第81回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会議事録

 

 
第81回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会(議事録)
 
1.日時 令和元年11月26日(木) 10:00~11:43
 
2.場所 厚生労働省 専用22会議室
           (東京都千代田区霞が関1-2-2  中央合同庁舎5号館18階)
 
3.出席委員
(公益代表委員)
○東京大学大学院法学政治学研究科教授 荒木 尚志
○慶応義塾大学名誉教授 大前 和幸
○大阪大学大学院高等司法研究科教授 水島 郁子
○読売新聞東京本社編集委員  宮智 泉
○慶応義塾大学大学院法務研究科教授 森戸 英幸

(労働者代表委員)
○全日本海員組合奨学金制度運営管理部長代理 楠 博志
○ 日本化学エネルギー産業労働組合連合会長 安原 三紀子
○全国建設労働組合総連合労働対策部長  田久 悟
○日本基幹産業労働組合連合会中央執行委員 黒島 巖
○UAゼンセン政策・労働条件局部長 髙橋 義和
○日本労働組合総連合会総合政策推進局長 仁平 章
  
(使用者代表委員)
○日本通運株式会社 総務・労働部専任部長 北 隆司
○東京海上ホールディングス株式会社人事部ウエルネス推進チーム専門部長 砂原 和仁
○セコム株式会社 人事部主任 久保田 祥子
○鹿島建設株式会社安全環境部部長 本多 敦郎
○日本製鉄株式会社 人事労政部部長 山内 幸治
○一般社団法人 日本経済団体連合会労働法制本部長 輪島 忍  

4.議題
(1)令和元年度第2回社会復帰促進等事業に関す検討会について(報告)
(2)複数就業者への労災給付の在り方について
 
 

5.議事
○荒木部会長 それでは定刻ですので、ただいまから第81回労災保険部会を開催いたします。本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の中野委員が御欠席です。また、使用者代表の久保田委員、砂原委員が遅れての御出席と承っております。出席者は現在15名ですが、公益代表、労働者代表、使用者代表、それぞれ3分の1以上の出席がございますので定足数を満たしていることを御報告いたします。本日の労災保険部会はタブレットによるペーパーレス開催となります。事務局から説明事項があればお願いいたします。
○労災管理課長補佐(企画担当) それでは、本日はタブレットが確保できましたので、タブレットの操作方法について御説明をさせていただきます。以前にも御使用された方がいらっしゃるかもしれませんが改めて御説明させていただきます。厚生労働省では審議会等のペーパーレス化の取組を推進しておりまして本部会についても資料をタブレットで御参照いただくことで実施させていただきます。お手元にはタブレット、スタイラスペン及び操作取扱い説明書を配布させていただいております。いずれについても部会終了後に事務局で回収いたしますので、机上に置いたまま御退室をお願いいたします。
 タブレットは、指またはスタイラスペンで操作を行っていただきますが、スタイラスペンは指の代わりにタッチできるものですが、今の時点においてはメモはできませんので御了承ください。お手元に配布いたしました操作説明書も適宜参照いただきながら不明な点は近くに職員がおりますので御質問をお願いいたします。傍聴される方々については、事前に御案内いたしましたとおり御自身のタブレット等で資料の閲覧をお願いいたします。
 タブレットの操作方法を御説明いたします。お手元の操作説明書をもとに資料の確認、会議資料のめくり方、資料の拡大・縮小方法、縦横の表示について御説明いたします。まず資料の確認、開き方についてです。資料名は赤枠のタブの中央を指で軽く触れて離してください。この操作をタップといいます。タブの×ボタンに触れてしまいますと、資料が閉じてしまいますので×ボタンには触れないようにお願いいたします。万が一、資料が見られなくなってしまった場合などには事務局員をお呼びください。対応いたします。
 続いて、資料のめくり方です。資料のめくり方については、指またはスタイラスペンを使って会議資料の紙面上に触れたまま、上にスライドしていただくと資料が切り換わります。資料のページはページ枠に表示してある番号が資料のページ番号になっております。事務局から申し上げる資料番号が左側に書いてある数字、ページ番号が右枠に書いてある数字です。ページ番号を指定して表示することもできます。その場合はページが書いてある枠をタップしていただくとキーボードが出てきます。キーボードに切り換わったときにページ番号の数字を入れていただいて、最後にエンターキーを2回タップしていただきますと御希望のページに進むことができます。
 次に資料の拡大・縮小方法についてです。これは会議資料上に2本指を置いて指の間を広げるピンチアウトという操作を行ってください。逆の操作をすることで縮小することができます。縦横の表示の方法ですが、タブレット本体を回転させることによって縦横の表示を切り換えることができます。うまく切り換わらない場合はタブレット本体を一度起こして垂直に直してみてください。タブレットを横にしていただいた場合、左上に電源ボタンがあります。ここには触らないようにお願いいたします。触ると画面が消えてしまいます。また、操作画面の表示にアイクラウド等々、何か表示が出ましたらキャンセルを押していただきますと、その表示は消えて通常の作業ができますので御承知のほど、お願いいたします。何か御不明な点等がありましたら随時、職員にお声かけいただきますようにお願いいたします。以上です。
○荒木部会長 よろしいでしょうか。それでは、傍聴の方によるカメラ撮影等の撮影はここまでといたします。
 本日の議事に入らせていただきます。第1の議題は「令和元年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○労災管理課長 おはようございます。労災管理課長の田中でございます。お手元のタブレットの資料、資料№1のシリーズについて御説明申し上げたいと思います。社会復帰促進等事業に関する検討会ですが、去る11月22日(金)に開催されたものです。この検討会におきましては、主に令和2年度の概算要求につきまして御説明申し上げたということです。そのときの報告ということで、今回、行わせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
 まず資料№02、資料1-1を御覧いただければと思います。まず1番目のものは、平成30年度の成果の実績評価(積み残し)と概算要求への反映状況を概略的に書かせていただいたものです。実は、春に行いました検討会において、平成30年度の成果目標に対する実績評価を行ったところなのですが、独立行政法人の事業など、積み残しが12事業あったということです。この積み残しの12事業につきまして評価をしたということなのですが、これはいずれもA評価で、目標を達成した事業ということになっております。これが1番目ということです。
 2番目に、概算要求の反映状況についてです。C評価の事業で、増額要求を行っているものは1事業、(3)B評価の事業で増額要求のものが3事業、(4)B評価の事業で減額あるいは同額要求のものが5事業、残りの事業はA評価の事業ということで引き続き施策を継続するという事業になっています。
 さらに3番目に、新規事業が5事業、拡充事業が8事業あるということで御報告させていただいております。資料1はこれで終了です。
 お戻りいただきまして、資料03を御覧ください。資料1-2です。これは春の検討会で御指摘いただいた事項を反映したということですが、目標設定について変更した事項について御報告させていただいております。目標は実際の実績に比べるとやや低い値になっているのではないかというようなものがあるのではないかという御指摘もありましたので、目標値に対して大きく上回る実績を上げているような事業につきましては、それぞれ、目標値をしっかり上げていったということです。また、外国人技能実習機構に対する交付金につきまして、アウトプット指標につきまして御指摘を受けておりましたので、これについても措置をしたということです。10幾つの事業について目標を変更したというものです。以上が03の資料です。
 マイ・プライベート・ファイルのほうにお戻りいただきまして、資料04をお願いします。04は目標値の反映状況ですが、特にBとCの評価について、増額要求を行っているものにつきまして少し御説明させていただければと思います。「C評価の事業で、増額要求を行っているもの」は、C評価の事業そのものが1個しかなかったわけですが、長期家族介護者に対する援護経費です。これにつきましては事業のアウトプット・アウトカム目標をしっかり達成できるように見直しをしたのですが、さらに事業全体についての見直しを行ったということで少し予算が増えていると、こういうものです。
 それから次のページですけれども、スクロールしていただいて2/18という所ですが、「B評価の事業で、増額要求を行っているもの」です。これは、アウトプット指標を達成していなかった事業です。1つ目の労災疾病臨床研究事業費補助金事業につきましてはアウトプット目標を達成できるように見直しを行っているのですが、公募スケジュールの前倒し等の見直しを行うということをいたしますということなのですけれども、概算要求においては若干、増額にはなっていますけれども同程度の要求ということで、内容等が何か変わっているというものではございません。
 次は、令和元年度のPDCAの評価番号が44番の事業ですが、産業医学振興経費というものです。これにつきましては、アウトプット指標のうち医師国家試験の合格率について指標を立てていたのですけれども未達成だったというような状況です。これにつきましては、学生の指導をしっかりしていくことを実施するとともに、囲みの中ですが、様々な拡充事業を行いますので要求額が少し多くなっているという状況になっております。
 1ページ、スクロールしてください。B事業で増額要求を行っているものの3つ目です。評価番号47番ですが、これは「働き方改革」関係の予算です。助成金の支給決定件数がアウトプット指標で定めた件数に及ばなかったということですけれども、しっかり周知を図っていくということで改善を図ります。それとともに、拡充事業も行っていこうと思っているところです。それに伴いまして、要求額が増額になっているという状況です。この資料の概略としては以上です。あと、下のほうですけれども、B事業で同額・減額要求を行っているもの、あるいはA事業のものにつきましては説明は省略させていただきたいと思います。
 それではマイ・プライベート・ファイルにお戻りいただきまして、資料№05をお開きいただければと思います。これは、今回の令和2年度の概算要求の中の新規事業あるいは拡充事業というものです。新規事業については5つ、拡充事業については8つということです。
 この新規事業の中に、外国人安全衛生管理相談支援等事業というものがありますけれども、これは全く新規というわけではなくて、再編して、ある意味、新規事業に格上げしたというものです。新規事業につきましては、1、2、3、4が安全衛生に係る事業、5番目の事業が総合労働相談等に係る事業ですが、5番目の事業については外国人労働者対策の関係、2番目も外国人労働者対策の関係という状況です。
 拡充事業は8つあります。時間の関係もありますので、一つ一つの説明は省略させていただきますが働き方改革関係の事業とか、あるいは職場のハラスメントへの対策、先ほどの産業医大の関係の対策といったようなものを拡充事業として要求させていただいていると、こういうことです。資料05は以上です。
 またマイ・プライベート・ファイルに戻っていただきまして06の資料を御覧いただきたいと思います。「労災保険経済概況」というものです。労災保険の経済概況は5年分を載せておりますけれども、決算は平成30年度までです。平成30年度の決算ですが、収入から支出を引いて決算上の収支は、マイナス446億円です。これは積立金をそれだけ取り崩しているということになるわけですが、平成30年度から料率改定を行っているところです。その意味では収入が減っているということなのですが、これは、もともと、責任準備金としての積立金が十分積み上がっていると、こういった観点で積立金を少し取り崩すということを含んで予算化していたというものですので、何か、情勢が変わってマイナスになってしまったというわけではありません。そういう意味では、元年度の予算はマイナス787億円、令和2年度の要求ではマイナス220億円ということになっています。資料06については以上です。
 また戻っていただきまして資料№07ですけれども、社会復帰促進等事業費の推移です。これは15年以上ですけれども、経年的に並べております。特に最近ではリーマンショック以後が予算額としては多くなっているということですが、それから少しずつ減っていっています。最近、予算額が上がっていますけれども、これは働き方改革関係の予算であるとか、あるいは、非常勤職員の処遇改善といったものが影響していると分析しているところです。これは執行がどれぐらいになっているかということなのですが、またマイ・プライベート・ファイルに戻っていただいて資料№08を御覧いただきたいと思います。平成28年度からの予算現額と決算額、決算額ですから平成30年度までですけれども並べているところです。決算額でいきますと、今、600億円台で推移しているというような状況になっております。
 もう一度お戻りいただきまして資料№09をお開きいただきたいと思います。これは社会復帰促進等事業及び事務費に充てるべき限度額というものですが、上のほうに書いてありますのが計算式です。第1号+第2号と書いてありますけれども、これは、ほぼ収入と考えていただいて結構かと思います。収入に120分の20を掛けて、付属雑収入を足しています。これが社会復帰促進等事業と事務費の限度額ということで、これは、労災保険法施行規則第43条に規定しています。これは財政規律のための規定になっておりますが、状況としてはどうなっているかということにつきましては下のほうに書いてあります。平成30年度の決算額で見ますと、一番右端を見ていただきますと、限度額に対する所要額の割合ということで載せておりますが、80.26%ということで、この限度額の8割ぐらいということです。令和元年度の予算額はどうなっているかということなのですが、これは92.19%です。まだ要求額ということですのでこれで決まっているわけではないですが、今回の要求額は、割合で見ますと92.15%ということで、限度額に対する所要額の割合としては元年度の予算額とほぼ同じというような状況です。
 あと、資料として御覧いただきたいのは、№10の未払賃金の立替払(支払)の状況です。未払賃金の立替払事業は景気の動向に左右されるものですが、現在のところ、実績を御覧いただきますと、平成30年度は立替払の額が86億円余ということで前年度とほぼ同じというような状況になっているということで、ピーク時に比べると大分少ないと、このような状況になっているところです。資料の説明は以上です。
 なお、検討会におきまして御意見として、例えば全体的な御意見として賜りましたのが、PDCAサイクルをしっかり有効に機能させて縮減に努めるようにと、このような御意見を頂いております。また、事業についても周知をしっかりしろと、あるいは、新規事業や拡充事業については、要件について余り難しくならないようにと、使いやすくなるようにという御意見も頂いているところです。あと、個別事業について様々な質疑を行ったと、このような状況でした。金曜日の社会復帰促進等事業に関する検討会の報告については以上です。よろしくお願いいたします。
○荒木部会長 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見があればお願いいたします。
○輪島委員 後段の議論にもつながるのですけれども、労災保険の会計と社会復帰促進等事業全体の会計について、今、御紹介がありましたけれども、きちんとPDCAサイクルを回して適切な運用をしていただきたいと考えているところです。その点で言うと、3点目の新規の事業を導入するときに、どういう問題意識で導入するのか、本当に意義があるのかというようなことをきちんと検証していただきたいと思っています。
 また、ヒット商品になればいいのですけれども、PDCAサイクルを回して3年ぐらいやってみて、ニーズがあって入れたとは言え、ヒット商品にならなければ一旦は閉じる。衣替えをしたり要件を変えたりして継続しているというような形にはせず、きちんと検証した結果、スクラップアンドビルドすることはきちんとやっていただきたいと思っています
○荒木部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
○楠委員 12番の参考2ですけれども、評価として新たに、D、事業廃止又は厳格な見直し、これが新たに加わるということですと、Dの厳格な見直しとCの見直し、この辺がどう違っているのかということです。見直す場合にはアウトカム指標の未達成要因の分析が必要と、CもDも同じようにあるのですが、その辺がどう違っているのかということを質問したいと思います。
○荒木部会長 資料12についての御質問ですが、いかがでしょうか。
○労災管理課長 これは、ファイル№でいくと12番のファイルになります。資料1の「参考2」という所です。社会復帰促進等事業の評価の考え方ですが、この事業評価の分類につきましては、今年度事業から実施していこうと思っております。実は、いままではABC評価で、このCとDというのが統合されてC評価ということだったのですが、今年度の事業からABC評価でやっていこうと思っております。これは雇用保険二事業と同じ分類です。
 CとDの違いということですけれども、これは、いずれもアウトカム指標(成果指標)を満たしていないという事業です。したがって、考え方としては政策的には余りよろしくないという事業です。その中で、Cの事業はアウトプットが余り大したことないという事業ですので、アウトカムは達成していないのだけれどもアウトプット指標が達成されている。つまり、よろしくない事業だけれどもたくさん実施されている事業と、そうでない事業を少し差を付けたということです。成果が大したことない事業については、たくさん実行されているほうが良くないのではないかということでD評価という評価を今年の事業から設けさせていただこうと思っております。そういう意味では、Dのほうに区分されるとCよりも、当然ですけれども、我々としては、原則としては厳しく評価していこうと思っているということです。以上です。
○荒木部会長 ということで、いかがでしょうか。
○楠委員 要するに、事業執行率が高いけれども政策効果が低い、これ以上は見込めないということで判断するということなのでしょうか。
○労災管理課長 考え方としては、ちょっと定性的な話なのですけれども、余り効果のない事業をたくさんお金を掛けてやっている場合と、余り効果のない事業を、そこまでお金を掛けずにやっていますと、どちらが財政的に罪が重いかというように考えると、余り効果のない事業をたくさんやっているほうが政策的には罪が重いのではないかということで、Dという評価にするというように考えているところです。
○楠委員 ありがとうございます。
○荒木部会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。特段、御指摘がなければ、資料1の関係はよろしいでしょうか。
 それでは次の議題に移りたいと思います。第2の議題は「複数就業者への労災保険給付の在り方について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○労災管理課長補佐 それでは資料16を御覧ください。「複数就業者への労災保険給付についての検討状況」で提示された論点等の検討についてという題になっています。ちょっと見づらいかもしれませんが、まず目次の所を御覧ください。スクロールしていただきますと、目次が次のページになっています。1ページ目を御覧ください。
 目次としては、1.共通事項についてと、2.非災害発生事業場の賃金額も加味することについてを示させていただいています。このうち共通事項についての中には、これまでの宿題になっている事項及び一度御議論した事項について、再度御議論いただきたいというものについて掲載させていただいています。後は、残された論点ということで示させていただいています。
 スクロールしていただいて、共通事項についての一番目の論点です。3ページです。1-1.複数就業者の範囲についてです。現行制度に書かせていただいていますが、労働者の要件としては労働基準法上の労働者を、労災保険法においても労働者の範囲と考えているところです。一方で、労働基準法上の労働者でない方についても、特別加入制度があり、特別加入制度の範囲においては労働者としてみなしているという状況です。
 4ページ、前提です。複数就業者とは特に定義せずに今まで使ってきましたが、前提として、複数就業している方というのは労災保険法上どういう方かということなのですが、これは同時期に、複数の事業と労働契約関係にある者、あるいは1つ以上の事業と労働契約関係にあり、かつ他の就業について特別加入している方、複数就業についても特別加入をしている方というパターンが考えられるのではないかということを前提として書かせていただいています。
 論点として2つあります。今回検討している複数就業者の労災保険給付の在り方ということで考える場合ですが、1つ目は、被災したときや事故に遭われたとき、また労災に遭われたときに、上記に当たるようなケースになっていれば基本的に労災保険制度における複数就業者と考えるべきではないかということを示させていただいています。
 ただ、一方ということで、2番目の論点ですが、脳・心臓疾患や精神障害等の疾病のように、原因と発症の時期が必ずしも一致していない。例えば下に掲げているように、脳・心臓疾患になったのが副業・兼業をずっとしていて、一方の会社を退職された。その1か月ほど後に発症しましたという場合については、瞬間的に見ると複数就業していないわけですが、このようなケースについて今回の見直しにおいてはどう考えるかということを論点として掲げさせていただいています。1-1の論点は以上です。
 次に、1-2で、2番目の論点ですが、手続に係る労使の負担軽減策についてです。これについては、6月の検討状況を取りまとめていただいたときに宿題になっていた事項です。いわゆる休業補償給付の場合ですが、所轄の労働基準監督署に被災された労働者の方が請求書を出す、申請をするということになっています。どういった項目があるかというと、この①~⑨までの項目を書いて出していただくということになっています。その際に、③~⑦、それから⑨については、事業主の証明を受ける。また⑥のうち療養の期間、傷病名及び傷病の経過については診療担当者の証明を受けなければならない。これは病院から証明をしていただかなければいけないということになっているわけです。障害(補償)給付や遺族(補償)給付等についても、同じような内容の証明を受けるという状況になっています。
 論点としては、給付額の合算をするときに、①非災害発生事業場の証明をどれぐらいいただく必要があるか、こういったことが問題なのかと思います。簡単に申し上げますと、必要最小限度の証明を頂ければよいのではないかと考えています。例えば、6ページの右の下の所になりますが、非災害発生事業場においては療養のため労働できなかった期間や賃金を受けなかった日の日数で、実際に休業していたかどうかをここで見るということです。それから、平均賃金が幾らか、厚生年金保険等の被保険者資格の有無については、証明を頂ければいいのではないかと考えています。労働者の方にとっても手続の簡素化ということですが、証明様式についても新たに、簡単な様式を定めてはどうかと思っているところです。これは①の事業場の手続に係る負担軽減策というものです。
 次のページになりますが、労働者の手続に係る負担軽減策も併せて載せています。先ほど申し上げたように、非災害発生事業場の証明に係る様式を作るということもありますが、2つほどあります。例えば診療担当者の証明は2重に必要はないこととするということや、あるいは請求書の提出に係る負担軽減として、非災害発生事業場用の証明様式を使用することになった場合ですが、災害発生事業場と非災害発生事業場の管轄が違うという場合であれば、いずれの監督署においても請求を受け付けることとしてはどうかということを論点としてお示ししています。
 ②です。業務上の負荷の合算の場合、いわゆる負荷を合算・総合評価する場合はどうするかということです。これまでも説明申し上げてきたように、現行でも脳・心臓疾患や精神障害について、複数就業先での過重負荷や心理的負荷があったという申立てがあった場合には、監督署がそれぞれの事業場での労働時間や具体的出来事を調査しているという状況になっています。その際の手続については、いずれか1つの事業場における請求があればいいという取扱いになっています。今般、仮に複数の就業先での業務上の負荷を合算総合して評価するとなった場合についても、申請のきっかけ、請求のきっかけについては、いずれか1つの事業場における請求を契機にすればよいのではないかということを提示させていただいています。ただ認定するとなった場合には、①に準じて、他の事業場分の賃金額等についても把握する必要がありますので、そこは手続が必要になるのかなと思っていますが、請求の端緒としては現状と同じでいいのではないかということを書かせていただいています。以上が1-2の論点です。
 続きまして、8ページです。1-3.保険料率が極力引き上がらないようにするための対策についてです。前回も御議論いただいたところですが、これを踏まえた論点として、社会復帰促進等事業や事務費は労災保険給付に付加的なものであるということに鑑み、非災害発生事業場の賃金額も加味して給付する場合に保険料率が極力引き上がらないようにするために、先ほどもお話がありましたが、社会復帰促進等事業については、PDCAサイクルで不断のチェックを行い、その事業評価の結果に基づき、予算を毎年精査するとともに、事業の必要性について徹底した精査を行う。事務費については、効率性の観点から不断の見直しを行うことにより、できる限り事務費や社会復帰促進等事業費については抑制し、今般の見直しによる給付増分を可能な限り吸収できるようにすべきではないかということを論点として掲げさせていただいています。以上が1-3です。
 10ページです。1-4.新たな制度の円滑な実施を図るための準備についてです。制度を見直した際には様々な準備が必要になるということで、論点として書かせていただいています。関係の政省令の整備や、様式は告示になっていたりしますので関係告示や通達等を整備する必要がある。周知や、都道府県労働局・労働基準監督署において事務が円滑に進むよう、しっかりと現場を指導する必要がある。こういった準備作業が必要だということを記載しております。そういう意味では、制度を見直して施行するまでの一定の時間を要するのではないかということを論点として掲げさせていただいています。
 参考として、過去の制度改正に係る準備期間ということで3つほど掲げさせていただいていますが、これはいずれも給付を新しく創設したり、あるいは範囲を広げたという給付に係る制度改正に係る準備期間ということです。「二次健診等給付」の場合は、4か月、「複数就業先への通勤を通勤災害の対象に追加」の場合には5か月ということでした。「介護(補償)給付制度」の場合は約1年ということです。これは参考例ということですが、これぐらい時間がかかっているという状況を示しています。1-4については以上です。
 11ページ以降は、残された論点として「非災害発生事業場の賃金額も加味することについて」ということで、御議論を頂きたいと思っています。12ページ、2-1です。有給休暇・部分休業の場合の取扱いについてです。現行制度ですが、労災保険法第14条の条文を引用しています。「業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けない日」と、休業補償給付の要件が決まっています。このため、仮に労働者の方が有給休暇をたまたま取得していたという場合には、その期間の休業(補償)給付については支給していないという状況です。また部分休業、例えば午前中は休んで午後は働いているという場合、括弧で書いてありますが、業務上の負傷又は疾病による療養のため所定労働時間のうち、その一部についてのみ労働する場合には、給付基礎日額から当該労働に対して支払われる賃金の額を控除して得た額の60%、要するに平均賃金から労働した分の賃金額を引いて休んだ時間分の60%の給付をしています。休業(補償)給付については、本体給付は60%ということですので、そういう意味では休んでいた期間について6割を支払っているという調整規定があります。
 論点として2つ掲げています。1つが、先ほどの定義の中で療養のため労働することができないので賃金を受けない日ということになっているのですが、例えばA社かB社かどちらか一方でということですが、けがをされて被災した場合に、認定はちゃんとされていて、実際に業務上の災害でけがをされたということで認定されている場合ですが、A社では有給休暇を取っている日はB社では無給です。つまり何も取っていないという状況で休んでいる場合、いずれもお休みになっているという場合ですが、A社で有給を取っていて賃金が支払われているのだから、賃金が支払われる日ではないのではないかということでB社の休業についても休業給付の対象としないというのは、今回の見直しの趣旨としてはいかがなものかというのが論点の1つ目です。
 2番目の論点は、確認のためということなのですが、先ほど申し上げた部分休業の調整規定がありましたが、いわゆる額の合算をする際も現在の部分休業の取扱いに準じて支給することとしてはどうかということを書かせていただいています。詳細な論点ということですが、今回、論点として掲げさせていただきました。資料については以上です。よろしくお願いいたします。
○荒木部会長 ありがとうございました。それではただいまの資料2の説明について、御質問、御意見があればお願いいたします。
○安原委員 複数就業者の範囲についての論点が2つあると思うのですが、私からは2つ目の論点について、脳・心臓疾患や精神障害の疾病のように、原因と発症の時期が必ずしも一致しない場合について、どう考えるかという所について意見を申し上げたいと思います。これはずれている期間をどう見るかということだと思うのですが、これまで脳・心臓疾患や精神障害の疾病の際は、その発症の大体過去6か月程度の状況を見て判断しているとのことでしたので、この複数就業の場合も、この期間のA社、B社の双方について調べるという考え方でいいのではないかと考えます。ただ、認定基準については、前回の部会でしたか、認定基準の検討をするという話があったと思いますので、最新の医学的知見に基づいたアップデートをお願いして、労働者あるいはその家族にとって納得感のあるものにする必要があると考えます。私からは、以上、発言させていただきました。
○荒木部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
○髙橋委員 私からは5ページの手続の負担軽減策についてなのですが、基本的に労災認定を含めて必要な調査が適切に行われるということが担保されるということであれば、手続きに関しては簡素化する、負担軽減するということについて賛成です。②についても、現行の方法でしっかりと調査と対応をしていただけているということですので、今回の合算して評価する際についても、特に問題はないのではないかなと思います。 新たな書式を作ったらどうかという話でしたが、こちらについても同様で、調査に資する適切な項目がカバーできるということであれば、そういった書式を新たに設けるということについては賛成です。以上です。
○輪島委員 まず4ページの複数就業者の範囲についての論点の1点目ですが、これも御指摘のとおり合算の要件について、被災した時に在籍しているということは必要だろうと思います。
 2点目ですが、ここも安原委員がおっしゃったことについて、基本的にはそうだろうなと思っています。遅発性の疾病、遅れてくるということについて、一律的に在籍主義ということだと労働者保護に欠ける部分があるのだろうと思いますので、それなりに一定期間の就業状況を考慮することは必要だろうと思っています。
 事務局に質問ですが、先ほど安原委員からも御指摘がありましたが、基本的には、2~6か月程度ぐらいを見るのが適切な限度なのかなという気もしますが、その実態をどうするのか、極論すれば2社とも退職しているということもあり得るのかどうかをお聞きしておきたいと思います。
○補償課長 まず負荷の範囲の見方の所ですが、これは現在の脳・心臓疾患、あるいは精神障害ともに、発症前おおむね6か月を見るということになっていますので、基本的にはそういうことと考えています。
 もう1つは、2社とも退職している場合はどうなるかということですが、現在においては退職後においても請求を認めていますので同様の形になるのではないかと考えているところです。
○荒木部会長 よろしいですか。
○輪島委員 いずれにしても、仮にこの制度ができたときに、労働者が申請をするときに、そのことも含めてよく知らないと、結局、1社分だけでしか申請しなかったなど、それは労働条件分科会の議論になるのかもしれませんが、賃金債権の問題など、いろいろ引っ掛かるようなことにならないように、きちんと周知をしていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
○荒木部会長 重要な御指摘ですね。ありがとうございます。
○仁平委員 10ページにあるように、新たな制度の円滑な実施というのは、やはり新たな制度を入れる以上、しっかりやらなくてはいけないと我々も思っています。労働組合としても、新たな制度の導入ということであれば、できるだけ労働者に周知をしていきたいと思っています。併せて、ここに記載のとおり、こういった制度整備が円滑かつ迅速に進むように、是非とも地方労働局・労働基準監督署などからも広く周知することを、お願いしたいと思っています。以上です。
○荒木部会長 ほかにはいかがでしょうか。
○田久委員 今の仁平委員と同様なのですが、新たな制度の円滑な実施ということでは、1つは保険料の中小零細事業所を対象としている労働保険事務組合は、保険料の徴収を中心としていますが、やはりこういったところに対しても、制度、若しくは新たな様式等を作った場合は、きちんと周知徹底をしていただきたい。零細事業所の代わりに、そういった手続等をしているものですから、そういったところがきちんとそういったものを把握するために周知等のお願いをしたいと思います。
 もう1つは、労災の関係の複数事業所という関係では、遅れて発症するというとアスベスト等も含めて、かなり長い年数の所で、今後こういった複数就業の形というのは、ないことはないのかなといったときにどう認定するのかというのが、今は確か、最終ばく露の所で認定をしているはずなのですが、そういった場合なども含めて2社とも解体工事等にはなるのかなと思うのですが、20年、もしかすれば発症する場合ですね。そういったところではどうなのかなということを少し分かれば教えていただければと思います。
○荒木部会長 お尋ねがありましたが、いかがですか。
○補償課長 石綿の関係などについては、前々回かちょっと前の資料の中で現在どうやっているのかということを、資料で付けさせていただいています。石綿については、基本的には、ばく露を受ける業務への従事期間で評価することから、従事歴、あるいはばく露歴、そういうものについては、幾つかの複数の事業場があっても通算していますという説明をさせていただいています。認定については、最終ばく露事業場で行うということで、特段の変更はないと思っていますが、何かありましたら、また考えていきたいと思っています。
○森戸委員 資料2の4ページですが、論点で言うと2つ目に関わると思うのですが、ちょっと教えていただきたいのですが、質問は疾病型の病気のときに被災や災害発生事業場という概念がそもそもあるのかということです。論点では、前提で複数事業者とはと定義して、被災したときに上記に当たるのが複数就業者だろうと。被災したときにとあるのですが、今の遅発性のものもそうですが、その疾病の場合だと被災したという時期はそもそもないというか、アクシデントがないものなので、そうすると論点2つ目は、原因と発症の時期が必ずしも一致しない場合についてどう考えるかというのは、突き詰めると複数就業者という定義は別に要らなくて、先ほどの6か月なら、例えば6か月で見ましょうという新しい負荷の合算の基準などを考えるという話に全部落ちるのかどうかというのが質問なのです。要するに石綿の場合は、ものすごく遅く発症するからこうしようという認定のルールを作ったと思うのですが、ですから複数就業者という、こっちは考えなくていいのかなという気もしたのですが、そこはそういう理解でいいのかというのが質問です。
○労災管理課長 今、複数就業者としてのという切り口で、ずっと議論をしてきましたので、このような書き方になっています。先ほど来、申し上げていますが疾病の場合は確かに発症した時期というのが、必ずしも働いている期間ではないというようにずれてしまっているので、その場合は遡ってどういう負荷を受けてきたかと、それをどのように見ますかという問題ですので、複数就業かどうかという問題とクロスはしているとは思うのですが、基本的にはどうやって認定していけばいいかという問題に着地するのかなと思います。ただ、今回は複数就業者についてどうかなとアプローチしてきたものですから、すみません、複数就業者の範囲という題名で御議論いただいたということです。そういう意味では、認定をどうやっていけばいいか、負荷をどう見るべきかという議論なのだと思います。
○荒木部会長 よろしいですか。ほかにはいかがでしょうか。
○砂原委員 内容的には、おおむねそんな感じかなと思います。お願いですが、5・6枚目のスライドにあるように、今後、事務手続の負担軽減策を考えていくという話が出ています。その検討を行われる際、全国の事務の統一のようなことを考えていただきたいと思います。例えば、メンタル不調が原因で労災申請を行ったときに会社に送られてくる定型的な調査票が各労基ごとにフォームがちょっと違うようですが、判定基準は全国統一だということを考えると、フォームが労基毎に異なるのもいかがなものかなと思います。そういうところをちょっと考えていただくと、会社、事業主側の労働も減るのかなと思います。また、その中に例えば家族の既往歴を書いてくれというのがあるなど、会社として書けない内容も含まれているので、ブランクで返すしかないということになるわけです。フォーム全体で何を事業主に聞き、何を本人に聞くか等、誰に聞けば回答できるのかというところの観点も踏まえて、御検討いただけないでしょうか。加えて、それをデータで出せるような形で提出するようにしてもらいたい。今どき紙やDVDなどでということになると、特にDVD等の媒体で出すのは、外部にデータを出すということは会社としてのリスク管理上も制限があるものですから、御検討いただきますようお願いします。
 あと、一番最後の金額の計算の所で、ちょっと確認なのですが、13枚目のスライドの一番最後の例の所です。一番最後の事例で申しますと、この人は休業すると通常であれば9,000円をもらえるところが、4,000円と3,000円と、6,000円の60%の3,600円を足すと、1万600円もらえるということになるのですか。そうすると、何か焼け太りと言ったら変ですが、ちょっと趣旨と違うのかなと思ったものですから、ここは考え方をもう一度整理させていただきたいと思ったので、質問です。
○労災管理課長 お答えいたします。様式の関係につきましては、何といいますか、監督署ごとにばらばらにならないように、しっかり気をつけていきたいと思っております。それから、2番目の御質問は、13ページの例ですが、これはA社B社で働いていて、どちらかでけがをされて休んでいる状態なのですが、A社のほうは、ただ休暇と書いてありますが、無給で休んでいますと。それから、B社のほうは、午前中勤務して、午後から病院に行きましたとか、そういうパターンですので、この場合はどうなるかというと、下のほうに書いてありますが、9,000円から3,000円を引いて6,000円、これに6割を掛けて3,600円が休業補償給付ですので、賃金に足すと6,600円になるだろうと思いますけれども、そういう計算になりますので、すごく得するとか、そういうことにはならないですね。計算方法としては通常のというか、一方だけ部分休業した場合と似たような取り扱いかなと思っています。
○砂原委員 分かりました。例えば今の例で、A社が有給休暇だった場合というのは、どう考えればいいのかを確認させてください。
○労災管理課長 有給休暇の場合については計算方法としては、その分については支払われている賃金と考えるのだろうと思いますけれども、その場合も先ほどの1番の所に戻りますけれども、有給休暇でお金をもらっているのだから、賃金は支払われていない日ではないよねという区分にはならないのかなと思っております。
○砂原委員 ありがとうございます。
○荒木部会長 よろしいですか。ほかには。
○山内委員 今の様式のことに関連するのですが、負荷の合算ですね。ページで申し上げますと7ページです。負荷を合算して初めてということになる場合の様式等については、これから検討というところもあると思うのですが、この場合、5ページの④災害の原因及びその発生状況というのは、負荷を合算して初めてなので、多分どちらにもないというか分からないといった事態になると思います。そうした場合、申請する側として、どうなのか、どうしたらいいのかという問題と、受け付ける企業側も全く分からないことになると思うので、その辺の工夫は是非やっていただきたいと思います。
○荒木部会長 重要な点だと思いますので、御検討いただきたいと思います。ほかにはいかがでしょうか。
○本多委員 御説明いただいた内容について、全体的には妥当なものと思っております。この場でといいますか、この段階で申すべきものかどうか、まだ早すぎるのかもしれませんが、2点ほど感想的なものをお話させていただきます。1点目は、複数就業者の範囲の所で、4ページに前提として3つ書かれていまして、このとおりで妥当とは思っております。その中で、特に特別加入のことについては、もっと深い議論が必要なのではないかなというところです。というのは、特別加入者の給付基礎日額というのは、3,500円~25,000円までの16段階のうち、特別加入者の方が選択して希望額に基づいて労働局長が決定するということですけれども、この実際の収入といいますか、稼得能力と、こことの乖離がある場合があるのかなと思います。そういう意味では、3,500円~25,000円の中で設定したもので、実際の特別加入者からすると稼得能力よりも多い場合、少ない場合がいろいろ考えられると思うので、これについては、もう少し深く議論したほうがいいのかなというのが1つです。
 もう1つは、6ページです。手続きの負担軽減の所でいろいろ書いていただいて、その中の6ページの事業上の手続に係る負担軽減策で、図が2つあります。右のほうの非災害発生事業場については、こういう簡素化した内容で妥当ではないかということで定められたことは結構だと思っています。本当に各論で恐縮ですけれども、新たな証明様式を設けることが妥当なのかどうかをもう少し議論していただければと思います。といいますのは、企業側からしますと、新たな様式が定まりますと、この証明が義務化されたような認識を受けやすいこともあって、新たな様式を設けるのか、あるいは現行様式の中でここだけで記入はいいよというほうがいいのか、この辺も各論で恐縮ですけれども議論していただく必要が今後あるのかなと思っております。以上です。
○荒木部会長 ありがとうございました。事務局から何かありますか。
○労災管理課長 御指摘いただきました2点ですが、1点目の特別加入の関係につきましては、複数就業者に対する保険給付の見直しとは別に適正な在り方については考えなければいけないと思っております。
 2番目の手続の関係ですが、具体的な手続きにつきましては、仮に制度の見直しを行った場合には詳細な御議論をいただくことになろうかと思いますので、その際に、また我々のほうから、いろいろお示しできたらと思っているところです。以上です。
○荒木部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
○黒島委員 資料の13ページ、最終ページになりますが、有給休暇、部分休業の場合の取り扱いということの論点について意見を申し上げたいと思っております。まず1点目ですが、複数就業において、いわゆる賃金を受けない日、今回で言うとB社になりますが、そうした場合、その部分については労災保険給付がなされるべきだと考えております。質問では不適切ではないかということなのですが、給付がなされるべきであろうということを考えております。
 また2点目の部分休業の場合につきましても同様で、そこも、いわゆる無給の部分については給付がなされるべきだと考えております。以上です。
○荒木部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
○輪島委員 8ページですけれども、極力引き上がらないようにするための対策、ここが私ども一番関心が高い所なのですが、論点で言うと、前段の議題とも絡んで、社会復帰等促進事業と事務費の記述があるのですけれども、そもそも本体給付全体で見直しをしていく。過労死もあってはならないですし、労災事故も基本的にあってはならないわけなので、その点で全体をどのように事故のない形にしていくのかということが大事だと思いますけれども、社会復帰等促進事業だけの話ではないのではないかと思っています。ただ、社会復帰等促進事業で啓発していかないと事故もなくならないということであればそうなのですが、3年に一度、労災保険料率の見直しをしていくわけですけれども、きちんと着実に成果が出て料率が下がっていくことも大事です。今の見直しの試算ですと、100億とか120億ぐらい給付増になるのではないかということは審議会で示されておりますが、兼業・副業が社会に定着していけば、どんどん支出は増えるという、減ることはないとすると、無尽蔵な財源ではないので、ここを極力引き上がらないようにするための対策というのは、論点としてはそうだと思うのですが、これだけではないという気がしています。
○荒木部会長 ありがとうございました。
○砂原委員 今のに関連してですけれども、事務費は複数就業で、複数の職場からの給付が必要かどうかということを見ることは、通常に考えると2倍掛かることになってくるということか、若しくは1.8倍とか、1.7倍になってくるのではないかと思うので、次期の保険料の再計算の際には、事務費がどのぐらい増えたかということも是非、検証できるような形にしていただいて、それを先ほどここに書かれているように、全体として上がらないようなことを考える上での参考資料にできるようにしていただけると有難いと思いますので、よろしくお願いします。
○荒木部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
○水島委員 ありがとうございます。先ほど森戸委員から御指摘があった点とも関連するのですが、これまでシンプルな形を想定して議論を進めてきたと思いますが、災害型と疾病型とで、制度設計や内容が異なる点があると思います。先ほどの森戸委員のケースでは、4ページの論点というのが、1つ目は災害型を念頭に置いた論点でありますし、2つ目は疾病型、つまり負荷を総合的に判断するというケースと考えられます。議論が一定進んできたと考えられますので、今後は論点を災害型と疾病型とで整理した検討を進めてはいかがかと思います。意見です。以上です。
○荒木部会長 ありがとうございました。給付の合算だと災害型を念頭に考えると考えやすいのですが、負荷の合算というか総合評価の所は疾病型の場合は非常に複雑になりますので重要な御指摘だと思います。ほかにはいかがでしょうか。
○本多委員 同じような話で、皆さん方と同じお話で恐縮ですけれども、やはり、この兼業・副業が仮に合算するとなると、それなりに負担額が増えてくることになると思います。今後、将来はどうなるかは本当に分からない状況ですので、やはり企業側からすると、労災保険料というのは業種にもよりますけれども、それなりの金額ですので総額が大幅に増えないような策をきっちり考える必要があるのかなと思っております。中でも、事務費、社福事業というのは、先ほどから話題に出ておりますけれども、社福事業も20/120ということで施行規則がきちんと定まっておりますが、収入が増えると当然ながら社福事業も額が増えることになりますので、その枠組のままでいいのかどうかというところも検討の余地があるのかなと思っております。以上です。
○荒木部会長 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。特に、これ以上の御指摘はないということで、よろしゅうございましょうか。
 それでは、本日のところは、以上としたいと思います。本日の議事録の署名については、労働者代表の安原委員、使用者代表の久保田委員にお願いいたします。それでは、以上で終了といたします。本日はありがとうございました。