第4回人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議 議事録

労働基準局 安全衛生部 安全課

日時

令和元年11月27日(水) 13:30~15:30

場所

中央合同庁舎5号館3階 共用第6会議室

議題

(1)報告書骨子案について
(2)その他
 

議事

 

○吉岡中央産業安全専門官 定刻となりましたので、ただいまより第4回人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議を開会いたします。なお、本日は御都合により飯島構成員、津下構成員、松田構成員、南構成員が御欠席です。髙田構成員からは、10分程度遅れる旨の御連絡を頂いています。また、松本構成員については所用により途中で退席される予定となっています。それでは、以降の議事進行を城内座長にお願いいたします。
○城内座長 皆様、こんにちは。お寒い中、多数の委員の方に御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思いますので、円滑な進行に御協力くださいますようお願いいたします。また傍聴の皆様におかれましては、カメラ撮影等はここまでとさせていただきます。御協力お願いいたします。
 最初に事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
○吉岡中央産業安全専門官 資料について、確認をさせていただきます。本日は、ペーパーレス開催となっていますので、お手元のタブレットで資料の御確認をお願いいたします。タブレットに、「次第」、「報告書骨子案」、「構成員名簿」が表示されていると思います。表示されないなどの不具合がありましたら、事務局まで御連絡ください。
○城内座長 それでは、議事に入ります。前回の会議の最後に申し上げましたが、これまで3回の会議で構成員の皆様からいただいた御意見やプレゼンテーションいただいた内容を踏まえ、本日は報告書の骨子案を準備してもらっています。これについて、事務局から説明をお願いいたします。
○寺島副主任中央産業安全専門官 報告書骨子案について、説明します。資料を御覧ください。まず、この報告書骨子案の構成について説明します。報告書骨子案は、1ページからの「はじめに」の部分で、当有識者会議を開催するに至った背景と、この会議での検討の成果をいかすことへの期待に触れています。
 次に本文ですが、3ページからの「1 働く高齢者をめぐる安全と健康に関する現状と課題」の部分で、事務局から提出した基礎データ、有識者のプレゼンで御提供いただいたデータ、企業などから発表していただいた取組状況などを整理した上で、29ページの部分で課題を整理しています。
 31ページからの、「2 高齢者が働きやすい職場環境の実現のために(ガイドラインに盛り込むべき事項)」では、労使が取り組むことや望ましい取組について整理をしています。さらに、37ページからの「3 国、関係団体などが行う支援」、39ページからの「4 地域で取り組まれている健康づくりや健康保険の保険者との連携」という構成としています。
 内容について説明します。1ページ目の「はじめに」を御覧ください。我が国の人生100年時代を迎えまして、高齢者や若者全ての人が元気に活躍でき、安心して暮らせる社会づくりが求められています。本年の「成長戦略実行計画」において、70歳までの就業機会の確保に向けた法制度の整備が掲げられ、検討が進められています。内閣府の調査によると、60歳を過ぎても「働きたい」と考えている人が多く、また実際に働いている人も、この10年間で1.5倍に増加しています。特に第三次産業において、働く高齢者が増加している状況です。
 こうした中で、労働災害による死傷者数のうち、60歳以上の労働者が占める割合は増加傾向にあり、26%を占めています。発生率は25歳から29歳の若年層に比べて、女性も男性も相対的に高くなっています。中でも転倒災害が高く、特に女性でその傾向が顕著となっています。高齢者の身体機能は、近年向上しているとは言いましてもやはり壮年者に比べて低下が見られるところであり、高齢者の労働災害を防止するためにはその特性に応じた配慮が必要です。一方、事業所の取組状況を見ますと55.7%ということで、小さい規模の所やサービス業など第三次産業における割合が低くなっています。
 このような中、本年6月に閣議決定されました骨太の方針において、サービス業で増加している高齢者の労働災害を防止するための取組を推進することが盛り込まれるなど、これまで以上にこの分野が重要な社会的課題となっています。
 本会議では、高齢者の身体機能についての長期的な推移や壮年者との比較から分かる特性を整理し、労働災害の発生率に与える諸々の影響について分析するほか、高齢者の安全衛生対策について積極的に取り組んでいる企業等の担当者や関連分野の有識者にヒアリングを実施した上で、幅広く検討を行いました。その際、人生100年時代に向けた働き方の変化に伴って求められる地域保健と職域保健の連携の視点からも検討を加えたところです。
 本有識者会議の報告を契機として、各企業において働く高齢者の労働災害防止対策の足元を見直していただき、不足があれば取り入れるなど、この成果があまねく企業において活用されることを期待したいとし、政府にはこの会議の報告を踏まえ、積極的な施策を進めることを求めたいとしています。
 次に1の現状と課題の部分について説明します。(1)働く高齢者の就業状況です。こちらは、第1回以降の会議において提出した資料で、事実関係の部分を説明しているところです。高齢者の比率が増えていること、それから産業別にもサービス産業化の進展が見られること。新しく追加した部分は、3ページの下の所に、職業別の就業者数のデータを載せています。9年間の変化を比較しており、4ページの上の辺りまで記述をしています。こちらのデータは、5ページの上の棒グラフになっています。こちらを御覧いただきますと、専門的・技術的職業従事者や事務従事者、サービス職業従事者は、高齢者についても大きく増加していることを見ていただけるグラフとなっています。
 6ページ、(2)高齢者の身体機能や健康状況の部分です。①身体機能について記載をしています。こちらも第1回、第2回の会議で頂いたプレゼンや、こちらから提出した資料を記載しています。身体機能に着目しますと、近年は向上が見られる一方で、7ページの上のほうにあるグラフのように、壮年期に比べて高齢者の身体機能は落ちてくる傾向が見られるといったことを記載しています。
 8ページです。②健康状況です。こちらの上のグラフは新しく追加しています。一般の高齢期を含めたメタボリックシンドロームの該当者、すなわち生活習慣病などを持っている方々の比率が年齢に伴って上がってくるといったことを記載しています。8、9ページには会議でも出しましたが、定期健康診断の有所見率が年齢に伴って上がってくること。そのうち生活習慣病に関係のある定期健診項目の血中脂質や血圧の項目の有所見率が高いというものです。
 10ページの下のグラフは、新しく追加しました、疾病を持ちながら働いている人が、どのくらいいるかというグラフです。労働人口の約3人に1人が何らかの疾病を抱えながら働いている状況を示しています。
 こうした心身の状況がある中で、11ページですが、高齢者の労働者自身がどのように考えているかという部分です。高齢者を対象にすると、勤め続けるためには健康や体力が重要であると考える方が多く、経営者側、企業のほうに聞いても、高年齢者の雇用確保のために必要と思われる取組として、「高年齢者の健康確保措置」が挙げられています。
 13ページ、(3)働く高齢者の労働災害や業務上疾病についてです。①労働災害発生状況の概況です。こちらも第1回、第2回の資料で出したものですが、年齢に伴って災害の発生率が上がってくるというデータです。
 さらに14ページで、業種別に見ても、サービス産業では年齢に依存する傾向が大きく出るところです。14ページの下は事故の型別です。少し小さくて恐縮ですが、14ページ右下のグラフでは、転倒について高齢の女性の発生率が高くなる傾向が分かります。
 15ページ、②労働災害の分析です。これも前回の会議で出しました経験年数に依存してるという部分と、15ページの下の部分は、事故の型によって経験年数と年齢のどちらのファクターが影響するかを説明するものになっています。年齢が上がることと、経験値とでは、年齢が上がることのほうが影響が高いのが転倒災害で、交通事故などでも同様の傾向が見られるとしています。
 労働災害が起きてしまったときに、休業見込期間がどの程度になるかという年齢別比較です。高年齢になるほど、休業期間が長くなる傾向が見られるグラフを、第1回の際に資料でも出していますが追加しています。
 ③業務上疾病についてです。こちらは、社会福祉施設で増加している腰痛、熱中症、ホワイトカラーなども含めた課題である脳・心臓疾患に着目して分析をしています。アとして、腰痛を挙げ、業種別と、年次推移を挙げています。
 18ページのグラフは新しく追加したものです。一般的に腰が痛いと訴える者が、年齢に応じて上がってくることを示すグラフを入れています。18ページの下のグラフも新しく追加したものですが、産業別に入職者の率を挙げたものです。その年齢層の方々の中で、新たに入職した人の割合を示していますが、灰色の折れ線グラフが社会福祉施設です。社会福祉施設は、全産業に比べて新しく入ってくる方が多く、流動性が高いといったことがわかるものです。そういった方々へのケアが必要ということになろうかと思います。
 19ページは、熱中症です。経年変化と業種別の発生状況を示す上のグラフは会議で出した資料ですが、下のグラフは新しく追加したものです。年齢別に発生率を見ますと、高年齢になるほど発生率が上がっていることがわかります。
 20ページは脳・心臓疾患です。こちらも会議の際に出した資料ですが、記述を少し追加しています。21ページの上のほうにある「管理的職業従事者」は就業者全体の2%ですが、労災認定事案のうちの8%を占めることを記載しています。
 22ページの(4)企業の取組の現状です。これまでの労働災害、業務上疾病の状況を踏まえて、企業はどういった取組をしているかということで、実態調査の結果を引いています。こちらも会議で説明した内容です。小さい企業、あるいはサービス産業の所で取組状況が低くなっています。
 そうした中、24ページですが、②健康経営、コラボヘルスの取組状況の記述を新たに追加しています。企業が従業員の健康管理を考えて、戦略的に実践する「健康経営」の取組が進んできていて、「データヘルス」、更には保険者との連携である「コラボヘルス」の取組も進んでいるといった記述を追記しています。
 26ページ以降は、〈コラム〉として、この会議の中で、これまで御発表いただいた各企業の取組を事務局で少しまとめさせていただきまして記載しています。ガイドラインを作成するに当たって参考となる取組がたくさん含まれているということで、こちらに記載しています。
 29ページ、(5)今後に向けた課題と対応の方向性です。1ポツ目ですが、これまで述べてきたように、健康寿命が伸延して、高齢者が職場においてより大きな役割、補助的役割ではなく大きな役割を担うこととなる人生100年時代においては、発生率も高く休業も長期化しやすいという現状を勘案して、いろいろな就業ニーズを持つ高齢者が安全に働くことができるようにしていくことが求められます。特にサービス化、ホワイトカラー化が進展していく中で、現業部門だけでなく管理・事務部門における安全衛生対策も重要性を増してきています。
 ここまでの分析の現状から浮かび上がってくる高齢者に特有の特徴や抱えるであろう課題に対して、配慮していくことが必要です。今後、従事していた企業で継続雇用されるだけではなく、経験のない異なる業種、業務に転換して就労し、不慣れな者が多くなることにも留意が必要です。「なお」ということで、この取組によるメリットを記載しています。この高齢者の労働災害防止を図ることは、女性や経験の浅い若者を含め、全ての働く人にとって職場環境改善につながるものであり、快適な職場づくりに資する取組であると考えられます。
 また、「英国における」ということで書いています。健康は、働き続けるための条件ですが、同時に、仕事をすることは、それ自体で健康に良い影響があるとの言及もあります。また現在、人材確保に課題を抱える中小企業にとっては、こういった働きやすい職場づくりというものが人材の確保や定着に資するものであるとともに、経済全体の生産性向上に寄与するものと考えられます。また多くの企業経営者が、働く高齢者の健康問題を強く意識しており、効果的な解決策が待たれているところです。
 以上のことから、高齢者の労働災害防止の対策について、概念的に整理するとともに、今後、企業において自らの実態に合わせて取り組めるよう、作業環境管理、作業管理、健康管理という観点から具体的対策を盛り込んだガイドラインを取りまとめ、その活用を進めていくことが必要です。
 併せて、健康経営に向けた意欲を持ちながら具体的な取組が進んでいない中小企業や第三次産業に対する支援が重要ですので、国や関係団体等においては、こうした企業に対する支援策の充実を図るとともに、更なる政策展開のために実態調査などの調査研究を進めることが必要ということを記載しています。
 2番、ガイドラインに盛り込むべき事項の部分です。(1)事業者による実施事項です。各企業の実情に応じて次の事項に取り組むことが必要としまして、見出し的になりますが、取組のイメージを示しています。
 中身として、全般的事項から書いています。①経営トップによる方針表明及び体制整備です。こちらは、事例発表の際にも経営トップによる表明がやはり動力となるということで記載しています。担当者や組織を指定すること、安全衛生委員会などで調査審議するといったことを記載しています。その際、以下の点を考慮するとして、会議でも御議論がありましたように、何でも言える風通しの良い職場づくりや、気付いたことを共有できる仕組みの導入といったことを記載しています。
 ②として、危険源の洗い出し(リスクアセスメント)として記載しています。①も②も、基本的に、四角の中には全体に取り組んでいただきたいということを記載し、その下に留意事項という構成で書いています。四角の中はリスクアセスメント、その下のポツはPDCAサイクルを念頭にして、計画を立てて実施するということを書いています。リスクアセスメントになじみのないサービス産業などにおいては、好事例を参考に、意見を聞いて、いろいろ洗い出しを行うといったことも考えられるといったことを並べています。
 イの職場環境の改善ですが、①の所がハード対策です。身体機能が低下した高齢者が安全に働き続けられるように、設備・装置などの改善を実施するとしています。以下に掲げる対策について、リスクの程度を勘案して優先順位を付けて取り組むこととして幾つか掲げています。事業場の状況に応じて、選択して必要性を勘案して取り組んでいただくといった構成にしています。共通的な事項が、手すりなどです。それから危険を知らせるための配慮として、音や視覚、そのほか暑熱な環境、重量物取扱い、介護作業といったことを並べています。
 ②働く高齢者に配慮した作業管理です。こちらは体力や敏捷性の低下などに配慮して作業内容などの見直しを検討し実施するとしています。中身としては、勤務時間や作業マニュアルを見直していくと記載しています。休憩時間も、ここに含めています。
 ウとして、働く高齢者の状況の把握です。法令に定める措置のみならず、日常的なかかわりの中で気を配っていくということも、会議で御発言があったところかと思います。
 ①健康診断です。こちらは、安衛法に定める健康診断の確実な実施はもとより、法定の健診の対象とならない方々に対して地域の健診を受診するよう勧奨するなど、働く高齢者が自らの健康状況を把握できるようにする必要があるとしています。必要な措置を講じるとして、以下に記載しています。
 ②体力テストによって働く高齢者の状況を把握するということです。その体力に合った作業への従事や、身体機能の維持向上に取り組めるよう、体力テストは有効であるとしています。その体力テストの実施に当たっては、労働者自身の同意や取扱いなど一定の事業場内手続きについて安全衛生委員会等の場を活用して定めるとともに、体力テストの評価基準を設ける場合は合理的な水準に設定すること、更に評価基準を下回る労働者の体力の向上を図るよりも、厳しい作業環境の改善を優先して取り組むことが必要であると記載しています。具体的な体力テストの方法としては、御意見があったところを踏まえて、以下のように記載しています。
 エの働く高齢者の状況を踏まえた配慮として、①健康診断の事後措置等です。こちらは法定健康診断の事後措置のことがありますが、そういったところを中心に記載をしています。労働者や医師の意見を聞いて実施するといったことを記載しています。
 ②働く高齢者の状況に適合した業務の提供です。高齢者の適切な就労の場を提供するために労働者(高齢者)の体力、認知力、健康状況や就労の意欲などの状況に応じて、安全・健康の点で適合する業務を提供するよう努めるということです。個々の労働者の状況に応じて業務のほうを変えていく、マッチングさせるといったことを念頭に記載しています。その下には、御意見があったことを踏まえて留意事項を記載しています。③心身両面にわたる健康保持増進措置は健康づくりの点から記載しています。
 オの安全衛生教育の部分です。こちらもいろいろ御発表、御意見があったところかと思います。高齢者が働き続けるための安全衛生教育については、まず法定の雇入れ時の安全衛生教育の徹底、それから法律上必要になってくる技能講習や特別教育の徹底、更に高齢者を対象とした教育においては、若年者よりも時間を掛けて分かりやすくすること、新たな業務に入ってくる方々に対して特に丁寧なジョブトレーニングをすることを記載しています。以下、どのような点に留意するべきかや、教育の内容を記載しています。
 35ページの下のほうには、教育を行う方への教育も必要だということや、脳・心臓疾患など緊急時の対応についての教育も望ましいということを記載しています。
 36ページ、(2)労働者に実施が望まれることとして、労働者自身も理解を深めるということで幾つか記載しています。客観的に自身の状況を把握するようにということで、特に事業者が行う健診を必ず受けるとともに、法定健診の対象にならない場合は、地域保健の特定健康診査などを受けるよう努めること、体力テストなどに参加して体力の維持改善に努めること、体操などで基礎的な体力の維持及び生活習慣の改善に取り組むこと、また食生活などについても記載しています。
 37ページ、3番は、国、関係団体等による支援です。この安全衛生対策について高齢者が健康で安心して働くことができるようにということで、労使団体等と連携し国民的気運の醸成を図る。気運の醸成のためには、データや好事例を周知してメッセージなどを積極的に発信していくことが必要であり、その上で特に以下のような取組を進めることが必要であるとして、具体的な取組を記載しています。
 (1)ガイドラインの普及促進に向けた広報戦略です。1ポツ目に、行政が行う指導啓発による普及支援で、特に第三次産業、中小企業に重点を置くといったことを記載しています。2ポツ目が災防団体や業界団体による周知啓発、3ポツ目が専門家等による個別支援などの利活用、4ポツ目が産業保健総合支援センターによる専門的人材の助言する仕組み、5ポツ目がシルバー人材センターなどということで、御発言があったところを記載しています。
 (2)特に支援が必要な産業分野、中小零細事業場に対する働きかけです。国として助成を検討することが必要であると記載をしています。支援対象を選定する上での優先順位付けの視点として以下のようなことが考えられるのではないかということで、事務局で幾つか条件を挙げています。
 38ページ、(3)高齢者を支援する機器・技術等の検証です。こちらも予算関連ですが、先進的な機器や技術などを検証するために、それを事業場に適用して選定できるように支援していくことを記載しています。
 (4)人材育成です。そういった保健師やトレーナーの方々が各事業場にいるとは限らないという御指摘がありました。外部の保健師等を活用できるように専門人材の育成を支援するとしています。
 (5)高齢者に関する調査研究です。高齢者の身体機能のデータの部分が、労働者について少し古いのではないかといった御意見がありましたので、ここで調査研究の必要性について触れています。
 39ページ、4番は、地域で取り組まれている健康づくりや健康保険の保険者との連携です。「地域・職域連携推進ガイドライン」が先般改訂されたところを踏まえて記載しています。それぞれ職域での保健事業と地域の保健事業がありますので、それらを連携していくことが考えられるということです。
 2ポツ目ですが、地域保健での保健師、管理栄養士等の専門職の方がいらっしゃいますので、そういった方々による小規模事業場の労働者に対する健康講座なども考えられるといったことを記載しています。少し長くなりましたが、以上です。
○城内座長 ありがとうございました。それではこれから議論に入りたいと思いますが、先ほど事務局から説明のありましたように、事実関係をまとめている「はじめに」及び1番の現状と課題の前半部分と、ガイドラインや支援につながる2番の(ガイドラインに盛り込むべき事項)の後半部分とを分けて議論いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。まず、前半部分(30ページまで)の部分で御質問、御意見などありましたら発言をお願いしたいと思います。松本委員は途中で退席なさるということなので、もしあれば。
○松本構成員 あれば、また発言させていただきます。
○城内座長 ありがとうございます。それでは前半部分について御意見等ありましたら、お願いいたします。膨大な資料ですので、ちょっと時間が必要かもしれませんが。私のほうから事務的な編集上のことで確認しておきたいのですが、字が非常に小さくて読みにくい所は、報告書になる段階では大きいものになるという理解でよろしいでしょうか。
○寺島副主任中央産業安全専門官 修正いたします。申し訳ありません。
○城内座長 ありがとうございます。内容に関して御意見等ありましたらお願いいたします。
○漆原構成員 29ページの(5)今後に向けた課題と対応の方向性の4つ目のポツに、「ジョブチェンジ」というカタカナで括弧書きが入っていますが、ジョブチェンジは、厚労省として結構よく使われる単語なのでしょうか。労働政策審議会(職業安定分科会雇用対策)基本問題部会の報告書では「キャリアチェンジ」という単語もあったと思うので、それとの違いが何なのかというところと、どちらが適切なのかについて、事務局としての考え方を教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○寺島副主任中央産業安全専門官 厳密に使いわけまではしていないのですが、業種とか、全く違う種類の仕事に転換するという意味で、ステップアップではなくて全く違う分野にいきますというような趣旨で使っていたものです。文言については、改めて内部で検討いたします。
○城内座長 そのほか何かありますか。河合委員お願いいたします。
○河合構成員 幾つかあるのですが、ちょっと気付いたところから言うと、まず24ページにコラボヘルスという言葉が出てくるのですが、余り一般的ではないので、コラボヘルスとは何なのかということを注意書きのように、用語解説のようなものをどこかに入れていただくといいのかなと思います。コラボヘルスだけではなくて、この報告書全体の中で、かなり業界的な言葉になってしまっているものとか、専門的すぎる用語になっているものを、まとめてでもいいですし、その所々でもいいので、どういう言葉なのかを、一般的な人が読んでも分かるような工夫をしていただけないかなというのが、まず1つです。
 それから、1番最初の所で、これは働く人、働かせる側に対してのガイドラインになっていくわけですが、やはり社会全体の中で高齢者が働くのが当たり前の社会になってくるのだということをもう少しきちんと書いておくとよいと思います。人は、それぞれが働く側となる時間と、またそういうサービスとか、物を購入する消費者になる時間と、1日の中で何度も何度も立場が変わっていくわけですが、どちらにしても今までの社会とは違って、どの局面でも、これからは高齢者が当たり前のように働いている状況になるということです。何でこの報告書を作らないといけないのかという理念に沿うところだと思いますので、まずそれをきちんと書いておくことが大事なのかなと思います。
 最後に、ちょっと細かな話ですが、労働災害のデータが幾つも並べてあるのですが、データの集め方に苦労されたということかなと感じながら拝見したわけですが、高齢者の特質がよく分かるようなデータになっているものと、全年齢で分析されたデータとが少し入り組んだ形になっています。それぞれの疾病ごとに何を入れるのかをもう少し分かりやすく整理していただけると。どの病気がとか、どういう原因の事故がとかというのが、全年齢的な傾向の話なのか、高齢者の特質として抽出できるようなものなのかというのをもう少し整理していただいたほうが読みやすいかなと思いますが。
○城内座長 松本委員、お願いします。
○松本構成員 私も河合委員と同じで、24ページの所が若干気になりました。確かに、健康経営と、コラボヘルスの取組状況は、入れるのは別に構わないのですが、説明が不足しているというか、少し分かりづらいというのが1つです。特に、コラボヘルスの取組も一応、言葉で書いてあるのですが、実際にどの程度のものかが分かりにくいことです。あと高齢者のことについて、どのように結び付けるかという視点が全くないので、特にその下の所で、質問表のデータとかも、何かこれだけパッと出てきても唐突な感じがすると思いましたので、もう少しこういった取り組みの中で高齢者と結び付けてどうやっていくかという視点で書いたほうがいいのではないかと思いました。
○城内座長 では鈴木構成員、お願いします。
○鈴木構成員 細かなことで恐縮です。5ページの上に、新しく盛り込んだグラフがありましたけれども、この縦軸の単位は何でしょうか。「人」なのか「万人」なのか。
○寺島副主任中央産業安全専門官 万人です。
○鈴木構成員 分かりました。
○城内座長 そのほかにありませんか。
○砂原構成員 御説明ありがとうございました。最初なので、全般的にかかわる部分について申し上げます。前にも申し上げましたが、基本的に高齢者があたりまえに働く社会を目指す話だと思います。高齢期まで、即ち70歳になってもずっと働き続けるということは、65歳になったら今までと違ってガクンガクンと不連続に健康度が落ち、働き方を変えるということを前提としているのではないと思います。高齢期も若いころと同じ形で働いてもいいし、勤務日数を減らしたりして働きたいという人がいれば、そういう形で働けるようにしていくということかと思います。
 その場合、事業主としては、高齢であるから若年齢者と異なり、特別に配慮しないといけないことがあるかないかというところがポイントになるのではないでしょうか。そもそも、一定程度の健康度が保たれていないと就業し続けることは難しいかもしれません。健康づくりをどうするかというのは、この検討会なのかもわかりません。もっとも、医療保険者が全ての国民を対象者とする制度だということを考えると、労働者だけにフォーカスするのではなく、医療保険者が国民全体の健康づくりを担当する中で、事業主として+αで高年齢で働く労働者に対して何を追加でやる必要があるかという観点が、必要ではないかと思います。事業主として、高年齢労働者だから若年齢労働者と比較して安全配慮義務を果たすために追加で特別な配慮が必要な事項は非常に少ないのではないかと思いますので、そういう視点も是非入れていただけると有り難いと考えます。よろしくお願いいたします。
○城内座長 そのほかに御意見、御質問等はありませんか。
○漆原構成員 10ページの下のほうに、罹患しながら働く人数ということで高血圧から脳血管疾患までのグラフが出ていると思います。罹患しながら働くというのは、治療と仕事の両立の支援の話でもあるかと思うのですけれども、それに関する文章的な記載が、本文の中に入っていないのではないかと思っています。例えば高齢期を考えれば、糖尿病を抱えながら、がんを抱えながら働くということも出てくると思いますので、何かしらそういう記載があってもいいのではないかと思っているところです。
○寺島副主任中央産業安全専門官 10ページの中ほどに記載しておりますが、これに高齢者との関係についての言及が不足しているといった点でしょうか。
○漆原構成員 ここの所は確かにそうですけれども、そのデータを受けて、その後の所に記載がないのではないかと。例えば、今後に向けた課題とか方向性という所に、そういう記載があってもいいのではないかということです。
○寺島副主任中央産業安全専門官 ガイドラインのほうには記載をしております。前半はファクトを並べている部分が多くて、課題の方向性をまとめたものは(5)に書いてあります。事務局としては(5)の上から3番目のポツの所にまとめて、いろいろな課題が浮かび上がってくるので、それに対応していくことが必要といった形で記載をしているところですが、また御相談させていただきます。
○城内座長 そのほかにありますか。大分関連してくると思いますので、そのときに気が付いた点を御指摘いただければいいと思います。それでは、後半部分のガイドラインに盛り込むべき事項ということで、御意見を頂ければと思います。いかがでしょうか。
○高木構成員 事務局として、しっかりとした取りまとめありがとうございます。31ページの①に、「経営トップによる方針表明及び体制整備」とあり、その下に、「担当する組織には安全衛生部門だけでなく」という表現があります。製造業とか建設業はこのとおりですが、一方でサービス業になると、安全衛生関連部門がなく、人事部などが担当している業種が少なくありません。このため、この表現は修正が必要です。
 もう1つは、32ページの「職場環境の改善」です。以下に掲げる対策として「共通的な事項」等とありますが、これはあくまでも例示です。今の表現では、これが全てのようにとらえられてしまうおそれがあります。それと、例示する対策は重点度の高いものが望まれ、少し精査した方がいいのではないかと思います。例えば、高齢者の視力の問題で、低照度下視力という、暗い所で著しく視力が低下することは高齢者特有のものであり、対策として照度の確保が必要で、このような対策は優先順位が高くなるのではないかと思います。
○城内座長 そのほかに何かありますか。
○鈴木構成員 35ページに、安全衛生教育について具体的な項目が幾つか書かれております。これらの教育は非常に有効と思いますが、これら以外にも効果的な教育訓練として「危険予知トレーニング」的なものが必要かと思います。「13次防」の重点事項の1つに「国民全体の安全・健康意識の高揚等」という項目があったかと思います。これは何も学校だけの問題ではなくて、特に高年齢者で体力の低下に伴って、行く所あるいはどのような作業においても、リスクはかなり高まっていると思います。そういう中で、少しでも危険に対する感受性を高めることによって、不安全行動を抑制し災害を防止するのではないかと思っております。「危険予知トレーニング」は、労働者一人一人に危険に対して考える機会を持たせることができます。
○松葉構成員 最後の38ページの(4)の人材育成の部分です。外部の保健師等の専門人材の育成を支援するということは非常に望ましいというか、これは必要なことだと思います。さらに専門人材育成に当たっては、労働衛生、産業保健という分野についての勉強をしてもらうことが必要だろうと感じております。実際の現場でのミスマッチとして、例えばクリーンルームで働く労働者というのは、ほこりを立ててはいけないような状況ですが、「あなたは座り過ぎだから1時間に1回、立ってスクワットをやりましょう」というような具体的なミスマッチが生じる可能性があります。いわゆる労働衛生、作業環境管理、作業管理、健康管理等の仕組みについて、あるいは健康診断の事後措置の仕組みについての勉強をしていただくことが必要かと思っております。地域保健の人材を活用するということは非常に大事だと思うのですが、その方々に活躍していただく上でも、少しでもそういったものが必要かと思います。
○砂原構成員 今の話に関連して。事業所では50名以上であれば産業医の先生がいらっしゃって、健康についてのいろいろな相談ができます。多分、いろいろな形で、高齢者も含めて健康をキープしていくということを考えるときには、産業医の先生の御尽力を頂くことが、まずベースにあるのではないかと思います。その上で、外部の人材・サービスをどういう形で使うかというのは、企業によって千差万別です。ヘルスリテラシー向上であったり、先ほどの危険予知みたいな部分であったり、様々な領域で御活躍いただけるケースもあるのではないかと思います。何より、事業所の中には保健師もいるという事業所が結構ありますから、そういう所では、わざわざ外部資源・サービスを使うのか、産業保健師にもう少し活躍していただくのかという問題もありますので、会社ごとにいろいろなやり方があるというニュアンスを出していただくほうがいいのではないかと思ったため、付け加えさせていただきました。
○乍構成員 33ページの体力テストのところで、2つほど意見があります。体力テストを導入するに当たっては非常に貴重なキーワードが入っていると思います。例えば「事業場の働き方や作業ルールに適合した体力テスト」「安全作業に必要な体力」とか、「働く高齢者の気づき」というようなキーワードは、非常に重要だと思います。これまでの体力測定は、きついとか人と競争しないといけないとか、あまりやりたくないというイメージが非常に強くて、このように「安全作業に必要な体力」とか「気づきとしてのテスト」というキーワードが入っていると非常に導入しやすいということと、水平展開もしやすいので、是非、これはこのまま残しておいていただきたいと思います。高齢者の場合は、これまでの体力測定のイメージではなく、現状、安全に働くことが出来ているのならば、今後もその体力を維持すればよいといった考え方もあると思います。
 もう1点は、最後の2つのポツに、身体機能が低下した者に対して向上の機会や回復の機会、あるいは保健師や専門的な知識を有するトレーナーの指導の下でとあります。また、健康診断の所にも、体力の回復を行うと書いてあるように体力の向上や回復は重要です。しかし、括弧に入った所の下から2行目に、「評価基準を下回る労働者の体力の向上よりも、厳しい職場環境の改善を」というのがあります。まずは作業環境の改善、それはそのとおりですが、職場環境の改善の重要性は、イの所で十分に説明がしてあります。測定をする意味というのは、改善、向上があって初めて測定の意義が高まると思っています。私だけかもしれませんが、この文章を初めて読んだ時に「評価基準を下回る労働者の体力の向上」というのは、あまり必要がない、重要ではないというように取ってしまいましたので、この表現が適切かどうか。先ほどのキーワードは残していただいて、この辺りはもう一度、御検討いただけたらと思います。
○木田構成員 今の関連です。私も乍さん同様に、「気づき」というキーワードは重要であると考えています。弊社でも基準についてはいろいろ検討してきましたが、体力測定で作業に適合しないなどの就労可否を判断するというのは、なかなか難しいのではないかと感じています。これまで弊社では、事例紹介でもさせて頂いたとおり体力測定を行うことで体力面への「気づき」を促し、維持・向上につなげることで、60才以降もいきいき健康に働いてもらうことを狙いに活動を進めてきました。しかしながら、健康という側面だけではなかなか現場への必要性を訴えることが十分ではないため、やはり今回の提案にもあったように歩行災害といった安全面の視点も目的に入れ込んでいくことで活動の付加価値が更に高まると考えており、安全の視点であれば体力測定の基準を設定するということの意味もある程度出てくるのではないかと思います。ですので、基準づくりについては、その辺りを考慮しつつ、この体力だからこの仕事に就けないという表現にならないよう表現していただければと思います。よろしくお願いします。
○漆原構成員 今の御意見に近いところもあるのですが、体力テストについては、やはり気づきが重要だと思っています。それに気づいたうえで、ここが足りなければこういう体力を増強していこうということになればいいという一方で、②の四角の中に入っている所は、確かストレスチェック制度などもあったのです。しかし、それをスクリーニングとして使って、それに合致しない人を振り落とすような使われ方になると危険だということで、こういう記載が入っていると理解しております。確かに職場環境の改善だと、お金が掛かるということもありますから、そういうことを嫌って、それ以下の人は振り落として、ほかの仕事に就いてもらえば職場改善をしなくてもいいということにつながりかねないので、こういう記載になっているのかなと。ですから、これはこれで残していただければと思っているところです。
○鈴木構成員 そのこととの関連ですけれども、この体力テストというのは皆さんのご意見にもあるように、気づきの1つのツールではないかと思うのです。例えば第三次産業のように、周辺のリスクが比較的小さい作業場所でも、労働者一人一人の体力の低下に伴う災害は起こるわけです。ですので、この体力テストは1回やるのも、もちろん有効ですが、継続的に実施することが重要だと思います。つまり人と競うわけではなく、今の自分の現状を知って、例えば1年後にどのように変化したのかという気づきが大切かと思います。そういう意味からして、こういうことを継続的に実施することが望ましいと思っております。
○乍構成員 今の漆原先生の御説明で、「評価基準を下回る」という部分の理解ができました。一方で弊社の体力テストは気づきとともにスクリーニングテストとしての役割もあります。そのような場合は、スクリーニングテストとして評価基準を下回る場合は作業や職場の配置転換などに影響しないような注意が必要であるといった文言が入るのはいかがでしょうか。私だけかもしれませんが、やはり「評価基準を下回る労働者の体力の向上より」という文言だと、「体力の向上」というのは余り必要がないように聞こえてくるので、スクリーニングテストとして配置に影響するような場合は慎重に行うようにするというような表現では、いかがでしょうか。
○漆原構成員 意図するところは多分、同じだと思うのです。やはり金銭的な負担を嫌うばかりに、そういったこととして使われると、本来は気づきのために必要なテストが違うように取られて誤解を招きかねないところなのですが。別に「体力の向上よりも」という文章がここになくても、話はそのまま通じるのではないかと思うところです。
○城内座長 報告書が外に出て、どう使われるかが非常に重要なので、一言一句を吟味しなければいけないと思いますが、いかがでしょう。事務局として現段階で、何かお答えできますか。
○寺島副主任中央産業安全専門官 検討いたします。
○城内座長 では、そういうことでまた次回に検討になるかもしれません。よろしくお願いいたします。そのほかに何か御意見はありますか。
○矢田構成員 36ページの「労働者に実施が望まれること」についてです。先ほどから気づきの議論が、先生たちから出てきたと思うのです。この「望まれること」で、「自らの身体機能の低下が労働災害リスクにつながることを理解し」とあります。もちろん、労働災害リスクにつながることもそうですけれども、むしろ自分が生涯現役で長く活躍できるように、自らの健康づくりには自ら取り組む必要があるというようなことを少し加えていただいたほうがいいのではないかと思います。
 先ほどから、ヘルスリテラシーのお話もありました。正しい知識というのは本来、企業が提供するだけではなく、いろいろな所で学習するべきだと思うのですが、企業としても従業員に長く働いていただこうと思えば、やはり高齢者になってからでは遅いので、中高年あるいは若年のうちから、正しい健康の知識が身に付けられるようなものを。例えば、大企業でしかやっていないのですけれども、キャリア研修等で健康管理についての講座を少し入れるといった企業側の取組もあります。むしろ労働者自らに自覚していただけるような、何かそういう表現をしていただいたらいいのではないかと思います。
○城内座長 そのほかにありますか。
○砂原構成員 いろいろ出ている中で、高齢者の健康を確保していくために必要なことと、高年齢労働者だから、追加で必要なことが何なのかというところが、結構難しいと思いながら拝見しております。例えば、34ページに「健康診断の事後措置等」というのがあります。健康診断自体は、前期高齢者の年齢層という前提でいけば、特定健診を受ける必要があり、その結果によっては特定保健指導を受けることになったりします。定期健康診断については、逆に職場で働くために必要な項目がその中に盛り込まれていて、そこでヘルスチェックが行われています。それで万が一引っ掛かるようなことがあれば、それに対する二次検査・事後措置を行って、就業上の措置が必要か否かを判断するということが行われているはずだと思います。
 そういう前提がある中で、ここに書いてあることに特別な違和感があるわけではないのですけれども、今後ガイドラインとして出て行ったときに、事業主としてはこういうことに一定程度配慮していかないといけないということになってくると、日本の高齢労働者を働かせるためには、このような配慮が必要だということが、日本企業だけに求められるコストということになる可能性もあるのです。今、多くの日本企業がグローバルスタンダードを求められていて、諸外国の企業と競争するという前提で考えると、日本だけ特有のプレミアムコストが付加されるようなことがない形のものを作る必要があるのではないかと感じておりましたので申し添えさせていただきます。
○城内座長 文章の変更をしろということではなくてという理解でよろしいですね。そのほかにありますか。
○漆原構成員 今の点に関連してです。確かにおっしゃることは、こちらも理解するところですけれども、その一方で地域・職域連携も重要です。記載で言えば33ページに、短時間の方の健康診断は地域でとあります。確かにそういった形もあり得るとは思いますが、地域で検診を受けたデータが職場の産業医の手元に行くことも、多分地域・職域連携のもう1つのパターンではないでしょうか。保険局でやった検討会の場合は、職域のデータが地域で活用されるということだったのですけれども、逆に地域でやった検診データが職域のほうで活用されることも、また必要ではないかと考えます。最後の所に地域・職域の連携の記載がありましたが、そういった中にも地域の中で受けたデータ等が産業医の目に止まるようなことを奨励するというのもあっていいのではないかと思っています。それをデータとして渡すかどうかというのは本人の同意の必要があって、本人が渡せばいいと思っていますから、そういった形の気づきを労働者に知らせることも、また必要ではないかと思ったので、一応発言をさせていただきます。
○砂原構成員 関連してです。そのとおりかと思う部分もある一方で、どちらがどうということではなく、職域と地域が連携して、高齢者の健康をつくるということがポイントだと思うのです。
 一方で、もともとのレギュレーションで、職域の中で定期健康診断を受けさせないといけない人というのが決まっています。その人たち以外の人たちにはもともとそういう義務がない。そう考えると、短時間だけ勤務する高年齢労働者本人が希望して、「自分の健診結果を診てくれ」と言うことがないとは言わないですけれども、そういうことが当たり前でもないと思うのです。要するに、両者が連携をして、高齢の人がきちんとヘルスチェックを受けて、それがイコール自己保健義務を果たすということでもあると思いますから、それで職域と地域が連携し、高年齢労働者が健康で働き続けられるように支援をするという観点で記載するということかと、今お聞きしながら思っておりました。
○城内座長 職域と地域は、39ページに連携の必要性が書かれています。これは実際にブレイクスルーするのは、なかなか大変かなとは思っていますが、引き続き事務局でも検討していただいて、ブレイクスルーできるような方法が出てくればいいなと個人的にも思っています。そのほか、御意見等はございますか。
○植村構成員 今回、テクノロジーに関して初めて記載があるのかなと思っているところですが、37ページの上から2パラ目です。支援機器・技術等の様々な知見やメッセージの発信という所があります。こちらに関して、発信する際に、介護のほうで現在ロボットの普及を考えるときに実際に機器を触ったことや見たことがないという事例がよく聞かれるところですので、そういった機器を実際に見られる場とか、紹介する方が一度は触ったことがあるような取組等も必要かなと感じているところです。38ページの(3)(4)に、支援機器の検証とか、人材の育成とありますが、例えば先ほどお話に出ていたキャリア研修等で、使う側の高齢者の皆様が1度はロボットを使う機会があるとか、評価の所に関しては、先ほどの視力が低下したときなど、ちょっと使ってみたらこういった改善ができたといったデータ等も、併せて収集が行えるとよいのかなと思いました。以上です。
○城内座長 そのほか、ございますか。
○東構成員 今の御意見に関してですが、38ページに支援機器・技術等の検証等ということが明記されていますので、恐らくこれは高齢者に限らず、全世代を意識すべきなのかなと考えております。中でも一番の恩恵というか、効果が上がるのが高齢者ではないだろうかというところで、少しその辺のところを意識したというような表現なりを広げるといったことが必要かなと思いました。
 もう一点あります。少し観点は違うのですが、29ページの下から3ポツ目です。「仕事をすることは、それ自体で個々人の健康状態によい影響があるとの言及がある。」という表記がありますので、こういった観点で、自分の中で自己啓発というか、非常にやりがいのある仕事を展開していくという意味合いで、具体例があるかどうかは分かりませんが、もう少し広げてもいいのかなと思います。もう少し言うと、やりがいのある仕事をするために、どのような条件が必要なのかということを自分の中でアセスメントしていくと、その中に、例えば健康ということも出てくるのではないかと思います。先ほど気付きという御発言がありましたが、恐らくそういうことを含んでいるのではないかなと思います。
○城内座長 高木構成員、お願いいたします。
○高木構成員 ちょっと戻って恐縮ですが、先ほど体力テストの所で、気付きという内容の御発言がありましたが、非常に重要なことだと思います。ただ、「体力テスト」という言葉をこのまま使ってよいのかと思います。どうしてもテストという言葉の持つ表現が、気付きとは違うように捉えられる可能性があるので、少し表現を検討するのがよいと思います。
○乍構成員 実は、私も全く同じことをずっと思っております。実際に水平展開するときに社員の人は体力測定や体力テストのイメージが固まってしまっていますので、それで弊社では第1回会議で御紹介させていただいたように、安全をキーワードに、安全体力機能テストというように、安全に働くために必要な体力のテストという名称にしています。ですので、先ほどのキーワードの中の「安全作業」とか、あるいは健康診断を短くした「健診」に対して体力診断の「体診」とか、この名称については実際に我々が労働者の方々に水平展開して実施していくときに、「きつい」とか「競争」とかの体力測定のイメージがすごく邪魔をします。ですので、高木先生がおっしゃるように、名称の問題はとても重要なポイントだと強く思っています。
○城内座長 事務局で御検討をお願いいたします。私も体力テストというと、小中学校の横飛びとか鉄棒とか、やはりそれを思ってしまいますので、非常に重要な御提言かと思います。そのほか、ございますか。
○鈴木構成員 非常に細かい所で恐縮なのですが、36ページの「労働者に実施が望まれること」という中の真ん中辺に、「日ごろからラジオ体操等を行い」とあって、私もそのとおりだと思っています。ラジオ体操は、誰でもどこでもできるという点では非常に有効だと思いますので、文章の中に「ラジオ体操等を『しっかりと』行い」というのを是非入れてほしいと思います。というのは、私が知っているいくつかの事業場では、やらされ感だけでやっているという人が非常に多いように見受けられます。これでは大きな効果は期待できません。しっかりと自分の限界の所まで曲げたり伸ばしたりすれば、相当体力維持もできますが、しっかりやらないと効果は非常に限定的になっていると思います。
 私の事例で恐縮なのですが、60歳まで毎朝、自分なりにしっかりとラジオ体操をやっていましたが、定年になって約1か月間ブランクがあって全くやっていませんでした。その後、また復帰することでラジオ体操をやったら、体力に自信のあった私でも後半のジャンプのあたりでは本当によれよれになるということを実感しました。日頃、何も感じずにラジオ体操をやっていましたが、体力を維持するという面では非常に有効だったのだということをそのときに痛感した次第です。労働者本人もそうだし、周りの管理者もそれに対してはほとんど意識していない、注意していないというのが私の知っている範囲での現状です。そういうことを労働者本人及び管理者が意識しながら、一つ一つしっかりといろいろな体操をやるということは非常に有効だと思います。
○城内座長 木田構成員、お願いいたします。
○木田構成員 少し戻るのですが、22ページです。高齢者の対策に取り組んでいる企業ということで、大企業はかなり取り組んでいるところが多いのではないかなという感覚があったのですが、案外そうではないという状況です。その状況を受けて、37ページのガイドラインをどうやって普及促進していくのかというところで、例えば現在経産省が実施している健康経営優良法人を認定するための評価項目の中に、ガイドラインで決めた高齢者への対策が取り組まれているかどうかといったことを折り込むとか。実は既にアンケート項目という形で入っている高齢者対策に関する質問を少し格上げするなどしていけば、1,000人規模以上の事業所が取り組むというような土壌ができるのではないかなと思います。今後、普及促進していくということ考えたときに、健康経営の中の評価項目の中に何らかの形で入れていくというのは、一つの方法としてあるのではないかと思います。
○城内座長 砂原構成員、お願いいたします。
○砂原構成員 今の話をお聞きして、ちょっと思ったのですが、もともと事業主に安全配慮義務があるという観点からの議論もある一方で、先ほど出ていたように昨今は健康経営が重視され始めています。健康経営は、どちらかというとアワード系で、頑張っている所を表彰するという、そんな取組み方の性質かなと思います。逆に、例えば最低限のものはガイドラインの中で取り組みを進めるのと併せて、高齢者に配慮して、きちんとそういう環境を作っている企業を表彰するとかということも大切で、併用することで、より実効性が上がる可能性もあるのかな考えます。
○城内座長 そのほか、ありますか。
○河合構成員 やはり、体力の部分というのはすごくポイントなのだなと思っております。一般的に体に気を付けるというのは、病気にならないことというイメージで捉える人が多くて、若い頃からそうなのだと思うのですが、若い頃は気にしなくてもよい体力の低下というものを、考えなければならない世代の人たちがこれからたくさん働くようになるということにおいては、体力低下についての知識啓発というのはやはり大事だと思うのです。使用者側が管理する上で、そういう知識を持っている専門家が多いということが必要となります。実際にこれから高齢者になって働く人が増えていくときには、そういう問題に余り詳しくない人たちが多く働くということになります。若い頃は考えなくてもよかったような体力の低下を、いかに抑制していくのか、そのために何に取り組めばいいのかというのは多分ほとんど分かっていないということだと思うのです。
 この報告書全体を見ていくと、ページ数で言えば、36ページの所がすごくあっさりしていると思いますので、もう少し具体的に、もちろん先ほどのラジオ体操もすごく有効な方法だと思うのですが、まず体力は落ちていくものだということから書き込んでいただきたいのです。実際にやらないでいたらどれぐらい体力が衰えていくのか、どういうことが起こっていくのかということもきちんと書き込んで、その上でラジオ体操を含めて、日頃どういうことをやれば体力は維持できるのかということを少しかみ砕いた形で記載していただければと思います。
○城内座長 そのほか、いかがですか。
○高木構成員 今の点に加え、高年齢になると体力低下を含めた心身機能の低下は非常に個人差が大きくなり、同じ60歳でも体力が大きく異なるという実態があります。心身機能の低下には個人差があり、特に年齢を重ねるとそれが拡大することをどこかに入れることを提案したいと思います。
○城内座長 そのほか、何かございますか。では、私から1つお願いというか、提案があります。ガイドラインにそれぞれの、例えば事業者、労働者とか地域連携とかいろいろ書かれていて、これが発表されて皆さんが使おうと思ったときに、ほかのガイドラインでも大体そうですけれども、いっぱい書いてあると何から始めたらいいかがほとんど分からない状態になります。なので、横軸で、これは予防だとか、これはスクリーニングだとか、これは対策だとか、これは最終的にここまでいったら事業者がやらなければいけないのだ等、そういう横展開というか、一番最初に位置付けのようなグラフが1つあったのですが、それに似たようなものをガイドラインの運用上でも作ったらいいと思います。かぶっている所もあるので簡単ではないですが、それがないと、全てをやろうとすると何もやらないほうがいいことになりかねませんので、是非そういうようなものを作っていただきたいと思います。
 そうすれば、例えば継続的な作業だったらここに注意すればいいとか、新規とか転換して仕事を変えた場合には、こういう注意が必要かというようなことも、ガイドラインを読む側がかなり明確に認識できるのではないかと思います。大変かもしれませんが、作成していただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
 そのほか御意見、御希望等はございますか。大体出尽したということで、よろしいでしょうか。事務局から何かございますか。
 それでは、ちょっと早めですが、本日の議論はここまでとしたいと思います。本日、報告書骨子案について幅広く本当にたくさんの御意見を頂きました。本日頂いた御意見を踏まえ、事務局において最終的な報告書を作成し、次回は報告書について御議論いただければと思います。事務局において、次回に向けて必要な調整を進めていただき、準備をお願いいたします。それでは、進行を事務局にお返しいたしますので、よろしくお願いいたします。
○吉岡中央産業安全専門官 ありがとうございました。次回、第5回の有識者会議につきましては、12月25日(水)13:00からを予定しております。その場では、報告書の案について御検討いただくことを予定しておりますが、それまでの間にお気付きのことがあれば、事務局に御連絡いただければ幸いです。それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発な御議論を頂きまして、大変ありがとうございました。