております。
それから、その下、3ですけれども、「教育と福祉の切れ目のない連携」ということで、ここも言葉を補う形で明確にしております。
それから、その下、「個別の教育支援計画」。それから、「特別支援教育コーディネーター」。これは、正確な用語を用いるようにということで反映いたしました。
「さらに、サポートファイル等を活用しながら、ライフステージに沿って切れ目のない連携が重要である」。これは、前回の御議論を反映して入れております。
それから、「また」という二重線の部分ですけれども、これはほかの部分に書いてあったことを教育との関係で場所を移しただけでございます。内容の変更はございません。
それから、自立支援機能のところですけれども、ここも北川構成員の御意見でございます。「行われるような」というよりも、もう少し明確にということで、「協議の場の設置」。あるいは、それ以外の部分についても適切な言葉を補足しております。
それから、2のいわゆる「過齢児問題」でございます。過齢児という用語につきましては、前回御議論ございましたけれども、「いわゆる」ということで、言葉は変えないまま、このまま行かせていただければと思っております。その上で「年齢に合った児童集団の形成が困難であり、また年齢に合わせたきめ細かい支援体制の確保ができないなど」という言葉を補っております。
注の部分を飛ばしていただいて、その次のページに行っていただいて、「また」以降でございます。ここは、前回のときには、福祉ワーキンググループではこんな意見でしたという、青字で消した部分で御議論させていただいておりましたけれども、方向をいただきましたので、文章を書き加えております。「現在入所している既に18歳以上となっている入所者については、障害児入所施設の指定を受けていることをもって障害者支援施設の指定を受けているとみなす、みなし規定の期限を、これ以上延長することなく、成人期にふさわしい支援を行っていくべき」ということ。
それから、「今後の退所後の処遇について、社会的養護の取り組みも参考にし、22歳位までの柔軟な対応や強度行動障害などの場合における対応も含めて検討すべき」。そういった点について、文章に入れさせていただいております。
済みません、1つ戻っていただいて、飛ばした注の部分でございます。ここは、1、自立に向けた支援のところの注で記載しております。ここは「ソーシャルワーカー」という言葉を資格として用いているのか、職種として用いているのかという御議論が前回ございました。ここは、あくまで職種という意味で用いているということを注で明確にさせていただいております。これを踏まえて、後で御説明いたしますけれども、「家庭支援相談員」も職種としての名称として書いてございますので、そこも言葉としては「ソーシャルワーカー」という言葉にそろえてございます。
少し先に行っていただきまして、社会的養護機能。「更なる」は言葉を補ったものでございます。
その次の10ページ、「保護者からの虐待の場合、入所児童の保護者が」。ここも言葉を補っております。
それから、2の児童養護施設等との連携、ここも「期待される」という若干中途半端な言い方になっておりましたので、そこを明確にしております。
それから、先ほどのソーシャルワーカーのところでございます。「家庭支援専門相談員」という記述は「ソーシャルワーカー」に統一させていただきました。その上で「家庭のニーズをキャッチし、地域に十分な支援を提供する」という大きな目標もしっかりと書き加えさせていただいております。
それから、10ページの次、11ページ目の最初でございます。その他というところですけれども、人員の配置について御意見ございましたので、「更なる人員の措置が必要である」。その基準の先というところまで書き加えてございます。
それから、(2)医療型入所施設の課題というところです。11ページの下、強度行動障害児への対応ということで、これは「必要がある」という表現でしたけれども、少し強めて「べきである」ということにしております。
3も同じでございます。
それから、その次ですけれども、これは児玉構成員から前回の検討会のときに御意見をいただきました。極めて多様性が高いということで、「障害児施設だけではなく、子どもの状態に応じて適切な支援が行われる必要がある」という形で書き加えてございます。
それから、「教育と福祉の切れ目のない連携」。これは、福祉型と同じ直しであります。
それから、「今後は」というところは、前回、米山構成員から御意見がございました。「出来るだけ通学出来るような環境を整備する必要がある」と書き加えてございます。
「また」の段落は、福祉型と同じ修正でございます。
それから、下に行っていただきまして、療養介護のところ。児者一貫のもとでの発達・自立支援ということで、「また、療養介護に移行した場合においても」というところ。ここは、前回、児玉構成員から御意見いただきましたので、「必要に応じて再アセスメント」というところを明確に書き加えてございます。
それから、下に行っていただきまして、社会的養護機能のところですけれども、これは「親」ではなくて「保護者」という書き方に修正する。
それから、4)地域支援機能というところは、宮野前構成員から御意見いただきました医療機関の課題を言っているのか、短期入所の課題を言っているのか、少し明確でないのではないかという御意見がございましたので、これは短期入所の話ですので、「身近な地域で利用できる短期入所が必要であり」という形で書かせていただいております。
それから、ページ番号14の下、「健康面や生活面で個々に応じた適切な対応が望まれる」ということで、児玉構成員から御意見いただきました。そのあたりを明確にさせていただいております。
それから、その下、ソーシャルワーカー。これも同じ、職種としてのソーシャルワーカーということでございます。その役割として、「子どもと家族のニーズを把握・発見」する等々をここに書き加えさせていただいております。
それから、(3)は共通の課題でございます。最初のところは、用語の適正化。
2 質の確保・向上。「ともすれば密室化により」、ここも御意見いただきましたので、「閉鎖性」という言葉に直しております。
それから、その下、「また」というところですけれども、「施設自体が機能を発揮するための適切な配置と子どもひとり一人の特性にあわせた専門的ケアを提供するための職員配置を検討すべき」。ここは有村構成員から御意見いただきましたので、そこをつけ加えております。
「権利行使」、ここも用語の適正化ということでございます。
それから、4 入所施設間の連携強化についてということで、ここは北川構成員から御意見いただいておりますので、修正しております。
それから、「また」のところの「(障害児グループホーム)の設置」も同じでございます。
5 他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用というところですけれども、ここも北川構成員から御意見いただいています。「入所機能と在宅機能を一体的に整備した小規模多機能を持つ施設の検討」ということを書き加えてございます。
それから、6 障害児入所施設の名称ということですけれども、内容を少し補う形で書かせていただいています。「入所という名称も含めて」という言葉を補っております。
それから、7につきましても、検討する内容について少し補って書いてございます。「都道府県等と市町村の役割分担、措置の判断、市町村の職員の専門性の確保等の課題を慎重に検討すべきである。あわせて」という形で、検討の具体的な論点を書き加えてございます。
最後、まとめのところでございます。ここは、児童福祉法の趣旨をまず明確に書いております。
それから、一番最後の段落ですけれども、ここは一番最後が「願う」ということで終わって、それでいいのだろうかという問題提起がございました。座長、副座長とも相談させていただきまして、こういうふうにさせていただいております。「最後に、本報告書では、後押しとなることを願い、すぐに見直しを行うべきものから今後の支援の方向性まで幅広い提言を行っている。この報告書を受けて、厚生労働省をはじめ、各関係省庁、自治体、支援者等の関係者が連携をし施策が着実に進むことを強く期待する」ということで、これからの議論に対する強い思いが表現できるような形で締め括るという案文にしております。
私からは以上でございます。

○柏女座長 ありがとうございました。
この間、多くの委員の方からたくさんの御意見を頂戴いたしました。それを事務局のほうで案にしていただいて、それから私たちのほうに投げかけがあり、そして、修文をしていったという流れになります。
個々の構成員からいただいた御意見を十分反映できていないものもあるかと思います。大きなものとしては、提言されているものについての具体的な論点、ここに気をつけるべきだという御意見がかなりあったことは事実ですけれども、それをここに入れてしまうとインパクトが弱くなるということもありまして、それは今後検討を進めていくときの具体的な論点として、事務局のほうでしっかりとテイクノートしておいていただくという形で進めてきました。そんな流れで進めてまいりました。これが最終案という形になります。今は、前回の部分、それから、その後メール等で御意見を頂戴した部分についての反映を中心に御報告いただきました。
全体を通じて御意見を頂戴できればと思います。何かございましたらお願いしたいと思います。どなたからでもどうぞ。
小出構成員、お願いします。

○小出構成員 育成会の小出でございます。前回欠席しまして、申しわけありませんでした。
そういうことで、前回から、この報告書作成ということで、教育の保障ということを入れ込んでいただきまして、教育という観点を述べていただきまして、ありがとうございました。
そこで、1つ、前回から今回にわたって、16ページの権利擁護という、青字で削除されているところ、福祉型と医療型の教育の部分に入れ込んでいただいた文章です。「また、入所児童と地域の児童が触れ合う機会が少ないため、就学前の地域での子ども同士の育ち合いを促進する観点から」という、そこのところでございますけれども、現実問題としまして、入所における地域の子どもたちとの触れ合いということ。
これは、今、特別支援学校のほうで副籍制度ということを取り入れて、特別支援学校に行く前。要は、自分の生まれ育っている、生活している地域の小学校・中学校とつながるという意味で、遠く離れた特別支援学校の子どもたちは地域との触れ合いがないものですから、副籍制度というものを取り入れている。これは、学校の制度でありまして、もっと遠くに離れたところにある児童の入所施設で、それをすることが可能かどうかということが1つあります。
今、ここへ入所している子どもたちの教育の保障。日中は、施設の近くに特別支援学校があれば、そこへ行って、あるいは重・軽度という障害のお子さんがいるものですから、地域の小学校・中学校ですと特別支援学級に通っているということで、その時間、朝から3時、4時までは学校生活があるということです。ですから、教育の保障という意味では、入所施設において、子どもたちの育ちは、学校教育の中でも大きな影響があるのではないかという意味で、ここに入れさせていただきました。ですから、そういうことがあるのだということを、どこかで説明するときには説明していただきたいなと思います。構成としては、これでもいいと思います。

○柏女座長 ありがとうございます。
教育制度そのものにかかわるものなので、ここにはなかなか書きにくいということもございまして、その趣旨はとても大切なことだと思います。ただ、この報告書の中には、福祉面でやれることをしようということで、障害を持った子どもたちが入所したときに、遠くのところに連れて行かれてしまうことがないように、地域の中に小規模のグループホームをつくって、その子たちが特別支援学級や学校に転校せずに通えるようなことも考えるべきではないかというのは、これは福祉の問題ですので、ここで提案させていただき、今、おっしゃっていただいた副籍制度等々については、文科省のほうに事務局のほうからぜひ伝えていただいて、今後の運営として大事にしていただきたいと思います。
事務局のほうでは、また文科省のほうに引き継ぎをしていただきたいと思います。ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
では、北川さん、お願いします。

○北川構成員 北川です。
最初の課題であった、喫緊の課題とも書かれている年齢超過の問題などが、9ページ目に、延長しないとはっきりと書かれたことが本当によかったなと思いますし、先日、九州の入所施設の集まりに行かせてもらったときにも、もう次に向けて、皆さん準備されているということで、すごく賛同されているということだったので、新しい時代に向けてつくっていくということで、よかったなと思いますし、成人期にふさわしい暮らしの保障というのも書かれていて、本当にありがたいと思っています。
次へのところは、これからの課題なので、8ページに協議の場と書いていただきましたけれども、協議の場とか、9ページの移行先の充実という言葉です。書くのは難しいかなと思うのですけれども、例えば地域においてのグループホームの優先採択とか、そういう少し具体的なことがあったらうれしいなと思いました。
あと、家庭と同様の養育環境というところを、最初の課題として伝えておりましたけれども、それに関しても、地域小規模障害児入所施設ということで、地域においては、通所との合体型とか単独でもということが書かれていたり、これは児童福祉法にかなった形になったので、よかったと思います。
また、配置基準のあたりも大きい課題でしたので、4.3対1ではなくて、本当にきめ細かな支援が必要だということで、さらなる人員の配置が必要ということで、多くの関係者は大変喜んでおります。
私自身が言い忘れたところですけれども、10ページの地域支援機能のところです。14ページの医療型の入所施設の地域支援機能をしっかり読ませてもらって、ソーシャルワーカーとか里親フォスタリング機関との関係とかはありましたけれども、地域支援機能でとても大事で、短期入所の活用ということが医療型のほうにしっかり書かれていましたので、同じようにここで書いていく必要があるのではないかと思いました。家族のレスパイトだけではなくて、子どもの育ちの保障ということも書かれていましたので、同じように書いていく必要があるのかなというのと。
医療型では、ソーシャルワーカーの配置の中に、子どもだけではなく、家族をサポートするという文言が書かれていて、ここはとても大事なところだと思いますので、この辺を少しプラスしていただければうれしいと思いました。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。
確かに、福祉型のところは、短期入所関係の議論が十分ではなかったところがありました。同じような思いはあると思いますので、事務局のほうでちょっと御検討いただいて、加筆できるものについては、特に医療型のところに書かれていることを福祉型のところも充実するということは、考えていくことが必要かなと思いました。
ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
では、森岡さん、お願いします。

○森岡構成員 三重県庁の森岡でございます。
18ページ、体制の充実のところでございます。7 都道府県・市町村の連携強化というところの後段の「また、社会的養護における議論とあわせ、入所の決定権限を市町村に付与することにより、入所前から退所後まで市町村が一貫して支援を行う体制とすることについて」という部分です。6ページに方向性が書かれています。下段ですけれども、「これらの実現のためには、市町村域を基盤とした制度間の切れ目のない多機関・多職種連携による相補的なシステムづくり並びにそのシステムに基づく包括的で継続的な支援を行える体制整備が必要である」。これを受けての記述と理解しております。
また18ページに戻っていただきますけれども、6ページの記述を受けての18ページの記述としては、少し一足飛び過ぎないかなという気がしております。最終的に入所の決定権限を市町村に付与するというのが、一番ストレートなやり方であることは間違いないのですけれども、まずはシステム、仕組みの構築というところから入って、入所決定権限の市町村への付与ということも検討すべきという二段構えで記述すべきということを述べさせていただきたいと思います。当然、一貫性のある支援というのはよく理解しておりますので、現状を踏まえますと、そういう記述が妥当ではないかなということでございます。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございます。
恐らく、この議論、前にも知的障害者福祉協会のほうからもあり、それについては、今後議論を進めていくための留意すべき論点としてテイクノートしておいていただいて、そして議論を進めるという形にさせていただいたと思います。
今の森岡構成員の御意見についても、大事な点でありますので、そこをこれから市町村の包括的な、一括的な支援をしていく。そのためには、今は入所の部分だけが県のほうに連れ去られているわけなので、そのことを議論しないままに市町村で包括的な支援ができるかどうかということも一つの論点になると思いますので、大事な検討していくための論点として、お聞きしておければと思います。それでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
お願いいたします。

○宮野前構成員 宮野前です。
福祉型のほうは、18歳以上の方に対する対応というものが、今回きちんと報告書に出されたのですが、一方、医療型の場合、2ページの最初のあたりに18歳以上の方の人数も書かれていて、圧倒的に多いわけです。そのことに、以下、ほとんど何も触れておられなくて、医療型の中で療養介護事業に移行するときに、きちんと評価してという文言は入っているのですが、ぱっと見ただけでは、この福祉型の絶対数を見ても、圧倒的に医療型の18歳以上の方が多い。そのあたり、説明文章の中に、例えば18歳になると療養介護に移行される方が多いとか、そういった文言を入れる必要はないのかどうか、そのあたりの皆さんの御意見を。

○柏女座長 書きぶりのトーンが違い過ぎるので、現状のところにそれを書いておいたほうがいいということでしょうか。18歳以上の方は多いのだけれども、それは療養介護のほうに移る。

○宮野前構成員 児の入所施設と、プラス、療養介護の施設が一体になっているというあたりがわかる形にしておけば、それなりにすっと理解されるのかなという。

○柏女座長 そのほうが理解しやすいのではないかということですが、事務局のほうではどうですか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 そこは、福祉型と医療型と仕組みが少し異なっているところもありますので、何らかの形で医療型と異なっていることを書き加えさせていただきます。

○柏女座長 どうぞ、児玉さん。関連してですね。

○児玉構成員 児玉です。
今の点ですけれども、私のほうからも事務局にいろいろお願いしたこともあって。13ページの自立支援機能の1 児者一貫のもとでの発達・自立支援ということで、これは医療型のところですけれども、2の前のところで、「また、療養介護に移行した場合においても、定期的なモニタリング結果を踏まえ、関係者・関係機関が連携し、必要に応じて再アセスメントを行い、適切な支援の在り方について協議が行われるべきである」。療養介護に移りますと、場合によっては一生そこにいることになるので、そういうことでいいのかどうかということで、定期的に検討を行っていただきたいということと。
1の上のほうで、「医療型については、施設を移動することなく障害児入所施設と療養介護を一貫してサービス提供する仕組みが恒久化されており、入所児童が18歳になると療養介護に移行するケースが多い」ということで、ある程度保障されているのではないかと思ったのですけれども、申しわけありません。

○柏女座長 ありがとうございました。
では、初めに現状のところに少し触れておいてもらえば、ここはスムーズにつながる形になると思いますので、そのようにしていただきましょうか。ありがとうございます。
そのほか、よろしいでしょうか。
今、幾つか修正事項がありましたけれども、本質的なものではなく、ちょっと足らざるものがあったことを加筆してほしいとか、現状をもう少し加えておいたほうがいいとか、あるいは、この文書には影響しないけれども、今後の論点としてはとても大事な御意見などを頂戴いたしましたので、これを今、いただいた御意見を反映することを前提に、最終案をお認めいただくという形でよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○柏女座長 ありがとうございます。
それでは、いただいた内容を踏まえて、まとめを行う、若干修文が出てくることになりましたので、座長、副座長にその中身については、御一任をいただくということでお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○柏女座長 ありがとうございます。
それでは、事務局と相談の上で早急に取りまとめを行っていきたいと思います。なお、取りまとめ後に「案」をおとりして、構成員の皆様方には事務局より配信していただきますので、よろしくお願いしたいと思います。皆様方、最後まで熱心な御意見を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。早急に我々と事務局で詰めてまとめていきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、議事(2)「その他」、先ほど申し上げましたけれども、この検討会はきょうで最後ということになりますので、今後に向けての皆様の思いというものを一言ずつ頂戴できれば幸いに思います。1時間はとれそうですね。ということで、今、17名いらっしゃいます。私も構成員の1人に入れさせていただきますので、17名ということになりますと、1人当たり3分平均ぐらいですかね。若干延びる方もいらっしゃると思いますし、そこは紙を差し入れて終わりとかいたしませんので、1人3分めどぐらいでお話、御意見を頂戴できればと思います。
恐らく事務局のほうで代が変わったとしても、検討していく。この中には、短期的な課題と中期的な課題も入っておりますので、中期的な課題はもう少し先になって議論が本格化する可能性もありますが、そのときにこの検討会の最後に委員の方は何を発言していたのだろうということは、必ず事務局、厚労省の方は見ると思いますので、そういう意味では、最後の言葉を残しておいていただければと思います。どうしましょうか。順番ですが、この並びはどうなっているのでしたか。五十音順ではないのでしたか。
では、宮野前さんのほうからでもいいですか。こう回って、我々は最後にして、鈴木さんのほうまで回るということでよろしいでしょうか。では、そのようにさせていただきます。お願いいたします。

○宮野前構成員 では、トップバッターということで、宮野前です。
僕自身の立ち位置というか、僕は国立病院機構の中の一員の南京都病院に勤務している一小児科医で、いわゆる重症心身障害医療の現場からの視点という、ある意味で非常に限られた視点しか持ち合わせていなかったのですけれども、この検討会に参加させていただきまして、それこそさまざまな分野の専門家の方たち、それから当事者、その御家族あるいは支援をされている方々の御意見をお伺いしまして、改めて知らないこと、わからないこと、多々あったなということで、ある意味非常に僕自身の勉強になったと思います。
きょう、最後の議題の報告書についても、さまざまな立場の方がそれぞれの思い、課題を提供されて、それに対して、どういった立ち位置で入所施設のあるべき姿にしていくかということを議論されて、こういった文書にまとめるのは、特に厚労省の事務局の方たち、大変だったと思いますし、厚労省だけじゃなくて、関連する部門がたくさんあったと思います。そういう意味では、この報告書に今後厚労省のほうでどういった形で対応されて、それから僕たち現場のほうにおりてくることがあると思いますので、しっかり経験を生かしていきたいと思います。
今後へ向けてと言われたので、僕自身はさっき言いましたように、国立病院機構というでかい法人の中の小さな施設で働いているわけですけれども、今回も議題に出ていた、いわゆる専門性とか地域への貢献とか人材育成というのはたくさんあると思います。幸いというか、入院機構自体はセーフティネットという位置づけで、重症心身障害、神経難病、筋ジス、セーフティネット医療という形で対応しているわけで、こういった組織は上意下達のところがありますので、現場はそれをもとにやっていくというスタンスの施設になりますので、僕自身、もうしばらく現役でいると思うので、この経験をしっかり生かしていきたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。

○柏女座長 では。

○朝貝構成員 全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝と言います。いろいろお世話になって、ありがとうございました。
私からは、肢体不自由児療育のことを最後にお願いしたいと思います。平成24年に障害種別を撤廃して医療型障害児入所施設となりましたけれども、肢体と重心の給付費の格差が続いております。第1回医療型WGで、重心周辺の18歳未満の子どもの基本給付費を新設して、重心と重心周辺児と肢体と3段階としていただきたいという要望をさせていただきました。厚労省の資料にもあるように、30年10月1日時点で、旧肢体不自由児施設には重心周辺児が1140人の入所のうち268人、23%、入所していて、18歳未満が170人います。肢体不自由児であっても、決して手のかからない子どもたちではありません。
重心周辺児は、有期有目的入所で機能向上が期待されますが、残念ながら運営上の理由で、経年的に重心周辺の子どもたちの入所は減少してきております。重心の長期入所が優先されて、地域で生活していても子どもの持つ能力を最大限伸ばす療育の灯が消滅してきていると思っています。一旦なくなった療育機能は、もとには戻りません。現在ある有期有目的入所を中心とした、地域生活を支援する療育機能を継続させるためにも、重心と肢体の給付費の差を少なくする対応が緊急性を持って必要な状況になっていると考えております。格差是正のための有期有目的入所を含む肢体の基本単位、重度加算、重度重複加算の検討をぜひお願いしたいと思っています。
以上です。

○石橋構成員 全国肢体不自由児者父母の会連合会の石橋と申します。
私は、親の立場ということで、誰しも障害を持った子どもを授かると思っていないわけです。ある生まれた子どもが、そういう子どもを授かったということからすると、ずっと疑問に思っていたのですが、障害児入所施設というところは、いっときの場所となるような方向性をもっと議論すべきではなかったのかなという思いが今でも強いです。というのは、もとへ戻すということを根本にしたら、どういうふうな施設内容になるのですかということを、ある意味ではゼロベースから考えたらどうなるのですか。となると、障害という入所施設の対象者は生まれないような社会にするにはどうしたらいいのか。
一億総活躍の厚労省のほうから出ています地域包括ケアも、地方によっては子どもから高齢者までという非常に広い範囲で、介護保険の範囲内でビジョンを作成しているところが多くなってくることからすると、在宅となると地域医療の方々とのコミュニケーションというものがもっと必要性が出てこなければ、医療型の方々が地域で暮らす、親とともに暮らすという世界が描けないのではないかと思っております。ぜひそういうことも取り上げていただきたい。
中での個別の支援計画というか、言い方は悪いですけれども、送り出す側と受け取り側で、その次のステージに送り出す。そういう受け手同士が、こういうところでもっと議論していただきたかったなという思いがあります。
以上でございます。

○水津構成員 全国重症心身障害児(者)を守る会の水津でございます。
私も、石橋さんと同じように重症者を抱えている親でございます。私は、広島でいろいろ頑張っておるわけでございますけれども、たまたま北浦会長がご高齢になられたということで、広島の遠いところから会長代行をやっていたわけでございますけれども、私たちの長年の念願は、児者一貫でございました。北浦会長以下、長年にわたって訴えてきたことが、それぞれの関係者の皆さんに理解されて恒久化されたということ。
並びに、私が最初に自己紹介を兼ねて申し上げました短期入所あるいは通園の在宅支援、あるいは医療的ケアの課題について、今回いろいろ取り上げていただきました。そういうこともあり、また重症児の実態・課題、あるいは重症児施設の実態・課題を、宮野前先生、児玉先生、児玉先生の前の木実谷先生がいろいろ話していただきました。したがって、私のこの場における発言は数回だったかなと思っております。
私にとって、この場は、皆さん方のいろいろなお話から学ぶ点が多くあったという、ある意味では勉強の場ではなかったかなと思っております。今後は、この報告書に挙げられた課題あるいは今後の方向性についての取り組みがいろいろなされることを期待しますとともに、ただ傍観しているだけじゃなくて、いろいろなことに取り組むに当たって協力していきたい。できる限りの協力、できる範囲内での協力をしていきたいと思っています。
この1年間、本当にいろいろお世話になりました。ありがとうございました。

○有村構成員 日本社会事業大学の有村でございます。
私自身、それほど障害児の入所施設に詳しいわけではなくて、つけ焼き刃のように勉強しながら参加させていただいて、また各構成員の先生方のお話を聞きながら学ばせていただいたところがたくさんあったかなと思います。
この報告書の中身といたしましては、子どもの権利の部分がかなり盛り込まれてきたのではないか。特にウェルビーイングであったり、権利行使の主体ということが書き込まれております。そういった意味で、意思決定とか権利をどう擁護していくのかという部分もあります。主体的な権利行使に向けて何をしていくのかということなどが、まだまだ課題はあるし、探りながら進んでいかなければならないところがあるかなと思いますが、ここにたくさん盛り込まれたということは、より進んでいくのではないかなと思って期待するところでございます。
もう一つは、ソーシャルワークを研究の一部としてやっている者として、子どもの虐待の問題が入所のかなりの割合を占めているということ自体、かなり大きな問題だと思います。親御さんがおられて、ニーズがありながらも一生懸命頑張っておられる中での揺れとか変化だったりというのは、誰かが寄り添ったり、動き自体を共有していくというものがなければ追えないと思います。割合の高さなどを考えましても、ここにどうやって主体的な権利行使を考えながらアプローチしていくのかというのは、大きな課題かなと思います。
もう一つは、当事者の部分で、子どもの声はこれからどうやって盛り込んでいけばいいのかというところです。また、将来的な課題になってくるのかなと思いますが、大学でも障害のある学生さんたちも入ってきて、生き生きと学んでいらっしゃいますので、そういう意味で、当事者の研究とか当事者の声、子ども自身の声をどうやって入れていけばよいのか検討が必要だと思ったところです。
最初は、何に自分が役に立てるのかなと思いながら参加してきたところでございますが、いろいろ勉強させてもらいながら、最後まで参加させていただきました。どうもありがとうございました。

○児玉構成員 児玉でございます。日本重症心身障害福祉協会の、現在、理事長という立場で、最初の段階では、木実谷先生が出られたと思いますけれども、昨年5月末に理事長を交代しましたもので、私自身は8月のグループワークから参加させていただきました。参加させていただいてから、私の考えもかなり述べさせていただきましたけれども、今までの先生方と同じく、私自身も非常に勉強になりました。
現在、重症心身障害者の施設というのは、先ほど児者一貫という話がありましたけれども、児童より者のほうが85%以上、入所になっておりまして、60歳以上のほうが18歳未満よりはるかに多いという時代になってしまっております。したがって、児者一貫ではありますけれども、児の時代は、多くは家庭や地域で過ごしておられる。私どもの役割としては、施設の中におられるお子様または者の方々のお世話をするとともに、地域・家庭で生活している児の方々についても私どもが積極的に支援しなければいけない。そういう意味での児者一貫であると、私は今、考えております。
今回の大きなテーマの一番基調は、4ページの最初に「過去の集団処遇を基礎とした施設環境及び職員体制を見直し、個々の子どもの最善の利益を措置した個別支援とともに子ども同士の集団の中で、共に過ごすことで発達を促す支援」と書いてあります。これは、まさに私どもに当てはまることで、私どもの施設が誕生いたしました昭和の時代というのは、集団で受け入れて、集団で指導し、集団でということで、部屋も大部屋で8人、9人、10人が一緒に生活する形で、毎日のお世話も画一的な療育に参加するという形で、それでいいことをしていると思われる時代があったのです。
そういうことが、例えばやまゆり園の一件の中で、施設の処遇はこれで本当によかったのかと問われている。私ども、まさにそういうところにありまして、これからの施設の在り方を大きく変えようとしているところでございます。具体的には、大きな集団指導というところから、個別のユニットとか小集団ということにしていきますし、また、それぞれの方々の人生と人格ということを尊重してということで、私どもも個別支援を徹底して考えなければいけないということ。
それから、児童から者に移ると、先ほども話があったように、ほとんどが療養介護に行くわけですけれども、療養介護で一生そこで過ごさせてしまうということがあっていいのかどうか。常に見直しが必要であるし、場合によっては、療養介護以外のところも経験させてあげたい。また、療養介護に行く前には十分な検討をしていただきたいことを本当に願っているものであります。
家庭及び地域の支援としては、短期入所が非常に大事でありますけれども、単に短期に受け入れて、親のレスパイトのための短期ですよというだけではなくて、受け入れたお子さんあるいは者の方々が、そこで自分の部屋があり、自分の生活がここにもあるのだということを見ていただくために、地域に根差した短期入所であるし、個々の状態に応じて私たちが支援できる短期入所でなければならない。
対象の方々は医療度が非常に重くて、全く寝たきりの呼吸器をつけた方から元気な方まで、ゼロ歳から80歳までおられるわけですから、それぞれに対応するためには個別性が非常に大事であって、医療においても、部屋においても、環境においても個別性が大事なので、その面においての報酬も含めた保険等もよろしくお願いしますということを文章の中にも盛り込んでいただきまして、非常にありがたいと思っております。
まだいろいろ申し上げることはたくさんあるのですけれども、例えば小児においても、福祉型で愛着ということが非常に強調されたと思います。私ども小児で受ける場合、ほとんどが虐待ケースか超重症の、呼吸器で全く動けないような方々。そうすると、医療が先行してしまって、そこで一まとめに部屋の中に置いて、管理すると言っては失礼ですけれども、そういう子どもたち、どんなに障害が重くても、それぞれのお子さんたちの発達と社会性を伸ばしていく人生があるのだということで、そこでも愛着が非常に必要であるということを感じている次第です。医療型においてもそういうことを私どもが取り入れて、これから検討していきたいと思います。
まさに今、私ども全体で検討している最中で、その方向を後押ししていただけるような報告であったと思って感謝しております。
以上です。

○菊池構成員 三重大学の菊池です。どうもありがとうございました。私自身は、後半は大学の学事日程と重なって、なかなか出席することができず、構成員の皆様に御迷惑をおかけいたしました。
私は、教育学部の教員をしているのですけれども、今回の検討会を通しまして感じたこととしては、例えば、障害という言葉を見た場合に、発達障害や視覚や聴覚などの比較的メジャーな障害については、世の中の理解・周知が進んできているように思いますが、今回検討会の中で出てきたような、いわゆる重症心身障害という方々についての世の中の理解ということが、まだまだ十分に広がっていないのではないかと思っております。ですから、こうした検討会を通して、よりいろいろな障害がある。特に、こうした重い子どもさんたちも地域に生活していますし、施設に入所して生活しているということをどう発信していくかということも1つ大事じゃないかなと思っております。
その上で、私自身が自分の研究と絡めて課題だなと思っているところを幾つかお話しをさせていただきたいと思います。
まず、1つは、障害のある方についての、今回の検討会の文言でもありましたが、生涯学習をどう充実させていくかということが非常に大事かなと思っております。最近、重症心身障害で学校教育を修了した方々の場合は、東京のほうでは訪問大学という形で、学校の先生を退職した方々が、学校教育を修了した重症児の家庭を訪問して勉強しているという話を聞いております。
こうしたところは、医療がないから学校の先生がそこに入っていると思いますけれども、医療を必要とされるような学校教育を修了した方々についても、いわゆる生涯教育という観点から、医療・福祉連携のもとに、児者一貫という話もありましたけれども、教育支援の在り方。私たち、障害があるなしにかかわらず、一生涯学び続ける存在であると思いますので、そうしたこともぜひ厚労省の側からも御検討いただきたいというのが1つです。
もう一つが、これは私自身が今、実際取り組んでいることですが、在宅で生活している呼吸器をつけている訪問教育の小学校1年生の子どもさんのところに出入りしております。週に2回リハビリ、1回が訪問看護で、1回が訪問教育ということで、お母さんが相談支援専門員的な、ほとんど1人でマネジメントしながら生活している状況ですが、教育の側の情報が少ないといいますか、医療とか福祉の情報を教育に生かせない状況があって、コンサルテーション的な役割というか、在宅で生活している方々に対して、医療の側から子どもの発達を保障する上でのコンサルテーションをどう考えていくかということも、一方で大事じゃないかなと思っています。これが2点目です。
3点目は、これは三重大学附属病院小児トータルケアセンターの先生方と一緒に取り組んでいるのですが、NICU等を退院した子どもさんたちの家族会を、年にわずか1回ですが、小児トータルケアセンターの先生が開催して、我々も教育の側からそこに入らせていただいております。若い世代の親御さんと、これまでさまざまな国の施策にたくさん貢献してくださった世代の親御さんと、なかなかつながりが持てないところがありまして、そこに今、NICUのところに守る会の親御さんたち、さまざまな知の結晶をお持ちの方々がいらっしゃいますので、そういうところに来ていただいて、世代間を埋めるような交流に取り組むような形でやっております。
ぜひこうしたところについても、もう少し国の立場といいますか、そうしたところから世代をつないでいけるような取り組みの在り方を検討していただけるとありがたいかなと思います。この検討会では、本当にさまざまなことを学ばせていただきまして、ありがとうございました。
以上でございます。

○青木構成員 児童自立支援施設 国立武蔵野学院の青木と申します。皆さん、ありがとうございました。
私自身は、10年前に厚労省の障害児支援の担当をしていたということもありまして、特別な思いで参加させていただきました。ただ、欠席等もありまして、十分お役に立てなかったのではないかと思っております。10年前と比べて、特に私が思うのは、社会的養護の視点が今回取り入れられたこととか、権利擁護の視点が取り入れられた。こういった部分については、今回の検討会の有意義だった部分、画期的だった部分ではないかと思っています。ですので、今回さまざまな視点で、さまざまなお立場の方から現状や課題・方向性などが整理できたと思っております。
私自身の反省も込めて思うのは、今回の報告書のタイトルにあるように、「施設の機能強化」については、ある程度の方向性などが整理できたと思いますが、そこで働く人の問題。つまり、支援の充実だけでなく、支援者の支援、人材育成、人材確保といった部分について、さらに検討していかなければいけないと思っております。その上で、今後に向けてのお願いということで2つあります。
1つ目は、今回の報告書の最後にあります、障害部門を担当する障害保健部局と、社会的養護施策を担当する子ども家庭局と、ともに施策を進めるべきである。この1点に思いは集中しております。社会的養護を検討するときに必ず出てくるのが、障害児支援の視点を入れるべきだということを言ってきましたし、また障害児の検討をするときにも同じような権利擁護の問題や社会的養護の問題についてこれまで言ってきたのですけれども、なかなか一緒に検討することが具体的にはなかったと思います。今回、報告書の最後に書かれてあります、障害保健福祉部と子ども家庭局が連携していくという部分をよろしくお願いします。
その上で、2つ目は、こういった検討会をする。そして、報告書ができると、もちろんそこがゴールではなく、スタートになるわけですので、いつ、いつまでにそれをやるのか、それをどこ(誰が)が検討するのかというスケジュール感を持ったコントロールタワーを明確にして、この報告書を生かして、施策につなげていくように、ぜひお願いしたいと思っております。
本当にお世話になりました。ありがとうございました。

○米山構成員 心身障害児総合医療療育センターの小児科医の米山です。
今回、ここに参加させていただいたきっかけというのは、報告書でも資料になっている、平成28年、29年度の厚労科研の障害児入所支援の質の向上を検証するための研究に参加させていただいたので、それもあってだと思います。
私自身も重症心身障害の施設にかかわって、85年からですから、もう35年になります。最初に北浦さんから、米山先生はここねということを言われてから30年近く、いろいろな経過があったのですけれども、自分の経過からすると、在宅で重心の施設で人工呼吸器を始めたのは86年前後ということで、医療的ケアも1995年ですね。私の所属している神経学会でスタートして、医療的ケアということにかかわってきている。それと、個人的な勉強といいますか、履歴書みたいですけれども、1995年から児童相談所にかかわることもあって、途端に家庭に帰した途端に亡くなったという虐待死のケースを経験して、前年から児童福祉審議会で座長の柏女先生にお会いするようなことがあって、それで20年近くたった。
そういうことで、個人的には社会的養護とか障害児の虐待ということもいろいろやってきた中で、今回の28年、29年の調査の中で、社会的養護が必要なお子さんたちがふえてきたということ。そこは、医療型の入所施設でも、私どものセンターでも割合がとても高いということがありました。
そういったところを見ていったときに、子どもたちの生活の場を保障する、子どもの権利ということを検証していかないといけないなということを思っていて、今回の子どもの発達支援と自立支援の機能、それから社会的養護ということも含めた育ち、あるいはその子たちの権利を保障するということが随分盛り込まれたなと思っていて、今後、福祉型もそうですし、医療型のほうも、ますます家庭的な、多少希望も含めて、そういう入所しているお子さんたちが育っていける環境提供という部分と。
障害児の御家族と会っていると、そこにお任せするということはなかなか厳しいことも多いなと思っていて、私自身は、みんなで見ていけばというスタンスでいるのですけれども、そういった社会づくり。それが包括ということになるだろうと思います。ということを今後、目指していきたいなと思っていますし、先ほど隣の武蔵野学院長がおっしゃっていましたけれども、子どもの育ちという場合は、障害のあるなしにかかわらず、いろいろな施策が一緒になって育ち保障ができるように願っているところです。
ちょっと長くなりましたけれども、以上になります。ありがとうございました。

○小出構成員 育英会の小出でございます。参加させていただきまして、本当にありがとうございました。貴重な経験でございました。
回数が多かったものですから、私がこういう会に参加しているということを地元のほうでも知って、たまたま呼び出されることがありまして、相談支援の集まりで、全国に福祉型の児童入所施設、260あるという数値がありますけれども、47都道府県で割りますと本当に数カ所ということで、地域になかなかない。ただし、私ども、昔から児童入所施設と、もう一つ、短期入所、ショートステイの担い手ということで、非常に頼りにしておりました。ただ、ここに来て、人材と報酬という面でなかなか対応できないという問題がありまして、私どもの市内に2つ入所施設がありますけれども、そこが当分の間、短期入所をストップさせてくれということ。そこがなくなっているということがありました。
ですから、これは市町の事業ではありますけれども、入所施設に頼っているということがあります。これは、スキルの問題、幼児から児童を扱えるというのは、入所施設のニーズの特徴ではないかと思います。そういう役割を担っていたということがあります。
それから、もう一つ、育成会でもよく話題になりますけれども、施設における意思決定支援の問題が今回取り上げられていなかったところでございます。幼児・子どもであっても、大人であっても、障害のある人たちの意思決定支援というものを、人権の意味でも取り上げるべきではなかったかなと思っております。
今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

○濱崎構成員 全国盲ろう難聴児施設協議会から出ております濱崎久美子と申します。
まずは、この会議のメンバーに私どもの協議会を選んでいただきまして、大変ありがとうございました。いろいろ勉強させていただきました。その会の検討とか今の報告書を通しまして、これからの私どもの会の方向性が見えてきたと言うと大げさですけれども、地域に散らばっている会員施設がどんな形で今後考えていけばいいのかというのが少し見えてきたと思って、それを伝えていきたいと思っています。
私たちの会は、目と耳、視覚と聴覚に限った、いわゆる感覚障害に対応する施設といいますか、昔で言えば難聴幼児通園施設と、盲ろうの入所施設で一緒になっている連絡協議会です。会員数としては、通所施設が22、入所が13、31という小さい会ですけれども、ちょうどCDS Japanというのができたころに、私たちの会も解散するべきか、続けていくべきかということで随分協議を重ねたのですけれども、感覚障害として、小さくても継続していくべきだ。CDS Japanの様子もしばらく見ながらやっていこうじゃないかということで、今に至っているのですけれども。ここに来て、感覚障害として続けていこうという機運が見えてきているところです。
それで、聴覚と盲とろうについては、随分早くから幼児教育が義務教育化されていますので、さらにその下に義務教育に3歳から入ったときに、盲で言えば触覚の訓練で次の教育が始まりますし、ろうで言えば残存聴力ということで始まりますから、ろう学校や盲学校では、自分たちの持ち出しで、予算がつかなくても、配当された教員を使って乳幼児教育もそれぞれがやっているというのが現状ということもありまして、そういう子どもたちを対象としている入所施設も、発達支援センターと今なりましたけれども、従来の難聴児通園施設も地域とかかわっていくということが、今まで比較的できてこなかったのですね。
ところが、最近の教育では、盲だけとか、聴覚だけのお子さんについては、ほとんどのお子さんが通常の学校に行って学習するというケースがふえてきて、専門学校やろう学校、それから私どもの施設に関しても、重複障害のお子さんが多数を占めるようになってきました。そういうふうな勉強もしなければいけないということで、それぞれの施設が今後どんなふうにあればとなっているところです。
そういう意味で、今後、ほかの障害との交流の問題ですとか、どうやって私たちの施設が地域に出て行って、今まで持ってきた専門性がお役に立てて生かせるか。すなわち、それイコール、施設が今後も生きていけることにつながるわけですけれども、その辺のところが私どもの会議では具体的に協議していけると思いますので、本当によかったと思っています。
ありがとうございました。

○市川構成員 自閉症協会の市川でございます。お声がけいただき、どうもありがとうございます。
自閉症協会から来ているのですけれども、医療型障害児入所施設に自閉症施設のことはほとんど挙がらなかったなと思って。これは、私自身の経験ですけれども、知的障害児入所施設に入っている方の7割から8割近くは自閉症がかぶっている方でありまして、強度行動障害になりますと、さらにその比率が高くなると考えております。医療では、今、一つの分類の中に知的障害も自閉症も全部入れて神経発達症と呼んでいくという方向になってきていますので、そういうこともあって、私もあえて強く発言しなかったところであります。
それから、先ほど発言するか迷ったのですけれども、私自身が児童青年精神科医でありまして、日本では15歳で子どもと大人を分けます。ただ、福祉は18歳ですけれども、12から18歳はアメリカではアドレッセンスと呼んでいて、上がアダルトで、下がチャイルドです。そうすると、ここの問題は大きな問題がある。したがって、今回の報告書の中にもし欠けているとすれば、思春期とか青年期という障害者の課題かな。ただ、ここで発言しても余りに大きいテーマなので、別の機会にお願いするしかないかなと思いながら、先ほど聞いておりました。
この思春期あるいは青年期の障害児の問題というのは、そこからいろいろ大きい問題行動が出てきたり、あるいは家庭の中でいろいろな問題が起きたりする時期でありますので、例えば家族へのサポート、支援ということが随分出てきておりますけれども、私、最近は発達障害の方とおつき合いすることが多いのですけれども、サポートではとても無理でありまして、ペアレントトレーニングという言葉もあるぐらいで、もしかするとサポート以上のことをしなければいけない、しなければ無理であるということで、いろいろなところで愛着形成が大切と出てくるのですけれどもね。
実は発達障害の方は子どもさんも親御さんも愛着形成ができないわけで、愛着形成がないのは困ると言っても、それもまた無理な話です。そうして見ると、そのあたりのことを考えていかないと、なかなかうまくいかないことになるかなと思っております。
ぜひ今後、思春期なり、青年期の問題を1つテーマとして扱っていただければと思いますし、現在、エルム型入所施設がございますけれども、自閉症を初めとする発達障害は福祉だけではとても無理でありまして、医療のフォローが非常に必要であるにもかかわらず、きちんとした国の制度もない状況で、施設のスタッフもそうですし、あるいは保護者の方もどこへ行っていいかわからないということで、今、強度行動障害事業が始まったり、医療のほうもこれをやっていかなければいけないという雰囲気がやっと出てきているところなので、今回の入所施設、障害児の施設の話ともつながりますけれども、やっていかなければいけないところかなと思って話を聞かせていただきました。
どうもありがとうございました。

○北川構成員 日本知的障害者福祉協会発達支援部会の北川です。
この検討会が開催されて、たくさんの人がいろいろな努力をなさって、この報告書まで至ったことをとても感謝いたします。
私も、4ページ目の、障害があるということに加え、何らかの理由により、自宅で暮らすことのできないほど極めて困難な状況の家庭もあって、でも、どんな困難な状況にあっても、障害児入所施設というセーフティネットの役割が本人の最善の利益を保障するという、そこがここに書かれてあるということで、本当にうれしく思っています。
20年の見直しのときも私も傍聴したり、在り方のときも傍聴したりして、いろいろなすばらしいことがその報告書には書かれていました。そのことがなかなか具現化しなかった。心理的ケアのこともあったし、地域小規模のこともあったし、過齢児の問題も書かれていたと思うのですけれども、なかなか具現化しなかったというところで、一番大変な状況にある子どもたちのための検討会が国で開かれたということは、本当に画期的なことだったと思います。
私なども、米山先生じゃないですけれども、障害のある子と長く接していたり、療育したり、暮らしていたりしている中では、障害が重いということで、本人たちはなかなかコミュニケーションがとれなくても、意思の疏通が難しい子がたくさんいるわけですけれども、皆さんも知っているとおり、子どもやその方の中には必ず思いとか意思があるわけで、人として尊重されて、ふさわしい暮らしをどうつくっていくか。
その人の尊厳をしっかりと認めていくような暮らしとか支援とか制度とか、社会が優しい社会になっていくことも含めて、一番困難な子どもたちを肯定して、子どもたち自身が自分が生きていることを肯定して、安心して安全に生きていける最後のセーフティネットの場が障害児入所施設なので、ここを豊かにしていくということが、私たち大人としての大切な役割ではないかなと思いました。
いろいろな先生方のお話を聞いて、私もたくさん勉強しました。今回、素敵な報告書ができたわけですけれども、この中に書かれてあることが一つ一つ実行して具現化できるように、私たち協会としても協力していきたいと思いますし、ここで出会った構成員の先生方とも今後も一緒に手をつないで、このことを忘れないように、厚労省の方々とも一緒に、子どもにとって、いい仕組みとか制度とか、幸せになれるようなことの具現化ができていったらいいと思います。
ありがとうございました。

○森岡構成員 三重県庁、森岡でございます。この1年、ありがとうございました。
私からは行政の立場から発言ということになりましたけれども、障害児入所施設は外からはなかなか見えづらい存在でございます。そういった見えづらい存在でありながら、実は重要な役割を果たしているというところにスポット、光を当てていただいたことに感謝したいと思います。
それから、今回、いろいろな施設の機能強化ということで盛り込んでいただきましたけれども、一方で障害児入所施設は、人手不足、現場の支援の困難性というのを日々抱えてしておりますので、報酬面での検討とか体制固めというところをぜひ御検討いただきたいと思っております。
それから、障害児福祉の部門と社会的養護部門との連携ですが、県でも一緒でございまして、私どもの組織は2年前から子ども・福祉部という組織になりました。以前は、社会的養護部門を部内の内局という形で持っておりましたけれども、子ども・福祉部という形で1本になったということでございまして、その面での取り組みやすさを非常に感じております。こういった形が他の都道府県でも広がればいいのかなと思っておりますし、私自身、社会的養護部門とより連携して、しっかり勉強もして取り組んでいかなければならないということを、今回、考えさせられました。
非常に勉強になりました。ありがとうございました。

○鈴木構成員 立川児童相談所の鈴木です。
十分に出席できなくて、大変申しわけありませんでした。一番最初の会のときに出席できませんでしたので、本当は最初に言うべき話を一番最後に言わせていただくといったところかなと思いますが、今回、社会的養護の役割を担うというところが大きく取り上げられた報告書で、日々を担っている児童相談所としては大変ありがたいなと思っております。
児童相談所、18歳未満の子どものことであれば、どんな子どももということで、当然、普通の子どもも、ある意味で社会的養護の子どもも、今、施設が少なくて行き場所がなかなか難しいのですが、何らかの障害を抱えているお子さんというと、途端に行けるところ少なくなって、現在でも4人ぐらいのお子さんをどうすべきか。それを児童相談所にぽんと投げられて、児相が全部これに対応するといったところでやっているのですが、情報も十分ありませんので、今回こういったところで医療機関の情報とか福祉型施設の情報とか、各地連携できて、十分情報がいただける形になるといいなということと。一時保護委託等も十分に受けていただけるような柔軟な在り方が実現していただけるといいなと、本当にそこは切に願っております。
本当にボーダーなというか、お子さんが非常に多くなっているところで、それが医療か福祉か、なかなか対応が難しいお子さんがいらっしゃる。でも、どちらでも必要なときは十分に利用できる、一時保護委託等もお願いできるといった状況にぜひなっていただきたいと思っております。
あと、すごく現実的なところですが、社会的養護、特に保護者の行方がわからないお子さんの場合、援護の実施機関を決めるのが現実的に非常に難しい。どこの機関がこの子をその後受けていってくれるかというのが、攻防戦のように、せめぎ合いのようになっているところがありまして、そこも各機関、自治体が全国的に十分に連携しながら、子どもたちにとって不利益が生じない形になっていくといいなと、本当に願っております。
あと、この場でも出ましたが、教育の問題。福祉の報告書なので、なかなか難しいところかなと思いますが、施設が決まっても、今度は学校の側が受け入れられないということで入所ができないといったことになることもありまして、私も福祉の現場にいて、教育のところは本当に難しいなと思いますが、ぜひ教育の部門との連携が一層進められるようになるといいなというのと、子どもたちが教育を受けられる環境が、ここに書いてあるように整備できるといいなということを非常に思っております。
もう一点、こちらの報告書にも書かれている今後の課題といったところで、措置と契約の問題は継続して取り組んでフォローしていくようにと書かれていますが、現実のところ、児童相談所としても切に思っているところです。
あと、最終的に児童相談所も虐待対応に追われておりまして、児童相談所の職員が障害のことに関して、なかなか十分に理解できていないような状況になっているところです。児童相談所としても、障害児の対応について、もっと専門性を高めて、そこはやっていかなければいけないところかなと思っております。
今回、この報告書、ずっとお話にも出ているように、これが実現に一歩でも二歩でも近づいていけるように、ぜひ努力していきたいと思っております。ありがとうございました。

○田村副座長 立命館大学の田村です。
今回、副座長を務めさせていただいて、副座長として十分に役割を果たしたかどうかというのは疑問なところがありますけれども、柏女先生についていかせていただきましたので、何とか終わりまで続くことができました。皆さん、ありがとうございました。
僕がこの1年間、思ってきたのは、「障害児入所施設の機能強化をめざして」という形で、今回名前をつけられた報告書になっているわけですけれども、障害児の入所施設の検討をしながら、障害児の支援の在り方はどうなのかということが、いろいろなところの意見で出てきていたように思います。だから、入所施設の在り方を考えているのだけれども、個々の一人一人の障害のある子どもさんに対する支援の必要なことというのは、こういうことなのではないか。それが一つの入所施設ということだと、幾つか強化されて固まっているというところもあるのではないかという形で議論されてきたのかなと思っています。
なおかつ、その議論の中身、経過の中では、障害の重い子どもさんであったり、虐待を受けている子どもさん、障害児であっても、保護されるだけの存在ではなくて、そこに一人の人格を持った権利の主体とか発達の主体として捉えて、その個別性とか独自性とか多様性みたいなことをきちんと尊厳を持って受けとめて、何を保障するのかという議論になっていたように思いますし、報告書もそういう報告書ができたように思っていて、とても画期的だなと思います。
そういう意味では、障害児入所施設の機能強化という話と、一方で、個の地域の中で生活している障害児に対する支援と、シームレスにどうつなげていくか、あるいはどうそこの多様性を組み立てていくのかということの話でもあったのかなと思うと、今度は相談支援の在り方、今、セーフティ・アンド・セルフプランが多い障害児の部分の支援計画みたいなことと、どう考えるのかということにつながっていくのかな。そのときに、意思決定だったり、家族の存在だったりというところも含めて、共同決定をどうつくっていくのかという話ともつながる話で、そのあたりは課題の一つでもあるのかなと思っていました。
また、話の中で、いわゆるアセスメントして、モニタリングして、関係者会議して、またアセスメントしてという流れが、入所施設に入ったらずっといられるということではなくて、ちゃんと一人一人の育ちを定期的に定点観測していくというか、そういうふうなことを原則的にやっていこうよという話も出ていたことは、僕としてはとてもうれしい、よかったなと思います。
そういう形で障害児の入所施設の在り方あるいは支援の在り方みたいなことについて、とてもすばらしいものができ上がっただけに、今度は過齢児問題の話もあって、きちんと節目をつくったわけですから、その障害児の支援のところで議論されてきた中身みたいなことを、先ほども出されていた思春期・青年期の支援のところにバトンタッチができるのか。
バトンタッチするのはいいけれども、押し出しているだけじゃないのかということにならないような、青年期の生活の支援の在り方の検討につなげていただきたいと思っていますし、在り方の検討のときに機能があればいいということではなくて、守るべき、あるいは保障するべき生活の質は何かという議論がもう少しされる必要があったのではないかということを、児童のところも思うので、青年期のところでは生活の質、生活の豊かさみたいなところも含めて議論する必要があるのかなと思いますので、そういうバトンタッチをする必要が、今後課題としてはあるのかなと思います。
あと、先ほども出されていましたが、いろいろな障害児の入所施設の機能強化の話も出されている中で、僕自身は、85年に重症心身障害児施設の職員として就職してということで、重症心身障害の方とのおつき合いは長いわけですけれども、現場の職員としては、機能がふえていくのだけれども、その機能に応え切れない現場の厳しさみたいなことも一方であって、つまり、生活の質を支えたり、守りたいのだけれども、そこに手が届かない現実の状況みたいなことも、かなり厳しい状況が起こってきている。なおかつ、それは生活を削るということに向かわざるを得ないことも時として起こっているということを考えたときに、何か職員の体制と育成みたいなことも、今度はもう少し議論する必要があるのかなということも考えさせられました。
そういうことも含めて、僕としては、この「障害時入所施設の在り方に関する検討会」は、とても有意義で学ぶことが多くて、これから向き合っていくような障害のある子どもさんや家族の方に対して、どういう向き合い方をするのかという意味では、とても視野が広がった会議だったかなと思って、僕自身も本当に勉強させていただきました。
ありがとうございました。

○柏女座長 自分の時間がとれるかどうかと思っておりましたが、皆様方の御協力をいただきまして、私も3分ほどお話しをさせていただければと思います。
障害児支援関係の検討会が10年前に持たれて、今回が3回目になります。それを、今回は障害児入所施設に限定して、その方向性を探ろうという形で企画してくれた厚労省には、本当に感謝したいと思います。最後に残された課題だと思って、検討が十分行われていない分野だと思っていたので、それを取り上げていただいたことに感謝申し上げたいと思いますし、また家庭福祉課の方が1回も欠かさず参加してくれていて、相互に報告していただいたのだろうと思います。こういうことがあると、今後の協力関係が非常にとりやすいと思って、体制にも感謝申し上げたいと思います。
今、お話を伺っていると、見落としたところ、もうちょっと深めなければいけなかったところ、幾つもあって、座長として申しわけなかったなという思いがあります。ヒアリングのときにも、たくさんの団体からたくさんの御意見を頂戴して、医療型と福祉型、もう境がなくなってきているのだから、そこの統合も考えるべきじゃないかという長期にわたる貴重な御意見もあったのですが、そういうものも取り上げられずにきてしまったことも本当に力不足だったなと思っています。ただ、皆様方がそれぞれの団体を背負いながらも、小異を捨てて大同についてくださったおかげで、この報告書ができたことを、皆様方の御協力に感謝申し上げたいなと思います。
障害児入所施設の在り方がここまで注目されないままに来てしまったというのは、1つ、人々から離れているということからもたらされることが多いのではないかと思います。地域の中で障害を持った子どもたちの支援チームができていって、入所が必要になってしまうと、そこから遠く離れたところに入所せざるを得ない。そして、支援チームをまたつくり直さなければいけないという状態をどう考えていったらいいのか。その子どもの分野の供給体制を研究する者としては、私の中では一番大きなテーマでした。
私事になって恐縮ですけれども、私の妻は若年性の認知症で、今10年目で要介護5の状態にあります。我が家の近くのグループホームに入居して2年になろうとしているのですが、15名定員のところですけれども、そこにはきょうは医師が往診してくださいましたので、私も午前中、そちらに行っていたのですけれども、往診もそうですし、訪問看護もそうですし、口腔ケアも、グループホームに専門家が全部来てくれています。そしてケアを介護者と一緒にチームを組みながら進めてきています。
地域の中に根を張っていますし、我が家から近いので、妻が子育てを一緒にした戦友の地域の人たちも時々見舞いに来てくれたりしますし、まさに地域の中で暮らしているという感じになります。もちろん完璧なものではなくて、いろいろ課題もありますけれども、障害を持った子どもたちの入所施設がどうしてそういう形にならないのだろうか。障害を持って入所したとしても、転校しなくてもいい、今までの友達ともおつき合いができる仕組みにどうしてできないのだろうかということを考えながら、ずっとこの検討会に参加させていただいておりました。
これから考えていかなければいけないことは、障害を持った子どもたちが入所した施設のことを、もっと地域の中に分散していくということがとても大事だろうと思っています。そうすると、障害を持った子どもたちが施設に入所しても、親も頻繁に通えるようになる。私も近くにあるので、週3回、4回は通うことができます。そうした仕組みをつくって、包括的なケアを進めていく体制づくりを今後していかなければいけないのかなと思っています。きょうの関係者の方々、その分野で御活躍されていらっしゃる方々ですので、障害児入所施設のことをPRしていくということをぜひお願いしたいと思います。多くの方に知っていただくということが施策を進めていくことにつながっていくだろうと思います。
虐待問題が非常に大きな話題になっています。その子どもたちが入所したり、あるいは生活する社会的養護の分野の政策が飛躍的に進んでいます。今、国会で審議されている社会的養護の分野でも、職員の配置基準が小規模グループケアの場合は最大1対1まで、子ども1人に職員1人という体制までできる案が出されておりますし、里親に委託された子どもたちの委託費も、第2子以降、2倍にするといったことも実現しそうになっています。障害児入所施設が社会の中で認知されていくことを強く願いたいと思っております。
たくさんの御意見を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。
最後に、事務局のほうから今後のスケジュールについて御説明をお願いしたいと思います。また、ずっと参加してくださいました橋本部長さんもいらっしゃいますので、最後に御挨拶をいただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

○本後障害児・発達障害者支援室長 ありがとうございました。
今、先生方からいただきました御意見、さまざまな点を心にとめながら、これから施策として具体的に検討していきたいと思っております。
報告書の取りまとめにつきましては、先ほど御了承いただきましたとおり、座長、副座長一任とさせていただきたいと思います。取りまとめの後に「案」をとりまして公表ということになりますけれども、構成員の皆様には事務局から配信させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、最後に橋本障害保健福祉部長からお礼の御挨拶をさせていただきたいと思います。

○橋本障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の橋本でございます。
柏女座長、田村副座長を初め、構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中を昨年2月以来、約1年間にわたりまして、障害児入所施設の在り方について、大変活発で、また大変真摯な御議論をいただきました。感謝申し上げたいと思っております。
この検討会におきましては、福祉型WG、医療型WGという2つのWGを設けて、非常に丁寧に、きめ細かく御議論いただいて、現在、施設の現場とか制度が抱えている問題点をきちんと整理いただき、すぐに見直しを行うべきものから、少し長いレンジで見なければならない今後の支援の方向性まで、大変幅広く御提言いただいたと思っております。
今後、まずはこの報告書の中身を今、見直しを進めています第二期障害児福祉計画の基本指針に反映するということをしなければならないと思っておりますし、また令和3年4月には次期報酬改定がございます。そういったところにできるだけ反映させていくような検討を本格化させていかなければならないと思いますし、さらに運営指針の策定ですとか、その他もろもろの制度見直しや検討をしていかなければならないと思っています。
構成員の皆様方におかれましては、先ほど来、お一人お一人の御発言をいただいたわけでございますが、これからもそれぞれのお立場から、この検討会の報告書を受けて、しっかりと施策が前に進んでいるかどうかということを見ていただきまして、引き続き、御指導、御鞭撻をいただければと思っております。
私ども障害部といたしまして、障害児の入所施設を初めとした障害児あるいは障害者の支援の質の向上といったことに向けて、たゆまぬ努力を続けていかなければならないわけでございますが、その際には、先ほど来何度も御指摘いただきましたように、私ども障害部だけではなく、子ども家庭局を初めとした関係部局ともしっかりと手を携えて努力していきたいと考えております。ぜひとも今後とも御支援をよろしくお願いいたしまして、私からのお礼の挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。

○本後障害児・発達障害者支援室長 それでは、これにて「障害児入所施設の在り方に関する検討会」、閉会とさせていただきます。
皆様、本当にどうもありがとうございました。

<了>