技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会(第2回)議事録

政策統括官付政策統括室

日時

令和元年1月17日(金)14:00~16:00

場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)

出席者

(委員)(五十音順)
池田委員、戎野委員、大竹委員、鬼丸委員、後藤委員、佐久間委員、佐藤委員、仁平委員、羽柴委員、守島座長


(事務局)
伊原政策統括官(総合政策担当)、高松政策統括官付政策統括室企画官、新平政策統括官付政策統括室室長補佐、矢野労働基準局労働関係法課調査官、宮田職業安定局職業安定局雇用政策課課長補佐、立石雇用環境・均等局総務課雇用環境・均等企画官、前田人材開発統括官付政策企画室長

議題

(1)委員プレゼンテーション
・後藤委員
・佐藤委員
(2)その他

議事

 
○守島座長 それでは、大体定刻になりましたので、今回の「技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会」の第2回を開催したいと思います。
今日は、皆さん方、お忙しい中どうもありがとうございました。
それでは、カメラ撮りはないですね。ここまでとさせていただきたいと思います。
本日は所用で冨山委員、根橋委員、森戸委員が御欠席でございます。
議事に入ります前に、事務局から資料の確認をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 本日の資料は、4つをお配りしております。
資料1としまして「第1回の議論を踏まえた今後の議論の観点」。
資料2として「ビジネスICTツールの導入・利用状況等について」。
資料3として、後藤委員のプレゼン資料。
資料4として、佐藤委員のプレゼン資料を配付しております。
不足等ございましたら、事務局までお声がけください。
それから、前回第1回の資料も机上に配付させていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
○守島座長 ありがとうございました。
それでは議事に入りたいと思います。
本日の進め方について、まず、御説明したいと思います。
最初に、前回の検討会での討論を踏まえて、事務局に資料1、2を作成していただきましたので、事務局から紹介してもらいます。
次に、後藤委員、佐藤委員より、それぞれの御所属の状況についてのプレゼンテーションをしていただきます。
それぞれ25分程度で御説明いただいた後、まとめて質疑応答、意見交換を行いたいと思います。
それでは、事務局より資料1、資料2についての御説明をお願いします。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 それでは、まず、資料の1をお開きいただければと思います。
資料の1につきましては、前回、今後のヒアリングや議論の際の観点となるような御意見を多々いただいておりますので、最後に守島座長から、おまとめいただいた2つの視点に分けて、委員の皆様の御発言をまとめさせていただいたものでございます。
資料自体は事前に御確認いただいておりますので、簡単に御紹介させていただきます。
まず、1点目ですけれども、AI等の新技術を職場で導入・運用する際の労使コミュニケーションがどのように図られているか。また、その課題は何かということでございます。
新技術を職場に導入していくに当たり、その導入先になります職場における労使関係や労使コミュニケーションの現状がどのようになっているのか、特に非正規雇用労働者の方など、新技術の影響を受けやすいと想定される方を含めた労使コミュニケーションをどのように考えるのかというようなことを御意見としていただいておりますので、その点をまとめさせていただいております。
それから「また」のところですけれども、その前提となりまして、その際の労使コミュニケーションは、労働者、使用者の双方にとって、さらには社会的にどのような意義を持つのかということで御意見をいただいているかと思いますので、その点をまとめさせていただいております。
3ページ目が、2点目の観点というところでまとめておりますけれども、ICT、AI等によって労使コミュニケーション自体がどのように変化してきているのかというようなところで御意見をいただいておりました。
コミュニケーションの手法自体にも、SNSあるいはインターネットというようなところが入って来ることによりまして、労使コミュニケーション自体がどのように変わっていくのかということが、1つの観点ではないかということで御意見いただきましたと思いますし、
また、変わる場合にも、どのようなことに留意しなければいけないのかというようなことも考えなければならないというような御意見だったかと思っております。
次に、資料の2のほうをお開きいただければと思います。
こちらは、今、資料の1の2点目で御説明をいたしましたけれども、労使コミュニケーションにSNS等がどれだけ入っているのかということについて、わかる調査があればということで御質問をいただいておりました。
それに直接回答するような資料ではないのですけれども、総務省が行った調査の中で、ビジネスICTツールと職場のコミュニケーションの状況がわかるようなものがありましたので、幾つかピックアップさせていただいております。
まず、2ページ目のところですけれども、こちらがビジネスICTツールの導入・利用状況についてでございます。
質問しているのは、学生、専業主婦、無職以外の働いている方を対象にした調査になりますけれども、ビジネスICTツールの中で、特にコミュニケーションの円滑化に資すると考えられるような社内SNSあるいはテレビ会議、ビデオ会議、チャットというようなものにつきましては、グラフを御覧いただければと思いますけれども、大体2割、3割程度が職場に導入していると回答しているという調査になります。
それから、3ページ目、次のページをおめくりいただければと思いますけれども、ビジネスICTツールをどのように利用しているのかというような調査につきましては、グラフのようになっております。
コミュニケーションの関係で言いますと、下から3つ目「社員同士のチャットを利用した日常的な情報交換」というようなものも入ってきているのですけれども、それは8%と少なくなっている状況です。
4ページ目、次のページをおめくりいただければと思いますけれども、こちらはビジネスICTツールを導入していることで、社内コミュニケーションがどう変わっているのかというようなことを尋ねた調査になります。
まず、1つ目の上の図を御覧いただければと思いますけれども、社内でのコミュニケーションは、どの程度とれていますかということで、十分とれている、大体とれているという回答した方を合計して見てみますと、職場に導入されていると回答した方のほうが、コミュニケーションがとれていると答えた割合が高くなっているという状況です。
下の図は、導入されているだけではなくて、そのツールを積極的に使っているかどうかというところで集計しているものですけれども、こちらも積極的に使っているという方が、コミュニケーションがとれていると回答した割合が高くなっております。
資料1と2につきましては、以上でございます。
○守島座長 ありがとうございました。
資料1なのですけれども、今後、いろいろな皆さん方の御意見等を集めて、また、リバイズしていきたいと思いますけれども、今日のところは、第1回の議論をもとにした、この資料でスタートしたいと思います。よろしくお願いいたします。
今の資料について説明がありましたけれども、何か事実確認等の質問がある方は、ございますでしょうか。ありましたら、挙手をお願いしたいと思います。
よろしいですかね。
ありがとうございました。続いて、委員プレゼンテーションに移りたいと思います。
最初に、後藤委員からよろしくお願いいたします。
○後藤委員 それでは、私からKDDIにおける労使コミュニケーションの状況と題して御説明させていただきます。
まずは、こういった機会をいただきましてありがとうございました。
御承知のとおり、あくまでもKDDIという会社に閉じた状況になりますので、他社ではもっと違う取り組みもしているでしょうし、我々の取り組んでいることが一般的だということでもありませんので、そういった前提でお話を聞いていただけるとありがたいと思っております。
2枚目のスライドに、お話しする内容をまとめております。この中の2.で「コミュニケーションのチャネル」という表現を使っておりますけれども、便宜的にチャネルと言ったほうがわかりやすいかと思いましたので、こういった言葉遣いにさせていただいております。
それから、6.で「デジタル技術の導入について」としております。こちらについては、さまざまなデジタル技術があるとは思いますが、RPAの導入状況にフォーカスしてお話をさせていただきたいと思いますので、御了承いただければと思います。
まず初めに、KDDIと、私どもKDDI労働組合の組織の概要について少し触れさせていただきたいと思います。
KDDIにつきましては、2019年3月期の有価証券報告書をもとにまとめております。こちらについては、ウェブでも公開されておりますので、別途、御参照いただければと思いますけれども、創業は84年になっておりまして、主な事業としましては、皆さんに御認識いただいております、auの携帯電話サービスを中心にしているのですけれども、それ以外にも電気の事業であるとか、それから、教育サービス系の事業もしておりますし、個人のお客様向けにeコマースであるとか金融決済、あるいはエンターテイメントなどのサービスを提供しております。
一方で、企業のお客様向けにも通信サービスを提供しておりまして、データセンターのサービスであるとか、そういったものを提供させていただいております。また海外でも事業を展開しておりまして、モンゴルであるとか、それからミャンマーにおいては、現地での携帯電話事業を現地の事業者と一緒に展開をしているところですし、それから世界各国にデータセンター等を構築しておりまして、法人のお客様向けのサービスも提供しております。
その他、そういったサービスを提供するに当たりまして、通信設備の建設であるとか保守あるいは新しい技術の研究開発等、多岐にわたって事業を展開しております。
社員の数につきましては、大体1万1,000人ぐらいが正社員になっておりまして、6,000人前後ぐらいが、ここには臨時的な従業員数と書いてありますけれども、派遣社員であるとか、契約社員等が含まれております。
沿革につきまして、84年に創業と書いておりますけれども、KDDIグループは、合計で17社が合併して現在に至っております。
最初に、98年の段階で国際電信電話株式会社と日本高速通信、テレウェイという名前でしたけれども、この2社が合併して、その2年後にDDI、KDD、IDOの3社が合併しております。
KDDIグループにおいては、2000年の3社合併というのが非常にポイントになる出来事として、全社的に認識されています。それ以降、全国各地のセルラー会社7社、それからツーカーというサービスがあったと思いますけれども、それは2005年に、次いで、電力系のパワードコムという会社を2006年に、それから、ソリューション系で、もともと子会社として切り出していたKNSLという会社があったのですけれども、これを本体に合併する形で、全部で17社が集まって現在に至っております。
ここに黄色い顔の印がありますけれども、これはそれぞれの会社の中に労働組合があったところについてつけております。17社が合併しておりますけれども、そのうち2社に労働組合があって、それが、今、存続している。労働組合は統合したのですけれども、それが、今、存続してKDDI労働組合となっております。
その隣の部分については、売り上げの構成比というものを出しております。大体7割ぐらいを携帯電話の売り上げが占めておりまして、それに関連するエネルギーや教育、エンターテイメントなどのライフデザインのものが1割程度となっております。こちらは参考までに御参照いただければと思います。
それから、会社の中の職制についても、今回の議論に関係するかと思いましたので、4枚目のスライドにまとめております。
まず、大きく分けて正社員と契約社員で、水色のほうを正社員、緑色のほうを契約社員にしております。
正社員につきまして、正社員というか無期雇用の社員につきましては、全部で6種類ありまして、総合職から地域を限定した総合職、短時間制社員という職種、それから一般職、そのほかに地域営業社員、地域事務社員という内容になっております。
上から2つ目の地域限定総合職というのは、まさに、ほぼある拠点に限定して働いていただいている総合職なのですけれども、こちらについては、先ほど触れましたとおり、17社が合併しておりますので、各地域にあった会社の制度などに対応するために各地域に根付いて働いてもらう、あるいはそういう働き方をしたいというニーズに対応してつくった職種になっております。
短時間制社員というのは、これも国際電信電話株式会社の中にあった制度でして、主に電話のオペレーターの方々に御利用いただいていた制度になります。ですので、現在はほとんど人数がなくなっている状況です。
それから、一般職についても、ほとんど今人数がおりません。退職されたりとか、ほかの職種に転換されたりということで、職制としては残っておりますが、人数がほとんどいないという状況です。
それから、地域営業社員、地域事務社員というのは、この名のとおり専ら営業の職に従事していただく方々、それから各地域の事務所の事務をやっていただく方々で、これについても地域を限定して働いていただいております。
ただ、先ほどの上から2つ目の地域限定総合職と比べて、こちらは事業所を限定しているというよりも、その地域に限定していますので、ある地域の中で違う事業所で働いていただくということもあり得ます。
それから、契約社員の方々につきましては、セールスアドバイザーという、これは営業職の契約社員なのですが、例えば、量販店の中に携帯電話の売り場があるのですけれども、そちらで仕事をしていただいております。それから、その下にある事務契約社員というのは、地域事務社員と同じようなことをしていただいているのですけれども、どちらかというと、バックオフィスの中で事務を専ら処理していただくというような仕事です。
それから、料金アドバイザーというものは、お客様の御利用料金のお支払いが滞っているときに、督促をさせていただくというような内容を専門に仕事をしてもらっています。
それから、右上のほうに別枠で書いておりますけれども、それ以外にも、当然ながら管理職もいますし、主に定年再雇用の方々が、嘱託社員という分類で仕事をしていただいておりますし、これ以外にも各事業場の保健師さんであるとか、そういった方々も嘱託社員という形で雇用をしているという状況にあります。
一方、KDDI労働組合について、組合員の人数については、1万2,000名程度おります。こちらについては、今、KDDIグループには幾つか会社があるのですけれども、その中で3社のみKDDI労働組合と基本協約を結んでおりまして、内訳については、こちらに記載のとおりです。KDDIについては、1万人程度になっております。
組織の体制としましては、中央本部と、その下に5つの支部を設けまして全国を管轄しています。
中央本部には専従役員が14名おりまして、支部の役員は全国を200人程度で対応しております。
3社とは、ユニオン・ショップ協定を2012年以降、順次締結している状況にあります。
少し沿革のところに関係しますけれども、もともと国際電信電話あるいはKDDという会社であったときには、ユニオン・ショップ協定を結んでおりましたが、2000年の3社合併以降ユニオン・ショップ協定ではなくてオープン・ショップで、およそ10年間活動してきました。けれども、2012年ごろから労使で合意しまして、3社それぞれとユニオン・ショップ協定を結ぶに至りましたので、ユニオン・ショップからオープン・ショップになってまたユニオン・ショップになったという少し変わった歴史をたどっているところです。
次に、本題のほうに入っていくことになりますが、コミュニケーションのチャネルということで、労使間でどういったコミュニケーションの形態を構えているかということについて御説明したいと思います。
次のスライドまで含めると、全部で7つのチャネルで労使のコミュニケーションを図っております。
まず、6枚目のスライドのほうは、労働協約の中で明記しているチャネルになりまして、1番から3番まであります。
1つ目は、経営方針概要協議という名称で行っているものでして、これは年に1回、会社側は社長以下人事の担当役員であるとか、それから人事本部というのがありますけれども、そこの本部長であるとか、各部の部長に出てきていただいて、労働組合側は中央本部の専従役員がメンバーになって、年度の経営方針であるとか、あるいは中期経営計画などについて意見交換をするという内容です。
それから、○2ですけれども、これは2つに分けておりまして、まず、本社と労働組合の本部とで行う団体交渉につきましては、定期的に、ある程度形を決めて実施しているものについては、大体年5回ぐらい行っております。
これについては、会社側は人事本部長以下、担当の部長であるとかグループリーダー、それから労働組合側は中央本部の役員となっておりまして、労働協約の締結であるとか、改廃あるいは労働条件に関する事項について、春闘期間中に行う団体交渉も含めて約5回程度行っております。
合わせて、○2の、今度は地方になりますけれども、各地域に総支社というエリア単位で管轄している組織がありまして、そちらにも組合のほうから出向いていきまして、各地域の幹部の方々と意見交換することを、原則2年に1回、全国10カ所で行っております。
こちらについては、労働協約の改廃であるとか労働条件というよりも、その地域での課題について、自由に意見交換をするという内容がメインになりまして、労働組合のほうからは、組合の活動の御紹介であるとか、報告をして組合の活動に御理解をいただくようなことを目的として行っています。
それから○3のところに事務折衝となっていますけれども、こちらについては、団体交渉を補足するようなチャネルだと捉えていただければと思います。
こちらは去年の実績で、年30回程度開催しておりまして、会社側については、人事本部の各部の部長であるとか、グループリーダーあるいは担当者の方が出てきていただいて、労働組合側は、委員長を除く副委員長以下で対応しております。
こちらについては、協定の締結・改廃あるいは労働条件に関する事項ということで、どちらかというと、後ほども触れますけれども、事前協議制をとっている中にあって、それに当たる部分だと認識しております。
こちらについても、中央・地方と分けて書いてはおりませんけれども、基本的には中央で行うことを中心にしながら、先ほど御説明しましたとおり、5つの支部で、必要に応じて独自に各地域で、こういった枠組で意見交換をしているということもあります。
続いて7枚目のスライドになりますが、こちらについては、労働協約の中には規定しておりませんけれども、それ以外に、こういったチャネルでコミュニケーションを図っているというものを掲載しています。
まず、大きな2の「非公式のチャネル」については、○4の労使担当者会議というものを持っておりまして、これは週1回、人事部の担当のグループリーダーであるとか、担当者が会社側は出てきていただいて、労働組合側も、案件ごとの担当者が出席して、それぞれ検討している各種施策についての情報交換であるとか案件の内容、これからの進め方をどうするかというような意見交換をしています。
それから、○5については、働き方改革・健康経営定例会というものを設けていますが、KDDIとして働き方改革であるとか健康経営というのを進めておりまして、こういった名称の委員会を会社側で設けておりますので、それに相対するような労使間のチャネルだと御認識いただければと思います。
こちらについては月1回、働き方改革・健康経営室の室長以下担当のグループリーダーの方あるいは担当者、それからKDDI健康保険組合の担当者の方にも来ていただいて、労働組合側は副委員長以下の役員で対応しています。
こちらについては、労働時間であるとか健康促進策に関する事項について、月1回状況を確認したり、課題を共有したりということをしております。
それから、大きな3番は「法定のチャネル」ということで、KDDIでは裁量労働制も導入していますので、裁量労働に関する法定の労使委員会を年2回行っておりまして、内容については、こちらに記載のとおりになります。
それから、当然ながら安全衛生委員会も開催しておりまして、月1回、全国の各事業所で開催しております。こちらについては、会社側は、それぞれ会社が選任した委員になりますが、労働組合側は、各事業所に労働組合の執行委員というのがおりますので、そちらが選挙に立候補して委員になって、この安全衛生委員会に参加して、それぞれ法律で決められたこと、あるいは各地域での労働環境等についての議論をさせていただいているという状況です。
これらを踏まえまして、このチャネルがそれぞれ、先ほど御紹介した社員をどうカバーしているかというのが8枚目のスライドになります。
青い無期雇用、有期雇用については、全て組合員になっておりますので、こちらについては、当然ながらカバーされます。
それ以外に、嘱託社員、管理職については、労働組合のメンバーにはなっていないのですけれども、最終的には組合員が将来、こういった職種につくことも想定されますし、席を並べて仕事しているということもあり、またそれぞれKDDIの長期雇用になっていますので、こちらも全てのチャネルでカバーをしております。
しかしながら、受け入れ社員は、これも受け入れ社員という表現が適切かどうかはありますけれども、便宜的にこういう表現にさせていただきますが、派遣社員であるとか、受け入れの出向者、それから業務委託をしている方々については、KDDI労働組合の組合員にはなっておりませんので、先ほど紹介したチャネルでのカバーというのは、なかなか難しいのですけれども、労使担当者会議であるとか、それから安全衛生委員会等で、こちらの方々の状況についても取り扱う場合があるということです。
労働組合として、過去には直接これらの方々との意見交換を実施した事例もございますけれども、直近では、そういった取組はしておりません。
続いて、それ以外の取組ですが、こちらについては社員や組合員からの意見収集であるとか、それから逆に情報発信の取組についてどういったことをしているかを御紹介したいと思います。
まず、会社側につきましては、社員の意識調査を年に1回行っています。
それから、毎朝の朝礼も行っていますし、社内放送も月曜日の朝などに全社で行っておりますので、こういった放送、朝礼等を通じて情報発信等をしたり、意見を収集したりということをしております。
それから、社内の懇親会というものもありまして、特に、年始に全国一斉ほぼ同じ日に全ての事業所で新年の懇親会を定時後に行うのですけれども、そういったことから始まって各事業所で、適宜、懇親会等をして意見交換をしていると伺っています。
それから、経営状況説明会というものをやっておりまして、これは年に4回、四半期ごとの決算が終わった後、社内に向けて取締役が直接、今の経営状況についてどうであるかということを説明する機会を設けております。会議室に入れる人数が限られていますので、そこに集まれる方と、それ以外については、各自席でビデオ会議を通じて、内容について理解するという取組をしています。
それから、目標管理制度を導入していまして、これに関する面談が年6回ありますので、平均すると2カ月に1回何かしらの面談を上司と部下とで行っています。
それから、それ以外にキャリア面談ということを始めておりまして、将来についてのキャリアをどう積んでいくかというようなことを年に1回、上司と部下とでやるという取組もしています。
それと、社内報やメルマガも発行しておりまして、情報発信の部分については、さまざまな角度から行っておりますし、それから意見を収集するという部分についても、面談であるとか、懇親会等を使って、会社としても収集しております。
これ以外にも、後ほど佐藤委員の資料にも書かれているかと思いますけれども、経営幹部が直接各事業所に赴いて、キャラバンのような形で意見交換をしている取組も行っています。
一方、労働組合につきましては、年3回職場会というものを開催しておりまして、こちらについては※印になっておりますけれども、2018年の8月から2019年の7月の1年間で、全国で約900回程度、参加者数は約1万人の方に参加していただいて、各職場の状況を労働組合として伺っています。
それ以外には、メールであるとか、電話であるとか、それから、ウェブのお問い合わせフォームなどで相談窓口を用意しておりまして、これは随時受け付けております。
情報発信という意味では、機関誌であるとかメルマガ、ホームページ、フェイスブック等を設置して、こちらから労働組合の取組について、情報発信をしています。
これらについて、効果と課題をまとめております。まず、効果についてですけれども、それぞれチャネルを設けておりますが、一般的に、事前協議制と言ってもいいのかもしれませんが、そういった対応をとっておりますので、労使間の意見調整を経た上で、会社と施策に合意できるというメリットを感じています。
言いかえると、組合員の意見を、そういった協議の中で、ダイレクトに反映しやすいと考えています。
それから、合意の結果であるとか、プロセスをしっかりと書面に残しておりますので、後からその内容が正しかったのか、あるいは改善する点等がどういうところにあるのかという検証が可能だと効果を感じているところです。
課題については、業界の特徴なのかもしれませんが、事業展開のスピードが物すごく速いので、会社として行いたい施策というのもどんどん出てきます。そういう意味では、これだけチャネルを設けてはいるのですけれども、十分な論議が行えないという場合もあります。
また、担当している労使のメンバーも、ずっとそこで働いているわけではありませんので、そういう意味では、メンバーの入れかえがある中で、書面等は残しているものの、過去の論議の積み重ねということを全て把握して引き継げているとは言えない部分もあり、この点が課題と感じています。
それから、労使協議の対象事項について、これもメンバーの入れ替わりに関連しますけれども、例えば、定年退職者の再雇用に対する制度の扱いであるとか、管理職にかかわるような制度の扱いなどについては、会社としては労働組合に説明する必要があるのかといったようなことも意見であったりしまして、認識のずれが生じる場合もあります。
以上が一般的な労使間のコミュニケーションの状況になります。
次のスライドからは、RPAの導入状況について触れたいと思います。
まず、RPAの導入に当たりまして、大きく3つぐらいのポイントが挙げられるかと思います。
まず1つは、何のためにRPAを導入しているかということです。当然ながら業務の効率化なのですが、手作業の業務がたくさんありますので、そういったことをデジタル化していきたいということと、それに関連しますけれども、業務のデジタルトランスフォーメーションを促進したいということで、RPAの導入をしています。
それぞれの狙いとしては、働き方改革ということもありますし、ミスや不正の防止などを目的とした品質の向上、あるいは仕事によっては属人化しておりますので、こういったことをRPAに対応させることによって属人化を防止することです。
当然ながら、さまざまな手作業が発生しているのに合わせてコストもかかっておりますので、コスト削減という狙いもあります。
2つ目については、RPAを導入するにあたって、RPAそのものについての認識を高めていかないと、なかなか導入が進まないということもあります。
そういう意味では、RPAへの置き換えありきではなくて、業務を効率化する、あるいは業務の品質を高めるということの手段の1つだということを、まず、理解してもらうということが必要だと言われています。
また、何となく簡単にできるのではないかという意識も持っている社員も多いようなのですけれども、実は、そんなに簡単に導入できるわけではなくて、操作スキルの習得が必ず必要ですし、それから業務をシナリオ化していくのですが、これをつくる、あるいはこれを継続して維持していくというような体制が必要なのだということも認識してもらわないと、うまく導入できないということです。
それから、導入しさえすれば何でも全て解決するかというと、そういうわけではなくて、RPAが全部完璧で、何でもできるという認識は持たないように、業務の一部の置き換えから始めていきましょうということを啓発していると聞いております。
それから、RPAを導入するに当たっての支援体制ですけれども、社内にRPAポータルサイトというものを設置して、RPAというのはどういうものかという説明、あるいは、今、お話ししたようなことをまとめた資料の掲載であるとか、研修会、勉強会開催の周知、それから各部で入れたRPAを紹介し合って、内容がいいものについて、表彰というか褒めたたえるコンテストを開催したり、あるいはヘルプデスクを設置するというようなことをしています。
12枚目のスライドでは、具体的にどんな仕事にRPAを導入しているかというのを大まかに拾ってきました。幅広い部門からわかりやすい業務を拾ってきましたけれども、人事部門であれば、いろいろな証明書を発行したりしますので、そういったものを各システムから自動的に持ってくる作業にRPAを導入したり、あるいは、経理部門ですと為替レートを何らかのシステムへ登録するときに、ウェブから持ってきて、それを自動的に登録する作業であったり、また運用部門では、内容は私も具体的にわかりませんけれども、衛星回線のサービスもしておりますので、太陽の雑音というのがあるそうなのですが、それの発生時間データというのを、どこかのホームページから自動的に収集して、それを何らかのシステム等に反映するというようなものも含めて、いろいろな部門でさまざまなRPA化に挑戦しているという状況です。
これ以外にもたくさんあるのですけれども、この中には、案件によっては年間数千時間分の削減をした例というのもあるそうですし、それから削減時間がゼロ、ほぼないというものでも、先ほどお話ししましたとおり、品質の向上ということで、その仕事の正確性を向上させるために導入している事例もあると聞いております。
最後に、これらRPAの導入についても、効果と課題ということでまとめております。
まず、効果につきましては、こういった業務の効率化が少しずつ進展しておりますので、その分あいた労働力を高付加価値の仕事にシフトするというところです。
それから、RPAを導入する過程で、やはり業務の棚卸しというのは必ずしなければいけませんので、棚卸しをしている最中に業務整理ができるという内容です。
課題については、これも先ほど触れたことと少し重複しますけれども、RPAを導入していくに当たっては、サポートやバックアップというのは必ず必要で、現場だけではできないという内容です。
また、若干情緒的な表現ですが、RPA自体が魔法のツールではなく、できることと、できないことがあるのですが、これも各部門だけで見極められるかというと、なかなかそうでもなくて、結果的に、これら2つの課題を含めて、部門によって内製するということが難しくて、外部から専門家を入れて導入せざるを得ないということもあるそうです。
この点については、実は我々労働組合としても、手作業の作業があって、これにRPAを入れようと思ったのですけれども、なかなかそういった知識等がありませんので、外部の方にお願いしてRPAにしようとしたところ、結果的にはマクロで済んだとか、そういったような事例もあります。
これらRPAの導入における労使間のコミュニケーションはどうなっているかということですけれども、個別のRPA導入に当たっての労使間でのコミュニケーションというのは行っておりません。ただし、そういった技術を入れることによって、組織改正が発生するとか、あるいは配置転換が発生するという場合には、先ほど御紹介した各種チャネルの中で確認するという営みをしております。
それから、現時点でRPAを導入したことによって人員削減が起きているかというと、そこまでではなくて、業務が少し軽くなって、これまで手をつけなくてはいけないなと思っていたような仕事に取りかかれるということになっており、全体としては業務シフトの範囲内だと思っておりますので、現時点では労働組合としても、各事業所でRPAの導入についてはポジティブに受けとめているという状況でございます。
駆け足になりましたが、私からの説明は以上となります。
ありがとうございました。
○守島座長 ありがとうございました。
質問等は、佐藤委員の発表の後で受けたいと思います。
それでは、佐藤委員、よろしくお願いいたします。
○佐藤委員 では、よろしくお願いいたします。NECの佐藤千佳と申します。
NECの中で、カルチャー変革本部というのが2018年に設立されまして、その部と、もう一つ人材組織開発部というところを、今、担当しています。
取組の事例の御紹介ということで、2018年のカルチャー変革の中でやってきているコミュニケーションの取組を中心に、今日は、お話ししたいと思います。
最初に少しNECの概要、それから、労使コミュニケーション事例ということで数枚用意していますが、メインとしましては、その変革のプロジェクト、社内で使っている名称、Project RISEというのですが、その御紹介。
それから、テーマにも入っておりますAI、RPAの活用業務事例というところにも触れたいと思います。
まず、NEC、日本電気についてですけれども、創業は1899年ということで、昨年の7月に120周年を迎えました。
昨年の3月の時点の売り上げが3兆弱というところになります。
そして従業員数ですけれども、NEC本体単独では約2万人、そして関係会社、海外を含めまして連結で11万人と少しというところになります。
本社単独のところの2万人の内訳ですが、ほぼほぼ正社員ということで、1万9800人。それから、パート社員や契約社員が若干いるというような状況になっています。
事業の変遷ですけれども、4ページになりますが、120年前は電話機・交換機の会社で始まりました。それで、日本で初めての外資系企業だったのです。ウェスタンエレクトリックというところとの合弁で始まりまして、それからいろいろと有線/無線通信機器、パソコンや携帯半導体、そして、現在の社会ソリューション事業、ICTサービスというところに変遷をしてきています。
次の5ページは、労使のコミュニケーション、従来型のところだけで5つ挙げていますけれども、上の2つ、ワークシステム検討委員会と、そして労使協議会というのが組合執行部の場になります。
最初のワークシステム検討委員会は、月1回ぐらいの頻度で人事総務部の担当とやっておりまして、これが労使協議会の前段にもなるような形にもなっています。
労使協議会は年2回というところで、社長と、あと、管理部門、スタッフ部門の役員が中心になって出ておりまして、そしてテーマに挙がってくるところのビジネスユニット、営業系、そういったところの担当執行役員も参加をし、組合の執行部との経営に関する事項、そして、最近はカルチャーや事業の変革というところもテーマに議論をしております。
ほかに社員と結ぶホットラインで、コンプライアンスホットラインや人権ホットラインというものもあります。
最後は、従業員サーベイというところで、エンゲージメントスコアを測るということで、年に1回、それから四半期に一度、もう少しクイックな形で、パルスサーベイというものも、今、始めております。
そのProject RISEなのですが、6ページからになります。
2018年7月に社員の力を最大限に引き出す改革を断行というところで始まりました。
当時は119年目でしたので、その大改革ということでうたっています。
そのバックグラウンド、背景なのですが、2018年の1月、7ページにありますけれども、この時点で3年間の2020の中期経営計画を社内外に発表したのです。3本の柱というところで発表しています。
御覧いただいている真ん中あたりに3つありますが、左の収益構造の改革というのは、数字の上でボトムラインを大きくしていく話、それから真ん中の成長の実現はトップラインを大きくしていく話なのですが、加えて、一番右に実行力の改革というものを立てています。
これが社員の力を最大限に引き出すというところなのですが、これ以前に、NECがこれまで打ち出してきた中計を、途中でおろさなければいけないと。つまり、申し上げているいろいろな数字をきちんと達成することができないというような非常に難しい業況がありました。
それは、なぜかというと、綿密ないろいろな戦略、プランを立てているというところの問題よりも、実際にそれをやり抜く力というところに問題があるということで、実行力の改革というのを挙げています。
下の吹き出しのところに3点ありますが、経営の結果を厳しく問う。そしてイノベーティブな行動や挑戦を促す。市場の変化・複雑化にスピーディーに対応するということで、当たり前と言えば、当たり前の3点なのですけれども、こういったことが、それまできちんとできていなかったという大反省で2020の中計を発表しています。
その中計を、少し後のページにも出てきますが、社員にいろいろな形でコミュニケーションを取っていく中に、もっともっとNECの中には不確定、そして広い、いろいろな課題があるというのが声として上がってきました。
それらをまとめて、この8ページにあります変革のキードライバーという6つを掲げて、Project RISEを、今、推進しています。
時計の針の12時のところから申し上げますと、経営力、ここのところの戦略を明確に示せる、そして、それを実行していくだけの経営力ということの再構築が必要だという話。
それから、左下「責任の明確化とフェアな評価」とありますが、きちんとしたコミットメントを立てて、一人ひとりの役員から始まって、それを1年間の中で達成していって、そして、できた、できないということを明確にしながら評価に結びつけていくという話。
それから、その下に「プロセスと仕事のシンプル化」というのがあります。これは社員の声で最も大きく上がってきたものの1つです。
本質的なところで仕事を集中してやっていきたいと社員が思っていても、まだまだ複雑な、いろいろなプロセスですとか、余り付加価値がないような仕事に忙殺されていますというところのプロセスと仕事のシンプル化という問題も挙がってきました。
それから、右上のところで、オープンでわかりやすいコミュニケーション、これは、今日少し後で詳しく御説明する部分になりますが、それまでのNECというのが、いろいろなトップのメッセージですとか、あるいはいろいろな部門から社員に対して発信されるものが、単に通知する、通達するというだけにとどまっていたのです。制度を変えても、この制度がこういうものに変わりましたとか、そんな形でやってくるだけだったのですけれども、それですと、ちっとも伝わらないということがあって、もう少しその辺をオープンでわかりやすい、本当に伝わるコミュニケーションにしようというのが1つあります。
その下、Code of Valuesというのが社内用語なのですけれども、その浸透とマインドセットチェンジ。これは、中計の発表の最初から入れていた部分になります。
それまで、評価というものを数字的な業績のところだけで見ていたのですけれども、そうではなくて、やはりそれをどうやって達成したかですとか、あるいはニッチに落ちているような三遊間の仕事をどのように拾って、チームワークで結果を最大限にしたかですとか、いろいろなNEC社員がきちんと体現するべき行動というのを明確にして、それをCode of Valuesと名づけまして、それを浸透させて、マインドセットを変えていく。
そうしたことが全てうまく回ってくようになってこそ、一番下にありますけれども、当初の中計の目標の1つである、社員の主体性、創造性を引き出す仕組みになるということで、この6つの変革のキードライバーを置いて、Project RISEをやっております。
次の9ページなのですが、コミュニケーションの改革を、ここから少し御紹介をしていきます。
先ほど申し上げたように、それまでのNECの社内でのコミュニケーションというのが、本当に会社側が言いたいことだけを、非常に読みにくい文書で出すというだけだったのですけれども、それではつながらないということで、いろいろな中計に始まり、変革、制度の変更、なぜこれをやっていくのかみたいなところを、社員と対話をしながら、双方向のコミュニケーションをしていこうということで、2018年からかなりスタイルを変えてきています。
でき上がったものをぼんと出すだけではなくて、ものによっては、でき上がるまでの段階で、フィールドの声、社員の声あるいはリーダーの声を聞いて、そのフィードバックを最終化するために生かしていくというような循環、そこのところもすごく意識しているところです。
ということで、下に3点ありますけれども、コミュニケーション、発信すればよいというだけではなくて、受けとめる側の心を動かして行動変容を促すためのメッセージや、その届け方というのを意識しながら、それから、それが本当に届いているか、変革が起きているかというところを、Voice of Employees、社員の声をきちんと収集して、また、よりよい施策に反映すること。
そして、もう少し広くは、四半期ごとにパルスサーベイといったような形で、今、どのぐらいそれが浸透し理解され、そして行動に結びついているかというようなところもモニタリングをしています。
少しお手元の資料で写真を消しているものがあるのですが、人の顔がそのままですので、回収資料と、このスクリーンのほうだけになりますけれども、これは役員が、社員とface to faceで向き合って、いろいろなダイアログをしてきたという写真の御紹介になります。
向かって一番左の少し大き目の写真が、社長の新野が全国を4カ月間ぐらいかけて、事業所、それから海外も含めてですけれども、行脚をして、そこに集まった社員に対して、自らの言葉で中計を説明し、質問を受けて答えて、中には答えられないような、答えに窮するようなものもあったのですけれども、そういった場を持ちながら、それから限られた時間で受けられる質問というのは少ないですので、参加者に事後アンケートをして、そこからも声を吸い上げるということをやってきました。
結果としては、国内は8万人ぐらいの社員がおりますが、約1万人の全体の社員とface to faceの場を持つことができ、ここから上がってきた声、アンケートの結果みたいなものも、なるべく速報値で、これをウェブサイトに全社員に公開をして、非常に経営陣、会社にとって耳の痛いコメントもありましたけれども、そういったところも出しながら、それに対してどうアクションを起こしていくのだということも共有をするようにしています。
こちらが、それら集まった声の事例です。
人事評価制度とその運用への疑問というのは、かなり出てきました。
当然、評価制度はあったわけなのですけれども、あっただけでも、それが人事側の思いのとおり運用されているかというと、そうではなかったりとか、それから、使っている側、リーダーや社員の側から見て、運用への疑問というところが大分ありました。
それから、下のほうにもありますけれども、事業戦略とその具体的な実行計画のあり方に対する疑問というのがありますが、やはり、打ち上げるだけでは非常にわかりにくいので、そこをきちんと説明をしていくとか、何か目標みたいなものがあるだけではなくて、そこにたどり着く道ということが、実行計画として本当に明確になっているかということも、かなり疑問が上がってきていました。
そんなこんなが、先ほどの6つのキードライバーというところにも結びついています。
次の12ページも、コミュニケーションをしているところの幾つかの写真になりますが、海外に2万人強のNECグループ社員がおります。なかなか、日本に本社がありながら、グローバルの社員とつながるというところが希薄でした。NECグループの一体感みたいなものを出すような内容を届けることができていなかったのですが、2018年に海外の部門の体制も組織も変えながら、そこの部門2万人強を見るリーダーが、こうしたITツールなども使いながら、リアルタイムで社員同士を結んで、本社の声を届けました。また、海外からも声を集めるというようなこともやってきました。
それから、少し違う形のコミュニケーションが13ページになります。
ここまで申し上げたのが、どちらかというと、トップから社員というトップダウンみたいな形のコミュニケーションのやり方が多かったのですけれども、今度はフィールドから会社側、経営陣側に上げていくというようなものになります。
2018年に始めたチェンジエージェントという仕組みが、その1つなのですが、Project RISEという変革をドライブしていく上で、現場を巻き込むということと、あと、人事的な観点にもなりますけれども、そうしたいろいろな活動通して次世代のリーダーを育成したいというのがありまして、チェンジエージェントという仕組みを始めました。
これは、今、日本国内だけでやっていますが、第1期として、NEC本体、グループ会社を含めて31名の次世代のリーダーのような人材が上がってきまして、彼ら、彼女らと一緒に、変革のプロジェクトを進めたり、あるいは会社側のProject RISEやCode of Values、そういったものの意味合いを、チェンジエージェントを介して現場に届けていったり、それから現場の声で、なかなか会社の経営陣にダイレクトに伝わってこないようなものを吸い上げてもらったりというようなことで、プロジェクトやエバンジリストの活動をやっています。
これが初年度は、かなり最初はトライアンドエラーという形だったのですけれども、だんだんうまく回るようになってきまして、いろいろな形で成果、効果があるということで、2年度目、第2期は80名体制に拡大をして、今、やっているところです。
次のページは、オフィスの中の写真、BASEというものの御紹介になります。
これも働き方改革みたいなところから出てきた話なのですが、だんだん社内のコミュニケーションでも、テレワークが進んでいったりとか、いろいろな部門やグループ会社と協業する機会が多くなる中に、やはり社員が集まってコミュニケーションが活性化できるような、そういう場が必要ということで、Co-working Spaceを、これは本社の中に1つつくったものですけれども、去年の5月にスタートしました。
これも社員のいろいろな知恵を結集しまして、私たちが、一人ひとりの社員として、チームとして、組織として、会社として、パフォーマンスを最大化して、お客様やマーケットに価値を提供するためには、どういう場所、どういう働き方が必要かといったようなコンセプトから議論始めて、その結果の形が、このBASEというのが1つの事例になります。
いろいろな思いが、それぞれのエリアにこもっているのですけれども、この場所のネーミングも、私たちが集まる場所、BASEということで、社員から公募して決まった名前になります。
今、このBASEのコンセプト、名前を同じく使いながら、違う事業所にも展開をしていくというのをやっています。
少し裏話的に申し上げますと、今、社内のオフィスの中で、いろいろな部門を次々とオフィス改革をやっているのですが、やはり、1つのビルから違うビルにごそっと引っ越しをするわけではないので、玉突きの工事になるのです。
そうしますと、やはり部門によっては、1年も2年も待たなければ自分たちの番が回ってこないところもあります。
そういったところに対しては、このようなCo-working Space、共有スペースも同時並行で提供しながら、こちらも使ってもらえるような、そして、この場所が、NECグループ全員が朝の7時から夜の10時まで、予約することもなしに、ここに来て仕事ができるというような場所になっています。
次は、15、16ページで、先ほど申し上げたパルスサーベイの御紹介になります。
いろいろな改革を始めてから、2018年度10月、四半期にサーベイをすることを始めました。
15項目ぐらいの質問で、本当に短い時間に、社員に答えてもらう。少し感覚的なところも含めて答えるような内容なのですけれども、ここの進捗というのを下のほうに示しています。
これは定点観測で、初回のサーベイの2018年10月と、直近のところの昨年2019年の10月を比較しています。
15項目ぐらいあるのですが、ここに3項目を挙げています。
この間に、ポイントがどのぐらい上がったかというものなのですけれども、1点目は、自分自身の、先ほどNECグループが目指すべき行動というところの、Code of Values、これをどのぐらい実践しているかというところの体感値、これは4ポイントアップ。
それから業務効率の進捗、これはプロセスのシンプル化というところがかなり多いのですけれども、13ポイントアップ。
それからスマートな働き方というところは、テレワークがかなり占めますが、25ポイントアップということで、1年少したって、比較的形から入るというのは否めないかなと思っています。
変化がどう来ているかというのは、やはりテレワークが実践しやすくなっているとか、プロセスが非常に速くなり、シンプル化されたというようなことがあって、すごく実感されているのですが、もう少し定性的なところ、目指すべき行動というのがきちんと体現できているかみたいなところになると、まだまだということで、マインドセットみたいなところを変えてくのは非常に大変だなというのが実感です。
16ページは、パルスサーベイをこんな形で、各事業部門別のスコアを速報値でProject RISEの社内のウェブサイトに公開して、悪い部門について何かお尻をたたくとかそういうことではなくて、よい結果が出ている部門に着目して、そのプラクティスを学んで、ほかの部門も共有していくというようなことをやっています。
17ページは、Code of Valuesの御紹介になります。
言っていることは、もしかしたら、ほかの企業さんでもよくあるようなリーダーシップバリューなどに似ているものなのですけれども、5項目に絞って、このCode of Values、行動基準を全NECグループ社員がきちんと体現をしていくのだと。
そのために、これを評価制度に入れていったりとか、仕事する上で、何か決めごとをするときにここに戻って、この観点からすると、ここのディシジョンはこうなるといったようなことを議論しながら使っています。
実は、このCode of Valuesも最終化するときに、同じ内容を全く別の表現でワンセット持っていました。
例えば、今御覧なっているので、上から申し上げますと、外向き思考、戦略性、パッション、スピード、組織の成長みたいな表現だったのです。
その表現と、少しやわらかい表現のどちらを最終版にしますかというのを、いろいろなとこで議論したのですが、最終的にはこちらで。
なぜならば、コミュニケーションの変革でやろうとしていることのとおりで、これを打ち出したときに社員の心が響いて、自ら行動を変えることができるかという観点に立つと、やはりこちらの、少し問いかけるような表現にするべきということで、このセットになりました。
今、この半年ぐらいから新たな取組で始めているのが、次のページに「挑戦する人の、NEC。」とありますが、Project RISEは、まだ続いています。
その中でやっていることは、かなり人事のマターが多いのです。ということで、今度は人事が主管部署として、いろいろな制度の改革、それからストーリーをどう社員に伝えていくのだというところに乗り出しています。
わかりやすくというところで、これからのNECがどうならなければならないというのを、少しコピーライティングのような形で打ち出して、今、社員に届けようとしています。
「挑戦する人の、NEC。」ということで、それまで受け身、待ちの姿勢だったカルチャーを変えていきたいと。
次のページにもありますが、ポスターみたいなものもつくりまして、社員にいろいろ訴えています。
多様な挑戦機会ですとか成長の機会、それからフェアな評価や次につながるリワード。そして最後が、社員一人ひとりがベストを尽くせるソフトの環境、カルチャーと、ハードの環境、オフィスなどというところで4点を挙げて、これをきちんと具現化するための会社のあり方、制度のあり方というところに挑戦をし、逆にこれと反するようなものをどんどん改めるということを、今、やっています。
最後に少し、AI・RPAの御紹介、3枚用意しています。
20ページですけれども、これは、売上計上審査の業務を自動化しましたということになります。つまり、そこを主管している部門のスタッフの仕事がかなり自動化しましたという話なのです。
手元の資料を私のところで調べた結果が出ているのですが、売上計上審査の業務というのが、営業のほうでやってきたのですけれども、これが年に約21万件ありまして、そのほとんどを、今、RPAで自動化することに成功しました。
右下にありますが、時間換算すると、月に約400時間ぐらいが削減できたということになります。
それから、次のページは、社内の問い合わせ対応業務のチャットボットによる自動化です。
人事、総務とか、そういったところの問い合わせというのを社員が寄せますけれども、典型的なものや簡単なものというのを、チャットボットを使って、そこで答えを出していく。
それで、チャットボットがどんどん学習をしていって、より価値のある答えを貯めていく、そんなことを、今、始めています。
これは、問い合わせを受ける側の業務も減りますし、問い合わせする社員の便利さというところもすごくあります。
最後の事例は、従業員による経費精算業務ということで、これは、社員の自分自身の時間がすごく削減できる部分なのですが、外出ですとか、出張ですとか、いろいろな交通費が発生するわけなのですけれども、それらを交通系のICカードを使いながらConcurという生産のシステム、そちらに自動取り込みができるようなところで、今、運用を始めています。これも、大体一月に1人の社員が25回ぐらいConcurというシステムを利用するのですが、1回利用するに当たって、20分弱ぐらい、自動化していないときには手間暇がかかります。
これが自動化されたということで、月当たり、1人の社員当たり約50分の削減効果というのがあります。
右半分にありますところは、今、まだ実証中なのですけれども、運用までは入っていないのですが、さらには社員一人ひとりが、自身が使っているいろいろな予定表、カレンダーのITのところをきちんと入れることによって、そこから自動で、いろいろな交通費の精算に結びつくような、そんなところまで今、いけるという実証が進んでおります。
申し上げたような形で、主管する部門の業務が削減されたり、それから、実際にそれを使う利用者の社員の時間が削減されたりというところで効果が出つつありますが、これによって、そこの担当していた業務が、一切担当者が要らなくなって、何か人員削減とか、そういったところに結びつくかというと、そういったことは、まだ出ていないです。恐らくこれからもそこまではいかなくて、付加価値のある仕事に、よりシフトできるのだというところで、こういった時間が捻出できれば、もっともっと社員が人としてやるべき仕事というのがたくさんありますので、そういったところができるようになるというのが次のステージだと思いますし、そんなところに、きちんと準備ができるような行動をしていくというのが、Code of Valuesという形になっています。
最後、23ページですけれども、簡単に労使コミュニケーションという観点で、効果と課題を書いてみました。
左側、効果ですけれども、コミュニケーションというのが、カルチャーを変えていくとか、それから働き方を変えていく、ビジネスを変えていくというところに影響は大です。
ということで、我々もProject RISEという形で変革をしていくときに、コミュニケーションというのは広い意味で捉えて、このやり方というのをすごく変えてきています。
それは、どういうことかというと、2点目にあるとおりで、以前の単に通知する、発信するというところから、もう少しストーリーを語りながら、なぜ、これをやっていくのか、みたいな説明を伝える。
これも伝えた側は、自分はもう伝えたからというだけでとどまっていてはいけないので、本当にそれが伝わっているというところまで深化していくというのが、コミュニケーションの中で、今、できつつあるところです。
そして、何かやってく上で、例えば、人事が制度を完璧につくって、はいどうぞ、現場で使ってくださいというようなやり方ではなくて、途中途中でうまくフィードバックを取り込むことで、よりよい結果にもなりますし、それから途中で巻き込まれた側というのも、一緒につくり上げたということでコミットメントが高まるみたいなところもあります。
そして、外部からの認知を活用し、エンゲージメント向上とありますけれども、これもコミュニケーションの1つです。
社内でいろいろなこと発信をしていても、それが、例えば社外で認められたニュースになったみたいなところがありますと、また、これは社員のエンゲージメントが上がるのです。ということもあって、うまく社外の認知というのも活用しようとしています。
一方で、課題、右側ですが、コミュニケーションが重要になればなるほど、今度はリーダーやマネージャーが、自分の部門のメンバーや社員に対してどういうコミュニケーションをやっていくのだということで、今まで以上に、そこの能力の向上というのが必須になってきます。ここが、今、取り組んでいますが、なかなか大きな課題だなと思っています。
それから、ICTなどがいろいろと活用される中には、だんだんテレワークなども含めて、バーチャル、face to faceではないようなコミュニケーションというのが増えていくのですけれども、当然それだけに偏ってしまうと、非常によろしくないので、リアル、意図的にface to faceの場をつくっていくとか、全社員が集まるような場を、機会をつくるとか、そういったバランスの確保というのが課題になってきています。
そして、3点目は、会社と組合というのが、当然、私どもにもあるわけですが、社員へ、組合員も含めたコミュニケーションですとか、いろいろな働きかけの中で、役割分担あるいは違う言い方をしますとコラボレーションをどうしてくのだと、目的は同じなのだけれども、それぞれの役割やアプローチの仕方をどう分けていって、最終的に大きな成果に結びつけていくのだというところが、これまでとは少し違う、会社がかなり、経営陣がかなり直接に組合員、社員に対してアプローチもするようになっていますので、その中で、お互いにとっての新しい形、コラボレーションを模索するというのも課題の1つだと捉えています。
以上、非常に駆け足でしたけれども、弊社の取組の御紹介でした。
どうもありがとうございました。
○守島座長 佐藤さん、どうも、ありがとうございました。
それでは、お二人の御説明が終わったので、質疑応答、自由討議に入りたいと思います。
ただいまの両委員からの御説明とか御発表に関して、質問とか御意見のある方は、どうぞ挙手をお願いしたいと思います。
どうぞ。
○仁平委員 どうも御説明ありがとうございました。やはり実際の話を聞けるというのは、非常にありがたいと思っておりまして、後藤委員からは組合を通じた労使のコミュニケーションのお話をいただきましたし、佐藤委員のほうからは、経営者層が現場の声を、従業員とそれこそ双方向で、どうやって丁寧に拾っていくかということについて、、先進的なお話を聞かせていただいて本当ありがとうございます。
そういう意味で、お二人に共通していたのは、今、職場も仕事もいろいろと変わっていく中で、変えようとするにはコミュニケーションをとっていくこと自体が非常に大事なことなのではないか、ということかと思いました。です。
また、私は組合の立場ということもあるのかもしれませんが、同じ一人の労働者とコミュニケーションをとる場合でも、やはり相手が誰なのかということで、コミュニケーションの中身は違うのではないかと考えております。このように丁寧に現場の声を双方向で聞くやりとりは、同じように組合も経営層もやっているのだろうと思うのですけれども、どうしても一人ひとりの労働者の立場からすると、どう自分は発言することで評価をされるのだろうかとか、前向きなことは言いやすいけれども、余りマイナスのことを言ってしまっていいのだろうか、という不安や逡巡する気持ちというのは、私などは思うところがあります。そういう意味で、トップの方が全社員と対話をしたり、人事評価のフィードバックをしていくということは非常に大事なことなのだろうと思いますが、現場の生の声のプラスの部分だけではなくて、技術革新が生み出す光と影というお話がありましたが、その影の話も含めて、マイナスの部分をきちんと伝えられることが、いろいろな変革をしていく上で大事ではないかと思っております。コミュニケーションを取っておけば良いのだということではなくて、さまざまなレベルでプラスもマイナスもしっかりとコミュニケーションがとれ、それを通じて認識が職場の中で醸成され、合意形成ができ、それが全体の公益性につながっていくという流れかと思いました。
○守島座長 ありがとうございます。
どなたか、ほかに。
どうぞ。
○佐藤委員 ありがとうございます。本当にポイントは、そのとおりだと思っています。
やはり、会社、経営人、人事に対して直接に上がってくる声と、それから組合執行部などに対して寄せられる声では、やはり少しレベル、温度感ですかね、そこが違うと思います。
それから、サーベイをやっても少し違うのです。やはり組合側のほうに、もう少し切実な声というのか、そういったところは寄せられています。ですので、会社側としてやったものだけで結果だと思わずに、多方面から組合を通してのいろいろな意見といったものも、含めながら判断していく必要があると思っています。
それと広いところにアプローチするには、人事や経営陣だけではとても手も回らないところもありますので、そこは本当に、組合執行部、組合側にいろいろとやってもらっているというところも多々あります。
○守島座長 ありがとうございます。
では、大竹委員。
○大竹委員 御説明ありがとうございました。
後藤委員に、質問したいのですけれども、13ページ目にRPA導入に当たって、事前のコミュニケーションはとっていないけれども、組織改正、配置転換が発生する場合には確認するということなのですが、この確認というのは、事前にそういうことが起こるということが予測されるときはやるという意味なのか、それとも事後的にRPAを導入したら、これだけ人員が余ったので組織改編をやりたいということを会社が言ってきた段階で、初めてやるということなのか、どちらなのかというのを教えていただけますか。
○後藤委員 具体的に、RPAを入れたことによってコミュニケーションをとったかというと、実は、今のところはないのですけれども、過去の事例では、あるサービスを終了させる場合には、会社からそれに従事していた人たちは、こっちのほうに移ってもらいますということを事前の協議の中で提案してきますので、それをもとに、一旦その職場で働いている人たちに意見を聞いて、その意見をまた協議の場に持ってきて、最終的に合意するのか、あるいは修正してもらうのかということを行っていますので、そのような取り組みを援用して、今後、もしRPAを導入することで、大規模な人員の削減が発生するとか、あるいはその部署がもうなくなるとかいうことがあるようであれば、対応していきたいと思っております。ですが、現時点では、もう既にいろいろな部署でRPAの導入をしていますので、もしかすると、入れたことによって若干の削減が見込まれることが事後的に発生する場合には、事後だからといってやらないということではなくて、発生する事象については、きちんと労使で議論していくという枠組で進めているということです。
○大竹委員 RPAの導入の効果にもよると思うのですけれども、例えば、NECさんの例でも、いただい資料を見ると、大規模に何人も削減というよりは、担当者一人あるいは非常勤職員、社員が要るか、要らなくなるかというオーダーのものが、実際には多いような気がするのです。
ですから、その程度だと、組織がどうのこうのとかという話には、余りならないような気もするのです。ですから、どちらもかなり正社員が多い組織なのですけれども、正社員の場合には、ほかの業務もやっている方が多くて、その一部が減ったから、佐藤委員もおっしゃいましたけれども、ほかのもっと大事な仕事に移ればいいというのがあると思います。RPAに業務が変わっていくのは、むしろ派遣社員だとか非常勤職員が担当されている仕事が中心なのだと思います。
だから、RPAの導入によって非正規社員の仕事が減るという部分が出てきたときには、正社員の問題ではないので余り労使で議論するとかという話になりにくいのかなという印象もあるのですが。
○後藤委員 現時点では、例えば派遣社員の方、契約社員の方がやってくれているような仕事をRPAに変えたからといって、その周辺の仕事がまだまだあるものですから、その中で業務のシフトをしていただいているというのが現状です。
ですが、これがどんどん進んでいったときには、御指摘いただいたとおり、もう雇用契約を解除しましょうということにもなってきますので、そういったときには、どういうふうに会社へアプローチをしていけばいいかは、課題だと認識しています。
○守島座長 ありがとうございました。
ほかに、では、戎野委員、お願いします。
○戎野委員 御説明どうもありがとうございました。
RPAの導入、また、そこにおけるコミュニケーションの実態と課題ということについて、現状を理解でき大変勉強になりました。
お2人に御質問申し上げたいのですが、私はお話を伺う中で、いわゆる技術革新に対する社員の教育、社員というのは広い意味ですけれども、その教育とともに、それに伴う、いわゆるコミュニケーション能力への教育というものが、同時並行的にとても大事なのではないかということを感じました。
そこで、後藤委員ですと、10ページのところにコミュニケーションの課題、佐藤委員ですと、最後のページに課題があります。後藤委員のほうのお話ですと、例えば、労使双方のメンバーの入れかえがあって、理論の積み重ね、また、発展というのが、いろいろ難しい点があるということでした。
また、佐藤委員のほうですと、リーダー、マネージャーのコミュニケーション能力の向上が一層図られることが望まれるとあります。
今後一層RPAなどを導入していく中では、今まで以上にコミュニケーションの充実というものが重要になってくると思われますが、コミュニケーション能力の向上に向けての今後のあり方や、教育等についてのお考え、また、すでに現在実施されていること等がありましたら教えていただきたいと思います。
○後藤委員 ありがとうございます。
それはすごく大きな課題として捉えていまして、会社としてもさまざまな研修は行っています。ところが、コミュニケーション能力というのは、何か字を覚えたり、単語を覚えたりするようなものではありませんので、一筋縄ではいかないというのは会社も思っていますし、例えば、いろいろな面談の機会を会社として用意はしていて、その中で、繰り返し、繰り返しコミュニケーションをとることによって、実地でどういう話を聞き出したらいいか、あるいはどういうふうに諭したらいいかということをやってはいるとは思います。それでも当然ながら組合員からは、きちんとしたコミュニケーションをとってもらえないといった意見は常に寄せられていますので、これは何か正解があるかというと、なかなかそこにはたどり着いていないのですけれども、さまざまな機会を捉えて研修を提供していくということは、会社側としてやっているのだろうと思います。
それに対して、組合側としては、何が課題かわかってもらえなければ、能力の上げようもないと思っていますので、職場会であるとか、あるいは相談窓口に寄せられた内容を会社側にフィードバックすることによって、組合員の視点からは、こういったコミュニケーションのとり方に不安を感じているということをお伝えして、そのポイントについて改善していただくということを繰り返し、繰り返しやっていくしかないかと、今のところは考えています。
一方で、労使双方のメンバーの入れ替わりというところについては、どんどん新しいことをやりたいということが会社にもありますし、それに組合としてもついていかなければいけないのですけれども、当然、過去にどういった議論をしているかということを、きちんと踏まえた上で積み重ねていかないといけない部分がありますので、それについては、組合の内部のほうでも過去の経緯についてしっかりとレクチャーをしていかなければならないと思っています。
例えば、新しい組合役員に対してきちんとレクチャーをするであるとか、あるいは会社側に対しても、労使で確認した過去の資料というのは、労働組合のほうでも保管していますので、会社側に、実はこういう過去の積み重ねがあるのだということをお伝えして、その上で議論を展開するということをやっているのですけれども、結果的には、地道な、そういった取組を積み重ねていくしか、今のところ我々としては方法を見出せていないというところが現状です。
○佐藤委員 コミュニケーション能力のアップで、やっていることと、あと、これからやろうとしていることがあります。
1つは、パフォーマンスマネジメントの中で、やはり上司、マネージャーが一人ひとりの部下ときちんと対面をして、フィードバックを与えていくというのを、もちろんこれまでも制度はあったのですが、そのフィードバックのクオリティを上げるということで、人事が主導しながら、いろいろとトレーニングしたりしています。
もう1つは、少し毛色は違いますけれども、リーダーが複数の社員ですとか、全社に対して何かメッセージなど出すときに、ストーリーで語るということです。ここは少し難しくて、まだ道半ばなのですけれども、何のためにやるのだとか、ここにどういう思いがあるのだとか、そういったところを本当に自分の思いみたいなものも込めながら、きちんと文書や口頭で伝えていく力をつけるというのを少しずつ上からやろうとしています。
あとは、部門から全社に発信するところのコミュニケーションなのですけれども、これは能力アップというか、心がけて変えてきているところになりますが、例えば、昨年の10月でNECの中で、コアタイムなしのスーパーフレックスに制度を変えました。
恐らく今までですと、制度がこうなって、何時から何時まで深夜時間帯を除いて、自分でコアタイムなしで働いていいですみたいな制度の説明で終わっていたと思うのですが、今回はそうではなくて、これを使いながら、どんなふうにしてパフォーマンスを上げていくのかですとか、自分だけよければいいという制度ではないので、周りのこと考えたときに、おのずと社会人としてこういう使い方はだめとか、そんな制度で縛るというよりもストーリーで語って、一人ひとりの社員が自立して自分で考えてもらうというようなアプローチに変えています。
それから、少しデジタルのコミュニケーションというところで、今、能力アップでやっているのは、だんだんメールだけではなくて、いろいろな社内のSNSですとか、ツールも増えてきていますけれども、単にメールなチャットに変わりましたというだけでは何も効果がないので、それぞれを使いながら、どうやってITコミュニケーションツールを活用していくのかみたいなところは、これ全社員に対して、今、能力アップのための活動を始めています。
例えば、会議にしても、同じ部屋の中でやっていれば、ファシリテーションのやり方というのはありますけれども、電話の向こうや、ビデオだったりすると、ファシリテーションの仕方ひとつも変わってきますので、そんなところで、どういうふうにしてやっていくかみたいなことを教育するとか、そんなところに、今、着手し始めています。
○守島座長 では、大竹委員。
○大竹委員 佐藤委員に質問したいと思います。コミュニケーションを、トップから下からの両方の方向で強化するということに大々的に取り組んでいらっしゃることを知ることができて、大変勉強になりました。
私は、大阪大学で執行部をやっていたことがあるのですけれども、自分としては各部局に一生懸命伝えたつもりが、全く相手に伝わってなかったというのがよくありました。今は部局の一教授に戻りましたけれども、全く本部でやっていることに関心がなくなり、大学の執行部が何をやろうとしているのかをよく知らない状況になっています。トップとボトムの間にはこれだけの非対称性があるのだというのを実感しています。
だから逆に言うと、そのくらいトップが一生懸命やらないと、全く伝わらないというのが、そのとおりなので、こういう取組というのは、もっと知られたほうがいいなと思って聞いていました。
もう一つ、行動経済学をやっている者としては、非常にうれしいことが幾つかあります。NECさんで重視されている心を動かし行動変容を促すメッセージとその届け方を工夫するというのは、まさに行動経済学のナッジの考え方なので、こういうことに取り組んでいらっしゃるということに感銘を受けたということです。
それから、効果のところで同じことなのですけれども、通知するというところから伝わるまでの進化です。これは、先ほどの行動変容を促すようなメッセージを工夫するということで、それが出てきたということなのだと思うのです。
質問は、今までは通知するというのがface to faceでできていたのだけれども、ホワイトカラーを中心に、あるいはネットで行うようになったから通知するというのでは伝わらないということが、非常に深刻な問題になってきたから、こういうことをなさったのではないかと私は思っているのですが、その予想が正しいのかということが1つです。
それから、これについての課題というのが、一部の人がそういうノウハウを身につけることはできても、末端の人までこの能力を身につけていかないと、多分、効果は出てこないと思うのです。
私も大学で、学部の事務の人が回してくるメールというのは、一体自分は何をしたらいいのかを全くわからないメールがたくさん来るのですけれども、だから各職員が、そのくらいのノウハウを持たないと、やはり時間の節約あるいは行動変容につながるようなことまで出てこないと思います。
各職員がそのような技能を身につけていくのは、かなり大変だろうなと思います。私の質問は、そのような技能を身につけていくという課題というのは結構大きいのかどうかということです。社員を教育するためのプログラムを作っていらっしゃると先ほどおっしゃいましたけれども、どのようなものなのでしょうか。例えば、ビデオで学習できるとか、そういう形のものまでやって、それを全員受けるという形になっているのかということを教えていただければと思います。
○佐藤委員 まず、最初にコメントをいただいた、時代も変わってきたので通知するだけでは伝わらないというところは、まさにそうでもあり、もう一つは、それはさておきで、2018年にエンゲージメントサーベイ、全社員のサーベイをやったときに、かなりのスコアで低く上がってきたのが、経営陣のメッセージがわからない、伝わってこないと。
それを経営陣に公開したときに、自分はこんなに伝えているのにと、愕然としたところがありました。
ですので、これは時代が変わったことは、また別物で、やはり、言っているほうは伝えたつもりでも伝わっていないなというのがわかったと。
それから、教育のところというか能力のところは本当に大変です。ただ、コミュニケーションの能力というのが、これまで以上に、やはり部門を率いるリーダー、マネージャーのも資質、要件であり、そこ自体が仕事の1つですというところを明確にして、そのための能力アップもしますけれども、そこで評価もする。
もしかしたら、そこの能力が追いついてこない人は、マネージャーには向かないのかもしれないぐらいのところも議論したりはしています。
全員が、本当にコミュニケーション能力がアップできたらいいのですけれども、そこはやはりなかなか難しいかなとは思いますが、マジョリティーが、そうした能力をきちんと身につけられるようにはしていきたいです。
ビデオのトレーニングといったものは、どちらかというとデジタルのコミュニケーションの仕方みたいなもので、余り長い物をつくっても飽きてしまうので、マイクロラーニング的に5分とか7分とか、短いものの種類をたくさん用意して、それを学んでもらうようなことを今から始めようと思っています。
○守島座長 では、池田委員。
○池田委員 後藤委員、佐藤委員、御報告ありがとうございました。
お二人の御報告を拝聴して私が感じたことなのですけれども、お二人の報告に、恐らく共通することとしては、労使で新しい技術を導入し、あるいは経営上の目標を達成する上で労使コミュニケーションを図っていくのが非常に有意義だということは、分かりました。同時に、お二人の御報告の共通するベースとして、今、経営のスピード感が非常に速まっているという認識があるように感じられました。
ですので、その2つを前提にすると、非常に難しい問題が起きるような気がしておりまして、今どきの経営というのは、スピード感を求められるのだけれども、しかし、同時に新しいことを始めるには、労使コミュニケーションを図ることが有意義だということです。しかし、どちらも両立すれば望ましいわけですけれども、これを両立させるというのは、かなり困難を伴うのではないかと私には感じられまして、綿密にコミュニケーションをとればとるほど時間はかかるわけです。そうすると、スピード感というのは失われるという関係にあるのではないかと思いますので、そこら辺のバランシングといいますか、スピード感とコミュニケーションの両立というか、共存というか、あるいはそこが相矛盾するというように認識されているのであれば、それについてどのようにお二人がお考えかを伺わせていただきたい。
それと絡むかもしれませんが、お二人の業種というのは、私の理解では非常に対照的で、KDDIは、恐らく中心になっている事業は規制産業ではないかと思うのですが、一方で、NECは非規制産業を中心に試されているのではないかと思います。
その業種というか、業界の違いというか、そういうものがコミュニケーションとか、あるいはスピード感のようなものに影響があるのかどうかも教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
コミュニケーションを綿密に、よりクオリティの高いものをやってくという重要性と、本当に、このスピードに勝っていくというのは、両立しなければいけないところです。
相反するかもしれないのですけれども、どんなことやっているかというと、先ほど申し上げたように、何かを100%完成させてからコミュニケーションをするというようなことではなくて、7割、8割みたいなものを関係する人たちと議論を始めながら、そして巻き込みながら最終な成果にして全社に発表するとか、どこの時点からコミュニケーションを始めるかみたいなスタートポイントを、もっと前倒しすることで、多少スピード感というのが出てくるかなということ。
あとは、やはりどれだけ忖度なく、社員から経営陣にであるとか、そういったところで話がお互いにできるか。オープンなフラットな組織やカルチャーというのがきちんと醸成されているかとか、そこも一緒に取り組まないと、形式を重んじて、多くのプロセスを経てコミュニケーションしているようだと、本当にスピードが阻害されるということで、両方です。でも本当に綿密というか、クオリティの高いコミュニケーションの重要性は変わらなくて、そこをぞんざいにすると、三歩進んだつもりでも、また、二歩下がってしまうようなことになると思います。
業界の違いというところは、少しよく理解できない部分なので、できたらお願いします。
○後藤委員 まずスピードのところについて、相矛盾するのではないかというところは、まさにそのとおりだと思います。
ただ、労働者側にとっては、会社が発展して、それで事業が拡大して、最終的には給料が増えたらいいなとか、あるいは、いい環境で働けるようになったらいいなということを、会社に対して求めていくという役割がありますので、目指す目先のゴールの長短は会社側と働いている側とでは違う部分はあるのだろうと思います。
そういう意味で、例えば、ある案件を労使で解決していくに当たって、会社はとにかくもうすぐにでもやりたいとは言っても、我々の視点からすると、結果、働いている人たちが、それを回していかなければ達成できない部分もあります。やはり働いている人たちが腹落ちしないと、幾らスピードを上げてやっていきたいと言っても、やったはいいけれども、結果、出力が上がらなかったら意味がないので、そこは議論をして、案件によっては会社が予定している時期にスタートできないようなものというのもあります。
それに対して、当然会社側としては、組合にフラストレーションを持っている部分もあるとは思うのですけれども、そこはやはり、どれだけ労使がそのことについて、お互い理解し合えるかということだと思います。
あと組合側としても、会社のスピードについていけるように、これまでのようなスピード感ではない政策というか、組合としてのスタンスというものもきちんとつくっていかなければいけないというところは、訓練しながらやっていかなければいけないと思っています。
業界の規制に関しては、どちらかというと、通信事業のほうの規制は、スピードを若干緩めさせられるような規制のほうが多いのではないかと思いますので、余り規制がかかったからといって、それによって働き方が変わらなくてはいけない、あるいはそれまで労使で合意していたようなものを取りやめなければいけないというようなことは、今のところは余りないと思っています。
以上です。
○守島座長 ありがとうございました。
ほかに、どうぞ。
○羽柴委員 非常に参考なるプレゼンをいただきまして、ありがとうございました。
両者に、もし、コメントをいただけたらありがたいなと思うのですが、NECさまで取り組んでおられる経営改革ですとか、KDDIさまの事業そのものが、デジタルトランスフォーメーションといった社会的な変革を牽引するものであるとともに、自らの組織内も変革していこうというお話と思います。
労使コミュニケーションにおいて、前回、座長から、AI等によって労使で話し合うコンテンツ自体も変わっていくかもしれないというお話がございました。また、日本企業の従業員エンゲージメントは、決して高いレベルになく、グローバルでのエンゲージメントサーベイでは、場合によっては他国に比べ日本がかなり低くなる傾向もある中で、従業員に対してオーナーシップを取り戻して、自らが学び成長し、組織のチェンジリーダーになって頂きたいというコミュニケーションをしていくのが、果たして会社側だけでいいのかとも思います。
社員の自立性やエンゲージメントをより高めていくために、労働組合は、コミュニケーションなどどのような取組をしていくべきなのか、事例やお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○後藤委員 今、お話がありましたとおり、確かに技術が進展していって、これまで培ってきた経験であるとか、知識だけで乗り越えられるような状況ではなくなってきているということについては、そのとおりですし、KDDI労働組合についても、そういった課題を持っています。
そういう意味で、今年や向こう2年間の組合の活動方針の1つに、組合員のエンプロイアビリティを高めるであるとか、会社とのエンゲージメントを強めるということがあります。あるいはそういったことをやりながらも、結局そういうことについて行けない人たちもいるかもしれないですし、環境がそうさせているかもしれないので、新しい時代に向けて、誰1人取り残さないようなことをしていきたいと考えております。
そういう意味では、きちんと労使でセーフティーネットをつくっていくという、この3点を活動の方針に据えて、労働組合としてできることは何かということを、今、探っているところです。そういう意味では、自ら自律的に働き続けていけるように、あるいは働いてもらいたいと価値を認めてもらえるような組合員になっていきましょうという啓発も含め、セミナーを御案内したりとか、あるいは組合自身として、そういった機会を提供するということも行っているところです。
○佐藤委員 NECの場合は、会社側と組合側で、やっていることが結構似ているのだけれども、アプローチが違うというのがあるのだと思うのです。
似ているというのは、例えば、社員全体の、何度か述べましたけれども、エンゲージメントサーベイ、そういったものの結果を使いながら、改善するべき、フォーカスするべき点がどこなのかということで、会社は会社としてやりますし、組合側も組合側として、いろいろ事業場なども回りながら、そこの対策をとっています。
あと、社員が自立して、力をつけていくというところに対して、会社側がやっていることもありますけれども、組合側でも執行部が中心になりながら、いろいろな勉強会、社内外の有識者を連れてきて、そういった場で啓蒙、啓発していくみたいなところもやっています。
ですので、やっているアイテム自体はすごく似ているのですけれども、やはり詳細の内容ですとか、アプローチの仕方を少し変えながら、双方向というか、双方がやっていって、社員全体のエンゲージメントを高めていきたいというところです。
○守島座長 では、佐久間委員。
○佐久間委員 今日はありがとうございました。
私からは1点質問と、その後、少し感想を述べさせていただきたいと思います。
まず、質問につきましては、本日、説明いただきました委員の方につきましては、ありがとうございました。KDDIさんも非常に大きい会社なものですから、社員と経営層とをつなぐコミュニケーションツールということのあり方というか、そういうのが、非常にある面では苦労されているのだろうなということも感じております。
そこの中で、単体の会社と、あと、連結の関係があります。1次・2次のサプライヤー、クォーターさんの関係とか、そういうので、どこまでが、今、皆さん方が使われているシステムが及んでいるのか、どこまでを仲間というか、適用させているのかをお伺いしたいことが質問でございます。
感想は、今回のご説明はRPAというテーマで、コミュニケーションツールにおけるRPAということを焦点に宛て、多分、発表をいただいたと思いますが、今までずっと培われてきて、そして、今のシステムの姿というのがあると思います。
KDDIさんのほうの資料の中にもありますが、各部門間で、こういうものを入れていただきたいとか、その部門と部門をつなぐやり方とか、多分、これを御説明していただくと時間がかかってしまうと思うのですけれども、中小企業の場合、実際には、今、御説明していただいたのを、やっとグループウェアとか、そういうのを用いながら、今後は、それを分析し、組織内にいかに取り入れていくのかなというのを感じたところです。業務の効率化から中小企業では取り組んできているわけですけれども、それから一歩進んで、今、ようやく「攻めのIT」というのですかね、これを経済産業省の方でも進めてきましたが、それを生かしながら、経営にどう取り込んでいくかということの事例というのが随分増えてきていると思います。
NECさんやKDDIさんが、先進的に、かつ、過去の経緯から現在のシステムに続いているシステムは、まだ中小企業では人数等が少ない分、導入できていないし、やりにくいところもあったり、あとは製造の現場とか、そちらの業種になっていくと、ようやくQCとか、そういうのをやりながら、相対に徹しながら、皆の意見を吸い上げていって経営に生かしていくということを行っている状況です。
これから、また本検討会の会合でも議論になっていくと思うのですけれども、そういう先進的なシステム等を生かしながら、今後、失われていく業務、またはAIでの効果で、どちらかというと、効率的なものとなり、新たな業務が生み出されることにつながっていくのかなということを感じたところでございます。
ありがとうございます。
○後藤委員 KDDIグループは、世界を含めて、たくさんの関連会社があります。
しかしながら、その中で、KDDI労働組合のネットワークが伸びているのは、この資料にある3社しかないのです。そうすると、その3社以外については、残念ながら組合の取組というのは行われていないというのが実情なのですけれども、ただ、KDDI本体から、いろいろなところに出向している人たちがいますので、その出向している組合員であるとか、組合の役員も出向している場合もあるのですが、そこをキーにして、そこの会社の状況というのは、組合として収集して、KDDI労働組合はそこには組織を持っていないのだけれども、こういう課題があるみたいですよ、ということを会社のほうに伝えるという役割はしています。
一方で、KDDI本社でやっているさまざまな取組というのは、基本的には、KDDIの本社の中だけで閉じているのですけれども、似たような取組は、それぞれの会社の状況に合わせてカスタマイズして行っているようですので、何となくグループ全体的には、同じようなことをそれぞれの場所でやっているという状況です。
あと、ITに関しては、セキュリティの問題であるとか、情報資産の問題がありますので、全部がつながっているということではありませんので、それぞれ必要に応じたところだけ厳密にして、つないでいるところ、つながっていないところというのがあるようです。
○佐藤委員 NECの場合なのですけれども、Project RISEですとか、今日御紹介したものは、全て連結です。
とは言っても、単体のところから深く始めていますので、これを広げていく、海外も含めてというところは、少しフェーズをずらしながらというところはあります。
それができるように、例えば、御紹介したCode of Valuesですとか、ああいったものも評価に使っていくわけなのですが、少し緩やかな感じの表現にしていて、NECグループの中でも、生産ラインを持っているような工場もありますし、海外もあります。いろいろなところがありますけれども、自分たちで議論を重ねることで、この意味合いが自分たちの法人、自分たちの職種に、どういう意味かというのも応用できるような、そんなところを意識して、いろいろなものをつくっています。
海外においては、M&Aも盛んなのですが、新しくNECグループに入った会社においても、適切なタイミングに同じような制度、同じようなフィロソフィーというのを展開するというのをやって、それによってNECファミリーというのをつくろうとしています。
○守島座長 では、鬼丸委員。
○鬼丸委員 すみません、いろいろお話をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
大変な熱量をかけて新しいシステムを構築しようと努力なさっていたり、あるいはスピード感のある変化にどのように時宜を得た対応をしようと努めていらっしゃるかということを勉強させていただきました。
その上で、ちょっとした疑問なのですけれども、お教えいただきたいと思っております。
このような新しいRPAの導入などによって業務が効率化される、品質の向上が図られるといった、たくさんのよい面があるということを勉強させていただきました。改めて、その点、すばらしい効果があるのだなと感じました。
それが、一方では、業務負担の軽減ですとか、働き方改革にも資するようなものであるということも十分勉強させていただきました。
一方で、1人の社員の立場に立ってみたときに、特に、先ほど例としてお聞かせいただきました経理の一定の業務が自動化できて、新しいシステムに置きかわりましたというときに、御本人にとっては、一面では、今まで培ってきた熟練の解体ですとか、今まで長い間積み重ねてきたスキルが役に立たなくなってしまうというような、個人のキャリアの中では小さな出来事ではないと考えるのです。
もちろん、そういったことについて、社として新しいいろいろなケアをなさっていると思うのですが、そういった面についてお教えていただきたいということ。また、それは組合として別の面から捉えることもできるかと思いますので、そういったことについてお教えていただきたいと考えております。
そのようなことは、実は新しい技術を導入するに当たって改めて気づかされたのですが、KDDI労組様のスライドの13枚目のところで、導入に対して通常業務の合間に対応しなければならない面も生じる、サポートやバックアップなどで生じるといったところになりますと、通常業務に加えて一時的とはいえ、付加的にさらに業務が重なったり、あるいは労使コミュニケーションで、今、NEC様の例でもお伺いしたのですが、マネージャーのコミュニケーション能力向上のために、新たにトレーニングをする必要があるかもしれないとなってきますと、やはりこれも新たな負担になる面も、やはり発生することがあり得るかなと考えたのです。
そのように考えたときに、一時的あるいは新たにスキルを磨くために、時間的あるいはそのトータルの業務量の中で見たときの負荷について、どのようなお取組をなさっているのか、あるいは組合として経営側にどのような働きかけを行っていらっしゃるのかということについて、お教えていただければと思います。
よろしくお願いいたします。
○後藤委員 ありがとうございます。
まず、最初の個人にとっての視点という意味では、御指摘のとおりかと思います。
ただ、先ほどもお話があったとおり、そのまま放置していても、どんどん技術が進展していってしまうと、否応なく活躍する場がなくなってきて、最終的に、自ら働く場所を失ってしまい、チャンスを逃してしまうと組合としては思っています。そういう意味では、技術の進展というのは、これまでもあったことですし、本検討会の前段にある基本部会の中でもありましたとおり、いよいよもってホワイトカラーの職場に、こういったことが進展してきているのだとなると、そこに対して逃げるのではなくて、やはり真正面から向き合っていかなくてはいけないと思っています。
そういう意味では、マインドセットを変えるということも佐藤委員のほうにありましたけれども、同じように新しい環境に対してどう向き合っていくかということを1人で考えさせるよりは、そこに対して、組合としては寄り添っていきたいと思っていますので、そういう取組をしながら、気持ちの面と、それから技術的な面については、研修を受けてもらうとか、あるいは会社のほうにそういう機会を提供してもらうようにしていくということだと思っています。
そうは言っても、例えばRPAを導入するに当たっては、先ほど御指摘いただいたように、通常業務の合間で対応しなくてはいけないということは出ています。
これについては、専門の別の部署を設けてサポート体制を整えるなどということをしているのですけれども、前段に話したように、その業務がRPA化されていくということは、その業務に携わっている人しか、当然ながら詳しくわからない部分もありますので、その方は、やはり巻き込まれていかなければいけないですし、その巻き込まれ方を放置するのではなくて、あらゆる面でサポートをして、社内にはないのであれば、社外からノウハウを貸してもらって行うということです。。
ですので、一時的な負荷は当然出てくるのですけれども、そこについて負荷のボリュームと労働時間の長短というのは、必ず見ていかなければいけないですし、あるいは健康面での配慮ということはしながら、どのくらいの期間をかけてRPA化を実現していくかということとのバランスではないかなと思いますし、そこで出てくる課題については、組合側としても現場の役員を通じて拾い上げて、改善ポイントがあれば改善を会社に依頼するということで対応していっているということです。
○佐藤委員 NECの現在の状況で言うと、いろいろな業務は自動化、簡素化されていますけれども、1人の社員をとったときに、その人の仕事100%がなくなってしまうような状況は、やはりなくて、チームの中で合わせると何人分ですみたいな、そんな感じなのです。
ですので、そこはそんなに深刻な状況には、今はなっていないのですが、時間ができたから次に何をする、何をするための技術、知識を身につけるというようなやり方ですと、もう後手に回ってしまうので、やはり2、3年先を見据えた上で、こういったマインドセットとか、こういったスキルが必要というのがあれば、それを順次学習してもらうとか。
あと学習するだけではなくて、何か変わるときは、そうは言っても自分の仕事の何十%がなくなるというような恐怖感みたいなものを持っている人はいますので、チェンジマネジメントというところに、今すごく力を入れていて、何かをIT化するとか、何かを集約するときに、そこに携わる社員の人たちをなるべく早目に巻き込んで、そして変わることの意味とか、変わってから新たにどんなことをやっていくのだみたいなことを話していったりとか、その辺もかなり時間やエネルギーを費やしているところになります。
○守島座長 ありがとうございます。
佐藤委員に、最後にお伺いをしたいのですけれども、一部の新聞報道で、NECは、いわゆる高度技術革新みたいなものに対応するために、人員削減と、それから、これも新聞で話題になりましたけれども、新入社員に1000万円みたいな話が少しあって、それがどこまでというのは、またいろいろ議論ができる。
その辺のところは、今の話と、どう整合性というか、つながってくるというか。
○佐藤委員 人員削減の話は、構造改革の1つとして、2018年度に発表し、その年1年間ぐらいでやったものなのですけれども、AIとかRPAに業務がとってかわられたのでというようなところは全く関連がないです。
ただ、やはり、もう少し計画的にきちんと社員を入れていくというようなヘッドカウントとか人員数の管理みたいなところが、もう少しきちんとやりようがあったところが、結果的に膨れてしまっていたというのが原因になっています。
あと、新卒社員で1000万円というのは、新聞にもメディアにも出ているとおりなのですけれども、まだ実例数は本当に少ないです。
技術系の社員になりますので、本当に学生のうちから論文をどういったところに出していて、どのぐらい通されているかとか、そんなところも図りながら、きちんと証明された人に対して高額を払うということを始めています。
○守島座長 ありがとうございました。そろそろ時間なのですけれども、お二人のお話を伺いしていて、今回のこの検討会というのは、AIと労使コミュニケーションというものを多少対立的というか、2つの別物だというふうに考えているように思うのですけれども、佐藤委員の話を聞いていて、後藤委員の話もそうなのですけれども、今、多分社内のコミュニケーションのあり方自体が大きく変わっていて、それをある意味では進めるというか、進展させるためにAIというか、テクノロジーが使われているという状態にあるのではないかなという感じがしました。
その中で問題になってくるのは、皆さん方も議論していたように、労働組合とは、その中で、どういう役割を担っていくのかであるとか、個人として何をしなければいけないのかとか、個人が何かをしていくために、労働組合とか企業側が何をしていったらいいのかと、その全体像が多分1つ変わっている時代に入ってきているのかなという感じもしましたので、そういう意味では、この後のヒアリングでも、多分そういうお話というのは大分出てくると思いますので、ぜひそういう視点も持った上で議論をしていきたいなと思いました。
では、大体これぐらいで時間になりましたので、今日の検討会は、これで終わりにさせていただきたいと思います。
では、事務局から次回の日程についてアナウンスをお願いします。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 次回の検討会につきましては、2月19日の午前中を予定しております。詳細につきましては、また、事務局から御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○守島座長 では、ちょうど時間になりましたので、これで今回の検討会を終わりにさせていただきたいと思います。
どうも皆さん方、お忙しい中、あと佐藤委員、後藤委員、非常にすばらしいプレゼンテーションを大変ありがとうございました。