2019年11月25日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和元年11月25日(月)15:00~

場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)

出席者

出席委員(14名)五十音順


欠席委員(7名)  (注)◎部会長 ○部会長代理
 他参考人2名

 
行政機関出席者
 
 樽見英樹(医薬・生活衛生局長)
 森和彦(大臣官房審議官)
 山本史(医薬品審査管理課長)
 関野秀人(医薬安全対策課長)
 新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
 森口裕(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 鈴木章記(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役) 他

 

議事

○医薬品審査管理課長 それでは定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催させていただきます。本日は、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日の委員の御出席状況ですが、亀田委員、島田委員、登美委員、中野委員、半田委員、山本委員、渡辺委員より御欠席との御連絡を頂いております。また、少し御到着が遅れておられる委員もおられますが、現時点で当部会委員数21名のうち、13名の委員の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。本日は審議事項議題1に関して、国立感染症研究所の落合雅樹先生、水上拓郎先生を参考人としてお呼びしております。後ほど御参加いただく予定です。
 続いて、部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告申し上げます。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいております。会議の開催の都度、委員の先生方に書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解と御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 続いて、事務局より少し御説明をさせていただきたいと思います。
○事務局 事務局より本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、審議事項議題1については会議を公開で行い、審議事項議題2以降の議題については、医薬品の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開とさせていただいております。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。御協力、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、公開案件に関する資料について確認させていただきます。傍聴の皆様に関しては、公開案件である審議議題1「生物学的製剤基準の一部改正について」の資料は、厚生労働省のホームページにて掲載させていただいております。委員の先生方には、あらかじめお送りした紙資料と同様の内容の電子ファイルをタブレットに格納し、閲覧していただけるようにしております。タブレットの動作不良等がございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。
 それでは、以後の進行について、清田部会長、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 資料はおそろいでしょうか。それでは、これより議題に入ります。議題1について、事務局から概要を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○事務局 議題1、生物学的製剤基準の一部を改正することの可否について、事務局より御説明いたします。資料1のフォルダを開いていただき、資料1の1.生物学的製剤基準の一部を改正する件(案)の概要をお開きください。
 なお、事前に送付した紙資料から、法令審査等を踏まえ、一部記載の文言を修正しておりますことを申し添えます。
 それでは、1ページの1.制度の概要を御覧ください。薬機法第42条第1項に基づき、保健衛生上、特別の注意を要する医薬品等について、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて必要な基準を設けることができるとされており、生物学的製剤基準において、ワクチン、血液製剤等に係る基準を定めています。これまで、おおむね5年ごとに全体的な見直しを行ってきたところ、この度、感染研や業界団体からの当該基準に係る改正要望を受け、関係各者と検討を行ってきました。この検討に基づき、今般、基準の改正を行うものとなります。
 2.改正の概要を御覧ください。今回の改正は、現在の科学的水準に合わせるため、又は日本薬局方等との整合を図るために所要の改正を行うものとなりますが、ポイントを何点か抜粋しておりますので、御説明いたします。まずは、医薬品各条の(2)のマル1インフルエンザHAワクチンほか3品目の異常毒性否定試験について、これまでの試験実績を踏まえ、50回以上連続して適合している場合は、本試験を省略できる規定を追加いたします。マル2インフルエンザHAワクチンの力価試験、不活化試験、表示確認試験において、近年分離されるウイルス株を踏まえ、ニワトリ赤血球に限定しない記載といたします。
 2ページです。マル3沈降インフルエンザワクチン(H5N1株)の力価試験において、原液を用いた試験に加え、小分け製品での力価試験の規定を追加いたします。マル4乳濁細胞培養インフルエンザHAワクチンH5N1株の発育鶏卵を用いた不活化試験についても、先ほどと同様、ニワトリ赤血球に限定しない記載といたします。マル5乾燥弱毒生おたふくかぜワクチンほか3品目について、これら4品目ではシードロットシステムを導入し、製品ロット間の品質の均一性が担保されるようになったことから、神経毒力試験又は弱毒確認試験には、原液ではなくシードロットを用いるよう規定を変更いたします。
 マル6乾燥ジフテリアウマ抗毒素ほか4品目の粗抗毒素液製造工程においての無菌性及び発熱物質の確認は、GMP管理にて担保されることが適当であることから、抗毒素液の製法において、無菌試験法及び発熱試験法の記載を削除いたします。マル7乾燥弱毒生水痘ワクチンの原材料の製法において、トリプシン及び牛血清の規定は、生物由来原料基準により担保されることから、当該基準について削除いたします。マル8細胞培養痘そうワクチンの試験をする際の、3段階以上の限定した記載を削除いたします。
 3ページです。マル9乾燥BCG膀胱内用(日本株)、乾燥BCGワクチンの製法における培養条件の基本的な要件については、本基準に規定し、一方、より詳細な条件については製品ごとの承認書に記載することが適当であることから、継代に関する記載の削除、培養期間及び特定の菌について限定しない記載と変更いたします。マル10沈降精製百日せきワクチン、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンの力価試験において、血液加カンテン培地を用いた生菌数の測定について変更いたします。マル11沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチンの精製ウイルス浮遊液の試験に、製造用細胞株と同種の細胞株由来のDNAを使用できることといたします。
 マル12人全血液ほか2品目について、製造方法の改善に伴い、検体の抽出割合を変更いたします。マル13解凍人赤血球液の総ヘモグロビン含量試験での測定する総ヘモグロビン量について、献血の基準を踏まえ、変更いたします。マル14乾燥スルホ化人免疫グロブリンのスルホ化確認試験の基本的な要件については、本基準に規定されており、より詳細な条件については個々の製品の承認書に記載することが適当であることから、スルホ化確認試験において、電気泳動法の操作方法について所要の改正を行います。マル15乾燥濃縮人アンチトロンビンIIIにおいて、力価試験での試料の希釈方法を2倍ごとに限定しない記載といたします。マル16ガスえそウマ抗毒素ほか、今後、供給予定のない品目の項目を削除いたします。
 最後となりますが、「3.今後の予定」です。本部会後、パブリックコメントやWTO通報等の手続を行った後、令和2年4月をめどに、本改正を公布する予定としております。なお、詳細な改正内容については、「資料1、2.生物基改正新旧対照表(案)」を御参照ください。また、感染研から本改正案について御検討いただいていた結果を、資料1、3.生物学的製剤基準の改正案に対する感染研回答として配布しています。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 そうしましたら、参考人の先生から、本議題について御発言をお願いいたします。最初は、落合先生からよろしくお願いいたします。
○落合参考人 感染研の落合です。ただいま説明がありましたように、今回の改正内容については、感染研から御提案したもの、業界等から提案されたもの、これらについて関係者で検討し取りまとめたもので、感染研としてもこちらの改正内容は、妥当であると考えております。
○清田部会長 ありがとうございます。水上先生、何かコメントはございますか。
○水上参考人 水上です。よろしくお願いいたします。私も先ほど厚生労働省から説明のあったとおり、今回の改正内容に関しては、感染研においても妥当であると考えております。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御質問、御意見はございますか。
○川崎委員 今回の改正では、GMP管理にて品質が担保されること、製造方法の改善や採血時の技術の向上によって、原料の段階で微生物の混入が起こりにくくなっていること、原材料が生物由来原料基準により担保されていること、培養条件のより詳細な要件は承認書に記載されていること等、製造工程で品質が確保されることを理由に、いくつかの各条が改正されます。生物基においては、各条に既に製法の項を設けて、製法管理についても明確にされてきたところですが、今回、製法の項に変更、追記されることなく、試験等の削除のみの改正が行われる各条については、原料や製造工程などで管理されていることが分かるようにしておくことが望ましいのではないかと思いました。
 例えば、日局の通則12においては、「なお、個々の医薬品各条において特に記載がないものについても、個々の医薬品において適切な原料、資材、製造工程及び中間体の管理に留意することは重要である」という文言があります。それに相当する文言を御検討いただいてもいいのではないかと思いました。また、生物基の通則43には、血液製剤に関して同様な記載があるのですが、現在は血液製剤に限定されているようですので、ワクチン等においても適用されるような文言を検討いただいてはいかがかと考えました。
○清田部会長 これについて、どうぞ。
○事務局 事務局より御回答させていただきます。御指摘の削除のみが行われている改正について、特に管理を留意するようにというような文言を入れてはどうかという話ですが、先生の御指摘のとおりかと思いますので、日局の通則12を参考にさせていただき、今後、検討させていただきたいと思っております。続きまして、生物基の通則43の血液製剤の記載の部分については、本記載の趣旨としては、血液製剤でロットを構成しない部分についてお知らせをするという部分があり、ワクチンについては、基本的にはロットを構成するものになりますので、このままの記載をワクチンのほうにもというのは、ここではなじまない部分はあるのですが、御指摘を踏まえて通則を別に立てて、ワクチンの部分について書くということも検討したいと思っております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
○川崎委員 続いて各条なのですが、異常毒性否定試験について、品質の一貫性が確認された場合は当該試験を省略できること、50回連続して適合している場合に、本試験を省略できる規定を追加することとなっています。これに関連して、各条インフルエンザHAワクチンでは、製造用株の変更により異常が認められる場合には、この限りではないという文言が追加されていますが、感染研の先生方からのコメントには、特に大きな製法や組成の変更がある場合を除き、となっています。そこで、「各条で製造用株の変更に限定してよいのか」ということをお伺いしたいと思います。また、「この50回というのは改正後からカウントされるのか、既に実施されている試験も含まれるのか」ということを教えていただきたいと思います。
○清田部会長 大丈夫ですか。
○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。まず、省略規定の製造用株に限定している記載については、御指摘のとおり製造株以外でも大きな異常が見られた場合は、この限りではないというのはそのとおりかと思いますので、また感染研の先生方と相談させていただいて、ここの記載については改めて検討させていただきます。50回はいつからカウントされるのかという話ですが、実施済みの試験も加算されるということで考えているところです。
○清田部会長 感染研からは、何か御意見はございますか。
○水上参考人 製造株に関しては、株による毒性の違いがそれぞれある可能性が否定できないので、更新ごとにやはり検討する必要があると考えます。それ以外の変更に関しては他の製剤の省略規定と同じでして、変更がその製剤に与える影響というのを一変申請の段階で多分バリデーション等が行われて、調査されていると思います。基本的にはそのバリデーションの結果、問題ないということで多分承認されているので、製法の変更とか材料の変更とか、そういったものは影響ないということは確認されているのですが、その内容に関しても、やはり個々に国立感染症研究所の製剤担当室、厚生労働省の審査管理課等と相談しながら検討していく必要があると考えております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
○川崎委員 標準品、参照品、試験毒素及び単位のところですが、今回から血液凝固第II、VII、X因子、プロテインC、プロテインSの試験では、国際標準品に加え国内標準品の使用も追加されたようです。しかし、規格は国際単位のままになっています。国内標準品と国際標準品、及び国際単位との関係について御説明いただけませんか。また、これらの国内標準品が標準品、参照品、試験毒素及び単位の項に記載されていないのはなぜでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。国内標準品の使用も追加されたと記載していたところなのですが、申し訳ございません、こちらは誤記でして、国内標準品はこちらの品目についてはございませんので、国際標準品のみとなります。その上で、国内標準品と国際標準品又は国際単位との関係についてなのですが、基本的には国際標準品を基に国際単位が値付けされ、そして国際単位から国内標準品のほうで値が決められていくという関係性になっています。
 最後に、Bの標準品、参照品、試験毒素及び単位の項については、国内標準品のものについてはこちらの生物基に書かれるのですけれども、国際標準品についてはWHOのほうを御参照くださいと生物基の中にも冒頭に書かせていただいておりますので、そういった意味合いから記載がないというふうになっております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。大丈夫ですか。
○川崎委員 誤記だったということで、分かりました。最後に、日局との整合性を図るための記載整備の一環として、今まで「たん白質」と記載されていたところを「タンパク質」と変換いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。御指摘の「たん白質」の表記の件なのですが、現在、検討している状況です。生物基全体を通して、「たん白質」を片仮名「タンパク質」に変えるとなると、生物基全体の「たん白質」を探し出して、それを新旧で「たん白質」を「タンパク質」に変えるという作業がまた必要になってくるような様式で改変しておりますので、このままでいくと作業がまた膨大なものになって、煩雑なものになってしまうという問題があります。今、別途法令の審査の担当と相談していまして、もっと効率的なやり方はないかというところで相談させていただいております。ただ、ほかの法令の並びとか、入れ方とか検討させていただきたいのですが、どのタイミングになるかというのはスケジュールとの兼ね合いにもなるかと思いますので、適宜進めてまいりたいと思います。
○清田部会長 よろしいでしょうか。大変そうな作業で。
○川崎委員 よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは議決に入ります。本議題について、改正を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、改正を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。なお、今後パブリックコメントを実施した後、再度審議が必要かどうかについては、部会長に一任ということにさせていただきたいと思います。落合先生、水上先生、本当にありがとうございます。それでは、御退席をお願いいたします。
 それでは、以後の議論は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様は御退席くださいますようお願い申し上げます。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議等を開始いたします。
○事務局 それでは準備が整いましたので、医薬品部会を再開いたします。まず非公開案件に関する配布資料の確認をいたします。本日お手元に、議事次第、座席表、部会の委員名簿を裏側に配布しております。議事次第に記載されています資料2~20-2を、あらかじめ郵送させていただいております。会議のペーパーレス化に向けた取組として、本日の部会ではあらかじめお送りした紙資料と同様の内容をタブレットに格納し、閲覧していただけるようにするとともに、机上配布の紙資料を審議品目に係る諮問書、審査報告書及び添付文書とさせていただいております。
 このほか資料21として、「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を配布し、またタブレット内には資料22として、各審議品目に係る専門協議の「専門委員リスト」を、資料23として「競合品目・競合企業リスト」を格納しております。また、当日配布資料として、「シムジア皮下注200mgシリンジ及び同皮下注200mgオートクリックス審査報告書の正誤表」を配布しております。
 まずは、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業リスト(資料23)について報告いたします。1ページ、「シムジア皮下注200mgシリンジほか1規格」です。本品目は既存治療で効果不十分な尋常性乾癬の予定効能・効果を記載しており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の3品目を競合品目として選定しております。2ページは、「リンヴォック錠7.5mgほか1規格」です。本品目は、既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定しております。
 3ページは、「オフェブカプセル100mgほか1規格」です。本品目は、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定をしております。4ページは、「ピフェルトロ錠100mg」です。本品目は、HIV-1感染症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定をしております。
 5ページは、「ドウベイト配合錠」です。本品目は、HIV感染症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定をしております。6ページは、「ノクサフィル錠100mgほか1規格」です。こちらは、造血幹細胞移植患者又は好中球減少が予測される血液悪性腫瘍患者における深在性真菌症の予防、ほか、こちらに記載の真菌症の治療を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定しております。
 7ページは、「ザバクサ配合点滴静注用」です。本品目は、敗血症、肺炎を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定をしております。8ページは、「バベンチオ点滴静注200mg」です。本品目は、根治切除不能又は転移性の腎細肪がん」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定をしております。
 9ページは、「ニュベクオ錠300mg」です。本品目は、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がんを予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を選定しております。10ページは、「ブロダルマブ(遺伝子組換え)」です。本品目は、全身性強皮症を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤はないことから、競合品目はなしとさせていただいております。
 最後に11ページは、「セクキヌマブ(遺伝子組換え)」です。本品目は、X線基準を満さない体軸性脊椎関節炎を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、こちらに記載の品目を競合品目として選定をしております。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの御説明について、特段の御意見はありませんか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目、競合企業リストについては、皆様の御了解を頂いたものといたします。それでは、委員からの申出状況の御報告をお願いします。
○事務局 薬事分科会審議参加規定第8条及び第11条に基づく各委員からの申出状況については、次のとおりです。まず、議題2「シムジア」については、退室委員、議決には参加しない委員、ともにおりません。議題3「リンヴォック」については、退室委員なし、議決に参加しない委員が清田委員、南委員です。議題4「オフェブ」については、退室委員なし、議決には参加しない委員は清田委員、長島委員です。議題5「ピフェルトロ」については、退室委員が菊池委員、議決には参加しない委員が南委員、山口委員です。議題6「ドウベイト」については、退室委員なし、議決に参加しない委員が南委員、山口委員です。議題7「ノクサフィル」については、退室委員なし、議決に参加しない委員が清田委員、南委員です。
 議題8「ザバクサ」については、退室委員なし、議決に参加しない委員が南委員です。議題9「バベンチオ」については、退室委員が山口委員、議決には参加しない委員が南委員です。議題10「ニュベクオ」については、退室委員なし、議決に参加しない委員は清田委員、南委員です。議題11「ブロダルマブ」については、退室委員は山口委員、議決には参加しない委員が南委員です。議題12「セクキヌマブ」については、退室委員は山口委員、議決に参加しない委員が南委員です。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの御説明について、特段の御意見はありませんか。よろしいでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。本日は審議事項が12議題、報告事項が7議題、その他の事項1議題となっております。早速、審議事項の議題2に移ります。機構から議題2について御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題2、資料2、シムジア皮下注200mgシリンジ他の製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、機構より説明いたします。タブレットの資料2のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。なお、以後の審査報告書のページ数は、審査報告書のファイルの下部に青字で記載しているページ数を使用いたします。
 本剤の有効成分であるセルトリズマブ ペゴル(遺伝子組換え)は、TNFαに対するモノクローナル抗体の抗原結合フラグメントにポリエチレングリコールを結合させた抗TNFα製剤であり、「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」の効能・効果で承認されております。今般、「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
 乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、国内の患者数は43万人と推定されており、主な病型として、紅斑局面、表皮の肥厚、鱗屑を有する尋常性乾癬が約90%と最も多く、次いで、関節炎を合併する関節症性乾癬が3~10%程度とされております。また、尋常性乾癬の重症例として、少数例ではありますが無菌性膿疱及び発熱等の全身症状を伴う膿疱性乾癬、全身性の皮疹、びまん性の潮紅及び落屑を伴う乾癬性紅皮症が知られております。
 乾癬治療は、局所ステロイド等の外用療法、光線療法又はシクロスポリン若しくはエトレチナート等の全身療法が実施され、これらの治療に効果不十分の場合に生物製剤を用いることとされており、乾癬患者の8%程度が生物製剤による治療を受けていると申請者は推定しております。
 本剤は、尋常性乾癬又は関節症性乾癬に対して、米国及び欧州を含む50以上の国又は地域で承認されております。
 本申請の専門委員として、資料22に記載されております6名の委員を指名いたしました。主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に説明いたします。なお、審査報告書36ページの「10.その他」に有効性の評価方法の詳細を示しておりますので、適宜御参照ください。
 有効性について、日本人乾癬患者を対象とした国内第II/III相試験であるPS0017試験成績より説明いたします。審査報告書12ページ、表6を御覧ください。本試験では、局面型皮疹を有する尋常性乾癬及び関節症性乾癬患者において、全身皮膚症状をスコア化したPASIスコアを用いて、ベースラインから75%以上スコアが減少した患者の割合、PASI75達成率を主要評価項目として、本剤投与16週時のプラセボ群とのオッズ比を算出しております。表6の「プラセボ群に対するオッズ比」の行に示しますとおり、プラセボ群に対する本剤200mgQ2W群及び400mgQ2W群の優越性が検証されたことから、皮膚症状に対する本剤の有効性は示されていると判断いたしました。
 次に、審査報告書26ページ表23を御覧ください。関節症性乾癬における関節症状については、痛みや腫れを呈する関節痛、疼痛、疾患活動性等のACRコアセットがベースラインから20%以上改善した患者の割合が評価され、表23の「ACR20改善率」の項に示しますとおり、海外第III相試験であるPsA001試験でプラセボ群と比較して、本剤投与群でACR20改善が認められております。また、評価例数は限られておりますが、日本人乾癬患者を対象としたPS0017試験に組み入れられた日本人患者においても、400mgQ2W群で同様の傾向が認められていることから、関節症状に対して本剤による一定の有効性は期待できると判断いたしました。
 続いて、審査報告書28ページ、表24及び表25を御覧ください。膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症は、患者数が非常に限られており、対照群を設定した検証的試験を実施することは困難とされ、PS0017試験に両病型の患者を別パートとして組み入れ、本剤投与時の有効性が評価されました。表24は膿疱性乾癬患者における膿疱性乾癬の重症度分類スコアのベースラインからの変化量を、表25は乾癬性紅皮症におけるPASI75達成率を示しており、いずれの病型の患者においても病状の改善傾向が認められていることから、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症に対しても、本剤の一定の有効性は期待できると判断いたしました。
 安全性について、審査報告書29ページ、表26を御覧ください。この表は、乾癬患者及び既承認の関節リウマチ患者を対象とした本剤の臨床試験で認められた有害事象の発現状況を示しております。患者背景、ばく露期間、併用薬等が試験間で異なるため直接の比較に限界はありますが、現時点で関節リウマチ患者における安全性プロファイルと比較して、乾癬患者に特有の新たな安全性上の懸念は示唆されていないと考えております。また、審査報告書30ページ、表27に示しております関節リウマチ患者を対象とした使用成績調査で報告された主な副作用においても、新たな安全性上の懸念は認められていないことから、乾癬患者においては、関節リウマチで実施されている安全対策を引き続き実施することで安全性は許容可能であると判断しております。
 用法・用量については、審査報告書23ページ、表18に示しますとおり、400mgQ2W投与時の成績が200mgQ2W投与又は400mgQ4W投与の成績を上回る傾向が認められていること、また、先ほど説明しました関節症状に対する効果、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症に対しても400mgQ2W投与時に良好な成績が得られていることから、本剤の通常用量は400mgの2週間隔投与が適切であると判断いたしました。また、症状の改善が認められた被験者においては、審査報告書31ページ、表28及び表29に示しますとおり、200mgQ2W投与に減量しても一定程度有効性が維持されること、また、200mgQ2W投与と400mgQ4W投与は同程度の有効性が期待されることから、通常用量の400mgの2週間隔投与で症状が安定した患者における治療選択肢として、200mgの2週間隔投与及び400mgの4週間隔投与を設定することは可能と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、本申請を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請は、新効能及び新用量医薬品としての申請であることから、本申請に係る効能・効果、及びその用法・用量の再審査期間は4年と設定することが適切と判断いたしました。薬事分科会では報告を予定しております。
 なお、表26において脚注の不備がありましたため、審査報告書を当日配布資料のとおり、お詫びして訂正いたします。申し訳ございませんでした。タブレットに格納されている審査報告書及び机上に配布しております審査報告書は、訂正後のものとなっております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方からの御質問、御意見を承ります。いかがでしょうか。
○菊池委員 これは将来的には、自己注射をさせてもいいことになるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 自己注射の部分については、審査報告書の2の後半部分になりますが、38ページの表33の更に下のパラグラフの「機構は」の部分に、少々記載があります。本品目については、既に関節リウマチの効能・効果で自己投与が可能となっている状況ですが、今回国内の臨床試験PS0017試験では、自己投与がされていない状況でした。しかし、関節リウマチ患者、一般的には乾癬よりも自己投与が難しい可能性のある患者さんで既に自己投与が実施されていることと、海外第III相試験では8、9割の患者さんで自己投与が実施されているということも踏まえ、現時点では特段の懸念は認められていないとは考えております。
 ただし、国内試験では自己投与が実施されなかったことから、このパラグラフの最後に書かせていただいておりますが、国内でも自己投与が可能となった場合には、製造販売後の調査等において情報収集するべきだと考えております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
○菊池委員 ですから、そういうことがあるなら、あらかじめ、もうやる、言っていることは国内投与が可能になったらそうすると言っていますけれども、そういうことをさせるということをしたほうがいいのではないかという意味でも聞いているわけですけれども。
○医薬品医療機器総合機構 ご指摘ありがとうございます。本品目の開発段階には自己投与に関する話題がなかったこともあり、企業判断で国内臨床試験では自己投与がされていなかったという状況をご理解いただければと思います。日本においても自己投与が想定される医薬品の場合には、開発段階の相談時に、自己投与に関する助言も想定していきたいと考えております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。ほかに御質問はありますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは議決に入ります。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは議題3に移ります。機構から概要の御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題3、資料3、リンヴォック錠7.5mgほかの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。タブレットの資料3のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。なお、以下では、審査報告書のページ数は、審査報告書のファイルの下部に青字で記載しているページを使用します。
 審査報告書の4ページに、本申請の概略をお示ししております。本剤の有効成分であるウパダシチニブは、ヤヌスキナーゼ(以下、「JAK」)阻害薬であり、今般、関節リウマチに関する効能・効果で製造販売承認がなされました。海外では、米国において2019年8月に承認されております。本申請の専門委員として、資料22に記載されております12名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に御説明します。なお、有効性の評価方法の詳細は、審査報告書100ページの「10 その他」の項に記載しておりますので、適宜御確認いただけますと幸いです。
 まず、審査報告書の47ページ、表48を御覧ください。こちらにはメトトレキサート未治療の関節リウマチ患者を対象とした国際共同第III相試験であるM13-545試験の成績を示しております。表48の左から2列目及び3列目にお示ししておりますとおり、主要評価項目である投与12週時のACR20%改善率について、本剤群とプラセボ群との対比較において有意な差が認められ、プラセボに対する優越性が示されております。
 次に、審査報告書の70ページ、表67を御覧ください。先ほどのM13-545試験を含め、前治療歴の異なる関節リウマチ患者を対象とした5つの第III相試験と、1つの国内第IIb/III相試験が実施され、全ての臨床試験において、主要評価項目である投与12週時のACR20%改善率に加えて、同時点におけるいずれの副次評価項目においても本剤群の有効性が示されています。また、同表の左から1列目にあるM13-545試験及び2列目にあるM15-555試験に示したとおり、全体集団と日本人部分集団の成績は概ね類似しておりました。
 続きまして、関節の構造的損傷の防止に関する有効性について、審査報告書の72ページ、表68及び表69を御覧ください。表68には、メトトレキサート未治療の関節リウマチ患者を対象としたM13-545試験で主要評価項目とされた投与24週時の関節の構造的損傷の評価スコアであるmTSSのベースラインからの変化量を示しており、全体集団及び日本人部分集団ともに、対照群と比較して本剤群でベースラインからの変化量が小さく、悪化が抑制されております。また、表69には、メトトレキサート効果不十分な外国人関節リウマチ患者を対象とした海外第III相試験であるM14-465試験におけるmTSSの変化量を示しており、対照群と比較して本剤群でベースラインからの変化量が小さく、悪化が抑制されております。以上より、本剤は、日本人関節リウマチ患者において、臨床症状に対する有効性及び関節の構造的損傷の防止の効果が示されていると判断いたしました。
 次に、安全性について御説明します。審査報告書の74ページ、表71を御覧ください。こちらの表は、提出された臨床試験の成績を併合した集団における有害事象の発現状況を示しております。臨床試験成績及び本剤の薬理作用等を踏まえると、本剤投与時には帯状疱疹を含む感染症、悪性腫瘍、消化管穿孔、静脈血栓塞栓症、脂質異常症等の発現に注意する必要があると考えております。本剤の安全性プロファイルは、関節リウマチに使用されている既承認のJAK阻害薬と大きく乖離するものではないと考えられることから、関節リウマチに対する薬物治療との知識と経験を持つ医師による使用を前提とする等、既承認のJAK阻害薬と同様の注意喚起が必要と判断いたしました。
 続いて、審査報告書の95ページの「7.R.4臨床的位置付けについて」の項、及び97ページの「7.R.5効能又は効果について」の項を御覧ください。安全性に関して御説明したように、本剤は既承認のJAK阻害薬と同程度のリスクを有しており、有害事象の発現頻度等から、生物製剤やJAK阻害薬が用いられる既存治療効果不十分な関節リウマチ患者に比べ、未治療患者におけるリスク・ベネフィットバランスは劣ると推測されること等から、効能・効果において、メトトレキサート等の既存治療で効果不十分な患者に用いる旨を明記すべきと判断いたしました。
 また、審査報告書97ページの下部にある「7.R.6用法及び用量について」の項を御覧ください。用法・用量について、本剤30mgで期待される臨床的ベネフィットは、15mgとおおむね同様であると考えられる一方、用量依存的に有害事象の発現リスクの上昇傾向を認めることから、本剤の臨床推奨用量を15mgと設定することは適切であると考えました。一方、7.5mgの臨床症状の改善効果及び関節の構造的損傷の進展抑制効果は、15mgと比較すると低い傾向を示しておりますが、個々の患者の副作用発現リスクや疾患活動性等の状態を勘案して用量調整が行えるよう、7.5mgも治療選択肢の1つとすることは妥当であると考えました。以上より、申請用法・用量のとおりとすることは妥当と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会にて御審議いただくことが適当と判断いたしました。本剤は新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間は8年、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当し、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。
 なお、本品目につきまして、川崎委員より製造販売承認申請書の記載について事前に御質問を2点いただいておりますので、御回答したいと思います。
 お手元のタブレットのフォルダをを1つ戻っていただきまして、上から4番目にある「1.2承認申請書写し」のファイルを御覧ください。まず川崎委員からの御質問は以下のとおりでした。製造販売承認申請書の下部のページ数の8ページを御覧ください。こちらに記載されている「類縁物質○○○○○○のシステム適合性のうち、「検出の確認」、試料溶液から検出された当該物質のピーク面積が標準溶液から検出された当該物質のピーク面積よりも小さいことを確認する試験ですので、「検出の確認」では、例えば標準物質を1対2の濃度で分析したとき、ピーク面積が1対2になるようなことを確認するのではないでしょうか。妨害ピークが検出されないことを確認するだけでなく、システムが定量下限以上であること(最悪、負の相関がないこと)を確認する必要があると思います」。こちらについて御回答を申し上げたいと思います。
 御質問の試験が対象としている不純物である○○○○○○は、ウパダシチニブが規格限度で含まれる場合、標準溶液と試料溶液中の不純物は同濃度となります。この試験では、システム適合性で別途設定しているシステムの再現性、今回ご指摘の「検出の確認」の2つ下の項「システムの再現性」という所ですが、こちらの項目におきまして、標準溶液のピーク面積を繰り返し測定した場合の相対標準偏差が規定されておりますので、御指摘で懸念されているような標準溶液のピーク面積に一貫性がないということは避けられるようになっております。「検出の確認」も項目として立てており、管理が分かりにくくなっており申し訳ありません。なお、日局におきましても、限度試験のように規格限度値と同じ濃度の標準溶液を用いて、それとの比較で試験を行う場合や、限度値レベルでの精度がシステム再現性などで確認できる場合には、「検出の確認」の項は設けなくてもよいということになっておりますことから、現在の設定でも差し支えないものと機構は判断しております。
 続きまして、2点目について、川崎委員からの御質問は以下のとおりです。製造販売承認申請書の10ページを御覧ください。こちらの下のほうに「標準物質」という所に記載があります。こちらの標準物質「含量の本品中のウパダシチニブ(C17H19F3NO・1/2H2O)の純度は、ウパダシチニブ(C17H19F3NO)の純度ではありませんか」という御指摘を頂いております。この点につきましては確認漏れがあり、申し訳ありませんでした。御指摘のとおり、ウパダシチニブ(C17H19F3NO)の純度とすることが適切ですので修正させていただきます。御指摘を頂き誠にありがとうございました。御説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは委員の先生方からの御質問、御意見を頂きたいと思いますが、いかがですか。
○川崎委員 御回答ありがとうございました。「検出の確認」に関しては、御回答のとおりと思います。ありがとうございました。
○清田部会長 ほかにどなたか御意見、御質問はありますか。
○濱委員 がん研の濱です。細かなことですが、本剤は徐放錠になっていて、添付文書の中にも粉砕不可という記載があります。薬品の名称ですが、リンヴォック錠ということで、徐放錠とうたっていないですが、この製剤を適切に表現する名称としてこれでいいのでしょうか。古くはテオフィリン徐放錠であるとか、何とか徐放錠というのはいっぱいあります。それは現場で間違いを起こさないために粉砕しないとか、半錠にしないためには非常に有用な情報だと思います。徐放錠という名前のほうが好ましいというか、望ましいかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘の点につきまして、現在の医薬品の販売名のルール上、即放錠の承認がない本品目に関して、徐放錠であることを明確にすべきとはなっておりませんので、現状の名称で差し支えないものと考えております。市販されているもので「徐放錠」と記載されているものもにつきましては、即放錠と徐放錠のいずれもが市場に流通しているという状況で、明確に区別する必要があることから徐放錠と記載されていると理解しております。
 また、販売名には徐放錠という記載はしておりませんが、お手元の添付文書の3.2以降、「製剤の性状」の項にも徐放錠である旨は記載させていただいており、現状の名称でも良いのではないかと機構は考えている次第です。
○清田部会長 よろしいですか。
○濱委員 ルール的には分かりますが、患者さん、あるいは医療安全や間違いをなくすということからいうと、医療現場でいろいろな工夫をしている中で、これはやはり徐放錠と書いたほうが取り違いであるとか、誤用を防ぐためには有用な情報ではないかということは意見として述べさせていただきたいと思います。
○清田部会長 いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 先生、御指摘ありがとうございます。言い訳ではございませんが、添付文書、14「適用上の注意」の14.2に「粉砕して使用しないこと」と記載してございますので、先生から御指摘いただきました点は申請者にもしっかりと伝えさせていただき、適切な使用がなされるように医療現場に導入するよう申入れたいと思います。
○清田部会長 重要なポイントだと思いますが、是非、しっかりと周知を。
○医薬品医療機器総合機構 承知いたしました。本邦で初めて導入される医薬品でもございますので、使い方も含めてきちんと資材等を準備していくように申し伝えたいと思います。
○南委員 今の点は非常に重要だと思います。徐放錠と記載されていると薬剤のことや製剤そのものに余り興味がない医者でも、これは製剤にする時に工夫してあるんだなと理解できるのですが、記載されていないと、薬剤師さんに粉砕をお願いしてしまいそうな気がします。もちろん薬剤師さんが粉砕していいかどうかは気を付けてくれているとは思いますが、徐放錠とあると医者でもすぐ分かります。徐放錠と付けることに問題はあるのですか。2製剤ある場合は明確にしないといけないと思いますが、1製剤の時に徐放錠とうたってはいけない理由がなければ、私は今後の問題として検討していただきたいと思います。方針としては徐放錠と記載したほうが現場にとってユーザーフレンドリーのように思います。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 新規の医薬品が申請された場合には、審査の初期段階で名称確認を行っておりまして、安全対策部門等も通じて、ブランド名を含めて名称の不適切に関する確認を行っております。本剤に関しましては、問題となる点は見当たらなかったことから、本部会での審議をお願いしているところでございます。先生方から御指摘いただいた内容が対応できるのかどうか、全体的な話でもありますので、一担当者が軽々に承知いたしましたと申し上げられないところではございますが、問題提起を頂いた点につきましては、安全対策部門も含めてフィードバックさせていただきたいと思います。
○南委員 いろいろな関連部署に影響が及ぶと思いますので、今、ここで結論を出すのは無理だと思っています。この製品に関しては、今までの慣習でこれでいいと思いますが、今後、記載することが可能かどうか、是非御検討いただいたほうがいいような気はします。
○医薬安全対策課長 市販後の関係で申し上げますと、現在の仕切りは先ほど機構から説明があったように、普通錠と徐放錠があった場合には書き分けるという格好が基本でやってきました。
 したがって、今回の製剤みたいに徐放錠しかないものに関しては、今回の品目と同じように錠という格好になっていますので、今回のこの品目だけについて徐放に変えてしまうと、従来のものとの間のギャップが出てきてしまうので、全体的なルールの話として、また医療現場としてそれらを薬の専門家である薬剤師がきっちり関与して取り扱うことを我々としては期待したいところですが、これらに関わる薬剤師や医師とも相談しながら少し全体のルールとしてどう取り扱うかということは問題意識として持たせていただいて、少し投げかけて相談していきたいと思います。
○清田部会長 是非、よろしくお願いします。徐放と言っただけで、医師の意識が少し違ってきますので、是非、御検討ください。ほかによろしいですか。
○菊池委員 先ほど7.5で効く説明をされていましたが、7.5で効くのですかともう一回聞いたら、きっと効きますと答えますよね。副作用は確かに強かったりして、30と15の所では、15で効くということで15を選ばれたのは良いと思いますが、7.5だと血中濃度とか、その辺もかなり下がってますし、その部分で効かない薬を投与するのはやはりよくないと思う立場から、7.5で効くのだという根拠が少し薄いような気がするのですが、いかがですか。日本だけで7.5ですよね。海外のはないわけで、その辺を自信を持って7.5でもいいという部分は何かありますか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘の7.5mgの有効性については、審査報告書の70ページの表67を御覧いただきながら御説明させていただきたいと考えております。先ほど菊池委員より御指摘いただきましたとおり、この7.5mgの有効性については、日本人が組み入れられているM13-545試験とM14-663試験のみで検討されており、かつ国際共同治験であるM13-545試験では、日本人のみが対象となっておりました。また、こちらの用法・用量については、これらの臨床試験においていわゆる有効性の検証が可能な設定とはされていないことは我々としても認識しております。
 また、審査報告書に記載させていただいておりますとおり、7.5mgの有効性について、70ページには関節リウマチの臨床症状、72ページには関節の構造的損傷に対する進行の防止効果についてまとめさせていただいておりますが、いずれにつきましても、本剤の15mgと比較して効果が劣るような成績が得られているところです。
 一方で、各試験の対照群と比較しますと、そちらの有効性はより高いものが得られているものと考えております。臨床現場における使用において、やはりウパダシチニブをはじめとするJAK阻害薬については、帯状疱疹をはじめとする安全性の観点からなかなか投与の継続はできないという状況があり、臨床現場としても可能であれば減量できるような設定が必要という共通認識を持たれていると理解しております。そのような声も加味した上で、これらの成績及び安全性の情報を確認したところ、関節リウマチ治療の経験を持つ医師による適切な管理の下に投与されるのであれば、7.5mgについても選択肢として設定することは可能と判断した結果、今回のような用法・用量を提案させていただいている次第です。
○清田部会長 よろしいですか。歯切れが悪いですが。現場では7.5mgがあったほうが便利だろうという御理解かなと思います。
○菊池委員 日本人の体重が少なかったからこれでいいとか、そういうような根拠もないのですよね。これは臨床的にこうやって聞いているという、何となく一番根拠のない部分でやっている気がしてならなかったということです。
○清田部会長 7.5mgの有効性については、市販後検証される予定はあるのですか。
○医薬品医療機器総合機構 検証をするようなザインの、いわゆる臨床試験のようなものは計画されておりませんが、製造販売後については、本剤投与全例の情報を収集し、そちらの中で有効性についても情報収集はさせていただきますので、一定の情報が得られるものと考えております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。ありがとうございます。ほかに御質問、御意見はありますか。
○浦野委員 非常に細かいことで申し訳ないのですが、自分が見れる所は原薬の所はよく見れるので、原薬の所は見たのですが、構造は結構難しい構造だなと思ったのですが、ちゃんとX線とか全部取られていて、構造もしっかりしているし、実際これも海外でもう試験はされているわけですよね。
○医薬品医療機器総合機構 試験というのはどのような。
○浦野委員 この化合物を使った試験というのは、もう海外では行われているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験ですか。
○浦野委員 はい、臨床試験です。それはないのですか。
○医薬品医療機器総合機構 こちらの原薬を用いた臨床試験は実施されております。
○浦野委員 そのロットだと思いますが、概括資料にNMRが載っているのですが、そこは若干不純物があるような感じをNMRが書いてあって、多分、これは何かのロットがきっとこうなのだと思いますが、帰属できないピークが幾つか見られるのです。多分、本物のしっかりとした立体とか全部正しいと思いますが、純度が少し怪しいかなという気がしてしまうので、ここで見られる帰属不明のピークは何かというのはしっかり言っておいたほうがいいかなと思います。
 5ページと下に書いてあるのですが、プロトンNMRが1回載っている所がありますから、真ん中の少し上の図2-3のS-3-4、X線の少し前ですが、前もこういうのでほかでも指摘した気がするのですが、例えば4ppmぐらいの所にちょろっと見えるようなものはまあまあな量が入ってしまっているので、こういうのはバツを付けて、これは溶媒由来ですよとか、何とか由来ですよと普通書くのですが、それも記載されていないのでちょっと気になるので、そこは指摘しておいたほうがいいかなと一応思います。
○清田部会長 場所はどこだか認識されましたか。
○医薬品医療機器総合機構 すみません、もうしばらくお待ちください。確認したいと思います。御指摘いただきましてありがとうございます。ページについては確認しましたが、御指摘の帰属不明のピーク等について、詳細を今、手元に持ち合わせておりませんので、申請者等にも確認はさせていただきまして、対応があればさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○清田部会長 よろしくお願いいたします。ほかに御質問、御意見はありますか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは議決に入りたいと思います。南委員におかれましては、利益相反に関する申し出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただきます。私についても同様です。本議題につきまして承認を可としてよろしいですか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。それでは議題4に移ります。議題4について機構からの概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題4、資料4、オフェブカプセル100mg及び同カプセル150mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、資料に添付されている審査報告書に沿って、機構より御説明します。タブレットの資料4のフォルダを開き、「審査報告書」のファイルをお開きください。
 本剤の有効成分であるニンテダニブエタンスルホン酸塩は、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)及び血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の各受容体における細胞内シグナル伝達を阻害する低分子チロシンキナーゼ阻害薬であり、本邦では、特発性肺線維症に対して既に承認されております。今般、全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(以降、SSc-ILDと略します)に関する効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。
 全身性強皮症は、微小血管異常、自己抗体産生及び線維化異常を特徴として、様々な臨床経過をたどる結合組織病です。手指の皮膚硬化に加えて、手指潰瘍、間質性肺疾患等が認められ、平成26年10月21日付け厚生労働省告示第393号にて指定難病とされております。全身性強皮症患者の50~60%に間質性肺疾患の合併が認められておりまして、死因の大きな割合を占めることが報告されております。間質性肺疾患が進行した場合には、肺移植以外での機能回復は不可能となります。
 なお、本剤のSSc-ILDに関する効能・効果は、2019年9月に米国で承認され、欧州では2019年11月現在、審査中です。また、本剤は平成31年2月の当部会における審議を踏まえ、「全身性強皮症に伴う間質性肺疾患」を予定される効能・効果とする希少疾病用医薬品に指定されております。本申請の専門委員としては、資料22に記載されております6名の委員を指名しました。
 主な審査内容について、臨床試験成績を中心に簡潔に御説明します。なお、審査報告書の26ページ「10.その他」に有効性の評価方法の詳細を示しておりますので、適宜、御参照ください。
 有効性について、審査報告書8ページの表5を御覧ください。SSc-ILD患者を対象とした国際共同第III相試験の成績を示しております。主要評価項目である投与52週までのFVCの年間減少率について、下から1行目にお示ししたとおり、プラセボに対する本剤の優越性が示されております。また、日本人部分集団における有効性の結果は、審査報告書9ページ表6のとおりです。下から3行目の全体集団の評価に使用したモデルに基づく推定値では、本剤群でプラセボを上回る傾向が認められたものの、下から1行目にお示ししている日本人部分集団の成績に基づく推定値では同様の傾向が認められなかったことから、更なる確認を行いました。
 審査報告書18ページの図2を御覧ください。こちらの図は、日本人部分集団におけるFVCのベースラインからの変化量の推移を示した図であり、投与期間を通して、本剤群がプラセボ群よりもベースラインからの変化量が小さい傾向が認められております。
 また次に、審査報告書28ページの図3を御覧ください。こちらは、日本人部分集団におけるベースライン時のFVCで調節したFVCのベースラインからの変化量の推移であり、先ほどの図2と同様に、ベースライン時のFVCで調節した場合においても、投与期間を通して本剤群がプラセボ群よりも変化量が小さい傾向が認められております。
 次に、審査報告書28ページの上から4行目に記載したとおり、日本人部分集団の結果から推定したランダム係数回帰モデルに基づき、個々の日本人患者のFVC年間減少率を推定した結果、各投与群のFVC年間減少率の平均値及び中央値は、プラセボ群と比較して本剤群で低い傾向が認められております。
 以上を踏まえて、機構は、結果が推定するモデルにより揺らぐこと、中止割合、交絡因子等、成績に影響を及ぼす明確な要因が見出せなかったことも考慮し、全体集団で認められた本剤のSSc-ILD患者に対する有効性が日本人SSc-ILD患者で否定されるものではないと判断し、日本人SSc-ILD患者においても一定の有効性は期待できると判断しました。またこの点については、専門委員との議論においても支持されておりますことを審査報告書に記載しております。
 安全性については、審査報告書20ページを御覧ください。表14に、国際共同第III相試験において認められた主な有害事象と、既承認のIPF患者を対象とした国際共同第III相試験の安全性の概要をお示ししております。SSc-ILD患者において、既承認のIPF患者での安全性プロファイルを上回る新たな懸念は認められていないことから、適応疾患の治療に十分な知識・経験を持つ医師による使用を前提とする等、現在実施されている既承認効能・効果に対する使用時と同様の安全対策を引き続き実施することが適切と判断しております。
 以上の審査を踏まえて、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本剤は、本申請に係る効能・効果で希少疾病用医薬品に指定されておりますことから、本申請に係る効能・効果の再審査期間は10年とすることが適切と判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。御審議のほどよろしくお願いします。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御質問、御意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。
○南委員 教えていただきたいことがあるのです。本薬は、もともとは抗がん剤としても開発を試みたように、結構、副作用が見られます。それは今回の適応疾患を考えれば許容範囲内だと思うのですが、プラセボ対象試験としても副作用が強いと、プラセボか実薬か担当医が判断できてしまう可能性が心配されます。FVCは確かに指標としてはいいと思うのですが、検査のやり方によって数字は幾らでも変わってくる可能性があります。例えば画像所見だとか、もう少し客観的な指標で評価してなかったのでしょうか。FVCが主観的というつもりはありませんがもう少し、プラセボか実薬かが分かってしまったとしても確実に評価できる指標を、セカンダリーな指標としてこの試験では評価してなかったのでしょうか。
○清田部会長 いかがでしょう。
○医薬品医療機器総合機構 臨床試験においては、FVC以外の評価項目として、例えば死亡率等についても確認をしておりましたが、一部の予後不良例を除き、SSc-ILDの進行がIPFと比較して緩徐であることもあり、死亡等のエンドポイントに関して、52週間の臨床試験において有効性を見出すことはできませんでした。
○清田部会長 いかがでしょう。
○南委員 今となっては仕方がないことですね。
○清田部会長 割とこのFVCという評価項目は、今回の薬で馴染がないというか、しっくりこないような感じがあるのですが、これは一般的なアプローチですか。
○医薬品医療機器総合機構 IPFを対象とした臨床試験では、FVCは有効性の評価指標として広く使用されておりまして、数多くの論文でも使用されております。また、近年のSSc-ILD患者を対象とした多くの臨床試験でも、FVCを用いた評価項目が主要評価項目として広く使用され、多くの論文にも掲載されております。
○清田部会長 一般的な評価方法だということで、よろしいでしょうか。
○南委員 盲検性が保たれていればいいと思います。今回は盲検性に疑問があるかもしれないので、気になりました。駄目という気はないのですが、画像が変わらないのに、なぜFVCがよくなるのだろうという純粋な疑問も感じます。○清田部会長 よろしいでしょうか。ほかに御意見がありませんようでしたら、議決に入ります。
○山口委員 すみません、中止例の取扱いというかデータの欠測です。約2割ぐらい本剤群で、プラセボ群の場合ということで、これはどういう形で解析で考慮されているのか、あるいは、実際、影響というのをどのように考えていらっしゃるのか。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりご説明いたします。審査報告書の8ページを御覧ください。こちらの表5の注釈a)の所に、今回の解析方法を記載しております。今回に用いられたのはランダム係数回帰モデルという方法であり、試験中止時までのデータが解析では考慮されています。
○山口委員 ごめんなさい、余り専門的な話をするつもりもないのですが、こういう場なので。そうすると、これはミッシングアトランダムが結局、成り立っているという前提なのですか。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりです。今回のこの解析モデルに関しては、ミッシングアトランダムが前提となった解析になっております。一方で、我々としても、有効性の結果について、審査報告書に記載したとおり、感度分析の結果も数多く確認して判断しております。
○山口委員 すみません、これも余り引っ張るつもりはないのですが、あれですよね、有害事象中止が多いわけですよね。その辺を考慮した解析、多分、それを考慮しないと、ランダムの解析の前提というか、この解析の正当性はどうかという話はいかがですか。余り引っ張るつもりはないのですが。
○医薬品医療機器総合機構 中止割合が今回の主解析に及ぼす影響は照会等で確認をしております。そちらを確認した上で、有効性については確認できていると判断した次第です。現在解析の詳細が手元にございませんので、先生には後ほどその辺も含めて御説明させていただければと思います。
○山口委員 すみません、引っ張るつもりは全然ないのですが、多分、表が出たときに、結構、本剤群が多くて、多分、気になる人は気になるのではないかと。実際に、今、おっしゃっていただいたことは審査報告書に余り書いてないのです。ですので、その辺ちょっと、今後でいいと思うのですが、示していただけると有り難いかなと。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。今後の審査報告書の作成過程においては、そういった点を踏まえて解析の項をより充実させていきたいと思っております。コメントありがとうございました。
○清田部会長 よろしいでしょうか。今後、この辺に関しては書き加えることはないですね。
○医薬品医療機器総合機構 現時点でこの審査報告書に書き加えることはないと思いますが。
○清田部会長 ない。今後は、今後ですね。分かりました。今後だそうです。よろしいでしょうか。ほかに御意見ございますか。
○浦野委員 基本的な方針は全く異議はないです。ないですが、ただ日本人の群でNが少ないからエラーが大きくて、ただ、ずっとプラセボに比べて全範囲で有効性が認められる傾向にあるので有効性を否定する結果ではないという結論、そこまでは多分いいと思うのですが、一般的な話なのですが、この有効性を否定する結果でなければ機構は通るということでよろしいのですか。これはほかの薬剤でも大体みんなこういう結論になると理解していていいのか、もう2年も委員をやっていてもちょっとよく分からなくて、そこに関してはどのように考えられていますか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。基本的には、国際共同試験として実施されている場合は、国際共同試験の全体集団できちんと有効性が検証されていることが重要です。今回のように、日本人部分集団でのプラセボに対する有効性の検証を示せるような例数が含まれていない場合は、なかなか各部分集団で有効性を検証することは難しく、全体と同じような一貫した傾向が認められている場合や、日本人で絶対に有効性が期待できないような因子が示唆されている等がない限りは、日本人においても有効性が期待できると考えております。
○浦野委員 成功して、国際でしっかりとした、Nが多くて、ちゃんとしたピッチが出せているようなものがあれば、それを引っ繰り返すようなデータがなければ、基本的には日本は通すと考えてよろしいということですね。いや、それはそれで構わないかと思います。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。本剤では、既承認のIPFでも国際共同開発が行われており、本剤自体については、国際共同開発すること自体は行われていたということもありますので、全体集団での結果を見て、判断しております。日本人部分集団につきましては、一定程度の結果の一貫性を確保できる例数を臨床試験で組み入れてもらいたいと申請者とは議論することがあるのですが、患者数等によっては難しい場合もございます。また、一貫性を確保する手立てを講じたとしても、部分集団解析となりますことから、今回のように一貫性の面で評価が難しい部分が出てくることはありますが、その場合には、個別に状況等を見ながら判断をしているところになります。
○浦野委員 分かりました。
○清田部会長 原則的には、先生の御質問にはイエスでいいのではないですか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、議決に入りたいと思います。長島委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことになります。私も同様の扱いです。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは議題5に移りたいと思います。菊地委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議題5の審議の間、別室で御待機をお願いしたいと思います。議題5について機構から概要を説明いただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 議題5、資料5、医薬品ピフェルトロ錠100mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明します。タブレットの資料5のフォルダを開き、「審査報告書」のファイルをお開きください。
 ピフェルトロ錠100mg(以下、「本剤」)は、新規有効成分である非核酸系逆転写酵素阻害剤のドラビリンを含有する単味製剤であり(審査報告中ではこの成分をDORと略しております)、欧米を含む36の国又は地域で承認されています。現在、本邦において標準的に行われているHIV-1感染症に対する薬物治療は、キードラッグに分類される[非核酸系逆転写酵素阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、又はプロテアーゼ阻害剤]のいずれか1剤と、バックボーンに分類される核酸系逆転写酵素阻害剤の2剤、合計3剤を併用する抗レトロウイルス療法です。そのため、キードラッグである本剤は、他の抗HIV薬との併用が必須であり、核酸系逆転写酵素阻害剤2剤との併用を主に想定して開発されました。
 本申請の専門委員として、資料22にお示しした6名の委員を指名しました。審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明します。
 有効性について、審査報告書、通し番号での47ページ、表46を御覧ください。こちらの表は、未治療の成人HIV-1感染症患者を対象とし、ドラビリン又は対照薬を核酸系逆転写酵素阻害剤2剤と併用した、海外第III相試験2試験の結果であり、一番上の数値は、主要評価項目である投与開始後48週時におけるHIV-1 RNA量が50copies/mL未満の被験者の割合を示しています。いずれの試験においても、ドラビリン投与群と対照群との群間差の95%信頼区間の下限値は事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、ドラビリン投与群の対照群に対する非劣性が検証されました。
 次に、審査報告書、通し番号で49ページ、表48を御覧ください。こちらの表は、抗HIV療法により、既にウイルス学的抑制が得られている成人HIV-1感染症患者を対象とした海外第III相試験における有効性を示しています。こちらの臨床試験では、スクリーニング時の抗HIV療法(以下、「ベースライン治療」)からドラビリン及び核酸系逆転写酵素阻害剤2剤との併用投与にすぐに切り替えた群(ISG:Immediate switch group表記しています)と、ベースライン治療を24週間継続してから被験薬のドラビリンに切り替えた群(DSG:Delayed switch groupと表記しています)を比較する試験デザインとなっております。一番上の数値は、HIV-1 RNA量が50copies/mL未満の被験者の割合であり、左から2列目と右から1列目には、それぞれ主要評価項目であるドラビリンを含むレジメンに切り替えたISGの48週時と、ベースライン治療を継続したDSGの24週時の値を示しています。これらの群間差[95%信頼区間]は、-3.784[-7.877,0.310]%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-8%)を上回っており、ベースライン治療を継続するレジメンに対するドラビリンを含む薬剤に切り替える投与レジメンの非劣性が検証されました。
 以上の成績を踏まえ、未治療又は抗HIV療法によりウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者に対する本剤の有効性は期待できると判断しました。
 次に、安全性について、審査報告書、通し番号での54ページ、表52を御覧ください。こちらの表では、未治療患者を対象とした海外試験3試験の有害事象の発現状況を、また、同ページ、表53には、抗HIV療法によりウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者を対象とした海外試験の結果を示しています。有害事象の発現割合や、重度、重篤、中止に至った有害事象、死亡が認められた被験者の割合は、ドラビリン投与群と対照群において同様の結果でした。続いて、審査報告書55ページ、表54を御覧ください。こちらの表では、未治療を対象とした海外3試験のいずれかの群で5%以上に認められた有害事象を示しています。また、同ページ表55には、抗HIV療法によりウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者を対象とした海外試験でのいずれかの群で5%以上に認められた有害事象を示しています。これらの試験成績を踏まえて、ドラビリンの安全性プロファイルは、対照薬と比較して大きな差違は認められていないこと等から、必要な注意喚起を行った上で、HIV-1感染症患者に対する本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 続いて、審査報告書、通し番号での68ページの第二段落を御覧ください。以上の審査を踏まえて、機構は、こちらに記載している承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断しました。本剤は、希少疾病用医薬品に指定されていることから、再審査期間を10年とすることが適切と判断しています。また、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は毒薬及び劇薬のいずれにも該当しないと判断しました。なお、薬事分科会には報告を予定しています。
 なお、川崎委員から事前質問を頂いた点について、御回答したいと思います。川崎委員より質問事項として、「品質に関する概括資料に各種の具体的な試験成績が示されておらず、審査報告書や製造販売承認申請書の内容が適当かどうか判断することができません。具体的に、例えば、確認試験、純度試験、定量試験ではドラビリンをUV○nmで検出しているのに対し、製剤均一性試験では、測定波長○nmを設定しているのはなぜですか。部会委員にはモジュール3が届けられていませんので、委員に資料を配布する際、資料内容が十分かどうか御確認ください」という旨のコメントを頂いております。この点に関して、資料内容が十分でない点については大変申し訳ございません。しかしながら、本申請は、平成10年11月12日付けの医薬審1015号の通知に基づく申請であり、本申請の審査では、この通知に基づいて海外承認国における申請資料を用いて審査が行われております。そのため、品質に係るモジュール2.3については、本邦における通常の申請品目と比べて非常に簡潔に記載されていますが、モジュール3.2に必要な情報が提出されていることを確認しております。前述の通知に従い、迅速な事務処理時間の観点からも、モジュール2.3について、本邦での承認申請において大きな修正を求めることが困難であることについて御理解いただきたいと存じます。なお、例示でお示しいただきました有効成分ドラビリンの検出波長の違いですが、モジュール3に記載されている特性解析によると、○nmと○○nm両方に極大吸収波長を有しており、各試験ともに設定された波長において分析法バリテーションを実施して試験の適切性を確認しています。以上のことから、設定内容について問題がないことについては機構で確認しております。以上、御審議のほどよろしくお願いします。
○清田部会長 ありがとうございます。川崎先生、よろしいでしょうか。
○川崎委員 御説明は分かりました。モジュール2が簡潔であるのは全く構わないのですが、製造販売承認申請書が適切かどうかというのを見るのが私たちの使命と思いますので、可能であれば、モジュール3の試験成績なども見せていただけたらよかったと思いました。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品審査管理課長 私からですが、簡略なモジュール2になっている場合には、先生方に御提供できるように何らかの工夫をしたいと思います。
○川崎委員 よろしくお願いします。
○清田部会長 ありがとうございます。御質問、御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは議決に入りたいと思います。南委員、山口委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題につきまして承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告させていただきます。それでは別室の菊地委員をお呼びいただきたいと思います。 
                                 (菊地委員入室)
 それでは議題6に移ります。機構から、議題6について御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題6、資料6、医薬品ドウベイト配合錠の製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。タブレットの資料6のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。通し番号4/31の1を御覧ください。ドウベイト配合錠(以下、「本剤」)は、インテグラーゼ阻害剤であるドルテグラビルナトリウム、核酸系逆転写酵素阻害剤であるラミブジンを有効成分とする配合剤であり、欧米を含む30以上の国又は地域で承認されています。
 なお、本邦では、本剤の有効成分を含有するHIV感染症治療薬が既に承認されており、例えば、ドルテグラビルナトリウムのテビケイ錠、ラミブジンのエピビル錠、また、ドルテグラビルナトリウム、ラミブジン及びアバカビルを含有するトリーメク配合錠等があります。本申請の専門委員として、資料22に記載の4名の委員を指名しました。
 それでは、審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明いたします。有効性について、通し番号19、表15を御覧ください。これまでに、抗HIV薬による治療を受けたことのない未治療の成人HIV-1感染症患者を対象とした海外第III相試験2試験における、主要評価項目である治験薬投与開始後48週時のHIV-1 RNA量が50コピー未満の被験者の割合を示しています。DTG+3TC群と記載されているものが、本剤投与レジメンに相当いたします。いずれの試験においても、群間差の95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージンの-10%を上回ったことから、対象レジメンに対するドルテグラビル(DTG)及びラミブジン(3TC)併用レジメンの非劣性が検証されました。
 これらの試験成績を踏まえ、未治療の成人HIV-1感染症患者に対する本剤の有効性は、期待できると判断しました。
 次に、安全性について、通し番号22、表18を御覧ください。未治療の成人HIV-1感染症患者を対象とした海外第III相試験2試験の併合解析において、いずれかの群で発現割合が5%以上の有害事象を示しています。これらの試験成績を踏まえ、ドルテグラビル及びラミブジン併用投与における有害事象の発現状況は、対象群とおおむね同様であること等から、適切な注意喚起を行った上で、本剤の安全性は許容可能であると判断しました。
 通し番号28、下方を御覧ください。以上の審査を踏まえ、機構はこれらの承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。再審査期間ですが、本剤は、希少疾病用医薬品に該当すること、新医療用配合剤であり同一の有効成分を含有する医薬品が既に承認されていることから、本品目の再審査期間は「6年を超え10年を超えない範囲」として、6年1日と設定することが適切と判断しました。また、本品目は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。
 なお、薬事分科会には報告を予定しています。以上、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、御質問、御意見を委員の先生方から承わりたいと思います。いかがでしょう。どうぞ。
○菊池委員 これは出された資料だけで考えていますよね、当たり前ですが。ジェミニ試験のIとIIを原著で当たっていますか。
○医薬品医療機器総合機構 企業から提出されました総括報告書を確認しております。
○菊池委員 というか、Lancetで出ているのですが、その原文を読まれていますか。
○医薬品医療機器総合機構 拝見はしております。
○菊池委員 その条件は、これは3TCとドルテグラビルに耐性がないというのに対してやっているので、それは効いて当たり前のことなのです。その大条件がなくて、前提条件を全部省いて、ナイーブの患者さんに使って有効だという結果を導いていますが、それは大きな間違いであって、これは臨床現場に混乱をもたらすので、賛成しかねます。ですから、これは抗HIV薬、先ほどのドラビリンもそうですが、全ての抗HIV薬が薬剤耐性を参考にしなさいと添付文書に書いてあって、と言うこと以上に、これは3TCとドルテグラビルに対して、耐性がないものに対して使用しなさいという添付文書にならなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 我々としましては、これまでも他の抗HIV薬についても、耐性の状況については、確認を頂いた上で適切に使用されていると理解しておりますので、本剤についても耐性も含めた患者さんの状況について、きちんと確認をした上で、本剤が適切と考えられる患者様に投与いただければと考えております。従いまして、同様に添付文書にも、耐性検査の情報をきちんと参考にして頂けるように記載させていただいているところです。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○菊池委員 それはもう当たり前ですが、この試験をやった対象群が、その耐性がないものに対してやっているという大前提の条件を除いて報告している、その報告書に基づいてやっているわけです。ですから、これでHIVは本来3剤でやるところをこの2剤で93%、ツルバタのほうを使ったほうでも94%、普通のことから言ったら恐ろしいぐらいの良い結果が出ているわけですが、その大前提にはウイルス指向性を担保しなくてはいけなくて、ほかの薬で言えば、シーエルセントリがCCR5の指向性を確実に要求しているのと同等の扱いでなければいけないと、私は感じます。少なくとも、これは全世界でリソースがないような国では、この2剤でやることに対しての企業としての努力は当然ですが、認めますが、日本のような確実にいろいろなことができる国で、この添付文書にあるようなナイーブの患者さんに使っていいということについては、専門家としては絶対警鐘は言わざるを得ないと思います。
 それは、ほかの抗がん剤のときにもそうですが、例えばALK融合遺伝子陽性の患者さんに対してだけALKの阻害剤が効くということの大前提と同じことでありますので、これについては、この薬ドルテグラビルは御存じでしょうが、日本で開発された薬であって、ライセンスは海外にライセンス入りしていますが、日本発の薬を正しく取り扱うのも、機構とか厚労省で、私はいつもどちらでやるか分かりませんが、薬事のやるべきことであって、提出された企業の結果だけから見れば、これは確かにそのとおりであって、おっしゃるとおりです。今回の審査報告書は、非の付けどころはないと思いますが、大前提としてやっていることの基が、海外でやっている700例ずつ集めているところも、耐性検査を行って耐性検査で陰性の症例に対してやっているので、その重要な部分が抜けているので、私は、現場の人間としては問題有りと思います。
本議題の前述の原著論文には薬剤耐性を除外した症例を選択したことが書かれていますが、今般、企業が提出した資料にはその記載はなく、提出された結果からは、確かによく効く薬でと結論づけることは、間違ってはいません。このくだりで申し上げたかった事は、もともとHIVは耐性を作りやすいウイルスであり、従来は3剤をもちいてしっかりと抑えることが大原則であり、今般は2剤のみでいいということになっていますが、その大前提の、使用する2薬剤には耐性が無い症例を予め選択してGEMINI試験Ⅰ、Ⅱを組んだので、その結果は良くて当たり前というのが菊池の知識の根底にあり、その事実を鑑みると、耐性検査で陰性の物に限って使うべし!が菊池の言いたいところです。ですので、ALK阻害剤が効くのはALK融合遺伝子陽性の癌患者に決まっているだろう、それと同等の話しであって、ここで3TCとDTGの耐性を事前に課すことなく、日本の実臨床でご自由にどうぞという杜撰な使用は控えて頂きたいと願うばかりです。
○清田部会長 いかがでしょうか。先生、それは具体的に添付文書だったら、どこをどう換えてほしいというのは。
○菊池委員 ここの効能・効果のHIV感染症の所に、3TCとドルテグラビルに耐性のないナイーブ症例に限るとしないといけないと私は思います。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘いただいた点については、反映できるかどうかも含めて、検討させていただきたいと思います。
○清田部会長 もう1つ、審査報告書の中の結果のインタープリテーションに問題があるというのは、それは大丈夫なのですか。
○菊池委員 本来このGEMINI試験I、IIの論文発表されている、引用がされていないと思います。
○清田部会長 このオプションに。
○菊池委員 はい。資料の2.5の臨床に関する概括評価のGEMINI試験を探しても、しっかりした論文の。今、ちょっと、ニューイングランドだったか、ランセットだったか、忘れましたが。多分ランセットだったと思いますが、それの引用されていないし、そこには確実に耐性がないものから始めていると書かれていますので、企業がナイーブにして大丈夫だったというのは、結論の一部であって、大事な部分が抜けていると私は思います。
 私の勘違いだったら、本当に勘違いでいいのですが、専門家として何だと言っていただいて構いませんが、私はそう読めたので。それを踏襲しているのであれば(GEMINI試験で耐性が無い者に対して使用するという事を引き継ぐのであれば)、これは日本の中で、恐らく日本では多分うまくいくのです。ただ、成分も少なくなって。ただ、日本の場合は、薬価を安くしても、患者さんの負担とかいろいろなもの、国の負担は下がってきますが、いろいろな社会の助成もあるので、基本的には余りそんなに意味がなくて、安全にこつこついったほうがいいのではないのというのが、私の中ではあります。
 安易に使って、これを外国人の人とかに耐性を調べないで使った場合には、3TC耐性とか、1剤だけのことにもなります。専門的なことですが、ドルテグラビル単剤で確かに効果はあると思うのですが、単剤治療はまだかなりリスクがあるので、よほどのことがない限りはやらない状況ですので、頂いた資料を見た限りで審査すれば、今回は全然問題ありません。ただし、大本の部分の申請の仕方が間違っているような気がするということです。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 先生のお手元にお届けしているモジュール2には、かなり簡易的な内容で書いているのですが、我々はモジュール5という所で、企業から提出されておりますGEMINI試験も含めて、詳細な臨床試験の条件等も確認しており、そちらには、GEMINI試験については、主な耐性変異を有する患者さんについては、除外基準に設定されていたことは確認した上で審査を行っておりますので、その旨お伝えいたします。
○菊池委員 だったらそこでそれを書かなければ、おかしいということです。
○医薬品医療機器総合機構 御指摘のとおりかと思いますので、どういう患者さんを対象に試験が実施されたかというのは、添付文書も含めてきちんと情報提供できるように検討させていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 すみません、少しだけ補足させていただきますが、HIVの臨床試験の申請される品目の第III相試験の場合、ナイーブ関係の場合、ほとんどは有効成分に対して主な耐性変異を持つ患者さんは、スクリーニングで除外されております。そういう意味で、本剤について、特別な除外の条件が付されているというわけではありません。ただし、先生がおっしゃいますとおり、本剤、ワンタブレットレジメンで初めての2剤レジメンという所は、確かにありますので、どういったところでそういう耐性というか、患者さんについて適切な情報提供をして、適切な患者さんを選択されるかというところで、現状の添付文書で耐性検査を参考にすることということは、記載させていただいていますので、臨床現場で適切に使用されるためにどう情報提供すべきかというところについて、先生から日本の現状について少し懸念点が出てきたというところは、企業にお伝えしたいと思います。
○南委員 この点に関しては、抗がん剤などでは、臨床成績の項を参考にするように添付文書に記載してあって、臨床成績の所にポイントが詳述してある場合が多いのですが、今回は、臨床成績の所には、HIVの治療経験のないとしか書いてなくて、抵抗性のことはないのです。だから、添付文書だけ読んだのでは、その意図が現場には伝わらないような気がします。菊池先生のおっしゃるとおりのような気がします。例えば、臨床成績の項を参考にしてという一文を頭に入れておいて、その臨床成績の項に選択基準を書き込むということは、駄目なのでしょうか。
○清田部会長 どうでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そういった書きぶりも含めて検討させていただきます。
○清田部会長 後で確認をしていただくことは可能なのでしょうか、菊池先生に。
○医薬品医療機器総合機構 はい、可能です。
○清田部会長 よろしいですか。大丈夫ですか。ほかによろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、議決に入りたいと思います。南委員、山口委員におかれまして、利益相反に関する申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題7に移ります。議題7について、機構から概要の御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題7、資料7、医薬品ノクサフィル錠100mg及び同点滴静注300mgの製造販売承認の可否等について、機構より御説明いたします。タブレットの資料7のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。
 ノクサフィル錠100mg及び同点滴静注300mgは、アゾール系抗真菌薬であるポサコナゾールを含有する錠剤及び注射剤です。ポサコナゾール(以下、「本薬)」)は、経口懸濁液として2005年及び2006年に欧米で承認されています。ただし、経口懸濁液の薬物動態は食事の影響を受け、高用量の投与では吸収が飽和することが確認されていたことから、その後、これらの改善等を目的として、錠剤及び注射剤が開発され、欧米を含む多くの国又は地域で承認されています。
 なお、海外では、経口懸濁液やカプセル剤を用いた海外臨床試験成績を有効性の主な根拠とし、錠剤及び注射剤を用いた海外臨床試験での薬物動態、安全性等の成績も踏まえて申請製剤である錠剤及び注射剤が承認されており、今般、申請製剤を用いた国内臨床試験成績も踏まえて、本申請がなされました。本申請の専門委員として、資料22に記載した9名の委員を指名しました。
 審査内容について、臨床試験成績を中心に説明いたします。深在性真菌症の予防における有効性について、審査報告書の通し番号89ページの表97を御覧ください。侵襲性真菌症のハイリスク患者を対象とした海外臨床試験2試験における有効性を示しております。主要評価項目である侵襲性真菌症の発症率について、両試験において、対照薬に対する本薬の非劣性が検証されました。
 真菌感染症のうちムーコル症の治療における有効性について、審査報告書の通し番号92ページの表101を御覧ください。また、その他の真菌感染症の治療における有効性については、審査報告書の通し番号94ページの表103を御覧ください。機構は、これらの真菌症は、いずれも希少であることから、臨床試験の実施可能性の観点から、非対照試験の成績を中心に評価することはやむを得ないと考え、また、提出された試験成績から、本薬の一定の有効性は期待できると判断いたしました。
 続いて、安全性について、審査報告書の通し番号96ページの表104を御覧ください。本薬に関する国内外の臨床試験における安全性の概要を示しております。表の右から2列目に、日本人真菌感染症患者を対象に本薬の申請製剤を投与した国内試験(P101試験)における安全性を示しております。
 当該試験では、左の列に示した海外での予防試験及び治療試験と比べて、副作用及び中止に至った副作用の発現割合について高い傾向が認められたものの、日本人に特有の安全性上の懸念は認められませんでした。したがって、臨床試験及び海外市販後において認められた重要な事象については十分に情報提供を行い、対応する臨床検査を実施するよう注意喚起することで、本薬の安全性は許容可能であると判断いたしました。
 なお、副作用及び中止に至った副作用の発現割合について高い傾向が認められた国内試験(P101試験)では、被験者背景が低体重及び高年齢に偏っていたことが確認されました。被験者背景の偏りと安全性との明確な関連は認められていないものの、低体重かつ高年齢の患者における本薬の投与経験は限定的であることを踏まえ、製造販売後には、低体重かつ高年齢の患者における使用成績を含めて、本薬の安全性情報について引き続き情報収集し、適切に医療現場に情報提供する必要があると判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、機構は、本薬錠剤及び注射剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会でご審議いただくことが適切と判断いたしました。
 本薬錠剤及び注射剤は新有効成文含有医薬品であることから、再審査期間は8年、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断しています。薬事分科会には報告を予定しています。
 なお、川崎委員より2点、事前に御質問いただいておりますので、御回答させていただきます。1点目、原薬の長期保存試験の実施期間について、審査報告書では36か月、CTDモジュール1.5では24か月と記載されており、齟齬がある点について御指摘いただいております。
 こちらについては、審査中に36か月までの試験成績が提出されており、審査報告書の記載が正しいものとなります。また、追加提出された資料に基づき、リテスト期間又は有効期間の適切性を判断しておりますので、誤記による審査内容への特段の影響はありませんが、CTDモジュール1.5の誤記については、適切に修正するよう申請者に伝達いたします。
 2点目、不純物の試薬に設定された確認試験IRの特異性について、御質問を頂いております。この点について御説明いたします。申請者は、有効成分の特性解析において、当該不純物と有効成分は、IRでの識別が可能と説明しております。しかしながら、ほかの異性体間での識別性の詳細について、具体的なデータが提出されていなかったことから、念のため追加で申請者に説明を求めたいと思います。そのような対応にて御理解いただければと思います。事前に頂いた御質問に対する回答は以上です。以上、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。川崎先生、何かありますか。
○川崎委員 御回答ありがとうございました。よろしくお願いします。
○清田部会長 比較的まれな真菌症まで適応を取っていますが、大曲先生、何かありますか。
○大曲委員 内容に関しては、私から特段ありません。
○清田部会長 ほか、御質問、御意見はありますか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、議決に入りたいと思います。南委員においては、利益相反に関するお申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくこととします。私も同様です。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは、議題8に移ります。機構より御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題8、資料8、医薬品ザバクサ配合点滴静注用の製造販売承認事項の一部変更承認の可否等について、機構より御説明いたします。タブレットの資料8のフォルダーを開き、審査報告書のファイルをお開きください。ザバクサ配合点滴静注用(以下、「本剤」)は、セファロスポリン系抗菌薬であるセフトロザン硫酸塩、及びβ-ラクタマーゼ阻害薬であるタゾバクタムナトリウムを配合した注射剤です。本邦において本剤は、尿路感染症及び腹腔内感染症に対する治療薬として承認されており、今般、肺炎及び敗血症の効能を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。本剤の肺炎に関する効能は、米国で2019年6月に、欧州で2019年8月に承認され、2019年9月時点で合わせて4つの国又は地域で承認されています。敗血症に関する効能が承認されている国又は地域はありません。
 本申請の専門委員として、資料22に記載の5名の委員を指名しました。審査内容について、臨床試験成績を中心に御説明します。有効性について、通し番号20ページ、表15を御覧ください。まず、内容の説明の前に審査報告書の訂正がありましたので、訂正点の御説明をさせていただきます。表15の全体集団におけるMEPM群の、一番上の数値である臨床効果の有効率が54.4%(97/362)となっておりますが、正しくは53.3%(194/364)です。本修正が審査結果に影響がないことを確認しており、審査報告(2)に訂正箇所、審査に影響がない旨を記載しております。訂正があり、申し訳ございませんでした。
 評価ですが、人工呼吸器を装着している院内肺炎患者を対象とした国際共同第III相試験において、主要評価項目である治癒判定時の臨床効果の有効率は、本剤群54.4%、MEPM群53.3%であり、群間差の両側97.5%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージンの-12.5%を上回ったことから、MEPMに対する本剤の非劣性が検証されました。
 敗血症患者に対する有効性について、通し番号21ページ、表16を御覧ください。先ほど御説明した、院内肺炎患者を対象とした国際共同第III相試験の全体集団のうち、敗血症の診断基準に合致した被験者において、治癒判定時の臨床効果の有効率は、本剤群24.6%、MEPM群17.9%であり、群間差で大きな差異は認められませんでした。これらの試験成績を踏まえ、人工呼吸器を装着している院内肺炎及び敗血症に対する本剤の有効性は期待できると判断しました。
 次に、安全性について、通し番号28ページ、表19を御覧ください。人工呼吸器を装着している院内肺炎患者を対象とした国際共同第III相試験における安全性の概要を示しています。全体集団、日本人部分集団及び敗血症評価対象集団において、全体的な有害事象、副作用等の発現割合について、投与群間で大きな差異は認められませんでした。事象別の検討において、MEPM群より本剤群において発現割合の高かった脳出血については注意が必要と考えるものの、適切な注意喚起を行った上で本剤の安全性は許容可能と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、機構は、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。本申請は、新効能医薬品及び新用量医薬品としての申請であり、既に付与されている再審査期間の残余期間が4年以上であることから、再審査期間は残余期間(令和9年1月7日まで)と設定することが適切と判断しました。なお、薬事分科会に報告を予定しています。
 以上、御審議のほどをよろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御質問、御意見を承りたいと思います。いかがでしょうか。これは既に、非常に出回り始めた薬ですが、適用は広がったということです。大曲先生、何かございますか。
○大曲委員 私としてはおおむね賛成なのですが、1点、余り慣れていないところもありまして。敗血症の所の評価なのですが、一般的な最近の敗血症に関する臨床試験の流れは、把握していないという意味で申し訳ありませんが、今回は、人工呼吸器関連肺炎の中の部分集合である敗血症の事例と、あとは前回の臨床試験の患者さんの敗血症の事例の中の、感染症の中の部分集合としての敗血症の事例の、それぞれの部分集合のデータを見て、部分集合であるけれども、MEPM等々と比較して劣っているところはなかろうという、今回は総合的な判断で認めてもよかろうということだと理解したのですが、一般的にそういう形で進めていかれるものなのかと、私はよく分からなかったものですから、教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおりでして、敗血症を対象とした比較試験はこれまでも実施されていない状況で、今回のように、これまでの流れとして、非盲検、非対象といったデザインで評価することがありましたので、今回もそのような対応をして評価しております。
○清田部会長 よろしいでしょうか。これは今後、適応拡大をどんどんやっていくのですか。
○医薬品医療機器総合機構 現時点では把握しておりません。
○清田部会長 していませんか。いつもそんな感じがしますけども。ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○菊池委員 添付文書の副作用の所が何となく書き直されているのが。最初の部分がザーッと消されて、添付文書の2~3ページにかけての、副作用の所の記載が変わっているのは、頻度が2%以上でなかったということが後で分かったのですか。
○医薬品医療機器総合機構 このように、副作用の項に線がたくさん引いてあることにつきましては、まず、もともとの添付文書が初回の尿路感染症と腹腔内感染症の試験時の副作用を記載していたということで、今回、新たに肺炎の試験が追加されて、その試験と合算して頻度が変わったということで、こちらのような記載になっておりますが、漏れがないように確認しております。
○菊池委員 ありがとうございます。何が言いたいかと言うと、こういうのを出す段階で、余り美しくないというだけで、こんなことになるなら、これは初めから出さなくてもバサッと。いいやつを、何で出さなかったのかと思うのです。
○清田部会長 奇麗ではないということですね。
○菊池委員 というか、ほかの添付文書の案で、もともとこんなふうにズタボロではないのではないかという話で。例えば、最初に配ったのと違ったからこうなっていればそうですが、最初に、配布時点からこれできているわけですよね。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね。今回が一部変更承認申請ですので、初回からの違いを示す必要がありますので、このように、少々お見苦しい形ではあるのですが、その変更を御理解いただくために。
○菊池委員 分かりました。これ、初回の分を消しているだけですね。分かりました。それなら結構です。
○清田部会長 ほかによろしいでしょうか。私から1点確認なのですが、効能・効果の菌種ですね。適応菌種の中で、本剤に感性の菌というような感じで書いてありますが、この薬剤そのものに対する薬剤感受性は分かりませんよね。結局、臨床検査上、この薬剤そのものが感受性試験の中の薬剤に載ってこないのではないかと思うのですね。ということは、この薬剤そのものに感受性があるかどうか、臨床検査上、分からないのではないかと思うのですね。ほかの、タゾバクタム・ピペラシリンなどは分かるのですね。言っていることは分かりますか。臨床の場で薬剤感受性試験というのを出すと、この薬剤がエントリーされていなくて、この薬剤は本当に効くのかという話になってしまうのですね。見当をつけるのが恐らくタゾバクタム・ピペラシリン当たりで、これに類似する薬、タゾバクタムが入っているやつということになろうかと思うのですよね。ですから、添付文書で「感性の」というのは、実際の臨床の場で分からないということになってしまいますが、これは微妙だと思っています。どうでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 使用できる薬剤感受性検査のため、そのものはあるのですが、パネルとして採用されているかどうかは医療機関によってかなり差があると思いますので。どちらかというと、陰性菌の院内感染のようなところでターゲットになっている場合に使用されるかどうか、院内で、パネルがあって、すぐ使えるかどうかというの、非常に難しい場合もあるかと思います。
○清田部会長 ないです。
○医薬品医療機器総合機構 ただ、準備されていないわけではないかなと見ています。
○清田部会長 全部にされていないのではないかと思いますけどね。
○大曲委員 正確には把握していないのですが、うちではまだ使っていないと思います。
○清田部会長 使っていないですね。
○大曲委員 だから、恐らく将来的には、これが入ったパネルが出てくるだろうと思います。
○清田部会長 私がお願いしたいのは、この添付文書で、本来、感性があると予想されるという、そういう表現にしてほしいのです。それをしないと分かりづらいのですね。つまり、今、実際、この薬そのものに対する感受性試験はできないですから。だから、何ていうか、そういうぼやけた表現が好ましいと思っているのです。あるいは、類似のタゾバクタム・ピペラシリンに感性のある薬、当然、感性があるとは思いますけどね。でも、曖昧な表現が好ましいと思っていますけどね。それから、その後のβ-ラクタマーゼ産生株であるのは明らかであるようなとか、そういうのはいいかなと、分かりやすいかなと思うのですけどね。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。先生の御指摘は理解したつもりでおります。しかしながら、今現在、市販されている抗菌薬については、どのような薬剤も本剤に感性の、というような記載をしておりますので、早急に本剤のみで対応することは難しいのですが、並びも見ながら検討させていただければと思います。
○清田部会長 変えられないんですね。出てしまっている薬はもう変えられないということですね。
○医薬品医療機器総合機構 今ある薬も踏まえて考えますと、難しい状況かとは思います。
○清田部会長 ありがとうございます。でも、出てしまっているから、ここのところ、ずっと具合が悪いと思ってきたものですから。そんな感じですね。ありがとうございます。よろしいでしょうか。
○南委員 この件はもうしょうがないと思います。今後新しい抗菌薬が出てきたときに「感性の」という文言は必要でしょうか?医療現場で効かないと思えば、当然使わないわけですので。
○清田部会長 そうですね。
○南委員 パネルに載っていれば、効かないと出れば使わないわけですし。
○清田部会長 これはなかなか難しいのです。「感性の」というのをはずしてしまうと、もう無尽蔵に、肺炎なら肺炎と、バチャバチャ使うのですね。尿路感染症だとか、そういう事態が起こるので、多分、そういう。
○南委員 制限を加える。
○清田部会長 ですから、これがあると、例えば、査定もしやすくなるかもしれないですね。然るべき感受性試験が行われているかどうかが条件になってくる可能性もありますね。ここでいろいろな制限が入ってくるという解釈かと思いますけどね。ほかに御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○清田部会長 はい。ありがとうございます。それでは、議決に入りたいと思います。南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題につきまして、承認を可としてよろしいでしょうか。
(異議なし)
○清田部会長 議題9につきまして、機構から概要の御説明をお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 議題9、資料番号9、医薬品バベンチオ点滴静注200mgの製造販売承認事項一部変更承認の可否等について、説明いたします。タブレットの資料9のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。なお、以後の審査報告書のページ数は、審査報告書のファイルの下部に青字で記載しているページを使用いたします。本剤は、programmed cell death-ligand1(以下、「PD-L1」)に対する免疫グロブリンG1サブクラスのヒト型モノクローナル抗体であるアベルマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。
 今般、本剤は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能・効果として承認申請されました。令和元年9月時点において、本剤は腎細胞癌に係る効能・効果にて、2か国で承認されております。
 本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料22にありますとおり4名の委員です。以下、臨床試験成績を中心に審査の概要を説明いたします。
 今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、1003試験と呼ばれる国際共同第III相試験である、B9991003試験が提出されました。有効性については、審査報告書9ページの表3及び10ページの図3を御覧ください。化学療法歴のない根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者を対象とした1003試験において、PD-L1陽性、陰性を問わない全体集団であるITT集団の無増悪生存期間について、スニチニブ群に対する本剤とアキシチニブとの併用投与群の優越性が示されたこと等から、当該併用投与の有効性は示されたと判断いたしました。
 安全性については、審査報告書16ページ下から4行目以降を御覧ください。本剤の併用投与時に特に注意すべき有害事象として、既承認の効能・効果に対する承認時等に注意が必要と判断された事象に加え、下垂体機能障害及び重症筋無力症が認められております。
 これらの有害事象については、がん化学療法に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察、過度の免疫反応による副作用を考慮した鑑別診断や管理、本剤及びアキシチニブの休薬等の適切な対応により、忍容可能と判断いたしました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には、本剤を使用した全例を対象とした使用成績調査の実施が必要であると判断し、承認条件としております。
 以上のような審査の結果、機構は「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能・効果として、本剤を承認することは可能と判断いたしました。
 本剤は、希少疾病用医薬品として承認された新有効成分含有医薬品に対する希少疾病用医薬品に指定されていない効能・効果等の追加に係るものであることから、追加される効能・効果等に対する再審査期間を5年10か月とすることが適当であると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見どうぞ。
○長島委員 PD-L1の発現状況にかかわらず、有効性が期待できるということですが、有効性及び安全性において、陽性か陰性かは全く関係ないのか、多少とも影響があるということであれば、そのことはきちんとそのデータを提供すべきではないかと思うのですが、そこはいかがでしょうか。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 審査報告書24ページにPD-L1発現状況別の有効性の結果を記載しており、PD-L1発現率が低い集団では無増悪生存期間の延長効果が小さい傾向は認められておりますので、この点については最適使用推進ガイドライン等を用いて情報提供させていただく予定です。
○長島委員 分かりました。
○清田部会長 よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見はありますか。
○濱委員 また先ほどのように添付文書の記載の内容についてですが、本剤はインフィージョンリアクションの発現頻度が高いということで、添付文書の7、用法・用量に対する注意の所に、「抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤等を使え」という記載が見られます。同じように、インフィージョンリアクションの頻度が高い、例えばリツキシマブとかセツキシマブについても同じような記載があるのですが、それは警告の欄に書かれてあったり、リツキシマブについては抗ヒスタミン剤の記載は基本的注意の項目に書いてあります。同じようなことが添付文書上には確かに書かれているのですが、書かれている場所に統一感がないと感じています。
 なぜこの指摘をさせていただくのかと言いますと、最近機構が電子的な添付文書を公開するようになり、それをもとに処方監査のときに、機械的にというか、システムで監査をすることができますが、書かれている場所が違うと必ずしも引っ掛かってこないという問題があります。
 ちょっと前に戻りますが、リンヴォックの所で、徐放錠だから粉砕しないことと指摘をさせてもらいましたが、先ほどの、ノクサフィル錠も腸溶錠で、同じように粉砕しないことという記載がありますが、書かれている場所が、先のものは「薬剤投与時の注意」に書かれているにもかかわらず、こちらは「薬剤交付時の注意」に書かれているということです。繰り返しになりますが、添付文書の記載項目のバラバラという感覚があります。意見としてですが、先ほど言いましたように、システムで検索をかけるといったようなことを考えたときに、同じ項目に書いていただくことを少し考えていただきたいということを述べさせていただきたいと思います。
○清田部会長 おっしゃるとおりですね。
○医薬安全対策課長 大切な御指摘、ありがとうございました。歴史というか、過去の古いものまで含めますと確かにいろいろな所に記載があるのだろうと思います。これは一気に変えるかどうかそのタイミングも含めてですが、確かにまちまちの所にあることが原因で検索がかからないと、それこそ漏れになってくるということで、見逃す恐れがありますので、この辺りどういうアプローチがあるかも含めて考えていかないといけない問題と受け止めさせていただきます。
○濱委員 よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ちょっと調査が必要ですね。
○医薬安全対策課長 あとそれと、電子化の方向で、今、制度改正が動いているのですが、その際、記載場所によって引っ掛かる、引っ掛からないという所が、もしかしたら技術的に解決できるかもしれないので、そちらのほうでも何ができるかということでは受け止めさせていただきたいと思います。
○清田部会長 ほかに御意見、御質問はありますか。
○川上部会長代理 本質的なことではないかもしれないのですが、PD-1抗体やPD-L1抗体で、投与量が本剤のように体重当たりのままの製品と、製剤全量の固定用量に変わっているものの両方があります。本剤では、同効薬のテセントリクやオプジーボなどは固定用量に変わっており、現場での取扱いの点で二重性があって、我々は難渋しているのですが、何か方向性とかが、もし、あれば教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 ご質問ありがとうございます。体重換算用量から固定用量への変更につきまして、申請者により品目ごとに変更の根拠となるデータが集められ、そのデータに基づいて申請が行われることになりますので、現状としては品目ごとに用量の設定が異なる状況となっております。
○清田部会長 多分固定のほうが便利だと、間違いにくいし。
○川上部会長代理 リスクの観点からと、あとは医療経済的にも高額薬剤の廃棄が出ないという、メリットがあります。
○清田部会長 そのような観点は当然あろうかと思います。ただ、申請時にはこのような形式なので、将来検討していただくことになろうかと思います。そういうことでよろしいでしょうか。議決に入りたいと思います。南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いだくことにいたします。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 事務局から引き続き御説明をお願いします。
○事務局 バベンチオ点滴静注200mgについて、最適使用推進ガイドラインの作成を予定しておりますので、マイプライベートファイルに戻っていただき、その他事項のフォルダに格納しています資料20-1を御覧ください。バベンチオの腎細胞癌の最適使用推進ガイドライン(案)について説明いたします。各ページの最下部に記載している通し番号に基づき説明いたします。ガイドラインの構成につきましては、これまでに作成しているものと同様です。3ページを御覧ください。枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しております。対象となる効能・効果は根治切除不能又は転移性の腎細胞癌となります。用法・用量としまして、アキシチニブとの併用において、1回10mg/kgを2週間隔で点滴静注するものになります。
 次に、5ページ以降ですが、こちらに先ほど御確認いただきました臨床成績を示しております。9ページを御覧ください。施設について、マル1-2として、腎細胞癌の化学療法及び副作用発現時の対応に十分な知識と経験を持つ医師を治療の責任者として配置いただくように記載しております。
 続いて、11ページの対象となる患者の有効性に関する事項です。こちらでは、臨床試験において有効性が示されている患者及び有効性が確立していない患者をそれぞれ提示しております。12ページから記載しています投与に際して留意すべき事項については、これまで作成していますバベンチオのガイドラインと同様です。説明は以上になります。
○清田部会長 委員の先生方から御質問がありましたらどうぞ。
○長島委員 先ほど指摘したことで、グラフが載っているのですが、これは言葉に全然なっていないので、これだと気が付かない人は気が付かないと思うので、きちんと言葉で表していただければと。陽性の所と陰性の所で傾向があるということは入れていただけるといいと思います。
○清田部会長 いかがでしょう。
○事務局 御指摘ありがとうございます。頂いた点を踏まえて修正について検討させていただきます。
○清田部会長 ほかに御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、ガイドラインについてはこれで終了として、別室で待機されています山口委員をお呼びいただきたいと思います。
(山口委員入室)
○清田部会長 議題10に移ります。機構から概要の御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 議題10、資料番号10、医薬品ニュベクオ錠300mgの製造販売承認の可否等について、機構より説明いたします。タブレットの資料10のフォルダを開き、審査報告書のファイルをお開きください。なお、以後の審査報告書のページ数は、審査報告書のファイルの下部に青字で記載しているページを使用いたします。
 本剤の有効成分であるダロルタミドは、アンドロゲンの受容体への結合を競合的に阻害するとともに、転写因子であるアンドロゲン受容体の核内移行を阻害し、標的遺伝子の転写を阻害することにより、腫瘍の増殖を抑制すると考えられております。
 今般、本剤は「去勢抵抗性前立腺癌」を効能・効果として承認申請されました。令和元年8月時点において、本剤は前立腺癌に係る効能・効果にて、米国のみで承認されております。本品目の専門協議に御参加いただいた専門委員は、資料22の8名の委員です。以下、臨床試験成績を中心に審査の概要を説明いたします。
 今般の承認申請では、主な臨床試験成績として、国際共同第III相試験である17712試験が提出されました。有効性については、審査報告書34ページの表18及び35ページの図2を御覧ください。前立腺特異抗原の倍加時間が10か月以下の遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした、17712試験において、主要評価項目とされた中央判定による無転移生存期間について、プラセボ群に対する本剤群の優越性が示されたこと等から、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌に対して本剤の有効性は示されたと判断いたしました。
 安全性については、審査報告書42ページ上から1行目以降を御覧ください。本剤の投与時に特に注意すべき有害事象として、心臓障害が認められております。当該事象については、がん薬物療法に十分な知識と経験を持つ医師による有害事象の観察や管理等の適切な対応により、忍容可能と判断しました。ただし、日本人における検討症例は限られており、製造販売後には使用成績調査の実施が必要であると判断しております。
 以上のような審査の結果、機構は、「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌」を効能・効果として、本剤を承認することは可能といたしました。
 本剤は、新有効成分含有医薬品であることから、再審査期間を8年とすることが適当であり、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当せず、原体及び製剤はいずれも劇薬に該当すると判断いたしました。薬事分科会には報告を予定しております。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
 なお、タブレットに格納をさせていただきました添付文書案について、類薬の添付文書の改訂内容を踏まえ、現在、修正を予定しております。机上に配布いたしました添付文書案の訂正についての資料を併せて御覧ください。重要な基本的注意の8.3の項について、「初期症状(呼吸困難、発熱、咳嗽等)」と記載されている箇所に関して、括弧内の具体例として、「息切れ」を追記すること等の変更を予定しております。なお、当該修正による審査内容への影響はありません。
 また、事前に川崎委員から、承認申請書について御指摘を頂いております。フォルダを1つ戻っていただき、1.2の承認申請書を御覧ください。こちらの3ページの貯蔵方法及び有効期間の欄について、貯蔵方法が記載されていない旨の御指摘を頂きました。御指摘を踏まえ、適切に修正いたします。御指摘ありがとうございました。以上です。
○清田部会長 委員の先生方から御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでしょう。
○南委員 教えていただきたいのですが、審査報告書では心臓障害という表現であって、特に不整脈なのか心筋障害なのかに分けたディスカッションしていなかったのが、添文には伝導障害の形で限定されてきているのですが、その点はどういったディスカッションがあったのでしょうか。バイオロジカルな観点から、限定した形になったのでしょうか。
○清田部会長 いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 御質問ありがとうございます。審査の段階においては有害事象として、広く「心臓障害」について本剤の影響を検討しましたが、その検討において、臨床試験等のデータに基づき、発現した事象に関する本剤との因果関係、重篤度などを考慮して、添付文書としては「不整脈等の心臓障害」について注意喚起することといたしました。
○南委員 プラセボとの比較で、心不全の頻度が確かに数字的には高くなっています。満遍なく頻度が高くなっているように感じるのですが、例えばQTCを延長させるとか、ハーグの抑制が前臨床試験で示されているとか、そういったデータに基づいているわけではないという理解でいいですか。
○医薬品医療機器総合機構 非臨床試験において得られた成績も確認しておりますが、特に臨床試験において発現した事象に関する本剤との因果関係等の情報を考慮し、添付文書に反映することといたしました。
○清田部会長 そのような感じです。よろしいでしょうか。ほかに御意見はありますでしょうか。それでは、議決に入ります。南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。私についても同様の扱いです。本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、承認を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 議題11に移ります。機構から御説明をお願いいたします。
(山口委員退室)
○事務局 議題11について、事務局より概要を説明させていただきます。資料11になります。上から2つ目の希少疾病用医薬品該当性の事前評価報告書をお開きください。ブロダルマブ遺伝子組換え希少疾病用医薬品として指定することの可否について御説明いたします。まず、1ページ中段ですが、申請者は協和キリン株式会社、予定される効能・効果が、全身性強皮症になります。指定の3要件を順番に御説明いたします。まず1つ目の対象患者数については、全身性強皮症が指定難病でであり、平成29年における特定医療費受給者証の交付件数が2万7,432名になっており、患者数が5万人未満という基準を満たしているものと考えております。
 次に、医療上の必要性です。本邦における治療薬としては、副腎皮質ステロイドやシクロホスファミド等があります。それらで皮膚の硬化スコアでの改善効果は報告がされておりますが、感染症や肺がん等の悪性腫瘍誘発のリスクにより長期の投与が困難であることから、皮膚硬化に対する長期の投与が可能かつ有効性の高い治療方法が期待されております。以上より、医療上の必要性が高いと考えております。
 最後に、開発の可能性ですが、現在中等度~重度の皮膚硬化を有する患者を対象とした国内第III相試験が令和元年5月から実施されており、同試験で100名の患者を組み入れる予定ですが、9月時点で○名の患者が組み入れられて試験が進んでいるところです。以上より、本剤の開発の可能性が高いと考えております。
 したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えておりますので、よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○清田部会長 委員の先生方から御質問はありますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは議決に入ります。南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことになります。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 それでは議題12に移ります。よろしくお願いいたします。
○事務局 議題12、資料12、セクキヌマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より説明いたします。タブレットの資料12のフォルダーをタップいただき、2番目の事前評価報告書のファイルをお開きください。報告書1ページ中段です。申請者が「ノバルティスファーマ株式会社」、予定される効能・効果が「X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」になります。こちらも3、4件、順番に説明させていただきます。1ページの対象患者数は、日本、中国、シンガポール、その他の地域区分における体軸性脊椎関節炎患者の患者背景の違いを比較したコホート調査の結果から、X線基準を満たさない日本人の患者数については約750人と推定されております。以上より患者数5万人未満という基準を満たしているものと考えております。
 次に、2ページの医療上の必要性について、御説明します。米国と欧州とは異なり、まだ本邦では治療薬として生物製剤が承認されておらず、痛みに対する対症療法としてNSAIDを中心とした治療が行われております。そのため十分に臨床症状をコントロールできない患者も多く存在すると考えられており、新たな治療方法が求められているところです。これらより、医療上の必要性が高いと考えております。
 最後に、開発の可能性ですが、本剤は国際共同第III相試験が進行中で、投与24週時点での中間解析の結果では、本剤の有効性が示唆されるデータが得られていることから、本剤の開発の可能性が高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えておりますので、よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○清田部会長 委員の先生方からの御質問、御意見をお伺いしたいと思います。いかがでしょう。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、議決に入ります。南委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。本議題について、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可として、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 別室で待機されています山口委員をお呼び戻しください。
(山口委員入室)
○清田部会長 それでは報告事項に移りたいと思います。報告事項の議題1について、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。報告事項の議題1「医薬品キイトルーダ点滴静注20mg及び同点滴静注100mgの製造販売承認事項一部変更承認について」、御報告をさせていただきます。資料13から19-6と書いてあるフォルダをタップいただきまして、資料13がキイトルーダになります。
 本剤は、Programmed cell death-1に対する免疫グロブリンG4サブクラスのヒト化モノクロナール抗体であるペムブロリズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤であり、現在は、「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がん」及び「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性を有する固形がん」を効能・効果として承認がされています。
 今般、MSD株式会社から、「根治切除不能又は転移性の腎細胞がんの効能・効果及び用法・用量」並びに「再発又は遠隔転移を有する頭頚部がん」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断がされております。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。委員の先生方から御質問、御意見ございますでしょうか。大丈夫でしょうか。ありがとうございました。それでは。
○南委員 一言だけお願いがあるのです。この事例もそうなのですが、PD-L1の発現が高いところで有効性が示されたら、カットオフ値を下げていって、既に有効性が示されたところも含めて全体で有効だから、低いところでも使っていいのだという論旨の展開になっているのですが、現場で知りたいのは低いところだけでどのぐらいの有効性が期待できるかというところを常に知りたいのです。ただその情報を出さないので、是非そういう情報を出すような働き掛けをしていただければというお願いです。これは前回にもお願いしたかもしれませんが、よろしくお願いします。
○清田部会長 そういうお願いはできますか。大丈夫ですか。
○医薬品医療機器総合機構 企業が出してくれない場合もありますが、我々からも企業にそういったデータを出すように伝えていきたいと思います。
○南委員 是非お願いします。
○清田部会長 是非それを指導していただければ。
○医薬品審査管理課長 今や、やはり作用メカニズムのキーとなるところがどのぐらい発現しているかということが、患者さんに対する治療選択肢を検討していただくときに大事なことになるのだと思います。どうしても症例数が少ないとかデータの限界は先生方にも御理解をいただきながらだと思うのですが、もはやそういう時代だと思いますので、企業からデータを提出していただき先生方に見ていただきたいと思います。
○清田部会長 よろしいでしょうか。それでは、一応報告事項の議題1については御確認いただいたものとします。引き続き御報告をお願いします。
○事務局 事務局でございます。キイトルーダ点滴静注20mg、同点滴静注100mgについては、最適使用推進ガイドラインの作成を予定しておりますので、マイプライベートファイルに戻っていただいて、その他事項のフォルダに格納しております資料20-2のキイトルーダの最適使用推進ガイドライン(案)をお開きください。資料では頭頚部癌と腎細胞癌のガイドラインをまとめており、ページ番号は各ページの最下部に通し番号を付しております。
 いずれのガイドラインについても、構成はこれまで作成しているガイドラインと同じです。まず頭頸部癌について3ページを御覧ください。枠内に対象となる効能・効果、用法・用量を示しております。対象となる効能又は効果は、再発又は遠隔転移を有する頭頚部癌です。1回200mgを3週間隔で点滴静注するという用法・用量になります。
 続いて5ページ以降に臨床成績を示しております。化学療法歴のない再発又は遠隔転移を有する頭頚部扁平上皮癌患者を対象に、セツキシマブ、5-FU及びプラチナ製剤の併用投与を対照群とした、国際共同第III相試験であるKEYNOTE-048試験が実施されております。この試験において、本剤と5-FU及びプラチナ製剤の併用投与並びに本剤単独投与の有効性が示されております。
 続いて12ページ、「施設について」です。こちらはこれまでに作成している頭頚部癌のガイドラインと同様です。13ページを御覧ください。5の「対象となる患者」において、有効性に関する事項として臨床試験において有効性が示されている患者及び有効性が確立していない患者をそれぞれ提示しております。またKEYNOTE-048試験において、CPSにより有効性が異なる傾向を示唆する結果が得られています。この情報については資料の8~9ページでお示ししています。この結果を踏まえCPSも確認した上で投与の可否を判断するよう記載しています。続いて16ページから記載しています、投与に際して注意すべき事項については、これまで作成しているキイトルーダのガイドラインと同様です。
 次に18ページ以降が腎細胞癌のガイドラインです。20ページを御覧ください。枠内に効能・効果、用法・用量を示しています。対象となる効能又は効果は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌です。アキシチニブとの併用において1回200mgを3週間隔で点滴静注するという用法・用量になります。
 次に、22ページ以降に臨床成績を示しています。化学療法歴のない根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者を対象に、スニチニブを対照群とした国際共同第III相試験であるKEYNOTE-426試験が実施されております。この試験において本剤とアキシチニブとの併用投与の有効性が示されております。
 26ページ以降の「施設について」と投与対象となる患者、投与に際して留意すべき事項について、安全性についてはキイトルーダの既存のガイドラインを参考にしておりますが、概ねバベンチオのガイドラインと同様です。説明は以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。先生方から御質問等ありましたら承ります。よろしいでしょうか。
○南委員 書いてありましたね、失礼しました。
○清田部会長 よろしいでしょうか。それでは御確認いただけたものといたします。引き続き、報告事項、議題2~7について御説明を事務局からお願いします。
○事務局 事務局でございます。事務局のほうから報告事項議題2~7までまとめて御説明いたします。まず議題2ですが、医薬品アドセトリス点滴静注用50mgの製造販売承認事項一部承認変更承認についてです。資料14になります。こちらは本剤有効成分でありますブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)ですが、抗CD30モノクロナール抗体とチューブリン重合阻害作用を有する、モノメチルアウリスタチンEがリンカを介して共有結合している抗体薬物複合体であり、現在はCD30陽性のホジキンリンパ腫及びCD30陽性の再発又は難治性の未分化大細胞リンパ腫を効能・効果として承認がされています。
 今般武田薬品工業株式会社から成人のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫に関する効能・効果及び用法・用量の追加、並びに小児の再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫に関する用法・用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断をしております。
 続いて議題3、医薬品ダラザレックス点滴静注100mg及び同点滴静注400mgの製造販売承認事項一部変更承認について御報告します。資料番号は15になります。本剤はヒトCD38に対するIgG1サブクラスのヒト型モノクロナール抗体であるダラツムマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤で、現在は多発性骨髄腫を効能・効果として承認されています。また本剤は未治療の多発性骨髄腫に対しては、ポルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾロンとの併用投与に係る用法・用量で承認がされています。
 今般、ヤンセンファーマ株式会社から未治療の多発性骨髄腫に対するレナリトミド水和物及びデキサメタゾンとの併用投与に係る用法・用量を追加する、製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断がされています。
 続いて議題4になります。
○事務局 議題4、資料16、条件付き早期承認制度の適用について事務局より御説明いたします。条件付き早期承認制度の手続きについては2ページに示しておりますが、本制度への適用の判断は薬事・食品衛生審議会の担当部会に報告し、了承を得ることとしています。1ページにお戻りください。今回の対象品目は、販売名○○○○○○○○○○○○○、一般名○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○、申請者は○○○○○○○○です。
 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○に係る効能・効果で承認申請がなされています。当該薬剤の条件付き早期承認制度の該当性について、機構にて事前に取りまとめられた報告書に基づき御説明いたします。
 資料の7ページを御覧ください。マル1適応疾患の重篤性について。適応疾患は1、生命に重大な影響がある疾患、致死的な疾患に該当すると判断されています。次にマル2医療上の有用性です。○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○に対しては、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○による化学療法が行われているものの、全生存期間の延長等が検証された既承認の治療薬はなく、新たな治療薬の開発が望まれています。したがって適応疾患に対して医療上有用な薬剤はないことから、1、既存の治療法、予防法又は診断法がないことに該当すると判断されています。
 マル3検証的臨床試験等の状況について、資料8ページを御覧ください。現在適応疾患の患者を対象に、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○が実施されていますが、検証的臨床試験の実施には相当の期間を要すると判断されています。
 最後にマル4有効性及び安全性について、有効性については○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○でした。また安全性については、現時点で得られている情報を踏まえると、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○と判断されています。これらの結果に基づき、本剤の一定の有効性及び安全性は示されたと判断されています。
 以上を踏まえ当該薬剤は、9ページに示しております○○の内容を承認条件として、条件付き早期承認品目に該当すると判断いたしました。なお当該薬剤の承認の可否及び承認条件については、今後機構での審査を経た後に改めて本部会にて御議論いただく予定となっております。
○事務局 続いて議題5、優先審査指定品目の審査結果について、事務局より御説明します。資料17です。優先審査ですが、希少疾病用医薬品ですとか、その他医療上特に必要性が高いと認められる品目を指定しており、他の品目に優先して審査を行うものです。その指定に当たっては、適応疾患の重篤性と医療上の有用性を総合的に評価して判断することとさせていただいています。今回優先審査の対象となった品目がありますので、御報告いたします。
 販売名がオフェブカプセル100mg、同カプセル150mgで、一般名がニンテダニブエタンスルホン酸塩、申請者が日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社です。進行性線維化を伴う間質性肺疾患に係る効能・効果で承認申請がされています。
 機構の報告書に基づき、当該薬剤の優先審査の該当性について御説明いたします。資料の7ページですが、最初の適応疾患の重篤性については、適応疾患が生命に重篤な影響がある疾患及び病気の進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患に該当すると判断がされています。
 また、2つ目の医療上の有用性ですが、本剤については特発性肺線維症以外の進行性線維化を伴う間質性肺疾患を対象とした第III相国際共同試験が実施されていて、主要評価項目とされた投与52週間の努力性肺活量の年間減少率について対照群と比較し、本剤投与により有意に減少が抑制されています。
 安全性については現時点で得られている情報を踏まえると、認容可能と考えられることから、本剤は既存の治療法、診断法若しくは予防法がないことに該当すると判断がされています。以上を踏まえて当該薬剤は優先審査品目に該当すると判断させていただきました。
 続いて報告事項議題6、医療用医薬品の承認条件について、順に御説明をいたします。最初にアイセントレス錠600mgについてですが、資料番号18-1をお開きください。今回ラルテグラビルカリウムを有効成分とする医薬品アイセントレス錠600mgの承認条件に係る御報告となりますが、本剤は平成30年5月にHIV感染症の効能・効果で承認がされていて、その際にこちらに記載されている承認条件が付されています。この度MSD株式会社から医薬品の使用条件の設定に関する考察及び対応に関する報告書が提出され、機構において評価されましたので御報告いたします。
 最初に1、2ページの製造販売後調査の実施の経緯ですが、本剤の審査過程において日本人を対象とした薬物動態の試験を実施し、その進捗状況を定期的に報告するとともに終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出することが必要とされていました。
 続いて2ページの提出された資料の概要ですが、日本人健康成人を対象に本剤2錠を空腹時に単回経口投与したときの薬物動態及び安全性を検討することを目的とした、非盲検非対照試験が国内で実施されています。
 本試験で得られたPKのパラメータと本剤の承認申請時に提出済の海外臨床試験から得られた、外国人の健康成人又は外国人のHIV感染症患者でのPKパラメータが表1にあるとおりで、また各試験におけるラルテグラビルカリウムのCmax及びAUCの分布が図1に示しているとおりで、本試験と海外臨床試験の結果について臨床的に意義のある民俗差が認められませんでした。
 安全性については2ページに記載されておりますとおり、本試験において有害事象等は認められておりません。以上より、機構は提出された資料から承認条件が対応されたものと判断しています。
○事務局 続いて、レンビマカプセルの承認条件について、資料18-2のファイルをお開きください。レンバチニブメシル酸塩を有効成分とする医薬品レンビマカプセル4mgと、カプセル10mgの承認条件に係る御報告となります。本剤は平成27年3月に根治切除不能な甲状腺がんの効能・効果が承認され、その際、3ページ中ほどに記載されている承認条件が付されています。この度エーザイ株式会社から承認条件に基づき実施された、使用成績調査の結果、本調査結果に対する承認取得者の考察及び対応に関する報告書が提出され、機構において評価されたのでご報告します。
 本調査は本剤を使用した全症例を対象に、平成27年5月20日より実施されており、平成27年11月6日までに本剤が投与された調査票回収対象629例の情報に基づき、調査結果がまとめられました。
 本調査において製造販売承認時までに実施された主な臨床試験と比較して、新たな懸念事項は認められていません。8ページの総合評価を御覧ください。機構は提出された資料から、承認条件である製造販売後調査が実施され、有効性、安全性に係る情報が収集されていること、収集された情報に基づいて本剤の適正使用に必要な措置が講じられていることから、承認条件は対応されたものと判断しています。以上を踏まえ、承認条件は満たされたものと判断しています。
 続いて資料18-3、ファリーダックカプセルの承認条件についてご報告します。本剤はパノビノスタット乳酸塩を有効成分とする医薬品ファリーダックカプセル10mg及び同カプセル15mgになります。本剤は平成27年7月に再発又は難治性の多発性骨髄腫の効能・効果が承認され、その際、2ページ下に記載されている承認条件が付されています。この度ノバルティスファーマ株式会社から承認条件に基づいて実施された使用成績調査の結果、本調査結果に対する承認取得者の考察及び対応に関する報告書が提出され、機構において評価されましたので御報告します。
 本調査は本剤を使用した全症例を対象に、平成27年8月31日より実施され、平成28年2月29日までに本剤が投与を開始され、調査票が回収・固定された341例の情報を基に調査結果がまとめられています。本調査において収集された安全性及び有効性は、製造販売承認時までに実施された主な臨床試験と概ね同様との結果が得られています。
 続いて6ページ3、総合評価を御覧ください。機構は提出された資料から、承認条件である製造販売後調査が実施され、有効性、安全性等に係る情報が収集されていること、収集された情報に基づいて本剤の適正使用に必要な措置が講じられていることから、承認条件は対応されたものと判断しています。以上を踏まえ、承認条件は満たされたものと判断いたしました。
 続いて、資料18-4「ザーコリ200mg、同カプセル250mg」の承認条件に係る報告になります。本剤はクリゾチニブを有効成分とする医薬品です。2ページを御覧ください。本剤は平成24年3月に「ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能・効果で承認され、平成29年5月に「ROS1融合遺伝子陽性と切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の効能追加が承認されており、各効能・効果に対してそれぞれページ中ほどに記載されている承認条件が付されています。この度ファイザー株式会社から、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんを対象として実施された使用成績調査の結果、追加のリスク最小化活動の「医薬品の使用条件の設定」の実施状況等に関する報告書が提出され、機構において評価されました。
 使用成績調査については3ページ以降に記載しています。2.提出された資料の概要。(1)製造販売後調査の結果を御覧ください。本調査は平成24年5月29日から開始され、平成26年12月3日までに本剤の投与が開始された2,105例の情報を基に、調査結果がまとめられています。本調査において現時点で新たな注意喚起を要するような情報は得られていません。
 続いて、医薬品の承認条件の設定について6ページの(2)製造販売後に実施されたリスク最小化活動を御覧ください。承認取得者は、承認条件に基づき、「マル1医薬品の使用条件の設定」として、本剤納入施設・医師要件の設定、及び納入前の確認、医療従事者及び薬局への事前説明、治療確認シートの運用並びに初回納入確認を行い、その他の追加のリスク最小化活動としてマル2以降に示す内容を実施しており、承認取得者は、使用成績調査により本剤の安全性情報が一定程度集積され、また、当該調査において新たな安全性上の懸念は認められなかったこと、その後も間質性肺疾患の発現状況の推移に大きな変化が認められていないことを説明しています。
 10ページのIII「総合評価」を御覧ください。機構は提出された資料から、11ページに記載している承認条件は対応されたものと判断しています。以上を踏まえ、承認条件は対応されたものと判断しました。
○事務局 最後に報告事項議題7、医療用医薬品の再審査結果についてご報告します。資料番号19-1~19-6になります。まず19-1ですが、有効成分名イマチニブメシル酸塩、販売名がグリベック錠100mgになります。資料19-2が有効成分名ラパチニブドシル酸塩水和物、販売名がタイケルク錠250mgになります。資料19-3が有効成分名ラルテグラビルカリウム、販売名がアイセントレス錠400mgになります。資料19-4がヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマー及びヒアルロン酸ナトリウム架橋処理ポリマービニルスルホン架橋体、販売名がサイビスクディスポ関節注2mLになります。資料19-5がボルテゾミブ、販売名がベルケイド注射用3mg。資料19-6が有効成分名がピルフェニドン、販売名がピレスパ錠200mgになります。
 これらの品目ですが、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査及び製造販売後臨床試験に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、医薬品医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第2項第3号に掲げられている、承認拒否自由のいずれにも該当しないこと。すなわち効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要がないカテゴリー1と判定させていただきました。報告事項については以上になります。 
○清田部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問、御意見がございますでしょうか。それでは報告事項の議題2~7については、御確認いただいたものといたします。続いてその他議題1ですが、既に報告されておりますので、本議題については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですけれども、事務局から何か御報告がありますか。
○事務局 事務局でございます。長時間にわたり御議論いただきましてありがとうございます。次回の部会ですが、来年1月29日午後5時から開催させていただく予定ですので、来年もまたよろしくお願いいたします。
○清田部会長 お疲れさまでした。良いお年をお迎えください。また来年もよろしくお願いいたします。
( 了 )
 
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 荒木(内線2746)