第12回 社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会 議事録

〇 日  時:令和元年11月29日(金)10:00~11:51
 
〇 場  所:TKP虎ノ門駅前カンファレンスセンター3階 ホール3A
 
〇 出席構成員(敬称略)
    岡部 卓 (座長)
    大西 豊美 (構成員)
    奥田 知志 (構成員)
    鈴木 茂久 (構成員)
    西脇 誠一郎 (構成員)
    藤掛 博行(構成員)
    水内 俊雄(構成員)
    向井 順子(構成員)
    山田 壮志郎 (構成員)
 
〇 議 題
    日常生活支援住居施設における生活保護受給者の支援の在り方について
 
〇 議  事
 
○岡部座長 定刻となりましたので、ただいまから第12回「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」を開催します。
 皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、事務局から本日の出欠席についてお願いいたします。
○西澤保護事業室長 辻井構成員、平野構成員、廣吉構成員が欠席との連絡を受けております。奥田構成員も少しおくれられているようです。
 なお、冒頭のカメラ撮影はここまでとなりますので、カメラの方は退室をお願いいたします。
○岡部座長 それでは、議事に入ります。
 本日は、日常生活支援住居施設のあり方に関して、これまでの議論を踏まえて、事務局から考え方を示していただいた上で、さらに議論を深めてまいりたいと思います。
 日常生活支援住居施設のあり方について、この検討会において議論をいただくのは、本日が一旦の区切りということになりますので、構成員の皆様におかれましては、言い残し等のないよう御発言いただければと思います。
 それでは、事務局からお願いいたします。
○清水室長補佐 それでは、説明に先立ちまして、資料の確認をさせていただければと思います。
 資料については、次第と、資料1として、前回意見への考え方、資料2といたしまして、日常生活支援住居施設のあり方についてということで、前回の資料からの修正版という形にしております。不足等がございましたら、御指摘いただければと思います。
 それでは、資料1のほうから説明させていただきます。
 資料1は、前回の検討会でいただいた御意見への考え方ということでまとめさせていただいております。
 1ページ目をお開きいただければと思います。上でございますけれども「日常生活支援住居施設の認定」に関して、前回、無料低額宿泊所の最低基準の附則に該当する施設が日住の対象になるかどうかという議論の中で、日常生活支援住居施設が附則に規定しております改善計画を実施しない場合ということで、取り消すことになると思うのだけれども、その間、公費を支出することは適当ではないのではないかということで御指摘をいただいた点でございます。
 右側は、意見についての考え方ということでございますけれども、附則に該当する無低、改善計画を実施しない場合も含め、その日常生活支援住居施設の最低基準を遵守しない場合は、認定の取り消しに該当するということになります。
 その場合、現に支援が委託されている間、その取り消しまでの間ということになりますけれども、委託費の対象にはなりますけれども、この場合、新規の委託は実施をしないということと、あわせて既に入居中の利用者についても、ほかの、例えば、基準を遵守している日住とか社会福祉施設等々、適切な転居先を確保した上で転居支援を行うという形で、既に入居している方も退所の支援をしていくということが必要になろうかと思ってございます。そのような取り扱いをすることによって、委託費を事実上、支出しない取り組みになろうかと思ってございます。
 括弧書きで書いてありますけれども、これ当然といえば当然ですけれども、不正受給等々をした場合については、その費用の返還を求めることになりますので、そのための規定等も整備をしてまいりたいと思ってございます。
 2段目「日常生活支援住居施設の対象者の選定方法」ということで、これは前々回を含め、前回もそれぞれ御意見をいただいたところとで、その他、社会資源を踏まえた、委託の判断が必要ではないかということとか、状態像等々これに該当すれば、例えば居宅に移行できないというようなラベリングのおそれもあるので、ひとり歩きをしないようにすべきではないかというところと、出口、日常生活支援からの移行先についても整理が必要ではないかということで御意見をいただいたかと思ってございます。
 右側、考え方でございますけれども、これは基本的な構造としては、前回も資料に出させていただいているとおり、委託の決定については、ここに書かせていただいているとおりの流れで、基本的には福祉事務所が決定をするというものでございます。
 また、委託開始後について、継続して委託が必要かどうかについても、ここに掲げている要素を考慮して、福祉事務所が決定することになるということでございます。
 また、御指摘いただいたような実際に運用の手続、考え方等々について、運用上工夫できる点等は、御指摘を踏まえて、また整理をしてまいりたいということで思ってございます。
 1ページ目の一番下でございますけれども「日常生活支援住居施設の要件と委託事務費の設定」ということで、それぞれ人員配置基準等々の要件、また、委託事務費の設定については、その要件と委託事務費のバランスというか、事業の実施が可能な形で設定されなければならないというようなことで御指摘をいただいたということで、前回も御意見ということで書面での提出もいただいたところかと思ってございます。
 右側でございますけれども、日住の要件、また、委託事務費の単価設定については、年末の予算編成過程の中で、また調整を政府内で行っていって決定をするということを予定してございますけれども、その際には、前回、この検討会で提出された意見、また、前回の書面の内容を踏まえて検討してまいりたいということで考えてございます。
 2ページ目でございます。
 これは、大きく「今後の課題への対応等」ということで、それぞれ、前回も日住のあり方について、入居者の必要数というか、必要な需要をどの程度見込んでいるかというような御意見とか、それぞれ社会福祉施策全体の中で、どういう役割を担うべきかというところをきちんと明確にすべきではないかということ。また、実際、制度施行後にそれぞれの実態の把握、また、必要な見直し等を行っていくことが必要ではないかというような御意見をいただいたかと思ってございます。
 右側ところでございます。この検討会については、日住の議論については、今回まで、回数でいうと6回検討会を開催して議論を行ってきたところでございますけれども、もともとの無料低額宿泊所はさまざまな形で発展してきたということもございまして、検討会の中でも、さまざまな御意見があったかと思ってございます。
 その中で、御指摘のような入居者の見込みについては、やはり、生活保護受給者の数自体が、それぞれの経済情勢等々さまざまな要素の影響を受けるということもございますので、日住の入居者の見込みというところも、なかなか正確にはつかみづらい部分がございますけれども、また、この新しい制度を施行後、どのように推移していくか、発展していくかというところにつきましては、その施設の認定の状況、また、委託の状況について、適時、把握を行ってまいりたいと思ってございます。
 また、制度の位置づけにも関連するかと思いますけれども、有効に活用されている事例等で、先進的な事例の収集、また、周知というものも図っていく必要があるかと考えてございます。
 3つ目の○でございますけれども、これは前々回も、前回も、その質の向上という観点から、個別支援のあり方、研修のあり方ということで御指摘いただいた部分でございますけれども、こちらについては、また、社会福祉推進事業等により、調査研究を行いつつ、どうあるべきかということを検討してまいりたいということで挙げてございます。
 その下、その他、さまざまな検討会での意見、施行後に生じた課題等については、運用上で改善図るべきものについては、適宜、必要な見直しを行っていくということと、一番下でございますけれども、制度的な見直しが必要な場合については、次期生活保護法制度の見直しということで、米印で書いてございますけれども、今回の法改正、平成30年の改正法の附則では、法律の主な施行が平成30年10月ですので、そこから5年後をめどとして、必要な見直しを行うというような見直しを検討するという規定が置かれてございます。
 5年後ということで、西暦で言いますと2023年、令和5年になりますので、こちらの日住の部分からの施行になりますと3年後になるかと思いますけれども、そういった全体の生活保護制度の見直しの一環として、こちらの日住のものについても、制度的な見直しが必要な場合については、その一環として見直しを行うことを検討してまいりたいということで挙げてございます。
 続いて、資料2のほうでございます。
 基本的には、前回から修正をした点を、主に赤字で修正をしてございます。
 修正をした点のみをかいつまんで説明をさせていただければと思います。
 1ページ目を開きいただければと思います。これは、前回、全体の位置づけの整理ということで挙げていたペーパーでございますけれども、保護施設と無低、日住、また、在宅というところが、全てをあらわすものではないのではないかと。他法のサービスを含めていろいろな選択肢等がある中で、それをあらわさないと誤解を生むのではないかというような御指摘があったかと思ってございます。
 その中で、修正点でございますけれども、前回、表題についても、住まいと支援の全体的な整理ということで記載をしてございましたけれども、あくまでもこの無料低額宿泊所、また、日常生活支援住居施設の位置づけの整理ということで、保護施設と在宅の位置づけの整理のペーパーであるということにしてございます。
 説明文の赤字の部分で、それぞれの認知症・障害者のグループホーム、有料老人ホーム等のほか、在宅に住みながら、福祉サービス等の活用を図ることによって、それぞれ必要な支援というのが提供されるものもあるということで、これらの日常生活支援住居施設については、その一つの形態として、施設と在宅の間ということで、位置づけられるのではないかというような図に改めてしてございます。
 また、上の一番下の○のところでございますけれども、こちらについても前回の意見に対する考え方ということで記載をしていた部分について、こちらの全体ペーパーにも盛り込むべきではないかというような御指摘がございましたので、その旨を入れてございます。
 また、図のところでございますけれども「居宅移行に向けた支援」の矢印というのは、前回の無低のところから発している図になっておりましたけれども、これは全体を通じて言えるのではないかというような御指摘をいただきましたので、その矢印を伸ばしございます。
 あと、細かい文字になりますけれども一番下の枠外に米印ということで、全体の位置づけの整理ということで先ほど申し上げた、この資料の趣旨というものも記載をさせていただきまして、そういった誤解等が生じることのないようにということで米印を入れてございます。
 そのほかの修正点といたしましては、ページを飛びますけれども、資料2の7ページになります。
 全体の住居がない方に対する支援の実施の流れへの例ということで挙げさせていただいたものにございます。
 また、保護の決定の際というところで、特に、前回、保護の決定に際して、すぐに居宅が確保できるということで、一般住宅に即入居できるというところも記載すべきではないかというところで御指摘をいただいてございましたので、これは制度上も当然そういうことでございますので、この枠の中に一般住宅という形で、すぐに契約等できて、居宅生活、居宅確保が可能な場合ということで入れさせていただいてございます。
 それから、修正点で、一番最後の21ページでございます。
 6ということで「制度の施行状況等の検証等」ということで、こちらについては、先ほど、資料1のほうで説明させていただきました今後の課題への対応というところをこちらの資料にも掲載したものでございますので、それぞれ、状況の把握、また、質の向上に向けた取り組みを行いつつ、また、一番下でございますけれども、施行後も検証、また、見直しを行っていきたいということで資料上、記載をしてございます。
 資料の説明は以上でございます。
○岡部座長 ありがとうございます。
 今、事務局より、前回意見の考え方として資料1、日住のあり方について、前回の修正版ということで、資料2を報告していただきました。
 資料1及び資料2につきまして、皆さんから御意見をいただければと思います。いずれの資料からでも結構ですのでよろしくお願いいたします。
 向井構成員、お願いいたします。
○向井構成員 この間、いろいろ修正していただいてありがとうございました。
 大阪市から3カ所について、意見を言わせていただきます。
 まず、1ページ目の新たにつけ加えていただいた四角囲みの○の4つ目「日常生活支援住居施設は、入居者に対して」のところですけれども、「居宅における生活を念頭に」で「復帰」は要らないかと。また、「施設内での安定的な生活の維持」というのは、居宅生活に向けて、当然にまず、今いるところで安定を目指すというのは支援目標の中の一つ、スモールステップだと思うので、ここはわざわざ書かなくてもいいのかなと思っております。
 一方で、居宅における生活を念頭に置きつつ、「他法の利用に努め」と、一番下にも米印で書いてはいただいてはいるのですけれども、次官通知の他法他施策の活用の文言は、ここにも書いていただけたらなと思っておりますので、「可能な限り居宅における生活を念頭に置きつつ、他法の利用に努め、本人の有する・・・」というような形にしていただければなという、これはお願いです。
 2つ目なのですけれども、9ページ目です。
 9ページの真ん中あたりに「支援内容の定義」というのが書かれておりまして、ここに1つ目の○で「利用者ごとに個別支援計画の策定を必須としてはどうか」ということで書いていただいております。この間もいろいろ議論がありまして、入居者の方について、一律の支援とかサービスを提供するのではなくて、一人ずつの状況に応じたテーラーメードで行うということを、この間、言っておられたかと思います。
 なので、ここの表現については非常にありがたいなと思っているのですけれども、加えて、一律ではないテーラーメードだということであれば、例えば、入居された方が全員、食事の提供を受けるのではなくて、ある人は自分の生活費で近くのスーパーにお惣菜を買いに行く、もしかしたら地域の配食サービスを使う方もいらっしゃるかもしれないとか、週に何回かは食事提供を受けながらも、残りの日については自分で好きなものを購入するというようなことにしていただきたいと思います。また、それは金銭管理についても同様です。入居の方、皆さんが必ず金銭管理をされるというのではなくて、自分で管理する方もいらっしゃったり、日常生活自立支援事業を使う場合、成年後見制度の、多分、日住に入る方は保佐、補助の類型の方だと思いますけれども、そういうような利用もあるというようなことが、もう少しわかるように書いていただけたらなと思っております。
 あと、テーラーメード、個別支援計画ということになりましたら、その基となるその方の援助方針なり、自立支援プログラムにおける自立のメニューということにつきましては、責任を持って福祉事務所で決めていく必要がある。それに沿った個別支援計画になっていくということも、ここに少し書いていただけたらなと思っております。
 少し気になっておりますのが、2つ目の○で、金銭管理支援というのを書いていただいているのですが、無低においては、行政からの委託料なしで金銭管理が行われます。ところが、日住になると、突然ここで、金銭管理の委託料が発生するのではなくて、あくまでも家計相談支援というような個別支援についての専門的な業務に対する委託料だということがわかるように書いていただけたらなと希望しております。
 3点目なのですけれども、16ページです。
 16ページの下段のほうの委託事務費の単価設定の考え方の3つ目の○のところで「利用者から受領できる費用について上限を設定する」と書いていただいております。これにつきましては、上限設定は私も必要だと思っておりまして、ここの上限がどのくらいになるかというのを、ぜひ、具体的に教えていただきたいと思っております。
 というのも、この間、ヒアリング等でもありましたが、例えば食事提供が、1日3食ではなくて2食なのに、残るお金が1万円とか、食事提供やサービスはフル活用であったとしても、被服の購入費用とか、その方の間食とか嗜好品の購入という費用はどうなっているのかというのが非常にわからない部分ではありましたので、ぜひ、この上限設定については、合理的な金額を決めていただけたらなと思っております。
 過去に大阪市で、支援が不適切であると疑われる建物が1カ所あって、今度の冬が来たら7年目になると思うのですけれども、入っている方全員を別のところに移したことがあります。そのときに、入っていた人にいろいろお話を聞くと、助けを求めたかったけれども、自分の手元に、公衆電話で助けを求める10円さえなかったとか、「ここ以外にあなたの行くところはないのだから、ここでやるしかない」というような心理的な拘束を受けているという発言がありました。またその方を連れ出すときに「何を持って行く?」と聞いたら、自分の持ち物は、若い時分の非常に頑張っていたときの写真と家族について書いているメモだけだったということがありました。多くのサービス提供が必要だと思うのですけれども、多分、身の回りの衣類等を買い揃える余裕がない現状もあるのかなと思っております。
 結果として、そこの支援サービスというのが非常に劣悪でして、この間、事業者の方からもいろいろ意見が出ているかと思うのですけれども、最低限度の生活の維持ということを考えた場合に、これより下げたらいけないサービス提供金額というのはあると思います。なので、安ければいいと民間に委託して、お願いするのではなくて、やはりこれ以上は下げられないという金額については、実際、今、事業を行っている方々ともう少し詰めていただいて、変なふうにならないようにしていただけたらなと思っております。
 以上です。
○岡部座長 向井構成員、ありがとうございます。
 鈴木構成員、お願いいたします。
○鈴木構成員 横浜市の鈴木ですが、私のほうからも何点か意見を。
 まず、最初に日常生活支援住居施設の1ページ目の位置づけについて、改めて意見を言わせていただければと思います。
 今回の社会福祉法の改正で、無料低額宿泊事業を行う施設を社会福祉住居施設と位置づけ、社会福祉住居施設は、もう皆さん御存じのとおり、入所期間が原則1年ということで、やはり一時的な施設という位置づけがなされたものと理解しております。
 その上で、一時的な施設としての前提の上で日常生活住居施設があり、やはりそう考えると、入居された方をアセスメントして、個別の支援計画を立て、自立に向けての支援をする施設と位置づけるべきだと思っております。
 この後も状態像の話がありますけれども、やはり住居がない方、なくされた方、すぐに居宅生活を営むことが困難な方、これはさまざまな背景、状況がありますので、施設としては、居宅を有しない、もしくはすぐの居宅生活を営むことが困難である者に対して自立を支援する施設というぐらいの明確さがないと、議論の中で、どれだけこれを運営するところがあるのだろうという話などもございましたが、ある程度一般化しないと、やはり施設として成り立たないだろうとも思いますので、そういった方向で議論していただければと思います。
 あと、前回の検討会での御意見の考え方でも、附則に該当する施設について、取り消しの間というようなところで考え方が出されておりますが、こちらのほうにつきましても、あくまでも改善するということが大前提で、附則はあるのだろうと思っております。このような取り消しの期間をどうするのだみたいなことがないように、生活を支援するところですので、きちんと設備面は整えた上で、先ほども言ったように、アセスメント、個別支援計画にのっとった支援などをするということで、資格を持った人を配置する、そうすると人件費がかかるのは間違いないですので、施設側のほうの人件費を雇う安定的な経営を支えるというところで委託費を打つというような形にするべきだと思っています。
 以上です。
○岡部座長 鈴木構成員、ありがとうございます。
 西脇構成員、お願いいたします。
○西脇構成員 先ほど、横浜市さんがおっしゃったとおりです。
 意見の考え方、資料1の1ページの上段ですけれども、都としても、本来であれば、やはり附則該当の無低の施設について、こういう日住に入れるのはどうかというのは、非常に懸念を思っているところでございます。
 ただ、前回、厚労省さんのほうで対象にするという考え方が示されたので、御質問させていただいて、今回、こういう形で回答いただいたのですが、先ほど、お金が流れないように規定は整備しますということでしたので、それは是非きちんとやっていただきたいと。
 あと、もう一点、やはり、附則に該当するもののみではなて、本則でも遵守できなかったものも含めてですけれども、やはり取り消しに実際になったものについて、例えば、取り消し後、またすぐに、要件が整ったから日住に手を挙げますというのは、これは非常にまずい話なのかなと。そうなると、取り消しを実際に受けたところについては、ほかの例ですと大体5年ぐらい、再度、認可とか認定を受けるのは駄目だということになっていますので、同様に、一定の期間、再度、日住にはなれないという形の規定も設けていただきたいと思います。
 それと、別の件なのですが、資料2のページでいきますと17ページの図で、まず1点、確認というか質問なのですが、無低の基準省令上、基本サービス以外に入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービスの提供に要する費用というのは、利用者から受領できるという形になっていて、ただ、なっているとは言っても、そのうち日住の、いわば委託費を、人件費、事務費等を差っ引いた額で受け取るという形になっているのですが、この図上、それに該当するのがどこになるのかというのがよくわからなかったので、それを教えていただきたいのが1点。
 もう一つ、基本サービスについては、先ほどからというか、前から、一応、上限額を設けるという形になっているのですが、今、言った、省令で定めている入居者が選定する日常生活の支援に関するサービスの提供に要する費用、それについては、日住の受領する委託費を除いた額で、利用者から受け取れるという形になっているのですが、これについては上限というのを設ける考え方があるのかないのか。
 ないとすると、ある意味、事業者さんが、言い値というか、省令上は合理的な範囲の額となっていますけれども、合理的な範囲というのが一体何なのかというのは、たしか今までは特に示されていなかったと思いますので、もし上限額の定めをしないとしても、合理的な額というのは一体何なのか、それは具体的に示していただきたいと思います。
 私のほうからはその2点でございます。
○岡部座長 行政の方、藤掛構成員、いかがですか。
 よろしいですか。
○藤掛構成員 また後ほどでいいですか。
○岡部座長 わかりました。
 今、行政の構成員からお話がありました。修正あるいは要望ということで出されています。事務局、お願いいたします。
○清水室長補佐 さまざまな御意見いただきまして、また少し御意見を踏まえながら、最終的に基準なり何かしら出していくときに踏まえてさせていただければと思いますけれども、幾つか、1ページ目で、そもそも文言変更というところも御指摘いただいたところでございます。こちらを、まず、可能な限り居宅における生活の復帰というところは、これはほかの施設等で用いられている表現を持ってきたものでございますけれども、また、こちらについても、こういう表現がいいのではないかというところが、もしこの場でもあれば、別途御指摘いただければと思ってございます。
 あと、これまでも基本的には居宅移行に向けた支援を念頭に置きつつというところは共通したところでございますけれども、やはり、それぞれ入っている方の状態像に応じて、すぐに移行できる方、なかなか居宅移行が難しい方もいらっしゃる中で、前回も自立に向けた考え方ということで、それぞれの能力に応じた自立の考え方があるのであろうと。そういった意味で居宅移行の復帰を念頭に置きつつ、また、施設内での安定的な生活を維持することも目標になる方もいらっしゃるだろうということで入れさせていただいているものでございますので、こちらについては、また、ほかの御意見もあれば承れればということで思ってございます。
 また、他法の施設については、他法の施設の利用が適当な方については、それは他法の施設含めて転所というところを、それぞれの状態に応じて活用していただくということかと思いますので、それはこちらの図に入れ込むのか、また、全体の流れの中で織り込むのか、考え方としては、それを踏まえて何かしらの位置づけをさせていただければということで思ってございます。
 それから、金銭管理と幾つかいただいたので、拾い切れているか、また、御指摘いただければと思いますけれども、支援の内容について、9ページのところで、先に、全体のそれぞれの個別の支援ということで、食事の提供を含めて、それぞれの状況に応じた支援ができるようにすべきではないかということかと思っております。こちらについてはそのとおりかと思いますので、また、これは考え方として、運用の中でどのように表現できるかを含めて検討してまいりたいと思ってございます。
 金銭管理の支援につきましても、これも、前回資料のところで、当然ながら全体が自立に向けた支援ということでございますので、それぞれ金銭管理についても、できるだけ自己管理ができるようにということに向けた支援ということで考えてございますので、そういった内容がわかるような形での定義なり考え方ということにしてまいりたいということで思ってございます。
 それから、利用料の面について、幾つか御指摘があったかと思っております。
 まず、今回挙げさせていただいた委託費のところで、資料としては19ページにも書いてございますけれども、基本サービス費の上限設定ということでございます。
 具体的な、どのような形で金額を設定するのかというところについては、これは全体の事業費と、委託事務費としてお支払いするところと兼ね合いで決まってくるものかと思ってございますので、それはこれから年末にかけて、予算編成の過程の中で委託事務費が決定してまいりますので、その中で必要な事業費について、端的に言いますと、例えば、人件費につきまして、委託事務費で見る部分と基礎的なサービス部分として利用者の方からいただく部分という形で、どこで区分をするのかというところで設定をしてまいりたいということで思ってございます。
 それから、もともとの利用料の金額の設定の適正化ということで、例えば、食事の提供に関する費用とかということでの御指摘をいただいたかと思っております。
 こちらについては、もともとの無料低額宿泊所の最低基準のほうに金額等までは示すまでは至りませんけれども、例えば、食事の提供に関する費用であれば、食材費、調理等に関する費用に相当する金額とすることというような、費用を構成する要素については定義をさせていただいてございます。
 それらに基づいて、各施設がどのような金額設定をしているのかというところを、施設としても説明責任を求めるというところになろうかと思いますので、そういった費用の設定と、あと、金額については、これはあらかじめ公表して、サービスの内容と金額をあらかじめ提示をして選択をできる仕組みということを考えてございますので、そういった提示をして、明確化をして、それをごらんいただいて選んでいただくという形で、そういったところで適正化が図られるのではないかなということでも考えてございます。
 また、それぞれの施設の位置づけについては、一時的なものをというところで御指摘がございますけれども、資料1ページに戻りますけれども、横浜市さんからいただいたところも含めて、これもまた御意見があろうかと思いますけれども、基本的には、今回、そのような位置づけも踏まえつつ、一番下の○の4番のような表現とさせていただいているところではございますけれども、また、こちらについてはさまざまなその他の御意見も踏まえて、直すものがあれば、修正が必要だということであれば、整理をしてまいりたいということで思ってございます。
 それから、附則対象無低の考え方ということで、今回、資料1のほうでも考え方を提示させていただきましたけれども、それぞれ、当然、安定的な運営が見込まれない、例えば、附則で、これはもう廃止というか、これは入居者がいるからとりあえず前提としているけれども、今のところ、経過措置として認めているようなものについては、これは、やはり安定的な運営が見込まれないということにもなろうかと思いますので、どういった場合に日住の対象になるかどうかということを考え方については、また、例示等ができれば整理をしてまいりたいということで思ってございます。
 また返還の規定等も、資料の説明の中でも申し上げましたけれども、整理をしてまいりたいということで思ってございます。
 無低の基準の中で、費用の考え方ということで、資料の17ページのところでの関係性ということでよろしいのでしょうかね。
 前回、無低の基準の中で、日常生活支援住居施設に関する費用を除いたものということで、基準上、整理をしたのではないかというところで御指摘があったかと思います。
 この図で整理をいたしますと、例えば、支援を行っているところについては、事業費としては、人件費等ということで2つ載せてございますけれども、支援のスタッフを一定程度置いているところについては、もともとその人件費等ということで、青い部分と点線の部分がもともと乗っかっていたところで、右側の利用料等収入で言いますと、今まで日常生活支援の委託費がない場合については、この赤枠含めて、利用料として受領していたという部分であろうかと思います。
 今回、そういった支援を、日常生活支援部分について、委託費でお渡しをするということになりますので、基本サービス費ないしはその支援の費用として受領する費用については、この委託事務費を、点線を除いた青枠の部分だけ、利用料として受領をするということの関係の図になってございます。御質問と回答趣旨が違うようであれば、また御指摘いただければと思いますけれども、そういった形で、必要な人件費のうち、委託費として出る部分から除いたものが基本サービス費ということに、その支援の費用の一定の根拠になるということで考えてございます。
 それら費用の考え方、日常生活支援、また、基本サービス費の上限の額の設定の考え方というところについて、できる限り、また、委託事務費の設定とあわせて、考え方等々、示せる部分は示してまいりたいということで思ってございます。
○西澤保護事業室長 あと、もう一つは、東京都さんから、取り消しを受けたところ関係で、これは他法と均衡とかを考えながら整理していきたいと思います。
 あと、全体的には、この資料は議論のベースでございますので、いただいた御意見を踏まえながら、最終的には省令や通知を考えていきたいと思います。
 以上です。
○岡部座長 西脇構成員、お願いいたします。
○西脇構成員 再確認なのですけれども、資料2の17ページの図の中の、要するに省令で言う入居者が選定する日常生活上の支援に関するサービス、入居者が、このサービスを特別にやってくださいと言ったものについては、今の説明だと、この17ページの図の中に潜っているということでよろしいということですよね。
 潜っているということでも構わないのですが、ただ、省令上は入居者から利用料を取れますとなっていて、その取る額については、日住から受領する委託費を差っ引いた額で取ってくださいということになっています。先ほど、資料の中では基本サービス費については上限を設定するという話があったのですけれども、入居者が選定する、要するに、個々の入居者が選ぶサービスについては、特に上限を設定するという話も今のところ出ていない。そもそも入居者が選定するサービスについて、通知で合理的な金額を定めた上で事業者は取りなさいということになっているのですけれども、その合理的な金額は何ぞやというのが非常に判断が難しいところですので、やはり、合理的な金額は何なのかというのを示す、あるいはセットで上限額について示す、いずれかを検討していただけないかというのが、もう一つの私の趣旨です。
○岡部座長 これは向井構成員のお話しと関連しているかと思います。
 事務局、お願いいたします。
○清水室長補佐 特に、そこの、さらに日常生活支援住居施設の委託費を受けた上で何か特別のサービスというところは、当然、サービスの内容とか、特別なサービスということも、さらに何か、もし取るということであれば、必要になるかと思いますので、そこの日常生活支援の費用とどう区分をするかというところは、こういうものでないと、とってはいけないというものが示せれば、示してまいりたいということで思ってございます。
 それから、先ほどの取り消しの部分は、室長からも説明がございましたけれども、特に資料の中でも、今回考え方として、資料の15ページのところで、日住の運営主体に関する要件ということで、これは例示ということで出させていただいておりますけれども、こういった場合については、指定はしないということになろうかと思いますけれども、この15ページの事業者としての要件例ということで、例えば、いろいろ書いてございますけれども、⑥のところに「事業の認定を取り消され5年を経過しないとき」という、これは他法の例を引っ張ってきて載せてございますけれども、こういった要件については、やはり御指摘のとおり必要ではないかと思っておりますので、また設定の際に考えてまいりたいと思っております。
○岡部座長 山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 2点ほど質問させていただきたいのですけれども、1つは附則の話が先ほども出てきていたと思うのですが、資料1の1ページのところの表現で「無低が改善計画を実施しない場合」という表現があるのですが、改善計画を「実施しない」というのがどういう意味なのかと。若干、曖昧な感じがしています。最低基準の附則の中では、改善計画に関して、事業者が作成する、それを都道府県知事に提出をする、そしてそれをもとにして改善を図るということがあったと思うのですけれども、ここで言う改善計画を「実施しない」というのは、作成しないという意味なのか、提出しないという意味なのか、改善を図らないという意味なのか、普通に読むと、改善計画を実施するということは、計画に基づいてその改善を図っていくということなのかなと思うのですが、若干、曖昧な気がしたので、そこを確認したいというのが1点です。
 もう一つは、資料2の20ページで、これは前々回も申し上げたかと思うのですけれども、減額適用の話で、日住としての委託を開始する時期と、減額措置を実施する時期をそろえるという御意見もありまして、それはそれでいいとは思っているのですけれども、一部経過措置の期間について、どれぐらいの経過措置を設けるのかということについて、前回の資料では、平成27年の住宅扶助基準の改定を引き合いに出して、あのときは2年ぐらい設けましたということが書かれていたと思うのですけれども、大体それぐらいのことを見込んでいるのか、無低の最低基準のほうでは、面積の経過措置について「当分の間」みたいな表現がありましたが、そういうことではなくて2年とか、そういうような時期を考えていらっしゃるのか、2点、確認したいと思います。
○岡部座長 事務局、お願いいたします。
○西澤保護事業室長 御質問の1点目ですけれども、まさに、計画を実施しないということです。つくっているけれども、それを実施しないということでございます。
 もう一つの、面積減額の経過措置ですけれども、これは期限を区切って、期限はこれから検討して決めていきたいと思いますけれども、期限を区切っていきたいと思っています。
 以上です。
○岡部座長 ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
 今回、最後の検討の場になりますので、皆様、長くても3分以内で収めていただきますようお願いいたします。
 奥田構成員、お願いいたします。
○奥田構成員 おくれまして済みませんでした。
 私は意見というような感じですけれども、まずは、繰り返し言いますけれども、30条が前提なので、居宅で保護するというのが前提である、それはそうだろうと。でも、一方で、私はやはり、この議論が単なる日常生活支援住居施設の議論にとどまらず、これからの日本の社会全体がどうなっていくのかということを踏まえた、社会資源全体の議論にあるべきだと、今ある、例えば、介護系の施設とか障害系の施設であるとかというところに全て包摂していくという方向でいくのか、今回、私は、住宅と施設の間の概念を一つつくっていこうという、軽い、重いという言い方をすると、現場の人たちからは怒られるかもしれませんけれども、そういう意味ではがちっとした制度でやってきた少し手前のところ、しかし、自己責任ではなかなか難しい、そういうところに、公的なものを一部入れましょうというマッチングの議論なのだろうと。これは、新しい社会福祉の受け皿の議論を、今、しているのだろうと思うのです。
 ですので、私は、移行が前提だということがありつつも、一方で、そこで暮らしていかざるを得ない人たちは、私は出てくると思います。それの現実をもっと踏まえた上で、きちんと、将来的な議論を、今後、私は継続していただきたい。
 今回は規制の議論から始まったので、どうしても色合いが、いかに抑えるか、いかに乱暴な人たちが出てこないか、これは大事な議論だったと思うのです。それは、それで、一定、私は認めますし、そういう乱暴な人たちがいたというのも、先ほど大阪市さんの御報告にもありましたけれども、あったのだと思います。だから、規制の議論をきちんとやったということを今回踏まえた上で、今後、30条を踏まえた上で、移行ということのみに特化するのではなくて、やはり、私は、この議論にあるべき論が足らないのだと。今から先の社会、何がどうあるべきなのかということを踏まえていただきたいというのが、第1の私の思いです。
 2つ目の思いとしては、やはり経営的な面をどう考えるのかと。実際、つくったはいいけれどもやれないよという、そんなのでは。
 例えば、15対1で専従職員を配置するということなのです。そうなると、おのずとコストというのはもう見えているのです。最低幾らかかるかというのはわかっているのです。だから、その上で議論をしていかないと、この議論は、やったところで誰もやらないよと。
 あるいは、前回から言っていますけれども、これは契約施設であると。いわば民間、民民の契約がベースになっている。しかし、唯一違うのは委託費用である。ここで公的なコントロールがきいてくるということなのです。ですから、ベースが民間契約で、一部、委託で公的なコントロールをきかせるという非常に難しい、どこまでが自由裁量なのか、どこまでが公的な規制なのかということが非常に曖昧なまま始まる。
 一方で、社住のほうです。従来の無低のところは、いわば上限規制もないわけです。しかも専任でいく。専従ではないということになると、私は、一部やはり経営のことを考えると、無低にとどまるという人たちは出てくるのではないかと。せっかくいい議論をして、新しい社会資源をつくろうとしてきたにもかかわらず、民間の契約のところにとどまっていく。広さの規制とか、今回、いろいろ入りましたけれども、私はやはり、前回も言いましたように、一部委託が入ることによって、新しい社会資源としての、社会全体の意味合いが出てくるというところにロマンを感じているわけです。ここから先の日本の社会のあり方、受け皿のあり方ということがあると。
 ただ、このままいくと、先ほどからの議論を聞いていまして、行政の皆さんの御心配されていることはよくわかるのですけれども、ならばもう委託費を取らないと、自由で行きますという人たちが、私は一定出てきてしまうのではないかと。それでいいのでしょうかと。これは、大分前に山田先生が心配されたところだと思うのです。こちらの上限を決めないのだったら社住に残るのではないですかという話を、以前、たしか言われたと思うのですけれども、私もやはりその危惧あると思うのです。ですから、やはりきちんとしたコントロールがきく委託費をちゃんと受けた形で、社会資源としてどうやっていくのかというところを、そこのところを、そちらに集約させるような形で、そこにきちんと受け皿をつくっていくような形で、今後のさらなる検討を続けていただきたいというのが2つ目。
 最後、3つ目として、今後の話として、これを新たな社会資源として広げていくためには、やはりイニシャルコストの部分をどうするのかということは、やはり大きな課題になると思います。
 今は、既にある1万5000人なりが利用している無料低額宿泊所の規制等、それの再利用、いわば、改善した上で再利用するという議論にとどまっていますけれども、今後、この部分のニーズがふえるのかどうか、そこも踏まえた上で、新たにつくるのだったら、この基準に見合うきちんとしたものを新たにつくっていくということはどうするのか、その部分のイニシャル的なものに関してもどうするのかというのは、やはり私は継続的な議論をしていただきたい。
 それと同じく、来年の推進事業で検討するということになっていますけれども、研修のシステムと個別支援計画のあり方についての検討は、早急にしないと、10月スタートなので、スタート時点で帳票の形も決まっていないということになれば、これはコントロールがきかないと。私は他の施策でホームレス関係とかいろいろ見てきて、やはりスタート時点で帳票等の統一がないと、後で施策の評価できないのです。それぞれの施設のやり方になってしまうので、何がいいか悪いか。このあたりは水内先生が一番よく御存じだと思うのですが、よくわからなくなってしまいます。
 そこに調査をかけるというのはすごく大変で、そうなると、これからどういう施設を新たにつくっていくかということを踏まえた上で、やはりこの個別支援計画と人材育成のシステムに関しては早急に、社会福祉推進事業ということになると来年の4月以降ということに限定されるのでしょうけれども、4月から始めて、10月実施に果たしてその研究事業で間に合うのかなというのも心配していまして、このあたりはどうでしょうかということも踏まえて、今後のあり方についての検討は継続して行っていただきたいというのが私の意見です。
 3分で収まりませんでした。ごめんなさい。
○岡部座長 事務局、お願いいたします。
○梶野保護課長 どうもありがとうございます。
 社会福祉全体におけるあるべき論につきましては、研究事業でも実態を把握していきながら、全国で、日常生活支援のいろいろなパターンがあると思うのですけれども、そういうものを把握しながら、研究事業だけなのか、そのほかの場も含めて、福祉全体における位置づけについて、家族機能の代替とかいろいろな議論があると思いますけれども、そういったところで引き続き検討したいと思います。
 それから、単価ですけれども、15対1で専従ということで、年末に向けて予算、これから単価は大詰めですけれど、しっかり積算をして、要求をしていきたいと思っています。頑張っていきたいと思います。
 それから、日住にならない無料低額宿泊所についても、その基本サービス費は省令の規制にのっとった形になるということを申し上げておきます。
 それから、研究事業も、なるべく早く準備をして進めてまいりたいと思います。
○岡部座長 事務局、お願いいたします。
○西澤保護事業室長 帳票とかの統一の件は、研究事業が始まる前ということで、ある程度省令とか通知で考え方は整理した上で、さらにそこで調査をしていくということで二段で考えていきたいと思っています。
○岡部座長 大西構成員、お願いいたします。
○大西構成員 全体を通して大変不安です。
 もとに戻るようですが、宿直員を置いたら加算とか、コスト面でいけば、いろいろなっていますが、当初これでどうだといったとき、火災の問題とか、いろいろな事例があって、そういったことがないようにということも含めて、この検討会が始まったのですけれども、その辺が曖昧に、ルールとして決められない中でスタートしてしまって、また同じようなことを起きるのでないかという懸念は持っています。
 ですから、コスト等の面でいけば、事業者側が考えて、コストに見合う支援をするわけですが、その辺は、公費は入ったけれども、ある一定、事業者側の裁量によるという形でいけば、公費が入っているのにもかかわらず、また火災で焼け出される、亡くなる人がでるというような事例が出てくるのではないかという、その辺、火災対策の面一つをとっても、公費を入れるのであれば、やはりそれなりのコストを見込んでいかなければいけないのではないかということもあるだろうし、中途半端をしないでほしい。それから、奥田さんがよく言われている、1.5種。1種、2種がありますが、1.5種に届かなくても、いわゆる住居と施設の間にそういった新しいものができるというのですが、そこに公費が入る以上は、ある一定の縛りも必要だろうし、そういったリスクに対することも、支援費の中に入って、委託費の中に入ってこなければいけないのではという思いもあるので、整理が中途半端なままでスタートして、後々、同じような結果だったということにならないかという危惧はずっと持っています。
 これは最終会ということで、今さらもとに戻ったような、いろいろな心配事をお話ししても切りがないのですが、やはり、事あるたびに検証して、公費を入れるのであれば、費用に見合った形の結果が出るようなことを常に見ながらやっていかないと、社会福祉住居施設に手を挙げない無届けの施設の問題もございますし、その辺も全部広げて、しっかり今後を見ていかないと、同じ結果がずっと続くのではないかという危惧を持っています。
 ちょっとまとまりないのですが、全体を通して生煮えの形でスタートするのは不安な感じがしていますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○岡部座長 保護施設の代表として、お願いいたします。
○大西構成員 この資料にある個別支援計画とか、いろいろ支援というような言葉は、保護施設にもあるわけです。しかし、15対1のような体制で想定されている個別支援計画と、私どもの個別支援計画は、資料の上では同じ文言を使っているのですが、全く違うものかなという思いを持っています。
 保護施設では、とてもではないですが1人で15人の個別支援計画をつくって、それに沿った支援をするというようなことは絶対に無理です。その中身について議論をしても時間が足りないと思うのですが、文言だけを見ると、似通っているというような話になってくるので、その辺、行政の方からすると、大体おわかりの方もおられると思うのですが、実際それに沿った支援といっても、とりあえず預かってもらっていますよねという、その場しのぎにならないのかなというような思いを持っています。
 それは、奥田さんの言われるコストにもはね返ってくるのですけれども、だから、その辺の違いというのを、しっかり福祉事務所、ケースワーカーがわかって、その人に合った措置というか、日住にするのか保護施設にするのかというその判断をしっかりできるような体制を、実際にケースワーカーに対して指導していただきたいと。
 もとは、もう何回も言っていますが、ケースワーカーの資質にかかってくると思いますので、そこだけは引き続きよろしくお願いしたいと思っています。
○岡部座長 ありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○梶野保護課長 この日住、これから新しくできる制度ということで、今まで例がない、制度として新しいですので、しっかりやっていくということに尽きると思います。
 12回御議論いただきまして、無低の規制の最低基準をつくって、その上で6回、日住の支援の要件等を議論いただきましたので、これに基づいて各自治体の方の御協力もいただきながら、実態をよく把握して、きちんとした制度になるようにやっていきたいと思います。
 それから、個別支援計画も、繰り返しになりますけれども、有識者の先生等に実際的な御意見を伺いながら、専門的な観点から研究事業の中でつくってまいります。
 以上です。
○岡部座長 山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 直接、この日住とかの話に関連しないので、余り言っていなかったかもしれないのですけれども、今回の検討会の、特に後半のところで論点になったのは、居宅生活が困難というのはどういうことなのか、ということだったのではないかなと思うわけです。それについていろいろ議論して、煮詰まっていない部分もあると思うのですが、これは今の制度で言うと、資料の2の3ページ目ですか、今の通知の中でも、居宅生活が困難な場合というのはどういうことなのかというのが、敷金支給の要件のところで出てきていて、実施要領もそうだし、特に問答集のほうですが、たくさんの項目が出てきて、全ての点を満たすことを要件というわけではないとは書かれているものの、一つでもできればいいかというと、そうでもないのかもしれなくて、結局、実際の運用の中で、自治体にもよるとは思いますけれども、こういうことがたくさん羅列されていると、やはりこれぐらいのことができるようにならないと敷金が出ないみたいなことに使われているのではないかと思うのです。
 前回、辻井先生の報告の中でも、生活能力の判定の中で、無低で生活がしていると、生活能力が低く出てしまうみたいなことがありまして、例えば、食事で言うと、「食事の支度ができるか」という項目があって、できないから居宅生活が困難だと評価されて無低に入居するけれども、無低で食事が出るから、食事の支度ができなくて、居宅生活が困難だと評価されてしまうみたいな堂々めぐりになってしまって、この通知が出てからもう10年たつわけですし、今回、居宅生活が困難というのはどういうことなのかということが、不十分ながらも議論されてきたと思うし、それをあらわしているのが日住だと思うのです。居宅生活が困難な人たちを受け入れるということなので。
 なので、今回の議論を踏まえて、敷金支給の要件についても、今後、見直していただくことが必要ではないかなということを感じました。
 以上です。
○岡部座長 ありがとうございます。
 藤掛構成員、お願いいたします。
○藤掛構成員 新宿区福祉事務所の保護担当課の藤掛といいます。
 なかなか予定が合わず、参加できずに代理人を出席させたり、一応、全部情報は入って、大丈夫なのかみたいな話を庁内ではしてまいりました。3分を超えてしまうかもしれませんけれども。
 私のところは、行政は行政ですけれども、福祉事務所の最先端のところを行っていると自分では自負しております。私は、現場のケースワーカーから査察指導員を経まして、現場の課長になったという、新宿区では初めてスペシャリストと言ってもいいのではないかという話もありますけれども、その現場でしか経験がない、なおかつ、住所不定をずっと12年間ほどやってきまして、そこの課長になっているというものでございます。
 そこで、感想といいますか、今後の不安とか、これはやってほしいというところも、話がバラバラになってしまうかもしれませんけれども、新宿区としましても、実はこの日常生活支援住居支援の話が出たときに、本来は、先ほど奥田さんもおっしゃったとおり、居宅生活に向かってはいくのですけれども、そこに到達がなかなかできない方、それで、無料低額宿泊所等を使うしかない方というところが、かなり新宿区ではおりまして、10年前、1,000人を超えていたホームレスが、ことしの夏の調査では百数人になって、10分の1ぐらいになった。その間には、当然、社会情勢もよくなってきたというのもあるのですけれども、新宿区独自でやってきたホームレス支援というのがかなり評価されています。
 現場なので、実は新宿区は簡易旅館等での保護を行っております。そこの中には、当然無届けの施設も今あります。簡易旅館も無料低額宿泊所もあります。その中で、どうやってホームレスの方々を社会復帰させるのか、社会復帰に至らない場合は、どちらの方向に位置づけてあげるのかというのを考えて支援をしてきた次第でございます。
 その中で、この日常生活支援住居施設に当たるようなところの業者さん、NPOさんと、ここ10年ぐらいずっとやってまいりました。多分、いろいろなことがあって住所が置けなくてアパートに行けない方、それから、先ほどいろいろな項目があるのにほとんど当てはまらないけれども、施設にも行けない方、いろいろな方がいらっしゃるところで、この日常生活支援住居施設のようなものを、もう既にお願いしているようなNPOもございます。そこで、一緒に考えてきたのが、新宿区として独自の訪問サポート事業というのがあるのですけれども、そういうのをくっつけてみて、居宅に移行していったらいいかな、もしくは、居宅に行けないまでにしても、見守りをお願いするような制度を独自でつくって事業化しているものもございます。
 逆に言いますと、簡易旅館の事業者さんともよくお話をいたします。その中で、日常生活支援住居施設にほぼ近いようなところもあります。そこは、新宿区として、そこをきちんと、当然ですけれども、毎月のように訪問をケースワーカーがしまして、事業者のオーナーさんともきちんと話を毎年行っていまして、きちんとした施設である、貧困ビジネスではない、社会福祉の気持ちがあってやっているというオーナーさんも中にはいらっしゃいます。それが新宿は数名いらっしゃるのです。そういった方々をと一緒に支援してきたところの結果が、ホームレスが10分の1になっているというところに見えてきているのかなと思います。
 本当にはっきり言ってしまいますと、実施してくれる方がいらっしゃるのかなと。行政なのにそんなことを言っていいのかなと思いますけれども、本当に不安でございます。
 その中の1個といたしましては、17ページの下のほうに住宅扶助の部分がありますが、この住宅扶助の部分で、例えば、5万3700円で、都内、新宿区だとそのような状況なのですけれども、特別基準が6万9800円で、そこの中からも1部屋ですから、本当はそんなにかからないかもしれないですね。
 その中から人件費等に回している可能性もあります。大きな声では言いません。こんなところで言ってはいけないと私は思いますけれども、その部分が、もしも、この後、住宅扶助基準が下がった場合に、そのところも含めて、きちんとした制度として、この日住、生活支援部分の委託費がちゃんと保障されるのかというところで、事業者さんから結構声が来て「藤掛さん、どうなのですか」などと言われても「まだ、わからないのですよ」というところであります。
 多分、そこの辺の、先ほどから出てきていますコスト面が非常に重要かなと。そこでコストが余り変わらない、もしくは下がるなどというところがありましたら「私はやりません」と言われたらば、新宿区としては、お願いするところがほぼなくなってしまいます。
 新宿は個室の無低とかを持っているのが非常に少ないところなのです。台東区とかは山谷地区がありますから個室なのですけれども、新宿は非常に少ない、相部屋がものすごく多いところでございます。そういうところで手を挙げてくれるような事業者さんがいなければ、今までどおり認めてくれればいいよと、今までの基準の中でやると、無低にもなるのが嫌だという事業者も中にはいらっしゃる。だけれども、資源が足りないので行っている。新宿区としては、そこは大丈夫だという判断をしているわけです。そういった不安の中で、現場の福祉事務所として行っている。
 もう一つ、また話が変わるのですけれども、先ほどケースワーカーの資質にかかっているというお話をしていただきまして、本当にケースワーカーがこれを判断して入れる、復帰に向ける、社会に出ていってほしいわけです。きちんと社会生活をして行ってほしいというところでございます。その判断を、新宿区では、査察指導員を含めて指導を行い、人材育成を非常に細かくやっている次第でございます。ケースワーカーを含め、あと、査察指導員です。ケースワーカーを育成する側、査察指導員も含め、なおかつその上にいる福祉事務所長、課長級ということです。現場を知っているものをきちんと配置して、人材育成を図っていったところで、この日住の話がさらに活かされてくるのかなと思います。
 最後になりますけれども、今後も、この日住というのはどういうものなのか、せっかくいいものをつくろうとしているのですから、議論は続けていっていただきたい、なおかつ、現場の福祉事務所の一つの声は協力していきたいなと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 長くなって済みません。
○岡部座長 ありがとうございます。
 山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 今のお話の中で、住宅扶助の減額をされてしまうとなかなか受け手がないというお話があって、実態は多分そうだと思うのです。そのときに減額適用をおくらせるというのは本末転倒な話で、住宅扶助基準を引き上げる議論をすべきだと思うのです。東京都では、5万3700円というのが、健康で文化的な最低限の住生活を保障するのには実態として見合わないということであれば、そこを引き上げた上で、狭小な面積のところについては減額をしていくということだと思います。基準部会の中で、減額が必要ではないかというのが指摘されてから5年ぐらいたつわけで、そちらのほうの議論というのも、ぜひ。
 これは多分、東京だけではなくて、低家賃住宅というのが十分に確保されていないというところがあると思うので、そこは住宅扶助基準を引き上げた上での減額措置というのも考えるべきではないかなと思います。
○岡部座長 水内構成員、お願いいたします。
○水内構成員 公務の都合で3度連続欠席になりましたので、いただいた議事録等々で確認しましたが、十分に委員会の議論に貢献できなかった点は申し訳なく思っております。俯瞰的な観点から、検討委員会の到達点が何かということを、与えられた3分をオーバーしますが振り返ってみたいと思います。
 私はどちらかというと、ホームレス支援あるいは居住福祉支援をやっている事業者のサイドから、長年いろいろな調査をさせていただいておりました。なので、もともとホームレスという方々の不安定居住状態を、どのような中間施設を挟んで、その後地域で安定的に暮らしていただけるかということに調査の主眼を置いてきました。その過程において中間施設運営が貧困ビジネス批判にさらされ規制の議論が先行する中、いわゆるハウジングというものを核にした支援が、なかなか落ち着くところを見いだせなかったという時期がずっと続いてきました。
この委員会での到達点は、不安定居住の方を中間施設においていかに安定的な支援のもとで暮らしていけるかについて、一つ制度導入を果たしたのではないかなという意味では、ある種、感慨深いものがあります。1.5種と呼ばれるような優良無低がこういう形で認証されるということで、実現したのではないかと思っております。
 3点気づいた点を述べさせていただきます。辻井先生の宿泊所の調査で明らかになっておりましたが、10年ほど前から、ついの住みかとして利用されておられる方が、我々がいろいろな調査させていただいているNPOさんで、4割近いかなりの数になっている実情が調査で見えてきていました。この部分がある種、今回の日住の制度化でもって解決されたのかなと考えております。ただ、その解決度合いが、どれぐらいのパーセントになるのかというと、これはまだ読めないことが多々あるかと思われます。
 要するに、ごった煮的にいろいろな段階の方々を支援する状況の中で、日住はこういう無料低額宿泊所、あるいは届け出なしの支援つき住宅の中で、一部透明化し制度にのせたということではないかなと思っております。
 そういう意味では、貧困ビジネス感という、常につきまとわってきたラベリングや批判を、ある種払拭することになるのではないかなというのが1点目でございます。
 2点目につきましては、では、残る部分がどうなるかということが大変気になっております。
 多分、新たに社会福祉住居施設とネイミングされる中、先ほどからもずっと出ておりますが、日住にならない部分、それから、届け出なし支援つき住宅に関しての問題についてです。今までは、住宅扶助というものをうまく利用しながら、しかも、低コストでハウジングを利用する、要するに遊休資源のハウジングを利用したりするということで、イニシャルコストを極力抑えつつ運営を行ってきました。それが同時に住宅環境、居室環境の面で課題を生んでしまいました。日住的部分が切り離されると、どうなるのかなというところが、大変気にはなっております。
 その住宅扶助を核にした支援というものの柔軟さを、この住宅扶助の面積による低減化によって、損なわれる部分に不安が生じてきます。この部分を今後どのように見ていくのかというのが、次の課題なるのかなということです。
 一時生活支援事業というものと、今後の社住あるいは届けなしの支援住宅との間にも、一連の関係がございます。というのも、入り口の一時生活支援でかなりの自治体が、既にシェルター的な部分を持っていて、半年まで支援が入ります。この部分には委託経費が出るのですけれども、その後、日住との間にすぽっと委託のない部分ができてきます。このすき間を、居住福祉的観点からどのように支えていくのか、という課題に読み換えることができます。これは国交省の住宅セーフティネット法とも絡んで、居住支援法人とかがいろいろ出てきて、この部分を何とかしようと、今、策を練っているところでございます。相当な数の方々がこの範疇の中間施設を利用されるので、次の課題は、調査も含めて、日住から切り離された部分と、一時生活支援の出口以降の部分で、どのような施策を考えていくかになります。
 基本的に民民でやっておられたことを、貧困ビジネス批判において日住をその呪縛から切り離したわけなのですが、何も委託も入らないこの部分で、社住や届け出なし支援住宅が今後も存在していくとなると、いろいろな意味で依然貧困ビジネス批判にさらされる恐れもあります。しかし、役割としては、新宿区さんがおっしゃられたようにかなり重要な部分を占めていられると思います、日住を選択しない業者さんもおられると思いますので、この辺をどう整理していくのかというのが、2番目の問題なのかなと思っています。それに関しては調査も要るであろうと思っています。
 3番目、最後ですけれども、一時生活支援事業の調査も、今、同時にしております。居宅生活ができなく、支援のセーフティーネットに入って、シェルターとか宿泊所とか支援つき住宅に入ります。これを暫居、しばらく住む暫居という状態であると定義しつつあるのですが、一方で居宅移行が定住になるかと言われるとなかなか難しいところがあります。ぐるぐると居宅、路上、中間施設を往還してしまうという暫居スタイルがかなり多くを占めるになってきています。その中で福祉に頼らず働いている方もおられるというのが、今の社員寮、派遣寮の実態でもございます。
 要するに、社会包摂って言葉でずっと言ってきましたが、私は最近、経済包摂という言葉を使うようになりました。いわゆる、請負派遣のような社員寮さんが飯場というネイミングから変わって今いっぱい出てきています。全国的に調査をしている最中なのですけれども、住み込みというのも再び脚光を浴びています。この部分で、不安定居住的な方がたくさんおられ、部分的には就労で回収されるのですけれども、かなりの部分半福祉、半就労的なやり方、あるいはその往還というのも見られるようになっています。派遣の業者さんも生困の窓口に営業をかけたりもされています。
 なので、日住とは全く同じ不安定居住の中でも、対照的に経済包摂的に位置づけられる方々の存在も一方で見えてきてます。大阪も、今、繁栄しているように見えていますが、東京のオリンピックの後も考えると、かなりのこの部分の仕事で経済包摂されている方々が、どっと不安定居住に陥って、このすき間に落ちていくのではないか、社会包摂を要する人が大量に出てくるのではないかとの不安を持っています。このすき間では、社住あるいは届け出なし、あるいはシェルター部分で抱えていく部分になろうかと思います。今回の日住では一つのグループ階層を制度のもとに乗せて発進させたと思うのですけれども、このような次の課題層が出てくるのかなという感じがしております。
 大阪市さんも、先ほど他法他施策でということを言っておられました。生活保護へのプレッシャーを、なるべく他法他施策にやれるように促そうということですが、なかなかそうは現実はいかない部分があって、そうなってきますと、生活保護の柔軟性、幅広なところをうまく生かすべき、ではないかなと思います。
 そのためには、インテークの部分での「目利き」というのが大変重要になります。今、全国の生活困窮の調査の中で、かなりの部分で社協さんがいろいろと窓口になっており、相談者の不安定居住を目のあたりにして、今までは福祉事務所による生活保護一辺倒だったところに、社協さん、社会福祉法人さんやNPOさんによる生困が入ることによって、あるいは絆再生で培われたNPOさんの力というのもあって、もう一つ新しいセーフティーネットが本格的に機能し始めてきていることを、調査でひしひしと感じています。居住福祉の社会資源を動かしていくという状況も出てきたわけです。このインテーク部分の幅の広さ、バラエティを保証していくためにも、直営の福祉事務所さんだけでなく、生困の部分との一種の共働というのが、大変重要になってくるのではないかなと思います。
 大阪市さんや横浜さんでは生困が各区に全部ありますが、生困が京都は一つしかないし、名古屋の3つという地域間のアンバランスがあって、なかなか足並みはそろいません。しかし少なくとも大阪とか横浜さんを見ていますと、その辺、交流というかいろいろなネットワークの動員というのも行われると思います。この辺を含めて、日住後の、もう一つの居住福祉セーフティーネットというのを体系的に考えることも重要なのかなと思った次第です。
 長くなりましたが、以上です。
○岡部座長 ありがとうございます。
 西脇構成員、お願いいたします。
○西脇構成員 今回、もともと無低の規制の強化の観点から始まったので、議論が無低で、今回、日住という形で議論をさせていただいたのですけれども、最初に奥田委員のほうからもお話あったとおり、実はこの制度だけの話ではなくて、やはり他法の施設も含めた全体の観点で、本来であれば議論すべきだったなというのは感じたところです。
 他法も含めたのもそうですけれども、例えば、生活保護法の中の保護施設との関係だけでも、実際、実はこの無低、特に、今回の日住の関係を議論している中で、都内でもいろいろな保護施設の部会、救護施設あるいは更生施設の関係者から、一体どういう形の人が入るのか、どんな施設が入るとか、あるいは自分たちの施設との関係はどうなのかということが非常に関心を持たれているところでございます。
 ただ、その辺の議論の整理ができない中、特に保護施設の関係となると、やはりここの場というよりは、多分、ほかの場になるかと思うのですけれども、そことの関係の整理というのを、今後、引き続きやっていかないといけないかというのは強く感じたところでございます。
 あと、本当は、今回の日住の前でいろいろ議論すべきだったと思うのですけれども、先ほどから無届けの話がちらほら出ていると思うのですが、やはり法令上、一応、要件を満たすけれども届けを出さないところについては指導する。状況によっては事業停止などをするという形で法律上はなっているのですけれども、その具体的な、例えば、事業停止するための基準等は、この場では議論できなかった。厚労省さんのほうからもいまだに示されていない状況なので、そこのあたりは、ぜひ示していただかないと、逆に都道府県としても自治体が処分をしたくてもできないという状況になりますので、そこは具体的なものを示していただきたいなと思います。
 あと、最後は感想になるのですが、この制度も含めてですけれども、やはりどの制度、最初に始めるときは、やはり試行錯誤にならざるを得ないかなと。この制度も、最初はやはりどうしても試行錯誤にならざるを得ないかなと、それもやむを得ないことかなと思っています。
 ただ、制度を始めたからには、当然、制度として良い制度にしないといけない。それは、やっている間にいろいろ試行錯誤をして、検討会も継続するということですので、継続する検討会の中でも議論をして、制度として良きものにしていかなければいけない。それは当然、厚労省さんと都道府県、あと、福祉事務所さんと事業者さんと、いろいろ話し合いを続けながら、やはり良きものにしていかないといけない。こうなると、試行錯誤と言いながらも、最初の出だしで躓いてしまうと、制度自体が一体何だったという話になりかねませんので、やはり、最初の段階で、躓かないような形にするのはどうしたらいいかということで、それについては、引き続き厚労省さんと、あと当然、福祉事務所さんと事業者さんと話をいろいろ続けさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私のほうからは以上です。
○岡部座長 ありがとうございます。
 向井構成員、お願いいたします。
○向井構成員 私は今年度から参加をさせていただいたのですけれども、この議論の中でずっと思っているのが、支援の必要な人は、狭い部屋でもいいのかとか、サービスにお金がかかるので、本人の自由になる生活費は少なくてもいいのかというあたりが、ずっと疑問としてはありました。
 大西会長も、生煮え感があるということで言っておられたのですけれども、少なくとも一時的な居場所である無低の上に立つ日住に関して、この議論の中でも、中京大学の辻井先生もおっしゃっていましたけれども、支援が必要な方にきちんと支援をすることが必要なのに、この狭さで、この金額でいいのかというあたりも含めて、いろいろ考えていかないといけないところがあって、大西会長の不安と似ているのかどうかわからないのですけれども、例えば、精神科病院がたくさん必要になったときに、公的なところではなくて民間でわ~っとやっていった、そうしたら、今、蓋を開けてみると、長期入院になってずっとそこにいてしまっている、なかなか出しにくいというのが現状としてあります。
 OECD諸国の中でも、日本の精神科病床の数はすごく多くて、減らすことができない。この日住が、今は必要だと思うのですけれども、それをきちんと運営していくためにも、ほとんどの委員の方がおっしゃっていましたけれども、やはり、福祉事務所のほうで、法定受託事務としてその方の支援を決定するということは非常に大切なので、きちんと現状を注視しながら、自立に向けた支援というのを行っていかなければならないですし、今後は、この日住の職員の方たちと、きちんと連携協力をしながらやっていく必要があるのかなと感じました。
 以上です。
○岡部座長 ありがとうございます。
鈴木構成員、お願いいたします。
○鈴木構成員 やはり、住まいの課題というのは本当にあるのだろうと思っています。国交省の新たな住宅セーフティーネットなど始まって、取り組みなどもされていますけれども、まだまだ課題が解決されたとは思っておりません。
 そこで、住まい、施設という話がありましたけれども、やはり、住まいも施設も含めて、地域の中でどう生活していくかということだろうと思うのです。国のほうにおいても、地域共生社会とか、今、包括的相談支援体制などが検討されていきますので、やはりそういう中でどんどん議論されるべきだと思います。
 今回は、あくまでも第2種の、生計困難者のために、無料または低額な住居等を利用させる事業についての整理で、その中で、社会福祉住居施設という宿泊を伴う事業は、そのように整理され、そして、生活保護法の中で委託という考え方が示された以上、やはり、生活保護法にのっとった、最低生活保障と自立の助長ということで、やはり自立の支援のための委託なのだというところを明確にすべきだろうと思っています。
 ですので、繰り返しになりますけれども、ハード面は、条件もできましたので、そこはきちんと遵守していただいて、その上で、やはり自立の支援をするには人手がかかるというのは事実ですので、そういった部分をきちんと委託で支払っていくというものにすべきだと思います。
 以上です。
○岡部座長 ありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○梶野保護課長 いろいろ御意見をありがとうございました。
 まず、山田委員の御意見の、特に資料2の3ページの、日住の支援が必要だという判断ですけれども、これもこれからスタートということで、蓄積をしていくということが重要だと思います。いろいろ御意見をいただいた中では、要介護認定のようなところまで、画一的なところまではなかなか難しい。藤掛委員からも御意見をいただきましたけれども、この項目に当てはまらないけれども支援が必要な方もいらっしゃるということで、辻井先生の研究も踏まえて、蓄積、研究をしていくということと考えています。
 それから、減額についても、予算等が影響しますので、その中で、いただいた御意見も踏まえて検討したいと思います。
 それから、水内委員の御意見、ありがとうございます。たくさん課題があると思います。日住が今回、制度として位置づけられますので、切り離されるというか、切り離されないように、現場がきちんとうまくいくようにやっていくということだと思います。
 それから、一時生活支援事業との連携とか、その辺も課題だと思いますので、社会局の困窮室、それから国交省ともいろいろ意見交換しながら、よく検討したいと思います。
 もちろん、繰り返しになりますけれども、その際は人材育成が大事ですので、その研修のための研究事業をやっていきますので、そこでもよく検討したいと思います。
 他法他施策、保護施設、住まい全体、全体像で見ると、考えなくてはいけない課題はいろいろありますので、そこも含めて、今回は無低の規制と日住の要件を、制度創設に当たって御議論いただいたところで、課題はいろいろありますので、研究事業なりいろいろなところで、また御意見、御助言をいただければありがたいと思っております。
 以上です。
○岡部座長 ありがとうございます。
 時間が迫ってきましたので、最後に座長として一言述べさせていただきます。
 皆様に活発な御議論をしていただき、ありがとうございました。この議論につきましては、中長期的に見れば、地域社会において福祉資源をどう配置したらよいのか、社会福祉全体、また、それ以外の政策も含めて検討しなければいけないことではないかと考えております。
 その中で、今回の日住の議論は、新たな社会資源を創出し、育てていく観点から考えていただいたほうがよいのではないかと考えます。本案についていろいろな課題を出していただきました。本案を精査し、より充実したものにしていければと考えております。
 さて、生活保護は、社会保障制度の根幹を成す制度です。本制度が基本となって、社会保障、社会福祉制度が発展してきた歴史があります。生活保護制度は、健康で文化的な最低限度の生活を保障する最低生活保障の側面と、生活再建に向けた大事な援助・支援を行う目的があります。皆様に御議論していただいたこの日住を、本制度の目的の趣旨に即して検討していただきました。
 基本はその人たちの利益、すなわち最低限度の生活と生活再建に資するようなものになっているかどうかになります。そのことに対して、ハードの部分とソフトの部分の最低限の基準を設けることを皆様に御議論をしていただきました。極めて低劣な居住環境の中で、また十分な支援を行えない中に利用者がいることは、利用者の利益に反することになりますので、今回基準の設定を行うことにより、より建設的な内容になったのではないかと思っております。
 そこで、居宅保護の原則は生活保護の基本になっていますので、それによりがたい場合については、施設保護を行う、救護施設を初めとする保護施設、それと、他法他施策における施設がそれに当たります。そう考えたときに、この日住が一時的に宿泊する場として考えられます。
 また、もう一方で、保護施設だけでなく他の福祉施設においても、居宅移行を前提として考えておりますので、その観点からすると、日住が一時的な施設であると規定し、居宅移行を目指す、それにより難しいという場合については、保護施設や他法に移行する。それら施設においても居宅移行を目指すということを確認しておかなければいけないと考えます。
 それともう一つ、構成員の方もおっしゃられましたように、社会福祉法の第3条に利用者の意向の尊重というのが、第一に福祉サービスの理念として書かれております。意向の表明をきちんとできる支援をそれぞれの場で行っていかなければなりません。
 それが難しい場合、成年後見制度や社会福祉協議会の日常生活自立支援事業等を活用していただくことも含めて考えていかなければと思います。
 事務局、構成員の方からもだされております福祉サービスのハード面はきちんとしなければいけない、もう一方で、対人サービスの担い手が誰かによってサービスの質が決まってきますので、そこにおいては適正な人員配置を行うことが必要と考えます。
 それは、日住だけでなく、生活保護の決定や支援を行う生活保護の実施機関の職員の方の資質、専門性が大きく左右しますので、日住の施設を経営する事業者と職員と、生活保護の実施機関が一体的に支援をしていただいたことで、日住が新たな社会資源としてスタートすることができます。そのための基準や体制、支援、内容を今後も精査いただければと考えます。
 最後に、議論ができましたこと、構成員の方々と事務局の方々にお礼と感謝を申し上げたいと思います。誠にありがとうございます。
 では、冒頭に申し上げましたとおり、本検討課題での議論は、まず本日を一区切りということですので、事務局から今後の予定についての御発言をお願いいたします。
○西澤保護事業室長 事務的なスケジュールでございますが、今後、検討会でいただいた御意見をもとに、日住の認定要件、委託費の設定に向けた作業を進めていきたいと思っております。
 委託費については年内に成立し、来年度予算に反映することにしております。認定要件につきましては、委託事務費とあわせて整理しつつ、年明けには原案をまとめてパブリックコメントなどを経て、予算成立後に公布できるように進めていきたいと思っております。内容が固まりましたら、皆様に御連絡させていただきたいと思います。
 局長から一言ございます。
○岡部座長 局長、お願いいたします。
○谷内局長 この検討会の区切りに際しまして、私から一言申し上げたいと思います。
 この検討会におきましては、昨年の11月5日から本日までの計1年1カ月の間、無料低額宿泊所及び日常生活支援住居施設につきまして、計12回にわたりました。途中で構成員の変更もございましたけれども、活発な御議論をいただきました。改めて検討会に御参加いただきました構成員の皆様、また、ヒアリングに御協力いただきました事業者の皆様に感謝申し上げたいと思います。
 ただいま、室長の西澤から報告させていただきましたとおり、これから日常生活支援住居施設の認定要件や事務委託費につきまして整理していきたいと思います。検討会でいただきました意見が反映できますよう努力していきたいと考えております。
 また、本日の検討会におきましても、制度施行が、本当にうまく、スムーズにいくのかという御不安の声もいただきました。また、制度施行後におきまして、実施状況の検証を行って必要な見直しを行うようにとの御指摘もいただいております。
 本検討会での議論は一旦、本日で一区切りといたしますけれども、制度がよりよいものとして発展していきますよう、今後とも皆様方の御協力をいただきたいと思いますので、引き続き、御指導、御鞭撻をよろしくお願いしたいと思います。本当に、皆様どうもありがとうございました。
○岡部座長 事務局には、検討会で出された意見等を十分に踏まえて、制度設計及び必要な見直しを継続して行っていただくことをお願いいたします。
 それでは、これをもちまして「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」を終了させていただきます。
 本当に皆様ありがとうございました。