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第24回肝炎対策推進協議会 議事録
健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
日時
令和元年12月13日(金)13:00~15:00
場所
全国都市会館3階第1会議室
出席者
泉 並木(武蔵野赤十字病院院長)
及川 綾子(薬害肝炎原告団)
岡田 京子(全国B型肝炎訴訟東京原告団)
釜萢 敏(公益社団法人日本医師会常任理事)
小池 和彦(東京大学大学院医学系研究科消化器内科学教授)
坂上 博(読売新聞調査研究本部主任研究員)
佐々木 洋子(日本肝臓病患者団体協議会)
辰巳 創史(全国B型肝炎訴訟大阪原告団)
田中 純子(広島大学大学院医系科学研究科疫学・疾病制御学教授)
中澤 善美(全国中小企業団体中央会常務理事)
西村 愼太郎(日本肝臓病患者団体協議会相談役)
米澤 敦子(日本肝臓病患者団体協議会代表幹事)
議題
(1)肝炎対策の国及び自治体の取組状況について
(2)肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について
(3)研究報告について(田中委員報告)
(4)その他
(2)肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について
(3)研究報告について(田中委員報告)
(4)その他
議事
- ○小野肝炎対策調整官 定刻となりましたので、ただいまより第24回「肝炎対策推進協議会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
私は、事務局の健康局肝炎対策調整官の小野でございます。冒頭の議事進行を担当させていただきます。
それでは、開会に当たりまして、健康局長の宮嵜から御挨拶をさせていただきます。
○宮嵜健康局長 健康局長の宮嵜でございます。
委員の皆様におかれましては、御多忙のところ、本協議会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。また、平素より肝炎対策をはじめとして、厚生労働行政の推進に御支援、御協力を賜っておりますことに厚く御礼申し上げる次第でございます。
国内最大級の感染症でございます肝炎の対策は、大変重要な政策課題であると考えており、厚生労働省におきましては、肝炎対策基本法や本協議会での御審議を経て策定した肝炎対策基本指針に則り、肝炎対策を総合的に推進しているところでございます。
本日は、国及び地方自治体における肝炎対策の取り組み状況、昨年12月から開始いたしました「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」の実施状況につきまして、事務局から御説明させていただきます。また、田中委員から研究報告をいただくこととしております。
委員の皆様におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をいただければ幸いでございます。
本日も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○小野肝炎対策調整官 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。撮影の皆様は御退室をお願いいたします。
続きまして、委員の出席状況について申し上げます。
本日は、全20名のうち、大久保委員、考藤委員、高橋委員、武田委員、中澤よう子委員、日浅委員、棟重委員、脇田委員の8名の方から欠席の御連絡をいただいており、12名の委員に御出席をいただいております。定足数に達しておりますので、本日の会議は成立いたしますことを御報告いたします。
続きまして、事務局の紹介をさせていただきます。
ただいま御挨拶をさせていただきました健康局長の宮嵜でございます。
健康局がん・疾病対策課長の江浪でございます。
そのほか、がん・疾病対策課肝炎対策推進室の担当職員が出席させていただいております。
なお、宮嵜局長はこの後、別の公務のため、途中退席させていただきますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、お手元のタブレットの説明をさせていただきます。
厚生労働省では、ペーパーレス化の取り組みを推進しております。本協議会においても資料はタブレットでデータを閲覧する方式で実施させていただきます。御理解のほど、お願い申し上げます。
お手元には、タブレットと操作説明書を配付しております。タブレットにはカバーがついておりますが、このカバーは外さないようにしていただきますよう、お願いいたします。
それでは、タブレットの操作について御説明をいたします。
現在、資料一覧が表示されているかと思います。資料一覧ではなく、また、資料が表示されていない場合、画面を指で1回軽くタッチをいただきますと、画面左上に資料一覧に戻す矢印が表示されますので、そこをもう一度タッチいただきますと、本協議会の資料一覧が表示されます。表示したい資料のタイトルをタップしていただければと思います。
例えば、今、資料1が一覧の中にあるかと思いますが、資料1をタップしてファイルを開いてください。タップをした資料の内容が表示されると思います。
また、表示の拡大、縮小につきましては、画面に指を置いて、2本の指を開いたり閉じたりすることで、表示内容が拡大、または縮小表示されます。2本の指を開くと拡大し、2本の指を閉じると縮小するものでございます。
ページをめくりますには、指を置いて画面を軽く払うように動かしたり、ゆっくりなぞっていただきますと、ページをめくることができます。
以上で、タブレットの操作説明を終わります。よろしゅうございますか。
詳しい内容はお手元の操作説明書をごらんください。もし、御不明な点がございましたら、事務局の者が説明に参りますので、お声がけをいただければと思います。
また、お手元のマイクでございますけれども、同時にお話ができる人数に限りがございますので、発言が終了されましたら、お手元のマイクの操作パネルの一番手前のボタンをオフにしていただきますよう、お願いいたします。
続きまして、お手元の配付資料の確認をさせていただきます。タブレットの中に資料一覧があるかと思います。
資料1 肝炎対策の国及び自治体の取組状況について
資料2 肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の実施状況について
資料3 田中委員研究報告
参考資料として、
参考資料1 肝炎対策基本法
参考資料2 肝炎対策の推進に関する基本的な指針
参考資料3 肝炎対策推進協議会令
参考資料4 各自治体における肝炎対策の取組状況について(一覧表)
参考資料5 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議に係る議事録(平成30年度)
参考資料6 全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団と大臣の定期協議に係る議事録(令和元年度)
以上、お手元のタブレットに全てございますか。資料の不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。よろしゅうございますか。
それでは、以降の議事進行につきましては、小池会長、よろしくお願いいたします。
○小池会長 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。
議題1「肝炎対策の国及び自治体の取組状況について」に入ります。事務局から御説明をお願いいたします。
○小野肝炎対策調整官 それでは、資料1に沿って説明をさせていただきます。
目次を飛ばしますけれども、2ページから令和2年度の概算要求の関係の資料でございます。
3ページ「肝炎の進行と対策のイメージ」ということで、肝炎の進行状況に応じた肝炎対策を整理した資料でございます。内容については、御存知のとおりかと存じます。まずは、肝炎ウイルス検査を受けていただき、検査結果が陽性の場合は自治体によるフォローアップを実施するとともに、初回精密検査、定期検査の費用助成を行っているところでございます。
また、治療が必要となった場合につきましては、医療費助成を行っているところでございます。なお、昨年12月から開始をいたしました肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業につきましては、この後、議題2で改めて実施状況等の説明をさせていただきます。
続いて4ページ、肝炎対策予算の概算要求の概要について御紹介いたします。令和2年度概算要求におけます肝炎対策予算は、全体で174億円とさせていただいておるところでございます。
内訳につきましては「肝疾患治療の促進」について89億円。肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業に必要な経費として、昨年度とほぼ同額の14億円を要求させていただいております。
「肝炎ウイルス検査と重症化予防の推進」につきましては40億円。そして新たに、妊婦健診、手術前検査での肝炎ウイルス検査の陽性者に対する初回精密検査費用の助成に必要な経費を計上しております。
「地域における肝疾患診療連携体制の強化」につきましては6億円。「国民に対する正しい知識の普及」について2億円。「研究の推進」について38億円ということで要求をさせていただいております。肝炎対策の推進に必要な予算について、しっかりと確保させていただきたいと考えているところでございます。
続きまして5ページ以下、都道府県の肝炎対策に係る計画などでございます。
6ページ「都道府県の肝炎対策に係る計画や目標の策定状況」、平成30年度のものの御紹介でございます。こちらの資料は、自治体の調査を当室で行いました。その結果をまとめさせていただいたものでございます。
肝炎対策基本指針において、基本的な考え方として「国及び地方公共団体が肝炎対策を実施するに当たっては、その目標、具体的な指標等を設定し、定期的にその達成状況を把握し、必要に応じて施策の見直しを検討することが重要」とされているところでございます。
現在、ごらんのとおり、全ての都道府県で肝炎対策に係る計画や目標を策定しているところでございます。括弧の中の数字は前年度の調査結果でございますけれども、達成状況の把握ということで、毎年度把握している都道府県が増加しているところでございます。
7ページに「各都道府県の肝炎対策に係る計画や目標」ということで、各県の状況が記載された資料がございます。主な各県の計画、目標などをまとめさせていただいたものでございます。赤字部分が昨年度から更新があったものでございます。
このページから以下、順に各47都道府県分を記載させていただいております。それぞれの説明は割愛をさせていただきたいと思います。
続きまして22ページは「肝炎対策協議会の開催状況」、平成30年度のものでございます。括弧内は前年度の調査結果の数字でございますけれども、平成30年度につきましては、前年度に続いて、全ての都道府県で肝炎対策協議会を開催しているところでございます。また、ごらんのように、肝炎患者・患者団体の関係者を委員に含む都道府県が増加している状況でございます。
続きまして23ページは、都道府県の肝炎対策協議会の構成メンバーを表にしてございます。拠点病院の関係者につきましては、全ての都道府県で構成メンバーとなっております。また、医師会、専門医療機関、肝臓専門医、肝炎患者・患者団体につきましては、多くの都道府県で構成メンバーとなっているところでございます。
続きまして24ページは「肝炎対策協議会の主な議題」でございます。昨年12月に開始されました肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業は40都道府県が議題ということで、時期に応じてこういった形での議題の取り上げ方が多くなっている状況でございます。
続きまして25ページ以下を「肝疾患治療の促進」という資料でございます。
26ページは「肝疾患治療促進のための環境整備」ということで、こちらは肝炎治療特別促進事業、医療費助成に関する状況の資料でございます。受給者証の交付件数につきまして、核酸アナログ製剤治療につきましては、平成29年度7万9817件で、平成28年度と比べまして2,150件の増加。インターフェロンフリー治療につきましては、平成29年度3万1507件、同じく平成28年度と比べ1万7865件の減少。インターフェロンの治療は平成29年度の269件でございまして、平成28年と比べ219件の減少となってございます。
27ページ、平成29年度の核酸アナログ製剤治療助成受給者の割合を都道府県別に示したものでございます。先ほどの資料で御説明をしましたとおり、平成29年度の核酸アナログ製剤治療の助成受給者は、平成28年度より増加している状況でございます。こうした中で折れ線グラフにつきましては、患者数に対する受給、支給を受けている方の割合ということで、全国平均で57.6%という数字となっております。
続きまして28ページは、インターフェロンフリー治療の助成受給者の割合でございます。インターフェロンフリー治療助成受給者数につきましては、平成28年度から減少ということでございまして、折れ線グラフは患者数に対する受給を受けている者の割合、平成29年度の全国平均は9.3%になってございます。
続きまして29ページは、それぞれの治療につきまして、各都道府県別の受給者数をまとめたものでございます。
30ページ以下は「肝炎ウイルス検査と重症化予防の推進」に関する資料でございます。
31ページは「都道府県などの肝炎ウイルス検査の実施状況」として平成30年度の特定感染症検査等事業に関する分の資料でございます。実施主体であります全ての都道府県等におきまして、肝炎ウイルス検査を無料実施しておりますけれども、そのうちの95%の自治体が陽性者フォローアップを実施しているという状況でございます。
32ページは、同じく肝炎ウイルス検査の実施状況でございますが、健康増進事業の分をまとめさせていただいております。全体で1,654の市区町村で肝炎ウイルス検診を実施しているところでございます。このうち、93%に当たります1,540市区町村で、40歳以上の一定の対象者に無料で実施しているということでございます。
続きまして33ページ「地方自治体の肝炎ウイルス検査の受検者数」でございます。自治体が実施します肝炎ウイルス検査の受検者数は、平成29年度は全体でB型肝炎が96万7172人、C型肝炎が95万6093人となってございます。平成28年度と比べまして、若干減少という状況でございます。
事業別でいきますと、特定感染症検査等事業がB型肝炎のほうが27万7204人、C型肝炎が26万6307人。健康増進事業のほうは、B型肝炎が68万9768人、C型が68万9786人となってございます。
受検者数の減少の要因につきましては、健康増進事業のほうは、平成23年度から40歳以上で5歳刻みの方に個別のお知らせを行って、無料で検査を受けられるようにしてきたところでございます。平成28年度以降、この受検者数の減少の傾向、理由については、もう少し分析が必要かと考えておりますけれども、考えられますところとして、この健康増進事業で実施しています5歳刻みの個別勧奨が、5年間で一巡したというところも、一つ要因としてあるのではないかと考えておるところでございます。
続きまして34ページ、35ページは、B型肝炎、C型肝炎ウイルス検査の20歳以上人口比をとったものでございます。この色が濃いグラフが平成29年度、薄いグラフが28年度ということで、割合が減っている自治体が多いかと存じます。先ほど受給者数そのものが減っているという御説明をさせていただきましたが、その影響かと考えております。
続いて36ページは「都道府県の肝炎ウイルス検査の周知方法」につきましてでございます。こちらにつきましては、おおむね、平成29年度とほぼ同様の内容かと思っております。ホームページに掲載をする、あるいは広報誌に掲載が多くなっているというところでございます。
続いて37ページは「市町村の肝炎ウイルス検診の周知方法」ということでございます。これも引き続き周知方法で、こちらは市町村が実施する分ということでございます。やり方としては個別案内・勧奨が最も多く、1,472市区町村で実施しているという状況でございます。
続いて38ページ「肝炎ウイルス検査の利便性を高める取り組み」も都道府県の事業からでございます。平成30年度、他の検査と同時に実施する都道府県が増加してきていると見ております。その他の取り組みにつきましては、平成29年度とほぼ同様の状況となってございます。
続いて39ページは「市区町村の肝炎ウイルス検診の利便性を高める取り組み」でございます。こちらも他の検査との同時検査というものが最も多い状況であり、1,580市区町村で実施しております。1,054市区町村が休日に肝炎ウイルス検診を実施しているということでございます。
続いて40ページは職域検査促進事業でございます。事業そのものは、平成29年度からの開始でございます。現在、平成30年度の数字ですが、実施都道府県は15ヵ所という状況でございます。保健所設置市では5カ所ということでございます。協会けんぽ、健保組合などと連携をいたしまして、職場の健診に合わせて肝炎ウイルス検査の受検を勧奨する取り組みが進められております。
続きまして41ページは、初回精密検査費用助成の制度内容をまとめさせていただいております。御案内のとおり、平成31年4月から職域での肝炎ウイルス検査での陽性と判定された方を初回精密検査費用の助成の対象に加えておりますので、その部分が赤字で記載をされているということでございます。
続いて42ページも、定期検査費用の助成の概要でございます。昨年度協議会でも御紹介をさせていただきましたが、検査費用の請求に必要な書類ということで、これは平成30年度から一定の条件のもとで省略が可能ということで、利用の促進を図っておるところでございます。
続いて43ページは「重症化予防推進事業の実施状況」でございます。
初回精密検査につきましては、平成29年度の実施都道府県数は変わっていない状況でございます。定期検査のほうにつきましては、平成29年度は実施都道府県数が2件増えてございます。こちらは、兵庫県と奈良県ということで、増えている状況でございます。
続いて44ページは、28年度、29年度の初回精密検査費用助成の受給者数をグラフにしております
同じく45ページは、定期検査の費用助成の受給者数を都道府県別でグラフにしております。
続いて46ページ、「初回精密検査の勧奨方法」についてまとめさせていただいております。こちらは、特定感染症検査等事業の分でございます。受検可能な医療機関の案内、助成制度の案内を行っている自治体が多くなっているということでございます。
47ページ「初回精密検査後の要医療者に対する勧奨方法」も特定感染症検査等事業についてまとめてございます。医療機関の案内、助成制度の案内のあたりを行っている自治体が多いという状況でございます。
48ページ以降は「肝疾患診療連携拠点病院の位置付け」ということで、49ページにございます。まず、拠点病院につきましては、各都道府県、原則1カ所の選定、肝疾患専門医療機関は2次医療圏に1カ所以上選定という状況になってございます。各都道府県の拠点病院を中心にここにありますような専門医療機関、かかりつけ医との協働によるネットワークが構築されてございます。
続いて50ページ、拠点病院につきましては、現在、全都道府県で選定が行われております。全国で71カ所となっております。この71カ所全ての拠点病院で肝疾患相談・支援センターが設置されてございます。患者、その家族の方々の支援を行ってございます。
専門医療機関につきましては、平成30年度全国3,064カ所、平成29年度と比べまして48カ所の増という状況でございます。
51ページは「拠点病院等連絡協議会の開催状況」でございます。
連絡協議会が開催された都道府県数は1県増えている状況でございます。こちらは京都府ということで承知をしてございます。開催していない県につきましては、日程調整がつかなかったこと、肝炎対策協議会と兼ねていることなどが理由ということで承知をしてございます。
続いて52ページ「肝疾患診療連携拠点病院と専門医療機関の状況」の平成30年度でございます。全ての都道府県で専門医療機関を指定し、また、指定要件を定めているということでございます。指定要件につきましては、この厚労省の通知、下に掲げている要件に準拠していると回答した都道府県が増加している状況でございます。また、要件を満たしているかを定期的に把握している都道府県も徐々にではございますが、増えているという状況でございます。
続いて53ページ「肝疾患患者相談支援システムについて」ということでございます。こちらは、肝炎情報センターのほうでこの相談支援のシステムを運用しておるところでございます。この絵にありますとおり、肝炎患者からの相談内容をデータベース化する。そして、拠点病院間で共有し、肝炎患者の相談支援に活用していくというものでございます。引き続き、このシステムが活用されていくように支援を行っていきたいと考えております。
続いて54ページは「肝炎医療コーディネーターについて」でございます。
肝炎医療コーディネーターは、身近な地域、職域、病院等で配置される肝炎の知識や情報の提供、相談に対する助言、相談窓口の案内、受検・受診の勧奨、制度の説明など幅広い分野で御協力をいただいているものでございます。
55ページは、各都道府県における肝炎医療コーディネーターの養成者数をグラフにしたものでございます。このコーディネーターの養成活用については、平成29年に厚生労働省から通知をさせていただいたところでございますけれども、このグラフで青色の部分が養成の総数、赤色部分が直近の平成30年度に新規で養成された数となってございます。全体で1万6543名の肝炎医療コーディネーターが養成されている。
そのグラフの中で落ち込んでいます京都府でございますけれども、こちらは、平成30年度に養成研修を行いまして、令和元年度に認定を行うということで承知をしております。ですので、令和元年度現在としては、全ての都道府県で養成が既に行われている状況となってございますので、補足をさせていただきます。
56ページ「肝炎医療コーディネーターの職種」をまとめさせていただいております。
こちらは、職種ごとにそういうコーディネーターがいる都道府県をグラフにしたものでございまして、白が29年度、黒が30年度でございます。肝炎医療コーディネーターの養成を行う都道府県は全体として増加している中で、全ての職種において増加をしているという状況がごらんいただけるかと思います。
続きまして57ページは「肝炎医療コーディネーターの養成、認定など」に関してまとめさせていただいております。
平成30年度でございますけれども、肝炎医療コーディネーターを養成している全ての都道府県での養成研修で主に肝疾患の基本的な知識は扱われている。それ以外に、ここに挙がっていますような内容が研修として含まれているという状況でございます。
また、下のほうに認定に関しての表がございますけれども、この中で申し上げますと、名簿作成をして定期的に更新をしているという都道府県が平成30年度は増えてきているという状況でございます。
続きまして58ページは「コーディネーターの技能向上、活動支援」につきましてまとめております。
技能向上の取り組みとして、技能向上のための研修を実施しているという都道府県が増えてきている状況でございます。コーディネーターを配置している機関のリストを公表している都道府県、あるいはコーディネーターバッチなどを作成している都道府県も増加をして、取り組みの活性化、支援に努めている状況でございます。
「肝炎医療コーディネーターの活動場所と活動度合」につきまして、59ページにまとめてございます。肝炎医療コーディネーターにつきましては、拠点病院、保健所で積極的に活動していると評価している都道府県が多くなっている状況でございます。その他、配置先で挙がっているような先での活動を評価している都道府県がございます。
続きまして60ページは、肝炎患者支援手帳の作成状況でございます。
こちらにつきまして、都道府県数につきましては、減少の傾向にあるという状況でございます。手帳の内容につきましては、こちらにあがっているような内容でございます。
続きまして、「普及啓発」が61ページ以下でございます。
62ページは「肝炎総合対策推進国民運動事業の概要」でございます。いわゆる「知って、肝炎プロジェクト」の取り組みでございますけれども、今年度の主な活動として、62ページの下半分側に記載させていただいております。自治体とか関係団体への表敬訪問等の実績につきましては、後ほど御紹介をさせていただきます。
63ページも、大使・スペシャルサポーターに関する資料でございます。杉特別参与を始め、こちらにあがっています方々にスペシャルサポーターとして御協力をいただいております。今年度からは、新たに歌手の石川ひとみさんにスペシャルサポーターに加わっていただいておるところでございます。
続いて64ページは、これまでの「知って、肝炎プロジェクト」の自治体、関係団体への表敬訪問の実績をまとめさせていただいております。今年度につきましては、青森県、福井県、滋賀県の長浜市、彦根市の表敬訪問をさせていただいてございます。
このほか、下に青枠で囲ってございますけれども、特に医師への働きかけ、それから、職域等への働きかけ等の必要性を踏まえまして、今年は協会けんぽ、連合、健保連、日本医師会等の表敬訪問もさせていただいておるところでございます。
65ページ、今年度「知って、肝炎プロジェクト」のホームページをリニューアルさせていただきました。真ん中にございますデザインを一新してスマートフォンなどにも対応させていただくことで、いろいろな媒体からごらんをいただけるようにさせていただいております。
続いて66ページは、拠点病院と「知って、肝炎プロジェクト」の合同企画ということでございます。今年度は新山口駅前での街頭キャンペーン、TOKYO FMでの公開録音イベントなどの取り組みを行ってございます。
続いて67ページは「知って、肝炎プロモーター」についてでございます。今年度、「知って、肝炎プロジェクト」のイベントでこの活動発表というものをさせていただいてございます。
それから、小樽商業高校におきまして、スペシャルサポーターの協力も得まして、この肝炎啓発の特別授業を行わせていただいているということでございます。
続いて68ページ「肝炎医療ナビゲーションシステム」でございます。こちらは、肝炎情報センターのホームページで、検査が受けられる場所や指定医療機関などを検索できるようにしてございます。データ内容につきましては、都道府県からお寄せいただいたものを掲載し、今後も連携をしながら情報をアップデートしていきたいと思っております。
69ページ、教育、啓発の取り組みということでまとめさせていただいております。ごらんいただければと思います。
70ページ、「青少年のための『初めて学ぶ肝炎』」ということで、こちらは研究班の成果をもとに作成をしております。主に中学生を中心とした青少年の方々が肝炎に関する正しい知識を学ぶということで、この偏見差別をなくすことを目的としております。こちらも肝炎情報センターのホームページに掲載しております。
続いて「研究開発」でございます。
72ページは、平成20年に肝炎研究7カ年戦略、その後、中間見直しを行いまして、平成24年度から肝炎研究10カ年戦略として開始してございます。平成28年度中間見直しということで、B型肝炎、肝硬変にかかる医薬品の開発を促進するということで取り組んでおります。
73ページ、政策研究の状況についてまとめてございます。
本年度で指定型研究の4課題、公募型の研究で1課題が研究最終年度となることとなっております。来年度から同様の新規研究課題の開始を予定しているところでございます。
74ページ「研究の推進」ということで実用化研究の関係でございます。
こちらは、肝炎等克服緊急対策研究事業、B型肝炎創薬実用化等研究事業で引き続き臨床研究、基礎研究を実施しているということでございます。最近の新たな研究内容として、非B、非C型の肝炎及び発がんの病態解明や治療等に関する研究を開始する予定としてございます。
続きまして75ページ「令和元年度秋のレビュー」でございます。
こちらは、各府省が最終公表をしております行政事業レビューシートというものがございます。こちらをもとに内閣官房行政改革推進本部事務局のほうで点検の内容や結果の妥当性というものを精査して、さらなる見直しの余地がある事業を対象にして、行政改革推進会議のもと「秋のレビュー」と呼ばれます公開検証が毎年度実施されているところでございます。今年度、肝炎対策に関する4事業が対象となってございまして、先月開催された秋レビューで外部有識者の評価を受けたところでございます。
ちょっと字が小さくなって恐縮でございますが、76ページの3の部分が指摘事項ということでございます。
まず、1点目が、受検、受診、受療のフォローアップの各ステップにおいて、性別、世代別、地域別、雇用形態別等の受検者・未受検者の状況、陽性判明者の受療状況といった現状を正確に把握するよう努める。そして、対応が必要となる対象を明確化し、対策の見直し等を検討すること。
2つ目として、広報については、ただいま申し上げました対象の明確化を受けて、有効な手法となっているかの検討を行うこと。
3つ目として、地域でのフォローアップ、相談体制が有効に機能しているかを検証する必要があるということでございます。
最後のポツでございますが、今、申し上げました見直しに当たり、地域差の分析、あるいは予算配分の見直し等も検討した上で、各施策の効果を適切に図ることができるアウトカム指標の追加、事業効果の検証を行う仕組みとすべきということでございます。最後のところでございますけれども、改善が図れるものは速やかに、検討・調整に時間を要するものがある場合は、令和3年度における次期肝炎対策基本指針改定に向けて検討を進めるべきとの指摘を受けたところでございます。現在、この指摘を踏まえて、これから必要な対応を検討していきたいと考えておるところでございます。
少し長くなりました。説明は以上でございます。
○小池会長 ありがとうございます。
ただいまの件に関して、御意見、御質問をお受けしたいと思いますがいかがでしょうか。
辰巳委員、どうぞ。
○辰巳委員 B型肝炎の辰巳です。
私から2点ほど伺いたいことがありまして、まず、4ページ目のところにある概算要求のところです。2番目のところで、新たに妊婦健診、手術前検査における陽性者を初回精密検査の助成対象とするということで、田中純子先生の研究でも、妊婦健診での陽性者が年2,000名いらっしゃるということで、かなり重要な施策だと思うのです。
ただ、陽性者は多分保健師さんとか医療機関しか把握していなくて、県のほうでは把握がなかなか難しいかなと思っているのですけれども、県、自治体と検査の実施機関との情報共有というのはどのようにされることを考えておられるのかというのが1点。
もう一点は、34、35ページのところなのですけれども、受検率の点について質問させていただきたいのですが、減少の理由について先ほどおっしゃっていたかなと思うのですけれども、そもそも各都道府県によって実施率に相当差がある。私は奈良県に住んでいるのですけれども、毎年最下位で見るたびに最下位だなと思うのですが、先ほど、減少の理由は述べておられたのですが、逆に全体が減っている中で数を伸ばしている都道府県、千葉県などもかなり増加していますし、静岡も増えているというところが幾つか見られますけれども、逆に増えた県についてどのような理由で増えたか把握されているのだったら教えていただきたいと思っています。
私からは以上です。
○小池会長 事務局のほう、いかがでしょうか。
○小野肝炎対策調整官 2点お尋ねをいただいております。
1点目の妊婦健診、手術前検査の県の把握ということで、情報連携がどのような形でやっていくかというところでございます。
こちらは、今、御案内のように、今年度から職域の陽性者についてのフォローアップというものをやり、来年度にもしこの要求が認められますれば、こういった形でさらに対象範囲を広げるということで用意させていただいておりますけれども、現時点で具体的にこのような形ということでお示しできるところまではまだ至っておりませんで、今まさにこちらのほうでも検討させていただいておるところでございます。
いずれにいたしましても、一つの参考として、今、取り組んでおります職域でのやり方なども参考になるかなと思いますけれども、何分、場が異なりますので、そのあたりは自治体のほうの現場などにもお話を聞かせていただきながら検討を進めているところでございます。
それから、2点目の受検率が伸びているところの取り組みということでございます。こちらは、率直に申し上げまして、これがというものがなかなか申し上げづらいところでございます。各都道府県あるいは市町村もそうかと思いますが、幅広くいろいろな取り組みを行っているところでございます。
私どもが把握している限りでは、やはりいろいろな自治体のほうで用意をされている広報のメニューなどを積極的に使っているところもあるようでございますし、あるいは、自治体それぞれの、例えば、知事、市長、議会といったところでの関心も非常に高い自治体もあるやに聞いておりますので、そういったいろいろな要素で伸びているところは伸びているのかなと考えております。
○小池会長 ほかに。
では、西村さんのほうからで、次に及川さん。
○西村委員 2点あります。
1つは、基本的なことなのですけれども、冒頭の宮嵜局長の御挨拶の中で、肝炎対策は大変大事な政策課題だというふうに強調されておられました。今日の出席者名簿を見てみますと、肝炎対策推進室長がお見えになっていないということで、なぜ出られないのかということをお聞きしたい。
2点目は、肝炎対策の医療費助成による受給者数と、肝炎ウイルス検診の20歳以上の比率ですけれども、大阪の例を言えば、受検率は大変低い。医療費助成の実数は高いのですけれども、患者数からの割合を見れば余りよくないという状況になっています。
一方、佐賀県は、受検率はものすごく高いのですけれども、医療費助成のほうは少なくなっています。肝炎対策の指標、こういう実情を示す上では、検診から受療に結びつける。また、その後、一番肝心なのは肝硬変や肝がんで亡くなる人を極端に少なくすることが目標だと思うのですけれども、この指標の中で肝がん、肝硬変での死亡状況なども示すべきではないかと思うのです。
後半の田中先生の研究発表の中でも出てくると思うのですけれども、例えば、最近のニュースで佐賀県が検診率を上げて、肝がんで亡くなる人をワーストワンから改善したということが大きく地方紙に載っておりました。その辺のことでもう少し情報提供の仕方を改善すべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○江浪がん・疾病対策課長 1点目の室長の件につきまして、がん・疾病対策課長からお答えをさせていただきます。
今、肝炎対策に関しましては、肩書きとして肝炎対策調整官という形にさせていただいておりますけれども、実質、室長級の担当者として小野調整官のほうで対応しているところであります。都合上、今、室長という肩書きを使えない形でございますけれども、室長級として調整官のほうが担当しているということを御報告したいと思います。
○小野肝炎対策調整官 2点目でございますけれども、御指摘が最後のところで、佐賀県のワーストワンでなくなったというところでの情報提供の仕方とおっしゃったのですけれども、具体的にどういうことでしょうか。
○西村委員 1点目については、理由を聞かせてほしいということでお話をしたのですけれども、お答えになっていないので、再度質問したい。
2点目については、検査の受検数、受検率、それから医療費助成、検査の人の受療に関係する核酸アナログとか抗ウイルス剤の治療数というものは出てくるのですけれども、その結果として肝硬変や肝がんで亡くなる方がどうなっていっているのかということが、この資料中に出てこない。多分、あとの行政レビューの評価にも関係してくるとは思うのですけれども、その辺もやはりお示しになったほうが、うまくいっている地域とそうでない地域がもう少し理解できるのではないかなと思うのです。
○江浪がん・疾病対策課長 申しわけございません。
1点目でございますけれども、確かに事務局の都合上、室長という肩書きを使えておらないのは事実なのですが、室長級の管理職として小野のほうが今、肝炎対策のほうを担当していることを御報告申し上げたいと思います。
○小野肝炎対策調整官 失礼いたしました。
2点目につきまして、おっしゃるようにこの今日の資料でも一番最初のところで説明をしていますけれども、最終的にその肝がんの死亡をなくすというところにつなげていくということで取り組んでおりますので、おっしゃる点はそのとおりかと思います。どういった形で情報をお示しできるかという部分については、少し私どもで今日の御指摘を踏まえて研究をした上で何かできる形を考えたいと思っております。
○小池会長 それでは、及川委員、どうぞ。
○及川委員 6ページ目の目標の策定状況についてお伺いいたします。
達成状況は毎年把握している都道府県が増加していると記載されているのですけれども、確かに更新されている都道府県はかなりありまして、頑張っている県があるのだなとは思うのですが、数値目標以外の目標ですと、達成できているのかということが検証できないと思うのです。この5つの県は昨年も同じです。北海道、宮城、新潟、石川、和歌山は昨年もその前もずっと数値目標は定めていない。こういう県の検証はどのようにするのかなという疑問がありますし、可能な限り数値目標を立てて検証するべきではないかと思うので、働きかけ等をなさっているのか、されていないのかお考えを伺いたいと思います。
○小池会長 事務局、お願いします。
○小野肝炎対策調整官 数値目標につきましては、都道府県のほうで最終的にそれぞれ目標の定め方を決めていく部分でございますけれども、私どももこういった調査をやっていく中で状況を把握したり、それぞれの県の状況なりというのも把握に努めておるところでございます。
そういう中で、各県の状況、数値目標を定めているところが今、こういった数になってございますので、そういったことも情報共有もさせていただきながら取り組ませていただいているところでございます。
○小池会長 ほかにはいかがでしょうか。
坂上委員、どうぞ。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。
これは意見ということで言わせていただきたいのですけれども、教育、とりわけ小中学生の教育の大切さについてです。学校の現場でがん教育がしっかり行われるようになりました。禁煙をしなければいけないよと子供に言われれば、親は守らざるを得ません。循環器病の施策も今後始まるのですけれども、お孫さんが脳卒中の症状を理解していて、おじいちゃんが倒れた時に救急車を呼んで助かったというエピソードを、ある医師から教えてもらいました。やはり若いうちに、とりわけ純真な小中学生に肝炎が、どのような病気か知ってもらえたら、偏見もなくなるのであろうなと思うのです。
その辺はぜひ文科省とも協力して対応してもらいたいと思います。最近の啓発事業を見ると、いつも同じようなことをやっているように思えます。その点、小樽商業高校では、どのような授業が行われたのか、詳しく知りたいです。できたら、小中学生が肝炎について学ぶ機会があってほしいと、ふだんの取材から感じています。
以上です。
○小池会長 事務局、いかがでしょうか。
○小野肝炎対策調整官 ありがとうございます。御指摘はそのとおりかと思います。
普及啓発ということで、まさに小中学生、それ以上の方々も含めて文部科学省ともしっかり連携をしてやっていかなくてはいけないかなと思っております。今、例えば肝炎がどういうことで感染する、あるいは症状が進んでいくかというあたりは、小学生から教えていくのもどうかという部分もあります。教育現場の取り上げ方の問題という部分もあるかと思いますけれども、御指摘の点はしっかり受けとめまして、少し考えていきたいと思っています。
○小池会長 中澤委員、どうぞ。
○中澤(善)委員 全国中央会の中澤と申します。
各都道府県の肝炎対策に係る計画や目標についていろいろとお話があり膨大な資料で出ているわけでございますけれども、この見方は左側のほうに都道府県が書いてあって、次に主な計画と書いてありまして、突然右側のほうに目標という形になっておるのですが、当然、左から2つ目の主な計画の中の内容もバリエーションがあると思っておりますが、厚労省では把握されておられるのでしょうか。
また、おられるのであれば、こういう会議の中で計画の内容の分類みたいなものを行うことができるような状況なのかどうかお教えいただければと思います。
○小野肝炎対策調整官 こちらの資料につきましては、肝炎対策に係る計画というのは、それぞれ各都道府県の肝炎対策の推進の根拠となる計画の名称、県によってはがん対策とかとまたがっている部分がございますので、複数出ているところもございますが、そういった状況でございます。
右側が、それぞれの計画の中で盛り込まれている目標、これは先ほどもありましたけれども、数値ではないものもありますが、載せさせていただいております。基本的には、今、大体各都道府県のこういった計画については、公表している県が多くなっている状況でございます。そういった中で、特にこの資料については、数値目標とか目標値というところに注目してこちらも調査をさせていただいてまとめているものです。計画の内容につきましては、各都道府県それぞれの取り組みというものがございますので、ちょっと整理をしてというところがどこまでできるかというのは、我々も各47都道府県を見ながらでないと、お示しするのがなかなか難しいかなと思っております。御指摘は重要というか、趣旨は理解をさせていただいて、また、考えていきたいと思います。
○中澤(善)委員 それぞれの県の特色というものもあると思いますし、できる、できないという問題もあるかもしれませんけれども、やはり住んでいるところによって対策が余り異ならないようにという形にしていくことが最終目標ではないかと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○小池会長 米澤さん、どうぞ。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
2点あります。
1点は、22ページの肝炎対策協議会の開催状況ですけれども、以前も協議会で質問が出たと記憶しておりますが、「肝炎患者・肝炎患者団体関係者を委員に含む」というところが、現状でも47都道府県のうち、44ということで、3つの県がまだ患者委員が協議会の委員になっていないという現状があります。これについては、基本指針の第9の(3)「地域の実情に応じた肝炎対策の推進」というところに、都道府県においては「拠点病院を初めとした医療関係者、肝炎患者及びその他の関係者と連携して肝炎対策を推進することが望まれる」とありますので、やはり全ての都道府県において、肝炎患者を委員に含むべきというのが理想だと思いますけれども、これについてどう思われているか。
もう一つ、患者関連です。今度はコーディネーター養成についてなのですけれども、コーディネーター養成については、54ページに「患者をみんなでサポートし」という規定があります。私は幾つかの県で患者として養成研修でお話をさせていただいています。患者講義と言うと話ができる患者がいないとか、患者にとっても負担が大きく、どういったお話をしてもらうか、ということになるかもしれませんが、患者が演壇に立つと、コーディネーターの皆さんの目の色が変わるのです。コーディネーターの皆さんはその後、患者を相手に活動していくということが大前提ですので、挨拶ぐらいでも結構ですし、患者の療養経験などを少しだけでも、10分でも15分でもお話してもらうということがもっとあってもいいのかなと考えています。そのあたりを厚生労働省のほうから推進していただけたらなというものが私の意見です。
以上です。
○小池会長 事務局、お願いします。
○小野肝炎対策調整官 1点目で患者委員が入っていない理由ということでございますけれども、私どもで網羅的には把握ができていないのですが、例えば自治体によっては患者団体として何らかの形で協議会に参加をさせる。これは委員としてという位置づけではないのかもしれませんが、そういった形態をとっているところもあるやに聞いてございます。なぜできていないのかという詳細については、これからもう少ししっかり分析をさせていただきたいと思っております。
それから、コーディネーターの養成研修とかだと思いますけれども、患者の方々の声を話す場をつくるということで、御意見は今、承りましたので、そこはそれぞれ都道府県でいろいろ取り組み方があろうかと思います。現にそういった患者さんのお話しする場をつくっている県もあるやに聞いていますので、一つのやり方としていろいろな形で御紹介をしたりとか、いろいろな形で各都道府県と共有をさせたりすることはできるかなと考えておりました。いずれにしても御意見として承らせていただきたいと思います。
○小池会長 よろしいでしょうか。時間も少しおくれ気味ですので、議題1についてはここまでとさせていただきます。
議題2の「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業について」に入ります。初めに、事務局から説明をお願いいたします。
○小野肝炎対策調整官 資料2でございます。「肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の実施状況について」御説明をさせていただきます。
1枚目は、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の概要について御紹介をさせていただいております。
そちらにありますとおり、こういった肝がん・重度肝硬変患者の特徴を踏まえて、医療費の負担の軽減を図りつつ、患者からの臨床データの収集等を行いまして、治療に係るガイドラインの作成など、治療研究の促進ということで支援を行うということで、平成30年12月から開始しておるものでございます。
対象の方につきましては、対象者のところに記載のとおりでございます。下の対象医療で過去1年間の高額療養費の限度額を超えた月が既に3月以上の場合に、4月目以降に限度額を超えた医療費について公費負担を行うということで、自己負担月額1万円ということになってございます。
2ページ、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の認定等の実績でございます。上半分はごらんいただいておるとおりでございまして、平成30年12月からスタートしておりますが、認定対象者、この研究事業に参加している方々が累計で277人、医療費の助成につきましては、累計で429人の方が延べ受けられているということでございます。
こちらの事業につきましては、助成の件数ということで制度開始当初、月当たり約7,200件という推計をさせていただいておったところでございますけれども、現状として平均しますと、大体月50件程度というところでの状況にとどまっているところでございます。
下半分をごらんいただきましても、各都道府県で取り組みをされていますけれども、認定が進んでいる県とおくれている県にも開きが出ているというのが今の状況でございます。
3ページ、指定医療機関の指定状況ということで、1,332件、こちらは昨年12月の制度開始からは200件ほどの増加ということで増えてきている状況にございます。
続きまして4ページは、まさにこの制度の周知ということで、今、ごらんいただいていますのは、指定医療機関向けに指定の医療機関になっていただくよう促進をするためのリーフレット、それから、どういったことをしていただくことになるのかというものを少し簡易版という形で情報をわかりやすくお示ししたような資料なども、今年の6月に周知をさせていただいて、各都道府県、関係団体にも周知をしております。
5ページは「原告団・弁護団と厚生労働大臣の定期協議」ということで、8月に全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団との定期協議、9月に薬害肝炎全国原告団・弁護団との定期協議がございました。
このどちらの定期協議におきましても、こちらの肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業の件につきまして、発言をいただきまして、上半分にありますように、助成の対象を通院治療に拡大する、あるいは、対象月数の短縮等の検討といった発言がございました。
当時の厚生労働大臣は根本大臣でございましたけれども、こちらについては、下の青の枠のところでありますように「まずは、本事業の実施状況についての実態把握を行い、事業のあり方などについて検討を進めていきたい」と回答させていただいたものでございます。
6ページ、今、申し上げましたようなことから、今後、どのようにして取り組んでいくかということで、私どもといたしましては、この制度の趣旨も踏まえつつ、助成を受けるべき患者の方々が円滑に制度につながるように取り組んでいこうということで、今は3点上げさせていただいておる取り組みを現在行っておるところでございます。
1点目、まずは繰り返しですが「事業の周知」になります。患者の方々、また医療機関に対しまして、先ほども少し取り組みの御紹介をしましたが、引き続き事業の周知を行っていきたいと考えております。
2点目は「実態把握と事業の見直しの検討」ということで、こちらは先ほどの大臣の回答もありましたけれども、まず、実態調査を行う、そして、その結果を踏まえて事業の見直しの検討を行わせていただこうということでございます。
3点目「運用の弾力化」と書いておりますが、この実態調査にある程度期間をいただくという中で、速やかに助成の必要な患者の方々が円滑に制度につながるようにということで、少し制度の運用の弾力化を行いたいということで考えてございます。詳しくは後ほど御説明をいたします。
7ページのスケジュールでありますけれども、下半分に実態把握と事業の見直しの検討というものがございます。この実態把握、見直し案の検討というものを、今年から既に始めさせていただいてございまして、見直し案といったものを何らか今年度中には何か一つ案というか、そういったものを準備できないかということで、まずは実態把握に取り組んでございます。
その後ということでございますけれども、右下のほうになりますが、必要な予算を要求していかなければいけない。また、施行準備ということで各自治体あるいは医療の請求にかかわる審査支払機関、医療機関等とのシステム改修等もございますので、周知の時間も確保させていただいた上で、令和3年度から何らか見直すのであれば施行ということで考えているところでございます。
運用の弾力化につきましては、8ページをごらんいただければと思います。こちら、大きくお話として2点ございます。
1つは、指定医療機関での入院という要件の緩和を行うということ。2つ目がそれを行いつつ、さらに指定医療機関の確保を同時に進めていくという内容でございます。
左側、運用の弾力化前という欄がありますけれども、ごらんいただいているとおり、現行では4回助成を受けるまでに医療機関での入院というものが全て指定医療機関で行われる必要があるという状況のものでございますけれども、今、この弾力化後においては、1回目から3回目までの入院医療については、指定医療機関以外で行われることも可能とするということで、少し弾力化をしたいということで考えております。
この場合は一番右でございますけれども、参加者証の取得に必要ないわゆる臨床調査個人票、個人の各患者様の状況を記載した資料でありますとかいったものにつきましては、指定医療機関で引き続き行われる必要がありますので、4回目の入院につきましては、引き続き指定医療機関で行うということで、こちらは変わらずということで取り組みたいと思っております。
こういった弾力化ということで、最初の3回については、指定医療機関以外の医療機関で行われることも可能とするわけですけれども、助成というものが指定医療機関で最終的には行われますので、仮にそういった指定医療機関外での入院を把握した段階でその医療機関に対しましては、各都道府県から個別に指定の働きかけを行うということで医療機関を確保しつつ、まだ制度の利用につながっていない患者の方々にこの制度の利用につなげていきたいということで、こういった弾力化を来月から行いたいということで今、準備を進めておるという状況でございます。
私からの説明は以上でございます。
○小池会長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの件に関しまして、御質問、御意見。
及川委員、どうぞ。
○及川委員 薬害肝炎原告団の及川です。
2点ございます。1点は要望で、1点は質問になります。
要望なのですけれども、薬害肝炎原告団では、8月に全国の拠点病院の担当者の方に、アンケートに協力していただきまして、8割近くの担当者の方から御回答をいただきました。その中で病院側が言っていることは、何しろ制度自体が複雑で患者さんへの説明が困難で医療機関の負担が増大だと。記録票への作成の煩雑さを指摘するものが複数ございました。
2点目は、対象患者の把握がかなり困難だということ。それは、高額療養費制度の利用とか提供された医療費の内容とか、所得等、担当部署が何箇所にもなってしまうということで、複数の要因が挙げられている、把握は困難だという御回答をいただいています。
3つ目に、要件が厳格過ぎることが複数の病院から挙げられています。それから、患者へのメリットの少なさということで、制度の期間が短期間で患者にとってメリットがないという指摘がございました。病院にとって使いやすくしていただくという工夫をしていただくことが患者への負担軽減に結びつくと思いますので、やはり緩和条件を含めてこの点を考えていただきたいと要望いたします。
もう一点、7ページの今後のスケジュールについて質問なのですが、実態把握のところで具体的にいつまで終えてどうするのかということを具体的に御説明できる範囲でお願いしたいと思います。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○小野肝炎対策調整官 1点目の点について、御意見ということで、病院にとって使いやすい内容をということでございます。こちらはまさにどういった形で今後、この制度の見直しというかあり方を考えていく際には、既に夏の時点で御指摘をいただいてございますけれども、十分に踏まえて考えていきたいと思ってございます。
2点目でございますけれども、こちらはまず実態把握につきましては、今まさに実は既に始めておるところでございます。今、各都道府県の拠点病院に、それぞれの病院におけるこの制度に基づいて入院をしている方々がどれだけいるのかといったことの把握を行って、その結果を今、収集しているところでございます。
この回収状況次第でございますけれども、年明け1月とかそのぐらいにはこの把握というか回収、収集を終えさせていただいて、これを踏まえて私どものほうでもちろん分析もございますし、見直しというか制度のあり方の検討をやった上で、何とかこの年度内に一つ何らかの見直し案を打ち出すことができないかということで、現在、考えているところでございます。
以上です。
○小池会長 そうしたら、資料の回収は1月ぐらいで、年度内に解析を進めて制度の一部変更を図りたいということですかね。
西村委員、どうぞ。
○西村委員 日肝協の西村です。
資料の4ページ、病院向けの説明文章の中で右側のほうに「入院記録票の記載」というものがありますけれども、1月からの弾力化の中では、指定医療機関以外のところでも入院記録票の記載を該当患者さんが出てきた場合に、書いていただくようにするというふうに理解していいのですよね。それが1点です。
○小野肝炎対策調整官 今の点でございますけれども、入院記録票につきまして、指定医療機関外で入院された場合の扱いにつきましては、現在あります入院記録票を患者さんから出していただいて、それに書いていただくということももちろん可能としています。
もう一つは、この指定医療機関外のところに対しては、指定医療機関外向けと申しましょうか、入院記録票に相当する様式も準備をさせていただこうということで考えてございます。その両方を使って過去1年間で4回という入院の記録管理を引き続き行っていくということで、今、準備をさせていただいているところでございます。
○西村委員 追加の質問です。日肝協の西村です。
指定医療機関については、徹底されやすいと思うのですけれども、それ以外もということになりますと、療養型の病床群を持つところ、一般の急性期型の病院も含めまして、なかなか周知が難しい。患者さんから病院のほうに働きかけるにしましても、患者さん一人一人に周知するのは難しい。
ですから、何らかの対応、対策を考えなければいけないわけですけれども、例えば、関係団体で都道府県、病院協会、医師会、該当する施設に関係するところにどういう周知がされるのかという心配が1点あります。
それから、2点目の質問ですけれども、大阪府の南部の地域の2カ所のがん診療拠点病院、指定医療機関になっていないものですから、うちの患者会の会員だとか私自身が出向いて、一つは入院係、もう一つは法人の管理をしている方それぞれに、こういう厚生労働省の出している資料を見せて何度かお願いをしました。
結局、1カ所については病院内で検討するというまま返事がないのですけれども、もう一カ所は、病院内で検討した結果、もともと医者が少ない中でお医者さんに対する負担が大き過ぎるからということで、検討したがなじまないということで、お受けできないというお返事をいただいております。せめて、がん診療拠点病院を早急に指定医療機関にするという、がん対策のほうの拠点病院の要件の中に加えるとかそういう対策はできないものでしょうか。
以上です。
○小池会長 どうぞ。
○江浪がん・疾病対策課長 がん・疾病対策課長の江浪でございます。
がん対策も担当させていただいている立場で、今の御指摘は本当に申しわけないなという気持ちでございます。具体の情報をしっかり教えていただきまして、我々のほうからどういうふうに対応できるか、しっかり対応していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小野肝炎対策調整官 1点目の周知につきまして、こちらはまさに先ほどの及川委員からの御指摘もありましたけれども、やはり制度をしっかりわかっていただくというところで、どういった形で進めるかというものも、我々も今まさにどういった内容のものを使うかということも含めて、引き続き検討させていただいているところでございます。御心配の向きは非常に私どもとしても理解をしていますので、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○小池会長 米澤委員、どうぞ。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
スケジュールの部分なのですけれども、今年度中に見直し案を検討して、施行準備に1年をかけるということで、実際に制度をスタートするのが令和3年の4月からという予定になっておりますが、システムの改修だとかいろいろなことで時間がかかるというお話で、そういうことはいろいろあるとは思うのですけれども、これはもう患者からの希望なのですが、この1年というのはあまりにも長過ぎる。毎日毎日肝がんで亡くなる患者あるいは肝不全で亡くなる患者がたくさんいますので、これを1日でも早く前倒しにしていただきたい。ぜひそれを希望します。
以上です。
○小池会長 事務局、お願いいたします。
○小野肝炎対策調整官 このたびの見直しのスケジュールについては、先ほど御説明をさせていただいたとおりでございますけれども、こういった状況に至っているという部分については、我々も肝に銘じて、また、今の御指摘も踏まえてとにかくできることはさせていただこうと思っておりますが、先ほど御説明したようないろいろな制約もあるという中で取り組んでいるという点は御理解をいただければと思っております。
○小池会長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、議題2についてはここまでとさせていただきまして、議題3「研究報告について」に入ります。田中純子委員から説明をお願いいたします。
○田中委員 広島大学の田中です。
厚生労働省の肝炎対策政策研究の代表をしていますので、それを踏まえて報告させていただきます。
スライド番号1と書いてあるところ、肝がん死亡に関する疫学データ、ウイルス検査受検率の調査、平成29年度に行った第2回の国民調査とそれを踏まえた追加調査についてお話します。
最後に、ウイルス検査の受検率とか陽性率に関するデータを、大規模に初回献血者と健康増進事業対象者等のデータを用いてお話ししたいと思います。
スライド2の肝がんによる死亡の推移ですけれども、これは1950年から2017年までの肝がんの10万単位の総死亡数のグラフであります。2002年をピークに男性女性とも下がっておりますけれども、男性は女性の約2倍の死亡数を超しております。2017年の最新のデータで2万7114名が肝がんによる死亡であります。
次のスライドは、1971年から45年間の国の人口動態統計の死亡率、死亡数をもとに都道府県によって年齢構成が違いますので、年齢構成を標準化して、都道府県別の死亡率を示したものです。全45年のうち、9期間ありますけれども、そのうちの5期間について1971年から2015年まで示しています。赤く塗ってあるところが肝がんの標準化死亡率が高い県、順に青になっているところが低い県を示しております。
見ていただきますと、東日本より北の地域では死亡率が低く、西日本地域で高い地域が点在していることがわかります。ただ、2011年から25年の最新のデータを見ますと、それまでと比べてやや黄色、標準的なところの県が増えていると考えています。
次のスライドは、県ごとの肝がん死亡率のベスト10を示しているものです。先ほどからのお話もありますように、佐賀県がこのところ死亡率1位を示しておりますけれども、2017年時点では、まだ1位になっております。新しいデータで2位になったというお話もあります。大阪は1993年からどんどん順位を下げて死亡率が下がっております。幾つかの県では、実質死亡率を下げている県、維持している県などがございます。
次のスライドは、死亡率は人口が全く関与していませんので、県ごとに肝がんによる死亡数の多い都道府県のベスト10を示したものです。こう見ますと、やはり人口規模の多い大阪、東京、都市部においては、肝がんの死亡数、死亡する方の人数は多くなっておりまして、死亡率が低くても人口規模の多いところでは患者さんが多いということで、こちらの県では、やはり医療連携とかの重要性が大事になってきます。
そこで、6のスライドを見ていただきますと、縦軸が死亡率、横軸が死亡数をx、yにしたところであります。そうすると、グループが4つできます。赤い字で書いてある右上の県でありますけれども、こちらは肝がん死亡率が高く、かつ肝がん死亡患者が多いと考えられるグループであります。左下は、逆に肝がん死亡率が低く、患者さんも少ない地域ということになります。
佐賀県は肝がん死亡率が高いのですけれども、人口規模が少ないので患者さん自体は少ないグループに属しています。さまざまな対策は、やはり患者さんの規模と死亡率によって対策を進めるべきではないかということを研究班として提示しておりまして、次のスライドを見ていただきますと、これを色分けにしたものであります。
それぞれの肝がん死亡率の状況に応じての感染者に対する対策も必要ではないかということをお示ししています。
8のスライドは、右下にありますが、日赤のほうで全国を8ブロックに分けて、肝がん死亡率の推移を2000年から2017年まで粗死亡率で示しているものです。いずれのブロックについても2003年、2004年以降死亡率は徐々に減っているところが見えてくると思います。
次のグラフは、全国の肝がん死亡率を出生年別あるいは下の段が年齢別に見たものです。御説明しますと、上の段の男女合計のところを見てください。出生年、例えば、1930年生まれの方は40歳、50歳、60歳と色が変わっていくごとに高齢化しますので、肝がん死亡率ももちろん高くなっていきます。
しかし、隣の1940年生まれの方の同じ年齢、例えば70歳を見ましても、1940年の生まれの70歳は左隣の1930年の70歳の死亡率よりも低くなっておりまして、出生年によって同じ70歳でも死亡率が違うことが見えてきます。
下のグラフは、出生年ごとに40代、50代、60代での死亡率を示したものです。がんというものは年齢が高くなれば高くなるものでありますけれども、生まれる年によってややその率が違ってきていることがわかります。特に男性で出生年によって死亡率が同じ年齢でもやや違う、女性では余りその傾向が見られないということが見えます。
次のページから、これを全国8ブロック別にお示ししたものです。北海道、東北、関東、中部東海ブロックと見ていきますけれども、こう見ますと、北海道ブロックでは男女とも出生年によっての肝がん死亡率、年齢が高くなると上がりますけれども、出生年別の差は見えません。関東ブロック、中部東海ブロックは特に男性で出生年ごとの死亡率がやや違うことが見えます。
次のスライドは、九州ブロック、四国ブロック、中国ブロック、近畿ブロックですけれども、1940年生まれ、あるいは1930年生まれの高齢者の死亡率が、他の年に生まれた方よりも高くなっていることが見えてまいります。
次のスライドは、受検率の調査について概要を話します。国民調査として左上の図ですけれども、2011年に全国の7万4000人をランダム調査しまして、受検率を明らかにしたところです。その後、6年後の2017年に再度同じ方法で今度は3万人を対象に受検率の調査を行いました。
左下の図をごらんください。2011にはB型C型の受検率が認識、非認識受検率をあわせて57.5%から2017年ではB型の受検率が71%、C型につきましては、2011年が48%から61.6%といずれも10%から13%ぐらいの受検率が上がってきております。
しかしながら、右下のグラフを見ていただいて、都道府県ごとに見ますと、B型の認識受検率あるいはトータル受検率、C型につきましても、上がっている県、下がっている県、最初の調査で非常に高い率を示したけれども次の調査で低くなっている県というように、県ごとに相違が見られます。
次のスライド、そこで研究班のほうでは、受検率が低下しているとみられる県、高くなっている県、維持している県をサンプルとして10都道府県選びまして、受検率の増減に関する因子が何か出てこないかということについて、再度調査を行いました。
次のスライドで、平成23年度、平成29年度の調査結果から、6年間の受検率の変化によって次の10都道府県を選択いたしました。調査は選挙人名簿から層化二段階無作為抽出調査によって、1万1000件を選び、郵送によって調査を行いました。回収率は41.7%です。
次のスライドはそれの概要ですけれども、一番上に2011年度、2017年度、今回の調査での受検率の数字を示しています。今回の調査はB型ですか、C型ですかと分けて聞いておりませんので、B型C型を合算した認識受検率になっています。それと同じ比較をするために、2011年度、あるいは2017年度の全国調査についても同じ指標になるように、B型C型合算の認識受検率を計算してここに示しています。2011年度では21.5%、2017年度では24.4%、今回は10都道府県ではありますけれども、認識受検率は26.3%と若干上がってきております。
下に都道府県別の追加調査の結果を示しています。2回の大きな受検率調査で、受検率が上がらなかったと思いました青森県、茨城県、佐賀県においても、今回の調査では受検率は良好な状態でありまして、どの県についても6年間で上がった、下がったということではなく、全体での受検率の増加を評価していくことも大事ではないかと考えています。
次のスライドが県ごとにお示ししたもので、やはり下がったと思われる県でも今回の調査で維持しておりますので、その県ごとに取り組んでいるイベントの影響も若干受けていると考えています。
18ページ、特に検査を受検していないと回答した人に、なぜ受けなかったのかという調査項目を2017年と今回の調査も聞いております。その中で大体の傾向は同じでありましたけれども、右から3番目の「自分は感染していないと思うから」というものが26.9%から32%に上がっていること。「定期健診のメニューにない」というのは35%から42%と、この辺が検査未受検の理由ではないかと依然として思っています。一番右の「きっかけがなかった」というのはほぼ同じ数字を見せておりますが、若干減っているように感じます。
19ページは、県ごとに受検をしたかどうかということについて、解析を各10都道府県それぞれにしたところ、同様の項目が受検に関係する項目として上がってまいりました。やはり「無料検査を知っている」と答えた方は受検する傾向がいずれの県も見られております。また「医療費助成制度を知っている」という場合には、受検する確率が2.93から4.84倍に上がります。
また、今回「身近に肝疾患患者がいる」と答えたという方は9府県で受検する確率が2倍から4.75倍と高くなるということが明らかになりました。
最後、ウイルス検査の受検率とか陽性率に関するデータについてお示しします。
健康増進事業による肝炎ウイルス検査数と感染状況であります。
21ページ、我が国では、老人保健法で始まりました40歳以上節目外検診を最初に現在まで健康増進事業に引き継がれて、住民での肝炎ウイルス検査が行われております。2002年から2017年の間に1700万人程度の方が、B型C型肝炎ウイルス検査を受けていることが明らかになっております。
次のスライドは、これを全国のブロック別に、40歳以上が健康増進事業の検査の対象者ですので、40から74歳の人口当たりの健康増進事業による検査の受検者数であります。上がB型肝炎ウイルス、下がC型肝炎ウイルスです。どのブロックも2008年、2009年、2010年で若干減少傾向にありましたが、2011年から始まりました節目の検診のため、人口当たりの検査数がやや増え、現在、維持しています。
次のスライドは、特定感染症検査等事業による20歳から74歳10万人人口当たりの検査数であります。健康増進事業は、市町の方が台帳をつくりまして、一生のうちに1回の検査ということですけれども、特定感染症検査等事業については、保健所での無料検査と委託医療機関と契約した無料検査に分かれておりまして、これは都道府県によって対応がまちまちになっています。
そこで見ていただくとわかりますように、B型C型いずれも中国以西のブロックにおいて、特定感染症検査等事業のうちの委託医療機関で行う検査を多く最近行われていることがわかります。反しまして、北海道から近畿のほうでは、ブロックごとに特徴があります。委託医療機関分が少ないところ、保健所分だけでやっている地域と、地域ごとの特徴が見えているのがわかります。
次のスライドは、先ほどもお示ししましたが、左側が健康増進事業による検査数の中での陽性率であります。上がC型のキャリアの陽性率、下のオレンジのほうがB型のキャリア率になります。2つの段にありますのは、上の段は少し前の2008年から2012年の健康増進事業によるキャリア率、下の段が2013年から2017年の最近の健康増進事業によるブロック別の年齢階級別の陽性率です。
全体的に見ますと、2012年まで、8年ぐらい前までのキャリア率と比べまして、最近は住民健診においてもキャリア率が下がってきているということがB型C型いずれもわかります。
右側が、先ほどもお示しした特定感染症検査等事業の数の中での陽性率であります。これはやはり県ごと、地域ごとによってどういう方に声をかけているか、保健所での任意の検査あるいは委託医療機関ですので、その病院に受診した人が検査を受けるということになりますので、地域ごとの傾向は見られませんので、その県ごとの取り組みによって陽性率が変わってきていることがわかります。
そもそも特定感染症検査等事業による検査数は、左側にお示ししている健康増進事業の対象数と比べてかなり少ない人数になっておりますので、それもありまして陽性率のばらつきが見えています。
25ページ、C型につきましては、健康増進事業、特定感染症検査等事業においてC型の検査はこの手順に従いまして、最終的に現在C型肝炎ウイルスに感染している可能性が強い群とC型肝炎ウイルスに感染している可能性が低い群に分けられて、検査の通知がなされているところであります。
では、次に初回献血者集団における肝炎ウイルス感染状況について、スライド27ページにお示しします。
疫学班では、日赤と協力しまして、初回献血者集団、生まれて初めて検査を受ける、献血に行って自分が感染しているかどうかわかるというデータをデータベースとして保持しております。1995年から2016年までの22年間を4期に分けまして、トータル1100万人の初回献血者の陽性率をこの表にしております。HBs抗原陽性率、HCV抗体陽性率いずれも1995年の第1期、a期と比べまして、最新のBDの4期では陽性率が下がっていることがわかります。HBs抗原陽性率が0.18%、HCV抗体陽性率が0.13%です。
しかしながら、初回献血者集団は右のグラフにありますように、非常に若い年齢に偏っている人口でありまして、右側の日本全体の人口分布に当てはめて年齢調整をして標準化の陽性率を推計しますと、2012年から2016年でHBs抗原陽性率が0.37%、C型のウイルスを持っている人というのは、0.2%と考えられます。
下のグラフは、この22年間の最初の1995年ぐらいから最近に至るまでの同じ出生年で、あわせた1歳ごとの陽性率を重ねたものです。1995年代では、左側のB型、右側のC型につきましてもかなり高い陽性率を示しておりましたけれども、近年は同じ出生年でありましてもかなり下がってきていることがわかりました。献血に行くまでにあちこちいろいろな場所で検査をする機会があって、同じ出生年世代でも献血に行く前に自分が陽性であることがわかるために、陽性者が選択的に献血に行かなくなったことによって、陽性率が下がってきているのだと考えています。
次のスライドは、上のグラフは今の初回献血者の最新のデータを1歳刻みに示したものと右側が地域別に示したものです。年齢の高いところでB型、C型いずれも陽性率がほかの年齢集団よりも高くなっていることがわかります。
次のスライドは、研究班で妊婦集団における肝炎ウイルス感染状況について調査しましたので、その結果を報告します。
母子感染防止事業は、日本では1986年から始まっており、妊娠がわかった時点で、妊婦さんは検査を受けることになっております。その検査結果につきまして、市町が把握していますので、市町の情報を回収することによって日本における妊婦集団での陽性率が分かります。また、その情報を、B型母子感染防止事業が始まる以前と以後に分かれた集団に分けてB型の陽性率を比較することで、日本で始まりましたB型母子感染防止事業の効果を見たい、つまり出産時にお母さんがB型に感染している場合には、ワクチンとHBIGを出生時に投与することによる母子感染予防の効果が見たいと思った研究であります。1,741市町に調査をかけまして、最終的に36.8%、640の市町の協力が得られました。
次のスライドは、データとして解析可能であった47万5756人の解析対象者、妊婦さんHBs抗原陽性率は0.23%、HCV抗体陽性率は0.16%でありまして、2016年、2017年に出産された妊婦集団の陽性率として考えてもよいのではないかと思っています。
左下のグラフは、HBs抗原陽性率を出生年別に棒グラフにしたものであります。左のヒストグラムは妊婦さんの年齢分布でありまして、13歳から54歳までの妊婦集団となっております。グラフを真ん中のところで分けておりますけれども、これが1985年までに生まれた右側の妊婦さんの集団のHBs抗原陽性率は0.30%、1986年以降に生まれた集団のHBs抗原陽性率は0.10%で、統計学的に有意に1986年以降に生まれた世代の陽性率が低いということで、ある程度日本の母子感染防止事業が効果的であったのではないかということを示しております。
一緒に調べましたHCV抗体陽性率については、右にお示ししています。これは1986年出生前後での差はございませんでした。しかしながら、1996年以降に生まれた13歳から19歳の妊婦さんでのHCV抗体陽性率が、他の年齢と比べてやや高い傾向がありまして、グローバル化も含めまして、妊婦さんの10代でのC型の感染率についての何か調査が必要ではないかなと考えております。
以上、長くなりましたけれども、ウイルス肝炎に関する疫学について報告させていただきました。
○小池会長 田中先生、どうもありがとうございました。
ただいまの件に関して、御質問、御意見はございますか。今日は3つのパートからなるお話で、肝がん死亡の疫学データです。次が肝炎検査の受検率の状況です。3つ目が肝炎検査の陽性率、特に、2番目の献血者集団、それから、妊婦集団における陽性率もお示しいただきました。いかがでしょうか。
グラフがいっぱい出てきて、なかなか質問しにくいですよね。真ん中のところで都道府県のHCVのキャリア率と書いてあるのですが、これは当然RNAまで調べたデータ。
○田中委員 そうです。健康増進事業では、抗体検査とNAT検査を組み合わせで行っておりますので、特定感染症検査等事業もC型については、陽性と言われた場合にはウイルスということです。
○小池会長 西村さん、どうぞ。
○西村委員 日肝協の西村です。
6ページに赤い字の県は、田中先生はどういうふうな対策をすればいいと。
○田中委員 これは、肝がん死亡率と肝がん死亡数で全てがウイルス由来の肝がんの方ではないということのリミテーションがありますけれども、現時点で肝がんの死亡率も高く、肝がん死亡者が多いということは、その背景の肝硬変とか肝疾患の方がたくさんいる県だということであります。医療連携もウイルス検査も含めてですけれども、この件は見てみますと大分していらっしゃる県は多いと思うのですけれども、対策をしていただかなければならない県だなと認識しております。ブロック会議などでもお示ししておりまして、各都道府県の方は認識されているもので、対策を立てていらっしゃるものだと考えております。
○小池会長 どうぞ。
○西村委員 最近、NASHとか生活習慣病、糖尿病による肝発がんが問題になってきていますけれども、こういう県については、それとの関係を調べる方法はないのでしょうか。
○田中委員 それは、肝がんがどの原因でなったかというこれとはまた別の調査が必要になってくると思います。これは最終的に肝がんになった人の死亡率と死亡者数です。肝がんの原因がウイルス由来のものが多かった時代と、現在のウイルスの駆除によってウイルス由来がだんだん減ってきている時代で、変わっていることがありますので、別の調査によって得られた数字、指標によって、どのぐらいウイルスによらない方々のがんが増えるのか減るのか維持するのかについては、別の示し方をしないといけないなと考えております。
○西村委員 ありがとうございました。
○小池会長 坂上委員、どうぞ。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。
31ページのHCV抗体が13歳から19歳が高いというのですけれども、数字だけ見るととてもゆゆしき問題なのですが、例えば、ピアスを付けるため耳に穴を開けたり、違法薬物を静脈に注射したりした時に感染したのでしょうか。ただ、この年齢層の母数はほかの年齢層に比べて少ないので、陽性者の絶対数は少ないのだと思うのですが、その辺は何かわかりますでしょうか。
○田中委員 これは妊婦さんを対象にした調査ですので、それが何で感染したかということまではわからないわけです。なので、そういう疫学をやっていますので、現状を把握して何か普通よりも違うことが起こった場合には、提示をして啓蒙して、それの原因は何なのかとか、どう対策しなければならないのかというのは後の問題になってきます。
これはこういうことがわかると思って調査したわけではなくて、B型の母子感染防止事業の効果がどうかなと思って行った全国調査でこういうことがわかったので、今、提示させてもらって、これからどう考えるかということです。
今、おっしゃったようにC型肝炎ウイルスの感染経路は皆さん血液由来のものですので、現在の日本において、若い10代において、どういうリスクがあるのかということを考えながら、次の疫学調査を行っていかないといけないかなと認識しています。
○坂上委員 先ほど指摘しましたように、教育とか啓発の部分がやはり大切だなと思うので、ぜひとも進めていただきたいと思います。
○小池会長 どうぞ。
○佐々木委員 日肝協の佐々木ですけれども、23ページの特定感染症検査等事業による検査というのが、先ほど先生から御説明がありましたように、北海道から近畿あたりが非常に低くて、中四国、九州が非常に高いのです。特に北海道、関東などは委託医療機関がほとんどやられていないような状況なのですけれども、なぜこういうことになっているのかということがわかりましたら、教えていただきたいです。
○田中委員 やはりなぜかということまではわからないのですけれども、県ごと、地域ごとに保健所でやられたほうが住民の方のアクセスがいい場合、それから、住民の方が病院に行ったときにそこで検査できる仕組みのほうが、検査を受ける機会が多い場合というので、県ごとに工夫しながら、県の中で市町ごとに工夫しながら保健所の検査を推進している県、特に西日本地域ではそうなのですけれども、委託医療機関での検査を推進して、住民の方が検査をしやすいアクセスを増やそうと取り組まれている県。やはり、いろいろインタビューしたのですけれども、聞いてみますと地域ごとに違いますので、地域ごとのどういうアクセスが一番いいのかということを考えながら検査の普及を図られているなということがわかりました。
結局、少ないからだめというのではなくて、地域ごとに事情が違うからこういうことになっているのかなと思いました。なので、特定感染症検査等事業で少ないところは、1枚前に示しました健康増進事業によっての検査に力を入れてやっている県とか、そういうことではないかなと思っています。
先ほども申しましたけれども、健康増進事業、国で行っている肝炎ウイルス検査は年間100万人あるとしますと、健康増進事業はそれの8割から9割を占めていて、特定感染症検査等事業部分は少ない中での差なので、割と顕著に出てきて、またそれが累積になりまして差が毎年広がっていくので、すごく差があるように見えているという数字の見せ方になっています。
○小池会長 よろしいでしょうか。
それでは、議題3についてはここまでとさせていただきます。
最後に議題4「その他」となりますが、委員の皆様からこの場で何か御発言したいことはございますか。
米澤さん、どうぞ。
○米澤委員 日肝協の米澤です。
時間もなくなりましたので、急いでお話しさせていただきます。
先ごろ、日本肝臓学会のホームページで理事長の竹原先生が表明された「サブスペシャルティ領域の在り方に関する議論に対する日本肝臓学会の立場」について、これは突然発表があって患者もこの話題で持ちきりなものですから、協議会という場でお話しさせていただきたいと思います。
この発表後に、今後、肝臓の専門医あるいは専門医制度がどうなっていくのだろうということで、多くの患者が今、不安に陥っています。先が見えないということです。
私たち、患者は常日ごろ治療に当たっては、とにかく専門医に行くように患者に伝えています。学会の専門医リストを見ながら、この地域にはこういう専門医の先生がいらっしゃる。こういう病院があるということで、紹介をしているわけです。逆に、専門外の先生に誤った治療をされてしまったということがあって、例えば、C型肝炎でジェノタイプ2の患者に対して、1のお薬を投薬した。そういった治療をされて、最終的には直らなかったという患者からの電話相談なども受けているのです。
それが今後、肝臓という表記がなくなってしまって、私たちが専門医を選べない、どなたがどの専門医なのか、肝臓のことに詳しい先生は誰なのかわからなくなってしまう事態が起きてしまうのではないかということで、これは患者にとって非常に困ることであると考えています。以上は、私たち患者の意見です。
それから、基本指針の第1の(3)適切な肝炎医療の推進というところで「肝炎患者に対し、病態に応じた適切な肝炎医療を提供するためには、専門的な知識や経験が必要であるため、個々の肝炎患者等は、肝炎医療を専門とする医療機関(以下「専門医療機関」という)において治療方針の決定を受けることが望ましい」とあります。
これはまさに現行の専門医制度の上に成り立つものであると私たちは考えるのですけれども、厚労省はこれについてどのようにお考えなのかなと。指針にはこうにあるので、今後のことはどうでしょうか、いかがでしょうか。
○小池会長 事務局としてお答えいただけますでしょうか。
○小野肝炎対策調整官 今、委員から御指摘のあったのは、いわゆるサブスペシャルティ領域の話だということで承知をしています。厚生労働省の医道審議会のほうで議論がされているものということで承知をしています。
もちろん、御指摘のように肝炎対策を推進していく上で肝臓専門医というものが中心的な役割を果たすということで、そこは私どももそういう認識でございます。ただ、今のこの医道審議会などでの議論の状況ですとか今後につきましては、私どもの肝炎室ではお答えする立場にないものですので、今、御指摘いただいた点については、よく担当の部局のほうにもお伝えをさせていただきたいと思っています。
○小池会長 泉委員、どうぞ。
○泉委員 今の米澤委員からの御指摘は非常に適切なものだと思っています。私どもも東京都の肝炎対策などは肝臓専門医が中心になって連携、パスなどを進めてくださっているということで、専門医療機関としては、東京都は日本肝臓学会の指定する専門医を指定してきたわけです。だから、我が国の肝炎対策基本法を遂行していくに当たって、肝臓専門医の指定は極めて重要だと思っていますので、日本肝臓学会が認定する肝臓専門医をきちんと大事にしていただいて、政策を推進するに当たって大事だということをぜひ議事録に残しておいていただきたいと強く要望したいと思います。
○小池会長 事務局、よろしいですか。
ほかに何か御発言はございますか。時間がちょっと過ぎておりますね。
それでは、特にないようでしたら本日の議事は終了といたしまして、事務局から何か連絡事項等ございますか。
○小野肝炎対策調整官 本日は長時間にわたり御審議をいただきまして、ありがとうございました。
次回の日程につきましては、後日、事務局にて調整の上、御連絡をさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。
照会先
健康局がん・疾病対策課肝炎対策推進室
前野 鎌田
代表番号:03-5253-1111(内線2948、2949)