院内感染対策サーベイランス運営会議 議事録

健康局 結核感染症課

日時

令和元年12月19日(木)10:00~11:32

場所

厚生労働省 仮設第2会議室

出席者

荒川議長  大曲委員  柴山委員
菅井委員  長沢委員  早川委員 
針原委員  村上委員  山岸委員
矢原参考人 梶原参考人 平林参考人
田島参考人 遠藤参考人 坂口参考人 
松永参考人 藤井参考人

議題

(1)公開情報・還元情報の対象について
(2)公開情報・還元情報の表記について
(3)注意喚起について
(4)検査部門データ再提出期間について
(5)登録方法について
(6)その他
 

議事

 

○上戸課長補佐 おはようございます。
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「院内感染対策サーベイランス運営会議」を始めさせていただきます。
 本日は、御多用のところ、本会議に御出席いただき、まことにありがとうございます。
 結核感染症課の上戸と申します。
 お集まりいただきました構成員の皆様の紹介をさせていただきます。
 まず、荒川先生。
 岩田先生、きょうは欠席ですね。
 大曲先生。
 柴山先生。
 長沢先生。
 針原先生。
 村上先生。
 菅井先生。
 早川先生はまだ来られていないみたいですので、山岸先生。
 ありがとうございます。
 なお、本日は岩田先生からは欠席の御連絡をいただいております。
 また、本日の議題に関連いたしまして、参考人としてJANIS事務局の国立感染症研究所から矢原先生、梶原先生、平林先生に、AMRの臨床リファレンスセンターから田島様、遠藤様、坂口様、松永様、藤井様にお越しいただいております。
 次に、資料などの確認をいたします。お手元のタブレットを見ていただきまして、1番が議事次第となっております。配付資料一覧がございます。委員の名簿、座席の図、他資料が1から10、参考資料が1と2を御用意しております。
 不足資料がございましたら、事務局にお申しつけください。
 それでは、参考資料1をごらんください。
 「院内感染対策サーベイランス運営会議」は、従来は医政局「院内感染対策中央会議」の下部に位置しておりましたが、平成29年度に所管が健康局に変更されたことに伴い、開催要領が改訂されております。厚生労働省健康局結核感染症課長が招集する会議として、2回目の開催となります。よろしくお願いいたします。
 申しわけありませんが、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 続いて、会長の選任に入ります。
 2018年3月22日、前会議において、構成員の互選により、会長を柴山先生にお願いしております。引き続き柴山先生にお願いすることで、異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○上戸課長補佐 それでは、柴山先生、会長をお願いいたします。
 運営会議の会長が議長を行うこととなっておりますので、柴山先生には議長席にお移りいただきまして、以降の進行をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
(会長、議長席へ移動)
○柴山議長 それでは、よろしくお願いいたします。
 きょうは、議題がたくさんございますので、できるだけ効率よく進めていければと思いますが、皆様、よろしくお願いいたします。
 まず、本日は、議題といたしまして「公開情報・還元情報の対象について」「公開情報・還元情報の表記について」「注意喚起について」「検査部門データ再提出期間について」「登録方法について」が用意されております。よろしくお願いいたします。
 それでは、まず順番にまいりたいと思いますので、議題1「公開情報・還元情報の対象について」ということで、こちらは参考人の矢原先生から、資料1から5の説明をよろしくお願いいたします。
○矢原参考人 説明させていただきます。
 まず資料1「四半期報の廃止とアンチバイオグラム作成ツールの配布」です。
 JANISでは、御存じのように3種類の公開情報を作成しています。四半期報、半期報、年報です。このうち、四半期報および半期報は最低限の精度管理のみを実施した速報という位置づけ、年報はより厳密な精度管理を実施した年次報告という位置づけです。
 ただ、後述する複合的な要因で、慢性的に集計が遅延しておりまして、ニーズの高い年報の作成を優先せざるを得ません。その結果、四半期報と半期報は年報の後追いで公開する状況が継続していまして、速報としての役割を果たすことができていません。
 そのため、検査部門、全入院患者部門の四半期報の廃止と、それにかわって新たに検査部門のアンチバイオグラム作成ツールを配布することを提案したいと思います。
 1.1の表1が現在作成している公開情報と還元情報の一覧、そして表2が今後も作成を継続する予定の公開情報と還元情報の一覧です。
 1.2にまいりまして、公開情報の作成の現況ですけれども、2018年年報は公開されておりますが、2018年の第2から第4四半期報が集計遅延のため、未公開となっております。
 2ページ目にまいります。「1.3 集計遅延の原因」。
 集計遅延の原因に関しましては、検査部門と全入院患者部門では、従来の全体集計に加えて、2014年から病床数別集計、2015年から都道府県別集計を行っています。さらに、検査部門では、2017年年報から外来検体の集計も開始しております。
 また、両部門の参加医療機関数を図2でお示ししております。JANISの参加医療機関数は右肩上がりに増加しておりまして、その一方で集計は細分化していっておりまして、これに伴って作成すべき公開情報、還元情報の種類が増加し、システムが捌くべきデータの量がふえておりまして、システムの恒常的なキャパシティー不足というのが現況です。
 「1.4 集計の遅延解消に向けた2提案」としまして、まず四半期報の廃止。
 繰り返しになりますが、本来の速報としての役割を果たしていない四半期報は廃止するのがよいのではないかと考えます。
 抜本的に解決するためには、システム改修を要しますが、これには新たな費用が発生します。四半期報を廃止して、ニーズの高い公開情報と還元情報の作成に絞ることで、システム負荷の大幅な減少およびキャパシティー不足の解消として、集計の高速化を図るのがよいのではないかと考えます。
 それにかわりまして、検査部門のアンチバイオグラム作成ツールの配布を提案いたします。
 四半期報を廃止するかわりに、検査部門の還元情報のCSVファイルを期間指定で一つにまとめてダウンロードして、このツールにドラッグ&ドロップすることで、その施設オリジナルのアンチバイオグラムを作成できるというツールです。
 四半期報のこれまでの主な一つの機能として、四半期報の中に自施設のアンチバイオグラムが作成され還元されるという点があったのですけれども、四半期報が速報としての役割を果たせていませんので、それにかわって自施設のアンチバイオグラムをよりスピーディーにつくることができるツールを作成して配布することを提案したいと思います。
 以上が第1項です。
 第2項にまいります。「検査部門還元情報にCLSI基準で集計した特定の耐性菌の分離患者数を追加」するというものです。現在、特定の耐性菌の分離患者数は、感染症発生動向調査の届出基準で集計して報告しております。
 しかし、感染症発生動向調査の届出基準は、現在各医療機関が用いている基準、例えばCLSIの基準と相違があるものもあります。
 実際、医療機関からも、感染症発生動向調査の届出基準による集計だけでは、院内では集計している耐性菌が見逃されてしまっている場合があるという問い合わせがふえてきました。
 そこで、還元情報の特定の耐性菌の分離患者数に、感染症発生動向調査の届出基準だけでなく、CLSI基準でも集計した表を追加することを提案したいと思います。
 該当する特定の耐性菌は、図4の赤枠でお示ししているものです。これらの特定の耐性菌に関しまして、感染症発生動向調査の届出基準とCLSI基準の違いをまとめたものが4ページの表3になります。
 一番右側のCLSIという列を見ていただきまして、青字がCLSI 2013で変更になった判定基準、赤字がCLSI 2019で変更になった判定基準となります。
 5ページ目にまいります。「2.2 議論の内容」。
 以上の状況を踏まえまして、1つ目の提案として、還元情報に特定の耐性菌の分離患者数を感染症発生動向調査の届出基準だけではなく、CLSI基準でも集計した表を追加することを提案したいと思います。
 もし、この提案が認められた場合に追加する表の項目としては、例えばVRE(CLSI 2013基準)とか、特定の耐性菌の後に括弧づけでCLSIの何年の基準を使ったものという表記で、還元情報の中にCLSI基準で集計した特定の耐性菌の分離患者数を表記するのがよいのではないかと考えます。
 提案3、提案1が認められた場合、CLSIのどの基準を用いて運用するのかについて議論していただきたいと思います。
 1つ目の選択肢としては、各菌について最新のCLSIの基準を用いて集計することが考えられます。これは、常に最新の基準を用いるというルールが明確です。
 一方、デメリットとして、医療機関が最新のCLSI基準に移行するまでにタイムラグがありますので、最新の基準を用いるのが早過ぎると、医療機関内での認識とずれが生じて、感染対策などの面で迷いや混乱が生じる可能性がございます。
 6ページでございます。「選択肢2」。
 もう1つの選択肢は、各医療機関にどの判定基準を用いているかを毎年確認し、多くの医療機関が採用している基準に合わせた基準を用いるというものです。
 この選択肢のメリットは、多くの医療機関の中での認識との相違が生じにくいということです。デメリットとしては、毎年、各医療機関の結果の集計と判定基準の集計が必要になります。
 もし、この選択肢2を採用する場合には、各医療機関が用いている判定基準をJANISの参加医療機関専用サイトで登録できるように、つまり、『今年は私の病院はCLSI 2013の基準を使っています』というような、どの判定基準を使っているかを入力して登録できるような機能を追加する必要があります。また、各医療機関が自施設の判定基準を知らないという可能性もございます。
 提案4といたしまして、今まで申し上げてきたのは還元情報についてのみですが、将来的には還元情報だけでなく、公開情報についても特定の耐性菌の分離患者数を感染症発生動向調査の届出基準だけではなく、CLSI基準で集計した表を追加したほうがよいかについても議論をお願いしたいと思います。
 現在のアクションプランで、2020年までの成果指標として数値目標が設定されていることから、混乱を避けるために2020年までは公開情報への適用は難しいと思われますが、その後どうするべきかについて、運営会議で御意見をいただきたいと思います。
 次に、資料3にまいります。
 全数把握の届出対象菌種報告時にメールでの注意喚起を実施するというものです。
 過去20年間、国内で炭疽菌の届出件数は0件。
 大変失礼いたしました。順番が前後しておりました。
 資料3「主要菌のEnterobacter spp.を分割して公開情報・還元情報を作成」するというものです。
 検査部門の公開情報および還元情報では「菌名」として、表5に示す菌が設定されている患者の合計値をEnterobacter spp.分離患者数として公開しています。今後はEnterobacter spp.を廃止してEnterobacter cloacaeKlebsiella aerogenesとして公開することを提案したいと思います。
 これに伴いまして、図7にございますようにEnterobacter spp.の緑で囲んだ行を2行にふやすために、枠外の脚注の赤い破線部分を他のページに移動するのがよいと考えております。
 以上が資料3です。
 資料4「検査部門の外来検体版公開情報の帳票」についての説明です。
 JANISの検査部門では「入院検体」のみを集計対象として公開情報および還元情報を作成してまいりましたが、2017年に初めて外来検体の集計値で作成したアンチバイオグラムを「外来検体版年報試行版」として公開いたしました。2018年以降は正式版として継続して公開することに取り決めました。
 2017年、2018年に関しましては、これまで申し上げましたとおりアンチバイオグラムのみ作成しておりますが、入院検体版はアンチバイオグラムを含み7種類の帳票を作成しております。表5にお示ししておりますように、年報は7つのセクションに分かれて集計結果を表にしております。
 外来検体版もこれに合わせて7つのセクションについて、それぞれ帳票を作成すべきかどうか議論いただければと思います。
 各セクションの公開情報の例につきましては、こちらにそれぞれスクリーンキャプチャを載せております。
 資料5にまいります。「公開情報年報の帳票改修」というものです。
 まず「5.1 全入院患者部門『2.新規感染症患者数と罹患率』」のところです。
 これは、感染症別に表を分けまして、過去3年分の発生率を表示するようにしたらよいのではないかという提案です。これにより過去3年分の動向を把握することができるようになります。
 「5.2 ICU部門『3.感染症発生率』」のセクションです。
 こちらにつきましても、感染症別に表を分けて、過去3年分の発生率の推移を見てとれるようにしたらよいのではないかと思います。
 「5.3 ICU部門『4-1.4-2.4-3.感染症別原因菌』」のセクションです。
 こちらは、現在では当年のみの棒グラフが表示されておりますが、こちらにつきましても、過去3年分の集計値および折れ線グラフを表示するようにしたらよいのではないかと考えます。
 「5.4 NICU部門『2.菌種別感染症発症患児数』、『3.感染症分類別感染症患児数』」のセクションです。
 こちらも現状では当年のみの円グラフが表示されておりますが、過去3年分の集計値および棒グラフを表示するようにしたらよいのではないかと考えます。
 以上です。
○柴山議長 ありがとうございました。
 それでは、ディスカッションのほうに移っていきたいと思いますが、順番にまずは資料1のほうから進めていきたいと思います。
 まず資料1「四半期報の廃止とアンチバイオグラム作成ツールの配布」をごらんいただきたいのですけれども、これは、四半期報というのは、今までずっと作成していたわけですけれども、システムのキャパシティーの問題あるいは感染研側の人員の問題等でちょっと対応が遅れているという現状がありまして、速報としての役割を果たせていないということがございますので、1つはこれにかわる案として、各病院が月報で返ってくるCSVファイルを使って、自施設のアンチバイオグラムができるツールを提供することでかわりにならないかということだと思います。
 そういったことと、それに伴い、ニーズがちょっと少ない検査部門の公開情報四半期報、全入院患者部門の公開情報四半期報、この2つについては、なかなかニーズもないことから廃止してはどうかという提案だと思いますが、皆さんのほうから御質問、御意見等いかがでしょうか。
 このようなツールを配布すれば、病院のほうでは、割と四半期ごとに自施設の状況というのをリアルタイムで見ることができると思います。
お願いいたします。
○荒川構成員 ツールはどういうコンピューターの環境で動くのですか。
○矢原参考人 どんな環境でも動きます。
○荒川構成員 WindowsでもMacでも。
○矢原参考人 WindowsでもMacでも動きます。
○荒川構成員 あと、どのぐらいの処理能力があれば、このツールがスムーズに使えるのか。
○矢原参考人 普通のノートパソコンで大丈夫です。
○荒川構成員 ノートパソコンぐらいの一般的な処理能力があればできるのですか。
○矢原参考人 大丈夫です。既にその点はテスト済みです。
○荒川構成員 そうですか。
○柴山議長 このツールというのは、ツールを自分のパソコンにダウンロードして、そこにCSVファイルを読み込んで使うという形になるわけですか。
○矢原参考人 そうです。
ダウンロードして、自分のコンピューターの中にフォルダができて、そのフォルダの中にツールのアイコンがありますので、そこにドラッグ&ドロップする。
○早川構成員 期間とかは自由に設定可能でしょうか。
○矢原参考人 期間は自由に設定できます。
ただし期間設定は、このツールではなく重複処理確認ツールというものが既にあって、そのツール上で期間指定して、還元情報のCSVファイルをまとめてダウンロードできますので、まず、そちらのツールを使って、自分が欲しい期間を指定してダウンロードしていただいて、その1個にまとまったCSVファイルをこれから配布する新しいツールにドラッグ&ドロップすると、その期間のアンチバイオグラムができる。
○早川構成員 菌種とかも選べるのですか。菌種はもう全部入っているのですか。
○矢原参考人 菌種は、現在公開情報で集計している菌種全てが出てきます。
○早川構成員 早ければ、前月の分までつくれるということでしょうか。
○矢原参考人 前月の分。
そうですね。参加医療機関専用サイトで還元情報CSVファイルができているものについては見ることができます。
○早川構成員 すばらしいと思います。
○柴山議長 データを提出して、それで還元情報CSVファイルができあがっていれば、もうそれを使ってできるという形になるわけですね。
○矢原参考人 そうですね。
○柴山議長 ですので、病院としては、自分の病院がデータを出していれば、リアルタイムで自分の病院の状況、耐性菌がどれぐらい分離されているかという状況を自分で解析して、すぐに、容易に見ることができるというツールだということだと思いますけれども、これを従来のちょっと遅れがちだった四半期報に、こういう形で置きかえたいという提案なのですけれども、これは。
○荒川構成員 還元情報CSVファイルができるのは、データを提出してからどのぐらいかかるのですか。昔は24時間以内に提供していましたが。
○矢原参考人 今は、医療機関の方々へのお約束として48時間以内としています。
○荒川構成員 48時間。
○矢原参考人 ただ、それはデータ提出締め切り日間近だとそれぐらいになりますけれども、もうちょっと早目に出していただいたらもっと早くできます。
○荒川構成員 48時間以内に提供。
○矢原参考人 そうですね。
○早川構成員 四半期報で行っていた精度管理と変わらないということでしょうか。
○矢原参考人 四半期報では、ほとんど精度管理はしておりません。
○早川構成員 では、見え方が変わるだけで同じ中身という形で説明できるということですか。
○矢原参考人 そうですね。
四半期報で、例えばVRSAが報告されていないかどうかぐらいは精度管理をしていましたけれども、その程度なので従来、四半期報ではきちんとした精度管理はしていないです。
○荒川構成員 もう一回ツールについて聞くのだけれども、ツールはコンピューターが特定のサイトにアクセスすると、そこからツールのプログラムをダウンロードして、一時的にプログラムがパソコンにインストールされて、それを処理して、その処理が終わったらソフトウエアはまた消えてしまうという理解でよろしいですか。
○矢原参考人 ソフトウエアは御自身のパソコンの中に残ります。
○荒川構成員 ずっと残るの。
○矢原参考人 残ります。
○村上構成員 スマホのアプリと同じイメージですね。
○矢原参考人 アプリです。インストールは要らないです。
○荒川構成員 そのアプリは大体どのぐらいの容量が必要なのですか。
○矢原参考人 容量。
○荒川構成員 ソフトウエアを走らせるために。
○矢原参考人 走らせるのにですか。
○荒川構成員 はい。
○矢原参考人 普通のノートパソコンで大丈夫です。
○荒川構成員 普通のパソコンで大丈夫。
○矢原参考人 はい。
○荒川構成員 結構いろいろなソフトウエアをダウンロードすると、結構メモリーがいっぱいになる人もいますけれども、普通に支障なく使えるということ。
○矢原参考人 普通に先生方がお仕事に使っておられるノートパソコンがあれば大丈夫です。
○柴山議長 そんなに大きなソフトではないのですよね。
○矢原参考人 ソフト自体はそんなに大きなソフトではなくて、インストーラーをダブルクリックしてインストールする必要もないです。
○村上構成員 この図3の画面でダウンロードできるようなアイコンを出していただければ。
○矢原参考人 図3。
○村上構成員 2ページ目の。
○矢原参考人 そうですね。
 参加医療機関専用サイトにログインした後で、ソフトや資料を掲載しているセクションがあります。
○村上構成員 そこからとってくださいと。
○矢原参考人 そこに行くとダウンロードできるように。
○村上構成員 どうしたらいいのということがないよう誰でも簡単に利活用できるように。
○矢原参考人 そうですね。
○柴山議長 わかりやすい形で、ホームページで示す必要があります。
○矢原参考人 今までも、資料と箱ひげ図作成ツールとか、いくつかのツールをダウンロードできるようにしているページがありますので、そこに1行追加してダウンロードできるようにする。
○柴山議長 新着情報でちょっと大きい。
○村上構成員 そうですね。アナウンスをしっかり。
○柴山議長 しっかりお知らせしてあげるといいと思います。
○早川構成員 J-SIPHEでのアンチバイオグラムの見え方とは、少し異なる感じになりますかね。
○矢原参考人 J-SIPHEのウエブサイトにはアンチバイオグラムがあります。
○早川構成員 そうです。J-SIPHEでは感受性率が出てくる形です。
○矢原参考人 重複処理の方法が違っているかもしれないです。
○早川構成員 そうですね。
○矢原参考人 J-SIPHEの中で動いているプログラムは、こちらで使っているプログラムではないので、多分J-SIPHEの中で決められた重複処理がされているはずです。
○早川構成員 そうですね。そのあたりがちょっと違うかと思います。
○矢原参考人 だから、結果はJ-SIPHEの画面で見えるアンチバイオグラムとは多少ずれてくると思います。
○早川構成員 そうですね。ありがとうございます。
○柴山議長 よろしいですか。
 そうしますと、資料1の表1にあります、この赤い丸がついたこの3箇所を今後廃止するということでよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○柴山議長 どうもありがとうございます。
 では、そのように進めさせていただきたいと思います。
 次は、資料2にまいりたいと思いますが、これは現在JANISで用いている耐性菌の判定基準がCLSIの基準と若干違うところがあるということで、医療機関からもお問い合わせをいただくことも結構あるということと、医療機関でも若干混乱しているところがあるので、いっそCLSIでの集計結果も併記する形にしたらどうかという提案だと思います。まず、これは還元情報に併記したいということですよね。
○矢原参考人 そうです。
○柴山議長 その後、公開情報についても、今後の課題として議論したいということですね。
○矢原参考人 議論いただければ。
○柴山議長 このCLSIの基準と若干違うところについて、今後、併記するということについて、いかがでしょうか。
 結構そういうニーズもあると聞いております。
○矢原参考人 実際、事務局のほうにお問い合わせが来ることがふえてはきました。
○早川構成員 CLSIの基準が出てから現場で使っている機械がその基準に合うのに数年ぐらいタイムラグが生じて、また、施設の費用の問題等で古い基準に対応した機械をずっと使っていたりするところもあるかと思います。例えば、4以下という基準が2以下となったときに、その値がないので出せないみたいなことが出てくるのかなと思いました。提案3の選択肢2ですと、確かにクリアはできますが、かなり大変なところもあるのかという気もします。例えば、変わってから4年後とかという感じで揃えると、逆にベンダー側が「CLSIが変わったらJANISも4年後に変わる」と認識してくれたりもするのかという気もします。意見をまとめますと2点、1つ目はMICがなかった場合どうするか、2つ目は、例えば、一定の年数を置いて揃えるということを公言するというのはどうだろうかという意見です。
○柴山議長 これは以前にCLSIの2007から2012に変更したときも、確か同じような議論があったと思うのですけれども、どうしても変更をすると病院さんが対応していないところも結構あって、こちらで判定不能というデータがかなり出てしまう。これはどうしても出てしまうというところだと思いますが、今の早川先生からの御提案というのは、ある程度年数を区切ってこちらから年数を決めてしまえば、ベンダーのほうもある程度対応してくれるかもしれないと。
○早川構成員 そうですね。少なくとも準備みたいなものはできるかなという気はします。
○柴山議長 今まで、前回の判定基準を変更した際ですと、資料2の4ページ目の「選択肢2.」というところにあるのですけれども、これはどの判定基準を使っている病院がどれぐらいあるかというのを確認して、頃合いを見計らって、現在のCLSI 2012に変更したという経緯もあるのですけれども、この辺については、長沢先生、いかがでしょうか。
○長沢構成員 これは、各施設というか、メーカー対応が最初に来て、その後に今度はそれぞれの病院対応になってくるので、同じメーカーが新しいバージョンにしましたと言っても、病院が対応するまでのタイムラグが各施設によってまちまちなのです。2年ぐらい放っておくところもあるし、いや、まだ今のままでいいよというところも。
 あと、早川先生が言ったように、ブレイクポイントパネルがパネルの中心になってくると、低いところが測れない。そこをどういう形であらわしていくのかということだと思うのです。
○柴山議長 今までですと、こういう対応状況を見ながら、こちらのほうから病院の実態に合わせて判定基準を変更してきたということがあるのですけれども、そうしますと、この選択肢2にありますように、感染研のほうでどれぐらいの対応状況かというものを調べないといけないという作業量がふえますが、やはりそのやり方が一番現実に合った形かなと。前回もそういう形でやったと思うのですけれども、タイミングを見計らってこちらからも変更していくというのが、現実的な対応かと思うのですが、感染研側ではそれは対応可能ですか。
○矢原参考人 はい。
これは、参加医療機関専用サイトの中に、今年はCLSIの何の基準を使っているかという入力欄を1つ設けて、医療機関の皆様に入力していただければよいと思います。
○柴山議長 そこを新たに入力していただくようにする。
○矢原参考人 そこは改修しないといけないです。
○柴山議長 新たにそういうところを設けるという形。
○矢原参考人 そうです。入力欄を。
○柴山議長 なるほど。
そうしますと、CLSIの何を使っているかを病院側に入力していただくということになると、何か統計法上の届け出とか、そういったことがひょっとしたら必要になるのかな。ちょっとそこは後で確認したいと思います。
○矢原参考人 それは公開情報の作成に必要な集計対象の項目ではないので、恐らく統計法の対象ではないと思います。
○柴山議長 それは関係ない。
○長沢構成員 この提案2の場合は、いろいろな方法論を列記するのだと思うのですけれども、その基準を、提案2のほうですね。これは、簡単にできるといってはおかしいですが、できるのですか。
○矢原参考人 ふやしていくということですね。
○長沢構成員 いや、これはいくつかの通りで出すわけでしょう。2000何年版がこういうデータ、何年版だったらこうですよとか、幾つも出るわけですよね。
○矢原参考人 そうです。判定基準が変わっているものに関しては。
○長沢構成員 変わっているものに対しては。
○矢原参考人 新しいCLSIの基準で判定基準。
○長沢構成員 これはすぐにできるのですか。そういうのって。
○矢原参考人 これもシステムを改修しないといけないです。
○長沢構成員 改修しなければいけないわけですよね。
○矢原参考人 そんなに難しくはないです。
○長沢構成員 誤解が生まれるようなことはないですか。
○矢原参考人 誤解が生まれないように「(CLSI○○基準)」というような表記をしたらよいと思います。
○長沢構成員 だから、もし誤解がないのだったら、いろいろあれば好きなものを自分で選べるのであれば選んでいいのかもしれないし、ということもあるけれども、ただ、専門の人だったらわかると思うのだけれども、例えば看護師さんなどが見たとき、何だろう、これと思ってしまうのかと、誤解が生まれる可能性も否定はできないという気はします。
○柴山議長 そこをできるだけわかりやすく表記を工夫して、でも、やはり情報量としては多いほうが、皆様としては。
○長沢構成員 そこは現場で見るには、別に選んで見ればいいわけですけれども、やはりそういう検査のことを細かいところが変わっているなんて普通は余り思わないですから、その辺が理解できるならいいとは思います。
○早川構成員 地域連携カンファランスなどで「MDRP」の言葉を使うときに、下の括弧が感染症法上のMDRPなのか、CLSI基準でのMDRPなのかというのを、括弧づけで見るという印象になっていく感じですよね。現在は、MDRPは日本でいうと大体、届出基準と考えていたものは、今後、括弧も含めて考えるという感じでしょうか。
○荒川構成員 今、論議していることは、各病院が自分の還元情報のデータを解析するときに、このような約束事でやりましょうということなのですか。
○柴山議長 はい。
○荒川構成員 要するに、全体の集計をして、年報みたいな形で、全国の発生動向を見ていくときに、ブレイクポイントが変わってしまうと、ある年から急に耐性菌がふえたり減ったりという現象が起きてしまうので、その話はまた別の話ということで、各病院が自分の病院内の分離菌の動向を見ていくときに、どの基準を使ってやるかということですよね。そういうことの論議ですよね。
○矢原参考人 そうです。
○荒川構成員 わかりました。
○矢原参考人 今、早川先生からMDRPの表記について御意見がございましたけれども、誤解を招かないようにCLSI基準で多剤耐性緑膿菌を還元情報の中で示す場合は、MDRP括弧ではなく「多剤耐性緑膿菌(3系統薬剤、CLSI 2013基準)」という表記にしたほうがよいのではないかと。
○早川構成員 先生がおっしゃるとおり、そういった形にすれば誤解もないかと思います。J-SIPHEのほうも文言を合わせていく必要があるかと思います。 
○柴山議長 現場が混乱するといけませんので、そこは非常に重要な点だと思います。できるだけ表記を見る側の皆さんが混乱しないような形で、とにかくわかりやすくするという形で併記をするということでいかがでしょうか。その表記の仕方は、また感染研側と医療センターの先生方と議論させていただくということでよろしいですか。
(首肯する委員あり)
○柴山議長 還元情報については、こういう形で進めさせていただくということでいきたいと思います。
 また、公開情報については、荒川先生からの御指摘がありましたけれども、公開情報はどうしていくのかということになりますと、また国の発生動向を見ていくに当たって、急に基準が変わるとまたそこで傾向が変わってしまうということに、見かけ上変わってしまうことになりますので、これはもう少し様子を見て、また皆様でメールベースでも議論していければと思いますので、こういう形で進めたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
 では、資料3に移りたいと思います。「主要菌のEnterobacter spp.を分割して公開情報・還元情報を作成」ということですけれども、今までEnterobacterについては表4にございますこれらの菌種は、全てspp.ということでまとめられていたわけですけれども、今後はこのEnterobacter spp.を廃止して、表4でいいますと上の2つ目と3つ目、Enterobacter cloacaeKlebsiella aerogenesとして公開することを提案するということだと思います。これについては皆様いかがでしょうか。
○早川構成員 J-SIPHEでも、これまでEnterobacter sppに入れていたK. aerogenesの名前が変わり、分ける方向を予定しています。
○荒川構成員 E. cloacaeは今、E. cloacae complexと呼ばれてるものですね。色々なものが混じっているので、E. cloacaeというよりもE. cloacae complexにしておいたほうがいいのではないかという気がするのです。
○柴山議長 長沢先生、いかがでしょうか。
○荒川構成員 それから、あと、Enterobacter sakazakiiは、もうクロノバクターと属名が変わっているので、E. sakazakii以下は、spp.にインクルードしてしまうということですか。
○柴山議長 そこにある菌名コードのものを今まではEnterobacter spp.としてまとめて集計していたのを、今後は菌名コード名でいうと、2151(E. cloacae)、2152(K. aerogenes)にしたいということだと思います。
○荒川構成員 E. cloacae complexに入らないEnterobacterは数が少ないので、それらもやらない。最初から集計から外すという理解でいいのですね。
○柴山議長 これは、この菌名コードに入ってくるかどうか、これは長沢先生、今何かおわかりになりますでしょうか。
○長沢構成員 いや、今までだと多分、ここに入っているものは全部2150(Enterobacter sp.)のほうに全て変換していたわけです。
○矢原参考人 集計するときにEnterobacter spp.というくくりで集計していたみたいです。
○長沢構成員 ですよね。
 これを全部そっちに入れてしまったということですよね。2151も2152全部2150のほうに合体したというイメージですよね。
○矢原参考人 そういうイメージです。
 「spp.」という表記で集計しています。
○長沢構成員 そのとおりですね。
 私も前から、分けたほうがいいのにと思ってはいたのですけれども、日常現場でsp.で返すことはないので、やはりE. cloacaeK. aerogenesなど、そういう形で業務はやっていますので、あえてここでspp.にするのですね。残りのものは、そうするとデータには出さないということですよね。
○矢原参考人 はい。表には出てこなくなります。
○長沢構成員 もう出なくなるということですよね。
○矢原参考人 そうです。
○早川構成員 質量分析(MALDI等)の同定の流れなどで、今後同じような形で属名が変わりそうな菌、特に影響の大きい菌というのもありますでしょうか。
○長沢構成員 属名が変わるというよりも、今までは生化学性状や遺伝学的な分類でやっていたものが今後は大規模施設では質量分析(タンパク質同定)になってきますので、どうしても一致しないところが今少しずつ出てきているのですが、まだそこを考えるのはもうちょっと後でもいいかと私は思っています。どうしても、分類として今まで聞いたこのない名前が出たりして、いずれにしろ、現在のJANISで使用している菌名コードだけでは足りなくなってくると思うのです。だから、その辺りをどうしていくか検討する必要があると思います。
○矢原参考人 また今後の課題として。
○長沢構成員 菌名コードをどうするかとか、どの菌を一緒にするのか、同定方法は何なのかなど難しいところはあります。
○柴山議長 また一つ大きな話になってくる。
○長沢構成員 そうですね。
 もう少し普及してきたら、今は大規模施設が中心だと思うのですけれども、そのうちやはり一度議論は必要だし、分類が分かれていってしまったものをどうするのか。それは埋もれていいのか、臨床的に必要なものはやはり拾い上げないといけないと思うのですが、まだそこは議論されていないのではないかという気がするのです。
○柴山議長 そうですね。
 MALDIの普及とともに、その辺がこう。
○長沢構成員 そうですね。
 早いうちに議論は一度必要かとは私も考えています。
○柴山議長 MALDIに合わせたこのコードの振り方を、今後も、これはちょっと今すぐに、きょうはなかなか。
○長沢構成員 できないと思います。
○柴山議長 無理な話だと思いますので、また。
○長沢構成員 どこまで増やす必要があるかというところだと思います。
○柴山議長 そうですね。
○長沢構成員 病院の対応も、知らない菌が出ても既存の菌名から選択して報告する施設もあるし、そのまま報告する施設もあるし、やはりまだ混乱しているところが少しあるので、その点はどこかで統一させる必要がある気がします。
○早川構成員 J-SIPHEのほうは、こういうことが起きるたびに、そのspp.の中身が変わるのは大変なため、できるだけ重要な菌は個別にしておこうという方向性で検討しています。
○柴山議長 そうですね。
 今回、そういう意味からは、現在のEnterobacter spp.を、とりあえずE. cloacaeK. aerogenesの2つに分ける。今の段階ではこういったことでよろしいですか。
 今、いろいろな御意見が出ましたけれども、これはまた非常に重要なことですので、今後、引き続き皆様で議論を続けていければと思います。
○山岸構成員 1点だけよろしいですか。
 変更すると、前後で経時的に比較するときに、この影響を受けるのか、受けないのかという問題が起こると思うのですけれども、先ほど言われた残りの4つのものはほとんどゼロであれば余り心配しなくていいということになると思うのですけれども、そういうことで余り心配しなくてもよろしいですか。
○柴山議長 その辺どうでしょうか。
○矢原参考人 全体としての割合は非常に少ないと思います。
○山岸構成員 そこをきちんとここから変わりましたということを明記していれば、そのまま真っすぐつないでしまっても問題なかろうという観点ですよね。わかりました。
○荒川構成員 EnterobacterのところはE. ludwigiiとかE. kobeiというものがあるのだけれども、これはE. cloacaeの中に含めて集計するという理解でいいのかな。E. cloacae complexには幾つか菌名コードがあるのかな。
○柴山議長 これは、菌名コードがどうなっているか今すぐにはわからないです。
○長沢構成員 菌名コードはないのではないかと思います。
○矢原参考人 菌名コードはないと思います。
○荒川構成員 ない。
○長沢構成員 ないです。
○荒川構成員 ない。
○長沢構成員 私の記憶ではないと思います。20年前に荒川先生と一緒に作ったものですよ。
○荒川構成員 それから更新していると思ったのだけれども、していない。
○長沢構成員 頻繁に変更してはいけないという話だから、更新していないです。
○荒川構成員 そう。
○長沢構成員 はい。はっきり言われましたので。
○荒川構成員 そう。そこはちゃんとやらないと、おかしくなってしまう。
○柴山議長 余り分離例がないかもしれませんけれども、絶対に分離されないとは言えません。
○荒川構成員 いや、E. ludwigiiは多い。E. cloacae complexの半分以上はE. ludwigii
○長沢構成員 ただ、普通は出てこなかったような気がします。質量分析装置だと出てくるかもしれないけれども、通常の自動分析装置ではデータベースに含まれていないので出ないですよね。
○荒川構成員 いや、生化学性状だと多分区別できない。
○長沢構成員 できないですよね。
 だから、要するに、検査室ではそれが同定できない。
○荒川構成員 質量分析装置だったらできるかもしれない。
○長沢構成員 できるかもしれませんけれども、自動分析装置だと生化学性状では分けられないので、菌名コードを作ったとしても、おそらく病院からは報告されてこないと思います。
○荒川構成員 いずれにしても、このE. cloacaeというのがE. cloacae complexだということは、それはいいのですね。
○長沢構成員 それはそういう分類になったと思います。
○荒川構成員 E. cloacaeというのは個別に。
○長沢構成員 ただ、E. cloacae complexとしてしまうと、さっき荒川先生が言ったように、他のも全部入れなければいけないので、E. cloacaeとしておけばそういう自動分析装置で出てきたE. cloacaeのことだと思う気はします。
○荒川構成員 ちょっと詳しくこのE. cloacaeという菌を調べてみるとE. cloacaeの標準株になっているものと同じものはほとんどないのです。あれは例外で、ほとんどがE. cloacaeによく似ているけれども、中身はE. ludwigiiとかE. kobeiとか、そういうものなので、多分E. cloacaeにしてしまうと、かなり誤解が生じるかもしれません。
 だから、脚注でもいいからこのE. cloacaeというものにはどういうものが含まれているかぐらいのことは説明しておいたほうがいいと思います。
○長沢構成員 WalkAwayなどの自動分析装置では、同定できる菌に限界があるります。
○薬剤耐性研究センター川上 お話してもいいですか。すみません。
自動分析装置でE. cloacaeとして同定された菌種を質量分析装置で同定しますと、表4の2155(Enterobacter asburiae)や2156(E. cancerogenus) なども含まれます。
 実際には、現在質量分析装置で同定可能なE. cloacae complexの菌種としまして、荒川先生が言われたようなE. kobeiなどの菌種がE. cloacae以外に5菌種あります。国内では質量分析装置が普及してきていますので、今後はE. cloacae以外のE. cloacae complexの菌種名の報告が増える可能性が予想されます。
〇荒川構成員 ということは、このE. cloacaeというのは、E. cloacae complexだということでいいのですね。
○薬剤耐性研究センター川上 はい。
 今は分けられていないけれども、実際にはそういうことになります。
○柴山議長 このへんの表記は誤解がないように、脚注で説明しましょう。
○長沢構成員 E. cloacae complexで間違いないのです。
 では、さっき言ったようにこの下の菌(菌名コード2153~2156)を全部入れる必要があるかとか、そういう議論にもなってしまうと思うのです。
○柴山議長 ちょっとそこの議論は、また。
○長沢構成員 とりあえず今は検査室で報告しているE. cloacaeだということでしか、今のところないのかなという気はします。
○柴山議長 多分、そういう形で出してあげれば、現場もそんなに混乱しないかと思いますので、今出た議論については本当に重要な点ですので、引き続き議論していきたいと思います。
○長沢構成員 ぜひ、荒川先生がいろいろ論文を発表して普及してください。
○荒川構成員 そちらで頑張ってもらわないと。
○矢原参考人 帳票上の表記は、E. cloacaeでよろしいですか。E. cloacae complexのほうがよろしいと思われますか。
○荒川構成員 最近は、E. cloacae complexを使うのが学術的には多い。
○早川構成員 細かいところまで同定できる病院で、E. cloacae以外の菌名がついたときに、こういう菌だったらE. cloacae complexのグループに入れてもいいという表みたいなものは存在するのですか。
○荒川構成員 それはその分野に詳しい川上さんに検討してもらおう。
○長沢構成員 表があれば当てはまるケースはあると思いますけれども、今はまだ一般の検査室はやっていないと思います。
○早川構成員 病院ごとの判断で、この菌はE. cloacae complexに入れる、入れないとなると、結構集計への影響が大きいかと思っております。
○長沢構成員 現時点ではやはり、まだ自動分析装置が多いので、自動分析装置でE. cloacaeと同定されたものという解釈をするしかないと思います。
○荒川構成員 だから、検査室で実際やっているルーチンの検査では、E. cloacaeと同定されるけれども、実際にはE. cloacae complexだということがわかれば、脚注にそういうことを書いておけば。
○長沢構成員 そうですね。そういうことを脚注に入れておけばいいかもしれないですね。
○柴山議長 ちょっと脚注の書き方を工夫して、考えていきましょう。
○長沢構成員 それぐらいのほうがいいと思います。
○柴山議長 時間も押しておりますので、資料3はそのような形でいきたいと思います。
 続きまして、資料4ですけれども、外来検体の公開情報の帳票を入院検体の帳票と同じような形に合わせたいということであります。表5でいいますと、今まで外来検体というのは、「7.主要菌の抗菌薬感受性」しか集計していなかったのですけれども、今後、入院検体の集計と同じような形にしたいということでありますが、これについては特によろしいですか。こういう形で公開情報を拡充していきたいということです。
○矢原参考人 あったほうが。ないよりは。
○長沢構成員 そうですね。
○柴山議長 特に問題はございませんか。
 それでは、資料4はその形で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 資料5に移りたいと思います。
 「公開情報年報の帳票改修」ということで、これは全入院患者部門が現行ですと、当年のデータのみが出ているわけですけれども、これを過去3年分出すようにしたい。そうすると、過去、直近3年の年次推移がわかりやすくなるという提案なのですけれども、いかがでしょうか。これは、全入院患者部門とICU部門、NICU部門も資料5にあるような形に修正していきたいということであります。
 こちらの表についても、感染研側で案を作りましたが、情報量としては過去3年分に増えるということだと思います。
○荒川構成員 この左側の棒グラフは、一番右側の箱ひげ図に置きかわるということですか。
○柴山議長 箱ひげ図にかわる。
 箱ひげ図になることで、スペースが節約できるので、そこに当年、前年、前々年。
○荒川構成員 3年間。
○柴山議長 3年間をお示しする。箱ひげ図に置きかえるというところです。
 棒グラフのほうが、若干イメージがつきやすいのかもしれませんが、箱ひげ図でも特に問題ないとは思うのですが、こちらも特に問題ないですか。
 それでは、この形で進めさせていただきたいと思います。
 時間も大分押しておりますが、それでは、続きまして議題2「公開情報・還元情報の表記について」ということで、矢原先生から資料6と7について、説明をお願いいたします。
○矢原参考人 資料6は、検査部門のアンチバイオグラムの薬剤の表記の順番を変更するというものです。
 検査部門のアンチバイオグラムの中で、日本化学療法学会に準じて、資料6にお示ししている順番に変更する。そうなっていないものについては、日本化学療法学会の基準に基づいて変更することを提案いたします。なお、ブドウ球菌に関しましては、最後に抗MRSA薬をまとめて表記することを提案します。
 具体的に主要菌ごとに表記順がどう変わるのかということに関しては、6.1項にお示ししています。これが資料6です。
 資料7「検査材料別分離菌数割合」について。
 まず、この表に関しまして、対象帳票の菌名の表記が“sp.”となっているものがありましたので“spp.”と変更するのがよいと考えます。
 そして、本題になりますけれども、このセクションに関しましては、現在、重複処理していない菌数が表示されています。公開情報の帳票の中で、このセクションだけ重複処理をしていない値が表示されていまして、その点が紛らわしいという指摘を医療機関の皆様からいただくことがあります。そのため、公開情報全体を通じて、このセクションに関しても重複処理後の集計値を示したほうがよいのではないかと考えます。
 実際、血液検体と髄液検体について、高速集計ツールを使って重複処理をした場合としない場合でどれぐらい値が変わるのかという比較を行い、資料にお示ししています。
 以上です。
○柴山議長 ありがとうございました。
 それでは、議論のほうに移りたいと思いますが、まず、資料6のほうから「検査部門主要菌の抗菌薬感受性における薬剤表記順変更」ということで、これはアンチバイオグラムの薬剤の順番が今までちょっとばらばらだったところがあったのですけれども、これを日本化学療法学会の資料に準じた形にしたいということで、これはただ順番を変えるだけですよね。
○矢原参考人 そうです。
○柴山議長 そういうことですよね。
 これについては、いかがでしょうか。
 特に御意見はございますでしょうか。
 私も、結構ばらばらしているとは思っていたのですけれども、よろしいですか。
 荒川先生、特によろしいですか。この順番について。
○荒川構成員 何でこういう順番にしたのか不思議です。確か、検体数が多い順番に並べたような気もする。別に順番はいいとして、一つ気になるのは、将来的に英語版のホームページもつくって公開していく場合に、海外とJANISで異なる抗菌薬の略名がある。
 だから、国によってアメリカ側のCLSI、ASM(American Society for Microbiology)、日本化学療法学会の省略形がかなり違うので、その辺りを将来的にどのように考えていくのか、この省略形を使い続けるのか、直すのかというところは、どのような論議になっているのか教えてください。
○柴山議長 日本語版については、当然、見るのは日本の方が多いわけですので、これは日本で普及している表記にするのがいいとは思うのですが、確か現在でも英語版で公開している公開情報の表記は国内版と同じものになっていますかね。
○矢原参考人 同じです。
○柴山議長 確かに、これは海外の方から見た場合に、ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
○矢原参考人 少なくとも、対応表を海外版の帳票の中に1ページ入れておいたほうがいいような気がします。
○柴山議長 対応表に関しては感染研側で考えましょうか。
 恐らく日本で普及している抗菌薬の略名で海外に発信しても、なかなか理解していただくのは難しいと思いますので、感染研側のほうで考えさせていただきます。
 その他は特によろしいですか。資料6については。
 では、このように進めさせていただきますので、ありがとうございました。
 続きまして、資料7ですけれども「検査部門公開情報『2.検査材料別集計対象医療機関数、検体数、分離菌数』および「3.検査材料別分離菌数割合」のところで、表6に示してある数字が、現在は重複処理前の集計結果が書いてあるのですけれども、JANISの他の集計項目はすべて重複処理後のデータを使って集計をしているので、この部分だけ重複処理前の集計結果が出ているというのは、ちょっと齟齬があるのではないかという御指摘がありました。
 ですので、これも他の集計項目に合わせて、重複処理後の集計結果を今後出していったらどうかということです。あるいは併記するのがいいかとか、そういったことを議論いただきたいと思います。重複処理によって、表6を見ていただくとわかりますように、重複処理をするとかなり集計結果ががくんと減るのですよね。それをグラフ化したのが、表6、あるいは図14ですけれども、かなり数が減ります。
○早川構成員 JANISの重複処理のルールは1カ月以内でしたでしょうか。
○矢原参考人 同じ患者から、同じ菌種が複数回出た場合は、30日以内だったら重複処理対象になる。31日以上経過していたら、別エピソードと考えて、別扱いする。
○早川構成員 わかりました。例えば、血液分離検体で青と赤のグラフを見ますと、S. aureusS. epidermidisがひっくり返ったりするのは、髄液のクリプトコッカスとかも同様かと思いますが、一回血流から陽性になると、消えるまでに少し時間がかかるので、多分それを反映しているのかと思います。培養陽性件数で見ていたものを、血流感染のエピソード数で見るというな感じになるのかと思います。臨床現場では困らないかもしれませんが、検査室での検出数の実感とはちょっとずれてくるかもしれないです。もしかしたら、重要な血液検体と髄液検体に関しては、当面併記してもいいのかもしれないと思います。あとは、トレンド解析の研究などをされる先生が、影響を受けるのかもしれません。
○柴山議長 これは、併記することについては、特に技術的には問題ない。
○矢原参考人 問題ないです。
○柴山議長 併記に関しては、併記すると決定したら、実現は可能なのですよね。
 もう、これは分離菌数からエピソード数ということに変わるので、意味合いも変わってきます。いきなり今までの集計結果をなしにして変えてしまうよりも、私は技術的に可能であれば併記で行ったほうがいいかと思います。
○矢原参考人 大丈夫です。技術的には。
○柴山議長 いかがでしょう。
 これは、もう併記するということでよろしいですか。
(「はい」という声あり)
○柴山議長 では、そのように進めさせていただきますので、ありがとうございます。
 それでは、議題3のほうに移りまして「注意喚起について」、これも矢原先生から、今度は資料8の説明をよろしくお願いいたします。
○矢原参考人 資料8です。
 これは、過去20年間、都内での炭疽菌の届け出件数はゼロ件であるにもかかわらず、医療機関からJANISへ送られてくるデータの中に、炭疽菌が多数存在するという指摘がありました。これは、医療機関での菌名とJANISの菌名コードの紐づけの間違いだと思われます。
 このように、全数把握の届け出対象菌が、もしJANIS報告データの中に含まれていた場合、注意喚起のメールを自動送信するようにしたらよいのではないかという提案です。対象菌種は表7に一覧表としてお示ししております。
 以上です。
○柴山議長 ありがとうございました。
 各医療機関からJANISに提出されるデータの中に、通常なら余りあり得ないような菌種の菌名コードが含まれている場合が結構あるということで、そういう場合は、精度管理の意味も兼ねて自動送信メールで医療機関のほうにお知らせをしてあげるといいのではないかということです。
 このようなケースは、菌名コードの設定が間違っていることが原因のほとんどだと思いますので、検査室が菌名コードの設定を間違って提出した菌種が、特に感染症法の届け出対象だったりすると、病院のほうも混乱するといけません。こういったことでお知らせするということなのです。表7の一覧表には、現在JANISで集計対象となっている菌種以外の菌種も色々あげられていますが、これは、感染研で対象菌種を選択するにあたって、こういう報告が実際あったのでしょうか。
○矢原参考人 いや、これに関しては、全数の把握対象のものを推察した形です。
○柴山議長 感染症法を参考にしたということですか。
○矢原参考人 そうです。
○柴山議長 この表7というのはね。
○矢原参考人 そうです。
○柴山議長 これは、資料8にございますように、感染症法で、国内での届け出数がゼロ件、あるいは極めて稀だというものにもかかわらず、JANISへ提出されるデータに含まれている場合は、警告のメールを自動送信するということです。
○梅田室長 すみません。
 ちょっと確認させていただくと、この「問題菌」という扱いにされていますけれど、要は、きちんと検査されて報告されたとすれば、それは正しい結果として受けとめないといけません。つまりは入力に問題がないかを確認するということだと思いますので、「問題菌」という表現は相談させていただければと思います。
○矢原参考人 「問題菌」というのは、あくまで現在医療機関に送信しているメールの例ですので、今回のこの対象に関しては別の名前をつけていただいてもちろん結構です。
○柴山議長 「問題菌」という言い方が、私も内部での会議でもちょっと議論になりました。この「問題菌」という言い方ですと。
○矢原参考人 「全数把握届け出対象菌」でよいのではないでしょうか。
○柴山議長 そうですね。
 あるいは「稀な菌」とか。
○梅田室長 そうですね。
○長沢構成員 逆に報告がありそうですね。特に、レジオネラなどは。
○山岸構成員 この作業を行うことの趣旨は、精度管理にあるかと思うのですけれども、こういう菌の報告があったらちょっとおかしいなというので確認を依頼するということと、同時に、恐らくもっとありふれた菌も間違って紐づけされている可能性もあるけれども、それはなかなか気付くことは難しいので、これをきっかけにして見つけるということだと思うのです。
 そうすると、この部分だけをチェックしてくださいというよりは、全体的な系統的に菌名コードの紐づけが間違っていないかというところも、これをきっかけにして確認してもらうようにされると、より精度が上がってくるのではないかと思います。その点も検討していただければと思います。
○柴山議長 おっしゃるとおり、この自動送信メールのところに、この菌の菌名コードだけではなく、他の菌種にも間違いがないか御確認くださいという趣旨をメールに書き加えておくといいかもしれない。
 文面は、感染研側で検討させていただきたいと思います。文面を追加する件と、「問題菌」の表記の仕方は、感染研で検討したいと思います。
 先ほど、矢原先生が言っておられました「全数把握届け出対象菌」という言い方だと、この表7には、全部は含まれているわけではないと思うのですが、どうですか。
○平林参考人 薬剤耐性菌は載っていないです。
 薬剤耐性菌は既に集計しているので、薬剤耐性菌以外の菌は全部です。
○柴山議長 そうすると「全数把握届け出対象菌」と書いてしまうとちょっと。
○平林参考人 ウイルス等はもちろん入っていないです。
○柴山議長 そうすると「比較的稀な菌」とか。
○荒川構成員 ブルセラ症とか野兎病は入っているけれども、リステリアが入っていないのはどうして。
○柴山議長 リステリアは、これも感染症法に入っていないからということですか。
○平林参考人 そうだと思います。
○柴山議長 そういうことで。
○平林参考人 はい。感染症法に入っていないものは入れていないです。
○柴山議長 入っていないからということですよね。
○平林参考人 感染症法の全数把握のものだけです。定点のものも入れてないです。
○柴山議長 とりあえず、この表7のリストの対象菌で、まずは実施してみようと思いますが、よろしいですか。
(首肯する委員あり)
○柴山議長 では、この形で、文面等は感染研で検討して進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
 それでは、資料8が終わりましたね。
 次は議題4「検査部門データ再提出期間について」ということで、矢原先生から資料9の説明をよろしくお願いいたします。
○矢原参考人 検査部門は、皆さん御存じのように、最も参加医療機関数が多く、医療機関の皆様が提出してきているデータの量も、他の部門と比べて突出して大きくなっています。現在の仕様では、2014年までさかのぼって過去のデータを再提出することができます。
 もし、過去のデータが再提出されると、JANISのシステムでは、再提出に伴って過去の還元情報が広範囲で再作成されます。次のページの表8では、2018年12月時点で、例えば2014年8月のデータを再提出した場合に、還元情報がどれぐらいの範囲で再作成されるのかをお示ししています。
 9.1の説明にまいります。
 データの量の多い複数の医療機関が過去にさかのぼって、仮にデータ提出を行った場合に、システムの負荷が増大して予期せぬシステムトラブルとか、あるいは還元情報の作成遅延が起こるおそれがあります。幸いこれまでそのような事態は起こっておりませんが、年を追うごとに参加医療機関が増えていますので、あらかじめトラブルの防止策を講じておく必要があると考えます。
 そこで、検査部門のデータ再提出が可能な期間に制限を設けるのがよいのではないかと考えます。具体的には、データ提出が可能な期間は、現在を含めて過去3年間としたいと思います。
 以上です。
○柴山議長 ありがとうございました。
 現在ですと検査部門の過去データにミスが見つかり、病院がもう一回出し直すということがあるのですけれども、その再提出できる期間は現在ですと過去5年ですか。または期限がないのですか。
○矢原参考人 過去5年です。
○柴山議長 過去5年まで出せる仕様になっている。
○村上構成員 どの程度の医療機関がそんなに古いデータを出し直すのですか。
○矢原参考人 ほとんどないとは思います。
○村上構成員 ないですよね。
 3年も別に要らないのではないですか。1年とか。
○矢原参考人 そうかもしれないです。
○柴山議長 これは、提出可能な過去が余り多いと、システムにも負荷がかかり、またもう一回全部集計し直すということが行われる。
○矢原参考人 つくり直さないとといけない。
○長沢構成員 年報の公開情報が変わってしまうのですか。
○矢原参考人 公開情報は変わらないです。医療機関の還元情報だけです。
○長沢構成員 還元情報が変わるだけ。
○矢原参考人 そうです。
○早川構成員 もしかしたら、1年ではないほうがいいのかもしれません。何かのエラーに気づいたときに少し前まで遡って入力し直さないといけない可能性があるからです。
○村上構成員 そうですね。今、公開情報のデータは変わらないとおっしゃったから、1年でなくてもいいかもしれません。3年でもいいかもしれない。
○柴山議長 例えば、3年ですと、システム的にも対応できるということであれば。
○早川構成員 そうですね。それであれば。
○矢原参考人 2年でも、3年でも、それはどちらでもいいです。
○早川構成員 1年だと少し心配です。
○矢原参考人 1年は、システムのほうもちょっと心配ですね。
○柴山議長 とりあえず、システム的にも大丈夫だということなので、とりあえず3年ということで。
○矢原参考人 ちょっと余裕を持って3年ということに。
○柴山議長 余裕を持って3年。
○村上構成員 わかりました。
 いろいろな背景を知ったら、3年でいいと思います。
○柴山議長 3年ということで、よろしいですか。
 では、そのように進めさせていただきたいと思います。
 それでは議題5「SSI部門の合併手術登録方法」について、矢原先生から資料10の説明をよろしくお願いします。
○矢原参考人 これは、SSI部門に関するものです。
 SSI部門において合併手術でSSIが発生したが、SSIが発生した手術手技をサーベイランス対象としていないケースについてです。
 例えば、心臓手術(CARD)、それから胸部とグラフト採取部位の切開を伴う冠動脈バイパスグラフト(CBGB)、そして胸部大動脈手術(TAA)が行われて、弓部大動脈の人工血管の感染を起こしたが、医療機関ではCARDとCBGBのみをサーベイランス対象としているケース。この場合、JANISでは合併手術でSSIが発生した場合、いずれか1つをSSIへ登録するという運用にしています。
 このケースは、CARD、CBGB、そしてSSIが発生したTAA(SSIあり)で登録すべきなのですが、医療機関がそもそもTAAをサーベイランス対象としていないため、CARDとCBGBしか登録できません。
 このような場合に、どのように登録する運用にするかという話です。
 運用パターン(1)(2)(3)として、このうちの一つを採用するのがよいのではないかと考えます。
 (1)は、CARD、CBGBどちらかを、予後により影響の大きいほうをSSIありで登録、残りはSSIなしで登録。
 (2)は、行った手術としてCARD、CBGBを登録する。どちらもSSIなしで登録する。
 (3)は、この事例に関しては、CARD、CBGBもサーベイランス対象外として登録しない。
 どれがよろしいでしょうかという点です。
 現在のところは、(1)の案で運用しています。
○柴山議長 ありがとうございました。
 このSSI部門で合併手術、複数の手術手技を同時に行った場合にSSIが発生したが、そのSSIが発生した手術手技を集計対象にしていない場合、どのように登録したらいいかということなのですけれども、これは針原先生、これまで何度も御相談させていただいたところなのですが、いかがでしょうか。
○針原構成員 SSIは、こういう状況で起こることは非常にまれだというのが1点。
それから2点目は、どのように登録するかといったときに、各施設がデータを出す時にどう感じるのか。全体集計に与える影響を考えると、影響としては恐らく非常に少ない事例なので、どれを選んでも余り変わらない。
 次は、各施設がどう考えるか。手術をしてSSIが起こっているのに、SSIなしで登録するという方が感覚的に合わないので、従来からやっているどちらかには集計を入れておくという、(1)の方法がよいと思う。やはり今までやってきた各施設もゼロで登録が残っているのは違和感があると思う。
 実際には、本当にまれだと思うのです。TAAも普通は一緒にサーベイランスの対象にしております。そういう意味では。もしこういう状況があれば、やはり従来と同じ方法の(1)をお勧めするのが、適当かと思っています。
○柴山議長 SSIなしというのは、それは余りにもおかしいということで、予後により大きな影響を与える手術手技、集計対象にしている手術手技で、SSIありとして登録していただくということですか。
○早川構成員 その次の年には、TAAを選ぶことができるのですか。
○柴山議長 これは、次の。
○早川構成員 その施設がたまたまTAAを選んでおらず、数件続けて出てしまったような状況の際に、そのときはCARDかCBGBのどちらかで登録しないといけないとして、次の年にはTAAを足すことは可能でしょうか。
○柴山議長 足すことはできますよね。
○矢原参考人 足すことそのものは随時可能ですが、集計の都合上、半年または1年に1回、という運用にしています。
○早川構成員 半年または1年に1回であればできるのですか。
○柴山議長 次の年に追加すると。
○早川構成員 サーベイランス対象にしていないものが多いときには、次の年からは変えることができるのですね。わかりました。
○針原構成員 各施設で考えてもらうのですよね。TAAを対象にしようかなと。
○早川構成員 そうですよね。
○柴山議長 そうですね。
○針原構成員 普通は考える。
○柴山議長 こういうことが起きれば。
 それでは、よろしいですか。
 こういった形で、今回は資料10では例としてこの心臓手術のケースをお出ししたのですけれども、他でもこういう事例が今後あるかもしれませんので、これに準じた形で対応していくということで、よろしいですか。
 では、このように進めさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 以上で、後半はちょっと早く議論が進みましたので、かなり順調に進んでおりますが、以上で御用意した議題については、ディスカッションが終わりましたけれども、全体を通して、あるいは最初のほうの議論はかなり急いでしまいましたので、何かございましたら、今御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○矢原参考人 決めていただきたいこととして、資料3のEnterobacter spp.を分割するという話はいつから公開情報に反映すべきでしょうか。
 次の1月の公開情報、還元情報から反映しようと思うと、急いで脚注の文面を決める必要があります。
○柴山議長 一応、今からでも間に合うことは間に合う、最短で次の公開情報ということになるわけですね。
○矢原参考人 要確認ですけれども。
○長沢構成員 これから出る統計を変えるのですよね。
○矢原参考人 そうです。
○長沢構成員 今までの集計はそのままですね。
○矢原参考人 そうです。
 変えるのは1月のタイミングがよいと思いますので、次の1月か、次の次の1月か。
○針原構成員 技術的に、もう残りもあと2週間とかですが、次の1月からでも間に合うのですか。
○矢原参考人 脚注の文面を決めて、本当に間に合うかどうかは今、ちょっと確認します。
○村上構成員 急がないほうがいいですよね。新年度からとか。
○矢原参考人 余り急がないほうがいいと思います。
○長沢構成員 急がなくても。
○矢原参考人 急がなくてもいいですね。
○柴山議長 年度の途中というと変ですし。
○長沢構成員 まだKlebsiella aerogenesも全ての施設が変わっていないと思うのです。
○早川構成員 そうですか。
○長沢構成員 だから、そういう意味ではそんなに急がなくても、多分わかっている人はわかっています。
○矢原参考人 次の次の1月からにしていただけると。
○長沢構成員 それでいいのではないかな。
○柴山議長 再来年(2021年)の1月ということですか。
○矢原参考人 ええ。
○柴山議長 そうすると、こちらも準備期間ができるのでいいと思います。
 では、そのような形で再来年(2021年)からということで準備したいと思います。
○長沢構成員 あと1週間、2週間では無理でしょう。
○柴山議長 あと、他には何かございますか。
○村上構成員 繰り返し動向と申し上げてきたので、3年間の動向が少しわかるようになってありがたく思います。
○柴山議長 これは村上先生からずっと御指摘を受けていたところです。
○荒川構成員 ちょっと質問。
○柴山議長 はい。
○荒川構成員 全体的なことで、きょう皆さんにいろいろ決めていただいたのですけれども、大元のところで、住民票の発行トラブルや、ハードディスクの廃棄問題など、最近いろいろ情報管理上の問題が頻発しているのですけれども、このJANISのシステムのデータ管理のセキュリティーのレベルとかどうなっているのか。
○矢原参考人 レベルは最高峰です。
 民間管理に移行するときに、厚生労働省の情報システム参事官室主導で移行されたわけですけれども、まずクラウド業者を選ぶ段階で、格付がありまして、その一番厳しい格付を満たしている業者ではないと、そもそも運用はできないという指針で進めました。
○荒川構成員 それなら、住民票のデータ管理もかなりレベルの高い会社が受け負っていたと聞いたのですが。
○矢原参考人 そもそもクラウド運用業者もレベルが最高峰で、そのレベルを満たしている業者は世界でもまだ3、4社ぐらいしかないというのが1つと、物理的にクラウド環境にログインしてデータをとるためには、いわゆるVPNという技術の証明書というファイルを持っていて、物理的なファイルを持っていて、なおかつパスワードを知っていないと入れないです。なので、侵入することは不可能です。
○荒川構成員 この前の住民票の発行トラブルは今でも続いていると思うのですけれども、データの一部が消えてしまった可能性も指摘されていますが、その辺のことも含めてやっていただいていると思っていいのですか。
○矢原参考人 もう一つ申し上げられるのは、ペネトレーションテストという、省庁の中でセキュリティーテストを行うことが推奨されていて、今年度JANISが対象になりました。ペネトレーションテストの結果、3点ほど指摘事項がありましたが、その3点については年度内に修正する予定です。
 それが終わると、現在の中央省庁のペネトレーションテストの基準も全て満たしていることになります。
○梅田室長 今御指摘のあった点については、昨今の事例であるとか、あるいは厚生労働省も過去の事例等がございますので、そういう点では今後もセキュリティー管理については厳しく見直し等がされる中で、指示等が来るかと思いますので、その都度また先生方に御相談しながらチェックをしてまいりたいと思っております。
○柴山議長 ありがとうございます。
 あと、他はよろしいでしょうか。
 まだ若干時間があるようですが、よろしいですか。
○山岸構成員 ちょっと1点よろしいですか。
○柴山議長 はい。
○山岸構成員 先ほどのデータの再提出の件なのですけれども、3年以内は余りないということだったのですけれども、もしそういうケースが生じた場合は、もう完全にリジェクトというか、全く受け付けない形ですか。
○矢原参考人 そこは個別対応で、技術的にはもちろん、手動でプログラムを動かせば再集計できますので、どうしてもということであればその医療機関の方の事情をお聞きして、正当な理由があれば、個別に対応する可能性はあります。
○山岸構成員 訂正情報のほうが恐らく精度が高いものだろうと思いますので、そこは事務局で判断されてどうするかを決めるということですね。
○矢原参考人 そうですね。
○山岸構成員 わかりました。
○柴山議長 先ほど、早川先生からも御指摘がありましたけれども、何か過去に重大なエラーとかが見つかった場合、どうしてもこれを差しかえたいというケースがでてくる可能性が全くないわけではないと思いますので、そういう場合は。
○矢原参考人 個別対応は可能です。
○柴山議長 個別対応は可能。
○矢原参考人 可能です。
○柴山議長 そうしますと、では、ホームページには原則として3年だけれども、個別対応でどうしてもという場合は。
○矢原参考人 相談に応じます。
○柴山議長 対応を御相談くださいというような文言を、ホームページのどこかにわかるように書いておきましょうか。
○早川構成員:構成員名簿の私の「薬剤耐性情報室」という室が当センターにございませんので、修正をお願いします。
○梅田室長 済みません。失礼いたしました。
○早川構成員 事前資料を送っていただいたときに確認できておらずすみません。
○柴山議長 他にいかがでしょうか。
 他に御意見、御質問等ございませんでしたら、用意した議題は以上ですので、「その他」のほうに移りたいと思います。これは事務局のほうですか。
○井上係長 済みません。
 結核感染症課の情報管理係長をしております、井上と申します。
 結核感染症課より、参考資料2について、御報告を兼ねて先生方の御意見も伺えればということで御説明させていただきます。
 「院内感染対策サーベイランス」につきましては、政府全体の方針として行政手続コスト削減に向けた取り組みを進めるようにということで、今進められているところです。
 大元としましては、資料にありますとおり「規制改革実施計画」において、事業者目線で規制改革、行政手続の簡素化およびIT化を一体的に推進して、その行政手続を削減していくことと、2020年3月までに20%削減という目標が掲げられております。
 これを受けまして、JANISにおいても、削減方策の推進、コスト削減の取り組みを行ってきているところでありますが、取り組みの現状といたしまして、この「規制改革実施計画」に基づいたJANISの基本計画といたしまして、挙げているのが3点ございます。
 1点目が「報告作成の合理化・簡素化」、これに関してはよくある御質問の項目追加であったり、更新による報告所要時間の削減ということを挙げております。
 あとは、検討中の段階ではありますけれども、必須調査項目の削減や合理化の検討ということも可能性とあるかというところです。
 2つ目の取り組みとしましては「オンライン化」、これに関しては、JANISに関しては全てシステムのほうでオンラインの報告を受け付けて、その中で集計も行っている形になりますので、取り組みとしては完了している形になります。
 3点目としては「入力支援ソフトの導入」ということで、こちらは入力支援ソフトを活用した入力を行っていただくことで、報告の簡素化を図っているというような状況です。
 「今後の取組方針」といたしましては、現在、事務局のほうで参加医療機関に対するコスト削減に向けたアンケートを作成いただいていて、今後配信予定ですので、そちらを通じた改善のための取り組みの把握を通じて、課題を適切に把握して、行政手続コスト削減目標達成に向けた取り組みをさらに推進していく必要がございます。
 こちらに関しては、2020年3月までの目標達成ということになりますので、これから医療機関に対して今年度の取り組み状況を把握することになるのですけれども、その上で先生方にも、例えばこういったことがあればJANISの医療機関の手続として、削減できるようなことができるのではないかというような御提案がもしございましたら、お伺いできればと考えております。
○梅田室長 若干補足させていただくと、これは政府全体の取り組みでございますので、トータルで20%、厚労省で削減しなければいけないという中で、もちろん、院内サーベイランスの業務量が全体に占める割合がどれぐらいかというのもあるのですけれども、そこはどれだけ占めるかは別にして、それぞれの業務において20%削減の目標を立てて取り組めという話になっております。
 現場の感染症対策として協力いただいている医療機関の数も段々ふえてきているということは喜ばしい反面、お聞きすると、業務になれていない方も当然入ってこられる中で、業務負担がふえているという実態もうかがえるということもございまして、そういう点では、何か工夫ができないかということでございますので、そういう意味で先生方の御意見なりを賜れればということでございます。
 よろしくお願いいたします。
○柴山議長 ありがとうございました。
 コスト削減とは、現場の立場としては、なかなかつらいところではあるのですけれども、オンライン化とか、入力支援ソフトの導入とか、いろいろなところでの合理化を、引き続き現場側としても努力してまいりたいと思います。
 よくある御質問の追加とか、その辺は随時やっていると思いますし、他にもいろいろなところで合理化、簡素化、効率化できるところがありましたらどんどんそれは進めていきたいと思いますので、引き続き、よろしくお願いいたします。
○梅田室長 よろしくお願いいたします。
 他には、何かよろしいでしょうか。
○荒川構成員 ちょっとこの件でいうと、確認したいのですけれども、2000年にJANISが立ち上がったときに、この事業費として年間3000万円ぐらいかな、非常にコストパフォーマンスのいいシステムとして立ち上がっています。
 その後、いろいろ予算をつけていただいて、今は少し増えていると聞いていますが、このJANIS事業の取り組んでいる中身とコストを考えると、私の個人的な印象では非常にお値打ちにできているかと思うのです。他の国のいろいろな事業とかサーベイランスとかありますけれども、AMR(薬剤耐性)は、今国際的にも非常に大事な問題で、やはり国の政策として強化しなければいけないという流れになっているので、このJANISの運用にかかわる経費は、できるだけ必要なものはちゃんと盛り込んでいただくという基本的な立場で対応していただけるといいかと思います。
 あと、JANISのデータ集計を依頼しているシステム会社を、今、当然ですけれども、入札で決定する運用をされていると思うのですけれども、要するに、落札業者がかわることによって集計がきちんとできなくなったりとか、いろいろな問題が起きたりするという事例もあるように聞いています。やはりその辺も踏まえて、余りに安く受け負うような会社が落札すると、その後問題が起きて、これだけ大きなシステムで、たくさんの医療機関が参加しているシステムが動かなくなるとか、そういうことになると非常に大きな問題になる可能性がある。
 その辺も含めて予算確保をしていただいて、円滑な運用とさらなる充実をお願いできるといいかと、JANISを立ち上げてきた立場として一言申し上げさせていただきたいと思います。
○梅田室長 ありがとうございます。
 ちょっとここの資料の中で「行政手続コスト」と書いていますので、そういう面で予算の関係かと想像されるかもしれませんけれども、これは、業務量ということでお考えいただければということで、現場での入力といった業務、手間をなるべく減らそうということで動いているものです。
 一方、必要な予算については、まさに御指摘いただいたように、立ち上げ以降、必要なものについては増やしてきているということで対応してきているつもりでございます。
 AMR対策は政府としても非常に重要視しており、ますます今後も重要になってくる中で、このJANISのシステムについては、非常にいいシステムとしても評価をいただいているわけですので、やはり必要なものはちゃんと対応していくという姿勢ではございますので、そのあたりの努力は今後も続けていく中で、現場の立場から入力業務の手間をなるべく工夫次第で省いていこうということでございますので、その点については御理解といいますか、御意見をいただければということでございます。
 よろしくお願いします。
○柴山議長 荒川先生、ありがとうございます。
 私たち現場としてもJANISはコストパフォーマンスが非常にいいと思っているのですけれども、引き続き、業務量のコスト削減には私たちとしても努力していきたいと思います。
 それから、このJANISは国際的にもWHO等からも非常に高い評価を受けておりますので、これは業務量のコスト削減をしつつも、クオリティーは保ち、あるいはクオリティーをさらに向上させていくような形で、ぜひ現場としても頑張っていきたいと思います。厚生労働省からもぜひその辺の御支援をいただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○梅田室長 こちらこそよろしくお願いします。
○柴山議長 他に何かございますか。
 よろしいですか。
 それでは、本日は長い時間にわたり、どうもありがとうございました。
 これをもちまして、終了とさせていただきます。
 ありがとうございました。