技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会(第1回)議事録

政策統括官付政策統括室

日時

令和元年12月26日(木)15:30~17:30

場所

厚生労働省専用第21会議室(17階)

出席者

(委員)(五十音順)
池田委員、戎野委員、大竹委員、鬼丸委員、後藤委員、佐久間委員、佐藤委員、仁平委員、根橋委員、羽柴委員、守島委員、森戸委員


(事務局)
伊原政策統括官(総合政策担当)、山田政策立案総括審議官、田中政策統括官付参事官、高松政策統括官付政策統括室企画官、新平政策統括官付政策統括室室長補佐、矢野労働基準局労働関係法課調査官、宮田職業安定局職業安定局雇用政策課課長補佐、立石雇用環境・均等局総務課雇用環境・均等企画官、前田人材開発統括官付政策企画室長

議題

(1)座長の選出について
(2)今後の進め方等について
(3)委員プレゼンテーション
  ・戎野委員
(4)その他

 

議事

 
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 少し早いですけれども、委員の皆様おそろいですので、始めさせていただければと思います。
ただいまから、「技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会」の第1回を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日、初回となりますので、座長が選出されるまでの間、政策統括室の新平が司会を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、議事の進行に移ります。
まず、開会の挨拶を政策統括官の伊原より申し上げます。
○伊原政策統括官(総合政策担当) 政策統括官の伊原でございます。
このたびは、委員をお引き受けいただきまして、ありがとうございます。
座って御挨拶申し上げさせていただきます。
御多用にも関わらず今日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
近年、第4次産業革命によりまして、AI等の新技術が非常に速いスピードで実用化されつつありますが、その雇用とか労働に与える影響、必要な対応について、昨年から、労働政策審議会の労働政策基本部会において議論をしてまいりました。この部会の報告書が出たわけですけれども、この中では、AI等が積極的に活用されれば、人口減少社会において経済成長の基盤となり得ると同時に、労働者にとっても実りある職業生活を実現し得ると、こういう評価を与える一方、他方、タスクの変化に伴って、スキルアップやキャリアチェンジに向けた対応が重要になると、こうした御提言をいただきました。
こうした中で、AI等を職場に導入する際には、労使間のコミュニケーションを図りながら進めていくことが非常に重要であると考えております。その中で、技術革新が進展する中で、労使間のコミュニケーションのあり方について議論を深めていく必要があるという御提言もあわせていただいたところです。これを受けまして、今年9月に開催されました労働政策審議会の本審におきましても、さらなる検討が必要だと、こういう御議論をいただいたところであります。
こうした経緯もありまして、本日、労使コミュニケーションの実情に詳しい専門家、実務家の皆様方に御参集いただきまして、検討会を開催させていただく運びとなりました。
技術革新が進む中における労使コミュニケーションを考えた場合、AI等の新技術の現場への導入といった側面ももちろんありますけれども、こうした技術そのものが労使コミュニケーションを変えていくと、こういう側面もあろうかと思います。
委員の皆様方におかれましては、それぞれの御知見・御経験を踏まえまして、新しい時代の労使コミュニケーションのあり方に関しまして、忌憚のない御意見をいただければと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 次に、厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化の取組を推進しておりますので、今回の検討会もペーパーレスで実施させていただければと思います。お手元にタブレット、スタンド、スタイラスペンを配付しております。使用方法については、操作説明書を御覧いただければと思いますけれども、御不明な点がありましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、次に資料の確認をいたします。
資料は、座席表、議事次第のほか、議事次第に記載のとおり、資料1~6と、参考資料1~3、それから、本日欠席の委員からの提出資料となっております。
委員の御紹介については、お時間の都合上、資料1、開催要綱の別紙、委員名簿でかえさせていただきますので、御了承ください。
続いて、事務局を簡単に御紹介いたします。
政策統括官の伊原。
政策立案総括審議官の山田。
政策統括室参事官の田中。
企画官の高松。
労働基準局労働関係法課調査官の矢野。
職業安定局雇用政策課雇用復興企画官の木嶋ですけれども、本日は代理で宮田が出席しております。
雇用環境・均等局総務課雇用環境・均等企画官の立石。
人材開発統括官付政策企画室長の前田。
それと私、政策統括室室長補佐の新平です。
以上です。
なお、本日は、冨山委員から御欠席の御連絡をいただいております。
森戸委員から所用のため途中で退席される予定と伺っております。
それでは、資料1の開催要綱について御説明いたします。資料1をお開きください。
開催要綱「1.趣旨」ですけれども、労働政策基本部会の報告書におきまして、「技術革新が進展する中における労使間のコミュニケーションのあり方についての議論を改めて深める必要がある」、「時代の変化を見据えて、政労使間の対話を継続的に行い、中長期的な視点から対応を検討していくべきである」というような御提言をいただきました。
これを踏まえまして、AI等の技術革新が進展する中における労使間のコミュニケーションの実態や課題の把握を行うために、本検討会を開催するものとしております。
労働政策基本部会の報告書については、参考資料におつけしておりますので、適宜御参照ください。
「2.検討事項」ですけれども、AI等の新技術の導入に当たっての労使間のコミュニケーションの実態や課題の把握を中心に検討を行うとしております。
「3.委員等」ですけれども、委員につきましては、2枚目の別紙のとおりとしております。
座長は委員の互選により選出し、座長代理は必要に応じて座長が指名するという形としております。
また、座長は必要に応じて関係者の出席を求めることができるとしております。
「4.検討会の運営」については、記載内容を御覧ください。
続きまして、議題1の座長の選出にまいります。
座長につきましては、先ほど御説明のとおり、互選とさせていただいておりますけれども、事前に事務局から各委員に御相談させていただきましたとおり、守島委員にお願いしたいと考えておりますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 ありがとうございます。
それでは、御異議ございませんでしたので、守島委員に本検討会の座長をお願いしたいと存じます。
それでは、守島座長よろしくお願いいたします。
○守島座長 皆様方、お忙しい中、それも年の瀬のこの時期にお集まりいただき、どうもありがとうございました。
今回のテーマは、ちょっと印象論的になってしまうかもしれませんけれども、労使コミュニケーションという、昔からある、昔から重要であった、私の大学院時代も厚労省がやっていらっしゃる労使コミュニケーション調査とかいうのを使っていろいろ議論をさせていただきましたけれども、昔から非常に重要な議題であるテーマと、それから、先ほどのお話にもありましたけれども、非常に現代的なというか、未来的なAIとか、そういうテクノロジーという2つを扱っていくわけですけれども、そういう意味で言うと、非常に新しい観点と、それから、古いというか昔からの観点と、両方とも持った方々に今回集まっていただいて、議論していきたいと思います。私も微力ながら、いろいろと支援させていただきますので、どうぞ、皆さん方、よろしくお願いいたしたいと思います。
それでは、最初に座長代理の指名を行いたいと思います。
座長代理については、開催要綱上、座長の指名となっておりますので、私から指名をさせていただきたいと思います。
座長代理については、森戸委員にお願いしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○守島座長 森戸委員、よろしくお願いいたします。
それでは、早速、議事に入っていきたいと思いますけれども、本日は、検討会の今後の進め方について、まず事務局から御説明をいただいた後に、戎野委員から30分ほどのプレゼンテーションをしていただきたいと思います。
それでは、議題2「今後の進め方等について」事務局からの御説明をお願いいたしたいと思います。
まず、資料2を使って御説明いただきたいと思いますので、皆様方、資料2をお開きいただければと思います。
では、よろしくお願いいたします。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 それでは、資料2「検討会の公開の取扱いについて(案)」でございます。
厚生労働省におきましては、審議会等は原則として公開としております。本検討会につきましても、原則は公開とし、ただし、資料にありますとおり、○1~○4に該当する場合であって、座長が非公開が妥当であると判断した場合には、非公開とする取扱いとさせていただければと思います。
以上です。
○守島座長 ありがとうございます。
今の件について、何か御意見とかございますでしょうか。
よろしいですかね。
なければ、このような取扱いとさせていただきたいと思います。
続きまして、資料3~5について、事務局から御説明をいただきたいと思います。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 それでは、資料3~5について御説明いたします。
まず、資料3と4で、事務局から、今後の検討会の進め方について、案という形でお示しできればと思っております。
まず、資料3をお開きいただければと思います。
進め方ですけれども、本日、第1回は、事務局より、今後の進め方等についての案をお示しした後、戎野委員からのプレゼンテーションをいただいた後で、意見交換とさせていただければと思います。
次回第2回目では、後藤委員、佐藤委員から、それぞれの御所属の状況についてお話しいただきまして、その後、第3回目以降については、企業または企業別労働組合からのヒアリングを行ってはいかがかということで御提案させていただいております。
また、JILPTにおきまして、「新技術の導入の際の労使コミュニケーションに関するアンケート調査」を行うこととされておりますので、その結果についても、報告という形でこの検討会で取り上げてはどうかと考えております。
その後、とりまとめに向けた議論を進めさせていただければと思います。
次に、資料4をお開きいただければと思います。
こちら、具体的な検討課題について記載させていただいております。
まず1枚目の「検討の観点」ですけれども、労働政策基本部会の報告書を踏まえまして、3つの観点をお示ししております。
まず1つは、各職場に新技術を実装していくに当たりまして、労働条件や労働環境の改善、導入に必要な教育訓練などの労働者にとって必要な取組であったり、配置・職種の転換等の課題に関して、労使間でどのように対話し、対応していくのか。
次に、労働組合組織率が低下している中、あるいは、就業構造・働き方が多様化していく中で、どのように労使コミュニケーションを図っていくのか。
3点目ですけれども、産業構造の変化に対応していくために、さまざまなレベルでの対話をどのように図っていくのか。
以上の観点3つをお示ししております。
これを踏まえまして、その下の点線のところですけれども、本検討会におきましては、現時点におけるAI、ICT等の新技術を導入・運用するに当たっての労使コミュニケーションの実態や課題を把握しまして、技術革新が進展する中における労使コミュニケーションのあり方について検討する。
ということでどうかと、お示ししております。
なお、現時点の状況を把握するに当たりましては、その下の※にありますように、AI、ICT等の技術として、AI、IoT・ビッグデータ、ロボットだけではなくて、ICTといったデジタル技術も加えて、少し広げて考えてはどうかというふうに提案させていただいております。
その矢印の下、「本検討会での検討内容」ですけれども、具体的な検討方法としましては、まず1つは、(1)ヒアリングを通じてAI、ICT等の新技術の導入・運用の際の労使コミュニケーションの実態について把握するとともに、(2)先ほど御紹介しましたJILPTのアンケート調査等を通じまして、全体的な実態を把握することとしてはどうかとしております。
2枚目にお進みいただきまして、先ほど、新技術の範囲について少し広めにというお話をさせていただきましたけれども、もう一つ、この検討会で言う労使コミュニケーションとは何かというところも、委員の皆様で共有いただくほうが、今後の検討によろしいかと思っておりまして、こちらも事務局から提案をさせていただいております。
下の四角のところで少し色の濃いところがあるかと思いますけれども、こちらで「専ら課題解決を目的とする組織や会議での労使の交渉や協議」として考えられるものを並べておりますが、こちらをまずは中心的な検討対象としつつ、その下の色の薄いところで、それ以外の労使の意見交換、意見収集、情報共有といったものについても、AI、ICT等の新技術の円滑な導入に資するものについては、この検討会の検討対象に含めることとしてはどうかという御提案をさせていただいております。
下のところですけれども、例えばですけれども、社内勉強会、朝礼などの機会のほかにも、ICTを活用したグループウェア等のコミュニケーションツールといったものも、最近では各社さん入っているというお話もありますので、そういったものも対象としつつ、個別の労働者への対応として、相談窓口なども、この検討会では広めに取り上げてはどうかという提案とさせていただいております。
検討課題等についても、後ほど、さまざま御意見いただければと思いますし、また、2回以降のヒアリングを通じても、各社の取組内容、工夫等を聞き取っていければなと思っております。
それでは、資料5をお開きいただければと思います。
こちらについては、主に企業のAI等の導入状況と労使コミュニケーションの現状について、今後の議論の御参考になりそうなデータを共有させていただければと考えております。かいつまんで御説明させていただければと思います。
まず3ページ、4ページのところですけれども、こちらは、基本部会の報告書の参考資料集につけておりました新技術の導入状況についてでございます。
3ページ、AIのところを御覧いただければと思いますけれども、検討中としているような産業も多いのですけれども、まだまだ導入済みとしているところは、金融・保険業等の一部に限られているというような状況が示されているかと思います。
4ページ目にお進みいただきまして、IoT、AI等の導入状況を企業規模別に見たものですけれども、大きな企業の方が導入状況が進んでいるという調査になっております。
5~9ページは、産業別・職業別・雇用形態別の、労働者・就業者の現状についてのグラフになっておりますので、こちらも、適宜、御参照いただければと考えております。
10~15ページが、労働組合の現状についての資料になってございます。基本部会報告書でも、労働組合組織率についての指摘がございましたけれども、まず、その推定組織率といったものについて、資料としてお出ししております。
11ページは、労働者全体の推定組織率と、パートタイム労働者の推定組織率の近年の傾向となっております。
12~13ページは、企業規模別、産業別の組織率の現状についてでございます。
14ページお進みいただきますと、これは正社員以外の労働者が組合に加入しているのかどうかというような、労働組合に対する調査になります。
15ページは、ユニオン・ショップ協定の締結状況についてでございます。
16~28ページは、労使協議機関、職場懇談会等に関する現状のデータをお示ししております。
まず、労使協議機関ですけれども、17ページまでお進みいただきますと、ちょっと字が小さいのですけれども、下の【資料出所】の注釈にもございますように、労使コミュニケーション調査においては、事業所等における諸問題について、労働者ないし労働組合の意思を反映させるために、労使の代表が協議する常設的な機関として調査をしておりますけれども、そのような機関がある事業所については全体の4割程度という回答となっております。
17ページ右側のグラフですけれども、企業規模別、労働組合の有無別に見ていきますと、企業規模が大きいほうが、組合があるほうが、協議機関がある割合が高くなっているという状況です。
18ページ目のところは、労使協議機関についての産業別の状況ですし、19ページについては、正社員以外の労働者が入っているのかというところです。
20ページ目が労使協議機関で何を議論されているのかというようなことについての調査ですけれども、労働時間等というところが一番高くなっているというデータでございます。
21ページ目からは、職場懇談会の有無及び成果でございますけれども、この職場懇談会については、職場を単位として、業務運営、職場環境等について話し合うための会合として調査をしておりますけれども、こちらは事業所に聞きますと、全体の5割程度で職場懇談会があると回答をしております。
21ページ右側ですけれども、企業規模別・労働組合の有無別、それから、22ページで、産業別の状況についてお示ししております。
23ページについては、職場懇談会に参加した正社員以外の労働者というところで、労使協議機関は先ほどの協議機関に比べると少し高めになっているというようなところかなと思います。
24ページ目が、職場懇談会で話し合われた事項ですけれども、日常業務の運営に関することが一番多くなっているという状況でございます。
それから、苦情処理のための機関が25~26ページになりますけれども、苦情処理のための機関があると回答しているところが5割程度となっておりまして、一番多いのが相談窓口を設置していますというところになります。
26ページが、その苦情処理のための機関を利用した際の苦情の内容になっておりまして、一番多いのが「人間関係に関すること(パワハラを含む)」という形になっております。
最後、27ページ、28ページ目は、同じ労使コミュニケーション調査ですけれども、労働者に聞いた調査になりまして、こちらでは、労働者が不平・不満を感じたときに、事業所に伝えたかどうかというような調査になっておりますが、労働者の全体の16.7%が伝えたと回答しておりまして、誰に伝えたのかというのが27ページの右側になりますけれども、「直接上司へ」が一番多くなっているというところでございます。
28ページ目は、その労働者の不平・不満の内容ですけれども、1番目は日常業務の運営に関すること、それから、人事に関することと続いてございます。
駆け足になりましたけれども、資料5までは以上でございます。
○守島座長 ありがとうございました。
ただいまの事務局の説明につきまして、事実関係など、何か御質問がございましたら、受けたいと思います。
本日は初回ですので、御出席の全ての委員に御発言いただきたいと思っておりますけれども、中身の議論については、この後、戎野委員のプレゼンの後でお願いできればと思います。したがって、現在は事実関係とか、ここはもうちょっと明確にしてくれであるとか、そんなもので構わないと思うのですけれども、何かございましたら、どうぞ。
では、池田委員。
○池田委員 北海道大学の池田です。すみません、ちょっと確認です。
今の最後の部分の不平・不満の労働者からの伝え方という話で、「苦情処理委員会へ」が極端に低いのは、これはもともと苦情処理委員会がない人も含めて、母数に入れて計算していると、そういうことなのでしょうか。それとも、苦情処理委員会が設置されているような会社でのみ調査して、その結果として、利用されてないということなのかというのを伺いたいのです。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 これは、苦情処理委員会が設置されているかどうかに関わらず、労働者について、「どこに不平・不満を言いましたか」という形になりますので、必ずしも、ある方々の中で0.2%というわけではないと思います。
○守島座長 ありがとうございます。
佐久間さん、お願いします。
○佐久間委員 ありがとうございます。
先ほど事務局から御説明を賜りまして、例えば、資料4で、検討課題があります。中身についてはこれから検討していくということになりますけれども、まず、私も参加させていただいて、わからないところがありましたので伺いたいのですが、AI、ICTの新技術というところで、ICTのデジタル技術等、少し範囲を広く見ていくという御説明がございました。そこの中で、昨年度まとめた報告書等でも、AIの技術進歩が記載されています。広く見たことによってこの議論のとらえ方というか、例えば今回からこういう議論を進めて、報告書がまとまるのはもうちょっと先になりますけれども、そこの段階で、例えば、5Gの問題とか、近い将来に現実のものとなる新しい技術が出てきた段階からスタートする議論をすべきなのか。あるいは、今ももちろんSNSを初めとしてICT化が進んでいますから、現在の段階から将来へのSociety 5.0の中の進め方とか、そのへんをどういう形で進めていけばというか、概念として思いを描いていけばというのをちょっと教えていただきたいと思います。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 事務局から御提案させていただいている内容としましては、今現在、必ずしもAI等の新技術というものが十分に職場に行き渡っているわけではないのかなと思っておりまして、今の段階でそこをターゲットにしますと、なかなか事例も拾ってこられないのかなと考えております。
なので、今の段階では、少し広めにICTも含めてヒアリング等をしながら、その中からいろいろなヒントを拾っていくということを考えておりますけれども、最終的には、今後の技術革新が進んでいく中での労使コミュニケーションのあり方がテーマですので、そのヒントを拾いながら次につなげていくというような議論をお願いできればと思っております。
○佐久間委員 ありがとうございました。
○守島座長 ほかにどなたかございますでしょうか。
どうぞ。
○仁平委員 座長すみません、同じように検討の視点に関する話なのですが、どういう前提で今後の話を聞いていくかというのは、この後で発言したほうがよろしいのでしょうか。今、申し上げたほうがよろしいのでしょうか。
○守島座長 後で、ぜひ御発言いただきたいと思いますけれども、そのときにお願いできますでしょうか。すみません。
○仁平委員 わかりました。
○守島座長 ほかに。
では、私から1点だけ。これはお願いですけれども、さっきからSNSとかそういうふうなもので、昨日いただいた委員の御意見を見ても、SNSとかそういう新技術と言っても、新しいコミュニケーションの方法がかなり進展しているので、そのことをこの検討会の中でももうちょっと取り入れないといけないという話があって、そのことについては、内容で、また、後でお話ししますけれども、わかりませんけれども、データとして、経営側が従業員に対して何か直接、意図とかやるべきことを、要するに、労使コミュニケーションといういわゆる、昔、労使協議会みたいなものがやっていた機能を、SNSみたいなものでどれだけ代替しているのかとか、どの程度それが進んでいるのかとか、そのへんのところを、あんまりないとは思うのですけれども、もし、調査とかがあったら、ぜひ、ちょっと探しておいていただけますでしょうかというお願いです。
ほかには大丈夫ですか。
それでは、続きまして、戎野委員、お願いいたします。
○戎野委員 御紹介にあずかりました戎野と申します。本日は、造詣の深い委員の方々がたくさんいらっしゃる中で、甚だ僣越ではございますけれども、議論の口火を切るということで、私から「労使関係の変容と課題」ということでお話をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まさに、新技術を取り入れて生産性向上を図っていく担い手は、労働者と使用者でございますので、その関係性について、すなわち労使関係というものの昨今の特徴や課題についてお話したいと思います。戦後、日本が新技術を取り入れながら高度経済成長を築いてきたときの労使関係とはかなり様相を異にしておりますので、それと比較しながら特徴を整理し、そこにおける課題を確認していきたいと思います。
そして、少しばかり、私なりの問題提起を最後にさせていただければと思っております。
まず、労使関係とは何を指すかということですが、これはこの後の議論でも、誰と誰とのコミュニケーションなのかというところは、非常に重要になってくると思いますし、また、さまざまな次元でのコミュニケーションが重要になってくると思うのですけれども、今日は第1回目でもありますし、ここでは、広義な意味で捉えさせていただいて、労使が経済活動を目的としてさまざまな形で形成した社会関係というふうに広く捉え、整理を進めてまいりたいと思っております。
今を知るために、以前の労使関係と比較することは、特徴がわかりやすいかと思います。戦後も同じように技術革新をもって生産性向上を図って、日本の経済を発展させていくということを目的に労使がさまざまな取組をしたわけです。当時、非常に厳しい労使紛争が続いておりまして、それを克服する一つの考え方、すなわちその後の日本の労使関係、いわゆる「日本的労使関係」を形成する機軸にもなってきていると思いますのが、ここに示した三原則です。「生産性運動実施の三原則」は1955年に打ち出され、国民経済の生産性向上を図ることを目的としたわけで、この内容については非常に奥が深く、詳細を話しますと時間も要してしまいます。今日は、この後の議論において重要なところのみを申し上げたいと思います。まずは、「国民経済的観点」に立つということ。労使それぞれが厳しい対立をしている中で、それを打開するためには、双方とも国民経済的観点に立つ。短期的には生産性を向上させると、雇用においては余剰人員を抱えることになりますけれども、中長期的な発展のために、それをいかに抑えながら好循環をつくっていくかというところで、労使が一つの考え方を共有したものだと理解します。
その構造を図で簡単にまとめますと、いわゆる生産性向上を図ると、理論的には、通常、人が余るのですけれども、雇用を維持するという矛盾した内容を何とか両立させるため、企業の拡大、そのためのシェア拡大、そして内需拡大を図る。そのためには公正な分配が必要です。いわゆる労働者にとっても、企業にとっても、中長期的にはみずからの利益になっていく、発展につながっていくという、この構造をつくるべき一つの指針としてこの三原則はあると思います。つまり、矛盾の克服に発展の契機を見出しています。もちろん、これが簡単に実現したわけではなく、そこにはさまざまな苦労がありました。
各企業の実情に応じて、技術革新のあり方を協議していくということが第二原則にも書かれております。これがいわゆる企業別労働組合、企業別の労使関係が日本の場合は強化されていく一つの原因でもあったと思います。
労使はもともと原理が違うものですから、非常に苦労しながらこの構造をつくっていこうとしており、したがって、ここに「労働争議件数と総参加人員」をざっとグラフ化したものを載せましたけれども、高度経済成長期においても、それなりの争議もあり、総参加人員となっております。対立の中からそこに発展の契機を見出していったのです。
しかし、ここにおいては企業の発展が労働者への生活の向上や生活の発展になっていくということで、一体化構造が生み出されてきていたと思います。そのため、成果についても、長期的に成果を図っていく。短期的には、過剰人員がおり、生産性はマックスではないと思うのですけれども、それを長期的な視点で見て、双方の将来の発展にしていく。つまり、そのことによって、自分の将来につながっていくという構造だったかと思います。
ところが、これが現在に至っては、いろいろなところでほころびが生じてきておりまして、1990年代半ば以降、雇用の維持と生産性向上が残念ながら両立しない状況が発生してきました。これは1例ですけれども、直接投資額の推移を見ましても、1990年代後半非常に雇用環境が厳しい中、労働者のほうは雇用を失っていくというような社会問題も発生していきましたけれども、企業は何とかこの経営危機を乗り越えるために海外に出ていくことも一つの選択肢として行っていったことが、ここから読み取れるかと思うのです。
このときに、いいとか悪いとかではなくて、労働者側から見れば、企業の発展のために尽力すれば、いずれ自分の生活が向上し安定した生活があると思ってきたこれまでの考え方が必ずしも実現しなくなってくるということに直面してくるわけです。企業側としても、短期的成果を何とか結果として出していかなければならないということがあります。この「投資部門別株式投資比率」を御覧いただいても分かるように、株主の比率が変わりましたので、これまでの安定株主の金融機関の比率は落ちまして、いわゆる短期的な業績が強く求められる、株式市場における「物言う株主」と言われます、そこの力が強まることから、相対的に以前より短期的に結果を出さなければならないという中におかれたわけです。ここにおいて、企業の発展と労働者の生活の向上が必ずしも同じベクトルを向かなくなり、ひいては、日本経済の発展も、必ずしも同じベクトルではなくなってくる。この3つのあり方がある意味ばらばらな状況が一部において発生してきました。
先ほどのような一体化した労使関係が全くないかというと、今現在もって、うちの企業ではまだまだこういう状況を維持できているというところはありますけれども、日本社会全体から見ますと、やはり破綻が生じてきて、企業のために頑張れば、自分は将来安定した生活が築けるということではなくなってきているということが発生してきたと思います。
これを簡単な図で示しますと、人件費が削減されながら、生産性向上を図っていくことも一部で見られるようになり、非正社員がふえていく、あるいは、海外展開も増加していく。一方で、国内の労働者が取り残されていく。一時的には、企業も外需等で海外展開の中で発展していくかもしれませんが、さて、日本の産業あるいは日本の雇用の将来はどうなっていくのかということが、不安にならざるを得ない。今、そのような状況に来ているかと思います。
労使関係は相互作用ですので、企業だけが変わったということではなくて、労働者の意識も相当変わってきております。ここに1例を挙げますけれども、新入社員が会社を選択する理由として、1970年代からずっと時系列で見ていきますと、赤い線が高いですが、これは「自分の能力・個性を活かせるから」この会社を選んだという人が多いわけです。少し前まではオレンジの部分で、「会社の将来性を考えて」がトップで、その後はかなりの長い期間、第2位をキープしてきました。ですが、現在に至っては、会社の将来性を考えてこの会社を選んだという人は1割に満たないという状況になっております。
ここにおいては、みずからの就業人生と会社の将来性を必ずしも重ね合わせて考えているというわけではない、そういった方がかなり多いことが見てとれるのではないかと思います。そして、第2位には「仕事が面白いから」ということが挙げられています。さらに、この右側にメモをつけておきましたが、今、売手市場で第一希望の企業に入社する人も多い中、新入社員が将来の雇用に対してはかなり不安感を抱いています。いずれリストラに遭うと感じている割合が41%で少なくありません。現在の売手市場で、好条件であるにもかかわらず、将来に対する不安感は強いということは否定できないのではないかと思います。これは将来にわたって、自分の雇用、自分の仕事、自分の就業人生が、企業とは一体的にはあり得ないと考えたときに、では、自分はどうすればいいのか、自分から会社を去るかもしれないけれども、会社の方から、つまりリストラに遭ってしまうかもしれないと思っているということがわかるかと思います。
このように目の前の雇用状況はいいかもしれませんけれども、長期的には不安を抱く、そのような労使関係が双方の相互作用の中から形成され、ともにそれを認識している。先ほどの図に示しましたような労使の構造も一部において発生してきている。これが現在の姿ではないかと私は考えます。
それが、現在、職場においてどんな問題を発生させてしまっているのかということ。とりわけ、この検討会でも重要になってくるかと思うのですけれども、新しい技術を取り入れていくに当たっては、人を教育していくことはとても重要だと思うのですけれども、そのような環境が今職場に用意されているのかどうかということに注目しながら、この労使関係の変容に伴い、職場がどのような実態になっているかということを、次に御紹介したいと思います。
連合総研において私も一緒に参加させていただいた調査をここで御紹介します。これは皆さんの認識として非常に納得するところだと思うのですが、現在、人手不足状態というところが職場において非常に多いです。とりわけ、若年層、若い人が足りないので、年齢構成にゆがみが生じてしまっているということなのです。ゆがみが生じて、いろいろな問題が起きていると思っているところが、このオレンジの部分と黄色い部分を合わせまして大体75%ぐらい、4分の3の職場でそれにおいて苦労されているということなのです。
ここでは資料は省きましたけれども、なぜこのような状況が起きているかというと、多くの認識としては、採用において、非常に絞ったり、あるいは、一気に採ったりというような、採用人数の大幅な増減によって問題が発生していると回答されていました。その結果、年齢別に見ると特に34歳以下が足りないということが指摘されているところです。
このことがいろいろな問題を発生させていましたが、教育について焦点を絞りますと、この問題については、職場を回らせていただいても、相当多くのところから声が上がっていました。特に、若い人を育てることはなかなか難しい。その状況がここに示されています。まず人手不足で計画的な配置転換ができないために、これまでのような形での育成が難しい。さらには、次に、教育係が不在であるということなのです。これが何でいなくなってしまったのかということですけれども、確かに若い世代が少なければ、2~3年上の先輩からの指導は受けにくい。とりわけ、昨今、大幅に採用したところでは、教育する数年上の先輩の数が足りないというような声は聞かれるかと思います。
さらに、中堅層の問題もここでちょっとピックアップしてみたのですけれども、中堅層が今どんなことに苦労されているかということをこのブルーで、これがその後5年後の状況ということなのですけれども、この調査は2014年に完成させたものなので、まさに、ちょうど今ごろになってくるので、問題は一層深刻化しているであろうと思います。その深刻な問題の中でも、とりわけ、このブルーで囲みましたところの中堅層の業務量が増加しているということ。これは、若い人は早く帰したいというのもあるでしょうし、自分が何とかまとめていきたいということもあるでしょう。先のグラフから見ると、中堅層は決して少ないだけでなく、そこそこ適切な人数いるとか、やや多めだというところもあるのです。でも、業務量が増加している。これは何かといいますと、これも実際に調査してみて驚いたのですが、若年層の本来やるべき仕事を代わりに行っているのです。なので、本来ならば、中堅層はこのくらいの人数でいいのだけれども、現在においては足りない人の分まで働いてもらわないといけないということで、業務量が非常に多くなっている。
そして、さらに、同じパーセントで問題となっているのが、下のほうにあります、後輩や部下を指導、教育する時間が足りないということです。それは、若年層の仕事まで担っていると業務量が増え、どうしても目の前のことに追われて、指導したり、教育したりというようなことが後回しになってきてしまう。さらには、中堅層がそのような状況ですと、みずからの能力開発にも支障をきたします。ここに載せておきましたけれども、非常に今後問題になってくるだろうということが示されています。そして、そのような職場ですとモチベーションも低下してしまうということになっております。
まさに、これから技術革新を担い、生産性向上を図るべく、育成は重要となるのですが、若い人がなかなか育たず、さらにそれを指導していくはずの中堅層においても、その環境が整っていない。目の前の仕事に追われ、短期的業績にどうしても目が奪われてしまっているのではないかということがうかがわれました。十分な教育ができず育たないと、新入社員等は仕事がなかなかできるようにならない。
そうしますと、自分は、仕事ができないことについて、これは仕事が向いてなかったのではないかとか、仕事が合わないのではないかと思うことも生じます。先ほど、会社を選んだ理由に、「仕事がおもしろいから」というのが2番目にありまして、1番目が「自分の能力や適性に合っているから」でした。けれども、すぐに仕事はできるものではないですので、それなりの教育を受けないと、自分はこれは向いてないなとか、合わないなと思いがちです。本来教育が十分されれば、できるかもしれないのですけれども、どうしても教育が手薄になるがためにそのように感じてしまう。そこにおいては、いわゆる「質的ミスマッチ」が生じて、そういうものが生じると、高卒においても、大卒においても、ここに示した通り、離職率が高くなってしまいます。
今までの問題点を簡単に図で整理しますと、いわゆる若年層不足。実は、この先の日本の人口・年齢構成を考えても、今後さらに発生しかねないことだと思うのですけれども、それが単なる人手不足にとどまらず、非常に多大な影響を多方面に与えていく。ここでは中堅層との関係についてお話しましたが、中堅層がその人の分の仕事もやれば多忙になり、結局、教育係としての役割を十分には果たせず、よって育成に課題が生じる。目の前の仕事に追われると、どうしても将来性に対する取り組みである教育が後回しになる。そうすると、自分の能力を向上させられない、そういったことによって、自分はこの仕事に合ってないのではないかと思って離職していく。離職すれば、また人手が足りなくなる。このような循環が回ってしまっている職場も、幾つか私が足を運ばせていただいた中には見受けられまして、これでは新しい技術革新に取り組んでいこう、そのための育成をしていこうという基盤が今の段階では不十分なのではないかと、不安に思った次第です。
さらに、そういった問題が発生する一つの大きな要因が、人員にあることは述べましたが、いわゆる要員数について、今のところ新卒で採るところが大変多いわけですが、その要員についての労使の協議あるいは交渉について、これだけ深刻な問題でありながら、行われているところは少ないです。これも調査してみて私としては大変意外でした。15.9%しか実施しておらず、67.2%は情報を提供してもらって報告を受けている。関与してないというところも14.4%あったのです。このようなことから、労働者と使用者の発展のベクトルがそれぞれ異なっており、将来にわたる問題になかなか議論が向けられず、とりあえず目の前のことに対応していくということにいっぱいいっぱいになってしまっている。そのような状況がうかがえます。
そうしますと、将来に向けた技術革新への取組、すなわち教育等が今は手薄なところが少なくないのではないかという思いを禁じ得ません。すなわち、量的不足から、さらには、質的な不足にまで発展しつつあるのではないかと思います。これは厚生労働省の「労働経済白書」にありましたので、メモ程度を載せておりますけれども、OECDの中での比較においても、日本のOJT実施率が平均を下回るようになってしまい、また、off-JTの実施状況を見ても、企業の能力開発費が日本は比較的低くなってしまっている。ここのメモにも書きましたけれども、結局、このような状況が背景にあると思うのですが、企業が労働者の能力不足に困っているという割合が、国際比較を見ますと日本はかなり高くなっていました。これにはさまざまな原因があると思うのですけれども、その原因の1つとして、今の職場のこの状況、そして、この職場を生み出す背景にある労使のあり方、つまり労使関係が変わってきたことがあるのではないかと考えております。
次に、これをどうしていったらいいのかということで、私なりに今研究を進め始めているところですけれども、少しばかり事例を紹介しながら、今、私が持っている問題意識をお話しさせていただきたいと思います。
先ほど申し上げましたように、人が来ないがために人手不足で、結局、教育も不十分になり、またそのことで人が辞める。さらに、辞める人に教育投資することは企業としてはとてもできないということから、その企業のみならず、その産業がこの先どうなっていくのかという危機に直面している業界を調査させていただきました。ここでは2つだけ事例を簡単に御紹介させていただきます。一つは建設業界、もう一つが介護業界です。介護事業といたしましては、岐阜県にあります会社ですけれども、人手不足で倒産の危機というところまで至りました。まさしく、教えてもすぐ辞めますし、教えるためのお金もない、人手不足である。残って頑張っている人も、もうあまりの忙しさにモチベーションは下がる。先ほどの中堅層のところの状況でも申し上げましたけれども、目の前のことに追われていくと、能力向上もできず、まさに自分の将来もどうなるのだということでモチベーションも下がって、また、人が辞めていくということになりました。
ここで、経営者が何とかしなければと。その会社が潰れるばかりでなく、地域の介護事業がどうなっていくのかという危機感を持った中で、ターニングポイントを迎えます。ここで何が行われたかといいますと、これが技術革新と労使関係の変化なのです。技術革新に関しては、iPad等を活用して、介護の技術や資格のない方でも、さまざまな仕事・業務に携われるようになりました。介護者の状態、例えば食欲等々、みんなで入力しながら引き継いでいく。短時間・短日数でもそれなりの業務・役割を担えるような体制をつくっていきます。掲示板もどんどん活用しまして、就業規則についても、解説をつけながら掲示板に掲示することによって業務の効率化が図られる。新人研修の時間もかなり短くて済むようになりました。さらには、動画を入れまして、休憩室にいつでも誰でも使えるようにして、血圧の測り方なども自分で勉強できるような体制にしたのです。
ところが、これだけでは、働く人は10円でも20円でも高い介護施設に行けばいいのだと思えば、何も苦労して勉強しようなどと思わない。ここが、企業の経営者と労働者との関係、まさに労使関係です。労使で、この地域において介護事業がなくなったときどういう問題が発生するのか。社会のためにここではみんなで力を合わせて働くことが必要であることが共有されます。実は、先ほど、労と使のベクトルがばらばらなところもありますと申し上げましたが、ここでは、そのベクトルの調整を図って、労使が同じ方向を向きます。働いている人は別に会社のためにと思って働いていません。この地域社会に自分は貢献したい。自分はここで育ててもらった、今度は自分が恩返しする。そして、さらには、自分も将来年老いていくのだ。そのときに自分がここで安らかに暮らしていける、そんな社会づくりに貢献したいということで、労使のあり方が変更されました。
それによって、高校生のアルバイトから80代の方まで、そして、がんの治療をしながら働く人まで含めて、まさにさまざまな人が力を合わせて働くようになり、今では人手不足は解消しました。そして、そのような中には大卒の新入社員も入り始めているということです。80代の人がiPadの操作を学び、いろいろな作業や機器を動画を見ながら勉強する。それは最初は大変なことでした。しかしながら、ここで、ほかの人よりも1.2倍、1.5倍の時間はかかったかもしれませんが、実は今となって見れば、その方がその努力している姿を多くの人が見ていたことによって、1.2倍、1.5倍の時間でははかれないような効果をもたらしました。そのように幾つになっても社会のために貢献しようと努力している姿に多くの人が大変感銘を受けまして、高校生も、また、40代の方も、自分のできる限りの努力をしながら自分が成長していく、そして一層貢献できるようになる、ここに喜びを感じるようになったそうです。今では、高齢者のその80代の方も、私も最初はびっくりしたのですけれども、元気なうちはということで介護スタッフとして技術をしっかり身につけられて働かれていました。
さらに、もう一つの事例の建設業のほうも、少しだけ申し上げます。まさにキーポイントは同じです。姫路城の修復をするような歴史ある、非常に技術力を持った会社でしたが、ここもこの20年間、縁故採用以外誰一人新入社員が入らないということで、次の姫路城の修復は誰がするのか。さらには、将来人々の住宅を誰が建てていくのかという、非常に強い危機感を抱きました。この会社のみならず、これは産業界として問題なのではないか。ところが、そこにいる社員たちを見ますと、自分は今40歳だ、あと数十年の間はこの会社はあるだろう、何も新しい技術などを取り入れなくても、今のままで自分は何とかなる。企業の将来、産業の将来、自分は後何年だから知ったことないというような考え方を持っている人が少なくなかったです。
ここを何とか変えなければということでした。ベテランの方はすでに70代で、はっきりおっしゃっていましたけれども、今の40代の技術力ではもはや姫路城を修復できない。そこで、子会社をつくります。今までの人事制度などはやめ、70代の人が教え手になり、若い人を採用し教育します。しかし、若い人の採用と言っても最初はだれも来てくれません。ハローワークに行っても、今時ペンキ屋になる人はいないと言われたこともあるそうで、どんな方でもいいということで、元ひきこもりの方やこれまで全く関心のなかった女性がまず入社しまして、一から教えていく。しかし、70代の方と18歳の方では言葉の通じないところもあり、ここが非常に重要なのですが、ここで技術革新が大きな役割を担います。動画やSNSなどを使って写真を載せたりしながら進めます。その操作に至っては10代のほうが達人ですので、学びやすく、またどうやって伝えたらよりいいかということを自らどんどん工夫していくようになりました。
さらには、なかなか長期的視点が持てない現在ですので、今まで10年やって一人前と言われていた教育制度を、3年でそれなりの一部分については一人前になれるという仕組みに変え、達成感を持つような形で仕事を教えていく。また、学び、勉強していくのに長期的な視点も必要で、労働者自身も不安定な職人という仕事では困る、嫌だということなので、ここでは、職人が全員正社員に変更されました。ただ、正社員にするには、仕事がないときが出てきますので、一部で多能工化していくということで、そこにおいても研修、勉強をするようになりました。
今では、芸大を出た方が、まさに建築というのは芸術作品だということで入社するようにもなりまして、女性、高齢者も活躍する職場です。そうなってきますと、先ほど、いずれ自分の就業人生が終わるぐらいまではこの会社は大丈夫だろうと思っていた人たちも、どうせ同じ職人としてあと20年やるなら、自分ももっと立派な仕事を成し遂げて誇れるような職人になってみたいという気持ちに変わっていったそうです。それによって、一般には人手不足の業界の中でも、その会社には人が集まり、次世代が育っていく。ここにおいて、まさに技術革新を担うための労使関係があります。労働者と企業がともに社会のために頑張っていこうというものです。ここでは「国の宝にならんか」というのが宣伝になっているのですけれども、社会のために貢献する。そのためには一人ではできない。そのためにみんなで仲間をつくろう。それが企業ではないかというような一体化した構造をつくっておりました。
これはまだ幾つかの事例なので、全てがこれで語れるわけではないのですけれども、最後に、私はこの検討会に当たって、課題として大事にしていったらよいのではないかと思うことを申し上げます。今までお話申し上げてきたような長期的な視点、それと社会的にどういう意味を持ってくるのか、社会のためにどうなっていくのかという視点です。目の前の業績に追われたり、また、自分と会社が別々の方向を向いてくると失われがちです。短期的な合理性と長期的な合理性が必ずしもマッチしない中で、将来の技術革新のための長期的な合理性をどう追求していくのか。また、個人にとって利益であることが必ずしも企業にとっては利益でなかったり、あるいは、将来の社会のためには必ずしも合理的でなかったりという中、それぞれの主体間の合理性の調整です。つまり、時間軸と社会軸という2本の軸の中で見ていくこと。そういった時間軸・社会軸を大切にしていくことも、今後の議論の中で大事にしていってはいかがかというのが、私が今感じている問題意識でございます。
駆け足で話したところもありまして、わかりにくいところもあったかもしれませんが、これで、私のお話を終わりにしたいと思います。
どうも、御静聴ありがとうございました。
○守島座長 どうもありがとうございました。最後の事例の話はおもしろかったです。
それでは、御発表いただきました内容について、御質問・御意見等がございましたら、お伺いしたいと思います。初回なので、全員にぜひ御自由に御発言いただきたいと思います。
なお、御欠席の冨山委員より御意見をいただいておりますので、それは事務局から簡単に御紹介をお願いします。資料としては皆さん方のお手元にもありますけれども、そちらで見ていただきつつ、お話を伺っていただければと思います。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 マイプライベートファイルの中の12番目、一番下にあります「冨山委員提出資料」をお開きいただければと思います。
本日、御欠席の冨山委員から、「意見書」という形で「デジタル革命による労使コミュニケーションそのものの大変化を検討課題に」というものをいただいております。こちらについて簡単に御説明いたします。
技術革新(AI等)が進展する中での労使コミュニケーションに関する検討会のスタートに当たりまして、今のところ明確に意識されていないけれども、今後、極めて重要になってくる論点について御意見をいただいております。
その資料の2段落目のところです。
インターネットやAIなどのデジタル技術革新によりまして、社会的・産業的に大きなイノベーションが起きつつある中で、そうした新技術を導入する際に既存の枠組みの中で労使コミュニケーションをどうするのかという問題だけではなくて、デジタル革命によって労使コミュニケーションそのもののあり方が、人々の働き方とともに猛烈にネット化、サイバー化、オープン化、多様化していく時代にどう対峙していくのかという問題を検討会のスコープに入れるべきです、という御意見をいただいております。
その後、柱で言いますと、「1.働き方、職業人生のありかたそのものの大変化のインパクト」、それから、2ページ目の「2.DXによるコミュニケーションツールのサイバー化、多様化のインパクト」、最後「3.真にインクルーシヴな労使コミュニケーションを目指して」というところで御意見をいただいておりますので、委員の皆様にお読みいただければ幸いです。
以上です。
○守島座長 ありがとうございました。
それでは、皆さんから御意見を伺いたいと思います。どなたでも。
後藤さん、お願いします。
○後藤委員 ありがとうございます。
戎野先生、ありがとうございました。
お話を聞いていて、自分の会社のことをまとめてくださっているのかなというぐらい、本当にこういう課題が現在進行形で進んでおりまして、それにどのように我々労働組合も対応していかなければいけないのかまさに検討している最中ですので、参考にさせていただきたいと思います。
それと、事務局の資料で提示いただいている検討課題のところについてですけれども、確認として、この検討会の最終的なゴールをどこに据えていくのかということについて、これからの議論の成り行きで決めていくのか、それともある程度決まっているのかを教えていただきたいと思っております。単に事例の積み重ねをしていって、それを世の中に公開して参考にしてくださいということで終わるのか、それとも、労使コミュニケーションのあり方ということですので、そういう枠組みを世の中につくっていってもらうというところまで求めるものなのか、さらに、その求め方として、この検討会で個別具体的な施策ということではないと思いますので、労政審のほかの部会とかそういったところにお願いしていくようなことになるのか。進め方を確認したいです。
それから、コミュニケーションのあり方を検討していくに当たって、既存の労使関係があるようなところについても、新技術にフォーカスして労使コミュニケーションがきちんととれているかというと、なかなかそうはなっていない部分もありまして、次回、私どもの状況を御説明したいと思いますけれども、そういう分野についての労使コミュニケーションを深めていく後押しをするようなこともしていかなければいけないのではないかと思います。
それから、普通の会社の中で労使の関係がないようなところには、対話の仕組みをきちんとつくっていってもらわないと、いくらコミュニケーションを豊かにしてくださいと言ったところで、枠組みがなければどうにもならないと思いますので、そのあたりに対するサポートの仕方についても検討するのか。冒頭で申し上げた検討会のゴールのあり方の部分にも関わってくるかと思いますが、そのあたりの議論も深めていったほうがいいのではないかと思います。
3点目は、冨山委員の御意見にあるように、既存の労使関係の中でフォーカスできるような労働者だけではなくなってきていまして、ギグ・エコノミーに従事されている方の働き方に直結するような技術進展がすごく早くなっていますので、そういった人たちに、その事業者とどういうふうにコミュニケーションを図っていってもらうのか、という観点が強く求められていくのだろうと思います。ですので、その点について深掘りしていくような議論をしていかなければいけないのではないかと思いますので、そういった分野のお話なども聴けるような機会を御用意いただけるとありがたいなと思います。
以上です。
○守島座長 ありがとうございます。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 ありがとうございます。
まず1つ目のゴールをどこまでにするのかというところですけれども、次回以降、さまざまなところのヒアリングを積み重ねていただくというところで、私どもとしましては、いろいろな各社さんの参考になるような取組を集めていって、また、それをいろいろなところに広めていくというのが大事なのかなと思いますし、そのヒアリングを通じて、うまくいっているところでも課題がどこかにあるかなと思いますので、そのヒアリングを通じて、課題があれば、それを把握するということで、検討をしていただければなと思っております。最終的に、労使コミュニケーションがどういう枠組みなのかというよりは、今どういう状況にあって、どういうふうに進めていくのがうまくいっているのかというようなところを見ていきながら、課題も把握するという形なのかとは、事務局としては考えております。
もう一つ、既存の労使ではない、雇用関係ではないというところをどこまでこの検討会で拾うのかというところなのかと思っておりますけれども、この検討会としましては、労使コミュニケーションという形にさせていただいておりますので、基本は労使の中でどうあるのかというお話なのかと思っておりますけれども、冨山委員、後藤委員からも御指摘いただきましたように、今、雇用ではない働き方というところについても大きな問題ということもあるかと思いますので、御議論としては、さまざま課題としていただければとは考えております。
○守島座長 森戸委員、お願いします。
○森戸委員 ありがとうございます。
戎野先生のプレゼンテーションに1点質問と、私、早く出なければいけないので、全体に関わることもちょっと言わせていただければと思います。
1つは、戎野委員のお話については、先生のプレゼンテーションの14ページの(3)「労使交渉・協議」の「新卒採用数について」というのを御紹介いただいていて、ここ、流れとしては職場の課題に対応しなければいけない、特に人手不足とかの問題があるのに、この労使交渉・協議で、新卒採用については余り話がされてないという例として出されているのかなと思うのですけれども、これはもとの原典を読めということかもしれませんけれども、ほかの項目と比較してこれが何か劣っているということなのか。それとも、全体的に労使交渉・協議が低調だという例なのか。そこが確認できればということを思いました。
もうちょっと言えば、新卒採用数は、イメージ的には、むしろ、話し合って何か決めるようなことというか、経営的な判断かなという気もちょっとしたものですから、どういうふうな人をどういうところに採用するかという話はともかく、その数という話は、労使交渉とかにむしろなじむ話かなということも直感的にちょっと思ったのですけれども、このグラフが出ている趣旨といいますか、それから、ほかの項目との比較でどういうふうに捉えたらいいのかというのを教えていただければというのが1点です。
もう一つは、すみません、本当はもっと後に話す話だと思うのですが、この検討会の進め方とかにまさに関係する話ですが、どういうことをこの検討会で話すのだろうなというイメージがまだちょっとつかめないところがありまして、それをこれから詰めていくのでしょうけれども、つまり、AI、新技術導入と労使コミュニケーションの関係が、新技術導入に当たって、それを導入していくに当たって、職場で労使コミュニケーションをどうといっていくのか、どうやってうまく新技術をスムーズに職場に入れていくのかという話なのか。それであれば、これまでも新技術の導入がいろいろな段階で過去あったので、そういう話と同じこと・違うことは何かという話だと思います。
守島座長が最初におっしゃったような、SNS云々とかで、むしろ、そういう新しいAIなりの技術で、労使コミュニケーションそのものをどういうふうにとっているのか、とっていくのかという話をおっしゃったような気がして、それは何かちょっと違う話だと思うのですね。それはどっちなのか、両方なのか、そのへんがちょっとわからないところがあります。あとは、これは労使コミュニケーションではないかもしれませんけれども、労使コミュニケーション不全である職場をこのAIでどうよくしていくのかみたいな話なのかとかですね。ちょっといろいろなことが頭に浮かんでわからないことがあって。
さらにわからないのは、突き詰めていくと、労使コミュニケーションはいいものだというか、必要なものだという前提で話さなければいけないのでしょうけれども、それはそうなのか。何で労使でコミュニケーションをとることがいいのか。それは生産性がよくなるのですよという話なのか。それとも、ディーセント・ワークではないですが、職場で労働者が活き活き働くのにはいいことでしょうということなのか。そういう前提でさっきの話につながっているのかとかということが、今さら、そんなのはみんながわかっていることなのかもしれないのですけれども、ちょっと改めて考えると、労使コミュニケーションの意義とかそのものについてもよくわからなくなってくるところもあったので、初回ですので、ちょっと思いついたことを言ったような感じですけれども、そのへんをどういうふうに整理するかということも、皆さんの御意見を伺えればなと思いました。
以上です。
○守島座長 では、戎野さん、最初の御質問の部分をお願いします。
○戎野委員 どうもありがとうございます。
今回は、一部分しか紹介していないのでわかりにくかったかと思います。いろいろな項目について労使交渉・協議を行っているかという質問でして、実は、この採用人数に関しては非常に少なかったものです。例えば、シニアの働き方については、相対的に高かったですし、今回中堅層の問題を話しましたけれども、中堅層の問題についても結構議論しています。
いわゆる、そのメンバーのことになると問題として取り上げられてくるのだと思うのですけれども、そのメンバーになる前のところは取り上げられにくい。ただ、現在の職場の問題としては、この採用の問題がスタートとなっており、そのことについての認識もあるのですが、ここのところはなかなか触れにくい。現在の労使関係の限界といいますか、今の特徴の一つと言えるかもしれません。
要員数を最終的に決めるのは経営権だということですけれども、これも実は、かなり年配の方たちにもヒアリングしましたら、1970年代、80年代等では要員についても議論をしていました。最終的な決定は経営側だけれども、現場のことを一番よくわかっているのは労側なのだと。このままでは私たちの仕事は進まなくなるし、ひいては、これは企業の経営全体に関わることだということで物を言っていたということです。ところが、今の人たちは言わなくなっているし、先生のおっしゃるとおり、実は言う必要もないことなのではないかという認識すら持っている労使関係も形成されてきており、そこにおけるコミュニケーションの姿であると言えると思います。
○守島座長 ありがとうございました。
では、ほかの方、どなたか。
どうぞ。
○仁平委員 ありがとうございます。
戎野先生ありがとうございます。共感するところが私も多くございました。戎野先生が言われているように、中堅層が目の前のことに精いっぱいで、持続可能な人材育成の問題が出てきているし、その中で、自分の仕事の意味合い、社会とのつながりなどを時間軸の中で改めてどう捉えていくのかということを考える上で、新しいモチベーションを生み出していくという視点は大事なのだなと思っております。
そこで、本検討会の表題にもなっているのですけれども、その解決のためにAIが活用できるのではないかというつながりのように思います。ただそこに関して、先ほどご説明がありました資料4の検討課題のところについてですが、この検討会の前提も含む基本的な認識は基本部会の報告書に良いことが書いてありますので、それらについて2点ほど言わせていただきたいと思います。
AI等の新技術の導入をする場合、労働者の納得感が非常に重要なのではないかと思っています。今、現に現場で働いている人からすると、自分の仕事に愛着とやりがいを持っていると思いますし、そんな中、AI等新しい技術ができたので、これが効率的だから上意下達でやりましょうと言われても、それだけでは納得感はなかなか得られないのかなと思っております。一生同じ仕事をやるというよりは、長い職業人生の中で、変化に応じて自分の働き方とかキャリアも変わっていくのだろうと多くの人は思っているものの、それがどう変わるのかというのはだんだん見通せない部分が多くなってきているのだろうと思います。ただその変化は、自分を成長させたり、やりがいにつながるものであってほしいと多くの人は思っていると考えます。
申し上げたいのは、基本部会の報告書に書いてあることでもあるのですけれども、労働者が納得してAIを主体的に活用し、それを通じて労働や生活の質を高めて、実りある職業人生の実現に結びつけていく。そのために労使間のコミュニケーションが重要なのだ、という理解でいるということ、これが1つ目でございます。
次回から好事例のお話も伺う予定ということなので、AI等新技術がどううまく活用されているのかということのみならず、働く人の納得感や満足感にどう結びついていて、その結びつけるためのコミュニケーションのプロセスがどうあるのかといったことについて、個々の現場の実態によってあり方や工夫の仕方も違うと思うので、そういう経験や知見を伺ってみたいと思っております。
もう一つは、これも報告書に書いてあることですが、そうは言いつつも、AI等に対応できない労働者が生まれるのは避けがたいのではないかと思っておりまして、そういった者に対して手当て、報告書の記載でいうと、労働市場から排除せず包摂をしていくという観点も極めて大事なのではないかなと思っております。 以上です。
○守島座長 ありがとうございます。
では、ほかに。
大竹委員お願いします。
○大竹委員 大阪大学の大竹です。
私も今の御意見と似た意見になります。1つは、AIの技術導入が労使コミュニケーションがうまくいってないために、例えば、それが遅れて生産性がうまく向上できない、あるいは、戎野さんの話でもそうでしたけれども、人手不足に対応できないという悪循環があるのではないか。それを克服するというのが1つだと思います。
もう一つは、とは言え、AIに代替されてしまう人たちがいる。その一方で、例えば、AIと補完的な仕事をしていて、AIが導入されるとより活躍できる人もいる。人手不足解消もそうなのですけれども、そういうメリットの部分とデメリットの部分があるのですけれども、恐らく問題は、例えばAIに代替される人たちは、仕事の範囲が狭く、繰り返し作業が多い人たちだとすれば、非正規の人たちが多い。では、伝統的な労使コミュニケーションの枠組みの中で、AIにより代替されそうな人たちが多い非正規の労働者をうまく捉えているのかというのは論点になるかなと思います。
守島さんが最初に非常に古いシステムの労使コミュニケーションとおっしゃいましたけれども、正社員中心の枠組みの中で、そこでは、基本的に技能形成を企業がある程度責任を持っていくというシステムなので、AIを導入したとしても伝統的な労使コミュニケーションで対応できると予想できますが、その枠組みに含まれてない人たちでAIにより代替されやすい人たちをどうするのか。それは、冨山委員のコメントとも関わってくると思うのです。その議論をしていく必要があるかなと思っています。それが第1点です。
それから、第2点は、これも今まで幾つか議論がありましたけれども、今の最後の私の論点と関わるのですけれども、伝統的な労使コミュニケーションの仕方だけでいいのかということと関わってくると思います。そのコミュニケーションの手法にまさにAIを使うとか、グループウェアを使うとか、SNSを使っていくというふうなことを取り組んでいる企業もあるでしょうし、そういうことで随分コミュニケーションの方法がよくなったり、あるいは、正社員だけのコミュニケーションではなくて、非正社員の技能形成の向上ができるというふうな展望が見えるようなゴールがあったらいいなと思います
○守島座長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
羽柴委員。
○羽柴委員 ありがとうございます。
戎野先生どうもありがとうございました。先生のお話大変勉強になりましたが、自問自答のようなことをちょっとお話しさせていただきつつ、後ほど先生にコメントをいただければと思います。最後の課題のところで、企業をこれまでと異なる社会軸と時間軸の観点で改めて考え直すべきというところがございました。マーケティングの世界などでも、フィリップ・コトラー氏が「マーケティング3.0」で、製品の技術とかコストといった競争だけではなくて、社会的な課題をどう解決するかということ自体がマーケティングになっていくとか、企業のあり方も指示命令ではなくミッションに共鳴してもらうこと自体が非常に重要になりつつあり、つまり企業のあり方も新しい社会に向かって、変節していくべきという話があります。先生の事例を伺っていると、介護事業者の例では自らのミッションを社会のためと定めて、会社全体或いは労使の皆さんが変わっていったというのはその事例の一つであり、ソーシャルメディアなどによる社会の変化を既に先取りして体現している企業なのかと思います。
そうすると、今回の検討のゴールをどこに据えるかということに関係しますが、ソーシャルメディア等で社会全体或いは企業のあり方が変わりつつあることをどう考えればいいのかということを感想的に思いましたので、先生からのコメントをいただければと思った次第でございます。
○戎野委員 どうも、ありがとうございました。
まさしく私もそうだと思います。今までのような、企業のためにというようなことは、既に産業構造が変化する中で1社で働き続けることが難しく、多くの人は思えない。ではその時に、何を目的に、何をその指針に働き生きていくのか。また、企業自身もどこを向いて進んでいくべきなのか。株主もいれば労働者もいるわけですけれども。そのときに、社会を永続的に維持・発展していくことは企業にとっても不可欠なことで、社会なくして企業はないですし、もちろん個々人にとって社会なくして個々人がないというところにおいて、そのような目標を労使において設定していくことはあり、そこにはソーシャルメディアの役割は大きく、また活用されることによって新たな労使関係の形成が推進されていると思いました。
○守島座長 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 NECの佐藤です。よろしくお願いします。
お話を伺いながら、労使の関係、コミュニケーションとか、AI、ICTを使うコミュニケーションということで、自社の中のことを改めてちょっと思ってもいたのですけれども、確かに、SNSとかそういったものを使いながらのコミュニケーションのやり方を変えるというのもやっていますが、最近、ちょうどエンゲージメント・サーベイをやったのですね。それも一つの社員の側から経営、会社に対する声を上げるというコミュニケーションだと思うのですが、それを受けて会社側として分析をするときに、普通の人間の目で頭で分析をしたものと、データをちょっとAIに食べさせて見せますと、一致した分析もあるのですけれども、AIでしか出てこない分析結果も出てきて、そういう労使のコミュニケーションというのはちょっと大げさかもしれないのですが、face to faceで話をしていても、本人たちも気がつかないようなコミュニケーションの内容が、声が、AIを使うとすごく出てくるのかなというのを、改めて、お話も伺いながら自社の中のことを考えていました。
ちょっと感想という感じで、すみません。
○守島座長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
○根橋委員 戎野先生、どうもありがとうございました。
私、長野県の中小の地場企業出身でして、地域社会も含めて、先生が言われた状況が今まさに進行している状況です。そういった意味で、労使関係を中心として、先ほど先生も言われたように、労働組合も含めて将来を語るというコミュニケーションが今不足してきていますし、人材育成からすれば、いわゆる働き続けられる能力、エンプロイアビリティの視点も含めて労使関係の協議の中でしっかりと見据えながら、労働組合自身も従業員の皆さんにそういったものをしっかり語り、教育も含めて共に歩んでいくことが必要であると思っております。
労使は、経営側と労働側の2つのアクターだけではなくて、地域社会にも多様な影響を与えることを長野県の中でも実感をしております。そういった意味では、今チャレンジしていることとして、長野県の働き方改革の戦略会議を立ち上げたのですけれども、県庁の中だけで話し合っていても様々な課題が解決できないということで、昨年から、10地域の地域別の会議と6つの産業別の会議を立ち上げて、それぞれ産業内の行労使、地域内の行労使が集まって、語れる場をつくっております。まだ戸惑いはあって、実効性がある取組には至ってはいないのですが、労使が決定したことが地域社会にもしっかりと影響するということも私たちがしっかり認識しながら、地域も巻き込んだ議論が必要だと思います。そういった意味からいくと、資料4にもありますように、地域レベルでの政労使、行労使の対話をしっかり築き上げていくというような方向性の議論もぜひお願いしたいと思っております。
労使協議は伝統的なコミュニケーションというお話もありまして、それ以外のコミュニケーションのあり方等々の検討もあるのですが、コミュニケーションというのは、わかり合えないことをわかろうとするプロセスそのものであると思っております。そういった面からいくと、SNSを使うコミュニケーションも必要だと思う一方で、そこには対話が介在しないと成り立たない取組だと思っていますので、AI時代においてもそういった基本機能は大切にする、そこに留意するという視点はぜひとも検討の中でも持ち続けていただきたいなと思っています。
以上です。
○守島座長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
鬼丸委員。
○鬼丸委員 中央大学の鬼丸です。
戎野先生、本日はありがとうございました。大変勉強になりました。
私も、今後どのように議事を進めていけばいいのか、議論を進めていけばよいのかということについて、しっかりと腹落ちができているわけではないのですが、お話を伺いながら、AIを導入することによっていろいろプラスの側面が、例えば生産性向上だけではなく、労使コミュニケーションをこれまで以上にうまく回すことができるようになったりすることによって、さらによいこともたくさん起こるのであろうと思います。
そういった面を最大化していくことは一面で必要であると思うのですが、同時に、多分負の側面も、大竹先生をはじめみなさまより御指摘ございましたように、さまざま発生してくるだろうということを考えたときに、皆様も御指摘のとおり、私自身も、社会に照らして、それがどのように映るのかという点も重要になってくるのではないかと思っております。労使の中で、コミュニケーションをとり、新技術を導入し、新しい地平を開いていくにあたって、そこで発生するプラスの果実をどのように配分するかという公正さと、そこで発生してしまうマイナス面について、どのように応分に負担をしていくのかということについて考えたときに、自社でプラスをより多くとり、外部にマイナス面を偏った形で出してしまうというようなことが起こった時、別の側面から見たときに立ち行かなくなっていくのではないかと、お話を伺いながら感じております。
そうすると、もちろん生産の最大化の面はあると思うのですが、負担の配分も含めて最適化をどのような道で探るのかということをみる際に、多様なアクターからの声を拾い上げていく必要があると感じております。それを一番密に企業と対話をしていけるのが労使関係であるというふうに位置づけるとするならば、今後、今までの労使コミュニケーションの蓄積のエッセンスは継承しながら、変えていくべき部分について、個社の労使関係がもちろん中軸にはあるのですが、目配りする基点について広く議論をしていく必要もあるのではないかなと感じながら、お話を伺っておりました。今後、企業とか組合の取り組み例をいろいろお伺いをする中で、そういった論点が深められていければよいと感じておりました。
少々感想めいておりますが、以上です。
○守島座長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
池田委員。
○池田委員 戎野先生、御報告ありがとうございました。興味深いお話で、非常に勉強になったのですが、私からはちょっとコメントということでお話しさせていただきます。
労使コミュニケーションというときに、先ほど森戸先生もそもそもコミュニケーションを図る必要があるのか、あるいは、それが良いことなのかというような問題提起がされていたように思いますが、労使コミュニケーションをとるというときに、労働者側にとってのメリットは比較的見えやすいと、私の理解では思っていまして、使用者に対して自分の抱えている問題とか、あるいは、その職場の抱えている問題とか、そういうものを伝える機会という意味で非常に有意義なものにはなる。もし話したところで、解決しないという可能性はあるかもしれませんが、有意義だと感じられるのではないかと思うので、労働者側のメリットというか、その利点は非常にわかりやすい。
これに対して、使用者側についての労使コミュニケーションのメリットはどこにあるのだろうかというのが非常に難しいところなのではないかという気がしておるところでして、使用者側にもメリットがあるのであれば、私は労働法の専門家なので、法が何かしら関わるというか、インセンティブづけなり、義務づけなりしなくても、自主的に勝手にやるだろうという気がするのですが、実態としてはそれが行われていない。その現状に照らすと、恐らく使用者側にとっては労使コミュニケーションを恒常的に行うことについてのメリットが少なくともいまいち共有はされてないという実態にあるのではないかという気がしております。
かつて、生産性三原則のようなことが言われていた時代には、非常に労使対立が激しい時代において、労働者側の協力を得る手段として労使協議というか労使間でのコミュニケーションを図ることが使用者側にとってもメリットがあったのではないかという気がするのですが、昨今の組合の組織率の低迷などを見ていると、そういったメリットが今の時代においては失われつつある。それが戎野先生のおっしゃる「疎隔化した労使関係」というような問題意識なのではないかと思うのですが、それに対して、今の戎野先生の御報告が、特に事例の紹介の中で、労使当事者に必ずしもメリットにならなくても、労使間でのコミュニケーションを促進することは、それを上回る公益性のようなものがあるのだと、そういう観点を1つ示されているのかなという印象を抱きました。
要するに、姫路城とかそういった文化財の修復の技能の承継とか、あるいは、介護のような問題は、社会が持続して発展していくに当たっては避けては通れない問題だと思いますので、日本という国の長期的な発展を支える上で欠かせない公益的な観点から、労使コミュニケーションを促進する意味があり、そのような日本の将来への危機感を使用者と労働者との間で共有し、労働者と使用者が共同で参画する形でその解決策を模索するといったようなものの成功事例の1つということなのではないかと思うのです。もちろんこれが全ての企業あるいは業種に妥当するような話ではないのでしょうが、戎野先生の御報告を伺っておりまして、労使コミュニケーションのメリットが特に使用者側にとっては見えにくくなりつつある中で、なお労使コミュニケーションを図ることの意義は大きいということの一事例として、大変おもしろく拝聴させていただきました。
すみません。とりとめのないコメントですが、以上です。
○守島座長 ありがとうございます。
○戎野委員 ありがとうございます。
社会における労使コミュニケーションの重要性というところを特に御指摘いただいたかと思います。
使用者側には労使コミュニケーションのメリットがないのではないかというところは、これから事例をいろいろ聴く中で、私も改めて勉強をさせていただきたいと思うのですが、私が調べた中では、経済活動をするときに労使どちらにとってもなくてはならないもので、使用者側も労働者側の納得感とか満足感とか理解度ということがどれだけしっかり確保できているかということは、パフォーマンスに大きく差が出てくるところだと思います。
そういう意味では短期的には対立したり、議論の時間もかかって、コストもかかることかもしれませんけれども、長期的に見れば、使用者側にもメリットが大きいものではないかと、個人的には考えているところです。今後の議論の中で、また、そのあたりは改めて確認をしていったらどうかと思います。
どうもありがとうございました。
○守島座長 では、佐久間委員。
○佐久間委員 ありがとうございました。
戎野先生の今の資料の中で、7ページに短期的な結果を株主に対して行っていかなければいけないとか、大企業ですとそういうことが求められていると思います。ただ、どうしても株式を非公開とする中小企業にとっては、株主には親族関係が多いこともありますので、それがすぐということではないと思いますけれども、本当に同感だと思います。
また、9ページに新入社員の意識変化というか、これが出ております。この中で、例えば給与の面とか実力主義とかそういう(本来なら数値が高いと思われた項目)がある程度低いのだなというのも、ちょっと印象深いなと考えておりました。
そこの中で、先生御指摘の、これは皆さん方も同意だと思うのですけれども、教育訓練というか、そういう人材養成に係る教育制度が必要なのだということは、これは確実だと思います。特に在職者の一般の教育訓練の関係とか、厚労省さんのほうで言えばJEEDさんが生産性向上支援訓練を実施していますけれども、こちらがものづくりだけではなく、こういうAIとか、また、人の面とか、どういうふうに対応していくかということも、これから教育訓練の科目に入れていくことが必要なのではないかなと思っています。
特に、中堅層の人材不足というか、負担がかかっているというのは非常に同感であります。この中堅層が管理職に位置づけられるものかもしれません。経営層ではなく管理職が非常に大変になってきているのだろうと思います。管理者層も労働者ですので、この負担というか、これをどういうふうに導いていくのか。それで、今までのカイゼン(改善)にみられる労使の対話となってきたものが、SNSとかグループウェアにかわり、意見を伝える場に利用されてきているということで、今の段階でも各社がすでに実施してきていること思っています。しかしながら、中小企業の中では、ITの関係では、本当に光る企業、すごく進んでいる企業と、従来型の企業でもそのへんもまだまだ本当におくれている、ようやくパソコンが入ったとか、そんなことを言っている中で、このAIがどこまで追いついていけるのかというのは非常に関心があるとともに、全体を捉えていくのが非常に難しいことだと考えます。
ある面では、今、労使のコミュニケーションの話もありますけれども、取引関係にあるもの、例えば規模の大きい企業と中小企業の経営者同士の中での、そこで置いていかれる企業には、そこに雇用される従業員の方々が存在していることから、一緒に会社がだめになってしまうと非常に困る事象となります。ですから、労使コミュニケーションというだけではなかなか捉えられないものがあるのかなと思います。
AIになりますと、どうしても、これは皆さん御承知のとおり、なくなってくる職業とか業務とか、労働者が奪われていくという表現もよくないとは思うのですけれども、そういう業務があると思います。でも、逆に言えば、よく言われるように、人でなければできないものが出てくることもありますから、そういうものも見きわめながらこの検討会では議論をしていくことが必要なのかなと思います。ゴールがまだちょっと見えないところも非常にあるのですけれども、労使のコミュニケーションを前提に置きながら、最後は皆さん方と事例等を拝見させていただきながら、何かある程度の着地点というか、どういうふうになるかということを検討していきたいなと考えています。
すみません、感想で。
○守島座長 ありがとうございました。
一応これで一巡をしたのですけれども、まだ、もう少し時間はありますので、おっしゃりたいこと、言い残したこと等ございましたら、ぜひお願いしたいと思います。
○後藤委員 森戸先生と池田先生から、労使コミュニケーションはそもそも必要なのか、あるいは、使用者にとってのメリットはというお話だったのですけれども、部会の報告書の中では、80年代の工場のオートメーション化、ME化を労使のコミュニケーションの中で乗り越えてきたと述べられています。これは部会の中でほかの委員の先生から発言があったのですが、そのときはブルーカラーの業務が自動化されていったのが、今度はホワイトカラーに来ただけであり、オートメーション化、ME化のときは労使の協力で乗り越えてきたのだから、今回は場所が移っただけなので、同じ枠組みを通じて乗り越えていけるのではないか、というような議論だったと思います。
ただ、そのときと比べると、組織率が下がっているとか、非正規の方あるいは労働者という枠組みの中にない人たちも出てきているので、そういう背景をもとにコミュニケーションはどうあるべきかということを検討しましょう、というのがこの検討会だと思います。
その前提に立ったときに、労使コミュニケーションは必要だということが前提なのだろうと思うのですけれども、御指摘いただいたように、使用者側にとって本当にこの時代労使コミュニケーションが必要なのか、という観点はあるのだろうとは思います。けれども、私が言うのも何ですが、使用者側が労使コミュニケーションは必要じゃないよねというふうになってしまうと、多分ブラック企業化していくのではないかと思います。そうすると、結果はね返ってきて、企業がそれ以上成長しないとか、あるいは、次から次へと人を右から左に流すような経営をしていかなければいけないということにもつながっていくのだろうと思いますので、そういう意味でも労使コミュニケーションは必要なのだ、こうあるものなのだ、ということを信じたいと思ってはいます。ですが、一度冷静になって、客観的に、今の時代背景の中で本当に新技術の進展が80年代と同じように乗り越えていけるようなものなのかどうかというのは、逆に、企業の皆さんがどういうふうに捉えていらっしゃるかということは参考になると思いますので、事例を聴きながら、今後の議論に期待したいと思いますし、我々働く側からもどういうふうに考えているか発言できればと思います。
すみません、ちょっと補足でお話ししました。
○守島座長 ありがとうございます。
ほかにどなたか。
今、後藤委員が言われたことにちょっとつけ加えになるのですけれども、多分、労使コミュニケーションの中で行われる情報の交換とかコミュニケーションのコンテンツも変わってくるのだと思うのですね。人生百年時代になってくると、今まではある程度短期的にどうするこうする、どこの事業所を閉めるから、今度ほかのところに配転みたいな話だったのですけれども、これからはそうではなくて、もうちょっと長期的に、人生百年時代になったのだから、あなたはもう少し自分で自分のキャリアを考えてねと。そのために企業はこういうことができるのですよみたいな、そういうタイプのコミュニケーションまで含めて考えると、メリットがないということは多分、その視点も多少変わってくるのかなと思いますので、労使コミュニケーションという言葉も少し広く、冨山委員も言われていたような、今までの伝統的な労使コミュニケーションだけでなくて、少し広く考えることも必要かなと思いました。
ありがとうございました。
ほかにいかがですか。
ありがとうございました。
ちょっとまとめてよろしいですか。
これがファイナルということではないのですけれども、多分2点ぐらい論点としてあるなと思ったのは、1つは、AIとかIoTみたいな新技術を入れることでさまざまなプラスの面とマイナスの面が出てきます。そのプラスの面とかマイナスの面をどういうふうに労使で解決をしていくのかという、そのプロセスの中での労使コミュニケーションのあり方みたいなものが一つの考え方としてはあるのだろうなと私は思いました。また、皆さん方のちょっと集約的な議論になってしまいますけれども。そういう議論は確かに入れていかないといけないし、その中で、森戸委員が言われて、私、森戸委員から、労使コミュニケーションは使にとっては必要なのですかというのが出てくると思わなかったので、ちょっと驚いたのですけれども、私どものように労使関係を研究している人間からすると、日は東から昇るぐらいの大前提になっているので。でも、後藤委員も言われたように、非常にフレッシュな気持ちにさせていただいて、私は非常によかったのだろうなと思います。ですから、そういう点を1つは考えていかなければいけないという側面と。
それから、もう一つは、冨山委員とかほかの方も言われていたように、伝統的な労使コミュニケーションみたいなもの自体がAIとかIoTとかSNSとかそういうものによって変貌していくという側面もやはり重要で、多分両方とも一緒にはなってくると思うのですけれども、そこの部分も必要だと思うのですね。そのときに考えなくてはいけないのは、根橋委員が言われたような、労使コミュニケーションの中でこれは絶対に守らなければいけない側面と、ここはある意味ではAIとかSNSに代替していっていい側面が多分あるのだろうと。あとは、佐藤委員が言われたようなエンゲージメント・サーベイをAIで分析させますみたいなのも、一つの労使コミュニケーションのあり方をAIとかITで変えていくというところの一つだと思いますので、そういう側面も重要なのかなと思いました。
それと関連して、私もどういうふうに全体の中に取り入れるのか、まだ明確なアイデアはないのですけれども、いわゆる社会的な利益といいますか、労使の利益だけではなくて、地域コミュニティとかそういうところへの利益というかサービスというかベネフィットをどういうふうに考えていくのかというのは、それは宿題という形で、そういう議論もありましたという形で捉えておけば今回はいいのではないかなと思いました。
ですから、これからいろいろな企業のお話とか組合のお話を聞くので、いろいろなことが出てくるとは思いますけれども、今日のところの話のまとまりとしては、大体そんなところをこの検討会では追っていくということだと思います。
それから、もう一つちょっと確認をしておきたいのですけれども、この検討会は、あくまでも基本政策部会の下にぶら下がっているわけですよね。
○高松政策統括官付政策統括室企画官 正確に言えば、ぶら下がっているわけではないのですが、基本部会での報告書を踏まえた検討会としてやるということで、労政審の本審でも議論がありましたので、それを踏まえてやるものということです。
○守島座長 そうですね。
ですから、検討会の報告書が大きなフレームワークとしてはあって、その中でどういうことをやっていくかを考えるという、そういうたてつけでよろしいわけですね。
○高松政策統括官付政策統括室企画官 そうです。
○守島座長 ありがとうございます。
ほかに、皆さん方、何かございますでしょうか。
どうぞ。
○高松政策統括官付政策統括室企画官 ちょっと補足させていただきます。
基本部会の報告書を踏まえてやるということです。基本部会もそうだったのですけれども、そこで具体的に制度をどうしていくかというよりも、こういった課題があることを幅広に出すというのが基本部会の役割でもありましたし、この検討会について言えば、労使コミュニケーションの関係でさまざま自由に御意見をいただいて、課題を把握していくというところですので、そこは狭く捉えないで、今日は、最終的にどこが着地点かというお話をいただきましたけれども、さまざま課題をいただいて、それを次につなげていくというところがある意味ゴールというところですので、そういう認識で御自由に御意見をいただければと思います。
○山田政策立案総括審議官 議論の方法論として、既存の労使関係の中で企業と労働者がそれぞれどう考えているか、この問題に一番切実に関わっている労使がそれぞれどう考えているかというところからスタートをするのが良いと思います。確かに、ME化の時代に比べれば非正規雇用の労働者や雇用類似の働き方などが増えているのは事実ですが、そこまで含めて議論するにしても、既存の労使関係、現在企業の中で何が起きているかというところから議論をスタートさせて議論を深めていくことが有効だろうと思います。
○守島座長 ありがとうございます。
戎野先生が言われた事例も、ある意味ではそれに近いところがあるのだと思うのですね。要するに、経営課題を解決するためにITを入れなくてはいけない。ITも含めてどういうふうに労使関係を再構築していくとうまく入っていくのかという話のように私は理解しましたので、出発点は現在の労使関係で、それをどういう方向に持っていくかという、そういう話になるのだと思います。ありがとうございます。
ほかにどなたか。よろしいですか。
それでは、時間も迫ってまいりましたので、そろそろ今回の議論はこれで終わりにさせていただきたいと思います。
本日いただいた御意見を参考にして、また、今後、議論を進めていただきたいと思います。
第2回検討会は、佐藤委員と後藤委員から、それぞれの事例を御発表いただくという、そういうふうな予定にしております。
最後に、事務局から次回日程等の連絡をお願いいたしたいと思います。
○新平政策統括官付政策統括室室長補佐 第2回の検討会につきましては、来年1月17日の14時からの開催を予定しております。詳細につきましては、また、事務局より御連絡をさせていただきます。
○守島座長 ありがとうございます。
それでは、本日は貴重な御意見、ディスカッションをありがとうございました。本日の検討会はこれにて閉会といたしたいと思います。
どうもありがとうございました。