第6回安全衛生関係指定制度運営評価会議 議事録

労働基準局 安全衛生部 計画課

日時

令和元年12月19日(木) 16:00~18:00

場所

中央合同庁舎5号館16階 労働基準局第1会議室

出席者

参集者:五十音順、敬称略
今村肇(座長)、岩崎浩平、漆原肇、白幡光治郎、髙田礼子、最川隆由、和田義博

事務局:
村山誠 (安全衛生部長)
和田訓 (調査官)
小林弦太(中央産業安全専門官)

議題

(1)指定法人((公財)安全衛生技術試験協会)の第3期中期計画に基づく取組の実施状況について
(2)指定法人((公財)安全衛生技術試験協会)の第4期中期計画(案)について
(3)指定事務の手数料の見直しについて

議事

 

○事務局 それでは定刻になりましたので、ただいまから第6回安全衛生関係指定制度運営評価会議を開催いたします。本日は、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。事務局の安全衛生部計画課の小林と申します。よろしくお願いいたします。本日はマイクを置いていますが、集音のためのマイクでして、スピーカー機能はございませんので、御了承いただければと思います。また、4、5m離れた所でも集音いたしますので、特にマイクを動かしていただく必要はございません。念のため申し上げておきます。本日は、漆原委員が30分程度遅れて御出席予定です。
議事に入る前に、本日御出席の皆様を御紹介させていただきます。まず、委員の皆様を時計回りに御紹介いたします。日本商工会議所事業部長の岩崎委員です。続いて、遅れて御出席予定の日本労働組合総連合会総合労働局雇用対策局長の漆原委員です。キヤノン株式会社人事本部安全衛生部主席の白幡委員です。東洋大学国際学部教授の今村委員です。聖マリアンナ医科大学予防医学教室教授の髙田委員です。西松建設株式会社安全環境品質本部安全部長の最川委員です。公認会計士の和田委員です。
続いて、指定法人の安全衛生技術試験協会の方々を、お名前のみ御紹介いたします。時計回りに能登総務部長、古田試験管理部長、藤田理事長、野澤常務理事、以上です。引き続き行政側です。こちらから村山安全衛生部長、和田調査官、以上です。よろしくお願いいたします。
議事に入る前に、村山安全衛生部長から御挨拶申し上げます。
○安全衛生部長 安全衛生部長の村山です。本日は皆様、年末の大変お忙しい時期にお集まりいただきまして、本当にどうもありがとうございます。日頃より皆様方には厚生労働行政全般、また労働安全衛生行政の関係に関して、大変御指導、御鞭韃をいただいており、どうもありがとうございます。この場をお借りして、厚く御礼を申し上げる次第です。
御案内のとおり、本日の評価会議ですが、指定法人の業務の実施状況とか、免許試験の指定事務の手数料は適正であるかといった点について、お集まりの有識者の皆様に幅広く御確認、御議論いただいているということです。今回が6回目ということです。指定法人の公益財団法人安全衛生技術試験協会に行っていただいております指定事務は、例えばクレーンの運転とか、そういった現場で業務を行う上で法律上、不可欠な免許を取得するための試験、あるいは労働安全・労働衛生コンサルタントとか、作業環境測定士、そういった資格を取得するための試験等の事務ということです。法律上、位置付けられている大変重要な事務でして、このため、事務のコストを適正に反映した手数料になっているかどうか。また、現在のコスト自体が適正なものかどうかという点も1つの重要な検証のポイントであると考えておりますし、同時に、先ほど申し上げたような性格の事務ですので、事務の質を確保した上で安定的、継続的に国民の皆さんへ提供できるサービス体制というものが確保できているかという点も重要なのだろうと思っております。
本日は、こうした適正性の観点とか、安定性、継続性の観点など、そういった様々なことを御勘案いただきながら、お集まりの学識経験者の皆様、また企業の現場で安全衛生の関係をお取り組みいただいている皆様、そして労使の団体で御指導いただいている皆様方、それぞれの皆様方からの御専門、御知見を踏まえて、指定事務の運営の改善について忌憚のない御意見を頂ければと思っているところです。簡単ではありますが、本日の開会に当たり、冒頭の御挨拶に代えさせていただきます。どうぞ、本日はよろしくお願い申し上げます。
○事務局 続いて、議題に移ります。本会議の座長については、第1回の会議から座長をお務めいただいております今村委員にお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは今村委員、座長をお願いいたします。
○今村座長 第1回会議からということですが、間隔があります。大分時間がたっておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。できるだけ円滑かつ効果的に議事を進めさせていただきます。どうぞ御協力よろしくお願いいたします。本日の議事ですが、3つあります。①指定法人における第3期中期計画に基づく取組の実施状況、②令和2年度からスタートする第4期中期計画案の内容、③指定事務の手数料の見直しについて御審議いただくこととしております。それでは、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○事務局 資料を確認いたします。1つ目が議事次第、裏面に資料一覧を付けております。資料は番号ごとにホッチキスでとじており、右上にそれぞれ資料番号を振っています。横置きのものは横置きの右上に振ってありまして、最初から資料1、資料2、資料3とその裏に資料3の別紙、資料4、資料5、資料5の別紙、それから参考資料をそれぞれ1から8までお付けしております。落丁・抜けがございましたら、その時点で御指摘いただければと思います。以上です。
○今村座長 資料は大丈夫でしょうか。それでは、議事の第1番目に当たる指定法人における第3期中期計画に基づく取組の実施状況について、公益財団法人安全衛生技術試験協会から説明をお願いいたします。
○試験協会 先生方には、大変お忙しい中御参集いただき、当協会の過去3年間の運営、それから今後の中期計画に対して御意見を伺うという会議でして、本当に深く感謝申し上げます。私、理事長の藤田です。ちょうど3年前の評価会議の半年前に、公募で民間より常務に採用していただきました。前回のこの会議で説明させていただきました。そういう意味では、第3期中期計画は私が説明し、本計画に基づき実施してまいりましたので、よろしくお願いいたします。
具体的な説明に入る前に、先ほど村山部長からも御説明がありましたが、もう少し当協会の全体について、資料で説明させていただきたいと思います。資料は、参考資料1です。当協会は、国から指定機関として指定を受けて、安全衛生法に基づく各種免許試験及び労働安全・労働衛生コンサルタント試験並びに作業環境測定法に基づく作業環境測定士の試験を実施しております。指定事務の1番として免許試験について説明します。免許試験は18区分に分かれており、第1の範ちゅうは、法令で就業が制限されている危険かつ有害な業務のうち、特に危険性の高い業務、例えばボイラーとかクレーン、そういったものの操作等に就く作業者に対する免許試験です。免許試験の第2の範ちゅうとしては、複数の作業者が混在して、特に危険、有害性の高い作業を行う際、例えば林業架線の作業とか、高圧室内での作業等を直接指揮する作業主任者の免許試験というのがあります。
さらに、免許試験の第3の範ちゅうとしては、法令で労働者50人以上の事業所に選任義務がある衛生管理者、これも免許試験制度です。平成30年度は、約19万6,000人の免許試験の申請がありました。次に指定事務の2番目は労働安全・労働衛生コンサルタント試験で、これは企業からの要請に応じて、安全衛生の診断や指導を行う高度な専門知識、技術を身に付けたコンサルタントになるための資格を付与する試験です。指定事務の3番目の作業環境測定士試験は、有害な業務を取り扱う作業所においては、作業環境の測定が法律で義務付けられており、その中で、特に一定の作業所においては、高度な専門知識、技術が必要な作業環境測定士が測定をしなければならないとされており、その関係の資格を付与するための試験です。
次に、指定事務の4番目として登録がありますが、労働安全・労働衛生コンサルタント、作業環境測定士はそれぞれ試験に合格することだけでは業務を行うことはできず、所定の登録をすることが必要であり、この登録の関係の事務も国の指定機関として、当協会が事務を行っております。次に当協会の7つのセンターについて説明します。北海道から九州まで7つのセンターがありまして、それぞれ築年数が書いてあるのですが、一番古いセンターですと41年、一番新しくても32年経過しております。こういう当協会の全体の業務概要を念頭に置きながら、これからの説明を聞いていただければと思います。具体的な内容については、野澤常務から説明いたします。
○試験協会 常務の野澤と申します。それでは、着座にて説明させていただきます。資料2を御覧ください。左2つの欄に第3期中期計画、今年までの3か年の計画の項目あるいは内容、概要ですが書いてあります。それに対して、一番右の欄が3か年の実施状況ということですので、項目の順番に従って説明させていただきます。まず1ページの1、試験業務の的確な実施です。今、理事長からも話がありましたように、3種類の試験があります。まず免許試験については、回数もたくさん行っております。今から御説明いたしますが、そういったこともあり、実施計画を策定して計画に基づいて実施しております。一部の試験については、受験者が多ければ追加の試験を実施しておりますし、休日試験等も実施することとしております。
右にあります実施状況ですが、今言ったような内容で実施しているわけですけれども、2行目にありますように、第一種・第二種衛生管理者免許試験については今、受験申請者が非常に多くおり、追加の試験を実施しているという状況です。3か年の学科試験の実施回数は、平成29年度が842回、平成30年度が863回、令和元年度計画ですが、828回ということで、左の計画に比べてそれを上回る実績を上げております。令和元年度も、現在のところ計画よりは多いという状況で実施しております。受験申請者数ですが、計画では17万から18万ぐらいの人数で考えていたところ、19万台でした。令和元年度も見込みでは18万7,000としておりますが、今のところ昨年を少し上回る実績です。
続いて、②労働安全・労働衛生コンサルタント試験です。ページがまたいで恐縮なのですが、筆記試験の計画の数が1,366から1,750、口述試験が680から730ということで出ております。右側ですが、それに対して筆記試験は1,784から、令和元年度は1,944。これは、実は実施し終わっておりますので確定の数字ですが、やはり計画を上回っています。口述は725から732ということで、これも僅かではありますが、計画を上回っています。なおかつ、特に筆記では顕著ですが、逐年増加をしているということで、非常に関心を高く持っていただいているのかなと受け止めております。
続いて、2ページの作業環境測定士試験です。作業環境測定士試験については、その下の表にありますように、第一種と第二種という試験があり、実際に測定の細かい所までできる方と、デザインとかサンプリングなど、いわゆる分析をする前の段階までできる第二種の方の試験が二通りあります。こういった計画に対して、右側の第一種で1,175から若干減っていますが1,122、第二種が1,551から1,540ということで、これはほぼ計画どおり、3か年を見ても横ばいかなという状況で受け止めております。
イとして、学生等に対する試験の実施というのがあります。高等学校の学生、工業高校が多いわけですが、あるいは矯正施設での免許取得ということに対して、高校生であったりそういった施設ですので、当方から出向いて試験をやるという状況になっており、要請があれば積極的に対応しています。右に書いてあるのがその回数です。令和元年度は計画ということですが、要請があれば全てに対して対応して、これぐらいの件数を実施しているということです。
ウとして、試験実施に伴う過誤事案の発生防止ということを書いています。試験業務ですので、公正でミスがあってはいけないということが当然求められるわけで、例えば左側の欄、申請書は厳正に審査しなければなりませんし、当日は試験監督を厳正に実施しなければなりません。そういったことをしっかりやって、期間中、過誤をゼロ件にすることを目標にしておりました。もちろん、そのような形で努力したわけですが、残念ながら右側に書いてありますように、例えば結果通知書の内容を誤って送付してしまったり、試験問題の差換え、これは問題に間違いがあったのを差し換えるのですが、それをまた間違えてしまったと、そういったこともあったりしたわけで、ゼロ件は達成できませんでした。平成29年度は3件、平成30年度は4件、令和元年度は上半期で2件ということです。当然、その下にありますように、発生した案件の全てについて原因を究明して、再発防止対策をしっかりと立てて指示し、会議とか研修、そういった場でそれを徹底することを実施しています。
続いて、3ページの(2)良質な試験問題の確保の中で、アとして、不適切な試験問題の発生防止というのがあります。少し欄がずれているかもしれません。一番上と2段落目がそこにあるものですが、問題作成担当者間の相互チェックとか、後ほど申し上げますけれども、各種の試験委員会を適切に運営する、あるいは問題の審査体制をしっかりと確保することで、ゼロ件ということを目標にしてまいりました。これについても残念な結果ですが、もちろんそういった取組は行ったわけですけれども、誤字や単位の表記の誤り、そういったことで免許試験で平成29年度は3件、平成30年度は2件、令和元年度は上半期で1件、測定士試験で平成30年度に2件のミスが発生しております。これについても原因究明、しっかり点検をする等の再発防止対策を職員に指示して、会議、研修等で徹底ということで取り組んでおります。これらの過誤ということについては、今言ったような取組を地道に積み重ねて、リスクを下げることに取り組んでいかなければならないかなと思っています。
イとして、試験問題の質の確保というのがあります。これはミスとかそういう問題ではなく、より良い問題を作ろうという取組です。当然、各分野のいろいろな技術水準は変化しますし、法令もいろいろ変わってまいります。そういったことについて、問題作成担当者間での十分な検討とか、必要に応じて外部の専門家の意見も聞くという取組を実施しております。右側にありますが、具体的な仕組みとして、試験問題検討会を実施しております。平成30年10月には実施要綱を改正して、少し整理をした上で実施しています。この辺の取組は、後ほど出る試験問題作成そのものの専門家への依頼というか、委員会での検討と違い、作った問題の事後確認をしたり、あるいは事前に研究してみたりという質の向上に向けての職員、あるいは一部外部の先生にも入っていただいて研究、検討するという取組です。
①以降、衛生管理者とか潜水士、③エックス線作業主任者等、ガンマ線透過写真撮影主任者もあります。④として、安全関係の免許試験ということで、具体的にはボイラー技士とかクレーン・デリックの運転士、移動式クレーン運転士といったところの委員会の部会運営を、今書いてあるような回数で実施しております。
4ページの(2)に、出題用試験問題作成のための専門委員会等とあります。これは3種類あるわけですが、①として労働安全・労働衛生コンサルタントです。これについては、コンサルタントの分野というか、それが機械以下、安全で5つ、保健衛生及び労働衛生工学ということで、労働衛生で2つ、全部で7つの区分があります。そういったことで、その筆記試験の問題作成について取り組んでおりますが、余りたくさんの回数をやりますと、もちろん試験問題そのものは良くなるわけですが、経費の問題もあるといったことで、36回の範囲の中でしっかりやろうという計画でした。これに対して、右側にありますように、平成29年度から31、32、35ということで、一応、計画の回数以下で検討を終了することができています。
②として、作業環境測定士試験委員会があります。これについては、労働衛生一般、以下全部で9つの科目があるということで、測定士の方は分野ごとに幾つか受けなければいけないと、もちろん全部受ける方もいるのですが、そういった制度になっております。科目が多いということもあり、これも専門家の試験委員会を34回開いて問題を作るという計画にしており、右側にあるように3か年、令和元年も34回ということで回数ぎりぎりではありますけれども、全てその回数に収めて問題を作ることができたという状況です。
続いて③として、特級ボイラー試験問題検討委員会というのがあります。これについても構造とか、以下法令まで4科目あるわけですが、それについての試験問題作成のための委員会を6回やるということにしており、右側にあるように5回ないし6回の開催で、計画の回数以内で問題を作っています。
その下に(3)として、安定的かつ効率的な試験の実施に向けた諸条件の整備というのがあります。今から御説明いたしますが、要するに施設をどう整備というか、良い状態に維持するかという取組です。理事長からもありましたように、30年以上経過したセンターばかりですので、大規模修繕工事をして、予算的な配慮も確実に行いつつ工事をし、施設等を維持するということです。実はこの3か年の中で、2つのセンターが実施しております。右側にありますように、平成29年度は近畿、次ページですが、平成30年度は九州ということで、それぞれ1.6億、1.7億の経費を掛けています。これについては、あと5センターありますので、計画的に積立てを行っておりますが、平成30年度末現在の積立金は、5センター分で3憶4,000万という状況になっています。
それからセンターは、行く行くは建替えも必要だろうということで、それについて検討することになっていました。5ページにありますが、建設コンサルタントへのヒアリングということで、建替費用がどれぐらい掛かるか。あるいは、費用を抑制するためにリース方式という方法があるということについて、検討を行っております。
ちょっと紙にないことを追加的に説明したいのですが、今年度というか、最近は大雨、台風、地震も含めて自然災害がいろいろあります。そういった中で、我々センターでいろいろ頑張っているというか、受験者に配慮していることを御説明したいと思います。まず1つは、大雨等で交通機関が不通のときには、もちろん受験者が連絡してくる場合には、その方に試験日を振り替えるかとか、一旦は受験料をお返しするかとか、そういうことを言うわけですが、これが大規模に起こりますとそういった連絡もなかったりしますので、その場合には当方から欠席した受験者皆さんに聞く、そのような取組も実施しております。自然災害が多くなりますとそれが度重なりますので、大変な面はあります。
2つ目は特級ボイラー試験について、昨年、関東センターで台風で計画運休日になった翌日に試験があり、そのときは、やはり非常に大規模な交通機関の乱れがありました。それで遅刻する方もいたということです。実は、特級ボイラーは年に1回しか試験を実施いたしませんので、受験機会も少ないということで、今年度は、関東センターは市原にあるのですが、不便ということもありますので、東京23区内で実施したということもあります。
3つ目は、実は今年9月の台風15号で、御存じのとおり房総半島を台風が通っていったわけですが、関東センターの屋上にあったエアコンの室外機が落下して、エアコンが使えない状態になりました。なおかつ停電もしましたので、水道水をポンプアップしてトイレとかそういうところに流すのですが、それも使えないという状況で、当然、交通機関も不通で非常に混乱しました。そのような中でも受験に来る方はいますので、暑くてもいいかという形であらかじめ御了解いただきながら試験を実施したということで、先ほど言ったように来られなかった人には連絡を取るということもありましたし、非常に厳しい環境で大量の業務をやるというような事態がありました。本部からも応援を出して対処したという次第です。ちょっと長くなりまして、すみません。
続いて5ページに戻ります。効率的な業務運営ですが、これについては支出をできるだけ節減する、そして最後にありますが、本計画は最終年度において、平成27年度実績の水準を維持するということを目指しておりました。それについては、実は前提として、受験申請者数が平成27年度に比べて平成30年度は10.8%増加したということで、事務経費の増加等もありました。しかしながら、一般競争入札の実施や、消耗品等は廉価なものを何とか調達するということで、日々経費節減に努めたところです。その結果、中段からちょっと下ぐらいにありますが、受験申請者の増加による事務経費の増加、あと、もともと除外するとされているセンター購入に伴う諸経費あるいは消費税の増税、そういったことを除外して、平成27年度に比べて平成30年度は0.3%増加ということで、一応水準ぐらいには収めたかなということです。令和元年度についても、今後のことでありますが、ほぼ達成できると見込んでいます。
6ページにありますように、人件費については今から御説明いたしますが、職員数の増加ということもあり、対比、比較するにはそれを含めない形で実施しております。(1)として、組織・運営体制の維持ですが、必要最小限の人員でということで、役員2名、職員93名です。①として、実は障害者の雇用の促進等に関する法律改正で、障害者の雇用率が上がった関係で、1人増をしております。②として、育休が2名が出ましたので、代替者を2名採用しています。③としては、新たな業務としてa、bに書いてあるような情報関係の業務、あるいはcにあるような大規模修繕、そういったことについての総務畑の管理職を1人、④に試験問題作成について、システムを開発し運用するものとして、試験業務畑の管理職1名を増加し、全部で5人の増加という状況になっております。そのうち、令和2年度については、2名を解消したいと考えております。
業務の効率化については、規定の要領を見直したり、システムを改修したりして効率化をしております。コンサルタント試験と作業環境測定士試験の効率的な実施ですが、経費とか試験員を削減するということですけれども、残念ながらそこのところが右にありますように、できていないという状況です。金額はそれほど大きくないのですが、ここを精査して抑制を図っていきたいと思っております。
(4)契約・調達の効率化については、一般競争入札はやるべきものはやったということです。
続いて8ページの受験者に対するサービスですが、広報とかがあります。その下の(2)配慮の必要な受験者ということで、障害者の方あるいは妊婦さんのような2階に上がるのに不便とか、そういった方に対して一階の特別室での試験を実施しております。
続いて9ページに、情報システムセキュリティのことについて書いてあります。システムがサイバー攻撃されているかを常時監視する、あるいはチェックリストによる自主点検とか、本部による実地監査もしております。それから、情報セキュリティ教育も実施すると、そういったことを含めて、情報漏えいの事案は未発生ということです。登録についても適正に実施し、登録の過誤事案は未発生です。さらに、国との密接な連携については、法令改正等に係る情報を厚労省から頂き、しっかりと対応いたしております。
最後に、10ページです。職員研修等の充実ということで、新規採用あるいは中堅の研修、そういったことを実施しております。最後にありますが、パワハラとかセクハラとか、そういったことの研修についても昨年度は実施したという状況でした。少し長くなりました。申し訳ありませんでした。よろしくお願いいたします。
○今村座長 どうもありがとうございました。ただ今の説明を踏まえまして、どうぞ御意見、御質問をお願い申し上げます。
○白幡委員 説明ありがとうございました。1ページ目の追加の試験を実施した件と、休日試験を実施ということについて、試験の種別や回数など、そういったところについて、もう少しご説明頂ければと思います。
○試験協会 主に追加しているのは受験者の多い衛生管理者の試験で、大体今年度は、もう既に追加したものとこれから予定しているもので10回ぐらい追加しています。休日試験は今年度は4回、去年6回やりました。
○白幡委員 センターは全国に7か所ありますよね。
○試験協会 全部ではないです。
○白幡委員 全部では行わなかったとすると、どこかの地域、例えば関東だけで実施したということですか。
○試験協会 そうですね。2、3か所ということです。そのほかに土・日はセンターから出向いていって、出張してやる試験もございますので、それらを大体各都道府県で年間1回ずつぐらいはやっております。それはほとんど土曜日又は日曜日です。
○白幡委員 それがここの下にある出張試験ということですか。
○試験協会 そうです、それはほとんど土・日で。
○白幡委員 これが土・日に行われたということですか。
○試験協会 はい。衛生管理者の試験など、必ずその中に含まれていますので、ちょっと正確に数えていませんが50回近くはあります。各都道府県ごとに受験者から見ると、自らの居住県で土・日に受けられる試験が年に1回はあるということになります。
○白幡委員 衛生管理者試験に限らないと思いますが、受験者のニーズがあって、というよりも、実際には開催予定が出されていて、それを見て応募してくる、というのが、通常の流れではないのですか。
○試験協会 通常はそうですね、安全技術センターでは、多い所は年間50回ぐらいやっていますのでそこに来ていただきます。こちらが各都道府県に出向いて実施する試験は予め周知します。
○白幡委員 多くの企業は、所轄の労働基準協会とか基準協会連合会とか、そういったところから出される開催予定を元に、受験を計画していると思います。
○試験協会 試験は当協会が実施するのですが、各都道府県の協力いただける団体の協力を得ながらあらかじめ数か月前から周知して、私どもが実施するのです。
○白幡委員 試験種別、開催日・開催場所を事前に周知するということですね。
○試験協会 はい。そうすると、受験者の方は近くで受験できるという形になります。
○試験協会 今、できるだけ速やかに皆さん計画が立てられるように、早いタイミングで受験日を周知するようにしています。
○白幡委員 そうして頂けると、とても助かると思います。
○試験協会 はい、そうしないと困ってしまいます。ホームページなどで半年ぐらい前ごろには。
○試験協会 早いものは。
○試験協会 それぐらいにやっていますので、その意味では受験者の方が自分の御都合を考えながらいろいろなものに対応できると。ちなみに、先ほどみたいに申込が集中しますと当然受験できない場合は、申し訳ございません、次回のこことここならまだ空いていますよというような紹介とか、あとホームページの方にここで追試をやりますということで、できるだけ情報は開示して受験者の方に迷惑が掛からないような形で計画を実施するように心掛けております。
○白幡委員 分かりました。具体的な説明、ありがとうございました。
もう1つ、次のページ、高校生に対してなのですが、これは高等学校で開催するということですか。
○試験協会 主たる受験される方は高校生です。高等学校とかの組織に連絡して高校でやります。
○白幡委員 高等学校だとすると、今まで、開催したことがある高校は、今年もまた来て頂きたい、という要望があると思うのですが、今まで、実施したことがない学校や、経験のない教師が担当だと、学校で実施できるのか、来てもらえるのかどうかも分からないのではないでしょうか。先ほどのPR、広報の説明の中には、特に学校を対象にした広告がなかったようでした。卒業までに、有効な資格を取得させようと考えるのは、大体工業高校だと思います。工業高校に対してそういった連絡はいっているのでしょうか、これまでの付き合い、実績があるところだけにいっているのではないですか。
○試験協会 通常はある高校、あるいは幾つかの高等学校がまとまって、私どもに「やってください」という申請を受けてやっているというような形になっております。
○白幡委員 今まで、実績のない全く新しい学校から依頼が来るとか、そういったこともありますか。大体、毎年、同じような学校から依頼されているのではないですか。
○試験協会 今は大体毎年同じところですけれども、新しいところもあれば当然対応いたします。
○白幡委員 今まで実績のない学校はこういった開催が可能であるということを知っているのか、というのがちょっと疑問です。
○試験協会 いや、多分御存知だと思うのですが。
○白幡委員 そうですか。
○試験協会 主に工業高校で、対象となる試験がほとんど2級ボイラー技士の試験です。工業高校の先生方はそういう試験があるということは御存知だと思いますので、要望があれば申請いただければ対応するという形になります。
○白幡委員 分かりました。
○試験協会 白幡委員が心配されているとおり、先生方もかなり大変なのです。準備するのに、場所となると休日空けなければいけないということもあります。
○白幡委員 ただ、やはり資格を持って卒業させることで、当然、就職率にも影響しますので、学校としては大きな取組だと思います。
○試験協会 そういう意味では、先生方が是非とも当学校のレベルを上げたい、いろいろ勉強させたいということで積極的に取り組んでいるところから要望があるというのが多いのですが、通常の場合当然その県、先ほどから説明しているように出張試験とかございますので、大概その時の休日に来る方がほとんどだと思われます。
○白幡委員 その判断は、学校、もしくは先生方に任せているということですか。
○試験協会 ええ、そうです。
○白幡委員 分かりました、ありがとうございました。
○今村座長 いかがでしょうか。
○最川委員 御説明ありがとうございました。
私も今の白幡さんの意見に賛成です。説明の時もちょっと意見を言ったのですが、多分、今受けられているところは本当に毎回受けていて、次もお願いしますとなる。そのアピールというのは全国的に同じ工業高校ならこういう試験が出張できますというアピールは毎回していただきたい。多分出張試験があることを知らない高校が絶対あると思うので。
○白幡委員 私もそう思います。
○最川委員 全国的に同じようなアピールをしていただきたい。免許を取る、取らないで就職したい思う気持ちも大分違いますので。今、職業に興味がある人が減っている中で免許があるという事は大変大事なところだと思うので是非お願いしたいと思います。
もう1つ、追加の試験が10回ぐらい行われたということで、申込者数に対して今年度実施できていない、例えば100人応募のところが300人ですとか、繰越になっている人というのはたくさんいるのでしょうか。その10回の中でクリアされているのか。
○試験協会 主に千葉県市原市でやる関東センターの受験希望者が多くて、そこが溢れているというか、希望の試験日に受けられないので順送りになっているという状況の中で、今年度は全部で10回ぐらい追加するとほぼ皆さん受けられるというようになっています。
○最川委員 そうですか、クリアできていればいいのですが。繰越がすごい人数だとしたらもっと要望に応えていただければ。
○試験協会 すごい人数ではあるので、10回実施しています。
○最川委員 分かりました。
○試験協会 1回600人なのでかなりの追加人数となります。
○最川委員 応募者数に応じて増やしていただいているということですか。
○試験協会 そうです、はい。全員受けていただけるように追加でやっているということです。
○試験協会 その意味では衛生管理者は多いところは毎週やっていますから、それがどうしても次週、次週に遅れていくのですが、とんでもなく遅くまで受けられないという状態ではないというように考えています。
○髙田委員 災害時の試験の対応について御質問させていただきます。当日にいろいろなことが発生する可能性があるかと思いますけれども、そういった場合の受験生への周知の方法というのは、例えばホームページとか、そういった連絡システムはどのようにされているのでしょうか。
○試験協会 それにつきましては、まず試験そのものはセンターとかが例えば水浸しになってできないとか、そういうことを除けば、後ほどそういったことにも触れますが遠隔地でやりますので、自動車で行く方とかマイカーで行く方もいますので、やはり受験者は受験しに来るのです。ですから、まずやることを前提でやっておりますが、先ほど言ったように来られなかったような方、やむなく来られなかったような方については先ほど言ったような救済みたいなことをする。
その意味では、「中止になるか」という問合せがどうしても多いのですが、「まずはやります」ということは言った上で、来られないような方には後でフォローするということで取り組んでいるということでございます。
○髙田委員 そうしますと、災害の際にちゃんと試験が運用できるように担当される職員の方は事前に泊まったりとか、そういったような手当はされているということですか。
○試験協会 実は結構、センターの近くに居を借りているような職員もたくさんいまして、そういった職員は当然その場に当日間に合うように行けるという状況です。
○試験協会 あと、いろいろなケースがございまして、最近あったのは実は中国四国センターの方で台風の雨がひどくて、風が強く、いわゆる四国連絡橋の電車も動かなくなるというケースがありました。このときは、受験生の方に「午後から電車が動かなくなりますので、お帰りになりたい方は帰っていただいて構いません。、その際は当然またの機会でもよろしいし受験料も返します。また、本人が御希望するのであればそのまま受験されても構いません。」ということを説明したところです。このように実はいろいろなケースが出ているなということを最近感じているところです。そういう意味ではきめ細かくいろいろな情報を集めながらできるだけ受験生の方に伝えていくというのが重要かなというように考えています。
○髙田委員 ありがとうございます。
○岩崎委員 我々も検定試験をやっているもので気になるのですが。まず受験者数のところ、これは申込者数ですよね、実受験者数とイコールなのですか。
○試験協会 いや、1割程度欠席者は必ずいらっしゃいます。
○岩崎委員 1割いらっしゃるのですか。
○試験協会 はい、そのぐらいのオーダーですね。
○岩崎委員 ここの数字というのは申込んだ方ということですか。
○試験協会 受験申請者数です。
○岩崎委員 ということですね。
○試験協会 はい。
○岩崎委員 もう1つ、データがないのはどうなのかなと思うのですが、これ、合格率の話が全くないのです。
○試験協会 合格率はいろいろな資料にも公表されていますが、試験の種類によってちょっと様々です。
○岩崎委員 やはり皆さんが受かるような試験でもないのですか。
○試験協会 合格率につきましては、年4回ほど広報誌を出しているのですが、そのうちの2回に各試験の合格率を公表しています。
○岩崎委員 ああ、ではかなりバラバラ。
○試験協会 試験の種類によってバラつきがございます。
○岩崎委員 大体、こういう会議をすると合格率の話題が半分ぐらいになるのですけれども、ここの場は別にそういうものは無視してもいいということで。
○試験協会 その意味では、試験によっては比較的難しいものと簡単なものがございますので、当然合格率が50%を切るようなものがあるかと思えば、8割ぐらいに達するものもございます。バラバラですね。
○岩崎委員 それについて御意見とか御批判とかあったりするものなのですか。毎年同じだからそんな気になってないのかな。
○試験協会 ちょっと難しいのではないですかというようなものがあります。
○岩崎委員 (私どもが実施している検定試験と)同じですね。
○白幡委員 受験者数の件ですが、コンサルタント試験について、筆記試験と口述試験、受験申請者数は足して算出していますか。資料2では、筆記試験が1,900、口述試験が730となっています。それが、資料1のコンサルタント試験者数2,600という計算になっているようです。受験者数ということだと、数え方はちょっと違いますよね。
○試験協会 ああ、その意味では。
○白幡委員 コンサルタント試験は、筆記試験のあとに口述試験がありますので、2人が受験したということではないと思います。
○事務局 事務局から補足しますと、コンサルタント試験筆記免除の方が大分おりまして、重複がないように足した人数の数値の記載箇所もあるのかなと。
○白幡委員 そういうことですか。
○試験協会 確かに口述試験のうち、いわゆる保健衛生の医師資格を持っている方がたくさんおりますので、ある意味では足しても人数として間違っているわけではないと思います。
○試験協会 ちなみに、免許試験の方も筆記だけではなく実技というのもあるのですが、実技と筆記の合計です。
○白幡委員 両方足してあるわけですか。
○試験協会 足してあります。
○今村座長 ほかにいかがでしょうか。
○漆原委員 7ページ、業務の効率化のところに電子申請の話を検討開始とあります。これはめどというか、電子申請の開始というのはいつごろ可能なのでしょうか。
○試験協会 電子申請につきましては昨年、5か年計画で取り組むというのが政府全体の大きな流れかなと思っています。その範囲内で間に合うように、ただ、今のところ3か年掛けて、令和5年度にはそれを出せるようにしたいという計画でございます。
○試験協会 少し補足しますと、実は我々の試験は添付の資料がたくさんございまして、電子申請に対応しようとするとなかなかうまく行かないところがございます。それから、免許試験などですと企業が受験料を一括で支払ってくるケースだとかがあって、私ども、ケース・バイ・ケースで対応していくこととなり、どこまでやっていいかという線引きが非常に難しいのではないかということがありしますので、慎重に対応していきたいと思っています。
このほか、この試験はなかなか複雑な仕組みの試験でございまして、いろいろな条件により、いろいろな免除規定等があるので、それらを全てシステム化するとなると、複雑なものになるのではないか。そういう意味では、我々としてもできるだけ早く電子申請に取り組みたいとは思っているのですが、実はなかなか制約される面もあるということで御理解いただきたいと思います。
○今村座長 よろしいですか。そのほか、試験に伴う過誤だとか良質な試験問題の不適切試験問題の件数は0を目指してやっていただくということで、最小限に押さえているということですね。それから、費用については受験者増加分の会場等の費用を除外するとほぼ水準を維持しておられるということでよろしいかと思います。
幾つか御意見、御指摘がありましたが、全体としては基本的に計画通りに行われているのではないかと思います。したがって、本年度で終了する指定法人の第3期の中期計画に基づく取組の状況につきましては、これまでのところ適切に実施していると評価できる。また各業務のコストも概ね適正なものと評価できるということと判断してよろしいでしょうか。
(異議なし)
○今村座長 どうもありがとうございます。
続きまして議事の2番目になります。次の中期計画、第4期中期計画(案)に移らせていただきます。先ほど御審議いただきました第3期中期計画の進捗状況も踏まえまして、指定法人に来年度を初年度とする第4期の中期計画(案)を作成いただいております。その内容について御説明いただいた後、委員の皆様に御審議をいただきたいと思います。
それでは、公益財団法人安全衛生技術試験協会から説明をお願いいたします。
○試験協会 それでは、私から説明をさせていただきます。資料3と4になります。まず、資料3について第4期中期計画のポイントということで、ポイントになるところをかいつまんで御説明したいと思います。1つ目のマルにありますように、基本的な考え方としては、実は3つ目のマルにある3点、こういった3点をしっかりと取り組むというのが、中期計画の骨子だと考えております。計画期間は、来年の令和2年度から3か年です。
3点のポイントですが、まず1番としては、試験業務の的確な実施です。何回も申し上げているように、試験事務をまずセンターでしっかり適切にやる。試験問題も良質な間違いのない問題を作る。そういったためには、人材の育成や確保など、そういったことも必要だろうということになります。試験の実施回数等は、その下に書いてあるような回数を予定しております。
2点目は、試験実施施設の維持・確立になります。まず、(1)としては大規模修繕工事の計画的な実施です。先ほど申し上げたように、7センターのうち、2センターは大規模修繕が終わっていますが、残りの5センターについて、予算措置、積立てをしつつ、計画的に実施するということで、令和2年度と令和4年度に、2センターを実施する計画を考えております。
(2)としては、大規模修繕を一通り7センター終わった後、今度は最後に建替えというような問題も出てまいります。そういったことについては、少し長期的な観点からセンターの立地状況が悪いところ、余り良くないところが多くありますので、そういったことや、あるいは受験者のニーズや情報通信機器の進展等、いわゆるネットワークがいろいろできるであろう、そういったことを含めて立地、あるいは施設の在り方も場合によっては含めて検討しないと、先ほど言ったように、単純に10億掛けて建て替えますという話には、必ずしもならない部分もあるかということで、その検討をしたいということになります。
3点目は、これも何回か御説明をした電子申請についての対応ということですが、それについては次ページに別紙があり、先ほど出たように、(2)の所の3行目くらいに添付資料が必要ということが書いてあるわけですが、一部いらない試験があります。それと、一旦、1回目不合格になった方の再受験というのは、1回確認しておりますので、添付資料そのものは2回目はいらなくなると、そういった方を電子申請化しているものがほかの試験でも幾つかあります。その辺を参考に、そういった仕組みを作りたいということになります。詳しいところを資料4の第4期中期計画(案)で、御説明いたします。
1ページ目、第1として基本的な考え方ですが、労働災害の発生状況、あるいは労働衛生上のいろいろな問題、そういったことに対して我々は、指定試験機関として災害防止に貢献しなければいけないというのが責任と感じております。3期の計画期間が終わったわけで、4期については、先ほど言った計画期間の中で、新たに中期計画を定めるとしております。
1番として、当協会の責務がありますが、我々は免許・資格制度に関する事務を行うということで、労働安全衛生を推進する人材をしっかりと確保していくことに貢献したいということになります。それについては、国から指定試験機関、あるいは指定登録機関としての指定を受けておりますので、その基準にしっかりとのっとって運営をしなければなりませんし、当然、公益法人としての公益認定基準にもしっかりとのっとって運営をするということが必要と考えております。そういったことの中で関係行政機関との連絡、連携というものを密にして行うということになります。
2番として、受験者数の予測がありますが、これについては、平成20年度に免許試験で20万人を超えており、平成26年までの間に17万人台半ばまで漸減していて、平成27年度から増加に転じております。平成30年度は少し減ったのですが、19万中盤から後半ということで、平成29、30年度と高い水準で推移しています。衛生管理者免許が少し受験者が多いというのは、先ほど御説明したとおりになります。受験者数の予測というのが、我々の業務を計画する上で基本の数字になるわけですが、従来どおり、直前3年間の実績を平均値という形で、予測値を置きたいと思っておりますが、大きな景気変動や受験者数の動向の大きな変化が見られた場合には、それも加味したいと考えております。
3番として、今後の事業面に対する考え方ですが、試験業務を的確に実施するということ、それから、また書きにあるのが試験センターをしっかり維持・管理していくと、そういったことをやるためには、職員の中長期的な育成や、システム環境整備も課題になっていくと考えております。
第2として、重点的実施事項の試験業務の的確な実施ですが、計画を策定して、その計画に従って、しっかり計画的に実施することです。また書きにあるように、試験は公平、厳正に実施して、過誤事案ということは発生させないと考えております。免許試験については、そこに数字が書いてあります。こういった数字をしっかりとクリアしたいと考えておりますし、高校や矯正施設での試験、そういったこと、あるいは出張試験も含めてしっかり対応するということになります。
コンサルタント試験についても、そこに予測しているような数字が想定されております。例年どおり、場所を確保してしっかりとやってまいります。また書きは、実は口述試験というのは、試験員が結構、人数が掛かる、たくさんの先生を必要とする試験ですので、そこをしっかりと確保しないと、うまくできないと思っております。ウの測定士試験についても、そこに数字が書いてあるようなことについて、従来どおりの試験会場を確保して実施してまいります。
(2)として、良質の試験問題の確保ですが、産業技術の進展や法令の改正等をしっかり踏まえた良質な問題を、いろいろな仕組みを使いながら作っていきたいということです。過去における平均点や合格率や試験問題ごとの正答率など、識別値というのは、成績の良かった人が正解して、成績の悪かった人は正解にならないというような、そういった問題であることの値ですが、それも参考にして問題をしっかり作っていきたいと思っております。そういったことで、不適切事案は発生させないということになります。
免許試験については、先ほど申し上げたような試験問題検討委員会、あるいはここでは、特級ボイラーのことも書いてありますが、特級ボイラーの試験問題作成の委員会、そういったことの回数を計画して、その回数をしっかりとやっていきたいということです。それから、コンサルタント試験についても、測定士試験についても、先ほど申し上げたような難しい試験ということもありますので、外部の委員の方に集まっていただいて、ただ余り多くの回数にならないように、しっかりと良い問題を作っていきたいということです。
試験実施施設の維持・確立ですが、これも大規模修繕のこと、それからまた書き以降は、建替えについての在り方の検討ということで、1センター当たり10億円程度予算が掛かるということ、それから先ほど理事長からも説明がありましたように、設置時期がかなり重なっていますので、そのとおりに再建すると結構、時期が集中しますので、相当早い段階からの考え方と方針の整理が必要ということで、検討していきたいと思っております。
7センターについては、例えば関東ですと市原にあります。近畿ですと加古川にあります。近畿ですと例えば、加古川という大きな川のすぐ隣の、いわゆる堤防のすぐ外みたいな所にありまして、自然災害に対しても脆弱なことが予想されます。そういったことから、やはり立地も含めて、検討が必要だと考えております。
3番目として、効率的な業務運営ですが、経費の支出については、引き続き最終年度において、今期中の水準をまた継続、維持したいということになります。組織・運営体制については、必要最小限の人員で考えております。試験事務の効率的な実施については、いろいろな意味で効率化を図っていきます。また書きにあるように、電子申請を可能とすれば、それも試験事務の効率化にも当然、資すると考えております。(3)として、契約・調達の効率化ですが、一般競争入札の原則、それから消耗品等、そういった競争入札によらないものについては、廉価なものを工夫して調達したいと考えております。
4番として、受験者に対するサービスの充実がありますが、(1)が配慮の必要な受験者への対応で、身体に障がいを有する受験者、あるいは妊婦等の方、あるいは外国人に対してはルビ付きの試験ということも含めて、それぞれの方の状況に応じた、オーダーメイドに近い配慮をやっていきたいということになります。
適切な広報の実施については、先ほども話題になったような試験の実施についてのこと、そういったことを含めて、できるだけ早く分かりやすい情報をホームページ等へ掲載していきたいと。さらにまた書きにあるように、合格者一覧をホームページに掲載すること、あるいは試験不合格者に対しては得点を通知すること、あるいはホームページに年2回の選択肢式試験問題を公表すること、そういったことは継続して実施していきます。それから電子申請への対応は、何度か申し上げたことになります。
5番として、個人情報等機密事項の漏えい防止ですが、当協会の場合、受験者管理システムや試験問題など、そういう機密情報もありますので、セキュリティをしっかりと維持することが大事ですので、そういったハード対策については、先ほど申し上げたような外部と連携しながら、外部の力も借りながら対応していることについて、引き続き実施しますし、内部的にもセキュリティ監査や自主点検、あるいは本部による実地監査で進めていきたいと思っております。そういったことで、試験問題の漏えい、あるいは受験者等の個人情報の漏えいは発生させないということになります。
コンサルタント及び測定士の登録事務については、そこに書いてある数字の所を想定しておりますので、引き続き的確に対応し、やはり過誤は発生させないと考えております。職員の能力向上については、途中で申し上げたように、試験問題作成など、そういったことを含めて今後いろいろな形で職員が幅広く対応しなければなりませんので、研修をすることや資格を取得すること、あるいは人事施策上そこをうまく絡ませながら、経験を積んでいただくことや、そういったことをしっかりと取り組んでいきたいと思っております。また、情報セキュリティの研修やハラスメント等の人権に係る研修、そういったことも今後必要だと考えております。以上になります。
○今村座長 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの説明を踏まえまして、御質問、御意見等をお願いいたします。これからの内容ですが、先ほどの問題として指摘された点など御確認をお願いいただければと思います。
○髙田委員 個人情報管理のところでお伺いします。インターネット等のネットワークの対策については書かれておりますが、実際に使用されている職場のPCのハードディスクの廃棄といったところの対応はされているのかということが1点と、あとは、人がやることですので、個人情報保護に関する教育や研修というのはどの程度、年に何回やるとかというような何か対策をされているのかということを教えてください。
○試験協会 まず、パソコンのハードディスクについては、実は、ここのところの神奈川の事例などもありましたが、当協会では、平成30年度に事務に使っている各人のパソコンを更新したときに、全部ハードディスクは業者にドリルで穴を開けてもらうことをお願いして、協会内の場所でそれを確認しております。今後も他人任せにならないよう、そのようなことが漏えいしないような形でそれぞれ担保されることについて、例えば外注している場合もありますが、そういったことも含めて対応していきたいと思っております。
情報セキュリティについての研修ということですが、先ほども申し上げましたけれども、セキュリティ研修をeラーニングということを使って実施しておりますので、年々少しずつ内容も変えて、工夫しながら毎年1回はやるということです。それに加えて、管理職を含めてその辺の意識が重要ですので、それについては、所長とか、総務課長あるいは試験課長という管理職を集めた研修がありますので、そういった所で何回もしっかりと伝えて、職員のほうにもその意識が十分に伝わるようにということで取り組んでおります。
○髙田委員 ありがとうございます。
○試験協会 少し補足させていただきますと、先ほどの破棄の部分ですが、全センターから全部集めまして、その際に、当然そのハードディスクには暗号の上書きをしまして、なおかつ、先ほど常務から説明もありましたけれども、業者を呼んで、自分の所の会議室で実際に穴を開けるのを確認して破棄するようにしています。
もう1つは、重要なデータについては、物理的に分けて使うようにしていまして、つまり、完全に物理的に管理した形でやるようにしていますので、そこら辺も対策をしています。
○髙田委員 分かりました。
○白幡委員 コンサルタント試験の試験官の確保ですが、先ほど第3期のところで都合のよい試験官が確保できなかった、という反省があって、それから今回の計画の中では受験者の増加によって試験官が不足する、良質な試験官の確保を図るということが記載されています。これは、試験管を確保する状況がさらに悪化する、より、厳しい方向になっていくわけですよね。そのような状況が予想されるなかで、何か具体的な方策というのはあるのでしょうか。言い方は悪いですけれども、レベルの高い試験官の確保が難しくなると、都合がつけられる方を優先して選んでしまいそうな気がします。この試験官の確保はコンサルタント会のほうに派遣依頼しているわけではないですよね。
○試験協会 はい。
○白幡委員 当然レベルの高い試験官からオファーして、レベルの高いというのはどういう評価をしているのか分かりませんが、都合が悪ければ、徐々に範囲を広げて探していくということになると思うのですが、打開策があれば教えてもらいたいと思います。
○試験協会 それについては、東京で3日間の試験、大阪で2日間の試験ということで、そうすると、例えば3日間のうち1日はできるけれども、ほかの2日はできないといった方も先生方には多くいらっしゃいます。
○白幡委員 基本的には3日間できる方ということですね。
○試験協会 できるだけ3日間できる方がいいのですが、委員がおっしゃるように、試験官として適格、適切な方になってもらわなければいけないということで、そういう方をしっかりと探し出しながら3日間をいかにうまく埋めるか、もちろんいい方が3日間やっていただければ、それはそれでいいのですが、逆に試験の日程というのは先に決まってしまう部分がありますので、早くからいい試験員の方には、日を明けてもらうみたいなことも取り組まなければいけないなと思います。
○白幡委員 そうですね、できるだけ早い時期に予定を確保したほうがいいですね。
○試験協会 でも、先生方も忙しいので、その辺はしっかりと、ほかにいい試験員がいないかとか、今やっている試験員の同じ大学の先生とか、あるいは知り合いというか、いろいろな関係で探し出しながら、両方でやっていきたいと思っております。
○試験協会 補足ですけれども、基本は1人がやるわけではなくて、数人で対応しています。
○白幡委員 口述試験の試験官は、以前から変更がなければ3人ですよね。
○試験協会 3人のうち1人はメインということで、その方は、当然、長年経験を積まれた方にしていただいていまして、それから、ある意味そういうことで言えば、確保できなかった人については何年か経験を積んでいただいて、当然組合せを重視しています。いわゆる、ベテランと新しい方といったことで、基本的に差があってはいけないものですから、お願いしながらうまい配置をしております。
また、確保が難しいことについては、風邪ということで、インフルエンザの発生の時期に当たりまして、結構、急に先生が来られなくなるということがありますので、それに対応するために、実は、当協会も試験員の資格のある方がいらっしゃいますので、その方は予備で例年よりも厚く確保しておきまして、先生方にお願いして、それで先生方が駄目だという場合は、うちのほうからエキスパートを出すという形で対応しておりまして、我々としては質は十分に従来どおり確保できているということで考えております。
○白幡委員 試験員の資格があるのですか。
○試験協会 あります。
○白幡委員 それは研修か何か受けられて資格を取得する。もしくは、元々資格のある方が研修を受けるとか、そういうことですか。
○試験協会 大学の経験とか、コンサルタントとしての経験といったものがあります。
○白幡委員 そういう経歴、資格のことですか。
○試験協会 安衛法で決まっておりまして。
○試験協会 あるいは研究機関とか。
○試験協会 法令で決まっている資格を持っている方でなければできないということと、それから、それは厚生労働省に対してきちんと申請して認可を頂いた形で試験員を決めて、その方でやっていただいています。そういう意味では、経験を踏んだ方ということでお願しております。
○白幡委員 そういうことであれば、多めにと言ったら変ですが、人数的に余裕をもって試験官を対象として確保するということなのですね。
○試験協会 そうです。
○白幡委員 第3期の報告のように、良質な試験官が確保できなかった、いうことにならないように、是非、早めに取組んでいただければと思います。
○今村座長 試験をする方の質と、今、世間的にも話題になっていますので、是非。
○試験協会 ある程度の名の通った方だと思っております、メインの方は特に。学会等を含めて、それなりの方だと認識しております。
○今村座長 いかがでしょうか。
○和田委員 第3期中期計画の実施状況と、第4期計画、これからの3年間で、この記載の中で当然ここで指示されるべきものは基本的には手数料が適正であるかどうか。コストが適正なのかということなのだろうと思いますが、それが適正かどうかということを検討したときに、公益財団法人として法人の財政状況が安定してないといけないわけです。また、公益財団法人ですから内閣府の収支相償の話も当然出てくるのだと思いますが、それを見据えながら財務、財政の状況が3年間どうだったか。それで、将来の3年間はどういう状況に計画していくのか、これは多分、一般に報告する公益財団法人の事業計画だったらそれが載っているはずなのですよね。ここには出されていなくてもいいのかもしれませんが、でも、私などにしたら、それが、まずしっかりしていることによって事業が執行されていくことも分かりますので、第4期中期計画の実績報告も中期計画のほうも大略でいいですから、財政状況をお示しいただいたらより一層議論がしやすいのではないかと思います。
資料1の開催要綱の中でも事業計画と収支予算ということで、やはり法人としての財務の安全性というか、健全性というものを示しておいていただけたらと思います。これは希望ですから、意見ではありません。
○今村座長 簡単に。
○試験協会 先生、お目通しいただいたかもしれませんが、参考資料3の所に3か年の財務諸表はお示しておりますので、それを更にかいつまんで何か集約したようなものとしてはありませんが、それを御参考にしていただければと思います。
○今村座長 参考資料の4のグラフとか、いろいろ付いておりますので。
○試験協会 集約したのはまた後ほど話に出ますけれども、手数料を値上げするかどうかのところについての説明の中で説明されると承知しております。
○今村座長 よろしいでしょうか。
○漆原委員 今回の第4期の5ページの受験者に対するサービスの充実の所で、(1)の所に配慮の必要な受験者の記載がありますが、実際に点字とか、音声再生での受験の例というのはどれぐらいあるのでしょうか。
○試験協会 音声とか、要するに、CDに試験問題を録音して、それを再生してやる試験は年に1回程度、点字で受けられる方も年に1回程度です。
○漆原委員 施設がかなり古いというお話ですと、バリアフリーができているかどうなのかということが気になったのですが、これは新たに建て直すときはそういった、例えばトイレも含めて全部そういった対応という理解でよろしいですか。
○試験協会 どのセンターも主な試験室は、2、3階ですが、必ず1階に小さな障がい者用の試験室がありまして、これは車椅子の方とか、お体の不自由の方は必ず1階で、階段のない所でお受けいただいております。
○漆原委員 分かりました。ありがとうございます。
○試験協会 これらの数字については、先ほどの資料2の8ページ目の所に、「配慮の必要な受験者への対応」ということで、ここに人数が記載しておりまして、29年度は198名、30年度が248名、今年は半年ですが165名ということで、恐らく今年は300名を超えるのではないかと思っています。この中で妊婦の方が来られますと、狭い受験の部屋ではできないので、そういう方に聞いて、こちらで受けますかということであれば、先ほど言ったその部屋で、ちょっと広めの所で、広めの机でゆったりしてやってもらうということです。○今村座長 今のダイバーシティの点で見ると、これは基本的に日本語の試験に限定ということですよね。
○試験協会 やはり安全にということですので、危ないとか、やめろとか、注意というのは通じないと、それはそれでまた大変なことになりますので、やはり原則として日本語でというように私どもは思っています。
○今村座長 文言を変える必要というほどのことではないのですが、地域のニーズ、これは飛んだところですが、先ほど御指摘のあった高等学校のニーズという話が出ていたと思いますが、それというのは、受験者のニーズ、5ページの4の(2)の適切な広報活動ということで、「試験制度に関する最新の情報、地域の実情及び受験者ニーズを把握し」の所と実は関わってくると思います。常にどういうニーズがあるかということを適確に把握されるということで、これにつながりがあるということを十分認識いただいて、計画を遂行していただければと思います。どうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、特に御異論等はなかったかと思いますが、第4期の中期計画(案)の内容については適正なものと評価してよろしいですか。
(異議なし)
○今村座長 どうもありがとうございます。続いて、議事3の指定事務の手数料の見直しに移ります。本運営評価会議として適正な手数料額について意見を取りまとめるということになっております。取りまとめ案について事務局から御説明をお願いします。
○調査官 安全衛生部計画課の和田から御説明させていただきます。使用する資料は資料5と、資料5の別紙として横表、各指定事務ごとの収支状況の表をお付けしておりますので、2種類を使って御説明させていただきます。
まず、1番の趣旨ですが、ここでは、この評価会議の位置付けも含めましてこれまでの経緯を書いております。第1段落目にありますように、厚生労働省独立行政法人・公益法人等整理合理化委員会で報告書がまとめられまして、これを踏まえまして、労働政策審議会安全衛生分科会に専門委員会を設置しまして、指定制度の在り方とか、国家試験等の手数料の額について検討した結果、外部の有識者で構成される評価会議を開催するとされたところです。今回、評価会議では、指定法人の中期計画に基づく業務の実施状況を確認いただくとともに、これから御議論いただく適正な指定事務の手数料の額について御意見を取りまとめていただくということになっております。そのようなことを趣旨に書かせていただいております。
続いて、指定法人の業務の実施状況です。先ほど議題1で御審議いただいた結果、適正なものであると評価を頂いたところです。これを踏まえて、手数料の額について、これから御意見を賜れればと存じます。
3番目の手数料の額については、(1)に基本的な考え方をお示ししております。これは、平成25年8月に開催された第3回のこの会議で手数料の見直しについて意見を取りまとめていただいていますが、そのときの基本的な考え方を踏襲したものです。(1)の基本的考え方の2行目にありますように、各手数料の額について、現在の収支状況及び受験申請者数等に基づき、今後3年程度の受験申請者及び登録申請者1人当たりのコストを推計いたします。それと現行の手数料との乖離度が平均して、おおむね10%超えるものについては均衡する水準に改訂することが適当であることを書かせていただいております。
具体的な例として、別紙1の横表を使って御説明させていただきます。免許試験の場合、収支状況は2つに分かれていまして、1つは、試験事業実施に係る活動収支状況と、もう1つは大規模修繕工事など、試験事業の環境整備に係る収支と大きく2つに分かれます。左から3番目に事業収益の②の欄があります。ここが手数料による収入になります。ここから右隣の経常費用を引いたものが、その右の試験事業活動収支状況の収支差になります。なお、ここでは注意書きが小さくて恐縮ですが、御覧になっていただくと、注意書きの4、5のとおり、事業収益と経常費用は正味財産計算書のものを用いています。ただ、前回のこの会議において減価償却費等、次に説明させていただきます積立金との重複がないか整理を行ったほうがいいのではないかという御指摘いただきましたので、それを踏まえて、注意書きの6にありますように現預金の支出がない減価償却は経常費用から除いております。ただ、リース資産の減価償却については現預金の支出があるため、経常費用に入れています。
次に、試験事業環境整備収支について御説明させていただきます。修繕積立金等取崩金の⑤の欄がありますが、そこから右隣の固定資産購入額⑥と、更にその隣の修繕積立金等積立金額の⑦を引いたものが、その横に記載している収支差⑧ということになります。これが試験事業環境整備収支状況の収支差ということになります。これら2つを合わせたものが試験事業全体の収支差となります。⑨の全体の収支差を、先ほどの左から2番目にある申請者数で割ったものが、右から2番目にある1人当たりの収支差ということになります。1人当たりの収支差を、更に現行の手数料で割ったものが乖離度ということになります。さらに、一番下の欄を御覧になっていただくと、今後3年間の現行手数料との乖離度、△4%ということを示させていただいていますが、ここの数字が10%を超えるものになったら収支の均衡を図る観点から見直しするのが適当であるといったことが基本的な考え方になっております。
本体の資料に戻っていただきまして、一つ一つ個別の収支状況について御説明いたします。1番目は免許試験です。収支状況については先ほど見ていただいた別紙1のとおりです。平成29年度から令和元年度の1人当たりの収支差はほとんどないということになっています。また、令和2年度から令和4年度の見込みが約300円の赤字になっていますが、乖離度は先ほど御説明したとおり約4%ということで、更なる経費の削減による費用の抑制に努めつつ、当面3年間の現行の手数料は据置きを考えております。2番目の労働安全・労働衛生コンサルタント試験です。平成29年度から令和元年度の申請者1人当たりの収支差は約200円強の黒字となっております。一方で、令和2年度から令和4年度の見込みは約1,200円の赤字、乖離度は約5%ですが、コンサル試験の場合、他の国家試験と比較して受験料が高水準であることから、更なる経費の節減による経費・費用の抑制に努めつつ、当面の3年間の現行の手数料は据置きを考えております。3番目は作業環境測定士試験ですが、平成29年度から令和元年度の1人当たりの収支差は200円弱の赤字、また、令和2年度から令和4年度の見込みは700円強の赤字ですが乖離度は6%ですので、更なる経費の削減による費用の抑制に努めつつ、当面の3年間は手数料据置きを考えております。4番目は労働安全・労働衛生コンサルタントの登録事務の関係ですが、平成29年度から令和元年度の1人当たりの収支差は700円強の黒字、また、令和2年度から令和4年度の見込みは200円強の黒字ですが乖離度は約1%ですので、現行の手数料は据置きとさせていただければと思います。5番目は作業環境測定士の登録事務ですが、平成29年度から令和元年度の1人当たりの収支差は約300円の黒字、一方で、令和2年度から令和4年度の見込みでは約200円の赤字ですが乖離度は1%ですので、現行の手数料は据置きを考えております。
以上、御説明は事務区分ごとの手数料の見直しの結果ですが、これらの事務区分の合計の収支差を見たものが、資料のカの全体ということになります。平成29年度から令和元年度の収支差は、年平均で約600万円の黒字である一方、今後3年間の令和2年度から令和4年度の収支差を見ますと、年間平均では6,000万円の赤字となる見込みです。ただ、指定法人の現在の財務状況とか、令和2年度から令和4年度の赤字の額を踏まえると、当面3年において、直ちに経営上の問題が生じるまでの状況ではないというように考えられます。こうしたことも踏まえまして、先ほど御説明しました5つの指定事務の手数料については据置きを考えております。
最後に、(3)の所で、今後の見直しについても述べさせていただいておりますが、特段の事情がない限り、概ね3年後に、再度、手数料が適正かどうかという議論を頂いて、手数料の見直しを行うということで考えております。なお、その際には(1)でお示しさせていただきました基本的な考え方にありますとおり、当面の3年間での乖離度の見込みが、それぞれの事務区分において10%を超えるか否かといったことを目安としますが、それ以外に乖離度10%を超えない見込みであっても、全体として赤字の額が大きいかどうかとか、各事務区分の収支差の赤字が継続しているか否かとか、協会の財政状況といったものを考慮の上、手数料の見直しについて検討を行ってはどうかと考えております。説明は以上でございます。
○今村座長 ただいま事務局から試験事務、登録事務の手数料額についての基本的な考え方と、その考え方を踏まえると、手数料は据置きとすることが妥当であるということ。それから、最後に今後の見直しに当たっての考え方という説明がありました。この点について御質問、御意見等がありましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。先ほど和田委員から、協会の持続可能性ということが指摘されましたので、6,000万円というのが。
○和田委員 作成されたこの表で、今の乖離率とかを表示しているのですが、財務諸表との整合性を分かりやすく説明してほしいと思います。正味財産増減計算書のどれがこの表のどこにいっていますか。どうも、計算してみると、私には少し分かりにくいところもあるのです。例えば決算についての御説明でも、何で平成30年度の減価償却費がこんなに6,000万円も、7,000万円もポンッと飛び上がったのかという説明もよく分からないのです。根本的に違っているとは思いません。そこまでは申し上げませんけれども、もう少し財務諸表を、せっかく正味財産増減計算書をお作りになっているのですから、この諸表との関係を分かりやすくしていただいたらと思います。
今、おっしゃられたコストの計算の所で、正味財産増減計算書の事業活動収支状況というのは正味財産増減計算のほうから基本的にもってくるわけですよね。ただ、正味財産増減計算書は公益財団法人では収支相償を言われているはずなので、これが収支相償ではなくて、利益が出ないと次の固定資産の建替えとか何かの資金がたまらないのです。それはこういう建築計画で、このように建物を建築していくのでその資金の積立てとして使いますということで、内閣府のほうにも報告しているわけで、その辺のところをしっかり見せて、その結果、どのぐらいのものが、今、内部留保されていて、そして、それがいつ建て替えられるのですということを、できるだけ分かりやすくしていただきたいと思います。例えば固定資産の購入額とか、あるいは修繕積立金、この辺のところも少し数字が変われば、1億、2億すぐに変わってしまうのです。当期の収支差というのも大きく変わってしまうので、きちんと計算をされてこの数値が出されたものと思われますが、そこのところを分かりやすく説明していただいたらよろしいのではないかと思います。
○今村座長 正にこれは最後にまとめられた当面の3年間において、直ちに経営上の問題が生じるまでの状況ではないということに集約されているのですが、この辺で何か追加的に補足説明などありますでしょうか。一通り財務諸表を。
○調査官 一通り試験協会の財務諸表の過去3年分を確認させていただいて、仮に赤が出た場合でも、現在の財政状況から、少なくとも3年は大丈夫だといったことで、ここは書かせていただいています。
○岩崎委員 要は、値上げしなくても大丈夫だという資料で、やはり年度ごとは収支は、普通の事業のように合わせるのを頑張りますということですよね。
○調査官 はい。
○最川委員 前回のときに長期的に安定するために大規模修繕のお金とかを見てくださいということで、今回、入れていただいているのですが、長期的に見れば建替えが集中してしまう時期が今後来ると思います。建物を私は見ていないのですぐにどうこうということはわからないのですが、多分、10年後とかに集中してしまうかもしれない。この3年間の手数料をどうのということではないのですが、長期的な建替えの予測というのは入れていただきたい。多分10億といった単位になってしまうので、その建替費用とか、例えばリースにするとか、2つを1つに統合するというような長期的な計画は、次の計画のときには反映させていただきたい。今後、3年、6年ぐらいは大丈夫だと思いますが、その後の見通しが一気に運営できなくなるおそれがあるので、その長期的な目線の金額は見込んでいただきたいというお願いです。
○和田委員 その辺のところは私も気になっていたのが参考資料5で、特別修繕で積んでいきながら、第4期までで特別修繕がおおむね積み上がっていって、第5期以降は建替えの資金を積み立てていくのだという表になっています。これは適正に作成されていると思いますが、この数字が、実はコストがこれでいいのかどうかという、コストにそのまま入ってくるのです。だからこのことをしっかりと説明してくれるような書類を、今後、作っていただきたいと思います。これが間違っているとは思いませんから、これが正しい、適正だと分かるような資料を、もう少し説明していただいたらと思います。
○最川委員 参考資料5は途中で切れてしまっているので、この後がすごい金額なのですね。その数字がここに入っていない中での話なので、これはいいですよということしかないのですが、その後の数字は1回入れてもらわないと分からないというのが現状です。
○試験協会 先ほどからお話を伺っているとおりですが、一方で、御説明したように、今、センターは立地が悪い、非常に不便な所にあるというのが受験者の方々の共通した指摘を受けている点で、これはあくまでまだ何も方向性を明確に決めているわけではなく、今あるのは建替えるということがまずはそうなのですが、立地を変えなければいけないだろうということもありまして、そうなると、今度は建替えの経費そのものも、そのまま単純にいいのかということも出てきますので、最川委員もおっしゃったように、しっかりとその辺のビジョンをまず決めて、それとお金をきちんと突合できるようにしていくというのが、この3年間でやっていかなければいけないと思っております。
○最川委員 今、常務が言われたとおりだと思いますが、私も単純に建替えではなくて、本当に2つを1つに統合するとか、立地を変えて、今は土地を持たれているのか分かりませんが、その売ったお金を使うとか、合理的な方法を考えていただくことをしていただきたいので、単純に建替えのお金だけ見込むということではなくて、それも含めて次の計画にのせていただきたいというのがお願いです。
○今村座長 もし、コストが余計に掛かるようになったら、それはその時期だけの受験者の負担になることがありますので、そこは是非、おっしゃるように、合理的な方法でできるだけ検討してください。
○試験協会 コストが安定的に皆様に、受験者に転嫁される仕組みみたいなものも含めて考えていかなければいけないということです。
○今村座長 いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、もちろんいろいろと御指摘は出ましたが、試験事務、登録事務の手数料については、各事務の収支差や全体の状況を見ると据置きするということが妥当であると判断されると思います。つきましては、事務局提案のとおり、今回は手数料の見直しは行わないこととし、この取りまとめを本運営会議として意見とすることでよろしいでしょうか。
(異議なし)
○今村座長 どうもありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきます。そのほか予定していた議題以外で、これらに関連して御意見、御発言などありますでしょうか。先ほど和田委員から出ていた、もう少し見せ方を工夫するということを、是非次の課題としてお願いいたします。
○白幡委員 センターの運営は、基本的にはそれぞれで行うということになると思いますが、具体的な運用になると、やはり地域によって違いがあると思います。例えば広報の仕方だとか、そういったことを、年に何回か情報共有をして、効果のあった取組は他のセンターで検討する、といったようなことはやられているのですか。
○試験協会 先ほど途中で申し上げたように、所長会議とか、総務課長会議あるいは試験課長会議といった管理職の会議を行っていますので、そこでは、いわゆる好事例の取組といったことも共有しますし、逆に、そうはいっても、センター内にそんなに違いがあってはいけないので、そこで統一というか、しっかりと共通的に取り組めることについては、共通的に取り組んでもらうように指示をさせていただいております。
○白幡委員 分かりました。ありがとうございます。
○今村座長 貴重な御指摘だと思います。是非、御検討いただければと思います。そのほか何か御意見等はありますでしょうか。よろしいですか。
それでは、これで全ての議事が終了とさせていただきたいと思います。指定法人の皆様には、本日の御意見を踏まえまして、中期計画に基づく事務の適切な実施等、利用者の利便性向上に、引き続き取り組んでいただけますよう、お願いしたいと思います。
それでは、以上をもちまして、第6回安全衛生関係指定制度運営評価会議を終了させていただきます。本日は長時間にわたり、貴重な御意見、御熱心な御審議、本当にありがとうございました。どうもお疲れさまでございました。