第93回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和元年11月29日(金)13:00~15:00

場所

厚生労働省専用第21会議室

議事

○阿部分科会長 それでは定刻となりましたので、ただいまから第93回障害者雇用分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ御参集いただきましてありがとうございます。なお、本日は倉知委員、小原委員、中川委員、長谷川委員、岡本委員、森口委員が欠席です。また、所用により14時すぎに達谷窟審議官が、14時半すぎには武石委員がそれぞれ中座されるとお聞きしております。
それでは、議事に入りたいと思います。頭撮りはここまでとなってますので、カメラ取材の方につきましては御退室いただくようお願いいたします。
本日の議題ですが、1番目に障害者雇用対策基本方針の改正について、こちらは諮問案件です。2番目が障害者活躍推進計画作成指針の策定について、これも諮問になっております。3番目が中小事業主の認定基準について。4番目が在外公館に勤務する外務公務員の取扱いについて。5番目がその他となっております。なお、本日の議題4の関係で、労働政策審議会運営規程に基づき、外務省に御出席いただくこととしております。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議題1の障害者雇用対策基本方針の改正について、事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。それでは、資料1に基づいて御説明を申し上げます。今回諮問いたします1つ目の障害者雇用対策基本方針です。諮問文の後に新旧表で付けている内容です。本方針については、平成30年から令和4年度までを運営期間としております。今回、本年6月14日に公布しております障害者の雇用促進等に関する法律の一部を改正する法律、この法改正の内容を踏まえまして、改正を行っております。
要点のみ御説明申し上げますと、まず、昨年公務部門において生じました対象障害者の不適切計上事案の経緯及びその後各種対応を行っておりますので、その点について追記をしております。また、併せて各種データについて最新のものにアップデートしているということです。それから、同じく改正によりまして創設しております中小企業の認定制度、それから所定労働時間が20時間未満の障害者の方々に対します雇用を促進するための特例給付金、これらの措置について盛り込んでおりますとともに、当分科会におきまして、各委員の皆様から頂きましたこれまでの御指摘、御意見等を踏まえて加筆修正を行っております。以上です。よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。本件については、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会に対して、障害者雇用対策基本方針の一部を改正する件(案)として、諮問がなされたところです。
当分科会としては、本件について議論を行った結果を労働政策審議会に報告したいと考えております。それでは質疑応答に移ります。御質問、御意見がありましたら、視覚・聴覚障害者の方々の皆様への情報保障の観点から、必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。それではいかがでしょうか。特にございませんでしょうか。特にないようでしたら、当分科会は厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長に御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(承認)
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは報告文(案)の配布をお願いいたします。
(報告文(案)配布)
○阿部分科会長 では、報告文(案)を読み上げます。令和元年11月29日、労働政策審議会会長鎌田耕一殿。障害者雇用分科会分科会長阿部正浩。「障害者雇用対策基本方針の一部を改正する件(案)」について。令和元年11月29日付け厚生労働省発職1129第6号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。記、厚生労働省案は妥当と認める。以上です。
この報告文(案)によって、労働政策審議会会長宛て報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○阿部分科会長 ありがとうございます。それではそのように報告をいたします。今後、労働政策審議会会長宛てに報告した後、労働政策審議会会長から厚生労働大臣に答申することとなります。ありがとうございました。
続いて、議題2の障害者活躍推進計画作成指針の策定について、事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。では、資料2に基づいて御説明を申し上げます。障害者活躍推進計画作成指針ですが、本年の改正によりまして、令和2年4月1日からその作成公表が義務化をされます。障害者活躍推進計画の策定に当たり踏まえるものとされているものでして、これまで項目ごとに箇条書きで整理をいたしておりましたが、本日諮問に当たり、文章化をしてお示しをしております。本指針についても、前回までにおおむね意見等を頂いたものを整理をして進めてまいりまして、前回特に眞壁委員から御指摘を頂いた点について最後修正をしておりますので、御確認を頂ければと思います。3ページになります。
第3の計画の作成及び実施等に関する手続の1の計画の作成の部分でして、計画作成に係る検討体制としての記載ですが、障害者である職員に対しての参画を必須とするとともに、「また」以下ですが、「アンケート等による障害者である職員の意見に加え、必要に応じて、障害者団体又は職員団体の意見の聴取・反映も重要である」というふうに御意見を踏まえて、修正をいたしております。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。本件についても、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会に対して、障害者活躍推進計画作成指針(案)の諮問がなされたところです。当分科会としては、本件について議論を行った結果を労働政策審議会に報告したいと考えております。それでは、質疑応答に移りたいと思いますが、御質問、御意見がありましたら、必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言を頂くようお願いいたします。いかがでしょうか。特にありませんか。特にないようでしたら、当分科会は厚生労働省案を妥当と認め、その旨を私から労働政策審議会会長に御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(承認)
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、報告文(案)の配布をお願いいたします。
(報告文(案)配布)
○阿部分科会長 それでは、報告文(案)を読み上げます。令和元年11月29日、労働政策審議会会長鎌田耕一殿。障害者雇用分科会分科会長阿部正浩。「障害者活躍推進計画作成指針(案)」について。令和元年11月29日付け厚生労働省発職1129第7号をもって、労働政策審議会に諮問のあった標記については、本分科会は、下記のとおり報告する。記、厚生労働省案は妥当と認める。以上です。
ただいま読み上げました報告文(案)により、労働政策審議会会長宛て報告することとして、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○阿部分科会長 ありがとうございます。それではそのように報告をいたします。今後、労働政策審議会会長宛てに報告した後、労働政策審議会長から厚生労働大臣に答申することとなります。ありがとうございました。
それでは、次に議題3の中小事業主の認定基準について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。それでは資料3に基づいて御説明します。1ページです。今回、これまでの御意見を踏まえて、認定基準について更に実行性を高めるという意味で、この間にフィージリビティのチェックをするということで企業各社に協力を頂きまして、実際に当てはめの調査を行っております。協力事業主数50社ということで、一般事業主と特例子会社が半々でして、その各企業に対して、10月25日の分科会においてお出しした案から、特に意見が多かった勤続年数成果の定着状況を図るところで15年としていた部分を削除しました。そのほか、微修正を加えた上で各社に当てはめのお願いをしたものです。調査結果の所にあるように、一般事業主は平均が28点ということで、中央値、最高値、最低値、それぞれ記載があります。特例子会社がややそれよりも高く、平均が37点ということでした。分布については、その下に記載の表のとおりです。
併せて、実は10月25日の分科会資料そのままのものになってしまったのですが、経団連、日本商工会議所にも御意見等の集約の御協力を頂いております。特に、10月25日の時点での案だったということと、十分な御説明を個々に申し上げずにざっくりと当てはめをお願いしたものですので、各社においては非常に厳し目な評価をされた所もありましたし、分からないということで全く加点せずにという取扱いで行っていた企業もありますので、これ自体がそもそもその企業の評価に直結するということではないとお含み置きいただければと思います。
いずれにしても、これらの調査を踏まえて、この調査の際に御意見等を頂いているものを一番下の所に書いてあります。認定基準の点数について45点というのが非常に高いという意見、あるいは全て「良」を取ったとしても21点しか取れないので、25点といのは高いのではないかという御意見が多数あったところです。また、認定される特例子会社については、少なくともグループ全体での法的雇用率を達成しているということを前提とすべきではないかという御意見も頂きました。
2ページ、以上を踏まえての修正案です。1点目は、評価基準に基づいて何点以上にするかということです。先ほど、平均が28点、特例子会社については37点ということがありました。そもそも、このお願いをした企業が高障求機構の好事例や大臣表彰を受けているような所、あるいは全重協、同友会等の推薦とか、そこから取組が進んでいるということで御推薦を頂いた事業所ということもありましたので、やや高めではないかということもありまして、最終的には一般事業所については20点、特例子会社については35点としてはどうかと考えております。併せて、先ほどの御意見を踏まえて、特例子会社が申請する場合にあっては、グループ全体での法定雇用率を満たしているということを前提に加えております。
3ページ、取組関係の組織面です。主な意見としては特例子会社について、親会社の役員が社長であることを評価要素に加えておりましたが、これについてなかなかそうとも言えないのではないかという御意見もあったということをもって削除をしております。それ以外にも、チームだけではなくて会議体があるとか、あるいは支援対象者の範囲が不明といったような御指摘を踏まえて、赤字の部分になりますが、修正を加えております。
4ページです。ジョブコーチではなく、都道府県認定の専門員がいるという御指摘もありまして、これを加えました。それから、専門的、基礎的な部分の具体化を図ったという見直しです。赤字の部分を御参照いただければと思います。
5ページです。特に、この事業創出については、売上高対経常利益の部分で5%の原案になっておりまして、この5%が高過ぎるという御指摘がかなりあったということと、そもそもこの財務面について見るべきなのかという御意見もあったところです。いずれにしても障害者雇用については、事業主は社会連帯の理念に基づいて、一定のハンディキャップを負った方たちを雇用する共同の責務を有しているということで、障害者雇用を持続的に安定的に進めていただくという意味で、一定の事業の継続性、持続性を見るということから、この評価項目については原案として残しておきたいと。ただし、その5%が高いという御意見を踏まえて3%と修正をしております。
6ページ、職務選定・創出の部分です。まず、特例子会社を設置したとき、あるいはそれを設置する際に、業務を割り振ったりすることがあるということで、これも職務の選定・創出に該当するのではないかという御意見や、特に職務選定の部分での職務整理票の活用ということで書いておりましたが、これがやや限定的ではないかということで、「創意工夫で職務を創出している」と比較的広く捉えられるような形でという意見を頂いております。それから、業務創出を図っていく中で、特例子会社においては、1か月ごとに新しい業務が生じているために、10年というスパンで見るのは長いのではないかという意見を反映して、職務の選定・創出については過去3年で見るということや、かなり広く取れるように「その他の創意工夫により」という追記をしています。ただ、一方で、特例子会社の場合は、設立後の取組を評価するということを明確化したいということです。また、ジョブコーチ等の活用について記載がありますが、ジョブコーチというのが精神発達と障害者特性に応じた雇用管理についてのアドバイスということですので、ここで注2にあるように、御意見として頂いた肢体不自由の方たちに対する観点を盛り込むということで、これも高障求のほうにあるのですが、障害者雇用管理サポーターの活用といったことも考えられるということも加えております。
7ページ、障害者就労施設等への発注についてです。比較的、この発注についても否定的な意見が散見されました。あるいは、発注量について年に1回でも発注したらいいのかとか、実際に実績をどういうふうに捉えるのか、金額等も設定されていない中でどういうふうに捉えるのかということ、それから、「5年間(3年間)連続して」という記載になっていたのですが、創設間もない所についてはなかなかきついといということがありましたので、それらの意見を踏まえて、5年連続というのを3年以上や、3年連続というのを1年以上という形で見ていくということです。それから、「一定以上」としているのが、一旦これは一定以上ということで、今後、事業規模に応じて様々な設定の仕方、関係部署との知見も得ながら、手引きにおいて具体化を図っていきたいということで、この段階においては一定額以上とさせていただきたいと思っております。
8ページです。こちらについても、御意見等で挙げていただいた「定義が不明」ということについては具体化を図ったり、追加的にこのような観点がという提示については加えるということで対応しております。
9ページです。原案については、過去3年間において毎年の実績を問うていたのですが、希望者がいない年度もあるということで、少なくとも1度にしていることと、やはりテレワークを行っているなど、企業の特性によっては実習の受入れとか、見学ということも難しいのではないかという御提案、セミナーや企業への指導といったことも評価してはどうかという御提案も踏まえて、ヒアリングという方式やセミナー方式等実施についても加えております。
10ページは働き方についてということです。障害者に適用されなければ評価しにくいということや、障害者個々人の状態に合わせた多様な取組があるのではないかといったような指摘も踏まえて、障害者に適用されるということを明確化した点と、その他として、比較的各種の取組を拾えるような形ということで追記をしております。
11ページ、キャリア形成及びその他の雇用管理についてということです。キャリア形成に関しての教育訓練の内容が限定的であるといったようなこと、それから、アビリンピックの参加等も評価要素としてはどうかといったような御意見ですとか、雇用管理の取組については、身体障害者の方に係る配慮に重きが置かれているのではないかという御指摘も踏まえて、特に外部連携とか社会資源を活用したような形で様々な支援機関等との連携の中での定期的な面談等、こういった取組も読めるようにしているのと、御指摘を踏まえてアビリンピック等の追記をしております。
12ページについては特段修正はありませんが、まず特例子会社の取扱いについて、個々の事業主単位で評価するものということですが、特例子会社の場合であっても、親会社とは別に、特例子会社単独での実雇用率で評価をするということで、グループ間での雇用率をクリアすることが前提ではありますが、特例子会社は単体で評価することを明確にしております。
13ページ、成果関係の定着状況についてです。当初、お出しした調査の案では勤続年数について削除しておりました。その上で、実施したものと15年の勤続年数を計算したものの調査が少し混ざっておりますので、主な意見についても両方が加わった形にはなっております。その上で、まず勤続年数15年、10年というのは非常にハードルが高いという意見と、一方で通算3年以前ということで評価した場合には、3年以前に採用している方の評価が反映されないという両面の意見がありましたので、まず勤続年数といった観点も必要ということで、15年からは少し年限を短くして、10年、5年といった形で設定をしております。また、組織再編に対しての取扱い、あるいはトライアル雇用に対しての取扱いについても参考として明確を図っております。
14ページ、満足度、ワーク・エンゲージメントということで、原案ではエンゲージメントと書いておりましたが、人事院等の様々な記載等を見ても「ワーク・エンゲージメント」という言葉が使われておりましたので、それに合わせて修正をしております。考え方等については特に変えておりませんが、前回、内田委員、小原委員から実施方法についての幾つかの意見を頂いておりますので、それについて下の*に書き加えています。例えば、知的障害者の場合に家族の代筆を認めることや、朝聞いたり夜聞いたりと、その日内において変動があるのではないかという御指摘がありましたが、これについては健常者でも同様であるということで捨象したいと考えております。
そのほか、例えばワーク・エンゲージメントについての質問について、例えばこういう問いが考えられるのではないかということで例示をしております。この辺りは手引きにおいて具体化を図って明示をしていきたいと考えております。
15ページ、キャリア形成に係る部分です。職域拡大等についての捉え方、昇格・昇進といった要素だけではなく、職域拡大等の要素も考えられるのではないかという御意見がありました。また、最賃に対しての評価で見ていたところですが、自社の過去と現在とを比較するということで、自社の成長とそれぞれの個々の障害者の成長を連動して評価すべきという御指摘だったり、あるいは加齢に伴う労働時間の短縮やハッピーリタイア等を含め、ライフステージに応じたキャリア形成の観点をもう少し多様に加えるべきではないかという御意見を頂いております。これを踏まえて、基本的には3その他のキャリア形成の所にあるように、職域拡大・正社員化・労働時間に対しての延長ということで、幾つかの複数の観点から評価ができるという形を考えております。
16ページ、情報開示についてです。原案におきましては、インターネットで公表するということで書いておりましたが、必ずしも各社にホームページが充実しているわけではないといった御指摘がありましたので、今回は厚生労働省のホームページあるいは労働局のホームページに、最終的には認定企業については情報開示をしていくと。これは、正に見える化を図っていくということで制度設計をしておりますので、そういった形で公表する際に、リンクも含めてホームページへの掲載を許可していただくことをもって加点をしていきたいと考えております。また、PDCAそれぞれの観点も踏まえた上で、毎年更新の情報をお寄せいただけるということをお約束いただくことをもって、「特に優良」と評価していきたいということで、情報開示については、厚労省あるいは労働局等の連携によってクリアができる形にしております。
一番下の注に書いておりますが、引き続き連携先の支援機関等が認定する旨を表していただければ、2項目まではそれを認めるということにしております。
17ページ、その他として様々な意見を頂いております。例えば、いわゆるこういった認定企業を構成員とする団体の評価については、繰り返し御意見を頂いたところですが、こうした団体については、認定基準を一覧化してホームページで公表していく際に、そういった団体であるということを併せてPRをしていきたいということや、その次の段階として、例えば表彰といったことや、別の認定といった枠組みについても、どういったことができるか継続して検討していきたいと考えております。ただ認定するだけではなく、その後のフォローアップやレベルアップも重要といったことや、様々な周知についての御指摘も頂いたところですので、関係機関の皆様方とも連携を図りまして、意見を踏まえて進めてまいりたいと思います。
また、広報に際しては、ダイバーシティについてきちんと取り組んでいる事業所ということが分かりやすく伝えられるような形も工夫してまいりたいと考えております。御説明としては以上です。よろしくお願いいたします。
○阿部分科会長 ありがとうございました。それでは質疑応答に移りたいと思います。御質問や御意見がありましたら、必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。それでは、門﨑委員、竹下委員の順番でよろしいでしょうか。
○門﨑委員 ありがとうございます。全日本自治団体労働組合社会福祉局長の門﨑と申します。私から、まず意見を2点と、次に質問ということで述べさせていただきたいと思います。
改めて、この認定基準を見ますと、一般の中小企業と特例子会社というのは、得点は当然、20点、35点と違うのですが、その項目が全て同じということに違和感を感じます。もう1つは、7ページの障害者就労施設等への発注の所で、やはりこれだけほかの基準と性格を異にしていて、これが入っていることにも違和感があると感じています。
次に質問です。認定制度施行後も、障害者雇用の促進に向けての評価基準ということは、最後の説明にあったとおり要素は見直していくことになるとは思うのですが、この認定制度というのは1度認定されれば、雇用率がいってないとか、法令違反などがない限りは、取り消されないものと理解しています。そうしますと、極端な話をすると、初期の認定基準で認定された企業で余りその後は何もしていない企業A社と、例えば見直された後の厳しい認定基準でも、引き続き認定されるように努力、取組を続けている企業B社があった場合、同じ認定企業の中でも、質の差というか、そういうものが出てくるのではないかなと考えます。やはり、障害者雇用の促進に向け努力を続けている企業が、より評価されるべきと考えますが、この努力というか不断の取組というか、この差が対外的に見えるような工夫は検討されているのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、事務局、お願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。まず1点目ですが、特例子会社と一般の事業所が同じ基準で評価をされているということについては、何度か御意見も頂いているところですが、これをしっかりと区分けをして、合理性があるようなそれぞれの基準を作っていくというところまで区別するということに対して、なかなか実証的なものが、今は明確にないということもあります。手引き上で、特例子会社の場合の特殊性を踏まえたような審査過程においての、いろいろな留意すべき点なども整理をしながら、運用上での担保は図っていきたいということと、その上で、やはり正に運用上の改善を柔軟に不断にやっていく中で、何か更に適切な対応があるのであれば、それについても検討はしていきたいと考えています。
発注については、この部分だけをもって何か特別に評価をするといったものではないので、様々な項目の中において1つの位置付けとして捉えているということを前提にということです。まず、障害者の活躍の場の拡大や、地域における障害者雇用の促進といった、そういった広い観点から捉えたときに、必ずしも自社の障害者雇用に対しての取組だけではなく、障害者の活躍に資する、活躍を推進するような発注といったことについて、過度にならない範囲で評価をするということも一定あっていいのではないかということです。政府全体としても、こういった取組を進めていますので、評価項目としては残させていただきたいと思っております。
認定の取消し等について、明確に今、法令違反等がない限り、あるいは雇用率の観点で計画作成命令等が掛からない限りということで、取消しがないということで、一旦その事業としては組み立てています。先ほど最後に申し上げた情報開示の部分において、毎年最新のデータで情報公開をしていただけるということを高く評価して、まずここでそれぞれフォローアップができれば望ましいのではないかということで、こういったものも設けています。その上で当然、各労働局、ハローワークがこういった認定事業所については、密にいろいろな意味での関わりを持ち続けると思いますので、そういった中でもいろいろな目配りをしながら、より適切な形でこの認定制度が運用されるように取り組んでいきたいと考えています。
○阿部分科会長 門﨑委員、よろしいですか。それでは、竹下委員、お願いいたします。
○竹下委員 日本視覚障害者団体連合会長の竹下です。2点ほど意見を述べさせていただきます。まず1点は、特例子会社に対する認定の問題です。結論としては、今の提案でやむを得ないかと思うのですが、その場合に注意していただきたいのは、そもそも特例子会社というのは、いわば親会社の障害者雇用率を達成するための便法として作り出されたシステムだと思うのです。その点で、これはあくまでも例外的と言いますか、過渡的なものとして捉えていただきたいと思っているわけです。そうでないと、障害者権利条約との関係から見ても、これが固定化されて、親会社については一向に障害者雇用に対するインクルーシブな体制というものが進化していかないとすれば、それはやはり制度としては問題ではないかと思います。さらには、特例子会社が認定企業となった場合に、その宣伝方法として、親会社あるいはグループ会社としての優良認定を受けたかのような誤解を招くようなPRには絶対になってはならないということをお願いしておきたいと思っています。これが1点目です。
2点目ですが、そもそもこの認定基準制度そのものは、頑張っている中小企業を、ある意味では応援しようというところから出発していると思うのですが、一定数そういう企業において努力した結果、認定基準に当てはまる企業が増えてくる中で、次にどうするかということを考えておくべきだろうと思っています。すなわち、認定基準制度そのものは、ある意味で障害者雇用の発展を誘導するための1方策だと思うのです。そうであれば、この認定基準に当てはまる企業が増えてくる中で、次点としてより高い水準での認定を考えるのか、あるいは障害者権利条約を念頭に置いた更なる検討をされる時期が必要ではないかと思っています。この点についても、今後の見通しについて何か考えがあればお聞きしておきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 はい、それでは事務局、お願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。まず1点目の、認定された特例子会社について、特例子会社そのものに対しての問題提起も頂いたものかと思っています。特例子会社についての考え方を含めて、障害者雇用全体の在り方といったことについても今後、本質的な議論をしていく中で、何らか深めるべき部分があれば、またそういった議論にもつなげていきたいとは思っています。
特例子会社が認定を受けたときに、その親会社を含めてのPRですが、これもメリットとして考えれば、親会社のPR力を活用させていただいた上で、こういった認定企業あるいは認定企業制度自体も、いろいろな意味での世の中に対しての周知ということにつなげることもできるかと思いますので、その辺りは御懸念の部分も十分に配慮はしたいと思いますが、ある一方でメリットとしての部分も強調しながらやってはいきたいと考えています。
今後、認定企業が増えていって、次のステージにどう入っていくかということについては、現時点において具体的にお示しできるものは用意していませんが、まずは認定企業を着実に増やしていき、社会的な認知度も高めて、認定された中小企業が社会的メリットも得ながら、障害者の取組に対して真摯に取り組んでいる姿を世の中にPRしていくということです。その次のステージについては、その段階でまた、皆様方の御意見も伺いながら検討していきたいと考えています。
○阿部分科会長 竹下委員、よろしいですか。
○竹下委員 ありがとうございました。結論としては、それでやむを得ないと思うのですが、特例子会社の関係では、片方ではこれまでの議論の中でも社長が兼務している場合とそうではない場合の議論も経過としてあったかと思います。あくまでも、特例子会社の制度としての有用性と言いますか、大枠を否定するつもりは毛頭ありませんが、グループ全体としての社会的な責任とまでは言いませんが、社会的な貢献の在り様として、いつまでも特例子会社にだけ限定した形での障害者雇用が拡大され、グループ全体でのインクルーシブな雇用体制というものが進まないということが、やはり問題かと思います。今回のこういう認定が、グループ会社のある意味での宣伝に使われることについては、やはり私は慎重に考えていただきたいということを、重ねてお願いだけして終わります。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。では、ほかにいかがでしょうか。松永委員、お願いします。
○松永委員 日立製作所の松永です。1点、意見を述べさせていただきます。13ページの定着状況の所ですが、「特に優良」と「優良」を決める要素で、1、2、3、4とあって、3の所です。社員全体の平均勤続と障害を持つ方の平均勤続年数が同等という所です。かなりハードルが高いかなと思っています。特に、ある程度設立後年数のたった企業でここ数年一生懸命に障害者の雇用に努力している企業では、ここをクリアするのはかなり厳しいと思っています。4つのうちの1つなのですが、特にこの3についてはもう少し考慮の余地はあると思っています。
○阿部分科会長 事務局、お願いします。
○池田障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課長補佐の池田です。御意見ありがとうございます。最近、取り組んできた企業というのは、基本的にはこの定着率、就職6か月後や1年後というところでカバーできるのではないかと、逆に長く取り組んできた企業で最近は必ずしも採用していないという所も拾えるようにという趣旨で追記していますので、御理解を頂ければと思います。
○阿部分科会長 ほかにいかがでしょうか。
○阿部(一)委員 日本身体障害者団体連合会の阿部です。8ページですが、スポーツ大会への参加応援等というのが評価の対象になったということは、すごく大事なことだと思います。それと言いますのも、例えば全国障害者スポーツ大会に選考会で選ばれても、なかなか参加の日程を確保できない人が多いというのも現実です。これが中小企業にとってもインセンティブになればいいなということで、とても有り難いことだと思います。
もう1つ、このスポーツ大会への参加応援等の、この「等」はどこまで入るのかということで、文化、芸術活動もあるのではないのかなと思ったり、なかなかそういうところが、わかりません。そこで、この「等」の範囲はどの辺まで想定されているかということをお伺いしたいと思いました。
○阿部分科会長 それでは、事務局お願いいたします。
○池田障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課長補佐の池田です。御指摘ありがとうございます。ここは今後、精査していきたいと思いますが、御指摘の趣旨はごもっともであって、スポーツやカラオケ、文化、芸術、あるいは幅広くいろいろな取組を聞いています。障害者の職務環境、幅広く働きやすい環境整備に資するようなものを認めていくような形で考えていきたいと思います。
○阿部(一)委員 ありがとうございます。
○阿部分科会長 ほかには。
○塩野委員 使用者側の塩野です。情報開示関係について、1つ確認をさせていただきたいと思います。評価要素の所に、加点要素(認定申請内容)を厚労省・労働局のホームページに掲載するとあります。詳細はこれから詰められるかと思いますが、例えばそれぞれの評価要素の該当項目を挙げるのか、あるいはそれぞれの項目について、各社の実績及び取組内容まで詳細に記載することを求められているのか。もし現時点で分かっていることがあれば、教えていただきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 では、事務局お願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。現時点で、明確に具体化はまだしつくしていませんが、開示したことをもって何を目指しているかというと、やはり開示することを評価するということではありますが、一方で副次的にこういったことを広く中小企業の皆様方に知らしめて、数値的な成果については、当然数字として見えてきますので、そういった成果を上げるために具体的にどのような取組があって、それが成果に結び付いているのか。言ってみれば、後追いでいろいろな活用にいかしていただくという発想ですので、余りにも抽象的な内容ということではなく、ある程度は具体的に他の会社が活用、利用、参考にできるような形ということを目指しています。
○阿部分科会長 正木委員、どうぞ。
○正木委員 日本経済団体連合会の正木です。今の塩野委員の発言にも関係するかと思うのですが、やはりエンゲージメントに関して、前回意見を申し上げさせていただいて、意見聴取の仕方について柔軟にしていただけるということで、ありがとうございます。
一方で開示のときに、障害の状況等に応じていろいろな聞き方をしているものですから、それをどう表現するのかという課題が残っていると思います。ここのところも是非、柔軟というか、今おっしゃったように、見ている方が分かるように開示の仕方は工夫をお願いたしたいと思います。
2つほど意見を申し上げます。1つは、先ほどの門﨑委員からも特例子会社についての違和感というお話がありましたが、一方で今回、経団連の中でも前回までの案を皆さんに見ていただいて、どれぐらいできそうですかと聞いたときに、特例子会社の方からも、自分の所でどういう取組みが足りないかというのがよく分かるという非常に前向きな意見もありました。やはり、こういうものにトライするということによって、もっとここを頑張ろうというところが分かるという意味では、意義があるのかなと思いました。
竹下委員からお話があったところですが、ダイバーシティインクルージョンという考え方については、私も異論はないのですが、一方で日本の雇用全体が今どうなっているのかと言いますと、ジョブ型雇用がだんだん入ってきて、仕事というものを一つ一つ切り出していって、切り分けていって、それぞれの事業会社に切り出していく。例えばホワイトハッカーのための会社を作るなど、切り出した仕事で会社をつくり、それをグループ全体でまとめながら経営をしていきましょうということが進んでいます。その中で、親会社は子会社のことを知らないという話ではなく、むしろグループ全体、さらにはサプライチェーン全体のことについても目配りをして、いろいろな対策を打っていかないといけないという形になっています。事業を切り出して、その会社にふさわしい方をアサインして、グループを運営していくということ自体は、むしろこれから増えてくるのではないかと考えており、そのことが、かえって障害者雇用を伸ばすという意味では、いいのではないかと私どもは考えています。必ずしも、同じ会社で机を並べなければダイバーシティインクルージョンにならないということではなくて、法人が別になっても一体的な経営をするかどうか。そういう経営のスタイルところに掛かってくると思いますので、その点を御紹介したいと思いまして、意見を申し上げました。
○阿部分科会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。小出委員、お願いします。
○小出委員 育成会の小出です。障害種別について、どのように考慮しているかなと。働き方など、いろいろなところで精神障害の方など、いろいろありますが、例えば定着率を考えますと、ある一定の基準以上ということ、そういう評価にはなってくると思うのです。障害種別における定着率というのは、身体、精神、知的において大分開きがあるというところもあります。そのような中、各障害種別において、認定基準というものがどのように対応をされるのかなと、私ども知的障害の保護者会ですが、そういうことが知的障害、精神障害、発達障害の方々については、どのような考慮をされているかということが、この基準の中の明記等にもう少し加えていただけると、理解が進むのではないかと思います。以上です。
○阿部分科会長 御意見として承ります。ほかにいかがですか。高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 ダンウェイの高橋です。全体的にこの1か月間、本当に真摯に向き合っていただいて、より良い方向になってきたなという印象を受けています。その点においては、感謝を申し上げます。
認定基準全体と評価要素案に関して、意見を述べさせていただきます。まず、認定基準全体に関しては、主に3点あります。1つ目は、一般事業主の合格最低点に関して、商工会議所で前回10月25日時点でのもう少し厳しいほうの認定基準案を、会員企業の数社にヒアリングをしていたところ、25点に達する企業はほとんどありませんでした。その点において、25点から20点にしていただいたことに関しては、障害者雇用に積極的な中小企業に広く認定が受けられるようになっていくということで、非常に妥当なラインであると認識しました。
2点目、3点目ですが、既に記載がありますが、あえて未来の期待とお願いという点も踏まえてお伝えします。2点目に関しては、今後、認定制度の詳細を検討される過程において、認定企業に対するインセンティブの内容も明示していただきたいです。3点目に関しては、制度創設後も評価基準、評価方法、評価要素等を見直すPDCAを実施していただくことで、本制度の目的である身近なロールモデルの量産可視化を実施していくことの必要性を、重ねてお願い申し上げます。
次に評価要素案について、2点申し上げます。1点目は、こちらも既に記載がありますが、3番の事業創出の経常利益率に関してです。えるぼし等のほかの厚生労働省認定制度では、財政面は評価項目になっていないことに加えて、約35%の中小企業は赤字であるということから、評価要素としては今後見直しが必要というか、余り適当ではないと捉えています。
最後、2点目に関しては、14番のキャリア形成の給与に当たる最低賃金の要件に関してです。最低賃金は、2016年に最低賃金の引上げに関する政府方針が示されて以来、毎年の審議において、名目GDP成長率をはじめとした各種指標や中小企業の賃上げ等、中小企業の経営実態が考慮されることなく、毎年3%台の大幅な引上げが続いていることから、そもそも評価要素に入れること自体が非常に不適当であるのではないかと考えています。ただ、一方で、最低賃金ではなくて、給与水準の前年度若しくは直近数年の伸び率を評価要素に加えるべきという意見を既に出させていただいている中で、今回の新評価要素に給与水準の伸び率を追加いただいたことで、障害のある方の待遇改善等に取り組んでいる企業を後押しする指標につながる可能性があるということに関しては、とても歓迎しています。以上です。
○阿部分科会長 ありがとうございました。何か事務局からありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 御意見として承っておきます。
○阿部分科会長 ほかにいかがですか。それでは、本日も委員の皆様の様々な観点から御意見を頂戴したと思いますので、事務局におかれましては、本日の御意見も踏まえながら内容の修正の検討や調整をした上で、省令案要綱の作成作業を速やかに進めていただき、次回の分科会において諮問していただくようお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
議題4に移りたいと思います。議題4は、在外公館に勤務する外務公務員の取扱いについてです。事務局及び外務省から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。資料4-1について、まず私から概略を御説明申し上げます。まず、背景の所で書いてありますように、昨年の事案を踏まえて、今、政府全体として合計で4,075.5人、これは1月1日から本年末の12月31日までの採用計画数としまして、この計画に基づいて障害者雇用に取り組んでいるところです。後ほど、外務省からも詳しく御説明があるかと思いますが、外務省におかれましては、本年末までに146.0人という採用計画を立てていただき、省内にオフィス・サポート・チーム等様々な取組に工夫を凝らし、職域拡大等の可能性を追求してきていただいたという現状にあります。
そのような中で、在外公館の職務である特に領事業務については、緊急事態の発生等に相手国と交渉したり、邦人の一時保護といった危機管理業務が含まれているということで、職務の特殊性があるものですから、在外公館に勤務する外務公務員を含めて、一律に雇用義務を課すということが困難であるという状況が明らかになってきたわけです。
2つ目の括弧にありますように、障害者雇用促進法においては、国及び地方公共団体の職員に対して、職務の特殊性を踏まえたときに法定雇用率を一律に適用することが困難とされている外務職員というものを、除外職員として施行令の別表に規定しております。
次ページですが、下側に現行の除外職員の規定とありますように、こういった形で政令別表として規定があります。ここにありますように、例えば警察官とか消防団員といった形で規定があり、在外公館に勤務する外務公務員も、上にある除外職員の要件と該当性の要件1、2にありますように、同種の職種が民間にない、あるいは法令上特別の権限が与えられ、その権限の行使について危険性が存在するといったことに当てはめると、先ほど申し上げた領事業務について、民間にはそういった仕事はありませんし、緊急事態が発生した段階で、全館体制で国を代表して相手国政府と交渉したり、在外公館における邦人の一時保護といったことが適切になされない場合には、邦人の生命、身体に危険が及ぶということで、言ってみれば海外においては「最後の砦」の機能として、武器は持たないものの、最前線に立って対処しなければならないといったような職務になっております。というわけで、在外公館に勤務する外務公務員については、除外職員に該当するということを確認しております。
そういうことで、資料の一番下の吹き出しのような所に書いてありますように、政令第2号のイからトの下に、チとして「在外公館(政府代表部を除く。)に勤務する外務公務員」というものを追加するということです。ここで、「政府代表部を除く」としていますのは、在外公館の中でも政府代表部は領事業務を行っておりませんで、国際機関関係業務を主として行っているということで、こちらは含めておりません。こういったことを措置することによって、外務省全体の職員約6,000人のうち、該当する除外職員は約3,000人になっておりまして、この3,000人を雇用率の算定基礎に含めないという取扱いになるということです。
もう一度上のほうに戻っていただいて、今後の取組という所を御覧ください。今回の除外職員の要件に該当することをもって規定するということにはいたしますが、こうした規定や措置自体が、現在正に、政府全体で障害者の雇用を押し進めている中で、ノーマライゼーションや障害者の活躍の推進という大きな流れにマイナスなイメージ、メッセージになってはならないということもあります。外務省におかれましては、これも後ほど詳しく御説明があるかと思いますが、今後5年間のロードマップを策定し、在外公館の雇用率の算定基礎に含めても法定雇用率を達成できるような雇用数を目指して、今後、内部での障害者のスキルアップなどの体制の整備も進めながら、先進国の在外公館を中心に、障害者の積極的かつ段階的な配置に向けて取組を進めていかれるという方針が示されたところです。
こういったことを踏まえ、今回の措置については、令和6年末までの間、本則ではなく、いわゆる附則として規定し、令和6年末までの暫定時限措置という形で、政令の改正をさせていただきたいと考えております。私からは以上です。
○金井外務省大臣官房人事課長 外務省大臣官房人事課長の金井と申します。よろしくお願い申し上げます。私からは、外務省の今後の取組について、簡潔に御説明申し上げます。資料4-2の1ページ、ロードマップと書かれた資料がありますが、こちらがただいまの御説明の中にありました今後5年間で外務省が取り組もうとしている計画です。本年12月をスタート地点として、令和6年、2024年12月までの間に、先ほど御紹介がありました在外公館の職員を除外しなかった場合に、どれだけの追加的な障害者の雇用を目指すべきかと申しますと、現状で107名の障害者の雇用を年末までに達成する見通しです。これに加えて、追加的に67名を採用いたしますと、5年後の時点でその時点の法定雇用率、恐らく2.6%に上がっているかと思いますが、こちらを達成できるまでこの雇用を促進していくという計画です。
具体的に御説明申し上げます。一律に障害者職員の方々を在外公館に赴任いただくというのは、非常に無理がありますので、障害者職員個々人の御希望、適正、健康状態、それから最も重要になりますが、赴任する先の国においてどういった障害者受入環境が整っているかといった点を総合的に勘案して、先ほど御紹介した今後5年間174名のうち、できる限り多くの障害者の職員の方々を、主に先進国の在外公館を中心に配置していく考えです。ざっくり申し上げて、外務省は今6,500名ほどいる中で、その半分の3千数百名が海外に出ております。その約7割が途上国地域で勤務しておりますが、一足飛びに途上国での勤務というのもなかなか困難を伴うことかと思いますので、先進国を中心とした在外公館に積極的な配置を考えていく次第です。
こういった目標のために、私どもが取り組もうと思っている具体的な努力が2段階に分かれております。まず、今後1、2年程度の間ですが、東京にある外務省本省の中に「オフィス・サポート・チーム」というチームを立ち上げておりまして、雇用の拡大に伴い、第1オフィス・サポート・チーム、これは約30名からなる部屋ですが、これに加えて、50名ぐらいからなる第2オフィス・サポート・チームも立ち上げました。障害者の方々に安心して外務省での勤務に慣れていただくために、まずはこのオフィス・サポート・チームに配置させていただきたいと思っております。こちらで、それぞれの個々人の適性に見合った形のスキルアップ、例えばワープロ編集機能ないしは表計算を使った表計算事務といったものに慣れていただく、ないしは文書管理事務、会計処理事務といったものにも慣れていただくということを考えております。
第2段階ですが、今後3~5年程度の間に、オフィス・サポート・チーム以外の外交の最前線の各課室に積極的に配置させていただき、例えば旅券発給業務、公報文化業務、領事業務、儀典業務、通信業務、こういった業務に慣れていただいて、スキルアップを図っていただきたいと思っております。このような能力向上の試みを通じて、ゆくゆくは在外公館に適性を持って派遣させていただくといった能力向上を、私どもで支えたいと思っております。
2ページです。今、口頭で説明申し上げたオフィス・サポート・チームについて、具体的に分かりやすくさせていただいた資料です。このオフィス・サポート・チームでは、例えば視覚障害者の方々が働きやすい環境のためにということで、拡大読書器、音声ソフト、こういったものも導入しております。身体障害者の方々にも働きやすい環境ということで、車椅子の方にもテーブルの高さを自由に昇降できる机等も御用意させていただき、また精神障害者の方々にも安心して働いていただけるように、精神科医が3名、精神保健福祉士等の支援員を11名、こういったサポートスタッフを常駐させております。
オフィス・サポート・チームでは、外務本省省内多数の各課がありますが、共通に存在するような業務、例えば出張者の旅費の精算業務といったものを各課から切り出して、オフィス・サポート・チームで勤務いただく中で、各課から発注された業務を担当いただいて各課にお返しするというような業務に慣れていただく予定です。もちろん、オフィス・サポート・チームで能力向上を遂げていただいた方は、大勢がそれ以外の各課、例えば儀典、広報文化組織、領事局等、様々な第一線の各課室で勤務、活躍いただいております。現状、これまでのところ、職場定着率は98.6%という数字を維持させていただいており、今後も障害者職員の方々の意見を取り入れながら、より一層働きやすい職場環境を維持、設置させていただきたいと思っております。
最後のページは、全国紙で取り上げられた外務省での取組の一例です。以上です。
○阿部分科会長 それでは、質疑応答に移ります。御質問や御意見がありましたら、必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。いかがでしょうか。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 日視連の竹下です。結論としては、外務省の提案はこの内容で良いのではないかと思っております。その理由を若干述べさせてもらいます。当分科会では、除外率制度については将来的にはなくしていこうという方向で決定されているかと思います。その点からしても、今回の外務省の提案というのは、除外率制度によってそれを在外公館について固定化しようという提案ではなくて、より積極的に5年計画で克服しようという提案であることを考えると、是非このことを成功させていただきたい。そして、そのことが除外率制度全体を考える上でも、1つの大きな前進になるのではないかとさえ思うところが1点目です。
もう1つは、外務省自身が、この間私の聞くところによっても、視覚障害者で申しますと職業の中心である鍼灸、マッサージという職業人を省内で採用いただくことによって、1つの福利厚生を含めた省内の職員の健康管理に結び付けようという計画もあるように聞いております。そうした前向きな取組をしていただいていることも含めて、今後一層の取組に結び付けていただくことをお願いしたいと思っております。以上です。
○阿部分科会長 では、仁平委員、どうぞ。
○仁平委員 連合の仁平です。外務省としてのこの1年間の努力には敬意を払いたいと思いますし、今後5年間の取組についても分かりました。一方でこの間、多くの府省も多大な努力をしてきました。本来の姿として除外職員制度を活用せずとも雇用率を達成できるよう、是非計画に基づいた対応を行っていくことが重要でありますし、期待したいと思っております。
その上で1つ御質問なのですが、これを前例として他省が同様の除外職員制度の活用を仮に申請してきた場合、どのように対応するのかということを教えていただければと思います。以上です。
○阿部分科会長 それでは、事務局、お願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。他の府省において、こういった除外職員にということでのお申し出があった場合ですが、基本的には資料の2ページに要件というふうに整理がなされておりますように、この除外職員については同種の職種が民間にないということと、法令上特別の権限が与えられ、その権限の行使について危険性が存在するということが、明確に法令等で確認が取れた場合にのみ、除外として該当性を認めるということになりますので、その辺りをしっかりと判断してということかと思っております。
○阿部分科会長 よろしいですか。では、正木委員、どうぞ。
○正木委員 外務省のような、こういう外交の部署というのは各国にもあるかと思います。日本の外務省というのが、他の国の同じようなセクションに比べて遜色がないというか、恥ずかしくない状態にするというのは、非常に重要ではないかなと思います。そういった意味で、ほかの国の状況等が分かれば教えてください。
○阿部分科会長 お願いいたします。
○金井外務省大臣官房人事課長 外務省人事課長の金井です。各国でどのような慣行になっているかという御質問を頂きました。私どもは、世界各国全てを網羅的に調査できているわけではありませんが、一例として、G7各国ではどうなっているかということで御説明申し上げると、例えばカナダでは、そもそも法定雇用率というものを設定していないというような慣行であると承知しております。イギリスでは、1995年に障害者雇用制度そのものを廃止していると伺っております。イタリアは、法定雇用率という制度はありますが、在外公館に勤務する職員を除外していると承知しております。フランスは、法定雇用率はありますし、在外公館も法定雇用率の計算の対象だと伺っておりますが、フランスでは障害者の定義が非常に広範でして、例えば戦争犠牲者の遺族の方々も障害者に含んでいる等、なかなか一律に比較することは難しいかと思います。
ドイツは、在外公館も障害者雇用、法定雇用率の算定の対象ではありますが、こちらも障害者という言葉の定義の90%を重度障害者と認定される方々に絞っていると伺っております。アメリカでは、障害ということについて統一した定義がなかなかないという状況だと伺っております。簡潔ですが、以上です。
○阿部分科会長 正木委員、よろしいですか。
○正木委員 ありがとうございました。遜色がないということと、かつ各国多様だということがよく理解できました。
○阿部分科会長 ほかにいかがでしょうか。特によろしいでしょうか。それでは、事務局におかれましては、本日の議論も踏まえて政令案要綱の作成作業を速やかに進めていただき、次回の分科会において諮問していただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、議題5のその他として、事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。最後は報告案件でして、資料5です。通勤や職場等における支援の在り方についてとありますが、この資料については11月25日の障害者部会においても報告がなされたものであり、かねてからこの分科会においても、私から雇用と福祉の連携強化PTというのを設置して議論しているというお話を御紹介申し上げたかと思いますけれども、現時点に至るまでの経緯と現在の状況について御報告させていただきます。
1ページです。そもそもこのプロジェクトチームは、2040年を展望した社会保障働き方改革本部、大臣を本部長としたこの本部の下に設置されているプロジェクトチームです。右側の赤い部分です。厚生労働審議官をトップとして、副主査に私どもの審議官の達窟谷審議官、障害部の橋本障害保健福祉部長、これを副主査として、毎回PTを開催している状況です。
2ページに開催状況を参考でお載せしておりますが、現在に至るまでに6回開催しています。それぞれ関係者等もお呼びしながら、内部だけの議論ではなく、多面的な御意見等も伺いながら進めてきました。真ん中にあります検討事項としては、障害者の就労支援全体の在るべき姿という非常に大きなテーマ立てもありますし、地域の就労支援機関の連携強化とか、通勤支援、職場等における支援の在り方といったような幅広いテーマ立てを検討事項として設定しております。
3ページです。このような広いテーマを設定してスタートしたPTではありますが、その後、やはり福祉と労働の施策の連携の狭間において、例えば通勤、職場等においての支援が十分になされていないのではないかといった指摘があった状況にあります。ちょっと小さな字になりますが、この資料上の※1にありますように、障害福祉サービスにおいては通勤、営業活動等の経済活動に対しての支援が対象外となっていること。一方で、私どもの障害者雇用促進法に基づく助成金においては、雇用管理のために各種職場介助等に対しての助成措置を設けておりますが、いわゆる支給期間が限定されていたり、当然のことながら上限もあったり等、助成金ということもあって、事業主が措置した分に対して助成をするというような形になっているということ。併せて、事業主について取り組むべき部分の考え方としては、過重な負担にならない範囲での合理的配慮ということが義務付けられているということになっております。
それから、今回の法改正の議論を経て、衆参両方の附帯決議において、通勤に係る障害者への継続的な支援や、職場等における支援の在り方等の検討を開始する旨が盛り込まれたところでありますし、令和元年7月30日の参議院での議員運営委員会の理事会決定事項としても、通勤や職場等における支援の在り方等について早期に検討を進め、結論を得るように求めるとされたところです。こういったことで、テーマ立ての中で、特に通勤や職場等に対する支援の在り方について、目下議論をしております。
主な論点としては、4ページに少し整理したものを載せております。まず、通勤や職場等における支援について、やはり、これについても雇用と福祉の一体的展開の下で、切れ目のない支援策を検討していくべきではないかということ。それから、通勤や職場における支援といっても、具体的にどういう目的であって、どのような性格で、またその提供の責任の所在はどこなのか、負担についてどう考えるべきかといったことを整理すべきではないかと。具体的に通勤や職場等における支援といっても、例えば呼吸器等の調整、体位の変換とか、言ってみれば生きていくための支援といった部分もあれば、業務補助といった観点もありますし、様々なものが考えられるのではないかといった御指摘がありました。
それから、支援の必要な方はどの程度いるのか、その実態はどのようなものなのかという、まずは実態をしっかりと把握した上で、どういった範囲までどのような支援をするのかということを整理していくべきではないかといったこと。検討に当たっては、やはり早期に検討を進め、スピード感を持って検討を重ね、段階的に対応策を講じる必要があるのではないかといったような論点があります。
本件については、先ほど御紹介したとおり、障害者部会でも先日御報告がなされたところでして、その部会において各委員からは、例えば現行制度で足りない部分をどう補っていくのか、雇用と福祉の連携の中でシームレスな支援が必要ではないかといった意見や、あるいは、個別企業の負担だけで考えずに、集団的責任とか社会的連帯という考え方もあるのではないかとか、労使や当事者を入れて、関係者による議論の場が必要なのではないかといったような意見があったと聞いております。報告案件としては以上です。
○阿部分科会長 ただいまの報告案件について、御質問や御意見がありましたら、必ず挙手をしていただき、私が指名した後にお名前を名乗ってから御発言いただくようお願いいたします。いかがでしょうか。では、内田委員、どうぞ。
○内田委員 御説明ありがとうございます。労働側の内田です。私からは、意見を1点申し上げたいと思います。社会とのつながりを持ちたい人とか、取り分け働くことを希望する人が、制度上の問題によって、結果として働かないという選択に至るという社会は問題があると考えております。障害の種類や程度にかかわらず働ける社会を実現するためには、国や都道府県、市町村が、通勤支援や就労、社会参加中の生活支援等を、障害福祉サービスで行うことも必要ではないでしょうか。障害者一人一人が働きやすい職場環境を整備するためには、当然職場との対話による合理的配慮は欠かせませんが、就労によって提供されなくなる生活支援を全て企業が負担することは、それもまた過重であると思います。就労形態はともかくとして、収入を得つつ生活支援を受けることができる制度の整備について、検討する必要があるのではないかと考えております。
制度を検討する際は、重度の障害を抱える方が就労中に生活支援等を受けるに当たり、ほかの福祉制度とのバランスなども考慮した上で、支援を受けられる制度とするべきではないかと思っております。また、たとえ雇用ではないにしても、有償ボランティアのような社会参加のきっかけとなる活動をしている者についても、推進できる体制を併せて検討していただけないでしょうか。以上です。
○阿部分科会長 では、御意見として承りたいと思います。ほかにいかがですか。では、高橋委員、どうぞ。
○高橋委員 ダンウェイの高橋です。今、御紹介いただいたプロジェクトについては、以前から非常に重要な視点ということを申しあげていますが、引き続き頑張っていただきたいという観点から、大きく2点述べさせていただきたいと思います。主な論点の中に、制度の狭間で働く機会が得られない等がありますが、この課題解決のためには、ベースとして障害のある本人の意思決定とか、シームレスな合理的、客観的アセスメントの重要性があると考えます。その中で、就労支援等をやっている立場として、大きく2点の課題が考えられます。
1点目に関しては、例えば総合支援法の制度である福祉と雇用のつなぎ役である管理者、サービス管理責任者とか児童発達支援管理責任者等の質の向上というのが考えられます。それをすることで、雇用促進につながるのではないかと思います。
例えば、こういった管理者の研修等は福祉の制度なので、シームレスな支援が必要という趣旨から、2019年4月から一体化した研修に変わっているかと思います。一方で、福祉側の研修に労働法関係の研修は余り触れられていなかったりするので、そういった管理者、特に就労系のサービス管理責任者等が1つのアセスメントをしなければいけない、例えば、通常の事業所に雇用することが難しい方に、就労支援を利用していただくというベースをアセスメントする管理者が労働法を余り知らないという現状だと、なかなかそこをつなぐことができなかったりしますので、その辺りも雇用側から積極的なサポートをしていただければと思います。
2点目に関しては、どちらかというと、ある制度をもっと活用できたらいいのではないかという点において、課題整理の意見を述べさせていただきます。例えば、制度設計時にはこういった理念で促進するということがあったとしても、実際の運用との乖離が生じる場合があります。既に就労継続支援A型事業所の課題等はよく議論されるところですが、それに加えて、自立、雇用の前の段階の制度、子供たちの支援をする放課後等デイサービスなど、A型も含めてこれまでも見直しされた経緯があるかと思います。昨今の一例を申しますと、放課後等デイサービスなどでは、場合によっては過剰な送迎等が目立つこともあり、それが自立の阻害をする要因になる可能性も秘めていますから、自立と社会参加を目指したサービスや、接続という点においては、既存の制度をうまく活用するという点も含めて連携につなげていただきたいと思います。以上です。
○阿部分科会長 では、御意見として承ります。ほかにいかがでしょうか。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 竹下です。2点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。今回のこの議論は、極めて前向きな議論になっていると信じておりますので、是非具体化に結び付けていただきたいわけです。それに当たり、2つお願いしたいのは、1つは働き方改革というものの枠組みを理解していない発言になるかもしれませんが、雇用形態というものにどこまでこだわるのかということがあるのかと思っております。例えば、福祉と雇用という狭間をあえて取り払った形で、雇用の場面から、先ほど前の議題で論議したように、特定の職種を切り出す形でそれを雇用形態ではない形、例えばアウトソーシングのような形を変えた形で位置付けた上で、そこに福祉と就労支援というものを一体化することはできないのかという検討もあってもいいのかと思います。これは正に、雇用あるいは労働法の縛りというか、そこでの窮屈さを取り除くことによっての、福祉と雇用の場面での1つの方策と考えられるのではないか、これが1点目です。
もう1点は全く裏返しで、支援体制ないしは支援員というものを、全くこれまでに意識されてこなかった形態での対応というのはあり得るかということだろうと思います。例えば視覚障害者等で申しますと、これまでは職場支援というものは、職場介助者という形で雇用納付金制度を利用した支援制度が実現していると。ところが他方では、通勤には同行援護事業は適用されなかったという形で、今回の場面で言うと、いわば同行援護事業の通勤への適用という形でシームレス化が図られるのかもしれませんが、逆に重訪などで、これまで入院患者に対する重訪の適用ということを、縦割りというか財源の違う所の医療と福祉の連携を実現させたという経過もあるわけです。そうすれば、今後そうした縦割りにこだわらない形で、第3の支援員制度というものが仮に創設可能であるならば、そういう形での支援も検討の視野に入れるべきではないかと思っております。これは意見として述べておきます。以上です。
○阿部分科会長 御意見として承ります。正木委員、どうぞ。
○正木委員 経団連の正木です。ただいまの竹下委員のおっしゃるようなところが正に大事だなと思います。中間就労とかソーシャルファームなど、いろいろな形がある中で、頂いた資料の10ページの国会の附帯決議のことなのですが、そこには「労使、障害者団体等が参画して、雇用施策と福祉施策の一体的展開の推進を審議できる体制を速やかに整備」ということが決議されております。今の時点で、厚労省内のプロジェクトチームでやっているのは、まず国としての責任は何かを検討するという意味で、国の中で検討されるというのは非常に良いことだと思っているのですが、今後の審議する体制で、いろいろ間にある問題、皆様が御指摘になった問題等を検討されるのは、先ほど社会保障審議会の障害者部会でも横断的な検討の場が要るのではないかという御意見があったということですけれども、具体的に今後どのような体制を考えておられるのか、もしお考えがあれば教えてください。
○阿部分科会長 それでは、御質問ですので、事務局お願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。現時点では、まだ具体的に申し上げられることはないのですが、障害部のほうともしっかりと調整しながら、何らかの対応が必要であれば適切に対応していきたいと思っております。
○阿部分科会長 よろしいですか。
○正木委員 はい。
○阿部分科会長 ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。竹下委員、どうぞ。
○竹下委員 竹下です。誤解のないために付け加えさせていただきます。あくまでも、障害者の雇用の形態そのものを前提にした制度が発展することは望むわけですが、そうした形態による、すなわち雇用という形態による就労にどうしても困難がある場合についての提案であることを、念のために付け加えておきます。
○阿部分科会長 ありがとうございます。特にほかに御意見、御質問がなければ、ただいま委員の皆様から頂いた意見を今後の議論に是非いかしていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。これで議題は全て終了しましたが、全体を通して何か御質問、御意見等はございますか。よろしいですか。それでは、本日はこれで障害者雇用分科会は終了とさせていただきたいと思います。最後に、事務局から連絡事項がございましたらお願いいたします。
○池田障害者雇用対策課課長補佐 次回の日程については、12月中旬の開催を予定しております。詳細は、追って事務局より御連絡いたします。以上です。
○阿部分科会長 本日の会議に関する議事録の署名については、労働者代表は門﨑委員に、使用者代表は塩野委員に、障害者代表は竹下委員にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本日はお忙しい中ありがとうございました。