第18回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(議事録)

医政局地域医療計画課 救急・周産期医療等対策室

日時

令和元年11月20日(水)
15:00~17:00

場所

TKP市ヶ谷カンファレンスセンター ホール3D

議事

下記のとおり
2019-11-20 第18回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会
 
○野口救急医療対策専門官 定刻になりましたので、ただいまより第18回「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
本日、阿真構成員、坂本構成員、本多構成員、山崎構成員から御欠席の連絡をいただいております。団体を代表して参加いただいている構成員である本多構成員と山崎構成員から代理の連絡を事前にいただき、座長の了解をいただいております。
本多構成員の代理として武井裕之代理人の御出席を、山崎構成員の代理として野木渡代理人の御出席に関して御承諾をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
○野口救急医療対策専門官 それでは、お手元の資料を御確認ください。
まず、議事次第、構成員名簿、座席表のほか、資料1から4、参考資料1から5をお配りしております。不足等がございましたら、事務局までお知らせください。
報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
(冒頭カメラ撮り終了)
○野口救急医療対策専門官 それでは、遠藤座長に以後の議事進行をお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、早速議事に入りたいと思います。議題1「救急救命士の資質向上・活用に向けた環境整備について」。まず、事務局から資料1について説明をいただきたいと思います。
○永田救急・周産期医療等対策室長 事務局でございます。
資料1に基づきまして御説明をさせていただきます。「救急救命士の資質向上・活用に向け環境整備について」。
2ページ目をごらんください。こちらは前回、11月6日にさせていただいた本検討会においてお示しをさせていただいたものでございます。事務局からは論点として主に5点説明させていただきました。種々御議論いただきましたので、それぞれにつきまして、以後のページで御説明をさせていただければと思います。
3ページをごらんください。1つ目の議論でございますが、救急・医療提供体制の今後のあり方についてどのように考えるかということにつきまして、前回、3ページにお示ししたように幾つかの御意見をいただいているところでございます。こちらにつきまして事務局のほうでかいつまんでまとめさせていただいたというのが3ページでございます。それぞれについて細かく御紹介することは割愛させていただきますが、例えば救急医療の現状については、タスクシェア、タスクシフティングを推進していくことについては賛成といった御意見や、救急救命士の資質を持っている方が医療機関内に参画することは賛成という御意見。あるいは救急医療現場に従事する看護師さんにつきまして、今後のあり方の中で最も重要なこととして、看護師の適切な配置の議論をしたほうがいいのではないかといった御意見がございました。
4ページをごらんいただきますと、医政局のほかの課でやっている医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会の資料をお示しさせていただいているところでございます。こちらの検討会では救急救命士のほか、多くの医療専門職種につきまして、タスク・シフト、シェアの推進についての検討を行っているところでございます。
検討のスケジュールと示させていただいているところでございますが、第1回を令和元年10月に、第2回を11月8日に開催しておりまして、第3回が本日この検討会の後に開催されるという状況となっております。
5ページをごらんください。こちらのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会では、一番下の「スケジュールについて」というところをごらんいただければと思いますが、医師の働き方改革の推進に関する検討会が12月に一定の取りまとめを行う方針であることから、こちらのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会においても同じようなスケジュールで取り組むこととしており、「年内時点で合意を得られた範囲でとりまとめを行うこと」となっているところでございます。
こういったことから、6ページ目をごらんください。3ページでお示しした各委員からいただいた御意見につきまして、事務局のほうで整理をさせていただきました。1点目、救急医療の現場にかかる負担が大きいこと。また、そこで働かれる医師や看護師等に関する負担も増加していくことが予想される中、2ポツ目、救急救命士の資質ということを病院前のみではなく、医療機関内においても活用することについて期待感が示されたと考えております。
その上で、救急救命士の資質活用の議論のみでなく、救急外来に従事する看護師さんの負担軽減や配置等についてもあわせて検討するべきという御意見がございました。
また、タスク・シフト、シェアリングの観点につきまして、こちらの救急・災害検討会における議論につきましては、タスク・シフト/シェアリングの推進に関する検討会にその検討結果を御報告させていただきたいと考えているところでございます。
その上で、論点でございますが、いただいた御意見を踏まえまして、例えば看護職員の配置や業務実態につきまして、現状把握を行うためのデータ収集を今後実施してまいりたいと考えておりますけれども、こういったことにつきまして御議論をいただければと考えております。
1枚おめくりいただきまして、2つ目の論点として、前回は救急救命士の資質を活用する場ということについて御議論いただいたところでございます。
7ページでございます。いただいた御意見を事務局のほうで整理をさせていただいた中で、救急救命士の資質活用につきましては、単純に場所ということだけではなく、あわせて救急救命士が可能な業務内容についても御議論いただいたところでございますので、そちらにつきまして、7ページにあわせてまとめさせていただいているところでございます。
8ページは、前回の御議論では、救急救命士さんの所属の別という形で、いわゆる消防機関に所属する方と医療機関に所属する方につきましては、一緒くたの議論をしないほうがよろしいのではないかといった御意見もあったところでございます。
それを踏まえまして、9ページをごらんください。事務局でいただいた意見を整理させていただいたところでございます。1点目、所属の場につきまして別の論点があるのではないか。2番目、どのような業務を救急救命士に担ってもらうのかの整理をすべきではないか。3番目、業務の整理を行った上で、医療機関内の場について整理をしたほうがよいのではないかといった御意見をいただきました。
矢印の下の部分、まず消防機関に所属する救急救命士さんと青い部分の医療機関に所属する救急救命士さんについて分けて説明させていただいているところでございます。消防機関に所属する救急救命士さんにつきましては、2ポツ、基本的には救急業務であり、傷病者引き継ぎ後には次の救急出動に備えるため帰署をするという観点があるかと考えております。
一方、医療機関に所属する救急救命士につきましては、前回の検討会におきまして、救急外来に限らず、医療機関内のほかの場所においても活躍の場があるのではないかという御意見をいただいているところでございます。その業務内容でございますが、救急救命士が行う業務に関連することを整理して一体的に検討していきたいと考えております。
10ページをごらんください。そういった中、関連する資料でございます。こちらにつきましては第14回救急・災害検討会で既にお示しをさせていただいている資料でございますが、例えば病院で救急救命士を雇用した場合にどういった業務を期待しているのかといったことをこれまでもお示しをさせていただいておりますが、左上の赤枠、救急救命処置に含まれるものにつきましても救急救命士を活用したいという期待が示されているところでございます。
11枚目をごらんください。また、医師の働き方改革に関する検討会の報告書からでございますが、医師の労働時間短縮という議論をしている中、2○でございますが、医師の勤務時間のうち、およそ7%に相当する業務を全て医療クラークや看護師等の職種へのタスク・シフトを行うことで、週100時間勤務とした場合、週7時間程度の医師の労働時間の短縮につながるのではないかといった御議論もされているところでございます。
12枚目は、平成19年の医政局からの考え方でございます。医師及び医療関係職種と事務職員との役割分担につきましては、医師、看護師等の医療関係職の医療の専門職種が専門性を必要とする業務に専念することにより、効率的な業務運営がなされるよう、適切な役割分担がなされるべきということを示しております。その上で、例えば2番の(1)医師、看護師等の医療関係職と事務職員等との役割分担として、書類作成であったり、前回も御議論いただきました患者さんの移送といったことがこういう役割分担に資するのではないかという考え方を示しているところでございます。
13ページは、医政局としての考え方でございますが、前回の御議論でも、医行為なのか、医行為ではないのかといったことまでも議論があったところでございますので、医政局としては、原則として「医行為ではない行為」というところにつきまして、一部要約してお示しをさせていただいているところでございますので、こちらにつきましては後ほどごらんいただければと思います。
14ページは、前回11月6日の検討会でもお示しさせていただいたものでございますが、日看協さんに行っていただいているアンケートでございます。赤字の部分が救急救命処置に関連するものでございまして、前回救急救命センターにおいて他職種が担ったらよいと思う業務として例示をさせていただいたところでございますが、今回改めて緑枠でも示させていただいているところでございまして、この緑枠が事務職員等でも可能なものとして整理されているような業務でございます。こういった部分を看護師さんの勤務負担の軽減という観点から進めることができるのではないかということを今回事務局として改めて提示をさせていただいているところでございます。
15ページをごらんください。同じ日看協さんの調査でございますが、一般病棟において看護職が担うべき業務の程度というところで、今回事務局のほうで緑枠を設定させていただいているところでございますが、同じように事務職員等でも可能なものがあるのではないかと考えているところでございます。
16ページをごらんください。累々と説明をさせていただきましたが、その上で救急救命士が医療機関内において担う業務として整理をさせていただいたところ、1点目としまして、病院救急車に乗務して、医療機関外において救急救命処置を行う業務ということ。もう一つは、医行為に該当しない事務作業等。以上の2点と整理することができると考えます。
また、前回御議論いただきましたけれども、2については、実際に救急救命士有資格者を雇用している医療機関にとって有用であるといった御議論は、これまでの検討会でもいただいているところでございます。
そういったことを踏まえまして、医療機関内においても救急救命処置が仮に可能となった場合でございますが、救急救命士が医療機関内において担う業務としては、救急救命処置及び医行為に該当しない事務作業と整理できるのではないかと考えているところでございます。
この際、救急救命処置の範囲につきましては、法第2条で救急救命処置の対象者の規定、法第44条で特定行為の規程、また、「救急救命処置の範囲等について」というものの中で救急救命処置の範囲についての規定をしているところでございます。これらの規定につきましては、現行法令から変更しないこととして検討してはどうかと考えているところでございます。この点につきまして御議論いただければ幸いです。
また、こういった対象者、あるいは行為の規定を踏まえまして、業務を踏まえた場の設定でございますが、下の論点に示しておりますとおり、事務作業等につきましては、救急救命士に限らず、誰でも医療機関内のどこにおいても可能である。2ポツ目、救急救命処置が可能な場ということにつきまして、救急救命士の資質を鑑みて改めて御議論いただければ幸いでございます。
17ページ目は3点目の論点でございます。救急救命士に対する医師の指示ということについて、前回も御説明させていただきました。上にいただいた御意見を記載させていただいておりますが、前回「メディカルコントロール(MC)」という言葉が出てきましたが、事務局で議事録のほうを整理させていただいたところ、いわゆる医師の指示という観点でのメディカルコントロールという用語の使い方と、あるいは救急救命処置行為が行われた後に医療機関内で事後検証するという意味でのメディカルコントロール、両方の意味で使われていたかと考えているところでございます。
事実関係のところを中段に記載させていただいているところでございますが、救急救命士につきましては、医師の指示のもとに救急救命処置を行うということが救急救命士法第2条に記載されておりますし、事後検証という観点につきましては、医師が必ず含まれる場合において事後検証を行うようにと示しているところでございます。
改めて矢印の下でございますが、医療機関内においては、必ず医師が在籍していることから、ほかの医療職種と同様に、医師の具体的な指示のもと業務を行うこととなれば、法第2条第2項に抵触することはないものと考えております。
その上で、今回の論点でございますが、救急救命士が行った救急救命処置につきましては、従前どおり当該医療機関の医師を含む関係者により、事後検証を行うこととしてはどうかと考えておりますので、御議論いただければ幸いです。
18ページにつきましては、これまでの検討会でもお示しをさせていただいている資料でございますが、消防機関に所属する救急救命士さんにつきましては、メディカルコントロールという体制での救急救命処置の質の確保ということが検討されているところでございますが、現在消防機関以外に属する救急救命士さんにつきましては、質の確保についての規定がされていないところでございますので、当該医療機関の医師を含む関係者により事後検証を行うといったことを今後検討してはどうかと提案をさせていただくものでございます。
19ページをごらんください。こちらも前回多くの御意見をいただいた点でございます。仮に医療機関内で救急救命士さんが診療の補助等を行う場合に、追加的に習得すべき知識といったものにはどのようなものがあるのか、あるいは追加教育の期間についてはどのように考えるかといった御意見をいただいたところでございます。
19ページにお示しさせていただいておりますが、追加教育の内容につきましては、現状のものでも十分ではないかといった御意見から、例えばそんなにボリュームのある教育が必要ではないのではないかといった御意見。あるいは多くの期間を追加的な教育に必要だという御意見。かなり幅広い御意見をいただいたところであると思います。本日もこういった点につきまして、どのような点が追加教育の内容として必要なのか。あるいは追加教育の期間としてはどれくらいの長さが必要なのかといった点を御議論いただければ幸いでございます。
そういった意味で、20ページ、医療機関に所属する方と消防に所属する方を分けて整理をさせていただきたいと思います。1番目の青で書かせていただいている論点は、消防機関に所属する救急救命士さんにつきましては、従前どおり病院前の活動が主な活動の場となり、傷病者の引き継ぎ後は速やかに帰署するということを踏まえて、養成課程における教育の拡充は必要ないのではないかと提案をさせていただきたいと思います。
一方、医療機関に所属する救急救命士さんにつきましては、余り必要ないのではないかという意見から大幅に見直すべきという趣旨の御意見があったところでございますので、下に記載しておりますように、見直せる業務の内容、あるいは習得すべき知識の内容と、それを行うための時間がどれくらい必要かといった観点で御議論いただきたいと考えております。
21ページは現状の御説明になります。医療機関に従事する方につきましては、医療法第6条12の規定に基づきまして、医療の安全を確保するための指針の策定に加えて、従業者に対する研修の実施ということが、病院等の管理者に対して責務として規定されているところでございます。その具体の部分を参考2、医療法施行規則第1条の11で関連部を記載させていただいております。下線の部分をごらんいただければと思います。従業者に対する研修とは何かというところでございますが、1番のところでは「医療に係る安全管理のための職員研修を実施すること」と示した上で、その具体でございますが、従業者に対する院内感染対策のための研修。従業者に対する医薬品の安全使用のための研修。従業者に対する医療機器の安全使用のための研修といったことを行うようにということを既に医療法で義務づけているということを御報告させていただきたいと考えております。
22ページでございます。これまでの当方からの説明を踏まえまして、マル1救急救命処置につきましては、その業務の質は国家資格として担保されているところでございます。その上で、今回、例えば救急救命処置の範囲について変更しないのであれば、当該処置を行う場が病院前から医療機関内になったとしても、追加の教育は必要ないのではないかといった点につきまして御議論いただければ幸いです。
また、医行為には該当しない事務作業等につきましては、医療に係る安全管理、院内感染対策、医薬品の安全使用、医療機器の安全使用の研修を行うことを義務づけていることを踏まえまして、さらにどういった内容で追加的な教育が必要なのか、あるいはどれほどの時間が必要なのかといったことにつきまして御議論いただければ幸いでございます。
最後に23ページでございます。前回、救急救命士の養成数について御質問がございましたので、今回改めて従前お示ししている資料をまとめさせていただきました。24ページをごらんください。24ページは第14回で示しさせていただいている資料でございますが、救急救命士の年度別の国家試験の合格者数を示しているところでございます。合格者数と合格率を示させていただいております。また、下の部分の参考というところでございますが、救急救命士として現在登録されている方につきましては6万1694人。そのうち救急救命資格を保有している消防職員の方につきましては3万7143人という数字がございます。
最後に25ページでございます。こちらも14回で示させていただいているところでございますが、救急救命士には幾つかの養成課程がございますが、左側の主な養成課程というところでございます。こちらは消防に所属する方が2,000時間または5年間の救急業務を経て救急救命士養成所での教育を受け、国家試験に合格される方。
右側の主な養成課程の2番でございます。大学や専門学校等で2年ないしは4年の教育を受け、それを踏まえ、救急救命士国家試験に合格された方。大きく分けて概念上2つがございまして、右側の部分で救急救命士の国家試験に合格された方のうち、消防職員として勤務をされる方と、消防職員以外の部分として、例えば病院や警察、教員、県庁といったところで勤務されている方の2つがあるということは前回もお示ししているところでございますので、ごらんいただければと思います。
駆け足で大変恐縮でございますが、事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
これまで議論された内容が整理されておりますが、論点という形で事務局の原案が出ております。したがいまして、この論点について御意見等をいただければと思います。また、論点以外の視点の御意見も結構でございますけれども、いかがでございましょう。
事務局に確認ですが、この論点というのが事務局の案であるという理解でよろしいですか。
○永田救急・周産期医療等対策室長 事務局の案というよりは、例えば追加で教育といった部分について、どういったものが必要なのか、あるいは期間はどういったものが必要なのかといったことは、この検討会において皆さんのほうから御意見をいただければと思っておりますので、事務局としての結論という形ではないという認識でございますが、議論の整理の一端としてお示しをさせていただいたものでございます。
○遠藤座長 それでは、これは事務局の出した案ではないので、この概念でまた議論してほしいと。ただ、そうしてはどうかと書いてあるので、事務局の原案かと思ったのですが、そうではないらしいので、フリーにどうぞ。猪口委員。
○猪口構成員 全日病院の猪口です。
事務局の論点として示されている部分はかなり整理されていて、これをたどっていけば救急救命士たちにどういう行為をどういう場で行うかということが大体明確になってきて、そして教育、さらに追加すべき教育というイメージも湧いてくるところなのですが、この案で行くと、専門的な教育は、業務内容を限ってしまえば、そんなにやる必要はないと。追加的な教育に関して言うと、それぞれの病院でオン・ザ・ジョブでできる程度の教育が追加されればできるようなイメージが私には湧いてきます。それにそう違和感はないです。例えば医師事務作業補助者とか、そういう資格の方たちが電子カルテにドクターのかわりに記入するとか、それから例えば紹介状をつくっておいて後で承認を得るとか、そういうことはオン・ザ・ジョブでやったり、eラーニング等でやっている。国家資格としてではなく、やっているような教育程度のものがあれば、病院の中で働くということに関しては、それほど追加の教育として多くのものをしなくてもできるという印象を持ちました。この整理によって。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、加納構成員、ありますか。
○加納構成員 同じ意見なのですが、そもそも論の話を少しだけさせていただきますと、医療現場で2024年から適用される医師の時間外労働規制に向けたタスクシフティングという形で、今回の救急救命士の活用をお願いしているということですが、昨日社保審の医療部会で看護職員需給分科会での需給の見通しが出されました。これを見ますと、2025年までには今回もやはり不足するということで出たと思うのです。少なくとも6万人、多く見積もったら27万人の看護師さんが足らないという報告が出ました。
また、これから高齢者が急増すると言われている大都会においては、埼玉、東京、神奈川、大阪、兵庫、京都等では需要に対して2割近い不足が見込まれているという状況であります。まさしく我々二次救急の現場でも救急の体制を組むのに非常に苦労している中で、今回の形で救命士さんを活用していただければ、医師にとっても看護師にとってもタスクシフティングの大きな力になるのではないかなと思います。
内容的には、先ほど猪口構成員がおっしゃったとおり、彼らはしっかりと救急救命に関しては学んできていますので、行為を広げない限りそれほど教育的なことは必要ないのではないかと思います。例えば薬剤師さんが調剤薬局から我々の病院に来ても、先ほどから出ている3項目の講習等の研修はしますけれども、それで済んでいるという状況を見ますと、さほど大きなカリキュラムとかそういったものは必要ではないのではないかなと思います。医療行為を広げない限りは、彼らは救命に関してはプロフェッショナルとして今まで教育を受けてきているという前提でありますので、そしたら何が必要なのかという話になってくるかと思いますし、この3項目に関しての研修をやるという形で、我々医療機関内でもいろんな形で活動をしていただきたいかなと思うわけであります。
○遠藤座長 大友構成員、どうぞ。
○大友構成員 私も猪口構成員の感想に同意します。今回事務局が救急救命士が行うべき業務に関して明快に整理をしていただきました。
1つは既に国家資格として認められている救急救命処置を行うこと、あとは資格なしに一般の事務員が行う行為ということで明確に整理していただいて、8ページにあります救急救命処置、これだけのことを国家資格としてやっているわけでございますけれども、これだけのことを医療職として病院でやっていただければ、かなり医師、看護師の業務負担軽減になると思いますし、これ以外の事務の業務に関しても非常に助かる。書類の話とか搬送の話。つまり、既に認められている資質、資格、能力だけでも十二分ではないかなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 日本看護協会の井本でございます。
日本看護協会としては救急救命士が院内で救急救命処置を行うことには反対です。前回も申し上げましたが、その理由は、救急救命士は医療機関に搬送されるまでの間に応急的に重度傷病者に対して救急救命処置を行うために誕生した職種だと認識しております。資格の定義を変えてまでも病院で働けるようにするということはおかしいと考えています。
今まで他の構成員が発言されているように、救急外来で医師や看護師が多忙を極めているのは事実です。これまでも何度か発言してきたとおり、その大きな要因は、救急外来は病棟とは異なり、看護師の配置に関する基準や規定がほとんどないことです。そのため、必要な看護師数が配置されておらず、医師の負担も大きくなっています。
また、前回の検討会でも発言がありましたように、医師や看護師が検体搬送や患者搬送、記録類等に追われ、非常に多忙をきわめている実態があります。そのため、医師、看護師の負担を軽減するには、まずは必要数の看護師を配置するために基準や評価等を設けること、2点目に周辺業務を担う人材を配置することが必要だと考えています。
教育に関しては、資料の22ページにあるように、救急救命士法で救急救命処置は「重度傷病者が病院・診療所に搬送されるまでの間に行われる処置」と定義されており、現在の基礎教育は院外で救急救命処置を行うことに特化していると理解しております。そのため、現行教育は病院内で救急救命処置を行うための質を担保することができ、追加教育が不要だとは言えないと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 そういう話であれば、院内に入った途端に何が変わるのですかね。救命行為に関して何が必要なのでしょうか。それを教えていただけたらと思うのですが。
○井本構成員 行為そのもの同じですが、その行為を行う目的が異なると考えています。資格法上、救急救命士は搬送されるまでの救急救命処置を行うと理解をしております。
○加納構成員 ありがとうございます。
そういうことであれば、法律でその点を変えれば適合するということなら、やはり変える必要があるのではないかという議論になるかと思います。
救急へ配置する看護師さんは、我々も募集しているのですが、収入等関係なしに、救急の現場に、例えば当直を含めてとなると本当にいないのが現状です。先ほども言いましたように、東京、大阪、これから高齢者の救急がどんどんふえるところが、予測でもまだ2割足らないという現状が数字で出ているわけですから、そんな楽観的な話でなくて、2020年までにドクターのタスクシフティング、いろんな形で基準を満たしていくためには、必死に現状を守らなければいけないし、国民を守らなければいけない観点からでも、ここは少しでも役立つことであればということで、この議論が進んでいるかと思いますので、そこは日本看護協会も協力していただいて。看護師も楽になるということも含めて、ぜひとも協力していただけたらと私は思うのですが、どうでしょうか。
○遠藤座長 井本構成員、どうぞ。
○井本構成員 協力しないということではなく、現在は、看護師が集まるよう誘導がかかっておらず、そのために看護師が配置されていないことが救急医療提供体制の問題だということを指摘しています。救急外来については配置基準がないため、病棟中心に看護職が配置されている実情があり、他の構成員も発言されていたと思います。
私どもも、救急外来で働く看護師が多忙をきわめている実態を把握しており、状況を改善する必要があると思っております。その上で、それを改善するためには、いち早く周辺業務を担う人材を配置することが負担軽減の速効性が高いのではないかと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
畝本構成員、どうぞ。
○畝本構成員 今のどちらのお話も状況はわかるのですが、先般加納構成員が事態はかなり切迫していて、看護師さんの配置の基準の法律を変えるとか、そういったことを待っていられないとおっしゃっていたのは、二次救急も三次救急も現状だと思うのです。
資格もそうですけれども、救命士さんが教育を受けるに当たって、実際の研修は各病院の二次救急あるいは三次救急に配置をされて、それなりの期間、病院での活動の教育も受けていますので、法律上は確かに井本構成員のおっしゃるとおりかもしれませんが、現状の実際の救急業務に関しては、病院内のことも十分教育ができているように思いますし、研修の内容としてはそうでなくてはいけないと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに。大友構成員、どうぞ。
○大友構成員 私も救急外来の看護師の配置、基準を設けることに関しては大賛成なのですが、この資料を見てもそういうふうに読み取れると思います。ですから、それはそれで進むと思うのです。だから、救急救命士の場の拡大を認めても看護師の配置の話は進むと思います。救命士の場の拡大があると看護師のほうがとまってしまうということはないと思いますので、それは両方進めていくべきではないかと思います。
8ページを見ていただいて、血圧をはかるとか、聴診器とか、パルスオキシメーター、口腔内吸引とか、バッグバルブマスクの人工呼吸とか、こういうことをやっていただける人がふえれば、看護師さんの業務負担は相当減ると思うのです。ですから、看護師さんの配置もお願いするし、救急救命士に働いてもらうのも進めていっていただきたいなと思います。
○遠藤座長 先ほど手を挙げられた久志本構成員、お願いします。
○久志本構成員 今の意見に全く賛成で、看護師の配置ということに関してきちんと配慮するということと、それから救急救命士は仕事の場として院内に広げるということ、多分両方進めることが大切なのではないかなと思います。
特に今、救急救命士の対象となっているのが重度傷病者で、場が病院前といったところですが、これを場として院内。救急外来に余り限定することなく、院内とし、対象の傷病者は重度傷病者であるということが基本だと思うのですけれども、ただ、院内にいて重症化する可能性、リスクのある方はいろんなところにいるかと思いますので、そういった方への対応も含めていくことによって、救急救命士、資格を持って、技術を持っている人たちの活躍の場をふやすこともできるのではないか。彼らのやりがいを尊重することにもなるのではないかなと思います。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、石川構成員、それから猪口構成員の順番で行きましょう。
○石川構成員 私もずっと救急をやってきていますから、看護師は絶対に必要だと思っています。思っていますけれども、もしこれを要件化するということで、余りにもかたくしますと、救急ができなくなるところが存在するのではないかと思うのです。看護師さんの数が足りているのかということをきちんと把握してから要件化するべきだと思うのです。私は絶対に必要だと思っていますけれども、どうしても今の日本の救急の中で、例えば二次救急あたりでは、看護師さんの確保というのはきゅうきゅうとしているところがありますので、がちっとした確保要件というのはちょっとまずいのではないかなと思っております。
○遠藤座長 では、猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 今の石川構成員の意見に全く賛成でありまして、先ほどの看護師の需給計画、需給見込みを考えてみて、がちっとなってしまうと、救急医療機関自体が手をおろしてしまう、もっともっと厳しい状況に。看護師がいるところに患者が集中するという事態を招きかねないという印象を持ちます。それが1点目であります。
2点目は、久志本構成員が言った医療機関の中の場を設けないというのは、そのとおりだと思います。今、コードブルーとかそういう形で、何かあったらそこに集まってやると。もともと医療の資格の中で場所を限定して決めているというのは、何の根拠があってというところが確かにあると思います。我々医師であっても、看護師であっても、医療を提供する者は医療機関において行うということが大原則で、医療法で規定されているわけでありますが、一方で、町の中でいろいろな方を見つけたら、もしくは医療救護班という形で外に出ていったり、もしくは何かのイベントがあったときに、看護師さんであり、我々医師もそういうところで応急処置。本当は我々の持っているスキルを提供しているにもかかわらず、応急処置という形で、場を規定しないで活動しているというのは現実的にあるわけですから、医療、専門の技術を持った人間がむしろ場で規定されているというのは非常に特異な例でありますので、科学的な根拠をもって、そして教育されている人間の場をあえてそんなに縮める必要はないのではないかと思っています。
3点目です。検証なのですが、働き方改革の中でまた医師が検証し合うという時間をたくさんつくるというのはあれですから、検証の方法もなるべく簡単にしていただきたいという気持ちであります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 私は、以前から救急救命士の活動の範囲は救急外来くらいまでは拡大してもいいのではないかなということを申し上げております。
その上で、12月中にタスク・シフトの具体的な要件について詰めるとなると、先ほど来の日本看護協会の井本構成員以外の御発言を前提としますと、これは法律改正を要することになるので、きちんと御議論する必要はあるのだろうと思います。
その前提で申し上げますと、そもそも救急救命士法というのは、簡単に言えば、救急車の中でしか活用できないという形になっているわけです。こういう形にした経緯というのは、救急救命士法の解説本が今、出版されていないので古本を買って読んだのですが、全然わからない。私のおぼろげな記憶で申し上げますと、たしか黒岩さんがニュースキャスター時代に救急救命士を設けるべきだということをおっしゃっておられて、医療関係者がそれに対して非常に反発をして、救急車の中でしか働けないような形に限定したのではないかなというふうに記憶をしているのです。それを確認しようと思って読んだのですけれども、あまりはっきりしないのです。
だからといって拡大すべきではないということを申し上げているわけではなくて、医療界が反対したのはどういう理由だったのか。救急救命士という制度が定着した中で、その不安なり疑念は払拭されたと考えるべきなのかというのが1つお伺いしたい点です。
2つ目として、前回、私は救急車の中で働いている救急隊員が例えば救急外来のところで引き継いで、基本的にそこのところで終わりという形になるのか、あるいは例えば救急外来において救急のお医者さんがほかの患者の手当てをしていて、救急隊員に少しこの患者を診ておいてよということを想定して議論しているのか。そうではなくて、そこは全く別の形になる。つまり、救急隊員とは全く別の形で院内において雇用するということを前提に議論しているのかによってちょっと違ってきます。前回のお話だと、たしか消防庁のほうはその点について御懸念があったと記憶しているのですが、そこは違っていますでしょうか。
○遠藤座長 では、オブザーバー、お願いいたします。
○齋藤オブザーバー 消防庁としては、救急隊が院内に入ってからしばらくの間、治療行為に携わるという話については、本来救急車を運用する側としては、次の救急に備える必要があるということから、消防隊員として乗っている救命士については違うのではないかというお話を差し上げたところでして、院内で雇用される救命士さんがそれを実際にされるということについて言及しているわけではございませんので、あくまでも実際に病院前救護として救急車を運用している救急隊員の目線に立って、今、御指摘いただいた点については留意する必要があるということを申し上げた次第でございます。
○遠藤座長 島崎構成員、事務局に質問ですか。
○島崎構成員 質問です。もしその点について私の認識が違っているのだったら御指摘いただきたい。つまり、医師会だったか医療界だったか、その点について、当初、たしか私は反対していたと思いますけれども、そうではなくて、今日の状況を考えれば、その疑念なりは払拭されたというふうに受けとめればよろしいのでしょうか。
○遠藤座長 仮にそれがわかっても、今、医師会としてはいいですよと言っているわけなので、そこを明らかにすることはどういう意味がありますか。
野口構成員。
○野口構成員 見渡したところ、私が一番年上のようで、当時のことをよく知っていますので。簡単に申し上げれば、医者以外の者が医療をやることに反対しただけの話です。それで欧米のヨーロッパスタイルとアメリカスタイルということであって、どちらかというとアメリカスタイルの新しい職種をつくって、救急救命士、アメリカで言うパラメディックをつくって、メディカルコントロール下で行おうという、いわゆる折衷案の折衷案です。だから、そこが違う。今や医者だけで医療ができないことは皆さん、御承知のとおりだと思います。
ついでに申し上げて恐縮ですけれども、井本さんのおっしゃることも重々もっともで、加納先生も同じことをおっしゃっているわけです。規定するといろんな縛りができてしまって、私も長いこと救急をやってきましたが、看護部のほうが救急に人を出すだけの余裕がいまだにないのです。だから、兼務にしてみたり、救急病棟の看護師さんがおりてきて外来でお世話をするということになりますと、井本さんのおっしゃることは正論だと思いますが、それに対してはこの委員会できちっとバックアップをしてあげて、同時に速やかに救命士の業務拡大、職域の拡大といいますか、場所の拡大はしないといけないと思います。長年業務拡大のためのお世話を私も大分させていただきましたけれども、いつまでも遅々として進まないのがこの問題ですので。
もう一点申し上げれば、私は愛知県の医療事故はほとんど診ているのですけれども、今、一番多いのは院内での転倒です。これは何の施策もできていないですよ。これを予防するためには人手しかないのですよ。その意味で、看護師もそう、医師もそう、研修医もそう、それぞれのスタッフがもっと病院に集まって、その上でいろんな解決策が生まれてくる。その一助、大きな戦力になるのが院内雇用の救命士だと思っています。
長くなりまして恐縮でございます。以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
では、島崎構成員。
○島崎構成員 私は別にそこのところをけしからぬとかということを申し上げているわけではなくて、当初強い反対や懸念があったのは事実で、その反対の根拠を知りたかったということです。つまり、救急救命士法をつくることによって制度の穴をあけたわけですから、それに対する懸念や不安というのがあるのは当然であって、それが払拭されたのか、つまり、今日では一定の定着をみて十分戦力としてなり得るということを評価されていると理解すればよろしいのかということを確認したかった。そうではなくて、違う根拠があって反対されているのだとすれば、そこのところはどういうことだったのかということを確認したいということを申し上げたのです。
○遠藤座長 田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 静岡県立総合病院の田中です。
急性期病院で今、医師の働き方改革で非常に難しいのが心臓血管外科、脳外科、救急。この3つが将来的に規定どおりになるか、法律どおりになるかというのは本当に難しくて、その中で救急が救急救命士の活用によって非常に助かるということを現場が言っていますので、ぜひこれを進めていただきたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
先ほど嶋津構成員がお手を挙げておられました。嶋津構成員、どうぞ。
○嶋津構成員 日本救急学会としてのスタンスを少しお話しさせていただきたいと思います。昨日「救急救命士が医療機関で業務する必要性と課題解決のための提言」を学会のホームページに掲示しております。これは消防機関以外に属する救急救命士の業務の質の向上と活用に関する協議会という形で、まとめたものを救急学会のホームページに、理事会で承認を得た上で掲示したものです。まず、この協議会というのは、救急学会の関係者だけではなくて、救急隊員も会員になっている日本臨床救急学会、日本医師会からも入っていただいておりますし、全日本病院協会、日本医療法人協会、病院前救護統括体制認定機構、そういった形の方から構成員が挙がっておられまして、その中でまとめていただいた資料ということになります。十数ページありますので全部は御紹介できないのですけれども、最終的には5つの提言をしております。
その5つといいますのは、簡単に言いますと、医療機関において救急救命士の業務を可能とするように。2つ目は、医療機関における業務の場所は、医療機関の救急外来、救急車両、病院車、ドクターカー、ドクターヘリ等を含むものを原則とするという形で、そこでは特定行為等も可能にするようにということを提言しております。3つ目といたしましては、救急救命士の業務の対象としては、重度傷病者、あるいはその可能性がある救急の傷病者で、その内容は現状の救急救命士が行っている処置の範囲を基本とする。4つ目には、救急医療を行う救急救命士に必要な教育体制とメディカルコントロール体制を構築する。最終的には、医療機関において上記を実現するために、現行の救急救命士法の改正が求められるという形での提言を書いております。
詳細につきましては、もしお時間がありましたら救急学会のホームページをごらんいただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
大体御意見は出尽くしたかと思います。
事務局、どうぞ。森村構成員が急遽御欠席になったので、メールが届いているそうですね。読み上げてください。
○松本課長補佐 座長、ありがとうございます。
森村構成員が御欠席とのことで、メールの代読を依頼されておりますので、読み上げたいと思います。
メディカルスタッフがうまく連携できるような教育体制やその運用体制を検討する場が必要になると思います。運用のあり方に関する委員会を設置して議論し、今後の指針となるようなものを策定すると、各施設での連携がうまく進むことの助けになると思います。研修をしなければならない職種が多い医育機関、研修医や新人の看護師、医学生や看護学生などを多く抱えるような組織と地域中核で人手が足りない病院など、ニーズはさまざまなものがあると考えられます。そのような実態に応じた運用体制を考えていくための検討が必要だと思います。
ということで、今後の運用に関する御意見をいただいております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
大体御意見が出尽くしたかと思いますけれども、大分時間がたっておりますので、これぐらいにしたいと思いますが、基本的に看護協会さんからの御意見はありますが、それ以外の方々は大体共通しているのかなと理解はしております。
事務局、これは最終的には報告書とかまとめの案になるのですか。文章。つまり、この状態をどうまとめるか。いろいろやり方はあるわけです。両論併記というものとか、少数意見とか、あるいはもう一度やって少しすり合わせをするとか、いろんなアプローチがあります。ただいまの議論をもう少し整理していただいて、事務局原案のようなものをつくっていただくというようなやり方もあるので、どんなやり方がいいか、事務局として。
○永田救急・周産期医療等対策室長 今、座長から御提案いただきましたように、本日もいろいろな御意見がございましたので、まずは事務局でその内容を整理させていただきたいと思います。次の検討会の場に向けまして本日の議論を整理した上で、事務局原案といいますのか。
○遠藤座長 原案のまたあれみたいなものですね。
○永田救急・周産期医療等対策室長 みたいなものかもしれませんが、何らかの形で文章なり資料なりでお示しをさせていただいて、その上でまた御議論いただければと思っております。
○遠藤座長 そのようにしたほうがよろしいかと思いますので、そのような対応をお願いいたします。
では、この問題はこれまでにさせていただきたいと思います。
議題2「救急医療の現状と課題」ということで、資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
○松本課長補佐 事務局でございます。
資料2をごらんいただければと思います。前回の続きでございまして、救急搬送の実態に応じて救急医療の体制を考えていきたいということで、2回目でございます。きょうで意見のほうを一定程度整理したいと考えています。
2ページをごらんください。前回お出しした30年7月のところのポイントでございまして、搬送の件数とか予後、重症度等を勘案していきたいということでございます。
3ページに前回の検討会のダイジェスト、論点を4点挙げさせていただいて、現状等について、救急車2,000台以上のところの状況、1,000台以上のところの状況。かなりの救急と、心筋梗塞と脳卒中に関してもかなりのシェアを受け入れているということを御提示いたしました。
4ページに前回いただいた御意見をるるまとめております。1点目、データに基づく議論を行っていくべきということでございます。2点目、搬送件数とか夜間の受け入れ、入院受入件数の違いというのが重要で、これによって分担も考えていくということが重要ではないか。3点目、重症、死亡の割合が高いということで、数としても多い脳卒中、心疾患に着目して分析を行うということが重要だということです。ただし、これらの疾患のみを受け入れているということで着目するのではなくて、さまざまな観点が重要である。特に地域医療が重要で、政策的にも重要な専門病院、例えば小児救急、産科救急、精神科救急等については配慮が必要であるということでございます。また、応需の状況など、地域の実情に応じた役割というのもあるのではないかという御指摘がございました。4点目は外傷についてですけれども、重症で手間もかかりますので、分析をすべきであるということですが、必ずしもデータが十分にそろっていないので、データ整備をさらに進めていくべきであるということと、二次救においては、外傷患者よりも脳卒中や心疾患のような頻度の高い疾患の患者が多いということに留意する必要があるということでございます。
最後は、今回の話題はプロセス評価がほとんどでございますが、それは入り口としていいけれども、仮に今後アウトカム評価を行っていくような場合は、重症患者を引き受ければ当然予後は悪くなるので、リスク補正を行うべきであるという御意見をいただいております。
今回は、前回の御指摘にお答えしていきたいと思いますけれども、5ページ以降ですが、産科、小児、精神救急です。まず、産科救急でございます。6ページ、総合周産期母子医療センターの状況でございまして、102病院が病床機能報告をしていますが、右下に図がございまして、102病院のうち85病院は救急車を2,000件以上受け入れている救急のセンターでございまして、1,000件未満のところは9件で、そのうち夜間入院を500件以上受けているところが8ですので、救急車をとっていなくても、夜間の搬送とかばんばん受けていらっしゃるということでございまして、夜間も500件未満で、1,000件未満の救急車というところは1病院だけということでございます。
おめくりいただきまして、地域周産期母子医療センターも同じような状況でございまして、289病院あるうちの218は救急車を2,000件以上受けています。50件が救急車を1,000~2,000件受けていて、それ未満のところも18件は夜間の入院を500件以上受けていらっしゃるということで、ほとんどが救急対応または搬送を受けていらっしゃるとお見受けいたします。3病院ほどございます。
8ページは御参考です。分娩全体のシェアでいくと、周産期母子医療センターというのは半分弱なのですが、ハイリスク分娩になると8割ということになってございますので、地域の中ではこのような役割になっております。
9ページをごらんいただきますと、このハイリスク分娩管理加算をとっている、周産期母子医療センターでないほうの2割の医療機関を見ますと、7割が救急車を1,000件以上受けているような病院であるということでございます。お示ししているのは救急車を受けているところがほとんどということになりますけれども、周産期母子の中で重要な役割を果たしている中に搬送が少ない病院が若干含まれているということがわかります。
10ページ以降は小児でございます。小児に関しては詳細なデータがございませんので、かなり御参考に近い御紹介になります。左側が小児救急医療機関の搬送受入件数の状況、右側が二次救の全体の小児、大人を含む救急の件数の状況でございます。左側をごらんいただきますと、確かに小児救急医療機関で救急をたくさん受けているところがたくさんある一方で、44が1,000以上ということになりますが、それ以外の900以上が1,000件未満ということになります。右側と大きく違うということがわかります。
11ページは、いわゆるこども病院でございます。こども病院に関しましては、行政的な認定等を網羅的にやっているわけではございませんので、名称で子供を専門的にやっているであろうと考えられる医療機関をこちらのほうで任意に抽出いたしまして、救急の状況を見てみました。今回対象となった25の子供を専ら診ているであろう医療機関のうち、15軒の病院に関しては年間の救急受入数1,000件未満ということで、恐らく小児救急のみを受けているでしょうから、やはり件数としては少なくなってしまうという状況でございます。
12ページは精神科救急でございます。精神科救急も網羅的なデータベース、なかなか厳しいのですが、精神科救急医療体制整備事業の年報ですとか、以前精神科救急の医療提供体制に関する検討会、行政で提示をした資料などを参考に見ますと、右側を見ていただいたほうがいいかもしれませんけれども、輪番型の精神救急病院と常時対応型の精神救急病院がございますが、夜間・休日の対応となっていますと、1日1件未満というところがほとんどでございまして、件数のみの比較で、同じテーブルではなかなか比較ができないということがわかるかと思います。
13ページは、産科、小児、精神科のところの状況でございます。産科に関しては、救急車をたくさんとっている施設、周産期医療センターが救急をほとんど受けられているということですが、そうでないところも若干含まれているということ。小児に関しては、こども病院において1,000件未満の施設がそこそこあるということ。精神科救急車につきましても、常時対応型であっても年間500件とか、1日1件以上受けているという施設はそこまで多くないという状況がございます。ですので、下のところにございますが、一定程度の専門領域の救急を受け入れているところにつきまして、その中でも対応総数としては大人の一般的な救急と同じレベルではない件数のところも存在するので、一定の配慮が必要ではないかということでございます。
14ページ以降ですが、前回救急搬送の受入件数と心疾患、脳卒中の重症度に関して、かなり強い関連があるということで、台数に着目した検討を行っていきたいということを申し上げました。
15ページですが、前回お示しして、2,000件以上のところ一色でしたが、中を見てみますと、同じように1,000件ずつぐらいのところに分かれていくということがわかります。
16ページ、前回お出しした資料です。割愛しますけれども、救急をそれなりに受けていらっしゃる施設で心疾患、脳卒中の大部分を受けているということがわかります。
18ページも前回お示ししておりますが、2,000件以上の施設とそこより下の件数の施設、1,000件とそこから下のところに救急患者数と脳卒中、心筋梗塞患者、ちゃんと治療したところの割合をとると、やはり有意差があるということでございます。
20ページ以降は、急性心筋梗塞の中でも特に重症な患者に着目をしたいのですが、日本循環器学会などのガイドラインを参考に、大動脈バルーンパンピングですとか、VA-ECMO、PCPSに着目をして見てみたいと思います。
21ページの下をごらんいただきますと、大動脈バルーンパンピングとかPCPS、VA-ECMOに関しては、経皮的心肺補助法のことを今回「PCPS」と呼ばせていただきますけれども、大動脈バルーンパンピングとかPCPSに関してはほとんどが三次と二次の救急医療機関で実施をされています。
この中で二次を見てみますと、22ページ、同じような状況かもしれませんけれども、7割の重症のところというのも2,000台以上の救急搬送を受け入れている施設。9割が1,000件以上の施設で実施されているということでございます。
23ページをごらんいただきますと、これはtPAの治療実績を見るために超急性期脳卒中加算のところを見ていますが、救急患者さんの総数との比をとりますと、密度としては2,000件以上のところで多い、集約されているという状況でございまして、1,000件未満のところとは大きな差がございます。
24ページ以降、前回も話題になりました地域の実情のことでございます。
25ページ以降は前回お示しをした人口ごとの状況でございます。
28ページ以降は、例えば1,000件以上救急を受け入れている医療機関がそもそも1軒もない二次医療機関の状況を確認してまいります。
29ページでございます。左側は人口ごとに二次医療圏の数をヒストグラムにしていますが、青のところが1,000件以上の医療機関が存在しない二次医療機関でございまして、10万人未満だと25ですが、10万人から20万人だと5、それ以上だと1,000件以上受ける医療機関は存在しない、二次医療圏はないという形でございます。
30ページ以降を御説明します。まず、流出率が低い場合の医療機関で1,000件行っていないというところの事例でございます。これは東京都の八丈島でございます。年間救急は195件だけですが、1カ所で診ていますし、入院患者の流出割合というのは、患者調査上は0でございます。聞くところによりますと、八丈島から都立の広尾病院などに行っていらっしゃる患者さんがいらっしゃるのですけれども、島内完結の部分も大きいということで、患者調査上は0になっていますが、ほぼ島内完結だけど、200件ぐらいしか救急がないという状況でございます。
次に、患者の流出が高いものを伴っている領域でございます。33ページ、福岡県の直方・鞍手の二次医療圏でございます。人口11万に対して、救急を受けている医療機関が6軒ございまして、1,000件以上のところはないのですが、似たようなシェアのところが4つ並んでいるという状況でございまして、1,000件行っていない、人口も10万そこそこという医療圏もございます。
34ページをごらんいただきまして、長野の木曽です。近隣に関してはかなり遠いところになりますが、救急はほぼ1,000件ですけれども、1病院だけで受けているという状況でございます。入院患者は流出が66%ございます。
35ページ、島根の雲南です。こちらも人口5万人で、4割の患者が流出していますが、1つのところに集まっていて、あとはすごい遠くに散らばっているという状況でございます。
36ページに関しましては、種子島ですが、2病院がほぼ同様のシェアで競合しているという状況でございます。
38ページ、上五島ですけれども、ここも1医療機関に集約しているということでございまして、1,000台を受ける医療機関がないという二次医療圏で、人口は10万そこそこというところでも、病院が複数に分かれて分散しているのか、1つに集約されているのか、患者さんが流出しているのか、そうでもないのかという状況でさまざまございます。
40ページ以降でございます。時折御指摘をいただきますけれども、消化器のところでございまして、腹部手術につきましても2,000台以上受けている施設で6割、1,000件以上受けている施設でおよそ8割を実施しているという状況でございます。
前回御指摘をいただきました41ページ、42ページは、急性心筋梗塞と脳卒中に着目と外傷の関係でございますが、やはり心筋梗塞を受けている数が多いと外傷の治療の件数も多いという傾向がございまして、42ページですが、それは脳卒中でも同様の傾向があるということでございます。
44ページは働き方の状況でございます。前回お示しした資料よりも今回は細かく割っていまして、オレンジのところが年間救急搬送受入件数が1,000~2,000件の二次医療救急機関、グレーのところが年間救急搬送受入件数2,000件以上の二次医療機関ですが、少ないところと比べますと労働時間が明らかに長くなっているという状況でございます。
以上をまとめさせていただきます。45ページをごらんいただきますと、2ポツ目、救急搬送を年間1,000件受け入れている医療機関につきましては、脳卒中とか急性心筋梗塞の大部分の治療を行っているということでございます。これは夜間入院にも同様の傾向がございます。ここまでが前回お示しした資料です。
2,000件以上受け入れている施設につきましては、脳卒中や急性心筋梗塞の治療を行っている割合も高いという傾向にございますし、さらに重症の、例えばtPAをずっと受けているとか、大動脈バルーンパンピングや経皮的体外循環等を行っている割合も非常に大きいということがございます。
一方で、産科、小児、精神科救急につきましては、受入件数が少なくても役割を担っているということもございます。
最後のところですが、地理的な条件とか流出などの条件、1,000件以上受けているところがないようなところでもさまざまな実情があるということでございます。
最後の46ページでございます。四角2つにまとめさせていただいています。1つ目の四角ですが、これまで2回、平成30年から議論を重ねてきましたが、これまで議論された観点を踏まえまして、下記の3つに該当する医療機関について、第8次医療計画における救急医療提供体制上の位置づけを検討することを基本としつつ、さらに救急医療提供体制の検討に必要な他の観点も適宜追加して検討していくこととしてはどうかと考えています。
1つ目は、年間2,000件以上救急搬送を受け入れている医療機関について、救急医療提供体制の中で特に重要な役割を果たしていることを踏まえた医療計画における役割や位置づけ。2つ目が年間1,000件以上救急搬送を受け入れている、または年間500件以上夜間・休日・時間外入院を受け入れている医療機関について、救急医療提供体制の中で重要な役割を果たしていることを踏まえた医療計画における役割や位置づけ。3つ目は、救急搬送1,000件以上または夜間・休日入院年間500件以上を受け入れている医療機関に該当しないけれども、小児救急、産科救急、精神科救急を提供している医療機関について、各領域の救急医療提供体制における役割や位置づけ。加えまして、応需率が特に高いなど、地域医療確保のために重要な医療機関の役割や位置づけを検討するということです。
次の四角です。本日、実情をさまざま御紹介しましたが、年間1,000件以上救急搬送を受け入れている機関ですとか、年間500件以上夜間・休日・時間外入院を受け入れている医療機関を有しないような二次医療圏おける救急医療提供体制についても、事情が幾つかございましたので、これも踏まえながら検討するということでいかがでしょうかということでございます。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
第7次医療計画の救急医療提供体制を考えるときに、このようなものを対象にしたらどうかと。これは事務局の原案であり、そのためのエビデンスに近いものをるる説明いただいたということでありますけれども、いかがでございましょうか。野木構成員、どうぞ。
○野木代理人 私、参考人として2回目なので、全体の議論はよくわからないのですけれども、救急車で搬送されたということで一応計算されているみたいですが、救急車で運ばれたことと救急患者とは分けて考えるべきではないかという気はしています。別に心筋梗塞の方が家族に連れてこられて救急に入っても救急患者さんだと思うのです。救急車で運ばれた人だけを救急と考えるのはちょっと危険かなと。あるいは精神科などだと、夜に来たら救急で、昼間に来たら救急でない。
もっと極端なことを言いますと、精神科等はデータの上では、配慮していただいていますけれども、精神科は救急車で患者さんが来られることはほとんどない。なぜかというと、救急車に乗せてくれませんから。本人が乗る意思がないということで、ほとんどの場合が警察か、あるいは家族が連れてこられるという形になる。当然のごとく救急車でこられた数は少ないという形になりますので、救急の定義というのをもう少しはっきりしてもらうほうがわかりやすいのではないかなと思いました。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○松本課長補佐 特に精神科ということで救急搬送のところに該当しないものがたくさんあるというところに関して、わかるようにしていくべきだという御指摘だと受けとめましたので、精神の部分の資料構成も、救急車ではなくて、緊急的な対応ということで一元的にまとめられておりますので、そういう趣旨かと思いますので、そこは精神・障害保健課とも連携しながらきちんとやっていきたいと考えております。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかに何かありますか。田中構成員、どうぞ。
○田中構成員 静岡県立総合病院の田中です。
データ的には2,000件、1,000件というのは非常にきれいに分かれているように思います。私の病院の医療圏でもこれはよく当てはまるなと感じました。また、例外に関してもかなり詳しくいろんな事例を挙げられているので、非常によくできているのだろうと思います。
静岡においては総合周産期センターがこども病院にありますので、胎児期からフォローしておりまして、生まれてすぐ先天性心疾患とか手術を行うという体制があって、その関係で救急が少ない。そういったことも配慮していただいているようですので、全体的にはよくできているかなと感じました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
島崎構成員、どうぞ。
○島崎構成員 前回、私も御意見を申し上げて、小児救急とか産科とか精神科はちょっと違うのではないかということで整理していただいたものだと思います。年間1,000件と2,000件のところでかなり有意な差があるのも全体的な傾向としては理解をします。
46ページの一番最後、年間1,000件以上どうのこうのという2つ目の四角のところは、結局のところ何をしたいということなのでしょうか。
○松本課長補佐 こちらに関しましては、本日提示をさせていただいた実情に関して幾つかパターンがございますので、これのパターンごとの対応がいいのか、それとももう少し細かくするのかも含めまして、それは第8次に向けて引き続きの検討ということにさせていただきたいと考えております。
○遠藤座長 どうぞ。
○島崎構成員 具体的なことを申し上げると、34ページをごらんいただきたいのですが、私は長野県立病院機構の理事をやっておりますので、ここの状況をよくわかっているのですけれども、木曽の二次医療圏は大阪府よりも面積的には広いのです。大阪府よりも広い二次医療圏の中で病院は1つしかないのです。なおかつ有床診療所もない。したがって、ベッド機能を持っているのは県立の木曽病院だけなのです。なおかつ山で隔てられているものですから、二次医療圏の完結率が比較的高いといった特殊事情があります。
何を申し上げたいかというと、基本的な原則、見直しの大きな方針としてはそうなのかもしれませんけれども、最終的に個々の計画ベースで議論するときにそういう要素も勘案する必要があると思います。ここのところを特別扱いしてくださいということで申し上げたわけではなくて、1つの具体的な例として申し上げたのですが、個別事情を斟酌せずに統一的なメルクマールですぱっと切ってしまうことの弊害ということもちょっと考えられたほうがいいと思います。
以上、意見です。
○松本課長補佐 構成員の御指摘のような御懸念を前回も呈されたということで、事務局のほうで整理をして、まさにそういう事例として御提示をさせていただきました。
○遠藤座長 ほかに何かありますか。よろしゅうございますか。
それでは、基本的に46ページに示された事務局の議論の整理をお認めいただいたということでよろしゅうございますか。
ありがとうございます。
それでは、次の議論でございます。議題3「医療計画の中間見直しに加える指標について(救急医療)」。資料3について、事務局から説明をお願いします。
○野口救急医療対策専門官 事務局でございます。
医療計画の中間見直しにおける議論の整理(救急医療)ということで、本検討会において既に2回しているような状況でございますので、資料は必要最小限という構成としております。
1ページ、救急医療体制の話でございます。医療計画における救急医療については、救護や救命救急医療、入院救急医療、初期救急医療や救命後の医療という形で、フェーズを分けてどういったことを考えていくべきかということを議論しているところでございます。
2ページ、第7次医療計画における「救急医療」の見直しポイントとしては、概要にありますような3つの点に関して挙げられております。2つ目の救命救急センターの充実段階評価に関しましては、平成30年から見直しをしているという状況でございまして、残りの2つに関してどうなっているのかということをデータを示しながら議論してきたところでございます。
3ページでございます。いわゆる医療計画の見直し等に関する検討会ではいろいろ指摘がございました。とはいえども、我々のこちらの検討会において、質が高く効率的な救急医療体制の構築のために必要な救急医療機関の機能分化・連携について検討中とさせていただいておりますので、まずはこちらの検討会で意見を集約するということが必要と考えております。
4ページでございます。その後、議論を2回しまして、第16回に事務局の素案のようなものを出させていただいた上で、構成員の先生方から主な意見をいろいろいただいたところでございます。
それに基づきまして、5ページでございます。意見をいただきまして、第7次医療計画の中間見直しに向けてでございますが、救急医療機関の機能と役割を明確にし、地域で連携したきめ細やかな取り組みを行うことができる体制を評価するという点で、指標として以下の4つを加えてはどうかということを提案させていただきたいと思います。
6ページでございますが、現在、第7次医療計画における現状把握のための指標例といったものに赤字の部分を追加してはどうかと考えております。
7ページでございます。第8次医療計画に向けて検討していくものとして、指標については3ついただきつつ、今回の資料2にありますような内容も含めて議論を今後深めていく必要があると考えております。
2、3に関しましては、意見はいただいておりますので、医療計画の見直し等に関する検討会のほうには提案をさせていただきたいと考えております。
事務局としては以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
これも今まで議論してきたものでありますけれども、いかがでございましょうか。事務局の素案も出ておりますが。島崎構成員。
○島崎構成員す済みません。よくわからないのですが、6ページ目のこういう案を提示していいかどうかということが「お尋ね」ということでよろしいのですね。
○野口救急医療対策専門官 はい。
○島崎構成員 この検討会は救急と災害医療提供体制の在り方の検討会ですけれども、ここで言っているのは、それ以外も含めた全体の話をされているということなのですか。
○野口救急医療対策専門官 今回は救急医療に関してのみでございます。確かに我々の検討会は、名前に「災害医療提供体制等」とついておりますので、災害に関しても今後議論が必要であると考えております。前々回になると思いますが、災害の分野に関しましても一部提案させていただいておりますので、今後資料を整理させていただいて、こちらの検討会で相談させていただきたいと考えています。
○松本課長補佐 端的に言うと、災害は次回以降です。
○島崎構成員 私が質問しているのは、6ページ目の資料というのは、救急と災害に限らず、医療計画の全体のスケジュールの図のように見えるのですが、そうではないのですか。
○松本課長補佐 6ページの資料につきましては、5疾病・5事業の中の5事業に救急事業がございますけれども、救急事業の中の指標でございます。
6ページに関しては指標の一覧でございます。つまり、医療計画そのものが疾病事業ごとに指標を定めまして、その指標に基づいてPDCAサイクルを回して、第5次、6次、7次医療計画と進んでまいりましたけれども、この指標に関しては、今回の第7次から中間見直しができることになりましたので、今回、8次を待たずに、中間で指標は入れさせていただきたいという趣旨であります。
○島崎構成員 災害や救急についてもそういう指標を入れていくということですか。
○松本課長補佐 そうです。今回は救急だけで、災害は次回以降です。
○島崎構成員 わかりました。
○遠藤座長 これは本当は医療計画の検討会で議論をする話ですけれども、専門でやっているところがあるので、救急と災害についてはここでまずやりましょうという形です。
○島崎構成員 そういう理解ですね。
○遠藤座長 そうです。
ほかにいかがでしょう。猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 この議論の中で、先ほどのことも含めながらいくと、6ページでいうと救急車の受入件数、そういった件数に着目しているのですが、計画だから、例えばその地域においては1,000台以上受け入れる病院、もしくは2,000台以上受け入れる病院を育てましょうとか、そういう話になっていくということなのですか。計画としては。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○松本課長補佐 1つ前の資料の論点は、第8次医療計画に向けて検討するために設定をしたものでございますけれども、今回は例えば何件というメルクマールはつくりませんが、これを継続してほしいということを都道府県に言いたいということです。あくまでも例の提示という形で技術的助言を県にすることになりますが、これらの指標を使って救急の医療計画を進めてはどうですかということで県のほうに通知をいたしまして、県がこの中でどの指標を使って医療計画を進めていこうかということは、県が決めるという構造になっています。
○遠藤座長 鈴木課長、どうぞ。
○鈴木地域医療計画課長 ここにある指標は現状把握ということになっておりますので、そういった指標で、県のほうでは例えばこの中の指標を使って目標値を設定して、そこに向かってPDCAサイクルを回しましょうというやり方もあれば、現状、救急も含めてなのですが、ほかの支援もありますけれども、これが昔よりも進んでいるのか、進んでいないのかという現状把握にも使える。そういった意味で、今回現状把握の指標としてこういうものを提示させていただきながら、県の中で進んでいるか、進んでいないかも含めて見ていただきたいということで指標を提案させていただいております。
○遠藤座長 猪口構成員、どうぞ。
○猪口構成員 そういうことならばよろしいのですが、捉え方によっては、先ほど4つの病院が争っているけれども、これをなるべく1つに集約していったほうが機能も上がりますよとか、地域医療構想で言うと、そういう集約とか統合という話も出ている中で、こういう話が間違ったような形で使われないように、ぜひうまく説明していただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かありますか。よろしゅうございますか。
それでは、事務局の出された案について御了承したということにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、議題4「その他」でございます。事務局から何か議題はございますか。
○島田精神科医療等対策室長 地域医療計画課精神科医療等対策室でございます。
その他といたしまして、資料4「災害拠点精神科病院について」、御報告、御相談させていただきます。
ページをおめくりいただきまして、1枚目です。災害拠点精神科病院につきましては、都道府県において災害時における精神科医療を提供する上で中心的な役割を担う医療機関として、都道府県が指定することとしており、本年6月20日付で指定要件を通知しているところでございます。これにつきましては1ページの下、整備方針ですけれども、少なくとも各都道府県内に1カ所以上指定することとして通知を行っておりますが、令和元年10月1日現在の指定状況は、全国で大阪府の3施設となってございます。
これに至るまでの過去の議論の状況は2枚目に本検討会における検討状況として記載、紹介させていただいております。
3枚目でございますが、今年度指定要件を通知したところ、災害拠点精神科病院の指定状況といたしましては、今年度中に指定の見込みを含めまして11県、来年度以降指定に向けて調整中が23県、今後未定というところが13県という状況となってございます。
4枚目は、現状及び課題でございます。災害医療体制において精神疾患を有する患者の受け入れといいますのは、精神症状の安定化などの観点から災害拠点病院のみで対応することは困難ということで、災害拠点精神科病院の整備を行っていただくようお願いしているところですが、今後の指定見込みが立っていない都道府県が13県あるということですので、都道府県や関係団体に対してさらなる指定を促すこととしたいと考えております。
5枚目には現時点における医療計画の指針、局長通知の指針における災害拠点精神科病院についての記載ぶりを、御参考までに記載しております。
御検討、御意見、御質問などをいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
何か御意見ございますか。野木参考人、どうぞ。
○野木代理人 この部分の整備方針、「少なくとも各都道府県に1カ所以上」と書いてあるのですが、5ページを見ていただいたらわかるのですけれども、平成28年度の熊本地震で被災した精神科病院から595名の患者搬送があったわけです。本当に1病院で大丈夫なのかということなのです。私は大阪ですけれども、大阪は少なくとも3病院は必要だろうとなりました。1病院と書かれると、必ず国公立病院1カ所で、都道府県は、はい、これで終わりですとなってしまうのです。実際日精協はDPATも運営していますけれども、災害があったとき絶対的な病院数が足りないです。それを検討して、大阪は少なくとも3カ所は必要であろうということになっています。
ここの整備方針は、できれば各都道府県内に数カ所以上が望ましいという方針でしていただくほうが僕はありがたいと思います。前に参加させてもらったときもそれをお願いしたのですけれども、1カ所となっています。災害時は1カ所では絶対足りないと思います。発災時には大変なことになると思います。「望ましい」でよいので、そこはよろしく変更をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。ありがとうございます。
加納構成員、どうぞ。
○加納構成員 ありがとうございます。
○加納構成員 今、野木先生がおっしゃったように、災害時の避難のときにこの拠点病院が有効に機能するかというのがポイントだと思います。私の持論ですが、いわゆる災害拠点病院と災害精神科病院はちょっと趣を変えるべきだと思うのです。精神科病院のほうはいわゆる避難のときの業務が主体であるわけなので、拠点病院のようにどのようなことがあっても沈まないような巨艦をつくるような話になってしまっている災害拠点病院の基準と、精神科拠点病院の基準は根本的なあり方が違うので、変えるべきではないか。もっと軽装備にして、民間でも幾つかがしっかりと機能できるように地域で確保するという意味での拠点病院化すべきではないかなと思います。やたら無駄と思われる公的病院等の繰入金、補填するような補助金の対象にならないように、具体的に実際機能するような精神科拠点病院であるべきだなと思っておりますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 災害時のDPATの活躍というのは極めて重要な役割を持っていると思っております。精神科の災害拠点病院を充実させるためには、DPAT研修が十分に機能していないとだめだと思うのです。まだDPAT研修が十分に浸透していない背景があると思うのです。国の計画としてそこからきちんとやらないと難しいのではないかなと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
野木参考人、どうぞ。
○野木代理人 これは別ですけれども、私、DPATの事務局長をしていますので、事務局長としても、それはおっしゃるとおりで、予算ももうちょっと上げていただいて、DPATの研修会がもっと大きく広くできるようにお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかによろしゅうございますか。それでは、事務局、どうぞ。
○島田精神科医療等対策室長 さまざま御意見をいただきまして、ありがとうございます。
各都道府県内に1カ所以上の整備ということで、まずは1カ所以上ということで本年6月に通知も出したところですので、しっかりとお願いしていきたいと思っております。
また、災害拠点病院と災害拠点精神科病院の指定要件の違いにつきましては、この検討会でも御議論いただいて、災害拠点病院よりは軽度、ヘリポートは必須でないとか、軽い基準になっておりますので、御意見を踏まえた対応となってございます。
DPAT研修につきましては御意見として承らせていただきます。しっかり対応してまいりたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
野木参考人、どうぞ。
○野木代理人 気持ちはわかりますけれども、1カ所以上となっていると、絶対1カ所だけしかできないと思います。ですから、そこはちょっと考えていただかないと。都道府県は1カ所以上と言ったら、1カ所ありますので大丈夫ですと絶対言われるので、そこはぜひ検討していただきたいと思います。
○遠藤座長 大友構成員、どうぞ。
○大友構成員 東京都の状況をちょっと紹介いたしますけれども、かなり災害拠点精神科病院の指定の準備、それから数が足りないので、連携病院をつくりましょうということで、拠点病院は余りたくさんつくれない。ですから、東京都でも2か3だと思います。それ以外に10病院ぐらいそれを支える、重装備ではないのだけれども協力するという体制をつくっております。DPATの研修も東京都では昨年度から3回ぐらいやっていて、かなり熱心に研修が進んでおります。
以上、現状報告です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
ほかにありますか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、本日用意した議題は全て終了いたしました。いろいろな御意見も出ましたので、事務局におかれましては、意見を踏まえまして所要の対応をお願いしたいと思います。
それでは、これをもちまして本日の検討会を終了したいと思います。次回以降の日程については、事務局から追って御連絡をさせます。
それでは、どうもありがとうございました。

照会先

医政局地域医療計画課

救急・周産期医療等対策室
救急医療対策専門官 野口(2556)
災害時医師等派遣調整専門官 西田(4130)